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最高裁 / 刑集登載247件
けん銃購入のあつ旋はその不法所持の幇助犯となるか
最高裁判所第二小法廷昭和42年12月14日昭和42(あ)333刑集 第21巻10号1396頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨他人がけん銃を購入してこれを携帯所持すべきことを認識しながら、その購入のあつ旋をし、同人をしてけん銃を購入所持するに至らせたときは、けん銃の不法所持の幇助犯が成立する。
参照法条銃砲刀剣類等所持取締法3条1項,銃砲刀剣類等所持取締法31条1号,刑法62条1項
共同代表取締役の一人が他の共同代表取締役の署名印章を冒用して共同代表の形でした会社名義の文書の作成と文書偽造罪の成立
最高裁判所第三小法廷昭和42年11月28日昭和41(あ)1835刑集 第21巻9号1277頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨数人の代表取締役が共同して会社を代表する定めがある場合に、その一人が、他の代表取締役の署名もしくは印章を冒用して、共同代表の形で会社名義の文書を作成する行為は、文書偽造罪を構成する。
参照法条刑法159条1項,商法261条2項
高圧ガス販売業者のガス器具設置方法に過失があつた場合と業務上失火罪の成否
最高裁判所第一小法廷昭和42年10月12日昭和42(あ)1190刑集 第21巻8号1083頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨高圧ガス販売業者が顧客の店舗内にプロパンガス容器およびその付属設備を設置した場合において、その設置方法に過失があつたため火災を発生させたときは、業務上失火罪が成立する。
参照法条刑法117条ノ2,刑法116条1項
一、在日アメリカ合衆国軍当局の裁判と憲法第三九条 二、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第一七条の規定に従わないでなされた裁判と同条第八項の一事不…
最高裁判所第三小法廷昭和42年10月3日昭和41(あ)1945刑集 第21巻8号1013頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一、すでに在日アメリカ合衆国軍当局の裁判により無罪とされた事実につき、重ねてわが国の裁判所で裁判をしても、憲法第三九条に違反しない。 二、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第一七条第八項の一事不再理の規定は、同条第三項(b)に…
参照法条憲法39条,刑法5条,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定17条
公正証書原本不実記載罪とその行使罪と詐欺罪との関係
最高裁判所第二小法廷昭和42年8月28日昭和41(あ)2732刑集 第21巻7号863頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨甲から金員を騙取するため、乙名義の偽造の委任状等を登録官吏に提出し、乙の不動産の登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使するとともに、甲にその登録済権利証を示して、抵当権設定登録を経由した旨誤信させ、同人から借用金名下に金員を騙取したときは、公正証書原本不実記載罪とその行使罪と詐欺罪との牽連犯…
参照法条刑法45条,刑法54条1項,刑法157条1項,刑法158条1項,刑法246条1項
神社の行事に参集した群集の雑踏により多数の死者を生じた事故についてその行事を企画施行した当該神社の職員に右事故の発生を予見しこれを未然に防止するための措置をとるべき注意義務があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年5月25日昭和39(あ)2016刑集 第21巻4号584頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨大みそかから元旦にかけて特定の神社(新潟県西蒲原郡a村所在A神社)に参拝することが二年まいりと呼ばれ、これがその地方では神社の著名な行事とされていて、例年多数の参拝者が境内に参集する慣わしになつている場合において、当該神社の職員は、右二年まいりの行事を企画施行し、その行事の一環として、午前零時の花火を合図に拝殿前の広場…
参照法条刑法210条
監禁罪の手段として行なわれた暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条所定の暴行脅迫と同法違反の罪の成否
最高裁判所第一小法廷昭和42年4月27日昭和41(あ)3101刑集 第21巻3号470頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨監禁罪の手段として行なわれた暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条所定の暴行脅迫は監禁罪に吸収され、それと別個に同法違反の罪を構成するものではない。
参照法条暴力行為等処罰ニ関スル法律1条,刑法208条,刑法220条,刑法222条,刑法54条1項
偽造公文書行使罪にあたるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年3月30日昭和41(あ)2151刑集 第21巻2号447頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公立高等学校の教諭である被告人が甲と共謀のうえ、偽造にかかる同高等学校長乙名義の甲の卒業証書を、真正に成立したものとして、甲の父丙に提示する行為は、単に丙を満足させる目的のみをもつてなされたとしても、偽造公文書行使罪にあたる。
参照法条刑法158条1項
道路交通法第七二条第一項違反の罪の教唆犯が成立するとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和42年3月16日昭和41(あ)1920刑集 第21巻2号430頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨道路交通法第七二条第一項に規定する措置、報告等を怠る意思のなかつた運転者等を教唆して、新たに犯意を生ぜしめ、右の義務違反をさせたような場合には、同法第七三条の妨害罪ではなく、同法第七二条第一項違反の罪の教唆犯が成立する。
参照法条道路交通法72条1項,道路交通法73条,刑法61条
麻薬取締法第六四条と刑法第六五条第二項にいう「身分ニ因リ特ニ刑ノ軽重アルトキ」
最高裁判所第三小法廷昭和42年3月7日昭和41(あ)1651刑集 第21巻2号417頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨麻薬取締法第六四条が、営利の目的の有無により刑の軽重を区別しているのは、刑法第六五条第二項にいう「身分ニ因リ特ニ刑ノ軽重アルトキ」にあたる。
参照法条刑法65条2項,麻薬取締法64条
株金の払込が仮装のものであるにかかわらずこれを秘し設立又は増資の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪。
最高裁判所第三小法廷昭和41年10月11日昭和39(あ)472刑集 第20巻8号817頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨会社の設立又は増資に際し、株金の払込が仮装のものであるにかかわらずこれを秘し、その株式引受人による払込が完了し、設立又は増資をした旨の登記申請をなし、商業登記簿の原本にその記載をなさしめたときは、商法第一八八条第二項第五号「発行済株式ノ総数」に関し、公正証書原本不実記載罪が成立する。
参照法条刑法157条1,商法188条,商法67条,商法57条
入札妨害罪の成立に必要な「公ノ入札」が行なわれたか否かの判断基準
最高裁判所第二小法廷昭和41年9月16日昭和40(あ)2014刑集 第20巻7号790頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨入札妨害罪の成立に必要な「公ノ入札」が行なわれたというためには、権限のある機関によつて、適法に入札に付すべき旨の決定がなされたことが必要であり、かつそれをもつて足りる。
参照法条刑法96条ノ3
有価証券の信用取引における保証金代用の有価証券の売却処分と業務上横領罪の成否
最高裁判所第三小法廷昭和41年9月6日昭和40(あ)1027刑集 第20巻7号759頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨有価証券の信用取引において、証券業者が、顧客から保証金の代用として預託を受けた有価証券につき、顧客の同意の範囲外である売却処分をしたときは、業務上横領罪が成立する。
参照法条刑法253条,証券取引法49条,証券取引法51条
殺人未遂罪につき誤想過剰防衛が認められた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和41年7月7日昭和40(あ)1998刑集 第20巻6号554頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人の長男甲が乙に対し、乙がまだなんらの侵害行為に出ていないのに、これに対し所携のチエーンで殴りかかつた上、なお攻撃を加えることを辞さない意思をもつて、庖丁を擬した乙と対峙していた際に、甲の叫び声を聞いて表道路に飛び出した被告人は、右のごとき事情を知らず、甲が乙から一方的に攻撃を受けているものと誤信し、その侵害を排除…
参照法条刑法36条,刑法38条,刑法199条,刑法203条
いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為が刑法第二六〇条にいう建造物の損壊に該当するとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和41年6月10日昭和40(あ)137刑集 第20巻5号374頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨A公社職員をもつて構成するB労働組合東海地方本部副執行委員長等の地位にある被告人らが、多数の者と共謀の上、闘争手段として、当局に対する要求事項を記載したビラを、建造物またはその構成部分たる同公社東海電気通信局庁舎の壁、窓ガラス戸、ガラス扉、シヤツター等に、三回にわたり糊で貼付した所為は、ビラの枚数が一回に約四、五百枚な…
参照法条刑法260条
一 指定商品を「コニヤツク」として登録されている商標を和製の「ブランデー」に使用する行為の擬律 二 商標法第七八条違反罪の罪数
最高裁判所第三小法廷昭和41年6月10日昭和40(あ)762刑集 第20巻5号429頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 商標が「コニヤツク」を指定商品として登録されている場合に、これを和製の「ブランデー」に使用する行為は、指定商品に類似する商品についての登録商標の使用として商標法第三七条第一号により商標権の侵害とみなされるものではなく、指定商品に登録商標を使用したものとして同法第七八条の商標権を侵害する行為にあたる 二 商標法第七八…
参照法条商標法4条1項11号,商標法6条,商標法27条2項,商標法37条1号,商標法78条,商標法2条3項,商標法78条,刑法54条1項前段
観念的競合犯の公訴時効
最高裁判所第一小法廷昭和41年4月21日昭和40(あ)1318刑集 第20巻4号275頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一個の行為が数個の罪名に触れる場合における公訴の時効期間算定については、各別に論ずることなく、これを一体として観察し、その最も重い罪の刑につき定めた時効期間によるのを相当とする。
参照法条刑法54条1項前段,刑訴法250条,公職選挙法(昭和37年法律112号による改正前)253条
刑法第一九八条第一九七条にいわゆる職務に当るとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和41年2月17日昭和40(あ)1889刑集 第20巻2号13頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨五、〇〇〇坪をこえる農地を農地以外の用途に転用するため、所有権移転の許可申請書を都道府県知事を経由して農林大臣に提出する場合において、市町村農業委員会がまず右申請書を受理し、その内容を検討したうえ意見書を付してこれを知事に送付する慣行があるときは、右農業委員会の委員がその手続における審議及び決定に加わることは、同委員会…
参照法条刑法198条,刑法197条,農業委員会等に関する法律6条3項,農地法5条1項,農地法関係事務処理要領(昭和27・11・25農林省農地局長通達27地局3707号)(既墾地の部)その(1)の(2)の1の5,農地法関係事務処理要領の改正について(…
強盗殺人罪についての処断と酌量軽減規定の適用。
最高裁判所第三小法廷昭和40年11月2日昭和40(あ)832刑集 第19巻8号797頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨強盗殺人罪について無期懲役に処するときは、酌量軽減の規定を適用すべきではない。
参照法条刑法66条,刑法71条,刑法68条,刑法240条
刑法第一九八条第二項の斡旋贈賄罪が成立するとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和40年9月17日昭和39(あ)2661刑集 第19巻6号702頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨税務署から法人所得の調査を受け、売上の脱漏を発見された有限会社の代表取締役甲が、予て知合の右税務署直税課法人税係乙に対し、その同僚で右調査の担当官であり、法人税の調査並びに賦課に関する職務権限を有する同法人税係丙をして、同人の右職務につき手心を加え甲に利益な取計らいをさせるよう斡旋をなすことを依頼し、右斡旋の謝礼として…
参照法条刑法197条1項,刑法197条ノ四,刑法198条
自己の刑事被告事件に関する証憑偽造の教唆犯の成立。
最高裁判所第一小法廷昭和40年9月16日昭和40(あ)560刑集 第19巻6号679頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨犯人が他人を教唆して、自己の刑事被告事件に関する証憑を偽造させたときは、刑法第一〇四条の証憑偽造罪の教唆犯が成立する。
参照法条刑法104条,刑法61条1項
一 他事件につき本刑たる自由刑に算入された未決勾留と重複する未決勾留をさらに本刑たる自由刑に算入することは違法か。 二 右重複の有無、範囲を判断するについての本刑算入未決勾留日数の取扱方。
最高裁判所第二小法廷昭和40年7月9日昭和40(あ)230刑集 第19巻5号508頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 他事件につき本刑たる自由刑に算入された未決勾留と重複する未決勾留を、さらに本刑たる自由刑に算入することは、刑法第二一条、刑訴法第四九五条の趣旨に違反し許されない。 二 右重複の有無、範囲を判断するにあたり、本刑に算入された未決勾留の日数は、刑の執行があつたとされる刑量を示すにすぎないものとして扱うべきで、未決勾留期…
参照法条刑法21条,刑訴法495条
刑法第一九条第二項にいう「犯人以外ノ者ニ属セサルトキニ限ル」の意義。
最高裁判所第三小法廷昭和40年6月29日昭和38(あ)1071刑集 第19巻4号490頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一九条第二項にいう「犯人以外ノ者ニ属セサルトキニ限ル」とは、犯人以外の者が、その物の上に所有権その他の物権を保有する限り、これを没収することができないことを明らかにしたものであり、単にその物に関して債権を有するに過ぎないときは、没収の妨げにならない趣旨である。
参照法条刑法19条2項
会社が不存在であるにかかわらずその設立の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪。
最高裁判所第一小法廷昭和40年6月24日昭和39(あ)1854刑集 第19巻4号469頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨いわゆる見せ金により、株式の払込を仮装したのみで、なんら設立手続が行なわれていないため、会社が不存在であるにかかわらずその設立の登記を申請し、登記官をして商業登記簿の原本にその旨記載させたときは、登記事項のすべてに関し公正証書原本不実記載罪合が成立する。
参照法条刑法157条1項,商法188条,商法57条
有価証券の偽造に当るとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和40年6月3日昭和40(あ)155刑集 第19巻4号431頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨A株式会社の社員ではあるが、同会社を代表または代理して同会社名義の約束手形を振出す権限のない甲野太郎が、約束手形の振出人欄に、「鹿児島市a町b A株式会社鹿児島出張所」および「甲野太郎」ときざんだゴム印をそれぞれ押し、かつ甲野太郎の名下に「甲野」ときざんだ丸印を押した約束手形を作成する行為は、有価証券の偽造に当る。
参照法条刑法162条1項
一 横領罪ではなく背任罪が成立するとされた事例。 二 刑訴法第四一一条第一号にあたらないとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和40年5月27日昭和39(あ)2013刑集 第19巻4号396頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 農業協同組合の組合長である被告人が、任務に背いて組合名義をもつて約束手形を振出したときは、背任罪が成立し、その手形を組合の当座預金から払出して支払つた行為もまた右背任罪の一部であつて、別に横領罪を構成するものではない。 二 原判決の認定する被告人の犯行が、合計二四回総額一、三四一万円に達する業務上横領並びに合計六回…
参照法条刑法247条,刑法253条,刑訴法411条1号
刑法第九二条にいう外国国章の除去にあたるとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和40年4月16日昭和39(あ)200刑集 第19巻3号143頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨中華民国駐大阪総領事館邸の一階正面出入口上部中央に掲げられた、青天白日の同国国章を刻んだ横額の前面に、これとほぼ同形の、白地に黒く「台湾共和国大阪総領事館」と大書したベニヤ板製看板を、針金を用い、右横額上部の釘等に巻きつけ、これに重なり合うように密接して垂下させ、右国章を遮蔽する所為は、刑法第九二条にいう除去にあたる。…
参照法条刑法92条
強姦罪と身分のない者の加功。
最高裁判所第三小法廷昭和40年3月30日昭和37(あ)2476刑集 第19巻2号125頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨女性が男性と共謀して、強姦の犯罪行為に加功した場合には、強姦罪の共同正犯が成立する。
参照法条刑法177条,刑法60条,刑法65条1項
窃盗の着手があつたものと認められた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和40年3月9日昭和39(あ)2131刑集 第19巻2号69頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨犯人が被害者方店舗内において所携の懐中電燈により真暗な店内を照らし、電気器具類の積んであることが判つたが、なるべく金を盗りたいので店内煙草売場の方に行きかけた、との事実があれば、窃盗の着手行為があつたものと認めるのが相当である。
参照法条刑法235条,刑法43条
一 刑訴法第四〇二条に違反しないとされた事例。 二 犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立。
最高裁判所第二小法廷昭和40年2月26日昭和39(あ)2370刑集 第19巻1号59頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 第一審が懲役七月の実刑を言い渡したのを、控訴審が、懲役七月三年間執行猶予、罰金五、〇〇〇円に変更しても、第一審の判決を不利益に変更したものといえない。 二 犯人が他人を教唆して自己を隠避させた場合には、犯人隠避罪の教唆犯が成立する(昭和三五年(あ)九八号同年七月一八日第二小法廷決定、刑集一四巻九号一一八九頁参照)。
参照法条刑訴法402条,刑法103条,刑法61条1項
贈賄罪における贈賄者の意思決定の自由。
最高裁判所第三小法廷昭和39年12月8日昭和39(あ)1365刑集 第18巻10号952頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨贈賄罪における賄賂の供与等の行為には、必ずしも完全な自由意思を要するものでなく、不完全ながらも、いやしくも贈賄すべきか否かを決定する自由が保有されておれば足りる。
参照法条刑法198条1項
一 違憲の主張が適法な上告理由とならないとされた事例。 二 集会、思想、表現等の自由に対する侵害の回復及び予防を目的とした逮捕、監禁行為につき違法性が阻却されないとされた事例。(いわゆる舞鶴事件)
最高裁判所第二小法廷昭和39年12月3日昭和36(あ)2865刑集 第18巻10号698頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 原判示自体において原判決の結論に影響のないことが明らかな憲法解釈を非難する違憲の主張は、適法な上告理由とならない。 二 第三次中国引揚の帰国者約七百名の参加する帰国者大会において、同大会が非公開とされた後も秘かに会場内に残留して傍聴した舞鶴引揚援護局非常勤女子職員(当二六年)を、同女による右帰国者等の集会、思想、表…
参照法条刑法35条,刑法220条1項,刑訴法405条
一 いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為が建造物損壊罪、器物損壊罪を構成しないものとされた事例。 二 建造物損壊罪並びに暴力行為等処罰ニ関スル法律違反の罪(器物損壊を内容とする)として起訴された事実を軽犯罪法第一条第三三号に該当する事実と認…
最高裁判所第三小法廷昭和39年11月24日昭和37(あ)468刑集 第18巻9号610頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 駅長室の一部である室内の板壁や、白壁の下部の腰板に国鉄当局に対する要求事項等を墨書ないし印刷したビラ三四枚を、室内硝子窓、出入口の硝子戸、木製衝立等に同様のビラ三〇米を、メリケン粉製の糊でそれぞれ貼り付けた行為は、いまだ刑法上の建造物損壊罪ないし器物破損罪を構成するものでないと解するものを相当する。 二 検察官が犯…
参照法条刑法260条,刑法261条,暴力行為等処罰ニ関スル法律(昭和39年法律114号による改正前のもの)1条1項,軽犯罪法1条33号,刑訴法250条,刑訴法337条4号,刑訴法411条1号
一 刑法第九六条ノ三第二項のいわゆる談合罪の主体。 二 談合罪の成立には競買等の希望者全員の参加が必要か。
最高裁判所第三小法廷昭和39年10月13日昭和37(あ)2024刑集 第18巻8号507頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑法第九六条ノ三第二項のいわゆる談合罪の主体は、競買等の希望者に限られるものではなく、自らはその希望をもたないものであつても、自己と特別な関係にある競買等の希望者があつて、これに影響を及ぼすことのできる地位にあるものであれば足りる。 二 刑法第九六条ノ三第二項の罪が成立するためには、競買等の希望者全員が談合に参加す…
参照法条刑法96条ノ3,刑法96条ノ3第2項
一 同一物について森林窃盗と窃盗の両罪の成立が認められた事例。 二 地番誤記の仮処分決定にもとづく執行と刑法第九六条の差押の標示。
最高裁判所第二小法廷昭和39年8月28日昭和38(あ)1822刑集 第18巻7号443頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 森林窃盗の犯人が伐採して森林内に放置していた伐採木を、仮処分決定の執行により執行吏が占有した後、右犯人がそのことを知りながら、さらにこれを自己の占有に移した場合には、森林窃盗のほか刑法第二三五条の窃盗罪が成立する。 二 申請人の錯誤により、地番を誤記して申請した仮処分決定にもとづき、目的物についてなされた差押の標示…
参照法条森林法197条,刑法235条,刑法96条,民訴法755条,民訴法756条
一 常習犯の中間に別罪の確定裁判が介在した場合における罪数。 二 右常習犯と確定裁判を経た罪とは併合罪か。 三 刑訴法第四一一条第一号に当らないとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和39年7月9日昭和39(あ)103刑集 第18巻6号375頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 常習犯の中間に別罪の確定裁判が介在しても、そのためにその常習犯が二個の常習犯に分割されるものではないと解すべきである。 二 右の場合、その常習犯は別罪の裁判確定後に終了したものであるから、右確定裁判を経た罪とは刑法第四五条の併合罪の関係に立つものではない。 三 原判決が、刑法第四五条の適用を誤り二個の刑を言い渡すべ…
参照法条刑法45条,盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律2条4号,刑訴法411条1号
刑法第七条の公務員に当るとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和39年6月30日昭和37(あ)79刑集 第18巻5号236頁
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裁判要旨丸亀市モーターボート整備員(判文参照)は、刑法第七条の「法令ニ依リ公務ニ従事スル職員」に当る。
参照法条地方自治法172条2項,地方公務員法3条3項3号,刑法7条
刑訴法第四〇二条に違反しないとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和39年5月7日昭和38(あ)1657刑集 第18巻4号136頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第一審が被告人に対し禁錮二年六月の刑を言い渡したのを第二審が懲役二年に変更しても、第一審判決を被告人に不利益に変更したとはいえない。
参照法条刑法10条1項,刑訴法402条
刑法第九六条ノ二にいわゆる財産の隠匿にあたるとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和39年3月31日昭和36(あ)2902刑集 第18巻3号115頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨架空の金銭債権を記載した公正証書に基づく有体動産の仮装の競売手続により、債務者の所有物件があたかも名義上の競落人の所有に帰したかの如く偽つた行為(原判文参照)は、右財産の所有関係を不明にするものであつて、刑法第九六条ノ二にいわゆる財産の隠匿にあたる。
参照法条刑法96条ノ2
刑法第一八九条の「発掘」の意義。
最高裁判所第二小法廷昭和39年3月11日昭和38(あ)2502刑集 第18巻3号99頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一八九条の「発掘」とは、墳墓の覆土の全部または一部を除去し、もしくは墓石等を破壊解体して、墳墓を損壊する行為をいい、必ずしも墳墓内の棺桶、遺骨、死体等を外部に露出させることを要しない。
参照法条刑法189条
一 爆発物取締罰則第一条にいう「人ノ財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用シタ」罪の構成要件 二 爆発物取締罰則第一の罪質
最高裁判所第一小法廷昭和39年1月23日昭和36(あ)1727刑集 第18巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 爆発物取締罰則第一条にいう「人ノ財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用シタ」罪は、犯人以外の者の財産を損壊しようという目的をもつて爆発物を使用したときは直ちに成立するものであつて、右損壊が財産の権利者の意思に判するものであることをも要するものではない。 二 爆発物取締罰則第一条の爆発物使用罪は、損壊の客体が財産…
参照法条爆発物取締罰則1条,刑法117条等
二個の刑が言渡された場合の未決勾留日数の裁定通算の方法。
最高裁判所第一小法廷昭和39年1月23日昭和37(あ)2173刑集 第18巻1号15頁
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裁判要旨被告人に対し二個の刑が言渡された場合の未決勾留日数の裁定通算は、まず、勾留状が発せられた罪に対する刑を本刑として、これに算入すべきである。
参照法条刑法21条,刑法45条後段,刑法50条
一 農地法第五条第一項違反を処罰する同法第九二条の法意 二 農地の意義―土地区画整理、仮換地の指定処分との関係 三 刑法第一五六条にいわゆる公文書の意義
最高裁判所第二小法廷昭和38年12月27日昭和36(あ)939刑集 第17巻12号2595頁
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裁判要旨一 農地法第九二条が同法第五条第一項を処罰するのは、同条項所定の権利の設定移転のためになされる法律行為を対象とするのであつて、その効力が生ずるか否かはこれを問わない。 二 農地とは、耕作の目的に供される土地をいい、その土地が現に耕作の目的に供されている以上、都市計画法第一二条第一項による土地区画整理施行地区内にあるから…
参照法条農地法5条1項,農地法92条,農地法2条1項,都市計画法(昭和29年5月20日法律120号による改正前のもの)12条1項,刑法156条
一 刑法上の直系尊属にあたらないとされた事例 二 刑法上の直系尊属としての養親の解釈について、民法上の追認に関する法理を容れる余地の有無
最高裁判所第三小法廷昭和38年12月24日昭和36(あ)2486刑集 第17巻12号2537頁
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裁判要旨一 戸籍上、被告人の養子縁組につき、その代諾権者とされている者が真実の親権者でないときは、右縁組は、適法な届出を欠くものとして、人事訴訟による確定または戸籍の訂正をまたず、無効であり、しかも、被告人が犯行前において右無効原因を認識して右縁組を追認したと認めることができないときは、被告人と事実上の養親との生活事実の如何に…
参照法条刑法200条,民法797条,民法802条,民法113条,民法807条,民法119条
一 刑法第二五八条にいう「公務所ノ用ニ供スル文書」の意義 二 公文書毀棄罪にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和38年12月24日昭和37(あ)1191刑集 第17巻12号2485頁
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裁判要旨一 刑法第二五八条にいう「公務所ノ用ニ供スル文書」とは、公務所において現に使用し又は使用に供する目的で保管している文書を総称しその文書が証明の用に供せられるべき性質を有することを要するものではない。 二 日本国有鉄道の駅職員が列車の遅延、運転中止を告げ、これを詫びる旨白墨で記載して駅待合室に提示した急告板を勝手に取りは…
参照法条刑法258条
有価証券偽造罪が成立するとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和38年12月6日昭和36(あ)2706刑集 第17巻12号2443頁
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裁判要旨被告人が、設立準備中の会社である「甲株式会社」の発起人代表乙の承諾を得たとしても、右会社の設立前に行使の目的をもつて、振出人を「甲株式会社代表取締役乙」と表示、押印して、いかにも実在する右会社が振出したものと誤信させるような約束手形を作成するときは、架空の会社の代表資格を冒用したものとして、有価証券偽造罪が成立する。
参照法条刑法162条1項,商法57条
一部有罪一部無罪の判決に対し全部について控訴の申立があり有罪部分ついて理由がなく無罪部分について第一審判決破棄の理由があるときの措置。
最高裁判所第三小法廷昭和38年11月12日昭和35(あ)2800刑集 第17巻11号2367頁
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裁判要旨一部有罪(有期懲役刑)一部無罪の判決に対し、その全部について警察官から、有罪部分について被告人から控訴の申立があり、無罪部分について第一審判決を破棄すべき理由があつてこれを有期懲役刑に処するには、有罪部分について控訴の理由がない場合でも、全部について第一審判決を破棄し、刑法第四五条、第四七条を適用して一個の有期懲役刑を…
参照法条刑法45条,刑法47条,刑訴法357条,刑訴法397条
刑法第二五七条第一項の法意。
最高裁判所第二小法廷昭和38年11月8日昭和38(あ)1310刑集 第17巻11号2357頁
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裁判要旨刑法第二五七条第一項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものであり、賍物に関する犯人相互の間に右所定の関係があつてもその刑を免除すべき事由とはならない。
参照法条刑法257条1項,刑法256条
建築基準法違反罪(第六条第一項、第九九条第一項第二号)の罪数。
最高裁判所第二小法廷昭和38年9月18日昭和38(あ)975刑集 第17巻8号1742頁
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裁判要旨建築主が建築主事の確認を受けないで、用途上不可分の関係の認められない一戸建住宅及び二戸建ないし五戸建長屋住宅合計三八棟を建築したときは、三八個の建築基準法違反罪(第六条第一項、第九九条第一項第二号)が成立する。
参照法条建築基準法6条1項,建築基準法99条1項2号,同法施行令1条1号,刑法45条,刑法48条
警察官による人物確認のためのひそかな写真撮影の対象とされた者と共に撮影された者において、そのフイルム装填の写真機を強取した行為が違法と認められた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和38年7月9日昭和33(あ)2671刑集 第17巻6号579頁
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裁判要旨警察官が甲に対する収監の必要上、その人物確認の手段として、ひそかに、甲と思われる人物の写真を撮影するにあたり、これと同道していた乙および丙を分離して撮影することが困難であつたため、乙および丙をも同時に撮影したとしても、その撮影行為は違法でなく、被撮影者らにおいて、暴行をもつて右警察官の反抗を抑圧して、自己らの撮影された…
参照法条刑法36条,刑法236条
農地を売り渡し、代金を受領した者が、該農地につき県知事の許可前に第三者のためにした抵抗権設定行為と該農地の買主に対する背任罪の成立。
最高裁判所第三小法廷昭和38年7月9日昭和37(あ)2444刑集 第17巻6号608頁
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裁判要旨県知事の許可を条件として農地を売り渡し、代金を受領した者が、右許可前に該農地につき自己の債務の担保として擅に第三者のため抵当権を設定し、その登記を経たときは、該農地の買主に対する背任罪が成立する。
参照法条刑法247条
一個の約束手形の振出人欄の偽造と裏書人欄の虚偽記入との罪数の関係。
最高裁判所第一小法廷昭和38年5月30日昭和37(あ)208刑集 第17巻4号492頁
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裁判要旨行使の目的をもつて、振出人欄に他人名義を冒用して約束手形を偽造し、かつその裏書人欄に他人名義を冒用して虚偽の記入をし、その表裏の記入を相合して裏書担保のある約束手形を作成したときは、これらの行為は包括的に刑法第一六二条第一項の有価証券偽造の一罪を構成する。
参照法条刑法162条1項,刑法162条2項
法令上の根拠なくして県知事に委託された国の行政事務が贈収賄罪における本来の職務と密接な関係のある行為にあたるとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和38年5月21日昭和36(あ)190刑集 第17巻4号345頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨県衛生部予防課長事務代理として精神病予防に関する事務を担当する事務吏員が、厚生大臣から法令上の根拠なくして県知事に委託された国の行政事務である精神病床整備費の国庫補助金に関する進達事務を、本来の職務に関連して、慣習上若しくは事実上分掌するときは、その事務の執行は、贈収賄罪における本来の職務と密接な関係のある行為或は準職…
参照法条刑法197条1項前段,刑法198条1項
公務員職権濫用罪が成立するとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和38年5月13日昭和36(あ)134刑集 第17巻4号279頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨執行力ある和解調書の正本には、土地を執行吏の保管に付し、その公示を命ずる旨の条項が存在しないのに、執行吏が職権を濫用し、右和解調書の執行として「本職之を占有保管する」旨虚偽の記載をした公示札を土地上に立てたときは、その土地がたまたま第三者の所有に属し、公示札表示の土地と異なるものであつても、公務員職権濫用罪が成立する。
参照法条刑法193条
終戦時米占領軍により投棄されて海底にある旧日本軍所属の爆発物件等の所有権の帰属。
最高裁判所第二小法廷昭和38年5月10日昭和35(あ)2154刑集 第17巻4号261頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨終戦時日本政府から引渡され、引渡と同時に連合国の所有となつた旧日本軍所属の一切の兵器、爆薬、爆発物等のうち、連合国たる米占領軍により、作戦上の敵対行為の一時的抑制ないし危険性の除去手段として、海中に投棄された本件爆発物件等は、投棄後も依然として連合国の所有に属していたもので、昭和二七年四月二八日講和条約の発効後は日本政…
参照法条刑法256条2項
不法監禁罪が成立する事例。
最高裁判所第一小法廷昭和38年4月18日昭和37(あ)1778刑集 第17巻3号248頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨婦女を強いて姦淫しようと企て、自己の運転する第二種原動機付自転車荷台に乗車せしめ、一〇〇〇メートル余り疾走した場合は、不法監禁罪が成立する。
参照法条刑法220条1項
刑法第二四七条にいわゆる「財産上ノ損害ヲ加ヘタルトキ」の意義。
最高裁判所第一小法廷昭和38年3月28日昭和37(あ)1931刑集 第17巻2号166頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二四七条にいわゆる「財産上ノ損害ヲ加ヘタルトキ」とは、財産上の実害を発生させた場合のみでなく、実害発生の危険を生じさせた場合をも包含する。
参照法条刑法247条
公共企業体等労働関係法第一七条違反の争議行為と労働組合法第一条第二項。
最高裁判所第二小法廷昭和38年3月15日昭和37(あ)1803刑集 第17巻2号23頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公共企業体等労働関係法第一七条に違反してなされた争議行為に対しては、労働組合法第一条第二項の適用はない。
参照法条公共企業体等労働関係法17条,労働組合法1条2項,刑法130条,刑法35条
営利誘拐罪における営利の目的の意義。
最高裁判所第二小法廷昭和37年11月21日昭和35(あ)1096刑集 第16巻11号1570頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨営利誘拐罪における営利の目的とは、誘拐行為によつて財産上の利益を得ることを動機とする場合をいうものであり、その利益は、必ずしも被誘拐者自身の負担によつて得られるものに限らず、誘拐行為に対して第三者から報酬として受ける財産上の利益をも包含する。
参照法条刑法225条
刑法第二五条第二項但書と憲法第三九条後段、第一四条第一項。
最高裁判所第二小法廷昭和37年11月16日昭和35(あ)779刑集 第16巻11号1562頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二五条第二項但書は、憲法第三九条後段、第一四条第一項に違反しない。
参照法条刑法25条1項,刑法2項,憲法39条,憲法14条1項
殺人予備罪の共同正犯にあたるとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和37年11月8日昭和37(あ)88刑集 第16巻11号1522頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨殺人の目的を有する者から、これに使用する毒物の入手を依頼され、その使途を認識しながら、右毒物を入手して依頼者に手交した者は、右毒物による殺人が予備に終つた場合に、殺人予備罪の共同正犯としての責任を負うものと解すべきである。
参照法条刑法201条,刑法199条,刑法60条
選挙権、被選挙権の停止は刑訴法第三八一条等の「刑の量定」に含まれるか
最高裁判所第一小法廷昭和37年8月23日昭和37(あ)659刑集 第16巻8号1322頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公職選挙法第二五二条にいう選挙権、被選挙権の停止は刑法にいわゆる刑ではないが、それに関する裁判所の裁量は刑訴第三八一条同第四一一条第二号にいわゆる「刑の量定」には含まれる。
参照法条公職選挙法252条,刑訴法381条,刑訴法411条2号,刑法9条,刑法10条
被害者の傷害と死亡との間の因果関係の存否に関する判断に理由不備があつて、刑訴法第四一一条一号にあたるとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和37年8月21日昭和33(あ)1588刑集 第16巻8号1303頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人から濃硫酸約五合を浴びせかけられ、頭部、顔面、頸部、前胸部、両上下肢等殆んど身体の全部位に治療数ケ月を要する硫酸腐蝕傷を受けた被害者が、入院加療の途上、該硫酸腐蝕傷は八割以上治癒したが結核性胸膜炎を誘発し、これに基づく循環機能不全により死亡するに至つた事案において、原審が、専門医に対し右被害者の受傷の部位、程度、…
参照法条刑法205条1項,刑訴法44条1項,刑訴法335条1項,刑訴法411条1号
殺人の目的で静脈内に空気を注射する行為と不能犯
最高裁判所第二小法廷昭和37年3月23日昭和36(あ)2299刑集 第16巻3号305頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨殺人の目的で静脈内に空気を注射したときは、右空気の量が致死量以下であつても、右行為は不能犯とはいえない。
参照法条刑法203条,刑法199条
公訴事実に同一性の認められる事例
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月15日昭和36(あ)2447刑集 第16巻3号274頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人は某日午後一一時四〇分頃千葉県印幡郡a町a某病院前付近の道路上において、甲の保管にかかるその兄所有の腕時計一個を窃取したとの事実(主たる訴因)と、被告人は前同日時場所において、甲と乙が喧嘩闘争をする際、甲がその場に脱ぎ捨てたジヤンバーのポケツトから路上にころがり出た右時計一個を拾得して甲のため占有保管し、その翌日…
参照法条刑訴法312条,刑法235条,刑法252条1項
一 道路運送車輛法による自動車登録の有無と関税法上の「引き取り」の存否 二 公正証書の作成手続中の瑕疵と公正証書原本不実記載罪の成否
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月1日昭和36(あ)2104刑集 第16巻3号247頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 公証人に対し虚偽の申立をなし、公証人をして公正証書の原本に不実の記載をさせた場合において、嘱託人の一方が日本語を解しないのにかかわらず、公証人が公正証書を作成するに当り通事を立ち会わせず、通事をして証書の趣旨を右嘱託人に通訳させなかつた等その作成手続上の瑕疵があつたとしても、当該公正証書が一般人をしてその内容を真正…
参照法条刑法157条1項,公証人法29条,公証人法30条,公証人法39条1項ないし3項,関税法2条1号,道路運送車輛法4条,道路運送車輛法5条
刑法第二四七条にいわゆる「財産上ノ損害ヲ加ヘタルトキ」の意義
最高裁判所第三小法廷昭和37年2月13日昭和33(あ)1199刑集 第16巻2号68頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二四七条にいわゆる「財産上ノ損害ヲ加ヘルトキ」とは、財産上の実害を発生せた場合だけでなく、実害発生の危険を生じさせた場合をも包含する。
参照法条刑法247条
刑法第九六条ノ三第一項にいわゆる「偽計ヲ用ヒ公ノ入札ノ公正ヲ害スヘキ行為ヲ為シタル者」に該当する事例
最高裁判所第二小法廷昭和37年2月9日昭和34(あ)387刑集 第16巻2号54頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨町教育委員会の決議に基き、小学校の改築工事が敷札による競争入札により、敷札に最も近い入札者を落札者とすることとされ、且つ敷札額の決定は、同町長、同町議会議長、同副議長たる被告人及び同教育委員長の四名に一任された場合、被告人が右敷札額を特定の入札予定者のみに内報し、同人をしてこれに基き入札させた所為は、刑法第九六条ノ三第…
参照法条刑法96条ノ3第1項
横領罪および封印破棄罪が成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年12月26日昭和33(あ)233刑集 第15巻12号2046頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨執行吏により仮処分の標示と封印との施された物件につき代理占有保管方の委任を受けた者が、売却する意思をもつてこれを指定された場所から搬出し、他の場所の倉庫に預け入れたときには、横領と差押の標示ならびに封印を無効ならしめた犯罪が成立する。
参照法条刑法252条1項,刑法96条
一 関税法第一一二条の犯罪貨物が甲より乙に譲渡され乙に対し没収の言渡があつた場合甲に対して没収に代わる追徴を言い渡すことが許されるか。 二 右の場合甲に対してその対価の没収またはこれに代わる追徴を言い渡すことが許されるか。
最高裁判所第一小法廷昭和36年12月14日昭和35(あ)1701刑集 第15巻11号1845頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 関税法第一一二条の犯罪貨物が甲より乙に譲渡され乙に対し没収の言渡があつた場合、同法第一一八条第二項により甲に対して没収に代わる追徴を言い渡すことは許されない。 二 右の場合、刑法第一九条第一項第四号、第一九条ノ二により甲に対して犯罪貨物の対価の没収またはこれに代わる追徴を言い渡すことができる。
参照法条関税法118条2項,関税法112条,刑法19条第1項4号,刑法19条ノ2
刑法第一二五条第一項の電車往来危険の意義。
最高裁判所第二小法廷昭和36年12月1日昭和33(あ)2268刑集 第15巻11号1807頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一二五条第一項の電車往来危険罪における危険とは、電車の顛覆、衝突等の事故発生の可能性ある状態をいう。
参照法条刑法125条1項
一 ポツダム宣言の受託に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律第三項の趣旨。 二 B軍法会議において併合罪につき処断せられた者に対し、刑法第五二条による刑を定める裁判所。
最高裁判所第一小法廷昭和36年11月30日昭和36(す)265刑集 第15巻10号1795頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 ポツダム宣言の受託に伴い発する命令に関する件(昭和二〇年勅令第五四二号)の廃止に関する法律三項は「この法律は、勅令五四二号に基く命令により法律若しくは命令を廃止し、又はこれらの一部を改正した効果に影響を及ぼすものではない)と規定しており、この規定は、同法二項によつて失効する命令が法令を廃止しまたは、改正したものであ…
参照法条ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律3項,ポツダム宣言…
刑法第四五条後段の確定裁判のあつたことを認定する証拠書類と刑訴第三〇五条による取調の要否。
最高裁判所第三小法廷昭和36年11月28日昭和28(あ)4375刑集 第15巻10号1774頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法四五条後段の確定裁判のあつたことを認定する証拠書類は、刑訴第三〇五条による取調をすることを要する。
参照法条刑法45条,刑訴法305条,刑訴法317条
一 証人の供述中その一部の採証と事実の認定。 二 相互に矛盾する多数の証拠による事実の認定。 三 傷害致死罪において暴行と死亡との間に因果関係が存在すると認められる事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年11月21日昭和35(あ)2042刑集 第15巻10号1731頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 証人の供述中分離することができる部分があるときは、その一部を採り、他の部分を捨てても差支えなく、また、多数の証拠のうち一部において相互に牴触するものがあつても、論理法則または実験則に反しない限り、その全部を綜合して事実を認定しても差支えないものである。(昭和二三年(れ)第一三一二号同二四年二月二四日第一小法廷判決、…
参照法条刑訴法318条,刑法205条1項
控訴審が検察官の量刑不当を理由とする控訴趣意を認めて第一審判決を破棄し自判する場合と第一審における心神耗弱の主張に対する判断の要否。
最高裁判所第一小法廷昭和36年11月9日昭和36(あ)10刑集 第15巻10号1696頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第一審判決の量刑軽きにすぎるとして検察官から控訴の申立がなされた事件において、控訴審が右量刑の点のみについて判断し、第一審判決を破棄して自判する場合には、第一審において弁護人からなされた心神耗弱の主張については判断を加えなくても違法ではない。
参照法条刑訴法355条2項,刑法39条2項
使途を決めて寄託された金銭または有価証券と横領罪
最高裁判所第三小法廷昭和36年10月31日昭和34(あ)599刑集 第15巻9号1622頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨使途の決まつている金銭または有価証券の寄託を受けた場合には、所定の使用に使用されるまで、これらの所有権は所有者に保留され、これを受寄者が所定の使途以外に使用すれば、横領罪を構成する。
参照法条刑法252条
賍物の牙保者がその売却代金を着服した場合と横領罪の成否。
最高裁判所第三小法廷昭和36年10月10日昭和33(あ)319刑集 第15巻9号1580頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨窃盗犯人から賍物の牙保を依頼されてその交付を受けた牙保者が、その売却代金をほしいままに着服した場合は、横領罪が成立する。
参照法条刑法256条,刑法252条
因果関係が存在すると認められる事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年9月26日昭和33(あ)1462刑集 第15巻8号1511頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人甲(門司駅門司操車場下り運転室の運転係)が、下り旅客列車の通貨する前に第三信号機と線路との状況に注意する義務を怠つた過失と被告人乙(同駅甲て子取扱所の信号係)が右下り旅客列車が通過する前に下り貨物列車を通過せしめるために反位に開通した転てつ器を、通過後速かに正位に復さなければならない義務を怠つた過失とが一因をなし…
参照法条刑法211条,刑法129条
小切手の金額を改ざんする所為は有価証券の偽造か、変造か。
最高裁判所第三小法廷昭和36年9月26日昭和36(あ)572刑集 第15巻8号1525頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨行使の目的を以てほしいままに、他人振出名義の小切手の金額欄の数字を改ざんする行為は、有価証券の変造であつて、偽造ではない。
参照法条刑法162条1項
逮捕監禁行為の違法性の有無につき破壊活動防止法の合憲性等の判断を要しないとした事例。
最高裁判所第一小法廷昭和36年9月14日昭和35(あ)578刑集 第15巻8号1348頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公安調査官に対する本件逮捕監禁行為(判文参照)の違法性の有無を判断するためには、破壊活動防止法の合憲性、日本共産党に対する調査の合憲性ないし合法性の判断は必要でない。
参照法条刑法220条,刑法35条,破壊活動防止法3条,破壊活動防止法27条,憲法19条,憲法21条,憲法28条
浄水汚穢罪の成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年9月8日昭和33(あ)1503刑集 第15巻8号1309頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨人の飲料に供する井戸水の中に食用紅を溶かした水を注ぎ込み、一見して異物の混入したことを認識し得る程度に薄赤色に混濁させ、飲料浄水として一般に使用することを心理的に不能ならしめた場合には、刑法第一四二条の罪を構成する。
参照法条刑法142条
強姦の目的で暴行を加え婦女を死亡させた後の姦淫行為。
最高裁判所第一小法廷昭和36年8月17日昭和35(あ)242刑集 第15巻7号1244頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨婦女を強姦する目的で暴行を加えその婦女を死亡させ、その直後姦淫したときは、姦淫行為が婦女の死亡後であるとしてもこれを包括して強姦致死罪と解すべきである。
参照法条刑法181条
捜査段階における参考人の隠匿と証憑湮滅罪の成立。
最高裁判所第一小法廷昭和36年8月17日昭和36(あ)148刑集 第15巻7号1293頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨捜査段階における参考人も刑法第一〇四条にいわゆる他人の刑事被告事件に関する証憑に該当し、これを隠匿すれば証憑湮滅罪が成立する。
参照法条刑法104条
一 農林漁業金融公庫法第一七条、第一九条第二項の各規定の合憲性。 二 刑訴法第四一一条第一号にあたらない事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年7月25日昭和35(あ)701刑集 第15巻7号1216頁
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裁判要旨一 農林漁業金融公庫法第一七条、第一九条第二項の各規定は憲法第一四条第一項に違反しない。 二 農林中央金庫の職員に対し贈賄した行為に対する法令の適用として刑法第一九八条が掲げられている以上、農林漁業金融公庫法第一九条第二項の規定によるべき場合に、誤つて、同法第一七条を表示したとしても、刑訴第四一一条第一号にいわゆる判決…
参照法条憲法14条1項,農林漁業金融公庫法17条,農林漁業金融公庫法19条2項,刑法198条,刑訴法411条1号
金員の貸与を受け賄賂を収受した場合とその金額の追徴。
最高裁判所第二小法廷昭和36年6月22日昭和36(あ)139刑集 第15巻6号1004頁
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裁判要旨公務員たる被告人がその職務に関し金員の貸与を受け賄賂を収受した場合、その金員の没収ができないときは、刑法第一九条第一項第三号、第二項、第一九条ノ二によつて、被告人からその金額を追徴することができる。
参照法条刑法197条ノ5(昭和33年法律107号による改正前197条ノ4),刑法19条1項3号,刑法2項,刑法19条ノ2
住民票と刑法第一五七条第一項にいわゆる「権利義務ニ関スル公正証書」。
最高裁判所第三小法廷昭和36年6月20日昭和34(あ)608刑集 第15巻6号984頁
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裁判要旨住民登録法による住民票は、刑法第一五七条第一項にいわゆる「権利義務ニ関スル公正証書」にあたる。
参照法条刑法157条1項,住民登録法1条,住民登録法4条
収賄の共同正犯の訴因に対し贈賄の共同正犯の事実を認定する場合と訴因罰条の変更手続の要否。
最高裁判所第三小法廷昭和36年6月13日昭和32(あ)1919刑集 第15巻6号961頁
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裁判要旨収賄の共同正犯の訴因に対し、贈賄の共同正犯の事実を認定するには、訴因罰条の変更手続を経ることを要する。
参照法条刑法197条1項,刑法198条1項,刑法312条
一 公職選挙法第二二一条第一項第一号の「供与の申込罪」 二 立候補届出前に戸別訪問をなし、その際金品等の供与又は供与の申込をなした所為に対する適条。
最高裁判所第二小法廷昭和36年5月26日昭和35(あ)2643刑集 第15巻5号871頁
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裁判要旨一 公職選挙法第二二一条第一項第一号の供与申込罪は、同号所定の目的をもつて相手方に対し、金品等を供与する意思を表示し、該意思が相手方に到着することにより成立するものであつて、右供与の意思表示は明示たることを要せず、その意思あるものと認められる金品等提供の方法でこれをなすことを妨けず、又右意思表示の到達とは、相手方自信が…
参照法条公職選挙法221条1項1号,公職選挙法129条,公職選挙法138条,公職選挙法239条,刑法54条,刑法10条
偽造運転免許証行使罪の成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年5月23日昭和32(あ)2956刑集 第15巻5号712頁
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裁判要旨一 偽造にかかる公安委員会作成名義の運転免許証を携帯して自動車を運転した場合は、偽造公文書行使罪が成立する。 二 垂水裁判官の少数意見 三 たとえ法令上自動車を運転する場合に運転免許証を携帯すべき義務ある場合であつても、運転者が運転の際、偽造の運転免許証を単にポケツトまたは自動社内に携帯所蔵しているだけでは、未だもつて…
参照法条刑法158条,刑法155条,道路交通取締法9条3号,道路交通法95条
選挙権、被選挙権の停止、不停止は刑訴法第三八一条の「刑の量定」に含まれるか
最高裁判所第三小法廷昭和36年4月4日昭和35(あ)2426刑集 第15巻4号709頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公職選挙法第二五二条にいう選挙権、被選挙権の停止、不停止は刑法第九条、第一〇条にいわゆる刑ではないが刑訴法第三八一条の「刑の量定」には含まれる。
参照法条公職選挙法252条,刑法第9条,刑法第10条,刑訴法381条
一 刑法第一九条第一項の規定と憲法第二九条 二 公文書偽造、同行使罪にあたる事例
最高裁判所第一小法廷昭和36年3月30日昭和35(あ)1358刑集 第15巻3号667頁
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裁判要旨一 刑法第一九条第一項の規定は憲法第二九条に違反しない 二 実在しない東京都千代田区a町b番地司法局別館人権擁護委員会会計課作成名義の証明書を作成、行使した場合においても、その文書の形式外観において、一般人をして、右の如く公務所が実在し、右委員会がその職務権限内において作成した公文書であると誤信せしめるに足りるものと認…
参照法条刑法19条1項,刑法155条1項,刑法158条1項,憲法29条
誣告罪の罪数。
最高裁判所第一小法廷昭和36年3月2日昭和35(あ)1102刑集 第15巻3号451頁
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裁判要旨たとえ同一人をして刑罰の処分を受けしむる目的をもつて、同一の誣告事項を記載した書面であつても、時期及び作成名義を異にしてこれを二通作成し、各別異の犯罪捜査機関に提出して虚偽の申告をしたときは、その行為は二個の誣告罪にあたり、併合罪の規定を適用すべきものである。
参照法条刑法45条,刑法172条
強姦致死罪と認められる事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年1月25日昭和32(あ)1573刑集 第15巻1号266頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人らが被害者を強いて姦淫すべく、下半身を裸にして急激な寒冷にさらしたことを含む暴行行為により、異常体質者の被害者をシヨツク状態に陥らせ、且つ、被害者をすでに死亡したものと誤信して田圃に背負い出し放置して凍えさせた行動により相合して被害者を死に致したときは、包括的に一個の強姦致死罪が成立する。
参照法条刑法181条,刑法178条,刑法179条,刑法60条
一 異性間の情交と賄賂の目的物。 二 刑訴法第四〇〇条但書に違反しない事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年1月13日昭和34(あ)470刑集 第15巻1号113頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 異性間の情交は賄賂の目的物となり得る。 二 第一審判決が、収賄の公訴事実につき犯意について証明がないことを理由に無罪を言渡したのに対し、控訴裁判所が、自ら事実の取調として、右犯意の点を主要な争点とする公訴事実につき、犯罪の成否を決する上に関係を有すべき証人五名を取り調べたものである以上、その事実の取調の結果が、争点…
参照法条刑法197条,刑法198条,刑訴法400条但書
一 違法な橋梁損壊工事をするについて立てられた通行禁止の立札と往来妨害致死傷罪の成立。 二 往来妨害致死傷罪の犯意。 三 往来妨害致死傷罪において橋梁損壊と致死傷の結果との間に因果関係があると認められる事例。 四 「傷害ノ罪ニ比較シ重キニ従…
最高裁判所第三小法廷昭和36年1月10日昭和31(あ)4270刑集 第15巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 県土木部道路課長である被告人が、故意に風害の状況を作出するため、橋梁損壊工事を実施せしめその結果人を死傷いたした場合は、これによる往来危険防止異のため県名義の通行禁止の立札が立てられていたとしても、右工事による往来妨害致死傷罪の成立を妨げない。 二 刑法第一二四条第二項の罪が成立するためには、同条第一項列記の客体を…
参照法条刑法124条,刑法204条,刑法205条
一 応訴して自己の所有権を主張・抗争する所為は横領罪を構成するか 二 器物損壊罪を構成する事例 三 右の場合地方公共団体(長)の告訴は適法か
最高裁判所第一小法廷昭和35年12月27日昭和34(あ)2368刑集 第14巻14号2229頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 登記簿上自己が所有名義人となつて預り保管中の不動産につき所有権移転登記手続請求の訴を提起された場合に、右不動産に対する不法領得意思の確定的発現として、右訴訟において自己の所有権を主張・抗争する所為は、不動産の横領罪を構成する。 二 土地の持分に対し貸借権の設定登記を受けた者が、すでに右土地に対し貸借権の設定を受けて…
参照法条刑法252条,刑法261条,教育委員会法(昭和31年9月30日廃止前のもの)48条,教育委員会法(昭和31年9月30日廃止前のもの)49条,地方教育行政の組織及び運営に関する法律23条,地方教育行政の組織及び運営に関する法律24条,地方教育…
既遂後の窃盗犯人と共同して賍物を運搬した者の罪責。
最高裁判所第二小法廷昭和35年12月22日昭和32(あ)2418刑集 第14巻14号2198頁
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裁判要旨既遂後の窃盗犯人と共同して賍物を運搬した者は、本犯が賍物罪に問われなくても、賍物運搬罪の責を免れない。
参照法条刑法256条2項,刑法60条
共有者の一人がした告訴の効力範囲。
最高裁判所第二小法廷昭和35年12月22日昭和32(あ)2717刑集 第14巻14号2204頁
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裁判要旨共有者の一人が共有物に関する犯罪に対して告訴をしたときは、告訴人が被害共有物について有する持分の多少にかかわらず、不可分的に被害共有物全部に関する犯罪の訴追に対し効力が及ぶ。
参照法条刑法252条1項,刑訴法230条
一 人権侵害、労働基準法違反等の疑があるとして関係官庁において調査を開始したという事実の報道と名誉毀損罪の成否 二 刑訴法第四一一条第一号にあたる事例
最高裁判所第二小法廷昭和35年12月16日昭和32(あ)523刑集 第14巻14号2126頁
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裁判要旨一 苟も人権侵害、労働基準法違反等の疑があるとして関係官庁において該事実の有無について調査を開始したという事実の如きは公益に影響を及ぼすべき問題であるから報道機関としての新聞紙がこれを取り上げ報道することは許容さるべきところである。註第一、二審判決は高等裁判所判例集第一〇巻一号五〇頁に登載されている。 二 名誉毀損幇助…
参照法条刑法230条,刑法230条1項,刑法62条1項,昭和20年9月19日附連合国最高司令官の日本政府に対する覚書「新聞規則」,刑訴法411条1号
一 税務署の直税課資料係の大蔵事務官は、所得額または所得税額決定の基礎となる資料の調査蒐集の職務権限を有するか。 二 刑法第一九八条の贈賄罪の成立には、贈賄者に収賄者の職務権限に対応する義務があることを必要とするか。
最高裁判所第三小法廷昭和35年12月13日昭和30(あ)3991刑集 第14巻13号1911頁
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裁判要旨税務署の直税課資料係の大蔵事務官は、所得額や所得税額決定の起訴となる資料の調査蒐集の職務権限を有する。
参照法条刑法197条,刑法198条,大蔵省組織規程(昭和27年8月大蔵省令110号による改正前のもの)141条(現行142条)
賍物の存在と賍物牙保罪の成否。
最高裁判所第三小法廷昭和35年12月13日昭和35(あ)1095刑集 第14巻13号1929頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨窃盗罪の実行を決意した者の依頼に応じて同人が将来窃取すべき物の売却を周旋しても、窃盗幇助罪の成立することあるは格別、賍物牙保財は成立しないが、その後同人が窃取してきた前記目的物について情を知りながら現実に売却の周旋をした場合には、賍物牙保罪が成立する。
参照法条刑法265条2項,刑法235条,刑法62条1項
一 騒擾罪の成立と共同意思 二 騒擾罪における多衆の意義 三 右共同意思の意義 四 騒擾罪における暴行の意義 五 騒擾罪と他の罪名に触れる暴行脅迫 六 騒擾罪における暴行又は脅迫と認められる場合 七 右罪における共同意思の内容
最高裁判所第一小法廷昭和35年12月8日昭和33(あ)2082刑集 第14巻13号1818頁
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裁判要旨一 騒擾罪は、多衆が集合して暴行または脅迫をなすによつて成立するが、その暴行または脅迫は、集合した多衆の共同意思に出たものであることを要する。 二 右多衆であるためには一地方における公共の平和、静謐を害するに足る暴行、脅迫をなすに適当な多人数であることを要する。 三 騒擾罪の成立に必要な共同意思は、多衆全部間における意…
参照法条刑法106条,刑法54条
一 刑訴法第四〇〇条但書に違反しない事例 二 国鉄の事業ないし業務は業務妨害罪の対象となるか
最高裁判所第二小法廷昭和35年11月18日昭和31(あ)3015刑集 第14巻13号1713頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 第一審判決が、被告人は威力を用いて日本国有鉄道(以下国鉄と略称する)の貨物運行業務を妨害した旨の事実を認めながら、刑法第二三四条の業務には国鉄の貨物運行業務の如き公務を含まないものと解して無罪を言い渡した場合において、控訴裁判所が同条の業務中には公務も含まれるものと解し、「第一審判決は法律の解釈適用を誤つた」ものと…
参照法条刑訴法400条但書,刑法233条,刑法234条,日本国有鉄道法2条,日本国有鉄道法3条,日本国有鉄道法34条
覚せい剤製造未遂犯の成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和35年10月18日昭和33(あ)2060刑集 第14巻12号1559頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨原判示のごとく、いやしくも覚せい剤の製造を企て、それに用いた方法が科学的根拠を有し、当該薬品を使用し、当該工程を実施すれば本来覚せい剤の製造が可能であるが、ただその工程中において触媒として使用せる或る種の薬品の量が必要量以下であつたため、成品を得るに至らず、もしこれを二倍量ないし三倍量用うれば覚せい剤の製造が可能であつ…
参照法条刑法43条,覚せい剤取締法15条1項,覚せい剤取締法41条1項3号,覚せい剤取締法41条3項,覚せい剤取締法41条の2
刑法第二六条第三号と憲法第一一条、第一三条、第三八条、第三九条。
最高裁判所第三小法廷昭和35年10月4日昭和35(し)34刑集 第14巻12号1533頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二六条第三号は憲法第一一条、第一三条、第三八条、第三九条に違反しない。
参照法条刑法26条3号,刑訴法349条,憲法11条,憲法13条,憲法38条,憲法39条
一 法律の錯誤としてたばこ専売法違反の成立を妨げないものとされた事例 二 共同被告人を分離して証人として尋問し、その証言を当該被告人の犯罪を認定する証拠とすることと憲法第三八条第一項
最高裁判所第二小法廷昭和35年9月9日昭和32(あ)2338刑集 第14巻11号1477頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 繊維製品の販売等を目的とする株式会社の代表取締役たる甲と同会社の取締役にして営業部長なる乙とが共謀の上、右会社が日本専売公社指定の製造たばこ小売人ではないのにもかかわらず、同会社の業務に関し、右公社の製造たばこを他に小売販売した場合には、たとえ甲および乙において、製造たばこの小売人の指定が乙の個人名義でなされていて…
参照法条刑法38条,刑法60条,たばこ専売法29条2項,たばこ専売法71条5号,たばこ専売法77条,憲法38条1項,刑訴法143条,刑訴法146条,刑訴法313条
不法原因に基く給付と強盗殺人罪(刑法第二三六条第二項、第二四〇条後段)の成立。
最高裁判所第三小法廷昭和35年8月30日昭和34(あ)962刑集 第14巻10号1418頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨麻薬密売買にことよせて他人を誘き出し、その所持する麻薬購入資金を預かり同人のため保管中、該金員を不法に領得する目的をもつて同人を殺害し同人から事実上右金員の返還請求を受けることのない結果を生ぜしめて返還を免れたときは、たとえ右金員の授受は不法原因に基く給付であるがため被害者に返還請求権がないとしても刑法第二三六条第二項…
参照法条刑法236条,刑法240条
犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立。
最高裁判所第二小法廷昭和35年7月18日昭和35(あ)98刑集 第14巻9号1189頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨犯人が他人を教唆して自己を隠避させたときは、犯人隠避罪の教唆犯が成立する。
参照法条刑法103条,刑法61条1項
故意犯(現住建造物放火幇助)と過失犯(失火)との間に公訴事実の同一性の認められた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和35年7月15日昭和31(あ)1357刑集 第14巻9号1152頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人に対する本件現住建造物放火幇助の公訴事実と失火の公訴事実(各判文参照)との間には同一性があるものと認むべきである。
参照法条憲法39条,刑訴法312条,刑訴法337条1号,刑法116条,刑法108条,刑法62条
一 いわゆる準新事件の公訴時効とその中断 二 同事件につき上告趣意書提出最終日の指定がなされその通知書が上告人に送達されたときは公訴時効中断の効力を生ずるか。 三 同事件につき上告審で公訴時効が完成した場合の措置。
最高裁判所第一小法廷昭和35年6月9日昭和29(れ)10刑集 第14巻7号953頁
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裁判要旨一 本件のように昭和二三年二月一九日公訴が提起され同二六年六月一九日原判決の言渡があつた事件においては、刑訴施行法第二条、第三条の二より、公訴の時効、その中断等については、旧刑訴第二八一条、第二八五条等旧刑訴の適用を受けるものであつて、刑訴第二五四条等の適用を受けるものではない。 二 右事件につき上告趣意書提出最終日の…
参照法条刑法130条,刑訴施行法2条,刑訴施行法3条の2,刑訴法411条5号,旧刑訴法281条,旧刑訴法285条,旧刑訴法363条4号,旧刑訴法448条,旧刑訴法455条
刑法第四五条前段の併合罪につき懲役刑と罰金刑とが同法第四八条第一項によつて併科され罰金刑につき免訴すべき場合の判決破棄の範囲。
最高裁判所第二小法廷昭和35年5月6日昭和27(あ)520刑集 第14巻7号861頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第四五条前段の併合罪中甲罪につき懲役刑が、乙罪につき罰金刑が各選択され、両者が同法第四八条第一項により併科され懲役および罰金の言渡があつた後、乙罪につき大赦があつたときは、罰金を言渡した部分のみを破棄すべく、全部を破棄すべきものではない。
参照法条刑法45条,刑法48条1項,刑訴法411条5号
窃盗罪を構成する事例
最高裁判所第三小法廷昭和35年4月26日昭和31(あ)3981刑集 第14巻6号748頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨譲渡担保にとつた貨物自動車の所有権が債権者に帰属したとしても、債務者側において引き続き占有保管している右自動車を無断で債権者が運び去る所為は、窃盗罪を構成する。
参照法条刑法235条,刑法242条
一 訴因変更手続を要しない事例。―起訴状記載の事実と一審判決認定事実の間における場所の差異― 二 第一審に提出した弁論要旨と題する書面を援用する旨の控訴趣意書の適否 三 収賄罪における税務署法人税課係員の担当地域と職務権限
最高裁判所第三小法廷昭和35年4月19日昭和31(あ)3605刑集 第14巻6号685頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 収賄罪における賄賂収受の場所の差異につき、起訴状の記載に「東京都北区ab丁目c番地被告人自宅」とあるのを第一審判決で「東京都北区de丁目b、f番地の当時の被告人自宅」と認定するには、訴因変更の手続を要しない。 二 控訴趣意書自体に控訴理由を明示しないで、第一審に提出した弁論要旨と題する書面の記載を援用する旨の控訴趣…
参照法条刑訴法312条,刑訴法376条,刑法197条,刑訴規則240条
脅迫罪が成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和35年3月18日昭和34(あ)1812刑集 第14巻4号416頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨二つの派の抗争が熾烈になつている時期に、一方の派の中心人物宅に、現実に出火もないのに、「出火御見舞申上げます、火の元に御用心」、「出火御見舞申上げます、火の用心に御注意」という趣旨の文面の葉書を発送しこれを配達させたときは、脅迫罪が成立するものと認めるを相当する。
参照法条刑法222条
犯人蔵匿罪の罪数
最高裁判所第一小法廷昭和35年3月17日昭和34(あ)1880刑集 第14巻3号351頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨同一事件につき同一人を蔵匿し、かつ、隠避させたときは包括一罪として処断すべく、また、同一事件であつても、数人の犯人を一個の行為で蔵匿しまたは隠避させたときは、一個の行為で数個の罪名に触れるものと解すべきである。
参照法条刑法103条,刑法54条1項前段
物品税表示証紙は公文書か
最高裁判所第一小法廷昭和35年3月10日昭和34(あ)1811刑集 第14巻3号333頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨物品税表示証紙は刑法第一五五条第三項の公文書にあたるものと解するのが相当である。
参照法条刑法155条3項,物品税法16条の2第4項,物品税法16条の2第5項,昭和26年5月25日大蔵省告示678号
職務執行と密接な関係にある慣例上の行為に対する金員の収受と賄賂罪の成立。
最高裁判所第二小法廷昭和35年3月2日昭和31(あ)2282刑集 第14巻3号224頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨或る町において、町長が比較的大規模の工事を施行するにあたつては、町会議長のほか分掌事項上関連ある議員として厚生委員会の委員長、各委員などをもつて協議会を組織し、入札業者の指名、入札方法の選定、敷金額の決定等につき意見を求め、また厚生委員が町長の選任により右工事の監督にあたる等の慣例が存する場合において、右協議会で敷金額…
参照法条刑法197条1項前段,刑法7条,地方自治法96条1項3号,地方自治法96条1項7号,地方自治法96条1項9号,地方自治法98条1項,地方自治法100条1項,地方自治法92条2項
郵便集配人と公務員。
最高裁判所第三小法廷昭和35年3月1日昭和31(あ)3869刑集 第14巻3号209頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨郵便集配人は刑法上の公務員である。
参照法条刑法7条1項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)4条5号,郵政省設置法(昭和23年法律244号)12条1項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)12条3項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)13条8項,郵政省設置法(昭和23年法律…
一 汽車電車の往来危険罪の成立要件 二 電車の往来の危険を生ぜしめた場合にあたらないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和35年2月18日昭和27(あ)43刑集 第14巻2号138頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 汽車電車の往来危険罪は、鉄道またはその標識を損壊し、またはその他の方法を以つて、汽車または電車の脱線、顛覆、衝突、破壊等、これら交通機関の往来に危険な結果を生ずる虞のある状態を発生させることにより成立する。 二 本件の場合(判文参照)、駅の信号操作を放置しても、直ちに電車の往来に危険な結果を生ずる虞ある状態を発生さ…
参照法条刑法125条1項
過剰避難と認められない事例
最高裁判所第一小法廷昭和35年2月4日昭和34(あ)949刑集 第14巻1号61頁
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裁判要旨吊橋が腐朽甚しく、いつ落下するかも知れないような危険な状態にあつたとしても、ダイナマイトを使用してこれを爆破する行為については、緊急避難を認める余地なく、従つてまた過剰避難も成立しえない。
参照法条爆発物取締罰則1条,刑法37条
配偶者の直系尊属に対する殺人の規定(刑法第二〇〇条)と憲法第一四条。
最高裁判所第三小法廷昭和35年1月19日昭和34(あ)1857刑集 第14巻1号23頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨配偶者の直系尊属に対する殺人の規定(刑法第二〇〇条)は憲法第一四条に違反しない。
参照法条刑法200条,憲法14条
写真の貼り代え等による公文書(自動車運転免許証)偽造罪の成立
最高裁判所第三小法廷昭和35年1月12日昭和34(あ)1848刑集 第14巻1号9頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨特定人に交付された自動車運転免許証に貼付してある写真をほしいままに剥ぎとり、その特定人と異る他人の写真を貼り代え、生年月日欄の数字を改ざんし全く別個の新たな免許証としたときは、公文書偽造罪が成立する。
参照法条刑法155条
登記簿上他人名義で登記されている不動産の所有者が、その他人の承諾なくして、これを自己に売渡を受けた旨虚偽の登記申請をなし、その旨登記簿原本に記載させる行為と刑法第一五七条第一項の罪。
最高裁判所第二小法廷昭和35年1月11日昭和31(あ)2416刑集 第14巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨たとい不動産の真実の所有者であつても、登記簿上他人名義で登記されている不動産につき、その印鑑を保管しているのを奇貨としてこれを使用し、その承諾がないのに、該不動産を同人から自己に売却した旨の売渡証書を作成し、これを原因としかつ自ら作成した同人名義の委任状を利用し、自己に所有権の移転を受けた旨虚偽の登録申請をなし、登録原…
参照法条刑法157条1項
公衆浴場経営者の業務上の注意業務。
最高裁判所第二小法廷昭和34年12月25日昭和32(あ)1893刑集 第13巻13号3333頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨市内の、水羽葺住家の多い所で、二段式風呂釜を据えつけ、これに経約一尺高さ四〇尺余の煙突を設置し、石炭を燃やして連日開湯する公衆浴場の経営者は、煙道の適当な箇所に消防署係員の指示する金網を装置するのはもとより、しばしば煙突掃除を同う等の処置をなすべきもので、もし右のような措置をなさず、そのまま多量の燃料を燃やそうとするな…
参照法条刑法117条ノ2,刑法116条1項,消防法9条
刑法第二三〇条第一項または第二三一条にいう「公然」にあたらない事例。
最高裁判所第三小法廷昭和34年12月25日昭和34(し)49刑集 第13巻13号3360頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨甲の乙に対する発言が、甲のほかに同人の母および妻の二人だけが居合わせた甲の自宅玄関内で行われたときは、刑法第二三〇条第一項または第二三一条にいう「公然」なされたものということはできない。
参照法条刑法230条1項,刑法231条
一 公訴事実の同一性の認められる事例−業務上横領と窃盗 二 同一事実に対する別訴の提起が二重起訴にあたらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和34年12月11日昭和29(あ)2526刑集 第13巻13号3195頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 被告人は家畜商を営むものであるが、昭和二五年七月二五日頃家畜商Aより同人所有の馬四頭の売却方を依頼され、同月二九日うち二頭をBに代金六万円で売却しこれを保管中、同月三〇日新潟県西蒲原郡a町C旅館において、内金三万円を着服して横領をしたとの業務上横領の訴因と、被告人は昭和二五年七月三新潟県西蒲原郡b村大字cD方から同…
参照法条刑訴法312条,刑訴法256条,刑訴法338条3号,刑訴法337条,刑法253条,刑法235条
昭和二六年の改正商法施行以前において増資新株式証拠金領収書を偽造する所為は刑法第一六二条の有価証券偽造罪を構成するか。
最高裁判所第二小法廷昭和34年12月4日昭和31(あ)2893刑集 第13巻12号3127頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨昭和二六年改正商法施行当時までは、証券取引界において、増資新株式証拠金領収書に白紙委任状の添付されたものは株式類似の証券的作用を営んでいたのであり、該領収書は刑法第一六二条の有価証券であると解するを相当とする。
参照法条刑法162条
強姦して処女膜裂傷を生ぜしめた場合と刑法第一八一条の罪の成立。
最高裁判所第二小法廷昭和34年10月28日昭和34(あ)1274刑集 第13巻11号3051頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨処女を強姦して処女膜裂傷(処女膜の左後方に粘膜下出血を伴う〇・五糎の裂創)を生ぜしめたときは、刑法第一八一条の強姦致傷罪が成立する。
参照法条刑法181条
刑法第一五八第一項の法定刑が同法第一六一条第一項のそれより重いのは身分による差別か。
最高裁判所第三小法廷昭和34年9月22日昭和31(あ)1113刑集 第13巻11号2985頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一五八条第一項の偽造公文書行使罪の法定刑が同法第一六一条第一項の偽造私文書行使罪のそれより重いのは、その保護法益である公文書の信頼度が私文書のそれより高いことに基くものであつて、その文書作成名義者の身分による差別ではない。
参照法条刑法158条1項,刑法161条1項,憲法14条
一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八三条という「犯人」の意義 二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合と…
最高裁判所第二小法廷昭和34年8月28日昭和31(あ)4042刑集 第13巻10号2806頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年第六一号)第八三条にいう「犯人」には両罰則定の適用を受くべき「法人」又は「人」をも含む。 二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第八三条の…
参照法条旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)83条,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)82条ノ3,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)76条,刑…
一 国鉄公傷年金証書は財物か 二 担保に供した国鉄公傷年金証書に対する詐欺罪の成立
最高裁判所第二小法廷昭和34年8月28日昭和31(あ)4282刑集 第13巻10号2906頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 国鉄公傷年金証書は、刑法にいわゆる財物にあたる。 二 国鉄公傷年金証書はこれを債権の担保に供することは法令上禁止され無効であるとしても、該年金の受給者がその証書を債権担保のため債権者に差入れた後債権者を欺罔して右証書を交付させたときは、刑法第二四二条にいわゆる「他人ノ財物ト看做」された自己の財物を騙取した詐欺罪が成…
参照法条刑法242条,刑法246条1項,刑法251条,国有鉄道共済組合規則(昭和15年鉄道省令7号)34条,国有鉄道共済組合規則(昭和135鉄道省令7号)31条,公共企業体職員等共済組合法29条,恩給法11条
刑法第一五五条第一項の公文書偽造罪が成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年8月28日昭和33(あ)1735刑集 第13巻10号2932頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨A鉄道管理局B電力区助役として区長を補佐する傍ら同管理局から出納員もしくは事務助役出納員として指命され、部内職員の給料、族費等の交付、保管等対内的な出納事務には従事するが、同電力区助役もしくは右出納員名義をもつて対外部関係に関する公文書を作成すべき一般的職務権限を有しない被告人が、行使の目的をもつて内容虚偽の電柱代金代…
参照法条刑法155条1項
公文書偽造罪(刑法第一五五条第三項)の成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年8月17日昭和31(あ)3802刑集 第13巻10号2757頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨村の助役および書記が、国民健康保険事業を実施する村の運営資金として県の国民健康保険団体連合会から融資を受けるにあたり、県の国民健康保険融資金規程に基き村長名義の借入金申込書に添付すべき必要書類として右連合会に提出するため、右借入金に関する村議会の議決なく、従つて、これが議決書も存在しないのにかからず、ほしいままに、行使…
参照法条刑法155条3項
背任罪の成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年8月8日昭和32(あ)1074刑集 第13巻10号2747頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨村長が特定の個人の選挙運動資金を村費から支出するため、該個人の利益を図り、道路改修工事補助金名下に実際の所要経費に右運動資金所要見込額を水増した内容不実の歳出追加更正予算案(道路修繕維持費)を発案し、その旨あらかじめ村議会協議会において村議会議員に諮議しその無修正可決につき諒解を得た上右予算案を村議会本会議に提出し、所…
参照法条刑法247条
自動車操縦者の被害者救護義務違反と要保護者遺棄罪の成否。
最高裁判所第二小法廷昭和34年7月24日昭和31(あ)4547刑集 第13巻8号1163頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨自動車の操縦中過失に因り通行人に約三ケ月の入院加療を要する歩行不能の重傷を負わしめながら道路交通取締法、同法施行令に定める被害者の救護措置を講ずることなく、被害者を自動車に乗せて事故現場を離れ、折柄降雪中の薄暗い車道上まで運び、医者を呼んで来てやる旨申し欺いて被害者を自動車から下ろし、同人を同所に放置したまま自動車を操…
参照法条道路交通取締法24条,道路交通取締法施行令67条,刑法218条,刑法45条
一 脅迫罪の成立する事例 二 刑法第一三〇条の罪の成立する事例 三 いわゆる「ラムネ弾」が爆発物取締罰則にいう爆発物にあたらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和34年7月24日昭和32(あ)68刑集 第13巻8号1176頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 国家地方警察佐賀県本部警察部隊長〇○の官舎附近に備付の塵箱に「○○に告ぐ、三月貴様は勤労者、農民を仮装敵として演習を行つたが勝つ自信があるか、独立を欲する国民の敵となり身を滅ぼすより民族と己のために即時現職を退陣せよ」と記載したビラ一枚を貼付し、その頃同隊長に右ビラの記載内容を了知せしめたときは、同隊長に対する脅迫…
参照法条刑法222条,刑法130条,爆発物取締罰則1条
刑法第二二〇条第一項の監禁罪が成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年7月3日昭和32(あ)910刑集 第13巻7号1088頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨日本共産党員たる被告人が、ほか二名と共謀の上、当時同じく日本共産党員であつた某平和病院の炊事婦をしていた某女(当時二三年)を、日本共産党に対するスパイ活動容疑により弾劾査問しようと企て、そのため、某年三月一〇日午前〇時頃より同月一四日午前一一時頃までの間、某人方物置に留め置き、その間同女が同所から脱出することを防止する…
参照法条刑法220条1項
刑法第二五六条第二項にいう「寄蔵」の意義。
最高裁判所第二小法廷昭和34年7月3日昭和33(あ)2309刑集 第13巻7号1099頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二五六条第二項にいう「寄蔵」とは、委託を受けて本犯のために賍品を保管することをいう。
参照法条刑法256条2項
労働基準法第六二条違反の罪の罪数。
最高裁判所第一小法廷昭和34年7月2日昭和33(あ)2714刑集 第13巻7号1026頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨使用者が労働基準法第六二条に違反して、多数日にわたり多数の年少または女子労働者を深夜業に使用した場合には、特段の事情ある場合を除き、その使用日毎に各就業者各個人別に独立して同条違反の罪が成立するものと解すべく、これらを包括して一罪が成立するものとなすべきではない。
参照法条労働基準法62条1項,労働基準法119条1号,刑法45条
通貨偽造罪における行使の目的。
最高裁判所第三小法廷昭和34年6月30日昭和31(あ)1748刑集 第13巻6号985頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨通貨偽造罪における行使の目的は、自己が行使する場合に限らず他人をして真正の通貨として流通に置かせる目的でもよい。
参照法条刑法149条1項,刑法148条
刑法第二三八条の強盗にあたる事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年6月12日昭和31(あ)3767刑集 第13巻6号960頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨某工場で窃盗した者が、現場から一〇メートル位距つた同工場塀外の路上で、折柄警戒中の巡査に発見せられ、現行犯人として追跡を受け、約六〇メートル進んだ地点で逮捕されようとしたので、これを免れるため、手拳で右巡査の胸部を突くなどの暴行を加え、格闘したが、程なく抵抗を止め、同巡査からシヤツの襟をつかまれて附近の前記工場守衛詰所…
参照法条刑法238条
一 刑法第一九七条にいう公務員の「職務ニ関シ」の意義 二 電報電話局施設課線路係長たる電気通信技官の職務権限と電話売買の斡旋行為
最高裁判所第三小法廷昭和34年5月26日昭和31(あ)2084刑集 第13巻5号817頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑法第一九七条にいう公務員の「職務ニ関シ」とは、公務員の職務行為ばかりでなく、これと密接な関係にある行為に関する場合を含むものと解すべきであるが、単にこれと関連性のある行為に関する場合をも含むものと解すべきではない。 二 既設電話の移転工事等の処理、工事指令、現地調査等の権限を有する電報電話局施設課線路係長たる電気…
参照法条刑法197条,刑法198条
傷害行為が強盗の機会に犯されたものと認められる事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年5月22日昭和33(あ)1694刑集 第13巻5号801頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が第一現場において被害者の運転するタクシーの車内で料金の支払を免れ、かつ金員強取の目的で被害者に拳銃を突付け金を要求したが同人が応じないため一旦下車し、その後再び右タクシーに乗車した約五、六分の後約六千米距つた第二現場である交番前に致つた際、逃走せんがため格斗の末その車内において右拳銃をもつて被害者の頭部を殴打し…
参照法条刑法238条,刑法240条
重過失失火罪における他人の過去の存在と重過失者の罪責。
最高裁判所第二小法廷昭和34年5月15日昭和32(あ)359刑集 第13巻5号713頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨重過失失火罪において、いやしくも被告人の重過失が火災発生に対して一つの条件を与えた以上は、その重過失が右結果に対する唯一の原因ではなく火気取扱責任者の過失と相俟つて共同的に原因を与えた場合であつても、失火の責任を負うべきものである。
参照法条刑法117条ノ2
一 関税逋脱事件について通告を経ない告発が適法と認められた事例 二 納税義務者でない者につき関税逋脱の共同正犯が成立するか
最高裁判所第二小法廷昭和34年5月8日昭和31(あ)3426刑集 第13巻5号657頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 イ、関税逋脱事件につき税関長が懲役の刑に処するのを相当として、通告をすることなく告発したときは、判決が罰金刑であつたからといつて、右告発が遡つて不適法にはならない。 ロ、法人のために行為する者について、税関長が懲役の刑に処するのを相当として直接告発する場合においては、法人に対しても通告なしに告発することができる。 …
参照法条旧関税法75条,旧関税法82条の3,旧関税法97条,刑法65条1項,刑法60条
労働組合法第一条第一項の目的達成のための正当行為と認められない事例。
最高裁判所第三小法廷昭和34年4月28日昭和31(あ)1649刑集 第13巻4号466頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨スト支援者が会社の構内において争議中の労組員ら六、七〇名と共謀し、たまたま五・三〇記念大会視察中の巡査部長を取り囲み、多衆の威力を背景にして身体または自由に対し危害を加えかねまじき気勢を示して脅迫を続け、取り上げた警察手帳を読み上げたりした上強要して詫状を書かせ、これを参集者に向つて読み上げさせた後、強いてデモ隊の中央…
参照法条労働組合法1条,刑法223条1項,刑法220条1項,憲法28条
刑法第二〇〇条は憲法第一四条に違反するか。
最高裁判所第一小法廷昭和34年4月2日昭和33(あ)2414刑集 第13巻4号423頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二〇〇条の規定は、憲法第一四条に違反しない。
参照法条憲法14条,刑法200条
刑法第二三八条の「逮捕ヲ免レ」るための暴行にあたる事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年3月23日昭和33(あ)2499刑集 第13巻3号391頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨窃盗犯人が、進行中の電車内で現行犯として車掌に逮捕され、約五分経過後到着駅ホームを警察官に引渡のため連行されている際に、逃走を企て右車掌に暴行したときは、刑法第二三八条の「逮捕ヲ免レ」るための暴行にあたる。
参照法条刑法238条,刑訴法213条,刑訴法214条
一 売買農地の所有権移転の効力発生時期 二 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第四条所定の「金銭の貸借の媒介を行う者」の意義 三 不動産の登記簿上の所有名義と刑法上の占有 四 上告受理申立の理由書記載事項を援用した上告趣意書の…
最高裁判所第二小法廷昭和34年3月13日昭和31(あ)2521刑集 第13巻3号310頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 売買農地の所有権移転は知事の許可と同時に其の効力を発生するものと解すべきである。 二 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第四条所定の「金銭の貸借の媒介を行う者」とは単に金銭の貸借の媒介を行う者と解すべきであつて、業として行うと否とを問わない。 三 不動産の所有権が売買により買主に移転しかつ該不動産が買…
参照法条農地法3条1項,農地法92条,出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律4条,刑法252条,刑訴法407条,刑訴規則266条,刑訴規則240条
傷害致死後における死体遺棄の罪責。
最高裁判所第一小法廷昭和34年2月19日昭和33(あ)742刑集 第13巻2号161頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨身体傷害により人を死に致した後、さらに死体を遺棄するにおいては、傷害致死罪のほかに死体遺棄罪を構成する。
参照法条刑法205条,刑法190条,刑法45条
刑法第二三〇条第一項または第二三一条にいう「公然」にあたらない事例―検事取調室における被告訴人の告訴人に対する発言。
最高裁判所第一小法廷昭和34年2月19日昭和34(し)6刑集 第13巻2号186頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨甲の乙に対する発言が、乙のほかに、同人が甲を被告訴人として告訴した脅迫被疑事件の取調担当検事および検察事務官の二人だけが捜査担当官として在室中の検事取調室内で行われたときは、刑法二三〇条第一項または第二三一条にいう「公然」なされたものということはできない。
参照法条刑法230条1項,刑法231条
一 控訴審が破棄自判する場合と第一審において取り調べた証拠 二 農林漁業資金融通法による政府貸付金について業務上横領罪の成立する場合
最高裁判所第二小法廷昭和34年2月13日昭和31(あ)1761刑集 第13巻2号101頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 控訴審が事実の取調をなし第一審の無罪判決を破棄して有罪を認定するにあたつては、第一審において取り調べた証拠は、控訴審で再び証拠調をし直すことを必要とせず、そのまま証拠能力を認めて判決の基礎とすることができる。 二 社団法人たる森林組合を代表し組合業務一切を掌理する組合長および組合長を補佐し組合業務を執行する組合常務…
参照法条刑訴法394条,刑訴法400条但書,農林漁業資金融通法(昭和26年法律105号)2条2号,農林漁業資金融通法(昭和26年法律105号)3条4項2号,農林漁業資金融通法(昭和26年法律105号)4条1項,刑法253条
賍物罪の成立と民法第一九二条。
最高裁判所第二小法廷昭和34年2月9日昭和31(あ)3533刑集 第13巻1号76頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨賍物に対する罪は、被害者が民法の規程によりその物の回復を請求する権利を失わない以上、その物につき成立し得る。
参照法条刑法256条,民法192条,民法193条
一 いわゆる電源ストについて原判決に理由不備、事実誤認の疑があるとされた事例。 二 ピケツテイングについて理由のくいちがい、真実誤認の疑があるとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和33年12月25日昭和31(あ)3844刑集 第12巻16号3555頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 本件電源ストにおいて被告人らが排水門、制水門を開放して水力発電所の用水を放流した積極的な所為が、電源職場における被告人ら従業員の労務提供義務不履行行為にあたる理由を説示するところなく無罪とした原判決は、理由不備ないし重大な事実誤認の疑がある。 二 原判決が一面ピケツテイングは平和的説得ないし団結の示威を建前とすると…
参照法条刑法35条,刑法234条,刑法123条,刑訴法411条1号,刑訴法411条3号,労働組合法1条2項
一 被害者の意思の瑕疵と刑法第二〇二条の嘱託、承諾。 二 擬装心中は殺人罪にあたるか。
最高裁判所第二小法廷昭和33年11月21日昭和31(あ)2220刑集 第12巻15号3519頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 被害者の意思が自由な真意に基かない場合は刑法第二〇二条にいう被殺者の嘱託または承諾としては認められない。 二 自己に追死の意思がないに拘らず被害者を殺害せんがため、これを欺罔し追死を誤信させて自殺させた所為は、通常の殺人罪に該当する。
参照法条刑法202条,刑法199条
一 期待可能性がないとした判断が法令の適用の誤または理由不備であるとされた事例。 二 原判決が一部無罪、一部有罪としたとき、上告審が無罪の部分の判断が誤りであるとする場合の措置。
最高裁判所第三小法廷昭和33年11月4日昭和30(あ)1996刑集 第12巻15号3439頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働争議に際し、被告人ら労組員が会社側幹部に暴行を加え且つ引き続き監禁した事件において、原判決が、争議に相当の理由があり、急速な解決を必要としたこと、会社側幹部が逃避的態度を示したこと、被告人等は組合員の勢に引き摺られたものであること、加えた危害が高度でないことなどの理由だけで前半の暴行を期待可能性がないものとして…
参照法条刑法37条,刑訴法380条,刑訴法378条4号,刑訴法411条,刑訴法413条
刑法第二三八条の「逮捕ヲ免レ」るための暴行にあたる事例。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月31日昭和31(あ)863刑集 第12巻14号3421頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨窃盗犯人が現行犯として被害者に逮捕せられ警察官に引き渡されるまでの間に、逮捕状態を脱するため暴行をすることも、刑法第二三八条の「逮捕ヲ免レ」るための暴行にあたる
参照法条刑法238条,刑法240条,刑訴法213条,刑訴法214条
刑法第二二〇条第二項(尊属逮捕監禁)は憲法第一四条に違反するか。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月24日昭和31(あ)3112刑集 第12巻14号3392頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二二〇条第二項の規定は憲法第一四条の規定に違反するものでない。
参照法条刑法220条,憲法14条
一 賍物運搬罪の成立する事例。 二 伝聞証言に証拠能力の認められる事例。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月24日昭和31(あ)740刑集 第12巻14号3368頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 賍品を場所的に移転して、被害者の同品に対する権利の実行を困難ならしめた以上、これを運んだ距離にさほど遠くないものがあつても、賍物運搬罪は成立する。 二 第一審公判における検察官側の証人甲の証言中に、乙の供述を内容とするいわゆる伝聞部分があつても、同証言に際し被告人側から異議の申立があつた形跡がないばかりでなく、乙は…
参照法条刑法256条2項,刑訴法394条,刑訴法326条,刑訴法324条2項,刑訴法321条1項3号
信用組合の支店長等の預金者に対するいわゆる預金謝礼金の交付および融資希望者に対する不正高利の貸付がともに業務上横領罪を構成するとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月10日昭和31(あ)1324刑集 第12巻14号3246頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨信用組合の支店長等が、支店の預金成績の向上を装うため、勧誘に応じた一部預金者に対し、正規の利息のほかに多額の金員を自己の業務上保管する組合の金員中から預金謝礼金名下に勝手に支出交付し、同謝礼金を補填するため、正規に融資を受ける資格のない者に対し、前同様組合の金員を貸付名下に高利をもつて勝手に支出交付したときは、それが自…
参照法条刑法253条,刑法247条
刑訴法第四〇二条に違反する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和33年9月30日昭和31(あ)4247刑集 第12巻13号3190頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第一審が被告人を判示第一の事実につき罰金一万二千円に、第二の事実につき罰金一万五千円に処し、右罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべき旨の判決を言い渡し、これに対して被告人より控訴の申立があつた場合、控訴審が右第一審判決を破棄し、被告人を原判示第一および第二の事実につき各…
参照法条刑訴法402条,刑法18条
賄賂と職務行為との関係。
最高裁判所第三小法廷昭和33年9月30日昭和31(あ)3135刑集 第12巻13号3180頁
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裁判要旨賄賂は職務行為に関するものであれば足り、個々の職務行為と賄賂との間に対価的関係のあることを必要とするものではない。
参照法条刑法197条,刑法198条
不作為による放火罪の成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和33年9月9日昭和31(あ)3929刑集 第12巻13号2882頁
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裁判要旨自己の過失により事務室内の炭火が机に引火し、燃焼しはじめているのを仮睡から醒めて発見した者が、そのまま放置すれば右事務所を焼燬するに至ることを認識しながら、自己の失策の発覚をおそれる等のため、右結果の発生を認容して何らの措置をすることなくその場から逃げ去つたときは、不作為による放火の責任を負うべきである。
参照法条刑法108条
公文書毀棄罪の成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和33年9月5日昭和33(あ)1155刑集 第12巻13号2858頁
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裁判要旨A委員会議事録が未だ所定の署名者の署名押印を終つていない場合においても、既に会長の押印を終つて一般の閲覧に供せられるようになつた以上、その一部の除去は公文書毀棄罪になる。
参照法条刑法258条
刑法第一七二条にいう虚偽の申告の意義。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月31日昭和31(あ)1112刑集 第12巻12号2805頁
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裁判要旨刑法第一七二条にいう虚偽の申告とは、申告の内容をなすところの刑事懲戒の処分の原因となる事実が、客観的真実に反することをいうと解するを相当とする。
参照法条刑法172条
一 刑法第一一七条の二前段にいう「業務」の意義。 二 行政官庁の許可を受けていない夜警勤務と刑法第一一七条ノ二の「業務」としての刑事責任。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月25日昭和30(あ)4124刑集 第12巻12号2746頁
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裁判要旨一 刑法第一一七条の二前段にいう「業務」は、当該火災の原因となつた火を直接取扱うことを業務の内容の全部または一部としているもののみに限らず、火災等の発見防止等の任務にあたる夜警の如きをも包含するものと解するを相当とする。 二 所論は被告人は料理人として昼間八時間勤務した上、更に夜警として勤務したものであるところ、右夜警…
参照法条刑法117条の2,刑法117条ノ2,憲法27条2項,労働基準法93条
傷害の同時犯の起訴を共同正犯と認定する場合と訴因変更手続の要否。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月18日昭和30(あ)3982刑集 第12巻12号2656頁
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裁判要旨傷害の同時犯として起訴されたものを共同正犯と認定しても、それによつて被告人に不当な不意打を加え、その防禦権の行使に実質的な不利益を与えるおそれのないかぎり訴因変更の手続を必要としないものと解するのが相当である。
参照法条刑訴法312条,刑法207条,刑法204条,刑法60条
森林賍物に関する罪と刑法第二五七条。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月11日昭和30(あ)3518刑集 第12巻11号2518頁
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裁判要旨森林法第二〇一条に定める森林賍物に関する罪についても、刑法第二五七条の適用がある。
参照法条森林法201条,刑法257条,刑法256条
憲法第二八条の保障する団体行動権の行使にあたらない事例。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月11日昭和31(あ)685刑集 第12巻11号2532頁
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裁判要旨鉱山会社の人員整理に伴う企業整備反対闘争を有利に展開するため、同会社の労働組合員である被告人らが、執務中の同会社文珠坑坑長および同坑労務係長をその各自室から約七百米または約百米離れた角力場まで連行し、爾後約三時間の長きにわたり、組合員数百名と円陣を作つて取り囲み、その脱出を不能ならしめた上マイクをつき付けて執拗に人員解…
参照法条刑法220条,憲法28条,労働組合法1条
刑法第二六一条の器物毀棄罪と告訴権者。
最高裁判所第一小法廷昭和33年7月10日昭和33(あ)380刑集 第12巻11号2500頁
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裁判要旨地方裁判所支部庁舎の玄関扉のガラス等を破壊した器物毀棄の罪については、当該地方裁判所長が適法な告訴権を有する。
参照法条刑法261条,刑法264条,刑訴法230条,国有財産法2条1項,国有財産法3条,国有財産法5条,下級裁判所会計事務規程2条,下級裁判所会計事務規程87条
訴因の変更を必要としない事例(強盗殺人の共同正犯―殺人の幇助)
最高裁判所第三小法廷昭和33年6月24日昭和31(あ)462刑集 第12巻10号2269頁
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裁判要旨被告人は、甲が金品強取の目的で乙を殺害しようとしてその首を絞めているとき、その企図を察知共謀の上乙の抵抗を阻止し、また着用の腰紐を甲に与えて絞首殺害の目的を達成するに至らせた旨の訴因で、被告人において甲が乙殺害の目的でその首を絞めている企図を察知しながら、その着用の腰紐を甲に与えて、絞首殺害の目的達成を容易ならしめてこ…
参照法条刑訴法312条,刑法240条,刑法199条,刑法60条,刑法62条
強盗強姦未遂と強盗殺人との競合
最高裁判所第三小法廷昭和33年6月24日昭和32(あ)3259刑集 第12巻10号2301頁
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裁判要旨婦女を強姦した上所持品を強取しようと決意し、まずその前頸部を扼して失神させ被害者の自転車を隠す等の行為に出で、強姦の点は未遂に終つた後即時犯行の発覚をおそれて殺意を生じ殺害した場合は、刑法第二四〇条後段、第二四一条前段、第二四三条、第五四条第一項前段を適用すべきものである
参照法条刑法240条,刑法241条,刑法243条,刑法54条1項
憲法第二八条の保障する争議権の行使にあたらない事例
最高裁判所第二小法廷昭和33年6月20日昭和31(あ)306刑集 第12巻10号2250頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人らが駐留軍横浜陸上輸送部隊と争議中、同部隊バス通用門から争議に参加しなかつた同部隊勤務の日本人運転手A外五人が駐留軍軍人、軍属らを輸送するためa駅に赴くべく各一台のバスを運転し一列縦隊で順次出門しようとするや、右通用門の前にピケラインを張つていた組合員約三〇名位と共謀の上、その出門を阻止しようとして右門前において…
参照法条憲法28条,刑法234条,刑法233条
職業安定法第六四条第一号(第三二条第一項違反)と労働基準法第一一八条の罪(第六条違反)との関係
最高裁判所第一小法廷昭和33年6月19日昭和32(あ)3274刑集 第12巻10号2236頁
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裁判要旨業として、求人依頼者に職人等をあつ旋し、依頼者より手数料を受領する行為は、一個の行為にして職業安定法第六四条第一号の罪(第三二条第一項違反)と労働基準法第一一八条の罪(第六条違反)との二個の罪名に触れる
参照法条職業安定法64条,職業安定法32条,労働基準法118条,労働基準法6条,刑法54条1項
刑法第二五条第一項第一号第二号と憲法第一四条第一項
最高裁判所第一小法廷昭和33年6月19日昭和33(あ)478刑集 第12巻10号2243頁
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裁判要旨刑法第二五条第一項が、執行猶予の言渡をすることのできる条件として同項第一号または第二号にあたる者たることを必要とし、これとそうでない者との間に差異を設けたことをもつて、憲法第一四条第一項に違反するものとはいえない
参照法条刑法25条1項1号,刑法25条1項2号,憲法14条1項
あへん法四条違反の罪の既遂
最高裁判所第三小法廷昭和33年6月17日昭和31(あ)1319刑集 第12巻10号2129頁
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裁判要旨あへん法にいうけし栽培者でないのに、けしの種を畑に播いて、これを発芽生育せしめた以上、その後において、あへんを採取することなく、右けしを引き抜いたとしても、同法第四条違反の罪の既遂をもつて処断すべきである
参照法条あへん法4条,あへん法51条1項,刑法43条
刑法第一五六条の法意
最高裁判所第二小法廷昭和33年5月30日昭和31(あ)236刑集 第12巻8号1914頁
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裁判要旨刑法第一五六条は信用度の高い公文書の無形偽造を私文書と異つて特に処罰することにしたものであつて、その保護法益は公文書の信用性に存し、行為者が公務員であるか否かによつてその保護に軽重を設けた規定ではない
参照法条刑法156条,憲法14条
いわゆる準起訴手続における公訴時効停止の時期
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月27日昭和31(あ)745刑集 第12巻8号1665頁
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裁判要旨いわゆる準起訴手続において公訴時効は刑訴二六六条二号により裁判所の審判に附する決定があつたときに停止されるであつて、審判請求時に遡つて停止されるのではない
参照法条刑訴法266条2号,刑訴法267条,刑訴法254条,刑法195条
一 再審を開始するか否かの手続は憲法にいう「裁判の対審」か 二 刑訴法第四三五条第六号の「明らかな証拠」の意義 三 同号の「原判決において認めた罪より軽い罪」の意義
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月27日昭和33(し)14刑集 第12巻8号1683頁
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裁判要旨一 確定判決に対する再審を開始するか否かの手続は、憲法にいう「裁判の対審」に当たらない 二 刑訴法第四三五条第六号にいう「明らかな証拠」というのは証拠能力もあり証明力も高度のものをいい、被告人が弁護人に宛てた書信の如きを含まない 三 同条同号の「原判決において認めた罪より軽い罪」というのは法定刑の軽い罪をいい、心神耗弱…
参照法条憲法37条1項,憲法82条1項,刑訴法435条6号,刑訴法445条,刑法39条2号,刑訴規則283条
一 刑訴法第二条にいう「現在地」の意義 二 国外において俘虜の管理にあたり日本人がその権限を逸脱して行つた逮捕監禁の罪とわが科刑権、裁判権
最高裁判所第一小法廷昭和33年5月24日昭和28(あ)1683刑集 第12巻8号1535頁
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裁判要旨一 刑訴第二条にいう「現在地」とは、被告人が公訴提起の当該任意又は適法な強制によつて現在する地域をいう 二 国外において俘虜の管理に当り日本人が正当行為の範囲を逸脱して行つた逮捕監禁の所為については、わが科刑権及び、我が国が事実上、裁判権を行使できる状態になればこれを処罰することができる
参照法条刑訴法2条,刑訴法338条1号,刑法4条,刑法3条9号,刑法3条10号,刑法218条,刑法219条,刑法220条,刑法221条
一 法人をたばこ専売法第七七条第七一条第一号第六六条第一項により処罰する場合と同法第七五条の没収、追徴 二 刑訴法第三三九号第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない事例 三 略式命令の請求による起訴の効力発生の…
最高裁判所第一小法廷昭和33年5月24日昭和32(あ)2199刑集 第12巻8号1611頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 法人とたばこ専売法第七七条、第七一条、第六六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第七五条の没収、追徴の言渡ができる 二 法人の清算人が清算結了前に検察官から解散前の違反行為につき略式手続によることに異議がないかどうかを確められ、異議がない旨申述し、清算結了後、その登記前に略式命令の請求がなされている…
参照法条たばこ専売法77条,たばこ専売法71条1号,たばこ専売法66条1項,たばこ専売法75条,刑法8条,刑法9条,刑法20条,憲法31条,刑訴法339条1項4号,刑訴法256条,刑訴法461条,刑訴法462条,刑訴規則290条
一 被告人の経歴等と詳細な記載がある起訴状が刑訴法第二五六条第六項に違反しないとされた一事例 二 恐喝の手段として郵送された脅迫文書の殆んど全文が記載された起訴状と刑訴法第二五六条第六項
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月20日昭和28(あ)3906刑集 第12巻7号1398頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 本件起訴状に被告人の経歴等に関する詳細な記載があるからといつてそれが刑訴法第二五六条第六項に違反するものであるということはできない 二 恐喝の手段として被害者に郵送された脅迫文書の趣旨が婉曲暗示的であつて、起訴状にこれを要約摘示するには相当詳細にわたるのでなければその文書の趣旨が判明し難いような場合には、起訴状にそ…
参照法条刑訴法256条,刑法249条
動労基準法第一一八条(第六条違反)の罪と、職業安定法第六三条第二号の罪とが想像的競合となる事例
最高裁判所第二小法廷昭和33年5月6日昭和30(あ)3483刑集 第12巻7号1297頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨業として、同一の婦女を公衆衛生又は公衆道徳上有害な売淫婦の業に就かせる目的で、婦女に売淫させることを業としている者に接客婦として就職を斡旋し、雇主から紹介手数料として金員を受領し利益を得たときは、一個の行為にして労働基準法一一八条(六条違反)の罪と職業安定法六三条二号の罪との二個の罪名に触れる場合に当る
参照法条労働基準法6条,労働基準法118条,職業安定法63条2号,刑法54条1項
権利行使と恐喝罪
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月6日昭和31(あ)469刑集 第12巻7号1336頁
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裁判要旨権利行使の意図に出たものであつても、その手段が権利行使の方法として社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度を逸脱した恐喝手段を用いて第三者に財産上不法の利益を得させた場合には恐喝罪が成立する
参照法条刑法249条
刑法第一八条は、憲法第一一条、第一三条、第一八条に違反するか
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月6日昭和31(あ)874刑集 第12巻7号1351頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一八条は、憲法第一一条、第一三条、第一八条に違反しない
参照法条憲法11条,憲法13条,憲法18条,刑法18条
刑法第二七条により刑の言渡の効力を失つた前科を量刑資料に参酌することの適否
最高裁判所第一小法廷昭和33年5月1日昭和32(あ)3136刑集 第12巻7号1293頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨執行猶予の言渡を取り消されることなく猶予の期間を経過し刑の言渡がその効力を失つても、その言渡を受けたいという既往の事実そのものを量刑の資料に参酌することは違法でない
参照法条刑法27条,刑訴法381条
一 暴力行為等処罰に関する法律第一条第一項(脅迫)にあたる事例 二 脅迫と憲法第二一条
最高裁判所第三小法廷昭和33年4月22日昭和31(あ)314刑集 第12巻6号1118頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 日本共産党員である被告人等が、町長選挙に際し、候補者(A)が前日居宅に火焔瓶投擲を受けて畏怖しつつあるのに乗じ、共同して同人を非難脅迫するビラを町内に撒布し同人を選挙において不利に陥れるとともに同人に右ビラを閲覧させてこれを脅迫すべきことを共謀し翌七月一二日共同して同町内で多人数に対し「天誅遂に下る。天人共に許さざ…
参照法条暴力行為等処罰ニ関スル法律1条1項,刑法222条,憲法21条
投票用紙の持出と不法領得の意思。
最高裁判所第一小法廷昭和33年4月17日昭和31(あ)2797刑集 第12巻6号1079頁
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裁判要旨市議会議員選挙に際し、特定の候補者に当選を得しめるため、後日その候補者の氏名を記入して投票中に混入し投票数を増加する目的をもつて、投票所管理者の保管する市選挙管理委員会所有にかかる市議会議員選挙の投票用紙をひそかに持ち出したときは、不法領得の意思なしというを得ず、窃盗罪を構成する。
参照法条刑法235条,公職選挙法237条3項
村長が専ら第三者の利をはかる目的で内容虚偽の村長名義の公文書を作成した場合は有形偽造か無形偽造か
最高裁判所第二小法廷昭和33年4月11日昭和30(あ)3708刑集 第12巻5号886頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨村長がその名義の内容虚偽の公文書を作成した場合は、それが専ら第三者の利をはかる等不法な意思に出でその職務権限の乱用と認められる場合であつても、刑法第一五六条の罪が成立し、同法第一五五条の罪が成立するものではない
参照法条刑法155条,刑法156条
一 製造たばこ「光」の外箱の偽造と刑法第一五五条第一項の適用 二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項との適用関係
最高裁判所第一小法廷昭和33年4月10日昭和30(あ)971刑集 第12巻5号743頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 日本専売公社の製造にかかる製造たばこ「光」の外箱は、刑法第一五五条第一項にいう「公務所ノ作ル可キ図画」にあたる 二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項とは、両者の併存適用を妨げない
参照法条刑法7条,刑法155条1項,たばこ専売法65条の2,たばこ専売法71条1号,日本専売公社法2条,日本専売公社法7条,日本専売公社法18条1項
一個の道路交通取締法違反(居眠り運転)行為と二個の刑法第二一一条にあたる行為とがそれぞれ想像的競合犯の関係にある場合とその擬律
最高裁判所第一小法廷昭和33年4月10日昭和32(あ)2377刑集 第12巻5号877頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一個の道路交通取締法違反(居眠り運転)行為と二個の刑法第二一一条にあたる行為とがそれぞれ想像的競合犯の関係にある本件の場合には、刑法第五四条第一項前段第一〇条を適用し一罪としてその最も重い刑に従い処断すべきものである
参照法条刑法10条,刑法54条1項前段,刑法211条,道路交通取締法7条1項,道路交通取締法2項3号,道路交通取締法28条1号
一 一部破棄の一事例 二 原判決が既になされた高等裁判所の判例および原判決後になされた右判例と同趣旨の最高裁判所の判例と相反する判断をしている場合と刑訴法四〇五条第三号の適用
最高裁判所第一小法廷昭和33年4月10日昭和32(あ)908刑集 第12巻5号866頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 原判決中「本件控訴を棄却する」とある部分に対する上告がその理由なく、「当審における未決勾留日数中百弐拾日を原判決の本刑に算入する」とある部分に対する上告がその理由ある本件においては、原判決中「当審における未決勾留日数中百弐拾日を原判決の本刑に算入する」との部分だけを破棄し、その余の部分に対する上告を棄却すべきもので…
参照法条刑法21条,刑訴法357条,刑訴法410条1項,刑訴法405条2項,刑訴法405条3項
刑法第一一五条の法意
最高裁判所第一小法廷昭和33年3月27日昭和32(あ)2511刑集 第12巻4号666頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一一五条は、同条の物件が犯人の所有に属する場合であつても、若し差押を受け、物権を負担しまたは賃貸し若しくは保険に付したものを焼燬するときは、損害を他人に及ぼしまたは及ぼすおそれがあるので、そのような他人の利益の侵害となる行為を犯罪として処罰する趣旨であつて、犯人の財産権の公私を制限することを内容とした規定ではない…
参照法条刑法115条,憲法29条
製造たばこ無指定販売罪幇助犯の公訴事実の記載方法
最高裁判所第一小法廷昭和33年3月27日昭和32(あ)2914刑集 第12巻4号697頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨製造たばこ無指定販売罪の幇助犯の公訴事実を起訴状に記載するには、日本専売公社より製造たばこの小売人として指令を受けない者が製造たばこを販売したこと、ならびにその販売を容易ならしめた具体的行為の日時、場所、方法を特定して記載するをもつて足るものと解するを相当とする。
参照法条たばこ専売法29条2項,たばこ専売法71条5号,刑訴法256条,刑法62条
一 道路交通取締法違反(無謀操縦)と業務上過失致死の各事実が公訴事実の同一性を欠く一事例 二 道路交通取締法違反(無謀操縦)罪と業務上過失致死罪との間に牽連関係乃至一所為数法の関係が存しない場合
最高裁判所第二小法廷昭和33年3月17日昭和30(あ)2676刑集 第12巻4号581頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 本件における道路交通取締法違反(無謀操縦)の事実と業務上過失致死の事実とは、公訴事実としては別個の事実であつて、公訴事実の同一性を認むべきではない。 二 本件における道路交通取締法違反(無謀操縦)の罪と業務上過失致死罪とは別個独立の犯罪であつて、右両者の間には牽連関係ないし一所為数法の関係は存しない。
参照法条道路交通取締法28条1号,道路交通取締法7条1項,道路交通取締法2項,刑法54条1項,刑法211条,刑訴法256条,刑訴法312条1項
一 米国軍票を羽田空港到着の航空機により密輸入しようとして同税関内で発見された場合に支払手段の無許可輸入財は成立するか 二 一部破棄無罪、一部上告破棄を言渡すべき事例
最高裁判所第二小法廷昭和33年3月14日昭和29(あ)3810刑集 第12巻3号556頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 米国軍票を密輸入しようとして着衣等に隠匿して羽田空港税関内外貨申告所を通過しても、同税関内旅具検査所において職員に発見されたときは、未だ外国為替及び外国貿易管理法第四五条、第七〇条第一九号の無許可輸入罪は成立しない。 二 刑法第四八条二項の規定の適用が除外されている関税法違反の罪並びに外国為替並びに外国貿易管理法違…
参照法条旧関税法(明治32年法律61号)76条,旧関税法(明治32年法律61号)82条ノ4,外国為替及び外国貿易管理法45条,外国為替及び外国貿易管理法70条19号,外国為替管理令19条,昭和27年政令127号(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保…
少年法第六〇条にいう「人の資格に関する法令」と刑法第五六条、第五七条
最高裁判所第二小法廷昭和33年3月12日昭和32(あ)3063刑集 第12巻3号520頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨少年法第六〇条にいう「人の資格に関する法令」には、累犯加重に関する刑法第五六条、第五七条の規定を包含しない。
参照法条少年法60条,刑法56条,刑法57条
恐喝罪における害悪通知の方法
最高裁判所第一小法廷昭和33年3月6日昭和32(あ)2716刑集 第12巻3号452頁
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裁判要旨恐喝罪における害悪通知の方法には制限がないから、第一審判決判示の如く被告人が被害者に判示暴行を加え、さらに判事の如く申し受けて同人をして若しその要求に応じないときはさらに暴行等いかなる危害を加えるかも知れないと畏怖せしめたような場合には、暴行も恐喝罪の手段となり得る。
参照法条刑法249条
刑訴法四一一号第一号にあたらない事例
最高裁判所第三小法廷昭和33年3月4日昭和30(あ)271刑集 第12巻3号367頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨船舶により貨物密輸出の予備をなした場合において、その用に供した船舶を旧関税法第八三条によることなく刑法第一九条第一項第一号第二項により没収した違法があつても、右違法は未だ刑訴第四一一条第一号を適用すべきものとは認められない。
参照法条刑訴法411条1号,旧関税法(明治32年法律61号)83条,刑法19条1項1号,刑法19条2項
公訴事実の同一性を欠く一事例
最高裁判所第二小法廷昭和33年2月21日昭和30(あ)212刑集 第12巻2号288頁
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裁判要旨「被告人は昭和二七年一二月三〇日頃の午後一一時半頃肩書自宅において、Aが川崎市aB化学工業株式会社工場内より同工場長某の管理にかかる銅製艶付板三二枚(価格九万六千円相当)を窃取するに際し、同人から例の銅板を会社から持出すからリヤカーを貸して呉れと頼まれてこれを貸与しよつて同人の右窃盗の犯行を容易ならしめて幇助した」との…
参照法条刑訴法312条1項,刑法235条,刑法256条2項
一 刑法第一〇三条にいう「罪ヲ犯シタル者」の意義 二 捜査の存否と犯人蔵匿罪の成否
最高裁判所第三小法廷昭和33年2月18日昭和29(あ)2795刑集 第12巻3号359頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 昭和二四年(れ)一五六六号同二四年八月九日の当小法廷判決は刑法一〇三条にいわゆる「罪ヲ犯シタル者」は犯罪の嫌疑によつて捜査中の者をも含むと解釈すべきものであるとの趣旨であつて、捜査官憲が犯罪嫌疑によつて捜査するに至らない段階の犯罪者を含まないとの趣旨までを判示したものではないと解するを相当する。 二 真に罰金以上の…
参照法条刑法103条
心神耗弱と認めたことが経験則に違反しない事例
最高裁判所第三小法廷昭和33年2月11日昭和31(あ)721刑集 第12巻2号168頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨二つの精神鑑定書の各結論の部分に、いずれも、被告人が犯行当時心神喪失の情況にあつた旨の記載があつても、其部分を採用せず、右鑑定書全体の記載内容とその他の情況証拠とを綜合して、心神耗弱の事実を認定することは、必ずしも経験則に反するとはいえない。
参照法条刑訴法317条,刑訴法318条,刑訴法411条1号,刑訴法165条,刑法39条
裁判権ないし管轄権なくしてなされた刑法第五二条による刑を定める決定に対し法定の期間経過後になされた即時抗告
最高裁判所第三小法廷昭和33年2月11日昭和31(し)37刑集 第12巻3号355頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第五二条による刑を定める決定が裁判権ないし管轄権をなくしてなされたものであつても、右決定に対する即時抗告が法定の期間経過後になされたものである以上、不適法のものとして棄却を免れない。
参照法条刑法52条,旧刑訴法375条,旧刑訴法459条,旧刑法469条4号,旧刑法466条1項,昭和21年勅令第278号(陸軍運法会議法海軍軍法会議法及第1復員裁判所及第2復員裁判所廃止ニ関スル件)附則5項,昭和27年法律81号(右勅令廃止法律)
森林窃盗と刑法第二四四条
最高裁判所第三小法廷昭和33年2月4日昭和31(あ)731刑集 第12巻2号109頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨森林法第一九七条に定める森林窃盗罪についても、いわゆる親族相盗の関係を定めた刑法第二四四条が適用される。
参照法条森林法197条,刑法244条,刑法235条
いわゆる宝くじは刑法上の有価証券か
最高裁判所第一小法廷昭和33年1月16日昭和31(あ)2441刑集 第12巻1号25頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨当せん金附証票法によつて発行させられた当せん金附証票である第四回東北自治宝くじは刑法第一六二条第一項にいう「有価証券」にあたる。
参照法条当せん金附証票法2条,当せん金附証票法4条,当せん金附証票法11条,当せん金附証票法18条,刑法162条1項,刑法163条1項
労働組合法第一条第一項の目的達成のための正当行為と認められない事例
最高裁判所第三小法廷昭和32年12月24日昭和31(あ)686刑集 第11巻14号3349頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨鉱山会社の企業整備に伴う人員解雇の撤回要求貫徹のため、同会社の労働組合執行委員たる被告人が、執務中の同会社鉱務課長を強いて会社事務所外の組合本部前広場まで連行した上爾後約三時間四〇分の長きに亘り、組合員数百名と円陣を作つて取り囲み、その脱出を不能ならしめた上マイクを突きつけて解雇反対に協力方を執拗に迫り或は組合員大衆の…
参照法条憲法28条,労働組合法1条,刑法220条,刑法234条
設立中の株式会社の財産について横領罪の成立する一事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年12月19日昭和28(あ)5403刑集 第11巻13号3316頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨株式会社設立のため出資された資金によつて建設された建物が、会社設立前でも出資者の組合財産であると認められる場合は、その組合の事業を委されている者がこれを自己名義に保存登記をした上、自己の債務の弁済に供するため他に譲渡した場合は横領罪を構成する。
参照法条刑法252条,民法667条,民法668条,商法535条,商法536条
身分的共犯の処罰。
最高裁判所第三小法廷昭和32年11月19日昭和30(あ)3640刑集 第11巻12号3073頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨村長、助役が収入役と共謀の上、収入役の保管にかかる新制中学校建設資金の寄附金を横領したときは、刑法第六五条第一項により同法第二五三条に該当する共犯となるが、村長、助役は業務上物の占有者たる身分がないから、同法第二五二条第一項の刑を科すべきものである。
参照法条刑法65条,刑法253条,刑法252条
刑法第二五七条第一項にいう「同居」の意義。
最高裁判所第三小法廷昭和32年11月19日昭和32(あ)1938刑集 第11巻12号3093頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第二五七条第一項にいう「同居」とは、同一の場所で日常生活を共にするという意味であり、窃盗の本犯が賍物犯人の居宅に時々来訪して宿泊する事実があつても、定住性のない場合には、同居とはいえない。
参照法条刑法257条
一 刑法上の占有の意義 二 占有離脱物と認められない一事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年11月8日昭和32(あ)2125刑集 第11巻12号3061頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑法上の占有は人が物を実力的に支配する関係であつて、その支配の態様は物の形状その他の具体的事情によつて一様ではないが、必ずしも物の現実の所持または監視を必要とするものではなく、物が占有者の支配力の及ぶ場所に存在するを以つて足りる。 二 被害者がバスを待つ間に写真機を身辺約三〇糎の個所に置き、行列の移動に連れて改札口…
参照法条刑法235条,刑法254条
刑訴法第四一一条第一号にあたる一事例。―違法な保護観察の言渡―
最高裁判所第二小法廷昭和32年11月1日昭和29(あ)3170刑集 第11巻12号3037頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨有罪判決において刑の執行猶予を言い渡すにあたり、保護観察に付することを得ない場合であるにかかわらず、併せて保護観察に付する旨言い渡した第一審判決およびこれを看過した原判決は、共に違法であつて刑訴第四一一条第一号により破棄を免れない。
参照法条刑法25条1項,刑法25条2項,刑法(昭和29年法律57号による改正前および改正後のもの)25条ノ2,刑法の一部を改正する法律(昭和29年法律57号)附則2項,刑訴法411条1号
一罪の訴因を二罪と認定する場合と訴因の追加変更
最高裁判所第三小法廷昭和32年10月8日昭和30(あ)3499刑集 第11巻10号2487頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一個の窃盗として起訴せられたものを、訴因の追加変更の手続を経ないで、二個の窃盗と認定しても、公訴事実の同一性を失わずかつ被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞れがない限り、違法ではない。
参照法条刑訴法312条,刑訴法256条,刑法235条
補助者たる公務員が情を知らない上司を利用して虚偽の公文書を作成した場合の罪責
最高裁判所第二小法廷昭和32年10月4日昭和29(あ)3851刑集 第11巻10号2464頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨作成権限者たる公務員を補佐して公文書の起案を担当する公務員が、行使の目的で内容虚偽の公文書を起案し、情を知らない右上司を利用してこれを完成した場合は、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
参照法条刑法156条,刑法155条,刑法157条
第一審判決の不定期刑を第二審判決で定期刑に変更する場合における刑の軽重の比較
最高裁判所第二小法廷昭和32年9月18日昭和32(あ)1544刑集 第11巻9号2353頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第一審判決の不定期刑を第二審判決で定期刑に変更する場合において、両者の刑の軽重は、右第一審判決の不定期刑の中間位を標準とし、これを定期刑の刑期と比較対照して、その長い方を重いとする、いわゆる中間位説に従つて決すべきものである。
参照法条刑法10条,少年法52条,刑訴法402条
刑法第二三六条第二項の強盗罪の成立
最高裁判所第二小法廷昭和32年9月13日昭和31(あ)2368刑集 第11巻9号2263頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨犯人が債務の支払を免れる目的をもつて債権者に対しその反抗を抑圧すべき暴行、脅迫を加え、債権者をして支払の請求をしない旨を表示せしめて支払を免れた場合であると、右の手段により債権者をして事実上支払の請求をすることができない状態に陥らしめて支払を免れた場合であるとを問わずひとしく刑法第二三六条第二項の不法利得罪を構成するも…
参照法条刑法236条
障がい未遂と認むべき一事例
最高裁判所第三小法廷昭和32年9月10日昭和30(あ)1418刑集 第11巻9号2202頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人の犯行完成の意力を抑圧した原因が、本件のように、犯罪の完成を妨害するに足る性質の障がいに基くものと認められる場合は、いわゆる中止未遂ではなく、障がい未遂にあたると解するを相当とする。
参照法条刑法43条但書,刑法203条
刑法第二四三条第二四〇条後段の強盗殺人未遂罪の一罪として処断すべき事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年8月1日昭和31(あ)4203刑集 第11巻8号2065頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨人の金員を強取しかつその現場で同人を殺害しようと企て、実行に著手したが、強取の目的も殺害の目的も遂げなかつたという場合には、刑法第二四三条第二四〇条後段の強盗殺人未遂罪の一罪として処断すべきである。
参照法条刑法243条,刑法240条
一 刑法第一六二条にいわゆる「有価証券」の意義 二 電車定期乗車券の偽造と有価証券偽造罪
最高裁判所第一小法廷昭和32年7月25日昭和31(あ)4726刑集 第11巻7号2037頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑法第一六二条にいわゆる「有価証券」とは財産上の権利が証券に表示され、その表示された権利の行使につきその証券の占有を必要とするものをいい、その証券が取引上流通性を有すると否とは必ずしも問わないものと解すべきである。 二 電車定期乗車券の偽造は刑法第一六二条第一項の有価証券偽造罪を構成する。
参照法条刑法162条1項
密輸出未遂罪の成立する事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年7月19日昭和29(あ)2062刑集 第11巻7号1987頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨政府の免許を受けないで貨物を韓国へ密輸出しようと企て、門司市田の浦海上附近で韓国向けの韓国船に貨物を積み換える目的をもつて、宇品港で本邦船に貨物を積載、同港を出港、宇部港に寄港、同港を出港し、田の浦港に入港した際、門司市警察署員に検挙され、その目的を遂げなかつたときは、旧関税法第七六条第二項の密輸出未遂罪が成立する。
参照法条旧関税法76条2項,刑法43条本文
一 関税法による没収および追徴の性質 二 関税法の没収および追徴の規定の趣旨 三 想像的競合の関係にある数罪の処断と、没収または追徴の附加
最高裁判所第二小法廷昭和32年7月19日昭和29(あ)3590刑集 第11巻7号1996頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 昭和二七年法律第一九八号による改正後の関税法第八三条による没収および追徴は、国家が同法規に違背して輸入したる貨物またはこれに代るべき価額が犯則者の手に存在することを禁止し、もつて密輸入の取締を厳に励行せんとする趣旨に出たものであつて、被告人をして不正の利益を獲得せしめざるがため、これを剥奪することを本旨とするもので…
参照法条憲法29条,憲法31条,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)75条,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)76条ノ2,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)83条,刑法19条,刑法19条ノ2,刑法10条…
自首があつたとの主張と刑訴法第三三五条第二項
最高裁判所第一小法廷昭和32年7月18日昭和31(あ)4723刑集 第11巻7号1880頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨自首があつたとの主張は、刑訴第三三五条第二項の主張にあたらない。
参照法条刑法42条1項,刑訴法335条2項
一 強盗傷人とならない一事例 二 牽連犯の要件
最高裁判所第一小法廷昭和32年7月18日昭和31(れ)16刑集 第11巻7号1861頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 前夜岡山県下で強盗を行つて得た賍物を舟で運搬し、翌晩神戸で陸揚げしようとする際巡査に発見され、逮捕を免れるため暴行を加え、これを傷害した所為は、強盗傷人ではなく、強盗と公務執行妨害、傷害との罪が成立する。 二 牽連犯が成立するためには犯人が主観的に数罪の一方を他方の手段または結果の関係において実行したというだけでは…
参照法条刑法240条,刑法238条,刑法236条,刑法95条,刑法204条,刑法54条
一 飼犬が所有者の事実上の支配を及ぼし得ない地域に出遊した場合とその所持 二 法定刑(懲役刑)を同じくするが種類を異にする数個の犯罪を併合加重する場合と法令適用の判示方
最高裁判所第三小法廷昭和32年7月16日昭和30(あ)2908刑集 第11巻7号1829頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 飼犬が時に所有者の事実上の支配を及ぼし得べき地域外に出遊した場合でも、その習性として所有者の許に帰来するのを常としているものは、特段の事情の生じないかぎり、所有者の所持を離れたものということはできない。 二 窃盗、傷害(懲役刑選択)、恐喝の三罪につき併合罪の加重をする場合、いずれの罪を最も重いと認めて加重をしたかを…
参照法条刑法235条,刑法47条,刑法10条,刑訴法335条1項
刑法第五六条第一項にいう「五年内ニ更ニ罪ヲ犯シ有期懲役ニ処ス可キトキハ」の意義
最高裁判所第二小法廷昭和32年6月29日昭和32(あ)188刑集 第11巻6号1801頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第五六条第一項に「五年内ニ更ニ罪ヲ犯シ有期懲役ニ処ス可キトキハ」とあるのは、前犯の刑の執行を終つた日または執行の免除があつた日から五年の期間内に後犯が行われればよいので、後犯に対する裁判がこの期間内に言渡されることを必要としないものと解すべきである。
参照法条刑法56条1項
日本電信電話公社の職員の作成すべき文書は公文書か
最高裁判所第一小法廷昭和32年6月27日昭和31(あ)1800刑集 第11巻6号1741頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨日本電信電話公社職員たる信越電気通信局支出役名義の文書は、公文書である。
参照法条刑法155条,刑法7条,日本電信電話公社法18条,日本電信電話公社法35条
刑法第一〇八条にいう「人」の意義
最高裁判所第二小法廷昭和32年6月21日昭和29(あ)805刑集 第11巻6号1700頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一〇八条にいう「人」とは、犯人以外の者を指称する。
参照法条刑法108条
刑訴法第四〇〇条但書に違反する一事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年6月21日昭和30(あ)2244刑集 第11巻6号1721頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨強姦致傷の公訴事実について第一審が、単なる傷害罪と認定処断したのに対し、控訴審が何ら自ら事実の取調をしないで第一審判決を事実誤認があるとして破棄し、訴訟記録並びに第一審で取り調べた証拠のみによつて、直ちに強姦致傷の事実を認定処断することは、刑訴第四〇〇条但書に違反するものである。
参照法条刑法204条,刑法181条,刑訴法400条
一 商品のラベルに押捺された物品税表示証の表示(検印)の性質 二 右表示(検印)の偽造と模造との区別 三 物品税の逋脱を図つた罪が成立する一事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年6月8日昭和29(あ)4126刑集 第11巻6号1616頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 商品のラベルに押捺された物品税表示証の表示(検印)は、刑法第一六六条にいう公務所の記号にあたる。 二 右表示(検印)の偽造も模造もともに真正の検印を模擬するものであるが、その模擬の程度が通常人をして真正のものであるという印象を与える程度のものであるときは偽造であり、その程度に至らないときは模造であると解すべきである…
参照法条刑法166条,物品税法16条ノ2,物品税法16条ノ3,物品税法8条,物品税法10条,物品税法施行規則37条ノ4,物品税法施行規則37条ノ6,物品税法施行規則37条ノ7,昭和26年5月25日大蔵省告示678号,印紙等模造取締法1条
刑法第一七四条および第一七五条にいう公然の意義
最高裁判所第二小法廷昭和32年5月22日昭和32(あ)441刑集 第11巻5号1526頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一七四条および第一七五条にいう公然とは、不特定または多数の人が認識することのできる状態をいう。
参照法条刑法174条,刑法175条
一 刑訴法第二条第一項にいわゆる「現在地」の意義 二 被告人の黙秘権と偽証教唆罪の成否 三 証人の証拠拒絶権と偽証罪の成否
最高裁判所第三小法廷昭和32年4月30日昭和29(あ)3965刑集 第11巻4号1502頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑訴第二条第一項にいわゆる「現在地」とは、公訴提起の当時被告人が任意または適法な強制処分によつて現在する地域をいう。 二 被告人に黙秘権があるからといつて他人に虚偽の証言をするように教唆したときは、偽証教唆罪が成立する。 三 証人が証言拒絶権を有する事項であつても宣誓の上虚偽の供述をすれば偽証罪が成立する。
参照法条刑訴法2条1項,刑訴法311条1項,刑訴法146条,刑訴法154条,刑法61条1項,刑法169条
偽造外国通貨行使罪にあたる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年4月25日昭和31(あ)3634刑集 第11巻4号1480頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨偽造に係る内国に流通するアメリカ合衆国政府発行のドル表示軍票を邦貨と両替する行為は刑法第一四九条第二項に規定する偽造外国通貨行使罪にあたる。
参照法条刑法149条
一 刑法第二六一条の器物損壊罪が成立する事例 二 刑法第一三〇条にいう「人ノ看守スル邸宅」と認められる事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年4月4日昭和31(あ)2696刑集 第11巻4号1327頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働争議中、労組組合員が、某会社の二階庇に掲げてあつた第二組合の木製看板を取り外し、これを同所から一四〇米離れた他家の板塀内に投げ棄てた場合および同会社の事務所土間に置いてある第二組合員家族より同組合員宛ての輸送小荷物に取りつけてあつた荷札を剥ぎ取り、これを持ち去つた場合には、いずれも刑法第二六一条の器物損壊罪が成…
参照法条刑法261条,刑法130条,軽犯罪法1条33号,軽犯罪法1条32号,労働組合法1条
一 刑訴法第三九〇条の合憲性 二 被告人の上訴を棄却する場合とその審級における未決勾留日数の通算
最高裁判所第一小法廷昭和32年3月28日昭和31(あ)3965刑集 第11巻3号1306頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑訴法第三九〇条は憲法第三一条に違反しない。 二 上訴裁判所は、被告人の上訴を棄却する場合においても、その審級における未決勾留日数を本刑に算入することができる。
参照法条刑訴法390条,刑訴法495条,憲法31条,刑法21条
同一旅館内での窃盗と強盗とが併合罪となる事例
最高裁判所第三小法廷昭和32年3月5日昭和31(あ)3863刑集 第11巻3号989頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨同一旅館内において宿泊客の所有物を窃取した後、女中を脅迫して主人の所有物件を強取した場合は、窃盗罪と強盗罪との併合罪になると解すべきである。
参照法条刑法45条,刑法235条,刑法236条
禁錮刑に処すべき場合と累犯加重
最高裁判所第一小法廷昭和32年2月21日昭和31(あ)2133刑集 第11巻2号900頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第五六条第一項、第五七条のいわゆる累犯加重の規定は、有期懲役に処すべきときに適用があるのであつて、禁錮刑に処すべきときに適用すべきものではない。
参照法条刑法56条1項,刑法57条
刑訴法第四一一条第一号第三号にあたる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年2月14日昭和26(あ)5023刑集 第11巻2号696頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨贈収賄被告事件において、不可分の供述の一部をとつて全体の意味と異る趣旨を認定して職務に関する饗応を認めた判決は証拠法の違反があると共に事実の誤認があつて刑訴第四一一条第一号第三号によりこれを破棄した上無罪の言渡をすることができる。
参照法条刑訴法317条,刑訴法318条,刑訴法411条,刑訴法413条,刑法197条,刑法198条
一 供出完了後のいわゆる余剰米に関する食糧管理法第九条第一項、同施行令第六条の適用の合憲性 二 食糧管理法違反罪における買受米の換価金の没収 三 懲役と罰金とを併科し、更に附加刑として換価金の没収を科することの可否
最高裁判所第二小法廷昭和32年2月8日昭和29(あ)3450刑集 第11巻2号539頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 生産者の供出完了後のいわゆる余剰米といえども、食糧管理法第九条第一項同施行令第六条適用の対象となり、その規定に違反した者に対し、同法第三一条第三四条を適用して処断することは憲法第二九条に違反するものではない。 二 所論換価金は、被告人が本件犯行によつて得た米の換価金であるから、ひつきよう米そのものと同視すべきもので…
参照法条食糧管理法9条1項,食糧管理法31条,食糧管理法34条,食糧管理法施行令6条,憲法29条,刑法19条,刑訴法122条
公印偽造罪が成立する事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年2月7日昭和31(あ)1042刑集 第11巻2号530頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨小野田市長名義の転出証明書を偽造しようと企て、これに押捺するために一見して小野田市長Aの印章と誤信させるような「小野田市長印」「A」なる不可分の関係に立つ二個の印章を作成偽造した以上、たとえAが市長選挙に落選してその職を退いていたとしても、公印偽造の罪が成立する。
参照法条刑法165条
一 未完成の弁解録取書は刑法第二五八条の「公務所ノ用ニ供スル文書」にあたるか 二 公文書毀棄罪の成立する一事例
最高裁判所第三小法廷昭和32年1月29日昭和29(あ)2424刑集 第11巻1号325頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨司法警察員が刑訴二〇三条に基き被疑者に対し被疑事実の要旨および弁護人を選任し得る旨を告げ、被疑者がこれに対する供述をしたので、その旨を記載した弁解録取書原本を執筆し、これを読み聞かせ誤の有無を問うたところ被疑者が黙秘したため、司法警察員がその旨の文言の一部を末尾に記載した場合においては、いまだ被疑者および司法警察員の署…
参照法条刑法258条,刑訴法203条,刑訴規則58条
因果関係が存在すると認められる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年1月24日昭和30(あ)2207刑集 第11巻1号230頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人(国鉄信号保安係員)が駅構内ポイントの夜間用標識燈を上下線開通方向に一致させないで取り付けた業務上過失と、列車の機関車の脱線との間には、その間に、転轍手の尖端軌条密着の有無を確認すべき義務を怠つた過失および駅長代理の信号レバーが引けず連動装置が動作しないのにその原因を確認しないまま代用手信号によつて列車を発車させ…
参照法条刑法129条
海中に取り落した物件について所持の認められる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年1月24日昭和30(あ)4090刑集 第11巻1号270頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨海中に取り落した物件については、落主の意にもとづきこれを引き揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、その人が該物件をその附近で発見したときは、依頼者がその発見された事実を知らなくても、依頼者はその物件に対し所持即ち事実上の支配管理を有するものと解すべきである。
参照法条刑法235条,刑法254条
刑法第一六二条第二項にいわゆる「虚偽ノ記入」の意義
最高裁判所第一小法廷昭和32年1月17日昭和28(あ)5589刑集 第11巻1号23頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法第一六二条第二項にいわゆる「虚偽ノ記入」とは、既成の有価証券に対すると否とを問わず、有価証券に真実に反する記載をするすべての行為をいう。
参照法条刑法162条2項
いわゆる無記名定期預金証書偽造の罪の適条。
最高裁判所第一小法廷昭和31年12月27日昭和31(あ)2114刑集 第10巻12号1798頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨いわゆる無記名定期預金証書を偽造する所為は、私文書偽造の罪にあたる。
参照法条刑法159条,刑法162条
無期懲役刑の合憲性
最高裁判所第三小法廷昭和31年12月25日昭和31(あ)3215刑集 第10巻12号1711頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨無期懲役刑は憲法第一三条第三一条に違反しない。
参照法条刑法12条,憲法13条,憲法31条
昭和三〇年法律第五一号による銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正と刑の廃止
最高裁判所第三小法廷昭和31年12月25日昭和31(あ)667刑集 第10巻12号1701頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨昭和三〇年法律第五一号による銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正前に業務その他正当な理由がなく刃渡一五センチメートル未満のあいくち(七首)を携帯した所為については、右改正により刑の廃止があつたものということはできない。
参照法条銃砲刀剣類等所持取締令1条2項,銃砲刀剣類等所持取締令2条,銃砲刀剣類等所持取締令15条,銃砲刀剣類等所持取締令26条1号,銃砲刀剣類等所持取締令27条,銃砲刀剣類等所持取締令(昭和30年法律51号による改正前)1条,銃砲刀剣類等所持取締令…
刑訴法第四〇〇条但書に違反する一事例
最高裁判所第二小法廷昭和31年12月14日昭和28(あ)2891刑集 第10巻12号1655頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第一審裁判所が鑑定その他の証拠調をした上、被告人には是非善悪を弁別しこれに基いて行動する能力があると認めるに足る精神状態の存在は認められないから被告人は犯行当時心神喪失の状態にあつたとして無罪の判決を言渡したのに、控訴審が何ら事実の取調をしないで訴訟記録および第一審裁判所で取り調べた証拠だけによつて第一審判決を破棄し、…
参照法条刑法39条,刑訴法400条但書
一 期待可能性の不存在を理由として刑事責任を否定する場合、法文上の根拠を示すことを要するか 二 いわゆるピケツテイングが威力業務妨害罪にあたらない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和31年12月11日昭和24(れ)2273刑集 第10巻12号1605頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 論旨は、原判決は被告人の所為について期待可能性がないとしてその刑事責任を否定したのであるが、その根拠としてはただ漫然条理上責任を阻却するというに止まり、何故期待可能性なき場合には刑事責任が排斥されるかを成文との繋りにおいて明示してその法的根拠を充分に説示していないから、結局裁判に理由を附せず又は判決に示すべき判断を…
参照法条刑訴法44条,刑法234条,刑法35条,労働組合法1条,裁判所法11条
最高裁 / 民集登載3件
一 債権者からの差押を免れるためにした不動産の仮装売買が不法原因給付にあたらないとされた事例 二 代表取締役の欠けている株式会社の訴提起と民訴法第五八条第五六条の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和41年7月28日昭和40(オ)740民集 第20巻6号1265頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社が債権者からの差押をうけるおそれがあつたので、第三者が当該会社の財産管理処分の任にあたつていた取締役と図り、会社所有の不動産につき売買を仮装して、自己の名義に所有権移転登記手続を経由した場合において、やがて会社に対し右不動産の所有名義を返還すべきことを知悉していたなど、判示事実関係のもとでは、第三者は民法第七〇…
参照法条民法708条,刑法96条の2,民訴法58条,民訴法56条
強制執行を免れるためにした財産の仮装譲渡が不法原因給付にあたらないとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和37年6月12日昭和33(オ)183民集 第16巻7号1305頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺産相続人が、被相続人の債権者からの強制執行を免れるために、相続財産である不動産につき売買を仮装して、第三者に対する所有権移転登記を経由した場合であつても、右登記が当該第三者の主導的提唱に基づきなされたものであり、当時右不動産につき強制執行を受けるべき差し迫つた具体的危険が認め難いなど、判示事実関係のもとでは、右仮装譲…
参照法条民法708条本文,刑法96条ノ2
一 刑の執行猶予と恩給需給資格 二 刑の執行猶予期間の経過と恩給受給資格
最高裁判所第二小法廷昭和37年1月19日昭和35(オ)599民集 第16巻1号92頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 在職中禁錮以上の刑に処せられた者は、刑の執行を猶予された場合でも恩給を受ける資格を失う。 二 在職中禁錮以上の刑に処せられ恩給を受ける資格を失つた者は、執行猶予期間中執行猶予の言渡を取り消されることなくして猶予期間を経過しても右の資格を回復しない。
参照法条恩給法51条,刑法25条1項,刑法27条
該当する裁判例がありません。