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最高裁 / 裁判集登載250件
いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第一小法廷平成19年6月7日平成17(受)1519集民 第224号479頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効は,自動継続の取扱いがされることのなくなった満期日が到来した時から進行する。
参照法条民法91条,民法166条1項,民法666条
内縁の夫の運転する自動車に同乗中に第三者の運転する自動車との衝突事故により傷害を負った内縁の妻が第三者に対して損害賠償を請求する場合にその賠償額を定めるに当たり内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することの可否
最高裁判所第三小法廷平成19年4月24日平成18(受)688集民 第224号261頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨内縁の夫が内縁の妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが衝突し,それにより傷害を負った内縁の妻が第三者に対して損害賠償を請求する場合において,その損害賠償額を定めるに当たっては,内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することができる。
参照法条民法722条2項,民法第4編第2章第1節 婚姻の成立
1 「衝突,接触…その他偶然な事故」及び「被保険自動車の盗難」を保険事故として規定している一般自動車総合保険約款に基づき上記盗難に当たる保険事故が発生したとして車両保険金の支払を請求する場合における事故の偶発性についての主張立証責任 2 被…
最高裁判所第一小法廷平成19年4月23日平成17(受)1841集民 第224号171頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 「衝突,接触…その他偶然な事故」及び「被保険自動車の盗難」を保険事故として規定している一般自動車総合保険約款に基づき,上記盗難に当たる保険事故が発生したとして保険者に対して車両保険金の支払を請求する者は,「被保険者以外の者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」という盗難の外形的な事実を…
参照法条(1,2につき) 商法629条,商法641条,民法91条,民訴法第2編第4章第1節 総則 (2につき) 民訴法247条
精神科病院に入院中の患者が消化管出血による吐血等の際に吐物を誤嚥して窒息死した場合において担当医に転送義務違反等の過失があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成19年4月3日平成18(受)1547集民 第224号35頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨精神科病院に入院中の患者が消化管出血による吐血,嘔吐の際に吐物を誤嚥して窒息死した場合において,当該患者が,上記吐血,嘔吐の約1時間20分前の時点で,発熱,脈微弱,酸素飽和度の低下,唇色不良といった呼吸不全の症状を呈していたとしても,(1)上記の時点で,当該患者に頻脈及び急激な血圧低下は見られず,酸素吸入等が行われた後…
参照法条民法415条,民訴法247条
離婚の訴えにおける別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を求める旨の申立てと裁判所の審理判断の要否
最高裁判所第二小法廷平成19年3月30日平成17(受)1793集民 第223号767頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨離婚の訴えにおいて,別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し,別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には,裁判所は,離婚請求を認容する際に,人事訴訟法32条1項所定の子の監護に関する処分を求める申立てとして,その当否について審理判断しなければならない。
参照法条人事訴訟法32条1項,民法766条1項,民法771条
Xの開発,製造したゲーム機を順次XからY,YからAに販売する旨の契約が締結に至らなかった場合においてYがXに対して契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由とする損害賠償責任を負うとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成19年2月27日平成17(受)869集民 第223号343頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨XがAの意向を受けて開発,製造したゲーム機を順次XからY,YからAに継続的に販売する旨の契約が,締結の直前にAが突然ゲーム機の改良要求をしたことによって締結に至らなかった場合において,Yが,開発等の続行に難色を示すXに対し,Aから具体的な発注を受けていないにもかかわらず,ゲーム機200台を発注する旨を口頭で約したり,具…
参照法条民法1条2項,民法415条,民法709条
いわゆる鍼灸学校の入学試験に合格し当該鍼灸学校との間で納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が入学年度の始まる数日前に同契約を解除した場合において同特約が消費者契約法9条1号により無効とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年12月22日平成17(受)1762集民 第222号721頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる鍼灸学校の平成14年度の入学試験に合格し,当該鍼灸学校との間で,納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が,入学年度の始まる前の平成14年3月27日ころに同契約を解除した場合において,(1)一般に鍼灸学校の入学試験の受験者において,他の鍼灸学校や大学,専修学校を併願受験することが想定…
参照法条消費者契約法9条,民法420条,学校教育法6条,学校教育法83条,あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律2条1項
破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして上記賃料等の現実の支払を免れたことにより敷金返還請求権の質権者に対し不当利得返還義務を負う場合において破産管財人が悪意の受益…
最高裁判所第一小法廷平成18年12月21日平成17(オ)184集民 第222号643頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際して破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をし,上記賃料等の現実の支払を免れたことにより,敷金返還請求権の質権者に対し不当利得返還義務を負う場合において,法律上の原因の有無が,破産債権者のために破産財団の減少を防ぐという破産管財人の職務上の義務と…
参照法条民法362条,民法619条2項,民法703条,民法704条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条7号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条8号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)…
大学の入学試験に合格し同大学に授業料等を納付するなどして納付済みの授業料等の返還を制限する特約の付された在学契約を締結した者が同大学の職員から入学式に出席しなければ入学辞退として取り扱う旨告げられたため3月31日までに同契約を解除することな…
最高裁判所第二小法廷平成18年11月27日平成18(受)1130集民 第222号511頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨大学の平成16年度の入学試験に合格し,同大学に入学金,授業料等の所定の納付金を納付して,平成16年3月25日までに入学辞退を申し出た場合には入学金を除く納付金を返還する旨の特約の付された在学契約を締結した者が,同月26日に入学辞退に関する問合せをした際に,同大学の職員から入学式に出席しなければ入学辞退として取り扱う旨告…
参照法条民法1条2項,民法420条,民法703条,消費者契約法9条1号,学校教育法6条
ポリープ摘出手術を受けた患者が術後に出血性ショックにより死亡した場合につき担当医が追加輸血等を行わなかったことに過失があるとはいえないとした原審の判断に採証法則に反する違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成18年11月14日平成16(受)2226集民 第222号167頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨上行結腸ポリープの摘出手術を受けた患者が,術後9日目に急性胃潰瘍に起因する出血性ショックにより死亡した場合において,患者の相当多量な血便や下血,ヘモグロビン値やヘマトクリット値の急激な下降,頻脈の出現,ショック指数の動向等からすれば,患者の循環血液量に顕著な不足を来す状態が継続し,輸血を追加する必要性があったことがうか…
参照法条民法709条,民訴法247条
意思無能力者に代わって相続税を申告し納付した者の事務管理に基づく費用償還請求を棄却した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年7月14日平成17(受)883集民 第220号855頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨意思無能力者に代わって相続税を申告し納付した者について,法定代理人又は相続開始後に選任される後見人のいない意思無能力者には相続税申告書の提出義務がなく,所轄税務署長による相続税法(平成4年法律第16号による改正前のもの)35条2項1号に基づく税額の決定がされることもないという誤った解釈を前提として,事務管理に基づく費用…
参照法条民法697条1項,民法702条1項,相続税法(平成4年法律第16号による改正前のもの)35条2項1号
1 社会福祉法人において退任した理事が後任理事の選任をすることができる場合 2 社会福祉法人において退任した理事が定款で後任理事の選任に必要とされている同意をすることができるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年7月10日平成17(受)614集民 第220号689頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 社会福祉法人が理事の退任によって定款に定めた理事の員数を欠くに至り,かつ,定款の定めによれば,在任する理事だけでは後任理事を選任するのに必要な員数に満たないため後任理事を選任することができない場合において,仮理事の選任を待つことができないような急迫の事情があり,かつ,退任した理事と当該法人との間の信頼関係が維持され…
参照法条(1,2につき)社会福祉法36条1項,2項,社会福祉法45条,民法56条,民法654条
戸籍上自己の嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年7月7日平成17(受)1708集民 第220号673頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨戸籍上Xと亡夫との夫婦の嫡出子として記載されているYがXの実子ではない場合において,YとXとの間には,XがYに対して実親子関係不存在確認調停を申し立てるまでの約51年間にわたり実親子と同様の生活の実体があり,その間,XはYがXの実子であることを否定したことがないこと,判決をもって実親子関係の不存在が確定されるとYが軽視…
参照法条民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
1 建築会社の担当者が顧客に対し融資を受けて顧客所有地に容積率の制限の上限に近い建物を建築した後にその敷地の一部売却により返済資金を調達する計画を提案した際に上記計画には建築基準法にかかわる問題があることを説明しなかった点に説明義務違反があ…
最高裁判所第一小法廷平成18年6月12日平成16(受)1219集民 第220号403頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 建築会社の担当者が,顧客に対し,銀行から融資を受けて顧客所有地に容積率の制限の上限に近い建物を建築した後,敷地として建築確認を受けた土地の一部を売却することにより融資の返済資金を調達する計画を提案し,顧客が,上記計画に沿って銀行から融資を受けて建物を建築したが,その後,上記土地の一部を予定どおり売却することができず…
参照法条(1,2につき)民法1条2項,民法415条,民法709条,建築基準法52条 (1につき)民法632条 (2につき)民法587条
冠状動脈バイパス手術を受けた患者が術後に腸管え死となって死亡した場合において担当医師に腸管え死が発生している可能性が高いと診断し直ちに開腹手術を実施すべき注意義務を怠った過失があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成18年4月18日平成16(受)1147集民 第220号111頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨冠状動脈バイパス手術を受けた患者が術後に腸管え死となって死亡した場合において,(1)当該患者は,腹痛を訴え続け,鎮痛剤を投与されてもその腹痛が強くなるとともに,高度のアシドーシスを示し,腸管のぜん動こう進薬を投与されても腸管閉そくの症状が改善されない状況にあったこと,(2)当時の医学的知見では,患者が上記のような状況に…
参照法条民法415条,民法709条
使用者の責めに帰すべき事由による解雇の期間中の賃金につき使用者が支払義務を負う金額を算定する場合において期末手当等の全額を対象として労働者が他の職に就いて得た利益の額を控除すべきであるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成18年3月28日平成15(受)1099集民 第219号1033頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者の責めに帰すべき事由による解雇の期間中の賃金につき使用者が支払義務を負う金額を算定する場合において,労働者が同期間中に他の職に就いて得た利益の額が当該利益を得た期間における平均賃金合計額の4割を超え,かつ,使用者が労働者に対し労働基準法12条4項所定の賃金に当たる期末手当及び勤勉手当を支払うこととされているという…
参照法条民法536条2項,労働基準法12条1項,4項,労働基準法24条1項,労働基準法26条
被告の所有する土地が建築基準法42条2項所定の道路(いわゆるみなし道路)に当たるとして人格権的権利に基づき同土地上の工作物の撤去を求める訴訟において被告が同土地がみなし道路であることを否定することは信義則上許されないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成18年3月23日平成15(受)1886集民 第219号967頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告の所有する土地が建築基準法42条2項所定の道路(いわゆるみなし道路)に当たるとして同土地周辺の建物所有者である原告らが提起した人格権的権利に基づき同土地上の工作物の撤去を求める訴訟において,被告が同土地がみなし道路であることを否定することは,被告が,建物を建築するに際し,同土地がみなし道路であることを前提に建築確認…
参照法条民法1条2項,民法2条,民法198条,民訴法2条,建築基準法42条2項,憲法13条
高等学校の生徒が課外のクラブ活動としてのサッカーの試合中に落雷により負傷した事故について引率者兼監督の教諭に落雷事故発生の危険が迫っていることを予見すべき注意義務の違反があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年3月13日平成17(受)76集民 第219号703頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨高等学校の生徒が,課外のクラブ活動としてのサッカーの試合中に落雷により負傷した場合において,その当時の文献には,運動場に居て雷鳴が聞こえるときには,遠くても直ちに屋内に避難すべきであるとの趣旨の記載が多く存在していること,上記試合の開始直前ころには,黒く固まった暗雲が立ち込め,雷鳴が聞こえ,雲の間で放電が起きるのが目撃…
参照法条民法415条,民法709条,民法715条
入院患者がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染した後に死亡した場合につき担当医師が早期に抗生剤バンコマイシンを投与しなかったことに過失があるとはいえないとした原審の判断に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年1月27日平成15(受)1739集民 第219号361頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨入院患者がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染した後に死亡した場合につき,鑑定書には,担当医師が早期に抗生剤バンコマイシンを投与しなかったことは当時の医療水準にかなうものではないという趣旨の指摘をするものと理解できる記載があることがうかがわれ,医師の意見書は,担当医師が早期に上記抗生剤を投与しなかったことにつ…
参照法条民法415条,民法709条,民訴法247条
1 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の効力 2 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下での制限超過部分…
最高裁判所第三小法廷平成18年1月24日平成16(受)424集民 第219号243頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借に,債務者が元本及び約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の約定が付されている場合,同約定中,債務者が約定利息のうち制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は,同法1条1項の趣旨に反して無効であ…
参照法条(1,2につき)利息制限法1条1項,民法136条 (2につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項
1 特許庁の担当職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかったことによる損害の額 2 特許庁の担当職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかったことを理由とする国家賠償請求事件において損害の発生を認め…
最高裁判所第三小法廷平成18年1月24日平成17(受)541集民 第219号329頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 特許庁の担当職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかった場合,これによる損害の額は,特段の事情のない限り,その被担保債権が履行遅滞に陥ったころ,当該質権を実行することによって回収することができたはずの債権額である。 2 特許権者戊に対して融資をしたXが,戊から特許権を目的とする質権の設定を受け…
参照法条(1,2につき)国家賠償法1条1項,民法362条,民法369条,特許法27条1項3号,特許法95条,特許法98条1項3号 (2につき)民訴法248条
1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う場合 2 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が成立していないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成17年12月16日平成16(受)1573集民 第218号1239頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負うためには,賃借人が補修費用を負担することになる上記損耗の範囲につき,賃貸借契約書自体に具体的に明記されているか,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識して,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約が明確に合意されてい…
参照法条(1,2につき) 民法597条1項,民法598条,民法616条
甲名義の不動産につき乙,Yが順次相続したことを原因として直接Yに対して所有権移転登記がされている場合において甲の共同相続人であるXが上記登記の全部抹消を求めることの可否
最高裁判所第一小法廷平成17年12月15日平成16(オ)402集民 第218号1191頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲名義の不動産につき,甲から乙,乙からYが順次相続したことを原因として直接Yに対して所有権移転登記がされている場合に,甲の相続につき共同相続人Xが存在するときは,Yが上記不動産につき共有持分権を有しているとしても,Xは,Yに対し,上記不動産の共有持分権に基づき,上記登記の全部抹消を求めることができる。
参照法条民法249条,民法898条,不動産登記法66条,不動産登記法68条
根抵当権者が競売の申立ての際に提出した当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されている登記簿謄本とみなされる登記事項証明書と民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書
最高裁判所第二小法廷平成17年11月11日平成17(許)22集民 第218号433頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨根抵当権者が競売の申立ての際に提出した登記簿謄本とみなされる登記事項証明書に,当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されていても,同登記事項証明書は,民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書に当たる。
参照法条民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号,民法179条1項,民法369条(譲渡担保),民法398条の2,旧不動産登記法(平成16年法律第123号による改正前のもの)151条ノ4
売主から委託を受けてマンションの専有部分の販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者に専有部分内に設置された防火戸の操作方法等につき買主に対して説明すべき信義則上の義務があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成17年9月16日平成16(受)1847集民 第217号1007頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨防火設備の一つとして重要な役割を果たし得る防火戸が室内に設置されたマンションの専有部分の販売に際し,防火戸の電源スイッチが一見してそれとは分かりにくい場所に設置され,それが切られた状態で専有部分の引渡しがされた場合において,宅地建物取引業者が,購入希望者に対する勧誘,説明等から引渡しに至るまで販売に関する一切の事務につ…
参照法条民法1条2項,民法555条,民法643条,民法709条
遺言書の記載のみに依拠して遺言書の条項の文言を形式的に解釈した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成17年7月22日平成16(受)443集民 第217号581頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨丁の遺言書中の特定の遺産を一部の親族に遺贈等をする旨の条項に続く「遺言者は法的に定められたる相続人を以って相続を与へる。」との条項について,丁は,その妻戊との間に子がなかったため,丁の兄夫婦の子甲を実子として養育する意図で丁戊夫婦の嫡出子として出生の届出をしたこと,丁と甲とは,遺言書が作成されたころを含めて,丁が死亡す…
参照法条民法第4編第3章 親子,民法968条
銀行が相続財産である預金債権の全額を共同相続人の一部に払い戻した場合について他の共同相続人にその法定相続分相当額の預金の支払をした後でなくても当該銀行には民法703条所定の「損失」が発生するものとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成17年7月11日平成16(受)2134集民 第217号329頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲銀行に対し預金債権を有していた丁の死亡により,乙,丙及び戊が当該預金債権を相続したのに,甲銀行が当該預金債権の全額を乙及び丙に払い戻したこと,乙及び丙は,戊の法定相続分相当額の預金については,これを受領する権限がなかったにもかかわらず,払戻しを受けたものであり,この払戻しが債権の準占有者に対する弁済に当たるということ…
参照法条民法478条,民法703条,民法899条
我が国における加熱血液製剤の製造承認等に関する雑誌記者等の執筆者がその記事等に摘示されている事実を真実であると信じたことには相当の理由があるとして名誉毀損による不法行為の成立が否定された事例
最高裁判所第一小法廷平成17年6月16日平成15(受)900集民 第217号139頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨血液学者で加熱血液製剤の治験統括医であった甲が血液製剤市場の最大手で加熱血液製剤の開発が遅れていた製薬会社に合わせて加熱血液製剤の治験を遅らせ,その結果,我が国における加熱血液製剤の製造承認が米国より2年4か月遅れた事実,治験の時期に甲が製薬会社各社から資金提供を受けていた事実等が,乙の執筆した雑誌記事等において摘示さ…
参照法条民法709条,刑法230条の2第1項
権利能力のない社団である県営住宅の自治会の会員がいつでも当該自治会に対する一方的意思表示により退会することができるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成17年4月26日平成16(受)1742集民 第216号639頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨県営住宅の入居者によって構成され,権利能力のない社団である自治会の会員は,当該自治会が,会員相互の親ぼくを図ること,快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること,会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立されたものであり,いわゆる強制加入団体でもなく,その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないと…
参照法条民法33条,民法37条
通行地役権者が承役地の一部に車両を恒常的に駐車させている者に対しその禁止を求めることができるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成17年3月29日平成15(受)1590集民 第216号421頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宅地分譲に際し分譲業者が公道から各分譲地に至る通路として開設した土地の幅員全部につき,分譲業者と宅地の分譲を受けた者との間の合意に基づいて自動車による通行を目的とする通行地役権が設定されたこと,同土地の現況が舗装されたいわゆる位置指定道路であり,通路以外の利用が考えられないことなど判示の事情の下においては,上記地役権の…
参照法条民法280条
土地の無断転貸をした賃借人が賃貸人に対し転借人が不法に投棄した産業廃棄物を賃貸借契約終了時に撤去すべき義務を負うとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成17年3月10日平成14(受)1565集民 第216号379頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地の賃借人が同土地を無断で転貸し,転借人が同土地に産業廃棄物を不法に投棄したという事実関係の下では,賃借人は,賃貸借契約の終了に基づく原状回復義務として,上記産業廃棄物を撤去すべき義務を負う
参照法条民法597条1項,民法612条1項,民法616条
1 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合における当該役員報酬の支払の効力 2 株主総会の決議を経ずに役員報酬が支払われたことを理由として当該報酬相当額の賠償を求める株主代表訴訟において被告とされた役…
最高裁判所第三小法廷平成17年2月15日平成15(受)995集民 第216号303頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合には,当該決議の内容等に照らして商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)269条及び商法279条1項の規定の趣旨目的を没却するような特段の事情があると認められない限り,当該役員報酬の支払は株主総会の決議に基づく適法有効なものになる…
参照法条商法(平成13年法律第128号による改正前のもの)267条,商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)269条,商法279条1項,民訴法2条,民法1条2項
社団たる医療法人の社員の入社承認,理事選任及び診療所の開設に係る定款変更の各社員総会決議不存在確認の訴えにつきいずれも確認の利益があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成16年12月24日平成14(受)1244集民 第215号1081頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨社団たる医療法人の社員甲が提起した社員乙の入社承認,理事選任及び診療所の開設に係る定款変更の各社員総会決議不存在確認の訴えは,甲が,甲の議決権の割合を低下させる乙の入社を否定し,当該医療法人の常務を処理する権限を有する理事の選任を否定し,決議に基づき開設された診療所の運営の適法性を争っているなど判示の事情の下においては…
参照法条民訴法134条,医療法44条2項3号,医療法44条2項6号,医療法44条2項7号,医療法50条,医療法68条,民法63条
交通事故による後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効が遅くとも症状固定の診断を受けた時から進行するとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成16年12月24日平成14(受)1355集民 第215号1109頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨交通事故により負傷した者が,後遺障害について症状固定の診断を受け,これに基づき自動車保険料率算定会に対して自動車損害賠償責任保険の後遺障害等級の事前認定を申請したときは,その結果が非該当であり,その後の異議申立てによって等級認定がされたという事情があったとしても,上記後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効は,遅くとも…
参照法条民法724条
課税処分の違法を理由とする国家賠償請求訴訟の提起及び追行に係る弁護士費用が当該処分と相当因果関係のある損害とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成16年12月17日平成16(受)633集民 第215号975頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨地方税の賦課決定を受けた者が,その税額等を納付した上で同決定について審査請求をし,裁決がされないまま約1年2か月が経過した後に当該賦課決定の違法を理由として国家賠償請求訴訟を提起したところ,ほどなく課税庁が当該賦課決定を取り消し,過誤納金の還付等が行われたなど判示の事実関係の下においては,当該訴訟の提起及び追行に係る弁…
参照法条国家賠償法1条1項,民法416条,地方税法2条,地方税法17条,地方税法17条の4
婚姻外の男女の関係を一方的に解消したことにつき不法行為責任が否定された事例
最高裁判所第一小法廷平成16年11月18日平成15(受)1943集民 第215号639頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻外の男女の関係が継続していた期間中,両者は,その住居を異にしており,共同生活をしたことは全くなく,それぞれが自己の生計を維持管理しており,共有する財産もなかったこと,女性は,男性との間に2人の子を出産したが,子の養育の負担を免れたいとの女性の要望に基づく両者の事前の取決め等に従い,2人の子の養育には一切かかわりを持…
参照法条民法709条,民法710条 ,民法第4編第2章第1節 婚姻の成立
有責配偶者からの離婚請求を認容することができる場合に当たらないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成16年11月18日平成16(受)247集民 第215号657頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有責配偶者である夫からの離婚請求において,夫婦の別居期間が,事実審の口頭弁論終結時に至るまで約2年4か月であり,双方の年齢や約6年7か月という同居期間との対比において相当の長期間に及んでいるとはいえないこと,夫婦間には7歳の未成熟の子が存在すること,妻が,子宮内膜症にり患しているため就職して収入を得ることが困難であり,…
参照法条民法1条2項,民法770条
不当利得返還請求訴訟において不当利得返還請求権の成立要件である「損失」が発生していないと主張して請求を争うことが信義誠実の原則に反するとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成16年10月26日平成16(受)458集民 第215号473頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲が,乙と共に相続した預金債権のうちの乙の法定相続分に当たる部分について何らの受領権限もないのに受領権限があるものとして金融機関から払戻しを受けていながら,その払戻しに係る金員について乙が提起した不当利得返還請求訴訟において,一転して,上記払戻しは民法478条の弁済として有効であるとはいえず,乙が上記金融機関に対して乙…
参照法条民法1条2項,民法478条,民法703条,民法899条,民訴法2条
民法900条4号ただし書前段と憲法14条1項
最高裁判所第一小法廷平成16年10月14日平成16(オ)992集民 第215号253頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法900条4号ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法14条1項,民法900条
破産者が株式会社である場合において破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示の効力
最高裁判所第二小法廷平成16年10月1日平成16(許)5集民 第215号199頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨破産者が株式会社である場合において,破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき,別除権者が破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示は,これを有効とみるべき特段の事情の存しない限り,無効である。
参照法条破産法96条,破産法197条12号,破産法277条,商法254条3項,商法417条,民法653条
債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡と破産法72条2号による否認
最高裁判所第三小法廷平成16年9月14日平成15(受)339集民 第215号171頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡は,破産法72条2号に基づく否認権行使の対象となる。
参照法条破産法72条2号,民法127条1項,民法466条
農地の賃借権の時効取得と農地法3条の適用の有無
最高裁判所第三小法廷平成16年7月13日平成14(受)1459集民 第214号953頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨時効による農地の賃借権の取得については,農地法3条の規定の適用はない。
参照法条農地法3条,民法163条,民法601条
株式会社の代表取締役らが当該会社の全株式を売却したことにつき詐欺による取消し又は錯誤による無効が認められないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成16年7月8日平成15(受)1259集民 第214号687頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役甲らが容易に現金化が可能な約10億円の純資産を有する当該会社の全株式を合計2億円で売却したことにつき,それが不自然ではないといえるような特段の事情が存在しない上,上記売却は,甲らの全面的な信頼を受けて甲らの資産管理を受託していた乙が甲らの財産の保全,増加に必要であるとして提案し,甲らがこれに全面的に…
参照法条民法95条,民法96条1項
建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において賃料を減額しない旨の特約が存することにより賃料減額請求権の行使を妨げられることはないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成16年6月29日平成15(受)751集民 第214号595頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において,3年ごとに賃料の改定を行うものとし,改定後の賃料は,従前の賃料に消費者物価指数の変動率を乗じ,公租公課の増減額を加算又は控除した額とするが,消費者物価指数が下降してもそれに応じて賃料の減額をすることはない旨の特約が存する場合であっても,上記契約の当事者は,そのことにより借…
参照法条借地借家法11条1項,民法91条
1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについての控訴審における相手方の同意の要否 2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合に…
最高裁判所第一小法廷平成16年6月3日平成14(受)505集民 第214号355頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについては,控訴審においても,相手方の同意を要しない。 2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において,上訴審が,原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について…
参照法条民法768条,民法771条,人事訴訟法32条1項,家事審判法9条1項乙類5号,人事訴訟手続法8条,人事訴訟法18条,民訴法300条,民訴法307条,民訴法308条,民訴法325条
1 雇用者の安全配慮義務違反によりり患したじん肺によって死亡したことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点 2 じん肺による死亡に基づく損害額の算定においてじん肺法所定の管理区分に相当する病状に基づく損害賠償請求権の消滅時効が完成して…
最高裁判所第三小法廷平成16年4月27日平成13(受)1759集民 第214号119頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 雇用者の安全配慮義務違反によりり患したじん肺によって死亡したことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は,死亡の時から進行する。 2 じん肺による死亡に基づく損害額の算定において,じん肺法所定の管理区分に相当する病状に基づく損害賠償請求権の消滅時効が完成しているとしても,上記死亡に基づく損害を,上記病状に基づく損害と…
参照法条民法166条1項,民法415条,民法416条,じん肺法4条
相続財産である可分債権につき共同相続人の1人がその相続分を超えて債権を行使した場合に他の共同相続人が不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることの可否
最高裁判所第三小法廷平成16年4月20日平成15(受)670集民 第214号13頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共同相続人甲が相続財産中の可分債権につき権限なく自己の相続分以外の債権を行使した場合には,他の共同相続人乙は,甲に対し,侵害された自己の相続分につき,不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることができる。
参照法条民法427条,民法898条,民法899条,民法907条
遺言公正証書の原本に公証人の署名押印がなかったとした原審の認定判断に経験則違反又は採証法則違反の違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成16年2月26日平成13(受)398集民 第213号581頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨現時点においては公証人の署名押印がある遺言公正証書原本について,当該原本を利用して作成された謄本の作成方法についての公証人及び書記の証言等の内容に食違いがあることなどを理由として,上記謄本作成の時点において公証人の署名押印がなかったとした原審の認定判断には,上記謄本の作成方法についての公証人及び書記の証言等は,その細部…
参照法条民法969条5号,民訴法247条,公証人法39条
1 出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者とする旨の就業規則条項の適用に関しその基礎とする出勤した日数に産前産後休業の日数等を含めない旨の定めが公序に反し無効とされた事例 2 賞与の額を欠勤日数に応じて減額することを内容とする計算式の適…
最高裁判所第一小法廷平成15年12月4日平成13(受)1066集民 第212号87頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者としこれに満たない者には賞与を支給しないこととする旨の就業規則条項の適用に関し,出勤率算定の基礎とする出勤すべき日数に産前産後休業の日数を算入し,出勤した日数に上記日数及び育児を容易にするための措置により短縮された勤務時間分を含めない旨を定めた就業規則の付属文書の定めは,従…
参照法条民法90条,労働基準法(平成9年法律第92号による改正前のもの)65条,育児休業等に関する法律(平成7年法律第107号による改正前のもの)10条
取得時効の援用により不動産の所有権を取得してその旨の登記を有する者が当該取得時効の完成後に設定された抵当権に対抗するためその設定登記時を起算点とする再度の取得時効を援用することの可否
最高裁判所第二小法廷平成15年10月31日平成12(受)1589集民 第211号313頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取得時効の援用により不動産の所有権を取得してその旨の登記を有する者は,当該取得時効の完成後に設定された抵当権に対抗するため,その設定登記時を起算点とする再度の取得時効の完成を主張し,援用をすることはできない。
参照法条民法144条,民法145条,民法162条,民法177条,民法397条
請負契約における約定に反する太さの鉄骨が使用された建物建築工事に瑕疵があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成15年10月10日平成15(受)377集民 第211号13頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建物建築工事の請負契約において,耐震性の面でより安全性の高い建物にするため,主柱について特に太い鉄骨を使用することが約定され,これが契約の重要な内容になっていたにもかかわらず,建物請負業者が,注文主に無断で,上記約定に反し,主柱工事につき約定の太さの鉄骨を使用しなかったという事情の下では,使用された鉄骨が,構造計算上,…
参照法条民法634条1項
1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例 2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利…
最高裁判所第三小法廷平成15年9月16日平成14(受)622集民 第210号729頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合…
参照法条利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条
1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例 2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利…
最高裁判所第一小法廷平成15年9月11日平成12(受)1000集民 第210号617頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合…
参照法条利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条
地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証,白紙委任状,印鑑登録証明書等を利用して当該不動産につき不実の所有権移転登記がされた場合において不動産の所有者が善意無過失の第三者に対して当該不動産の所有権が移転していないことを…
最高裁判所第二小法廷平成15年6月13日平成14(受)1008集民 第210号143頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産の売買等を業とする会社が,地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証,白紙委任状,印鑑登録証明書等を利用して,当該不動産につき同社への不実の所有権移転登記を了したが,当該所有者が,虚偽の権利の帰属を示すような外観の作出につき何ら積極的な関与をしておらず,上記の不実の登記の存在を知りながら放置し…
参照法条民法94条2項,民法110条
韓国人である母の非嫡出子であって日本人である父により出生後に認知された子につき国籍法2条1号による日本国籍の取得が認められた事例
最高裁判所第一小法廷平成15年6月12日平成13(行ツ)39集民 第210号27頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨韓国人である母甲が日本人である乙と離婚した翌日に甲と日本人である父丙との間に出生した甲は,甲が,帝王切開による出産後自宅療養を続けており,弁護士と相談して,親子関係の不存在を確定するための法的手続を執るため,出産直前から不明であった乙の所在を約3か月間調査したものの所在が判明しないまま,甲の出生の8か月余り後に親権者と…
参照法条国籍法2条1号,民法772条,民法779条,民法783条1項
相続税申告の基礎となった遺産分割協議の無効を確認する判決が確定したことが国税通則法23条2項1号に該当することを理由として更正の請求をすることはできないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成15年4月25日平成13(行ヒ)230集民 第209号689頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨通謀虚偽表示により遺産分割協議が成立した外形を作出し,これに基づいて相続税の申告を行った後,遺産分割協議の無効を確認する判決が確定したという事実関係の下においては,当該判決の確定が国税通則法23条2項1号に該当することを理由として更正の請求をすることはできない。
参照法条国税通則法23条1項,国税通則法23条2項,民法94条,民法907条1項
使用者が労働者に対し個別的同意なしにいわゆる在籍出向を命ずることができるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成15年4月18日平成11(受)805集民 第209号495頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨出向命令の内容が,使用者が一定の業務を協力会社に業務委託することに伴い,委託される業務に従事していた労働者に対していわゆる在籍出向を命ずるものであって,就業規則及び労働協約には業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり,労働協約には社外勤務の定義,出向期間,出向中の社員の地位,賃金その他処遇等に関して…
参照法条民法625条1項,労働基準法第2章 労働契約
入会地の売却代金債権が入会権者らに総有的に帰属するとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成15年4月11日平成13(受)505集民 第209号481頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨入会権者らの総有に属する入会地を売却するに当たり入会権者らが入会権の放棄をした場合であっても,入会権者らが入会地の管理運営等のための管理会を結成し,その規約において入会地の処分等を管理会の事業とし,入会地の売却が管理会の決議に基づいて行われ,売却後も入会権者らの有する他の入会地が残存し,管理会も存続しているなど判示の事…
参照法条民法263条,民法427条
民法900条4号ただし書前段と憲法14条1項
最高裁判所第一小法廷平成15年3月31日平成14(オ)1963集民 第209号397頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法900条4号ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法14条1項,民法900条
民法900条4号ただし書前段と憲法14条1項
最高裁判所第二小法廷平成15年3月28日平成14(オ)1630集民 第209号347頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法900条4号ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。 (反対意見がある。)
参照法条憲法14条1項,民法900条
郵便局に所属する保険外務員が簡易保険の契約者に対し虚偽の事実を述べて資金の融通を受けることによって同契約者に加えた損害が民法715条1項にいう「被用者カ其事業ノ執行ニ付キ第三者ニ加ヘタル損害」に当たらないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成15年3月25日平成14(受)297集民 第209号291頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨郵便局に所属する保険外務員が,簡易保険の契約者に対し,他の顧客に届けるべき満期保険金を盗まれ,これをその日のうちに届けなければ勤務先に発覚して免職になるなどの虚偽の事実を述べ,同契約者が簡易保険の契約者貸付けの方法により借り受けた資金の融通を受けることによって同契約者に加えた損害は,民法715条1項にいう「被用者カ其事…
参照法条民法715条
宿泊客がフロントに預けなかった物品の滅失毀損等につきホテル側に故意又は重大な過失がある場合とホテルの損害賠償義務の範囲を制限する宿泊約款の定めの適用
最高裁判所第二小法廷平成15年2月28日平成13(受)1061集民 第209号143頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ホテルの宿泊客がフロントに預けなかった物品等で事前に種類及び価額の明告のなかったものが滅失,毀損するなどしたときにホテルの損害賠償義務の範囲を15万円の限度に制限する宿泊約款の定めは,ホテル側に故意又は重大な過失がある場合には適用されない。
参照法条民法91条,商法594条,商法595条
共同抵当の目的となった数個の不動産の代価の同時配当に当たり1個の不動産上にその共同抵当に係る抵当権と同順位の抵当権が存する場合の配当額の計算方法
最高裁判所第三小法廷平成14年10月22日平成13(受)1567集民 第208号291頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共同抵当の目的となった数個の不動産の代価を同時に配当すべき場合に,1個の不動産上にその共同抵当に係る抵当権と同順位の抵当権が存するときは,まず,当該1個の不動産の価額を同順位の各抵当権の被担保債権額の割合に従って案分し,次に,共同抵当権者への案分額及びその余の不動産の価額に準じて共同抵当の被担保債権の負担を分けるべきで…
参照法条民法392条1項
名誉,プライバシー等の侵害に基づく小説の出版の差止めを認めた原審の判断に違法がないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成14年9月24日平成13(オ)851集民 第207号243頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲をモデルとし,経歴,身体的特徴,家族関係等によって甲と同定可能な乙が全編にわたって登場する小説において,乙が顔面にしゅようを有すること,これについて通常人が嫌う生物や原形を残さない水死体の顔などに例えて表現されていること,乙の父親が逮捕された経歴を有していることなどの記述がされていることなど判示の事実関係の下では,公…
参照法条民法1条ノ2,民法198条,民法199条
ワープロを操作して秘密証書遺言の遺言書の表題及び本文を入力し印字した者が民法970条1項3号にいう筆者であるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成14年9月24日平成14(受)432集民 第207号269頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨秘密証書によって遺言をするに当たり,遺言者以外の者が,市販の遺言書の書き方の文例を参照し,ワープロを操作して,文例にある遺言者等の氏名を当該遺言の遺言者等の氏名に置き換え,そのほかは文例のまま遺言書の表題及び本文を入力して印字し,遺言者が氏名等を自筆で記載したなど判示の事実関係の下においては,ワープロを操作して遺言書の…
参照法条民法970条1項3号
建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合に注文者が請負人に対し建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することの可否
最高裁判所第三小法廷平成14年9月24日平成14(受)605集民 第207号289頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には,注文者は,請負人に対し,建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
参照法条民法634条2項,民法635条
遺言執行者による推定相続人の廃除の申立てを却下する審判に対し他の推定相続人である参加人が即時抗告をすることの許否
最高裁判所第二小法廷平成14年7月12日平成14(許)2集民 第206号815頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺言執行者が推定相続人の廃除を求める審判手続において,廃除を求められていない推定相続人が利害関係人として審判手続に参加した場合に,参加人は廃除の申立てを却下する審判に対して即時抗告をすることができない。
参照法条民法893条,家事審判法14条,家事審判規則14条,家事審判規則27条2項,家事審判規則100条2項
商品代金の立替払契約に基づく債務の保証人の意思表示に要素の錯誤があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成14年7月11日平成11(受)602集民 第206号707頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨特定の商品の代金について立替払契約が締結され,同契約に基づく債務について保証契約が締結された場合において,立替払契約は商品の売買契約が存在しないいわゆる空クレジット契約であって,保証人は,保証契約を締結した際,そのことを知らなかったなど判示の事実関係の下においては,保証人の意思表示には法律行為の要素に錯誤がある。
参照法条民法95条,民法446条
「相続させる」趣旨の遺言による不動産の取得と登記
最高裁判所第二小法廷平成14年6月10日平成11(受)271集民 第206号445頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨「相続させる」趣旨の遺言による不動産の権利の取得については,登記なくして第三者に対抗することができる。
参照法条民法177条,民法908条,民法985条
債権に対する仮差押えの執行後に本執行がされた場合において仮差押えが取り下げられたときの仮差押えの執行後本執行前にされた被差押債権の弁済の差押債権者に対する効力
最高裁判所第二小法廷平成14年6月7日平成13(受)1662集民 第206号413頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債権に対する仮差押えの執行後に本執行がされた場合において,仮差押命令及びその執行の申立てが取り下げられたときは,第三債務者は,仮差押えの執行後本執行前にした被差押債権の弁済をもって差押債権者に対抗することができる。
参照法条民法481条,民事保全法50条,民訴法262条1項
通信社から配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成14年3月8日平成8(オ)852集民 第206号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨判示の事実関係の下においては,新聞に掲載された記事が一般的には定評があるとされる通信社から配信された記事に基づくものであるという理由によっては,新聞社において配信記事に摘示された事実を真実と信ずるについての相当の理由があったと認めることはできない。 (意見及び反対意見がある。)
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項
商標権の共有者が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否
最高裁判所第一小法廷平成14年2月28日平成13(行ヒ)12集民 第205号825頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商標権の共有者は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,各自,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
参照法条民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条
商法704条2項にいう先取特権と民法上の先取特権
最高裁判所第三小法廷平成14年2月5日平成13(許)10集民 第205号395頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法704条2項にいう先取特権には,民法上の先取特権も含まれる。
参照法条民法303条,商法704条2項
関連新聞社から記事の提供を受けてこれとほぼ同一内容の記事を掲載した新聞社に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟において被害者が同記事の掲載を認識したとする認定に経験則違反の違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成14年1月29日平成10(オ)780集民 第205号309頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨関連新聞社甲から記事の提供を受けてこれとほぼ同一内容の記事を掲載した新聞社乙に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟において,甲と乙の各掲載記事の紙面構成や見出しが一見して明らかに異なっており,乙の掲載記事には甲の掲載記事にはない記述が書き加えられており,甲が発行する新聞に掲載された記事でも乙が発行する新聞に掲載されな…
参照法条民法724条,民訴法247条
名誉毀損に該当する事実の真実性についての判断の基準時及び認定のための証拠の範囲
最高裁判所第三小法廷平成14年1月29日平成8(オ)576集民 第205号233頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨裁判所は,名誉毀損に該当する事実の真実性につき,事実審の口頭弁論終結時において客観的な判断をすべきであり,その際に名誉毀損行為の時点では存在しなかった証拠を考慮することも許される。
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項
通信社が新聞社に記事を配信するに当たりその内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成14年1月29日平成9(オ)1371集民 第205号289頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨通信社が,殺人未遂罪で逮捕された甲が7,8年前に自宅で大麻を所持しており,その事実を捜査機関が突き止めた旨の事実を記事にして配信し,新聞社がこれを掲載した場合に,甲が自宅に大麻を所持していた事実の裏付けになる資料は甲と離婚した乙の供述のみであること,捜査の対象となっていない大麻所持についての報道であること,甲以外の関係…
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項
不動産工事の先取特権の対象となるべき不動産の増価額が不動産競売手続における評価人の評価又は最低売却価額の決定に反映されていないことが同先取特権によって優先弁済を受けるべき実体的権利に与える影響の有無
最高裁判所第三小法廷平成14年1月22日平成11(受)1244集民 第205号107頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産工事の先取特権の対象となるべき不動産の増価額が不動産競売手続における評価人の評価又は最低売却価額の決定に反映されていないことは,同先取特権の被担保債権が優先弁済を受けるべき実体的権利に影響を与えない。
参照法条民法327条,民法338条2項
有価証券に表章された金銭債権を受働債権として相殺をするに当たって同有価証券を占有することの要否
最高裁判所第三小法廷平成13年12月18日平成10(オ)730集民 第204号157頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有価証券に表章された金銭債権の債務者は,同債権を受働債権として相殺をするに当たり,同有価証券を占有することを要しない。
参照法条民法505条1項,民法506条1項
土地の売買がいわゆる数量指示売買に当たるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成13年11月22日平成12(受)372集民 第203号743頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨市街化区域内に所在する50坪余りの更地の売買契約において,契約書には目的物件の表示として公簿面積のみが記載されていたとしても,それが住宅用の敷地として売買されたものであり,代金額については,坪単価に面積を乗じる方法により算定することを前提にして,売主が提示した坪単価の額からの値下げの折衝を経て合意が形成され,当事者双方…
参照法条民法565条
商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に受益者が第三者から支払を受けた当該商標権の使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすることの可否
最高裁判所第二小法廷平成13年11月16日平成12(受)1666集民 第203号459頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に,受益者が第三者から支払を受けた当該商標権の使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすることはできない。
参照法条民法424条,民法425条
民法上の組合の組合員が組合の事業に係る作業に従事して支払を受けた収入に係る所得が給与所得に該当するとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成13年7月13日平成12(行ツ)13集民 第202号673頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨りんご生産等の事業を営むことを目的とする民法上の組合の組合員がりんご生産作業の専従者として同作業に従事して労務費名目で金員の支払を受けた場合において,上記金員は作業時間を基礎として日給制でその金額が決定され原則として毎月所定の給料日に現金を手渡す方法で支払われ,専従者は同作業の管理者の指示に従って作業に従事し,その作業…
参照法条所得税法27条1項,所得税法28条1項,民法667条,民法674条
被相続人の占有により取得時効が完成した場合において共同相続人の1人が取得時効を援用することができる限度
最高裁判所第三小法廷平成13年7月10日平成11(受)223集民 第202号645頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被相続人の占有により取得時効が完成した場合において,その共同相続人の1人は,自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。
参照法条民法145条
衣料品の卸売業者と小売業者との間における周知性のある他人の商品等表示と同一又は類似のものを使用した商品の売買契約が民法90条により無効とされた事例
最高裁判所第一小法廷平成13年6月11日平成12(受)67集民 第202号433頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨衣料品の卸売業者と小売業者との間における周知性のある他人の商品等表示と同一又は類似のものを使用した商品の売買契約は,当事者がそのような商品であることを互いに十分に認識しながら,あえてこれを消費者の購買のルートに乗せ,他人の真正な商品であると誤信させるなどして大量に販売して利益をあげようと企て,この目的を達成するために継…
参照法条民法90条,不正競争防止法2条1項1号,不正競争防止法13条1号,商標法78条
いわゆる自動継続特約付きの定期預金債権に対する仮差押えの執行と同特約に基づく自動継続の成否
最高裁判所第二小法廷平成13年3月16日平成11(受)320集民 第201号441頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる自動継続特約付きの定期預金債権に対する仮差押えの執行がされても,同特約に基づく自動継続の効果は妨げられない。
参照法条民法91条,民法666条,民事保全法50条1項
遺言者の住所をもって表示された不動産の遺贈につき同所にある土地及び建物のうち建物のみを目的としたものと解することはできないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成13年3月13日平成10(オ)936集民 第201号345頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺言書には,遺贈の目的として単に「不動産」と記載され,その所在場所として遺言者の住所が記載されているが,遺言者はその住所地にある土地及び建物を所有していたなど判示の事実関係の下においては,所在場所の記載が住居表示であることなどをもって同遺言書の記載を建物のみを遺贈する旨の意思を表示したものと解することはできない。
参照法条民法968条
1 民法564条にいう「事実ヲ知リタル時」の意義 2 土地の買主が当該土地の一部の所有権の帰属をめぐる裁判手続においてこれが隣接地に属する旨の隣接地所有者の主張を知った時点をもって民法564条所定の「事実ヲ知リタル時」ということはできないと…
最高裁判所第一小法廷平成13年2月22日平成11(オ)1261集民 第201号109頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 民法564条にいう「事実ヲ知リタル時」とは,買主が売主に対し同法563条又は565条に規定する担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識した時をいう。 2 土地の買主と隣接地所有者との間で買い受けた土地の一部の所有権の帰属が争われた裁判手続において,隣接地所有者が係争地は同人の所有に属することを明確に主張したと…
参照法条民法564条
不動産競売手続における建物の買受人が民法九四条二項、一一〇条の法意により建物所有権を取得してもその敷地の賃借権を取得しないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成12年12月19日平成11(受)1197集民 第200号257頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地賃借人甲が右土地上に乙名義で建築確認申請をして建物を建築し、乙名義での家屋補充課税台帳への登録を事後的に承認していたところ、乙が甲に無断で建物につき所有権保存登記を経由した上、右登記を過失なく信頼した丙との間で抵当権設定契約を締結した場合において、右抵当権に基づく不動産競売手続により建物を買い受けた丁は、民法九四条…
参照法条民法87条2項,民法94条2項,民法110条,民法370条,民事執行法79条
権利能力のない社団であるゴルフクラブが規約に従い総会の決議によってした構成員の資格要件を変更する旨の規約の改正と右決議について承諾をしていない構成員に対する効力の有無
最高裁判所第二小法廷平成12年10月20日平成11(受)461集民 第200号69頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨権利能力のない社団であるゴルフクラブが規約に従い総会の決議によってした構成員の資格要件であるゴルフ場経営会社の株式保有数を「二株以上」から「三株以上」に変更する旨の規約の改正は、特段の事情がない限り、右決議について承諾をしていない構成員に対しても、その効力を有する
参照法条民法33条,民法第3編第2章契約
不法行為によって扶養者が死亡した場合における被扶養者の将来の扶養利益喪失による損害額の算定方法
最高裁判所第一小法廷平成12年9月7日平成11(受)94集民 第199号477頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不法行為によって扶養者が死亡した場合における被扶養者の将来の扶養利益喪失による損害額は、扶養者の生前の収入、そのうち被扶養者の生計の維持に充てるべき部分、被扶養者各人につき扶養利益として認められるべき比率割合、扶養を要する状態が存続すべき期間などの具体的事情に応じて算定すべきである。
参照法条民法416条,民法709条,民法877条
遺贈の対象不動産についてされた共同相続登記を遺留分減殺請求による持分の相続登記に更正することの可否
最高裁判所第三小法廷平成12年5月30日平成10(オ)994集民 第198号225頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺贈の対象不動産についてされた共同相続登記を右登記後の遺留分減殺請求による持分の相続登記に更正することはできない。 (補足意見がある。)
参照法条民法896条・民法898条・民法1028条・民法1031条 不動産登記法63条・不動産登記法66条
一 不動産の共有者が当該不動産を単独で占有する他の共有者に対し不当利得返還請求ないし損害賠償請求をすることの可否 二 請求の一部についての予備的な請求原因となるべき相続取得の主張を原告がしていなくても裁判所は被相続人の死亡等の事実をしんしゃ…
最高裁判所第二小法廷平成12年4月7日平成9(オ)1876集民 第198号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 不動産の共有者は、当該不動産を単独で占有することができる権原がないのにこれを単独で占有している他の共有者に対し、自己の持分割合に応じて占有部分に係る賃料相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することができる。 二 原告が、夫の父が土地を夫に贈与し夫から右土地を相続取得したと主張して、右土地を占有する被告らに…
参照法条民法249条,民法703条,民法709条,民訴法246条
婚姻関係が終了していることと嫡出の推定を受ける子に対する親子関係不存在確認の訴えの許否
最高裁判所第三小法廷平成12年3月14日平成8(オ)380集民 第197号375頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨夫と妻との婚姻関係が終了してその家庭が崩壊しているとの事情が存在することの一事をもって、夫が、民法七七二条により嫡出の推定を受ける子に対して、親子関係不存在確認の訴えを提起することは許されない。
参照法条民法772条,民法775条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
宗教法人の代表者(住職)として寺院の土地建物の所持を開始した後に僧籍はく奪の処分を受けた者が右土地建物の所持を奪った右法人に対して占有回収の訴えによりその返還を求めることができるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成12年1月31日平成11(受)553集民 第196号427頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲が、宗教法人乙の代表者(住職)として寺院の土地建物の所持を開始した後に乙を包括する宗教団体から僧籍はく奪の処分である擯斥処分を受けたが、乙から提起された訴訟において右処分の効力を争うとともに右土地建物の管理を続け、乙との間の右建物の撤去についての話合いの際にも、撤去後の土地の占有継続を主張していたなど判示の事実関係の…
参照法条民法180条,民法181条,民法200条,宗教法人法18条
民法九〇〇条四号ただし書前段と憲法一四条一項
最高裁判所第一小法廷平成12年1月27日平成11(オ)1453集民 第196号251頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法九〇〇条四号ただし書前段は、憲法一四条一項に違反しない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法14条1項,民法900条
甲名義の不動産につき乙、丙が順次相続したことを原因として直接丙に対してされた所有権移転登記を甲の共同相続人丁及び乙に対する所有権移転登記並びに乙から丙に対する持分全部移転登記に更正することの可否
最高裁判所第一小法廷平成12年1月27日平成11(オ)773集民 第196号239頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲名義の不動産につき、甲から乙、乙から丙への順次の相続を原因として直接丙に対する所有権移転登記がされているときに、右登記を甲の共同相続人丁及び乙に対する所有権移転登記並びに乙から丙に対する持分全部移転登記に更正することはできない。
参照法条民法882条,民法896条,民法898条,不動産登記法63条,不動産登記法66条
一 いわゆるみなし道路の通行妨害と妨害排除請求権 二 いわゆるみなし道路に接する土地の所有者から右道路の敷地所有者に対する同人により右道路内に設置された金属製ポールの撤去請求が認められないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成12年1月27日平成8(オ)1248集民 第196号201頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 建築基準法四二条二項の規定による指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷…
参照法条民法1条ノ2,民法198条,民法199条,建築基準法42条2項
会員募集用パンフレットに記載されたホテル等の施設が設置されなかったことが債務不履行に当たるとして会員からされたゴルフクラブ入会契約の解除を認めなかった原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成11年11月30日平成10(オ)71集民 第195号593頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ゴルフ場経営会社がゴルフクラブの会員募集用のために作成したパンフレットにはゴルフ場に高級ホテルが併設されることが強調されており、右ゴルフクラブの入会金及び預託金の額は右パンフレットに記載されたゴルフ場の特徴に相応して高額になっていたが、実際にゴルフ場経営会社によって提供された施設はその規模や構造等において右パンフレット…
参照法条民法第3編第2章契約,民法541条
建築請負人からの注文者に対する請負契約に係る建物の所有権保存登記抹消登記手続請求訴訟の提起及び右訴訟の係属と請負代金債権の消滅時効の中断
最高裁判所第一小法廷平成11年11月25日平成8(オ)718集民 第195号377頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建築請負人からの注文者に対する請負契約に係る建物の所有権保存登記抹消登記手続請求訴訟の提起は、右請負代金債権の消滅時効中断事由である裁判上の請求に準ずるものとはいえず、右訴訟の係属中右請負代金について催告が継続していたということもできない。
参照法条民法147条1号,民法153条
いわゆる危急時遺言に当たり民法九七六条一項にいう遺言の趣旨の口授があったとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成11年9月14日平成9(オ)2060集民 第193号717頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる危急時遺言に当たり、立ち会った証人の一人があらかじめ作成された草案を一項目ずつ読み上げ、遺言者が、その都度うなずきながら「はい」などと返答し、最後に右証人から念を押され了承する旨を述べたなど判示の事実関係の下においては、民法九七六条一項にいう遺言の趣旨の口授があったものということができる。
参照法条民法976条1項
一 極度額を超える金額の被担保債権を請求債権とする根抵当権の実行がされた場合に被担保債権について消滅時効中断の効力が生じる範囲 二 不動産競売の申立ての取下げがされた場合における被担保債権の消滅時効中断の効力の帰すう
最高裁判所第一小法廷平成11年9月9日平成8(オ)2422集民 第193号685頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 債権者が、根抵当権の極度額を超える金額の被担保債権を請求債権として当該根抵当権の実行としての不動産競売の申立てをし、競売開始決定がされて同決定正本が債務者に送達された場合、被担保債権の消滅時効中断の効力は、当該極度額の範囲にとどまらず、請求債権として表示された当該被担保債権の全部について生じる。 二 物上保証人に対…
参照法条民法147条2号,民法154条,民法398条ノ2第1項,民事執行規則170条
出奔して所在不明となった県職員に対する懲戒免職処分が効力を生じたとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成11年7月15日平成9(オ)367集民 第193号469頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨出奔して所在不明となった県職員に対し出奔から約二箇月後に無断欠勤を理由に懲戒免職の決定がされた上、その旨が記載された人事発令通知書及び処分説明書が右職員の最後の住所においてその妻に交付され、かつ、県公報に右通知書の内容が掲載された場合には、県が従前から行政実例を受けて所在不明となった職員に対する懲戒免職処分を右の方法に…
参照法条民法97条1項,民法97条ノ2,地方公務員法29条,職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和38年兵庫県条例第31号)2条
公道に一・四五メートル接する土地の上に建築基準法が施行されるよりも前から存在した建築物が取り壊された場合に同土地の所有者のためにいわゆる接道要件を満たすべき内容の囲繞地通行権が認められないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成11年7月13日平成8(オ)539集民 第193号427頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公道に一・四五メートル接する甲土地の上に建築基準法が施行されるよりも前から存在した建築物が老朽化したために取り壊されたが、その当時、甲土地に隣接し右公道に接する乙土地は同法の規定が適用される建築物の敷地とされていたなど判示の事実関係の下においては、甲土地の所有者のために、乙土地について、同法四三条一項本文所定のいわゆる…
参照法条民法210条,建築基準法3条2項,建築基準法43条1項
心神喪失の常況にある遺言者の生存中に推定相続人が提起した遺贈を内容とする遺言の無効確認の訴えの適否
最高裁判所第二小法廷平成11年6月11日平成7(オ)1631集民 第193号369頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺言者の生存中に推定相続人が提起した遺贈を内容とする遺言の無効確認の訴えは、遺言者が心神喪失の常況にあって、遺言者による当該遺言の取消し又は変更の可能性が事実上ないとしても、不適法である。
参照法条民訴法134条,民法964条,民法985条,民法1022条
共有に係る土地及び借地権につきいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を命じ土地の持分につき他の持分権者に対する移転登記手続請求を認容すべきものとした原審の判断が適法であるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成11年4月22日平成9(オ)1104集民 第193号159頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲土地開発公社と乙との共有に係る面積約1469平方メートルの土地のうち面積約155平方メートルの部分に乙と丙町との共有に係る借地権が存在している場合において,甲は丙の施行する都市計画事業に関し道路拡幅等に使用する目的で右土地の120分の118の持分を取得し,丙は右事業を円満に施行するために右借地権の3分の2の持分を取得…
参照法条民法258条
賃貸建物の新旧所有者が賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意した場合における賃貸人の地位の帰すう
最高裁判所第一小法廷平成11年3月25日平成7(オ)1705集民 第192号607頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自己の所有建物を他に賃貸して引き渡した者が右建物の所有権を第三者に移転した場合に、新旧所有者間において賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意したとしても、これをもって直ちに賃貸人の地位の新所有者への移転を妨げるべき特段の事情があるものということはできない。 (反対意見がある。)
参照法条借家法1条,民法619条2項
顔面けいれんの根治術である脳神経減圧手術を受けた後間もなく患者が脳内血腫を生じその結果死亡した場合につき脳内血腫の原因が右手術にあることを否定した原審の認定判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成11年3月23日平成8(オ)609集民 第192号165頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨顔面けいれんの根治術である脳神経減圧手術を受けた後間もなく手術部位である小脳橋角部の近傍部等に血腫を生じ、その結果患者が死亡した場合において、術前検査である高血圧症とは認められず手術適応があるとされている上、高血圧性脳内出血が小脳内に発生する確率は低く、他方、手術内容が小脳右半球を開排し小脳橋角部において顔面神経と脳動…
参照法条民法709条,民訴法247条
一 被相続人の生存中に相続人に対し売買を原因としてされた所有権移転登記につき被相続人の死亡後に相続を原因とするものに更正することの可否 二 被相続人の生存中にその所有不動産につき共同相続人の一人に対し所有権移転登記がされた上で第三者のために…
最高裁判所第三小法廷平成11年3月9日平成9(オ)953集民 第192号65頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 被相続人の生存中に相続人に対し売買を原因としてされた所有権移転登記について、被相続人の死亡後に、相続を原因とするものに更正することはできない。 二 被相続人の生存中にその所有する不動産につき共同相続人の一人である甲に対し仮空の売買を原因として所有権転移登記がされ、甲が第三者乙のために抵当権設定登記をした場合には、被…
参照法条民法177条,民法882条,民法896条,民法898条,不動産登記法63条,不動産登記法66条
譲渡担保権者から目的不動産を譲り受けた第三者と譲渡担保権設定者の清算金支払請求権の消滅時効の援用
最高裁判所第二小法廷平成11年2月26日平成7(オ)690集民 第191号457頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨譲渡担保権者から被担保債権の弁済期後に目的不動産を譲り受けた第三者は、譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権として目的不動産について留置権を有する譲渡担保権設定者に対し、右請求権の消滅時効を援用することができる。
参照法条民法145条,民法369条(譲渡担保)
木造建物の所有を目的とする土地の使用貸借につき使用収益をするのに足りるべき期間の経過を否定することができないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成11年2月25日平成10(オ)513集民 第191号391頁
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裁判要旨木造建物の所有を目的とする土地の使用貸借について、契約締結後約三八年八箇月を経過し、この間に貸主と借主の間の人的つながりの状況が著しく変化しているという事実関係の下では、借主には右建物以外に居住する所がなく、貸主には右土地を使用する必要等特別の事情が生じていないというだけでは、使用収益をするのに足りるべき期間の経過を否…
参照法条民法597条2項
一つの交通事故について甲及び乙が連帯して損害賠償責任を負う場合に乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がされて両者の賠償すべき額が異なるときに甲のした損害の一部てん補が乙の賠償すべき額に及ぼす影響
最高裁判所第三小法廷平成11年1月29日平成9(オ)2049集民 第191号265頁
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裁判要旨一つの交通事故について甲及び乙が被害者丙に対して連帯して損害賠償責任を負う場合において、乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がされ、両者の賠償すべき額が異なるときは、甲がした損害の一部てん補は、てん補額を丙が甲からてん補を受けるべき損害額から控除しその残損害額が乙の賠償すべき額を下回ることにならない限り、乙の賠償すべき…
参照法条民法719条,民法722条2項
不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の係属によって不当利得返還請求権の消滅時効が中断するとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成10年12月17日平成6(オ)857集民 第190号889頁
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裁判要旨金員の着服を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において、右着服金員相当額の不当利得返還請求がその時効期間経過後に追加された場合、両請求が、基本的な請求原因事実を同じくする請求であり、着服金相当額の返還を請求する点において経済的に同一の給付を目的とする関係にあるなど判示の事情の下においては、不法行為に基づく損害賠…
参照法条民法147条1号,民法153条,民訴法147条
カルテル行為について私的独占の禁止及び不正取引の確保に関する法律違反被告事件において罰金刑を科せられるとともに不当利得返還請求訴訟を提起されている者に対し課徴金の納付を命ずることと憲法三九条、二九条、三一条
最高裁判所第三小法廷平成10年10月13日平成9(行ツ)214集民 第190号1頁
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裁判要旨カルテル行為について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件において罰金刑を科せられるとともに取引の相手方である国から不当利得返還請求訴訟を提起されている者に対し同法七条の二第一項の規定に基づき課徴金の納付を命ずることは、憲法三九条、二九条、三一条に違反しない。
参照法条私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律7条の2第1項,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律48条の2第1項,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律89条,民法703条,憲法29条,憲法31条,憲法39条
一 前訴において相手方当事者の不法行為により訴訟手続に関与する機会のないまま判決が確定した場合に右判決に基づく債務の弁済として支払った金員につき損害賠償請求をすることが許されないとされた事例 二 前訴において相手方当事者の不法行為により訴訟…
最高裁判所第一小法廷平成10年9月10日平成5(オ)1211集民 第189号743頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 甲乙間の前訴において,甲が受訴裁判所の裁判所書記官からの照会に対して乙の就業場所が不明である旨の誤った回答をしたことにより,乙に対して訴状等の付郵便送達がされたため,乙が前訴の訴訟手続に関与する機会のないまま判決が確定した場合に,右照会に対して必要な調査を尽くすことなく安易に誤った回答をしたことにつき,甲に重大な過…
参照法条民法709条,民法710条,民訴法114条
夫婦が別居を開始してから九箇月余り後に出生した子を被告として嫡出否認の訴えによらずに夫が提起した親子関係不存在確認の訴えが不適法とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成10年8月31日平成7(オ)1095集民 第189号437頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨夫婦が子の出生する九箇月余り前に別居し、夫婦間にはその以前から性交渉がなかったが、夫は、別居開始から子の出生までの間に、妻と性交渉の機会を有したほか、妻となお婚姻関係にあることに基づいて婚姻費用の分担金や出産費用の支払に応ずる調停を成立させたなど判示の事実関係の下においては、嫡出否認の訴えによらずに夫が提起した親子関係…
参照法条民法722条,民法775条,人事訴訟手続法第2章 親子関係事件ニ関スル手続
婚姻成立の日から二〇〇日以後に出生した子を被告として父親の死亡後にその養子が提起した親子関係不存在確認の訴えが適法とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成10年8月31日平成7(オ)2178集民 第189号497頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 甲は、丙男と丁女との婚姻成立の日から二〇〇日以後に出生した子であるが、丁女が甲を懐胎した時期には丙男は出征中であって丁女が丙男の子を懐胎することが不可能であったことは明らかであるから、実質的には民法七七二条の推定を受けない嫡出子であり、また、甲の出生から四十数年を経過して丙男が死亡した後にその養子である乙が丙男と甲…
参照法条民法772条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論評中の他人の著作物の引用紹介に適切を欠く部分があっても全体として正確性を欠くとまではいえないとして右論評に名誉毀損としての違法性があるということはできないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成10年7月17日平成6(オ)1082集民 第189号267頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨他人の著作物に対する論評中に、右著作物の記述が第三者の談話をそのまま紹介したものではなく著作者自身の認識判断であるかのような適切を欠く引用紹介部分があっても、他の部分を併せて読むならば、右論評は専ら著作者が第三者の談話をその真偽を確認しないでそのまま紹介したことを批判するものであって、このことは右論評を通読する一般読者…
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項
子の血縁上の父であると主張する者が提起した戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの係属中に子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合につき訴えの利益を否定した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成10年7月14日平成8(オ)2597集民 第189号141頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨子の血縁上の父であると主張する甲が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起したところ、右訴えの帰すうが定まる前に右事情を知る審判官によって子を第三者の特別養子とする審判がされ、これが確定したが、甲について子を虐待し又は悪意で遺棄したなどの民法八一七条の六ただし書に該当することが明白であるとすべき事由…
参照法条人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続,民訴法第2編第1章訴え,民法817条の2,民法817条の6,民法817条の9,家事審判法9条1項甲類8号の2
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に右建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否
最高裁判所第二小法廷平成10年7月3日平成9(オ)128集民 第189号95頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、右建物が取り壊され、右土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立…
参照法条民法388条
一 宅地建物取引業保証協会の社員との間の宅地建物の取引に係る契約における損害賠償額の予定又は違約金に関する定めに基づく債権と宅地建物取引業法六四条の八第一項所定の「その取引により生じた債権」 二 宅地建物取引業保証協会がその内部規約において…
最高裁判所第一小法廷平成10年6月11日平成9(オ)243集民 第188号483頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引に係る契約における損害賠償額の予定又は違約金に関する定めに基づき取得した損害賠償債権又は違約債権は、特段の事情がない限り、弁済業務保証金による弁済の対象である宅地建物取引業法六四条の八第一項所定の「その取引により生じた債権」に当たる。 二 宅…
参照法条宅地建物取引業法27条1項,宅地建物取引業法64条の8第1項,宅地建物取引業法64条の8第2項,民法420条
宅配便の荷受人が運送会社に対して運送中の荷物の紛失を理由として運送契約上の責任限度額を超える損害の賠償を請求することが信義則に反し許されないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成10年4月30日平成6(オ)799集民 第188号385頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨荷受人甲が、宅配便を利用して宝石類を送付することができないことを知りながら、荷送人乙が運送会社丙の宅配便を利用してダイヤモンド等を送付することを容認していたなど判示の事実関係の下においては、運送中の右ダイヤモンド等の紛失を理由として甲が丙に対し乙丙間の運送契約上の責任限度額三〇万円を超える損害の賠償を請求することは、信…
参照法条民法1条2項,民法91条,民法709条,商法577条,商法578条,商法580条,商法583条
労働者が疾病のためその命じられた義務のうち一部の労務の提供ができなくなったことから直ちに債務の本旨に従った労務の提供をしなかったものと断定することはできないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成10年4月9日平成7(オ)1230集民 第188号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建設会社に雇用されて以来二一年以上にわたり建築工事現場における現場監督業務に従事してきた労働者が、疾病のため右業務のうち現場作業に係る労務の提供ができなくなった場合であっても、労働契約上その職種や業務内容が右業務に限定されていたとはいえず、事務作業に係る労務の提供は可能であり、かつ、その提供を申し出ていたときには、同人…
参照法条民法493条,民法623条,労働基準法第2章労働契約
共有者の一人による共有物の変更と他の共有者からの原状回復請求の可否
最高裁判所第三小法廷平成10年3月24日平成8(オ)551集民 第187号485頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共有者の一人が他の共有者の同意を得ることなく共有物に変更を加えた場合には、他の共有者は、特段の事情がない限り、変更により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることができる。
参照法条民法249条,民法251条
一 公正証書遺言において証人が遺言者の署名押印に立ち会うことの要否 二 遺言者の押印の際に二人の証人のうち一人の立会いなく作成された遺言公正証書につきその作成の方式に瑕疵があるがその効力を否定するほかはないとまではいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成10年3月13日平成9(オ)218集民 第187号429頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 公正証書遺言において、証人は、遺言者の署名押印に立ち会うことを要する。 二 公正証書遺言において、遺言者が、証人甲乙の立会いの下に、遺言の趣旨を口授しその筆記を読み聞かされた上で署名をしたところ、印章を所持していなかったため、約一時間後に、甲のみの立会いの下に、再度筆記を読み聞かされて押印を行ったが、乙は、その直後…
参照法条民法969条,公証人法2条
宗教法人の代表者(住職)として寺院建物の所持を開始した後に僧籍はく奪の処分を受けた者が建物の所持を奪った右法人に対して占有回収の訴えによりその返還を求めることができるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成10年3月10日平成6(オ)1998集民 第187号269頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲が、宗教法人乙の代表者(住職)として寺院建物の所持を開始した後に乙を包括する宗教団体から僧籍はく奪の処分である擯斥処分を受け、乙から右建物の明渡しを求める訴訟を提起されたが、右処分の効力を争うとともにこれに応訴し、右建物の管理を続けていたなど判示の事実関係の下においては、甲が個人のためにも右建物を所持していたものと認…
参照法条民法180条,民法181条,民法200条,宗教法人法18条
いわゆる全面価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成10年2月27日平成7(オ)1684集民 第187号207頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 共有不動産の分割をする場合において、共有者の一人である甲が今後も右不動産に居住することを希望しており、また、合計六分の一の持分を有するにすぎない乙及び丙が競売による分割を求めているのに対し、甲及び他の共有者は、右不動産を競売に付することなく、自らがこれを取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を提案していると…
参照法条民法258条
抵当権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡
最高裁判所第三小法廷平成10年2月10日平成8(オ)673集民 第187号47頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
参照法条民法304条,民法372条,民法467条
担保権の設定された物件が弁済までの間に共同相続により共有となった場合における民法五〇一条五号にいう「頭数」の意義
最高裁判所第一小法廷平成9年12月18日平成5(オ)1128集民 第186号641頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法五〇一条五号にいう「頭数」は、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ一名として数えるべきである。 (反対意見がある。)
参照法条民法501条
会員契約上の地位の相続性が認められている預託金会員制ゴルフクラブにおける会員の死亡と相続人による預託金返還請求の可否
最高裁判所第三小法廷平成9年12月16日平成7(オ)934集民 第186号603頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会員契約上の地位の相続性が認められている預託金会員制ゴルフクラブの会員が死亡した場合には、会則上、特に預託金の返還を求めることができる旨が規定されていない限り、その相続人は、会員の死亡を理由に預託金返還請求権を行使することはできない。
参照法条民法第3編第2章契約,民法896条
一 農業協同組合の監事が組合を代表して理事に対してする訴訟の提起と組合規約中の訴訟の提起に理事会の決議を要する旨の規定の適用の有無 二 農業協同組合と理事との間の訴訟の係属中に理事がその地位を失った場合における当該訴訟での監事の代表権の消長
最高裁判所第三小法廷平成9年12月16日平成9(オ)1218集民 第186号625頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 農業協同組合の監事が組合を代表して理事に対する訴訟を提起する場合には、組合規約中の訴訟の提起に理事会の決議を要する旨の規定は適用されない。 二 農業協同組合と理事との間の訴訟の係属中に理事がその地位を失っても、監事は、当該訴訟において組合を代表する。
参照法条民訴法58条,商法275条ノ4,民法53条,農業協同組合法(平成4年法律第56号による改正前のもの)29条,農業協同組合法(平成4年法律第56号による改正前のもの)33条,農業協同組合法39条2項
市立保育園の保母の業務と同人に発症した頸肩腕症候群との間の因果関係を否定したことが経験則に反するとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成9年11月28日平成5(行ツ)85集民 第186号269頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨市立保育園の保母が、勤務開始後三年目には肩や背中の痛みを、その約一年半後には慢性的肩凝りや右腕等の筋肉の痛みを感ずるようになり、その状態のまま新設保育園に主任保母として着任し、保育開始準備等に集中的に当たった後一、二歳児六名を一人で担当するようになり、その年の夏季合同保育期間中に調理を担当した際右背中に激痛を感じ、その…
参照法条民法415条,民訴法185条
期間の定めのある建物賃貸借契約の更新と保証人の責任
最高裁判所第一小法廷平成9年11月13日平成6(オ)1883集民 第186号105頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨期間の定めのある建物の賃貸借においで、賃借人のために保証人が賃貸人と保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解すべきである。
参照法条民法446条,民法619条2項,借地借家法26条
一 ゴルフ場建設工事中に締結されたゴルフクラブ入会契約における開場すべき債務の履行期が工事の遅延に関して予想される合理的な期間が経過した時という不確定期限であるとされた事例 二 ゴルフ場建設工事中に締結されたゴルフクラブ入会契約における開場…
最高裁判所第三小法廷平成9年10月14日平成7(オ)48集民 第185号361頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 ゴルフクラブ入会契約がゴルフ場の建設工事中である昭和六二年五月に締結されたが、右契約に基づくゴルフ場施設を利用可能な状態にした上これを会員の利用に供すべき債務の履行期を記載した契約証書が作成されておらず、募集パンフレットには完成同六三年秋予定という記載があったにすぎず、右契約当時においては平成元年に開場することが予…
参照法条民法第3編第2章契約,民法412条2項,民法415条
一 主たる債務者の破産手続において債権全額を代位弁済した保証人が債権の届出名義の変更の申出をした場合における求償権の消滅時効の中断 二 主たる債務者の破産手続において債権全額を代位弁済した保証人が債権調査期日の後に債権の届出名義の変更の申出…
最高裁判所第三小法廷平成9年9月9日平成7(オ)740集民 第185号287頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 債権者が主たる債務者の破産手続において債権全額の届出をした後、右債権全額を代位弁済した保証人が、破産裁判所に債権の届出をした者の地位を承継した旨の届出名義の変更の申出をしたときは、右代位弁済により保証人が取得した求償権の消滅時効は、右求償権の全部について右届出名義の変更の申出の時から破産手続の終了に至るまで中断する…
参照法条民法147条,民法152条,民法174条ノ2第1項,民法501条,破産法26条2項,破産法240条1項,破産法287条1項
丙市の市議会議員選挙に当選した直後に丁市への転出の届出をした当選人が被選挙権の要件としての丙市の住所を失ったとはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成9年8月25日平成9(行ツ)78集民 第184号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨丙市の市議会議員選挙の当選人甲が、当選人の告示後議員としての任期が開始する前に丁市への転出の届出をしたが、甲は、従前丙市に生活の本拠としての住所を有しており、右告示の後、当選を辞退し次点者の乙を当選人とすることを目的として、急きょ右転出の届出をしたものであり、甲が単身転出したとする先は父の部下一家が居住する社宅であった…
参照法条公職選挙法9条2項,公職選挙法10条1項5号,公職選挙法97条1項,公職選挙法99条,民法21条
遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文
最高裁判所第一小法廷平成9年7月17日平成5(オ)342集民 第183号995頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払…
参照法条民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項
預託金会員制ゴルフクラブの規則に会員の死亡後六箇月以内に届出をした相続人が会員の地位を承継し得るなどの定めがある場合に右の届出期間は遺産分割協議が成立した時から起算すべきであるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成9年5月27日平成5(オ)1169集民 第183号393頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨預託金会員制ゴルフクラブの規則に、会員が死亡したときは、相続人は、六箇月以内に、預託金の返還、相続人のうち一名への名義書換え又は第三者への会員資格の譲渡のいずれかの手続を選択して理事長に届け出なければならず、相続人が右期間内に所定の届出をしないときは預託金の返還手続がとられる旨の定めがある場合に、右クラブの会員権は、他…
参照法条民法第3編第2章契約,民法896条,民法907条
いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成9年4月25日平成7(オ)2461集民 第183号365頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲及び乙の共有に属する借地権とその地上建物の分割をする場合において、右借地権等が甲に遺贈され、乙がこれに対して遺留分減殺請求権を行使した結果、共有関係が発生したものである上、六分の一の持分を有するにすぎない乙が競売による分割を提案しているのに対し、六分の五の持分を有する甲は、今後も右建物に居住することを希望し、自らがこ…
参照法条民法258条,民法264条
証券会社の従業員が顧客に利回り保証の約束をして株式等の取引を勧誘し一連の取引をさせた場合に右取引による顧客の損失について証券会社が不法行為責任を免れないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成9年4月24日平成8(オ)390集民 第183号263頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨証券会社の営業部員が、株式等の取引の勧誘をするに際し、取引の開始を渋る顧客に対し、法令により禁止されている利回り保証が会社として可能であるかのように装って利回り保証の約束をして勧誘し、その旨信じた顧客に取引を開始させ、その後、同社の営業部長や営業課長も右約束を確認するなどして取引を継続させ、これら一連の取引により顧客が…
参照法条民法708条,民法709条,民法715条,証券取引法(平成3年法律第96号による改正前のもの)50条1項,証券会社の健全性の準則等に関する省令(昭和40年大蔵省令第60号。平成3年大蔵省令第55号による改正前のもの)1条
譲渡担保権の実行として譲渡された不動産を取得した者の譲渡担保権設定者に対する明渡請求と譲渡担保権設定者の留置権の主張の可否
最高裁判所第二小法廷平成9年4月11日平成5(オ)358集民 第183号241頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨譲渡担保権設定者は、譲渡担保権の実行として譲渡された不動産を取得した者からの明渡請求に対し、譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権を主張することができる。
参照法条民法295条,民法369条(譲渡担保)
共同相続人の一部の間において土地所有権確認請求を棄却する判決が確定した場合に敗訴原告が右土地につき遺産確認の訴えを提起することの可否
最高裁判所第二小法廷平成9年3月14日平成5(オ)920集民 第182号537頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共同相続人甲、乙、丙のうち甲と乙との間において、ある土地につき甲の所有権確認請求を棄却する旨の判決が確定し、右確定判決の既判力により、甲が乙に対して相続による右土地の共有持分の取得を主張し得なくなった場合であっても、甲は右土地につき遺産確認の訴えを提起することができる。
参照法条民訴法45条,民訴法199条,民訴法225条,民法898条
所有権確認請求訴訟で敗訴した原告が後訴において共有持分の取得を主張することが前訴の確定判決の既判力に抵触して許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成9年3月14日平成5(オ)921集民 第182号553頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨丙の共同相続人である甲乙間の土地の所有権確認請求訴訟において、甲の請求を棄却する旨の判決が確定した場合には、甲、乙がそれぞれ右土地の所有権を単独で取得したと主張して争っており、甲が事実審口頭弁論終結前に生じていた丙の死亡による相続の事実を主張しなかったこと、右判決が双方の主張を排斥して右土地が丙の所有である旨判断したこ…
参照法条民訴法199条,民法898条
戸籍上の父母とその嫡出子として記載されている者との間の親子関係について父母の養子が不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成9年3月11日平成3(オ)399集民 第182号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨戸籍上甲乙夫婦の嫡出子として記載されている丙が真実甲乙夫婦の実子でない場合において、甲乙夫婦と丙との間に長年にわたり実親子と同様の生活の実体があり、両者ともその共同生活の解消を望んでおらず、甲乙夫婦の養子である丁も、甲乙夫婦と丙との間の親子関係の不存在を熟知しておりながら、甲の生前にはその確認を求める訴訟を提起しなかっ…
参照法条民法1条,民法739条,民法799条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
債権執行による差押えと物上代位権の行使としての差押えとが競合した場合において双方の差押債権者に対し二重に弁済をした第三債務者の不当利得返還請求権
最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成5(オ)1612集民 第181号313頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同一の債権につき、甲の強制執行による差押えと乙の物上代位権の行使としての差押えとが競合した場合に、甲乙に対し二重に弁済をした第三債務者は、甲に対し不当利得として右弁済金の返還を請求することができる。
参照法条民法481条,民法703条,民事執行法145条,民事執行法155条1項,民事執行法193条
不動産売買契約において義務不履行の場合の手付金の不返還又は倍額支払の定めと共に特別の損害を被った当事者は損害賠償請求ができる旨を定めた約定の意義
最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)669集民 第181号351頁
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裁判要旨不動産売買契約において、買主の義務不履行の場合に手付金を返還せず、売主の義務不履行の場合に手付金の倍額を支払う旨の定めと共に、「上記以外に特別の損害を被った当事者の一方は、相手方に違約金又は損害賠償の支払を求めることができる。」旨の約定がされた場合、右約定に基づいて賠償請求することのできる損害は、特段の事情がない限り、…
参照法条民法416条,民法420条,民法557条
免責の効力を受ける破産債権に基づく詐害行為取消権行使の許否
最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成8(オ)1430集民 第181号509頁
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裁判要旨免責の効力を受ける破産債権の債権者が右債権に基づいて詐害行為取消権を行使することは許されない。
参照法条民法424条,破産法366条ノ12
有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者の指定方法
最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)1939集民 第181号83頁
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裁判要旨有限会社の持分が数人の共有に属する場合、有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者は、その共有持分の価格に従い過半数をもって定める。
参照法条有限会社法22条,商法203条2項,民法252条,民法264条
会社が従業員株主らを他の株主よりも先に株主総会の会場に入場させて株主席の前方に着席させたことにより株主が希望する席に座る機会を失ったとしても右株主の法的利益が侵害されたということはできないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成8年11月12日平成5(オ)1747集民 第180号671頁
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裁判要旨会社が従業員株主らを他の株主よりも先に株主総会の会場に入場させて株主席の前方に着席させたことにより、株主が希望する席に座る機会を失ったとしても、右株主が会場中央部付近に着席した上、議長からの指名を受けて動議を提出したという事実関係の下においては、右株主の法的利益が侵害されたということはできない。
参照法条民法709条,商法237条ノ4
いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することが許されるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成8年10月31日平成7(オ)1962集民 第180号643頁
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裁判要旨共有土地の分割をする場合において、共有者の一人である甲が二二八分の二二三の持分を有するのに対し、甲以外の五名の共有者の持分は各二二八分の一であり、右持分に相当する土地は、面積の合計が三二・一平方メートルにすぎず、共有土地の所在する場所等も併せ考えると社会的、経済的効用が乏しいこと、甲は、右土地を競売に付することなく、自…
参照法条民法258条
いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成8年10月31日平成8(オ)677集民 第180号661頁
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裁判要旨共有不動産の分割をする場合において、右不動産が、病院、その附属施設及びこれらの敷地として一体的に病院の運営に供されており、これらを切り離して現物分割をすれば病院運営が困難になることも予想され、また、共有者の一人である甲が競売による分割を希望しているのに対し、他の共有者である乙及び丙は、右不動産を競売に付することなく、自…
参照法条民法258条
敷金返還請求権を目的とする質権設定についての第三債務者の異議をとどめない承諾に要素の錯誤があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成8年6月18日平成4(オ)874集民 第179号331頁
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裁判要旨敷金返還請求権を目的として質権が設定され、第三債務者がこれを承諾した場合において、第三債務者としては敷金から控除される金額の割合を定めた特約の存在について異議をとどめて承諾をするつもりであったのに、その使者がこれと異なった表示をしたため、錯誤により異議をとどめない承諾がされる結果となったものであり、右特約が返還の対象と…
参照法条民法95条,民法364条,民法467条,民法468条
売買契約の目的物に対する仮差押命令の申立てが違法である場合において売主が違約金支払による損害を被ることを債権者において予見することができたとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成8年5月28日平成7(オ)839集民 第179号71頁
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裁判要旨建物について代金一億円の売買契約が締結された後、違法な申立てにより、売主を債務者として右建物に対する仮差押命令が発せられて仮差押えの登記がされたため、売主が右契約の履行をすることができなくなり買主に違約金を支払ったことにより一〇〇〇万円相当の損害を被った場合には、債権者が、右申立ての時点において、売主が右建物を競売によ…
参照法条民法416条,民法709条
婚姻当事者以外の利害関係人の身分上の地位に及ぼす影響を考慮して婚姻無効確認請求が信義則に反するとはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成8年3月8日平成4(オ)673集民 第178号787頁
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裁判要旨甲の父が甲の意思に基づかないで甲乙の婚姻の届出をした場合において、甲が右届出がされたことを知らずに丙との婚姻の届出をして二人の子をもうけたため、甲乙の婚姻が無効でないとされると甲丙の婚姻が重婚に該当するとして取り消される等婚姻当事者以外の利害関係人の身分上の地位に重大な影響を及ぼすおそれがあるなど判示の事実関係の下にお…
参照法条民法1条,民法742条
詐害行為が成立した場合に詐害行為取消権によって保全される債権の額と詐害行為後に発生した遅延損害金
最高裁判所第一小法廷平成8年2月8日平成4(オ)993集民 第178号215頁
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裁判要旨詐害行為が成立した場合に詐害行為取消権によって保全される債権の額には、詐害行為後に発生した遅延損害金も含まれる。
参照法条民法424条
再婚禁止期間について男女間に差異を設ける民法七三三条を改廃しない国会ないし国会議員の行為と国家賠償責任の有無
最高裁判所第三小法廷平成7年12月5日平成4(オ)255集民 第177号243頁
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裁判要旨再婚禁止期間について男女間に差異を設ける民法七三三条を改廃しない国会ないし国会議員の行為は、国家賠償法一条一項の適用上、違法の評価を受けるものではない。
参照法条民法733条,国家賠償法1条1項,憲法14条1項
単独名義で相続の登記を経由した共同相続人の一人から不動産を譲り受けた者と相続回復請求権の消滅時効の援用
最高裁判所第三小法廷平成7年12月5日平成6(オ)440集民 第177号341頁
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裁判要旨相続財産である不動産について単独名義で相続の登記を経由した共同相続人の一人甲が、甲の本来の相続持分を超える部分が他の相続人に属することを知っていたか、又は右部分を含めて甲が単独相続をしたと信ずるにつき合理的な事由がないために、他の共同相続人に対して相続回復請求権の消滅時効を援用することができない場合には、甲から右不動産…
参照法条民法884条
禁治産者の後見人がその就職前にした無権代理による訴えの提起及び弁護士に対する訴訟委任の行為の効力を再審の訴えにおいて否定することが信義則に反して許されないとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成7年11月9日平成4(オ)735集民 第177号107頁
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裁判要旨甲が禁治産者乙の後見人に就職する前に乙のために無権限で訴えを提起した上弁護士に対する訴訟委任をし、これに基づいて判決がされた場合には、甲が乙の姉であって後見人に就職する前から事実上後見人の立場で乙の面倒を見てきたものであり、このような甲の態度について家族の他の者が異議を差し挟んでおらず、甲と乙の利害が相反する状況もなか…
参照法条民訴法第1編第4章第1節口頭弁論,民訴法428条1項3号,民法1条2項,民法859条
甲乙間でされた甲の乙に対するA債権と乙の丙に対するB債権とを相殺することができる旨の相殺予約に基づく相殺をもって丙がB債権の差押債権者丁に対抗することができないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成7年7月18日平成3(オ)906集民 第176号415頁
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裁判要旨甲乙間で、甲の乙に対するA債権と乙の丙に対するB債権とを相殺することができる旨の相殺予約をしたが、乙の債権者丁がB債権を差し押さえた後に甲が右相殺予約に基づき乙に対して相殺の意思表示をしたなど原判示の事実関係の下においては、丙は、右相殺をもって丁に対抗することはできない。
参照法条民法505条,民法511条
隣接する土地の全部の時効取得と境界確定の訴えの原告適格
最高裁判所第三小法廷平成7年7月18日平成6(オ)2470集民 第176号491頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲地に隣接する乙地の所有者が甲地の全部を時効取得したときは、甲地の所有者は、右両地の境界確定の訴えの原告適格を失う。
参照法条民法162条,民法223条,民訴法45条,民訴法第2編第1章訴
遺留分減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権と消滅時効
最高裁判所第二小法廷平成7年6月9日平成6(オ)2007集民 第175号549頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権は、時効によって消滅することはない。
参照法条民法167条,民法884条,民法1042条
いわゆる従業員持株制度に基づいて取得した株式を退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の会社と従業員との合意が有効とされた事例
最高裁判所第三小法廷平成7年4月25日平成3(オ)1332集民 第175号91頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨定款で株式の譲渡制度を定めている会社において、いわゆる従業員持株制度に基づいて取得した株式を退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の会社と従業員との間でされた合意は、従業員が、右制度の趣旨、内容を了解した上で株式を額面額で取得し、毎年八ないし三〇パーセントの割合による配当を受けていたなど判示の事実関係の下にお…
参照法条商法204条1項,民法90条
被害者の受領拒絶を理由とする損害賠償債務についての弁済供託と自動車損害賠償保障法一五条にいう「支払」
最高裁判所第三小法廷平成7年4月25日平成5(オ)843集民 第175号123頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被害者の受領拒絶を理由とする損害賠償債務についての弁済供託は、自動車損害賠償保障法一五条にいう「支払」に当たる。
参照法条自動車損害賠償保障法15条,民法494条
物上保証人が債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することの許否
最高裁判所第二小法廷平成7年3月10日平成6(オ)2325集民 第174号811頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨物上保証人は、債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することができない。
参照法条民法147条3号,民法148条,民法396条
特定の不動産を相続させる旨の遺言と遺言執行者の登記手続義務
最高裁判所第三小法廷平成7年1月24日平成3(オ)1057集民 第174号67頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる旨の遺言により、甲が被相続人の死亡とともに当該不動産の所有権を取得した場合には、甲が単独でその旨の所有権移転登記手続をすることができ、遺言執行者は、遺言の執行として右の登記手続をする義務を負わない。
参照法条民法908条,民法1012条1項,民法1013条
ゴルフクラブの預託金制の平日会員としての入会契約について会員権の譲渡を禁止する特約が付されていたものとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成7年1月20日平成6(オ)1361集民 第174号29頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ゴルフクラブの預託金制の平日会員としての入会契約の関係書類に会員権の譲渡を禁止する旨が直接明記されていなくても、会員募集要項において、正会員の株式の譲渡が自由であることを述べながら平日会員権の譲渡の可否に触れておらず、平日会員権と独立して他に譲渡することのできない家族会員権とを全く同列に扱い、規約の施行細則において正会…
参照法条民法466条
一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず建物全部について賃借権設定登記がされている場合に右登記の抹消登記手続請求を認容すべき範囲
最高裁判所第一小法廷平成7年1月19日平成4(オ)2188集民 第174号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず、建物全部について賃借権設定登記がされている場合、右登記の抹消登記手続請求は、右建物部分を除く残余の部分に関する限度において認容すべきである。
参照法条民法177条,建物の区分所有等に関する法律1条,不動産登記法94条ノ2,不動産登記法96条ノ2
民法八九一条五号にいう遺言書の隠匿に当たらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成6年12月16日平成4(オ)658集民 第173号503頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被相続人甲からその子乙が遺言公正証書の正本の保管を託され、乙は遺産分割協議の成立に至るまで法定相続人の一人である姉に対して遺言書の存在と内容を告げなかったが、甲の妻丙は甲が公正証書によって遺言をしたことを知っており、丙の実家の当主は証人として遺言書の作成に立ち会った上、遺言執行者の指定を受け、また、乙は遺産分割協議の成…
参照法条民法891条5号
要役地の所有者によって通路が開設されたとして通行地役権の時効取得が認められた事例
最高裁判所第二小法廷平成6年12月16日平成6(オ)414集民 第173号517頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公道に接する土地を所有する甲が、乙に対して右公道の拡幅のためにその所有地の一部を提供するよう働きかける一方、自らも所有地の一部を提供する等の負担をし、甲のこれらの行為の結果として、右公道全体が拡幅され、乙の右所有地も拡幅部分の一部として通行の用に供されるようになったなど判示の事実関係の下においては、乙の右所有地について…
参照法条民法283条
根保証契約の保証の限度額が明示されなかった場合に右限度額が同時に設定された根抵当権の極度額と同額であり両者が併せて右同額の範囲内で債務の支払を保証又は担保するものとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成6年12月6日平成4(オ)2051集民 第173号441頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨信用組合取引約定により負担する現在及び将来の債務の支払を確保するため根保証契約と根抵当権設定契約が同一の当事者間で同時に締結された場合に、根保証契約の保証の限度額が明示されなかったとしても、根抵当権の極度額が債務の額を具体的に想定した上でその範囲内で抵当不動産の担保価値を把握すれば足りるとして定められたなど判示の事実関…
参照法条民法446条
共同不法行為者が負担する損害賠償債務と民法四三七条の適用の有無
最高裁判所第一小法廷平成6年11月24日平成4(オ)1814集民 第173号431頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共同不法行為者が負担する損害賠償債務については、民法四三七条の規定は適用されない。
参照法条民法437条,民法719条
信用金庫の職員に預金の名目で小切手を詐取された者が信用金庫に損害賠償を請求した場合につき右の者に重大な過失があるとした判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成6年11月22日平成3(オ)284集民 第173号347頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲が信用金庫の支店長代理乙に預金の名目で小切手を詐取されたとして信用金庫に損害賠償を請求した場合において、甲は信用金庫の店舗内で乙に預金の趣旨で小切手を交付したが、もともと正規の預金を勧誘されたものではないなど判示の事情があるときは、甲が勧誘を受けた預金の条件など勧誘から小切手の交付に至るまでの一連の過程に正常な普通預…
参照法条民法715条
相続財産分与の審判前に特別縁故者に当たると主張する者が提起した遺言無効確認の訴えと訴えの利益の有無
最高裁判所第一小法廷平成6年10月13日平成3(オ)424集民 第173号149頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法九五八条の三第一項の規定による相続財産の分与の審判前に特別縁故者に当たると主張する者が提起した遺言無効確認の訴えは、訴えの利益を欠く。
参照法条民法958条の3第1項,民訴法225条
建物の賃借人の失火により右建物が全焼してその敷地の使用借権を喪失した賃貸人が賃借人に請求することのできる損害
最高裁判所第三小法廷平成6年10月11日平成3(オ)825集民 第173号133頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建物の賃借人の失火により右建物が全焼してその敷地の使用借権を喪失した賃貸人は、賃借人に対し、右建物の焼失による損害として、焼失時の建物の本体の価格と土地使用に係る経済的利益に相当する額とを請求することができる。
参照法条民法416条,民法593条
農地の小作人が所有者に対し所有の意思のあることを表示したものとして右農地の時効取得が認められた事例
最高裁判所第三小法廷平成6年9月13日平成5(オ)118集民 第173号53頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨農地の小作人がいわゆる農地解放後に最初に地代を支払うべき時期にその支払をせず、これ以降、所有者は小作人が地代等を一切支払わずに右農地を自由に耕作し占有することを容認していたなど原判示の事実関係の下においては、小作人は、遅くとも右の時期に、所有者に対して右農地につき所有の意思のあることを表示したものというべきである。
参照法条民法162条,民法185条
他の相続人に代償金を交付して単独で相続した不動産を売却した場合の譲渡所得の計算上右代償金を取得費に算入することの可否
最高裁判所第三小法廷平成6年9月13日平成6(行ツ)78集民 第173号79頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨相続人の一人が遺産分割協議に従い他の相続人に対し代償金を交付して単独で相続した不動産を売却した場合、譲渡所得の計算上、右代償金を右不動産の取得費に算入することはできない。
参照法条所得税法33条3項,所得税法60条,民法909条
債務の弁済と譲渡担保の目的物の返還との同時履行関係の有無
最高裁判所第一小法廷平成6年9月8日平成6(オ)1025集民 第173号21頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債務の弁済と譲渡担保の目的物の返還とは、前者が後者に対し先履行の関係にあり、同時履行の関係に立たない。
参照法条民法369条(譲渡担保),民法533条
賃料の不払を理由とする賃貸借契約の解除と転借人に賃料の代払の機会を与えることの要否
最高裁判所第二小法廷平成6年7月18日平成4(オ)1598集民 第172号1007頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨適法な転貸借関係が存在する場合、賃貸人が賃料の不払を理由として賃貸借契約を解除するには、特段の事情のない限り、転借人に通知等をして賃料の代払の機会を与えなければならないものではない。 (反対意見がある。)
参照法条民法541条,民法613条
封筒の封じ目にされた押印により自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成6年6月24日平成6(オ)83集民 第172号733頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨遺言者が、自筆証書遺言をするにつき書簡の形式を採ったため、遺言書本文の自署名下には押印をしなかったが、遺言書であることを意識して、これを入れた封筒の封じ目に押印したものであるなど原判示の事実関係の下においては、右押印により、自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはない。
参照法条民法968条1項
預金者の代理人と称する者に対して預金担保貸付けをした場合における払戻充当と民法四七八条の類推適用
最高裁判所第三小法廷平成6年6月7日平成2(オ)1510集民 第172号623頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨金融機関が、自行の定期預金の預金者の代理人と称する者に対し、右定期預金債権に質権を設定して金銭を貸し付け、その後質権実行の趣旨で右定期預金を払い戻して貸付債権の弁済に充当した場合には、民法四七八条が類推適用される。
参照法条民法478条
当事者が損害賠償の額を予定した場合における過失相殺の可否
最高裁判所第一小法廷平成6年4月21日平成2(オ)1456集民 第172号379頁
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裁判要旨当事者が損害賠償の額を予定した場合においても、債務不履行に関し債権者に過失があったときは、特段の事情のない限り、裁判所は、損害賠償の責任及びその金額を定めるにつき、これをしんしゃくすべきである。
参照法条民法418条,民法420条1項
上告が上訴権の濫用に当たるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成6年4月19日平成5(行ツ)180集民 第172号371頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨特許出願の拒絶査定を是認する審決に対する取消訴訟において、その係属中に特許出願が取り下げられた場合には訴えの利益が失われるのに、特許出願人が、請求棄却の判決の言渡し後に自らこのような状態を現串させた上、訴えの却下を求めて上告することは、上訴権の濫用に当たる。
参照法条民訴法393条,民訴法399条1項1号,民訴法399条ノ3,民法1条3項
民法三九五条ただし書の規定による短期賃貸借の解除判決が確定した場合における賃貸人による明渡請求の可否
最高裁判所第二小法廷平成6年3月25日平成2(オ)1598集民 第172号157頁
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裁判要旨民法三九五条ただし書の規定による短期賃貸借の解除請求訴訟において解除判決が確定した場合には、右賃貸借関係は賃貸人との関係においても終了し、賃貸人は、賃借人に対し、目的不動産の明渡しを請求することができる。
参照法条民法395条
工場の操業に起因する騒音等により被害を受けているとして隣接地住民がした操業の差止め及び慰謝料の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成6年3月24日平成1(オ)1682集民 第172号99頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨レデイミクストコンクリート製造工場の隣接地住民が右工場の操業に起因する騒音等により被害を受けているとして操業の差止め及び慰謝料の支払を請求したのに対し、住宅の建替えによって被害の程度が変化していること、付近は相当の交通騒音が存在する地域であることなど判示の事情を総合的に考察することなく、右工場の操業が法令等に違反してい…
参照法条民法198条,民法199条,民法709条
債権者を確知することができないことを理由とする弁済供託の被供託者の中に権利義務の帰属主体となる実体を備えていないものが含まれる場合と供託の効力
最高裁判所第一小法廷平成6年3月10日平成4(オ)281集民 第172号55頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債権者を確知することができないことを理由とする弁済供託は、被供託者の中に、還付請求権を有する者が含まれている以上、権利義務の帰属主体となる実体を備えていないものが含まれていても、無効とはならない。
参照法条民法494条後段,供託法9条
未成熟子がいる有責配偶者からの離婚請求が認容された事例
最高裁判所第三小法廷平成6年2月8日平成5(オ)950集民 第171号417頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有責配偶者である夫からされた離婚請求であっても、別居が一三年余に及び、夫婦間の未成熟の子は三歳の時から一貫して妻の監護の下で育てられて間もなく高校を卒業する年齢に達していること、夫が別居後も妻に送金をして子の養育に無関心ではなかったこと、夫の妻に対する離婚に伴う経済的給付も実現が期待できることなど判示の事実関係の下にお…
参照法条民法1条2項,民法770条
同一人の所有に属する数筆の土地の一部が担保権の実行としての競売により袋地となった場合と民法二一三条二項の囲繞地通行権の成否
最高裁判所第三小法廷平成5年12月17日平成5(オ)860集民 第170号877頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同一人の所有に属する数筆の土地の一部が担保権の実行としての競売により袋地となった場合は、民法二一三条二項の囲繞地通行権が成立する。
参照法条民法213条2項
特定の土地の分割方法を定めた遺言の存在を知らないでされた遺産分割協議の意思表示に要素の錯誤がないとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成5年12月16日平成2(オ)1828集民 第170号757頁
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裁判要旨特定の土地につきおおよその面積と位置を示して分割した上それぞれを相続人甲、乙、丙に相続させる趣旨の分割方法を定めた遺言が存在したのに、相続人丁が右土地全部を相続する旨の遺産分割協議がされた場合において、相続人の全員が右遺言の存在を知らなかったなど判示の事実関係の下においては、甲のした遺産分割協議の意思表示に要素の錯誤が…
参照法条民法95条,民法907条,民法908条
建築基準法四二条二項の指定により同条一項の道路とみなされている土地上に設置されたブロック塀の収去請求が許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成5年11月26日平成1(オ)1792集民 第170号641頁
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裁判要旨建築基準法四二条二項の指定により同条一項の道路とみなされている土地上にブロック塀が設置された場合において、右ブロック塀の設置により既存の通路の幅員が狭められた範囲がブロック二枚分の幅にとどまり、右ブロック塀の外側に既存の通路があって、日常生活上支障が生じていないときは、隣接地の地上建物の所有者は、人格権が侵害されたこと…
参照法条建築基準法42条1項,建築基準法42条2項,民法198条,民法710条
いわゆるファイナンス・リース契約において利用者がリース物件の使用ができなかったからといってリース料の支払義務を免れることができないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成5年11月25日平成3(オ)1495集民 第170号553頁
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裁判要旨いわゆるファイナンス・リース契約において、利用者がリース物件の引渡しを受けていないのにリース業者にこれを受領した旨の受領書を交付し、その後リース業者が販売店からその経営不振を理由にリース物件を引き揚げたなど判示の事実関係の下においては、利用者は、リース物件を使用することができなかったからといって、リース料の支払義務を免…
参照法条民法601条
一 カーボン複写の方法によって記載された自筆の遺言と民法九六八条一項にいう「自書」の要件 二 二人の遺言が一通の証書につづり合わされている場合と民法九七五条
最高裁判所第三小法廷平成5年10月19日平成4(オ)818集民 第170号77頁
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裁判要旨一 カーボン複写の方法によって記載された自筆の遺言は、民法九六八条一項にいう「自書」の要件に欠けるものではない。 二 一通の証書に二人の遺言が記載されている場合であっても、その証書が各人の遺言書の用紙をつづり合わせたもので、両者が容易に切り離すことができるときは、右遺言は、民法九七五条によって禁止された共同遺言に当たら…
参照法条民法968条1項,民法975条
不法行為により死亡した者の相続人が加害者に対し死亡者の得べかりし普通恩給及び国民年金(老齢年金)をその逸失利益として請求することの可否
最高裁判所第三小法廷平成5年9月21日平成1(オ)297集民 第169号793頁
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裁判要旨不法行為により死亡した者の得べかりし普通恩給及び国民年金(老齢年金)は、その逸失利益として相続人が相続によりこれを取得し、加害者に対してその賠償を請求することができる。
参照法条恩給法9条1項1号,国民年金法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)29条,民法709条,民法896条
甲乙丙三者間で乙所有の冷蔵庫を乙から丙を経て甲へ順次売却し更に甲が乙に割賦販売する形式でされた甲乙間の合意が消費貸借契約又は諾成的消費貸借契約であるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成5年7月20日昭和63(オ)38集民 第169号291頁
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裁判要旨甲乙丙の三者間で乙所有の冷凍冷蔵庫を乙から丙を経て甲へ順次売却し更に甲が乙に割賦販売する旨の合意がされた場合において、右合意が甲が乙に金融を得させる目的でされたものであり、右三者間では右冷蔵庫の所有権を真に移転する意思がなく、丙は甲から売買代金名義で受領した金員と同額の金員を乙に交付することを約したにすぎないなど判示の…
参照法条民法91条,民法587条
預金者以外の者が真正なキャッシュカードを使用し正しい暗証番号を入力して現金自動支払機から預金の払戻しを受けた場合と免責約款による銀行の免責
最高裁判所第二小法廷平成5年7月19日平成1(オ)1473集民 第169号255頁
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裁判要旨銀行の設置した現金自動支払機を利用して預金者以外の者が預金の払戻しを受けたとしても、真正なキャッシュカードが使用され、正しい暗証番号が入力されていた場合には、銀行による暗証番号の管理が不十分であったなど特段の事情がない限り、銀行は、免責約款により免責される。
参照法条民法91条,民法478条
法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人から法定相続分に応じた共有持分権を譲り受けた者が取得する持分の割合
最高裁判所第二小法廷平成5年7月19日平成1(オ)714集民 第169号243頁
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裁判要旨遺言により法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人が、遺産を構成する特定不動産に法定相続分に応じた共同相続登記がされたことを利用し、右登記に係る自己の共有持分権を第三者に譲渡し、第三者が右持分の移転登記を受けたとしても、右第三者は右共同相続人の指定相続分に応じた持分を取得するにとどまる。
参照法条民法177条,民法898条,民法902条
管理者に準ずる地位にある職員が組合員バッジの取外し命令に従わないため点呼執行業務から外して営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令が違法とはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成5年6月11日平成1(オ)1631集民 第169号117頁
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裁判要旨自動車営業所の管理者に準ずる地位にある職員が、取外し命令を無視して組合員バッジの着用をやめないため、同人を通常業務である点呼執行業務から外し、営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令は、右作業が職場環境整備等のために必要な作業であり、従来も職員が必要に応じてこれを行うことがあったなど判示の事情の下にお…
参照法条民法623条,民法709条,労働基準法13条
相続税法五五条本文にいう「相続分」と共同相続人間の譲渡に係る相続分
最高裁判所第三小法廷平成5年5月28日平成1(行ツ)162集民 第169号99頁
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裁判要旨相続税法五五条本文にいう「相続分」には、共同相続人間の譲渡に係る相続分が含まれる。
参照法条相続税法55条本文,民法905条1項
仮差押えと民法四三四条にいう「履行ノ請求」
最高裁判所第一小法廷平成5年4月22日平成4(オ)1077集民 第169号25頁
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裁判要旨仮差押えは、民法四三四条にいう「履行ノ請求」に含まれない。
参照法条民法434条,民訴法(平成元年法律第91号による改正前のもの)741条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)750条
いわゆるチェック・オフと個々の組合員からの委任の要否
最高裁判所第一小法廷平成5年3月25日平成3(オ)928集民 第168号127頁
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裁判要旨使用者と労働組合との間にいわゆるチェック・オフ協定が締結されている場合であっても、使用者が有効なチェック・オフを行うためには、賃金から控除した組合費相当分を労働組合に支払うことにつき個々の組合員から委任を受けることが必要である。
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)24条1項,民法643条,民法651条1項
国に対しアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の離着陸等の差止めを請求することの可否
最高裁判所第一小法廷平成5年2月25日昭和63(オ)611集民 第167号359頁
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裁判要旨国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づきアメリカ合衆国に対し同国軍隊の使用する施設及び区域として飛行場を提供している場合において、国に対し右軍隊の使用する航空機の離着陸等の差止めを請求することはできない。
参照法条日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約6条,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定2条,民法198条,民法199条
注文者が労働安全衛生法三〇条二項前段による指名をしなかったことと作業員の死亡事故との間に相当因果関係がないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成5年1月21日平成1(オ)745集民 第167号297頁
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裁判要旨漁船の機関室で甲社と乙社の作業が並行して行われた際、甲社の作業員の過失によりアンモニアガスが漏出して乙社の作業員が死亡した場合において、甲乙両社に漁船の整備点検を分割発注した注文者が労働安全衛生法三〇条二項前段による指名をしていなかったとしても、当日予定されていた甲社の作業にはアンモニアガス漏出の危険性のあるものはなく…
参照法条民法709条,労働安全衛生法30条1項,労働安全衛生法30条2項
無権代理人が本人を共同相続した場合における無権代理行為の効力
最高裁判所第一小法廷平成5年1月21日平成4(オ)87集民 第167号331頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない。 (反対意見がある。)
参照法条民法113条,民法117条,民法896条,民法898条
遺贈に対する遺留分減殺請求について価額による弁償が行われた場合と所得税法五九条一項一号の遺贈
最高裁判所第一小法廷平成4年11月16日平成3(行ツ)84集民 第166号613頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨法人に対する遺贈について、遺留分権利者による減殺の請求がされた場合であっても、これに対して民法一〇四一条一項の価額による弁償が行われたときは、右遺贈は、所得税法五九条一項一号の遺贈に当たる。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条所得税法59条1項1号,民法1031条,民法1041条1項
抵当権の被担保債権の消滅後の債権譲渡に対する異議をとどめない承諾と抵当権の帰すう
最高裁判所第三小法廷平成4年11月6日平成3(オ)324集民 第166号565頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨抵当権の被担保債権が弁済によって消滅した後に譲渡され、債務者が異議をとどめないで債権譲渡を承諾した場合であっても、右弁済前の第三取得者に対する関係において、抵当権は復活しない。
参照法条民法468条1項
相続人が遺産分割前に遺産である金銭を保管している他の相続人に対して自己の相続分相当の金銭の支払を請求することの可否
最高裁判所第二小法廷平成4年4月10日平成1(オ)433集民 第164号285頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。
参照法条民法898条,民法899条,民法907条
証券会社の従業員の無断売買によつて生じた差損などを顧客の信用取引口座から曳き落とす処理がされた場合と顧客の損害発生の有無
最高裁判所第二小法廷平成4年2月28日昭和63(オ)386集民 第164号113頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨証券会社の従業員が顧客の信用取引口座を利用して無断売買をし、その結果生じた差損などに相当する金員をその顧客の信用取引口座から引き落とす処理がされたとしても、顧客に右金員相当の損害が生じたものということはできない。
参照法条民法415条,民法644条,商法552条,証券取引法49条
分割請求者が多数である場合における民法二五八条による現物分割といわゆる一部分割
最高裁判所第二小法廷平成4年1月24日平成1(オ)867集民 第164号25頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法二五八条により共有物の現物分割をする場合において、分割請求者が多数であるときは、分割請求の相手方の持分の限度で現物を分割し、その余は分割請求者の共有として残す方法によることも許される。
参照法条民法258条
建物賃貸人の失火による火災で焼失した賃貸建物内の衣料品類の損害について賃貸人の債務不履行責任を認めた事例
最高裁判所第一小法廷平成3年10月17日昭和62(オ)1408集民 第163号365頁
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裁判要旨木造二階建ての建物の一部を衣料品類販売店舗として賃貸し、建物の火気は主として賃貸人が住居として使用していたその余の部分にあり、賃貸人の使用部分からの失火によって賃貸部分に蔵置保管されていた衣料品類にも被害が及ぶことが当然に予測されていたなど、判示の事実関係の下において、賃貸人は、その使用部分の火気の取扱いの不注意による…
参照法条民法1条2項,民法415条,民法601条
法定地上権の移転と未払地代支払債務の承継の有無
最高裁判所第三小法廷平成3年10月1日平成3(オ)35集民 第163号327頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨建物の所有を目的とする法定地上権と共にその建物の所有権を取得した者は、前主の未払地代の支払債務を当然には承継しない。
参照法条民法266条,民法388条
土地賃貸借契約において賃借人が地上建物を賃貸して転居し所在を明らかにしないまま八年以上を経過したことなどが賃貸人に対する信頼関係を著しく破壊するとして無催告の解除が許容された事例
最高裁判所第三小法廷平成3年9月17日平成2(オ)1735集民 第163号299頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地賃借人が第三者に地上建物を賃貸して地代の支払をゆだね、その旨を賃貸人に通知することなく転居し、以後自ら土地の管理をせず、所在を明らかにしないまま八年以上を経過するなど、判示の事実関係の下においては、賃借人の行為は賃貸借当事者間の信頼関係を著しく破壊するものであって、賃貸人は、契約上の義務違反を理由として賃貸借契約を…
参照法条民法541条,民法601条
抵当権の実行に基づく土地の買受人が当該土地の短期賃貸借の賃借人に対してした将来の明渡しを求める訴えが適法とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成3年9月13日平成3(オ)353集民 第163号257頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地の短期賃貸借契約の締結が執行妨害の意図を含むものであって、その期間満了に当たって、右賃貸借の賃借人が種々の妨害工作をしないとの保障もないなど判示の事実関係の下においては、抵当権の実行に基づく当該土地の買受人が右賃借人に対してした将来の右期間満了時における明渡しを求める訴えは適法である。
参照法条民法395条,民訴法226条
民法二三四条一項の規定に違背して建築された建物部分の収去請求が権利濫用に当たらないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成3年9月3日昭和62(オ)1208集民 第163号189頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法二三四条一項の規定に違背して建物を築造しようとする者が、建築着手の時から一年以内であって建物が完成しない間に、隣地所有者から工事中止の要請を受け、更に裁判所の建築工事続行禁止の仮処分決定を受けたにもかかわらず、あえて建築を続行してこれを完成させた場合には、隣地所有者のする右違反建築部分の収去請求は、右建築者において…
参照法条民法1条3項,民法234条
連帯債務者の一部の者に対する債権の転付とその余の連帯債務者に対する債権の移転の有無
最高裁判所第二小法廷平成3年5月10日平成2(オ)1330集民 第163号37頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨連帯債務者の一部の者に対する債権が転付命令によって第三者に移転したとしても、その余の連帯債務者に対する債権は移転しない。
参照法条民法432条,民法440条,民事執行法159条,民事執行法160条
商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に支払われた保険金に関する不当利得返還請求権の消滅時効期間
最高裁判所第二小法廷平成3年4月26日平成1(オ)1232集民 第162号769頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨法定の免責事由があるにもかかわらず、商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に保険金が支払われた場合の不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年である。 (補足意見がある。)
参照法条民法167条1項,民法703条,商法522条,商法641条
道路位置指定処分がされた土地上に設置された工作物の撤去請求が許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成3年4月19日昭和62(オ)741集民 第162号489頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨道路位置指定処分がされたが現実に道路として開設されていない土地上に工作物が設置されている場合において、隣接地の所有者は、右処分がされた土地を自由に通行し得ることを前提として、右工作物の撤去を求めることができない。
参照法条建築基準法(昭和34年法律第156号による改正前のもの)42条1項,民法198条,民法710条
元請企業につき下請企業の労働者に対する安全配慮義務が認められた事例
最高裁判所第一小法廷平成3年4月11日平成1(オ)516集民 第162号295頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨下請企業の労働者が元請企業の作業場で労務の提供をするに当たり、元請企業の管理する設備工具等を用い、事実上元請企業の指揮監督を受けて稼働し、その作業内容も元請企業の従業員とほとんど同じであったなど原判示の事実関係の下においては、元請企業は、信義則上、右労働者に対し安全配慮義務を負う。
参照法条民法1条2項,民法415条,民法623条,民法632条
後見人に就職した二名の者が未成年者を代理して締結した売買契約の効力を否定することが許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成3年3月22日昭和63(オ)924集民 第162号227頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨未成年者甲の後見人に就職した乙及び丙が甲を代理して売買契約を締結した場合において、乙及び丙は甲の実親であり、甲の養父の死亡により戸籍上甲の後見人に就職した旨記載され、ともに正当な後見人となったものと考えて、甲の財産を管理してきたもので、右売買に右両名が後見人として関与したことにより、甲の利益が損なわれたわけではなく、甲…
参照法条民法1条2項,民法113条,民法843条
運航委託契約により船舶の運航を受託した者につき船長に対する安全配慮義務が認められた事例
最高裁判所第一小法廷平成2年11月8日昭和62(オ)1047集民 第161号191頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨運航委託契約により船舶の運航を受託した者が、船舶を自己の業務の中に一体的に従属させ、船内事故の被害者で直接の契約関係にない船長に対し指揮監督権を行使する立場にあり、船長かち実質的に労務の供給を受けていたという事実関係の下においては、右受託者は、船長に対し信義則上の安全配慮義務を負う。
参照法条民法1条2項,民法415条,民法643条,民法656条
有責配偶者からの離婚請求において別居期間が相当の長期間に及んだものとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成2年11月8日平成1(オ)1039集民 第161号203頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有責配偶者である夫からされた離婚請求において、夫が別居後の妻子の生活費を負担し、離婚請求について誠意があると認められる財産関係の清算の提案をしているなど判示の事情のあるときは、約八年の別居期間であっても、他に格別の事情のない限り、両当事者の年齢及び同居期間との対比において別居期間が相当の長期間に及んだと解すべきである。
参照法条民法1条2項,民法770条
一 液化石油ガス消費設備が民法七一七条にいう「土地ノ工作物」に当たるとされた事例 二 液化石油ガスの供給者がガス消費設備について民法七一七条にいう「占有者」に当たるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成2年11月6日昭和61(オ)1512集民 第161号91頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 土地のコンクリート面にビスで固定されたベーパーライザー(気化器)にガスボンベから高圧ゴムホース及び導管によって接続されるなど判示のような構造を有し、一体として機能を果たす液化石油ガス消費設備は、高圧ゴムホースを含め、民法七一七条にいう「土地ノ工作物」に当たる。 二 液化石油ガスの供給者が、自らが専ら保守、管理及び操…
参照法条民法717条
道路法施行法五条一項に基づく使用貸借による権利と地方自治法二三八条一項四号にいう「地上権、地役権、鉱業権その他これらに準ずる権利」
最高裁判所第一小法廷平成2年10月25日平成2(行ツ)130集民 第161号51頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨道路法施行法五条一項に基づく使用貸借による権利は、地方自治法二三八条一項四号にいう「地上権、地役権、鉱業権その他これらに準ずる権利」に当たらない。
参照法条道路法施行法5条1項,民法593条,地方自治法238条1項4号,地方自治法242条1項,地方自治法242条の2第1項
財産分与金の支払を目的とする債権と取戻権
最高裁判所第一小法廷平成2年9月27日平成2(オ)718集民 第160号373頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨財産分与の分与者が破産した場合において、その相手方は、破産管財人に対し、取戻権の行使として、財産分与金の支払を目的とする債権の履行を請求することはできない。
参照法条民法768条,破産法87条
認知されていない非嫡出子が提起した父子関係存在確認の訴えの許否
最高裁判所第一小法廷平成2年7月19日平成1(オ)772集民 第160号271頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨認知されていない非嫡出子は、父との間の親子関係の存在確認の訴えを提起することができない。
参照法条民法779条,民訴法225条,人事訴訟手続法第2章
ガソリンスタンドの店舗用建物に設定された抵当権の効力がその設定当時建物の従物であつた地下タンク、ノンスペース型計量機洗車機などの諸設備にも及ぶとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成2年4月19日昭和62(オ)524集民 第159号461頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ガソリンスタンドの店舗用建物に対する抵当権設定当時、建物内の設備と一部管によつて連通する地下タンク、ノンスペース型計量機、洗車機などの諸設備を右建物の敷地上又は地下に近接して設置し、これらを右建物に付属させて経済的に一体として右営業に使用していたなど判示の事情の下においては、右諸設備には、右建物の従物として抵当権の効力…
参照法条民法87条,民法370条
株主のする株主名簿の閲覧及び謄写の請求が権利の濫用に当たるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成2年4月17日平成1(オ)65集民 第159号449頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主のする株主名簿の閲覧及び謄写の請求が、自ら発行する新聞等の購読料名下の金員の支払を再開継統させる目的をもってされた嫌がらせあるいは右金員の支払を打ち切ったことに対する報復としてされたものであるときは、右請求は、権利の濫用として許されない。
参照法条民法1条3項,商法263条2項
割賦販売法三〇条の四第一項新設前の個品割賦購入あつせんにおける売買契約上の抗弁とあつせん業者に対する対抗の可否
最高裁判所第三小法廷平成2年2月20日昭和59(オ)1088集民 第159号151頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨割賦販売法三〇条の四第一項新設前の個品割賦購入あつせんにおいて、購入者とあつせん業者の加盟店である販売業者との売買契約が販売業者の商品引渡債務の不履行を原因として合意解除された場合であつても、購入者とあつせん業者間の立替払契約においてかかる場合には購入者が右業者の履行請求を拒みうる旨の特別の合意があるとき又はあつせん業…
参照法条民法1条2項,民法650条1項,割賦販売法2条3項2号,割賦販売法30条の4
権利能力なき社団等が法人格を取得した場合と民法一八七条一項
最高裁判所第二小法廷平成元年12月22日平成1(オ)1382集民 第158号845頁
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裁判要旨民法一八七条一項は、権利能力なき社団等の占有する不動産を法人格を取得した以後当該法人が引き継いで占有している場合にも適用がある。
参照法条民法33条,民法187条1項
前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成元年12月22日昭和59(オ)303集民 第158号805頁
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裁判要旨すべての原因による不就労を基礎として算出した前年の稼働率が八〇パーセント以下の従業員を翌年度のベースアップを含む賃金引上げの対象者から除外する旨の労働協約条項は、そのうち労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を稼働率算定の基礎とする部分は有効であるが、右各権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎とする部分…
参照法条民法90条,労働基準法39条,労働基準法65条,労働基準法66条,労働基準法67条,労働基準法68条,労働基準法76条,労働組合法2章,労働組合法14条,労働組合法16条,憲法28条
ユニオン・ショップ協定の効力
最高裁判所第一小法廷平成元年12月21日昭和62(オ)515集民 第158号659頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法九〇条により無効である。
参照法条憲法28条,民法90条,労働組合法2章,労働組合法3章
物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定され甲所有の不動産が先に競売された場合における甲所有不動産の後順位抵当権者の地位
最高裁判所第二小法廷平成元年11月24日昭和63(オ)1539集民 第158号225頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定された場合において、甲所有の不動産が先に競売されて先順位抵当権者が弁済を受けたときは、甲所有不動産の後順位抵当権者は、甲が乙に対する求償権の範囲内において代位取得する乙所有不動産の先順位抵当権から優先して弁済を受けることができ、右優先弁…
参照法条民法177条,民法304条1項,民法372条,民法392条2項,民法501条3号,民法501条4号
夫婦の一方が提起した婚姻無効確認請求訴訟における原告の死亡と訴訟の帰すう
最高裁判所第二小法廷平成元年10月13日昭和63(オ)601集民 第158号75頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨夫婦の一方が他方を相手方として提起した婚姻無効確認請求訴訟は、原告の死亡により、当然終了する。
参照法条民法742条,民訴法208条1項,人事訴訟手続法2条1項
労働者の死亡と労働契約上の地位確認請求訴訟の承継の成否
最高裁判所第二小法廷平成元年9月22日平成1(オ)812集民 第157号645頁
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裁判要旨労働者の提起した労働契約上の地位を有することの確認を求める訴訟は、当該労働者の死亡により当然終了する。
参照法条民法623条,民訴法208条
一 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の履行遅滞となる時期 二 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の遅延損害金の利率
最高裁判所第一小法廷平成元年9月21日昭和59(オ)15集民 第157号635頁
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裁判要旨一 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務は、履行の請求を受けた時に履行遅滞となる。 二 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の遅延損害金の利率は、年五分である。
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3,民法404条,民法412条
一 アメリカ合衆国軍隊の軍用地として使用されている土地につき時効取得が認められた事例 二 選択的併合の関係にある一の請求を認容した原判決に対する上告審において他の請求を認容するときと原判決の帰すう
最高裁判所第三小法廷平成元年9月19日昭和59(オ)199集民 第157号581頁
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裁判要旨一 戦後アメリカ合衆国軍隊に接収され今日まで軍用地として使用されている土地につき、登記簿上の所有名義人が同国政府のために締結された賃貸借契約に基づき継続して軍用地料を受領し、公租公課も負担してきたなど原判示の事実関係の下においては、右所有名義人の時効取得を認めることができる。 二 選択的併合の関係にある一の請求を認容し…
参照法条民法162条,民訴法227条,民訴法408条
協議離婚に伴う財産分与契約をした分与者の課税負担の錯誤に係る動機が意思表示の内容をなしたとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成元年9月14日昭和63(オ)385集民 第157号555頁
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裁判要旨協議離婚に伴い夫が自己の不動産全部を妻に譲渡する旨の財産分与契約をし、後日夫に二億円余の譲渡所得税が課されることが判明した場合において、右契約の当時、妻のみに課税されるものと誤解した夫が心配してこれを気遣う発言をし、妻も自己に課税されるものと理解していたなど判示の事実関係の下においては、他に特段の事情がない限り、夫の右…
参照法条民法95条,民法768条,所得税法33条
有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成元年9月7日昭和63(オ)316集民 第157号457頁
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裁判要旨有責配偶者である夫(大正一五年四月生)からの離婚請求であつても、夫婦の別居期間が約一五年六か月に及び、その間の子が夫と同棲する女性に四歳時から実子同然に育てられて一九歳に達しており、妻(昭和九年三月生)は別居期間中夫所有名義のマンションに居住し、主に夫から支払われる婚姻費用によつて生活してきたものであり、しかも、妻が離…
参照法条民法1条2項,民法770条
地方団体の徴収金につき連帯納入義務者がある場合の法定納期限等
最高裁判所第二小法廷平成元年7月14日昭和60(オ)109集民 第157号403頁
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裁判要旨地方団体の徴収金につき連帯納入義務者がある場合における法定納期限等は、各連帯納入義務者ごとに行われる税額確定手続に応じて各別に定まる。
参照法条地方税法10条,地方税法14条の9第1項,地方税法14条の10,民法440条
自筆遺言証書における押印と指印
最高裁判所第二小法廷平成元年6月23日昭和62(オ)1180集民 第157号207頁
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裁判要旨自筆遺言証書における押印は、指印をもつて足りる。 (反対意見がある。)
参照法条民法968条1項
自筆遺言証書における押印と指印
最高裁判所第三小法廷平成元年6月20日昭和63(オ)955集民 第157号147頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自筆遺言証書における押印は、指印をもつて足りる。
参照法条民法968条1項
境界確定訴訟の提起による所有権に関する取得時効中断の効力が生じないものとされる場合
最高裁判所第三小法廷平成元年3月28日昭和58(オ)216集民 第156号373頁
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裁判要旨隣接する一方の土地の所有者甲が、乙主張の境界を越えて隣接地の一部を占有しているため、右隣接地の所有者乙が甲による右占有部分の取得時効完成前に甲に対して提起した境界確定訴訟において、乙主張のとおり両土地の境界が確定されても、右境界確定訴訟と併合審理された乙の甲に対する土地所有権に基づく右占有部分の明渡請求が、当該部分に関…
参照法条民法147条,民法149条,民法162条,民訴法225条
有責配偶者からの離婚請求が認容することができないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成元年3月28日昭和62(オ)839集民 第156号417頁
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裁判要旨有責配偶者である夫からされた離婚請求において、事実審の口頭弁論終結時、夫六〇歳、妻五七歳であり、婚姻以来二六年余同居して二男二女を儲けた後夫が他の女性と同棲するため妻と別居して八年余になるなど判示の事情のあるときは、夫婦の別居期間が双方の年齢及び同居期間と対比して相当の長期間に及ぶということができず、右離婚請求を認容す…
参照法条民法1条2項,民法770条
別居期間が約一〇年三か月でその間に未成熟の子がない夫婦につき有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和63年12月8日昭和62(オ)843集民 第155号209頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨約一〇か月の同居の後妻(昭和二三年生)が他の男性と同棲するため夫(同二五年生)と別居して以来約一〇年三か月が経過し、夫婦の間に未成熟の子がなく、夫は、主に感情的理由から婚姻の継続を望んでいるにすぎず、継続して外国航路の船のコツクとして働いているなど判示の事情のもとにおいては、夫婦の別居期間は双方の年齢及び同居期間との対…
参照法条民法1条2項,民法770条
農地の取得時効につき無過失であつたとはいえないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和63年12月6日昭和59(オ)758集民 第155号187頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨農地の譲受人が、当該各譲渡について必要な農地調整法(昭和二二年法律第二四〇号による改正前のもの)四条一項所定の地方長官の許可又は農地法(昭和四五年法律第七八号による改正前のもの又は同年法律第五五号による改正前のもの)三条所定の知事の許可を受けていないときは、特段の事情のない限り、右農地を占有するに当たつてこれを自己の所…
参照法条民法162条2項,農地調整法(昭和22年法律第240号による改正前のもの)4条1項,農地調整法(昭和22年法律第240号による改正前のもの)4条3項,農地法(昭和45年法律第78号又は同第55号による改正前のもの)3条1項,農地法(昭和45…
不動産売買契約が解除された場合の損害賠償額の予定に関する約定の解釈
最高裁判所第二小法廷昭和63年11月25日昭和58(オ)548集民 第155号149頁
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裁判要旨売主の責に帰すべき履行不能により不動産売買契約が解除された場合の損害賠償額の予定に関する約定は、それが履行不能による賠償額算定の争いを避けるためにされたものであり、解除の有無によつて買主の請求しうる額に差異がない等判示の事情のもとにおいては、買主が契約を解除することなく本来の給付に代わる填補賠償を請求する場合にも適用さ…
参照法条民法415条,民法420条,民法543条,民法545条
銀行総合口座取引における預金払戻権限を有すると称する者への貸越しと民法四七八条の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和63年10月13日昭和60(オ)1402集民 第155号5頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨銀行総合口座取引において、銀行が権限を有すると称する者からの普通預金払戻請求に応じて貸越しをするにつき銀行として尽くすべき相当の注意を用いたときは、民法四七八条の類推適用により、銀行は、右貸越しによつて生じた貸金債権を自働債権とする定期預金債権との相殺をもつて真実の預金者に対抗することができる。
参照法条民法478条
土地賃借権譲渡契約につきその譲渡の効力が契約締結時に発生するとして締結されたと解された事例
最高裁判所第一小法廷昭和63年9月8日昭和59(オ)147集民 第154号465頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地賃借権の譲渡契約において、譲渡について地主の承諾が得られなかつたときは、譲渡契約当事者間で協議し、円満に取引を完了する旨の特約がある場合に、譲渡の効力発生について地主の承諾を停止条件とする旨を直接定めた書面上の合意がなく、土地上の建物の売買代金を含む譲渡代金の四割相当の手付金が譲渡契約時に支払われ、譲受人が契約締結…
参照法条民法1編4章1節,民法127条1項,民法612条
抵当権の設定された不動産についてされた譲渡担保契約等の詐害行為に該当する場合に抵当権設定登記が抹消されたときの原状回復の方法
最高裁判所第三小法廷昭和63年7月19日昭和61(オ)495集民 第154号363頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨抵当権の設定されている不動産について当該抵当権者以外の者との間にされた代物弁済予約及び譲渡担保契約が詐害行為に該当する場合において、右不動産が不可分のものであり、詐害行為の後に弁済等によつて右抵当権設定登記が抹消されたときは、その取消による原状回復は、右不動産の価額から右抵当権の被担保債権額を控除した残額の限度で価格賠…
参照法条民法424条
物上代位権の行使としての債権差押えと被差押債権の消滅時効中断の有無
最高裁判所第二小法廷昭和63年7月15日昭和60(オ)977集民 第154号333頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨抵当権者が物上代位権の行使として債務者の有する債権を差し押さえても、被差押債権の消滅時効は中断されない。
参照法条民法147条2号,民法304条,民法372条,民事執行法145条,民事執行法193条
一 公益法人設立の不許可処分の適否に関する裁判所の審査 二 医師会の社団法人設立の不許可処分に裁量権の範囲を超え又はそれを濫用した違法があるとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和63年7月14日昭和59(行ツ)276集民 第154号273頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 裁判所が公益法人設立の不許可処分の適否を審査するに当たつては、主務官庁が一定の事実を基礎として不許可を相当とするとの結論に至つた判断過程に一応の合理性があることを否定できないのであれば、特段の事情がない限り、右不許可処分には裁量権の範囲を超え又はそれを濫用した違法があるということはできない。 二 東京都の一区内にお…
参照法条民法34条,行政事件訴訟法30条
借地上の建物の賃借人と地代の弁済についての利害関係の有無
最高裁判所第二小法廷昭和63年7月1日昭和62(オ)1577集民 第154号245頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨借地上の建物の賃借人は、地代の弁済について法律上の利害関係を有する。
参照法条民法474条2項
共有者の一部の者から共有物の占有使用を承認された第三者に対するその余の共有者からの明渡請求の可否
最高裁判所第二小法廷昭和63年5月20日昭和62(オ)53集民 第154号71頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共有者の一部の者から共有物を占有使用することを承認された第三者に対して、その余の共有者は、当然には、共有物の明渡しを請求することができない。
参照法条民法249条,民法252条
物上保証人からされた被担保債権の将来の弁済を原因とする抵当権設定登記又はいわゆる仮登記担保権の仮登記の抹消登記手続請求における弁済と抹消登記手続義務との関係
最高裁判所第二小法廷昭和63年4月8日昭和59(オ)594集民 第154号11頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨物上保証人からされた被担保債権の将来の弁済を原因とする抵当権設定登記又はいわゆる仮登記担保権の仮登記の抹消登記手続を求める請求は、将来物上保証人が被担保債権を弁済することを条件としても、認容することができる。
参照法条民法474条,民法533条
該当する裁判例がありません。