法務会計研究所 / 論点から引く

判例・論点索引

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最高裁 / 刑集登載3件

母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が有形力を用いて連れ去った略取行為につき違法性が阻却されないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成17年12月6日平成16(あ)2199刑集 第59巻10号1901頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨母の監護下にある2歳の子を有形力を用いて連れ去った略取行為は, 別居中の共同親権者である父が行ったとしても,監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情が認められず,行為態様が粗暴で強引なものであるなど判示の事情の下では,違法性が阻却されるものではない。(補足意見及び反対意見がある。)
参照法条刑法35条,刑法224条,民法818条,民法820条

定款に株式譲渡制限の定めのある非上場会社の一人株主がその全株式を同社の債務の担保のため譲渡担保に供するなどした後に同社の役員の解任及び選任等の株式会社変更登記申請を行い同社の商業登記簿の原本にその旨記載させた行為につき公正証書原本不実記載罪…

最高裁判所第二小法廷平成17年11月15日平成14(あ)1396刑集 第59巻9号1476頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨定款に株式譲渡制限の定めのある非上場会社の一人株主が,その全株式を同社の債務の担保のため譲渡担保に供した後に,同社の役員の解任及び選任等の株式会社変更登記申請を債権者の関与なく行い,同社の商業登記簿の原本にその旨記載させた行為は,上記譲渡担保の契約当事者の合理的な意思解釈として,株主共益権を債権者に帰属させる旨の合意が…
参照法条民法369条(譲渡担保),商法204条1項,商法241条1項,刑法157条1項

誤った振込みがあることを知った受取人がその情を秘して預金の払戻しを受けた場合と詐欺罪の成否

最高裁判所第二小法廷平成15年3月12日平成10(あ)488刑集 第57巻3号322頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨誤った振込みがあることを知った受取人が,その情を秘して預金の払戻しを請求し,その払戻しを受けた場合には,詐欺罪が成立する。
参照法条刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)246条1項,民法666条

最高裁 / 民集登載247件

船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効の起算点

最高裁判所第二小法廷平成17年11月21日平成16(受)1434民集 第59巻9号2558頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効は,民法724条により,被害者が損害及び加害者を知った時から進行する
参照法条民法166条1項,民法724条,商法798条1項

1 人の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影する行為と不法行為の成否 2 写真週刊誌のカメラマンが刑事事件の法廷において被疑者の容ぼう,姿態を撮影した行為が不法行為法上違法とされた事例 3 人の容ぼう,姿態を描写したイラスト画を公表する行為と不法…

最高裁判所第一小法廷平成17年11月10日平成15(受)281民集 第59巻9号2428頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 人はみだりに自己の容ぼう,姿態を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有し,ある者の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人…
参照法条民法709条,民法710条,憲法13条,刑訴規則215条

旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果が及ぶ目的物の範囲

最高裁判所第三小法廷平成17年11月8日平成17(オ)153民集 第59巻9号2333頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨更生会社の管財人が旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果は,当該行為の目的物が複数で可分であったとしても,目的物すべてに及ぶ。
参照法条旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号,会社更生法86条1項1号,民法424条1項

相続が開始して遺産分割未了の間に第2次の相続が開始した場合において第2次被相続人から特別受益を受けた者があるときの持戻しの要否

最高裁判所第三小法廷平成17年10月11日平成17(許)14民集 第59巻8号2243頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続が開始して遺産分割未了の間に相続人が死亡した場合において,第2次被相続人が取得した第1次被相続人の遺産についての相続分に応じた共有持分権は,実体上の権利であって第2次被相続人の遺産として遺産分割の対象となり,第2次被相続人から特別受益を受けた者があるときは,その持戻しをして具体的相続分を算定しなければならない
参照法条民法896条,民法898条,民法899条,民法900条,民法903条,民法907条,家事審判法9条乙類10号,家事審判規則104条

共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権の帰属と後にされた遺産分割の効力

最高裁判所第一小法廷平成17年9月8日平成16(受)1222民集 第59巻7号1931頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる金銭債権たる賃料債権は,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し,その帰属は,後にされた遺産分割の影響を受けない。
参照法条民法88条2項,民法89条2項,民法427条,民法601条,民法896条,民法898条,民法899条,民法900条,民法907条,民法909条

貸金業者の債務者に対する取引履歴開示義務の有無

最高裁判所第三小法廷平成17年7月19日平成16(受)965民集 第59巻6号1783頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業の規制等に関する法律の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,その業務に関する帳簿に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負う。
参照法条民法1条2項,民法587条,民法709条,貸金業の規制等に関する法律19条,貸金業の規制等に関する法律施行規則16条

第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用

最高裁判所第二小法廷平成17年7月15日平成16(受)1611民集 第59巻6号1742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されない。
参照法条民事執行法23条,民事執行法38条1項,民訴法115条,民法33条,商法52条

損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合

最高裁判所第三小法廷平成17年6月14日平成16(受)1888民集 第59巻5号983頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨損害賠償額の算定に当たり,被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない。
参照法条民法404条,民法709条

1 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額支払義務の履行期と履行遅滞 2 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額の算定に当たっての過失相殺と国民健康保険法58条1項の規定による葬祭費の支給額の控除…

最高裁判所第一小法廷平成17年6月2日平成16(受)29民集 第59巻5号901頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額支払義務は,期限の定めのない債務であり,政府が被害者から履行の請求を受けた時から履行遅滞となる。 2 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額の算定に当たり,被害者の過失をしんしゃくすべき場合であって,国民健康保険法58条1項の規定によ…
参照法条民法412条3項,民法722条2項,自動車損害賠償保障法施行令21条14号,自動車損害賠償保障法72条1項,自動車損害賠償保障法73条1項,国民健康保険法58条1項

1 所有者から占有権原の設定を受けて抵当不動産を占有する者に対して抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる場合 2 抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり抵当権者が直接自己への抵当不動産の明渡しを請求することができる場合 3 第三者…

最高裁判所第一小法廷平成17年3月10日平成13(オ)656民集 第59巻2号356頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 抵当不動産の所有者から占有権原の設定を受けてこれを占有する者であっても,抵当権設定登記後に占有権原の設定を受けたものであり,その設定に抵当権の実行としての競売手続を妨害する目的が認められ,その占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは,抵当権者は…
参照法条民法369条,民法709条

動産売買の先取特権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡

最高裁判所第三小法廷平成17年2月22日平成16(受)1271民集 第59巻2号314頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨動産売買の先取特権者は,物上代位の目的債権が譲渡され,第三者に対する対抗要件が備えられた後においては,目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。
参照法条民法304条,民法322条,民法467条

不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保しそのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときの上記売却代金…

最高裁判所第一小法廷平成17年1月27日平成16(受)1019民集 第59巻1号200頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し,そのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において,当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときには,債権者と保証人は,両者間に上記売却代金からの弁済の受領についての特段の合意がない限り…
参照法条民法249条,民法264条,民法502条1項

放送事業者がした真実でない事項の放送により権利の侵害を受けた本人等が放送法4条1項の規定に基づく訂正又は取消しの放送を求める私法上の権利の有無

最高裁判所第一小法廷平成16年11月25日平成13(オ)1513民集 第58巻8号2326頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨放送事業者がした真実でない事項の放送により権利の侵害を受けた本人等は,放送事業者に対し,放送法4条1項の規定に基づく訂正又は取消しの放送を求める私法上の権利を有しない。
参照法条放送法4条,民法723条

分譲住宅の譲渡契約の譲受人が同契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり価格の適否を検討する上で重要な事実につき譲渡人において説明をしなかったことが慰謝料請求権の発生を肯認し得る違法行為と評価すべきものとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成16年11月18日平成16(受)482民集 第58巻8号2225頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲らは,乙(住宅,都市整備公団)との間で,その設営に係る団地内の住宅につき賃貸借契約を締結していたところ,乙による団地の建て替え事業の実施に当たって,上記賃貸借契約を合意解約し,上記住宅を明け渡すなどした上,建て替え後の団地内の分譲住宅につき譲渡契約を締結したこと,上記建て替え事業の実施に当たり甲らと乙が交わした覚書に…
参照法条民法709条,民法710条

1 階層的に構成されている暴力団の最上位の組長と下部組織の構成員との間に同暴力団の威力を利用しての資金獲得活動に係る事業について民法715条1項所定の使用者と被用者の関係が成立しているとされた事例 2 階層的に構成されている暴力団の下部組織…

最高裁判所第二小法廷平成16年11月12日平成16(受)230民集 第58巻8号2078頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 階層的に構成されている暴力団が,その威力をその暴力団員に利用させることなどを実質上の目的とし,下部組織の構成員に対しても同暴力団の威力を利用して資金獲得活動をすることを容認していたなど判示の事情の下では,同暴力団の最上位の組長と下部組織の構成員との間に同暴力団の威力を利用しての資金獲得活動に係る事業について民法71…
参照法条民法715条1項,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律2条,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律3条,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律15条の2

被相続人を保険契約者及び被保険者とし共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づく死亡保険金請求権と民法903条

最高裁判所第二小法廷平成16年10月29日平成16(許)11民集 第58巻7号1979頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被相続人を保険契約者及び被保険者とし,共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は,民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが,保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率,保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相…
参照法条民法903条,商法673条,商法675条1項

1 国が水俣病による健康被害の拡大防止のためにいわゆる水質二法に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例 2 熊本県が水俣病による健康被害の拡大防止のために同県の漁業調整規則に基づく規制権限を行使…

最高裁判所第二小法廷平成16年10月15日平成13(オ)1194民集 第58巻7号1802頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 国が,昭和34年11月末の時点で,多数の水俣病患者が発生し,死亡者も相当数に上っていると認識していたこと,水俣病の原因物質がある種の有機水銀化合物であり,その排出源が特定の工場のアセトアルデヒド製造施設であることを高度のがい然性をもって認識し得る状況にあったこと,同工場の排水に含まれる微量の水銀の定量分析をすること…
参照法条国家賠償法1条1項,公共用水域の水質の保全に関する法律(昭和45年法律第108号による改正前のもの)1条,公共用水域の水質の保全に関する法律5条,工場排水等の規制に関する法律1条,工場排水等の規制に関する法律2条2項,工場排水等の規制に関す…

債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡と破産法72条2号による否認

最高裁判所第二小法廷平成16年7月16日平成13(受)1797民集 第58巻5号1744頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡は,破産法72条2号に基づく否認権行使の対象となる。
参照法条破産法72条2号,民法127条1項,民法466条

名誉毀損の成否が問題となっている法的な見解の表明と意見ないし論評の表明

最高裁判所第一小法廷平成16年7月15日平成15(受)1793民集 第58巻5号1615頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨名誉毀損の成否が問題となっている法的な見解の表明は,判決等により裁判所が判断を示すことができる事項に係るものであっても,事実を摘示するものとはいえず,意見ないし論評の表明に当たる。
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項

1 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結と民法108条の類推適用 2 普通地方公共団体の議会が長による民法108条に違反する契約締結行為を追認した場合における当該行為の法律効果の帰属 3 市の事業である博覧会の…

最高裁判所第三小法廷平成16年7月13日平成12(行ヒ)96民集 第58巻5号1368頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結には,民法108条が類推適用される。 2 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表するとともに相手方を代理し又は代表して契約を締結した場合において,議会が長による上記行為を追認したときは,民法116条の類推適用により,当該普通地方公共団体に法…
参照法条地方自治法(平成11年法律第87号による改正前のもの)96条,地方自治法147条,地方自治法149条,地方自治法(平成14年法律第152号による改正前のもの)234条,民法108条,民法113条1項,民法116条,民法650条,民法656条

共同相続人間における相続人の地位不存在確認の訴えと固有必要的共同訴訟

最高裁判所第三小法廷平成16年7月6日平成15(受)1153民集 第58巻5号1319頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人が,他の共同相続人に対し,その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは,固有必要的共同訴訟である。
参照法条民訴法40条,民訴法134条,民法891条,民法898条

1 破産宣告を受けた有限会社の取締役と火災保険約款の免責条項所定の「取締役」 2 有限会社の取締役が会社の破産宣告後にした放火による建物の焼失が火災保険約款の免責条項所定の「取締役」の故意による事故招致に当たるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成16年6月10日平成12(受)56民集 第58巻5号1178頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 有限会社の取締役は,会社が破産宣告を受けた後であっても,火災保険の保険契約者又は被保険者の取締役の故意等によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の約款中の免責条項にいう「取締役」に当たる。 2 有限会社を保険契約者兼被保険者として締結された火災保険契約に適用される約款中に,保険契約者又は被保険者の取締役の故…
参照法条有限会社法32条,商法254条3項,商法641条,商法665条,民法91条,民法653条,破産法7条

1 通商産業大臣が石炭鉱山におけるじん肺発生防止のための鉱山保安法上の保安規制の権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例 2 加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合における民法72…

最高裁判所第三小法廷平成16年4月27日平成13(受)1760民集 第58巻4号1032頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 炭鉱で粉じん作業に従事した労働者が粉じんの吸入によりじん肺にり患した場合において,炭鉱労働者のじん肺り患の深刻な実情及びじん肺に関する医学的知見の変遷を踏まえて,じん肺を炭じん等の鉱物性粉じんの吸入によって生じたものを広く含むものとして定義し,これを施策の対象とするじん肺法が成立したこと,そのころまでには,さく岩機…
参照法条国家賠償法1条1項,鉱山保安法1条,鉱山保安法4条,鉱山保安法(昭和37年法律第105号による改正前のもの)30条,じん肺法(昭和52年法律第76号による改正前のもの)2条1項1号,石炭鉱山保安規則(昭和61年通商産業省令第74号による改正…

マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権が民法169条所定の債権に当たるとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成16年4月23日平成14(受)248民集 第58巻4号959頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権が,管理規約の規定に基づいて,区分所有者に対して発生するものであり,その具体的な額は総会の決議によって確定し,月ごとに支払われるものであるときは,当該債権は民法169条所定の債権に当たる。 (補足意見がある。)
参照法条民法169条,建物の区分所有等に関する法律19条,建物の区分所有等に関する法律30条1項

大学が全学生,教官等により組織され学生の課外活動を推進する事業を行う権利能力のない社団の解散を決定することができるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成16年4月20日平成15(受)910民集 第58巻4号841頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨大学の学長を会長とし,全学生,教官等を会員として組織され,大学により設立を承認されて学生の課外活動を推進する事業を行う権利能力のない社団が,その事務室は大学構内にあり,課外活動を行う学生のサークルに対する大学の共用施設の提供や全学生から徴収した会費等を原資とする援助金の交付などに関する事務を行っていたこと,同社団の組織…
参照法条民法33条,民法68条,学校教育法52条

競走馬の所有者が当該競走馬の名称を無断で利用したゲームソフトを製作,販売した業者に対しいわゆる物のパブリシティ権の侵害を理由として当該ゲームソフトの製作,販売等の差止請求又は不法行為に基づく損害賠償請求をすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成16年2月13日平成13(受)866等民集 第58巻2号311頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨競走馬の所有者は,当該競走馬の名称を無断で利用したゲームソフトを製作,販売した業者に対し,その名称等が有する顧客吸引力などの経済的価値を独占的に支配する財産的権利(いわゆる物のパブリシティ権)の侵害を理由として当該ゲームソフトの製作,販売等の差止請求又は不法行為に基づく損害賠償請求をすることはできない。
参照法条民法198条,民法199条,民法206条,民法709条,知的財産基本法2条2項

1 いわゆる第3セクター方式により設立された株式会社に派遣された県職員に対する給与支出が違法であるとされた事例 2 県といわゆる第3セクター方式により設立された株式会社との間で締結された県職員を同社に派遣してその給与を県が負担することを内容…

最高裁判所第一小法廷平成16年1月15日平成13(行ヒ)266民集 第58巻1号156頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 県が,職務専念義務の免除をするとともに勤務しないことの承認をして,いわゆる第3セクター方式により設立された株式会社に県職員を派遣し,その給与を支出した場合において,上記派遣が,同社に事業収入がなく,同社が十分な人材を確保していないことを考慮して行われたこと,同社の事業内容は遊園施設等の経営であったこと,派遣職員が従…
参照法条地方公務員法24条1項,地方公務員法30条,地方公務員法35条,職務に専念する義務の特例に関する条例(昭和28年岡山県条例第49号)2条,岡山県職員給与条例(昭和26年岡山県条例第18号)14条,職務に専念する義務の特例に関する規則(昭和2…

いわゆる一括支払システムに関する契約においてされた国税徴収法24条2項による告知書の発出の時点で譲渡担保権を実行することを内容とする合意の効力

最高裁判所第二小法廷平成15年12月19日平成10(行ツ)149民集 第57巻11号2292頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる一括支払システムに関する契約において譲渡担保権者と納税者との間でされた国税徴収法24条2項による告知書の発出の時点で譲渡担保権を実行することを内容とする合意は,同条5項の趣旨に反して無効である。 (補足意見がある。)
参照法条国税徴収法24条,民法91条

1 生命保険契約において被保険者の死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする旨を定めている保険約款の解釈 2 生命保険契約に係る保険約款が被保険者の死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする旨を定めている場合であ…

最高裁判所第一小法廷平成15年12月11日平成12(受)485民集 第57巻11号2196頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 生命保険契約に係る保険約款中の被保険者の死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする旨の定めは,当時の客観的状況等に照らし,上記死亡の時からの保険金請求権の行使が現実に期待することができないような特段の事情が存する場合には,その権利行使が現実に期待することができるようになった時以降において上記消滅時効が…
参照法条商法663条,商法683条1項, 民法91条,民法166条1項

1 火災保険契約の申込者が同契約に附帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分,不適切な点があったことを理由とする慰謝料請求の可否 2 火災保険契約の申込者が同…

最高裁判所第三小法廷平成15年12月9日平成14(受)218民集 第57巻11号1887頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 火災保険契約の申込者は,特段の事情が存しない限り,同契約に附帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分,不適切な点があったことを理由として,慰謝料を請求することはできない。 2 火災保険契約の申込者が,同契約を締結するに当たり,同契約に…
参照法条商法629条,民法415条,民法709条,民法710条,保険募集の取締に関する法律11条1項

1 テレビジョン放送をされた報道番組の内容が人の社会的評価を低下させるか否かについての判断基準 2 テレビジョン放送をされた報道番組によって摘示された事実がどのようなものであるかについての判断基準 3 テレビジョン放送をされた報道番組によっ…

最高裁判所第一小法廷平成15年10月16日平成14(受)846民集 第57巻9号1075頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 テレビジョン放送をされた報道番組の内容が人の社会的評価を低下させるか否かについては,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断すべきである。 2 テレビジョン放送をされた報道番組によって摘示された事実がどのようなものであるかについては,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準とし,その番組の全体的な…
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項

1 大学主催の講演会に参加を申し込んだ学生の氏名,住所等の情報は法的保護の対象となるか 2 大学がその主催する講演会に参加を申し込んだ学生の氏名,住所等の情報を警察に開示した行為が不法行為を構成するとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成15年9月12日平成14(受)1656民集 第57巻8号973頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 大学が講演会の主催者として学生から参加者を募る際に収集した参加申込者の学籍番号,氏名,住所及び電話番号に係る情報は,参加申込者のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる。 2 大学が講演会の主催者として学生から参加者を募る際に収集した参加申込者の学籍番号,氏名,住所及び電話番号に係る情報を参加申込者に無断で…
参照法条民法709条,民法710条

1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例 2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利…

最高裁判所第二小法廷平成15年7月18日平成13(受)1032民集 第57巻7号895頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合…
参照法条利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条

不動産の共有者の1人が不実の持分移転登記を了している者に対し同登記の抹消登記手続請求をすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成15年7月11日平成13(受)320民集 第57巻7号787頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の共有者の1人は,共有不動産について実体上の権利を有しないのに持分移転登記を了している者に対し,その持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
参照法条民法249条,民法252条

複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する一つの交通事故においていわゆる絶対的過失割合を認定することができる場合における過失相殺の方法と加害者らの賠償責任

最高裁判所第二小法廷平成15年7月11日平成14(オ)1689民集 第57巻7号815頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する一つの交通事故において,その交通事故の原因となったすべての過失の割合(いわゆる絶対的過失割合)を認定することができるときには,絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について,加害者らは連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負う。
参照法条民法719条,民法722条2項

債務整理事務の委任を受けた弁護士が委任事務処理のため委任者から受領した金銭を預け入れるために弁護士の個人名義で開設した普通預金口座に係る預金債権の帰属

最高裁判所第一小法廷平成15年6月12日平成13(行ヒ)274民集 第57巻6号563頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務整理事務の委任を受けた弁護士甲が,委任事務処理のため委任者乙から受領した金銭を預け入れるために甲の名義で普通預金口座を開設し,これに上記金銭を預け入れ,その後も預金通帳及び届出印を管理して,預金の出し入れを行っていた場合には,当該口座に係る預金債権は,甲に帰属する。 (補足意見がある。)
参照法条民法649条,民法666条

地代等自動改定特約と借地借家法11条1項

最高裁判所第一小法廷平成15年6月12日平成14(受)689民集 第57巻6号595頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地代等自動改定特約において地代等の改定基準を定めるに当たって基礎とされていた事情が失われることにより,同特約によって地代等の額を定めることが借地借家法11条1項の規定の趣旨に照らして不相当なものとなった場合には,同特約の適用を争う当事者は,同特約に拘束されず,同項に基づく地代等増減請求権の行使を妨げられない。
参照法条借地借家法11条1項,民法91条

1 職務発明について特許を受ける権利等を使用者等に承継させた従業者等が勤務規則その他の定めによる対価の額が特許法35条3項及び4項の規定に従って定められる相当の対価の額に満たないときに不足額を請求することの可否 2 勤務規則その他の定めに対…

最高裁判所第三小法廷平成15年4月22日平成13(受)1256民集 第57巻4号477頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 使用者等があらかじめ定める勤務規則その他の定めにより職務発明について特許を受ける権利又は特許権を使用者等に承継させた従業者等は,当該勤務規則その他の定めに使用者等が従業者等に対して支払うべき対価に関する条項がある場合においても,これによる対価の額が特許法35条3項及び4項の規定に従って定められる相当の対価の額に満た…
参照法条特許法35条,民法166条1項

1 法律行為が公序に反することを目的とするものであるかどうかを判断する基準時 2 証券取引法42条の2第1項3号が平成3年法律第96号による同法の改正前に締結された損失保証や特別の利益の提供を内容とする契約に基づく履行の請求をも禁止している…

最高裁判所第二小法廷平成15年4月18日平成11(受)1519民集 第57巻4号366頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 法律行為が公序に反することを目的とするものであるとして無効になるかどうかは,法律行為がされた時点の公序に照らして判断すべきである。 2 証券取引法42条の2第1項3号が,平成3年法律第96号による同法の改正前に締結された損失保証や特別の利益の提供を内容とする契約に基づいてその履行を請求する場合を含め,顧客等に対する…
参照法条民法90条,憲法29条,証券取引法42条の2第1項3号

1 現金自動入出機による預金の払戻しと民法478条の適用の有無 2 無権限者が預金通帳又はキャッシュカードを使用し暗証番号を入力して現金自動入出機から預金の払戻しを受けた場合に銀行が無過失であるというための要件 3 無権限者が預金通帳を使用…

最高裁判所第三小法廷平成15年4月8日平成14(受)415民集 第57巻4号337頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 現金自動入出機による預金の払戻しについても民法478条が適用される。 2 無権限者が預金通帳又はキャッシュカードを使用し暗証番号を入力して現金自動入出機から預金の払戻しを受けた場合に銀行が無過失であるというためには,銀行において,上記方法により預金の払戻しが受けられる旨を預金者に明示すること等を含め,現金自動入出機…
参照法条民法91条,民法478条

1 少年法61条が禁止しているいわゆる推知報道に当たるか否かの判断基準 2 犯行時少年であった者の犯行態様,経歴等を記載した記事を実名類似の仮名を用いて週刊誌に掲載したことにつき名誉又はプライバシーの侵害による損害賠償責任を肯定した原審の判…

最高裁判所第二小法廷平成15年3月14日平成12(受)1335民集 第57巻3号229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 少年法61条が禁止しているいわゆる推知報道に当たるか否かは,その記事等により,不特定多数の一般人がその者を当該事件の本人であると推知することができるかどうかを基準にして判断すべきである。 2 犯行時少年であった者の犯行態様,経歴等を記載した記事を実名類似の仮名を用いて週刊誌に掲載したことにつき,その記事が少年法61…
参照法条少年法61条,民法709条,民法710条

破産終結決定がされて法人格が消滅した会社を主債務者とする保証人が主債務の消滅時効を援用することの可否

最高裁判所第二小法廷平成15年3月14日平成13(受)751民集 第57巻3号286頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産終結決定がされて法人格が消滅した会社を主債務者とする保証人は,主債務についての消滅時効が会社の法人格の消滅後に完成したことを主張してこれを援用することはできない。
参照法条民法145条,民法166条,民法446条,破産法4条,破産法282条

損害保険代理店が保険契約者から収受した保険料のみを入金する目的で開設した普通預金口座の預金債権が損害保険会社にではなく損害保険代理店に帰属するとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成15年2月21日平成11(受)1172民集 第57巻2号95頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨損害保険会社甲の損害保険代理店である乙が,保険契約者から収受した保険料のみを入金する目的で金融機関に「甲代理店乙」名義の普通預金口座を開設したが,甲が乙に金融機関との間での普通預金契約締結の代理権を授与しておらず,同預金口座の通帳及び届出印を乙が保管し,乙のみが同預金口座への入金及び同預金口座からの払戻し事務を行ってい…
参照法条民法666条

自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為と民法1031条に規定する遺贈又は贈与

最高裁判所第一小法廷平成14年11月5日平成11(受)1136民集 第56巻8号2069頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為は,民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく,これに準ずるものということもできない。
参照法条民法1031条,商法675条1項

物上保証人所有の不動産を目的とする競売の開始決定の債務者への送達が債務者の所在が不明であるため公示送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷平成14年10月25日平成14(許)11民集 第56巻8号1942頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人所有の不動産を目的とする競売手続において,債務者の所在が不明であるため,開始決定の債務者への送達が公示送達によりされた場合には,民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に,被担保債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法155条,民訴法110条1項,民訴法111条,民訴法113条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

宅地の所有者が他人の設置した給排水設備を当該宅地の給排水のため使用することの可否

最高裁判所第三小法廷平成14年10月15日平成13(受)1841民集 第56巻8号1791頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地の所有者は,他の土地を経由しなければ,水道事業者の敷設した配水管から当該宅地に給水を受け,その下水を公流,下水道等まで排出することができない場合において,他人の設置した給排水設備を当該宅地の給排水のため使用することが他の方法に比べて合理的であるときは,その使用により当該給排水設備に予定される効用を著しく害するなどの…
参照法条民法220条,民法221条

譲渡債権の発生年月日として始期のみが記録されている債権譲渡登記をもって始期当日以外の日に発生した債権の譲渡を第三者に対抗することの可否

最高裁判所第一小法廷平成14年10月10日平成14(受)240民集 第56巻8号1742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律2条1項に規定する債権譲渡登記に譲渡債権の発生年月日の始期(平成10年法務省告示第295号3(5)の項番24)は記録されているがその終期(同項番25)が記録されていない場合には,当該債権譲渡登記に係る債権譲渡が数日にわたって発生した債権を目的とするものであったとしても,…
参照法条債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律2条1項,債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律5条1項,債権譲渡登記規則(平成10年法務省令第39号)6条1項,平成10年法務省告示第295号3(1),平成10年法務省告示第2…

1 特許権の効力の準拠法 2 特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法 3 米国特許法を適用して米国特許権の侵害を積極的に誘導する我が国内での行為の差止め又は我が国内にある侵害品の廃棄を命ずることと法例33条にいう「公ノ秩序」 4 特許権侵…

最高裁判所第一小法廷平成14年9月26日平成12(受)580民集 第56巻7号1551頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 特許権の効力の準拠法は,当該特許権が登録された国の法律である。 2 特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法は,当該特許権が登録された国の法律である。 3 米国特許法を適用して,米国特許権の侵害を積極的に誘導する我が国内での行為の差止め又は我が国内にある侵害品の廃棄を命ずることは,法例33条にいう「公ノ秩序」に反す…
参照法条特許法66条1項,特許法68条,特許法第4章第2節権利侵害,特許法100条,法例,法例11条1項,法例11条2項,法例33条,アメリカ合衆国特許法271条(b)項,アメリカ合衆国特許法283条,アメリカ合衆国特許法284条,民法709条

債務者に対する破産宣告後に物上保証人から届出債権の一部の弁済を受けた破産債権者が権利を行使し得る範囲

最高裁判所第三小法廷平成14年9月24日平成12(受)1584民集 第56巻7号1524頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権の全額を破産債権として届け出た債権者は,債務者に対する破産宣告後に物上保証人から届出債権の弁済を受けても,その全部の満足を得ない限り,届出債権の全額について破産債権者としての権利を行使することができる。
参照法条破産法24条,破産法26条,民法351条,民法372条,民法502条1項

抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告において被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることの可否

最高裁判所第一小法廷平成14年6月13日平成13(許)30民集 第56巻5号1014頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては,被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることはできない。
参照法条民事執行法145条5項,民事執行法193条,民法304条1項,民法372条

預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成14年6月7日平成13(受)1697民集 第56巻5号899頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブにおいて,多数決の原則が行われ,構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し,規約により代表の方法,総会の運営等が定められていること,同クラブには,固定資産又は基本的財産は存しないが,団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに必要な収入の仕組みが確保され,かつ,規約に基づいて収支を管理す…
参照法条民訴法29条,民法33条,民法第3編第2章契約

事業用ビルの賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了しても賃貸人が信義則上その終了を再転借人に対抗することができないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成14年3月28日平成11(受)1220民集 第56巻3号662頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨ビルの賃貸,管理を業とする会社を賃借人とする事業用ビル1棟の賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了した場合において,賃貸人が,賃借人にその知識,経験等を活用してビルを第三者に転貸し収益を上げさせることによって,自ら各室を個別に賃貸することに伴う煩わしさを免れるとともに,賃借人から安定的に賃料収入を得ることを目的として賃…
参照法条民法1条2項,民法612条,借地借家法34条

賃料債権に対する抵当権者の物上代位による差押えと当該債権への敷金の充当

最高裁判所第一小法廷平成14年3月28日平成12(受)836民集 第56巻3号689頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。
参照法条民法304条1項,民法372条,民法511条,民法619条2項,民事執行法193条

特許権の共有者の1人が特許異議の申立てに基づく当該特許の取消決定について単独で取消訴訟を提起することの許否

最高裁判所第二小法廷平成14年3月25日平成13(行ヒ)154民集 第56巻3号574頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特許権の共有者の1人は,特許異議の申立てに基づき当該特許を取り消すべき旨の決定がされたときは,単独で取消決定の取消訴訟を提起することができる。
参照法条民法252条,民訴法40条,特許法73条,特許法113条,特許法114条,特許法132条,特許法178条

抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令の効力

最高裁判所第三小法廷平成14年3月12日平成12(受)890民集 第56巻3号555頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令は,これが第三債務者に送達される時までに抵当権者により当該債権の差押えがなされなかったときは,その効力を妨げられない。
参照法条民法304条1項,民法372条,民事執行法159条,民事執行法160条,民事執行法193条

商標権の共有者の1人が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否

最高裁判所第二小法廷平成14年2月22日平成13(行ヒ)142民集 第56巻2号348頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商標権の共有者の1人は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
参照法条民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条

通信社から配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成14年1月29日平成7(オ)1421民集 第56巻1号185頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨新聞社が通信社から配信を受けて自己の発行する新聞紙にそのまま掲載した記事が私人の犯罪行為やスキャンダルないしこれに関連する事実を内容とするものである場合には,当該記事が取材のための人的物的体制が整備され,一般的にはその報道内容に一定の信頼性を有しているとされる通信社から配信された記事に基づくものであるとの一事をもって,…
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項

民法724条にいう被害者が損害を知った時の意義

最高裁判所第三小法廷平成14年1月29日平成8(オ)2607民集 第56巻1号218頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法724条にいう被害者が損害を知った時とは,被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
参照法条民法724条

指名債権譲渡の予約についての確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することの可否

最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日平成10(オ)331民集 第55巻6号1090頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨指名債権譲渡の予約についてされた確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって,当該予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することはできない。
参照法条民法467条2項,民法556条1項

瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効

最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日平成10(オ)773民集 第55巻6号1311頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある
参照法条民法167条1項,民法566条3項,民法570条

1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点 2 債権者不確知を原因とする弁済供託に係る供託金取戻請求の却下処分が違法とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日平成10(行ツ)22民集 第55巻6号1334頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は,過失なくして債権者を確知することができないことを原因とする弁済供託の場合を含め,供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行する。 2 過失なくして債権者を確知することができないことを原因として賃料債務についてされた弁済供託につき,同債務の各弁済期の翌日から民法1…
参照法条供託法8条2項,民法166条1項,民法167条1項,民法169条,民法496条1項

いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合に民法565条を類推適用して売主が代金の増額を請求することの可否

最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日平成12(受)375民集 第55巻6号1380頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合,売主は民法565条の類推適用を根拠として代金の増額を請求することはできない。
参照法条民法565条

遺留分減殺請求権を債権者代位の目的とすることの可否

最高裁判所第一小法廷平成13年11月22日平成10(オ)989民集 第55巻6号1033頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留分減殺請求権は,遺留分権利者が,これを第三者に譲渡するなど,権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き,債権者代位の目的とすることができない。
参照法条民法423条1項,民法1031条

金銭債務の担保として既発生債権及び将来債権を一括して譲渡するいわゆる集合債権譲渡担保契約における債権譲渡の第三者に対する対抗要件

最高裁判所第一小法廷平成13年11月22日平成12(受)194民集 第55巻6号1056頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙に対する金銭債務の担保として,甲の丙に対する既に生じ,又は将来生ずべき債権を一括して乙に譲渡することとし,乙が丙に対して担保権実行として取立ての通知をするまでは甲に譲渡債権の取立てを許諾し,甲が取り立てた金銭について乙への引渡しを要しないとの内容のいわゆる集合債権を対象とした譲渡担保契約において,同契約に係る債権…
参照法条民法369条(譲渡担保),民法467条2項

借地借家法20条1項後段の付随的裁判として敷金を差し入れるべき旨を定めその交付を命ずることの可否

最高裁判所第二小法廷平成13年11月21日平成13(許)20民集 第55巻6号1014頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨裁判所は,借地借家法20条に基づく許可の裁判をする場合において,同条1項後段の付随的裁判として,相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め,その交付を命ずることができる。
参照法条借地借家法20条1項,民法619条2項

転用目的の農地の売買につき農地法5条所定の許可を得るための手続が執られていない場合における買主の自主占有の開始時期

最高裁判所第二小法廷平成13年10月26日平成13(受)94民集 第55巻6号1001頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農地を農地以外のものにするために買い受けた者は,農地法5条所定の許可を得るための手続が執られなかったとしても,特段の事情のない限り,代金を支払い農地の引渡しを受けた時に,所有の意思をもって農地の占有を始めたものと解するのが相当である。
参照法条民法162条,農地法5条

抵当権に基づき物上代位権を行使する者が債権差押事件に配当要求することにより優先弁済を受けることの可否

最高裁判所第一小法廷平成13年10月25日平成13(受)91民集 第55巻6号975頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は,他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできない。
参照法条民法304条,民法372条,民事執行法154条,民事執行法193条1項

1 共同相続人間においてされた相続分の譲渡に伴って生ずる農地の権利移転についての農地法3条1項の許可の要否 2 共同相続人間の相続分の贈与を原因とする農地の持分移転登記の申請を農地法3条1項の許可を証する書面の添付がないことを理由に却下する…

最高裁判所第三小法廷平成13年7月10日平成11(行ヒ)24民集 第55巻5号955頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 共同相続人間においてされた相続分の譲渡に伴って生ずる農地の権利移転については,農地法3条1項の許可を要しない。 2 共同相続人の共有の相続登記がされている農地につき,「相続分の贈与」を原因として共同相続人の1人に対する他の共同相続人の持分の移転登記が申請された場合には,登記官は,農地法3条1項の許可を証する書面の添…
参照法条民法905条,農地法3条1項,不動産登記法35条1項,不動産登記法49条

1 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するために証明すべき事項 2 ある管轄原因により我が国の裁判所の国際裁判管轄が肯定される請求の当事者間における他の請求につ…

最高裁判所第二小法廷平成13年6月8日平成12(オ)929民集 第55巻4号727頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 我が国に住所等を有しない被告に対し提起された不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき,民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,原則として,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りる。 2 ある管轄原因により我…
参照法条民法709条,民訴法5条9号,民訴法7条本文,民訴法136条,民訴法247条,民訴法第1編第2章裁判所

1 交通事故と医療事故とが順次競合し運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において各不法行為者が責任を負うべき損害額を被害者の被った損害額の一部に限定することの可否 2 交通事故と医療事故とが順次競合し運転行為と医療行為とが共同不法…

最高裁判所第三小法廷平成13年3月13日平成10(受)168民集 第55巻2号328頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯責任を負うべきものであり,結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の…
参照法条民法719条,民法722条2項

抵当不動産の賃借人が抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって賃料債権に物上代位権の行使としての差押えをした抵当権者に対抗することの可否

最高裁判所第三小法廷平成13年3月13日平成11(受)1345民集 第55巻2号363頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は,抵当不動産の賃借人は,抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって,抵当権者に対抗することはできない。
参照法条民法304条1項,民法372条,民法505条,民事執行法193条

専ら音楽著作物を上映し又は演奏して公衆に直接見せ又は聞かせるために使用されるカラオケ装置につきリース業者がリース契約を締結して引き渡す場合の注意義務

最高裁判所第二小法廷平成13年3月2日平成12(受)222民集 第55巻2号185頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨カラオケ装置のリース業者は,カラオケ装置のリース契約を締結した場合において,当該装置が専ら音楽著作物を上映し又は演奏して公衆に直接見せ又は聞かせるために使用されるものであるときは,リース契約の相手方に対し,当該音楽著作物の著作権者との間で著作物使用許諾契約を締結すべきことを告知するだけでなく,上記相手方が当該著作権者と…
参照法条著作権法22条,著作権法22条の2,著作権法第7章権利侵害,民法709条,民法719条

1 メモリーカードの使用がゲームソフトの著作者の有する同一性保持権を侵害するとされた事例 2 専らゲームソフトの改変のみを目的とするメモリーカードを輸入,販売し,他人の使用を意図して流通に置いた者の不法行為責任

最高裁判所第三小法廷平成13年2月13日平成11(受)955民集 第55巻1号87頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 パラメータにより主人公の人物像が表現され,その変化に応じてストーリーが展開されるゲームソフトについて,パラメータを本来ならばあり得ない高数値に置き換えるメモリーカードの使用によって,主人公の人物像が改変され,その結果,上記ゲームソフトのストーリーが本来予定された範囲を超えて展開されるなど判示の事実関係の下においては…
参照法条著作権法20条,著作権法第7章権利侵害,民法709条,民法719条

一 遺留分減殺の対象とされた贈与等の目的である各個の財産について価額弁償をすることの可否 二 共有株式につき新たに単位未満株式を生じさせる現物分割を命ずることの可否

最高裁判所第三小法廷平成12年7月11日平成11(受)385民集 第54巻6号1886頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 受贈者又は受遺者は、遺留分減殺の対象とされた贈与又は遺贈の目的である各個の財産について、民法一〇四一条一項に基づく価額弁償をすることができる。 二 いわゆる単位株制度の適用のある株式の共有物分割において、新たに単位未満株式を生じさせる現物分割を命ずることはできない。
参照法条民法1041条1項,民法258条,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則15条1項,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則16条,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則18条

一 民法一九四条に基づき盗品等の引渡しを拒むことができる占有者と右盗品等の使用収益権 二 盗品の占有者がその返還後にした民法一九四条に基づく代価弁償請求が肯定される場合

最高裁判所第三小法廷平成12年6月27日平成10(受)128民集 第54巻5号1737頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 盗品又は遺失物の占有者は、民法一九四条に基づき右盗品等の引渡しを拒むことができる場合には、代価の弁償の提供があるまで右盗品等の使用収益権を有する。 二 盗品の占有者が民法一九四条に基づき盗品の引渡しを拒むことができる場合において、被害者が代価を弁償して盗品を回復することを選択してその引渡しを受けたときには、占有者は…
参照法条民法194条

婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に子と同居していない親と子の面接交渉について家庭裁判所が相当な処分を命ずることの可否

最高裁判所第一小法廷平成12年5月1日平成12(許)5民集 第54巻5号1607頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に、子と同居していない親と子の面接交渉につき父母の間で協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、民法七六六条を類推適用し、家事審判法九条一項乙類四号により、右面接交渉について相当な処分を命ずることができる。
参照法条民法766条・民法818条3項・民法820条 家事審判法9条1項乙類4号

既発生債権及び将来債権を一括して目的とするいわゆる集合債権の譲渡予約において譲渡の目的となるべき債権の特定があるとされる場合

最高裁判所第二小法廷平成12年4月21日平成8(オ)1049民集 第54巻4号1562頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙との間の特定の商品の売買取引に基づき乙に対して現に有し又は将来有することのある売掛代金債権を目的として丙との間で譲渡の予約をした場合、譲渡の目的となるべき債権は、甲の有する他の債権から識別ができる程度に特定されているということができる。
参照法条民法369条(譲渡担保)・民法466条

抵当不動産の賃借人が取得する転貸賃料債権について抵当権者が物上代位権を行使することの可否

最高裁判所第二小法廷平成12年4月14日平成11(許)23民集 第54巻4号1552頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者は、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き、右賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない。
参照法条民法304条1項・民法372条・民法613条

質権が設定されている金銭債権の被転付適格

最高裁判所第二小法廷平成12年4月7日平成11(許)42民集 第54巻4号1355頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨質権が設定されている金銭債権は,券面額ある債権として被転付適格を有する。
参照法条民事執行法159条,民法362条

一 長時間にわたる残業を恒常的に伴う業務に従事していた労働者がうつ病にり患し自殺した場合に使用者の民法七一五条に基づく損害賠償責任が肯定された事例 二 業務の負担が過重であることを原因として心身に生じた損害につき労働者がする不法行為に基づく…

最高裁判所第二小法廷平成12年3月24日平成10(オ)217民集 第54巻3号1155頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 大手広告代理店に勤務する労働者甲が長時間にわたり残業を行う状態を一年余り継続した後にうつ病にり患し自殺した場合において、甲は、業務を所定の期限までに完了させるべきものとする一般的、包括的な指揮又は命令の下にその遂行に当たっていたため、継続的に長時間にわたる残業を行わざるを得ない状態になっていたものであって、甲の上司…
参照法条民法709条,民法715条,民法722条2項

内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に民法七六八条の規定を類推適用することの可否

最高裁判所第一小法廷平成12年3月10日平成11(許)18民集 第54巻3号1040頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に、民法七六八条の規定を類推適用することはできない。
参照法条民法768条,民法896条

一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意が詐害行為に該当する場合の取消しの範囲 二 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意と詐害行為取消権

最高裁判所第一小法廷平成12年3月9日平成10(オ)560民集 第54巻3号1013頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意は、民法七六八条三項の規定の趣旨に反してその額が不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきである。 二 離婚に伴う慰謝料として配偶者…
参照法条民法424条,民法710条,民法763条,768条

民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又は割合の確認を求める訴えの適否

最高裁判所第一小法廷平成12年2月24日平成11(受)110民集 第54巻2号523頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又はその価額の遺産の総額に対する割合の確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条民法903条1項,民訴法134条

殺人事件の被害者の両親が加害者とされる少年らの親権者に対して提起した損害賠償請求訴訟において捜査機関等に対する自白に依拠して少年らを殺人等の犯人であるとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成12年2月7日平成7(オ)793民集 第54巻2号255頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨殺人事件の被害者の両親が加害者とされる少年らの親権者に対して提起した損害賠償請求訴訟において、殺人行為等に関する少年らの捜査機関等に対する自白が極めて詳細かつ具体的であり、その内容が各少年とも大筋において一致し、互いに補強し補完し合うものであっても、右自白には、いわゆる秘密の暴露がなく、一部に捜査官の誤導による可能性の…
参照法条民法709条,民訴法247条,刑訴法317条

交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合に死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することの可否

最高裁判所第一小法廷平成11年12月20日平成10(オ)583民集 第53巻9号2038頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合には、死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することはできない。 (補足意見がある。)
参照法条民法416条,民法709条

特定の不動産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言がされた場合において他の相続人が相続開始後に当該不動産につき被相続人からの所有権移転登記を経由しているときの遺言執行者の職務権限

最高裁判所第一小法廷平成11年12月16日平成10(オ)1499民集 第53巻9号1989頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる趣旨の遺言がされた場合において、他の相続人が相続開始後に当該不動産につき被相続人から自己への所有権移転登記を経由しているときは、遺言執行者は、右所有権移転登記の抹消登記手続のほか、甲への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めることができる。
参照法条民法908条,民法1012条,民法1013条,民法1015条,民訴法第1編第3章当事者

買戻特約付売買の目的不動産に設定された抵当権に基づく買戻代金債権に対する物上代位権行使の可否

最高裁判所第三小法廷平成11年11月30日平成10(受)407民集 第53巻8号1965頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨買戻特約付売買の買主から目的不動産につき抵当権の設定を受けた者は、抵当権に基づく物上代位権の行使として、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権を差し押さえることができる。
参照法条民法304条,民法372条,民法579条

一 貸金庫の内容物についての強制執行の可否及び方法 二 貸金庫契約上の内容物引渡請求権に係る取立訴訟における個々の動産の特定及び存在の立証の要否

最高裁判所第二小法廷平成11年11月29日平成8(オ)556民集 第53巻8号1926頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 貸金庫の内容物については、利用者の銀行に対する貸金庫契約上の内容物引渡請求権を差し押さえる方法により、強制執行をすることができる。 二 貸金庫契約上の内容物引渡請求権に係る取立訴訟においては、差押債権者は、貸金庫を特定し、それについて貸金庫契約が締結されていることを立証すれば足り、貸金庫内の個々の動産を特定してその…
参照法条民法第3編第2章契約,銀行法10条2項10号,民事執行法143条,民事執行法163条,民事執行法157条

破産免責の効力の及ぶ債務の保証人とその債権の消滅時効の援用

最高裁判所第三小法廷平成11年11月9日平成9(オ)426民集 第53巻8号1403頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨主債務者である破産者が免責決定を受けた場合に、免責決定の効力の及ぶ債務の保証人は、その債権についての消滅時効を援用することができない。
参照法条民法145条,民法166条1項,民法446条,破産法366条ノ12,破産法366条ノ13

土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合にその余の共有者が右の者を被告にして右の訴えを提起することの許否

最高裁判所第三小法廷平成11年11月9日平成9(オ)873民集 第53巻8号1421頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と訴えを提起することに同調しない者とを被告にして右の訴えを提起することができる。 (補足意見がある。)
参照法条民法251条,民訴法40条,民訴法第1編第3章当事者,民訴法第2編第1章訴え

名誉毀損の行為者が刑事第一審の判決を資料として事実を適示した場合と右事実を真実と信ずるについての相当の理由

最高裁判所第三小法廷平成11年10月26日平成9(オ)411民集 第53巻7号1313頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨名誉毀損の行為者において刑事第一審の判決を資料としてその認定事実と同一性のある事実を真実と信じて摘示した場合には、特段の事情がない限り、摘示した事実を真実と信ずるについて相当の理由がある。
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項

一 不法行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし障害基礎年金及び障害厚生年金を逸失利益として請求することの可否 二 不法行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし障害基礎年金及び障害厚生年金についての各加給分を逸失利益として請…

最高裁判所第二小法廷平成11年10月22日平成9(オ)434民集 第53巻7号1211頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合には、その相続人は、加害者に対し、被害者の得べかりし右各障害年金額を逸失利益として請求することができる。 二 障害基礎年金及び障害厚生年金についてそれぞれ加給分を受給している者が不法行為により死亡した場合には、その相続人は、加害者に対し、被害者の得べ…
参照法条国民年金法30条,厚生年金保険法47条,民法709条,国民年金法35条1号,厚生年金保険法53条1号,民法896条,国民年金法33条の2,厚生年金保険法50条の2,国民年金法37条,厚生年金保険法58条

後順位抵当権者と先順位抵当権の被担保債権の消滅時効の援用

最高裁判所第一小法廷平成11年10月21日平成9(オ)1771民集 第53巻7号1190頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。
参照法条民法145条,民法369条,民法373条1項

共同相続人相互の間で一部の者が他の者を共同相続人でないものとしてその相続権を侵害している場合に相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者が立証すべき事項

最高裁判所第一小法廷平成11年7月19日平成7(オ)2468民集 第53巻6号1138頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人相互の間で一部の者が他の者を共同相続人でないものとしてその相続権を侵害している場合において、相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者は、真正共同相続人の相続権を侵害している共同相続人が、当該相続権侵害の開始時点において、他に共同相続人がいることを知らず、かつ、これを知らなかったことに合理的な事由があったこ…
参照法条民法884条,民訴法第2編第3章第1節総則

遺留分減殺の対象としての要件を満たす贈与に基づき目的物を占有した者の取得時効の援用と減殺請求による遺留分権利者への右目的物についての権利の帰属

最高裁判所第一小法廷平成11年6月24日平成8(オ)2292民集 第53巻5号918頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留分減殺の対象としての要件を満たす贈与を受けた者が、右贈与に基づいて目的物の占有を取得し、民法一六二条所定の期間、平穏かつ公然にこれを継続し、取得時効を援用したとしても、右贈与に対する減殺請求による遺留分権利者への右目的物についての権利の帰属は妨げられない。
参照法条民法162条,民法1030条,民法1031条

遺産分割協議と詐害行為取消権

最高裁判所第二小法廷平成11年6月11日平成10(オ)1077民集 第53巻5号898頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となる。
参照法条民法424条,民法907条1項

一 動産譲渡担保権に基づく物上代位権の行使が認められた事例 二 動産譲渡担保権の設定者が破産宣告を受けた後における右譲渡担保権に基づく物上代位権行使の可否

最高裁判所第二小法廷平成11年5月17日平成10(許)2民集 第53巻5号863頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 銀行甲が、輸入業者乙のする商品の輸入について信用状を発行し、約束手形の振出しを受ける方法により乙に輸入代金決済資金相当額を貸し付けるとともに、乙から右約束手形金債権の担保として輸入商品に譲渡担保権の設定を受けた上、乙に右商品の貸渡しを行ってその処分権限を与えたところ、乙が、右商品を第三者に転売した後、破産の申立てを…
参照法条民法304条,民法369条(譲渡担保),破産法92条

一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求と時効の中断 二 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消…

最高裁判所第三小法廷平成11年4月27日平成9(オ)2037民集 第53巻4号840頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、差押えに準ずるものとして、配当要求に係る債権につき時効中断の効力を生ずる。 二 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に、不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合に…
参照法条民法147条2号,民法154条,民事執行法14条民事執行法51条1項,

一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が「当該職員」に該当しない者を誤って被告としたときにおける行政事件訴訟法一五条の準用の有無 二 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が「…

最高裁判所第一小法廷平成11年4月22日平成9(行ツ)165民集 第53巻4号759頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えの原告が「当該職員」に該当しない者をを誤って被告としたときは、裁判所は行政事件訴訟法一五条を準用して、被告を変更することを許すことができる。 二 訓令等の事務処理上の明確な定めにより、財務会計上の行為に関し、額の多募…
参照法条地方自治法242条の2第1項4号,地方自治法242条の2第6項,行政事件訴訟法15条,行政事件訴訟法40条2項,行政事件訴訟法43条3項,民法147条1号,民法148条

債権を目的とする質権の設定者が当該債権に基づきその債務者に対して破産の申立てをすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成11年4月16日平成10(許)8民集 第53巻4号740頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権を目的とする質権の設定者は,質権者の同意があるなどの特段の事情のない限り,当該債権に基づきその債務者に対して破産の申立てをすることはできない。
参照法条民法367条,破産法132条

一 貸金の元利金の分割払による返済期日が「毎月X日」と定められた場合にX日が日曜日その他の一般の休日に当たるときの返済期日の解釈 二 貸金の元利金の分割払による返済期日が「毎月X日」と定められた場合に貸金業の規制等に関する法律一七条に規定す…

最高裁判所第一小法廷平成11年3月11日平成10(オ)1465民集 第53巻3号451頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 毎月一回ずつの分割払によって元利金を返済する約定の消費貸借契約において、返済期日を単に「毎月X日」と定めただけで、その日が日曜日その他の一般の休日に当たる場合の取扱いが明定されなかった場合には、特段の事情がない限り、契約当事者間にX日が右休日であるときはその翌営業日を返済期日とする旨の黙示の合意があったことが推認さ…
参照法条民法92条,民法142条,貸金業の規制等に関する法律43条,貸金業の規制等に関する法律(平成九年法律第一〇二号による改正前のもの)17条,利息制限法1条1項,利息制限法4条1項,貸金業の規制等に関する法律施行規則(昭和五八年大蔵省令第四〇号…

一 医師の不作為と患者の死亡との間の因果関係の存否の判断と患者が適切な診療行為を受けていたとした場合の生存可能期間の認定 二 医師が肝硬変の患者につき肝細胞がんを早期に発見するための検査を実施しなかった注意義務違反と患者の右がんによる死亡と…

最高裁判所第一小法廷平成11年2月25日平成8(オ)2043民集 第53巻2号235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 医師が注意義務に従って行うべき診療行為を行わなかった不作為と患者の死亡との間の因果関係は、医師が右診療行為を行っていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度のがい然性が証明されれば肯定され、患者が右診療行為を受けていたならば生存し得たであろう期間を認定するのが困難であることを…
参照法条民法416条,民法709条

やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力

最高裁判所第三小法廷平成11年2月23日平成7(オ)1747民集 第53巻2号193頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は、無効である。
参照法条民法90条,民法91条,民法678条

一 将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時における目的債権の発生の可能性の程度と右契約の効力 二 医師が社会保険診療報酬支払基金から将来支払を受けるべき診療報酬債権を目的とする債権譲渡契約の効力を否定した原審の判断に違法があると…

最高裁判所第三小法廷平成11年1月29日平成9(オ)219民集 第53巻1号151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時において目的債権の発生の可能性が低かったことは、右契約の効力を当然には左右しない。 二 医師が社会保険診療報酬支払基金から将来八年三箇月の間に支払を受けるべき各月の診療報酬債権の一部を目的として債権譲渡契約を締結した場合において、右医師が債務の弁済のために右契約を締…
参照法条民法466条,健康保険法43条ノ9第5項,社会保険診療報酬支払基金法13条1項

被相続人から抵当権の設定を受けた相続債権者が相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することの可否

最高裁判所第一小法廷平成11年1月21日平成10(受)5民集 第53巻1号128頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続債権者は、被相続人から抵当権の設定を受けていても、被相続人の死亡前に仮登記がされていた場合を除き、相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することができない。
参照法条民法929条,民法951条,民法957条

建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えにつき確認の利益があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成11年1月21日平成7(オ)1445民集 第53巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えは、その内容が右賃貸借契約終了後建物の明渡しがされた時においてそれまでに生じた敷金の被担保債権を控除しなお残額があることを条件とする権利の確認を求めるものであり、賃貸人が賃借人の敷金交付の事実を争って敷金返還義務を負わないと主張しているときは…
参照法条民訴法134条,民法619条2項

一 請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することの可否 二 請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権の一部に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができるとされ…

最高裁判所第三小法廷平成10年12月18日平成10(許)4民集 第52巻9号2024頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足り…
参照法条民法304条,民法322条,民法632条

通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合に地役権者が譲受人に対して地役権設定登記手続を請求することの可否

最高裁判所第二小法廷平成10年12月18日平成8(オ)2343民集 第52巻9号1975頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合には、地役権者は、譲受人に対し、同権利に基づいて地役権設定登記手続を請求することができる。
参照法条民法177条,民法280条

一 仮差押えによる時効中断の効力の継続 二 本案の勝訴判決の確定と仮差押えによる時効中断の効力

最高裁判所第三小法廷平成10年11月24日平成7(オ)1413民集 第52巻8号1737頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続する。 二 仮差押えの被保全債権につき本案の勝訴判決が確定したとしても、仮差押えによる時効中断の効力が消滅するとはいえない。
参照法条民法147条2号,民法157条1項,民法174条ノ2

一 建物の区分所有等に関する法律三一条一項後段にいう「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」の意義 二 区分所有者が専用使用権を有するマンション駐車場の使用料を増額する規約の設定、変更等が専用使用権者…

最高裁判所第二小法廷平成10年10月30日平成8(オ)258民集 第52巻7号1604頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 建物の区分所有等に関する法律三一条一項後段にいう「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」とは、規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関係の実態に照らして、その不利益が右区分所有者の受忍すべき限度を超えると認…
参照法条建物の区分所有等に関する法律第1章第2節共用部分等,建物の区分所有等に関する法律17条,建物の区分所有等に関する法律18条,建物の区分所有等に関する法律21条,建物の区分所有等に関する法律31条1項,民法541条

一 共同不法行為者の一人と被害者との間で成立した訴訟上の和解における債務の免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及ぶ場合 二 共同不法行為者の一人と被害者との間で成立した訴訟上の和解における債務の免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及…

最高裁判所第一小法廷平成10年9月10日平成9(オ)448民集 第52巻6号1494頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 甲と乙が共同の不法行為により丙に損害を加えたが、甲と丙との間で成立した訴訟上の和解により、甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに、丙が甲に対し残債務を免除した場合において、丙が右訴訟上の和解に際し乙の残債務をも免除する意思を有していると認められるときは、乙に対しても残債務の免除の効力が及ぶ。 二 共同不法…
参照法条民法437条,民法442条,民法719条

災害により居住用の賃借家屋が滅失して賃貸借契約が終了した場合におけるいわゆる敷引特約の適用の可否

最高裁判所第一小法廷平成10年9月3日平成9(オ)1446民集 第52巻6号1467頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨居住用の家屋の賃貸借における敷金につき、賃貸借契約終了時にそのうちの一定金額又は一定割合の金員を返還しない旨のいわゆる敷引特約がされた場合であっても、災害により家屋が滅失して賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り、右特約を適用することはできない。
参照法条民法619条2項

本人が無権代理行為の追認を拒絶した後に無権代理人が本人を相続した場合における無権代理行為の効力

最高裁判所第二小法廷平成10年7月17日平成6(オ)1379民集 第52巻5号1296頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではない。
参照法条民法113条,民法117条,民法896条

一 手形につき商事留置権を有する者が債務者に対する破産宣告の後に破産管財人からの手形の返還請求を拒むことの可否 二 手形につき商事留置権を有する銀行が債務者に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当す…

最高裁判所第三小法廷平成10年7月14日平成7(オ)264民集 第52巻5号1261頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 手形につき商事留置権を有する者は、債務者が破産宣告を受けた後においても、右手形を留置する権能を有し、破産管財人からの手形の返還請求を拒むことができる。 二 手形につき商事留置権を有する甲銀行が債務者乙に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当する行為は、乙が債務を履行しないと…
参照法条破産法93条,破産法95条,破産法204条,商法521条,民事執行法136条,民事執行法192条,民法91条,民法709条

別訴において一部請求をしている債権の残部を自働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第三小法廷平成10年6月30日平成6(オ)698民集 第52巻4号1225頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一個の債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えを提起している場合において、当該債権の残部を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは、債権の分割行使をすることが訴訟上の権利の濫用に当たるなど特段の事情の存しない限り、許される。
参照法条民法505条,民訴法114条,民訴法142条

詐害行為の受益者と取消債権者の債権の消滅時効の援用

最高裁判所第二小法廷平成10年6月22日平成6(オ)586民集 第52巻4号1195頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用することができる。
参照法条民法145条,民法424条

不法行為を原因として心神喪失の常況にある被害者の損害賠償請求権と民法七二四条後段の除斥期間

最高裁判所第二小法廷平成10年6月12日平成5(オ)708民集 第52巻4号1087頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不法行為の被害者が不法行為の時から二〇年を経過する前六箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から六箇月内に右不法行為による損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法一五八条の法意に照ら…
参照法条民法158条,民法724条

債権譲渡の通知に対する詐害行為取消権行使の可否

最高裁判所第二小法廷平成10年6月12日平成8(オ)1307民集 第52巻4号1121頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権譲渡の通知は、詐害行為取消権行使の対象とすることができない。
参照法条民法424条,民法467条

金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することの許否

最高裁判所第二小法廷平成10年6月12日平成9(オ)849民集 第52巻4号1147頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは、特段の事情がない限り、信義則に反して許されない。
参照法条民訴法114条,民訴法第2編第1章訴え,民法1条2項

一 遺産分割協議の申入れに遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべき場合 二 遺留分減殺の意思表示が記載された内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合に意思表示の到達が認められた事例

最高裁判所第一小法廷平成10年6月11日平成9(オ)685民集 第52巻4号1034頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分減殺請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべきである。 二 遺留分減殺の意思表示が記載された内容証明郵便が留置期間の経過により差…
参照法条民法97条,民法907条,民法1031条

甲が丁の強迫により消費貸借契約の借主となり貸主乙に指示して貸付金を丙に給付させた後に右強迫を理由に契約を取り消した場合の乙から甲に対する不当利得返還請求につき甲が右給付により利益を受けなかったものとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成10年5月26日平成8(オ)497民集 第52巻4号985頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が丁の強迫により消費貸借契約の借主となり貸主乙に指示して貸付金を丙に給付させた後に右強迫を理由に契約を取り消したが、甲と丙との間には事前に何らの法律上又は事実上の関係はなく、甲が丁の言うままに乙に対して貸付金を丙に給付するように指示したなど判示の事実関係の下においては、乙から甲に対する不当利得返還請求について、甲が右…
参照法条民法96条1項,民法537条,民法587条,民法703条

訴訟上の相殺の抗弁に対し訴訟上の相殺を再抗弁として主張することの許否

最高裁判所第一小法廷平成10年4月30日平成5(オ)789民集 第52巻3号930頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨訴訟上の相殺の抗弁に対し訴訟上の相殺を再抗弁として主張することは、許されない。
参照法条民法505条,民訴法114条2項

一 構成員に会社を含む共同企業体の債務と各構成員の連帯債務関係 二 和議開始の申立てをした連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が右申立てを知って和議開始決定前の弁済により取得した求償権をもって相殺することの可否 三 和議認可決定を受けた連帯…

最高裁判所第三小法廷平成10年4月14日平成6(オ)2137民集 第52巻3号813頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 構成員に会社を含む共同企業体の各構成員は、共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務につき連帯債務を負う。 二 連帯債務関係が発生した後に連帯債務者の一人が和議開始の申立てをした場合において、右申立てを知って和議開始決定前の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、右求償権をもって和議債務者の債権と相…
参照法条民法442条,民法501条,民法675条,商法511条1項,和議法5条,和議法45条,和議法57条,破産法24条,破産法26条,破産法104条,破産法326条

債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合における両者の優劣の判断基準

最高裁判所第一小法廷平成10年3月26日平成6(オ)1408民集 第52巻2号483頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、両者の優劣は、一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵当権設定登記の先後によって決すべきである。
参照法条民法177条,民法304条,民法372条,民事執行法145条

配当期日に配当異議の申出をしなかった一般債権者が配当を受けた他の債権者に対して不当利得返還請求をすることの可否

最高裁判所第一小法廷平成10年3月26日平成8(オ)983民集 第52巻2号513頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨配当期日において配当異議の申出をしなかった一般債権者は、配当を受けた他の債権者に対して、その者が配当を受けたことによって自己が配当を受けることができなかった額に相当する金員について不当利得返還請求をすることができない。
参照法条民法703条,民事執行法84条1項,民事執行法85条,民事執行法89条

民法九〇三条一項の定める相続人に対する贈与と遺留分減殺の対象

最高裁判所第三小法廷平成10年3月24日平成9(オ)2117民集 第52巻2号433頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法九〇三条一項の定める相続人に対する贈与は、右贈与が相続開始よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人など関係人の個人的事情の変化をも考慮するとき、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段の事情のない限り、同法一〇三〇条の定める要件を満たさないものであっても、遺留分減殺の…
参照法条民法903条1項,民法1030条,民法1031条,民法1044条

遺留分減殺請求を受けるよりも前に遺贈の目的を譲渡した受遺者が遺留分権利者に対してすべき価額弁償の額の算定

最高裁判所第三小法廷平成10年3月10日平成8(オ)20民集 第52巻2号319頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留物減殺請求を受けるよりも前に遺贈の目的を譲渡した受遺者が遺留分権利者に対して価額弁償すべき額は、譲渡の価額がその当時において客観的に相当と認められるべきものであったときは、右価額を基準として算定すべきである。
参照法条民法1031条,民法1040条1項

遺言執行者がある場合における遺言によって特定の相続人に相続させるものとされた特定の不動産についての賃借権確認請求訴訟の被告適格

最高裁判所第二小法廷平成10年2月27日平成7(オ)1993民集 第52巻1号299頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言によって特定の相続人に相続させるものとされた特定の不動産についての賃借権確認請求訴訟の被告適格を有する者は、遺言執行者があるときであっても、遺言書に当該不動産の管理及び相続人への引渡しを遺言執行者の職務とする旨の記載があるなどの特段の事情のない限り、遺言執行者ではなく、右の相続人である。
参照法条民法908条,民法1012条,民法1013条,民法1015条,民訴法第1編第3章当事者

内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認

最高裁判所第一小法廷平成10年2月26日平成6(オ)1900民集 第52巻1号255頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認される。
参照法条民法249条,民法703条,民法第4編第2章第1節婚姻の成立,民訴法247条

相続人に対する遺贈と民法一〇三四条にいう目的の価額

最高裁判所第一小法廷平成10年2月26日平成9(オ)802民集 第52巻1号274頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続人に対する遺贈が遺留分減殺の対象となる場合においては、右遺贈の目的の価額のうち受遺者の遺留分額を超える部分のみが、民法一〇三四条にいう目的の価額に当たる。
参照法条民法1034条

限定承認をした相続人が死因贈与による不動産の取得を相続債権者に対抗することの可否

最高裁判所第二小法廷平成10年2月13日平成8(オ)2168民集 第52巻1号38頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の死因贈与の受贈者が贈与者の相続人である場合において、限定承認がされたときは、死因贈与に基づく限定承認者への所有権移転登記が相続債権者による差押登記よりも先にされたとしても、信義則に照らし、限定承認者は相続債権者に対して不動産の所有権取得を対抗することができない。
参照法条民法1条2項,民法177条,民法554条,民法922条,民法931条

設定登記のされていない通行地役権について承役地の譲受人が登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないと解すべき場合

最高裁判所第二小法廷平成10年2月13日平成9(オ)966民集 第52巻1号65頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨通行地役権の承役地が譲渡された場合において、譲渡の時に、右承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、譲受人は、通行地役権が設定されていることを知らなかったとし…
参照法条民法177条,民法280条

抵当権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡

最高裁判所第二小法廷平成10年1月30日平成9(オ)419民集 第52巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
参照法条民法304条,民法372条,民法467条

動産の買主が転売先から取り戻した右動産を売主に対する売買代金債務の代物弁済に供した行為が破産法七二条四号による否認の対象になるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成9年12月18日平成7(オ)863民集 第51巻10号4210頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲から動産を買い受けた乙がこれを丙に転売して引き渡したことにより、甲が右動産に対して動産売買の先取特権を行使し得なくなったところ、その後に支払を停止した乙が、右動産を甲に返還する意図の下に、丙との間で転売契約を合意解除して右動産を取り戻した上、甲に対する右動産の売買代金債務の代物弁済に供したなど判示の事実関係の下におい…
参照法条破産法72条4号,民法322条,民法333条

いわゆる位置指定道路の通行妨害と妨害排除請求権

最高裁判所第一小法廷平成9年12月18日平成8(オ)1361民集 第51巻10号4241頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建築基準法四二条一項五号の規定による位置の指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限…
参照法条民法1条ノ2,民法198条,民法199条,建築基準法42条1項5号

一 遺言者が遺言を撤回する遺言を更に別の遺言をもって撤回することにより当初の遺言の効力が復活する場合 二 遺言者が遺言を撤回する遺言を更に別の遺言をもって撤回した場合において当初の遺言の効力の復活が認められた事例

最高裁判所第一小法廷平成9年11月13日平成7(オ)1866民集 第51巻10号4144頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 遺言者が遺言を撤回する遺言を更に別の遺言をもって撤回した場合において、遺言書の記載に照らし、遺言者の意思が当初の遺言の復活を希望するものであることが明らかなときは、当初の遺言の効力が復活する。 二 遺言者が、甲遺言を乙遺言をもって撤回した後更に乙遺言を無効とし甲遺言を有効とする内容の丙遺言をしたときは、甲遺言の効力…
参照法条民法1022条,民法1025条

賭博債権の譲渡を異議なく承諾した債務者が右債権の譲受人に対して賭博契約の公序良俗違反による無効を主張することの可否

最高裁判所第三小法廷平成9年11月11日平成7(オ)2025民集 第51巻10号4077頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賭博の勝ち負けによって生じた債権が譲渡された場合においては、右債権の債務者が異議をとどめずに右債権譲渡を承諾したときであっても、債務者に信義則に反する行為があるなどの特段の事情のない限り、債務者は、右債権の譲受人に対して右債権の発生に係る契約の公序良俗違反による無効を主張してその履行を拒むことができる。
参照法条民法90条,民法468条

金融機関が信用保証協会との間の信用保証取引に関する約定中のいわゆる旧債振替禁止条項に違反した場合における保証債務の消滅の範囲

最高裁判所第二小法廷平成9年10月31日平成8(オ)1939民集 第51巻9号4004頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金融機関が、信用保証協会の保証に係る中小企業者等に対する貸付金の一部について、信用保証協会との間の信用保証取引に関する約定中のいわゆる旧債振替禁止条項に違反してこれを既存の債権の回収に充てた場合には、残額部分の貸付金では中小企業者等が融資を受けた目的を達成することができないなど、信用保証制度の趣旨・目的に照らして保証債…
参照法条民法91条,民法446条,民法459条,信用保証協会法1条,信用保証協会法20条

一 外国人である母の非嫡出子が日本人である父により胎児認知されていなくても国籍法二条一号により日本国籍を取得する場合 二 韓国人である母の非嫡出子であって日本人である父により出生後に認知された子につき国籍法二条一号による日本国籍の取得が認め…

最高裁判所第二小法廷平成9年10月17日平成8(行ツ)60民集 第51巻9号3925頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 外国人である母の非嫡出子が日本人である父により胎児認知されていなくても、右非嫡出子が戸籍の記載上母の夫の嫡出子と推定されるため日本人である父による胎児認知の届出が受理されない場合であって、右推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるときは、右胎児認知がされた場合に準じて、国籍法二…
参照法条国籍法2条1号,民法772条,民法779条,民法783条1項

遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合と民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」

最高裁判所第二小法廷平成9年9月12日平成6(オ)2052民集 第51巻8号3887頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合は、民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」に当たらない。
参照法条民法951条,民法964条,民法990条

一 特定の事実を基礎とする意見ないし論評の表明による名誉毀損において行為者が右事実を真実と信ずるにつき相当の理由がある場合の不法行為の成否 二 名誉毀損の成否が問題となっている新聞記事における事実の摘示と意見ないし論評の表明との区別 三 特…

最高裁判所第三小法廷平成9年9月9日平成6(オ)978民集 第51巻8号3804頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 特定の事実を基礎とする意見ないし論評の表明による名誉毀損について、その行為が公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図ることにあって、表明に係る内容が人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない場合に、行為者において右意見等の前提としている事実の重要な部分を真実と信ずるにつき相当の理由が…
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項

一 漫画の登場人物のいわゆるキャラクターの著作物性 二 二次的著作物の著作権が生ずる部分 三 連載漫画において登場人物が最初に掲載された漫画の著作権の保護期間が満了した後に当該登場人物について著作権を主張することの可否 四 著作権法二一条の…

最高裁判所第一小法廷平成9年7月17日平成4(オ)1443民集 第51巻6号2714頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 漫画において一定の名称、容貌、役割等の特徴を有するものとして反復して描かれている登場人物のいわゆるキャラクターは、著作物に当たらない。 二 二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作物部分のみについて生じ、原著作物と共通し、その実質を同じくする部分には生じない。 三 連載漫画において、登場人物…
参照法条著作権法2条1項1号,著作権法2条1項11号,著作権法21条,著作権法53条1項,著作権法56条1項,民法163条,民訴法第2編第3章第1節総則,民訴法394条,民訴法420条1項8号,旧不正競争防止法(昭和9年法律第14号)1条1項1号,…

借地上の建物の譲渡担保権者が建物の引渡しを受けて使用収益をする場合と民法六一二条にいう賃借権の譲渡又は転貸

最高裁判所第一小法廷平成9年7月17日平成5(オ)486民集 第51巻6号2882頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨借地上の建物につき借地人から譲渡担保権の設定を受けた者が、建物の引渡しを受けて使用又は収益をする場合には、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、譲渡担保権設定者による受戻権の行使が可能であるとしても、建物の敷地について民法六一二条にいう賃借権の譲渡又は転貸がされたものと解するのが相当である。
参照法条民法369条(譲渡担保),民法612条

一 請負人の報酬債権と注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺がされた後の報酬残債務について注文者が履行遅滞による責任を負う時期 二 仮執行宣言に基づく給付金に商事法定利率による金員を付加してその支払を求める民訴法一九八条二項の申立てが…

最高裁判所第三小法廷平成9年7月15日平成5(オ)2187民集 第51巻6号2581頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 請負人の報酬債権に対し注文者がこれと同時履行の関係にある瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合、注文者は、相殺後の報酬残債務について、相殺の意思表示をした日の翌日から履行遅滞による責任を負う。 二 (省略)
参照法条民法412条,民法506条2項,民法533条,民法634条2項,民訴法198条2項,商法514条

いわゆる懲罰的損害賠償を命じた外国裁判所の判決について執行判決をすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成9年7月11日平成5(オ)1762民集 第51巻6号2573頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決のうち、補償的損害賠償等に加えて、見せしめと制裁のために懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分については、執行判決をすることができない。
参照法条民訴法200条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条,民法709条

留置権者が留置物の使用等の承諾を受けた後に留置物の所有権を取得した者による留置物の使用等を理由とする留置権の消滅請求の可否

最高裁判所第一小法廷平成9年7月3日平成6(オ)1279民集 第51巻6号2500頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨留置物の所有権が譲渡等により第三者に移転した場合において、右につき対抗要件を具備するよりも前に留置権者が留置物の使用又は賃貸についての承諾を受けていたときは、新所有者は、留置権者に対し、右使用等を理由に留置権の消滅請求をすることはできない。
参照法条民法177条,民法298条

一体として利用されている二筆の借地のうち一方の土地上にのみ借地権者所有の登記されている建物がある場合において両地の買主による他方の土地の明渡請求が権利の濫用に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成9年7月1日平成6(オ)590民集 第51巻6号2251頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨丁戊二筆の土地の借地権者甲が、ガソリンスタンドの営業のために、丁地上に登記されている建物を所有して店舗等として利用し、隣接する戊地には未登記の簡易なポンプ室や給油設備等を設置し、右両地を一体として利用していて、戊地を利用することができなくなると右営業の継続が事実上不可能となり、甲が右ポンプ室を独立の建物としての価値を有…
参照法条民法1条3項,建物保護に関する法律1条,借地借家法10条1項

一 生命保険契約の保険契約者兼保険金受取人である有限会社が意思表示の受領権限を有する者を欠く状態にある場合において保険金請求権の転付債権者に対して告知義務違反を理由とする解除の意思表示をすることの可否 二 保険会社が告知義務違反による生命保…

最高裁判所第三小法廷平成9年6月17日平成7(オ)949民集 第51巻5号2154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 有限会社を保険契約者兼保険金受取人とする生命保険契約における被保険者が死亡し、かつ、右有限会社が意思表示を受領する権限を有する者を欠く状態にある場合において、転付命令により保険金受取人の保険会社に対する生命保険金支払請求権を取得した者があるときには、保険会社は、右転付債権者に対しても告知義務違反を理由とする生命保険…
参照法条民法91条,民法540条,商法644条2項,商法678条,民事執行法159条,民事執行法160条

譲渡禁止の特約のある指名債権の譲渡後にされた債務者の譲渡についての承諾と債権譲渡の第三者に対する効力

最高裁判所第一小法廷平成9年6月5日平成5(オ)1164民集 第51巻5号2053頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨譲渡禁止の特約のある指名債権について、譲受人が特約の存在を知り、又は重大な過失により特約の存在を知らないでこれを譲り受けた場合でも、その後、債務者が債権の譲渡について承諾を与えたときは、債権譲渡は譲渡の時にさかのぼって有効となるが、民法一一六条の法意に照らし、第三者の権利を害することはできない。
参照法条民法116条,民法466条

一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合における抵当不動産の共有持分の第三取得者による滌除の可否

最高裁判所第一小法廷平成9年6月5日平成5(オ)1713民集 第51巻5号2096頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合には、右抵当不動産の共有持分を取得した第三者が抵当権の滌除をすることはできない。
参照法条民法249条,民法378条

所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に建て替えた新建物に土地の抵当権と同順位の共同抵当権を設定した場合に右抵当権の被担保債権に優先する国税について執行裁判所に対し交付要求がされたときの法定地上権の成否

最高裁判所第一小法廷平成9年6月5日平成5(オ)2172民集 第51巻5号2116頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨所有者が、土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、建物を取り壊し、土地上に新たに建物を建築し、新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権を設定した場合であっても、新建物についての抵当権の被担保債権に優先する国税について執行裁判所に対し交付要求がされたときには、新建物のために法定地上権は成立しない。
参照法条民法388条,国税徴収法8条,国税徴収法16条,国税徴収法82条

生命保険会社がいわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者の代理人と称する者の申込みにより行った貸付けと民法四七八条の類推適用

最高裁判所第一小法廷平成9年4月24日平成5(オ)1951民集 第51巻4号1991頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険会社甲が、いわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者乙の代理人と称する丙の申込みによる貸付けを実行した場合において、丙を乙の代理人と認定するにつき相当の注意義務を尽くしたときは、甲は、民法四七八条の類推適用により、乙に対し、右の貸付けの効力を主張することができる。
参照法条民法91条,民法478条,民法587条,商法673条

離婚請求を認容するに際し別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を命ずることの可否

最高裁判所第一小法廷平成9年4月10日平成7(オ)1933民集 第51巻4号1972頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚の訴えにおいて、別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し、別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には、裁判所は、離婚請求を認容するに際し、右申立てに係る子の監護費用の支払を命ずることができる。
参照法条人事訴訟手続法15条1項,民法766条1項,民法771条

火災保険普通保険約款上保険会社が保険金の支払につき遅滞の責めを負うべき時期

最高裁判所第三小法廷平成9年3月25日平成5(オ)1858民集 第51巻3号1565頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保険会社は保険契約者又は被保険者が保険の目的について損害が発生したことを通知し所定の書類を提出した日から三〇日以内に保険金を支払う、ただし、保険会社が右期間内に必要な調査を終えることができないときはこれを終えた後遅滞なく保険金を支払う旨の火災保険普通保険約款の条項は、右三〇日の経過により保険金支払の履行期が到来すること…
参照法条民法91条,民法412条,商法629条,商法665条

預託金会員制ゴルフクラブの会則等に会員としての地位の相続に関する定めがない場合に会員の死亡によりその相続人がこれを取得することができるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成9年3月25日平成6(オ)1593民集 第51巻3号1609頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨預託金会員制ゴルフクラブにおいて、会則等に会員としての地位の相続に関する定めがなくても、右地位の譲渡に関する定めがあるなど判示の事実関係の下においては、会員の死亡によりその相続人は右地位の譲渡に準ずる手続を踏んでこれを取得することができる。
参照法条民法第3編第2章契約,民法896条

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)1746民集 第51巻2号448頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払…
参照法条民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項

賃借人の債務不履行による賃貸借の解除と賃貸人の承諾のある転貸借の帰すう

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)456民集 第51巻2号398頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃貸借が賃借人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了する。
参照法条民法601条,民法612条

一 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の起因剤の認定に経験則違反の違法があるとされた事例 二 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の発症日の認定に経験則違反の違法があるとされた事例 三 顆粒球減少症…

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成7(オ)1205民集 第51巻2号502頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 顆粒球減少症の副作用を有する複数の薬剤の投与を原因として患者が同症にかかった場合において、鑑定は、右薬剤はいずれも起因剤と断定するには難点があり、発症時期に最も近接した時期に投与されたネオマイゾンが最も疑われるが確証がなく、複数の右薬剤の相互作用により同症が発症することはあり得るものの本件においては右相互作用による…
参照法条民法415条,民法709条,民訴法185条,民訴法394条

請負契約の注文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって報酬全額の支払との同時履行を主張することの可否

最高裁判所第三小法廷平成9年2月14日平成5(オ)1924民集 第51巻2号337頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負契約の目的物に瑕疵がある場合には、注文者は、瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等にかんがみ信義則に反すると認められるときを除き、請負人から瑕疵の修補に代わる損害の賠償を受けるまでは、報酬全額の支払を拒むことができ、これについて履行遅滞の責任も負わない。
参照法条民法1条2項,民法412条,民法533条,民法634条

所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に右建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否

最高裁判所第三小法廷平成9年2月14日平成7(オ)261民集 第51巻2号375頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後右建物が取り壊され、右土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立し…
参照法条民法388条

一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益の算定方法 二 不法残留外国人の労災事故による逸失利益の算定に当たり我が国における就労可能期間を事故の約五箇月後まで勤めた会社を退社した日の翌日から三年間を超えて認めなかった原審…

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)2132民集 第51巻1号78頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の事故による逸失利益を算定するに当たっては、予測される我が国での就労可能期間内は我が国での収入等を基礎とし、その後は想定される出国先での収入等を基礎とするのが合理的であり、我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の…
参照法条民法416条,民法709条,民訴法372条,民訴法396条,民訴規則58条,民訴規則57条

一 土地収用法一三三条所定の訴訟における補償額についての審理判断の方法 二 被収用者が土地収用法一三三条所定の訴訟において補償金増額分に対する収用の時期以降の法定利率相当の金員を請求することの可否

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(行ツ)11民集 第51巻1号147頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 土地収用法一三三条所定の損失補償に関する訴訟において、裁判所は、収用委員会の補償に関する認定判断に裁量権の逸脱濫用があるかどうかを審理判断するのではなく、裁決時点における正当な補償額を客観的に認定し裁決に定められた補償額が右認定額と異なるときは、これを違法とし、正当な補償額を確定すべきである。 二 被収用者は、土地…
参照法条土地収用法48条1項,土地収用法71条,土地収用法88条,土地収用法133条,民法404条,民法419条

相続に関する不当な利益を目的としない遺言書の破棄隠匿行為と相続欠格事由

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成6(オ)804民集 第51巻1号184頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、相続人の右行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、右相続人は、民法八九一条五号所定の相続欠格者に当たらない。
参照法条民法891条

一 債務者複数の根抵当権についての配当金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合における被担保債権への充当方法 二 債務者複数の根抵当権についての配当金を各債務者に対する債権を担保するための部分に案分する場合において同一の目的を有する…

最高裁判所第二小法廷平成9年1月20日平成6(オ)2122民集 第51巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 不動産競売手続における債務者複数の根抵当権についての配当金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合においては、配当金を各債務者に対する債権を担保するための部分に被担保債権額に応じて案分した上、右案分額を民法四八九条ないし四九一条の規定に従って各債務者に対する被担保債権に充当すべきである。 二 不動産競売手続に…
参照法条民法398条ノ2,民法398条ノ14,民法489条,民法490条,民法491条,民事執行法85条

遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合

最高裁判所第三小法廷平成8年12月17日平成5(オ)1946民集 第50巻10号2778頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、右建物について、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認される。
参照法条民法249条,民法593条,民法703条,民法898条,民訴法185条

被相続人が相続開始時に債務を有していた場合における遺留分の侵害額の算定

最高裁判所第三小法廷平成8年11月26日平成5(オ)947民集 第50巻10号2747頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被相続人が相続開始時に債務を有していた場合における遺留分の侵害額は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して遺留分算定の基礎となる財産額を確定し、それに法定の遺留分の割合を乗じるなどして算定した遺留分の額から遺留分権利者が相続によって得た財産の額を控除し、…
参照法条民法1029条,民法1031条

一 他主占有者の相続人が独自の占有に基づく取得時効の成立を主張する場合における所有の意思の立証責任 二 他主占有者の相続人について独自の占有に基づく取得時効の成立が認められた事例

最高裁判所第三小法廷平成8年11月12日平成7(オ)228民集 第50巻10号2591頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 他主占有者の相続人が独自の占有に基づく取得時効の成立を主張する場合には、相続人において、その事実的支配が外形的客観的にみて独自の所有の意思に基づくものと解される事情を証明すべきである。 二 甲が所有しその名義で登記されている土地建物について、甲の子である乙が甲から管理をゆだねられて占有していたところ、乙の死亡後、そ…
参照法条民法162条,民法185条,民法186条1項,民法187条1項,民法896条

一 同一当事者間で締結された二個以上の契約のうち一の契約の債務不履行を理由に他の契約を解除することのできる場合 二 いわゆるリゾートマンションの売買契約と同時にスポーツクラブ会員権契約が締結された場合にその要素たる債務である屋内プールの完成…

最高裁判所第三小法廷平成8年11月12日平成8(オ)1056民集 第50巻10号2673頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 同一当事者間の債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約といった二個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連付けられていて、社会通念上、甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、そ…
参照法条民法第3編第2章契約,民法541条

一 いわゆる全面的価格賠償の方法による共有物分割の許否 二 共有物を取得させるべき者に賠償金の支払能力があることを確定しないでいわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割した原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成8年10月31日平成3(オ)1380民集 第50巻9号2563頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法二五八条により共有物の分割をする場合において、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情があるときは、共…
参照法条民法258条

背信的悪意者からの転得者と民法一七七条の第三者

最高裁判所第三小法廷平成8年10月29日平成5(オ)956民集 第50巻9号2506頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨所有者甲から乙が不動産を買い受け、その登記が未了の間に、甲から丙が当該不動産を二重に買い受け、更に丙から転得者丁が買い受けて登記を完了した場合に、丙が背信的悪意者に当たるとしても、丁は、乙に対する関係で丁自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、当該不動産の所有権取得をもって乙に対抗することができる。
参照法条民法177条

小規模で閉鎖的な有限会社における実質的な経営者の交代と民法六一二条にいう賃借権の譲渡

最高裁判所第二小法廷平成8年10月14日平成6(オ)693民集 第50巻9号2431頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借人である小規模で閉鎖的な有限会社において、持分の譲渡及び役員の交代により実質的な経営者が交代しても、そのことは、民法六一二条にいう賃借権の譲渡に当たらない。
参照法条民法612条

連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行と主債務の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷平成8年9月27日平成7(オ)1914民集 第50巻8号2395頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲の債務者乙の連帯保証人である丙の債務を担保するため、丁が物上保証人となった場合において、甲が丁に対して競売を申し立て、その手続が進行することは、乙の主債務の消滅時効の中断事由に該当しない。
参照法条民法147条,民法148条,民法149条,民法153条,民法155条,民法434条,民法458条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

一 短期賃貸借解除請求の要件である抵当権者の損害の意義 二 競売による差押え後に期間が満了して更新された短期賃貸借の解除を命じることの可否

最高裁判所第二小法廷平成8年9月13日平成7(オ)1346民集 第50巻8号1374頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法三九五条ただし書にいう抵当権者に損害を及ぼすときとは、原則として、解除請求訴訟の事実審口頭弁論終結時において、抵当不動産の競売による売却価額が同条本文の短期賃貸借の存在により下落し、これに伴い抵当権者が被担保債権の弁済として受ける配当等の額が減少するときをいう。 二 解除請求の対象である短期賃貸借の期間が抵当権…
参照法条民法395条

物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期

最高裁判所第二小法廷平成8年7月12日平成5(オ)1788民集 第50巻7号1901頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずる。
参照法条民法147条,民法148条,民法155条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡を第三者に対抗するための要件

最高裁判所第二小法廷平成8年7月12日平成7(オ)2080民集 第50巻7号1918頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡をゴルフ場経営会社以外の第三者に対抗するには、指名債権の譲渡の場合に準じて、譲渡人が確定日付のある証書によりこれをゴルフ場経営会社に通知し、又はゴルフ場経営会社が確定日付のある証書によりこれを承諾することを要し、かつ、そのことをもって足りる。
参照法条民法467条,民法第3編第2章契約

一 交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合に最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり被害者の死亡を考慮することの許否 二 交通事故の被害者が事故後に死亡した場合に後遺障害による財産上の損害の額の算定に当た…

最高裁判所第二小法廷平成8年5月31日平成5(オ)1958民集 第50巻6号1323頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合、最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきものではない。 二 交通事故の被害者が事故後に死亡した場合、後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、事故と被害者の死亡との間に相当因果関係があ…
参照法条民法416条,民法709条

仮差押解放金に充てた借入金に対する利息及び自己資金に対する法定利率による金員と違法な仮差押命令の申立てにより債務者に通常生ずべき損害

最高裁判所第三小法廷平成8年5月28日平成7(オ)531民集 第50巻6号1301頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の仮差押命令の申立て及びその執行が債務者に対する不法行為となる場合において、債務者が仮差押解放金を供託してその執行の取消しを求めるため、金融機関から資金を借り入れ、あるいは自己の資金をもってこれに充てることを余儀なくされたときは、仮差押解放金の供託期間中に債務者が支払った右借入金に対する通常予測し得る範囲内の利息…
参照法条民法416条,民法709条

振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における振込みに係る普通預金契約の成否

最高裁判所第二小法廷平成8年4月26日平成4(オ)413民集 第50巻5号1267頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨振込依頼人から受取人の銀行の普通預金口座に振込みがあったときは、両者の間に振込みの原因となる法律関係が存在するか否かにかかわらず、受取人と銀行との間に振込金額相当の普通預金契約が成立する。
参照法条民法91条,民法666条

後遺障害による逸失利益の算定に当たり事故後の別の原因による被害者の死亡を考慮することの許否

最高裁判所第一小法廷平成8年4月25日平成5(オ)527民集 第50巻5号1221頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨交通事故の被害者が後遺障害により労働能力の一部を喪失した場合における逸失利益の算定に当たっては、事故後に別の原因により被害者が死亡したとしても、事故の時点で、死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではない…
参照法条民法416条,民法709条

第三者の申立てに係る不動産競売手続において抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことと右債権の残部についての時効の中断

最高裁判所第一小法廷平成8年3月28日平成4(オ)2107民集 第50巻4号1172頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者の申立てに係る不動産競売手続において、抵当権者が、債権の届出をし、その届出に係る債権の一部に対する配当を受けたとしても、右配当を受けたことは、右債権の残部について、差押えその他の消滅時効の中断事由に該当せず、これに準ずる消滅時効中断の効力も有しない。
参照法条民法147条,民事執行法50条,民事執行法84条1項

労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三〇号)による特別支給金を被災労働者の損害額から控除することの可否

最高裁判所第二小法廷平成8年2月23日平成6(オ)992民集 第50巻2号249頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三〇号)による特別支給金は、被災労働者の損害額から控除することができない。
参照法条労働基準法84条2項,労働者災害補償保険法12条の4,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)23条1項,労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)1条,労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭…

遺言者の財産全部の包括遺贈に対して遺留分権利者が減殺請求権を行使した場合に遺留分権利者に帰属する権利の性質

最高裁判所第二小法廷平成8年1月26日平成3(オ)1772民集 第50巻1号132頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言者の財産全部の包括遺贈に対して遺留分権利者が減殺請求権を行使した場合に遺留分権利者に帰属する権利は、遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有しない。
参照法条民法898条,民法907条,民法964条,民法1031条

借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用

最高裁判所第二小法廷平成8年1月26日平成5(オ)1054民集 第50巻1号155頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物に対する強制競売において、借地権の存在を前提として売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、代金納付の時点において借地権が存在しなかった場合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用により、強制競売によ…
参照法条民法566条1項2項,民法568条1項2項,民事執行法60条,民事執行法62条,民事執行法79条

登記簿上の所有名義人に対して所有権移転登記手続を求めないなどの土地占有者の態度が他主占有と解される事情として十分であるとはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成7年12月15日平成6(オ)1905民集 第49巻10号3088頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の登記簿上の所有名義人甲の弟である乙が右土地を継続して占有した場合に、甲の家が本家、乙の家が分家という関係にあり、乙が経済的に苦しい生活をしていたため甲から援助を受けたこともあり、乙は家族と共に居住するための建物を建築、移築、増築して右土地を使用し、甲はこれに異議を述べたことがなかったなど判示の事実関係の下において…
参照法条民法162条,民法186条1項

譲渡担保権者と滌除権

最高裁判所第二小法廷平成7年11月10日平成4(オ)1128民集 第49巻9号2953頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨譲渡担保権者は、担保権を実行して確定的に抵当不動産の所有権を取得しない限り、民法三七八条所定の滌除権者たる第三取得者に当たらない。
参照法条民法369条(譲渡担保),民法378条

預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効と会員権の消長

最高裁判所第三小法廷平成7年9月5日平成3(オ)771民集 第49巻8号2733頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効は、会員が施設の利用をしない状態が継続したことのみによっては進行せず、ゴルフ場経営会社が、会員に対してその資格を否定して施設の利用を拒絶し、あるいは会員の利用を不可能な状態としたような時から進行し、右利用権が時効により消滅したときは、ゴルフ会員権は、包括的権利としては存続し…
参照法条民法166条1項,民法167条1項,民法第3編第2章契約

物上保証人に対する不動産競売の開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第三小法廷平成7年9月5日平成7(オ)374民集 第49巻8号2784頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合には、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、右正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法148条,民法155条,民訴法172条,民訴法173条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えと固有必要的共同訴訟

最高裁判所第三小法廷平成7年7月18日平成3(オ)1684民集 第49巻7号2664頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
参照法条民訴法62条,民法252条,民法280条

一 子を第三者の特別養子とする審判の確定と子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益 二 子の血縁上の父であると主張する者が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしていたにもか…

最高裁判所第二小法廷平成7年7月14日平成6(オ)425民集 第49巻7号2674頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合には、原則として、子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益は消滅するが、右審判に準再審の事由があると認められるときは、右訴えの利益は失われない。 二 子の血縁上の父であると主張する甲が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴…
参照法条民法779条,民法817条の2,民法817条の9,民訴法第2編第1章訴,民訴法420条1項3号,民訴法429条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続,家事審判法9条1項甲類8号の2

一 一般国道等の道路の周辺住民が受けた自動車騒音の屋外騒音レベルの認定に違法はないとされた事例 二 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害が社会生活上受忍すべき限度を超えるとして右道路の設置又は管理に瑕疵があ…

最高裁判所第二小法廷平成7年7月7日平成4(オ)1503民集 第49巻7号1870頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音にほぼ一日中暴露されている場合、右道路の周辺地域を交通量によって三地域に道路構造によって四区画に分類した上、右道路端からの遠近や右道路への見通しの程度に基づき、周辺住民を合計一九のグループに分け、鑑定の結果を基本にして、右グループごとに上限と下限の等価騒音レベルに…
参照法条民訴法185条,国家賠償法2条1項,民法709条

一般国道等の道路の周辺住民からその供用に伴う自動車騒音等により被害を受けているとして右道路の供用の差止めが請求された場合につき右請求を認容すべき違法性があるとはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成7年7月7日平成4(オ)1504民集 第49巻7号2599頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により被害を受けている場合において、右道路の周辺住民が現に受け、将来も受ける蓋然性の高い被害の内容が、睡眠妨害、会話、電話による通話、家族の団らん、テレビ・ラジオの聴取等に対する妨害及びこれらの悪循環による精神的苦痛等のいわゆる生活妨害にとどまるのに対し、右道路が地…
参照法条国家賠償法2条1項,民法709条

一 債権者が物上保証人に対して担保保存義務免除特約の効力を主張することが信義則に違反せず権利の濫用にも当たらないとされた事例 二 担保保存義務免除特約の効力により物上保証人について民法五〇四条による免責の効果が生じなかった場合にその後物上保…

最高裁判所第二小法廷平成7年6月23日平成6(オ)1835民集 第49巻6号1737頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 債権者甲の債務者乙に対する債権を担保するために所有不動産に根抵当権を設定した丙が甲との間に民法五〇四条に規定する担保保存義務を免除する旨の特約をしていた場合に、甲が、右担保に追加して乙所有の不動産に設定を受けた根抵当権を放棄した上、丙に対し右特約の効力を主張することは、乙から設定を受けた右追加担保が甲の乙に対する追…
参照法条民法1条,民法91条,民法504条

いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約によりリース物件の引渡しを受けたユーザーにつき会社更生手続の開始決定があった場合における未払のリース料債権の性質

最高裁判所第二小法廷平成7年4月14日平成3(オ)155民集 第49巻4号1063頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約によりリース物件の引渡しを受けたユーザーにつき会社更生手続の開始決定があった場合、未払のリース料債権は、その全額が更生債権となる。
参照法条民法601条,会社更生法102条,会社更生法103条,会社更生法208条7号

一 主たる債務者の破産手続の債権調査期日終了後に債権全額を弁済した保証人が債権の届出名義の変更の申出をした場合における右保証人の求償権の消滅時効の中断 二 主たる債務者の破産手続の債権調査期日において債権者の届出債権につき異議がなく保証人が…

最高裁判所第一小法廷平成7年3月23日平成3(オ)1493民集 第49巻3号984頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 債権者が主たる債務者の破産手続において債権全額の届出をし、保証人が、債権調査期日終了後に債権全額を弁済した上、破産裁判所に債権の届出をした者の地位を承継した旨の届出名義の変更の申出をしたときは、右弁済により保証人が取得した求償権の消滅時効は、右求償権の全部について右届出名義の変更の時から破産手続の終了に至るまで中断…
参照法条民法147条,民法152条,民法501条,民法174条ノ2第1項,破産法26条2項,破産法240条1項,破産法287条1項

特定の財産がいわゆる特別受益財産であることの確認を求める訴えの適否

最高裁判所第三小法廷平成7年3月7日平成3(オ)252民集 第49巻3号893頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の財産がいわゆる特別受益財産であることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条民法903条1項,民訴法225条

境界の全部に接続する土地部分の時効取得と境界確定の訴えの当事者適格

最高裁判所第三小法廷平成7年3月7日平成6(オ)1728民集 第49巻3号919頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公簿上特定の地番により表示される甲乙両地が相隣接する場合に、乙地の所有者が甲地のうち境界の全部に接続する部分を時効取得したとしても、甲乙両地の各所有者は、境界確定の訴えの当事者適格を失わない。
参照法条民法162条,民訴法45条,民訴法第2編第1章訴

労働組合が自然消滅した場合におけるその組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力の消長と右命令の取消しを求める訴えの利益

最高裁判所第一小法廷平成7年2月23日平成4(行ツ)120民集 第49巻2号393頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨組合員が存在しなくなったことなどにより労働組合が自然消滅した場合には、その組合が清算法人として存続していたとしても、使用者に対し右組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力は失われ、その結果、右命令の取消しを求める訴えの利益は失われる。
参照法条労働組合法27条4項,労働組合法27条6項,労働委員会規則45条1項,行政事件訴訟法9条,民法73条

責任を弁識する能力のない未成年者の行為により火災が発生した場合における監督義務者の損害賠償責任と失火の責任に関する法律

最高裁判所第三小法廷平成7年1月24日平成3(オ)1989民集 第49巻1号25頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨責任を弁識する能力のない未成年者の行為により火災が発生した場合において、失火の責任に関する法律にいう重大な過失の有無は、未成年者の監督義務者の監督について考慮され、右監督義務者は、その監督について重大な過失がなかったときは、右火災により生じた損害を賠償する責任を免れると解すべきである。
参照法条民法714条,失火の責任に関する法律

和議認可決定を受けた連帯保証人の一人に対し他の連帯保証人が和議開始決定後の弁済により取得した求償権の行使の要件とその限度

最高裁判所第二小法廷平成7年1月20日平成3(オ)491民集 第49巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨連帯保証人の一人について和議認可決定が確定した場合に、和議開始決定後の弁済により右連帯保証人に対して求償権を取得した他の連帯保証人は、債権者が債権全部の弁済を受けたときに限り、右弁済による代位によって取得する債権者の和議債権(和議条件により変更されたもの)の限度で右求償権を行使することができる。
参照法条民法501条,和議法45条,和議法57条,破産法24条,破産法26条,破産法326条

地上建物の共有者の一人にすぎない土地共有者の債務を担保するため土地共有者の全員が各持分に共同して抵当権を設定した場合に法定地上権が成立しないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成6年12月20日平成2(オ)663民集 第48巻8号1470頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地上建物の共有者九人のうちの一人である土地共有者甲の債務を担保するため土地共有者の全員が共同して各持分に抵当権を設定し、かつ、甲以外の土地共有者らが甲の妻子である場合に、右抵当権の実行により甲だけについて民法三八八条本文の事由が生じたとしても、甲以外の土地共有者らが法定地上権の発生をあらかじめ容認していたとみることがで…
参照法条民法388条

一 地方税法三四八条二項ただし書にいう「固定資産を有料で借り受けた」とされる場合 二 市が公共の用に供するために借り受けた土地につき固定資産税を非課税とすることができないのに非課税措置を採ったことによる損害と右措置を採らなかったならば必要と…

最高裁判所第三小法廷平成6年12月20日平成5(行ツ)15民集 第48巻8号1676頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 通常の取引上固定資産の貸借の対価に相当する額に至らないとしても、その固定資産の使用に対する代償として金員が支払われている場合は、地方税法三四八条二項ただし書にいう「固定資産を有料で借り受けた」場合に当たる。 二 市が公共の用に供するために借り受けた土地につき、固定資産税を非課税とすることができないのに非課税措置を採…
参照法条地方税法348条2項1号,東村山市税条例(昭和25年条例第4号)40条の6,地方自治法242条の2第1項4号,民法709条

一 金銭債権の一部請求と相殺 二 金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺のため主張された自働債権の存否の判断の既判力

最高裁判所第三小法廷平成6年11月22日平成2(オ)1146民集 第48巻7号1355頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 特定の金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺の抗弁が理由がある場合には、当該債権の総額を確定し、その額から自働債権の額を控除した残存額を算定した上、請求額が残存額の範囲内であるときは請求の全額を、残存額を超えるときは残存額の限度でこれを認容すべきである。 二 特定の金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺のため主…
参照法条民法505条,民訴法186条,民訴法199条2項

禁治産者の後見人がその就職前に無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することが信義則に反するか否かを判断するにつき考慮すべき要素

最高裁判所第三小法廷平成6年9月13日平成4(オ)1694民集 第48巻6号1263頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨禁治産者の後見人が、その就職前に禁治産者の無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することが信義則に反するか否かは、(1)契約の締結に至るまでの無権代理人と相手方との交渉経緯及び無権代理人が契約の締結前に相手方との間でした法律行為の内容と性質(2)契約を追認することによって禁治産者が被る経済的不利益と追認を拒絶する…
参照法条民法1条2項,民法113条,民法859条

交通事故による損害賠償債務についての一部の弁済の提供及び供託が有効である場合

最高裁判所第二小法廷平成6年7月18日平成3(オ)1311民集 第48巻5号1165頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨交通事故によって被った損害の賠償を求める訴訟の控訴審係属中に、加害者が被害者に対し、第一審判決によって支払を命じられた損害賠償金の全額を任意に弁済のため提供した場合には、その提供額が損害賠償債務の全額に満たないことが控訴審における審理判断の結果判明したときであっても、原則として、その弁済の提供はその範囲において有効であ…
参照法条民法493条,民法494条

保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合において相続人が保険金を受け取るべき権利の割合

最高裁判所第二小法廷平成6年7月18日平成3(オ)1993民集 第48巻5号1233頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保険契約において保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれ、各保険金受取人の有する権利の割合は相続分の割合になる。
参照法条商法675条,民法427条

工場抵当法三条の抵当物件目録の記載と対抗要件

最高裁判所第一小法廷平成6年7月14日平成3(オ)1762民集 第48巻5号1126頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨工場抵当法三条に規定する物件につき抵当権の効力を第三者に対抗するには、右物件が同条の目録に記載されていることを要する。
参照法条工場抵当法3条,工場抵当法35条,民法177条

仮差押解放金の供託による仮差押えの執行の取消しと時効中断の効力

最高裁判所第三小法廷平成6年6月21日平成2(オ)1211民集 第48巻4号1101頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押解放金の供託により仮差押えの執行が取り消された場合においても、なお継続する。
参照法条民法147条2号,民法157条1項,民事執行法(平成元年法律第91号による改正前のもの)179条,民事保全法51条

条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときと民法一三〇条の類推適用

最高裁判所第三小法廷平成6年5月31日平成2(オ)295民集 第48巻4号1029頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときは、民法一三〇条の類推適用により、相手方は条件が成就していないものとみなすことができる。
参照法条民法130条

一 総有権確認請求訴訟において入会団体が原告適格を有する場合 二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合における特別の授権の要否 三 権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員…

最高裁判所第三小法廷平成6年5月31日平成3(オ)1724民集 第48巻4号1065頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、右入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。 二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、右…
参照法条民法33条,民法263条,民訴法45条,民訴法46条,民訴法58条

社会福祉法人の理事の退任についての登記と民法一一二条の適用

最高裁判所第三小法廷平成6年4月19日平成3(オ)1233民集 第48巻3号922頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨社会福祉法人の理事の退任につき登記がされた場合には、その後その者が右法人の代表者として第三者とした取引については、客観的な障害のため第三者が登記簿を閲覧することが不可能ないし著しく困難であるような特段の事情がない限り、民法一一二条の規定は適用されない。
参照法条民法112条,社会福祉事業法27条

手付けの倍額の償還による売買契約の解除と現実の提供の要否

最高裁判所第三小法廷平成6年3月22日平成4(オ)1929民集 第48巻3号859頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売主が手付けの倍額を償還して売買契約を解除するためには、買主に対して右額の現実の提供をすることを要する。
参照法条民法493条,民法557条1項

一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点 二 慰謝料額の認定に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成6年2月22日平成1(オ)1667民集 第48巻2号441頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、じん肺法所定の管理区分についての最終の行政上の決定を受けた時から進行する。 二 炭鉱労務に従事してじん肺にかかった者又はその相続人が、雇用者に対し、財産上の損害の賠償を別途請求する意思のない旨を訴訟上明らかにして慰謝料の支払を…
参照法条じん肺法4条,じん肺法13条,民法166条1項,民法415条,民法710条,民訴法394条

甲所有地上の建物所有者乙がこれを丙に譲渡した後もなお登記名義を保有する場合における建物収去・土地明渡義務者

最高裁判所第三小法廷平成6年2月8日平成4(オ)602民集 第48巻2号373頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲所有地上の建物を取得し、自らの意思に基づいてその旨の登記を経由した乙は、たとい右建物を丙に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、甲に対し、建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできない。
参照法条民法177条,民法200条,民法206条

互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長

最高裁判所第三小法廷平成6年1月25日平成3(オ)2024民集 第48巻1号18頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合、甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権は、丙建物のうち甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。
参照法条民法244条,民法247条2項,民法369条

建物建築工事の注文者と元請負人との間に出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合と一括下請負人が自ら材料を提供して築造した出来形部分の所有権の帰属

最高裁判所第三小法廷平成5年10月19日平成1(オ)274民集 第47巻8号5061頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物建築工事の注文者と元請負人との間に、請負契約が中途で解除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合には、元請負人から一括して当該工事を請け負った下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造したとしても、注文者と下請負人との間に格別の合意があるなど特段の事情のない限り、右契約が中途で解除された際…
参照法条民法632条

一 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の株式を取得することと商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二一〇条 二 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の株式の売買により損失を被った場合と乙会社に生じる損害

最高裁判所第一小法廷平成5年9月9日平成1(オ)1400民集 第47巻7号4814頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の株式を取得することは、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二一〇条にいう自己株式の取得に当たる。 二 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の指示により同社の株式を売買して買入価格と売渡価格の差額に相当する損失を被った場合、乙会社の取締役は、特…
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)210条,商法254条3項,商法266条1項5号,民法415条,民法644条

一 商法六七六条二項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」の意義 二 生命保険の指定受取人の法定相続人と順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合の各保険金受取人の権利の割合と民法四二七条の適用

最高裁判所第三小法廷平成5年9月7日平成2(オ)1100民集 第47巻7号4740頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商法六七六条二項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」とは、保険契約者によって保険金受取人として指定された者の法定相続人又は順次の法定相続人であって被保険者の死亡時に生存する者をいう。 二 生命保険の指定受取人の法定相続人と順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合には、各保険金受取人の権利の割合は、民法…
参照法条商法676条,民法427条

タクシー会社の乗務員が月ごとの勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合に皆勤手当を支給しない旨の約定が公序に反する無効なものとはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成5年6月25日平成4(オ)1078民集 第47巻6号4585頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨タクシー会社の乗務員に対し、月ごとの勤務予定表どおり勤務した場合には月額三一〇〇円ないし四一〇〇円の皆勤手当を支給するが、右勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合には右手当の全部又は一部を支給しない旨の約定は、右手当の支給が代替要員の手配が困難となり自動車の実働率が低下する事態を避ける配慮をした乗務員に対する報奨…
参照法条民法90条,労働基準法39条,労働基準法134条

一 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合における差押債権者と債権譲受人との間の優劣 二 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明で…

最高裁判所第三小法廷平成5年3月30日昭和63(オ)1526民集 第47巻4号3334頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 同一の債権について、差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合、差押債権者と債権譲受人とは、互いに自己が優先的地位にある債権者であると主張することができない。 二 同一の債権について、差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明であるため、第三債務者が…
参照法条民法467条,国税徴収法62条,国税徴収法67条

民事調停法に基づく調停の申立てと民法一五一条による時効中断の効力

最高裁判所第二小法廷平成5年3月26日平成4(オ)580民集 第47巻4号3201頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民事調停法に基づく調停が不成立によって終了した場合においても、一か月以内に訴えを提起したときは、民法一五一条の類推適用により、調停の申立ての時に時効中断の効力が生ずる。
参照法条民法147条,民法151条,民事調停法19条

買主が履行期前にした土地の測量及び履行の催告が民法五五七条一項にいう履行の着手に当たらないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成5年3月16日平成1(オ)1004民集 第47巻4号3005頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地及び建物の買主が、履行期前において、土地の測量をし、残代金の準備をして口頭の提供をした上で履行の催告をしても、売主が移転先を確保するため履行期が約一年九か月先に定められ、右測量及び催告が履行期までになお相当の期間がある時点でされたなど判示の事実関係の下においては、右測量及び催告は、民法五五七条一項にいう履行の着手に…
参照法条民法557条1項

一 民事上の請求として自衛隊の使用する航空機の離着陸等の差止め及び右航空機の騒音の規制を求める訴えの適否 二 国に対しアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の離着陸等の差止めを請求することの可否 三 国及びアメリカ合衆国軍隊が管理する飛行場の周…

最高裁判所第一小法廷平成5年2月25日昭和62(オ)58民集 第47巻2号643頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民事上の請求として自衛隊の使用する航空機の離着陸等の差止め及び右航空機の騒音の規制を求める訴えは不適法である。 二 国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づきアメリカ合衆国に対し同国軍隊の使用する施設及び区域として飛行場を提供している場合において、国に対し右軍隊の使用する航空機の離着陸等の差…
参照法条民訴法第2編第1章訴,日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約6条,日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定2条,民法198条299条,民法709…

無権代理人が本人を共同相続した場合における無権代理行為の効力

最高裁判所第一小法廷平成5年1月21日昭和63(オ)1733民集 第47巻1号265頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない。(反対意見がある。)
参照法条民法112条,民法117条,民法896条,民法898条

被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」として設定された根抵当権の被担保債権と保証債権

最高裁判所第三小法廷平成5年1月19日平成1(オ)1468民集 第47巻1号41頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」として設定された根抵当権の被担保債権には、信用金庫の根抵当債務者に対する保証債権も含まれる。
参照法条民法398条ノ2第2項,信用金庫法53条3項

受遺者の選定を遺言執行者に委託する旨の遺言が有効とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成5年1月19日昭和63(オ)192民集 第47巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨受遺者の選定を遺言執行者に委託する旨の遺言は、遺産の利用目的が公益目的に限定されているため、右目的を達成することができる被選定者の範囲が国又は地方公共団体等に限定されているものと解されるときは、有効である。
参照法条民法960条,民法964条,民法1006条

一 親権者の代理権濫用の行為と民法九三条ただし書 二 親権者において子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為と代理権の濫用

最高裁判所第一小法廷平成4年12月10日平成1(オ)759民集 第46巻9号2727頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 親権者が子を代理する権限を濫用して法律行為をした場合において、その行為の相手方が権限濫用の事実を知り又は知り得べかりしときは、民法九三条ただし書の規定の類推適用により、その行為の効果は子には及ばない。 二 親権者が子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、親権者に子を代理する権限を授与した法…
参照法条民法93条ただし書,民法824条

共同抵当権の目的不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合と後順位抵当権者の代位

最高裁判所第二小法廷平成4年11月6日平成1(オ)1688民集 第46巻8号2625頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、甲不動産の後順位抵当権者は、民法三九二条二項後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができる。
参照法条民法392条,民法500条,民法501条

一 民法五六六条三項にいう一年の期間の性質 二 瑕疵担保による損害賠償請求権の除斥期間と裁判上の権利行使の要否

最高裁判所第三小法廷平成4年10月20日昭和63(オ)1543民集 第46巻7号1129頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法五六六条三項にいう一年の期間は、除斥期間である。 二 瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには、右請求権の除斥期間内に、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもつて足り、裁判上の権利行使をするまでの必要はない。
参照法条民法566条3項,民法570条

売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記のされた不動産の第三取得者と予約完結権の消滅時効の援用

最高裁判所第一小法廷平成4年3月19日平成2(オ)742民集 第46巻3号222頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記のされた不動産につき所有権移転登記を経由した第三取得者は、予約完結権の消滅時効を援用することができる。
参照法条民法145条,民法556条

一 共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当する場合に抵当権が消滅したときの取消しの範囲及び原状回復の方法 二 共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当する場合に抵当権が消滅したときの価格賠償の額

最高裁判所第一小法廷平成4年2月27日平成1(オ)1668民集 第46巻2号112頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 共同抵当の目的とされた不動産の全部又は一部の売買契約が詐害行為に該当する場合において、詐害行為の後に弁済によって右抵当権が消滅したときは、詐害行為の目的不動産の価額から右不動産が負担すべき右抵当権の被担保債権の額を控除した残額の限度で右売買契約を取り消し、その価格による賠償を命ずるべきである。 二 共同抵当の目的と…
参照法条民法392条,民法424条

別訴において訴訟物となっている債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第三小法廷平成3年12月17日昭和62(オ)1385民集 第45巻9号1435頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として、相殺の抗弁を主張することは、許されない。
参照法条民法505条,民訴法199条2項,民訴法231条

一 共同不法行為の加害者の各使用者間における求償権の成立する範囲 二 加害者の複数の使用者間における各使用者の負担部分 三 加害者の複数の使用者間における求償権の成立する範囲

最高裁判所第二小法廷平成3年10月25日昭和63(オ)1383民集 第45巻7号1173頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 共同不法行為の加害者の各使用者が使用者責任を負う場合において、一方の加害者の使用者は、当該加害者の過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、他方の加害者の使用者に対し、当該加害者の過失割合に従って定められる負担部分の限度で、求償することができる。 二 加害者の複数の…
参照法条民法442条,民法715条,民法719条

大韓民国の国籍を有する者から認知された日本国の国籍を有する者が大韓民国民法の規定する出訴期間の経過後に提起した認知無効の訴えの許否

最高裁判所第二小法廷平成3年9月13日昭和62(オ)754民集 第45巻7号1151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨大韓民国の国籍を有する者から認知された日本国の国籍を有する者は、大韓民国民法の規定する出訴期間を経過した後においても、認知無効の訴えを提起することができる。
参照法条法例(平成元年法律第27号による改正前のもの)18条1項,大韓民国民法(1958年法律第471号)862条,大韓民国民法(1958年法律第471号)864条,民法786条

共同抵当の関係にある不動産の一部に対する抵当権の放棄とその余の不動産の譲受人が民法五〇四条所定の免責の効果を主張することの可否

最高裁判所第三小法廷平成3年9月3日昭和61(オ)1194民集 第45巻7号1121頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者所有の甲不動産と第三者所有の乙不動産とが共同抵当の関係にある場合において、債権者が甲不動産に設定された抵当権を放棄するなど故意又はけ怠によりその担保を喪失又は減少したときは、その後の乙不動産の譲受人も債権者に対して民法五〇四条に規定する免責の効果を主張することができる。
参照法条民法504条

留置権者が留置物の一部を債務者に引き渡した場合における被担保債権の範囲

最高裁判所第三小法廷平成3年7月16日昭和63(オ)1572民集 第45巻6号1101頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨留置権者は、留置物の一部を債務者に引き渡した場合においても、特段の事情のない限り、債権の全部の弁済を受けるまで、留置物の残部につき留置権を行使することができる。
参照法条民法296条

一 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言の解釈 二 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合における当該遺産の承継

最高裁判所第二小法廷平成3年4月19日平成1(オ)174民集 第45巻4号477頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情のない限り、当該遺産を当該相続人をして単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものと解すべきである。 二 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合には、…
参照法条民法908条,民法964条,民法985条

敷地賃借権付き建物の売買における敷地の欠陥と売買目的物の隠れた瑕疵

最高裁判所第三小法廷平成3年4月2日昭和62(オ)526民集 第45巻4号349頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物とその敷地の賃借権とが売買の目的とされた場合において、賃貸人が修繕義務を負担すべき敷地の欠陥は、売買の目的物の隠れた瑕疵ではない。
参照法条民法559条,民法569条,民法570条

民法三九五条ただし書の規定により解除された短期賃貸借ないしこれを基礎とする転貸借に基づき抵当不動産を占有する者に対する抵当権者の明渡請求の可否

最高裁判所第二小法廷平成3年3月22日平成1(オ)1209民集 第45巻3号268頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者は、民法三九五条ただし書の規定により解除された短期賃貸借ないしこれを基礎とする転貸借に基づき抵当不動産を占有する者に対し、抵当権に基づく妨害排除請求として又は抵当権設定者の所有物返還請求権の代位行使として、その明渡しを求めることはできない。
参照法条民法369条,民法395条,民法423条

債権又は優先権を有しないのに配当を受けた債権者に対する抵当権者からの不当利得返還請求の可否

最高裁判所第二小法廷平成3年3月22日平成2(オ)1820民集 第45巻3号322頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者は、債権又は優先権を有しないのに配当を受けた債権者に対して、その者が配当を受けたことによって自己が配当を受けることができなかった金銭相当額の金員の返還を請求することができる。
参照法条民法703条,民事執行法84条1項,民事執行法85条,民事執行法89条

漁港管理者である町が漁港水域内の不法設置に係るヨット係留杭を法規に基づかずに強制撤去する費用を支出したことが違法とはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成3年3月8日平成1(行ツ)99民集 第45巻3号164頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨漁港管理者である町が当該漁港の区域内の水域に不法に設置されたヨット係留杭を漁港管理規程が制定されていなかったため法規に基づかずに強制撤去する費用を支出した場合において、右係留杭の不法設置により、その設置水域においては、漁船等の航行可能な水路が狭められ、特に夜間、干潮時に航行する漁船等にとって極めて危険な状況が生じていた…
参照法条民法720条,漁港法26条,行政代執行法2条,地方自治法2条3項1号,地方自治法242条の2第1項

物上保証人と求償権の事前行使の可否

最高裁判所第三小法廷平成2年12月18日平成2(オ)801民集 第44巻9号1686頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人は、被担保債権の弁済期が到来しても、あらかじめ求償権を行使することはできない。
参照法条民法351条,民法372条,民法460条

一 使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺と労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条・一項本文 二 使用者が労働者の同意の下に労働者の退職金債権等に対してした相殺が有効とされた事例 三 使用者が労働…

最高裁判所第二小法廷平成2年11月26日昭和63(オ)4民集 第44巻8号1085頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は、右同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条一項本文に違反しない。 二 甲会社の従業員乙が、銀行等から住宅資金の貸付けを受けるに当…
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)24条1項,民法91条,民法505条1項,破産法72条,破産法98条

民法二一三条の囲繞地通行権の対象地の特定承継と当該通行権の帰すう

最高裁判所第三小法廷平成2年11月20日昭和61(オ)181民集 第44巻8号1037頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法二一三条の規定する囲繞地通行権は、通行の対象となる土地に特定承継が生じた場合にも消滅しない。
参照法条民法210条,民法213条

公営住宅の入居者の死亡と相続人による公営住宅を使用する権利の承継

最高裁判所第一小法廷平成2年10月18日平成2(オ)27民集 第44巻7号1021頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公営住宅の入居者が死亡した場合に、その相続人は、当該公営住宅を使用する権利を当然に承継するものではない。
参照法条公営住宅法17条,公営住宅法18条,民法896条

遺産分割協議と合意解除及び再分割協議の可否

最高裁判所第一小法廷平成2年9月27日昭和63(オ)115民集 第44巻6号995頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて分割協議を成立させることができる。
参照法条民法545条,民法907条,民法909条

手形に保証の趣旨で裏書をした者が原因債務につき保証をしたものと推認するのが相当とされた事例

最高裁判所第一小法廷平成2年9月27日昭和63(オ)1570民集 第44巻6号1007頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙から三回にわたって金銭を借り受けた場合に、丙が、乙とは旧知の仲で右貸借の紹介老でもあり、その貸借の都度、甲に同行して乙と直接会い、その場において、乙の求めに応じ、甲振出の約束手形に保証の趣旨で裏書をして乙に交付し、甲の支払拒絶後は、右三回目の貸金の弁済を求める乙の強い意向に沿う行動をとるなど判示の事情があるときは…
参照法条民法446条,手形法15条,手形法77条,民訴法185条

離婚訴訟における財産分与の裁判と不利益変更禁止の原則

最高裁判所第二小法廷平成2年7月20日平成2(オ)695民集 第44巻5号975頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚訴訟において、財産分与を命じた判決に対して控訴の申立てがされた場合、財産分与に関する裁判については、いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はない。
参照法条民法768条,民訴法385条,人事訴訟手続法15条1項ないし3項