民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第540条解除権の行使

原文解釈概要・一覧表・実務注記は当サイトによる解釈です。条文原文と判例は転記です。

この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
総則/契約の解除ステップ 1 / 1 契約の解除契約の解除について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 解除権は、契約による場合と法律の規定による場合のいずれかを根拠として当事者の一方に生じる。
  • 当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は相手方に対する意思表示によって行う。
  • 解除は意思表示という単独の行為によって効力を生じるものとされている。
  • 前項の意思表示、すなわち解除の意思表示は、撤回することができない。

第540条 解除権の行使の要件

原文解釈横スクロールできます
区分発生根拠行使方法撤回の可否
契約に基づく解除権契約相手方に対する意思表示撤回することができない
法律の規定に基づく解除権法律の規定相手方に対する意思表示撤回することができない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法機械引渡
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和53(オ)319
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年3月30日 棄却
登載
民集 第36巻3号484頁
参照法条
民法540条1項,民法541条,会社更生法1条,会社更生法39条
判示事項
一 株式会社に対し会社更生法三九条の規定により弁済禁止の保全処分が命じられたのちに契約上の会社の債務の弁済期が到来した場合とその履行遅滞を理由とする契約解除 二 買主たる株式会社に更生手続開始の申立の原因となるべき事実が生じたことを売買契約解除の事由とする旨の特約の効力
裁判要旨一 株式会社に対し会社更生法三九条の規定により弁済禁止の保全処分が命じられたのちに、契約上の会社の債務の弁済期が到来しても、債権者は、会社の履行遅滞を理由として契約を解除することはできない。
二 買主たる株式会社に更生手続開始の申立の原因となるべき事実が生じたことを売買契約解除の事由とする旨の特約は、無効である。
民法家屋収去土地明渡請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和45(オ)603
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年4月26日 棄却
登載
民集 第28巻3号467頁
参照法条
民法540条,民法541条,民法601条,民法620条
判示事項
賃料不払を理由とする不動産賃貸借の解除に催告を要しないとされた事例
裁判要旨不動産の賃貸借において、賃借人が、約九年一〇か月の長期間賃料を支払わず、その間、当該不動産を自己の所有と主張して賃貸借関係の存在を否定し続けたなど原判示の事情(原判決理由参照)があるときは、賃貸人は、催告を要せず賃貸借を解除することができる。
民法建物収去土地明渡等請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和42(オ)1382
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年2月13日 破棄差戻
登載
民集 第23巻2号316頁
参照法条
民法540条,民法612条
判示事項
賃借権譲渡に賃貸人の書面による承諾を要する旨の特約と賃貸借の解除
裁判要旨賃借権譲渡に賃貸人の書面による承諾を要する旨の特約があるにかかわらず、賃借人が賃貸人の書面による承諾を得ないで賃借権を譲渡した場合であつても、右書面による承諾を必要とした特約の趣旨その他諸般の事情に照らし、右譲渡が賃貸人に対する背信的行為であると認めるに足りない特段の事情が存する事実について、賃借人から立証がなされたときには、前記特約に基づく賃貸借の解除は、許されない。

実務注記

原文解釈
  1. 解除権の発生根拠を確認する解除権は「契約又は法律の規定」のいずれかにより生じるものとされているため、当該解除権の根拠がどちらかを条文・契約条項に照らして確認する。
  2. 行使方法は相手方に対する意思表示解除は「相手方に対する意思表示によってする」とされている。
  3. 解除の意思表示は撤回不可第2項により、いったん行った解除の意思表示は撤回することができないとされているため、意思表示を行う前に解除の可否を十分に確認する必要がある。

条文原文

原文ママ
民法 第540条(解除権の行使)
(解除権の行使)
第五百四十条契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。
2前項の意思表示は、撤回することができない。

一次情報