法務会計研究所 / 論点から引く

判例・論点索引

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最高裁大法廷 / 民集登載29件

1 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法89条,20条1項後段に違反するとされた事例 2 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法の定める政教分離原則に…

最高裁判所大法廷平成22年1月20日平成19(行ツ)260民集 第64巻1号1頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 市が連合町内会に対し市有地を無償で建物(地域の集会場等であるが,その内部に祠が設置され,外壁に神社の表示が設けられている。),鳥居及び地神宮の敷地としての利用に供している行為は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,上記行為がもともとは小学校敷地の拡張に協力した地元住民に報いるという世俗的,公共的な目的から始ま…
参照法条(1について)憲法20条1項,憲法89条 (2について)民訴法149条1項,民訴法149条2項,地方自治法242条の2第1項3号

一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」の意義 二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号と憲法二一条一項 三 裁判官が積極的に政治運動をしたとされた事例 四 裁判官が積極的に政治運動をしたことがそ…

最高裁判所大法廷平成10年12月1日平成10(分ク)1民集 第52巻9号1761頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」とは、組織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものをいい、具体的行為の該当性を判断するに当たっては、行為の内容、行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、行為をした裁判官…
参照法条裁判所法49条,裁判所法52条1項,憲法21条1項,憲法82条1項,裁判官分限法2条,裁判官の分限事件手続規則7条,非訟事件手続法6条,非訟事件手続法13条,民訴法55条,民訴法148条,刑訴法35条,刑訴規則26条,刑訴規則27条

一 公職選挙法一四条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性 二 同一選挙区内の複数の選挙人が提起する選挙の効力に関する訴訟と類似必要的共同訴訟

最高裁判所大法廷平成10年9月2日平成9(行ツ)104民集 第52巻6号1373頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 平成六年法律第四七号による参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の改正の結果、選挙区間において、平成二年の国勢調査による人口に基づく議員一人当たりの人口及び右改正当時における議員一人当たりの選挙人数にそれぞれ最大一対四・八一及び最大一対四・九九の較差が残ることとなったとしても、右改正をもって国会の立法裁量権の限…
参照法条憲法14条1項,公職選挙法14条,公職選挙法204条,公職選挙法別表第3,民訴法40条1項

一 県がD神社又はE神社の挙行した例大祭、みたま祭又は慰霊大祭に際し玉串料、献灯料又は供物料を県の公金から支出して奉納したことが憲法二〇条三項、八九条に違反するとされた事例 二 委任又は専決により県の補助職員らが公金支出を処理した場合におい…

最高裁判所大法廷平成9年4月2日平成4(行ツ)156民集 第51巻4号1673頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 愛媛県が、宗教法人D神社の挙行した恒例の宗教上の祭祀である例大祭に際し玉串料として九回にわたり各五〇〇〇円(合計四万五〇〇〇円)を、同みたま祭に際し献灯料として四回にわたり各七〇〇〇円又は八〇〇〇円(合計三万一〇〇〇円)を、宗教法人愛媛県E神社の挙行した恒例の宗教上の祭祀である慰霊大祭に際し供物料として九回にわたり…
参照法条地方自治法153条1項,地方自治法242条の2第1項,地方自治法242条の2第4項,地方自治法243条の2第1項,憲法20条,憲法89条,民訴法52条1項,民訴法363条

一 出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めと憲法二一条二項前段にいう検閲 二 名誉侵害と侵害行為の差止請求権 三 公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等に関する出版物の印刷、製本、販売、頒布等の事前差止めの許否 四…

最高裁判所大法廷昭和61年6月11日昭和56(オ)609民集 第40巻4号872頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、憲法二一条二項前段にいう検閲に当たらない。 二 名誉侵害の被害者は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対して、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができる。 三 人格権としての名…
参照法条憲法13条,憲法21条,民訴法757条2項,民訴法760条,民法1条ノ2,民法198条,民法199条,民法709条,民法710条,刑法230条ノ2

一 民事上の請求として一定の時間帯につき航空機の離着陸のためにする国営空港の供用の差止めを求める訴えの適否 二 営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法二条一項…

最高裁判所大法廷昭和56年12月16日昭和51(オ)395民集 第35巻10号1369頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 民事上の請求として一定の時間帯につき航空機の離着陸のためにする国営空港の供用の差止めを求める訴えは、不適法である。 二 営造物の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りはその施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても、これを超える利用によつて利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には、そ…
参照法条民訴法第2編第1章訴,民訴法226条,国家賠償法2条1項,民法709条

一、金銭債権担保のため不動産について代物弁済予約又は売買予約等の形式をとる契約が締結され所有権移転請求権保全等の仮登記がされた場合における右契約の性質及び内容 二、いわゆる仮登記担保権者が清算義務を負う相手方 三、いわゆる仮登記担保権と競売…

最高裁判所大法廷昭和49年10月23日昭和46(オ)503民集 第28巻7号1473頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、債権者が、金銭債権の満足を確保するために、債務者との間にその所有の不動産につき、代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約又は売買予約により、債務の不履行があつたときは債権者において右不動産の所有権を取得して自己の債権の満足をはかることができる旨を約し、かつ、停止条件付所有権移転又は所有権移転請求権保全の仮登記をしたと…
参照法条民法369条,民法482条,民法556条,不動産登記法2条,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条,不動産登記法146条,民訴法648条,競売法27条

株式会社が株券の発行を遅滞している場合における意思表示のみによる株式譲渡の効力

最高裁判所大法廷昭和47年11月8日昭和39(オ)883民集 第26巻9号1489頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨株式会社が株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らして、株式譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至つたときは、株券発行前であつても、株主は、意思表示のみにより、会社に対する関係においても有効に株式を譲渡することができる。
参照法条商法204条,商法205条1項,商法226条1項,商法247条,商法260条ノ2,民訴法225条

民法上の組合の業務執行組合員に対する組合員の任意的訴訟信託の許否

最高裁判所大法廷昭和45年11月11日昭和42(オ)1032民集 第24巻12号1854頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨民法上の組合において、組合規約に基づき、自己の名で組合財産を管理し、対外的業務を執行し、訴訟を追行する権限を与えられた業務執行組合員は、組合財産に関する訴訟につき、組合員から任意的訴訟信託を受けたものであり、自己の名で訴訟を追行することが許される。
参照法条民訴法45条,民法670条

有限会社社員の提起した会社解散の訴、社員総会決議取消の訴および同無効確認の訴と右社員の死亡による訴訟承継の成否

最高裁判所大法廷昭和45年7月15日昭和42(オ)1466民集 第24巻7号804頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨有限会社社員の提起した会社解散の訴、社員総会決議取消の訴および同無効確認の訴の係属中右社員が死亡した場合には、相続により持分を取得した相続人がその訴訟の原告たる地位を承継する。
参照法条民訴法208条,有限会社法71条ノ2,有限会社法41条,商法247条,商法252条

一、債権の差押前から債務者に対して反対債権を有していた第三債務者が右反対債権を自働債権とし被差押債権を受働債権としてする相殺の効力 二、相殺に関する合意の差押債権者に対する効力

最高裁判所大法廷昭和45年6月24日昭和39(オ)155民集 第24巻6号587頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、債権が差し押えられた場合において、第三債務者が債務者に対して反対債権を有していたときは、その債権が差押後に取得されたものでないかぎり、右債権および被差押債権の弁済期の前後を問わず、両者が相殺適状に達しさえすれば、第三債務者は、差押後においても、右反対債権を自働債権として、被差押債権と相殺することができる。 二、銀行…
参照法条民法511条,民訴法598条1項

手形法一六条一項の適用を求める主張があると解すべき場合

最高裁判所大法廷昭和45年6月24日昭和42(オ)747民集 第24巻6号712頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨原告が、連続した裏書の記載のある手形を所持し、その手形に基づき手形金の請求をしている場合には、当然に、手形法一六条一項の適用を求める主張があるものと解すべきである。
参照法条手形法16条1項,手形法77条1項1号,民訴法186条

民訴法第七一条に基づく参加の申出はつねに原被告双方を相手方としなければならないか

最高裁判所大法廷昭和42年9月27日昭和39(オ)797民集 第21巻7号1925頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨民訴法第七一条の参加による訴訟は、同一の権利関係について、原被告および参加人の三者が互に相争う紛争を一の訴訟手続によつて、一挙に矛盾なく解決する訴訟形態で、その申出は、つねに原被告双方を相手方としなければならず、一方のみを相手方とすることは許されない。
参照法条民訴法71条

一 弁護士に対する懲戒処分の効力の発生時期 二 業務停止の懲戒処分に違反してされた弁護士の訴訟行為の効力

最高裁判所大法廷昭和42年9月27日昭和40(オ)620民集 第21巻7号1955頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 弁護士に対する懲戒処分は告知の時にその効力を生ずる。 二 業務停止の懲戒処分に違反してされた弁護士の訴訟行為は、無効ではない。
参照法条弁護士法56条,弁護士法57条2号,民訴法79条,民訴法85条

被保護者の死亡と生活保護処分に関する裁決取消訴訟承継の成否

最高裁判所大法廷昭和42年5月24日昭和39(行ツ)14民集 第21巻5号1043頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨生活保護処分に関する裁決の取消訴訟は、被保護者の死亡により、当然終了する。
参照法条民訴法208条,生活保護法59条,行政事件訴訟法9条

第三者が金銭債権に基づき質権付電話加入権に対し強制執行をした場合と右質権者の地位。

最高裁判所大法廷昭和40年7月14日昭和37(オ)1202民集 第19巻5号1263頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨第三者が金銭債権に基づき質権付電話加入権に対し強制執行をしてその換価手続を完了した場合には、右の質権は、当然消滅するとともに、右の質権者は、法律の定めるところにより、その売得金から当然優先弁済を受けることができるものと解するのが相当である。
参照法条民法362条,民訴法625条,民訴法628条1項,民訴法649条2項,電話加入権質に関する臨時特例法1条,電話加入権質に関する臨時特例法5条

一 債権差押の第三債務者が差押前に取得し差押後に相殺適状を生じた反対債権と被差押債権との相殺の効力。 二 相殺に関する契約の対外的効力。

最高裁判所大法廷昭和39年12月23日昭和36(オ)897民集 第18巻10号2217頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 甲が乙の丙に対する債権を差し押えた場合において、丙が差押前に取得した乙に対する債権の弁済期が差押時より後であるが、被差押債権の弁済期より前に到来する関係にあるときは、丙は右両債権の差押後の相殺をもつて甲に対抗することができるが、右両債権の弁済期の前後が逆であるときは、丙は右相殺をもつて甲に対抗することはできないもの…
参照法条民法511条,民訴法598条1項

一、 普通地方公共団体が地方自治法第二四三条の二第四項の訴に応訴する場合における議会の議決の要否 二、 地方自治法第二四三条の二の遡及適用の許否 三、 地方自治法第二四三条の二の遡及適用の否定と憲法第九二条、第九四条

最高裁判所大法廷昭和34年7月20日昭和28(オ)449民集 第13巻8号1103頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、 普通地方公共団体が地方自治法第二四三条の二第四項の訴に応訴する場合には議会の議決を必要としない。 二、 地方自治法第二四三条の二は、同条が地方自治法の改正によつて加えられた以前の事実について適用がないものと解すべきである。 三、 地方自治法第二四三条の二の遡及適用を否定しても、憲法第九二条、第九四条に違反しない。
参照法条地方自治法243条の2,地方自治法96条1項本文10号,地方自治法243条の2第4項の規定による請求に関する規則(昭和23年最高裁判所規則28号)2項,行政事件訴訟特例法1条,民訴法58条,民訴法50条1項,憲法92条,憲法94条

上告理由書提出期間の遵守の有無を到達主義によつて決することと憲法第一四条。

最高裁判所大法廷昭和34年7月8日昭和33(ク)371民集 第13巻7号955頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨民訴規則第五〇条の定める上告理由書提出期間の遵守の有無を到達主義によつて決しても憲法第一四条に違反しない。
参照法条憲法14条,民訴法398条1項,民訴規則50条

民訴規則第五〇条の合憲性。

最高裁判所大法廷昭和33年7月10日昭和32(ク)115民集 第12巻11号1747頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨上告理由書の提出期間に関する民訴規則第五〇条は、憲法に違反しない。
参照法条民訴規則50条,民訴法398条1項,憲法77条

一月三日は民訴第一五六条第二項にいわゆる一般の休日にあたるか

最高裁判所大法廷昭和33年6月2日昭和32(オ)438民集 第12巻9号1281頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一月三日は二日とともに国民一般の慣行にもとづく休日として民訴第一五六条第二項にいわゆる一般の休日にあたる
参照法条民法142条,民訴法156条2項

一 罹災都市借地借家臨時処理法第一五条による借地権設定に関する裁判の合憲性 二 裁判上の和解と既判力 三 罹災都市借地借家臨時処理法第一五条による裁判と既判力

最高裁判所大法廷昭和33年3月5日昭和24(オ)182民集 第12巻3号381頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 罹災都市借地借家臨時処理法第一五条による借地権設定に関する裁判は憲法第三二条、第八二条に違反しない。 二 裁判上の和解は確定判決と同一の効力を有し既判力を有するものと解すべきである。 三 罹災都市借地借家臨時処理法第一五条による裁判については、それが実質的理由によつて賃借権設定申立を却下する裁判であつても、その既判…
参照法条罹災都市借地借家臨時処理法15条,罹災都市借地借家臨時処理法18条,罹災都市借地借家臨時処理法25条,非訟事件手続法,憲法32条,憲法82条,民訴法203条,民訴法199条

一 裁判所法第一〇条第一号最高裁判所裁判事務処理規則第九条第三項によつて最高裁判所大法廷が同条第二項にあたる点のみについて審理裁判した場合の判決主文 二 土地区画整理施行規程に基き土地台帳地積によつてした換地予定地指定処分と憲法第二九条

最高裁判所大法廷昭和32年12月25日昭和29(オ)752民集 第11巻14号2423頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 裁判所法第一〇条第一号最高裁判所裁判事務処理規則第九条第三頃によつて最高裁判所大法廷が同条第二項にあたる論旨の一部のみについて審理し、論旨は理由がないとするときの判決主文は「本上告論旨は理由がない」とすべきである。 二 土地区画整理施行規程で従前の土地の地積は土地台帳の地積による旨を規定し右地積によつて換地予定地の…
参照法条裁判所法10条,最高裁判所裁判事務処理規則9条,民訴法191条,都市計画法12条2項(昭和29年5月法律120号による改正前),耕地整理法30条,耕地整理法31条,都市計画法施行令17条(昭和30年3月政令47号による削除前),鳥取都市計画…

一 日本国籍離脱が無効な場合にその後なされた国籍回復許可の効力 二 日本国籍を有することについて争のない場合に、その取得原因について確認を求める法律上の利益

最高裁判所大法廷昭和32年7月20日昭和25(オ)318民集 第11巻7号1314頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 日本国籍離脱が無効な場合には、その後なされた国籍回復許可も無効である。 二 現在日本国籍を有することについて争のない場合でも、その国籍取得が国籍回復許可によるものではなく日本人を父としての出生したことによると主張する者はその旨の確認を求める法律上の利益がある。
参照法条民訴法225条,旧国籍法20条ノ2,旧国籍法26条

一 謝罪広告を命ずる判決と強制執行 二 右判決は憲法第一九条に反しないか

最高裁判所大法廷昭和31年7月4日昭和28(オ)1241民集 第10巻7号785頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 新聞紙に謝罪広告を掲載することを命ずる判決は、その広告の内容が単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明する程度のものにあつては、民訴第七三三条により代替執行をなし得る。 二 右判決は憲法第一九条に反しない。
参照法条民訴法733条,民法723条,憲法19条

一 昭和二七年法律第三〇七号公職選挙法改正法附則第二項の合憲性 二 書損を抹消して候補者氏名を記載した投票の効力 三 唯一の証拠方法と民訴第一三九条の適用

最高裁判所大法廷昭和30年4月27日昭和28(オ)720民集 第9巻5号582頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 昭和二七年法律第三〇七号公職選挙法改正法附則第二項が右改正によつて新たに設けられた第二〇九条の二を現に裁判所に係属している事件に適用すべきものとしたのは憲法第三一条に違反しない。 二 書損を抹消して候補者氏名を記載した投票は無効ではない。 三 唯一の証拠方法であつても時機に後れて提出された場合はこれを却下しても違法…
参照法条公職選挙法209条の2,公職選挙法68条1項本文5号,昭和27年法律307号(公職選挙法の一部を改正する法律)附則2項,民訴法139条,民訴法259条

上告理由に第一審記録に添附した上告人の準備書面を引用することの適否

最高裁判所大法廷昭和28年11月11日昭和26(オ)319民集 第7巻11号1193頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨上告理由に第一審記録に添附した上告人の準備書面を引用することは許されない。
参照法条民訴法398条

一 訴訟記録焼失の場合と上告理由の具体的主張の要否 二 民訴第三九四条の合憲性

最高裁判所大法廷昭和25年9月18日昭和24(ク)25民集 第4巻9号423頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 上告理由は、訴訟記録が焼失した場合でも、原判決の法令違背を具体的に主張することを要する。 二 民訴第三九四条は、憲法第三二条に違反しない。
参照法条民訴法394条,民訴法398条,民訴法402条,憲法32条

団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起があつたときの裁判

最高裁判所大法廷昭和25年7月5日昭和25(オ)147民集 第4巻7号264頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起を受けたときは、裁判長は直ちに、命令をもつて訴状を却下すべく、右命令に対する抗告事件においては、抗告裁判所の裁判長は、直ちに、命令をもつて抗告状を却下すべきである。また、右と異る下級審の裁判に対し上訴が提起されたときは、…
参照法条民訴法228条,民訴法202条,団体等規正令,解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和23年政令238号)

最高裁大法廷 / 刑集登載1件

拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が誤つて同姓同名の他の在監者に交付された場合と公訴提起の効力

最高裁判所大法廷昭和32年6月12日昭和31(し)49刑集 第11巻6号1649頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が、誤つて同姓同名の他の在監者に交付され、被告人がその交付を受けなかつた場合には、起訴状の謄本の送達がなかつた場合と同様に、公訴の提起はさかのぼつてその効力を失う。
参照法条刑訴法54条,刑訴法271条,民訴法168条,監獄法48条

最高裁 / 民集登載216件

最高裁判所が、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる場合

最高裁判所第一小法廷令和8年1月28日令和7(許)18民集 第80巻1号101頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抗告許可の申立てをする者が、抗告許可申立書を提出すべき裁判所が原裁判所であることを認識しながら不当な目的をもってあえて最高裁判所に抗告許可申立書を提出した場合には、最高裁判所は、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる。
参照法条民訴法16条1項、民訴法286条1項、民訴法313条、民訴法337条1項、2項、6項

1 弁護士を受託者とし、預り金を信託財産に属すべきものと定めた信託契約に関し、信託の目的についての合意が成立したことの主張があるとはいえないとされた事例 2 預金債権の債権者が信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合において…

最高裁判所第三小法廷令和8年1月20日令和5(受)2245民集 第80巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 預金債権の差押えを受けた弁護士が、上記預金債権は、自らを受託者とする信託契約によって信託財産に属すべきものと定められた依頼者からの預り金を原資とするもので、信託財産に属する財産であると主張し、差押債権者に対し、信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合に、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、上記弁護士が…
参照法条(1、2につき)信託法23条1項、5項、民事執行法38条 (1につき)民訴法246条、信託法3条1号、信託法16条1号 (2につき)民訴法253条1項4号

政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律7条の2第1項にいう法人である政党等と破産手続開始の決定を受けるべき適格

最高裁判所第一小法廷令和7年10月20日令和6(許)17民集 第79巻7号2765頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律7条の2第1項にいう法人である政党等は、同法10条1項又は2項の規定により解散したものでない場合であっても、破産手続開始の決定を受けるべき適格を有する。
参照法条政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律10条1項、2項、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律10条の9、破産法13条、破産法35条、民訴法28条、政党助成法4条1項、政党助成法33条2項

夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えの適否

最高裁判所第一小法廷令和7年9月4日令和6(受)239民集 第79巻6号2637頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条民法760条、民訴法134条の2、家事事件手続法39条、家事事件手続法別表第2の2の項

1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額 2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の…

最高裁判所第一小法廷令和5年10月19日令和5(許)1民集 第77巻7号1756頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。 2 共同して訴えを提起した各原告…
参照法条(1、2につき)民訴法9条1項本文、民訴法82条1項本文、民事訴訟費用等に関する法律4条1項、民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き (1につき)民訴法83条1項1号

事件が一人の裁判官により審理された後、判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が民訴法254条1項により判決書の原本に基づかないで第1審判決を言い渡した場合において、全部勝訴した原告が控訴をすることの許否

最高裁判所第二小法廷令和5年3月24日令和4(受)324民集 第77巻3号803頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第1審において、事件が一人の裁判官により審理された後、判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が民訴法254条1項により判決書の原本に基づかないで第1審判決を言い渡した場合、全部勝訴した原告であっても、第1審判決に対して控訴をすることができる。
参照法条民訴法249条1項、民訴法254条1項、民訴法281条1項、民訴法338条1項1号

民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合に,その弁済が上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることの可否

最高裁判所第三小法廷令和3年5月25日令和2(受)170民集 第75巻6号2935頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合,その弁済が上記外国裁判所の強制執行手続においてされたものであっても,これが上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることはできない。
参照法条民訴法118条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条

原告らの採る立証手法により特定の建材メーカーの製造販売した石綿含有建材が特定の建設作業従事者の作業する建設現場に相当回数にわたり到達していたとの事実が立証され得ることを一律に否定した原審の判断に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事…

最高裁判所第一小法廷令和3年5月17日平成31(受)596民集 第75巻6号2303頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨次の⑴から⑸までの手順による立証手法により,特定の建材メーカーの製造販売した石綿含有建材が特定の建設作業従事者の作業する建設現場に相当回数にわたり到達していたとの事実が立証され得ることを一律に否定した原審の判断には,経験則又は採証法則に反する違法がある。 ⑴ 国土交通省及び経済産業省により公表されているデータベースに掲…
参照法条民法719条1項後段,民訴法247条

1 電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者と民訴法197条1項2号の類推適用 2 電気通信事業者は,その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名,住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され,又…

最高裁判所第一小法廷令和3年3月18日令和2(許)10民集 第75巻3号822頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者は,民訴法197条1項2号の類推適用により,職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて証言を拒むことができる。 2 電気通信事業者は,その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名,住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され,又は記…
参照法条(1,2につき) 民訴法197条1項2号,電気通信事業法4条 (2につき) 民訴法223条1項,民訴法232条1項,民訴法234条

請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴の係属中における,上記本訴請求債権を自働債権とし上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第二小法廷令和2年9月11日平成30(受)2064民集 第74巻6号1693頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし,他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に,本訴原告が,反訴において,上記本訴請求債権を自働債権とし,上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許される。
参照法条民法505条1項,民訴法114条2項,民訴法142条,民訴法146条

特許権の通常実施権者が,特許権者を被告として,特許権者の第三者に対する特許権侵害を理由とする損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例

最高裁判所第二小法廷令和2年9月7日平成31(受)619民集 第74巻6号1599頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特許権者であったYがXに対し特許権について通常実施権を許諾し,AがXから販売された機械装置を使用して製品を製造等した場合において,YのAに対する特許権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使によりAが損害を被ったときに,XがAに対し事前の合意に基づきその損害を補償し,その補償額についてYに対し上記の許諾に係…
参照法条民訴法134条

1 交通事故の被害者が後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合に,同逸失利益は定期金による賠償の対象となるか 2 交通事故に起因する後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たり被害者の死亡時を定期金によ…

最高裁判所第一小法廷令和2年7月9日平成30(受)1856民集 第74巻4号1204頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 交通事故の被害者が後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において,不法行為に基づく損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認められるときは,同逸失利益は,定期金による賠償の対象となる。 2 交通事故に起因する後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たっては,事故の時点で,被…
参照法条(1~3につき)民法417条,民法709条,民法722条1項,民訴法117条 (2につき)民法416条

鑑定のために必要な処分としてされた死体の解剖の写真に係る情報が記録された電磁的記録媒体が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例

最高裁判所第三小法廷令和2年3月24日令和1(許)11民集 第74巻3号455頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨文書提出命令の申立人の父の死体について司法警察職員から鑑定の嘱託を受けた者が当該鑑定のために必要な処分として裁判官の許可を受けてした当該死体の解剖の写真に係る情報が記録された電磁的記録媒体であって当該司法警察職員が所属する地方公共団体が所持するものは,当該地方公共団体と当該申立人との間において,民訴法220条3号所定の…
参照法条民訴法220条3号

1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否 2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを…

最高裁判所第三小法廷平成31年1月22日平成30(許)7民集 第73巻1号39頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等の名…
参照法条(1,2につき)民訴法220条1号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条 (2につき)民訴法220条3号

訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序

最高裁判所第二小法廷平成31年1月18日平成29(受)2177民集 第73巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決に係る訴訟手続において,当該判決の内容を了知させることが可能であったにもかかわらず,実際には訴訟当事者にこれが了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより,不服申立ての機会が与えられないまま確定した当該判決に係る訴訟手続は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反する。
参照法条民訴法118条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条

弁護士法23条の2第2項に基づく照会に対する報告をする義務があることの確認を求める訴えの適否

最高裁判所第二小法廷平成30年12月21日平成29(受)1793民集 第72巻6号1368頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨弁護士法23条の2第2項に基づく照会をした弁護士会が,その相手方に対し,当該照会に対する報告をする義務があることの確認を求める訴えは,確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条弁護士法23条の2,民訴法134条

民訴法324条に基づく移送決定についての取消しの許否

最高裁判所第三小法廷平成30年12月18日平成29(オ)1725民集 第72巻6号1151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨最高裁判所は,民訴規則203条所定の事由があるとしてされた民訴法324条に基づく移送決定について,当該事由がないと認めるときは,これを取り消すことができる。
参照法条民訴法22条1項,民訴法324条,民訴規則203条

金融商品取引法19条2項の賠償の責めに任じない損害の額と民訴法248条の類推適用

最高裁判所第一小法廷平成30年10月11日平成29(受)1496民集 第72巻5号477頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金融商品取引法18条1項に基づく損害賠償請求訴訟において,請求権者の受けた損害につき,有価証券届出書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり,又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていたことによって生ずべき当該有価証券の値下がり以外の事情により生じたことが認められる場合に…
参照法条金融商品取引法18条1項,金融商品取引法19条,民訴法248条

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく被爆者健康手帳交付申請及び健康管理手当認定申請の各却下処分の取消しを求める訴訟並びに同取消しに加えて被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める訴訟につき,訴訟の係属中に申請者が死亡した場合における訴…

最高裁判所第一小法廷平成29年12月18日平成28(行ヒ)404民集 第71巻10号2364頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく被爆者健康手帳交付申請及び健康管理手当認定申請の各却下処分の取消しを求める訴訟並びに同取消しに加えて被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める訴訟について,訴訟の係属中に申請者が死亡した場合には,その相続人が当該訴訟を承継する。 (補足意見がある。)
参照法条民訴法124条1項,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成20年法律第78号による改正前のもの)2条2項,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律2条1項,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律2条3項,原子爆弾被爆者に対する援護に関す…

1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為につき,相手方である当事者が上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権の有無 2 弁護士法25条1号に違反することを…

最高裁判所第一小法廷平成29年10月5日平成29(許)6民集 第71巻8号1441頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為について,相手方である当事者は,裁判所に対し,同号に違反することを理由として,上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する。 2 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除す…
参照法条(1~4につき)弁護士法25条1号 (2につき)民訴法25条5項 (4につき)破産法78条1項

地方公共団体は,その機関が保管する文書について,文書提出命令の名宛人となる文書の所持者に当たるか

最高裁判所第二小法廷平成29年10月4日平成29(行フ)2民集 第71巻8号1221頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方公共団体は,その機関が保管する文書について,文書提出命令の名宛人となる文書の所持者に当たる。
参照法条民訴法219条,民訴法220条,民訴法221条1項,民訴法223条1項

特許権者が,事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず,その後に特許法104条の4第3号所定の特許請求の範囲の訂正をすべき旨の審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことの許否

最高裁判所第二小法廷平成29年7月10日平成28(受)632民集 第71巻6号861頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特許権者が,事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁(訂正により特許法104条の3第1項の規定に基づく無効の抗弁に係る無効理由が解消されることを理由とする再抗弁)を主張しなかったにもかかわらず,その後に同法104条の4第3号所定の特許請求の範囲の訂正をすべき旨の審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことは,訂正…
参照法条特許法104条の3,特許法104条の4,特許法126条,特許法134条の2,民訴法338条1項8号

じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法11条1項に規定する者による訴訟承継の成否

最高裁判所第一小法廷平成29年4月6日平成27(行ヒ)349民集 第71巻4号637頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であった者が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合には,労働者災害補償保険法11条1項に規定する者が当該訴訟を承継する。
参照法条民訴法124条1項,じん肺法4条,じん肺法13条2項,じん肺法15条,じん肺法23条,労働者災害補償保険法11条1項,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働基準法75条,労働基準法施行規則35条,労働基準法施行規則別表第1の2第5号,行…

米国法人がウェブサイトに掲載した記事による名誉等の毀損を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求訴訟について,民訴法3条の9にいう「特別の事情」があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成28年3月10日平成26(受)1985民集 第70巻3号846頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨日本法人とその取締役であるXらが米国法人Yに対してYがインターネット上のウェブサイトに掲載した記事による名誉等の毀損を理由とする不法行為に基づく損害賠償を請求する訴訟について,当該訴訟がその提起当時に既に米国の裁判所に訴訟が係属していたYの株式の強制的な償還等に関するXらとYとの間の紛争から派生したものであり,本案の審…
参照法条民訴法3条の3第8号,民訴法3条の9

本訴請求債権が時効消滅したと判断されることを条件とする,反訴における当該債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第一小法廷平成27年12月14日平成25(オ)918民集 第69巻8号2295頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許される。
参照法条民法505条,民法508条,民訴法114条2項,民訴法142条,民訴法146条

1 訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了したことを宣言する第1審判決に対し被告のみが控訴した場合と不利益変更禁止の原則 2 訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了したことを宣言する第1審判決に対し被告のみが控訴した場合において…

最高裁判所第一小法廷平成27年11月30日平成26(受)2146民集 第69巻7号2154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了したことを宣言する終局判決である第1審判決に対し,被告のみが控訴し原告が控訴も附帯控訴もしなかった場合において,控訴審が第1審判決を取り消した上原告の請求の一部を認容する本案判決をすることは,不利益変更禁止の原則に違反して許されない。 2 訴訟上の和解が成立したことによっ…
参照法条(1,2につき)民訴法267条 (1につき)民訴法304条,民訴法305条 (2につき)民訴法302条

訴訟の目的である金銭債権の数量的な一部に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において,請求が上記数量的な一部に減縮された後の訴えを却下することの許否

最高裁判所第二小法廷平成27年9月18日平成25(受)2331民集 第69巻6号1729頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金銭債権の支払を請求する訴えの提起時にされた訴訟上の救助の申立てに対し,当該債権の数量的な一部について勝訴の見込みがないとはいえないことを理由として,その部分に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において,請求が上記数量的な一部に減縮されたときは,訴え提起の手数料が納付されていないこと…
参照法条民訴法82条1項,民訴法83条1項1号,民訴法262条1項,民事訴訟費用等に関する法律6条

労働基準法114条の付加金の請求の価額は,同条所定の未払金の請求に係る訴訟の目的の価額に算入されるか

最高裁判所第三小法廷平成27年5月19日平成26(許)36民集 第69巻4号635頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働基準法114条の付加金の請求については,同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは,民訴法9条2項にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして,その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されない。
参照法条民事訴訟費用等に関する法律3条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律別表第1第5項,民訴法9条2項,労働基準法114条

借地借家法32条1項の規定に基づく賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の確定判決の既判力

最高裁判所第一小法廷平成26年9月25日平成25(受)1649民集 第68巻7号661頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨借地借家法32条1項の規定に基づく賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の確定判決の既判力は,原告が特定の期間の賃料額について確認を求めていると認められる特段の事情のない限り,前提である賃料増減請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生ずる。 (補足意見がある。)
参照法条借地借家法32条1項,民訴法114条1項,民訴法134条

1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無の判断基準 2 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えと民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」 3 …

最高裁判所第一小法廷平成26年4月24日平成23(受)1781民集 第68巻4号329頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきである。 2 民訴法3条の3第8号…
参照法条(1,4につき)民訴法118条1号,民事執行法22条6号,民事執行法24条 (2〜4につき)民訴法3条の3第8号

権利能力のない社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産につき所有権の登記名義人に対し当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟と当該社団の原告適格

最高裁判所第一小法廷平成26年2月27日平成23(受)2196民集 第68巻2号192頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。
参照法条民法33条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法29条,不動産登記法63条1項

共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者と遺産確認の訴えの当事者適格

最高裁判所第二小法廷平成26年2月14日平成23(受)603民集 第68巻2号113頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は,遺産確認の訴えの当事者適格を有しない。
参照法条民訴法第1編第3章 当事者,民訴法40条,民訴法134条,民法898条,民法905条

1 国立大学法人が所持しその役員又は職員が組織的に用いる文書についての文書提出命令の申立てと民訴法220条4号ニ括弧書部分の類推適用 2 民訴法220条4号ロにいう「公務員」には国立大学法人の役員及び職員も含まれるか

最高裁判所第一小法廷平成25年12月19日平成25(許)6民集 第67巻9号1938頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 国立大学法人が所持し,その役員又は職員が組織的に用いる文書についての文書提出命令の申立てには,民訴法220条4号ニ括弧書部分が類推適用される。 2 民訴法220条4号ロにいう「公務員」には,国立大学法人の役員及び職員も含まれる。
参照法条(1,2につき)国立大学法人法2条1項(1につき)民訴法220条4号ニ,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律2条1項,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律別表第1(2につき)民訴法220条4号ロ,国立大学法人法19条

1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決と民訴法338条1項3号の再審事由 3 新株発行の無効の訴えに係る請求を…

最高裁判所第一小法廷平成25年11月21日平成24(許)43民集 第67巻8号1686頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。 2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確…
参照法条(1〜3につき) 会社法828条1項2号〈会社の組織に関する行為の無効の訴え 株式会社の成立後における株式の発行株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)〉,会社法838条〈認容判決の効力が及ぶ者の範囲〉 (1につき) 民訴法第1編第3章 当事者,民訴法47条,民訴法338条 (2,3につき) 民訴法2条,民訴法338条1項3号

1 いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において,債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断されたため判決において上記債権の総額の認定がされた場合における,残部についての消滅時効の中断 2 いわゆる明示的一部請求の訴えの提起と残部についての裁…

最高裁判所第一小法廷平成25年6月6日平成24(受)349民集 第67巻5号1208頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示した訴えに係る訴訟において,債権の一部が消滅している旨の抗弁に理由があると判断されたため,判決において上記債権の総額の認定がされたとしても,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。 2 数量的に可…
参照法条(1〜3につき)民法147条1号 (1につき)民法149条,民訴法147条 (2,3につき)民法153条

1 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に債務者につき更生手続開始の決定がされた場合における上記担保の被担保債権の性質 2 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当た…

最高裁判所第二小法廷平成25年4月26日平成24(許)15民集 第67巻4号1150頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い,金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に,債務者につき更生手続開始の決定がされた場合,その被担保債権である損害賠償請求権は,更生担保権ではなく,更生債権に当たる。 2 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当たって金銭を供託する方法により担保…
参照法条(1,2につき)民訴法76条,民訴法77条,民訴法259条,民訴法403条1項,民訴法405条2項,民事執行法39条1項 (1につき)会社更生法2条8項,会社更生法2条10項 (2につき)会社更生法203条2項,会社更生法204条1項,供託…

第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合における当該建物の明渡請求と併合されている他の請求の当否等についての控訴審の判断

最高裁判所第二小法廷平成24年4月6日平成22(受)754民集 第66巻6号2535頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合には,控訴審は,当該建物の明渡請求と併合されている賃料相当損害金等の支払請求の当否や同請求に対する抗弁において主張されている敷金返還請求権の存否についても,当該明渡しの事実を考慮することなく,判断すべきである。
参照法条民訴法136条,民訴法259条,民訴法260条,民事執行法22条2号

仮差押命令により保全される債権の範囲

最高裁判所第一小法廷平成24年2月23日平成23(受)268民集 第66巻3号1163頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮差押命令は,当該命令に表示された被保全債権と異なる債権についても,これが上記被保全債権と請求の基礎を同一にするものであれば,その実現を保全する効力を有する。
参照法条民事保全法20条,民訴法143条1項

民訴法38条後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか

最高裁判所第二小法廷平成23年5月18日平成23(許)4民集 第65巻4号1755頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民訴法38条後段の要件を満たす共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されることはない。
参照法条民訴法7条,民訴法9条,民訴法16条1項,民訴法38条後段

即時抗告申立書の写しを即時抗告の相手方に送付するなどして相手方に攻撃防御の機会を与えることなく,相手方の申立てに係る文書提出命令を取り消し,同申立てを却下した抗告裁判所の審理手続に違法があるとして職権により破棄された事例

最高裁判所第二小法廷平成23年4月13日平成22(ク)1088民集 第65巻3号1290頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨時間外勤務手当の支払を求める訴訟を提起したXの申立てにより,受訴裁判所が,使用者であるYに対し,Xのタイムカードの提出を命ずる決定をしたため,Yが上記タイムカードを所持している事実を争って即時抗告をした場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下では,抗告裁判所が,即時抗告申立書の写しをXに送付するなどしてXに攻…
参照法条民訴法2条,民訴法221条1項,民訴法223条1項,民訴法223条7項,民訴法286条1項,民訴法289条1項,民訴法331条本文,民訴規則47条1項

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合における申立ての方法

最高裁判所第二小法廷平成23年2月9日平成22(許)43民集 第65巻2号665頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して仮差押えをする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,仮差押命令の申立書に,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属する事実を証する書面を添付し…
参照法条民法33条,民訴法29条,民事保全法20条,民事保全法21条,民事保全規則20条

定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えの確認の利益

最高裁判所第二小法廷平成22年10月8日平成21(受)565民集 第64巻7号1719頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人間において定額郵便貯金債権が現に被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えには,上記債権の帰属に争いがある限り,確認の利益がある。 (補足意見がある。)
参照法条民訴法134条,民法264条,民法427条,民法898条,民法899条,民法907条,郵便貯金法7条1項3号

住民訴訟における共同訴訟参加の申出につき,これと当事者,請求の趣旨及び原因が同一である別訴において適法な住民監査請求を前置していないことを理由に訴えを却下する判決が確定している場合における当該申出の許否

最高裁判所第二小法廷平成22年7月16日平成20(行ヒ)304民集 第64巻5号1450頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨住民訴訟における共同訴訟参加の申出は,これと当事者,請求の趣旨及び原因が同一である別訴において適法な住民監査請求を前置していないことを理由に訴えを却下する判決が確定している場合には,当該判決の既判力により不適法な申出として却下されるべきである。
参照法条民訴法52条1項,民訴法114条1項,地方自治法242条1項,地方自治法242条の2第1項

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して強制執行をしようとする場合における申立ての方法

最高裁判所第三小法廷平成22年6月29日平成21(受)1298民集 第64巻4号1235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務…
参照法条民法33条,民訴法29条,民事執行法23条3項,民事執行法25条,民事執行法27条2項,民事執行法33条,民事執行規則21条,民事執行規則23条

固有必要的共同訴訟において合一確定の要請に反する判決がされた場合と不利益変更禁止の原則

最高裁判所第三小法廷平成22年3月16日平成20(オ)999民集 第64巻2号498頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に関する部分を,丙に不利益に変更することができる。
参照法条民訴法40条,民訴法304条,民訴法313条

遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,目的物の現物返還請求も価額弁償請求も受けていない場合において,受遺者の提起した弁償すべき額の確定を求める訴えに確認の利益があるか

最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成21(受)35民集 第63巻10号2900頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留分権利者から遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,遺留分権利者から目的物の現物返還請求も価額弁償請求もされていない場合において,弁償すべき額につき当事者間に争いがあり,受遺者が判決によってこれが確定されたときは速やかに支払う意思がある旨を表明して,弁償すべき額の確定…
参照法条民法1041条1項,民訴法134条

情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることの許否

最高裁判所第一小法廷平成21年1月15日平成20(行フ)5民集 第63巻1号46頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を目的とする検証を被告に受忍義務を負わせて行うことは,原告が検証への立会権を放棄するなどしたとしても許されず,上記文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることも許されない。 (補足意見がある。)
参照法条民訴法223条1項,民訴法232条1項,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)5条,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)9条2項

1 金融機関を当事者とする民事訴訟の手続の中で,当該金融機関が顧客から守秘義務を負うことを前提に提供された非公開の当該顧客の財務情報が記載された文書につき,文書提出命令が申し立てられた場合において,上記文書が民訴法220条4号ハ所定の文書に…

最高裁判所第三小法廷平成20年11月25日平成20(許)18民集 第62巻10号2507頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 金融機関を当事者とする民事訴訟の手続の中で,当該金融機関が顧客から守秘義務を負うことを前提に提供された非公開の当該顧客の財務情報が記載された文書につき,文書提出命令が申し立てられた場合において,次の(1),(2)の事情の下では,上記文書は,当該金融機関の職業の秘密が記載された文書とはいえず,民訴法220条4号ハ所定…
参照法条(1,2につき)民訴法197条1項3号,民訴法220条4号ハ (3につき)民訴法223条6項,民訴法337条

地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合における同申立てを却下する旨の判断と地方裁判所の裁量

最高裁判所第二小法廷平成20年7月18日平成20(許)21民集 第62巻7号2013頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合において,同申立てを却下する旨の判断は,民訴法16条2項の規定の趣旨にかんがみ,広く当該事件の事案の内容に照らして地方裁判所における審理及び裁判が相当であるかどうかという観点からされるべきであり,地方裁判…
参照法条民訴法11条,民訴法16条

入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて構成員全員が訴訟当事者となる形式で第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否

最高裁判所第一小法廷平成20年7月17日平成18(受)1818民集 第62巻7号1994頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の土地が入会地であるのか第三者の所有地であるのかについて争いがあり,入会集団の一部の構成員が,当該第三者を被告として当該土地が入会地であることの確認を求めようとする場合において,訴えの提起に同調しない構成員がいるために構成員全員で訴えを提起することができないときは,上記一部の構成員は,訴えの提起に同調しない構成員も…
参照法条民法263条,民訴法40条,民訴法第1編第3章 当事者

特許法104条の3第1項に基づく無効主張を採用して特許権の侵害を理由とする損害賠償等の請求を棄却すべきものとする控訴審判決がされた後に特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正審決が確定した場合において,同審決が確定したため民訴法338条1項8号…

最高裁判所第一小法廷平成20年4月24日平成18(受)1772民集 第62巻5号1262頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨XのYに対する特許権の侵害を理由とする損害賠償等の請求につき,Yの特許法104条の3第1項に基づく無効主張を採用して請求を棄却すべきものとする控訴審判決がされた後に,上記特許権に係る特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定した場合において,Xが同審決が確定したため民訴法338条1項8号の再審事由が存すると…
参照法条特許法104条の3,特許法126条,民訴法338条1項8号

1 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例 2 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該…

最高裁判所第二小法廷平成19年12月12日平成19(許)22民集 第61巻9号3400頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 検察官が被疑者の勾留請求に当たって刑訴規則148条1項3号所定の資料として裁判官に提供した告訴状及び被害者の供述調書は,いずれも,上記各文書を所持する国と上記請求により勾留された者との間において,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当する。 2 強姦の被疑事実に基づき勾留された被疑者が,勾留請求の違法を…
参照法条(1,2につき)民訴法220条3号,4号ホ,刑訴法60条,刑訴法205条,刑訴法207条,刑訴規則148条1項3号 (2につき)刑訴法47条

1 金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について,当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合に,同情報は,民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるか 2 金融機関と顧客との取引…

最高裁判所第三小法廷平成19年12月11日平成19(許)23民集 第61巻9号3364頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について,当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には,同情報は,金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有するときは別として,民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されない。 2 A,Bを当事者と…
参照法条(1,2につき)民訴法197条1項3号 (2につき)民訴法220条4号ハ

訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合において,裁判所が同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく同決定を受けた者に対し猶予した費用の支払を命ずることの許否

最高裁判所第三小法廷平成19年12月4日平成19(許)7民集 第61巻9号3274頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民事訴訟において,訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合には,同決定は当然にその効力を失い,裁判所は,同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく,同決定を受けた者に対し,猶予した費用の支払を命ずることができる。
参照法条民訴法84条

銀行が法令により義務付けられた資産査定の前提として債務者区分を行うために作成し,保存している資料は,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるか

最高裁判所第二小法廷平成19年11月30日平成19(許)5民集 第61巻8号3186頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨銀行が,法令により義務付けられた資産査定の前提として,監督官庁の通達において立入検査の手引書とされている「金融検査マニュアル」に沿って債務者区分を行うために作成し,保存している資料は,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない。
参照法条民訴法220条4号ニ,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律6条,銀行法25条

1 原告として確定されるべき者が訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが昭和47年9月29日の日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された国家としての中国であるとされた事例 2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅が公…

最高裁判所第三小法廷平成19年3月27日昭和62(オ)685民集 第61巻2号711頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 (1)本件訴訟は昭和42年9月6日に提起されたが,その訴状には,原告の表示として「中華民国」と,原告代表者の表示として「中華民国駐日本国特命全権大使」とそれぞれ記載されていたこと,(2)原告の訴訟代理人に訴訟代理権を授与したのは,中華民国駐日本国特命全権大使であったこと,(3)「中華民国」は,国家としての中国(中国…
参照法条(1につき)民訴法第1編第3章 当事者,民訴法133条2項1号 (2,3につき)民訴法37条 (2につき)民訴法36条1項 (3,4につき)民訴法124条1項3号 (3につき)民訴法58条1項4号,民訴法124条2項,外交関係に関するウィー…

1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判と民訴法118条3号にいう公の秩序 2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母

最高裁判所第二小法廷平成19年3月23日平成18(許)47民集 第61巻2号619頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものとして,我が国において効力を有しない。 2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合においても,出生した子の母は,その子を懐胎し出産した女性であり,出生した子…
参照法条(1につき)民訴法118条3号,民法第4編第3章第1節 実子 (2につき)民法772条1項

1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力 2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等がその訴訟に関して事実上の利害関係の…

最高裁判所第三小法廷平成19年3月20日平成18(許)39民集 第61巻2号586頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民訴法106条1項所定の同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるにすぎない場合には,当該同居者等に対して上記書類を交付することによって,受送達者に対する補充送達の効力が生ずる。 2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民訴法106条1項所定…
参照法条(1,2につき)民訴法106条1項 (2につき)民訴法338条1項3号

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律等に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が外国へ出国したことに伴いその支給を打ち切られたため未支給の健康管理手当の支払を求める訴訟において支給義務者が地方自治法236条所定の消滅時効を主張すること…

最高裁判所第三小法廷平成19年2月6日平成18(行ヒ)136民集 第61巻1号122頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律又は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が外国へ出国したことに伴いその支給を打ち切られたため未支給の健康管理手当の支払を求める訴訟において,支給義務者が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することは,(1)上記被爆者がその申請に基…
参照法条原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律5条,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第160号による改正前のもの)27条,地方自治法236条2項,民訴法2条,民法1条2項

1 大学と当該大学の学生との間の在学契約の性質 2 大学の入学試験の合格者が納付する入学金の性質 3 大学と在学契約等を締結した者が当該在学契約等を任意に解除することの可否 4 大学の入学試験の合格者による書面によらない在学契約の解除の意思…

最高裁判所第二小法廷平成18年11月27日平成17(受)1158民集 第60巻9号3437頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 大学と当該大学の学生との間で締結される在学契約は,大学が学生に対して,講義,実習及び実験等の教育活動を実施するという方法で,大学の目的にかなった教育役務を提供するとともに,これに必要な教育施設等を利用させる義務を負い,他方,学生が大学に対して,これらに対する対価を支払う義務を負うことを中核的な要素とするものであり,…
参照法条(1,2,5につき)民法第3編第2章 契約,(1につき)学校教育法52条,学校教育法69条の2第1項,教育基本法6条1項,(2,5,6,8〜10につき)学校教育法6条,(2,5につき)学校教育法施行規則4条1項7号,(3,4につき)民法54…

1 民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかどうかを判断する基準 2 民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶する…

最高裁判所第三小法廷平成18年10月3日平成18(許)19民集 第60巻8号2647頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかどうかは,当該報道の内容,性質,その持つ社会的な意義・価値,当該取材の態様,将来における同種の取材活動が妨げられることによって生ずる不利益の内容,程度等と,当該民事事件の内容,性質,その持つ社会的な意義・…
参照法条(1,2につき)民訴法197条1項3号,憲法21条

反訴請求債権を自働債権とし本訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第二小法廷平成18年4月14日平成16(受)519民集 第60巻4号1497頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本訴及び反訴が係属中に,反訴原告が,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは,異なる意思表示をしない限り,反訴を,反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分を反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更するものとして,許される。
参照法条民法505条,民訴法114条2項,民訴法142条,民訴法143条,民訴法146条

団体定期保険(いわゆるAグループ保険)に基づいて被保険者である従業員の死亡により保険金を受領した会社が生命保険会社との間の合意をもって社内規定に基づく給付額を超えて上記保険金の一部を死亡従業員の遺族に支払うことを約したと認めるべきであるとし…

最高裁判所第三小法廷平成18年4月11日平成14(受)1358民集 第60巻4号1387頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨Y社が,複数の生命保険会社との間で,保険金受取人をY,被保険者をYの従業員全員とし,死亡保険金の合計額が従業員1人につき6000万円を超える団体定期保険(いわゆるAグループ保険)契約を締結し,従業員の死亡により保険金を受領する一方,当該従業員の遺族Xに対しては,社内規定に基づく給付額である1000万円程度の死亡時給付金…
参照法条商法674条1項,民法90条,民法537条,民訴法247条

1 町が公の施設を存続させるためその管理及び運営を委託している権利能力のない社団の赤字を補てんするのに必要な補助金を交付したことが地方自治法232条の2に定める公益上の必要を欠くとはいえないとされた事例 2 地方自治法(平成14年法律第4号…

最高裁判所第二小法廷平成17年10月28日平成14(行ヒ)144民集 第59巻8号2296頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 町の豊かな自然を生かし,住民に農業に親しむ機会を与えるなどの目的で設置された農林漁業体験実習施設,食堂等から成る公の施設の管理及び運営の事業を行うため,町により設立された権利能力のない社団が,町から委託を受けて専ら上記施設の管理及び運営に当たっていたこと,上記社団は,その運営収支の赤字を補てんするため町から毎年補助…
参照法条地方自治法232条の2,地方自治法244条1項,挟間町陣屋の村自然活用施設の設置及び管理に関する条例(平成2年挾間町条例第15号)2条,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号,民訴法266条

1 民訴法220条4号ロにいう「公務員の職務上の秘密」と公務員が職務上知ることができた私人の秘密 2 民訴法220条4号ロにいう「その提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある」 の意義 3 いわゆる災害調査…

最高裁判所第三小法廷平成17年10月14日平成17(許)11民集 第59巻8号2265頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 民訴法220条4号ロにいう「公務員の職務上の秘密」には,公務員が職務を遂行する上で知ることができた私人の秘密であって,それが本案事件において公にされることにより,私人との信頼関係が損なわれ,公務の公正かつ円滑な運営に支障を来すこととなるものも含まれる。 2 民訴法220条4号ロにいう「その提出により公共の利益を害し…
参照法条民訴法220条4号ロ,労働安全衛生法91条,労働安全衛生法94条,労働安全衛生法100条

1 法務省が外務省を通じて外国公機関に照会を行った際に同省に交付した依頼文書の控えにつき民訴法223条4項1号の「他国との信頼関係が損なわれるおそれ」があり同法220条4号ロ所定の文書に該当する旨の監督官庁の意見に相当の理由があると認めるに…

最高裁判所第二小法廷平成17年7月22日平成17(行フ)4民集 第59巻6号1888頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 難民であると主張する外国人に対する外国官憲作成名義の逮捕状等の写しの原本の存在及び成立の真正に関し,法務省が外務省を通じて同国公機関に対して照会を行った際に同省に交付した依頼文書の控えにつき,監督官庁が,民訴法223条4項1号の「他国との信頼関係が損なわれるおそれ」があり,同法220条4号ロ所定の文書に該当する旨の…
参照法条民訴法220条4号ロ,民訴法223条3項,民訴法223条4項1号

1 捜索差押許可状及び捜索差押令状請求書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に当たるとされた事例 2 民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた捜索差押許可状の文書提出命令の申立てに対して刑訴法4…

最高裁判所第二小法廷平成17年7月22日平成17(許)4民集 第59巻6号1837頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 警察官が文書提出命令の申立人の住居等において行った捜索差押えに係る捜索差押許可状及び捜索差押令状請求書は,いずれも,当該警察官が所属し,上記各文書を所持する地方公共団体と文書提出命令申立人との間において,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当する。 2 民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当…
参照法条民訴法220条3号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条,刑訴法110条,刑訴法218条1項,刑訴法218条3項,刑訴法219条,刑訴法222条1項,刑訴規則155条1項,憲法35条

第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用

最高裁判所第二小法廷平成17年7月15日平成16(受)1611民集 第59巻6号1742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されない。
参照法条民事執行法23条,民事執行法38条1項,民訴法115条,民法33条,商法52条

同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している複数の建物の固定資産課税台帳の登録価格についてされた審査申出の棄却決定の取消しを求める各請求が互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成17年3月29日平成16(行フ)5民集 第59巻2号477頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している同一人所有の複数の建物について,固定資産課税台帳に登録された同一年度の価格につき需給事情による減点補正がされていないのは違法であるとしてされた審査の申出を棄却する固定資産評価審査委員会の決定のうち,所有者が各建物の適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求める各…
参照法条行政事件訴訟法13条6号,行政事件訴訟法16条1項,民訴法9条1項

1 国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い納税者が税額の全部又は一部を免れた場合における国税通則法70条5項の適用の有無 2 税理士に所得税の申告を委任した納税者が脱税を意図しその意図に基づいて行動したとは認められ…

最高裁判所第二小法廷平成17年1月17日平成14(行ヒ)103民集 第59巻1号28頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 国税通則法70条5項は,国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い,これにより納税者が税額の全部又は一部を免れた場合にも適用される。 2 納税者が,土地の譲渡所得を得た年分の所得税の申告を委任した税理士から,委任に先立ち,実際に出費していない土地の買手の紹介料等が経費として記載されたメモを示さ…
参照法条国税通則法68条1項,国税通則法70条5項,民訴法247条,税理士法1条

1 保険管理人によって設置された弁護士及び公認会計士を委員とする調査委員会が作成した調査報告書が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例 2 民訴法197条1項2号所定の「黙秘すべきもの…

最高裁判所第二小法廷平成16年11月26日平成16(許)14民集 第58巻8号2393頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 破たんした保険会社につき選任された保険管理人が,金融監督庁長官から,保険業法(平成11年法律第160号による改正前のもの)313条1項,242条3項に基づき,当該保険会社の破たんについての旧役員等の経営責任を明らかにするために弁護士,公認会計士等の第三者を委員とする調査委員会を設置して調査を行うことを命じられたため…
参照法条民訴法197条1項2号,民訴法220条4号ニ,民訴法220条4号ハ,保険業法(平成11年法律第160号による改正前のもの)242条3項,保険業法(平成11年法律第160号による改正前のもの)313条1項

訴訟上の救助の決定に対し訴訟の相手方当事者が即時抗告をすることの許否

最高裁判所第二小法廷平成16年7月13日平成16(行フ)4民集 第58巻5号1599頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨訴訟上の救助の決定に対し,訴訟の相手方当事者は,即時抗告をすることができる。 (反対意見がある。)
参照法条民訴法82条1項,民訴法86条

共同相続人間における相続人の地位不存在確認の訴えと固有必要的共同訴訟

最高裁判所第三小法廷平成16年7月6日平成15(受)1153民集 第58巻5号1319頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人が,他の共同相続人に対し,その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは,固有必要的共同訴訟である。
参照法条民訴法40条,民訴法134条,民法891条,民法898条

1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否 2 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条3号所定のいわゆる…

最高裁判所第三小法廷平成16年5月25日平成15(許)40民集 第58巻5号1135頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等…
参照法条民訴法220条3号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条

不正競争防止法3条1項に基づく不正競争による侵害の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えと民訴法5条9号

最高裁判所第一小法廷平成16年4月8日平成15(許)44民集 第58巻4号825頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不正競争防止法3条1項に基づく不正競争による侵害の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えは,いずれも民訴法5条9号所定の訴えに該当する。
参照法条民訴法5条9号,不正競争防止法3条1項

農業協同組合が退任した理事に対して提起する訴えについての組合の代表理事の代表権の有無

最高裁判所第三小法廷平成15年12月16日平成14(オ)545民集 第57巻11号2265頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農業協同組合の代表理事は,過去において組合の理事であったが訴え提起時においてその地位にない者に対して組合が提起する訴えについて,組合を代表する権限を有する。
参照法条商法78条1項,商法261条3項,商法275条ノ4,農業協同組合法39条2項,民訴法37条

物上保証人所有の不動産を目的とする競売の開始決定の債務者への送達が債務者の所在が不明であるため公示送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷平成14年10月25日平成14(許)11民集 第56巻8号1942頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人所有の不動産を目的とする競売手続において,債務者の所在が不明であるため,開始決定の債務者への送達が公示送達によりされた場合には,民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に,被担保債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法155条,民訴法110条1項,民訴法111条,民訴法113条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成14年6月7日平成13(受)1697民集 第56巻5号899頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブにおいて,多数決の原則が行われ,構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し,規約により代表の方法,総会の運営等が定められていること,同クラブには,固定資産又は基本的財産は存しないが,団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに必要な収入の仕組みが確保され,かつ,規約に基づいて収支を管理す…
参照法条民訴法29条,民法33条,民法第3編第2章契約

特許権の共有者の1人が特許異議の申立てに基づく当該特許の取消決定について単独で取消訴訟を提起することの許否

最高裁判所第二小法廷平成14年3月25日平成13(行ヒ)154民集 第56巻3号574頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特許権の共有者の1人は,特許異議の申立てに基づき当該特許を取り消すべき旨の決定がされたときは,単独で取消決定の取消訴訟を提起することができる。
参照法条民法252条,民訴法40条,特許法73条,特許法113条,特許法114条,特許法132条,特許法178条

商標権の共有者の1人が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否

最高裁判所第二小法廷平成14年2月22日平成13(行ヒ)142民集 第56巻2号348頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商標権の共有者の1人は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
参照法条民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条

仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行停止等がされた場合における債務者に対する破産宣告と担保の事由の消滅

最高裁判所第一小法廷平成13年12月13日平成13(許)21民集 第55巻7号1546頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行の停止又は既にした執行処分の取消しがされた場合において,債務者が破産宣告を受けたことの一事をもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない。
参照法条破産法70条1項,民訴法79条1項,民訴法259条,民訴法398条1項,民訴法400条2項,民事執行法39条1項,民事執行法40条1項

1 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するために証明すべき事項 2 ある管轄原因により我が国の裁判所の国際裁判管轄が肯定される請求の当事者間における他の請求につ…

最高裁判所第二小法廷平成13年6月8日平成12(オ)929民集 第55巻4号727頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 我が国に住所等を有しない被告に対し提起された不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき,民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,原則として,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りる。 2 ある管轄原因により我…
参照法条民法709条,民訴法5条9号,民訴法7条本文,民訴法136条,民訴法247条,民訴法第1編第2章裁判所

取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において株式会社が取締役を補助するため訴訟に参加することの許否

最高裁判所第一小法廷平成13年1月30日平成12(許)17民集 第55巻1号30頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において,株式会社は,特段の事情がない限り,取締役を補助するため訴訟に参加することが許される。 (反対意見がある。)
参照法条民訴法42条,商法267条,商法268条2項

信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことと当該貸出稟議書が民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情

最高裁判所第一小法廷平成12年12月14日平成11(許)35民集 第54巻9号2709頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことは、当該貸出稟議書が民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情とはいえない。 (反対意見がある。)
参照法条民訴法220条4号,信用金庫法39条,商法267条

文書提出命令の申立てについての決定に対して抗告の利益を有する者の範囲

最高裁判所第一小法廷平成12年12月14日平成11(許)36民集 第54巻9号2743頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は抗告の利益を有しない。
参照法条民訴法223条4項

契約に基づく請求権について訴訟上の和解をすることの委任を受けた弁護士が同契約の債務不履行に基づく損害賠償請求権について和解をすることの具体的委任を受けていなくても右訴訟上の和解において右損害賠償請求権を含めて和解をする権限を有するとされた事…

最高裁判所第二小法廷平成12年3月24日平成8(オ)2177民集 第54巻3号1126頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の利用に関する契約に基づく甲請求権と同契約の債務不履行に基づく損害賠償請求権である乙請求権とが同一建物の利用に関して同一当事者間に生じた一連の紛争に起因するものであるという事情の下においては、甲請求権について訴訟上の和解をすることの委任を受けた弁護士は、乙請求権について和解をすることの具体的委任を受けていなくても、…
参照法条民訴法55条2項

一 証拠調べの必要性を欠くことを理由として文書提出命令の申立てを却下する決定に対し不服の申立てをすることの許否 二 民訴法一九七条一項三号所定の「技術又は職業の秘密」の意義

最高裁判所第一小法廷平成12年3月10日平成11(許)20民集 第54巻3号1073頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 証拠調べの必要性を欠くことを理由として文書提出命令の申立てを却下する決定に対しては、右必要性があることを理由として独立に不服の申立てをすることはできない。 二 民訴法一九七条一項三号所定の「技術又は職業の秘密」とは、その事項が公開されると、当該技術の有する社会的価値が下落しこれによる活動が困難になるもの又は当該職業…
参照法条民訴法197条1項3号,民訴法220条4号ロ,民訴法221条,民訴法223条4項

民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又は割合の確認を求める訴えの適否

最高裁判所第一小法廷平成12年2月24日平成11(受)110民集 第54巻2号523頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又はその価額の遺産の総額に対する割合の確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条民法903条1項,民訴法134条

殺人事件の被害者の両親が加害者とされる少年らの親権者に対して提起した損害賠償請求訴訟において捜査機関等に対する自白に依拠して少年らを殺人等の犯人であるとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成12年2月7日平成7(オ)793民集 第54巻2号255頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨殺人事件の被害者の両親が加害者とされる少年らの親権者に対して提起した損害賠償請求訴訟において、殺人行為等に関する少年らの捜査機関等に対する自白が極めて詳細かつ具体的であり、その内容が各少年とも大筋において一致し、互いに補強し補完し合うものであっても、右自白には、いわゆる秘密の暴露がなく、一部に捜査官の誤導による可能性の…
参照法条民法709条,民訴法247条,刑訴法317条

土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合にその余の共有者が右の者を被告にして右の訴えを提起することの許否

最高裁判所第三小法廷平成11年11月9日平成9(オ)873民集 第53巻8号1421頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と訴えを提起することに同調しない者とを被告にして右の訴えを提起することができる。 (補足意見がある。)
参照法条民法251条,民訴法40条,民訴法第1編第3章当事者,民訴法第2編第1章訴え

取締役等を選任する甲株主総会決議の不存在確認請求に同決議が存在しないことを理由とする後任取締役等の選任に係る乙株主総会決議の不存在確認請求が併合されている場合における先の決議の存否確認の利益

最高裁判所第一小法廷平成11年3月25日平成10(オ)1183民集 第53巻3号580頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役等を選任する甲株主総会決議の不存在確認請求に、同決議が存在しないことを理由とする後任取締役等の選任に係る乙株主総会決議の不存在確認請求が併合されている場合には、後の決議がいわゆる全員出席総会において行われたなどの特段の事情のない限り、先の決議についても存否の確認の利益が認められる。
参照法条商法252条,民訴法134条

高等裁判所のした保全抗告についての決定と許可抗告の対象

最高裁判所第一小法廷平成11年3月12日平成10(ク)699民集 第53巻3号505頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨高等裁判所のした保全抗告についての決定は、許可抗告の対象となる。
参照法条民訴法337条1項,民事保全法41条3項

建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えにつき確認の利益があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成11年1月21日平成7(オ)1445民集 第53巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えは、その内容が右賃貸借契約終了後建物の明渡しがされた時においてそれまでに生じた敷金の被担保債権を控除しなお残額があることを条件とする権利の確認を求めるものであり、賃貸人が賃借人の敷金交付の事実を争って敷金返還義務を負わないと主張しているときは…
参照法条民訴法134条,民法619条2項

別訴において一部請求をしている債権の残部を自働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第三小法廷平成10年6月30日平成6(オ)698民集 第52巻4号1225頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一個の債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えを提起している場合において、当該債権の残部を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは、債権の分割行使をすることが訴訟上の権利の濫用に当たるなど特段の事情の存しない限り、許される。
参照法条民法505条,民訴法114条,民訴法142条

金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することの許否

最高裁判所第二小法廷平成10年6月12日平成9(オ)849民集 第52巻4号1147頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは、特段の事情がない限り、信義則に反して許されない。
参照法条民訴法114条,民訴法第2編第1章訴え,民法1条2項

訴訟上の相殺の抗弁に対し訴訟上の相殺を再抗弁として主張することの許否

最高裁判所第一小法廷平成10年4月30日平成5(オ)789民集 第52巻3号930頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨訴訟上の相殺の抗弁に対し訴訟上の相殺を再抗弁として主張することは、許されない。
参照法条民法505条,民訴法114条2項

一 香港高等法院がした訴訟費用の負担を命ずる裁判と民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」 二 併合請求の裁判籍が存在することを根拠に香港の裁判所に民訴法一一八条一号所定の「外国裁判所の裁判権」が認められた事例 三 司法共助に関する条約に…

最高裁判所第三小法廷平成10年4月28日平成6(オ)1838民集 第52巻3号853頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 香港高等法院がした訴訟費用負担命令並びにこれと一体を成す費用査定書及び費用証明書は、民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」に当たる。 二 甲及び甲が代表者を務める乙会社と丁との間の起訴契約に基づき、丁が丙に対して香港の裁判所に保証債務の履行を求める第一訴訟を提起したところ、丙が、第一訴訟が認容された場合に備えて…
参照法条民事執行法22条6号,民事執行法24条,民訴法7条,民訴法118条,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約,日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の領事条約

取締役解任の訴えの被告適格

最高裁判所第二小法廷平成10年3月27日平成8(オ)1681民集 第52巻2号661頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役解任の訴えは、会社と取締役の双方を被告とすべき固有必要的共同訴訟である。
参照法条商法257条3項,民訴法第1編第3章当事者,民訴法40条

内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認

最高裁判所第一小法廷平成10年2月26日平成6(オ)1900民集 第52巻1号255頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認される。
参照法条民法249条,民法703条,民法第4編第2章第1節婚姻の成立,民訴法247条

日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例

最高裁判所第三小法廷平成9年11月11日平成5(オ)1660民集 第51巻10号4055頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨ドイツから自動車等を輸入している日本法人甲がドイツに居住する日本人乙に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟について、右契約が、ドイツ国内で締結され、甲が乙に同国内における種々の業務を委託することを目的とするものであり、右契約において日本国内の地を債務の履行場所とすること又は準拠法を日本法とすることが明示的に合意され…
参照法条民訴法第1編第1章裁判所,民訴法5条

一 漫画の登場人物のいわゆるキャラクターの著作物性 二 二次的著作物の著作権が生ずる部分 三 連載漫画において登場人物が最初に掲載された漫画の著作権の保護期間が満了した後に当該登場人物について著作権を主張することの可否 四 著作権法二一条の…

最高裁判所第一小法廷平成9年7月17日平成4(オ)1443民集 第51巻6号2714頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 漫画において一定の名称、容貌、役割等の特徴を有するものとして反復して描かれている登場人物のいわゆるキャラクターは、著作物に当たらない。 二 二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作物部分のみについて生じ、原著作物と共通し、その実質を同じくする部分には生じない。 三 連載漫画において、登場人物…
参照法条著作権法2条1項1号,著作権法2条1項11号,著作権法21条,著作権法53条1項,著作権法56条1項,民法163条,民訴法第2編第3章第1節総則,民訴法394条,民訴法420条1項8号,旧不正競争防止法(昭和9年法律第14号)1条1項1号,…

一 請負人の報酬債権と注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺がされた後の報酬残債務について注文者が履行遅滞による責任を負う時期 二 仮執行宣言に基づく給付金に商事法定利率による金員を付加してその支払を求める民訴法一九八条二項の申立てが…

最高裁判所第三小法廷平成9年7月15日平成5(オ)2187民集 第51巻6号2581頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 請負人の報酬債権に対し注文者がこれと同時履行の関係にある瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合、注文者は、相殺後の報酬残債務について、相殺の意思表示をした日の翌日から履行遅滞による責任を負う。 二 (省略)
参照法条民法412条,民法506条2項,民法533条,民法634条2項,民訴法198条2項,商法514条

外国裁判所の判決に記載がない利息を付加して執行判決をすることができる場合

最高裁判所第二小法廷平成9年7月11日平成5(オ)1761民集 第51巻6号2530頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決に記載がない利息であっても、当該外国の法制上、判決によって支払を命じられた金員に付随して発生し、執行することができるとされている場合には、これを付加して執行判決をすることができる。
参照法条民訴法200条,民事執行法22条6号,民事執行法24条

いわゆる懲罰的損害賠償を命じた外国裁判所の判決について執行判決をすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成9年7月11日平成5(オ)1762民集 第51巻6号2573頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決のうち、補償的損害賠償等に加えて、見せしめと制裁のために懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分については、執行判決をすることができない。
参照法条民訴法200条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条,民法709条

物上保証人に対する不動産競売事件において作成された配当表につき競売申立てに係る被担保債権の債務者が配当異議の訴えを提起することの許否

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)1014民集 第51巻2号432頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売事件において作成された配当表につき、競売申立てに係る被担保債権の債務者は、右被担保債権その他自己に対.する債権への配当額に変動を生じ得る範囲において、配当異議の訴えを提起することができる。
参照法条民事執行法89条,民事執行法90条,民事執行法188条,民訴法45条,民訴法第2編第1章訴

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)1746民集 第51巻2号448頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払…
参照法条民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項

一 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の起因剤の認定に経験則違反の違法があるとされた事例 二 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の発症日の認定に経験則違反の違法があるとされた事例 三 顆粒球減少症…

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成7(オ)1205民集 第51巻2号502頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 顆粒球減少症の副作用を有する複数の薬剤の投与を原因として患者が同症にかかった場合において、鑑定は、右薬剤はいずれも起因剤と断定するには難点があり、発症時期に最も近接した時期に投与されたネオマイゾンが最も疑われるが確証がなく、複数の右薬剤の相互作用により同症が発症することはあり得るものの本件においては右相互作用による…
参照法条民法415条,民法709条,民訴法185条,民訴法394条

一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益の算定方法 二 不法残留外国人の労災事故による逸失利益の算定に当たり我が国における就労可能期間を事故の約五箇月後まで勤めた会社を退社した日の翌日から三年間を超えて認めなかった原審…

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)2132民集 第51巻1号78頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の事故による逸失利益を算定するに当たっては、予測される我が国での就労可能期間内は我が国での収入等を基礎とし、その後は想定される出国先での収入等を基礎とするのが合理的であり、我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の…
参照法条民法416条,民法709条,民訴法372条,民訴法396条,民訴規則58条,民訴規則57条

新株発行不存在確認の訴えの被告適格

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)316民集 第51巻1号40頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨新株発行不存在確認の訴えは、会社を被告としてのみ提起することができる。
参照法条商法280条ノ15,民訴法45条

一 がけ崩れのおそれが多い土地等を開発区域内に含む開発許可の取消訴訟と開発区域周辺住民の原告適格 二 開発許可の取消訴訟を提起した開発区域周辺住民の死亡と訴訟承継の成否

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成6(行ツ)189民集 第51巻1号250頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 開発区域内の土地が都市計画法(平成四年法律第八二号による改正前のもの)三三条一項七号にいうがけ崩れのおそれが多い土地等に当たる場合には、がけ崩れ等により生命、身体等に直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に居住する者は、開発許可の取消訴訟の原告適格を有する。 二 開発行為によって起こり得るがけ崩れ等により生…
参照法条行政事件訴訟法9条,都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)29条,都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)33条1項7号,都市計画法施行令28条,都市計画法施行規則23条,都市計画法施行規則(平成5年建設省令第8号…

遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合

最高裁判所第三小法廷平成8年12月17日平成5(オ)1946民集 第50巻10号2778頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、右建物について、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認される。
参照法条民法249条,民法593条,民法703条,民法898条,民訴法185条

日本に居住する日本人のドイツに居住するドイツ人に対する離婚請求訴訟につき日本の国際裁判管轄が肯定された事例

最高裁判所第二小法廷平成8年6月24日平成5(オ)764民集 第50巻7号1451頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨日本に居住する日本国籍の夫がドイツに居住するドイツ国籍の妻に対する離婚請求訴訟を日本の裁判所に提起した場合において、妻が先にドイツの裁判所に提起した離婚請求訴訟につき妻の請求を認容する旨の判決が確定し、同国では右両名の婚姻は既に終了したとされているが、日本では、右判決は民訴法二〇〇条二号の要件を欠くため効力がなく、婚姻…
参照法条民訴法第1編第1章裁判所,民訴法200条

職務執行命令訴訟における補助参加の許否と憲法三二条

最高裁判所第二小法廷平成8年2月26日平成8(行ト)12民集 第50巻2号274頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方自治法一五一条の二第三項による職務執行命令訴訟については、民訴法の補助参加に関する規定を準用する余地はなく、このように解しても憲法三二条に違反するものではない。
参照法条憲法32条,地方自治法151条の2,行政事件訴訟法6条,行政事件訴訟法7条,民訴法64条

国民年金法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)に基づく年金の受給資格を有する者が国に対して未支給年金の支払を求める訴訟の係属中に死亡した場合における訴訟承継の成否

最高裁判所第三小法廷平成7年11月7日平成3(行ツ)212民集 第49巻9号1829頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨国民年金法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)に基づく年金の受給資格を有する者が国に対して未支給年金の支払を求める訴訟の係属中に死亡した場合には、右訴訟は当然に終了し、同法一九条一項所定の者がこれを承継するものではない。 国民年金法(昭和六〇年法律筆一四号による改正前のもの) 一九条
参照法条国民年金法施行規則(昭和35年厚生省令第12号。昭和61年厚生省令第17号による改正前のもの)25条,民訴法208条

物上保証人に対する不動産競売の開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第三小法廷平成7年9月5日平成7(オ)374民集 第49巻8号2784頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合には、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、右正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法148条,民法155条,民訴法172条,民訴法173条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えと固有必要的共同訴訟

最高裁判所第三小法廷平成7年7月18日平成3(オ)1684民集 第49巻7号2664頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
参照法条民訴法62条,民法252条,民法280条

宗教法人における檀徒の地位が法律上の地位に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成7年7月18日平成4(オ)1260民集 第49巻7号2717頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宗教法人において檀信徒名簿が備え付けられていて檀徒であることが右法人の代表役員を補佐する機関である総代に選任されるための要件とされ、予算編成、不動産の処分等の右法人の維持経営に係る諸般の事項の決定につき、総代による意見の表明を通じて檀徒の意見が反映される体制となっており、檀徒による右法人の維持経営の妨害行為が除名処分事…
参照法条裁判所法3条,民訴法225条

一 子を第三者の特別養子とする審判の確定と子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益 二 子の血縁上の父であると主張する者が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしていたにもか…

最高裁判所第二小法廷平成7年7月14日平成6(オ)425民集 第49巻7号2674頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合には、原則として、子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益は消滅するが、右審判に準再審の事由があると認められるときは、右訴えの利益は失われない。 二 子の血縁上の父であると主張する甲が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴…
参照法条民法779条,民法817条の2,民法817条の9,民訴法第2編第1章訴,民訴法420条1項3号,民訴法429条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続,家事審判法9条1項甲類8号の2

一 一般国道等の道路の周辺住民が受けた自動車騒音の屋外騒音レベルの認定に違法はないとされた事例 二 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害が社会生活上受忍すべき限度を超えるとして右道路の設置又は管理に瑕疵があ…

最高裁判所第二小法廷平成7年7月7日平成4(オ)1503民集 第49巻7号1870頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音にほぼ一日中暴露されている場合、右道路の周辺地域を交通量によって三地域に道路構造によって四区画に分類した上、右道路端からの遠近や右道路への見通しの程度に基づき、周辺住民を合計一九のグループに分け、鑑定の結果を基本にして、右グループごとに上限と下限の等価騒音レベルに…
参照法条民訴法185条,国家賠償法2条1項,民法709条

一 公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法三二条所定の同意を拒否する行為と抗告訴訟の対象 二 主位的請求を認容した原判決を破棄して右請求に係る訴えを却下すべきものとした場合において不適法でその欠缺を補正すること…

最高裁判所第一小法廷平成7年3月23日平成6(行ツ)19民集 第49巻3号1006頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法三二条所定の同意を拒否する行為は、抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。 二 主位的請求を認容した原判決を破棄して右請求に係る訴えを却下すべきものとした場合において、予備的請求に係る訴えが不適法でその欠缺を補正することができないときは、上告審は、右…
参照法条行政事件訴訟法3条2項,都市計画法30条2項,都市計画法32条,民訴法202条,民訴法408条

特定の財産がいわゆる特別受益財産であることの確認を求める訴えの適否

最高裁判所第三小法廷平成7年3月7日平成3(オ)252民集 第49巻3号893頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の財産がいわゆる特別受益財産であることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条民法903条1項,民訴法225条

境界の全部に接続する土地部分の時効取得と境界確定の訴えの当事者適格

最高裁判所第三小法廷平成7年3月7日平成6(オ)1728民集 第49巻3号919頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公簿上特定の地番により表示される甲乙両地が相隣接する場合に、乙地の所有者が甲地のうち境界の全部に接続する部分を時効取得したとしても、甲乙両地の各所有者は、境界確定の訴えの当事者適格を失わない。
参照法条民法162条,民訴法45条,民訴法第2編第1章訴

実用新案登録を受ける権利の共有者が提起する審決取消訴訟と固有必要的共同訴訟

最高裁判所第三小法廷平成7年3月7日平成6(行ツ)83民集 第49巻3号944頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨実用新案登録を受ける権利の共有者が、共同で拒絶査定に対する審判を請求し、請求が成り立たない旨の審決を受けた場合に提起する審決取消訴訟は、固有必要的共同訴訟である。
参照法条民訴法62条,実用新案法(平成5年法律第26号による改正前のもの)41条,実用新案法(平成5年法律第26号による改正前のもの)47条,特許法132条3項

一 宗教法人である神社の代表役員たる地位の存否の確認を求める訴えの原告適格 二 宗教法人である神社の責任役員及び氏子総代は右法人の代表役員たる地位の存否の確認を求める訴えの原告適格を有するが氏子はこれを有しないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成7年2月21日平成3(オ)1503民集 第49巻2号231頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 宗教法人である神社の代表役員たる地位の存否の確認を求める訴えについて第三者の原告適格を肯定するには、組織上、その代表役員の任免に関与するなど代表役員の地位に影響を及ぼすべき立場にあるか、又は自らが代表役員によって任免される立場にあるなど代表役員の地位について法律上の利害関係を有していることを要する。 二 宗教法人で…
参照法条民訴法45条,民訴法225条,宗教法人法18条

一 金銭債権の一部請求と相殺 二 金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺のため主張された自働債権の存否の判断の既判力

最高裁判所第三小法廷平成6年11月22日平成2(オ)1146民集 第48巻7号1355頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 特定の金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺の抗弁が理由がある場合には、当該債権の総額を確定し、その額から自働債権の額を控除した残存額を算定した上、請求額が残存額の範囲内であるときは請求の全額を、残存額を超えるときは残存額の限度でこれを認容すべきである。 二 特定の金銭債権の一部を請求する訴訟において相殺のため主…
参照法条民法505条,民訴法186条,民訴法199条2項

配当表に債権者として記載されていない者と配当異議の訴えの原告適格

最高裁判所第一小法廷平成6年7月14日平成2(オ)1128民集 第48巻5号1109頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨配当表に債権者として記載されていない者は、配当異議の訴えの原告適格を有しない。
参照法条民事執行法85条,民事執行法89条,民事執行法90条,民訴法45条

一 総有権確認請求訴訟において入会団体が原告適格を有する場合 二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合における特別の授権の要否 三 権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員…

最高裁判所第三小法廷平成6年5月31日平成3(オ)1724民集 第48巻4号1065頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、右入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。 二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、右…
参照法条民法33条,民法263条,民訴法45条,民訴法46条,民訴法58条

一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点 二 慰謝料額の認定に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成6年2月22日平成1(オ)1667民集 第48巻2号441頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、じん肺法所定の管理区分についての最終の行政上の決定を受けた時から進行する。 二 炭鉱労務に従事してじん肺にかかった者又はその相続人が、雇用者に対し、財産上の損害の賠償を別途請求する意思のない旨を訴訟上明らかにして慰謝料の支払を…
参照法条じん肺法4条,じん肺法13条,民法166条1項,民法415条,民法710条,民訴法394条

離婚請求訴訟における請求の放棄の許否

最高裁判所第一小法廷平成6年2月10日平成5(オ)589民集 第48巻2号388頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚請求訴訟において請求を放棄することは許される。
参照法条民訴法203条,人事訴訟手続法10条

固有必要的共同訴訟における共同被告の一部に対する訴えの取下げの効力

最高裁判所第三小法廷平成6年1月25日平成5(オ)641民集 第48巻1号41頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨固有必要的共同訴訟における共同被告の一部に対する訴えの取下げは、効力を生じない。
参照法条民訴法62条,民訴法236条

一 新株発行差止請求の訴えから変更された新株発行無効の訴えが出訴期間の遵守に欠けるところがないとされた事例 二 新株発行差止めの仮処分命令に違反したことと新株発行無効の訴えの無効原因

最高裁判所第一小法廷平成5年12月16日平成1(オ)666民集 第47巻10号5523頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 新株発行差止請求の訴えが新株発行無効の訴えにその出訴期間経過後に変更された場合であっても、右新株発行差止請求の訴えが、持株比率の減少等の不利益を受けると主張する株主によって、新株発行を阻止する目的の下に新株発行差止めの仮処分命令を得た上で提起されたものであるなど判示の事実関係の下においては、仮処分命令違反を無効原因…
参照法条商法280条ノ10,商法280条ノ15,民訴法235条

給付訴訟において不執行の合意が認定された場合の判決主文

最高裁判所第一小法廷平成5年11月11日平成2(オ)170民集 第47巻9号5255頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨給付訴訟において、給付請求権について不執行の合意がある旨の主張がされ、その事実が認められる場合には、裁判所は、右請求権について強制執行をすることができないことを判決主文において明らかにすべきである。
参照法条民訴法186条,民訴法191条1項

一 国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求に憲法二九条三項に基づく損失補償請求を予備的・追加的に併合することが許される場合 二 国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求に憲法二九条三項に基づく損失補償請求を控訴審において予備的・追加的に併合す…

最高裁判所第三小法廷平成5年7月20日昭和63(オ)1410民集 第47巻7号4627頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 国家賠償法一条一項の規定に基づく損害賠償請求に憲法二九条三項の規定に基づく損失補償請求を予備的、追加的に併合することが申し立てられた場合において、右予備的請求が、主位的請求と被告を同じくする上、その主張する経済的不利益の内容が同一で請求額もこれに見合うものであり、同一の行為に起因するものとして発生原因が実質的に共通…
参照法条民訴法227条,民訴法232条,憲法29条3項,国家賠償法1条1項,行政事件訴訟法第3章当事者訴訟

一 民事上の請求として自衛隊の使用する航空機の離着陸等の差止め及び右航空機の騒音の規制を求める訴えの適否 二 国に対しアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の離着陸等の差止めを請求することの可否 三 国及びアメリカ合衆国軍隊が管理する飛行場の周…

最高裁判所第一小法廷平成5年2月25日昭和62(オ)58民集 第47巻2号643頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民事上の請求として自衛隊の使用する航空機の離着陸等の差止め及び右航空機の騒音の規制を求める訴えは不適法である。 二 国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づきアメリカ合衆国に対し同国軍隊の使用する施設及び区域として飛行場を提供している場合において、国に対し右軍隊の使用する航空機の離着陸等の差…
参照法条民訴法第2編第1章訴,日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約6条,日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定2条,民法198条299条,民法709…

家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合と新訴の取扱い

最高裁判所第一小法廷平成5年2月18日平成3(オ)131民集 第47巻2号632頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合には、民訴法三〇条一項により、新訴を管轄裁判所に移送すべきである。
参照法条民訴法30条1項,民訴法232条,民事執行法33条2項,民事執行法35条

一 原子炉設置許可処分の取消訴訟における審理・判断の方法 二 原子炉設置許可処分の取消訴訟における主張・立証 三 原子炉設置許可の段階における安全審査の対象

最高裁判所第一小法廷平成4年10月29日昭和60(行ツ)133民集 第46巻7号1174頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 原子炉施設の安全性に関する被告行政庁の判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な調査審議及び判断を基にしてされた被告行政庁の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであつて、現在の科学技術水準に照らし、右調査審議…
参照法条核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前のもの)23条,核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前のもの)24条,行政事件訴訟法30条,民訴法185条

宗教団体内でされた懲戒処分の効力の有無の確認を求める訴えの適否

最高裁判所第一小法廷平成4年1月23日昭和63(オ)1730民集 第46巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宗教団体内でされた懲戒処分の効力の有無の確認を求める訴えは、その処分が、当該宗教団体内部における被処分者の宗教活動を制限し、あるいはその宗教上の地位に関する不利益を与えるものにとどまる場合は、不適法である。
参照法条裁判所法3条,民訴法225条

別訴において訴訟物となっている債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否

最高裁判所第三小法廷平成3年12月17日昭和62(オ)1385民集 第45巻9号1435頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として、相殺の抗弁を主張することは、許されない。
参照法条民法505条,民訴法199条2項,民訴法231条

最高裁判所規則の制定に関する裁判官会議への参加を理由とする忌避申立ての許否

最高裁判所第一小法廷平成3年2月25日平成2(行ニ)42民集 第45巻2号117頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨最高裁判所規則の制定をめぐる訴訟において、右制定に関する裁判官会議に参加したことを理由に、最高裁判所の裁判官につき忌避の申立てをすることはできない。
参照法条憲法76条1項,憲法76条2項,憲法77条1項,裁判所法12条,民訴法37条1項

手形に保証の趣旨で裏書をした者が原因債務につき保証をしたものと推認するのが相当とされた事例

最高裁判所第一小法廷平成2年9月27日昭和63(オ)1570民集 第44巻6号1007頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が乙から三回にわたって金銭を借り受けた場合に、丙が、乙とは旧知の仲で右貸借の紹介老でもあり、その貸借の都度、甲に同行して乙と直接会い、その場において、乙の求めに応じ、甲振出の約束手形に保証の趣旨で裏書をして乙に交付し、甲の支払拒絶後は、右三回目の貸金の弁済を求める乙の強い意向に沿う行動をとるなど判示の事情があるときは…
参照法条民法446条,手形法15条,手形法77条,民訴法185条

離婚訴訟における財産分与の裁判と不利益変更禁止の原則

最高裁判所第二小法廷平成2年7月20日平成2(オ)695民集 第44巻5号975頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚訴訟において、財産分与を命じた判決に対して控訴の申立てがされた場合、財産分与に関する裁判については、いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はない。
参照法条民法768条,民訴法385条,人事訴訟手続法15条1項ないし3項

検察官を被告とする認知の確定判決に対する再審の訴えと認知を求められた亡父の子の原告適格

最高裁判所第二小法廷平成元年11月10日昭和59(オ)1122民集 第43巻10号1085頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨検察官を被告とする認知の訴えにおいて認知を求められた亡父の子は、右訴えの確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有しない。
参照法条民法786条,民法787条,民訴法420条

共同相続人間における遺産確認の訴えと固有必要的共同訴訟

最高裁判所第三小法廷平成元年3月28日昭和60(オ)727民集 第43巻3号167頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人間における遺産確認の訴えは、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
参照法条民訴法62条,民訴法225条,民法898条

一 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行後に仮処分命令が控訴審で取り消された場合と仮処分債務者の仮払金返還請求権 二 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行に係る仮払金の返還請求訴訟と仮処分債権者が本案訴訟で訴求中の賃金債権を自働債権とする相殺の抗弁の許…

最高裁判所第三小法廷昭和63年3月15日昭和58(オ)1406民集 第42巻3号170頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行後に仮処分命令が控訴審で取り消された場合には、本案訴訟が未確定であり、又は従業員としての地位保全の仮処分が同時に発せられていたときであつても、仮処分債務者は、特段の事情がない限り、仮処分債権者に対し仮払金の返還請求権を取得し、その返還義務の範囲は不当利得の規定に準じてこれを定めるべきで…
参照法条民法505条,民法703条,民法704条,民訴法198条2項,民訴法199条2項,民訴法231条,民訴法756条ノ2,民訴法760条

第三者の提起する養子縁組無効の訴えと訴えの利益の有無

最高裁判所第三小法廷昭和63年3月1日昭和59(オ)236民集 第42巻3号157頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者の提起する養子縁組無効の訴えは、養子縁組が無効であることによりその者が自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けないときは、訴えの利益を欠く。
参照法条民法802条,民訴法225条,人事訴訟手続法2条2項,人事訴訟手続法18条1項,人事訴訟手続法24条,人事訴訟手続法26条

地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく代位請求訴訟において適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条二項所定の期間内にした補助参加の効力

最高裁判所第一小法廷昭和63年2月25日昭和61(行ツ)178民集 第42巻2号120頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく代位請求訴訟において、右訴訟の対象と同一の財務会計上の行為又は怠る事実を対象とする適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条二項所定の期間内にした補助参加には、いわゆる共同訴訟的補助参加の効力を認めることはできない。
参照法条地方自治法242条の2第1項4号,地方自治法242条の2第2項,民訴法62条,民訴法64条,民訴法69条

一 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の対抗要件と構成部分の変動した後の集合物に対する効力 二 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権と動産売買先取特権に基づいてされた動産競売の不許を求める第三者異議の訴…

最高裁判所第三小法廷昭和62年11月10日昭和57(オ)1408民集 第41巻8号1559頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の設定者がその構成部分である動産の占有を取得したときは譲渡担保権者が占有改定の方法によつて占有権を取得する旨の合意があり、譲渡担保権設定者がその構成部分として現に存在する動産の占有を取得した場合には、譲渡担保権者は右譲渡担保権につき対抗要件を具備するに至り、右対…
参照法条民法85条,民法178条,民法181条,民法183条,民法333条,民法369条(譲渡担保),民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,競売法3条

手形金請求の訴えの提起と原因債権の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷昭和62年10月16日昭和60(オ)965民集 第41巻7号1497頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務の支払のために手形の交付を受けた債権者が債務者に対して手形金請求の訴えを提起したときは、原因債権についても消滅時効中断の効力を生ずる。 (意見がある。)
参照法条民法147条1号,民法149条,民訴法235条

縁組が無効であるとの主張と離縁無効確認の訴えの利益

最高裁判所第三小法廷昭和62年7月17日昭和59(オ)11民集 第41巻5号1381頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨養子縁組の当事者の一方の提起した離縁無効確認の訴えは、その縁組が無効であるとの主張が認められた場合であつても、訴えの利益を失わない。
参照法条民訴法225条,人事訴訟手続法24条

いわゆる訴えの主観的追加的併合の許否

最高裁判所第三小法廷昭和62年7月17日昭和59(オ)1382民集 第41巻5号1402頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲の乙に対する訴訟の係属後にされた甲の丙に対する訴訟を追加して提起する旨の申立ては、両訴訟につき民訴法五九条所定の要件が具備する場合であつても、乙に対する訴訟に当然に併合される効果を生ずるものではない。
参照法条民訴法59条,民訴法132条

宗教法人の代表役員に就任した者がその地位にあることの確認の訴えとともに提起した自己の解任及び後任者の就任等の各登記の抹消登記手続を求める訴えの利益の有無

最高裁判所第一小法廷昭和61年9月4日昭和57(オ)1167民集 第40巻6号1013頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宗教法人の代表役員に就任した者が、宗教法人に対し、その代表役員の地位にあることの確認を訴求するとともに、自己の解任及び後任の代表役員の就任又はその辞任の各登記の抹消登記手続を求めて提起した訴えは、訴えの利益を欠く。
参照法条民訴法2編1章訴,宗教法人法65条,商業登記法109条1項2号

将来の賃料相当損害金の請求を認容する判決が確定した場合においてその後公租公課の増大等により認容額が不相当となつたときと損害金の追加請求

最高裁判所第一小法廷昭和61年7月17日昭和56(オ)756民集 第40巻5号941頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨従前の土地の所有者は、仮換地の不法占拠者に対し、将来の賃料相当損害金の請求を認容する確定判決を得た場合においても、その事実審口頭弁論終結後に、公租公課の増大、土地の価格の昂騰により、又は比隣の土地の賃料に比較して、認容額が不相当となつたときは、新訴により、認容額と適正賃料額との差額に相当する損害金の支払を求めることがで…
参照法条民訴法199条,民訴法226条,民法709条

一 一個の行為により同一著作物についての著作財産権と著作者人格権とが侵害されたことを理由とする著作財産権に基づく慰藉料請求及び著作者人格権に基づく慰藉料請求と訴訟物の個数 二 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)三六条ノ二所定の著作者の声望…

最高裁判所第二小法廷昭和61年5月30日昭和58(オ)516民集 第40巻4号725頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一個の行為により同一著作物についての著作財産権と著作者人格権とが侵害されたことを理由とする著作財産権に基づく慰藉料請求と著作者人格権に基づく慰藉料請求とは、訴訟物を異にする別個の請求である。 二 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)三六条ノ二所定の著作者の声望名誉とは、著作者がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価…
参照法条旧著作権法(明治32年法律第39号)18条,旧著作権法(明治32年法律第39号)29条,旧著作権法(明治32年法律第39号)36条ノ2,民訴法186条,民訴法224条1項

一 上告審における被告の破産と破産債権確定訴訟への訴えの変更 二 指名債権が二重に譲渡された場合に対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済と民法四七八条の適用 三 二重に譲渡された指名債権の債務者が対抗要件を後れて具備した譲受人に対…

最高裁判所第二小法廷昭和61年4月11日昭和57(オ)272民集 第40巻3号558頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 給付訴訟の上告審係属中に被告が破産宣告を受け破産管財人が訴訟手続を受継した場合には、原告は、上告審において、右給付の訴えを破産債権確定の訴えに変更することができる。 二 指名債権が二重に譲渡された場合に、民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済についても、同法四七八条〈清算人の就任〉の適用がある。 三…
参照法条民訴法232条,破産法244条1項,破産法246条1項,民法467条,民法478条

遺産確認の訴えの適法性

最高裁判所第一小法廷昭和61年3月13日昭和57(オ)184民集 第40巻2号389頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人間において特定の財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えは、適法である。
参照法条民訴法225条,民法898条

一時利用地指定処分の取消しの訴えが換地処分の取消しの訴えに変更された場合と出訴期間の遵守

最高裁判所第二小法廷昭和61年2月24日昭和59(行ツ)70民集 第40巻1号69頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一時利用地が従前の土地に照応していないことを理由とする換地予定地的な一時利用地の指定処分の取消しの訴えが出訴期間内に提起され、その係属中に右の一時利用地をそのまま換地として指定する旨の換地処分があり、訴えが換地処分の取消しの訴えに交換的に変更された場合には、換地処分の取消しの訴えは、訴えの変更が右訴えの出訴期間経過後に…
参照法条行政事件訴訟法14条,民訴法235条,土地改良法54条

代位弁済者の債権者から代位取得した原債権又はその連帯保証債権の給付請求を認容する場合と判決主文における求償権の表示

最高裁判所第一小法廷昭和61年2月20日昭和58(オ)881民集 第40巻1号43頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代位弁済者が債権者から代位取得した原債権又はその連帯保証債権の給付を求める訴訟において、裁判所が請求を認容する場合には、求償権の額が原債権の額を常に上回るものと認められる特段の事情のない限り、主文において、請求を認容する限度として求償権を表示すべきである。
参照法条民法501条,民訴法191条

一 土地区画整理組合の設立認可と抗告訴訟の対象 二 土地区画整理組合の事業の施行地区内の宅地の所有者と当該組合設立認可処分の無効確認訴訟の原告適格 三 上告審が下級審の訴え却下の判断を違法であると認めたにもかかわらず事件を下級審に差し戻すこ…

最高裁判所第三小法廷昭和60年12月17日昭和57(行ツ)128民集 第39巻8号頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 土地区画整理組合の設立認可は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 二 土地区画整理組合の事業施行地区内の宅地の所有者は、右事業施行に伴う処分を受けるおそれのあるときは、同組合の設立認可処分の無効確認訴訟につき原告適格を有する。 三 甲が、乙を被告とする丙土地区画整理組合の設立認可処分の無効確認請求と同組合を被告…
参照法条土地区画整理法3条2項,土地区画整理法14条,土地区画整理法21条1項,土地区画整理法21条4項,土地区画整理法25条1項,土地区画整理法98条1項前段,行政事件訴訟法3条2項,行政事件訴訟法3条4項,行政事件訴訟法36条,民訴法388条,…

一 法人組織の構成部分と労働組合法二七条及び七条所定の使用者 二 法人組織の構成部分を名宛人とする救済命令の効力 三 法人組織の構成部分とこれを名宛人とする救済命令についてのA1委員会の再審査申立棄却命令の取消訴訟における当事者能力の有無

最高裁判所第三小法廷昭和60年7月19日昭和56(行ツ)205民集 第39巻5号1266頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分は、労働組合法二七条及び七条所定の使用者に当たらない。 二 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分を名宛人とする救済命令は、当該法人に対し命令の内容を実現することを義務付けるものとして、効力を有する。 三 法律上独立した権利義務の帰属主体でな…
参照法条労働組合法7条,労働組合法27条,民訴法45条

代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合にその本案訴訟において会社を代表すべき者

最高裁判所第二小法廷昭和59年9月28日昭和57(オ)1419民集 第38巻9号1121頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟を本案とする代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合に、本案訴訟において会社を代表すべき者は、職務の執行を停止された代表取締役ではなく、代表取締役職務代行者である。
参照法条商法270条1項,商法271条1項,民訴法58条

普通地方公共団体の申立に基づいて発せられた支払命令に対する異議の申立により提起されたものとみなされる訴えと議会の議決

最高裁判所第一小法廷昭和59年5月31日昭和58(オ)1387民集 第38巻7号197頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨普通地方公共団体の申立に基づいて発せられた支払命令に対する異議の申立により提起されたものとみなされる訴えについても、地方自治法九六条一項一一号所定の議会の議決が必要である。
参照法条地方自治法96条1項11号,民訴法45条,民訴法58条,民訴法442条1項

抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者と施行者に対する右清算金支払請求の可否

最高裁判所第一小法廷昭和58年12月8日昭和56(オ)283民集 第37巻10号1517頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者は、抵当権者が物上代位のための差押をする前に右命令を得たとしても、抵当権者から供託しなくてもよい旨の申出がない限り、施行者に対し右清算金の支払を請求することができない。
参照法条民法304条,民法371条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)601条,民事執行法160条,土地区画整理法112条1項

一 名誉侵害を理由とする慰藉料請求権と行使上の一身専属性の喪失事由 二 名誉侵害を理由とする破産者の慰藉料請求権が破産終結決定後に行使上の一身専属性を失つた場合と破産法二八三条一項後段の適用の有無

最高裁判所第一小法廷昭和58年10月6日昭和54(オ)719民集 第37巻8号1041頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 名誉侵害を理由とする慰藉料請求権は、加害者が被害者に対し一定額の慰藉料を支払うことを内容とする合意若しくはかかる支払を命ずる債務名義が成立したなどその具体的な金額が当事者間において客観的に確定したとき又は被害者が死亡したときは、行使上の一身専属性を失う。 二 名誉侵害を理由とする破産者の慰藉料請求権が破産終結決定後…
参照法条民法423条,民法710条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)570条1項,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)618条1項,破産法(昭和54年法律第5号による改正前のもの)6条3項,破産法(昭和54年法律第5号に…

市長を被告とする同市長の公金管理の違法確認を求める住民訴訟の提起後訴状送達前に請求を市長個人に対する右公金の違法支出による損害賠償請求に変更する旨の申立書が提出された場合と出訴期間遵守の有無暫定の基準時

最高裁判所第二小法廷昭和58年7月15日昭和55(行ツ)82民集 第37巻6号869頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方自治法二四二条の二第二項一号所定の期間内に提起された市長を被告とする同条一項三号による同市長の公金管理の違法確認を求める訴えにつき、その訴状の送達前に請求を同条一項四号による市長個人に対する損害賠償の請求に変更する旨の申立書が提出された場合において、その提出の時期が前記期間経過後であるときは、たとえその損害賠償の請…
参照法条民訴法235条,地方自治法242条の2第2項1号

一 民訴法二〇〇条四号所定の「相互ノ保証アルコト」の意義 二 民訴法二〇〇条三号の規定と外国裁判所の判決の成立についての公序良俗違反

最高裁判所第三小法廷昭和58年6月7日昭和57(オ)826民集 第37巻5号611頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民訴法二〇〇条四号所定の「相互ノ保証アルコト」とは、当該判決をした外国裁判所の属する国において、右判決と同種類の我が国の裁判所の判決が同条各号所定の条件と重要な点で異ならない条件のもとに効力を有するものとされていることをいうものと解すべきである。 二 民訴法二〇〇条三号の規定は、外国裁判所の判決の内容のほかその成立…
参照法条民事執行法24条,民訴法200条3号,民訴法200条4号

一 普通地方公共団体の複数の住民が提起する地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟と類似必要的共同訴訟 二 普通地方公共団体の複数の住民が共同訴訟人として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟において共同訴訟人の一部の者がした…

最高裁判所第二小法廷昭和58年4月1日昭和57(行ツ)11民集 第37巻3号201頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 普通地方公共団体の複数の住民が提起する地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟は、類似必要的共同訴訟と解すべきである。 二 普通地方公共団体の複数の住民が共同訴訟人として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟において、共同訴訟人の一部の者がした上訴は、他の共同訴訟人に対しても効力を生ずる。 (二につき…
参照法条民訴法62条1項,地方自治法242条の2第1項4号

民法一八六条一項の所有の意思の推定が覆される場合

最高裁判所第一小法廷昭和58年3月24日昭和57(オ)548民集 第37巻2号131頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法一八六条一項の所有の意思の推定は、占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は占有者が占有中、真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかつたなど、外形的客観的にみて占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有してい…
参照法条民法162条,民法186条1項,民訴法185条

一 訴訟行為と民法八二五条の適用の有無 二 父母が共同で親権を行う場合と民法八二六条一項の規定による特別代理人の選任申立権者 三 民法八二六条一項の規定に基づいて選任された特別代理人が未成年者を代理してした行為が利益相反行為にあたるとされた…

最高裁判所第二小法廷昭和57年11月26日昭和54(オ)549民集 第36巻11号2296頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 訴訟行為には民法八二五条は適用されない。 二 民法八二六条一項の規定による特別代理人の選任申立は、父母が共同で親権を行う場合においても、その一方が単独ですることができる。 三 民法八二六条一項の規定に基づいて選任された特別代理人が親権者のした未成年者所有不動産の担保提供行為を追認することは、その被担保債務について特…
参照法条民法825条,民法826条1項,民訴法49条

一 民法一〇四二条にいう減殺すべき贈与があつたことを知つた時の意義 二 遺留分権利者が減殺すべき贈与の無効を訴訟上主張しているときと減殺すべき贈与があつたことを知つたと推認される場合

最高裁判所第二小法廷昭和57年11月12日昭和54(オ)907民集 第36巻11号2193頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民法一〇四二条にいう減殺すべき贈与があつたことを知つた時とは、贈与の事実及びこれが減殺できるものであることを知つた時をいう。 二 遺留分権利者が、減殺すべき贈与の無効を訴訟上主張していても、被相続人の財産のほとんど全部が贈与されたことを認識していたときは、その無効を信じていたため遺留分減殺請求権を行使しなかつたこと…
参照法条民法1042条,民訴法185条

交通事故の被害者が加害者に対する損害賠償請求訴訟と併合して保険会社に対し加害者に代位して提起した自動車保険普通保険約款に基づく保険金請求訴訟の許否

最高裁判所第三小法廷昭和57年9月28日昭和55(オ)188民集 第36巻8号1652頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車保険普通保険約款に、加害者の保険会社に対する保険金請求権は、加害者と被害者との間で損害賠償額が確定したときに発生し、これを行使することができる旨の規定があつても、被害者が加害者に対する損害賠償請求と保険会社に対し加害者に代位してする保険金請求とを併合して訴求している場合には、右保険金請求訴訟は、将来の給付の訴えと…
参照法条民法423条,商法629条,民訴法226条

競売手続停止の仮処分に違反してされた競売手続の完了と競落不動産についての競落人の所有権の取得

最高裁判所第二小法廷昭和57年9月10日昭和56(オ)553民集 第36巻8号1620頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨競売手続停止の仮処分に違反して競売手続が続行された場合であつても、競落代金が支払われて競売手続が完了したときは、仮処分債権者は、競落不動産についての競落人の所有権の取得を否定することができない。
参照法条競売法2条1項,競売法33条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)550条,民事執行法79条,民事執行法183条,民事執行法188条

執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合と裁判所のとるべき措置

最高裁判所第一小法廷昭和57年7月19日昭和57(ク)100民集 第36巻6号1229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合には、これを受理した裁判所は、民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、執行抗告を不適法として却下すべきである。
参照法条民事執行法10条2項,民訴法30条

一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求と右構成員の当事者適格 二 入会部落の構成員が有する使用収益権に基づく地上権設定仮登記抹消登記手続請求の可否

最高裁判所第一小法廷昭和57年7月1日昭和51(オ)424民集 第36巻6号891頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求については、右構成員各自に当事者適格がある。 二 入会部落の構成員は、自己の有する使用収益権を根拠としては入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができない。
参照法条民法263条,民訴法45条,民訴法62条

白地手形による手形金請求を棄却する判決の確定後に白地部分を補充して手形上の権利の存在を主張することの許否

最高裁判所第三小法廷昭和57年3月30日昭和54(オ)110民集 第36巻3号501頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨白地手形の所持人は、手形金請求の前訴において、事実審口頭弁論終結前に白地補充権を行使しえたのにこれを行使しないため手形要件を欠くとして請求棄却の判決を受け、これが確定したときは、特段の事情のない限り、その後に白地部分を補充しても、後訴において手形上の権利の存在を主張することは許されない。
参照法条手形法10条,手形法77条2項,民訴法199条1項,民訴法545条2項(昭和54年法律第4号による改正前のもの),民事執行法35条2項

不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が実体的権利関係に適合しないことにより自己の権利を害される者が強制執行法上の手続による救済を求めることを怠つた場合と国に対する損害賠償請求の可否

最高裁判所第三小法廷昭和57年2月23日昭和52(オ)1155民集 第36巻2号154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が関係人間の実体的権利関係に適合しない場合において、右処分により自己の権利を害される者が、強制執行法上の手続による救済を求めることを怠り、このために損害を被つたときは、執行裁判所みずからその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合でない限り、その賠償を国に対して請求すること…
参照法条国家賠償法1条1項,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,民事執行法38条1項

一 譲渡担保権者と第三者異議の訴え 二 譲渡担保権者が目的物件につき自己の債権者のために更に譲渡担保権を設定した場合と第三者異議の訴え

最高裁判所第一小法廷昭和56年12月17日昭和53(オ)1463民集 第35巻9号1328頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 譲渡担保権者は、特段の事情がない限り、第三者異議の訴えによつて目的物件に対し譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行の排除を求めることができる。 二 譲渡担保権者は、目的物件につき自己の債権者のために更に譲渡担保権を設定したのちにおいても、第三者異議の訴えによつて目的物件に対し原譲渡担保権設定者の一般債権者がした…
参照法条民法369条(譲渡担保),民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,民事執行法38条1項

日本国内に営業所を有する外国法人に対する損害賠償請求訴訟とわが国の裁判権

最高裁判所第二小法廷昭和56年10月16日昭和55(オ)130民集 第35巻7号1224頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨日本国内に営業所を有する外国法人に対する損害賠償請求訴訟については、右法人にわが国の裁判権が及ぶものと解するのが相当である。
参照法条民訴法4条1項,民訴法4条3項,法例7条

弁論再開をしないで判決をした控訴裁判所の措置が違法であるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和56年9月24日昭和55(オ)266民集 第35巻6号頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が提起した無権代理行為を理由とする土地所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟の控訴審の口頭弁論の終結前に甲が死亡し、無権代理人乙が甲を相続した結果、甲がみずから法律行為をしたのと同様の法律関係を生じたが、甲について訴訟代理人が選任されていたため訴訟承継の手続がとられないまま口頭弁論が終結された場合において、相手方丙がそ…
参照法条民訴法133条

一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の判断にあたり原告の相続分が生前贈与等によりなくなるか否かを考慮することの可否 二 遺言無効確認訴訟が固有必要的共同訴訟にあたらないとされた事例 三 同一の証書に記載された二人の遺言の一方に方式違背があ…

最高裁判所第二小法廷昭和56年9月11日昭和54(オ)1208民集 第35巻6号1013頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の存否を判断するにあたつては、原則として、原告の相続分が被相続人から受けた生前贈与等によりなくなるか否かを考慮すべきものではない。 二 単に相続分及び遺産分割の方法を指定したにすぎない遺言の無効確認を求める訴は、固有必要的共同訴訟にあたらない。 三 同一の証書に二人の遺言が記載され…
参照法条民法902条,民法903条1項,民法903条2項,民法908条,民法968条1項,民法975条,民法985条,民訴法62条,民訴法225条

一 商標登録査定後における商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益の有無 二 商標登録異議申立人である会社の合併による消滅と右申立人としての地位の承継の有無

最高裁判所第二小法廷昭和56年6月19日昭和53(行ツ)103民集 第35巻4号827頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商標登録出願につき登録査定がされたのちにおいては、右出願に関する商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益はない。 二 商標登録異議申立人である会社が合併によつて消滅したときは、右異議申立は失効し、異議申立人としての地位は合併後存続する会社に承継されない。
参照法条商標法17条,商標法77条2項,特許法24条,特許法55条,民訴法209条1項,行政事件訴訟法9条,商法103条,商法416条1項

嫡出親子関係不存在確認の訴における父子関係と母子関係との合一確定の要否

最高裁判所第三小法廷昭和56年6月16日昭和55(オ)661民集 第35巻4号791頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨嫡出親子関係不存在確認の訴においては、父子関係と母子関係との各不存在を合一に確定する必要はない。
参照法条民訴法62条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続

債権者の代理人が本人としてした作成嘱託に基づき作成された公正証書の効力

最高裁判所第三小法廷昭和56年3月24日昭和53(オ)203民集 第35巻2号254頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者の代理人が本人としてした作成嘱託に基づき作成された公正証書は、債務名義としての効力がない。 (反対意見がある。)
参照法条公証人法2条,公証人法32条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)559条3号,民事執行法22条

自動車損害賠償保障法三条の規定による損害賠償請求権を執行債権とする転付命令と右損害賠償義務の履行によつて発生すべき同法一五条所定の自動車損害賠償責任保険金請求権の被転付適格

最高裁判所第三小法廷昭和56年3月24日昭和53(オ)880民集 第35巻2号271頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車損害賠償保障法三条の規定による損害賠償請求権を執行債権とし、右損害賠償義務の履行によつて発生すべき同法一五条所定の自動車損害賠償責任保険金請求権につき転付命令が申請された場合には、右保険金請求権は、券面額ある債権として被転付適格を有する。
参照法条民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)601条,自動車損害賠償保障法15条,民事執行法159条

一 当事者双方不出頭の口頭弁論期日における弁論終結の際の判決言渡期日指定の告知 二 土地所有者が地代の受領を拒絶し又はこれを受領しない意思が明確であるため地上権者において提供をするまでもなく債務不履行の責を免れる事情にある場合と民法二六六条…

最高裁判所第二小法廷昭和56年3月20日昭和53(オ)400民集 第35巻2号219頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 当事者双方不出頭の口頭弁論期日において弁論を終結するに際し、裁判長が法廷において判決言渡期日を指定し、これを告知する方法としてその言渡をしたときは、当事者に対してその効力を生じ、更に右期日に出頭すべき旨の呼出状を送達することを要しない。 二 土地所有者が地代の受領を拒絶し又は地上権の存在を否定する等弁済を受領しない…
参照法条民訴法190条2項,民訴法207条,民法266条1項,民法276条

売買を請求原因とする所有権確認の判決が確定したのち後訴において詐欺を理由に右売買を取り消して所有権の存否を争うことの許否

最高裁判所第一小法廷昭和55年10月23日昭和55(オ)589民集 第34巻5号747頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売買を請求原因とする所有権確認の判決が確定したのちは、後訴において詐欺を理由に右売買を取り消して所有権の存否を争うことは許されない。
参照法条民法96条,民法121条,民訴法199条

裁判長の氏名の記載を欠く口頭弁論調書の効力

最高裁判所第一小法廷昭和55年9月11日昭和54(オ)1184民集 第34巻5号737頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨判決言渡に関与した裁判長の氏名の記載を欠く口頭弁論調書は、その調書の裁判長認印欄に認印があつても無効である。
参照法条民訴法143条1項2号,民訴法147条

一 沖繩における血縁団体であるいわゆる門中が権利能力なき社団にあたるとされた事例 二 権利能力なき社団と仮理事の選任

最高裁判所第二小法廷昭和55年2月8日昭和50(オ)701民集 第34巻2号138頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 沖繩における血縁団体であるいわゆる門中が、家譜記録等によつて構成員の範囲を特定することができ、慣行により、有力家の当主を代表機関とし、かつ、毎年一定の時期に構成員の総意によつて選任される当番員を日常業務の執行機関として定め、また、祖先の一人によつて寄附された土地等の財産を門中財産として有し、これを管理利用して得た収…
参照法条民法33条,民法56条,民訴法46条

不動産の所有権移転経過の認定について弁論主義違反の違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和55年2月7日昭和52(オ)1144民集 第34巻2号123頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原告らが、係争不動産は原告らの被相続人乙が甲から買い受け乙の死亡によつて原告らが共同相続したものであると主張して、右不動産の所有名義人である被告に対し、共有持分権に基づき各持分に応ずる所有権移転登記手続を求め、これに対し被告が、右不動産は被告の夫丙が甲から買い受けたものであり丙の死亡によつて被告がそれを相続取得したもの…
参照法条民訴法186条

上告裁判所に対する被上告人からの民訴法一九八条二項の規定による裁判を求める申立の許否

最高裁判所第一小法廷昭和55年1月24日昭和54(オ)698民集 第34巻1号102頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第一審において仮執行宣言付給付判決を受けた被告が控訴審において右判決を変更する判決を得たが民訴法一九八条二項の規定による裁判を求める申立をしていなかつたときは、原告が上告したとしても、被上告人たる被告から上告裁判所に対して右申立をすることは許されない。
参照法条民訴法198条2項

一 手形の裏書が裏書人を告とする詐害行為取消一一訟において取り消された場合と右被裏書人から隠れた取立委任裏書を受けていた者の地位 二 約束手形の振出人を原告としその受取人による裏書の被裏書人を被告とする右裏書に対する詐害行為取消の訴と右被裏…

最高裁判所第二小法廷昭和54年4月6日昭和50(オ)999民集 第33巻3号329頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 約束手形の振出人甲が原告となりその受取人乙から裏書を受けた丙を被告として提起した右裏書についての詐害行為取消の訴において、甲の請求が認容された場合には、甲は、丙から隠れた取立委任裏書を受けていた丁に対し、丁の善意・悪意を問わず、乙丙間の裏書が詐害行為として取り消された事実を援用して、丁の手形金請求を拒むことができる…
参照法条民法424条,手形法17条,手形法18条,民訴法227条

一 債権者代位訴訟の原告である債権者が被告である第三債務者の提出した抗弁に対し自己独自の事情に基づく再抗弁を提出することの可否 二 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した控訴審判決に対し第一審被告のみが上告した場合と上告審における調査・判断…

最高裁判所第二小法廷昭和54年3月16日昭和51(オ)49民集 第33巻2号270頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 債権者が債権者代位権に基づきその債務者に属する債権を行使する訴訟において、被告である第三債務者が提出した抗弁に対し、原告の提出することのできる再抗弁事由は債務者自身が主張することのできるものに限られ、原告独自の事情に基づく再抗弁を提出することはできない。 二 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した控訴審判決に対し、…
参照法条民法423条,民訴法385条,民訴法396条,民訴法402条,民訴法405条

不法行為の加害者が被害者に対する自己の債権を執行債権として自己に対する被害者の損害賠償債権について受けた転付命令の効力

最高裁判所第一小法廷昭和54年3月8日昭和53(オ)970民集 第33巻2号187頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不法行為の加害者が被害者に対する自己の債権を執行債権として自己に対する被害者の損害賠償債権について受けた転付命令は、民法五〇九条の規定を潜脱するものとして無効である。
参照法条民法509条,民訴法601条

上告理由として民訴法四二〇条一項六号所定の事由が主張され同条二項所定の要件が具備された場合と上告審のとるべき措置

最高裁判所第一小法廷昭和53年12月21日昭和53(オ)265民集 第32巻9号1740頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨上告理由として原判決につき民訴法四二〇条一項六号所定の事由の存することが主張された場合において、当該事実に関し同条二項所定の要件が具備されたときは、原判決につき判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違反があつたものとしてこれを破棄し、事件を原審に差し戻すのが相当である。
参照法条民訴法394条,民訴法420条1項6号,民訴法420条2項

一 民訴法一九八条二一の損害賠償義務と民法五〇九にいう「不法行為ニ因リテ生シタ」債務 二 民訴法一九八条二項の原状回復及び損害賠償が別訴で請求された場合にその債務者が前訴請求債権と請求の基礎を同じくする債権をもつてする相殺

最高裁判所第一小法廷昭和53年12月21日昭和53(オ)436民集 第32巻9号1749頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民訴法一九八条二項の損害賠償義務は、民法五〇九条にいう「不法行為ニ因リテ生シタ」債務にあたらない。 二 民訴法一九八条二項の原状回復及び損害賠償が別訴で請求された場合には、その債務者は、前訴の請求債権と請求の基礎を同じくする債権であつても、これを自働債権とする相殺をもつて債権者に対抗することができる。
参照法条民訴法198条2項,民法505条,民法509条

賃貸中の不動産に対する競売開始決定後賃貸人のした賃借権譲渡の承諾と譲受人の競落人に対する地位

最高裁判所第一小法廷昭和53年6月29日昭和52(オ)1111民集 第32巻4号762頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃貸中の不動産に対する競売開始決定の差押の効力発生後賃貸人のした賃借権譲渡の承諾は、特段の事情のない限り、右差押の効力によつて禁止される処分行為にあたらず、譲受人は、賃借権の取得をもつて競落人に対抗することができる。
参照法条民法612条,民訴法644条,競売法25条

地方自治法二四二条の二第一項四号所定の損害賠償請求訴訟における訴訟物の価額

最高裁判所第一小法廷昭和53年3月30日昭和51(行ツ)120民集 第32巻2号485頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方自治法二四二条の二第一項四号所定の損害賠償請求訴訟における訴訟物の価額は、原告の数にかかわりなく、三五万円とすべきである。
参照法条地方自治法242条の2第1項,民訴法22条,民訴法23条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条2項

一 賃料増額請求が争われた場合における増額分の賃料と所得の計算 二 賃料増額請求にかかる増額分の賃料の支払を命じた仮執行宣言付判決に基づき支払を受けた金員と所得の計算

最高裁判所第二小法廷昭和53年2月24日昭和50(行ツ)123民集 第32巻1号43頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 賃料増額請求が争われた場合における増額分の賃料は、原則として、その債権の存在を認める裁判が確定した日の属する年分の所得の計算上収入金額に算入されるべきである。 二 賃料増額請求にかかる増額分の賃料の支払を命じた仮執行宣言付判決に基づき支払を受けた金員は、その受領の日の属する年分の所得の計算上収入金額に算入されるべき…
参照法条旧所得税法(昭和22年法律第27号)10条,借地法(昭和41年法律第93号による改正前のもの)12条,借家法(昭和41年法律第93号による改正前のもの)7条,民訴法196条,民訴法198条

地方議会議員の報酬請求権の譲渡性

最高裁判所第一小法廷昭和53年2月23日昭和52(オ)884民集 第32巻1号11頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方議会の議員の報酬請求権は、条例に譲渡禁止の規定がない限り、譲渡することができる。
参照法条地方自治法203条,民法466条,民訴法618条1項5号

手形に保証の趣旨で裏書をした場合に原因債務についての民事保証を推認することの可否

最高裁判所第三小法廷昭和52年11月15日昭和51(オ)1187民集 第31巻6号900頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金銭を借用するにあたり、借主甲が、借受金の弁済確保のため甲の振り出す約束手形になんぴとか確実な保証人の裏書をもらつてくるよう貸主乙から要求されたため、丙に依頼して右手形に丙の裏書を受けたうえ、これを乙に手交して金銭の貸渡しを受けたという事実関係があるだけでは、右手形が金融を得るために用いられることを丙において認識してい…
参照法条民訴法185条,民法446条,手形法15条,手形法77条

選挙管理委員会の委員長のした不在者投票事由の存否の認定の当否に関する裁判所の判断に審理不尽の違法があるとされる場合

最高裁判所第三小法廷昭和52年11月8日昭和52(行ツ)70民集 第31巻6号871頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨裁判所が選挙管理委員会の委員長のした不在者投票事由の存否の認定の当否を判断するにあたつては、選挙人の提出した宣誓書等の書面の記載のほか、選挙人の不在者投票事由に関する口頭説明の内容をもあわせ考慮することを要し、口頭説明の内容が宣誓書等の書面の記載の程度を出ないものであるなど口頭説明の内容を考慮しないことを相当とするよう…
参照法条民訴法394条,公職選挙法49条,公職選挙法施行令52条,公職選挙法施行令53条1項

民訴法二三七条二項にいう「同一ノ訴」の意義

最高裁判所第三小法廷昭和52年7月19日昭和51(オ)1196民集 第31巻4号693頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民訴法二三七条二項にいう「同一ノ訴」とは、単に当事者及び訴訟物を同じくするだけではなく、訴の利益又は必要性の点についても事情を一にする訴をいう。
参照法条民訴法237条2項

書証の成立の真正についての自白の裁判所に対する拘束力

最高裁判所第二小法廷昭和52年4月15日昭和51(オ)1174民集 第31巻3号頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束しない。
参照法条民訴法257条

民訴法一九八条二項にいう仮執行により被告の受けた損害の意義

最高裁判所第三小法廷昭和52年3月15日昭和51(オ)952民集 第31巻2号289頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民訴法一九八条二項にいう仮執行により被告の受けた損害とは、仮執行と相当因果関係にある財産上及び精神上のすべての損害をいう。
参照法条民訴法198条2項

賃借人が賃料の支払を一か月分でも怠つたときは建物賃貸借契約は当然解除となる旨の訴訟上の和解条項に基づく契約の当然解除が認められないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和51年12月17日昭和51(オ)633民集 第30巻11号1036頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨訴訟上の和解によつて、建物の賃借人が賃料の支払を一か月分でも怠つたときは賃貸借契約は当然解除となる旨の定めがされた場合においても、賃料の延滞が一か月分であり、賃借人は、和解成立後賃貸人から賃料の受領を拒絶されるまで、約二年間右一か月分を除いては毎月の賃料を期日に支払つており、右延滞もなんらかの手違いによるものであつて賃…
参照法条民法第3編第2章第7節第3款,民法541条,民法695条,民訴法203条

手形割引依頼人が仮差押の申請を受けたことを手形買戻請求権の取得及び弁済期到来の事由とする銀行取引約定書による合意の第三者に対する効力

最高裁判所第一小法廷昭和51年11月25日昭和46(オ)457民集 第30巻10号939頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨手形割引依頼人が仮差押の申請を受けたときは通知催告がなくても銀行に対し割引手形の買戻債務を負い直ちに弁済する旨の銀行取引約定書による合意に基づいて手形割引がされた場合に、割引依頼人の債権者が割引依頼人の銀行に対する債権につき仮差押をし差押・転付命令を得たときは、銀行は、特段の事情のない限り、右仮差押の申請があつた時に割…
参照法条民法511条,民訴法598条1項,民訴法601条,民訴法750条2項,手形法第1編第6章,手形法第1編第7章

上訴審が本案判決を変更しない場合と民訴法一九八条二項の申立に対する裁判の要否

最高裁判所第一小法廷昭和51年11月25日昭和51(オ)19民集 第30巻10号999頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨上訴審は、本案判決を変更しない場合においては、民訴法一九八条二項の申立に対する裁判をする必要がない。
参照法条民訴法198条2項

保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定した場合と保証人敗訴の確定判決に対する請求異議

最高裁判所第一小法廷昭和51年10月21日昭和49(オ)937民集 第30巻9号903頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者から保証人に対する保証債務履行請求訴訟における保証人敗訴の判決が確定した後に債権者から主債務者に対する主債務履行請求訴訟における主債務者勝訴の判決が確定しても、主債務者勝訴の判決が保証債務履行請求訴訟の事実審口頭弁論終結の時までに生じた事由に基づいてされているときは、保証人は、右の主債務者勝訴の確定判決を保証人敗…
参照法条民訴法199条1項,民訴法201条1項,民訴法545条,民法448条

養親が提起した年長養子の禁止に違反する縁組取消請求訴訟と養親の死亡による訴訟承継の成否

最高裁判所第三小法廷昭和51年7月27日昭和50(オ)732民集 第30巻7号724頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨養親が養子を相手方として提起した年長養子の禁止に違反する縁組の取消請求訴訟は、養親の死亡により、当然終了する。
参照法条民法793条,民法805条,民訴法208条,人事訴訟手続法2条,人事訴訟手続法26条

一、自働債権である手形債権の時効消滅前に債務者が反対債権である手形債権を取得していたとして相殺の許される場合 二、釈明権不行使の違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和51年6月17日昭和50(オ)847民集 第30巻6号592頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、甲と乙とが相互に約束手形を振り出し、甲が乙から振出を受けた手形を債権担保のため銀行に裏書譲渡し、その後右債権の消滅によつて甲が実質上手形上の権利を再取得したが、銀行から甲への戻裏書はおくれてされた場合において、甲が実質的に手形上の権利を再取得した時が乙の手形債権の時効消滅前であるときは、戻裏書の時が時効消滅後であつ…
参照法条民法508条,民訴法127条

喪失した白地手形について除権判決を得た者と手形の再発行請求権

最高裁判所第一小法廷昭和51年4月8日昭和49(オ)584民集 第30巻3号183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨白地手形を喪失した者は、右手形について除権判決を得た場合でも、手形債務者に対し喪失手形と同一の内容の手形の再発行を請求する権利を有しない。
参照法条手形法10条,民訴法785条

一、国際的裁判の合意の方式 二、外国の裁判所を専属管轄裁判所与る国際的専属的裁判管轄の合意 三、船荷証券に基づく国際的専属的裁判管轄の合意が公序違反として無効とはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和50年11月28日昭和45(オ)297民集 第29巻10号1554頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、国際的裁判管轄の合意は、両当事者の署名のある書面によつてされることを要せず、特定国の裁判所を管轄裁判所として明示的に指定する当事者の一方が作成した書面に基づいて締結されれば足りる。 二、ある訴訟事件についてわが国の裁判権を排除し特定の外国の裁判所を第一審の専属的管轄裁判所と指定する国際的専属的裁判管轄の合意は、当該…
参照法条民法1条,民法90条,民法521条,民訴法25条,民訴法200条4号,民訴法515条,1924年8月25日にブラツセルで署名された船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約3条8項,国際海上物運送法15条1項

一、農買収計についての訴願棄却裁決が行政事件訴訟特例法に基づく取消訴訟により買収計画の違法を理由として取り消された場合と買収計画の効カ ニ、二重訴訟解消のため前訴が取り下げられた場合と前訴の提起による時効中断の効力

最高裁判所第三小法廷昭和50年11月28日昭和49(オ)197民集 第29巻10号1797頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、農地買収計画についての訴願を棄却した裁決が行政事件訴訟特例法に基づく裁決取消の訴訟において買収計画の違法を理由として取り消されたときは、右買収計画は効力を失うと解すべきである。 二、二重訴訟を解消するために前訴が取り下げられても、前訴の請求がそのまま後訴においても維持されている場合は、前訴の提起により生じた時効中断…
参照法条行政事件訴訟特例法12条,民法147条,民法149条,民訴法231条

物上保証人に対する抵当権の実行による競売開始決定が債務者に告知された場合と被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷昭和50年11月21日昭和47(オ)723民集 第29巻10号1537頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する抵当権の実行により、競売裁判所が競売開始決定をし、これを債務者に告知した場合には、被担保債権についての消滅時効は中断する。
参照法条民法147条,民法148条,民法155条,民訴法204条,競売法25条,競売法27条

医師が化膿性髄膜炎の治療としてしたルンバール(腰椎穿刺による髄液採取とペニシリンの髄腔内注入)の施術とその後の発作等及びこれにつづく病変との因果関係を否定したのが経験則に反するとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和50年10月24日昭和48(オ)517民集 第29巻9号1417頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨重篤な化膿性髄膜炎に罹患した三才の幼児が入院治療を受け、その病状が一貫して軽快していた段階において、医師が治療としてルンバール(腰椎穿刺による髄液採取とペニシリンの髄腔内注入)を実施したのち、嘔吐、けいれんの発作等を起こし、これにつづき右半身けいれん性不全麻癖、知能障害及び運動障害等の病変を生じた場合、右発作等が施術後…
参照法条民法709条,国家賠償法1条1項,民訴法185条,民訴法394条

金融機関が手形貸付債権又は手形買戻請求権をもつて転付された預金債権を相殺した場合と手形の返還先

最高裁判所第一小法廷昭和50年9月25日昭和46(オ)1110民集 第29巻8号1287頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金融機関が預金者から第三者に転付された預金債権を右預金者に対する手形貸付債権又は手形買戻請求権をもつて相殺した結果預金債権が転付前に遡つて消滅した場合には、金融機関は、手形貸付けについて振り出された手形又は買戻の対象となつた手形を右預金者に返還すべきであり、預金債権の転付を受けた第三者に返還すべきではない。
参照法条民法468条,民法511条,民訴法601条,手形法39条,手形法50条,手形法77条

当事者参加訴訟において上訴の相手方とされずかつみずから上訴しなかつた当事者の上訴審における地位

最高裁判所第一小法廷昭和50年3月13日昭和48(オ)699民集 第29巻3号233頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。
参照法条民訴法62条,民訴法71条

最高裁 / 刑集登載4件

別件で刑事施設に収容されている再審請求人の届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の付郵便送達が有効とされた事例

最高裁判所第二小法廷平成27年3月24日平成26(し)567刑集 第69巻2号506頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,上記届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の書留郵便に付する送達は,刑訴規則63条1項によ…
参照法条刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則62条3項,刑訴規則63条1項,民訴法102条3項

1 郵便送達報告書の受領者の押印又は署名欄に他人の氏名を冒書する行為と有印私文書偽造罪の成否 2 他人あての送達書類を廃棄するだけの意図で他人を装って受領する行為について詐欺罪における不法領得の意思が認められないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成16年11月30日平成16(あ)761刑集 第58巻8号1005頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 郵便送達報告書の受領者の押印又は署名欄に他人である受送達者本人の氏名を冒書する行為は,同人名義の受領書を偽造したものとして,有印私文書偽造罪を構成する。 2 支払督促の債務者を装い郵便配達員を欺いて支払督促正本を受領することにより,送達が適式にされたものとして支払督促の効力を生じさせ,債務者から督促異議申立ての機会…
参照法条刑法159条1項,刑法161条1項,刑法246条1項,民訴法99条,民訴法109条,民訴法第7編督促手続,郵便法(平成14年法律第98号による改正前のもの)66条

判決書の記載を明白な誤記と認めることが許されない場合

最高裁判所第三小法廷昭和53年6月16日昭和53(あ)22刑集 第32巻4号645頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨判決書自体又は記録に照らし、判決書の記載が単なる表現上の誤りであることが明らかでなく、判決裁判所の意図した記載も一義的に明確でないときは、これを明白な誤記と認めることは許されない。
参照法条刑訴法335条1項,民訴法194条1項

刑事手続における書類の送達と民訴法一七二条の準用 民訴法一七二条は刑事手続における書類の送達については準用されるか

最高裁判所第三小法廷昭和52年3月4日昭和52(し)6刑集 第31巻2号69頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨民訴法一七二条は刑事手続における書類の送達について準用される。
参照法条刑訴法54条,刑訴規則63条,民訴法171条,民訴法172条