概要
原文解釈- 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合、その事実の有無は代理人について決する。
- 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合も、その事実の有無は代理人について決する。
- 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。
- 本人が過失によって知らなかった事情についても、同様に代理人が知らなかったことを主張することができない。
第101条 代理行為における瑕疵の判断主体
原文解釈横スクロールできます| 項 | 場面 | 判断対象となる事実 | 基準となる者 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1項 | 代理人が相手方に対してした意思表示 | 意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったこと | 代理人 | その事実の有無は代理人について決する |
| 第2項 | 相手方が代理人に対してした意思表示 | 意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったこと | 代理人 | その事実の有無は代理人について決する |
| 第3項前段 | 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたとき | 本人が自ら知っていた事情 | 本人 | 本人は代理人が知らなかったことを主張することができない |
| 第3項後段 | 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたとき | 本人が過失によって知らなかった事情 | 本人 | 同様に主張することができない |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法機器引渡請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和45(オ)84
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和47年11月21日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第26巻9号1657頁
- 参照法条
- 民法101条,民法192条
- 判示事項
- 即時取得と法人の善意・無過失
裁判要旨法人における民法一九二条の善意・無過失は、その法人の代表者について決するが、代理人が取引行為をしたときは、その代理人について決すべきである。
実務注記
原文解釈- 代理人が行った意思表示の瑕疵は代理人基準代理人が相手方にした意思表示について、意思の不存在・錯誤・詐欺・強迫の有無、及び事情の知・不知につき過失があったかどうかは、代理人について決する(第1項)。
- 代理人が受けた意思表示の瑕疵も代理人基準相手方が代理人にした意思表示の効力が、事情の知・不知又はその過失によって影響を受ける場合も、その事実の有無は代理人について決する(第2項)。
- 特定行為の委託がある場合、本人は自ら知る事情を代理人不知として主張できない特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人が自ら知っていた事情について、代理人が知らなかったことを主張することができない(第3項前段)。
- 本人の過失による不知も同様に扱われる本人が過失によって知らなかった事情についても、代理人が知らなかったことを主張することができない(第3項後段)。
- 第3項の適用は「特定の法律行為をすることを委託された代理人」の場合に限定第3項の主張制限が働くのは、特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をした場合に限られる。
条文原文
原文ママ民法 第101条(代理行為の瑕疵)
(代理行為の瑕疵)
第百一条代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
3特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第101条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。