民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第163条所有権以外の財産権の取得時効

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原文整理テーマ別まとめ
時効/取得時効ステップ 1 / 1 取得時効取得時効について、条文は何を定めているか。所有権ステップ 1 / 1 所有権所有権について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 所有権以外の財産権について、取得時効の制度を定める規定である。
  • 自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と当該財産権を行使することが要件となる。
  • 前条(第162条)の区別に従い、20年又は10年の経過により当該権利を取得する。
  • 時効期間の起算点や善意無過失等の区別は前条の定めによる。

所有権以外の財産権の取得時効の要件

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対象主観的要件行使態様1行使態様2時効期間効果
所有権以外の財産権自己のためにする意思をもって平穏に公然と前条の区別に従い二十年又は十年その権利を取得する

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法建物収去土地明渡
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和53(オ)719
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年12月14日 棄却
登載
民集 第32巻9号1658頁
参照法条
民法163条,民法601条,民法612条
判示事項
土地賃借権の無断譲受人による土地の使用が賃借意思に基づくものではないとして賃借権の時効取得が否定された事例
裁判要旨土地賃借権の無断譲受人が、土地の引渡を受けながら賃貸人に賃料を支払つたことがなく、また、賃貸人に賃借権譲渡の承諾を求めたが拒絶され、かえつて譲渡人との賃貸借契約は既に解除ずみであるとして土地の明渡を求められ、その後にいたつて賃料の弁済供託を開始したなど、判示の事実関係のもとにおいては、譲受人が賃借意思に基づいて土地の使用を継続したものということはできず、賃借権の時効取得を認めることはできない。
民法建物収去土地明渡本訴ならびに所有権確認等反訴請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和43(オ)795
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年11月26日 棄却
登載
民集 第25巻8号1365頁
参照法条
特別都市計画法13条,特別都市計画法14条,土地区画整理法99条,民法162条,民法163条
判示事項
換地予定地指定通知後の従前の土地の占有と従前の土地に対する所有権地上権または賃借権の取得時効の成否
裁判要旨特別都市計画法一三条所定の換地予定地の指定通知が従前の土地の所有者に対してなされたのちにおいては、当該換地予定地を占有するのでなければ、従前の土地を占有したからといつて、その従前の土地の所有権地上権または賃借権を時効によつて取得することはできない。
民法建物収去等請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和41(オ)1176
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年12月15日 破棄差戻
登載
民集 第24巻13号2051頁
参照法条
民法163条,民法601条
判示事項
土地賃借権の時効取得が認められるとされた事例
裁判要旨寺院境内地についての賃貸借契約が当時の法令に違反し無効とされる場合であつても、その賃借人が、右契約に基づき平穏公然に目的土地の占有と継続し、その間寺院に約定の賃料の支払を続けていたときは、賃借人は、有効な賃貸借契約に基づく場合と同様の賃借権を時効により取得することができる。

実務注記

原文解釈
  1. 対象は「所有権以外の財産権」条文上、時効取得の対象は所有権以外の財産権とされている。
  2. 自己のためにする意思の要否自己のためにする意思をもって当該財産権を行使していることが要件とされている。
  3. 平穏かつ公然の行使平穏に、かつ、公然と行使することが要件とされている。
  4. 期間は前条の区別による二十年又は十年のいずれによるかは、前条(第162条)の区別に従う。

条文原文

原文ママ
民法 第163条(所有権以外の財産権の取得時効)
(所有権以外の財産権の取得時効)
第百六十三条所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。

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