民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第704条悪意の受益者の返還義務等

原文解釈概要・一覧表・実務注記は当サイトによる解釈です。条文原文と判例は転記です。

この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
債権/不当利得ステップ 1 / 1 不当利得不当利得について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 悪意の受益者は、受けた利益に利息を付して返還しなければならない。
  • 利息を付す対象は、悪意の受益者が受けた利益そのものである。
  • 利息を付して返還してもなお損害があるときは、悪意の受益者はその賠償の責任を負う。
  • 本条は善意の受益者ではなく、悪意の受益者にのみ適用される規律である。

第704条 悪意の受益者の返還義務等

原文解釈横スクロールできます
区分対象義務・責任の内容
返還義務その受けた利益利息を付して返還しなければならない
賠償責任なお損害があるときその賠償の責任を負う

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法仮払金返戻請求事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和58(オ)1406
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和63年3月15日 棄却
登載
民集 第42巻3号170頁
参照法条
民法505条,民法703条,民法704条,民訴法198条2項,民訴法199条2項,民訴法231条,民訴法756条ノ2,民訴法760条
判示事項
一 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行後に仮処分命令が控訴審で取り消された場合と仮処分債務者の仮払金返還請求権 二 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行に係る仮払金の返還請求訴訟と仮処分債権者が本案訴訟で訴求中の賃金債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否
裁判要旨一 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行後に仮処分命令が控訴審で取り消された場合には、本案訴訟が未確定であり、又は従業員としての地位保全の仮処分が同時に発せられていたときであつても、仮処分債務者は、特段の事情がない限り、仮処分債権者に対し仮払金の返還請求権を取得し、その返還義務の範囲は不当利得の規定に準じてこれを定めるべきである。
二 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行に係る仮払金の返還請求訴訟において、仮処分債権者が本案訴訟で訴求中の賃金債権を自働債権とする相殺の抗弁を提出することは許されない。
民法株券引渡請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和39(オ)496
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年12月12日 破棄差戻
登載
民集 第22巻13号2943頁
参照法条
破産法47条5号,民法704条,商法206条1項,商法280条ノ21項5号,商法280条ノ4,商法293条
判示事項
親株の取戻権者の破産管財人に対する配当金および子株の返還請求の許否
裁判要旨株式の取戻権者が株券引渡の訴を提起した後に右株式につき生じた配当金および右株式につき株主に割り当てられた新株を破産管財人において取得した場合には、右取戻権者は、破産管財人に対し不当利得に基づく財団債権として右配当金および新株の返還を請求することができる。
民法預ヶ金返還請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和26(オ)298
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年5月13日 破棄差戻
登載
民集 第9巻6号679頁
参照法条
民法704条,民法43条,民法53条,民法101条
判示事項
不当利得と法人の悪意。
裁判要旨法人の使用人(A支所長事務取扱)が法人の目的の範囲外の取引をしたことに基き、法人に不当利得ありとされる場合において、右利得につき右使用人の悪意を以て法人の悪意とすることはできない。

実務注記

原文解釈
  1. 受益者が悪意であることが前提本条は「悪意の受益者」に適用される規律であり、条文上その受益者が悪意であることが要件となっている。
  2. 返還対象は利息付きの利益受けた利益を返還する際には、利息を付さなければならないと定められている。
  3. 利息返還後もなお損害がある場合の賠償責任利息を付して利益を返還してもなお損害があるときは、その損害について賠償の責任を負うと定められている。

条文原文

原文ママ
民法 第704条(悪意の受益者の返還義務等)
(悪意の受益者の返還義務等)
第七百四条悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

一次情報