この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 確定期限がある債務は、その期限が到来した時から債務者が遅滞の責任を負う。
- 不確定期限がある債務は、期限到来後に履行の請求を受けた時又は期限の到来を知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
- 履行について期限を定めなかった債務は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
- 本条は、確定期限・不確定期限・期限の定めなしの三区分について、それぞれ遅滞の責任が生ずる起算時点を定めている。
履行遅滞の責任が生ずる時期(民法412条)
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 遅滞の責任を負う時期 |
|---|---|
| 債務の履行について確定期限があるとき | その期限の到来した時 |
| 債務の履行について不確定期限があるとき | その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時 |
| 債務の履行について期限を定めなかったとき | 履行の請求を受けた時 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法損害賠償請求事件
- 位置づけ
- 最高裁大法廷 / 民集登載
- 事件番号
- 平成24(受)1478
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 平成27年3月4日 棄却
- 登載
- 民集 第69巻2号178頁
- 参照法条
- (1,2につき)民法709条,労働者災害補償保険法16条 (2につき)民法412条
- 判示事項
- 1 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受けるなどした場合に,上記の遺族補償年金との間で損益相殺的な調整を行うべき損害 2 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受けるなどしたとして損益相殺的な調整をするに当たって,損害が塡補されたと評価すべき時期
裁判要旨1 被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきである。
2 被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当である。
2 被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当である。
民法損害賠償
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和55(オ)1113
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和58年9月6日 棄却
- 登載
- 民集 第37巻7号901頁
- 参照法条
- 民法412条,民法709条,自動車損害賠償保障法3条
- 判示事項
- 不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の賠償債務が履行遅滞となる時期
裁判要旨不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の賠償債務は、当該不法行為の時に履行遅滞となるものと解すべきである。
民法損害賠償
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和51(オ)1089
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和55年12月18日 その他
- 登載
- 民集 第34巻7号888頁
- 参照法条
- 民法412条,民法415条
- 判示事項
- 一 安全保証義務違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務の履行遅滞となる時期 二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族と固有の慰藉料請求権の有無
裁判要旨一 安全保証義務違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は、期限の定めのない債務であり、債権者から履行の請求を受けた時に履行遅滞となる。
二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族は、固有の慰藉料請求権を有しない。
二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族は、固有の慰藉料請求権を有しない。
実務注記
原文解釈- 確定期限の場合は請求不要期限が到来した時点で当然に遅滞の責任が生ずる(1項)。履行の請求を受けたかどうかは要件とされていない。
- 不確定期限の場合は二つの起算点を比較期限到来後に履行の請求を受けた時と、期限の到来を知った時の二つを比較し、いずれか早い時から遅滞の責任が生ずる(2項)。
- 期限の定めがない場合は請求時が起算点履行の請求を受けた時から遅滞の責任が生ずる(3項)。請求があった事実及びその時期の確認が必要となる。
条文原文
原文ママ民法 第412条(履行期と履行遅滞)
(履行期と履行遅滞)
第四百十二条債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
2債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
3債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第412条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。