1 階層的に構成されている暴力団が,その威力をその暴力団員に利用させることなどを実質上の目的とし,下部組織の構成員に対しても同暴力団の威力を利用して資金獲得活動をすることを容認していたなど判示の事情の下では,同暴力団の最上位の組長と下部組織の構成員との間に同暴力団の威力を利用しての資金獲得活動に係る事業について民法715条1項所定の使用者と被用者の関係が成立している。
2 階層的に構成されている暴力団の下部組織における対立抗争においてその構成員がした殺傷行為は,同暴力団が,その威力をその暴力団員に利用させることなどを実質上の目的とし,下部組織の構成員に対しても同暴力団の威力を利用して資金獲得活動をすることを容認し,その資金獲得活動に伴い発生する対立抗争における暴力行為を賞揚していたなど判示の事情の下では,民法
715条1項〈使用者等の責任〉にいう「事業ノ執行ニ付キ」されたものに当たる。
(2につき補足意見がある。)