民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第415条債務不履行による損害賠償

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原文整理テーマ別まとめ
債権の効力ステップ 1 / 1 債権の効力債権の効力について、条文は何を定めているか。債権の効力/債務不履行の責任等ステップ 1 / 1 債務不履行の責任等債務不履行の責任等について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 債務者が債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。
  • ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、損害賠償の請求はできない。
  • 第1項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、一定のときは債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
  • 債務の履行に代わる損害賠償の請求ができるのは、履行が不能であるとき、債務者が履行を拒絶する意思を明確に表示したとき、又は契約が解除され若しくは債務の不履行による解除権が発生したときである。

第415条の要件と効果

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区分要件効果
第1項本文債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる
第1項ただし書その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるとき損害賠償の請求をすることができない
第2項第一号債務の履行が不能であるとき債権者は、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる
第2項第二号債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき債権者は、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる
第2項第三号債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき債権者は、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法損害賠償
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和58(オ)152
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年4月10日 棄却
登載
民集 第38巻6号557頁
参照法条
民法415条,民法623条
判示事項
宿直勤務中の従業員が盗賊に殺害された事故につき会社に安全配慮義務の違背に基づく損害賠償責任があるとされた事例
裁判要旨会社が、夜間においても、その社屋に高価な反物、毛皮等を多数開放的に陳列保管していながら、右社屋の夜間の出入口にのぞき窓やインターホンを設けていないため、宿直員においてくぐり戸を開けてみなければ来訪者が誰であるかを確かめることが困難であり、そのため来訪者が無理に押し入ることができる状態となり、これを利用して盗賊が侵入し宿直員に危害を加えることのあるのを予見しえたにもかかわらず、のぞき窓、インターホン、防犯チェーン等の盗賊防止のための物的設備を施さず、また、宿直員を新入社員一人としないで適宜増員するなどの措置を講じなかつたなど判示のような事実関係がある場合において、一人で宿直を命ぜられた新入社員がその勤務中にくぐり戸から押し入つた盗賊に殺害されたときは、会社は、右事故につき、安全配慮義務に違背したものとして損害賠償責任を負うものというべきである。
民法預金債権
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和56(オ)57
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年4月7日 破棄差戻
登載
民集 第37巻3号219頁
参照法条
民法415条,民法418条,民法644条
判示事項
一 当座勘定取引契約において取引印として届け出られていない実印を使用して偽造された手形小切手の支払いをした銀行に過失があるとされた事例 二 債権者の従業員のした行為が債務不履行の原因となつている場合と過失相殺
裁判要旨一 銀行は、当座勘定取引契約において取引印として届け出られていない実印を用いて振り出された手形、小切手を支払うにあたつては、当該実印が右契約の締結及び取引印の届出に際し使用されていたとしても、取引先に対し支払委託の有無を確認すべき注意義務があり、これを尽くすことなく偽造手形、偽造小切手の支払をしたときは、過失の責を免れない。
二 銀行が取引印として届け出られていない実印の押捺された偽造に係る手形、小切手の支払をしたことが当座勘定取引契約に基づく債務の不履行となる場合において、右手形、小切手の偽造が右取引契約の取引先の経理担当事務員によつてされたものであり、しかも右事務員は、取引先の売掛金、買掛金の記帳、集計、小口現金払等及び取引印の押捺以外の手形、小切手の振出事務を担当し、手形、小切手用紙及び実印が保管されている金庫の番号を記憶し、かつ、その鍵を所持していたなど、判示の事情があるときには、右事務員がした手形、小切手の偽造は、債務不履行に基づく損害賠償責任及びその金額を決するにあたつて取引先と同視すべき者の有責行為として斟酌すべきである。
民法損害賠償
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和51(オ)1089
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年12月18日 その他
登載
民集 第34巻7号888頁
参照法条
民法412条,民法415条
判示事項
一 安全保証義務違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務の履行遅滞となる時期 二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族と固有の慰藉料請求権の有無
裁判要旨一 安全保証義務違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は、期限の定めのない債務であり、債権者から履行の請求を受けた時に履行遅滞となる。
二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族は、固有の慰藉料請求権を有しない。

実務注記

原文解釈
  1. 免責事由の該当性確認債務の不履行が「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由」によるものかどうかを確認する(第1項ただし書)。
  2. 履行に代わる損害賠償の請求要件の確認第1項により損害賠償請求ができる場合であることを前提に、第2項各号(履行不能、履行拒絶の明確な意思表示、契約の解除又は解除権発生)のいずれかに該当するかを確認する。
  3. 履行拒絶の意思表示の明確性第2項二号の適用には、債務者が履行拒絶の意思を「明確に」表示したことが要件とされている点を確認する。
  4. 契約に基づく債務であることの確認第2項三号は「債務が契約によって生じたものである場合」に限定されており、かつ契約の解除又は解除権の発生が要件とされている。
  5. 損害の因果関係の確認賠償請求の対象は「これ〔債務不履行〕によって生じた損害」に限られる点を確認する。

条文原文

原文ママ
民法 第415条(債務不履行による損害賠償)
(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
2前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一債務の履行が不能であるとき。
二債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

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