この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 本条は、代理人がその権限外の行為をした場合における表見代理について定める規定である。
- 本条は、民法第百九条第一項本文の規定を準用する形式で規定されている。
- 準用の要件は、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときであることである。
- 本条の見出しは「権限外の行為の表見代理」である。
第110条の準用構造と要件
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 見出し | 権限外の行為の表見代理 |
| 準用される規定 | 前条(第百九条)第一項本文の規定 |
| 場面(行為要件) | 代理人がその権限外の行為をした場合 |
| 適用要件(主観要件) | 第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるとき |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法保証債務履行
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和60(オ)289
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和62年7月7日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第41巻5号1133頁
- 参照法条
- 民法109条,民法110条,民法113条,民法117条1項,民法117条2項
- 判示事項
- 一 民法一一七条二項にいう「過失」と重大な過失 二 無権代理人が民法一一七条一項所定の責任を免れる事由として表見代理の成立を主張することの許否
裁判要旨一 民法一一七条二項にいう「過失」は、重大な過失に限定されるものではない。
二 無権代理人は、民法一一七条一項所定の責任を免れる事由として、表見代理の成立を主張することはできない。
二 無権代理人は、民法一一七条一項所定の責任を免れる事由として、表見代理の成立を主張することはできない。
民法土地所有権移転登記手続
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和57(オ)1392
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和60年11月29日 棄却
- 登載
- 民集 第39巻7号頁
- 参照法条
- 水産業協同組合法45条,民法53条,民法54条,民法110条
- 判示事項
- 一 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう「善意」の意義 二 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条の「善意」の主張・立証責任 三 漁業協同組合の理事の行為と民法一一〇条の類推適用
裁判要旨一 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう「善意」とは、理事の代表権に制限を加える定款の規定又は総会の決議の存在を知らないことをいうと解すべきである。
二 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条の「善意」の主張・立証責任は第三者にあるものと解すべきである。
三 第三者が水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう善意であるとはいえない場合であつても、第三者において、漁業協同組合の理事が当該具体的行為につき同組合を代表する権限を有するものと信じ、かつ、このように信じるにつき正当の理由があるときは、民法一一〇条を類推適用し、同組合は右行為につき責任を負うものと解するのが相当である。
二 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条の「善意」の主張・立証責任は第三者にあるものと解すべきである。
三 第三者が水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう善意であるとはいえない場合であつても、第三者において、漁業協同組合の理事が当該具体的行為につき同組合を代表する権限を有するものと信じ、かつ、このように信じるにつき正当の理由があるときは、民法一一〇条を類推適用し、同組合は右行為につき責任を負うものと解するのが相当である。
民法約束手形金等請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和50(オ)978
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和51年6月25日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第30巻6号665頁
- 参照法条
- 民法110条
- 判示事項
- 電気器具の販売会社が継続的商取引上の債権担保のため保証人本人の実印の押してある本人名義の契約書と本人の印鑑証明書とを持参した代理人との間で連帯根保証契約を締結した場合に民法一一〇条の正当理由があるとはいえないとされた事例
裁判要旨電気器具の販売会社が取引先に対する債権担保のため保証人の代理人との間で保証契約を締結した場合において、右保証は継続的商取引から生ずる一切の債務についての保証期間及び保証限度額の定めがない連帯根保証であり、右代理人は主債務者である取引先の代表取締役であるほか、相手方の要求にもかかわらず実父に連帯保証人となつてもらえなかつたなど判示の事情があつたときは、右代理人が本人の実印の押してある本人名義の契約書と本人の印鑑証明書とを持参したとしても、それだけでは、相手方において右保証契約の締結が本人の意思に基づくものであると信ずるにつき民法一一〇条にいう正当な理由があるということはできない。
実務注記
原文解釈- 本条単独では要件が完結しない本条は前条第一項本文の規定を準用する条文であるため、要件の全体像を把握するには前条(第百九条)第一項本文の内容と併せて確認する必要がある。
- 適用場面は「権限外の行為」に限定本条が準用されるのは、代理人がその権限外の行為をした場合であると条文上明記されている。
- 第三者の主観要件の確認適用には、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときであることが条文上の要件とされている。
- 見出し表現の確認条文の見出しは「権限外の行為の表見代理」とされており、条文本文にはこの見出し以外に「表見代理」という語は用いられていない。
条文原文
原文ママ民法 第110条(権限外の行為の表見代理)
(権限外の行為の表見代理)
第百十条前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第110条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。