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最高裁 / 民集登載128件
一 真正の相続人でない第三者が表見相続人に対し特定財産に対する家督相続の効力を争うことの許否 二 第三者が被相続人と表見相続人との親子関係の不存在を主張できない事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年9月19日昭和27(オ)128民集 第11巻9号1574頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 真正の相続人が家督相続の回復をしない限り、真正相続人以外の第三者は、個々の特定財産についても、表見家督相続人に対し、相続の無効を理由として、その承継取得の効力を争うことはできない。 二 表見相続人が被相続人の子であるものとしてなされた家督相続につき相続の無効を主張できない者は、被相続人の妻が表見相続人の母(親権者)…
参照法条旧民法966条,旧民法1034条
「分け地」の慣習と入会権の存否
最高裁判所第二小法廷昭和32年9月13日昭和29(オ)769民集 第11巻9号1518頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨入会地のある部分を「分け地」と称して部落民のうちの特定の個人に分配し、その分配を受けた個人がこれを独占的に使用収益し、自由に譲渡することが許される慣行が存するときは、特段の事情のない限り、「分け地」については入会権の存在を否定すべきである。
参照法条民法263条
一 手形の「依頼返還」の効力 二 弁済期到来前の受働債権の譲渡または転付と債務者の相殺 三 受働債権の譲渡と債務者の相殺の意思表示の相手方
最高裁判所第二小法廷昭和32年7月19日昭和29(オ)723民集 第11巻7号1297頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 手形交換所における手形の呈示後、手形振出人の依頼に基きこれをして取引停止処分を免れさせるため、手形持出銀行がその受入銀行から手形のいわゆる「依頼返還」を受けたとしても、そのために一たんなされた手形の呈示および支払拒絶の効力は失われない。 二 弁済期到来前に受働債権の譲渡または転付があつた場合でも、債務者が右の譲渡通…
参照法条手形法38条,民法468条2項,民法506条1項
認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年6月21日昭和29(オ)928民集 第11巻6号1125頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨認知の訴において、(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の期間中乙(被告)と継続的に情交を結んだ事実があり、(ロ)乙以外の男と情交関係のあつた事情が認められず、(ハ)血液型検査の結果によつても、甲乙間には血液型の上の背馳がないときは、他に別段の事情のないかぎり、甲が乙の子であるとの事実は証明せられたものと認めても、経験則に違…
参照法条民法787条,民訴法185条,人事訴訟手続法29条ノ2
一 連帯債務として主張しなかつた債務の履行を求める前訴の判決確定後の後訴において連帯債務である旨主張することの許否 二 ある金額を訴訟物の全部として訴求し勝訴の確定判決をえた場合における残額請求の許否
最高裁判所第二小法廷昭和32年6月7日昭和28(オ)878民集 第11巻6号948頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 債権者が数人の債務者に対して金銭債務の履行を訴求するにあたり、これを連帯債務と主張しなかつたため分割債務として確定判決をえたときは、その後別訴において右債権を連帯債務である旨主張することは、前訴判決の既判力に牴触し、許されないものと解すべきである。 二 ある金額の支払を訴訟物の全部として訴求し勝訴の確定判決をえた後…
参照法条民訴法199条,民法427条,民法432条
死因贈与の方式と遺贈に関する規定準用の有無
最高裁判所第三小法廷昭和32年5月21日昭和30(オ)392民集 第11巻5号732頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨死因贈与の方式については、遺贈に関する規定の準用はない。
参照法条民法554条
一 被害者に業務執行上の過失のある場合と民法第七一五条 二 民法第七一五条による損害賠償義務者と相殺の許否
最高裁判所第三小法廷昭和32年4月30日昭和30(オ)199民集 第11巻4号646頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 被用者たる運転手甲が自動車を運転して当該自動車を輸送する業務に従事中、その過失により自動車を衝突させ同乗していた乙を死亡させたものであるときは、乙が自動車輸送業務の共同担当者たる被用者で右衝突事故の発生につき同人にも過失があつたとしても、使用者は乙の死亡につき民法第七一五条による損害賠償責任を免れない。 二 民法第…
参照法条民法715条,民法509条
前婚につき離婚無効、後婚につき婚姻取消の確定判決をうけた者のなす前婚についての離婚の訴の許否
最高裁判所第一小法廷昭和32年4月11日昭和30(オ)899民集 第11巻4号629頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨妻が有効に離婚が成立したものと信じて、他の男子と婚姻をなした後、先夫から前婚についての離婚無効確認および後婚についての婚姻取消の訴を提起せられ、右各訴はいずれも妻の敗訴に確定した場合であつても、前婚につき、婚姻を継続し難い重大な事由があることを理由として、妻が離婚の訴を提起することを妨げるものではない。
参照法条民法770条,民法765条,民法742条,民法732条
一 附帯控訴状と第一審判決の表示 二 過大催告が有効と認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年3月28日昭和31(オ)596民集 第11巻3号610頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 附帯控訴状の記載全体から第一審判決を窺知することができるときは、第一審判決の表示を欠く違法があるとはいえない。 二 賃料延滞額を二三二、〇〇〇円としてなされた催告は、延滞額が一〇〇、二三〇円にすぎない場合であつても、催告金額全部の提供がなければ受領を拒絶すべき意思が明確でないときは、右延滞額の限度において有効と認め…
参照法条民訴法374条,民法541条
相殺の遡及効が契約解除に及ぼす影響の有無
最高裁判所第二小法廷昭和32年3月8日昭和30(オ)332民集 第11巻3号513頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃貸借契約が、賃料不払のため適法に解除された以上、たとえその後、賃借人の相殺の意思表示により右賃料債務が遡つて消滅しても、解除の効力に影響はなく、このことは、解除の当時、賃借人において自己が反対債権を有する事実を知らなかつたため、相殺の時期を失した場合であつても、異るところはない。
参照法条民法506条,民法541条
会社の代表者として土地を所持する者の占有権の有無
最高裁判所第二小法廷昭和32年2月15日昭和29(オ)920民集 第11巻2号270頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が会社の代表者として土地を所持する場合には、右土地の直接占有者は会社自身であつて、代表者は、個人のためにもこれを所持するものと認めるべき特段の事情がないかぎり、個人として占有者たる地位にあるものとはいえない。
参照法条民法180条,民法181条
無権限の署名代理による手形振出と民法第一〇九条の適用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和32年2月7日昭和30(オ)71民集 第11巻2号227頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙から手形振出の代理権を与えられたものと誤信し、その権限がないのに乙の記名印および認印を使用して、乙名義の手形を振り出した場合には、右手形は無権代理行為として振り出されたものであつて、民法第一〇九条は、この場合にも適用があるものと解すべきである。
参照法条手形法7条,手形法8条,民法109条
一 本権の訴における敗訴者は不法行為についても起訴の時から悪意の占有者とみなされるか 二 後訴における主張が前訴の既判力に牴触しない一事例 三 不法行為による物の滅失毀損と損害賠償額算定の基準時期
最高裁判所第一小法廷昭和32年1月31日昭和28(オ)849民集 第11巻1号170頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 係争物件を自己の所有と信じ占有していた者が、本権の訴において敗訴したからとて、右敗訴者は、当然には、不法行為の関係についてまで、起訴の時から悪意の占有者とみなされるものではない。 二 甲が乙を相手として船舶の所有権確認、同引渡請求の訴(前訴)につき勝訴の確定判決を得た上、さらに乙を相手として、右船舶の滅失毀損による…
参照法条民法189条,民法709条,民訴法199条1項,民訴法709条
一 釈明権不行使の違法のない事例 二 訴訟手続外の資料を使用した鑑定とその採用の当否 三 当事者の境界の合意と固有の境界の変動の有無
最高裁判所第二小法廷昭和31年12月28日昭和30(オ)688民集 第10巻12号1639頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 山林の不法伐採禁止を請求された者が、「伐採個所は隣接する長男所有地の境界内の土地で約二十五年間継続して占有し植林、刈払いの手入れをして来た」等、原判決記載のような主張(原判決事実摘示参照)をして不法伐採の事実を争つた場合に、右土地に対する時効取得の有無を問うことなく同人を敗訴させても、釈明権不行使の違法ありとするこ…
参照法条民訴法127条,民訴法185条,民訴法第2編第3章第3節(301条の前),民法223条
いわゆる接収建物の賃借人たる国と民法第七一七条にいう占有者
最高裁判所第三小法廷昭和31年12月18日昭和29(オ)848民集 第10巻12号1559頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨国が連合国占領軍の接収通知に応じ、建物をその所有者から賃借してこれを同軍の使用に供した場合には、国はその建物の設置保存に関する瑕疵に基因する損害につき、民法第七一七条にいう占有者としてその責に任ずべきである。
参照法条民法717条
問屋が受託事務を再委託した場合と民法第一〇七条第二項の準用の有無
最高裁判所第二小法廷昭和31年10月12日昭和27(オ)915民集 第10巻10号1260頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物品販売の委託を受けた問屋が他の問屋にこれを再委託した場合、再委託を受けた問屋と委託者本人との間に民法第一〇七条第二項を準用すべきでない。
参照法条商法552条2項,民法107条2項
遺言者生前の遺言無効確認の訴の適否
最高裁判所第一小法廷昭和31年10月4日昭和30(オ)95民集 第10巻10号1229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言者の生前の遺言無効確認の訴は不適法である。
参照法条民訴法225条,民法985条
一 家督相続人指定の遺言をなした者が改正民法施行後に死亡した場合における右遺言の効力 二 家督相続人指定の遺言を包括遺贈と見ることができるか 三 遺言執行者に対する訴の適否
最高裁判所第三小法廷昭和31年9月18日昭和29(オ)875民集 第10巻9号1160頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 家督相続人指定の遺言をなした者が改正民法施行後に死亡した場合には、右遺言は、特段の事情のないかぎり、なんらの効力を生じない。 二 家督相続人指定の遺言書中に、甲を家督相続人に指定する旨および乙等に対し財産の一部を遺贈する旨の記載があるにとどまり、他に遺言者に包括遺贈の意思があつたことを看取するに足る表示行為と目すべ…
参照法条旧民法(昭和22年法律222号による改正前のもの)979条,民法985条,民法附則4条,民法附則985条,民法附則990条,民法附則119条,民法1012条,民法1013条,民訴法45条
認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例
最高裁判所第一小法廷昭和31年9月13日昭和29(オ)856民集 第10巻9号1135頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨認知の訴において(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の日、乙(被告)と情交を通じた事実、(ロ)各種血液型の検査、血液中の凝血素価と凝集素の分析の結果によれば、甲乙間に父子関係があつても矛盾することのない事実、並びに(ハ)乙は、甲の出生当時、甲を抱擁する等父親としての愛情を示したことがある事実、その他判文記載の事実関係(判決…
参照法条民法787条,民訴法185条,人事訴訟法29条ノ2
不動産の譲渡人の死亡後同人の代理人の名義でなされた登記とその抹消請求の許否
最高裁判所第二小法廷昭和31年7月27日昭和28(オ)111民集 第10巻8号1122頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の譲渡人から与えられた代理権に基き、譲渡人の死亡後同人の代理人名義の申請によつてなされた移転登記は、それが現在の真実な権利状態に符合するものである限り、対抗力を有し、譲渡人の相続人は譲受人に対し、その抹消を請求することはできない。
参照法条民法111条,民法177条
判決の反射的効力を認めたことが違法とされた一事例
最高裁判所第二小法廷昭和31年7月20日昭和29(オ)110民集 第10巻8号965頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の適法な転借人およびその者からその所有の地上建物を賃借する者等は、賃借人の土地明渡義務が判決により確定されている場合においても、これがために当然賃貸人の土地明渡の請求を拒みえないものと解すべきではない。
参照法条民訴法201条,民法612条
建物の同一性
最高裁判所第三小法廷昭和31年7月20日昭和29(オ)462民集 第10巻8号1045頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨木造瓦葺二階建工場建坪一二坪二合五勺、二階同は後記(判決参照)のような工事により、木造瓦葺二階建店舗建坪一一坪七合八勺、二階同、木造瓦葺平屋便所建坪一坪、木造亜鉛葺平屋居宅二坪九合四勺となつても、建物の同一性を失わないものと解すべきである。
参照法条民法86条
一 法人に対する民法第四四条に基く請求と同法第七一五条に基く請求との訴訟物の異同 二 新聞記事が名誉を毀損すべき内容の意味かどうかの判断基準 三 新聞記事により過失に基き名誉を毀損した場合と正当業務行為の主張の許否
最高裁判所第二小法廷昭和31年7月20日昭和29(オ)634民集 第10巻8号1059頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 法人に対する民法第四四条に基く損害賠償の請求と同法第七一五条に基く損害賠償の請求とは、訴訟物を異にする。 二 一定の新聞記事の内容が事実に反し名誉を毀損すべき意味のものかどうかは、一般読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきである。 三 新聞に事実に反する記事を掲載頒布し、これにより他人の名誉を毀損すること…
参照法条民法44条,民法715条,民法709条,民訴法224条1項
生命を害された責任無能力の子に過失があつた場合に父母のなす慰藉料請求と民法第七二二条第二項
最高裁判所第三小法廷昭和31年7月20日昭和29(オ)726民集 第10巻8号1079頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の不法行為により生命を害された者の父母が民法第七一一条の規定に基き慰藉料を請求する場合において、たとえ右被害者に過失があつても、その者が行為の責任を弁識するに足るべき知能を具えない幼少者であつたときは、慰藉料の額を定めるにつき民法第七二二条第二項を適用しなくても、違法ではない。
参照法条民法711条,民法722条2項
養子縁組届出人の氏名の代書事由不記載と養子縁組の効力
最高裁判所第一小法廷昭和31年7月19日昭和29(オ)356民集 第10巻7号908頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨養子縁組届書に届出人の氏名が代書された場合にその事由の記載を欠いても、その届出が受理された以上縁組は有効に成立する。
参照法条民法802条2号,戸籍法29条,同法施行規則62条
古物営業法第二一条の類推適用を認めた一事例
最高裁判所第二小法廷昭和31年6月29日昭和29(オ)433民集 第10巻6号764頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨古物営業法第二一条の規定は、代表取締役個人の名義で古物営業の許可を受け古物商を営んでいる会社の場合にも類推適用すべきである。
参照法条古物営業法21条,民法193条,民法194条
限定承認前の仮登記にもとずくその後の本登記の効力
最高裁判所第一小法廷昭和31年6月28日昭和30(オ)54民集 第10巻6号754頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨乙所有の土地につき、甲のため所有権移転登記請求権保全の仮登記がなされた後、乙死亡し、その相続人丙が限定承認をした場合に、その後甲において所有権取得登記をなした時は、甲はその所有権の取得を以つて、乙の相続債権者に対抗することができる。
参照法条民法922条,民法927条,民法177条,不動産登記法7条
離婚無効確認の訴と確認の利益
最高裁判所第三小法廷昭和31年6月26日昭和30(オ)456民集 第10巻6号748頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原告が被告に対し裁判上の離婚を求める意思があるからといつて、協議離婚の無効確認を求める利益がないということはできない。
参照法条民訴法225条,民法763条,人事訴訟手続法1条
播かれた種から生育した苗の所有権の帰属
最高裁判所第三小法廷昭和31年6月19日昭和28(オ)1435民集 第10巻6号678頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨播かれた種から生育した苗の所有権は、播種が土地使用の権原のない者によつてなされた場合は、土地所有者に属する。
参照法条民法242条
民法第一一一条第一項第一号と異なる同意の効力
最高裁判所第二小法廷昭和31年6月1日昭和29(オ)976民集 第10巻6号612頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本人の死亡を代理権消滅の原因とする民法第一一一条第一項第一号の規定は、これと異なる合意の効力を否定する趣旨ではない。
参照法条民法111条1項1号
不動産共有者の一人のみによる登記簿上の所有名義人に対する登記抹消請求の許否
最高裁判所第一小法廷昭和31年5月10日昭和29(オ)4民集 第10巻5号487頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産共有者の一人はその持分権に基き、単独で当該不動産につき登記簿上所有名義を有する者に対しその登記の抹消を請求することができる。
参照法条民法252条,民訴法62条
一 国税滞納処分による差押と民法第一七七条 二 登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有しない第三者の範囲 三 国税滞納処分による不動産差し押えの場合における国の登記欠缺の主張が正当の利益がないとはいえないとされた一事例
最高裁判所第三小法廷昭和31年4月24日昭和29(オ)79民集 第10巻4号417頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 国税滞納処分による差押については、民法第一七七条の適用があるものと解すべきである。 二 登記の欠缺を主張する第三者がこれを主張するにつき正当の利益を有しない場合とは、当該第三者に、不動産登記法第四条第五条により登記の欠缺を主張することの許されない事由がある場合、その他これに類するような、登記の欠缺を主張することが信…
参照法条民法177条,国税徴収法10条
一 条件が債務者の意思のみにかかる停止条件附法律行為にはあたらない一事例 二 売買契約後の貨幣価値の著しい変動と代金額の修正
最高裁判所第二小法廷昭和31年4月6日昭和28(オ)363民集 第10巻4号342頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 鉱業権の売買契約において、買主が排水探鉱の結果品質良好と認めたときは代金を支払い、品質不良と認めたときは代金を支払わない旨を約しても、右売買契約は、民法第一三四条にいわゆる条件が単に債務者の意思のみにかかる停止条件附法律行為とはいえない。 二 売買契約成立後貨幣価値が著しく変動しても、それだけで代金額が当然修正され…
参照法条民法134条,民法1条2項
賃貸借の合意解約により転借権が当然消滅すると解すべき場合
最高裁判所第一小法廷昭和31年4月5日昭和30(オ)604民集 第10巻4号330頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家屋の賃貸人が、家屋の一部の転貸借につき近く予想される賃借人の家屋退去に至るまでの間を限つて承諾を与えたものであり、転借人もそのことを知つていたときは、右転借権は賃借人の家屋退去と同時に消滅するものと解すべきである。
参照法条民法612条,民法第3編第2章第7節第3款(617条の前),借家法4条
和解調書の解釈
最高裁判所第二小法廷昭和31年3月30日昭和29(オ)62民集 第10巻3号242頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨裁判上の和解の有効無効は、調書の文言のみに拘泥せず、一般法律行為の解釈の基準に従つてこれを判定すべきである。
参照法条民法第1編第4章第1節(90条の前),民法第1編第4章第1節695条,民訴法203条
一 離婚と慰藉料請求権 二 離婚の場合における慰藉料請求権と財産分与請求権との関係
最高裁判所第三小法廷昭和31年2月21日昭和26(オ)469民集 第10巻2号124頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 夫婦がその一方甲の有責不法な行為によつて離婚のやむなきに至つたときは、その行為が必ずしも相手方乙の身体、自由、名誉等に対する重大な侵害行為にはあたらない場合でも、乙は、その離婚のやむなきに至つたことについての損害の賠償として、甲に対し慰藉料を請求することができる。 二 前項の場合において、乙が甲に対し、財産分与請求…
参照法条民法709条,民法710条,民法768条,民法771条
書面によらない不動産の贈与において履行の終了ありと認められる場合
最高裁判所第二小法廷昭和31年1月27日昭和29(オ)195民集 第10巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨書面によらない不動産の贈与において、所有権の移転があつただけでは履行を終つたものとすることは出来ず、その占有の移転があつたときに履行を終つたものと解すべきである。
参照法条民法550条
一 推定相続人は被相続人がなした仮装売買について無効確認を求め得るか 二 推定相続人は被相続人の権利を代位行使し得るか
最高裁判所第三小法廷昭和30年12月26日昭和27(オ)683民集 第9巻14号2082頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 たとえ被相続人が所有財産を他に仮装売買したとしても、単にその推定相続人であるというだけでは、右売買の無効(売買契約より生じた法律関係の不存在)の確認を求めることはできない。 二 単に推定相続人であるというだけでは、被相続人の権利を代位行使することはできない。
参照法条民法882条,民法423条,民訴法225条
通行地役権の時効取得の「継続」の要件
最高裁判所第三小法廷昭和30年12月26日昭和28(オ)1178民集 第9巻14号2097頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨通行地役権の時効取得に関する「継続」の要件としては、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によつてなされることを要するものと解すべきである。
参照法条民法283条
民法第五五七条にいゆる「契約ノ履行ニ著手」したものと認められた一事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年12月26日昭和29(オ)361民集 第9巻14号2140頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借人の居住する家屋の売買で、売主が賃借人に家屋の明渡をなさしめた上これを買主に引渡す約定のある場合、買主が、しばしば売主に対し、賃借人に家屋の明渡をなさしめてこれが引渡をなすべきことを督促し、その間常に残代金を用意し、明渡があればいつでもその支払をなし得べき状態にあつた上、売主が、買主とともに賃借人方に赴き売買の事情…
参照法条民法557条
一 会社の目的の範囲内の行為と認めるべき一事例 二 土地賃貸借契約における保証人の義務の範囲
最高裁判所第二小法廷昭和30年10月28日昭和28(オ)1158民集 第9巻11号1748頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 定款所定の目的が「一、一般木工品の製造、二、船舶用器具の製造、三、埋木の発掘並に加工、四、和用家具類の製造並に販売、五、生糸の製造並に加工販売、六、統制外物資の斡旋、七、関係事業に対する投資、八、前各号に附帯する一切の事業」である株式会社が、他人の借地契約上の債務について連帯保証契約をすることは、特段の反証のない限…
参照法条民法43条,民法446条,民法447条
いわゆる恩給担保の場合における恩給証書の返還と民法第五〇四条にいわゆる担保の喪失または減少
最高裁判所第一小法廷昭和30年10月27日昭和29(オ)502民集 第9巻11号1720頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる恩給担保の場合に、債権者が、債務者から交付を受けた恩給証書を任意に債務者に返還しても、民法第五〇四条にいう「担保ヲ喪失又ハ減少シタル」ものとはいえない。
参照法条民法504条,民法500条
民法第四〇一条第二項の「債務者ガ物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為を完了シタルトキ」にあたらない事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年10月18日昭和28(オ)1267民集 第9巻11号1642頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨漁業用タールの売買において、受渡の方法を、先ず買主が必要の都度引渡方を申し出で、これに対して売主が引渡場所を指定し、次いで買主が容器をその場所に持ち込み、タールを受領する旨約定した場合に売主が引渡場所を指定し、タールの引渡作業に必要な人夫を配置する等引渡の準備をなしたからと云つて、売主は「物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為ヲ…
参照法条民法401条2項
酌婦としての稼働契約に伴い消費賃借名義で交付された金員の返還請求の許容
最高裁判所第二小法廷昭和30年10月7日昭和28(オ)622民集 第9巻11号1616頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨酌婦としての稼働契約が公序良俗に反し無効である場合には、これに伴い消費賃借名義で交付された金員の返還請求は許されない。
参照法条民法90条,民法708条
一筆の土地の一部を除外して売買がなされたと認むべき一事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年10月4日昭和27(オ)890民集 第9巻11号1521頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲乙間に甲所有の(い)の土地並びに同地上の家屋(店舗および附属工場)の売買が成立した場合において、本来(い)の土地には、右家屋のほか、なお甲所有の土蔵が存するにかかわらず登記簿上、土蔵は隣地たる甲所有の(ろ)の土地に所在することになつており、甲乙双方とも売買成立後相当日時を経過するまで、右土蔵敷地が(い)の土地の一部で…
参照法条民法第1編第4章1節(90条),民法第3編第2章1節1款(521条),民法176条
一 継親子関係に基く準血族の関係と家を同じくすることの要否 二 継親子関係に基く準血族の関係が消滅しない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年9月27日昭和26(オ)634民集 第9巻10号1409頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 家を同じくすることは、継親子に基く準血族の関係を成立させるための要件であるが、その存続のための要件ではないと解するのが相当である。 二 継母と継子の子(継孫)との間に一旦継親子関係に基く準血族の関係が成立した以上、その後、右継母がその配偶者たる実父と相携えて家を去り、次いで右実父が死亡しても、前記準血族の関係は、未…
参照法条旧民法728条,旧民法729条
一 民法第五〇四条の担保の意義 二 民法第五〇四条の故意または懈怠にあたらない事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年9月27日昭和27(オ)429民集 第9巻10号1435頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法第五〇四条の担保には、いわゆる譲渡担保をも包含する。 二 譲渡担保の目的物が、債務者の健康保険厚生年金保険料滞納のため差押をうけた場合に、債権者が厚生年金保険法による厚生年金保険審査会に対する審査の請求または行政訴訟を提起しなかつたからといつて、それだけで、債権者に故意または懈怠があるということはできない。
参照法条民法504条,厚生年金保険法(昭和25年法律47号による改正前のもの)62条,厚生年金保険法(昭和25年法律47号による改正前のもの)63条
民法応急措置法施行前父の分家により子のために開始した後見は同法の施行により終了するか
最高裁判所第二小法廷昭和30年7月29日昭和27(オ)1023民集 第9巻9号1169頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法応急措置法施行前、父の分家により子のため後見開始し、親族会により選任された後見人があるが、同法の施行により右後見は終了しない。
参照法条民法応急措置法3条,民法応急措置法6条,旧民法904条
換地予定地の指定と占有権移転の有無
最高裁判所第三小法廷昭和30年7月19日昭和28(オ)1203民集 第9巻9号1110頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨換地予定地に指定されただけでは、当然にはその土地の占有権の変動移転を生ずるものではない。
参照法条民法180条,特別都市計画法14条
一 「分筆の上」登記を命ずる判決と「申立テザル事項」 二 一筆の土地の一部の売買
最高裁判所第二小法廷昭和30年6月24日昭和28(オ)847民集 第9巻7号919頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一筆の土地全部の所有権移転登記手続を求める請求において、その土地の一部につき「分筆の上」所有権移転登記手続をなすべき旨の判決をしても、「申立テザル事項ニ付判決ヲ為シ」たことにはならない。 二 一筆の土地の一部といえども、売買の目的とすることをうべく、その部分が具体的に特定しているかぎりは、右部分につき分筆手続未了前…
参照法条民訴185条,民法176条,民法177条,民法206条,不動産登記法79条,不動産登記法46条ノ2
動産の売渡担保契約と債務者の所有権取得の対抗力の有無
最高裁判所第一小法廷昭和30年6月2日昭和28(オ)952民集 第9巻7号855頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者が動産を売渡担保に供し引きつづきこれを占有する場合においては、債権者は、契約の成立と同時に、占有改定によりその物の占有権を取得し、その所有権取得をもつて第三者に対抗することができるものと解すべきである。
参照法条民法178条,民法181条,民法183条
民法第五六一条にいわゆる移転不能の場合にあたるものと認むべき一事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年5月31日昭和28(オ)1442民集 第9巻6号844頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原審認定の事実関係(原判定参照)は、民法第五六一条にいう「売主カ其売却シタル権利ヲ取得シテ之ヲ買主ニ移転スルコト能ハサルトキ」にあたるものと解して妨げない。
参照法条民法560条,民法561条
一 相続財産の共有の性質 二 遺産分割の方法
最高裁判所第三小法廷昭和30年5月31日昭和28(オ)163民集 第9巻6号793頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 相続財産の共有は、民法改正の前後を通じ、民法二四九条以下に規定する「共有」とその性質を異にするものではない。 二 遺産の分割に関しては、民法二五六条以下の規定が適用せられる。
参照法条民法898条,民法256条,民法258条,民法906条,民法907条,旧民法1002条,家事審判法9条乙類10号,家事審判規則104条,家事審判規則107条
不当利得と法人の悪意。
最高裁判所第二小法廷昭和30年5月13日昭和26(オ)298民集 第9巻6号679頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨法人の使用人(A支所長事務取扱)が法人の目的の範囲外の取引をしたことに基き、法人に不当利得ありとされる場合において、右利得につき右使用人の悪意を以て法人の悪意とすることはできない。
参照法条民法704条,民法43条,民法53条,民法101条
一 民法第八九五条と遺贈の目的物についての受遺者の仮処分申請の許否 二 民法第一〇一二条と遺贈の目的物についての受遺者の仮処分申請の許否 三 民法第九七六条による遺言と医師の立会等の要否
最高裁判所第三小法廷昭和30年5月10日昭和28(オ)943民集 第9巻6号657頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法第八九五条の規定は、受遺者が、相続人廃除の手続進行中、相続人から遺贈の目的物を譲り受けた第三者に対し、右目的物につき仮処分を申請することを妨げるものではない。 二 民法第一〇一二条の規定は、受遺者が自ら遺贈の目的物につき仮処分を申請することを妨げるものではない。 三 禁治産者でない通常人が民法第九七六条による遺…
参照法条民法895条,民法1012条,民法976条,民法982条,民法973条,民訴法755条
一 債務者の妻の過失と夫の債務不履行上の責任 二 債務者の責に帰すべき事由により履行不能を原因とする損害賠償の請求と契約解除の要否
最高裁判所第三小法廷昭和30年4月19日昭和28(オ)848民集 第9巻5号556頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 家屋賃借人の妻の失火により、右家屋が滅失したときは、賃借人たる夫の責に帰すべき事由により賃借物の返還義務が履行不能になつたものと認めるべきである。 二 債務者の責に帰すべき事由によつて履行不能を生じたときは、賃借人は、契約を解除することなくして填補賠償の請求をすることができる。
参照法条民法415条,民法543条
進駐車の接収使用中の土地について存する対抗要件を欠く賃借権とその対抗力
最高裁判所第一小法廷昭和30年3月17日昭和27(オ)291民集 第9巻3号307頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借している土地が、昭和二〇年勅令第六三六号土地工作物使用令第一一条によつて進駐車が接収使用中のものであつても、賃借人は賃貸借の登記があるか、またはその土地の上に登記した建物を有しない限り、その賃借権をもつて土地の新取得者に対抗できない。
参照法条民法605条,土地工作物使用令(昭和20年勅令第636号)11条
利息制限法超過の約定利率による遅延利息を任意に支払つた場合と返還請求の許否
最高裁判所第三小法廷昭和30年2月22日昭和28(オ)290民集 第9巻2号209頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨利息制限法(旧法)第二条超過の約定利率による遅延利息を債務者が任意に支払つたときは、右超過部分の返還を請求することはできない。
参照法条民法419条1項,利息制限法(旧法)2条
法定の推定家督相続人が相続権を失つた後に懐胎出生した直系卑属の代襲相続権の有無
最高裁判所第二小法廷昭和30年1月21日昭和27(オ)990民集 第9巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨法定の推定家督相続人がその相続権を失つた後に懐胎出生した直系卑属は代襲相続をする権利を有しない。
参照法条旧民法974条
一 隠居者と家督相続人との合意の下になされた、確定日附のない財産留保の効力 二 民法第一六二条第二項の無過失の一事例 三 隠居者が相続財産全部を保留した場合の効力
最高裁判所第三小法廷昭和29年12月24日昭和27(オ)368民集 第8巻12号2271頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 隠居者の財産保留は、家督相続人との合意の下になされたときは、確定日附がなくとも、当事者間においては効力があるものと解するを相当とする。 二 隠居者が確定日附ある証書による財産保留をしなかつたため、家督相続人において建物の所有権を相続したとしても、原審認定の事実(原判決参照)の下に、隠居者がこれを有効に保留し得たもの…
参照法条旧民法988条,民法162条2項,民法90条
相続の放棄申述受理の無効を訴訟において主張することの許否
最高裁判所第三小法廷昭和29年12月24日昭和28(オ)78民集 第8巻12号2310頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続放棄の申述が家庭裁判所に受理された場合においても、相続の放棄に法律上無効原因が存するときは、後日訴訟においてこれを主張することを妨げない。
参照法条民法915条,民法938条,家事審判法9条甲類29号,家事審判法14条,家事審判規則115条
家屋の賃貸借で構造変更禁止の特約ある場合における構造変更の有無の解釈
最高裁判所第三小法廷昭和29年12月21日昭和26(オ)782民集 第8巻12号2199頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家屋の賃貸借において、賃借人がその家屋の構造変更をすることを禁止する特約があり、賃借人が構造変更をした場合には、その構造変更の態様が社会通念上特約にいう構造変更と認められないような場合のほかは、禁止された構造変更にあたるものと解すべきであり、原状回復が簡単にできるというだけで、これにあたらないということはできない。
参照法条民法616条(594条1項)
相続放棄の申述は、申述者が申述書に自署することを要するか
最高裁判所第三小法廷昭和29年12月21日昭和27(オ)1219民集 第8巻12号2222頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続放棄の申述書には、申述者が自署するのを原則とするが、自署でなければ無効であるということはできない。
参照法条民法915条,民法938条,家事審判法9条甲類29号,家事審判規則114条
不動産または電話加入権の譲渡人の死亡後同人またはその代理人の名義でなされた登記登録と相続人の抹消請求の許否
最高裁判所第二小法廷昭和29年12月17日昭和27(オ)106民集 第8巻12号2182頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の所有権移転登記または電話加入名義の変更登録が事実上の権利関係に合致するときは、たとえ右登記登録が譲渡人の死亡後同人またはその代理人名義の申請によりなされたものであつても、譲渡人の相続人は、譲受人に対しその抹消を請求することはできない。
参照法条民法111条,民法653条,不動産登記法26条,旧電話規則(昭和12年逓信省令73号)7条
一 手形書替の性質 二 手形書替後における旧手形の効力 三 手形書替後における手形金の請求方法 四 手形行為と民法第九五条の適用
最高裁判所第一小法廷昭和29年11月18日昭和26(オ)603民集 第8巻11号2052頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 手形の書替は、旧手形を現実に回収して発行する等特別の事情のない限り、単に旧手形債務の支払を延長するためになされるものと解すべきである。 二 旧手形が新手形に書き替えられても、旧手形は当然に無効となるものではない。 三 旧手形債務の支払を延長するために手形の書替が行われたときは、新手形の所持人は、新手形のみにて手形金…
参照法条手形法1条,民法95条
月一割の利息および損害金を支払う旨の消費貸借は公序良俗に反するか
最高裁判所第二小法廷昭和29年11月5日昭和28(オ)691民集 第8巻11号2014頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨昭和二五年二月二〇日に元金を三万円、弁済期を同年五月二五日、支払うべき利息ならびに損害金の割合を月一割とする約定で、商人の営業資金に供するために成立した消費貸借は、特別の事情のない限り、公序良俗に反し無効であるということはできない。
参照法条民法587条,民法70条,旧利息制限法5条
将来成立しない場合は返還を受くべき約旨の下に将来成立すべき賃借権の対価として金員を交付した場合と不法原因給付
最高裁判所第二小法廷昭和29年9月10日昭和27(オ)726民集 第8巻9号1589頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨将来不成立の場合は返還を受くべき約旨の下に将来成立すべき賃借権の対価として金員を交付した場合において、その賃借権が不成立に終つたときは、その金員の交付をもつて権利金の交付と目すべきでなくこれをもつて直ちに不法原因給付ということはできない。
参照法条民法708条,地代家賃統制令12条の2
寄託動産の保管者と民法第一七八条
最高裁判所第三小法廷昭和29年8月31日昭和27(オ)1197民集 第8巻8号1567頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨動産の寄託をうけ一時これを保管しているにすぎない者は民法第一七八条の第三者に該当しない。
参照法条民法178条,民法662条
消費貸借成立のいきさつに不法の点があつた場合における貸金返還請求と民法第九〇条および第七〇八条の適用の有無
最高裁判所第三小法廷昭和29年8月31日昭和27(オ)13民集 第8巻8号1557頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨消費貸借成立のいきさつにおいて、貸主の側に多少の不法があつたとしても、借主の側にも不法の点があり、前者の不法性が後者のそれに比しきわめて微弱なものに過ぎない場合には、民法第九〇条および第七〇八条は適用がなく、貸主は貸金の返還を請求することができるものと解するのを相当とする。
参照法条民法90条,民法587条,民法708条
一 国選弁護人と民法委任の規定の適用の有無 二 国選弁護人と費用償還請求権
最高裁判所第三小法廷昭和29年8月24日昭和27(オ)483民集 第8巻8号1549頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 国選弁護人の選任に基く法律関係については、民法委任の規定を適用すべきものではない。 二 国選弁護人は、裁判所の支給する旅費、日当、宿泊料及び報酬以外に、別に費用の請求をすることはできない。
参照法条民法643条,民法650条,刑訴法38条2項,刑事訴訟費用法7条
造作買取請求権行使の場合における造作代金支払義務と家屋明渡義務との関係――留置権または同時履行抗弁権の成否
最高裁判所第一小法廷昭和29年7月22日昭和27(オ)1069民集 第8巻7号1425頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨借家法第五条により造作の買収を請求した家屋の賃借人は、その代金の不払を理由として右家屋を留置し、または右代金の提供がないことを理由として同時履行の抗弁により右家屋の明渡を拒むことはできない。
参照法条借家法5条,民法295条,民法533条
一 民法第四八九条第二号にいわゆる「債務者ノ為メニ弁済ノ利益多キモノ」を定める標準 二 弁済に充当せらるべき順序
最高裁判所第二小法廷昭和29年7月16日昭和27(オ)700民集 第8巻7号1350頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法第四八九条第二号にいわゆる「債務者ノ為メニ弁済ノ利益多キモノ」を定めるにあたつては、甲債務は利息附であり、乙債務は新造船と網とが担保となつていることを確定しただけでは足らず、なお担保契約の内容等諸般の事情を考慮しなければならない。 二 右の場合において仮に乙債務が債務者のために弁済の利益が多いとしても、なお弁済…
参照法条民法489条,民法491条
一 未成年の養子のため民法応急措置法施行前に開始した後見は同法施行当時右未成年者に実父母ある場合同法の施行により終了するか 二 未成年者の実父母が法定代理人親権者として未成年者のため共同してなした法律行為取消の意思表示は実父母が親権者でなか…
最高裁判所第二小法廷昭和29年7月16日昭和27(オ)909民集 第8巻7号1359頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 未成年者たる養子のため、民法応急措置法施行前に開始した後見は、戸主たる地位に基く後見人ある場合を除き、同法施行当時右未成年者に実父母がある場合においても、同法の施行により終了しない。 二 未成年者の実父母が法定代理人親権者として未成年者のため共同してなした法律行為取消の意思表示は、実父母が親権者でなかつた場合におい…
参照法条日本国憲法の施行に伴う民法の応急措置に関する法律3条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急措置に関する法律6条,民法120条
修繕は賃借人においてなす旨の契約の趣旨
最高裁判所第二小法廷昭和29年6月25日昭和26(オ)775民集 第8巻6号1224頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨映画館用建物及びその附属設備の賃貸借における「雨漏等の修繕は賃貸人においてこれをなすも、営業上必要なる修繕は賃借人においてこれをなすものとする」との契約条項は、単に賃貸人の修繕義務の限界を定めただけでなく、賃借人にその営業上必要な範囲の修繕の義務を負担させた趣旨と解し得られないことはない。
参照法条民法606条
認知の訴の性質
最高裁判所第二小法廷昭和29年4月30日昭和26(オ)866民集 第8巻4号861頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨認知の訴は、現行法上これを形成の訴と解すべきものである。
参照法条民法787条,人事訴訟手続法32条
利息制限法の制限超過の利息を天引した場合と消費貸借の成立
最高裁判所第三小法廷昭和29年4月13日昭和27(オ)960民集 第8巻4号840頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨消費貸借につき、利息制限法の制限を超過する利息を天引した場合においては、天引利息中同法の制限の範囲内の金額と現実交付額との合算額につき消費貸借が成立する。
参照法条利息制限法2条,利息制限法4条,民法587条
相続財産たる金銭その他の可分債権と共同相続人の分割承継
最高裁判所第一小法廷昭和29年4月8日昭和27(オ)1119民集 第8巻4号819頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続人数人ある場合において、相続財産中に金銭の他の可分債権あるときは、その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するものと解すべきである。
参照法条民法898条,民法899条
共同相続人の一人が相続財産たる家屋の使用借主である場合と他の共同相続人のなす使用貸借の解除
最高裁判所第二小法廷昭和29年3月12日昭和27(オ)210民集 第8巻3号696頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人の一人が相続財産たる家屋の使用借主である場合、他の共同相続人においてなす右使用貸借の解除は、民法第二五二条本文の管理行為にあたる。
参照法条民法252条
親族会招集期日の変更決定の送達を受けなかつた一部会員が右期日になした決議の効力
最高裁判所第二小法廷昭和29年2月26日昭和27(オ)1258民集 第8巻2号569頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨親族会の招集期日の変更決定が、三名の会員中一名だけに送達されたため、右期日に他の二名が出席してなした決議も当然無効ではなく、訴により取消を求め得るにすぎない。
参照法条旧民法951条
賃借家屋の改造と賃借人の原状回復義務
最高裁判所第三小法廷昭和29年2月2日昭和26(オ)727民集 第8巻2号321頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃貸借の目的たる家屋を工場に改造して使用することが、特に賃貸借契約の内容となつているときは、特約なきかぎり、賃借人には改造家屋につき原状回復義務はない。
参照法条民法616条,民法598条
商事売買における目的物の瑕疵と代金減額請求権の有無
最高裁判所第二小法廷昭和29年1月22日昭和26(オ)566民集 第8巻1号198頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商事売買においても、目的物に瑕疵あることを理由として代金減額の請求をすることはできない。
参照法条商法526条,民法570条,民法566条
一 戦災による損害回避の目的をもつてする家屋及物件の売却換価は保存行為にあたるか 二 民法第一一〇条の代理権ありと信ずべき正当の理由に当らない一事例
最高裁判所第一小法廷昭和28年12月28日昭和24(オ)348民集 第7巻13号1683頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 戦災による滅失を見越し、害屋及物件を売却することは、たとえ罹災による損害を回避し経済的価値保存の目的に出でた場合であつても財産自体の性質上の滅損を防止する場合と異り、保存行為にはあたらない。 二 夫が応召不在中、妻が無断で夫を代理し夫所有の家屋及物件の売買契約を締結した場合、たとえ当時妻が夫の印章を保管しこれを使用…
参照法条民法103条,民法110条
一 利息制限法違反の利息の約定ある消費貸借契約の効力 二 利息制限法違反の利息を元金に組み入れこれに利息を付する定めの効力
最高裁判所第二小法廷昭和28年12月18日昭和26(オ)906民集 第7巻12号1470頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 利息制限法違反の利息の支払を定めたからといつて、特別の事情のないかぎり消費貸借契約自体の無効を来さない。 二 利息制限法の利息を元金に組み入れ、これに対しさらに利息を付する定めは単に裁判上無効たるに止まり、すでに支払つた利息はその返還を請求することはできない。
参照法条利息制限法2条,民法405条
民法応急措置法第六条の父母には継父母または嫡母を包含するか
最高裁判所第一小法廷昭和28年11月26日昭和26(オ)366民集 第7巻11号1288頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法応急措置法第六条の父母には継父母または嫡母を包含しない。
参照法条民法応急措置法3条,民法応急措置法6条1項,旧民法728条,民法附則16条
一 証拠申請を放棄したものと認むべき一事例 二 所有権にもとずく家屋明渡の訴の提起は賃貸借解約の申入となり得るか
最高裁判所第二小法廷昭和28年10月23日昭和26(オ)103民集 第7巻10号1114頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 裁判所が証拠決定にもとずく証拠調を施行せず、また右決定の取消もしないで口頭弁論を終結しようとするにあたり、申請当事者においてこれに対し何ら異議を述べなかつたときは、当該証拠申請を放棄したものと解するのを相当とする。 二 賃貸人の提起した家屋明渡の訴の訴状に、賃貸借が解約申入によつて終了した経過を敍述し、その終了にか…
参照法条民訴法第2編第3章第1節,民法617条1項,借家法3条1項
仮の地位を定める仮処分の適法な限界を超えない一場合
最高裁判所第三小法廷昭和28年9月8日昭和26(オ)165民集 第7巻9号882頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲の土地所有権につき仮の地位を定めるため、右土地に対する乙の占有を解きその立入を禁止し、甲の委任する執行吏の保管に付するとともに、執行吏に土地の荒廃を防ぐため適当の措置を講ずることを命じ且つ耕作を目的とするかぎり甲の立入を許す権限を与える旨の仮処分は、保全処分の限界を越えるものではなく適法である。
参照法条民法760条
旧民法施行当時における婚姻予約と父母の同意
最高裁判所第二小法廷昭和28年6月26日昭和26(オ)228民集 第7巻6号766頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨満三〇年に達しない男が婚姻予約をするには、旧民法施行の当時においても父母の同意を必要としなかつたものである。
参照法条民法737条1項,旧民法772条1項
認知の確定判決がある場合に第三者は認知無効の訴を提起できるか
最高裁判所第二小法廷昭和28年6月26日昭和26(オ)808民集 第7巻6号787頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨認知の判決が正当な当事者の間に確定している以上、該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対し再審の手続で争うのは格別、もはや第三者も反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することはできない。
参照法条人事訴訟法27条,人事訴訟法32条1項,人事訴訟法18条1項,民法786条
未成年者の親権者母が親族会の同意を得ないでした家屋譲渡契約を取り消したことによる原状回復義務と同時履行。
最高裁判所第三小法廷昭和28年6月16日昭和24(オ)191民集 第7巻6号629頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨親権者母が、親族会の同意を得ないでした家屋譲渡契約を取り消したときは、その原状回復義務については民法第五三三条を準用すべきである。
参照法条旧民法886条3号,旧民法887条,民法546条,民法533条,民法121条
一 調停に対する請求異議の第一審の管轄 二 区裁判所で成立した調停に対し裁判所法施行後に提起する請求異議の第一審の管轄 三 調停について要素の錯誤の認められない一事例 四 家屋の賃貸借契約の期限付合意解除の効力
最高裁判所第一小法廷昭和28年5月7日昭和24(オ)271民集 第7巻5号510頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 調停調書に対する請求異議の訴の第一審は、当該調停の成立した裁判所の専属管轄に属する。 二 区裁判所で成立した調停に対し裁判所法施行後に提起する請求異議の訴の第一審は、右区裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄に属する。 三 家屋の賃貸人がみずから使用する必要があるとして、賃借人を相手方として家屋明渡の調停を申…
参照法条民訴法545条1項,民訴法560条,民訴法563条,借地借家調停法28条,借地借家調停法13条,裁判所法施行令3条1項,裁判所法施行法の規定に基く調停に関する法律の変更適用に関する政令(昭和22年政令31号)本文1号,民法95条,借家法1条…
家督相続により家屋所有権を取得した者は右家屋の占有権を承継するか
最高裁判所第二小法廷昭和28年4月24日昭和26(オ)535民集 第7巻4号414頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被相続人の死亡による家督相続により家屋所有権を取得した者は、右家屋に対す被相続人の占有権を承継したものと認むべきである。
参照法条民法180条,民法187条,旧民法986条
一 戸籍法第八九条による戦死報告に基く戸籍簿の記載の証拠力 二 民法第一一一条第一項第一号の趣旨 三 民訴第五七条および同第八五条の趣旨
最高裁判所第一小法廷昭和28年4月23日昭和24(オ)112民集 第7巻4号396頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 戸籍簿に戦死した旨記載されている者は、右記載が戸籍法第八九条の報告に基いて登載されたものと認められるときは、反証がない限り、戸籍簿に記載されている日に死亡したものと認むべきである。 二 本人の死亡を代理権消滅の原因とする民法第一一一条の規定は、これと異なる合意の効力を否定する趣旨ではない。 三 民訴第五七条および同…
参照法条戸籍法89条,民法111条1項1号,民訴法57条1項,民訴法85条
民法第二四二条の趣旨
最高裁判所第二小法廷昭和28年1月23日昭和25(オ)378民集 第7巻1号78頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第二四二条は、不動産の附合物がたとえ取引上当該不動産と別個の所有権の対象となりうべきものであつても、該不動産の所有権が当然附合物の上におよぶことを規定するものであつて、附合物に対する所有権が該不動産の所有権の外に独立して存することまでを定めているものと解すべきではない。
参照法条民法242条
売主が売買契約の合意解除により買主に代金を返還した後右代金額につき財産税を徴収された場合における買主に対する右税額の償還請求権の有無
最高裁判所第一小法廷昭和28年1月8日昭和24(オ)46民集 第7巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売主が売買契約の合意解除により代金を買主に返還した後、右代金額につき財産税を徴収された場合においても、売主は、民法第六六五条および第六五〇条または第一九六条の規定に基き、買主に対し右税額の償還を請求することはできない。
参照法条財産税法(昭和21年法律52号)1条,財産税法(昭和21年法律52号)22条,民法196条,民法650条,民法665条
調停成立当時その調書に記載されない(家屋明渡に関する)合意が成立したことを理由とする家屋明渡請求の許否
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月25日昭和24(オ)299民集 第6巻12号1271頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨借地借家調停調書に単に家屋を「昭和二三年九月一〇日まで賃貸する」と記載されただけであつても、右調停期日に当事者間において、右家屋を右約定の日かぎり明け渡す旨の合意が成立した以上、賃貸人はこれを理由として家屋明渡の請求をすることができる。
参照法条民訴法203条,民訴法199条,民法604条
一 旧民法第八六六条第一号の「虐待」にあたる一事例 二 旧民法第八六六条と訴提起後に生じた事実を原因として離縁判決をすることの可否
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月18日昭和23(オ)116民集 第6巻11号1190頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 原判決(後記)の確定した事実関係のもとにおいては、上告人(養子)の行為は、旧民法第八六六条第一号の「虐待」にあたるものと解するのが相当である。 二 離縁の訴において、当事者が訴提起後に生じた事実を請求原因に追加し、裁判所が右追加された事実に基き離縁の判決をすることは、旧民法第八六六条の禁ずるところではない。
参照法条旧民法866条1号,旧民法866条,人事訴訟手続法8条(26条)
一 建物賃貸借契約書に用いられた「永久貸与」という文言の解釈 二 借家法第一条ノ二にいわゆる正当の事由がある一事例
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月11日昭和26(オ)485民集 第6巻11号1139頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 建物賃貸借契約書に用いられた「永久貸与」という文言を、他の証拠等に照らし、単に「長く貸しましよう。長く借りましよう。」という合意をあらわすもので、賃貸借の存続期間を定めたものでないと解釈しても、経験則に違背しない。 二 他人の賃借居住している家屋を譲り受けた者がなした賃貸借契約申入も、後記事実関係(原判決理由参照)…
参照法条民法617条,民法604条,借家法第1条ノ2
一 証拠方法を放棄したものと認むべき一事例 二 代物弁済の予約が公序良俗に反すると認められる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和27年11月20日昭和24(オ)138民集 第6巻10号1015頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 証拠申請につき許否を決定しないで口頭弁論を終結した場合、当事者が異議を述べないときは、その証拠方法を放棄したものと認むべきである。 二 代物弁済の予約につき、後記事由(第二審判決理由参照)があるときは、公序良俗に反し無効である。
参照法条民訴法258条,民法482条,民法90条
他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組の追認の許否
最高裁判所第二小法廷昭和27年10月3日昭和24(オ)229民集 第6巻9号753頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組も、養子が満一五年に達した後これを有効に追認することができる。 二 右追認は、明示または黙示の意思表示をもつて養子から養親の双方に対し、養親の一方が死亡した後は他の一方に対してすればたりる。
参照法条旧民法843条,民法797条
夫婦の一方が他方の不正行為を摘発する行為と旧民法第八一三条第五号
最高裁判所第二小法廷昭和27年6月27日昭和25(オ)241民集 第6巻6号602頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫婦の一方が他方の不正行為を摘発してこれを罪におとすことは、その名誉もしくは面目を著しく毀損するものであつて、改正前の民法第八一三条第五号の重大なる侮辱にあたる。
参照法条旧民法813条5号
新民法附則第四条により新法の遡及効を認め得ない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和27年5月27日昭和25(オ)350民集 第6巻5号568頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨旧民法施行当時、子と家を異にする母が、親権者母たる資格において子の法定代理人として締結した賃貸借には、新民法附則第四条によつて新民法を適用すべきでない。
参照法条民法附則4条,民法818条2項,民法824条,旧民法884条,旧民法877条2項
新民法施行前の離婚の際になされた贈与契約の取消
最高裁判所第三小法廷昭和27年5月6日昭和25(オ)224民集 第6巻5号506頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨新民法施行前に協議上の離婚をするに際し財産分与の契約をした場合においては、たとえばそれが書面によらないものであつても、新民法施行後は、これを取り消すことができない。
参照法条民法550条,新民法附則10条
一 占有の訴を本案とする仮処分申請と本権の理由による判断の可否 二 換地予定地の指定と占有権移転の有無 三 換地予定地の指定を受けた者に対し占有の訴を本案として立入禁止の仮処分をすることは行政事件訴訟特例法第一〇条第七項に反ずるか
最高裁判所第三小法廷昭和27年5月6日昭和25(オ)30民集 第6巻5号496頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 占有の訴を本案とする仮処分申請の当否については、専ら占有関係によつてのみ判断すべきであつて、本権の理由(特別都市計画法第一四条による換地予定地を使用収益し得る権原)によることを得ない。 二 換地予定地の指定があつても、従来の事実上の占有状態に変更のないかぎり、当然には、その土地の占有権に変動移転を生ずるものではない…
参照法条民法202条2項,民法180条,特別都市計画法14条,行政事件訴訟特例法10条7項
自作農創設特別措置法上の住所と認められない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和27年4月15日昭和25(オ)172民集 第6巻4号414頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨大阪において十数人の雇人を使用して金融業等を営む株式会社を経営し、大阪府豊中市所在の同人次男宅から右営業所に通勤し、妻も次男宅に同居しており、兵庫県津名郡a町には月二、三回数日間帰るにすぎない者は、同町において主要な人々を招いて帰郷挨拶の宴会を催したことがあり、同町で配給物資の配給を受け選挙権を持ち町民税を納めていた事…
参照法条自作農創設特別措置法3条1項1号,民法21条
家督相続人選定の効力発生時期
最高裁判所第二小法廷昭和27年2月22日昭和25(オ)252民集 第6巻2号267頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家督相続人の選定は、選定により効力を生じ、届出は、その効力発生の要件ではない。
参照法条旧民法982条,旧民法980条
政治活動をしないことを条件とする雇傭契約と基本的人権の制限
最高裁判所第二小法廷昭和27年2月22日昭和25(オ)7民集 第6巻2号258頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨憲法で保障されたいわゆる基本的人権も絶対のものではなく、自己の自由意思に基く特別な公法関係または私法関係上の義務によつて制限を受けるものであつて、自己の自由意思により、校内において政治活動をしないことを条件として教員として学校に雇われた場合には、その契約は無効ではない。
参照法条憲法19条,憲法20条,憲法21条,民法623条
一 家屋所有者の家屋の所持の態様 二 賃貸借中の家屋についての所有者の所持と「自己ノ為メニスル意思」
最高裁判所第三小法廷昭和27年2月19日昭和24(オ)91民集 第6巻2号95頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 家屋(空家、以下同じ。)の所有者が、これに錠をかけて鍵を所持し、又は標札貼紙等により自己の占有中である事実が第三者にもわかるようにしておかないからといつて、必ずしも所有者に家屋の所持がないとはいえない。 二 家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるときは、所…
参照法条民法180条
一 調停において他人の所有に属する土地の譲渡を約した場合と調停の効力 二 再度の調停申立に基きさきに一旦成立した調停の内容と異なる「調停に代わる裁判」をした場合と右裁判の効力 三 和解において係争物に関係なき物の給付を約するのは和解の本質に…
最高裁判所第二小法廷昭和27年2月8日昭和25(オ)29民集 第6巻2号63頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 調停において、当事者の一方が相手方に譲渡することを約した特定の土地が、当時他人の所有であつたからとて、単にそれだけでは、右調停は履行不能により無効であるということはできない。 二 一旦、調停の成立した法律関係につきその後再度の調停申立がなされ裁判所が戦時民事特別法第一九条、金銭債務臨時調停法第七条による調停に代わる…
参照法条民法559条,民法560条,民法561条,民法562条,民法695条,戦時民事特別法(昭和17年法律63号)19条,金銭債務臨時調停法(昭和7年法律26号)7条,金銭債務臨時調停法(昭和7年法律26号)9条
一 戦時罹災土地物件令第三条の趣旨 二 相手方の賃借権を承認した者と賃貸借の対抗要件の欠缺主張の許否
最高裁判所第三小法廷昭和26年12月25日昭和24(オ)293民集 第5巻13号829頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 戦時罹災土地物件令第三条は、同条所定の期間、借地権者の土地に対する使用収益を制限すると共に、その地代又は借賃の支払義務を免れしめるに止まり、借地権自体の譲渡を制限禁止する趣旨ではない。 二 一旦相手方の賃借権を承認した者は、賃貸借の対抗要件の欠缺を主張して相手方の賃借権を否定することは許されない。
参照法条戦時罹災土地物件令(昭和20年勅令411号)3条,民法605条,建物保護ニ関スル法律(明治42年法律40号)1号
一 民法第一九二条にいゆる善意無過失の意義 二 民法第一九四条の回復請求権と物の滅失。
最高裁判所第三小法廷昭和26年11月27日昭和24(オ)106民集 第5巻13号775頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法第一九二条にいわゆる「善意ニシテ且過失ナキトキ」とは、動産の占有を始めた者において、取引の相手方がその動産につき無権利者でないと誤信し且つかく信ずるにつき過失のなかつたときのことをいい、その動産が統制品であるにかかわらず、割当証明書によらないで買い受けたという事実は、右の善意無過失を決するための要件とならない。…
参照法条民法192条,民法194条
一 旧民法第九八五条第三項の裁判所の許可の時期。 二 裁判所の許可を得ることを条件とする旧民法第九八五条第三項の親族会の決議の効力と右決議が有効となる時期。 三 旧民法第九八五条三項の裁判所の許可前同一親族会が同一事項につきなした前の決議(…
最高裁判所第二小法廷昭和26年8月31日昭和24(オ)267民集 第5巻9号522頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 家督相続人選定のために招集された親族会において、他人を家督相続人に選定する場合における裁判所の許可は、決議をなした後においてこれを得ることを妨げない。 二 家督相続人選定のために招集された親族会が、裁判所の許可を条件として他人を家督相続人に選定する旨を決議したときは、右の決議は無効ではなく、右の決議はその後裁判所の…
参照法条旧民法985条3項
公正証書にいわゆる執行約款を附することを認諾する行為と民法第一〇八条の不適用
最高裁判所第二小法廷昭和26年6月1日昭和24(オ)159民集 第5巻7号367頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者が公正証書に債務不履行の場合はただちに強制執行を受けても異議がない旨の、いわゆる執行約款を附することを認諾する行為は、訴訟行為であつて、これに対しては、当然には民法第一〇八条の適用はない。
参照法条民法108条
共有土地を共同で使用するのは民法第六六七条の「共同の事業を営むこと」にあたるか
最高裁判所第一小法廷昭和26年4月19日昭和23(オ)61民集 第5巻5号256頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の共有者が共同でその土地を使用することは共有土地の利用方法であつて、民法第六六七条の「共同の事業を営むこと」にあたらない。
参照法条民法259条,民法667条
一 責問権喪失の事例 二 証拠申出の放棄と認められる事例 三 裁判所法第二六条第二項第一号の決定を変更する決定の適否 四 裁判所法第二六条第二項第一号の決定及びその変更決定の方式 五 合議体の審理が単独裁判官の審理に移行した場合と口頭弁論更…
最高裁判所第一小法廷昭和26年3月29日昭和24(オ)63民集 第5巻5号177頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 甲証人尋問のため指定された期日に、別に期日外に申請されていた乙証人がたまたま在廷していたために、甲証人尋問に引き続いてその取調をした場合においても、当事者がその尋問について異議を述べなかつたときは、その証拠申請について特に意見を述べる機会が与えられていなくても、乙証人の証言を証拠とすることは差支えない。 二 本人尋…
参照法条民訴法141条,民訴法258条,民訴法144条,民訴法207条,民訴法187条2項,裁判所法26条2項1号,民法601条
贈与の主張に対し死因贈与を認定したことの適否
最高裁判所第一小法廷昭和26年2月22日昭和24(オ)277民集 第5巻3号106頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨係争家屋の所有権を取得したと抗争する被告が、その取得の原因として「被告は原告の亡先代から右家屋の贈与を受けた」旨主張している場合弁論の全趣旨から右贈与の主張が死因贈与の主張を包含すると認められる以上、たとい死因贈与を受けた旨の明示的主張がなくても、裁判所が被告は原告先代から右家屋の死因贈与を受けその所有権を取得したと認…
参照法条民訴法186条,民法554条
扶養義務者の意に反して扶養権利者を引き取り扶養した他の扶養義務者と扶養費用の負担
最高裁判所第三小法廷昭和26年2月13日昭和24(オ)350民集 第5巻3号47頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨現に扶養をしている扶養義務者の意に反して扶養権利者を引き取つて扶養したという事実だけでは、引き取つた他の扶養義務者が自己のみで扶養費用を負担すべきものとすることはできない。
参照法条旧民法954条,旧民法955条,旧民法956条,新民法877条
一 虚偽の嫡出子出生届をした者の嫡出親子関係不存在の主張の適否 二 虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否 三 父母一方の死亡と嫡出親子関係不存在確認訴訟の適否 四 嫡出親子関係不存在確認の請求と子の承諾の要否
最高裁判所第二小法廷昭和25年12月28日昭和24(オ)97民集 第4巻13号701頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 子でない者が戸籍上嫡出子として記載されている場合に、その記載が親の虚偽の嫡出子出生届に基くものであるからといつて、その親の親子関係不存在の主張が禁止されることはない。 二 養子とする意図で他人の子を嫡出子として届けても、それによつて養子縁組が成立することはない。 三 父母一方の死亡後は、生存者単独で嫡出親子関係不存…
参照法条民訴法225条,旧民法第4編第4章1節1款嫡出子,旧民法820条,旧民法837条,旧民法843条,旧民法847条,旧民法775条,旧民法第4編第4章第1節1款嫡出子,旧戸籍法(大正3年法律26号)88条
民法応急措置法施行前に親権を行う母が旧民法第八八六条の規定に違反してした契約を同法施行後新民法施行前において取り消すことができるか。
最高裁判所第二小法廷昭和25年11月10日昭和24(オ)100民集 第4巻11号538頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法応急措置法施行前に、親権者たる母が親族会の同意を得ずして未成年の子に代つてした契約は、同法施行後、新民法施行前においても、これを取り消すことはできない。
参照法条旧民法886条,民法応急措置法2条,新民法附則15条
一 原始的不能と他人の物の売買の成立 二 他人の物の売買の履行不能と契約の解除権
最高裁判所第一小法廷昭和25年10月26日昭和24(オ)306民集 第4巻10号497頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 他人の物の売買にあつては、その目的物の所有者が、売買成立当時からその物を他に譲渡する意思がなく、従つて、売主において、これを取得し買主に移転することができないような場合であつても、なお、その売買契約は、有効に成立する。 二 他人の物の売買において、売主が、その売却した権利を取得してこれを買主に移転することができない…
参照法条民法560条,民法561条
一 売買代金支払のため振り出された小切手の呈示期間経過後に支払銀行に対してなされた小切手金の払込と弁済の効力 二 判決の基本たる口頭弁論に臨席しない裁判官の判決関与と不服申立なき部分の破棄
最高裁判所第二小法廷昭和25年9月15日昭和24(オ)33民集 第4巻9号395頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 売買当事者間に特段の契約があるか又は特段の慣習が存在しないかぎり、売買代金支払のため振り出された小切手の呈示期間経過後に買主が自己の取引銀行(支払銀行)の口座に小切手資金の払込をしただけでは、代金支払の効果を発生しない。 二 判決の基本たる口頭弁論に臨席しない判事が関与した判決の一部につき上告のなされた場合、上告裁…
参照法条民法484条,民訴法187条1項,民訴法395条1項1号,民訴法396条,民訴法385条
旧民法第八六六条第五号と民法応急措置法第三条
最高裁判所第二小法廷昭和25年6月30日昭和24(オ)48民集 第4巻6号243頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨旧民法第八六六条第五号の家名汚涜を離縁原因とする規定は、民法応急措置法第三条にいわゆる家に関する規定にあたるものと認められ、同条により右規定は昭和二二年五月三日以降は適用されないものである。
参照法条旧民法866条5号,民法応急措置法3条,新民法附則13条,新民法附則11条
裁判所が親族会招集の日時を誤つて告知した場合において親族会員の一人が別に日時を定めて招集した親族会の決議の効力
最高裁判所第三小法廷昭和24年8月9日昭和23(オ)2民集 第3巻9号317頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨裁判所が親族会召集の日時を誤つて告知した場合において、親族会員の一人が勝手に他の日時を定めて招集した親族会の決議は、親族会員全員に異議のない場合を除き無効である。
参照法条旧民法944条,旧民法949条
一 会社役員たる資格を与えるためのいわゆる資格株の譲渡の効力。 二 木工品製作業の附帯事業の範囲。 三 木材統制法と立木伐木の買入。 四 木材業又は製材業が許可事業であることと、その許可を受けずして附帯事業としてなす立木伐木の買入。 五 介…
最高裁判所第二小法廷昭和24年6月4日昭和23(オ)69民集 第3巻7号235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社役員たる資格を与えるためのいわゆる資格株の譲渡であつて、後日返還することを約したものであるからといつて、その譲渡を仮装であるということはできない。 二 附帯事業というのは、主たる目的事業に関連のある各種の事業をいうのであつて木工品の製作を主たる目的とする事業の附帯事業のうちには、その資材原料たる立木、伐木等の買…
参照法条民法94条1項,商法204条,商法264条1項,商法264条,商法(昭和25年法律167号による改正前のもの)264条2項,木材統制法1条,木材統制法6条
一 特定物の売買においてその物が引渡前空襲により滅失した場合と代金債務支払のために振り出された手形債権の効力 二 手形振出人に対し手形債務の確認とその手形債務を保証する目的でした手形裏書人に対しその債務について給付の判決を求めることの可否
最高裁判所第三小法廷昭和24年5月31日昭和23(オ)150民集 第3巻6号226頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 特定物の売買においては、その物が引渡前空襲により滅失したとしても、売主の代金債権が消滅する理由がなく、従つてこれにより、その代金支払のために振り出された手形の振出が原因を欠くに至つたものとはいえない。 二 手形の裏書人が振出人の手形債務を保証する目的で裏書をした場合においても、裏書人の債務と振出人の債務とは別個の債…
参照法条民法534条,民法446条,手形法11条
一 旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)の意義 二 養子縁組の無効と民法第九三条但書
最高裁判所第一小法廷昭和23年12月23日昭和23(オ)85民集 第2巻14号493頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)にいわゆる「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間において真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないと…
参照法条旧民法851条1号,新民法802条1号,新民法93条但書
家督相続回復請求権の消滅事項の起算点。
最高裁判所第二小法廷昭和23年11月6日昭和23(オ)1民集 第2巻12号397頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法第九六六条(旧法)の家督相続回復請求権の二〇年の時効は、相続権侵害の事実の有無にかゝわらず、相続開始の時から進行する。
参照法条旧民法966条,民法166条1項
一 手形の授受と既存債務の担保の推定。 二 既存債務の担保の手形と請求順序。 三 既存債務の担保の手形につき臨時財産調査令による財産申告を怠つた場合と既存債務の行使。
最高裁判所第一小法廷昭和23年10月14日昭和23(オ)12民集 第2巻11号376頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 手形が既存債務の支払確保のため振り出された場合、当事者間に別段の意思表示がなく、且つ、債務者自身が手形上の唯一の義務者であるときは、右手形の授受は、既存債務の担保のためになされたものと推定するのが相当である。 二 手形が既存債務の担保のため授受せられた場合には、債権者は、既存の債権と手形上の権利とのいずれをも任意に…
参照法条民法482条,手形法9条,臨時財産調査令(昭和21年勅令85号)2条1項3号,臨時財産調査令(昭和21年勅令85号)9条1項
土地家屋の譲渡契約に附された譲受人の帰郷居住等を内容とする停止条件の適法性
最高裁判所第二小法廷昭和23年9月18日昭和22(オ)11民集 第2巻10号231頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地家屋の譲受人が、現住所を引き揚げて帰郷し、右家屋に居住し、相続人として病臥中の実父を扶養し、且祖先の祭祝を行うという、右譲渡契約に附された停止条件は、譲受人の個人的自由を拘束するものではないから、不法ではない。
参照法条民法90条,民法132条
最高裁 / 刑集登載6件
妻を殺害し同一機会に更に妻の母を殺害せんとしたときと刑法第二〇〇条の罪責
最高裁判所第三小法廷昭和31年6月12日昭和30(あ)4004刑集 第10巻6号810頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨妻を殺害したのと同一機会に、殺意をもつて妻の母にも加害したがその目的を遂げなかつた所為は、尊属殺人未遂罪にあたる。
参照法条刑法200条,民法728条2項
一 貯蓄信用組合理事が組合名義で組合員以外の者から貯金を受入れた場合とその金銭所有権の帰属 二 背任罪における目的の主従と同罪の成否
最高裁判所第二小法廷昭和29年11月5日昭和27(あ)5403刑集 第8巻11号1675頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 貯蓄信用組合理事がその資格をもつて、組合の名において、組合に対する貯金として受入れたものである以上、たとえ、右貯金が組合員以外の者のした貯金であるが故に、組合に対する消費寄託としての法律上の効力を生じないものであるとしても、貯金の目的となつた金銭の所有権は組合に帰属する。 二 主として、不法に融資して第三者の利益を…
参照法条民法192条,民法703条,刑法247条
一 罰金の寡額が刑法第一五条によつて定められている場合においては罰金の寡額の引上は罰金等臨時措置法第二条第一項によるのか 二 検察官が供述調書を作成する際にこれを供述者に読み聞けなかつた場合における供述調書の証拠能力 三 公法関係において債…
最高裁判所第三小法廷昭和28年1月27日昭和25(あ)3098刑集 第7巻1号64頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 特別法であつても、罰金の寡額が刑法第一五条によつて定められる場合には、その寡額の引上は、罰金等臨時措置法第四条によるのではなく、同法第二条第一項の規定によるものである。 二 検察官が供述調書を作成する際にこれを供述者に読み聞けなかつたとしても、その一事のみによつて供述調書がただちに証拠能力を失うことにはならない。 …
参照法条罰金等臨時措置法2条1項,罰金等臨時措置法4条,刑訴法198条4項,刑訴法223条,刑訴法312条,刑訴法256条,民法489条,失業保険法53条,失業保険法34条(改正前のもの),失業保険法55条,失業保険法施行令10条
一 刑法第二〇〇条の犯罪成立後の民法改正と刑の変更 二 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律施行後も姻族関係は、夫婦の一方が死亡しただけで消滅するか
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月25日昭和27(れ)34刑集 第6巻12号1442頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑法第二〇〇条の犯罪成立後従来の民事法規によれば直系尊属であつた者が、かりにその改正によりその身分を失うに至つたとしても、かかる場合を、犯罪後の法律によりその刑に変更があつたときということはできない。 二 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律施行後も姻族関係は、夫婦の一方が死亡いただけでは消滅しない。
参照法条刑法200条,刑法6条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律3条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律附則1項,旧民法729条1項,新民法728条
一 使途を定められて寄託された金銭と横領罪 二 旧刑訴法第四〇四条と憲法第三七条第一項
最高裁判所第二小法廷昭和26年5月25日昭和25(れ)1661刑集 第5巻6号1186頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 使途を定められて寄託された金銭については特別の事情のないかぎり受託者は刑法第二五二条にいわゆる「他人ノ物」を占有するものと解すべきであつて、受託者がその金銭について擅に委託の本旨に違つた処分をしたときは横領罪を構成する。 二 旧刑訴法第四〇四条は、憲法第三七条第一項に違反しない。
参照法条刑法252条,民法657条,憲法37条1項,旧刑訴法404条
一 刑訴規則第五九条に違反する勾留更新決定書中の更新日の不明瞭な記載と右決定の効力 二 勾留期間満了の日の算出方法 三 被告人が保釈出所をした場合の勾留残存期間の算出方法 四 勾留の残存期間満了の日の算出方法
最高裁判所第二小法廷昭和26年4月27日昭和25(し)11刑集 第5巻5号957頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 所論勾留更新決定書中の更新日の記載が不明瞭であることは所論のとおりであつて、右は「八」の文字と「七」の文字とを重複記載していることは右記載自体から窺われるのであるが、これを二八日と判読するべきか或はこれを二七日と判読すべきかはかかる文字の記載だけから断定することは困難であつて、かかる記載が刑訴規則第五九条に違反する…
参照法条刑訴規則59条,刑訴法60条2項,刑訴法55条2項,民法143条2項
最高裁 / 裁判集登載116件
マンションの建築工事の注文者から上記マンションの敷地を譲り受けた行為が請負人の注文者に対する請負代金債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和5年10月23日令和3(受)2001集民 第270号191頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨マンションの建築工事の請負人が、上記工事全体の99%を超える出来高の工事を行ったが、上記工事に係る請負契約で定められた支払時期に支払われるべき請負代金の一部の支払を受けるにとどまったため、自ら上記マンションを分譲販売する方法によって上記代金に係る債権の回収を図ることとしていた場合において、次の⑴、⑵の事情の下では、第三…
参照法条民法709条
被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が、上記被害者の遺族に対し、上記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について人身傷害保険金額に相当する額の金員を支払った場合において、上記遺族の加害者に対する…
最高裁判所第一小法廷令和5年10月16日令和4(受)648集民 第270号173頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が、上記被害者の遺族に対し、上記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について、人身傷害保険金として給付義務を負うとされている人身傷害保険金額に相当する額の金員を支払った場合、上記金員について作成された仮協定書に自動車損害賠償責任保険からの…
参照法条民法91条、民法第3編第2章契約、民法709条、自動車損害賠償保障法16条1項
婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の…
最高裁判所第二小法廷令和5年5月17日令和4(許)17集民 第270号103頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否は訴訟において最終的に判断されるべきものであることを理由に、上記父子関係の不存在を確認する旨の判決が確定するまで夫は扶養義務を免れないとして、上記父子関係の存否を審…
参照法条民法760条、民法772条、民法877条1項、家事事件手続法39条、家事事件手続法別表第2の2の項
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和4年11月30日令和3(許)17集民 第269号71頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して子を母に引き渡すよう命ずる審判の確定から約2か月の間に2回にわたり子が母に引き渡されることを拒絶する言動をしたにとどまるなど判示の事実関係の下では、子の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ子の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる父の行為を具体的に想定することは困難である…
参照法条民法1条3項、民事執行法172条1項、民事執行法174条1項2号
権利能力のない社団であるXが建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、控訴審が、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明…
最高裁判所第三小法廷令和4年4月12日令和3(受)919集民 第267号41頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨権利能力のない社団であるXがYに対して建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、当事者双方は専らX及びYを含む3町内会の間で上記建物をその3町内会の共有とする旨の合意がされたか否かに関して主張し、Xが所有権等の主体となり得るか否かが問題とされることはなかったなど判示の事情の下にお…
参照法条民訴法149条、民法33条
1 厚生労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例 2 …
最高裁判所第一小法廷令和3年5月17日平成31(受)290集民 第265号201頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 屋外の建設現場における石綿含有建材の切断,設置等の作業に従事する者が石綿粉じんにばく露したことにより中皮腫にり患した場合において,次の⑴~⑸など判示の事情の下では,国が,平成13年から平成16年9月30日までの期間に,上記作業に従事する者に石綿関連疾患にり患する危険が生じていることを認識することができたとはいえず,…
参照法条(1につき)国家賠償法1条1項,労働安全衛生法22条,労働安全衛生法23条,労働安全衛生法27条,労働安全衛生法57条 (2につき)民法709条
父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否
最高裁判所第一小法廷令和3年3月29日令和2(許)4集民 第265号113頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることはできない。
参照法条民法766条,家事事件手続法39条,家事事件手続法別表第2の3の項
土地の売買契約の買主が売主に対し債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することの可否
最高裁判所第三小法廷令和3年1月22日令和1(受)861集民 第265号95頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地の売買契約の買主は,当該売買契約において売主が負う土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務の履行を求めるための訴訟の提起・追行又は保全命令若しくは強制執行の申立てに関する事務を弁護士に委任した場合であっても,売主に対し,これらの事務に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできない。
参照法条民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)415条,民法416条1項,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)416条2項,民法555条,民法560条
自筆遺言証書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているからといって同証書による遺言が無効となるものではないとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和3年1月18日平成31(受)427集民 第265号11頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺言者が,入院中の日に自筆証書による遺言の全文,同日の日付及び氏名を自書し,退院して9日後(全文等の自書日から27日後)に押印したなど判示の事実関係の下においては,同自筆証書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているからといって直ちに同自筆証書による遺言が無効となるものではない。
参照法条民法968条1項
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成31年4月26日平成30(許)13集民 第261号247頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して長男A,二男B及び長女Cを母に引き渡すよう命ずる審判を債務名義とするAの引渡しについての間接強制の申立ては,次の(1),(2)など判示の事情の下では,権利の濫用に当たる。 (1) 上記審判を債務名義とする引渡執行の際,B及びCが母に引き渡されたにもかかわらず,A(当時9歳3箇月)については,…
参照法条民法1条3項,民法414条1項,民法766条1項,家事事件手続法75条,家事事件手続法154条3項,民事執行法172条1項
違法な仮差押命令の申立てと債務者がその後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったことにより喪失したと主張する得べかりし利益の損害との間に相当因果関係がないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成31年3月7日平成29(受)1372集民 第261号87頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債権の仮差押命令の申立てが債務者に対する不法行為となる場合において,上記仮差押命令の申立ての後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったとしても,次の(1),(2)など判示の事情の下においては,上記不法行為と債務者がその後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったことにより喪失したと主張する…
参照法条民法416条,民法709条
養親の相続財産全部の包括受遺者が提起する養子縁組の無効の訴えと訴えの利益の有無
最高裁判所第三小法廷平成31年3月5日平成30(受)1197集民 第261号75頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨養子縁組の無効の訴えを提起する者は,養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえない。
参照法条民法802条,民法964条,民訴法134条,人事訴訟法2条3号
親会社が,自社及び子会社等のグループ会社における法令遵守体制を整備し,法令等の遵守に関する相談窓口を設け,現に相談への対応を行っていた場合において,親会社が子会社の従業員による相談の申出の際に求められた対応をしなかったことをもって,信義則上…
最高裁判所第一小法廷平成30年2月15日平成28(受)2076集民 第258号43頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Y社が,法令等の遵守に関する社員行動基準を定め,自社及び子会社である甲社,乙社等のグループ会社から成る企業集団の業務の適正等を確保するための体制を整備し,その一環として,上記グループ会社の事業場内で就労する者から法令等の遵守に関する相談を受ける相談窓口を設け,上記の者に対し,上記相談窓口に係る制度を周知してその利用を促…
参照法条民法1条2項,民法415条,民法709条
第三債務者が差押債務者に対する弁済後に差押債権者に対してした更なる弁済は,差押債務者が破産手続開始の決定を受けた場合,破産法162条1項の規定による否認権行使の対象となるか
最高裁判所第三小法廷平成29年12月19日平成28(受)1797集民 第257号29頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債権差押命令の送達を受けた第三債務者が,差押債権につき差押債務者に対して弁済をし,差押債権者に対して更に弁済をした後,差押債務者が破産手続開始の決定を受けた場合,後者の弁済は,破産法162条1項の規定による否認権行使の対象とならない。
参照法条破産法162条1項,民法481条1項
家庭裁判所が民法941条1項の規定に基づき財産分離を命ずることができる場合
最高裁判所第三小法廷平成29年11月28日平成29(許)14集民 第257号23頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨家庭裁判所は,相続人がその固有財産について債務超過の状態にあり又はそのような状態に陥るおそれがあることなどから,相続財産と相続人の固有財産とが混合することによって相続債権者又は受遺者がその債権の全部又は一部の弁済を受けることが困難となるおそれがあると認められる場合に,民法941条1項の規定に基づき,財産分離を命ずること…
参照法条民法941条1項,家事事件手続法39条,家事事件手続法別表第1の96の項
県が職員らの不正につき損害賠償金を支払ったことにより取得した求償権の一部を知事において行使しないことが違法な怠る事実に当たるとはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成29年9月15日平成28(行ヒ)33集民 第256号77頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨県が教員採用試験における職員らの不正のため不合格となった受験者らに損害賠償金を支払ったことにより取得した求償権の一部を知事において行使しないことが財産の管理を違法に怠るものであるとして提起された住民訴訟において,上記不正は県の教育委員会の職員らが現職の教員を含む者から依頼を受けて受験者の得点を操作するなどして組織的に行…
参照法条国家賠償法1条2項,民法1条2項,民法722条2項,地方自治法242条の2第1項3号,地方自治法242条の2第1項4号
共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるか
最高裁判所第一小法廷平成29年4月6日平成28(受)579集民 第255号129頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。
参照法条民法427条,民法898条,民法899条
貸金の支払を求める旨の支払督促が,当該支払督促の当事者間で締結された保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成29年3月13日平成28(受)944集民 第255号43頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨AのXに対する貸金債務についてYがXとの間で保証契約を締結した場合において,YがXから金員を借り受けた旨が記載された公正証書が上記保証契約の締結の趣旨で作成され, 上記公正証書に記載されたとおりYが金員を借り受けたとしてXがYに対して貸金の支払を求める旨の支払督促の申立てをしたとの事情があっても,上記支払督促は,上記保…
参照法条民法147条1号,民法150条
歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるとして未払賃金の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成29年2月28日平成27(受)1998集民 第255号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であると判断するのみで,当該賃金規則における賃金の定めにつき,通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否かや,そのような判別を…
参照法条民法90条,労働基準法37条
信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が中小企業者の実体を有しないことが判明した場合において,信用保証協会の保証契約の意思表示に要素の錯誤がないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成28年12月19日平成27(受)1394集民 第254号105頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が中小企業者の実体を有しないことが判明した場合において,上記保証契約の当事者がそれぞれの業務に照らし,上記の場合が生じ得ることを想定でき,その場合に信用保証協会が保証債務を履行しない旨をあらかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であったにもかか…
参照法条民法95条,民法446条
匿名組合契約の営業者が新たに設立される株式会社に出資するなどし,同社が営業者の代表者等から売買により株式を取得した場合において,営業者に匿名組合員に対する善管注意義務違反はないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成28年9月6日平成27(受)766集民 第253号119頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨匿名組合契約の営業者であるY1社が,その営業として,新たに設立される株式会社A社の資本金の8割を出資し,A社の発行する新株予約権付社債を引き受け,A社がY1社の代表取締役であるY2及びその弟であるY3から売買によりB社株式を取得した場合において,次の(1)及び(2)など判示の事情の下では,上記の出資,引受け及び売買に係…
参照法条商法535条,民法415条
老人デイサービスセンターの利用者が当該センターの送迎車から降車し着地する際に負傷したという事故が,当該送迎車に係る自動車保険契約の搭乗者傷害特約にいう当該送迎車の運行に起因するものとはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成28年3月4日平成27(受)1384集民 第252号23頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨老人デイサービスセンターの利用者が当該センターの送迎車から降車し着地する際に負傷したという事故は,(1)当該送迎車の運転を担当した当該センターの職員が降車場所として危険な場所に当該送迎車を停車しておらず,(2)上記利用者が当該送迎車から降車した際に上記職員による介助を受けるという当該送迎車の危険が現実化しないような一般…
参照法条保険法第4章 傷害疾病定額保険,民法91条
台湾統治中の日本がXの父親を含む台湾の一民族の暮らしぶりを博覧会で見せ物として展示したという内容を含むテレビ番組が,Xの名誉を毀損するものではないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成28年1月21日平成26(受)547集民 第252号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨テレビ番組を視聴した一般の視聴者において,その番組の内容について,日本が,約100年前に,台湾統治の成果を世界に示す目的で,西欧列強が野蛮で劣った植民地の人間を文明化させていると宣伝するために行っていた「人間動物園」と呼ばれる見せ物をまねて,Xの父親を含む台湾の一民族を,英国で開催された博覧会に連れて行き,その暮らしぶ…
参照法条民法709条,民法710条
過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取引の当事者間で特定調停手続において成立した調停であって,借主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項及びいわゆる清算条項を含むものが公序良俗に反するものとはいえないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成27年9月15日平成25(受)1989集民 第250号47頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取引に関し,借主と貸金業者との間で特定調停手続において成立した調停であって,借主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項及び調停条項に定めるほか何らの債権債務がないことを確認する旨のいわゆる清算条項を含むものは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,全体として…
参照法条民法90条,民法91条,民法695条,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項,民事調停法16条,特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律2条,特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律3条
共同企業体を請負人とする請負契約における請負人「乙」に対する公正取引委員会の排除措置命令等が確定した場合「乙」は注文者「甲」に約定の賠償金を支払うとの約款の条項の解釈
最高裁判所第二小法廷平成26年12月19日平成25(受)1833集民 第248号189頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨A及びBを構成員とする共同企業体を請負人とする請負契約において,注文者を「甲」,請負人を「乙」とし,「乙」に対する公正取引委員会の排除措置命令又は課徴金納付命令が確定した場合「乙」は「甲」に約定の賠償金を支払うとの請負契約約款の条項がある場合に,上記条項において排除措置命令等が確定したことを要する「乙」の意味が当該共同…
参照法条民法91条,民法632条,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律7条1項,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律7条の2第1項
共同相続された委託者指図型投資信託の受益権につき,相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合に,共同相続人の1人が自己の相続分に相当する金員の支払を請求することの可…
最高裁判所第二小法廷平成26年12月12日平成24(受)2675集民 第248号155頁
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裁判要旨共同相続された委託者指図型投資信託の受益権につき,相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し,それが預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合,上記預り金の返還を求める債権は当然に相続分に応じて分割されることはなく,共同相続人の1人は,上記販売会社に対し,自己の相続分に相当する金員の支…
参照法条民法427条,民法898条,民法899条,投資信託及び投資法人に関する法律6条3項
日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権の消滅時効期間
最高裁判所第二小法廷平成26年9月5日平成25(受)2024集民 第247号159頁
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裁判要旨受信料が月額又は6箇月若しくは12箇月前払額で定められ,その支払方法が2箇月ごとの各期に当該期分を一括して支払う方法又は6箇月分若しくは12箇月分を一括して前払する方法によるものとされている日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権の消滅時効期間は,民法169条により5年と解すべきである。
参照法条民法169条,放送法(平成22年法律第65号による改正前のもの)32条,放送法64条
元利均等分割返済方式によって返済する旨の約定で金銭消費貸借契約が締結された場合において,借主から約定の毎月の返済額を超過する額の支払がされたときの充当関係
最高裁判所第三小法廷平成26年7月29日平成25(受)78集民 第247号127頁
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裁判要旨元利均等分割返済方式によって返済する旨の約定で金銭消費貸借契約が締結された場合において,借主から約定の毎月の返済額を超過する額の支払がされたときには,当該超過額を将来発生する債務に充当する旨の当事者間の合意があるなど特段の事情のない限り,当該超過額は,その支払時点での残債務に充当され,将来発生する債務に充当されることは…
参照法条民法488条
元利均等分割返済方式によって返済する旨の約定で金銭消費貸借契約が締結された場合において,借主から約定の毎月の返済額を超過する額の支払がされたときの充当関係
最高裁判所第一小法廷平成26年7月24日平成24(受)2832集民 第247号113頁
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裁判要旨元利均等分割返済方式によって返済する旨の約定で金銭消費貸借契約が締結された場合において,借主から約定の毎月の返済額を超過する額の支払がされたときには,当該超過額を将来発生する債務に充当する旨の当事者間の合意があるなど特段の事情のない限り,当該超過額は,その支払時点での残債務に充当され,将来発生する債務に充当されることは…
参照法条民法488条
夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否
最高裁判所第一小法廷平成26年7月17日平成25(受)233集民 第247号79頁
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裁判要旨夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,子が現時点において妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条民法772条,民法775条,人事訴訟法2条2号
認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否
最高裁判所第二小法廷平成26年3月28日平成25(受)442集民 第246号117頁
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裁判要旨認知者は,民法786条に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。
参照法条民法785条,民法786条
労働者に過重な業務によって鬱病が発症し増悪した場合において,使用者の安全配慮義務違反等に基づく損害賠償の額を定めるに当たり,当該労働者が自らの精神的健康に関する一定の情報を使用者に申告しなかったことをもって過失相殺をすることができないとされ…
最高裁判所第二小法廷平成26年3月24日平成23(受)1259集民 第246号89頁
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裁判要旨労働者に過重な業務によって鬱病が発症し増悪した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,使用者の安全配慮義務違反等に基づく損害賠償の額を定めるに当たり,当該労働者が自らの精神的健康に関する一定の情報を使用者に申告しなかったことをもって過失相殺をすることはできない。 (1) 当該労働者は,鬱病発症以前の数か…
参照法条民法418条,民法722条2項
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害…
最高裁判所第一小法廷平成26年1月30日平成24(受)1600集民 第246号69頁
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裁判要旨1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は,民法所定の年5分である。 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
参照法条(1,2につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉(1につき)民法404条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)514条(2につき)民法412条
原審が,壁面に吹き付けられた石綿が露出している建物が通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになった時点を明らかにしないまま,同建物の設置又は保存の瑕疵の有無について判断したことに審理不尽の違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成25年7月12日平成22(受)1163集民 第244号1頁
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裁判要旨壁面に吹き付けられた石綿が露出している建物で昭和45年から平成14年まで勤務していた間にその石綿の粉じんにばく露したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患した者の相続人が,同建物の所有者に対し,民法717条1項ただし書の規定に基づく損害賠償を求める訴訟において,原審が,同建物が通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになったの…
参照法条民法717条1項
吐物の誤嚥は傷害保険普通保険約款において保険金の支払事由として定められた「外来の事故」に該当するか
最高裁判所第三小法廷平成25年4月16日平成23(受)1043集民 第243号315頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨吐物の誤嚥は,傷害保険普通保険約款において保険金の支払事由として定められた「外来の事故」に該当する。 (補足意見がある。)
参照法条商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)第2編第10章 保険,保険法第2章 損害保険,民法91条
継続的な金銭消費貸借取引に係る基本契約が過払金充当合意を含む場合における,過払金について発生した民法704条前段所定の利息を新たな借入金債務に充当することの可否及びその充当方法
最高裁判所第一小法廷平成25年4月11日平成22(受)1983集民 第243号303頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨継続的な金銭消費貸借取引に係る基本契約が過払金充当合意(過払金発生当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意)を含む場合には,別段の合意があると評価できるような特段の事情がない限り,まず過払金について発生した民法704条前段所定の利息を新たな借入金債務に充当し,次いで過…
参照法条民法488条,704条前段,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項
建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において,建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成25年4月9日平成24(受)2280集民 第243号291頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨繁華街に位置する建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において,建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることは,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。 (1) 上記看板等は,上記店舗の営業の用に供されており,…
参照法条民法1条3項,借地借家法31条1項
監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成25年3月28日平成24(許)41集民 第243号261頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の頻度等につき1箇月に2回,土曜日又は日曜日に1回につき6時間とする旨定められているが,子の引渡しの方法については何ら定められていないなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記審判に基づ…
参照法条民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項
非監護親と子が面会交流をすることを定める調停調書に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成25年3月28日平成24(許)47集民 第243号271頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨非監護親と監護親との間において非監護親と子が面会交流をすることを定める調停が成立した場合において,調停調書に次の(1),(2)のとおり定められているなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記調停調書に基づき監護親に対し間接強制決定をすることはできない。 (1) 面会交流は,2箇月に…
参照法条民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)21条1項ただし書,家事事件手続法75条,家事事件手続法268条1項,民事執行法172条1項
土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において,上記売買の当時,買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事…
最高裁判所第二小法廷平成25年3月22日平成23(受)1490集民 第243号83頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において,土地区画整理組合が組合員に賦課金を課する旨を総代会において決議するに至ったのは,上記売買後に開始された保留地の分譲が芳しくなかったためであり,上記売買の当時,土地区画整理組合において組合員に賦課金を課することが具…
参照法条民法570条,土地区画整理法40条1項
貸金業者Yの完全子会社である貸金業者Aが,その顧客Xとの間の基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引に係る債権をYに譲渡した場合において,YがAのXに対する過払金返還債務を承継したとはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成24年6月29日平成24(受)539集民 第241号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者Yの完全子会社である貸金業者Aが,Yとの間の債権譲渡基本契約に基づき,Aの顧客Xとの間の基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引に係る債権をYに譲渡した場合において,上記債権譲渡基本契約が,Yの国内の消費者金融子会社の再編を目的として,Aの貸金債権をYに移行し,その貸金業を廃止するために行われたもので,同契約に…
参照法条民法91条,民法703条,民法第3編第1章第4節(債務引受)
自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲
最高裁判所第三小法廷平成24年5月29日平成22(受)2035集民 第240号261頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において,上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺…
参照法条商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662条,保険法25条,民法91条,民法709条,民法722条2項
1 損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づき支払われるべき保険金の額の算定方法 2 自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づく保険金の支払債務に係る遅延損害金の利率
最高裁判所第二小法廷平成24年4月27日平成21(受)1923集民 第240号223頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づき支払われるべき保険金の額は,損害の元本の額から,自動車損害賠償責任保険等からの支払額の全額を差し引くことにより算定すべきであり,上記支払額のうち損害の元本に対する遅延損害金に充当された額を控除した残額を差し引くことにより算定す…
参照法条(1,2につき)民法91条 (1につき)保険法第2章 損害保険 (2につき)商法514条
インターネット上のウェブサイトに記事を掲載した行為が名誉毀損の不法行為を構成するとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成24年3月23日平成22(受)1529集民 第240号149頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨インターネット上のウェブサイトに掲載された記事が,それ自体として一般の閲覧者がおよそ信用性を有しないと認識し,評価するようなものではなく,会社の業務の一環として取引先を訪問した従業員が取 引先の所持していた物をその了解なく持ち去った旨の事実を摘示す るものと理解されるのが通常であるなど判示の事情の下では,その記事を掲載…
参照法条民法709条,民法710条
労働契約上の安全配慮義務違反による損害と弁護士費用
最高裁判所第二小法廷平成24年2月24日平成23(受)1039集民 第240号111頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者が,使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ,訴訟追行を弁護士に委任した場合には,その弁護士費用は,事案の難易,請求額,認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り,上記安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害とい…
参照法条民法415条,民法416条,労働契約法5条
民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売と民事執行法59条及び63条の準用の有無
最高裁判所第三小法廷平成24年2月7日平成23(許)31集民 第240号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売については,民事執行法59条及び63条が準用される。 (補足意見がある。)
参照法条民事執行法59条,民事執行法63条,民事執行法188条,民事執行法195条,民法258条2項
当事者が土地賃借権そのものを有することの確認を求め,地代額の確認まで求めたとはいえないにもかかわらず,判決の主文で地代額を確認することの適否
最高裁判所第三小法廷平成24年1月31日平成21(受)1766集民 第239号659頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨当事者が土地賃借権そのものを有することの確認を求め,地代額の 確認まで求めたとはいえないにもかかわらず,地代額の確認をも求 めているものとして主文で地代額を確認した判決には,当事者が申し立てていない事項について判決をした違法がある。
参照法条民訴法134条,民訴法246条,民法601条
1 相続分の指定が遺留分減殺請求により減殺された場合の効果 2 特別受益に当たる贈与についてされたいわゆる持戻し免除の意思表示が遺留分減殺請求により減殺された場合における具体的相続分の算定方法
最高裁判所第一小法廷平成24年1月26日平成23(許)25集民 第239号635頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 遺留分減殺請求により相続分の指定が減殺された場合には,遺留分割合を超える相続分を指定された相続人の指定相続分が,その遺留分割合を超える部分の割合に応じて修正される。 2 特別受益に当たる贈与についてされた当該贈与に係る財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の被相続人の意思表示が遺留分減殺請求により減殺された…
参照法条(1,2につき)民法1031条 (1につき)民法902条 (2につき)民法903条
1 建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする請負契約が公序良俗に反し無効とされた事例 2 建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする公序良俗違反の請負契約に基づく本工事の施工が開始された後に施工された追加変…
最高裁判所第二小法廷平成23年12月16日平成22(受)2324集民 第238号297頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 注文者と請負人が建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする請負契約を締結した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記請負契約は,公序良俗に反し,無効である。 (1) 上記請負契約は,建築基準法所定の確認及び検査を潜脱するため,法令の規定に適合した建物の建築確認申請用図面のほかに,…
参照法条(1,2につき)民法90条,民法632条
いわゆるリボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)17条1項に規定する書面として交付する書面に個々の貸付けの時点での残元利金につき最低返済額を毎月の返済期日に返済する…
最高裁判所第一小法廷平成23年12月1日平成23(受)307集民 第238号189頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆるリボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)17条1項に規定する書面として交付する書面に個々の貸付けの時点での残元利金につき最低返済額を毎月の返済期日に返済する場合の返済期間,返済金額等の記載をしない場合は,当該貸金業者は,同項…
参照法条民法704条,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)17条1項,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)43条1項,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1…
公有地に係る土地信託契約において,受益者に対する費用補償請求権を定めた旧信託法(平成18年法律第109号による改正前のもの)36条2項本文の適用を排除する旨の合意が成立していたとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成23年11月17日平成22(受)1584集民 第238号115頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨県と信託銀行との間で,県を委託者兼受益者,信託銀行を受託者として,県がその所有する土地を信託銀行に信託譲渡し,信託銀行が建設資金等を借り入れた上で同土地上にスポーツ・レクリエーション施設を建設し,これを管理運営することを目的とする土地信託契約が締結された場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記信託契…
参照法条旧信託法(平成18年法律第109号による改正前のもの)36条2項本文,民法91条
貸金業者Yとその完全子会社である貸金業者Aの顧客Xとが,金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結するに当たり,YがXとの関係において,AのXに対する債権を承継するにとどまらず,AのXに対する債務についても全て引き受ける旨を合意したものと解された…
最高裁判所第二小法廷平成23年9月30日平成23(受)516集民 第237号655頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者Yとその完全子会社である貸金業者Aの顧客Xとが,金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結し,この際,Xが,Aとの継続的な金銭消費貸借取引における約定利息を前提とする残債務相当額をYから借り入れ,これをAに弁済してAとの取引を終了させた場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,XとYとは,上記基本契約の…
参照法条民法91条,民法703条,民法第3編第1章第4節(債務引受)
金銭消費貸借に係る基本契約が順次締結され,これらに基づく金銭の借入れと弁済が繰り返された場合において,各基本契約に当初の契約期間の経過後も当事者からの申出がない限り当該契約を2年間継続し,その後も同様とする旨の定めが置かれていることから,先…
最高裁判所第一小法廷平成23年7月14日平成23(受)332集民 第237号263頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨金銭消費貸借に係る基本契約が順次締結され,これらに基づく金銭の借入れと弁済が繰り返された場合において,先に締結された基本契約に基づく最終の弁済からその後に締結された基本契約に基づく最初の貸付けまでの間に,約1年6か月ないし約2年4か月の期間があるにもかかわらず,これらの期間を考慮することなく,各基本契約に当初の契約期間…
参照法条民法488条,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項
消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成23年7月12日平成22(受)676集民 第237号215頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,保証金から控除されるいわゆる敷引金の額が賃料月額の3.5倍程度にとどまっており,上記敷引金の額が近傍同種の建物に係る賃貸借契約に付された敷引特約における敷引金の相場に比して大幅に高額であることはうかがわれないなど判示の事実関係の下では,消費者契約法10…
参照法条消費者契約法10条,民法619条2項
貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転及び上記取引に係る過払金返還債務の承継の有無
最高裁判所第二小法廷平成23年7月8日平成22(受)1405集民 第237号159頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合において,上記債権を譲渡した業者の有する資産のうち何が譲渡の対象であるかは,上記合意の内容いかんにより,それが営業譲渡の性質を有するときであっても,借主との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位が上記債権を譲り受けた業者に当然に移転する,あるいは,当該…
参照法条民法91条,民法703条,民法第3編第1章第4節(債務引受)
貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転及び上記取引に係る過払金返還債務の承継の有無
最高裁判所第一小法廷平成23年7月7日平成22(受)1784集民 第237号139頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合において,上記債権を譲渡した業者の有する資産のうち何が譲渡の対象であるかは,上記合意の内容いかんにより,それが営業譲渡の性質を有するときであっても,借主との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位が上記債権を譲り受けた業者に当然に移転する,あるいは,当該…
参照法条民法91条,民法703条,民法第3編第1章第4節(債務引受)
土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成23年6月3日平成22(受)285集民 第237号9頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨表題部所有者の登記も所有権の登記もない土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えは,次の(1)〜(3)の事情の下では,確認の利益を欠く。 (1) 国は,当該土地が国の所有に属していないことを自認している。 (2) 国…
参照法条民訴法134条,民法239条2項
精神神経科の医師の患者に対する言動と上記患者が上記言動に接した後にPTSD(外傷後ストレス障害)と診断された症状との間に相当因果関係があるということはできないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成23年4月26日平成21(受)733集民 第236号497頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨精神神経科の医師が,過去に知人から首を絞められるなどの被害を受けたことのある患者に対し,人格に問題があり,病名は「人格障害」であると発言するなどした後,上記患者が,精神科の他の医師に対し,頭痛,集中力低下等の症状を訴え,上記の言動を再外傷体験としてPTSD(外傷後ストレス障害)を発症した旨の診断を受けたとしても,次の(…
参照法条民法416条,民法709条
信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が,遅くとも同種の集団訴訟が提起された時点から進行するとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成23年4月22日平成21(受)131集民 第236号443頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は,経営破綻の直後に,上記出資者が上記勧誘に応じて出資をした結果損害を被った事実を認識していたことに加え,次の(1)〜(3)など判示の事実関係の下においては,上記…
参照法条民法724条
貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転の有無
最高裁判所第三小法廷平成23年3月22日平成22(受)1238集民 第236号225頁
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裁判要旨貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合において,上記債権を譲渡した業者の有する資産のうち何が譲渡の対象であるかは,上記合意の内容いかんにより,それが営業譲渡の性質を有するときであっても,借主との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位が上記債権を譲り受けた業者に当然に移転すると解することはで…
参照法条民法91条,民法703条,民法第3編第1章第4節(債務引受)
妻が,夫に対し,夫との間に法律上の親子関係はあるが,妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき,離婚後の監護費用の分担を求めることが,権利の濫用に当たるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成23年3月18日平成21(受)332集民 第236号213頁
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裁判要旨妻が,夫に対し,夫との間に法律上の親子関係はあるが,妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき,離婚後の監護費用の分担を求めることは,次の(1)〜(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。 (1) 妻が,出産後程なく当該子と夫との間に自然的血縁関係がないことを知ったのに,そのことを夫に告げなかったた…
参照法条民法1条3項,民法766条1項,民法771条
香港に赴任しつつ国内にも相応の日数滞在していた者が,国外財産の贈与を受けた時において,相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)1条の2第1号所定の贈与税の課税要件である国内(同法の施行地)における住所を有していたとはいえないとされ…
最高裁判所第二小法廷平成23年2月18日平成20(行ヒ)139集民 第236号71頁
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裁判要旨香港に赴任しつつ国内にも相応の日数滞在していた者が国外財産の贈与を受けた場合において,当該贈与を受けたのが上記赴任の開始から約2年半後のことであり,通算約3年半にわたる赴任期間中の約3分の2の日数を香港の居宅に滞在して過ごし,その間に現地での業務に従事していたなど判示の事実関係の下では,上記期間中の約4分の1の日数を国…
参照法条相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)1条の2,相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)2条の2,民法22条
簡易生命保険契約の保険金受取人が無断で保険金等の支払を受けた者に対し不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において上記の者が損害の発生を否認して請求を争うことが信義誠実の原則に反し許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成23年2月18日平成21(受)216集民 第236号147頁
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裁判要旨簡易生命保険契約の保険金受取人であるXが,無断で保険金等の支払を受けたY1及びY2に対し不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において,次の(1),(2)など判示の事情の下では,上記支払が有効な弁済とはならず,Xが依然として上記保険金等の支払請求権を有しているとしても,Y1及びY2がXに損害が発生したことを否認してXの…
参照法条民法1条2項,民法478条,民法709条,民法719条,民訴法2条
抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することの可否
最高裁判所第二小法廷平成23年1月21日平成21(受)729集民 第236号27頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗すること…
参照法条民法163条,民法601条,民法605条,民事執行法59条1項,民事執行法59条2項,国税徴収法124条1項
詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するか
最高裁判所第三小法廷平成22年10月19日平成21(受)708集民 第235号93頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するものではない。 (補足意見がある。)
参照法条民法424条,民訴法246条
1 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合において,労働者災害補償保険法に基づく保険給付を受けたときに,この社会保険給付との間で損益相殺的な調整を行うべき損害 2 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後…
最高裁判所第二小法廷平成22年10月15日平成21(受)1932集民 第235号65頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合において,労働者災害補償保険法に基づく保険給付を受けたときは,この社会保険給付については,これによるてん補の対象となる特定の損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきである。 2 被害者が,不法行為によ…
参照法条(1,2につき)民法709条,労働者災害補償保険法22条の2,労働者災害補償保険法22条の3 (2につき)民法412条
法人であるYから定年により職を解く旨の辞令を受けた職員であるXがYに対し雇用契約上の地位確認及び賃金等の支払を求める訴訟において,控訴審が,X,Yともに主張していない法律構成である信義則違反の点についてXに主張するか否かを明らかにするよう促…
最高裁判所第一小法廷平成22年10月14日平成20(受)1590集民 第235号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨法人であるYから定年規程所定の65歳の定年により職を解く旨の辞令を受けた職員であるXが,Yとの間でXの定年を80歳とする旨の合意があったと主張して,Yに対し雇用契約上の地位確認及び賃金等の支払を求める訴訟において,次の(1),(2)のような訴訟の経過の下では,控訴審が,X,Yともに主張していない法律構成である信義則違反…
参照法条民訴法149条,民法1条2項
数社を介在させて順次発注された工事の最終の受注者XとXに対する発注者Yとの間におけるYが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨の合意が,Xに対する請負代金の支払につき,Yが請負代金の支払を受けることを停止条件とする旨を定めた…
最高裁判所第一小法廷平成22年10月14日平成21(受)976集民 第235号21頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨数社を介在させて順次発注された工事の最終の受注者XとXに対する発注者Yとの間におけるYが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨の合意は,上記工事が一部事務組合から発注された公共事業に係るものであって,同組合からの請負代金の支払は確実であったなど判示の事情の下においては,Xに対する請負代金の支払につき,Y…
参照法条民法127条1項,民法135条1項,民法632条
土地の賃貸人及び転貸人が,転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し,借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知する旨の条項を含む念書を差し入れた場合において,賃貸人及び転貸人が地代不払の事実を土地の転貸借契約の解除に先立ち根抵当権者…
最高裁判所第一小法廷平成22年9月9日平成21(受)1661集民 第234号385頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地の賃貸人及び転貸人が,転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し,借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知する旨の条項を含む念書を差し入れた場合において,次の(1)〜(3)など判示の事実関係の下では,賃貸人及び転貸人は,上記念書の内容等につき根抵当権者から直接説明を受けておらず,上記念書を差し入れるに当たり…
参照法条民法1条2項,民法415条,民法第3編第2章 契約
請負人の製造した目的物が,注文者から別会社を介してユーザーとリース契約を締結したリース会社に転売されることを予定して請負契約が締結され,目的物がユーザーに引き渡された場合において,注文書に「ユーザーがリース会社と契約完了し入金後払い」等の記…
最高裁判所第三小法廷平成22年7月20日平成21(受)309集民 第234号323頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨請負人の製造した目的物が,注文者から別会社を介してユーザーとリース契約を締結したリース会社に転売されることを予定して請負契約が締結され,目的物がユーザーに引き渡された場合において,注文者が請負人に交付した注文書に「支払いについて,ユーザーがリース会社と契約完了し入金後払いといたします。手形は,リース会社からの廻し手形と…
参照法条民法127条1項,民法135条1項,民法632条,民訴法247条
A社が事業再編計画の一環としてB社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,A社の取締役に上記株式の買取価格の決定について善管注意義務違反はないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成22年7月15日平成21(受)183集民 第234号225頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産賃貸あっせんのフランチャイズ事業等を展開するA社が,事業再編計画の一環としてB社を完全子会社とする目的で同社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,株式交換に備えて算定された上記株式の評価額が1株当たり6561円ないし1万9090円であったとしても,上記株式の買取…
参照法条会社法
330条〈株式会社と役員等との関係〉,会社法
355条〈忠実義務〉,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉,会社法
847条〈株主による責任追及等の訴え〉,民法644条
葬儀場の営業を行う業者が,その近隣に居宅を共有してこれに居住する者に対し,上記居宅から葬儀場の様子が見えないようにするための目隠しを設置する措置を更に講ずべき義務も,葬儀場の営業についての不法行為責任も負わないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成22年6月29日平成21(受)1709集民 第234号159頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨葬儀場の営業を行う業者は,その近隣に上記営業の開始前から建っている居宅から,告別式等の参列者が葬儀場に参集する様子や棺が搬入又は搬出される様子等が見えることにより,上記居宅を共有してこれに居住する者が強いストレスを感じているとしても,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,上記の者に対し,上記居宅から葬儀場の様…
参照法条民法2条,民法709条,憲法13条
更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することが信義則に反しないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成22年6月4日平成20(受)2114集民 第234号111頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することは,(1)上記貸金業者の発行したカードは従前どおり使用することができる旨の社告が新聞に掲載された際に,上記貸金業者において,過払金返還請求権につき債権の届出をしないと更生会社がその責めを免れ…
参照法条民法1条2項,旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)241条,会社更生法204条1項
1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たるか 2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員に対して会社がした普通解雇が,当該従業員に対する…
最高裁判所第三小法廷平成22年5月25日平成21(オ)1727集民 第234号99頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たらない。 2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員が,その勤務態度は他の従業員や取引先から会社に対し苦情が寄せられるほどであり,これはその飲酒癖に起因するものであったのに,代…
参照法条(1につき)民訴法23条1項6号,労働審判法20条1項,労働審判法22条(2につき)民法709条,労働基準法(平成19年法律第128号による改正前のもの)18条の2,労働契約法16条
1 甲乙の共有に属する不動産につき甲乙丙を共有者とする所有権保存登記がされている場合における,甲の丙に対する上記登記のうち丙の持分に関する部分の抹消登記手続請求は,更正登記手続を求める趣旨を含むか 2 甲乙の共有に属する不動産につき甲乙丙を…
最高裁判所第三小法廷平成22年4月20日平成21(オ)1408集民 第234号49頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 甲乙の共有に属する不動産につき,甲乙丙を共有者とする所有権保存登記がされている場合における,甲の丙に対する上記登記のうち丙の持分に関する部分の抹消登記手続請求は,上記部分を実体的権利に合致させるための更正登記手続を求める趣旨を含むものと解することができる。 2 甲乙の共有に属する不動産につき,甲乙丙を共有者とする所…
参照法条(1,2につき)不動産登記法66条,不動産登記法67条(1につき)民訴法246条,不動産登記法68条(2につき)民法249条
専願等を資格要件としない大学の推薦入学試験に合格した者が入学年度開始後に在学契約を解除した場合において,いわゆる授業料等不返還特約が有効とされた事例
最高裁判所第三小法廷平成22年3月30日平成21(受)1232集民 第233号353頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨専願等を資格要件としない大学の平成18年度の推薦入学試験に合格し,初年度に納付すべき範囲内の授業料等を納付して,当該大学との間で納付済みの授業料等は返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が,入学年度開始後である平成18年4月5日に同契約を解除した場合において,学生募集要項に,一般入学試験の補欠者とされた者につ…
参照法条消費者契約法9条,民法420条,学校教育法6条
貸金業を営む株式会社の従業員が会社の貸金の原資に充てると欺罔して金員を詐取した行為が会社の事業の執行についてされたというための要件
最高裁判所第三小法廷平成22年3月30日平成21(受)1780集民 第233号373頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業を営む株式会社の従業員が会社の貸金の原資に充てると欺罔して第三者から金員を詐取した行為が会社の事業の執行についてされたものであるというためには,貸金の原資の調達が使用者である会社の事業の範囲に属するというだけでなく,これが客観的,外形的にみて,被用者である当該従業員が担当する職務の範囲に属するものでなければならな…
参照法条民法715条
市が,職員の福利厚生のための事業を委託している社団法人に支払った補給金のうち退職した職員に対する退会給付金等の給付に充てられた部分につき,同法人に対し不当利得金の返還請求権を有していた場合において,同法人から退会給付金制度の廃止により不要と…
最高裁判所第一小法廷平成22年3月25日平成21(行ヒ)42集民 第233号295頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨市が,職員の福利厚生のための事業を委託している社団法人に支払った補給金のうち退職した職員に対する退会給付金等の給付に充てられた部分につき,同法人に対し不当利得金の返還請求権を有していた場合において,同法人から退会給付金制度の廃止により不要となった補給金を清算する趣旨で支払われた金員を上記不当利得金の返還債務に充当する旨…
参照法条民法488条,地方自治法242条の2第1項4号
学校法人の理事長AがBとの間で,Aを始めとする同法人の旧理事らは辞任し,同法人の理事会においてB及びその推薦する者を後任の理事に選任する決議をすること,Bの責任において,同法人の借入金債務について,債権者である金融機関と交渉して旧理事らの連…
最高裁判所第一小法廷平成22年3月18日平成20(受)1392集民 第233号255頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨学校法人の理事長AがBとの間で,Aを始めとする同法人の旧理事らは辞任し,同法人の理事会においてB及びその推薦する者を後任の理事に選任する決議をすること,Bの責任において,同法人の借入金債務について,債権者である金融機関と交渉して旧理事らの連帯保証債務を免れさせることなどを合意し,これに従い旧理事らが辞任の意思表示及び理…
参照法条民法95条
複数の債権の全部を消滅させるに足りない弁済を受けた債権者が,特約に基づく充当指定権を行使することが許されないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成22年3月16日平成20(受)1459集民 第233号205頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨複数の債権の全部を消滅させるに足りない弁済を受けた債権者が,上記弁済を受けてから1年以上が経過した時期に初めて,債権者において任意の時期に弁済充当の指定ができる旨の特約に基づく充当指定権を行使する旨を主張するに至ったなど判示の事実関係の下においては,上記充当指定権の行使は,法的安定性を著しく害するものとして許されない。…
参照法条民法488条
A社の財務部門を法人化して設立され,A社を中核とするグループに属するX社が,上記グループに属するB社に金員を貸し付け,B社の代表取締役であるYがこの貸付けに係るB社の借入金債務を保証した場合において,B社が既に事業を停止している状況下で,X…
最高裁判所第二小法廷平成22年1月29日平成19(受)2065集民 第233号33頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨A社の財務部門を法人化して設立され,A社を中核とするグループに属するX社が,上記グループに属するB社に金員を貸し付け,B社の代表取締役であるYがこの貸付けに係るB社の借入金債務を保証した場合において,B社が既に事業を停止している状況下で,X社がYに対して保証債務の履行を請求することは,次の(1)〜(5)など判示の事情の…
参照法条民法1条3項,民法446条
共有者の1人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として所得税の額を過大に申告しこれを納付した場合における事務管理の成否
最高裁判所第三小法廷平成22年1月19日平成21(受)96集民 第233号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共有者の1人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として不動産所得の金額を計算し,納付すべき所得税の額を過大に申告してこれを納付したとしても,他人のために事務を管理したということはできず,事務管理は成立しない。
参照法条民法697条
株式会社が株主総会の決議等を経ることなく退任取締役に支給された退職慰労金相当額の金員につき不当利得返還請求をすることが信義則に反せず権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成21(受)233集民 第232号803頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社が退任取締役に対し株主総会の決議等を経ることなく支給された退職慰労金相当額の金員につき不当利得返還請求をする場合において,(1)当該会社では発行済株式総数の99%以上を保有する代表者が内規に基づく退職慰労金の支給を決裁することにより株主総会の決議に代えてきた,(2)退任取締役が上記内規に基づく退職慰労金の支給を…
参照法条民法1条2項,民法1条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)269条,会社法
361条〈取締役の報酬等〉 更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することが,信義則に反せず,権利の濫用にも当たらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成21年12月4日平成21(受)319集民 第232号529頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することは,管財人又は更生会社が,顧客に対し,過払金返還請求権が発生している可能性があることやその届出をしないと更正会社がその責めを免れることにつき注意を促さず,保全管理人が上記貸金業者の発行したカ…
参照法条民法1条2項,民法1条3項,旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)241条,会社更生法204条1項
農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,その交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進め…
最高裁判所第二小法廷平成21年11月27日平成19(受)1503集民 第232号393頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,補助金の交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進めた場合において,代表理事が,(1)理事会において,それまでの説明に出ていなか…
参照法条農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)33条1項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)33条2項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)39条1項,農業協同組合法(平成17年法律…
1 賃借人が,借地上の建物の建て替えに当たり賃貸人から得た承諾とは異なる持分割合で新築建物を他の者らの共有とすることを容認して借地を無断転貸したことにつき,賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとされた事例 2 賃借人が,…
最高裁判所第二小法廷平成21年11月27日平成20(受)1340集民 第232号409頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 賃借人が,借地上の建物を建て替えるに当たり,賃貸人から得た承諾とは異なる持分割合で新築建物を他の者らの共有とすることを容認し,これに伴い共有者の1人において上記承諾を超える持分を取得した限度で借地を無断転貸したとしても,次の(1)〜(3)など判示の事情の下においては,賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事…
参照法条民法612条2項
A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資をした後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,上記つな…
最高裁判所第二小法廷平成21年11月27日平成19(受)1056集民 第232号353頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資として9億5000万円を融資した後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,県のB社に対する融資により回収することを予定していた上記つなぎ…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条,民法644条,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉,会社法
847条〈株主による責任追及等の訴え〉 民法900条4号ただし書前段と憲法14条1項
最高裁判所第二小法廷平成21年9月30日平成20(ク)1193集民 第231号753頁
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裁判要旨民法900条4号ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法14条1項,民法900条
貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成21年9月11日平成19(受)1128集民 第231号495頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者が,借主に対し,元利金の支払を怠ったときは当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下に3回にわたり金銭の貸付けを行い,各貸付けにつき借主が期限の利益を喪失した後に,一部弁済を受領する都度,弁済金を遅延損害金のみ又は遅延損害金と元金の一部に充当した旨記載した領収書兼利用明細書を交付していた場合において,次の(1)〜(…
参照法条民法1条2項,民法136条
貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成21年9月11日平成21(受)138集民 第231号531頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者が,借主に対し,元利金の支払を怠ったときは当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下に金銭の貸付けを行い,借主が期限の利益を喪失した後に,一部弁済を受領する都度,弁済金を遅延損害金と残元本の一部に充当した旨記載した領収書兼利用明細書を送付していた場合であっても,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,貸金業…
参照法条民法1条2項,民法136条
いわゆる過払金充当合意を含む基本契約に基づく金銭消費貸借の借主が利息制限法所定の制限を超える利息の支払を継続したことにより過払金が発生した場合における,民法704条前段所定の利息の発生時期
最高裁判所第二小法廷平成21年9月4日平成21(受)1192集民 第231号477頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる過払金充当合意(過払金発生当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意)を含む基本契約に基づく金銭消費貸借の借主が利息制限法所定の制限を超える利息の支払を継続したことにより過払金が発生した場合においても,悪意の受益者である貸主は過払金発生の時から民法704条前段所…
参照法条民法704条前段,利息制限法1条1項
自動車の買主が,当該自動車が車台の接合等により複数の車台番号を有することが判明したとして,錯誤を理由に売買代金の返還を求めたのに対し,売主が移転登録手続との同時履行を主張することが信義則上許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成21年7月17日平成19(受)315集民 第231号419頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Xが,Yから購入して転売した自動車につき,Yから転売先に直接移転登録がされた後,車台の接合等により複数の車台番号を有するものであったことが判明したとして,Yに対し錯誤による売買契約の無効を理由に売買代金の返還を求めた場合において,Yは本来新規登録のできない上記自動車について新規登録を受けた上でこれをオークションに出品し…
参照法条民法1条2項,民法533条
期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の…
最高裁判所第三小法廷平成21年7月14日平成20(受)1729集民 第231号357頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を初めて否定した最高裁平成16年(受)第1518号同18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益…
参照法条民法136条,民法704条,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)43条1項,利息制限法1条1項
株式会社の取締役等の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合における訴えの利益の消長
最高裁判所第二小法廷平成21年4月17日平成20(受)951集民 第230号395頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の取締役又は監査役の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けても,上記訴訟についての訴えの利益は当然には消滅しない。
参照法条会社法
830条〈株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え〉,破産法30条,民法653条,民訴法第2編第1章訴え
貸金業者が,借主に対し,期限の利益の喪失を宥恕し,再度期限の利益を付与したとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成21年4月14日平成19(受)996集民 第230号353頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者が,貸付けに係る債務につき,借主が期限の利益を喪失した後に,借主に対して残元利金の一括支払を請求せず,借主から長期間多数回にわたって分割弁済を受けていた場合において,貸金業者が,債務の弁済を受けるたびに受領した金員を利息ではなく損害金へ充当した旨記載した領収書兼利用明細書を交付していたから,期限の利益の喪失を宥…
参照法条民法136条
継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合における,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第二小法廷平成21年3月6日平成20(受)1170集民 第230号209頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,借入金債務につき利息制限法1条1項所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生したときには,弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合は,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は,特段の事情がない限…
参照法条民法166条1項,民法703条,利息制限法1条1項
継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合における,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第三小法廷平成21年3月3日平成20(受)543集民 第230号167頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,借入金債務につき利息制限法1条1項所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生したときには,弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合は,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は,特段の事情がない限…
参照法条民法166条1項,民法703条,利息制限法1条1項
株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意が有効とされた事例
最高裁判所第三小法廷平成21年2月17日平成20(受)1207集民 第230号117頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる持株会が採用した株式譲渡ルールに従い,株式会社の従業員が持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意は,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,会社法
107条〈株式の内容についての特別の定め〉及び127条の規定に反するものではなく,公序良俗にも反せず,有…
参照法条会社法
107条〈株式の内容についての特別の定め〉,会社法
127条〈株式の譲渡〉,民法90条,(日刊新聞法)日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律1条
痴漢の虚偽申告を理由とするXのYに対する損害賠償請求訴訟において,目撃者が見付からない場合に,これに準ずる立場にある者の証人尋問を実施せず,Yの供述の信用性を肯定して,Xが痴漢行為をしたと認めた原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年11月7日平成19(受)1878集民 第229号151頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨電車内でXから痴漢行為を受けた旨のYの警察官に対する申告が虚偽であることを理由としてXがYに損害賠償を求める訴訟において,目撃者が見付からない場合に,(1)痴漢行為があったとYが主張する時点の前後にかけてYと電話をしていたAが電話を通して聞いたXとYの発言についてのAの検察官に対する供述内容が,Yの供述と整合しない一方…
参照法条民法709条,民訴法181条,民訴法247条
交通事故の加害者Yが被害者Xに賠償すべき人的損害の額の算定に当たり,Xの父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づきXが支払を受けた保険金の額を控除した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成20年10月7日平成20(受)12集民 第229号19頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Yが運転する車両との衝突事故により傷害を負ったXが,Xの父が保険会社との間で締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づき保険金の支払を受けた場合において,上記保険金の支払をもってYの損害賠償債務の履行と同視することはできないこと,上記保険契約にはいわゆる代位に関する約定があり,上記保険会社は上記保険金の支払によ…
参照法条民法709条,民法722条2項,商法662条
都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている者につき,同テントの所在地に住所を有するものとはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年10月3日平成19(行ヒ)137集民 第229号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Xが,都市公園法に違反して,都市公園内に不法に設置されたキャンプ用テントを起居の場所とし,公園施設である水道設備等を利用して日常生活を営んでいるなど原判示の事実関係の下においては,Xは,上記テントの所在地に住所を有するものとはいえない。
参照法条住民基本台帳法4条,住民基本台帳法23条,地方自治法10条1項,民法22条,都市公園法6条1項
コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンの運営者が,加盟店に代わって支払った商品仕入代金の具体的な支払内容について,加盟店に報告すべき義務を負うとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年7月4日平成19(受)1401集民 第228号443頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンを運営するYとその加盟店の経営者であるXとの間の加盟店基本契約に,XがYの推薦する仕入先からYの提供する発注システムにより商品を仕入れたときはYがXに代わってその委託に基づき商品の仕入代金を支払う旨の定めがあり,これによって仕入代金が支払われたときの支払内容に関するYから…
参照法条民法91条,民法645条,民法656条
Aが運転しBが同乗する自動二輪車とパトカーとが衝突しBが死亡した交通事故につき,Bの相続人がパトカーの運行供用者に対し損害賠償を請求する場合において,過失相殺をするに当たり,Aの過失をBの過失として考慮することができるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年7月4日平成19(受)1386集民 第228号399頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Aが運転しBが同乗する自動二輪車と,これを停止させる目的で前方の路上に停車していたパトカーとが衝突し,Bが死亡した交通事故につき,Bの相続人が上記パトカーの運行供用者に対し損害賠償を請求する場合において,(1)AとBは,上記交通事故の前に上記自動二輪車を交代で運転しながら共同して暴走行為を繰り返し,上記パトカーに追跡さ…
参照法条民法722条2項
Yが投資資金名下にXから金員を騙取した場合に,Xからの不法行為に基づく損害賠償請求においてYが詐欺の手段として配当金名下にXに交付した金員の額を損益相殺等の対象としてXの損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されな…
最高裁判所第三小法廷平成20年6月24日平成19(受)1146集民 第228号385頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Yが自己を介して米国債を購入すれば高額の配当金を得ることができると架空の事実を申し向けてXから金員を騙取した場合において,Yが,詐欺の発覚を防ぎ,更なる詐欺を実行するための手段として,あたかも米国債を購入して配当金を得たかのように装い,配当金名下にXに金員を交付したという事情の下では,XのYに対する不法行為に基づく損害…
参照法条民法708条,民法709条,刑法246条1項
採石権侵害の不法行為を理由とする損害賠償請求事件において,損害の発生を前提としながら,民訴法248条の適用について考慮することなく,損害額を算定することができないとして請求を棄却した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成20年6月10日平成18(受)265集民 第228号181頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨採石権侵害の不法行為を理由とするXのYに対する損害賠償請求事件において,Xが採石権を有する土地でYが採石したとの事実が認定されており,これによればXに損害が発生したことは明らかである以上,上記採石行為の後,Yが当該土地につき採石権を取得して適法に採石したため,Yの違法な行為による採石量と適法な行為による採石量とを明確に…
参照法条民訴法248条,民法709条
婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことと憲法32条
最高裁判所第三小法廷平成20年5月8日平成19(ク)1128集民 第228号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が,抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことは,憲法32条所定の「裁判を受ける権利」を侵害したものとはいえない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法32条,民法760条,家事審判法7条,家事審判法9条1項乙類3号,家事審判規則18条,非訟事件手続法25条,民訴法289条1項,民訴法331条本文
業務上の過重負荷と基礎疾患とが共に原因となって従業員が死亡した場合において,使用者の不法行為を理由とする損害賠償の額を定めるに当たり,使用者による過失相殺の主張が訴訟上の信義則に反するとして民法722条2項の規定を類推適用しなかった原審の判…
最高裁判所第一小法廷平成20年3月27日平成18(受)1870集民 第227号585頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨業務上の過重負荷と従業員Aの基礎疾患とが共に原因となってAが急性心筋虚血により死亡した場合において,(1)Aは,虚血性心疾患の危険因子となる家族性高コレステロール血症にり患し,冠状動脈の2枝に障害があり,陳旧性心筋梗塞の合併症を有していたこと,(2)使用者は,原審(控訴審)において初めて過失相殺の主張をしたが,第1審の…
参照法条民法722条2項,民訴法2条
大韓民国の国籍を有するAとその嫡出子として同国の戸籍に記載されているYとの間の実親子関係についてAの子であるXらが不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に,同国の民法の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成20年3月18日平成18(受)2056集民 第227号571頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨大韓民国の国籍を有するAの嫡出子として同国の戸籍に記載されているYがAの実子ではない場合において,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,これらの事情を十分検討することなく,Aの子であるXらがAとYとの間の実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,同国の民法の解釈適用を誤った違…
参照法条大韓民国民法2条2項,大韓民国民法865条1項,民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
保険契約に適用される約款に基づく履行期が合意によって延期されたと認められ,保険金請求権の消滅時効の起算点がその翌日となるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成20年2月28日平成19(受)733集民 第227号371頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自家用自動車総合保険契約の被保険者が保険会社に対し車両保険金の支払を請求し,その保険契約に適用される約款に基づく履行期が到来した場合に,保険会社から被保険者に対し,その請求についてはなお調査中であり,調査に協力を求める旨記載した書面(協力依頼書)が送付され,その後,保険会社から被保険者に対し,調査への協力には感謝するが…
参照法条商法663条,民法166条1項
1 銀行が,第三者割当増資を計画する企業から新株引受先として予定された当該企業の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例 2 銀行が,積…
最高裁判所第二小法廷平成20年1月28日平成17(受)1440集民 第227号105頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 A銀行が,第三者割当増資を計画するB社から,発行する新株の相当部分を引き受ける予定のB社の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下では,A銀行の取締役らが上記求めに応じて融資を決定したことは,当該融資が,A銀行が当時採用していた企業育成路線の一…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,民法644条,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉 郵政事務官として採用された者が,禁錮以上の刑に処せられたという失職事由が発生した後も約26年11か月にわたり事実上勤務を継続した場合に,国(旧日本郵政公社,郵便事業株式会社が逐次その地位を承継)において上記の者が国家公務員法76条,38条2…
最高裁判所第一小法廷平成19年12月13日平成18(行ツ)171集民 第226号507頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨郵政事務官として採用された者が,禁錮以上の刑に処せられたという失職事由が発生した後も約26年11か月にわたり勤務を継続した場合に,国(旧日本郵政公社,郵便事業株式会社が逐次その地位を承継)において上記の者が国家公務員法76条,38条2号に基づき失職した旨を主張することは,上記の者が上記失職事由の発生を隠して事実上勤務を…
参照法条国家公務員法38条2号,国家公務員法76条,民訴法2条,民法1条2項,民法1条3項
会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成19年11月16日平成19(受)478集民 第226号317頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の従業員であった者が退職して執行役員に就任し,その後退任した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,会社が従前支給してきた内規所定の金額の退職慰労金は,功労報償的な性格が極めて強く,執行役員退任の都度,代表取締役の裁量的判断により支給されてきたにすぎないものであり,上記の者が会社に対し退職慰労金の支…
参照法条民法623条,民法643条,民法648条1項,労働基準法11条,労働基準法89条3号の2
貸金業者が利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領したことにつき貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用が認められない場合と民法704条の「悪意の受益者」
最高裁判所第三小法廷平成19年7月17日平成18(受)1666集民 第225号201頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業者が利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領したが,その受領につき貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用が認められないときは,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情がある場合でない限り,民法704条の「悪意の受…
参照法条民法704条,貸金業の規制等に関する法律43条1項,利息制限法1条1項
利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領した貸金業者が,判例の正しい理解に反して貸金業の規制等に関する法律18条1項に規定する書面の交付がなくても同法43条1項の適用があるとの認識を有していたとしても,民法704条の「悪意の受益者」で…
最高裁判所第二小法廷平成19年7月13日平成18(受)276集民 第225号103頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領した貸金業者が,その預金口座への払込みを受けた際に貸金業の規制等に関する法律18条1項に規定する書面を債務者に交付していなかったために同法43条1項の適用を受けられない場合において,当該貸金業者が,事前に債務者に約定の各回の返済期日及び返済金額等を記載した償還表を交付してい…
参照法条民法704条,貸金業の規制等に関する法律18条1項,貸金業の規制等に関する法律43条1項,利息制限法1条1項
1 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分が無効とされた事例 2 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた…
最高裁判所第二小法廷平成19年7月13日平成18(受)347集民 第225号117頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,同教授の地元新聞紙上における発言等を理由として戒告処分をした場合において,上記発言が新聞紙上に掲載されても上記学校法人の社会的評価の低下毀損を生じさせるとは認め難いなど判示の事情の下では,上記戒告処分は懲戒権を濫用するものとして無効である。 2 学校法人が,そ…
参照法条(1につき)労働基準法89条 (2,3につき)民法623条,労働基準法第2章 労働契約 (2につき)民訴法134条
信用保証協会を債権者とし被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に,信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれるか
最高裁判所第一小法廷平成19年7月5日平成18(受)597集民 第225号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨信用保証協会を債権者とし被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に,信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれない。
参照法条民法398条の2第2項,民法446条,民法643条,信用保証協会法20条1項
該当する裁判例がありません。