民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第96条詐欺又は強迫

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
法律行為/意思表示ステップ 1 / 1 意思表示意思表示について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
  • 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合は、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
  • 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
  • 強迫による意思表示の取消しについては、第三者への対抗を制限する規定は置かれていない。

詐欺・強迫による取消しの要件と第三者対抗

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区分取消しの要件善意でかつ過失がない第三者への対抗(3項)
詐欺(相手方本人によるもの)詐欺による意思表示であること(1項)対抗することができない
詐欺(第三者によるもの)相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行い、相手方がその事実を知り、又は知ることができたとき(2項)対抗することができない
強迫強迫による意思表示であること(1項)規定なし(3項は詐欺による意思表示の取消しについてのみ規定)

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法土地所有権確認
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和55(オ)589
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年10月23日 棄却
登載
民集 第34巻5号747頁
参照法条
民法96条,民法121条,民訴法199条
判示事項
売買を請求原因とする所有権確認の判決が確定したのち後訴において詐欺を理由に右売買を取り消して所有権の存否を争うことの許否
裁判要旨売買を請求原因とする所有権確認の判決が確定したのちは、後訴において詐欺を理由に右売買を取り消して所有権の存否を争うことは許されない。
民法所有権移転登記請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和45(オ)344
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年9月26日 破棄自判
登載
民集 第28巻6号1213頁
参照法条
民法96条3項
判示事項
民法九六条三項にいう第三者にあたる場合
裁判要旨甲を欺罔してその農地を買い受けた乙が、農地法五条の許可を条件とする所有権移転仮登記を得たうえ、右売買契約上の権利を善意の丙に譲渡して右仮登記移転の附記登記をした場合には、丙は民法九六条三項にいう第三者にあたる。
民法登記抹消手続等本訴請求、所有権移転登記手続等反訴請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和46(オ)1127
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年9月7日 棄却
登載
民集 第26巻7号1327頁
参照法条
民法96条,民法121条,民法533条,民法546条
判示事項
売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務と同時履行
裁判要旨売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係にあると解するのが相当である。

実務注記

原文解釈
  1. 詐欺による取消しの基本要件詐欺による意思表示は、本条1項により取り消すことができる。
  2. 第三者詐欺の場合の相手方の主観要件相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合は、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り取り消すことができる(2項)。
  3. 善意無過失の第三者への対抗制限前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(3項)。
  4. 強迫には第三者対抗の制限規定なし3項は「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し」に限定して規定されており、強迫による意思表示の取消しについては同項の対抗制限が規定されていない。
  5. 取消権の行使を要する1項及び2項はいずれも「取り消すことができる」と規定している。

条文原文

原文ママ
民法 第96条(詐欺又は強迫)
(詐欺又は強迫)
第九十六条詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

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