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最高裁 / 民集登載249件
一、入会部落の総有に属する土地を買い受けた同部落の構成員と民法一七七条の第三者 二、一筆の土地の一部の所有権時効取得と対抗要件
最高裁判所第二小法廷昭和48年10月5日昭和47(オ)1188民集 第27巻9号1110頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、入会部落の総有に属する土地の譲渡を受けた同部落の構成員は、右譲渡前にこれを時効取得した者に対する関係において、民法一七七条にいう第三者にあたる。 二、一筆の土地の一部を時効取得した場合でも、右土地部分の所有権取得につき登記がないときは、時効完成後旧所有者からこれを買い受けた第三者に対抗することができない。
参照法条民法162条,民法177条,民法263条
土地およびその地上建物の所有者が建物の所有権移転登記を経由しないまま土地につき抵当権を設定した場合と法定地上権の成否
最高裁判所第三小法廷昭和48年9月18日昭和45(オ)989民集 第27巻8号1066頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地およびその地上建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合であつても、法定地上権の成立を妨げない。
参照法条民法177条,民法388条
借地法一〇条の建物買取請求権と土地賃貸借の合意解除
最高裁判所第二小法廷昭和48年9月7日昭和46(オ)528民集 第27巻8号907頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物とともにその敷地の賃借権を譲り受けた者の有する借地法一〇条の建物買取請求権は、賃貸人が賃借人である譲渡人との間で賃貸借契約を合意解除しても、特段の事情がないかぎり、消滅しないものと解すべきである。
参照法条民法545条1項,民法601条,借地法10条
民法四六六条二項但書と重大な過失のある第三者
最高裁判所第一小法廷昭和48年7月19日昭和47(オ)111民集 第27巻7号823頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨譲渡禁止の特約のある債権の譲受人は、その特約の存在を知らないことにつき重大な過失があるときは、その債権を取得しえない。
参照法条民法466条2項
賃借人が賃借建物に附加した部分が滅失した場合と有益費償還請求権
最高裁判所第三小法廷昭和48年7月17日昭和48(オ)128民集 第27巻7号798頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借人が賃借建物に附加した増・新築部分が、賃貸人に返還される以前に、賃貸人、賃借人いずれの責にも帰すべきでない事由により滅失したときは、特段の事情のないかぎり、右部分に関する有益費償還請求権は消滅する。
参照法条民法196条2項,民法608条2項
民法三九一条にもとづく優先償還をすることなく抵当権者に対してされた競売代金の交付と不当利得の成否
最高裁判所第一小法廷昭和48年7月12日昭和47(オ)807民集 第27巻7号763頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当不動産の第三取得者が、民法三九一条にもとづく優先償還請求権を有しているにもかかわらず、抵当不動産の競売代金が抵当権者に交付されたため優先償還を受けられなかつたときは、右第三取得者は、抵当権者に対し不当利得返還請求権を有する。
参照法条民法391条,民法703条,競売法33条2項
買主において売主を知ることができない場合における民法五六四条所定の期間の起算点
最高裁判所第一小法廷昭和48年7月12日昭和48(オ)157民集 第27巻7号785頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法五六五条によつて準用される同法五六四条所定の期間は、善意の買主が、売買目的物の数量の不足を知つたが、その責に帰すべきでない事由により売主を知ることができなかつた場合には、売主を知つた時から起算すべきである。
参照法条民法564条,民法565条
民法一一七条と無権代理人を相続した本人の責任
最高裁判所第三小法廷昭和48年7月3日昭和46(オ)138民集 第27巻7号751頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権代理人を相続した本人は、無権代理人が民法一一七条により相手方に債務を負担していたときには、無権代理行為について追認を拒絶できる地位にあつたことを理由として、右債務を免れることができない。
参照法条民法113条,民法117条,民法896条
未登記建物の所有者においてその建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを承認していた場合と民法九四条二項の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和48年6月28日昭和47(オ)1164民集 第27巻6号724頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨未登記建物の所有者は、その建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認していた場合には、民法九四条二項の類推適用により、右名義人が所有権を有しないことを善意の第三者に対抗することができない。
参照法条民法94条2項
通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決と口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者
最高裁判所第一小法廷昭和48年6月21日昭和47(オ)198民集 第27巻6号712頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決は、口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者に対してその効力を有しない。
参照法条民法94条2項,民訴法201条1項,民訴法497条ノ2第1項
農地の賃貸借の解約と農地法二〇条二項
最高裁判所第二小法廷昭和48年5月25日昭和47(オ)1028民集 第27巻5号667頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農地法二〇条二項各号所定の事由は、都道府県知事が同条による許可を与えるについての要件であつて、農地の賃貸借の解約権の発生ないし行使の実体的要件をなすものではない。
参照法条民法617条,農地法20条1項,農地法20条2項,農地法20条5項
一、債権者代位訴訟に債権者が当事参加して第三債務者に対し提起した同一の重複訴訟 二、債権者代位訴訟に債務者が当事者参加して第三債務者に対し提起した同一の訴についての債務者の訴訟追行権
最高裁判所第三小法廷昭和48年4月24日昭和47(オ)908民集 第27巻3号596頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、債権者甲が債務者乙に代位して第三債務者丙に対し提起した訴訟に、乙が、民訴法七一条により参加して、丙に対し甲の丙に対する訴と訴訟物を同じくする訴を提起することは、重複起訴の禁止にはふれない。 二、債権者甲が債務者乙に代位して第三債務者丙に対し提起した訴訟に、乙が、民訴法七一条により参加して、丙に対し甲の丙に対する訴と…
参照法条民訴法45条,民訴法71条,民訴法201条2項,民訴法231条,民法423条1項
一、養子縁組の当事者である夫婦の一方に縁組の意思がない場合における縁組の効カ ニ、養子縁組の当事者である夫婦の一方に縁組の意思がない場合に他方の配偶者について縁組が有効とされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和48年4月12日昭和47(オ)209民集 第27巻3号500頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、夫婦が共同して養子縁組をするものとして届出がされたところ、その一方に縁組をする意思がなかつた場合には、原則として、縁組の意思のある他方の配偶者についても縁組は無効であるが、その他方と縁組の相手方との間に単独でも親子関係を成立させることが民法七九五条本文の趣旨にもとるものではないと認められる特段の事情がある場合には、…
参照法条民法795条,民法802条1号
一、身体傷害による財産上および精神上の損害の賠償請求における請求権および訴訟物の個数 二、不法行為による損害賠償の一部請求と過失相殺
最高裁判所第一小法廷昭和48年4月5日昭和43(オ)943民集 第27巻3号419頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、同一事故により生じた同一の身体傷害を理由として財産上の損害と精神上の損害との賠償を請求する場合における請求権および訴訟物は、一個である。 二、不法行為に基づく一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたつては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額をこえないとき…
参照法条民訴法186条,民訴法224条1項,民法709条,民法710条,民法722条2項
銀行が無記名定期預金の預金者と認定した者に対して貸付をした場合における貸付債権をもつてする相殺と民法四七八条の類推適用
最高裁判所第三小法廷昭和48年3月27日昭和41(オ)815民集 第27巻2号376頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨銀行が、無記名定期預金につき真実の預金者と異なる者を預金者と認定し、この者に対し、右預金と相殺する予定のもとに貸付をし、その後右の相殺をするときには、民法四七八条の類推適用がある。
参照法条民法478条
一、入会権確認訴訟における入会権者の死亡と訴訟承継人 二、明治初年の官民有区分処分による官有地編入と入会権の帰すう
最高裁判所第三小法廷昭和48年3月13日昭和42(オ)531民集 第27巻2号271頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、入会権確認訴訟において、入会権者が死亡した場合には、入会慣行に従つて死亡者に代わり入会権を取得した者が、その訴訟手続を承継する。 二、従前入会権の対象となつていた土地が、明治初年の官民有区分処分によつて官有地に編入されたとしても、その入会権は、右処分によつて当然には消滅しなかつたものと解すべきである。
参照法条民法263条,民法294条,民訴法208条
道路の交差点における信号機の設置に瑕疵があつたとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和48年2月16日昭和43(オ)431民集 第27巻1号99頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨南北に通ずる道路と東西に通ずる二本の近接した道路とがほぼ直角に交わる交差点のほぼ中央に電車の軌道が敷設されているなど、判示のような複雑な構造を有する交差点において、東西に通ずる道路上の車両の進行を規制するとともに、交差点の北側の横断歩道上を西から東に向かう歩行者の歩行をもかねて規制するものとして東側に信号機が設置された…
参照法条国家賠償法2条,民法717条
公正証書に関する請求異議訴訟における債権者の応訴が当該債権の消滅時効を中断しない場合
最高裁判所第二小法廷昭和48年2月16日昭和47(オ)210民集 第27巻1号149頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公正証書に関する請求異議訴訟において、債権者が応訴して債権の存在を主張した場合でも、右証書の作成嘱託についての代表権欠缺を理由に請求が認容され、その債権の存否が判断されなかつたときは、右債権につき、裁判上の請求に準ずる消滅時効中断の効力は生じない。
参照法条民法147条1号,民法149条
一、敷金の被担保債権の範囲および敷金返還請求権の発生時期 二、家屋の賃貸借終了後におけるその所有権の移転と敷金の承継の成否 三、賃貸借終了後家屋明渡前における敷金返還請求権と転付命令
最高裁判所第二小法廷昭和48年2月2日昭和46(オ)357民集 第27巻1号80頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、家屋賃貸借における敷金は、賃貸借終了後家屋明渡義務履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を担保するものであり、敷金返還請求権は、賃貸借終了後家屋明渡完了の時においてそれまでに生じた右被担保債権を控除しなお残額がある場合に、その残額につき具体的に発生するも…
参照法条民法619条,民訴法601条
一、代物弁済予約形式の債権担保契約につき予約完結後清算前になされた債務弁済の効カ 二、代物弁済予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と債務者の本登記手続義務ないし引渡義務との関係
最高裁判所第二小法廷昭和48年1月26日昭和43(オ)343民集 第27巻1号51頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、債権担保のため債務者所有の不動産につき代物弁済予約形式の契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないため予約完結権を行使した場合であつても、目的不動産の換価処分または評価清算前に債務の弁済があつたときは、債務者に対し、右仮登記の抹消登記手続をしなけ…
参照法条民法482条,不動産登記法7条,不動産登記法105条
一、賃金にあたる退職金債権放棄の効力 二、賃金にあたる退職金債権の放棄が労働者の自由な意思に基づくものとして有効とされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和48年1月19日昭和44(オ)1073民集 第27巻1号27頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃金にあたる退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、有効である。 二、甲会社の被用者で西日本における総責任者の地位にある乙が、退職に際し、賃金にあたる退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合において、乙が退職後ただちに競争会社に就…
参照法条労働基準法11条,労働基準法24条1項,民法91条,民法519条
民法六五〇条二項前段の代弁済請求権と相殺
最高裁判所第二小法廷昭和47年12月22日昭和44(オ)135民集 第26巻10号1991頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨受任者が民法六五〇条二項前段に基づいて有する代弁済請求権に対しては、委任者は、受任者に対する債権をもつて相殺することはできない。
参照法条民法505条1項,民法650条2項
詐欺を理由に取り消された法律行為に基づく利得を破産者が返還した場合と破産法七二条一号の適用
最高裁判所第三小法廷昭和47年12月19日昭和42(オ)699民集 第26巻10号1937頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産会社が、破産宣告を受ける前に、その経営が事実に反し健全であるかのように装つて第三者を欺罔し、新株の引受および貸付の意思表示をさせて金員の給付を受けたのち、その意思表示が詐欺を理由に取り消されたため、その利得の返還として同額の金員を同人に支払つた場合においても、破産債権者を害する意図のもとに支払をしたときは、その弁済…
参照法条破産法15条,破産法72条1号,民法96条,民法121条
契約の一部が要素の錯誤により無効であつても他の部分の効力には影響がないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和47年12月19日昭和46(オ)908民集 第26巻10号1969頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨根抵当権設定の交渉過程において、当初は債権者が債務者を再興させるために一定の条件が成就したときに行なうべき再建融資のみを被担保債権とすることが予定されていたが、その後右条件成就が未定の間に、債権者が債務者の支払手形を決済させるためのつなぎ融資を行ない、根抵当権設定者において後者を被担保債権に加えることに同意する等判示の…
参照法条民法119条
一、自作農創設特別措置法による買収計画または買収処分に対する取消訴訟の提起と買収土地の取得時効の中断 二、自作農創設特別措置法による土地の被買収者が右土地の売渡の相手方に対し取得時効を中断する方法 三、自作農創設特別措置法による買収土地が売…
最高裁判所第三小法廷昭和47年12月12日昭和46(行ツ)46民集 第26巻10号1850頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、自作農創設特別措置法に基づき所有土地を買収された者が買収計画または買収処分に対する取消訴訟を提起しても、右土地につき売渡の相手方のために進行する取得時効は中断されない。 二、自作農創設特別措置法に基づき所有土地を買収された者は、右土地の売渡の相手方を被告として、買収計画または買収処分の取消を条件とする原状回復の請求…
参照法条自作農創設特別措置法3条1項,自作農創設特別措置法16条1項,民法147条,民法148条,民法162条,民訴法226条,行政事件訴訟法9条
仮装の仮登記をする意思で甲の署名押印した書類を乙がほしいままに用いてした所有権移転登記と甲の第三者に対する責任
最高裁判所第三小法廷昭和47年11月28日昭和46(オ)803民集 第26巻9号1716頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が、乙と相通じ、仮装の所有権移転請求権保全の仮登記手続をする意思で、乙の提示した所有権移転登記手続に必要な書類に、これを仮登記手続に必要な書類と誤解して署名押印したところ、乙がほしいままに右書類を用いて所有権移転登記手続をしたときは、甲は、乙の所有権取得の無効をもつて善意・無過失の第三者に対抗することができない。
参照法条民法94条2項,民法110条
即時取得と法人の善意・無過失
最高裁判所第三小法廷昭和47年11月21日昭和45(オ)84民集 第26巻9号1657頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨法人における民法一九二条の善意・無過失は、その法人の代表者について決するが、代理人が取引行為をしたときは、その代理人について決すべきである。
参照法条民法101条,民法192条
一、甲所有の物を買受けた乙が売買代金を支払わないままこれを丙に譲渡した場合における丙の甲に対する物の引渡請求と甲の留置権の抗弁 二、物の引渡請求に対する留置権の抗弁を認容する場合においてその被担保債権の支払義務者が第三者であるときの判決主文
最高裁判所第一小法廷昭和47年11月16日昭和45(オ)1055民集 第26巻9号1619頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、甲所有の物を買受けた乙が、売買代金を支払わないままこれを丙に譲渡した場合には、甲は、丙からの物の引渡請求に対して、未払代金債権を被担保債権とする留置権の抗弁権を主張することができる。 二、物の引渡請求に対する留置権の抗弁を認容する場合において、その物に関して生じた債務の支払義務を負う者が、原告ではなく第三者であると…
参照法条民法295条,民訴法186条
一、賃貸借契約における信義則上の義務違反と契約解除 二、用方違反または信義則上の義務違反を理由とする賃貸借契約の解除が認められなかつた事例
最高裁判所第一小法廷昭和47年11月16日昭和45(オ)942民集 第26巻9号1603頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃貸借契約の当事者の一方が、右契約に基づき信義則上当事者に要求される義務に違反して、その信頼関係を破壊することにより、賃貸借関係の継続を著しく困離ならしめたときは、他方の当事者は、催告なくして賃貸借契約を解除することができる。 二、建物所有を目的とする土地賃貸借契約の賃借人が、借地の約半分にあたる空地をトラツク置場…
参照法条民法541条,民法594条1項,民法601条,民法616条
民法九三六条一項の規定により相続財産管理人が選任された場合と相続財産に関する訴訟における相続人および相続財産管理人の地位
最高裁判所第一小法廷昭和47年11月9日昭和47(オ)585民集 第26巻9号1566頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法九三六条一項の規定により相続財産管理人が選任された場合において、相続財産に関する訴訟については、相続人が当事者適格を有し、相続財産管理人は、相続人全員の法定代理人として訴訟に関与するものであつて、相続財産管理人としての資格では当事者適格を有しない。
参照法条民法936条,民訴法45条
代物弁済予約形式の債権担保契約と民法三七四条の準用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和47年10月26日昭和46(オ)467民集 第26巻8号1465頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代物弁済予約形式の債権担保契約を締結した債権者が、その担保目的を実現するにあたって、後順位債権者に優先して弁済を受けうる利息・損害金については、民法三七四条の規定は準用されないと解すべきである。
参照法条民法482条,民法374条
仲裁契約が黙示的に成立したと認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和47年10月12日昭和47(オ)372民集 第26巻8号448頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨紛争につき仲裁手続を申し立てられた者が、仲裁手続の意味を理解したうえ、期日に出頭し、仲裁人の面前で、仲裁契約の不存在を主張することなく本案の陳述をしたときは、仲裁手続の申立人と被申立人との間に、右紛争についての仲裁契約が黙示的に成立したものと認めるべきである。
参照法条民訴法786条,民訴法797条,民法521条
共同相続人の一人が相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得したと認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和47年9月8日昭和45(オ)265民集 第26巻7号1348頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人の一人が、単独に相続したものと信じて疑わず、相続開始とともに相続財産を現実に占有し、その管理、使用を専行してその収益を独占し、公租公課も自己の名でその負担において納付してきており、これについて他の相続人がなんら関心をもたず、異議も述べなかつた等原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、前記相続人はその相…
参照法条民法162条,民法185条,民法186条1項,民法187条1項
売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務と同時履行
最高裁判所第一小法廷昭和47年9月7日昭和46(オ)1127民集 第26巻7号1327頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係にあると解するのが相当である。
参照法条民法96条,民法121条,民法533条,民法546条
民法三〇六条二号、三〇八条にいう「雇人」の意義
最高裁判所第一小法廷昭和47年9月7日昭和46(オ)612民集 第26巻7号1314頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法三〇六条二号、三〇八条にいう「雇人」とは、雇傭契約によつて労務を供給する者を指すものと解すべきである。
参照法条民法306条2号,民法308条
一、上告審と無権代理人の訴訟行為の追認 二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人の上訴権限
最高裁判所第二小法廷昭和47年9月1日昭和46(オ)474民集 第26巻7号1289頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、権限のある代理人は、上告審において、上告審および控訴審における無権代理人の訴訟行為を追認することができる。 二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人は、民法二八条所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対し控訴を提起し、その控訴を不適法として却下した第二審…
参照法条民訴法50条,民訴法54条,民訴法87条,民訴法395条2項,民法28条,民法103条
届出意思の欠缺による婚姻の無効とその追認の効力
最高裁判所第三小法廷昭和47年7月25日昭和45(オ)238民集 第26巻6号1263頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合において、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、かつ、のちに他方の配偶者が届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解すべきである。
参照法条民法742条1号,民法116条
家事審判規則一〇六条一項の相続財産管理人の応訴権限
最高裁判所第一小法廷昭和47年7月6日昭和46(オ)773民集 第26巻6号1133頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家庭裁判所が家事審判規則一〇六条一項により選任する相続財産管理人は、相続財産に関して提起された訴につき、相続人の法定代理人として、家庭裁判所の許可なくして応訴することができるものと解すべきである。
参照法条民法28条,民法103条,民法907条2項,家事審判規則106条1項
一、権利能力なき社団の資産たる不動産についての登記方法 二、権利能力なき社団の資産たる不動産につき登記簿上所有名義人となつていた代表者が交替した場合における新代表者の旧代表者に対する登記請求権
最高裁判所第二小法廷昭和47年6月2日昭和45(オ)232民集 第26巻5号957頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎず、社団を権利者とする登記をし、または、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは、許されないものと解すべきである。 二、権利能力なき社団の資…
参照法条民法43条,民法177条,民訴法46条,民訴法208条1項,民訴法211条,民訴法212条,民訴法384条,不動産登記法26条,不動産登記法36条,不動産登記法110条の3
伐採を目的とする山林立木の売買契約における売主の義務
最高裁判所第三小法廷昭和47年5月30日昭和45(オ)76民集 第26巻4号919頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨伐採を目的とする山林立木の売買契約においては、立木の引渡をもつて売主の義務の履行が完了するものではなく、売主は、立木の伐採、造材、搬出に必要な相当の期間、買主をして当該山林敷地を使用させる義務を負うものと解すべきである。
参照法条民法555条
民法九七四条三号にいう「配偶者」と推定相続人の配偶者
最高裁判所第一小法廷昭和47年5月25日昭和44(オ)304民集 第26巻4号747頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法九七四条三号にいう「配偶者」には、推定相続人の配偶者も含まれる。
参照法条民法974条3号
死因贈与の取消と民法一〇二二条
最高裁判所第一小法廷昭和47年5月25日昭和46(オ)1166民集 第26巻4号805頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨死因贈与の取消については、民法一〇二二条がその方式に関する部分を除いて準用されると解すべきである。
参照法条民法554条,民法1022条
動機が表示されても民法九五条にいう法律行為の要素とはならないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和47年5月19日昭和45(オ)685民集 第26巻4号723頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲乙問の土地売買契約の解除と土地交換契約の締結に伴い、甲が乙に対して負担した清算金債務を弁済するため、自己が金融機関である丙との間で締結していた定期貯金契約を合意解約し、その払戻金を乙に支払うことを丙に対し委任した場合において、右売買契約の解除および交換契約が甲の土地評価の誤認に起因し法律行為の要素の錯誤により無効であ…
参照法条民法95条
袋地の未登記所有者と囲繞地通行権の主張
最高裁判所第二小法廷昭和47年4月14日昭和46(オ)630民集 第26巻3号483頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。
参照法条民法210条,民法177条
仮差押登記のなされた土地上に存する建物について抵当権が設定された場合と建物競落人の法定地上権
最高裁判所第二小法廷昭和47年4月7日昭和47(オ)35民集 第26巻3号471頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮差押登記のなされた土地上に存する右土地所有者の所有にかかる建物について抵当権が設定された場合には、右抵当権の実行による建物の競落人は、法定地上権を取得するが、右仮差押が本執行に移行してなされた強制競売手続により右土地を競落取得した者に対しては、右法定地上権をもつて対抗することができない。
参照法条民法388条,民訴法737条,民訴法751条
一、双方代理により振り出された約束手形と振出完成の時期 二、民法一〇八条に違反して振り出された約束手形の第三取得者に対する本人の手形上の責任
最高裁判所第三小法廷昭和47年4月4日昭和43(オ)813民集 第26巻3号373頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、約束手形の振出人の代理人と受取人の代表者とが同一人であつて、手形の振出につき双方代理行為が成立するときは、振出行為の完成を留保すべき特段の事情のないかぎり、振出人の代理人として法定の形式に従つて手形の作成をおえた時に振出行為が完成し、その後は受取人の代表者の資格において手形を所持するにいたるものと解すべきである。 …
参照法条民法108条,手形法75条,手形法8条
請負契約の合意解除にあたり請負人が注文主に対し前払金返還債務を負担することを約した場合と請負人の保証人の責任
最高裁判所第一小法廷昭和47年3月23日昭和46(オ)126民集 第26巻2号274頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負契約が合意解除され、その際請負人が注文主に対し請負契約上前払すべきものと定められた金額の範囲内で前払金返還債務を負担することを約した場合において、右合意解除が請負人の債務不履行に基づくものであり、かつ、右約定の債務が実質的にみて解除権の行使による解除によって負担すべき請負人の前払金返還債務より重いものではないと認め…
参照法条民法446条,民法447条,民法545条,民法632条
一、いわゆる危急時遺言の遺言書における日附と遺言の効力 二、いわゆる危急時遺言の遺言書に対する証人の署名捺印が遺言者の面前でなされなかつた場合に遺言の効力が認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和47年3月17日昭和46(オ)678民集 第26巻2号249頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、いわゆる危急時遺言の遺言書に遺言をした日附ないしその証書の作成日附を記載することは遺言の有効要件ではなく、遺言書に作成の日として記載された日附が正確性を欠いていても、遺言は無効ではない。 二、いわゆる危急時遺言において、筆記者である証人が筆記内容を清書した書面に遺言者の現在しない場所で署名捺印をし、他の証人二名の署…
参照法条民法976条
賃借地上にある建物の売主と敷地賃借権譲渡の承諾取得義務
最高裁判所第一小法廷昭和47年3月9日昭和45(オ)803民集 第26巻2号213頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借地上にある建物の売買契約が締結された場合においては、特別の事情のないかぎり、売主は、買主に対し、その建物の敷地の賃借権をも譲渡したものであつて、それに伴い、その賃借権譲渡につき賃貸人の承諾を得る義務を負うものと解すべきである。
参照法条民法87条,民法555条,民法601条,民法612条
登記簿の記載から賃借権の消滅を信頼した建物の競落人について民法九四条二項の類推適用がないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和47年2月24日昭和46(オ)197民集 第26巻1号146頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨競落建物について、抵当権設定前にこれに対する賃借権の譲渡を受け、かつ、その引渡を受けた者が、家主および賃借権の譲渡人と通謀のうえ、いつたん転借権の設定登記を経由し、その後これを真実の権利関係に符合させるために、抵当権設定登記後になつて、新たな賃借権の設定登記を、ついで、合意解約を理由とする右転借権の抹消登記を順次経由し…
参照法条民法94条2項
未成年者の無権代理人が後見人となつた場合においてさきになされた無権代理行為の効果が未成年者に及ぶとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和47年2月18日昭和45(オ)1081民集 第26巻1号46頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が未成年者乙の後見人に就職する以前に後見人と称して売買契約をした場合において、甲は右就職前から乙のため事実上後見人の立場でその財産の管理にあたつており、これに対しては何びとからも異議がなく、右売買をなすについて甲乙間に利益相反の関係がないときは、右売買契約は、甲が後見人に就職するとともに、乙に対して効力を生ずるものと…
参照法条民法113条,民法859条
遺言無効確認の訴の適否
最高裁判所第三小法廷昭和47年2月15日昭和43(オ)627民集 第26巻1号30頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言無効確認の訴は、その遺言が有効であるとすればそれから生ずべき現在の特定の法律関係が存在しない.ことの確認を求めるものと解される場合で、原告がかかる確認を求める法律上の利益を有するときは、適法と解すべきである。
参照法条民訴法225条,民法985条
不動産の固定資産税を課せられて納付した登記簿上の所有名義人の真の所有者に対する不当利得返還請求権の成否
最高裁判所第三小法廷昭和47年1月25日昭和46(オ)766民集 第26巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨真実は不動産の所有者でない者が、登記簿上その所有者として登記されているために、右不動産に対する固定資産税を課せられ、これを納付した場合には、右所有名義人は、真の所有者に対し、不当利得として、右納付税額に相当する金員の返還を請求することができる。
参照法条地方税法343条,民法703条
建物の共有者の一人がその敷地を所有する場合と法定地上権の成否
最高裁判所第三小法廷昭和46年12月21日昭和46(オ)844民集 第25巻9号1610頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の共有者の一人がその敷地を所有する場合において、右土地に設定された抵当権が実行され、第三者がこれを競落したときは、右土地につき、建物共有者全員のために、法定地上権が成立するものと解すべきである。
参照法条民法388条
硫黄鉱石売買契約の買主に引取義務が認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和46年12月16日昭和40(オ)548民集 第25巻9号1472頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨硫黄鉱区の採掘権を有する甲が鉱石を採掘して乙に売り渡す硫黄鉱石売買契約において、甲は、乙に対し、右契約の存続期間を通じて採掘する鉱石の全量を売り渡す約定があつたなど判示の事情がある場合には、信義則上、乙には、甲が右期間内に採掘した鉱石を引き取る義務があると解すべきである。
参照法条民法1条,民法413条,民法555条
不動産の二重売買における一方の買主のための仮登記の経由と他方の買主に対する履行不能の成否
最高裁判所第一小法廷昭和46年12月16日昭和41(オ)802民集 第25巻9号1516頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙に対して不動産を売り渡した場合において、所有権移転登記未了の間に、その不動産につき、丙のために売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記がなされたというだけでは、いまだ甲の乙に対する売買契約上の義務が履行不能になつたということはできない。
参照法条民法415条,民法543条
共有地についての境界確定の訴と固有必要的共同訴訟
最高裁判所第一小法廷昭和46年12月9日昭和44(オ)279民集 第25巻9号1457頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
参照法条民訴法62条,民法223条,民法251条
一、土地区画整理事業の施行者が仮換地上の建物の移転除却を怠つた不作為と土地所有者に対する損害賠償義務 二、国家賠償法に基づく普通地方公共団体に対する損害賠償請求権の消滅時効と民法一四五条の適用
最高裁判所第三小法廷昭和46年11月30日昭和42(オ)668民集 第25巻8号1389頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、土地区画整理事業の施行者が、仮換地を指定し、その使用開始の日を別に定めることなく、従前の土地の使用を禁止した場合において、施行者が土地区画整理法七七条に基づき仮換地上に存在する第三者所有の建物を移転しまたは除却する権限を行使せず、土地所有者が長期間にわたり仮換地を現実に使用することができないため損害を被つたときは、…
参照法条国家賠償法1条1項,国家賠償法4条,国家賠償法5条,土地区画整理法77条,土地区画整理法99条,特別都市計画法14条,特別都市計画法15条,民法145条,地方自治法236条2項
相続と民法一八五条にいう「新権原」
最高裁判所第三小法廷昭和46年11月30日昭和44(オ)1270民集 第25巻8号1437頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続人が、被相続人の死亡により、相続財産の占有を承継したばかりでなく、新たに相続財産を事実上支配することによつて占有を開始し、その占有に所有の意思があるとみられる場合においては、被相続人の占有が所有の意思のないものであつたときでも、相続人は民法一八五条にいう「新権原」により所有の意思をもつて占有を始めたものというべきで…
参照法条民法185条,民法896条
換地予定地指定通知後の従前の土地の占有と従前の土地に対する所有権地上権または賃借権の取得時効の成否
最高裁判所第二小法廷昭和46年11月26日昭和43(オ)795民集 第25巻8号1365頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特別都市計画法一三条所定の換地予定地の指定通知が従前の土地の所有者に対してなされたのちにおいては、当該換地予定地を占有するのでなければ、従前の土地を占有したからといつて、その従前の土地の所有権地上権または賃借権を時効によつて取得することはできない。
参照法条特別都市計画法13条,特別都市計画法14条,土地区画整理法99条,民法162条,民法163条
金銭の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において被告は自己の債権額に対応する按分額の支払を拒むことができるか
最高裁判所第二小法廷昭和46年11月19日昭和45(オ)498民集 第25巻8号1321頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が、受益者を被告として、債務者の受益者に対する弁済行為を取り消し、かつ、右取消にかかる弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において、被告は、右弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき、支払を拒むことはできない。
参照法条民法424条,民法425条
民法七〇八条にいう給付と既登記建物の贈与に基づく引渡
最高裁判所第一小法廷昭和46年10月28日昭和45(オ)10民集 第25巻7号1069頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不法の原因により既登記建物を贈与した場合、その引渡をしただけでは、民法七〇八条にいう給付があつたとはいえない。
参照法条民法708条
連帯保証人が付従性を有しない独立の債務を負担するに至つたと認められる事例
最高裁判所第三小法廷昭和46年10月26日昭和46(オ)328民集 第25巻7号1019頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が、主たる債務者に対しては債務の一部を免除したが、連帯保証人に対しては債務全額を取り立てる旨の意思表示をなし、連帯保証人がこれを承諾したときは、連帯保証人は、債権者に対し右免除部分については付従性を有しない独立の債務を負担するに至つたものというべきである。
参照法条民法448条
過去に情交関係があつた当事者間における養子縁組につき縁組意思が存在したと認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和46年10月22日昭和45(オ)975民集 第25巻7号985頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨養子縁組の当事者である甲男と乙女との間に、たまたま過去に情交関係があつたが、事実上の夫婦然たる生活関係が形成されるには至らなかつた場合において、乙は、甲の姪で、永年甲方に同居してその家事や家業を手伝い、家計をもとりしきつていた者であり、甲は、すでに高令に達し、病を得て家業もやめたのち、乙の世話になつたことへの謝意をもこ…
参照法条民法802条1号
法人と民法三一〇条にいう債務者
最高裁判所第一小法廷昭和46年10月21日昭和44(オ)1254民集 第25巻7号969頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨法人は、民法三一〇条にいう債務者に含まれない。
参照法条民法310条,民法306条4号
一、競売期日の公告に記載されなかつた賃借権とその対抗力 二、執行裁判所の取調に対して申出のなかつた賃借権とその効力 三、土地の所有権と賃借権とが混同しても賃借権が消滅しない場合
最高裁判所第一小法廷昭和46年10月14日昭和46(オ)582民集 第25巻7号933頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、建物保護に関する法律一条による対抗要件を具備した土地の賃借権は、競売期日の公告に記載されなかつたとしても、その対抗力が消滅するものではない。 二、執行裁判所の取調に対して土地の賃借権者が賃借権の申出をしなかつたとしても、その賃借権の効力に影響を及ぼすものではない。 三、特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属…
参照法条民法179条1項,民法520条,民法601条,民法605条,建物保護に関する法律1条,民訴法643条1項,民訴法643条3項,民訴法658条
一、共有者全員が提起した共有権確認訴訟と固有必要的共同訴訟 二、共有者全員が提起した共有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と固有必要的共同訴訟
最高裁判所第一小法廷昭和46年10月7日昭和42(オ)535民集 第25巻7号885頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。 二、一個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき所有権移転登…
参照法条民訴法62条,民法249条,民法251条
調停によつて将来にわたり支払うこととされた婚姻費用分担に関する債権を被保全債権とする詐害行為取消権の成否
最高裁判所第三小法廷昭和46年9月21日昭和43(オ)1215民集 第25巻6号823頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨調停によつて毎月一定額を支払うことと定められた将来の婚姻費用の分担に関する債権は、詐害行為当時いまだその支払期日が到来しない場合であつても、詐害行為取消権の成否を判断するにあたつては、これをもつてすでに発生した債権というを妨げず、詐害行為当時、当事者間の婚姻関係その他の事情から、右調停の前提たる事実関係の存続がかなりの…
参照法条民法424条,民法760条
債務の一部ずつの弁済供託が債務全額に達した場合と供託の効力
最高裁判所第三小法廷昭和46年9月21日昭和44(オ)852民集 第25巻6号857頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務の一部ずつの弁済供託がなされた場合であつても、各供託金の合計額が債務全額に達したときは、その全額について有効な供託があつたものと解するのが相当である。
参照法条民法494条
離婚による慰籍料と財産分与との関係
最高裁判所第二小法廷昭和46年7月23日昭和43(オ)142民集 第25巻5号805頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨すでに財産分与がなされた場合においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、または、その額および方法において分与請求者の精神的苦痛を慰籍するに足りないと認められるものであるときは、右請求者は、別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰籍料を請求することを妨げられない。
参照法条民法709条,民法710条,民法768条,民法771条
建物賃貸借契約解除後の不法占有と民法二九五条二項の類推適用
最高裁判所第二小法廷昭和46年7月16日昭和42(オ)1341民集 第25巻5号749頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の賃借人が、債務不履行により賃貸借契約を解除されたのち、権原のないことを知りながら右建物を不法に占有する間に有益費を支出しても、その者は、民法二九五条二項の類推適用により、右費用の償還請求権に基づいて右建物に留置権を行使することはできない。
参照法条民法295条
未登記立木に対する強制執行の方法
最高裁判所第一小法廷昭和46年6月24日昭和42(オ)692民集 第25巻4号574頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨未登記立木に対する強制執行は、民訴法六二五条に基づき、立木を伐採する権利を差し押え、これを換価する方法によるべきである。
参照法条民法625条
一、民法二五八条一項にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」の意義 二、共有物分割訴訟と持分譲受の登記 三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」の意義
最高裁判所第二小法廷昭和46年6月18日昭和46(オ)160民集 第25巻4号550頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、民法二五八条一項にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」とは、共有者の一部に共有物分割の協議に応ずる意思がないため共有者全員において協議をすることができない場合を含むものであつて、現実に協議をしたうえで不調に終わつた場合に限られるものではない。 二、不動産の共有物分割訴訟においては、共有者間に持分の譲渡があつても、その登…
参照法条民法258条1項,民法258条2項,民法177条
一、銀行が当座勘定取引契約に基づき手形の印影を照合するにあたつて尽くすべき注意義務の程度 二、印影照合についての銀行の注意義務と免責約款の効力 三、当座勘定取引契約に基づき手形の支払委託をうけた銀行が振出日欄白地の約束手形を支払つた場合にお…
最高裁判所第一小法廷昭和46年6月10日昭和42(オ)64民集 第25巻4号492頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、銀行が、当座勘定取引契約に基づき、届出の印鑑と手形上の印影とを照合するにあたつては、銀行の照合事務担当者に対して社会通念上一般に期待されている業務上相当の注意をもつて慎重に行なうことを要し、右事務に習熟している銀行員が右のような注意を払つて熟視するならば肉眼で発見しうるような印影の相違が看過されて偽造手形が支払われ…
参照法条民法644条,手形法10条,手形法75条,手形法77条2項
登記申請の権限と民法一一〇条の表見代理における基本代理権
最高裁判所第一小法廷昭和46年6月3日昭和45(オ)305民集 第25巻4号455頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本人から登記申請を委任されてこれに必要な権限を与えられた者が右権限をこえて第三者と取引行為をした場合において、その登記申請が本人の私法上の契約による義務の履行のためになされるものであるときは、その権限を基本代理権として、右第三者との問の行為につき民法一一〇条を適用し、表見代理の成立を認めることができる。
参照法条民法110条
夫が婚姻関係の破綻後妻以外の女性と同棲している場合と夫の離婚請求の許否
最高裁判所第二小法廷昭和46年5月21日昭和46(オ)50民集 第25巻3号408頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫が、妻以外の女性と同棲し、夫婦同様の生活を送つている事実があつても、これが妻との婚姻関係が完全に破綻した後に生じたものであるときは、右事実をもつて夫からの離婚請求を排斥すべき理由とすることはできない。
参照法条民法770条
一、踏切道の軌道施設に保安設備を欠く場合と民法七一七条の責任 二、踏切道の軌道施設に設置上のかしがあるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和46年4月23日昭和40(オ)536民集 第25巻3号351頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、土地の工作物たる踏切道の軌道施設は、保安設備とあわせ一体としてこれを考察すべきであり、本来そなえるべき保安設備を欠く場合には、土地の工作物たる軌道施設の設置にかしがあるものとして、民法七一七条所定の帰責原因になる。 二、電車の踏切において、横断者からみた踏切付近の見通しが判示のとおりであり、所定の速度で踏切を通過し…
参照法条民法717条
賃貸土地の所有者がその所有権とともにする賃貸人たる地位の譲渡と賃借人の承諾の要否
最高裁判所第二小法廷昭和46年4月23日昭和45(オ)46民集 第25巻3号388頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃貸借の目的となつている土地の所有者が、その所有権とともに賃貸人たる地位を他に譲渡する場合には、賃貸人の義務の移転を伴うからといつて、特段の事情のないかぎり、賃借人の承諾を必要としない。
参照法条民法466条,民法601条
賭博による債務の履行のために交付された第三者振出の小切手の支払につき所持人と振出人との間に成立した和解の効力
最高裁判所第二小法廷昭和46年4月9日昭和46(オ)134民集 第25巻3号264頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賭博による債務の履行のために第三者振出の小切手の交付を受けた所持人が、振出人との間で小切手金の支払に関し和解契約を締結した場合においては、右契約の内容である振出人の所持人に対する金銭支払の約定は、公序良俗に違反し無効である。
参照法条民法90条,民法696条,小切手法22条
債権者に対する関係では主債務者であるが内部関係においては実質上の連帯保証人にすぎない者に対する他の連帯保証人の求償権
最高裁判所第三小法廷昭和46年3月16日昭和45(オ)617民集 第25巻2号173頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が債権者に対する関係では主債務者であるが、内部関係においては実質上の主債務者乙の連帯保証人にすぎない場合において、連帯保証人丙が債権者に対し自己の負担部分をこえる額を弁済したときは、丙は、甲に対し丙の負担部分をこえる部分についてのみ甲の負担部分の範囲内で求償権を行使することができる。
参照法条民法465条1項,民法442条
建物の賃借人が有益費を支出したのち建物の賃貸人が交替した場合と有益費の償還義務者
最高裁判所第二小法廷昭和46年2月19日昭和42(オ)779民集 第25巻1号135頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の賃借人が有益費を支出したのち建物の所有権譲渡により賃貸人が交替したときは、特段の事情のないかぎり、新賃貸人が右有益費の償還義務を承継し、旧賃貸人は右償還義務を負わない。
参照法条民法608条2項,民法196条2項
遺産分割と登記
最高裁判所第三小法廷昭和46年1月26日昭和45(オ)398民集 第25巻1号90頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができない。
参照法条民法177条,民法909条
船舶海上保険において主務大臣の認可なしに変更された普通保険約款の拘束力
最高裁判所第一小法廷昭和45年12月24日昭和41(オ)768民集 第24巻13号2187頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨船舶海上保険において、保険業者が主務大臣の認可を受けないで普通保険約款を変更し、その約款に基づいて保険契約を締結しても、その変更が保険業者の懇意的な目的に出たものでなく、変更された条項が強行法規もしくは公序良俗に違反しまたはとくに不合理なものである場合でないかぎり、変更後の約款は、保険契約の内容を定めるものとして当事者…
参照法条民法91条,商法815条,保険業法1条,保険業法10条
無権代理行為が追認されたのちに無権代理人が新たに無権代理行為をした場合と民法一一〇条一一二条の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和45年12月24日昭和42(オ)1391民集 第24巻13号2230頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権代理人甲が乙の代理人と称して丙と締結した抵当権設定契約を乙が追認したのち、甲が乙の代理人と称して丁と抵当権設定契約を締結した場合において、丁が甲に乙を代理して右抵当権設定契約をする権限があると信ずべき正当の事由を有するときは、乙は、民法一一〇条および一一二条の類推適用により、甲のした抵当権設定契約につき責に任じなけ…
参照法条民法110条,民法112条
民法七二三条にいう名誉の意義
最高裁判所第二小法廷昭和45年12月18日昭和43(オ)1357民集 第24巻13号2151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法七二三条にいう名誉とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指すものであつて、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まないものと解すべきである。
参照法条民法723条
土地賃借権の時効取得が認められるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和45年12月15日昭和41(オ)1176民集 第24巻13号2051頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨寺院境内地についての賃貸借契約が当時の法令に違反し無効とされる場合であつても、その賃借人が、右契約に基づき平穏公然に目的土地の占有と継続し、その間寺院に約定の賃料の支払を続けていたときは、賃借人は、有効な賃貸借契約に基づく場合と同様の賃借権を時効により取得することができる。
参照法条民法163条,民法601条
一、会社の訴訟上の代表者の確定と民法一〇九条、商法二六二条の適用の有無 二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合の措置
最高裁判所第三小法廷昭和45年12月15日昭和45(オ)112民集 第24巻13号2072頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、民法一〇九条、商法二六二条は、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。 二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合には、原告に対し訴状の補正を命じさせるため、事件を第一審裁判所に差し戻すべきであり、ただちに訴を不適法として却下すべきではない…
参照法条民訴法58条,民訴法45条,民訴法388条,民訴法389条,民法109条,商法262条
登録を受けていない自動車と民法一九二条
最高裁判所第二小法廷昭和45年12月4日昭和45(オ)827民集 第24巻13号1987頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨道路運送車両法による登録を受けていない自動車については、民法一九二条の規定の適用がある。
参照法条民法192条,道路運送車両法5条,道路運送車両法16条(昭和44年法律第68号による改正前のもの)
養子縁組の届出が受理された当時当事者が意識を失つていた場合と養子縁組の届出の効力
最高裁判所第三小法廷昭和45年11月24日昭和45(オ)266民集 第24巻12号1933頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨当事者間において養子縁組の合意が成立しており、かつ、その当事者から他人に対し右縁組の届出の委託がなされていたときは、届出が受理された当時当事者が意識を失つていたとしても、その受理の前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届出の受理により養子縁組は有効に成立する。
参照法条民法799条,民法739条,民法802条
精神病を理由とする離婚が認められた事例
最高裁判所第三小法廷昭和45年11月24日昭和45(オ)426民集 第24巻12号1943頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨妻が強度の精神病にかかり回復の見込みがない場合において、妻の実家が夫の支出をあてにしなければ療養費に事欠くような資産状態ではなく、他方、夫は、妻のため十分な療養費を支出できる程に生活に余裕がないにもかかわらず、過去の療養費については、妻の後見人である父との間で分割支払の示談をしてこれに従つて全部支払を完了し、将来の療養…
参照法条民法770条1項4号,民法770条2項
不動産を買い受けた者が抵当権および停止条件付代物弁済契約上の権利を有するものとして抵当権設定登記および所有権移転請求権保全の仮登記を経由した場合と第三者
最高裁判所第一小法廷昭和45年11月19日昭和43(オ)732民集 第24巻12号1916頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が、乙からその所有不動産を買い受けたものであるにもかかわらず、乙に対する貸金を被担保債権とする抵当権と、右貸金を弁済期に弁済しないことを停止条件とする代物弁済契約上の権利とを有するものとして、抵当権設定登記および所有権移転請求権保全の仮登記を経由した場合において、丙が乙から右不動産を買い受けて所有権取得登記を経由した…
参照法条民法94条2項,民法369条,民法482条,不動産登記法2条2号
民法二五八条によつてなされる数個の共有物の現物分割が共有者においてそれぞれ各個の物の単独所有権を取得する方法によることが許されるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和45年11月6日昭和41(オ)648民集 第24巻12号1803頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨数個の共有建物が一筆の土地上にあり外形上一団の建物とみられる場合に、民法二五八条により右建物につき現物分割をするには、右建物を一括して分割の対象とし、共有者がそれぞれ各個の建物の単独所有権を取得する方法によることも許される。
参照法条民法258条
一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権としその後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺と労働基準法二四条一項本文 二、公立学校の教員につき給与過払による不当利得返還請求権を自働債権としその後に支払われる給与の支払請求権…
最高裁判所第二小法廷昭和45年10月30日昭和42(行ツ)61民集 第24巻11号1693頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてなされ、しかも、その金額、方法等においても労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのないものである場合にかぎり、労働基準法二四…
参照法条労働基準法24条1項本文,民法505条1項,地方公務員法25条1項
宅地建物取引業者を排除して売買契約が成立した場合に停止条件の成就が故意に妨げられたとして右業者の報酬請求権が認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和45年10月22日昭和45(オ)637民集 第24巻11号1599頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地等の買受人が、その買受につき宅地建物取引業者に仲介を依頼し、買受契約の成立を停止条件として一定額の報酬を支払う旨を約したのに、買受人が右業者を排除して直接売渡人との間に契約を成立させた場合において、右契約の成立時期が業者の仲介活動の時期に近接しているのみならず、当時その仲介活動により買受人の買受希望価額にあと僅かの…
参照法条民法130条,民法645条,民法648条
一、数個の不動産上に代物弁済予約形式の債権担保契約を締結した場合の債権者の清算義務 二、代物弁済予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と所有権移転請求権保全の仮登記、根抵当権設定登記、賃借権設定の仮登記を了している後順位債権者の地位…
最高裁判所第一小法廷昭和45年9月24日昭和43(オ)371民集 第24巻10号1450頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、数個の不動産上に代物弁済予約形式の債権担保契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないため予約完結権を行使して担保目的の実現をはかるため同一訴訟手続で本登記手続を求めた場合に、債務者が清算金の支払と引換えに履行する旨の主張をしたときは、特段の事情の…
参照法条民法482条,民法392条1項,不動産登記法1条,不動産登記法7条,不動産登記法105条
不実の所有権移転登記が所有者の承認のもとに存続せしめられていたものとして民法九四条二項を類推適用すべきものとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和45年9月22日昭和43(オ)91民集 第24巻10号1424頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の所有者甲が、その不知の間に甲から乙に対する不実の所有権移転登記の経由されたことを知りながら、経費の都合や、のちに乙と結婚して同居するようになつた関係から、抹消登記手続を四年余にわたつて見送り、その間に甲において他から金融を受けた際にもその債務を担保するため乙所有名義のまま右不動産に対する根抵当権設定登記が経由さ…
参照法条民法94条2項
破産宣告手続における申立債権者の権利行使意思の表示による時効中断の効力と破産申立の取下
最高裁判所第一小法廷昭和45年9月10日昭和45(オ)85民集 第24巻10号1389頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産の申立債権者の破産宣告手続における権利行使意思の表示は、破産の申立が取り下げられた場合においても、債務者に対する催告として時効中断の効力を有し、右債権者は、取下の時から六か月内に訴を提起することにより、当該債権の消滅時効を確定的に中断することができる。
参照法条民法147条,民法149条,民法153条,破産法132条
建物の賃貸人が現実に提供された賃料の受領を拒絶した場合とその後における賃料不払を理由とする契約の解除
最高裁判所第一小法廷昭和45年8月20日昭和42(オ)803民集 第24巻9号1243頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の賃貸人が現実に提供された賃料の受領を拒絶したときは、特段の事情がないかぎり、その後において提供されるべき賃料についても、受領拒絶の意思を明確にしたものと解すべきであり、右賃貸人が賃借人の賃料の不払を理由として契約を解除するためには、単に賃料の支払を催告するだけでは足りず、その前提として、受領拒絶の態度を改め、以後…
参照法条民法413条,民法493条
白紙委任状および売渡証書などが濫用された場合に民法一〇九条、一一〇条の適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和45年7月28日昭和44(オ)174民集 第24巻7号1203頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が、その所有の不動産を乙に売り渡し、乙の代理人丙を介して白紙委任状、名宛人白地の売渡証書など登記関係書類を交付したところ、右不動産の所有権を取得した乙から、これを丁所有の不動産と交換することを委任されて右各書類の交付を受けた丙が、これを濫用し、甲の代理人名義で丁との間で交換契約を締結したときは、丁において丙に代理権が…
参照法条民法109条,民法110条
一、得べかりし利益の喪失による損害額の算定と租税控除の要否 二、一部請求の趣旨が明示されていない場合の訴提起による時効中断の範囲
最高裁判所第二小法廷昭和45年7月24日昭和44(オ)882民集 第24巻7号1177頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、不法行為の被害者が負傷のため営業上得べかりし利益を喪失したことによつて被つた損害額を算定するにあたつては、営業収益に対して課せられるべき所得税その他の租税額を控除すべきではない。 二、一個の債権の一部についてのみ判決を求める趣旨が明示されていないときは、訴提起による消滅時効中断の効力は、右債権の同一性の範囲内におい…
参照法条民法709条,民法147条1号,民法149条,所得税法9条1項21号,民訴法235条
代物弁済形式の担保権の実行に伴う法律関係につき民法三八八条の類推適用による法定地上権の成立が認められなかつた事例
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月16日昭和41(オ)647民集 第24巻7号982頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地に対する抵当権の設定当時において地上に建物が存在しなかつた場合には、右抵当権と同一債権の担保を目的として重ねて右土地につき停止条件付代物弁済契約が結ばれた当時には地上に債務者所有の建物が存在したときでも、右代物弁済契約の条件成就後の法律関係につき、民法三八八条の類推適用による法定地上権の成立を認めることはできない。
参照法条民法388条,民法482条
売買予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と目的不動産の第三取得者
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月16日昭和42(オ)1200民集 第24巻7号1031頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき売買予約形式の契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者が、予約完結権を行使したうえ、担保目的実現の手段として本登記をするため、登記上利害関係を有する第三者に対してその承諾を求める場合において、第三者が債務者から目的不動産を譲り受けた者であるとき…
参照法条民法556条,不動産登記法7条,不動産登記法105条,不動産登記法146条
抵当権の物上代位と抵当不動産に代わる仮差押解放金の取戻請求権
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月16日昭和42(オ)342民集 第24巻7号965頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者が被担保債権を被保全債権として抵当不動産の仮差押をした場合において、仮差押債務者が仮差押解放金を供託して仮差押執行の取消を得たときには、抵当権の効力は、物上代位の規定の趣旨により、右仮差押解放金の取戻請求権に及ぶ。
参照法条民法372条,民法304条,民訴法743条,民訴法754条
請負人が第三者に与えた損害につき注文者の注文または指図に過失が認められないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月16日昭和42(オ)647民集 第24巻7号982頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負人の施行した道路開設工事による落石のため第三者に損害を生じた場合において、右損害が注文者の作成した設計図および仕様書自体のかしによつて生じたものではなく、注文者は請負人に対し、落石等により損害を生ずることのないような措置を講ずべきことを要求し、これに要する費用を加算して請負代金額を決定し、請負人も、その趣旨を諒承し…
参照法条民法716条
中小企業等協同組合法に基づく信用協同組合と手形保証
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月2日昭和45(オ)231民集 第24巻7号731頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨中小企業等協同組合法に基づく信用協同組合がその組合員のために組合員の負担する手形債務につき手形保証をすることは、同法九条の八第一項四号所定の附帯業務として有効である。
参照法条中小企業等協同組合法9条の8,民法43条,手形法32条
不渡異議申立手続の委託に伴う預託金の返還請求権が手形債権者に転付された場合と支払銀行が手形債務者に対して有する反対債権をもつてする相殺の許否
最高裁判所第一小法廷昭和45年6月18日昭和43(オ)778民集 第24巻6号527頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨手形の不渡異議申立手続を委託した手形債務者から異議申立提供金に見合う資金として支払銀行に交付された預託金の返還請求権が手形債権者に転付された場合に、支払銀行が右債権の差押前から手形債務者に対して有する反対債権をもつて被転付債権と相殺することが、預託金返還請求権の性質上制限されるものと解すべき理由はない。
参照法条手形法38条,民法646条1項,民法52条
同一金銭債権につき債権者代位権に基づく給付の訴の提起後に国税滞納処分に基づく取立の訴が提起された場合における両訴の関係
最高裁判所第三小法廷昭和45年6月2日昭和44(オ)626民集 第24巻6号447頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が、債務者に属する金銭債権につき、債務者に代位して、第三債務者に対しその支払を求める訴を提起した後に、国が、右債務者に対する国税の滞納処分として同一債権を差し押え、第三債務者に対しその支払を求める訴を提起しても、債権者の代位権行使の権限が失われるものではなく、裁判所は、右二個の請求を併合して審理し、これをともに認…
参照法条民法423条,民訴法231条,民訴法598条,国税徴収法8条,国税徴収法67条
旧民法九一五条四号にいう「後見人と被後見人トノ利益相反スル行為」にあたるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和45年5月22日昭和42(オ)473民集 第24巻5号402頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨後見人が未成年者を代理して後見人の内縁の夫に対し未成年者所有の土地を無償譲渡する行為は、旧民法九一五条四号にいう「後見人ト被後見人トノ利益相反スル行為」にあたる。
参照法条旧民法915条4号,民法851条4号,民法860条
賃貸人の共同相続人に対して賃借権の確認を求める訴訟と必要的共同訴訟の成否
最高裁判所第二小法廷昭和45年5月22日昭和45(オ)64民集 第24巻5号415頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の賃借人が賃貸人の相続人に対して賃借権の確認を求める訴訟は、相続人が数人あるときでも、必要的共同訴訟ではない。
参照法条民訴法62条,民法430条
消滅時効完成後の債務承認と再度完成した時効の援用
最高裁判所第一小法廷昭和45年5月21日昭和44(オ)1131民集 第24巻5号393頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者が、消滅時効の完成後に、債権者に対し当該債務を承認した場合においても、以後ふたたび時効は進行し、債務者は、再度完成した消滅時効を援用することができる。
参照法条民法146条
手形金債務の支払につき手形外の保証契約が締結されている場合と裏書によつて手形債権を取得した者の保証人に対する履行請求
最高裁判所第三小法廷昭和45年4月21日昭和44(オ)188民集 第24巻4号283頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨約束手形の振出人のため手形金債務の支払につき受取人との間で手形外の保証契約が締結されている場合には、裏書によつて手形債権を取得した者は、これとともに保証債権を取得し、かつ、その取得につき対抗要件を具備することなく、保証人に対し保証債務の履行を求めることができる。
参照法条民法446条,民法467条,手形法14条,手形法32条
年数回の組入れを約する重利の予約と利息制限法
最高裁判所第三小法廷昭和45年4月21日昭和44(オ)269民集 第24巻4号298頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨年数回の利息の組入れを約する重利の予約は、毎期における組入れ利息とこれに対する利息との合算額が、本来の元本額に対する関係において、一年につき利息制限法所定の制限利率により計算した額をこえない限度においてのみ有効である。
参照法条民法405条,利息制限法1条
譲渡禁止の特約のある債権に対する転付命令の効力
最高裁判所第二小法廷昭和45年4月10日昭和42(オ)1462民集 第24巻4号240頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨譲渡禁止の特約のある債権であつても、差押債権者の善意・悪意を問わず、転付命令によつて移転することができるものであつて、これにつき、民法四六六条二項の適用はない。
参照法条民法466条2項,民訴法600条1項,民訴法601条
将来発生することあるべき債務の担保のために振り出された約束手形の受取人が右債務の不発生が確定した後に振出人のための手形保証人に対してする手形金請求と権利の濫用
最高裁判所第三小法廷昭和45年3月31日昭和44(オ)1118民集 第24巻3号182頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨将来発生することあるべき債務の担保のために振り出され、振出人のために手形保証のなされた約束手形の受取人は、手形振出の右原因関係上の債務の不発生が確定したときは、特別の事情のないかぎり、以後手形保証人に対して手形上の権利を行使すべき実質的理由を失つたものであつて、右手形を返還せず、手形が自己の手裡に存するのを奇貨として手…
参照法条手形法77条,手形法32条1項,手形法32条2項,手形法17条,民法1条2項,民法1条3項
一、債権担保のために締結された売買予約の解釈 二、売買予約の形式をとる債権担保契約につき仮登記を経由した債権者から本登記をするについての承諮を訴求された後順位利害関係人の地位
最高裁判所第一小法廷昭和45年3月26日昭和42(オ)557民集 第24巻3号209頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、貸金債権担保のため、不動産につき売買予約の形式をとる契約が締結された場合には、右契約は、代物弁済の形式をとる債権担保のための契約がその実質において担保権と同視されるべきものであるのと同様に、債務者が弁済期に債務の弁済をしないとき、目的不動産の所有権を移転させる方式によつて債権の優先弁済を受けることを目的とするもので…
参照法条民法556条,不動産登記法7条,不動産登記法105条,不動産登記法146条,民訴法751条
要素の錯誤による意思表示の無効を第三者が主張することが許される場合
最高裁判所第一小法廷昭和45年3月26日昭和43(オ)27民集 第24巻3号151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。
参照法条民法95条,民法423条
一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺と労働基準法二四条一項 二、公立中学校の教員につき、給与過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる給与の支払請…
最高裁判所第一小法廷昭和44年12月18日昭和40(行ツ)92民集 第23巻12号2495頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、かつ、あらかじめ労働者に予告されるとかその額が多額にわたらない等労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのないものである…
参照法条労働基準法24条1項,民法505条1項,地方公務員法25条1項
一、民法七六一条と夫婦相互の代理権 二、民法七六一条と表見代理
最高裁判所第一小法廷昭和44年12月18日昭和43(オ)971民集 第23巻12号2476頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、民法七六一条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解すべきである。 二、夫婦の一方が民法七六一条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法一一〇条所定の表見代理の成立を肯定すべきで…
参照法条民法761条,民法110条
民法二〇三条但書の趣旨
最高裁判所第三小法廷昭和44年12月2日昭和42(オ)301民集 第23巻12号2343頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法二〇三条但書は、占有を奪われた者が、占有回収の訴を提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復した場合に、占有の継続を擬制する趣旨と解するのが相当である。
参照法条民法203条
抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟の応訴と被担保債権の消滅時効の中断
最高裁判所第一小法廷昭和44年11月27日昭和44(オ)491民集 第23巻11号2251頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者兼抵当権設定者が債務の不存在を理由として提起した抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟において、債権者兼抵当権者が請求棄却の判決を求め被担保債権の存在を主張したときは、右主張は、裁判上の請求に準ずるものとして、被担保債権につき消滅時効中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法149条
民法七七二条の類推適用により父性の推定を受ける子の認知の訴と同法七八七条但書の適用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和44年11月27日昭和44(オ)769民集 第23巻11号2290頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法七七二条の類推適用により父性の推定を受ける子についても、認知の訴の提起にあたつては、出訴期間の制限に関する同法七八七条但書の適用がある。
参照法条民法772条,民法787条
債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を元本とともに任意に支払つた場合と右制限に従つた元利合計額をこえる支払額に対する不当利得返還請求の許否
最高裁判所第三小法廷昭和44年11月25日昭和44(オ)280民集 第23巻11号2137頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を元本とともに任意に支払つた場合においては、その支払にあたり充当に関して特段の意思表示がないかぎり、右制限に従つた元利合計額をこえる支払額は、債務者において、不当利得として、その返還を請求することができると解すべきである。
参照法条利息制限法1条,利息制限法4条,民法705条
代理人が権限を濫用して約束手形の振出人のためにした手形上の保証と手形受取人に対する国税滞納処分として手形を差し押えた国に対する保証人の責任
最高裁判所第二小法廷昭和44年11月14日昭和42(オ)694民集 第23巻11号2023頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代理人が、自己の利益をはかるため、代理権限を濫用して、約束手形の振出人のために、本人名義で手形上の保証をした場合において、代理人から手形の交付を受けた手形受取人が権限濫用の事実を知りうべきであったときは、受取人に対する国税滞納処分として右手形を差し押えて占有するに至つた国において、差押当時受取人の知情の点につき善意であ…
参照法条民法93条但書,民法94条2項,手形法77条3項,手形法32条
労働者災害補償保険法二〇条一項の規定によつて国が取得する損害賠償債権と会計法三一条一項
最高裁判所第一小法廷昭和44年11月6日昭和44(オ)571民集 第23巻11号1988頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険法二〇条一項の規定によつて国が取得する損害賠償債権は、会計法三一条一項の規定する時効の利益を放棄することができない旨の制限に服しない。
参照法条会計法31条,民法146条,労働者災害補償保険法20条
一、仮換地上の建物の競落と法定地上権 二、仮換地の一部分につき売買契約を締結した場合と仮換地の使用収益権 三、従前の土地の共有者の一人の所有する仮換地上建物が競落された場合に法定地上権の成立が認められた事例 四、仮換地上の建物の競落により法…
最高裁判所第三小法廷昭和44年11月4日昭和41(オ)529民集 第23巻11号1968頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、従前の土地の所有者の所有する仮換地上の建物が抵当権の実行により競落されたときは、従前の土地について法定地上権が成立し、競落人は、右法定地上権に基づいて仮換地の使用収益が許されるものと解するのが相当である。 二、土地の売買契約が仮換地につきその一部分を特定して締結され従前の土地そのものにつき買受部分を特定してされたも…
参照法条民法388条,民法249条,民法555条,土地区画整理法99条,土地区画整理法85条,土地区画整理法98条
権利能力なき財団が認められた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年11月4日昭和44(オ)198民集 第23巻11号1951頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨財団法人設立のため、その趣旨に賛同する者から寄附金を収受し、役員として理事長、理事、評議員を選出し、常勤執行機関として事務総局事務総長を選任したうえ、右寄附金中の一定額を基本財産として特定個人名義で銀行に定期預金とし、民法所定の事項を含む寄附行為を作成して、財団法人設立許可申請手続を推進していたものは、いわゆる権利能力…
参照法条民法34条,民法43条
民法七四二条一号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」の意義
最高裁判所第二小法廷昭和44年10月31日昭和42(オ)1108民集 第23巻10号1894頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法七四二条一号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があつたとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻は効力を生じな…
参照法条民法742条
占有と相続
最高裁判所第一小法廷昭和44年10月30日昭和44(オ)265民集 第23巻10号1881頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地を占有していた被相続人が死亡し相続が開始した場合には、特別の事情のないかぎり、被相続人の右土地に対する占有は相続人によつて相続される。
参照法条民法896条,民法180条
隣接土地上に存在する保存登記を経由した建物の庭として使用することを目的とする土地の賃借権と建物保護に関する法律一条による対抗力
最高裁判所第三小法廷昭和44年10月28日昭和44(オ)423民集 第23巻10号1854頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨乙所有の土地(乙地)を借り受け、同士地上に保存登記を経由した建物を所有する者が、甲所有の隣接土地(甲地)を右建物の庭として使用するため借り受けた場合においては、甲地が乙地と一体として右建物所有を目的として賃借されているものであるか否かにかかわらず、建物保護に関する法律一条による賃借権の対抗力は甲地に及ばない。
参照法条建物保護に関する法律1条,民法605条
一、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴の許否 二、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴と法例三〇条 三、法例二〇条にいう「父ア…
最高裁判所第三小法廷昭和44年10月21日昭和43(オ)734民集 第23巻10号1834頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、中華民国の国籍を有する血統上の父が非嫡出子を養育している場合においても、その非嫡出子が日本の国籍を有するときは、認知の届出または認知の裁判を経ないかぎり、いまだ認知の効力は生ぜず、非嫡出子は父に対する認知の訴を提起することができる。 二、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子が父に…
参照法条法例18条1項,法例30条,法例20条,民法779条,民法781条,民法787条,中華民国民法1065条1項,中華民国民法1067条
一、代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている不動産の所有権が第三者に移転したときと予約完結権行使の相手方 二、債権担保のため同一不動産に代物弁済の予約とともに設定された抵当権が転抵当に供されている場合と予約完結権行使の許否
最高裁判所第一小法廷昭和44年10月16日昭和43(オ)489民集 第23巻10号1759頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、不動産に関する代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている場合においては、該不動産の所有権が第三者に移転したときであつても、代物弁済予約権者は、予約の相手方に対して予約完結の意思表示をすべきである。 二、貸金債権担保のため同一不動産につき代物弁済の予約とともに抵当権の設定があり、その抵当権が転抵当に供され…
参照法条民法482条,民法556条1項,民法369条,民法375条1項,不動産登記法2条2号,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条1項
男性に妻のあることを知りながら情交関係を結んだ女性の慰籍料請求
最高裁判所第二小法廷昭和44年9月26日昭和42(オ)790民集 第23巻9号1727頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨女性が、男性に妻のあることを知りながら情交関係を結んだとしても、情交の動機が主として男性の詐言を信じたことに原因している場合で、男性側の情交関係を結んだ動機、詐言の内容程度およびその内容についての女性の認識等諸般の事情を斟酌し、女性側における動機に内在する不法の程度に比し、男性側における違法性が著しく大きいものと評価で…
参照法条民法709条,民法710条,民法708条
公正証書上の執行受諾の意思表示と民法九五条の適用
最高裁判所第一小法廷昭和44年9月18日昭和43(オ)687民集 第23巻9号1675頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公正証書に記載される執行受諾の意思表示に要素の錯誤があるときは、民法九五条が適用され、表意者に重大な過失のないかぎり、その意思表示は効力を生じない。
参照法条民法95条,民訴法559条3号
一、破産手続において債権表に記載された債権の消滅時効期間 二、退職金債権と一般の先取特権
最高裁判所第三小法廷昭和44年9月2日昭和43(オ)1095民集 第23巻9号1641頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、確定債権についての債権表の記載は確定判決と同一の効力を有するから、右債権表に記載された債権の消滅時効については、民法一七四条ノ二第一項により、その時効期間は一〇年であると解すべきである。 二、給料の後払いとしての性格を有する退職金債権については、その最後の六か月間の給料相当額について一般の先取特権があると解すべきで…
参照法条民法174条ノ2,民法306条,民法308条,破産法242条
建物の賃借人が承諾を得て二階部分を増築した場合に区分所有権が成立しないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年7月25日昭和44(オ)120民集 第23巻8号1627頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の賃借人が建物の賃貸人兼所有者の承諾を得て賃借建物である平家の上に二階部分を増築した場合において、右二階部分から外部への出入りが賃借建物内の部屋の中にある梯子段を使用するよりほかないときは、右二階部分につき独立の登記がされていても、右二階部分は、区分所有権の対象たる部分にはあたらない。
参照法条民法242条,建物の区分所有等に関する法律1条
賃貸建物の所有権移転と敷金の承継
最高裁判所第一小法廷昭和44年7月17日昭和43(オ)483民集 第23巻8号1610頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物賃貸借契約において、該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があつた場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される。
参照法条民法619条,借家法1条1項
建物賃借人と敷地所有権の取得時効の援用の許否
最高裁判所第三小法廷昭和44年7月15日昭和42(オ)1398民集 第23巻8号1520頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物賃借人は、建物賃貸人による敷地所有権の取得時効を援用することはできない。
参照法条民法145条
訴訟上の和解の解釈
最高裁判所第一小法廷昭和44年7月10日昭和43(オ)1246民集 第23巻8号1450頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨訴訟の係属中に訴訟代理人たる弁護士も関与して成立した訴訟上の和解においては、その文言自体相互に矛盾し、または文言自体によつてその意味を了解しがたいなど、和解条項それ自体にかしを含むような特別の事情のないかぎり、和解調書に記載された文言と異なる意味に和解の趣旨を解すべきではない。
参照法条民法695条,民訴法203条,民訴法
土地の無断転貸借と土地の賃借権ないし転借権の時効取得
最高裁判所第三小法廷昭和44年7月8日昭和41(オ)991民集 第23巻8号1374頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の土地の用益がその他人の承諾のない転貸借に基づくものである場合において、土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、その用益が賃借の意思に基づくものであることが客観的に表現されているときは、その土地の賃借権ないし転借権を時効により取得することができる。
参照法条民法163条,民法601条,民法612条
一、労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力 二、員外貸付が無効とされる場合に債務者において右債務を担保するために設定された抵当権の実行による所有権の取得を否定することが許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和44年7月4日昭和43(オ)916民集 第23巻8号1347頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、労働金庫の会員外の者に対する貸付は無効である。 二、労働金庫の員外貸付が無効とされる場合においても、右貸付が判示のような事情のもとにされたものであつて、右債務を担保するために設定された抵当権が実行され、第三者がその抵当物件を競落したときは、債務者は、信義則上、右競落人に対し、競落による所有権の取得を否定することは許…
参照法条民法1条,民法43条,民法387条,労働金庫法58条
先順位共同抵当権者が抵当権の一部を放棄した場合における次順位抵当権者との優劣
最高裁判所第一小法廷昭和44年7月3日昭和41(オ)1284民集 第23巻8号1297頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲乙不動産の先順位共同抵当権者が、甲不動産には次順位の抵当権が設定されているのに、乙不動産の抵当権を放棄し、甲不動産の抵当権を実行した場合であつても、乙不動産が物上保証人の所有であるときは、先順位抵当権者は、甲不動産の代価から自己の債権の全額について満足を受けることができる。
参照法条民法392条,民法504条
一、法人格のない財団として設立中の財団法人に訴訟上の当事者能力が認められた事例 二、遺言による寄附行為の寄附財産について遺言執行者のした処分が有効とされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年6月26日昭和40(オ)907民集 第23巻7号1175頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、遺言による寄附行為に基づく財団法人の設立を目的として、判示のように、代表機関を持ち、寄附財産を独立に管理運用し活動する財団は、設立中の財団法人として法人格のない財団にあたり、訴訟上の当事者能力を有する。 二、遺言執行者が、遺言による寄附行為に基づく寄附財産として管理する相続財産の株式を、判示のように設立中の財団法人…
参照法条民法 34条・41条2項・42条2項・1012条1項・1013条,民訴法46条
金銭債権について債権者代位権を行使しうる範囲
最高裁判所第三小法廷昭和44年6月24日昭和41(オ)981民集 第23巻7号1079頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が債務者に対する金銭債権に基づいて債務者の第三債務者に対して有する金銭債権を代位行使する場合においては、債権者は自己の債権額の範囲においてのみ債務者の債権を行使しうると解すべきである。
参照法条民法423条
いわゆる学校債券が無記名証券にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年6月24日昭和43(オ)1227民集 第23巻7号1143頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨学校法人が設備拡充資金の借入れを目的とし、一般の起債の方法により作成、発行した左記の学園債券は、無記名証券にあたる。 (学園債権は末尾添付)
参照法条民法86条3項,民法473条,商法517条,商法519条
婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年5月29日昭和43(オ)1184民集 第23巻6号1064頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であつても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年半以前から事実上の離婚をして別居し、まつたく交渉を絶つて、夫婦の実態が失われていた場合には、民法七七二条による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。
参照法条民法772条,民法774条
債権者において弁済を受領しない意思が明確な場合でも弁済の提供をしない債務者は債務不履行の責を免れないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年5月1日昭和42(オ)1424民集 第23巻6号935頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨弁済の準備ができない経済状態にあるため言語上の提供もできない債務者は、債権者が弁済を受領しない意思が明確な場合であつても、弁済の提供をしないかぎり、債務不履行の責を免れない。
参照法条民法493条
酩酊運転の場合保険会社は旧自動車保険普通保険約款により損害の填補を免責されるか
最高裁判所第二小法廷昭和44年4月25日昭和41(オ)16民集 第23巻4号882頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保険契約者の被用者である運転手が、酒に酔つて正常な運転ができないのに自動車を運転して事故を起こした場合には、それによつて生じた損害につき、保険会社は、旧自動車保険普通保険約款第三条一号但書の規定にかかわらず、同約款四条四号により填補の責を免れると解すべきである。
参照法条商法629条,商法641条,民法92条
婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失つていた場合と婚姻の届出の効力
最高裁判所第一小法廷昭和44年4月3日昭和41(オ)1317民集 第23巻4号709頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有効に成立する。
参照法条民法739条,民法742条
一、代理人が権限を濫用して振り出した約束手形と第三取得者に対する本人の手形抗弁 二、手形行為は農業協同組合の目的たる事業の範囲に含まれるか
最高裁判所第一小法廷昭和44年4月3日昭和42(オ)602民集 第23巻4号737頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、代理人が自己または第三者の利益をはかるため、代理権限を濫用して約束手形を振り出した場合において、権限濫用の事実を知りまたは知りうべかりし状態で右手形の交付を受けた受取人が、これを他に裏書譲渡したときは、本人は、手形法一七条但書の規定により、第三取得者が受取人の右知情について悪意であることを立証した場合にかぎり、右第…
参照法条手形法77条1項1号,手形法17条,民法43条,民法93条,農業協同組合法10条
宅地上の従物と抵当権の効力
最高裁判所第二小法廷昭和44年3月28日昭和43(オ)1250民集 第23巻3号699頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地に対する抵当権の効力は、特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時右宅地の従物であつた石燈籠および庭石にも及び、抵当権の設定登記による対抗力は、右従物についても生ずる。
参照法条民法87条,民法177条,民法370条
共有持分権の放棄と登記方法
最高裁判所第一小法廷昭和44年3月27日昭和43(オ)602民集 第23巻3号619頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共有登記のなされている不動産につき、共有者の一人が持分権を放棄した場合には、他の共有者は、放棄にかかる持分権の移転登記手続を求めるべきであつて、放棄者の持分権取得登記の抹消登記手続を求めることは許されない。
参照法条民法177条,民法255条,不動産登記法1条
代理受領を承認した債務者が当該債務を本人に支払つた場合に不法行為の成立が認められた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年3月4日昭和41(オ)611民集 第23巻3号561頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲の乙に対する手形金債権を担保する目的で、乙が丙に対する請負代金債権の代理受領を甲に委任し、丙が甲に対し右代理受領を承認しながら、請負代金を乙に支払つたため、甲が手形金債権の満足を受けられなくなつた場合において、丙が右承認の際担保の事実を知つていたなど原判示の事情(原判決理由参照)があるときは、丙は、甲に対し過失による…
参照法条民法99条,民法709条
一、法人格否認の法理 二、実質が個人企業と認められる株式会社における取引の効果の帰属
最高裁判所第一小法廷昭和44年2月27日昭和43(オ)877民集 第23巻2号511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、社団法人において、法人格がまつたくの形骸にすぎない場合またはそれが法律の適用を回避するために濫用される場合には、その法人格を否認することができる。 二、株式会社の実質がまつたく個人企業と認められる場合には、これと取引をした相手方は、会社名義でされた取引についても、これを背後にある実体たる個人の行為と認めて、その責任…
参照法条民法33条,商法52条,商法504条
賃借権譲渡に賃貸人の書面による承諾を要する旨の特約と賃貸借の解除
最高裁判所第一小法廷昭和44年2月13日昭和42(オ)1382民集 第23巻2号316頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借権譲渡に賃貸人の書面による承諾を要する旨の特約があるにかかわらず、賃借人が賃貸人の書面による承諾を得ないで賃借権を譲渡した場合であつても、右書面による承諾を必要とした特約の趣旨その他諸般の事情に照らし、右譲渡が賃貸人に対する背信的行為であると認めるに足りない特段の事情が存する事実について、賃借人から立証がなされたと…
参照法条民法540条,民法612条
無能力者であることを黙秘することと民法二〇条にいう「詐術」
最高裁判所第一小法廷昭和44年2月13日昭和42(オ)607民集 第23巻2号291頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無能力者であることを黙秘することは、無能力者の他の言動などと相まつて、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときには、民法二〇条にいう「詐術」にあたるが、黙秘することのみでは右詐術にあたらない。
参照法条民法20条
遺言による寄附行為に基づく財団の設立行為がされたあとで遺言者の生前処分の寄附行為に基づく財団の設立行為がされた場合と遺言の取消
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和40(オ)706民集 第22巻13号3270頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言による寄附行為に基づく財団の設立行為がされたあとで、遺言者の遺言後にされた生前処分の寄附行為に基づく財団設立行為がされて両者が競合する形式になつた場合において、右生前処分が遺言と抵触してその遺言が取り消されたとみなされるためには、少なくとも、右生前処分の寄附行為に基づく財団設立行為が、主務官庁の許可によつてその財団…
参照法条民法1023条
手形偽造に民法第一一〇条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和41(オ)1204民集 第22巻13号3382頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権限者が機関方式により手形を振り出し本人名義の手形を偽造した場合であつても、右の手形振出が本人から付与された代理権の範囲をこえてなされたものであり、かつ、手形受取人において右無権限者が本人名義で手形を振り出す権限ありと信ずるにつき正当の理由がある等原審認定の事実関係(原判決理由参照)のもとにおいては、本人は、民法第一…
参照法条手形法8条,手形法77条2項,民法110条
抵当不動産の占有と民法第一六二条第二項にいう善意・無過失
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和41(オ)837民集 第22巻13号3366頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第一六二条第二項にいう占有者の善意・無過失とは、自己に所有権があるものと信じ、かつ、そのように信ずるにつき過失のないことをいい、占有者において、占有の目的不動産に抵当権が設定されていることを知り、または、不注意により知らなかつた場合でも、ここにいう善意・無過失の占有者ということを妨げない。
参照法条民法162条2項,民法397条
仮換地の指定後従前の土地が分割譲渡された場合と仮換地に対する使用収益権
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和42(オ)744民集 第22巻13号3393頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮換地の指定後、従前の土地が分割譲渡されて所有者を異にする二筆以上の土地となつた場合においては、施行者により各筆に対する仮換地を特定した変更指定処分がされないかぎり、各所有者は、仮換地全体につき、従前の土地に対する各自の所有地積の割合に応じ使用収益権を共同して行使すべき、いわゆる準共有関係にあるものと解すべきである。
参照法条土地区画整理法99条,土地区画整理法129条,特別都市計画法(昭和21年法律第19号)14条,民法249条,民法264条
請負人が第三者に損害を与えた場合において注文者に注文または指図について過失があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和43(オ)26民集 第22巻13号3413頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負人の過失により建築中の建物が倒壊し、隣家の居住者に損害を与えた場合において、注文者が、土木出張所から建物の補強工作を完備するよう強く勧告を受けたにもかかわらず、請負人にその工作をさせることなく、所定の中間検査も受けないままで瓦葺作業に取りかからせたため、瓦の重みで右建物が倒壊するに至つた等判示の事情があるときは、右…
参照法条民法716条
職権による過失相殺と過失の立証責任
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和43(オ)650民集 第22巻13号3454頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第四一八条による過失相殺は、債務者の主張がなくても、裁判所が職権ですることができるが、債権者の過失となるべき事実については、債務者において立証責任を負う。
参照法条民法418条
公正証書による遺言の方式
最高裁判所第二小法廷昭和43年12月20日昭和43(オ)298民集 第22巻13号3017頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公証人が、あらかじめ他人から聴取した遺言の内容を筆記し、公正証書用紙に清書したうえ、その内容を遺言者に読み聞かせたところ、遺言者が右遺言の内容と同趣旨を口授し、これを承認して右書面にみずから署名押印したときは、公正証書による遺言の方式に違反しない。
参照法条民法969条
日本電信電話公社の加入電話加入者に対する加入電話加入契約上の意思表示の到達が認められた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月17日昭和41(オ)743民集 第22巻13号2998頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨電話加入権の譲渡承認をえて加入電話加入者となつた者が、右譲渡承認の請求に際し譲受人の住所として特定の場所を表示して右承認をえ、右場所に設置された電話機を、同所に営業所を設けて営業を営む第三者に使用させている場合には、加入電話加入者みずからは同所に居住していなくても、同所に居住する者によつて、日本電信電話公社より加入電話…
参照法条民法97条1項
親株の取戻権者の破産管財人に対する配当金および子株の返還請求の許否
最高裁判所第一小法廷昭和43年12月12日昭和39(オ)496民集 第22巻13号2943頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式の取戻権者が株券引渡の訴を提起した後に右株式につき生じた配当金および右株式につき株主に割り当てられた新株を破産管財人において取得した場合には、右取戻権者は、破産管財人に対し不当利得に基づく財団債権として右配当金および新株の返還を請求することができる。
参照法条破産法47条5号,民法704条,商法206条1項,商法280条ノ21項5号,商法280条ノ4,商法293条
電信送金契約は第三者のためにする契約であるか
最高裁判所第一小法廷昭和43年12月5日昭和40(オ)1399民集 第22巻13号2876頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨電信送金契約は、特別の事情のないかぎり、第三者たる送金受取人のためにする契約であるとはいえず、被仕向銀行は、右契約により、仕向銀行に対する関係においては、送金受取人に送金の支払をする義務を負うが、送金受取人本人に対する関係においては、そのような義務を負うものではなく、単に仕向銀行の計算において送金の支払をなしうる権限を…
参照法条民法91条,民法92条,民法537条
特約に基づき賃借権設定登記をする義務と賃料支払義務との同時履行の成否
最高裁判所第一小法廷昭和43年11月28日昭和43(オ)199民集 第22巻12号2833頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の賃貸人が特約に基づき賃借権設定登記をする義務を負つていても、右義務と賃借人の賃料支払義務とを同時履行の関係にたたせる旨の特約がなく、かつ、登記がないため契約の目的を達することができないという特段の事情もない場合には、賃借人は、右登記義務の履行がないことを理由として賃料の支払を拒むことができない。
参照法条民法533条,民法605条
民法応急措置法施行中に相続が開始した場合と被相続人の兄弟姉妹の直系卑属の代襲相続権の有無
最高裁判所第二小法廷昭和43年11月22日昭和41(オ)106民集 第22巻12号2777頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律の施行中に相続が開始し、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合において、同人らが右相続開始前に死亡していたときは、同人らの直系卑属は代襲相続権を有しない。
参照法条日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律1条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律7条,旧民法994条,旧民法995条,旧民法996条,民法887条,民法889条
不動産の二重売買の場合の履行不能を理由とする損害賠償債権をもつてする留置権の主張の許否
最高裁判所第一小法廷昭和43年11月21日昭和43(オ)586民集 第22巻12号2765頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の二重売買において、第二の買主のため所有権移転登記がされた場合、第一の買主は、第二の買主の右不動産の所有権に基づく明渡請求に対し、売買契約不履行に基づく損害賠償債権をもつて、留置権を主張することは許されない。
参照法条民法295条
一、債権者の代物弁済予約完結の行為が破産法第七二条第二号により否認されうる場合 二、右予約完結に際し代物弁済予約による所有権移転請求権保全の仮登記が存する場合およびその後右仮登記が権利放棄を理由に債権者により抹消された場合と破産法第七二条第…
最高裁判所第二小法廷昭和43年11月15日昭和40(オ)1107民集 第22巻12号2629頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、債務の弁済期が未到来のため債権者が代物弁済一方の予約に基づく予約完結権を行使できない間に、債権者および債務者が債務者に対し破産の申立がされたことを知つて、両者が相通じ、債務者は期限の利−益を放棄して予約完結権の行使を誘致し、債権者は債務者に対し一方的予約完結の意思表示をし代物弁済の効力を生ぜしめた場合には、債権者の…
参照法条破産法72条2号,民法482条,不動産登記法2条2号,不動産登記法7条2項
共同保証人の一人に対する債務の免除は他の保証人に効果を及ぼすか
最高裁判所第二小法廷昭和43年11月15日昭和41(オ)1373民集 第22巻12号2649頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同保証人の一人に対する債務の免除は、他の保証人に効果を及ぼさない。
参照法条民法437条,民法446条,民法458条
一、任意に支払われた法定の制限をこえる利息・損害金と弁済充当の順位に関する特約がある場合の充当関係 二、法定の制限をこえて支払われた利息・損害金を残存元本等に充当するには債務者からその旨の抗弁が提出されることを要するか 三、法定の制限をこえ…
最高裁判所第三小法廷昭和43年10月29日昭和42(オ)967民集 第22巻10号2257頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、債権者と債務者間に数口の貸金債権が存在し、弁済充当の順序について特約が存在する場合において、債務者が利息制限法所定の制限をこえる利息を支払つたときは、右超過部分に対する弁済は、右特約の趣旨に従つて次順位に充当されるべき債務で有効に存在するものに充当されるものと解すべきである。 (反対意見がある) 二、裁判所は、利息…
参照法条利息制限法1条,利息制限法2条,利息制限法4条,民法419条,民法442条,民法491条
土地賃借権の時効取得
最高裁判所第三小法廷昭和43年10月8日昭和42(オ)954民集 第22巻10号2154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権を時効により取得することができる。
参照法条民法163条,民法601条
一、抵当権の設定契約の無効とその抵当権に基づく競売手続の効果 二、民法第八二六条の利益相反行為にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年10月8日昭和43(オ)783民集 第22巻10号2172頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、抵当権の設定契約が無効のときには、その抵当権に基づく競売により、抵当物件が競落されても、競落人はその所有権を取得することができない。 二、第三者の金銭債務について、親権者がみずから連帯保証をするとともに、子の代理人として、同一債務について連帯保証をし、かつ、親権者と子が共有する不動産について抵当権を設定するなどの判…
参照法条民法369条,民法826条,競売法2条
民法第三九五条の適用のある期間の定のない建物賃貸借につき解約申入の正当事由が認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和43年9月27日昭和42(オ)477民集 第22巻9号2074頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第三九五条の適用のある期間の定のない建物賃貸借において、その賃貸借が成立後競落人による解約申入に至るまで、−ほとんど七年に及ぶ長期間を経過したものであるときは、他に特段の事情がないかぎり、その解約申入は借家法第一条ノ二にいう「正当ノ事由」を具備するものというべきである。
参照法条民法395条,民法602条,借家法1条ノ2
一、物上保証人は被担保債権の消滅時効を援用することができるか 二、債権者はその債務者に代位して他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができるか
最高裁判所第一小法廷昭和43年9月26日昭和41(オ)77民集 第22巻9号2002頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、他人の債務のために自己の所有物件に抵当権を設定した者は、右債務の消滅時効を援用することができる。 二、債権者は、自己の債権を保全するに必要な限度で、債務者に代位して、他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができる。
参照法条民法145条,民法372条,民法351条,民法423条
一二月三〇日は民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたるか
最高裁判所第一小法廷昭和43年9月26日昭和43(オ)648民集 第22巻9号2013頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一二月三〇日は、民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたらない。
参照法条民訴法156条,民法142条
仮換地の特定の一部分につき売買契約を締結した場合の右契約の解釈
最高裁判所第三小法廷昭和43年9月24日昭和43(オ)381民集 第22巻9号1959頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮換地の特定の一部分につき売買契約を締結したが、その部分が従前の土地のどの部分に対応するかについて合意がなく、かつ、これを確定することができないときは、仮換地全体の面積に対する当該部分の面積の比率に応じた従前の土地の共有持分につき売買契約が締結され、その持分について処分の効果が生ずるとともに、従前の土地についての持分に…
参照法条特別都市計画法(昭和21年法律第19号)14条,土地区画整理法99条,民法555条
判決手続による婚姻費用の請求とその分担額の決定
最高裁判所第二小法廷昭和43年9月20日昭和43(オ)458民集 第22巻9号1938頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第七六〇条の規定による婚姻費用の分担額は、協議がととのわないかぎり、家庭裁判所が決定すべきであつて、通常裁判所が判決手続で判定すべきものではない。
参照法条民法760条,家事審判法9条1項乙類3号
子の身体傷害についての父母の慰藉料の請求を認めた判断が違法とされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和43年9月19日昭和43(オ)63民集 第22巻9号1923頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不法行為により、年令八年二月の男児が頭蓋骨骨折などの傷害を受けて約二週間意識不明の状態になり、その父母も、受傷後四日間にわたり不眠不休の看病を続け、四日目にはその死を覚悟するなど原判決の認定した事実関係(原判決理由参照)があつても、そのことから、ただちに、父母は、その子の生命を害された場合に比肩するかまたは右の場合に比…
参照法条民法709条,民法710条,民法711条
意思能力のある子の法定代理人による認知の訴
最高裁判所第三小法廷昭和43年8月27日昭和42(オ)609民集 第22巻8号1733頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨未成年の子の法定代理人は、子に意思能力がある場合でも、子を代理して、認知の訴を提起することができる。
参照法条民法787条,人事訴訟手続法32条1項,人事訴訟手続法3条1項
宅地建物取引業者の受ける報酬額についの慣習の認定に審理不尽・理由不備の違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年8月20日昭和40(オ)228民集 第22巻8号1677頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地建物取引業者が売買の媒介を行なう場合に受ける報酬について、愛知県宅地建物取引業者の報酬額に関する規則(昭和二七年愛知県規則第五九号)の定める最高額により授受される慣習が存在するとするためには、これを相当として首肯するに足りる合理的根拠を必要とし、原判決挙示の証拠のみによつてたやすくこれを認定したのは、審理不尽・理由…
参照法条民法92条,民訴法185条,宅地建物取引業法(昭和39年法律第286号による改正前のもの)17条1項,愛知県宅地建物取引業者の報酬額に関する規則(昭和27年愛知県規則第59号)2条
宅地の売買がいわゆる数量指示売買ではないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年8月20日昭和41(オ)770民集 第22巻8号1692頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数または尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいい、宅地の売買においてその目的物を登記簿に記載してある字地番地目および坪数をもつて表示したとしても、直ちに売主…
参照法条民法565条
一、企業主が生命または身体を侵害されたことにより生ずる財産上の損害額の算定基準 二、附帯上告が上告理由と同一の理由に基づく場合とその提起期間
最高裁判所第二小法廷昭和43年8月2日昭和37(オ)611民集 第22巻8号1525頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、企業主が生命または身体を侵害されたため企業に従事することができなくなつたことによつて生ずる財産上の損害額は、特段の事情のないかぎり、企業収益中に占める企業主の労務その他企業に対する個人的寄与に基づく収益部分の割合によつて算定すべきである。 二、附帯上告が上告理由と同一の理由に基づく場合において上告審で口頭弁論が開か…
参照法条民法709条,民法416条1項,民訴法396条,民訴法374条
他人の有する債権を譲渡する契約をしてその譲渡通知をした者がその後同債権を取得した場合における右譲渡および通知の効力
最高裁判所第二小法廷昭和43年8月2日昭和42(オ)250民集 第22巻8号1558頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の有する債権を譲渡する契約をし、その債権の債務者に対して確定日附のある譲渡通知をした者が、その後同債権を取得した場合には、なんらの意思表示を要しないで、当然に同債権は譲受人に移転し、右譲受人は、同債権の譲受をもつて、その後右譲渡人から同債権の譲渡を受けた第三者に対抗することができる。
参照法条民法466条,民法467条,民法560条
一、運送保険の被保険者である荷送人が保険金の支払を受ける前に運送人に対する損害賠償請求権を放棄した場合と右運送保険の保険者の保険金支払義務 二、荷送人が運送人に対する損害賠償請求権を放棄した旨の判断に経験則違背・理由不備の違法があるとされた…
最高裁判所第一小法廷昭和43年7月11日昭和41(オ)1385民集 第22巻7号1489頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、運送保険の被保険者である荷送人が、保険金の支払を受ける前に、商法第六六二条所定の保険者代位の対象となるべき運送人に対する損害賠償請求権を放棄した場合には、右運送保険の保険者は、右放棄にかかる損害賠償請求権の金額の限度において、保険金の支払義務を免れるものと解すべきである。 二、荷送人が、運送契約の締結の際に、運送人…
参照法条商法629条,商法662条,民法519条,民訴法185条,民訴法395条1項6号
国税徴収権の消滅時効の中断と民法第一五三条の準用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和43年6月27日昭和39(行ツ)91民集 第22巻6号1379頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨徴税機関が、未納国税額につき納付を催告し、その後六箇月内に差押等の手段をとつたときは、民法第一五三条の準用により、国税徴収権の消滅時効は中断されるものと解すべきである。
参照法条旧国税徴収法(明治30年法律第21号)1条,旧国税徴収法(明治30年法律第21号)10条,会計法31条,民法147条,民法153条
農地の売買に関し民法第五五七条にいう「契約ノ履行ニ著手」したものと認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和43年6月21日昭和42(オ)1415民集 第22巻6号1311頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農地法第五条の知事の許可を要する農地の売買契約で解約手附が授受された場合において、売主および買主が連署のうえ同条による許可申請書を知事あてに提出したときは、特約その他特別の事情のないかぎり、売主および買主は、民法第五五七条第一項にいう「契約ノ履行ニ著手」したものと解すべきである。
参照法条民法557条,農地法5条
建物の附合を否定した判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和43年6月13日昭和42(オ)585民集 第22巻6号1183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物新築部分の従前の建物への附合の成否については、当該新築部分の構造、利用方法を考察し、右部分が従前の建物に接して築造され、構造上建物としての独立性を欠き、従前の建物と一体となつて利用され取引されるべき状態にあるときは、右部分は従前の建物に附合したものと解すべきであつて、新築部分が従前の建物とその基礎、柱、屋根などの部…
参照法条民法242条
遺言執行者がある場合と遺贈義務の履行を求める訴の被告適格
最高裁判所第二小法廷昭和43年5月31日昭和42(オ)1023民集 第22巻5号1137頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言執行者がある場合においては、特定不動産の受遺者から遺言の執行として目的不動産の所有権移転登記手続を求める訴の被告適格を有する者は、遺言執行者にかぎられ、相続人はその適格を有しない。
参照法条民訴法45条,民法1012条,民法1013条,民法1014条,民法1015条
一二月三一日は民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたるか
最高裁判所第二小法廷昭和43年4月26日昭和42(オ)927民集 第22巻4号1055頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一二月三一日は、民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたらない。
参照法条民訴法156条,民法142条
母の受傷を理由とする子の慰藉料請求について調停が成立した後母が死亡した場合とその死亡を理由とする子の慰藉料請求権
最高裁判所第一小法廷昭和43年4月11日昭和39(オ)538民集 第22巻4号862頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨母の身体侵害を理由とする子の慰藉料請求と右身体侵害に基づく母の生命侵害を理由とする子の慰藉料請求とは、同一性がなく、前者に関する調停が成立した後母が死亡した場合には、特別の事情のないかぎり、その調停が後者をも含むと解することはできない。
参照法条民法709条,民法710条,民法711条,民事調停法19条,民訴法203条,民訴法199条1項
一、不動産売買の黙示の媒介契約がされたとして報酬請求権が認められた事例 二、不動産売買の媒介を依頼された者が数人あるときの報酬額の配分基準
最高裁判所第三小法廷昭和43年4月2日昭和41(オ)1007民集 第22巻4号803頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一宅地建物取引業を営む商人が不動産の売買契約を成立させるため、買主を現場に案内し、契約の締結に立ち会い、売買代金額について売主、買主の両者の言い分を調整して、両者をして買主の希望価額以下に合意させ、目的物の受渡、代金の授受に関与した等判示事実関係のもとにおいては、買主との間に明示の売買の媒介契約がされなかつたとしても、…
参照法条商法512条,商法550条,民法648条,宅地建物取引業法(昭和39年法律第166号による改正前のもの)17条
示談当時予想しなかつた後遺症等が発生した場合と示談の効力
最高裁判所第二小法廷昭和43年3月15日昭和40(オ)347民集 第22巻3号587頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨交通事故による全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に、小額の賠償金をもつて示談がされた場合において、右示談によつて被害者が放棄した損害賠償請求は、示談当時予想していた損害についてのみと解すべきであつて、その当時予想できなかつた後遺症等については、被害者は、後日その損害の賠償を請求することができる。
参照法条民法709条,民法695条,民法696条
一、国家公務員等退職手当法に基づく退職手当の支払と労働基準法第二二四条一項の適用または準用の有無 二、右退職手当の受給権を譲り受けた者が国または公社に対し直接支払を求めることの許否
最高裁判所第三小法廷昭和43年3月12日昭和40(オ)527民集 第22巻3号562頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、国家公務員等退職手当法に基づいて支給される一般の退職手当は、労働基準法第一一条所定の賃金に該当し、その支払については、性質の許すかぎり、同法第二四条第一項本文の規定が適用または準用される。 二、右退職手当の支給前に、退職者またはその予定者が退職手当の受給権を他に譲渡した場合において、譲受人が直接国または公社に対して…
参照法条国家公務員等退職手当法2条,労働基準法11条,労働基準法24条1項,労働基準法120条,民法466条
登記申請の双方代理と弁護士法第二五条第一号
最高裁判所第二小法廷昭和43年3月8日昭和42(オ)901民集 第22巻3号540頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨弁護士が登記申請の双方代理をしても、その弁護士の行為は、特段の事由のないかぎり、弁護士法第二五条第一号に違反しない。
参照法条弁護士法25条1号,民法108条
一、上告裁判所である高等裁判所の意見が前に上告裁判所である大審院の法令の解釈についてした判決に反するとして事件が最高裁判所に移送された事例 二、境界確定の訴と取得時効
最高裁判所第一小法廷昭和43年2月22日昭和42(オ)718民集 第22巻2号270頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、(省略) 二、取得時効の成否は、境界確定の訴における境界確定とは関係がない。
参照法条民訴法406条ノ2,民訴規則58条2号,民法162条,民法223条,民訴法225条
準消費貸借契約における旧債務の存否に関する立証責任
最高裁判所第二小法廷昭和43年2月16日昭和42(オ)687民集 第22巻2号217頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨準消費貸借契約において、旧債務の不存在を事由として右契約の効力を争う者は、旧債務の不存在の事実を立証する責任を負う。
参照法条民法588条
訴訟上の和解の内容たる私法上の契約の解除と和解による訴訟終了の効果
最高裁判所第一小法廷昭和43年2月15日昭和41(オ)630民集 第22巻2号184頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨訴訟上の和解の内容たる私法上の契約が債務不履行のために解除されても、右和解による訴訟終了の効果に影響を及ぼさない。
参照法条民訴法203条,民法545条,民法695条
裁判外の催告を受けた者が請求権の存否調査のため猶予を求めた場合と時効中断の効力
最高裁判所第二小法廷昭和43年2月9日昭和41(オ)889民集 第22巻2号122頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨裁判外で債務履行の催告を受けた者が請求権の存否について調査するため猶予を求めた場合には、民法第一五三条所定の六箇月の期間は、その者から何分の回答がされるまで進行しない。
参照法条民法153条
一二月二九日は民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたるか
最高裁判所第三小法廷昭和43年1月30日昭和41(ク)88民集 第22巻1号81頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一二月二九日は、民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたらない。
参照法条民訴法156条,民法142条
境界についての当事者の合意と境界の確定
最高裁判所第三小法廷昭和42年12月26日昭和41(オ)118民集 第21巻10号2627頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨隣接土地所有者間に境界についての合意が成立したことのみによつて、右合意のとおりの境界を確定することは許されない。
参照法条民法223条
預金通帳を呈示しない無権限者の請求に対して銀行のした預金の払戻に過失がないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年12月21日昭和42(オ)711民集 第21巻10号2613頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権限者が預金通帳を呈示しないで預金の払戻を請求し、銀行がその支払をした場合であつても、払戻請求書に押捺された会社代表者の印影が届出の印影と合致し、請求者が当該会社の代表者を補助して会社の設立事務に従事し、設立後は取締役の一員となつていたことを当該係員において知つているなど判示の事情があるときは、銀行がその者に預金の払…
参照法条民法478条
債権者が根抵当権の極度額をこえる債権を有する場合において抵当物件の第三取得者が右極度額を弁済したときと根抵当権設定登記の抹消登記請求権の有無
最高裁判所第二小法廷昭和42年12月8日昭和42(オ)80民集 第21巻10号2561頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が根抵当権の極度額をこえる債権を有する場合において、抵当物件の第三取得者は、右極度額の限度で弁済したにすぎないときは、その根抵当権設定登記の抹消登記請求権を有しない。
参照法条民法177条,民法374条,民法378条
不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権とし不法行為以外の原因による債権を受働債権とする相殺の許否
最高裁判所第一小法廷昭和42年11月30日昭和40(オ)437民集 第21巻9号2477頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第五〇九条は、不法行為の被害者をして現実の弁済により損害の填補をうけしめるとともに、不法行為の誘発を防止することを目的とするものであり、不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権とし、不法行為による損害賠償債権以外の債権を受働債権として相殺をすることまでも禁止するものではないと解するのが相当である。
参照法条民法509条
民法第五九七条第二項但書の類推適用により土地使用貸借の解約が有効とされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年11月24日昭和42(オ)821民集 第21巻9号2460頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨父母を貸主とし、子を借主として成立した返還時期の定めがない土地の使用貸借であつて、使用の目的は、建物を所有して会社の経営をなし、あわせて、右経営から生ずる収益により老父母を扶養する等判示内容のものである場合において、借主は、さしたる理由もなく老父母に対する扶養をやめ、兄弟とも往来をたち、使用貸借当事者間における信頼関係…
参照法条民法597条2項
白紙委任状および印鑑証明書などが交付された場合に民法第一〇九条の適用が認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年11月10日昭和42(オ)264民集 第21巻9号2417頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が、乙の消費貸借債務を保証するため、丙またはその委任する第三者に右保証契約締結の代理権を与える目的で、自己の白紙委任状および印鑑証明書などを丙に交付した場合において、乙が丙から右白紙委任状などの交付を受けてこれを利用し、みずから甲の代理人として貸主と連帯保証契約を締結したときは、甲は民法第一〇九条にいう「第三者ニ対シ…
参照法条民法109条
一 他人の債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者は右債務の消滅時効を援用することができるか 二 債務者の時効の利益の放棄は当該債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者に影響を及ぼすか
最高裁判所第二小法廷昭和42年10月27日昭和39(オ)523民集 第21巻8号2110頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 他人の債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者は、右債務の消滅時効を援用することができる。 二 債務者の時効の利益の放棄は、当該債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者に影響を及ぼさない。
参照法条民法369条,民法145条,民法146条
偽造文書によつて登記がされた場合において登記原因たる法律行為を追認した本人からするその抹消登記手続の請求の許否
最高裁判所第二小法廷昭和42年10月27日昭和40(オ)583民集 第21巻8号2136頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権代理人の偽造文書による申請に基づいて登記がされた場合においても、本人が右登記の原因たる法律行為を追認したことによりその登記の記載が実体的法律関係に符合するにいたつたときには、本人は、右登記の無効を主張してその抹消登記手続を請求することはできない。
参照法条不動産登記法25条,不動産登記法35条,民法116条,民法177条
未完成仕事部分に関する請負報酬金債権の譲渡後に生じた仕事完成義務不履行を事由とする請負契約の解除をもつて右債権の譲受人に対抗することができるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年10月27日昭和42(オ)186民集 第21巻8号2161頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨未完成仕事部分に関する請負報酬金債権の譲渡について、債務者の異議をとどめない承諾がされても、譲受人が右債権が未完成仕事部分に関する請負報酬金債権であることを知つていた場合には、債務者は、右債権の譲渡後に生じた仕事完成義務不履行を事由とする当該請負契約の解除をもつて譲受人に対抗することができる。
参照法条民法468条
法人格のない社団に当たると認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年10月19日昭和41(オ)40民集 第21巻8号2078頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨普通地方公共団体の区域に属する特定地域の住民により結成された任意団体であつて、当該地方公共団体の下部行政区画でも、財産区でもなく、原判示のような規約に基づいて存続・活動しているもの(原判決理由参照)は、法人格のない社団に当たると解すべきである。
参照法条民法33条,民訴法46条
物上保証の目的物件の第三取得者が弁済によつて取得する求償権の範囲
最高裁判所第二小法廷昭和42年9月29日昭和41(オ)1088民集 第21巻7号2034頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証の目的物件の第三取得者が自己の出捐をもつて債権者に対し弁済した場合において、右第三取得者が有する求償権の範囲については、物上保証人に対する債務者の委任の有無によつて、民法第四五九条ないし第四六二条の規定が準用される。
参照法条民法372条,民法351条,民法459条,民法462条
共有物分割の結果不動産の一部について単独所有権を取得した場合の登記方法
最高裁判所第二小法廷昭和42年8月25日昭和40(行ツ)53民集 第21巻7号1729頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共有物分割の結果不動産の一部について単独所有権を取得した場合には、分筆登記を経由したうえで、権利の一部移転の登記手続をすべきである。
参照法条民法256条,不動産登記法39条ノ2
貸主が数名あるときの家屋明渡請求権と不可分給付を求める権利
最高裁判所第二小法廷昭和42年8月25日昭和42(オ)208民集 第21巻7号1740頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨使用貸借契約の終了を原因とする家屋明渡請求権は性質上の不可分給付を求める権利と解すべきであつて、貸主が数名あるときは、各貸主は総貸主のため家屋全部の明渡を請求することができる。
参照法条民法428条
訴訟中請求金額に不足する弁済供託金を受領した場合に供託金額をこえる部分について留保の意思表示があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年8月24日昭和41(オ)1180民集 第21巻7号1719頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金額に争のある債権について全額に対する弁済を供託原因として供託した金額が債権者の主張する額に足りないのに、債権者がその供託金を受領した場合であつても、右供託金を受領するまで、一貫して供託金額をこえる金額を請求する訴訟が維持続行されているときは、右請求の金額中供託金額をこえる部分については、留保の意思表示がされていると解…
参照法条民法494条,民法496条
共有持分の放棄と民法第九四条
最高裁判所第一小法廷昭和42年6月22日昭和41(オ)1277民集 第21巻6号1479頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他の共有者に対してなされた共有持分の放棄の意思表示が、右共有者との通謀による虚偽のものであるときは、右意思表示については、民法第九四条が類推適用される。
参照法条民法94条,民法255条
不法行為によつて身体を害された者の配偶者および子が自己の権利として慰藉料の請求ができないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和42年6月13日昭和40(オ)1308民集 第21巻6号1447頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被害者が、不法行為によつて、全治まで一年以上を要する左大腿部骨折等の重傷をこうむり、手術等の治療をうけたが、現在においても、左下肢が約三〇度外旋位をとつて約三・五センチメートル短縮し、大腿囲、下腿囲とも狭少となり、股、膝関節の運動領域に障害を残し、正座は不能で、歩行も約一キロメートル以上は苦痛のため不可能な状態である等…
参照法条民法709条,民法710条,民法711条
夫の負傷によつて妻の被つた精神的苦痛を理由とする妻の慰籍料請求が認められなかつた事例
最高裁判所第三小法廷昭和42年5月30日昭和39(オ)368民集 第21巻4号961頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫が交通事故によつて負傷し後遺症があつても、それが原審認定の程度にとどまり、そのために不具者となつて妻の一生の負担となるほどのものではなく、その他原判決判示のような諸般の事情(原判決理由参照)にあるときは、妻が夫の右負傷によつて被つた自己の精神的苦痛を理由として慰籍料を請求することはできない。
参照法条民法715条,民法710条,民法711条
動産の競落と民法第一九二条の適用の有無
最高裁判所第三小法廷昭和42年5月30日昭和41(オ)851民集 第21巻4号1011頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨執行債務者の所有に属さない動産が強制競売に付された場合であつても、競落人は、民法第一九二条によつて右動産の所有権を取得することができる。
参照法条民法192条,民訴法577条
民法第九二一条第一号本文による単純承認の効果が生ずるための要件
最高裁判所第一小法廷昭和42年4月27日昭和40(オ)1348民集 第21巻3号741頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第九二一条第一号本文による単純承認の効果が生ずるためには、相続人が自己のために相続の開始した事実を知りまたは確実視しなが相続財産を処分したことを要するものと解すべきである。
参照法条民法921条
代理人の権限濫用の行為と民法第九三条
最高裁判所第一小法廷昭和42年4月20日昭和39(オ)1025民集 第21巻3号697頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代理人が自己または第三者の利益をはかるため権限内の行為をしたときは、相手方が代理人の意図を知りまたは知りうべきであつた場合にかぎり、民法第九三条但書の規定を類推適用して、本人はその行為についての責に任じないと解するのが相当である。
参照法条民法93条,民法99条
一 民法上の組合的性質を有する頼母子講の性質とその解散 二 未落札者全員のみでした前項の頼母子講の解散と既落札者の返掛金債務の分割弁済の利益
最高裁判所第三小法廷昭和42年4月18日昭和40(オ)1339民集 第21巻3号659頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法上の組合的性質を有する頼母子講は、講の会合がすすむにつれて、講金の既落札者間における消費貸借の性質が増加し、組合性が後退するため、未落札者全員のみで解散を決定することができる。 二 前項の場合の清算手続においては、既落札者は、返掛金について分割弁済の利益を失わない。
参照法条民法667条,民法136条
親権者が自らおよび子の法定代理人として約束手形を共同で振り出した場合において利益相反関係を生じないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和42年4月18日昭和40(オ)1499民集 第21巻3号671頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨親権者が子の法定代理人として約束手形を振り出し、自らもその共同振出人となつた場合において、右手形が子を主債務者とし親権者をその連帯保証人とする借受金の支払のために振り出されたものであるときには、子と親権者との間に民法第八二六条所定の利益相反関係は生じない。
参照法条民法826条
頼母子講の未取口者のみの申合せによつて掛戻金取立方法の変更ができるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年3月31日昭和41(オ)1295民集 第21巻2号492頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原審認定の事実関係(原判決理由参照)のもとにおける組合類似の頼母子講にあつては、未取口者のみの申合せによつて、講世話人の取立および落札の方法を中止し、その後は未取口者が一体となつて既取口者に対しその掛戻金の支払を請求できるものと解するのが相当である。
参照法条民法667条
地役の性質を有する入会権が解体消滅したと認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年3月17日昭和37(オ)1365民集 第21巻2号388頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨明治二一年町村制の施行後、区の所有であつて当該区の部落民の入り会つていた入会地について、その後六五年間に、部落の統制が次第に当該区会の統制に移行し、区が従前の入会地の一部を処分し、全入会地を管理して使用収益方法を定め、部落民も異議なくこの方法に従つて当該土地の使用収益をするにいたり、また従前部落の入会権行使の統制機関で…
参照法条民法294条
漁業協同組合は民法第一七三条第一号にいう生産者または卸売商人にあたるか
最高裁判所第二小法廷昭和42年3月10日昭和39(オ)1097民集 第21巻2号295頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨漁業協同組合は、民法第一七三条第一号にいう生産者または卸売商人にあたらない。
参照法条民法173条,水産業協同組合法4条,水産業協同組合法5条,水産業協同組合法17条
破産者は株式会社の取締役となることができるか
最高裁判所第一小法廷昭和42年3月9日昭和41(オ)251民集 第21巻2号274頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産者は、復権しないかぎり、株式会社の取締役となることができない。
参照法条商法254条,民法653条,破産法7条
土地の一部を目的とする賃貸借における賃借部分の特定について賃貸人の負担する債務が選択債務にあたるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年2月23日昭和40(オ)278民集 第21巻1号189頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の一部を目的とする賃貸借について、当該契約の趣旨に適した場所が相当数あるときは、その賃借部分を特定して引き渡す賃貸人の債務は、選択債務にあたる。
参照法条民法401条,民法406号
過去の扶養料の求償と民法第八七八条および第八七九条
最高裁判所第二小法廷昭和42年2月17日昭和41(オ)783民集 第21巻1号133頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨扶養権利者を扶養してきた扶養義務者が他の扶養義務者に対して求償する場合における各自の扶養分担額は、協議がととのわないかぎり、家庭裁判所が審判で定めるべきであつて、通常裁判所が判決手続で定めることはできない。
参照法条民法878条,民法879条,民法703条,家事審判法9条1項乙類8号
一 児童が道路上で遊ぶことについて親権者に監督上の過失がないとされた事例 二 子が重傷を受けた場合の父母の精神的苦痛について慰藉料請求が認められた事例
最高裁判所第三小法廷昭和42年1月31日昭和40(オ)1004民集 第21巻1号61頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 父母が子の戸外行動についてそのつど特別の具体的注意ないし監視をしないからといつて、右の子が小学校二年生の男児であること、平常より同児に対し道路上で遊ぶ際の車両等に対する一般的注意が父母によつて与えられていたことなど判示事情のもとでは、父母に親権者としての監督上の過失があつたものとはいえない。 二 満七年二月の男児が…
参照法条民法820条,民法722条2項,民法711条
相続放棄と登記
最高裁判所第二小法廷昭和42年1月20日昭和41(オ)457民集 第21巻1号16頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続人は、相続の放棄をした場合には相続開始時にさかのぼつて相続開始がなかつたと同じ地位に立ち、当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、何人に対してもその効力を生ずべきものと解すべきであつて、相続の放棄をした相続人の債権者が、相続の放棄後に、相続財産たる未登記の不動産について、右相続人も共同相続したものとして、代位に…
参照法条民法939条1項(昭和37年法律40号による改正前のもの),民法939条,民法177条,民法909条
民法上いわゆる代償請求権が認められるか
最高裁判所第二小法廷昭和41年12月23日昭和38(オ)1030民集 第20巻10号2211頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨履行不能が生じたのと同一の原因によつて、債務者が履行の目的物の代償と考えられる利益を取得した場合には、債権者は、右履行不能により受けた損害を限度として、債務者に対し、右利益の償還を求める権利があると解するのが相当である。
参照法条民法536条2項
重畳的債務引受によつて連帯債務関係を生ずるか
最高裁判所第三小法廷昭和41年12月20日昭和39(オ)1237民集 第20巻10号2139頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨重畳的債務引受があつた場合には、特段の事情のないかぎり、原債務者と債務引受人との間に連帯債務関係が生ずるものと解するのが相当である。
参照法条民法432条
一 労働基準法に基づく災害補償と慰藉料との関係 二 労働基準法第七五条の療養補償債務の履行遅滞となる時期 三 労働基準法第七六条の休業補償債務の履行遅滞となる時期
最高裁判所第一小法廷昭和41年12月1日昭和38(オ)1035民集 第20巻10号2017頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 加害者である第三者が被災労働者に支払つた慰藉料は、使用者が労働基準法に基づいて被災労働者に支払うべき災害補償の額に影響を及ぼさない。 二 労働基準法第七五条に基づく使用者の療養補償債務は、少なくとも、当該補償の事由が生じた月の末日の経過とともに履行遅滞となるものと解すべきである。 三 労働基準法第七六条に基づく使用…
参照法条労働基準法84条2項,労働基準法75条,労働基準法76条,労働基準法施行規則39条,民法711条,民法412条
入会権確認の訴は固有必要的共同訴訟か
最高裁判所第二小法廷昭和41年11月25日昭和34(オ)650民集 第20巻9号1921頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨入会権確認の訴は、入会権が共有の性質を有するかどうかを問わず、入会権者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。
参照法条民法263条,民法294条,民訴法62条
組合契約の無効と組合員のした組合名義による物件売渡契約の効力
最高裁判所第二小法廷昭和41年11月25日昭和40(オ)1228民集 第20巻9号1946頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨組合員が組合名義で第三者に対し物件の売渡契約を締結した場合には、当該組合契約が無効であつても、右組合員は右第三者に対し代金債権を有する。
参照法条民法667条,民法668条
無権代理人から代理行為の相手方に対し代理権の不存在を主張することが信義則上許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和41年11月18日昭和39(オ)347民集 第20巻9号1845頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の代理人と称して、金銭消費貸借契約を締結するとともに、みずからその他人のため連帯保証契約を締結した者が、債権者の提起した右連帯保証債務の履行を求める訴訟において、代理権の不存在を主張して連帯保証債務の成立を否定することは、特別の事情のないかぎり、信義則上許されない。
参照法条民法1条,民法117条,民法448条
一 被用者と第三者との共同過失によつて惹起された交通事故による損害を賠償した使用者の第三者に対する求償権の成否 二 右の場合における第三者の負担部分
最高裁判所第二小法廷昭和41年11月18日昭和41(オ)58民集 第20巻9号1886頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 使用者は、被用者と第三者との共同過失によつて惹起された交通事故による損害を賠償したときは、右第三者に対し、求償権を行使することができる。 二 右の場合における第三者の負担部分は、共同不法行為者である被用者と第三者との過失の割合にしたがつて定められるべきである。
参照法条民法719条,民法442条
建物の貸借関係が使用貸借であると認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和41年10月27日昭和41(オ)527民集 第20巻8号1649頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の借主が該建物を含む貸主所有の不動産に賦課された固定資産税等の公租公課の支払を負担する等原判示事実(原判決理由参照)があるとしても、右負担が建物の使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特段の事情のないかぎり、当該貸借関係は使用貸借であると認めるのが相当である。
参照法条民法593条,民法601条
書面によらない農地の贈与契約と右農地の引渡後における取消の許否
最高裁判所第二小法廷昭和41年10月7日昭和40(オ)1066民集 第20巻8号1597頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨書面によらない農地の贈与契約は、農地法第三条第一項による知事の許可を受けるまでは、右農地の引渡があつた後でも、取り消すことができる。
参照法条民法550条,農地法3条1項
定期預金の期限前払戻に民法第四七八条の適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和41年10月4日昭和38(オ)1006民集 第20巻8号1565頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨定期預金契約の締結に際し、当該預金の期限前払戻の場合における弁済の具体的内容が契約当事者の合意により確定されているときは、右預金の期限前の払戻であつても、民法第四七八条の適用をうける。
参照法条民法478条,民法666条
一 執行吏の行なう代替執行と国家賠償法第一条第一項 二 確定判決に基づく強制執行を延期する義務の存否
最高裁判所第一小法廷昭和41年9月22日昭和39(オ)128民集 第20巻7号1367頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 執行吏が債権者の委任をうけ、いわゆ代替執行を行なつた場合には、その執行行為は国の公権力の行使に当る公務員の職務行為というべきである。 二 執行吏は、立木収去を命じた確定判決の強制執行をするにあたり、該執行を移植適期まで延期する義務を負わない。
参照法条国家賠償法1条,民法414条2項,民訴法733条
他人の権利を売買の目的とした場合の売主の担保責任と債務不履行による責任
最高裁判所第一小法廷昭和41年9月8日昭和40(オ)210民集 第20巻7号1325頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の権利を目的とする売買の売主が、その責に帰すべき事由によつて、該権利を取得してこれを買主に移転することができない場合には、買主は、売主に対し、民法第五六一条但書の適用上、担保責任としての損害賠償の請求ができないときでも、なお債務不履行一般の規定に従つて損害賠償の請求をすることができるものと解するのが相当である。
参照法条民法561条,民法415条
一 債権者からの差押を免れるためにした不動産の仮装売買が不法原因給付にあたらないとされた事例 二 代表取締役の欠けている株式会社の訴提起と民訴法第五八条第五六条の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和41年7月28日昭和40(オ)740民集 第20巻6号1265頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社が債権者からの差押をうけるおそれがあつたので、第三者が当該会社の財産管理処分の任にあたつていた取締役と図り、会社所有の不動産につき売買を仮装して、自己の名義に所有権移転登記手続を経由した場合において、やがて会社に対し右不動産の所有名義を返還すべきことを知悉していたなど、判示事実関係のもとでは、第三者は民法第七〇…
参照法条民法708条,刑法96条の2,民訴法58条,民訴法56条
一 民法第七六八条第三項による財産の分与の額の定め方 二 人事訴訟手続法第一五条第一項による財産の分与の申立方法
最高裁判所第二小法廷昭和41年7月15日昭和39(オ)539民集 第20巻6号1197頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法第七六八条第三項によつて財産の分与の額を定めるには、金銭以外の財産をもつてすることができ、この場合には、その財産を特定すれば足りる。 二 人事訴訟手続法第一五条第一項によつて財産の分与の申立をするには、分与を求める額および方法を特定してすることを要しない。
参照法条民法768条,人事訴訟手続法15条1項,民訴法186条
遺留分権利者の減殺請求権の性質。
最高裁判所第一小法廷昭和41年7月14日昭和40(オ)1084民集 第20巻6号1183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留分権利者の減殺請求権は形成権であると解すべきである。
参照法条民法1031条
自動車運送事業の営業名義を貸与した者が名義借受人の雇傭する運転手の過失による自動車事故について損害賠償責任があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和41年6月10日昭和39(オ)577民集 第20巻5号1029頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨免許を受けて自動車の運送事業を営む者が他人をして違法にその営業名義を使用して自動車運送事業を営ませた場合、名義貸与者とその借受人の事業の執行方法につき原判決確定の事実関係があるときは(原判決理由参照)、名義借受人の雇傭する運転手がその事業の執行に関し第三者に加えた自動車事故による損害について、名義貸与者は賠償責任を負担…
参照法条民法715条,商法23条
民法第一九二条にいう「過失ナキ」ことの立証責任
最高裁判所第一小法廷昭和41年6月9日昭和39(オ)550民集 第20巻5号1011頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第一九二条により動産の上に行使する権利を取得したことを主張する占有者は、同条にいう「過失ナキ」ことを立証する責任を負わない。
参照法条民法192条
土地賃貸借の合意解約が地上建物の賃借人に対抗できるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和41年5月19日昭和40(オ)1152民集 第20巻5号989頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃料不払による土地賃貸借契約解除に基づく建物収去土地明渡の訴の係属中成立した判示裁判上の和解において、賃貸借契約の合意解約がなされた等判示のような特別の事情があるときは、土地賃貸人は、当該合意解約をもつて同土地上の建物の賃借人に対抗することができる。
参照法条民法545条1項,民法601条
無権代理人が無償代理行為の目的物を取得した場合における法律関係
最高裁判所第三小法廷昭和41年4月26日昭和38(オ)1041民集 第20巻4号826頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙の無権代理人として乙所有の不動産を丙に売り渡す契約を締結した後乙から右不動産の譲渡をうけてその所有権を取得するにいたつた場合において、丙が民法第一一七条にいう履行を選択したときは、前記売買契約は、甲と丙との間に成立したと同様の効果を生ずる。
参照法条民法113条,民法117条
最高裁 / 刑集登載1件
一 商品市場における売買取引の委託について顧客から商品仲買人に委託証拠金の代用として有価証券を預託する行為の法律上の性質 二 転質と横領罪の成否 三 商品仲買人がいわゆる委託証拠金充用証券を担保に差し入れる行為が業務上横領罪にあたるとされた…
最高裁判所第二小法廷昭和45年3月27日昭和43(あ)2546刑集 第24巻3号76頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 商品市場における売買取引の委託について、顧客から商品仲買人に委託証拠金の代用として有価証券を預託する行為の法律上の性質は、根質権の設定であつて、消費寄託ではない。 二 質権者は、質権設定者の同意がなくても、その権利の範囲内において質物を転質となしうるが、新たに設定された質権が原質権の範囲を超越するときは、横領罪を構…
参照法条商品取引所法(昭和42年法律97号による改正前のもの)97条,商品取引所法(昭和42年法律97号による改正前のもの)92条,民法362条,民法348条,刑法252条,刑法253条
該当する裁判例がありません。