不動産の所有者甲が、その不知の間に甲から乙に対する不実の所有権移転登記の経由されたことを知りながら、経費の都合や、のちに乙と結婚して同居するようになつた関係から、抹消登記手続を四年余にわたつて見送り、その間に甲において他から金融を受けた際にもその債務を担保するため乙所有名義のまま右不動産に対する根抵当権設定登記が経由されたような事情がある場合には、民法
九四条二項〈虚偽表示〉を類推適用し、甲は、不動産の所有権が乙に移転していないことをもつて、その後にこれを乙から買受けた善意の第三者丙に対抗することができないものと解すべきである。