民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第482条代物弁済

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原文整理テーマ別まとめ
債権の消滅ステップ 1 / 1 債権の消滅債権の消滅について、条文は何を定めているか。弁済/総則ステップ 1 / 1 総則総則について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 弁済をすることができる者(弁済者)は、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をすることができる。
  • この契約の当事者は弁済者と債権者である。
  • 弁済者が当該契約に基づき他の給付を現実にしたときに、その給付は弁済と同一の効力を有する。
  • 効力が生じるのは契約を締結した時点ではなく、弁済者が当該他の給付をした時点である。

代物弁済の要件

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区分内容
契約当事者弁済者(弁済をすることができる者)と債権者
契約内容債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約
効力発生要件弁済者が当該他の給付をしたこと
効力弁済と同一の効力を有する

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法所有権移転登記抹消登記手続等請求
位置づけ
最高裁大法廷 / 民集登載
事件番号
昭和46(オ)503
裁判
最高裁判所大法廷 昭和49年10月23日 破棄差戻
登載
民集 第28巻7号1473頁
参照法条
民法369条,民法482条,民法556条,不動産登記法2条,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条,不動産登記法146条,民訴法648条,競売法27条
判示事項
一、金銭債権担保のため不動産について代物弁済予約又は売買予約等の形式をとる契約が締結され所有権移転請求権保全等の仮登記がされた場合における右契約の性質及び内容 二、いわゆる仮登記担保権者が清算義務を負う相手方 三、いわゆる仮登記担保権と競売手続との関係 四、いわゆる仮登記担保権の目的不動産に対し競売手続が開始されている場合における仮登記担保権者の仮登記の本登記手続又はその承諾請求の許否
裁判要旨一、債権者が、金銭債権の満足を確保するために、債務者との間にその所有の不動産につき、代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約又は売買予約により、債務の不履行があつたときは債権者において右不動産の所有権を取得して自己の債権の満足をはかることができる旨を約し、かつ、停止条件付所有権移転又は所有権移転請求権保全の仮登記をしたときは、その権利(いわゆる仮登記担保権)の内容は、当事者が別段の意思を表示し、かつ、それが諸般の事情に照らして合理的と認められる特別の場合を除いては、債務者に履行遅滞があつた場合に権利者が予約完結の意思を表示し、又は停止条件が成就したときは、権利者において目的不動産を処分する権能を取得し、これに基づいて、当該不動産を適正に評価された価額で確定的に自己の所有に帰せしめること又は相当の価格で第三者に売却等をすることによつて、これを換価処分し、その評価額又は売却代金等から自己の債権の弁済を得ることにあり、右評価額又は売却代金等の額が権利者の債権額を超えるときは、権利者は、右超過額を清算金として債務者に交付すべきものであると解するのが粗当である。
二、いわゆる仮登記担保権者が目的不動産の換価金につき清算義務を負うのは、債務者又は仮登記後に目的不動産の所有権を取得してその登記を経由した第三者に対してのみであつて、仮登記後に目的不動産を差し押えた債権者、これにつき抵当権の設定を受けた第三者等に対しては、仮登記担保権者は、直接の清算義務を負わない。
三、いわゆる仮登記担保権者は、民訴法六四八条四号又は競売法二七条四項四号に基づき、当該権利が仮登記担保権であること及び被担保債権とその金額を明らかにして競売裁判所に届け出る方法により、目的不動産の競売手続に参加して配当を受けることができる。
四、いわゆる仮登記担保権者がその権利の実行として訴訟により仮登記の本登記手続又はその承諾を請求する前に既に第三者の申立により目的不動産につき競売手続が開始されている場合には、右の請求をすることは、原則として許されない。
(二につき補足意見がある。)
民法所有権移転登記等本訴、同反訴
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和57(オ)578
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和60年11月26日 棄却
登載
民集 第39巻7号1701頁
参照法条
民法145条,民法369条,民法482条
判示事項
仮登記担保権の設定された不動産の第三取得者と当該仮登記担保権の被担保債権の消滅時効の援用
裁判要旨仮登記担保権の設定された不動産の第三取得者は、当該仮登記担保権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
民法建物収去土地明渡等本訴、不当利益返還反訴
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和55(オ)211
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年3月31日 その他
登載
民集 第37巻2号152頁
参照法条
民法295条,民法482条,仮登記担保契約に関する法律3条1項
判示事項
清算金の支払のないまま仮登記担保権者から目的不動産の所有権を取得した第三者の債務者に対する右不動産の明渡請求と債務者の留置権の抗弁
裁判要旨清算金の支払のないまま仮登記担保権者から第三者が目的不動産の所有権を取得した場合には、債務者は、右第三者からの右不動産の明渡請求に対し、仮登記担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権の抗弁権を主張することができる。

実務注記

原文解釈
  1. 契約当事者の確認代物弁済契約は「弁済をすることができる者」と債権者との間で締結する契約であり、条文上、弁済者は債務者本人に限定されていない。
  2. 効力発生時期の確認条文は契約締結時ではなく「その弁済者が当該他の給付をしたとき」に弁済と同一の効力が生じると定めており、給付の完了時点が基準となる。
  3. 給付内容の確認契約の対象は「債務者の負担した給付に代えて」する「他の給付」であり、本来の給付そのものではない給付であることを要する。
  4. 効力の内容の確認他の給付がされたときの効力は「弁済と同一の効力」であり、条文上それ以上の内容は定められていない。

条文原文

原文ママ
民法 第482条(代物弁済)
(代物弁済)
第四百八十二条弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

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