この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 本条は、権限の定めのない代理人がすることができる行為の範囲を定める規定である。
- 権限の定めのない代理人は、保存行為をする権限を有する。
- 権限の定めのない代理人は、代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為をする権限を有する。
- 本条に掲げる行為のみをする権限を有すると定められている。
権限の定めのない代理人がすることができる行為(民法第103条)
原文解釈横スクロールできます| 号 | 行為の類型 | 内容・範囲 |
|---|---|---|
| 一 | 保存行為 | (条文上、内容の限定なし) |
| 二 | 利用又は改良を目的とする行為 | 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法建物収去土地明渡請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和46(オ)474
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和47年9月1日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第26巻7号1289頁
- 参照法条
- 民訴法50条,民訴法54条,民訴法87条,民訴法395条2項,民法28条,民法103条
- 判示事項
- 一、上告審と無権代理人の訴訟行為の追認 二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人の上訴権限
裁判要旨一、権限のある代理人は、上告審において、上告審および控訴審における無権代理人の訴訟行為を追認することができる。
二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人は、民法二八条所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対し控訴を提起し、その控訴を不適法として却下した第二審判決に対し上告を提起する権限を有する。
二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人は、民法二八条所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対し控訴を提起し、その控訴を不適法として却下した第二審判決に対し上告を提起する権限を有する。
民法建物収去土地明渡請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和46(オ)773
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和47年7月6日 棄却
- 登載
- 民集 第26巻6号1133頁
- 参照法条
- 民法28条,民法103条,民法907条2項,家事審判規則106条1項
- 判示事項
- 家事審判規則一〇六条一項の相続財産管理人の応訴権限
裁判要旨家庭裁判所が家事審判規則一〇六条一項により選任する相続財産管理人は、相続財産に関して提起された訴につき、相続人の法定代理人として、家庭裁判所の許可なくして応訴することができるものと解すべきである。
民法建物及動産所有権確認並右明渡及引渡等請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和24(オ)348
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和28年12月28日 棄却
- 登載
- 民集 第7巻13号1683頁
- 参照法条
- 民法103条,民法110条
- 判示事項
- 一 戦災による損害回避の目的をもつてする家屋及物件の売却換価は保存行為にあたるか 二 民法第一一〇条の代理権ありと信ずべき正当の理由に当らない一事例
裁判要旨一 戦災による滅失を見越し、害屋及物件を売却することは、たとえ罹災による損害を回避し経済的価値保存の目的に出でた場合であつても財産自体の性質上の滅損を防止する場合と異り、保存行為にはあたらない。
二 夫が応召不在中、妻が無断で夫を代理し夫所有の家屋及物件の売買契約を締結した場合、たとえ当時妻が夫の印章を保管しこれを使用していた事実があつたとしても、買主において夫が応召不在中であることを知つていたときは、買主は、右売買契約の締結につき妻に夫を代理する権限ありと信ずべき正当の理由があるということはできない。
二 夫が応召不在中、妻が無断で夫を代理し夫所有の家屋及物件の売買契約を締結した場合、たとえ当時妻が夫の印章を保管しこれを使用していた事実があつたとしても、買主において夫が応召不在中であることを知つていたときは、買主は、右売買契約の締結につき妻に夫を代理する権限ありと信ずべき正当の理由があるということはできない。
実務注記
原文解釈- 権限の定めのない代理人であることの確認本条は「権限の定めのない代理人」を対象とする規定であるため、代理権の範囲が別途定められている場合には本条の適用対象か確認する必要がある。
- できる行為は次に掲げる行為のみ条文は「次に掲げる行為のみをする権限を有する」としており、第一号(保存行為)及び第二号(利用又は改良を目的とする行為)の二類型に限定されている。
- 保存行為の該当性第一号の保存行為に該当するかどうかを確認する。
- 性質を変えない範囲内かどうかの確認第二号の利用又は改良を目的とする行為は、「代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内」であることが要件とされている。
- 利用・改良の目的であることの確認第二号は「その利用又は改良を目的とする行為」であることを要件としており、目的の該当性を確認する。
条文原文
原文ママ民法 第103条(権限の定めのない代理人の権限)
(権限の定めのない代理人の権限)
第百三条権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一保存行為
二代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第103条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。