民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第162条所有権の取得時効

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原文整理テーマ別まとめ
時効/取得時効ステップ 1 / 1 取得時効取得時効について、条文は何を定めているか。所有権ステップ 1 / 1 所有権所有権について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
  • 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者も、所有権を取得しうる。
  • 十年間の占有による取得の場合は、占有開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったことが要件となる。
  • 二十年間の占有による取得については、占有開始時の善意・無過失は条文上要件とされていない。
  • いずれも占有の対象は「他人の物」である。

第162条の要件(所有権の取得時効)

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区分占有期間占有の態様占有開始時の要件対象効果
第1項二十年間所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と(条文上の定めなし)他人の物その所有権を取得する
第2項十年間所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったこと他人の物その所有権を取得する

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法所有権移転登記手続
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和58(オ)1064
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年5月25日 その他
登載
民集 第38巻7号764頁
参照法条
民法162条2項,農地調整法(昭和24年法律215号による改正前のもの)4条1項,農地調整法(昭和24年法律215号による改正前のもの)4条3項,農地法3条1項,農地法3条4項
判示事項
農地の取得時効につき無過失であつたとはいえないとされた事例
裁判要旨農地の譲受人が、当該譲渡について必要な農地調整法(昭和二四年法律第二一五号による改正前のもの)四条一項所定の知事の許可を受けていないときは、特段の事情のない限り、右農地を占有するに当たつてこれを自己の所有と信じても、無過失であつたとはいえない。
民法土地所有権移転登記手続
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和57(オ)548
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年3月24日 破棄差戻
登載
民集 第37巻2号131頁
参照法条
民法162条,民法186条1項,民訴法185条
判示事項
民法一八六条一項の所有の意思の推定が覆される場合
裁判要旨民法一八六条一項の所有の意思の推定は、占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は占有者が占有中、真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかつたなど、外形的客観的にみて占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかつたものと解される事情が証明されるときは、覆される。
民法境界確定等
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和57(オ)97
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年10月18日 棄却
登載
民集 第37巻8号1121頁
参照法条
民法162条,民訴法2編1章訴
判示事項
隣接する甲乙両地の各所有者間の境界確定訴訟において甲地のうち右境界の一部に接続する部分につき乙地の所有者の時効取得が認められた場合と右境界部分の境界確定を求めることの許否
裁判要旨隣接する甲乙両地の各所有者間の境界確定訴訟において、甲地のうち右境界の一部に接続する部分につき乙地の所有者の時効取得が認められても、甲地の所有者は、右境界部分についても境界確定を求めることができる。

実務注記

原文解釈
  1. 占有期間は二十年間と十年間の二区分第1項は二十年間、第2項は十年間の占有を要件としており、いずれの期間かにより適用条文が異なる。
  2. 占有態様の要件は両項共通所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と占有したことは、第1項・第2項のいずれにも共通の要件である。
  3. 十年間の場合は占有開始時の善意・無過失が要件第2項の適用には、占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったことが必要とされている。
  4. 善意・無過失の判定時点は「占有の開始の時」条文上、善意・無過失が求められるのは占有開始の時点であり、その後の主観状態は条文に定めがない。
  5. 対象は「他人の物」第1項・第2項とも、占有の対象は他人の物であることが条文上の要件となっている。

条文原文

原文ママ
民法 第162条(所有権の取得時効)
(所有権の取得時効)
第百六十二条二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

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