民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第186条占有の態様等に関する推定

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原文整理テーマ別まとめ
占有権ステップ 1 / 1 占有権占有権について、条文は何を定めているか。占有権/占有権の取得ステップ 1 / 1 占有権の取得占有権の取得について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 民法第186条第1項は、占有者が所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ公然と占有をするものと推定する旨を定める。
  • 同項の推定は、所有の意思・善意・平穏・公然という4つの占有態様について及ぶ。
  • 第186条第2項は、前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有はその間継続したものと推定する旨を定める。
  • 第2項の推定は、前の時点と後の時点の双方について占有をした証拠があることを要件とする。

第186条による推定事項

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区分推定される事項推定の内容(条文文言)根拠項
占有の態様所有の意思・善意・平穏・公然占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する第1項
占有の継続前後両時点の間の占有前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する第2項

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法土地所有権移転登記手続
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和57(オ)548
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年3月24日 破棄差戻
登載
民集 第37巻2号131頁
参照法条
民法162条,民法186条1項,民訴法185条
判示事項
民法一八六条一項の所有の意思の推定が覆される場合
裁判要旨民法一八六条一項の所有の意思の推定は、占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は占有者が占有中、真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかつたなど、外形的客観的にみて占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかつたものと解される事情が証明されるときは、覆される。
民法土地所有権移転登記手続請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和45(オ)265
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年9月8日 棄却
登載
民集 第26巻7号1348頁
参照法条
民法162条,民法185条,民法186条1項,民法187条1項
判示事項
共同相続人の一人が相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得したと認められた事例
裁判要旨共同相続人の一人が、単独に相続したものと信じて疑わず、相続開始とともに相続財産を現実に占有し、その管理、使用を専行してその収益を独占し、公租公課も自己の名でその負担において納付してきており、これについて他の相続人がなんら関心をもたず、異議も述べなかつた等原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、前記相続人はその相続のときから相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得したものというべきである。
民法有体動産引渡請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和38(オ)204
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年5月29日 棄却
登載
民集 第18巻4号715頁
参照法条
民法186条1項,民法192条,民訴法577条2項
判示事項
動産の強制競売における競落人の善意無過失が認められた事例。
裁判要旨動産の強制競売において代金が執行吏に交付されてその集計点検中に、競売物件につき所有権を主張する第三者が現われたが、執行吏がこれを取り上げず、そのまま代金の授受を終り、競落物件の引渡しがなされた等判示の事情がある場合には、競落人がたとえ右主張のあつた事実を知つていても、民法第一八六条第一項の善意の推定を覆えすには足りず、また、他に特段の事情のないかぎり、競落人において右動産の所有権者を確認するための調査をしなかつたとしても過失があるとはいえない。

実務注記

原文解釈
  1. 推定される4要素第1項では、所有の意思・善意・平穏・公然の4つの占有態様がまとめて推定される旨が条文上規定されている。
  2. 推定の対象は「占有者」一般第1項は占有者について推定する旨を定めるのみで、対象物の種類や占有の原因等による限定は条文上設けられていない。
  3. 占有継続の推定には両時点の証拠が必要第2項の推定が働くのは「前後の両時点において占有をした証拠があるとき」であり、条文上、前の時点と後の時点の双方について占有の証拠を要する。
  4. 推定されるのは「その間」の継続のみ第2項は、証拠のある前後両時点の「間」占有が継続したと推定する旨を定めており、それ以外の期間についての推定は条文に規定されていない。
  5. 各項は独立した推定規定第1項(占有の態様の推定)と第2項(占有の継続の推定)は別項として規定されており、それぞれ別個の要件・効果を定めている。

条文原文

原文ママ
民法 第186条(占有の態様等に関する推定)
(占有の態様等に関する推定)
第百八十六条占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
2前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。

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