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最高裁 / 裁判集登載205件
無縁墓地の解釈
最高裁判所第三小法廷昭和38年7月30日昭和36(あ)842集刑 第147号897頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨無縁墓地の解釈に関する原判決の判示は、相当である。 (原判示の要旨)無縁墓地とは、これに葬られた死者を弔うべき縁故者等がいなくなつた墓のある土地の意と解すべく、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第三条の無縁墳墓改葬に関する規定の趣旨に鑑みてもかく解するのが相当である。単に墓地の管理寺院と墓地の使用者又はその縁故者とが無関…
参照法条刑法189条,墓地、埋葬等に関する法律2条,墓地、埋葬等に関する法律5条2項,同法施行規則2条,同法施行規則3条
公訴事実の同一性ありと解された事例。―勾留状の被疑事実(窃盗)と起訴状の公訴事実(賍物故買)―
最高裁判所第一小法廷昭和38年7月25日昭和36(あ)2837集刑 第147号863頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論勾留状の被疑事実(窃盗)と所論起訴状の公訴事実(賍物故買)との間には、公訴事実の同一性ありと解するのが相当である。注、所論の (勾留状の被疑事実)被疑者は昭和三五年八月一六日午前一一時頃より同日午後四時〇分頃迄の間東京都品川区abの)c番地通信員A方において同人所有に係る現金六千円及びトランジスターラジオ(時価金八…
参照法条刑法235条,刑法256条2項,刑訴法64条,刑訴法256条,刑訴法312条
原判決が、いわゆる「ひき逃げ」事件に関し、既になされた高等裁判所の判例および原判決後になされた右判例と同趣旨の最高裁判所の判例と相反する判断をしている場合と破棄理由。
最高裁判所第二小法廷昭和38年7月19日昭和37(あ)1918集刑 第147号851頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨車両等の運転者等が、交通事故を起しながらいわゆる「ひき逃げ」をした場合には、道路交通法第七二条第一項前段の救護等の義務違反の罪と同項後段の報告義務違反の罪とが成立し、両者は併合罪の関係に立つものと解すべきことは、当裁判所大法廷判決(昭和三七年(あ)第五〇二号、同三八年四月一七日宣告)の示すところである。してみると、これ…
参照法条道路交通法72条,道路交通法117条,道路交通法119条10号,刑法211条前段,刑法45条,刑訴法405条3号,刑訴法410条1項
贈賄罪の事実認定につき訴因変更の手続を要しないとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和38年7月12日昭和36(あ)1881集刑 第147号791頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が販売した不正な収入印紙および取引高税印紙を貼付使用の登記申請書を審査校合し右不正印紙類を黙認の上登記手続を完了して貰つたことの報酬として金員を供与した旨の訴因に対し、被告人が販売した不正な収入印紙および取引高税印紙を貼付使用の登記申請書を受理し、該印紙類の正不正を審査確認するに当り、厳重な審査をなすことなく、右…
参照法条刑法198条,刑法197条ノ3,刑訴法312条,刑訴法256条3項,印紙犯罪処罰法2条1項前段
刑法第一八一条所定の傷害と同法第二〇四条所定の傷害の差異。
最高裁判所第三小法廷昭和38年6月25日昭和38(あ)572集刑 第147号507頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨軽微な傷でも、人の健康状態に不良な変更を加えたものである以上、刑法所定のいわゆる傷害に該当するものであつて、同法
第一八一条〈株主に対する通知等〉所定の傷害を同法第二〇四条所定の傷害と別異に解釈すべき特段の事由は存しないこと、当裁判所の判例(昭和三四年(あ)第一六八六号同三七年八月二一日第三小法廷決定参照)の趣旨に徴し、明らかである。
参照法条刑法181条,刑法204条,刑法177条前段
刑法第二一八条後段にいう被保護者の生存に必要なる保護をなさない罪に該当するとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和38年5月30日昭和37(あ)1521集刑 第147号409頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決の支持した第一審判決の認定にかかる事実関係、すなわち、被告人が、実子Aが昭和三五年一二月頃身体が極度に衰弱し、両足が凍傷にかかり、昭和三六年二月初め頃には足趾が欠除し、歩行不可能となり、かつ常時鼻血をにじませており、次いで同年二月末頃には左手上腕部を骨折し、左手全体が極度に腫張し、日常の動作が不自由となつた事態に…
参照法条刑法218条1項後段
公共企業体等労働関係法第一七条違反の争議行為と労働組合法第一条第二項。
最高裁判所第二小法廷昭和38年3月15日昭和37(あ)242集刑 第146号723頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公共企業体等労働関係法第一七条に違反してなされた争議行為に対しては、労働組合法第一条第二項の適用はない。
参照法条公共企業体等労働関係法17条,労働組合法1条2項,刑法95条1項,刑法95条204条,刑法95条35条
従犯の主張と刑訴法第三三五条第二項。
最高裁判所第三小法廷昭和38年2月26日昭和35(あ)2264集刑 第146号431頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨従犯の主張は刑訴法第三三五条第二項の主張にあたらない。
参照法条刑法63条,刑訴法335条2項
刑法第二〇五条は憲法第一四条に違反するか。
最高裁判所第二小法廷昭和38年2月22日昭和37(あ)2451集刑 第146号419頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨故意犯である刑法第二〇五条に該当する者が、過失犯である同法第二一〇条、第二一一条に該当する者よりも重く処罰されるのは、故意による傷害致死行為という行為の属性に由来するのであつて、人によつて差別を設けたものではなく、人の地位、身分による区別ではないのであり、何人にも適用される法条なのである。従つて刑法第二〇五条は憲法第一…
参照法条憲法14条,刑法205条,刑法210条,刑法211条
関税法第一一〇条第二項の合憲性。
最高裁判所第三小法廷昭和38年1月22日昭和37(あ)1240集刑 第146号41頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨関税法第一一〇条第二項の定める刑は、その所定刑期又は罰金額の範囲内で未遂の事情を参酌して、未遂減軽の規定が存する場合と実質的に同一の刑を量定する余地が十分あるのであつて、このような法定刑の定め方を以て一般刑法に比し不合理として憲法第三一条に違反するということはできない。このことは当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一〇三…
参照法条関税法110条1項,関税法110条2項,憲法31条,刑法43条,刑法66条
理由にくいちがいがないとされた事例。 ――広義における殺意を認定した第一審判決を控訴審が少くとも殺害の未必的故意があつたと認定して事実誤認の主張を排斥した事例。
最高裁判所第三小法廷昭和37年11月20日昭和37(あ)1661集刑 第145号143頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨第一審判決は広義における殺意を判示したに止まるのであるから、原判決が事実誤認の論旨につき少くとも殺害の未必的故意のあつたことを認定して事実誤認がない旨判示しても、理由齟齬の生じないことは明らかである。
参照法条刑訴法414条,刑訴法378条4号,刑法199条
入札日前日の契約保証金の増額発表と不正談合罪の成否。
最高裁判所第二小法廷昭和37年10月24日昭和34(あ)2237集刑 第144号781頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨契約保証金に関する原判決の判示は正当である。 (原判決判示の要旨) 入札の目的物件の数量、範囲等に関して入札施行者側の手落などにより隠れたかしのあつたことが後日発見されたため、当該入札において公正なる価格の形成が期待されなかつたような場合は格別、契約保証金の増額が入札日の前日入札参加者に公知されたからといつてこれを以て…
参照法条刑法96条の3
同一の公文書に関する有形偽造と無形偽造との認識の齟齬。
最高裁判所第三小法廷昭和37年7月17日昭和34(あ)1320集刑 第143号415頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同一の公文書に関する有形偽造と無形偽造とは、罪質を同じくし、その間の認識の齟齬は、実行せられた偽造の結果に対する故意の責任を阻却するものでなく、かつ両者その法定刑を同じくするから、刑法三八条二項の制約を受けるものではない。
参照法条刑法38条1項,刑法38条2項,刑法155条,刑法156条
東京特別調達局管財部長と公務員。
最高裁判所第二小法廷昭和37年7月6日昭和32(あ)1415集刑 第143号353頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨東京特別調達局管財部長は、法令によつて公務に従事する官吏たる公務員である。
参照法条刑法7条,(旧)特別調達庁組織規程69条
告訴権の抛棄。
最高裁判所第三小法廷昭和37年6月26日昭和37(あ)399集刑 第143号205頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨強姦未遂の被害者の法定代理人は告訴権の抛棄をすることはできず、従つて右被害者の検察官に対する告訴は有効であるとする原判示は相当である。
参照法条刑法177条,刑法179条,刑法180条,刑訴法230条,刑訴法231条,刑訴法237条
勝敗の未決、賭金の授受に至らなかつた場合と賭博罪の成立。
最高裁判所第三小法廷昭和37年6月26日昭和37(あ)618集刑 第143号213頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨金銭を賭けて麻雀遊技をした以上、勝敗を決するに至らず、また賭金の授受がなされるに至らなかつたとしても、賭博罪の成立に欠けるところはない。
参照法条刑法185条
親告罪の告訴と起訴状記載の要否。
最高裁判所第二小法廷昭和37年6月15日昭和37(あ)613集刑 第143号159頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨親告罪の告訴は、訴訟条件であつて、公訴事実に属しないから、被害者から告訴のあつたことを起訴状に記載する必要はない。
参照法条刑訴法256条2項,刑訴法230条,刑法177条,刑法180条
業務上横領罪が成立するとした事例。
最高裁判所第一小法廷昭和37年6月14日昭和36(あ)1662集刑 第143号89頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人の保管にかかる前示銀行に対する預金を引出し業務上保管中擅にその全部又は一部を着服して横領しこれを銀行における自己の預金口座に振替えた場合は横領罪の成立を妨げないものと解すべきである。
参照法条刑法252条,刑法253条
訴因、罰条の変更手続を要しないとされた事例―職業安定法第六三条第一項と同法第六四条第一号第三二条第一項本文刑法第六〇条
最高裁判所第三小法廷昭和37年6月5日昭和36(あ)102集刑 第143号15頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 被告人は甲女と同棲中同女を働かせてその周旋料を取得しようと企て肩書住居において同女に対し短刀を示しながら「逃げたら只ではおかんぞ」と申し向けて同女を脅迫し昭和三四年二月二八日頃料理店AことBに対し、同女を同人方女給として雇入方斡旋し、もつて脅迫による職業紹介を行つたものであるとの職業安定法六三条一項該当の公訴事実と…
参照法条刑訴法256条,刑訴法312条,職業安定法63条1項,職業安定法64条1号,職業安定法32条,刑法60条
占有離脱物と認められないとした事例
最高裁判所第二小法廷昭和37年5月18日昭和35(あ)2073集刑 第142号217頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨列車の終着駅で出口近くの座席に乗つていた被害者が網棚の上にシヨルダーバツグを置き忘れたまま下車し、同一車内の他の乗客はまだ全部降りきらないうちに、かねて乗客の持物を狙つて乗車していた犯人がこれを持ち去つたという事情の下においては右シヨルダーバツグは、未だ被害者の占有を離れたものではないと認むべきである。
参照法条刑法254条,刑法235条
刑法第二五条第二項但書の法意
最高裁判所第二小法廷昭和37年5月18日昭和36(あ)2694集刑 第142号279頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法二五条二項但書の規定が、懲役または禁錮の執行を猶予され且つ猶予の期間中保護観察に付された者に対し、その期間内に犯した罪について、一年以下の懲役または禁錮の刑を言渡す場合においても、その刑の執行を猶予することを得ないとしているのは、かかる犯人には、再度の執行猶予を相当とする情状がないとするによるものであつて、裁判所の…
参照法条刑法25条2項但書
配炭公団の役職員のした寒冷地手当、退職手当、税金立替等の不法支出につき期待可能性なしとして無罪を言い渡した原判決を破棄し、業務上横領罪の成立を認めた事例
最高裁判所第三小法廷昭和37年5月1日昭和33(あ)2284集刑 第142号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が公訴事実一の別表一(3)ないし(6)及び二ないし八の寒冷地手当、退職手当、税金立替金等の各支出行為をなしたる事実が適法に認定されるにおいては、たとえそれが原審の支持する第一審判決認定の如き特別事情の下において行われたものであつても、これにより右支出行為が業務上横領の犯意を欠くものとし又は刑法三五条ないし三九条の…
参照法条刑法253条,刑法35条,刑法38条1項
賭博常習者と憲法第一四条にいう「社会的身分」
最高裁判所第三小法廷昭和37年4月24日昭和35(あ)2683集刑 第141号915頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨賭博常習者というのは、賭博を反覆する習癖、即ち犯罪者の属性による刑法上の身分であるが、憲法一四条にいわゆる社会的身分と解することはできないから刑法一八六条の規定をもつて憲法一四条に違反するものであるとすることができない。
参照法条刑法186条,憲法14条
一 賄賂供与申込罪の成立と相手方の賄賂たることの認識の要否 二 証拠により認定した事実を他の事実の証拠とすることの適否 三 刑訴法第四一一条第二号に該当し、刑の執行を猶予するのが相当であるとした事例
最高裁判所第二小法廷昭和37年4月13日昭和34(れ)2集刑 第141号789頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 賄賂供与申込罪の成立には、相手方に賄賂たることを認識し得べき事情の下に金銭その他の利益の収受を促す意思表示をなせば足りるのであつて、相手方において実際上その意思表示を又はその利益が賄賂たる性質を具有することを認識すると否とは、同罪の成立に影響を及ぼすものではない。 二 証拠によつて認定した或る事実を他の事実の証拠と…
参照法条刑法198条,刑法25条1項,経済関係罰則の整備に官する法律5条,旧刑訴法336条,旧刑訴法360条1項,刑訴法317条,刑訴法335条1項,刑訴法411条2号
旧酒税法(昭和一五年法律第三五号)第六六条本文の合憲性
最高裁判所第二小法廷昭和37年4月13日昭和36(あ)2391集刑 第141号823頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨旧酒税法(昭和一五年法律第三五号)六六条本文が罰金刑ついて刑法六六条の規定を排除したからといつて、憲法一三条、七六条三項に違反するということはできない。
参照法条旧酒税法(昭和15年法律35号)66条,憲法13条,憲法76条3項,刑法66条
少年法第六〇条にいう「人の資格に関する法令」には刑の執行猶予に関する刑法第二五条の規定は含まれるか
最高裁判所第三小法廷昭和37年4月10日昭和34(あ)1689集刑 第141号741頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨少年法六〇条にいう人の資格に関する法令には、刑の執行猶予に関する刑法二五条の規定の如きはこれを包含しないものと解すべきである。
参照法条少年法60条,刑法25条
占有離脱物と認められない事例
最高裁判所第二小法廷昭和37年3月16日昭和35(あ)1041集刑 第141号511頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被害者が電車道寄りの歩道端に在つた塵箱の上に革製シヨルダーバツク(カメラ等在中)とカメラの三脚とを置いて右塵箱から約七米離れた店舗内に入り表戸を開けたまま短時間(約五分間)店内にとどまつていたにすぎない場合には、右シヨルダーバツクは被害者の占有を離れたものとはいえない。
参照法条刑法235条,刑法254条
横領罪の成立する事例―持分権のある共同預入名義の普通預金からの払戻
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月15日昭和36(あ)1195集刑 第141号463頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原審の認定したところによれば、第一審判決判示第二事実の預金につき、所論のように被告人に持分権があつたとしても、該預金は、被告人とAとの共同預入名義となつていて、被告人の勝手に引出せないものであるにかかわらず、被告人がこれをほしいままに払戻を受けたというのであるから、右被告人の行為が横領罪に当ることは当然である。
参照法条刑法252条
重過失致死罪の成立を認めた事例。―放火後の注意義務
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月1日昭和36(あ)465集刑 第141号377頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決の是認した第一審判決は、(註。被告人は材料置場に置いてある油に放火するときは、A方及びその附近の家屋に延焼し、同家屋居住者の生命身体に危害を及ぼすに至る虞のあることは少し注意すれば容易に予見できたのに拘らず……憤激の余り漫然所携のマツチで右油槽内のシンナ、白灯油等に放火した。)被告人は燃えている物に蒲団、砂をかけ…
参照法条刑法38条1項,刑法110条1項,刑法211条後段
変造にかかる預金通帳による変造金額の払戻請求と詐欺罪成立の範囲
最高裁判所第二小法廷昭和37年1月12日昭和34(あ)810集刑 第141号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨真実の預金額よりも多額に変造した預金通帳を行使して、払戻名義の下にその変造金額の交付を受けたときは、その全額につき詐欺罪が成立する。
参照法条刑法246条1項,刑法162条,刑法163条
判例違反が判決に影響を及ぼさない事例―刑法第一九条第一項各号の適用の誤り。
最高裁判所第三小法廷昭和36年12月19日昭和36(あ)2043集刑 第140号493頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決は、刑法一九条一項三号、二項により押収にかかる「A印」と刻してある丸型印鑑一個を被告人らから没収するとしていること所論のとおりであつて、論旨引用の大審院昭和七年(れ)第六七五号同年七月二〇日判決の趣旨に相反するわけであるが、原判決が刑法一九条を適用して所論の印章を没収している以上、同条一項各号の適用に誤があつても…
参照法条刑訴法401条1項,刑訴法405条3号,刑法19条1項2号,刑法19条1項3号
前科を量刑上参酌することと憲法第三九条。
最高裁判所第二小法廷昭和36年12月15日昭和36(あ)2030集刑 第140号459頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決が被告人の前科を量刑上参酌したからといつて何ら憲法三九条に違反するものでないことは、当裁判所大法廷判決(昭和二四年(れ)第一二六〇号、同年一二月二一日宣告、刑集三巻一二号二〇六二号)の趣旨に照らし明らかである。
参照法条刑法56条,刑法57条,憲法39条
刑法第一八条は憲法第一三条、第一四条に違反するか。
最高裁判所第二小法廷昭和36年12月15日昭和36(あ)2081集刑 第140号465頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法一八条が憲法一三条、一四条に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第一八九〇号、同二五年六月七日大法廷判決、刑集四巻六号九五六頁)の趣旨に徴し明らかである。
参照法条刑法18条,憲法13条,憲法14条
刑訴法第四一一条にあたらない事例―心神耗弱の主張に対する判断遺脱。
最高裁判所第一小法廷昭和36年11月30日昭和36(あ)1761集刑 第140号301頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨弁護人の上告趣意第一点につき記録を調べて見ると原審弁護人は控訴趣意第一点において被告人のAに対する所為は心神耗弱に出たものであることを主張したにかかわらず原判決がこれに対し何等判断を示さなかつたことは違法たるを免れない。しかし、被害者Aに対する供述調書によれば、かかる主張事実を認められないから、右の違法は、原判決を破棄…
参照法条刑訴法411条1号,刑訴法335条2項,刑法39条2項
訴因変更手続を要しない事例―業務上横領と単純横領。
最高裁判所第二小法廷昭和36年11月10日昭和33(あ)1581集刑 第140号77頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件の如く、業務上横領罪の訴因を肯定した第一審判決の認定に対し、被告人が控訴審において判示金員に対する被告人の占有は業務に基くものでないから業務上横領罪が成立しない旨抗争している場合において控訴審が右の主張を理由があるとして単純横領罪と認定するには訴因変更の手続を経ることを要しないものと解する。
参照法条刑訴法312条,刑法252条,刑法253条
心神喪失の状態にあつたものとすることはできないとした事例−智能年令との関係。
最高裁判所第三小法廷昭和36年10月31日昭和36(あ)1867集刑 第139号813頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人の智能年令が、本件犯行当時九歳ないし一一歳相当であつたとしても、そのため直ちに被告人が心神喪失の状態にあつたものとすることはできない旨の原判示は、相当である。
参照法条刑法39条,刑訴法318条
無期懲役と未決勾留日数の算入。
最高裁判所第三小法廷昭和36年10月10日昭和36(あ)1299集刑 第139号545頁
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裁判要旨被告人を無期懲役に処する場合においても、未決勾留日数を本刑に算入することができないものではない。
参照法条刑法12条,刑法21条
保安庁第一幕僚監部厚生課長が保安庁共済組合の実務主掌者として行う同組合の事務は刑法第七条にいう公務に属するか。
最高裁判所第三小法廷昭和36年10月3日昭和32(あ)2663集刑 第139号471頁
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裁判要旨保安庁第一幕僚監部厚生課長が昭和二三年六月三〇日法律第六九号(旧)国家公務員共済組合法七条により同時に保安庁共済組合の実務主掌者として行う同組合の事務は刑法七条にいう公務に属するものと解すべきである。
参照法条刑法7条,刑法197条,(旧)国家公務員共済組合法(昭和23年6月30日法律第69号)7条,保安庁第一幕僚監部組織規程(昭和27年総理府令第45号)19条
変造した自動車登録番号標と刑法第一九条第二項。
最高裁判所第三小法廷昭和36年9月12日昭和34(あ)684集刑 第139号187頁
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裁判要旨一 本件押収物件中の変造部分の如きは、たとえ他人所有の材料に加工を施して作成された場合であつても、法律上その存在を認容されないものであり、何人にも所有を許されないものであることは、累次の大審院判例(明治四三年(れ)第一七七五号、同年一〇月一三日判決、大正四年(れ)第八九八号、同年五月一四日判決等)の趣旨とするところであ…
参照法条道路運送車輛法98条,刑法19条2項
中型かつお、まぐろ漁業取締規則第二条違反事件において追徴額の算定を正当と認めた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和36年8月17日昭和35(あ)2639集刑 第139号73頁
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裁判要旨一 本件において追徴の対象とされた判示水揚代の中から所論にいわゆる必要経費(註、燃料油費、氷、塩代、漁具補充費、飼料費、食費等)を控除していない原判決の判断を当裁判所もこれを正当として是認する。 二 (原判決の要旨)本件追徴金額は七、八四七、五六八円の多額に達するとはいえ、被告人が本件中型かつお、まぐろ漁業取締規則違反…
参照法条中型かつお、まぐろ漁業取締規則2条,中型かつお、まぐろ漁業取締規則18条1項,中型かつお、まぐろ漁業取締規則2項但書,刑法19条ノ2
控訴審が第一審判決の量刑不当を理由として破棄自判する場合と前科事実の摘示。
最高裁判所第三小法廷昭和36年7月28日昭和36(あ)1018集刑 第138号887頁
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裁判要旨原判決は、第一審判決の量刑不当を主張した弁護人の控訴趣意を理由ありと認めて破棄自判したものであるから、第一審判決が適法な証拠により認定した罪となるべき事実及び前科事実はこれをそのまま引用した上、これに法令の適用をなして刑の量定をしたものと解すべきである(昭和二七年(あ)第六三一六号同二九年四月一三日第三小法廷判決、集八…
参照法条刑訴法381条,刑訴法397条,刑訴法400条,刑法56条,刑法57条
建造物損壊罪の成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年6月22日昭和33(あ)1779集刑 第138号531頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨他人所有の土蔵の構成部分たる屋根の一部を所有者の承諾なくして切断するときは、建造物損壊罪が成立するとした原判示は正当である。
参照法条刑法260条
型の適用に関する裁判所の裁量権。―刑法第二四六条第一項の法定刑
最高裁判所第二小法廷昭和36年6月16日昭和36(あ)588集刑 第138号455頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法二四六条一項は、「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ処ス」る旨を規定し、詐欺の犯罪構成要件の定め方に明確を欠くところはない。そして右のように刑の適用に関し裁判所の裁量権を広く認めているのは、形式的標準によつて量刑を拘束することを不当とする立法政策によるものであつて、量刑については、犯人の性行、経歴、環…
参照法条刑法246条1項,刑訴法333条
一 背任罪(農業共同組合法違反)の成立する事例。 二 訴因変更の手続を要しない事例。―業務上横領と背任
最高裁判所第一小法廷昭和36年4月27日昭和34(あ)2130集刑 第137号633頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 原審の確定した事実関係の下においては、本件行為が岐阜県販売農業協同組合連合会の事業の範囲外の行為であつて、農業協同組合法に違反するものであるとした原審の判断は正当である。 二 (原判決の要旨)被告人A等が販連の資金をその事業の範囲外において融資(貸付)することは、販連定款及び農業協同組合法により固く禁止されており、…
参照法条農業協同組合法1条,農業協同組合法10条,刑法247条,刑法253条,刑訴法312条
刑法第一〇三条の犯人隠避罪が成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年3月28日昭和35(あ)2808集刑 第137号493頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨相被告人の身替りとしてAが判示自動車事故の犯人である旨司法警察官に届出て且つAを出頭させたことは刑法第一〇三条に犯人を隠避したことになつて罪責を免れない。
参照法条刑法103条
刑法第六三条の適用と同六八条適用の遺脱。
最高裁判所第二小法廷昭和36年2月24日昭和33(あ)1156集刑 第137号329頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原審で支持した第一審判は本件幇助罪に適条として刑法六三条を適用している。それは当然に同六八条の規定の適用せられたことを示しているものということができる。
参照法条刑訴法335条1項,刑法62条,刑法68条
食糧管理法第三一条第九条該当の罪と刑法第一九条の適用。
最高裁判所第二小法廷昭和35年9月21日昭和35(あ)1011集刑 第135号341頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨食糧管理法三二条二項は、同法一一条一項の規定に違反し又は同条四項の規定に依る禁止若しくは制限に違反した場合に限り、輸出若しくは移出又は輸入若しくは移入した主要食糧は、犯人の所有するもののみならず、その所持するものを没収することができる旨規定したに止まり、その他の同法違反の罪全般について没収に関する刑法総則の規定の適用を…
参照法条食糧管理法9条,食糧管理法11条,食糧管理法31条,食糧管理法32条2項,刑法19条
一 国民金融公庫の役職員と刑法第七条にいう「公務員」 二 同公庫の事務と刑法第七条にいう「公務」
最高裁判所第三小法廷昭和35年9月13日昭和31(あ)4206集刑 第135号309頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 昭和二七年法律第一五三号による改正前の国民金融公庫法は、同公庫の役職員の職務上犯した非行に対する処罰はあげてこれを刑法の律する所に委ねて居る。換言すれば、同庫の役職員に対し刑法一九七条が適用せらるべきか否かは、同公庫の役職員が刑法七条にいう公務員と解せられるか否かにかかる。同公庫の役職員は右改正前の一七条により国家…
参照法条刑法7条,刑法197条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)1条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)2条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)3条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)18条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)…
判例にいわゆる「真実の高度の蓋然性」があるとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和35年9月8日昭和35(あ)821集刑 第135号231頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨昭和三四年二月二四日午後八時三〇分から午後一〇時三〇分頃までの間に自転車一台が一関市a所在A病院玄関脇自転車置場において窃取されたこと、被告人は翌二五日午後三時四〇分頃および同日午後八時過頃自転車に乗つていたが、右午後八時過頃被告人が乗つていたものは右の被害品であること、右自転車は同月二六日同市b所在のB病院玄関口に置…
参照法条刑訴法317条,刑訴法318条,刑訴法405条2号,刑法235条
訴因変更を許した事例。―「被告人は偽造公文書を行使した」との訴因と「被告人は他人と共謀の上右と同一の公文書を偽造した」との訴因。
最高裁判所第三小法廷昭和35年7月19日昭和31(あ)4296集刑 第134号633頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件は、被告人が偽造公文書を行使したとの訴因を、被告人が他人と共謀の上右と同一の公文書を偽造したとの訴因に変更した場合であり被告人自ら同一の公文書に対する公信力を害したとの点において、両者その基本的事実を同一にし、しかも刑法一五八条も、偽造公文書行使の罪を犯した者は、公文書偽造の罪を犯した者と同一の刑に処する旨規定して…
参照法条刑訴法312条,刑法155条,刑法158条,刑法60条
業務上横領罪の成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和35年7月15日昭和32(あ)2121集刑 第134号603頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法二五三条にいわゆる業務上の占有は他人の物の占有保管を主たる職務又は営業とする場合における占有のみに限局すべきものにあらず、いやしくも職務又は営業に附随して他人の物を占有保管する以上は特に法令においてこれを職務又は営業の範囲より除外せざる限り同条にいわゆる業務上の占有に該当する。されば消防各種自動車、消防ポンプ、消化…
参照法条刑法253条
暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条の数人共同シテ刑法第二二二条ノ罪ヲ犯ス罪の法定刑が刑法第二二二条の脅迫の罪のそれより重いのは身分による差別か。
最高裁判所第一小法廷昭和35年7月14日昭和35(あ)372集刑 第134号443頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条の数人共同シテ刑法第二二二条ノ罪ヲ犯ス罪と、刑法第二二二条の脅迫の罪とは、行為の態様により刑罰に軽重がある場合であつて、憲法第一四条の社会的身分によつて差別される場合にあたらないこと明らかである。
参照法条暴力行為等処罰ニ関スル法律1条,刑法222条,憲法14条
判例違反(法令の適用の誤り)が判決に影響しない事例。
最高裁判所第二小法廷昭和35年6月24日昭和32(あ)609集刑 第134号359頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決は第一審判決をその科刑重きにすぎるとして破棄自判し、被告人の犯罪事実である第一審判決判示第一の各所為及び第三の所為につき、いずれも刑法第二五三条(第三の所為については更に同第六〇条をも適用)の業務上横領罪の規定を適用しているが、右第三の所為(註。業務上横領に加功した非業務者の加功行為)につき刑法二五三条を適用した…
参照法条刑訴法405条3号,刑訴法410条,刑法253条,刑法252条1項,刑法60条,刑法65条2項
警察予備隊総隊総監部管理部調達班長の職務
最高裁判所第三小法廷昭和35年6月21日昭和31(あ)4058集刑 第134号207頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨昭和二五年一二月二九日総理府令第五二合警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程一八条によると、警察予備隊総隊総監部管理部長は、被服その他の需品の購入、配分及び保管の計画並びに補給計画の策定に関する事務等をその職務とするものと定められているところ、原審の認定によれば、進駐軍指令部の指示により、需品の購入等の調達事務も管…
参照法条警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程(昭和25年12月29日総理府令52号)18条,刑法197条,刑法198条
一 適法な上告理由にあたらない事例 二 包括一罪と認められる事例
最高裁判所第一小法廷昭和35年6月16日昭和35(あ)265集刑 第134号87頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 包括一罪として法令を適用したのに対し、右は併合罪であるとして判例違反を主張することは、自己に不利益な主張であつて適法な上告理由にあたらない。 二 被害者の子女を真実一流歌手として世に出しうる社会的地位背景なくその見込もないのに、その旨欺罔して金員を騙取しようと企て、種々術策を弄してその旨誤信させ、因つて右運動費等の…
参照法条刑法45条,刑法246条1項,刑訴法402条,刑訴法405条2号
「オツトリ嫁」なる風習の違法性。
最高裁判所第二小法廷昭和35年5月26日昭和35(あ)41集刑 第133号598頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論「オツトリ嫁」なる風習がいまなお存在しているとしても、右風習が、所論の如く、婚姻に同意しない婦女を婚姻の目的で略取し強いて姦淫する内容のものである限り、違法性を有することは、極めて明白である。
参照法条刑法177条,刑法181条
刑訴法第四九五条に定める未決勾留日数の通算とその宣告。
最高裁判所第三小法廷昭和35年4月5日昭和34(あ)2374集刑 第133号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑訴第四九五条に定める未決勾留日数を本刑に通算することは、判決において宣告すべきものではない。
参照法条刑法21条,刑訴法495条
刑法第一八条の合憲性。
最高裁判所第二小法廷昭和35年3月25日昭和32(あ)1581集刑 第132号739頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 罰金不完納の場合の労役場留置は、憲法一八条にいう「犯罪による処罰」に当たることは明白であるから、刑法一八条が憲法一八条に違反するとなし得ないことは自から明らかである。 二 刑法一八条が憲法一一条一三条に違反するものでないことも昭和二四年(れ)第一八九〇号、同二五年六月七日大法廷判決(刑集第四巻六号九六一頁)および昭…
参照法条憲法11条,憲法13条,憲法18条,刑法18条
一 器物毀棄罪を構成する事例 二 右の場合乙の告訴は適法か
最高裁判所第三小法廷昭和35年3月22日昭和32(あ)276集刑 第132号613頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 登記簿上被告人の所有名義なるも、その承諾を得て甲が耕作し、後甲老齢のため長男乙が事実上耕作してきた水田につき、その所有権の帰属、耕作権の有無に関して係争中、被告人がほしいままに、乙が植付け所有する稲苗を抜き取り土中に埋めるなどする所為は、器物毀棄罪を構成する。 二 右の場合乙は器物毀棄罪の被害者にあたり、乙のした告…
参照法条刑法261条,刑法264条,刑訴法230条
確定裁判を経ない数個の犯罪が併合罪の関係にある併合審判の要否。
最高裁判所第三小法廷昭和35年3月1日昭和34(あ)2139集刑 第132号307頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨確定裁判を経ない数個の犯罪が併合罪の関係にある場合でも、必ずしもこれを併合審判しなければならないものではないのであつて、原番がその措置に出なかつたことをもつて違法ということはできない。
参照法条刑法34条,刑法47条,刑法50条
強姦(未遂)行為と致傷との間に因果関係ありとした事例。
最高裁判所第一小法廷昭和35年2月11日昭和34(あ)1399集刑 第132号201頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 原判決がその認定した事実関係の下において、本件強姦行為と致傷との間に因果関係あるものと判断したのは正当と認める。 二 (註。原判決の要旨)甲女は被告人から強姦されかかつたので、その難を避けるため、窮余気転を利かし、その際に被告人の手を逃れ、更に八畳の間を経て、二階屋根に出て、同所より二米七〇糎位下の地上に飛下り救を…
参照法条刑法181条
権利行使の方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱している事例
最高裁判所第一小法廷昭和34年10月8日昭和31(あ)2806集刑 第131号661頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 本件権利行使の方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱していると認むべきこと原判示のとおりである。 二 (原審の認定事実の要旨)被告人AはBに約二万円余を横領されその被害金の弁償を受けるまで同人所有家屋内の戸、障子等を担保にとつたところ、事情を知らない同人の妻Cが担保品を売却したことから躍起となつ…
参照法条刑法249条
業務上横領罪の成立する事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年8月28日昭和30(あ)2823集刑 第131号375頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決の認定によれば、A証券株式会社は、昭和二六年八月二一日、BからC鉱業株式会社株式三〇〇株の買付委託を受け、同日及び同月二七日の二回に、買付委託手数料を含めた買付代金当て合計金五一、七五〇円を受取り、同証券会社は翌八月二八日D証券取引所市場において、右委託を受けた三〇〇株を含む同株式六〇〇株を買付け、その市場の受渡…
参照法条刑法253条
株式申込証拠金領収書が刑法第一六二条の有価証券にあたるとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和34年7月14日昭和27(あ)4689集刑 第130号551頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件A不動産株式会社増資新株式申込証拠金領収書は刑法一六二条所定の有価証券に当たる。
参照法条刑法162条,刑法159条
強姦致傷罪の未遂。
最高裁判所第三小法廷昭和34年7月7日昭和31(あ)2294集刑 第130号515頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨強姦に際し婦女に傷害の結果を与えれば、姦淫が未遂であつても強姦致傷罪の既遂となり、強姦致傷罪の未遂という観念を容れることはできない。従つて中止未遂の問題も生じ得ないわけである。(昭和二四年(れ)第九三三号、同年七月一二日第三小法廷判決、判例集三巻八号一二三七頁参照)
参照法条刑法181条
一 覚せい剤取締法違反(不法譲受)罪の実行の着手があつたと認められる事例 二 訴因変更手続を必要としない事例
最高裁判所第二小法廷昭和34年7月3日昭和31(あ)4036集刑 第130号439頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 甲、乙間に覚せい剤売買に関する合意が成立し、甲が乙の面前において、情を知らない丙に合札を渡し、荷物預り所に預けてある覚せい剤の受取方を委託し、丙がこれを承諾し、甲または乙に交付するつもりで右覚せい剤を受け取つたときは、乙はその覚せい剤譲受の実行に着手したものと認めることができる。 二 「被告人は法定の除外事由がない…
参照法条覚せい剤取締法17条3項,覚せい剤取締法41条1項4号,覚せい剤取締法41条3項,刑法43条,刑訴法312条
公文書偽造罪の成立する事例。
最高裁判所第三小法廷昭和34年6月30日昭和31(あ)2106集刑 第130号351頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨上田市公安委員会の補助機関として、法定の要件を備えた者に対する運転免許証の作成交付の事務を担当していた上田市警察署長の事務補助者として運転免許証の作成交付の事務を担当していた警察官(巡査)が、法定の要件を備えていない無資格者に対する自動車運転免許証を擅に作成するときは、公文書偽造罪を構成する。
参照法条刑法155条1項
暴行と傷害との間に因果関係の存在を認めた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和34年6月9日昭和32(あ)2473集刑 第130号143頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 第一審判決が被告人の判示暴行と被告人の受けた判示傷害との間に因果関係の存在を認めたことはその挙示する証拠により肯認できるところであり、かつその因果関係が被告人の判示所為につき傷害罪の刑事責任を負わしめるに十分のものであることは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第二二号同年一一月一四日第三小法廷判決、昭和二四年(れ)第…
参照法条刑法204条
一 刑訴法第四一一条第三号にあたる事例 二 ―威力業務妨害に関する事実誤認―
最高裁判所第二小法廷昭和34年5月22日昭和31(あ)2842集刑 第129号897頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨家屋(住宅と店舗)の貸主である被告人甲、その息子である被告人乙、その娘婿である被告人丙の三名が、約束の明渡期限経過後現場に臨み、店舗の無断使用者(商事会社)の代理人とみられる者に明渡を求めたところ、同人において、初めは会社の代表者の不在を理由に明渡の猶予を請うていたが、それまでの折衝の経緯にかんがみ事態やむをえないもの…
参照法条刑訴法411条3号,刑法233条,刑法234条
常習賭博の判示方法。
最高裁判所第二小法廷昭和34年5月22日昭和33(あ)2496集刑 第129号941頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨常習として賭博をした事実を認定判示するには、常習として賭博をなした旨を説示すれば定り、いかなる事実によつて賭博の常習を認めたかを摘示する必要はない。
参照法条刑法186条1項,刑訴法335条1項,刑訴法378条4号
詐欺の実行の着手が認められる事例。
最高裁判所第三小法廷昭和34年5月19日昭和31(あ)1552集刑 第129号871頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨屑鉄商である被告人が、製鋼会社の屑鉄納入商の下請商に屑鉄を供給するにあたり、右会社計量場における検収に際し、秤量器に操作して同所検収係員を欺罔して水増秤量させ、その結果を実量と誤信させて検収せしめた以上、右下請商に対する水増秤量分の屑鉄代金騙取の実行の着手があつたものと認められる。
参照法条刑法43条,刑法246条,刑法250条
刑法第五六条、第五七条と憲法第一四条。
最高裁判所第二小法廷昭和34年4月24日昭和33(あ)2654集刑 第129号533頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨累犯加重に関する刑法第五六条、第五七条は憲法第一四条の規定に違反するものではないこと既に当裁判所の判例とするところである(昭和二四年新(れ)第八八号、同二五年一月二四日第三小法廷判決、集四巻一号五四頁、並びにその引用にかかる昭和二三年(れ)第四三五号、同年一〇月六日大法廷判決、集二巻一一号一二七五頁参照)。
参照法条刑法56条,刑法57条,憲法14条
放火の手段、方法の一部に属する事実を被告人の自白だけで認定することの可否。
最高裁判所第一小法廷昭和34年3月12日昭和33(あ)1547集刑 第129号343頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論放火の手段、方法の一部に属する事実のごときは被告人の自白だけでこれを認定しても差支えない。
参照法条刑法108条,刑訴法319条2項
一 有価証券変造罪の成立する事例 二 刑訴法第四一一条第一号にあたらない事例 ―有価証券の偽造と変造
最高裁判所第一小法廷昭和34年2月12日昭和33(あ)1176集刑 第129号125頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 行使の目的をもつて有効に成立している他人振出名義の小切手の金額欄の数字をインキ消で抹消した上、ほしいままに同欄に別の金額をあらたにペンで記入したときは、有価証券の偽造罪ではなく、その変造罪が成立する。 二 有価証券の変造にあたるものと解すべき場合に、第一審判決がこれを有価証券の偽造にあたると判示したとしても、判決を…
参照法条刑法162条1項,刑訴法380条,刑訴法411条1号
仮釈放の日は刑期満了の日となるか。
最高裁判所第一小法廷昭和34年2月5日昭和33(あ)1197集刑 第129号35頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨仮釈放の日は刑期満了の日となるものではない。
参照法条刑法25条,刑法28条
いわゆる火焔瓶を乗用自動車に投げつけ命中破壊させることと刑法第一一〇条の放火罪の成否。
最高裁判所第三小法廷昭和33年9月16日昭和28(あ)3616集刑 第127号185頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる火焔瓶を乗用自動車に投げつけ、これに命中破壊させたが、右自動車の運転台座席覆布の一部を焼燬したにとどまり、火炎瓶の火が自動車に燃え移り独立燃焼の程度に達しないときは、刑法第一一〇条の放火罪は成立しない。
参照法条刑法110条
判例違反の主張がその前提を欠く事例。−期待可能性理論の適用は判例違反である旨の主張−
最高裁判所第二小法廷昭和33年9月12日昭和28(あ)3548集刑 第127号137頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論引用の各判例は、いずれもその挙示の証拠により、犯罪事実を認定するに当り、情状の斟酌、法令の解釈その他に関し必要な説示、判断を示したに止まり、判文中期待可能性の文字を使用したとしても、いまだ期待可能性の理論を肯定又は否定する判断を示したものとは認められない。されば所論判例違反の主張はその前提を欠くものであつて採るを得…
参照法条刑法35条,刑法37条,刑訴法405条3号
刑法第二七条により刑の言渡の効力を失つた前科を量刑資料に参酌することの適否。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月18日昭和33(あ)691集刑 第126号1007頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑の執行猶予の言渡を取り消されることなく猶予の期間を経過し刑の言渡がその効力を失つても、その言渡を受けたという既往の事実そのものを量刑の資料に参酌することが違法でないことは当庁昭和三二年(あ)三一三六号、同三三年五月一日第一小法廷決定の判示せるところである。
参照法条刑法27条
一 優生保護法第一四条第一項第四号による人工妊娠中絶と堕胎罪の成否。 二 最高裁判所、大審院または高等裁判所の判例がない場合、地方裁判所の判例を援用して判例の違反を主張することができるか。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月11日昭和30(あ)522集刑 第126号809頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 優生保護法(昭和二七年法律第一四一号により改正されたもの)にいう指定医師が同法第一四条第一項四号に該当する者に対し、同条第一項本文の規定に従つて人工妊娠中絶を行つた場合には、刑法第二一四条、第二一二条の堕胎罪は成立しない。 二 最高裁判所、大審院または高等裁判所の判例がない場合、地方裁判所の判例を援用して判例の違反…
参照法条優生保護法(昭和27年法律14号により改正されたもの)14条1項4号,刑法214条,刑法212条,刑法35条,刑訴法405条2項,刑訴法405条3項
投票用紙の持出と不法領得の意思。
最高裁判所第二小法廷昭和33年7月2日昭和31(あ)2118集刑 第126号657頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨市議会議員選挙に際し、特定候補者に当選を得しめるため、後日その候補者の氏名を記入して投票中に混入し投票数を増加する目的をもつて、投票所管理者の保管する市選挙管理委員会所有にかかる市議会議員選挙の投票用紙をひそかに持ち出したときは、不法領得の意思なしというを得ず、窃盗罪を構成することは、当裁判所の判例とすることである。(…
参照法条刑法235条,公職選挙法237条3項
恐喝の手段の中に虚偽の部分がある場合の擬律。―恐喝罪か、詐欺罪か―
最高裁判所第二小法廷昭和33年6月18日昭和30(あ)2214集刑 第126号409頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨第一審の確定した事実によれば、被告人は原判示Aが煙草の密耕作を行つたことを聞知し、これを奇貨とし、同人より金品を喝取しようの企て、Bと共謀の上、Bを刑事に仕立てて、右A方に赴き、同人に対し、原判示の如く申し向け、同人をしてこの儘放置すれば、煙草の密耕作で検挙されるものと畏怖させ、更に、同人に対し、「新聞社への口止料を出…
参照法条刑法249条1項,刑法246条1項
刑法第一七七条の暴行又は脅迫の程度
最高裁判所第二小法廷昭和33年6月6日昭和33(あ)32集刑 第126号171頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法第一七七条にいわゆる暴行脅迫は、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである
参照法条刑法177条
掏摸現行犯逮捕手続において警察官等職務執行法第五条に違反しないと認められる場合
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月20日昭和33(あ)113集刑 第125号437頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件現行犯逮捕手続書によれば、所論司法警察員は挙動不審の被告人を看視中被告人が被害者のポケツトから品物を抜き取つたのを現認したので逮捕したというのであつて、抜き取りを現認する直前までは被告人が何らかの現行を行なおうとする様子を認めたという場合でないから、右警察員の措置は所論警察官等職務執行法五条に反するところもなく、本…
参照法条警察官等職務執行法5条,刑法235条,刑訴法212条,刑訴法213条
一 証拠物の押収手続に弁護人に立会の機会を与えなかつた違法とその証拠能力 二 死刑およびその執行方法としての絞首刑の憲法第三六条にいう「残虐な刑罰」
最高裁判所第一小法廷昭和33年4月17日昭和31(あ)442集刑 第124号253頁
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裁判要旨一 所論摘示の証拠物の押収手続に所論のような弁護人に立会の機会を与えなかつた違法があつたとしても、第一審公判廷において証拠調する際被告人および弁護人等より何等異議の申立があることなく、適法に証拠調が施行されたものであること記録上明白であるから、第一審裁判所がこれを罪証に供したとしても違法ということはできない 二 所論は…
参照法条刑訴法113条2項,刑訴法306条,刑訴法309条,刑法9条,刑法11条1項,憲法36条,監獄法71条,監獄法72条
商法(昭和一三年法律第七二号による改正後のもの)第四八九条(会社財産を危くする罪)第一号の罪と刑法第一五七条の罪(公正証書原本不実記載罪)とは刑法第五四条第一項前段の関係に立ちうるか
最高裁判所第一小法廷昭和33年3月27日昭和28(あ)1870集刑 第123号805頁
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裁判要旨商法(昭和一三年法律第七二号による改正後のもの)第四八九条(会社財産を危くする罪)第一号の罪と刑法第一五七条の罪(公正証書原本不実記載罪)とは、共に成立し、両者は刑法第五四条第一項前段の関係に立ちうる。
参照法条刑法157条,刑法54条1項,商法489条1号
再犯につき刑法第五九条を適用した違法と刑訴法第四一一条
最高裁判所第二小法廷昭和33年3月5日昭和30(あ)2419集刑 第123号505頁
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裁判要旨本件犯罪が(イ)の前科とは累犯の関係にあるが(ロ)の前科の仮出獄中の犯行である場合に、原判決が刑法第五九条を適用した違法であつても、刑訴第四一一条を適用すべき場合にあたらない。
参照法条刑法56条1項,刑法57条,刑法59条,刑訴法411条1号
公文書偽造罪の成立を認められる一事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年11月29日昭和29(あ)3426集刑 第122号429頁
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裁判要旨所論指示書と題する文書の内容文言が、たとえ被告人以外の者の手で既に記載されてあつた場合であつても、それが無権限者によつてなされたものであり、且つa地方事務所長たる記名職印が施されてはじめて効用ある文書として完成するものであると認められる以上、行使の目的をもつて右文言の書面に無権限に右事務所長名の記名ゴム印及びその職印を…
参照法条刑法155条1項
犯罪の軽重を判示しないことが違法でない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和32年11月5日昭和32(あ)1903集刑 第122号43頁
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裁判要旨法定刑が同一である三四個の併合罪につき法定の加重をする場合において、刑法第四七条、第一〇条の適用を示しているときは、いずれの罪の犯情が最も重いかを判文に明示しなくても違法ではない。
参照法条刑法45条,刑法47条,刑法10条,刑訴法335条1項
いわゆる想像的競合犯中の一部を無罪と認める場合その判断を判決理由に示すことの要否
最高裁判所第三小法廷昭和32年9月24日昭和32(あ)1083集刑 第120号507頁
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裁判要旨いわゆる想像的競合犯中の一部を無罪と認める場合には、判決の主文においてその言渡をなすべきではないけれども、理由中でその判断を示すことは必要である。
参照法条刑法54条,刑訴法44条,刑訴法335条,刑訴法336条
刑法第一二四条第一項にいう陸路の意義
最高裁判所第二小法廷昭和32年9月18日昭和30(あ)1583集刑 第120号457頁
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裁判要旨刑法第一二四条第一項にいう陸路とは、公衆の往来の用に供せられる陸上の通路を指称し、その通路敷地所有権が何人に属するかを問わない。
参照法条刑法124条1項
任命権委任に関する建設省訓令と刑法第七条にいう法令
最高裁判所第二小法廷昭和32年8月30日昭和29(あ)3562集刑 第120号77頁
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裁判要旨建設省訓令第五号「国家公務員法第五五条第二項の規定により任命権の委任に関する訓令」もまた刑法七条にいう法令のうちに含まれる。
参照法条昭和24年2月15日建設省訓令5号「国家公務員法55条2項の規定により任命権の委任に関する訓令」,刑法7条
執行猶予の期間内に更に犯罪を犯したことを量刑上参酌することと一事不再理の原則
最高裁判所第二小法廷昭和32年7月19日昭和32(あ)897集刑 第119号1045頁
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裁判要旨執行猶予の期間内に更に犯罪を犯したことを量刑上に参酌することは、恰かも素行の善悪を量刑上に参酌すると同様、犯情の一つとして参酌するものであつて、決して所論の如く、前に執行猶予を受けた犯罪に対し重ねて刑罰を科する趣旨のものではない。
参照法条憲法39条,刑法25条
前科(累犯とならないものを含む)を量刑上参酌することと憲法第三九条第一四条
最高裁判所第三小法廷昭和32年6月25日昭和32(あ)483集刑 第119号605頁
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裁判要旨原判決が被告人の前科(累犯とならないものを含む)を量刑上参酌したからといつて何ら憲法三九条、一四条に違反するものではない。
参照法条憲法39条,憲法14条,刑法56条,刑法57条
一 訴因、罰条の追加、変更をさせないで審判することが違法と解せられる事例 二 背任の成立しない事例 三 期待可能性についての無用の判示と判例違反
最高裁判所第三小法廷昭和32年4月30日昭和30(あ)737集刑 第118号1111頁
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裁判要旨一 第一審が業務上横領罪の訴因、罰条について判決した事件について、控訴審が背任の点についても既に十分な証拠調がされているというだけの理由で、未だ任務に背いたか否かの点について十分な防禦を尽していると認められないのにかかわらず、背任について訴因罰条の追加、変更なしに審判することは違法である。 二 A公団BA局長が先に従業…
参照法条刑訴法256条,刑訴法312条,刑法253条,刑法247条
恐喝罪が成立する一事例
最高裁判所第三小法廷昭和32年3月5日昭和30(あ)1379集刑 第118号43頁
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裁判要旨二人共謀の上通行人に暴行、脅迫を加えて金員を要求し、因つて畏怖した被害者が所持の手提鞄中の財布(現金約二万三千円在中)から現金数百円を交付しようとして取り出した際犯人の一人が右財布ごとこれを奪い去つたときは窃盗罪ではなく恐喝一罪を構成する。
参照法条刑法235条,刑法249条
自動車強盗の際、共謀の上別の自動車にて追尾援助を与えようとした者は共同正犯か
最高裁判所第三小法廷昭和32年2月26日昭和29(あ)3585集刑 第117号1275頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自動車強盗の際共謀の上別の自動車でこれを追尾援助を与えようとした被告人の所為が共同正犯にあたるとした原審の判断は正当である。
参照法条刑法236条,刑法60条
期待可能性がないことを理由とする上告の適否
最高裁判所第三小法廷昭和32年2月19日昭和29(あ)2311集刑 第117号1079頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が判示の所為に出でないことを期待するのは不可能であつたと解すべきであるという主張は単なる法令違反の主張に過ぎず、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
参照法条刑法38条,刑訴法305条
土地につき執行吏に占有を移す旨の仮処分命令に基き執行吏がその土地の外地上建物についてした執行と刑法第九六条にいう差押の標示の効力
最高裁判所第三小法廷昭和32年1月22日昭和29(あ)2748集刑 第117号43頁
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裁判要旨土地につき執行吏に占有を移す旨の仮処分命令に基き、執行吏がその土地につき執行をなし、その旨公示札に記載してこれを標示し、その上なおその地上建物の出入口にあたる部分に繩張を施して、土地のみならず建物への出入をも禁止する方法をとつた場合は、建物の部分の執行は違法であつて、この部分に対しては訴訟法に認められている手続によつて…
参照法条刑法96条,刑法35条,刑法37条,民訴法755条,民訴法544条
法律上の自首にあたらない一事例
最高裁判所第二小法廷昭和32年1月22日昭和31(あ)3741集刑 第117号359頁
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裁判要旨被告人が犯行後自首するため直ちに現場を出発して警察署に出頭し自己の犯行を司法警察員に申告しても、被告人の到着前、電話で当該犯罪事実および犯人は被告人らしい旨司法警察員に通報があつた場合には、被告人の右申告は法律上の自首にあたらない。
参照法条刑法42条
一 公文書偽造罪の判示として正当と認められる一事例 二 偽造外食券の形式外観 三 心神耗弱の主張に対する判断の遺脱は絶対的控訴理由となるか 四 右判断遺脱は訴訟手続の法令違反として常に判決に影響するか
最高裁判所第一小法廷昭和31年12月27日昭和28(あ)2055集刑 第116号555頁
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裁判要旨一 原判決が「第一院判決挙示の証拠によると、同判示の偽造公文書は、いずれも、当該公文書の信用を害する危険がある程度の形式外観を具えていることが認められる」旨の判示並びに『第一審判決の判示各偽造外食券に「当該地方食糧配給公団名及び交付配給所名のなつ印」の要求されるのは、整理上交付配給所を明らかにするためで、これを欠くから…
参照法条刑法155条,刑法39条2項,刑訴法44条,刑訴法335条1項,刑訴法335条2項,刑訴法378条4号,刑訴法379条
控訴審の破棄自判の判決が心神喪失もしくは心神耗弱の主張に対し判断を遺脱した違法と刑訴第四一一条第一号
最高裁判所第三小法廷昭和31年12月25日昭和29(あ)1796集刑 第116号347頁
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裁判要旨控訴審の破棄自判の判決が、心神喪失もしくは心神耗弱の主張に対し判断を示さなかつた場合は、刑訴第四〇四条、第三三五条第二項に違反するけれども、同第四一一条第一号によりこの法令違反が判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる場合に破棄せられるにとどまる。
参照法条刑訴法335条2項,刑訴法411条1号,刑法39条
窃盗の実行に着手したと認められる事例。
最高裁判所第三小法廷昭和31年10月2日昭和31(あ)2101集刑 第115号19頁
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裁判要旨電柱に架設中の電話線を切断しようとした以上、窃盗の実行に着手したものである。
参照法条刑法235条,刑法243条,刑法43条
公訴時効完成により刑訴法第四一一条により免訴を言渡した一事例
最高裁判所第二小法廷昭和31年9月14日昭和31(れ)8集刑 第114号695頁
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裁判要旨贈賄の事実については、原判決の言渡後、本件を当裁判所が受理した昭和三一年六月二二日までに既に三年以上経過し、しかも、その間公訴時効の中断の事実のないことは記録上明らかであるので、右の罪に対する公訴の時効が完成したものであるから、共に被告人に免訴の言渡をすべきであつて、この点において原判決は破棄を免れない。よつて、刑訴施…
参照法条刑法198条,刑訴法411条5号,旧刑訴法281条5号,旧刑訴法363条4号
公益事業失効後同令違反の所為は免訴すべきか
最高裁判所第二小法廷昭和31年7月27日昭和29(あ)1776集刑 第114号391頁
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裁判要旨公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効し、その後においては刑の廃止があつたものとして同令違反の所為を免訴すべきであること既に当裁判所大法廷の判例(集八巻一一号一七九一頁参照)とするところである。
参照法条刑法6条,刑訴法337条2号,公益事業令(昭和25年政令343号)
刑訴法第四九五条第二項第二号に定める未決勾留日数の通算とその宣告
最高裁判所第一小法廷昭和31年7月26日昭和31(あ)1155集刑 第114号285頁
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裁判要旨原審は被告人の控訴を理由ありとして第一審判決を破棄しているのであるから所論原審における未決勾留日数は刑訴四九五条二項二号により法律上当然本刑に通算されるのであり、原判決がこの点につき特段の裁判をしなかつたのはむしろ当然である。
参照法条刑法21条,刑訴法495条2項2号
科し得べき罰金刑の多額を超えて罰金刑を言渡した判決の違法と非常上告
最高裁判所第三小法廷昭和31年7月17日昭和31(さ)2集刑 第114号267頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨函館地方裁判所は、昭和二九年一二月六日被告人に対する建造物侵入被告事件につき、被告人が昭和二九年五月二四日函館市所在函館公共職業安定所内事務室に侵入した犯罪事実を認定し、これに対し刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条、三条を適用し、所定刑中罰金刑を選択し、被告人を罰金五千円に処する旨の判決を言い渡し、右判決は所論のとおり…
参照法条刑法130条,刑訴法454条,刑訴法458条1号,罰金等臨時措置法2条,罰金等臨時措置法3条
誤つて累犯加重をした違法が判決に影響を及ぼさないとした事例
最高裁判所第一小法廷昭和31年7月12日昭和30(あ)3899集刑 第114号125頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原審の是認した第一審判決が、刑法五六条一項、五七条の適用を誤つて累犯加重をした違法のあることは所論のとおりである。しかし、被告人は本件犯行の外、三個の犯罪を犯し(内二件は本件と同様窃盗である。)ていることは記録上明らかであり、しかも本件犯行は、他の犯罪につき昭和三〇年一月一二日仮釈放せられた後数日にして同年一月二一日行…
参照法条刑法235条,刑法56条1項,刑法57条,刑訴法411条
刀剣類の不法所持と殺人未遂は牽連犯か
最高裁判所第二小法廷昭和31年7月4日昭和29(あ)2250集刑 第114号75頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨厚判決が刀剣類の不法所持と殺人未遂との間には通常手段結果の関係にあるとはいえないから、本件短刀の不法所持と殺人未遂とを牽連犯と認めることはできないとして、これを併合罪として処断したのは正当である。
参照法条銃砲刀剣類等所持取締令2条,銃砲刀剣類等所持取締令26条1号,刑法199条,刑法203条,刑法45条,刑法54条
刑法第四二条第一項の刑の減軽と刑訴法第三三五条第二項にいう法律上刑の減免の理由となる事実
最高裁判所第一小法廷昭和31年6月21日昭和31(あ)93集刑 第113号829頁
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裁判要旨刑法四二条一項の刑の減軽は、裁判所の裁量に属する事項であつて、刑訴三三五条二項に所謂法律上刑上刑の減免の理由となる事実には当らない。
参照法条刑法42条1項,刑訴法335条2項
業務上横領罪の共犯ではあるが身分なき被告人に対し刑法第二五三条を適用したる違法と判決への影響
最高裁判所第三小法廷昭和31年6月5日昭和29(あ)2903集刑 第113号719頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨業務上の占有者たる身分なき被告人が他人の業務上横領罪に共同正犯として加功した事実を認めながら刑法二五三条を適用処断したのは性質上判決に影響を及ぼすことの明らかな法律適用の誤りがあるものというべきこと論をまたない。
参照法条刑法65条,刑法252条,刑法253条,刑訴法380条
刑訴第四一一条第一号にあたる事例―審理不尽、理由不備の違法
最高裁判所第三小法廷昭和31年4月10日昭和29(あ)597集刑 第113号5頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨農業協同組合参事として組合員に対する金員の貸付けにつき包括的権限を有している者が組合員に対して制度上認められている仮払金名義により金員を貸出す行為が業務上横領の罪を構成するとする理由として、仮払金の制度、定款の規定等を審理することなく、単に「農業協同組合法並びに組合の定款の定めるところに準拠することなく、且つ正規の貸出…
参照法条刑法253条,刑訴法411条1号,刑訴法413条本文,農業協同組合法42条
夜間密閉した部屋において数十名の客を相手になされた場合と公然猥褻罪の成否
最高裁判所第三小法廷昭和31年3月6日昭和29(あ)1063集刑 第112号601頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決挙示の証拠によれば不特定多数の人を勧誘した結果各判示の日判示料亭において集まつたそれぞれ数十名の客の面前で判示の所為に及んだことが認められるので第一審判決事実認定の部にいわゆる数十名の客とは不特定の客の趣旨であると解せられ、従つて右所為がたとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然猥褻罪の成立を妨げるもので…
参照法条刑法174条
主訴因を詐欺罪、予備的訴因を物価統制令違反罪(不当高価販売)とした起訴事実を詐欺罪として判断した判決は同一性質の所為を物価統制令違反罪(不当高価販売)として処断した判例に反するか
最高裁判所第三小法廷昭和30年12月26日昭和29(あ)9集刑 第111号865頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨主訴因を詐欺罪、予備的訴因を物価統制令違反罪(不当高価販売)とした起訴事実を詐欺罪とした処断した原判決は、同一性質の事件につき訴因を不当高価販売罪として起訴され、判決においても物価統制令違反罪(不当高価販売)の成立を認めた高裁判例に違反するということはできない。
参照法条刑法246条,物価統制令9条ノ2,刑訴法405条3号,刑訴法256条3項
刑法第二三〇条第一項にいう「監禁」とは
最高裁判所第三小法廷昭和30年11月29日昭和29(あ)208集刑 第110号683頁
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裁判要旨刑法二二〇一条一項にいう「監禁」とは、人を一定の場所から脱出できないようにして、間接に身体の事由を拘束することである。
参照法条刑法220条1項
暴行を加えた直後の脅迫行為と罪数
最高裁判所第三小法廷昭和30年11月1日昭和28(あ)5372集刑 第110号79頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨犯人が他人に対し暴行を加えた後、さらに別個の害悪を告知し脅迫行為をした場合において、たとえ、右脅迫が暴行行為の直後同一場所でなされたものであつても、暴行罪の外に併合罪の関係にたつ脅迫罪が成立する。
参照法条刑法45条,刑法208条,刑法222条1項
弗表示軍票は刑法第一四九条第一項の「内国ニ流通スル外国ノ紙幣」にあたるか
最高裁判所第一小法廷昭和30年10月27日昭和30(あ)1352集刑 第109号853頁
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裁判要旨本件弗表示軍票が刑法一四九条一項に内国に流通する外国の紙幣に当ると解すべきことは当裁判所屡次の判例の示すところである。
参照法条刑法149条
連合国占領軍占領下における連合国人に対するわが刑法の効力と公訴権、裁判権の所在
最高裁判所第三小法廷昭和30年8月9日昭和29(あ)4016集刑 第108号109頁
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裁判要旨わが国は被占領当時においても統治権を喪失したものではなく、わが刑法は当時日本国内において罪を犯した者に対しては、内外人たるを問わず、その効力を及ぼしたのであつて、ただ一時的に(昭和二一年二月一九日から同二五年一〇月三〇日までの間)連合国最高司令官の覚書によつて連合国人に対し公訴権並に裁判権の行使を停止せられていたに過ぎ…
参照法条刑法1条1項,ポツダム宣言7項,連合国最高司令官覚書(昭和21年2月19日付)「刑事裁判権の行使」,連合国最高司令官覚書(昭和25年10月18日付)「民事及び刑事裁判権の行使」
刑訴第四一一条一号にあたる一事例 ―詐欺の犯意の認定の審理不尽、理由不備の違法―
最高裁判所第三小法廷昭和30年4月5日昭和27(あ)4768集刑 第104号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が欺罔手段を弄し、選挙管理委員会をして、選挙権者に、特別投票用紙および特別投票者証明書を郵送させたという事案において、右選挙権者がその特別投票用紙等を受け取る権利のある者であるか否か、或いは被告人が右選挙権者にその権利ありと信じていたか否かを審理しないで、たんに手段に欺罔行為があつたという一事(被告人が選挙管理委…
参照法条刑訴法411条1号,刑法246条1項,地方自治法(昭和25年4月法律101号による改正前)34条1項3号,同施行令(昭和25年5月政令113号による改正前)36条1項,同施行令(昭和25年5月政令113号による改正前)37条1項3号,公職選…
刑訴第四一一条にあたらない一事例 ―既遂と未遂の認定の誤り―
最高裁判所第三小法廷昭和30年4月5日昭和27(あ)6238集刑 第104号21頁
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裁判要旨所論の如く未遂罪であるとしても、只裁判所は減軽を為し得るだけでその他法定刑に変りはなく、その範囲において刑を量定し執行猶予迄言渡した原判決はこれを破棄しなければ著しく正義に反するものとは到底いえない。
参照法条刑法43条,刑法44条,刑訴法411条
刑法二四二条の罪の成立する事例
最高裁判所第二小法廷昭和30年3月23日昭和28(あ)3502集刑 第103号717頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決が本件物件は司法警察職員の正当な領置手続の過程において、その命によりa駅長が看守していたもので、a駅長の占有は適法な占有であるとした判断は正当である。註。第一審の認定は他人の占有に係る自己の財物の窃取であり、この判例は右の認定を支持したものである。
参照法条刑訴法221条,刑法242条
一 供述調書中に引用された他の供述調書についても常に証拠調を要するか 二 旧刑訴法第三六〇条第二項の主張にあたらない事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年3月22日昭和29(れ)9集刑 第103号599頁
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裁判要旨一 論旨援用の当裁判所の判例は、証拠とされた副検事の聴取書に「司法警察官作成の意見書記載の犯罪事実を読み聞けたところ、相違なき旨を述べた」との記載があり、右の意見書を見なければ聴取書の内容がよくわからないにもかかわらず、この意見書の証拠調をしなかつた場合についてのものである。しかるに本件においては、所論昭和二三年三月二…
参照法条刑訴法305条,刑法249条,旧刑訴法360条2項
一 心神耗弱者に実刑を科する場合には必ず刑の執行を猶予しなければならないか 二 刑訴法第四〇二条に違反しない事例
最高裁判所第三小法廷昭和29年12月24日昭和29(あ)2962集刑 第101号951頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 所論第一点は憲法三六条、一一条、一三条を引用して原判決の憲法違反をいうけれども結局量刑の非難であつて上告適法の理由にならない。若し刑の執行により著るしく健康を害する事情にあれば刑訴四八二条一号により刑の執行を停止することができるのであつて、犯行時心神耗弱の状態にあつたからといつて必ず刑の執行を猶予しなければならない…
参照法条刑法39条2項,刑法25条,刑訴法482条1号,刑訴法402条
在日朝鮮人に対する日本の刑事裁判権
最高裁判所第三小法廷昭和29年12月7日昭和29(あ)2840集刑 第101号473頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人両名の弁護人梅山実明の上告趣意は、憲法違反をいうが論旨においても認めているように何人を問わず日本国内において刑法所定の罪を犯した者に対し同法が適用されることは刑法一条が明らかに規定しているところであつて畢竟所論は右刑法の規定に反し朝鮮の国籍を有する被告人等に対する処罰の違法を主張するに帰し論旨は理由がない。
参照法条刑法1条
一 騒擾罪の成立要件 二 訴訟費用の裁判に対する不服申立
最高裁判所第三小法廷昭和29年11月16日昭和28(あ)5577集刑 第100号411頁
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裁判要旨一 騒擾罪は多衆が集合して暴行脅迫をすることによつて成立しその地方の静謐を害することを要件とするものではないから、騒擾罪にあたる事実を判示するには、多衆が集合して暴行または脅迫の行為をしたことを明らかにすれば足り、特にその行為が地方の静謐を害しまたは公共の平和を害するおそれのあることを判示する必要はなく、従つて仮りに同…
参照法条刑法106条,刑訴法335条,刑訴法378条4号,刑訴法181条,刑訴法185条
訴因変更を要しない例 ―恐喝の起訴に対し脅迫と認定する場合―
最高裁判所第三小法廷昭和29年11月9日昭和28(あ)914集刑 第100号91頁
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裁判要旨恐喝として起訴されたものを脅迫と認定しても、脅迫をしたという基本事実に変更がなく、かつ、被告人の防禦に実質的な不利益を生ずるおそれのないものであるから訴因変更の手続を経る必要はない。
参照法条刑法249条,刑法222条,刑訴法312条
第一審で懲役四月罰金一万円、第二審で懲役三月二年間刑の執行猶予及び罰金一万五千円を言渡した場合と不利益変更禁止の原則違反の有無
最高裁判所第三小法廷昭和29年9月21日昭和28(あ)1109集刑 第98号701頁
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裁判要旨論旨は、原判決が不利益変更禁止の規定に反するというのであるが、何が不利益であるかは必ずしも刑訴九、一〇条の刑の順序に従うとのみはいえないけれども、これを全体として観察し、懲役刑が減軽されてその刑の執行が猶予された場合には罰金刑が増額されていても刑訴四〇二条に反しないこと明らかである(昭和二六年(れ)一八二六号同年一一月…
参照法条刑法9条,刑法10条,刑訴法411条,刑訴法402条
刑法第二五条第二項を適用できない場合にこれを適用した判決の違法と非常上告
最高裁判所第二小法廷昭和29年9月17日昭和29(さ)3集刑 第98号667頁
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裁判要旨刑法第二五条第二項によれば、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあつても、その執行を猶予された者が、一年以下の懲役又は禁錮の言渡を受け情状特に憫諒すべきものであるときは再び執行を猶予することができるのであるが、一年を超える懲役又は禁錮の言渡を受けたときは、その執行を猶予することはできないのである。しかるに原判決は前示の如…
参照法条刑法25条,刑法25条ノ2,刑訴法454条,刑訴法458条1号
累犯加重をするに当つて刑法五七条、五九条のみを適用し、同法五六条の適用を遺脱した判決の適否
最高裁判所第一小法廷昭和29年8月5日昭和29(あ)1283集刑 第98号1頁
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裁判要旨刑法五七条を適用すれば、同五六条を引用しなくとも累犯加重の刑期は明瞭であり、法律によらずに刑を加重したと非難することはできない。
参照法条刑法56条,刑法57条
器物損壊罪における告訴権者 ―法廷の椅子の管理者―
最高裁判所第二小法廷昭和29年7月14日昭和29(あ)1287集刑 第97号365頁
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裁判要旨所論告訴状名義者はいずれも本件器物の管理者であつて、告訴権を有するものであることは裁判所会計事務に関する規定上明らかである。
参照法条刑法261条,刑訴法230条,下級裁判所会計事務規程
詐欺罪について起訴事実と認定事実とが単に欺罔方法の一部につき差異あるに過ぎない場合と訴因変更の要否
最高裁判所第一小法廷昭和29年4月22日昭和28(あ)2982集刑 第94号587頁
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裁判要旨所論公訴事実と原審認定の事実とはその基本的事実関係において相違するところなく、単に欺罔方法の一部に差異あるに過ぎないのであるから、たとえ原審が訴因変更の手続を経ることなく、判示事実を認定したからとて、これによつて、実質的に被告人に不当な不意打を加えその防禦権の行使を妨げたものと認めることはできないのであつて原判決には所…
参照法条刑法246条,刑訴法256条,刑訴法312条
原判決の判断の通りとすれば第一審判決を破棄自判しなければならない場合に控訴を棄却した誤りがあつても結局同一の刑に処するときは、刑訴第四一一条に当らない
最高裁判所第一小法廷昭和29年4月15日昭和28(あ)5689集刑 第94号523頁
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裁判要旨第一審判決は、被告人の本件行為を過剰防衛行為であると認定して法律上の減軽をした上更らに酌量減軽をして被告人を懲役四年に処しているのに、原判決は証拠に基き過剰防衛行為に該当しないことも明らかであるとして被告人の控訴趣意を排斥して控訴を棄却したものであるから、原判決は第一審判決を事実誤認又は判決に影響ある法令違反ありとして…
参照法条刑法36条2項,刑訴法335条2項,刑訴法380条,刑訴法396条,刑訴法402条,刑訴法411条
強姦未遂の際に加えられた暴行を単純暴行と認定した一事例
最高裁判所第三小法廷昭和29年3月30日昭和27(あ)5845集刑 第93号1003頁
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裁判要旨強姦未遂の際において加えられた暴行であつても検察官が単純なる暴行として起訴し、処罰したのは検察官も所論原判示二、三の行為については強姦の手段としての暴行と迄は認めなかつたのであり、裁判所もこれに従つたものと見なければならない。
参照法条刑法177条,刑法179条,形法208条
背任罪成立の一事例 ―大審院令と相反する判断をしたことにあたらない場合―
最高裁判所第三小法廷昭和29年3月30日昭和27(あ)5855集刑 第93号1007頁
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裁判要旨論旨援用の判例(大審院大正三年十〇月一六日刑録二〇輯一八六七頁)は、「本人に損害を加えたる場合においても」「若しその目的にして本人の利益を図るに在りとすれば」背任罪は成立しないというのである。しかるに原判決は、被告人の「所論保障はその主要な目的が直接本人たるA銀行のためでなくして(A銀行の利益をも無視したものではないと…
参照法条刑法247条,刑訴法405条3号,刑訴法408条
一 劇場責任者と公然猥褻幇助罪の成立 二 公然猥褻被告事件において証人が演技を観覧した際の感想を述べることは自己の実験した事実に含まれるか
最高裁判所第三小法廷昭和29年3月2日昭和27(あ)5293集刑 第93号59頁
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裁判要旨一 劇場責任者が、その劇場で公演されているストリツプ、シヨウを目撃し、その演技の内容が猥褻であると知りながら、劇場を引き続き使用されるときは、公然猥褻幇助罪が成立する。 二 公然猥褻被告事件において、証人が演技を観覧した際の感想を述べることは、自己の実験した事実の供述に当然包含される。
参照法条刑法174条,刑法62条,刑訴法156条
罰則施行前から施行後まで引き続きかつ新旧両法に跨つてなされた麻薬所持に対する適用
最高裁判所第一小法廷昭和29年2月25日昭和27(あ)309集刑 第92号709頁
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裁判要旨麻薬所得の罪において、一個の所持が罰則施行前より罰則施行後まで引き続きなされかつ新旧両法に跨つてなされたとしても、その一個の所持全体に対して新法を適用して処置すべきものであつて、罰則施行前の部分を分割して無罪の言渡しをなしまたは旧法の部分を分割してこれに対し旧法および刑法第六条をも適用すべきものではない。
参照法条麻薬取締規則42条,麻薬取締規則56条1項1号,旧麻薬取締法3条1項,旧麻薬取締法57条1項,旧麻薬取締法74条,刑訴法335条,刑法6条
過剰防衛の成り立たない一事例
最高裁判所第一小法廷昭和29年1月28日昭和26(あ)4982集刑 第91号1083頁
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裁判要旨原判決の認定したように本件の相手方は何等兇器等を所持していなかつたのであるから、ジヤツクナイフを取出し立ち向う必要はなく、また、その場から逃避することも可能であつたにかかわらず、第一審判決の判示したようにA、Bを相手に廻し喧嘩闘争をしようと決意し右ナイフを以て立ち向い、相互に揉み合ううちBに対し判示傷害を加え死に致し、…
参照法条刑法20条,刑法36条
憲法違反の主張がその前提を欠く場合 −詐術を用いて犯行を誘発せしめたとの主張−
最高裁判所第一小法廷昭和29年1月21日昭和26(れ)1938集刑 第91号541頁
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裁判要旨所論第一は、要するに捜査当局が犯人にあらざるものに詐術を以て強いて犯罪を行わしめこれを逮捕するがごときは個人の人権の侵害で憲法一三条に違反するというのである。しかし、本件被告人が捜査当局から詐術を以て本件犯罪を強いて誘発された事実を認むべき証拠がないから(被告人は、所論Aより相談を持ちかけられる前既に友人亡Bから本件麻…
参照法条憲法13条,刑法61条,刑法62条,麻薬取締規則(昭和21年厚生省第25号)23条
法人のために犯罪行為をした法人の代表者の刑事責任
最高裁判所第一小法廷昭和29年1月21日昭和28(あ)2937集刑 第91号715頁
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裁判要旨法人の代表者がその機関たる地位において法人のために犯罪行為をした場合に、法人自体が処罰の対象となり刑事責任を負うかどうかは格別、行為者たる法人の代表者個人がその刑事責任を負担することは、わが刑法上当然である。
参照法条旧商法357条,刑法157条,刑法158条
麻薬の譲受行為とその所持とが併合罪となる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和29年1月14日昭和26(あ)2207集刑 第91号219頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨麻薬の譲受とその譲受けた麻薬の所持が、仮りに、所論のごとく、法律上牽連一罪であるとしても、本件では譲受行為が二回あり、且つ譲受行為が千葉市であり、その譲受けた麻薬が東京都内に運搬され、しかも、譲受けた被告人以外の他の被告人も参加して同都内において所持されたものであるから、譲受行為とは別に独立した所持行為があつたものとも…
参照法条麻薬取締法3条,刑法45条,刑訴法411条
刑法第二二三条第一項にいわゆる強要罪にあたる一事例 ―限界を超えた争議行為―
最高裁判所第一小法廷昭和28年11月26日昭和28(あ)1461集刑 第88号861頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原審の認定した事実によれば、所論団体交渉の席上被告人が会社側職員に対し労働者側の要求を受諾しないならば、会社に対する辞職願を書けと申向けこれに応じなければ同人等の身体、自由等に対し如何なる危害が及ぶかもしれないと感ぜしめるような態度を示して脅迫し、よつてその場において同人等をして会社に対する辞職願を作成の上交附せしめて…
参照法条憲法28条,旧労働組合法(昭和24年法律174号による改正前のもの)1条,刑法223条,刑法35条
訴因罰条の変更を要しない一事例 ―刑法一〇八条の放火未遂を一一〇条一項の放火の既遂と認定する場合―
最高裁判所第三小法廷昭和28年11月10日昭和27(あ)4808集刑 第88号259頁
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裁判要旨裁判所が刑法一〇八条の放火の未遂の起訴に対し、同法一一〇条一項の放火の既遂を認定するについては、訴因罰条の変更手続を経る必要がないものと解するのが相当である。
参照法条刑法108条,刑法112条,刑法110条,刑訴法312条,刑訴規則209条
為替手形振出の記載に先立つて、虚偽の引受の記載をなすことと有価証券虚偽記入罪の成否
最高裁判所第一小法廷昭和28年9月17日昭和27(あ)5032集刑 第86号691頁
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裁判要旨引受の記載が振出の記載に先立つてなされた場合であつても、結局正当に振出された為替手形に他人の署名を冐用して虚偽の引受に関する記載をなしたことに帰するのであるから有価証券虚偽記入罪に問擬した原判示は正当である。
参照法条刑法162条2項
税務署員が被告人等の暴行脅迫により捜索差押許可状を呈示できなかつた場合と公務執行妨害罪の成立
最高裁判所第二小法廷昭和28年6月19日昭和27(あ)37集刑 第83号319頁
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裁判要旨税務署員において捜索差押許可状をその処分を受ける者に対し呈示することが法の要請するところであるとしても、本件の如く相手方においてこれが呈示を要求した事実の認められないのは勿論、これを呈示することが事実上不可能であつたと認められる場合においては、たとい税務署員が許可状を呈示しなかつたとしても、唯だその一事により、その調査…
参照法条刑訴法110条,国税犯則取締法2条,刑法95条
刑訴第四一一条にあたらない一事例−収税官吏が臨検捜索にあたり被告人の暴行により令状を示すことができなかつた場合
最高裁判所第二小法廷昭和28年6月12日昭和26(あ)3865集刑 第82号641頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨収税官吏が令状を被告人に示さなかつたことは論旨主張のとおりであるが、右は収税官吏が臨検捜索をなさんとしたとき被告人が不在であつたので警察吏員立会のもとにこれを開始したが、その執行の途中で被告人が帰宅するや、これを見た被告人は痛く憤慨して収税官吏に暴行を加えたので令状を被告人に示すことができなかつたためであるときは、令状…
参照法条刑訴法110条,刑訴法411条,国税犯則取締法2条,国税犯則取締法6条,刑法95条
現に人の住居に使用せず又は人の現存しない建造物に対する放火未遂罪の成否
最高裁判所第二小法廷昭和28年6月12日昭和26(あ)5032集刑 第82号719頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法一一五条の規定する現に人の住居に使用せず又は人の現存しない建造物に対する放火罪が、その未遂をも罰する法意であることは、放火の目的物に、同条所定の事実が存するときは、たとえそれが自己の所有に係る場合と雖も他人の物を焼燬した場合と同様に取扱われ刑法一〇九条一項の犯罪を構成する旨を定めていること、そしてこの場合は同法一一…
参照法条刑法115条,刑法109条1項,刑法112条
刑訴法第四一一条にあたらない一事例―併合罪の一につき誤つて累犯加重をしたとき―
最高裁判所第二小法廷昭和28年6月12日昭和27(あ)278集刑 第82号735頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨窃盗の犯罪事実の一につき累犯にあたらない場合に累犯加重をした違法があつても、他の犯罪事実につき適法に累犯加重がなされ、その事実を最も重しと認めて併合罪加重をした所定刑期範囲内で処断された趣旨が明であるときは、未だ右違法は刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
参照法条刑訴法411条,刑法56条,刑法57条,刑法45条
第一審裁判所が懲役刑につき誤つてその執行を猶予したが控訴中に執行を猶予しうる状態が生じた場合と控訴裁判所の量刑
最高裁判所第二小法廷昭和28年4月30日昭和26(あ)3266集刑 第79号633頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨第一審裁判所が禁錮以上の刑に処せられてその執行を終つた日から七年を経過しない者に対し、誤つて懲役刑に執行猶予を付したが、控訴中に七年を経過した場合、控訴裁判所が第一審判決を破棄した上、更めて実刑を科することは違法ではない。
参照法条刑法25条,刑訴法380条,刑訴法397条,刑訴法400条
罰金不完納の場合金一〇〇円を一日に換算し労役場に留置するとしたことと憲法第一四条
最高裁判所第二小法廷昭和28年4月17日昭和26(あ)2971集刑 第78号773頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨罰金刑の言渡を受けた者が罰金を完納することができない場合における労役場留置の金銭的換算率を定めるにあたり、金百円を留置一日に換算するとしたことが、今日の経済事情に副わないと仮定しても、それをもつて、憲法一四条に違反するということはできない。
参照法条刑法18条,憲法14条
法令の適用の誤りがあつても刑訴法第四一一条に当らない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和28年4月14日昭和26(あ)4004集刑 第78号445頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨第一審判決の認定した六つの犯罪事実中第一乃至第四の所為は罰金等臨時措置法施行期日前の行為であるから、新旧両法の定める罰金刑を比照した上、軽い旧法を適用すべきであるにかかわらず、第一審判決が重い新法を適用して処断したのは違法たるを免れない。しかし前記六つの犯罪の中前の四つにつき旧法を適用するとしても、後の二つについては新…
参照法条罰金等臨時措置法2条,罰金等臨時措置法3条,刑法48条2項,刑訴法411条
非常上告につき原判決を破棄して更に判決をした一事例。(執行猶予中の前科刑に対し累犯加重をした場合)
最高裁判所第二小法廷昭和28年3月20日昭和28(さ)2集刑 第76号663頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決において当時被告人の判示前科の刑が執行猶予中であることを認定しながら、刑法五六条、五七条を適用して累犯加重をした上被告人を懲役一年に処する旨の言渡をなしたことは、右各法条の適用を誤つた違法があり、本件非常上告は理由があるのみならず、原判決は被告人のため不利益であること明らかであるから、刑訴四五八条一号により原判決…
参照法条刑法25条,刑法56条,刑法57条,刑訴法411条
公務員に対して虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして虚偽の証明書を作成させこれを行使した所為と犯罪の成否
最高裁判所第一小法廷昭和28年3月12日昭和26(あ)5184集刑 第76号103頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が情を知らないA食糧事務所B出張所長Cに対し虚偽の申立を為し交付を受けた出荷証明書を行使したときは、かゝる証明書を以て偽造の公文書といえないのは勿論虚偽の公文書ともいえないこと当法廷の判例であるから(昭和二四年(れ)一四九六号同二七年一二月二五日当法廷判決参照)、これを行使した所為も罪とならないものといわなければ…
参照法条刑法155条,刑法158条1項
従犯減軽をした罰金刑が法律上の減軽をした処断刑の範囲を超えた場合と判決の破棄
最高裁判所第一小法廷昭和28年2月26日昭和27(れ)76集刑 第74号403頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件行為時における昭和一九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律五条所定の罰金刑は五千円以下であり、従犯減軽をした罰金刑は二千五百円以下であるのに、原判決は被告人に対して法律上の減軽をした処断刑の範囲を超える罰金刑を科したものであるから、刑訴施行法三条の二により適用される刑訴四一一条一号に該当する法令の違反があると…
参照法条経済関係罰則の整備に関する法律5条,刑法63条,刑法68条,新刑訴法411条1号
住居侵入罪と窃盗罪との関係
最高裁判所第二小法廷昭和28年2月20日昭和27(あ)4943集刑 第74号179頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨現行刑法において住居侵入罪と窃盗罪とはその被害法益及び犯罪の構成要件を異にし、住居侵入の行為は窃盗罪の要素に属せず、別個独立の行為であり、しかも通常、右両罪の間には手段結果の関係があることが認められるから、第一審判決が両罪を刑法五四条一項後段のいわゆる牽連犯として取扱つたのは正当である。
参照法条刑法57条1項後段,刑法130条,刑法235条
刑法第二四四条第一項前段にいわゆる「同居の親族」といえない一事例
最高裁判所第二小法廷昭和27年12月26日昭和26(あ)4385集刑 第71号951頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 刑法二四四条一項前段にいわゆる同居の親族に関する原審の見解は正当である。 二 (原審見解)右被害者Aは所論のように被告人と従兄弟の関係にあたる親族ではあるが当時被告人方の一室を間代一ケ月金二百円にて借受け特に被告人方と区劃を為し諸物資の受配、炊事、起居等全く別個に生活をしていたことを明認することができるから、右が同…
参照法条刑法244条
判決に理由不備の違法がある一事例
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月25日昭和23(れ)1738集刑 第71号431頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一定の時に被害者に脳出血による何らかの身体的症状の生じたことを前提として被害者の受傷と死亡との時間的間隔を判定した場合に、右身体的症状を生じたことを認定するための証拠が明らかにその証拠の趣旨と矛盾し、かつ他にこれを認定するにたる証拠のない判決には理由不備の違法がある。
参照法条旧刑訴法360条1項,旧刑訴法410条19号,刑法195条,刑法205条
一 旧労働組合法第一条第二項の規定の趣旨 二 被告人三名の姦淫により致傷の結果を生ぜしめた行為の罪数
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月25日昭和24(れ)1505集刑 第71号487頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 しかし旧労働組合法第一条第二項の規定は同条第一項の目的違反のためにした正当な行為についてのみ刑法第三五条の適用を認めたに過ぎず勤労者の団体交渉においても刑法所定の暴行罪又は脅迫罪にあたる行為が行われた場合にまでその適用があることを定めたものでないことは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三一九号、同二四年五月一八日大…
参照法条旧労働組合法(昭和24年6月法律174号による改正前のもの)1条,刑法35条,刑法181条,刑法177条,刑法45条
包括一罪として起訴され併合罪または連続犯として起訴されたものと認められない一事例
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月25日昭和24(れ)2991集刑 第71号525頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公判請求書に公訴事実として引用された司法警察官の意見書に犯罪事実として単に被告人が実在しない架空人員をもつて一定の期間、一定の主要食糧を不正に受配した旨の記載があるだけで、犯罪の回数の記載もなければ犯意係属とも記載されておらず、また右公判請求書若しくは意見書には犯罪明細表の添附がないばかりでなく記録添附の始末書、聴取書…
参照法条旧刑訴法288条,旧刑訴法290条,旧刑訴法291条,刑法45条,改正前の刑法55条
主任を補助して事務を執つているに過ぎない区役所の事務員が擅に内容虚偽の転出証明書を作成した行為の擬律
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月25日昭和24(れ)822集刑 第71号463頁
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裁判要旨中京区役所第四駐在員事務所主任ではなく単なる同事務所の事務員であつて主任を補助して事務を執つている者にすぎない者は転出証明書を作成交付する権限のない者であるから同人が擅に行使の目的を以つて内容虚偽の転出証明書を作成したことは刑法一五五条の公文書偽造であつて、同法一五六条の犯罪にはならない。
参照法条刑法7条,刑法155条,刑法156条
強姦致傷罪の事実を認定した原判決に対して為された、単純強姦罪の事実を前提とする弁護人の主張に対する判断の要否
最高裁判所第一小法廷昭和27年12月18日昭和24(れ)1410集刑 第70号619頁
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裁判要旨所論は、弁護人は原審において「本件は単純強姦罪と認むべきであつて、被害者の告訴が取下げられた以上免訴すべきものである」旨公訴権消滅免訴の原由たる主張をしたから、原審はこれに対する判断を示すべきであつたにかかわらずこれを示さなかつた違法があると言うのである。しかしながら、右弁護人の主張は単純強姦罪の事実を前提とするもので…
参照法条旧刑訴法360条2項,旧刑訴法410条19号,刑法177条,刑法180条,刑法181条
保護の可能性と刑法第二一八条一項後段の罪の成立
最高裁判所第三小法廷昭和27年12月9日昭和26(あ)2746集刑 第70号285頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨刑法二一八条一項後段の罪の成立するためには、常に必ず事実上保護することが可能であるにかかわらず保護しなかつたことを必要とする趣旨と解することはできない。
参照法条刑法218条
被告人を労役場に留置することにより家族が生活困難におちいる場合と憲法第二五条
最高裁判所第三小法廷昭和27年11月11日昭和26(あ)3235集刑 第69号217頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が罰金を納めることができず、ために労役場に留置せられるためその家族が生活困難におちいるとしてもその判決が憲法二五条に違反しないことは当裁判所判例の趣旨とするところである。
参照法条憲法25条,刑法18条
一 麻薬中毒患者であるか否かの認定と鑑定の要否 二 麻薬施用の罪及び記録不作成の罪の罪数
最高裁判所第一小法廷昭和27年8月21日昭和25(あ)2445集刑 第67号103頁
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裁判要旨一 麻薬中毒患者であるか否かの認定には所論のように特別の知識経験のある者の鑑定等を必要とするものではない。 二 第一審判決竝びに原判決が麻薬施用の罪及び記録不作成の罪について、その施用の都度又は記録不作成毎に別個独立の各罪が成立し包括一罪でない旨判示したのは正当である。
参照法条麻薬取締法39条,麻薬取締法42条1項,刑訴法165条,刑法45条
昏睡者に対する注意義務と過失致死の責任
最高裁判所第三小法廷昭和27年6月24日昭和25(あ)3133集刑 第65号321頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨第一審判決が一般通常人の注意を以つてすれば、当時被告人の夫Aが睡眠剤を嚥下し正常な感覚を失い昏睡状態となつて居たことを容易に認識し得べかりしにかゝわらず、被告人において適当な注意を払わず、夫の容態を確認せず且火気の適当措置を怠つて外出した点に過失責任を認定して失火と過失致死の責任を認めたのは正当である。
参照法条刑法210条,刑法116条
封印又は差押の標示された物自体を損壊する場合と刑法第九六条及び第二六二条の両罪の成立
最高裁判所第三小法廷昭和27年6月3日昭和25(あ)1624集刑 第65号13頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨論旨引用の大審院大正五年(れ)第二八七七号同六年二月六日宣告の判決は執達吏が強制執行のため差押をなし封印を施した穀類の一部を窃取し封印を破棄した事案に関するものであるが、別段刑法九六条の罪の成立を否定したものではなく、却つて同罪と窃盗罪の両罪の成立を認めた趣旨である。そして、原判決も封印又は差押の標示された物自体を損壊…
参照法条刑法96条,刑法262条
権利行使の方法が違法と認められ恐喝罪又は脅迫罪の成立を免れない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和27年5月20日昭和26(れ)2482集刑 第64号575頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨他人に対し権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であつて、且つその方法が社会通念上一般に、忍容すべきものと認められる程度を越えないかぎり、なんら違法の問題を生じないけれども、右の範囲又は程度を逸脱するときは違法となり恐喝罪又は脅迫罪の成立することがあると解するのを相当とする。そして被告人の採つた債…
参照法条刑法249条,刑法222条,刑訴法411条
犯意継続による連続犯関係の認められない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和27年5月6日昭和26(れ)2450集刑 第64号97頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人が本件起訴に係る強盗関係の犯行後一年以上経過した後に原判決指摘の如き前科にかゝる強盗行為を更に犯したことが明白であつてしかも被告人は、本件起訴に係る犯行により逮捕された後昭和二一年四月二六日係検察官に対し深く前非を悔い、真人間となつて更正することを誓つているような場合には両犯罪の間に連続犯の関係を認めるべきではな…
参照法条刑法55条(昭和22年法律124号による削除前),刑法236条
恐喝罪の起訴状記載につき刑訴法第二五六条第六項に違反しない例
最高裁判所第三小法廷昭和27年4月8日昭和26(あ)5087集刑 第63号115頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨「被告人は賭博恐喝等の前科数犯あり、その乾分数名と無為徒食し常に粗暴なる言動ある為世人の嫌忌畏怖して居るに乗じ恐喝せんことを企て」なる起訴状の記載は、恐喝罪の構成要件たる事実であるから、これを起訴状に記載したことは違法ではない(昭和二六年(あ)第二一四四号同年一二月一八日当裁判所決定、昭和二五年(あ)第一〇八九号同二七…
参照法条刑法249条,刑訴法256条6項
正当な権利を有する者がその権利を実行するにあたり詐欺恐喝の手段を用いた場合に関する判例と債権回収の目的でした強盗行為
最高裁判所第二小法廷昭和27年3月7日昭和26(れ)1800集刑 第62号295頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨法律上、他人より財物の交付を受け又は財産上の利得を領得すべき正当の権利を有する者が、その権利を実行するにあたり、欺罔又は恐喝の手段を用いて義務の履行をなさしめて財産の交付を受け又は財産上の利益を領得するも、詐欺恐喝の罪を構成することなしとした大審院刑事総部連合の判決(大正二年(れ)第一二一一号同年一二月二三日宣告)は、…
参照法条刑法236条,刑法246条,刑法249条,刑訴法405条3号
一 普通地方公共団体たる村の水害罹災者に対する救援物資及び義損金の受払、保管の事務の性格と村長に対する業務上横領罪の成立 二 横領罪にいわゆる「他人ノ物」の判示の程度
最高裁判所第一小法廷昭和27年2月21日昭和26(れ)1663集刑 第61号279頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 本件各救援物資及義損金の受払、保管の事務は普通地方公共団体であるa村水害罹災者を救護する事務の一部に外ならないので、地方自治法(昭和二三年法律第一七九号による改正前の法律)二条二項にいわゆる普通地方公共団体の公共事務に該当し、同法一四八条により同村長たる被告人Aの管理、執行すべき事務に属するものと解するを相当とする…
参照法条地方自治法(昭和23年法律179号による改正前のもの)2条2項,地方自治法(昭和23年法律179号による改正前のもの)148条,刑法253条,旧刑訴法360条1項
被告人の黙祕権と偽証教唆罪の成立
最高裁判所第一小法廷昭和27年2月14日昭和26(あ)262集刑 第60号851頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人自身に黙祕権があるからといつて、他人に虚偽の陳述をするよう教唆したときは偽証教唆の責を免れない。
参照法条刑訴法311条,刑法169条,刑法61条
想像的競合にあたる一事例
最高裁判所第三小法廷昭和27年1月29日昭和26(れ)2215集刑 第59号443頁
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裁判要旨強盗が数人を殺害しようと決意し、続け様に三発拳銃を発射して一名を死亡させ他の一名に傷害を与えたとき、刑法第五四条第一項前段にあたる強盗殺人、同未遂であるとした原審の判断は相当である。
参照法条刑法54条1項前段,刑法240条,刑法243条
横領罪と不当高価販売行為との想像的競合と公訴事実の同一性
最高裁判所第三小法廷昭和26年12月25日昭和26(れ)1504集刑 第58号751頁
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裁判要旨右追公判請求書によれば検察官はA等において本件帆布を前記代金にて販売したときに横領行為が完成したものとして公訴を提起した趣旨と認められる。されば、横領罪を構成するものとして起訴された被告人A等の右販売行為が他面において物価統制令に違反するのであるから、刑法五四一条一項前段にいう一個の行為が他の罪名に触れる場合に当り、公…
参照法条物価統制令9条ノ2,刑法253条,刑法54条1項前段,旧刑訴法291条,旧刑訴法409条,旧刑訴法410条18号
刑法第四八条第二項の規定が解除される場合にれを適用した違法と刑訴法第四一一条
最高裁判所第三小法廷昭和26年12月18日昭和25(あ)629集刑 第58号361頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論酒税法第六〇条一項二項の規定を通用して被告人に罰金と懲役とを科するに当り罰金についても刑法第四八条二項を適用した原判決は所論酒税法第六六条の規定の解釈をあやまつて右刑法の規定を適用した違法あるものといわなければならぬ。しかしかかる酒税法の解釈に関する論旨は明らかに刑訴第四〇五条に定める上告理由たる事由にあたらないし…
参照法条昭和24年法律43号による改正前の酒税法60条,刑法48条2項,刑訴法405条,刑訴法411条
犯罪発生原因上に存する憫諒すべき客観的な情状と期待可能性の有無
最高裁判所第一小法廷昭和26年11月29日昭和26(れ)1655集刑 第57号701頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件は期待可能性を欠き責任を阻却し無罪である旨の所論は、原審でその主張がなく従つて原判決もその点について何等判断を与えていなのである。しかのみならず、所論摘示の事情(割当てられた原料は公定価格で買えず製品の公定価格は生産原価を割るので原料の出目で作つた製品を公定価格で売らなければ立ち行かない等)は、いわば貧困で止むなく…
参照法条旧刑訴法360条2項,刑法36条
胴元のために寺銭を徴収することと賄場開帳図利幇助剤の判示方
最高裁判所第三小法廷昭和26年11月6日昭和26(れ)1608集刑 第56号339頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判示によれば、被告人Aが昭和二二年六月二六日と翌二七日の両日に亘つてBのために寺銭を徴収して同人の賭博開帳図利の所為を幇助したことが明らかであるから、所論のように寺銭の額や徴収の方法を一々判示しなくても賄場開帳図利幇助の犯罪事実の摘示として十分である。
参照法条刑法186条2項,刑法62条,旧刑訴法360条1項
民法改正前における分家同意書の偽造、行使罪の処罰可能と憲法第一一条
最高裁判所第一小法廷昭和26年10月4日昭和26(れ)1044集刑 第54号135頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 原判決の確定したところによれば、被告人は昭和一九年六月末頃私文書である戸主Aの分家同意書を偽造、行使したというのである。そして、既に成立したかかる私文書偽造、行使罪を免訴とすべき憲法規定は存しないのであるから、所論は採用し難い。(弁護人沖田誠の上告趣意書) 二 本件は封建的旧民法の戸主権を極端に認容した非民主的思想…
参照法条刑法159条,旧刑訴法363条2号,旧刑訴法161条,憲法11条
一 傷害罪における傷害の意義と、中毒による全身倦怠、膝蓋健反射亢進 二 メチール入ドラム罐を売渡した行為により数人に対し夫々傷害致死、傷害の結果を生ぜしめた場合の罪数 三 証拠物を訊問した予審調書の採証と右証拠物の証拠調の要否
最高裁判所第三小法廷昭和26年9月25日昭和26(れ)1418集刑 第53号313頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 原判決がAに対する傷害として認定した中毒による全身倦怠、膝蓋健反射亢進は人の生活機能の障害を惹起したものであり、これ等は傷害罪にいわゆる傷害に当る。 二 原判決のメチール入ドラム罐をBに売渡したため右メチールアルコールが被告人不知の間に順次被害者に飲用された判示犯罪行為の態様から見て、傷害致死、傷害の各所為は所論の…
参照法条刑法204条,刑法205条,刑法54条1項前段,旧刑訴法336条,旧刑訴法341条
一 公判調書における証拠調をした書類の表示方と「各聴取書」との表示の意義 二 甘藷澱粉の恐喝罪と之を運搬した食糧管理法違反罪との関係
最高裁判所第三小法廷昭和26年9月25日昭和26(れ)1431集刑 第53号345頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 しかし本件記録中には、聴取書として原本たる多くの聴取書の外に、所論指摘の聴取書謄本同抄本が編綴されており、謄本又は抄本の原本たる聴取書は編綴されていない。そして、原審第二回公判調書には、ただ単に「各聴取書」とのみ記載され、「各聴取書原本」と記載されていないのであるから、右「各聴取書」の中には前示各聴取書の謄本及び抄…
参照法条旧刑訴法343条1項3号,旧刑訴法60条,刑法45条,刑法249条,食糧管理法9条
刑法第四五条後段の併合罪と同第五〇条の適用を判示することの要否
最高裁判所第三小法廷昭和26年9月18日昭和26(れ)1231集刑 第53号61頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨記録に徴すれば、被告人には別罪につき所論指摘の裁判が確定して居り、原判決認定の各罪はその裁判確定前に犯されたものであること明らかであるが、原判決は右確定裁判のあることを明らかにしていないけれども、未だ裁判を経ない本件各罪について処断したのは、刑法第四五条後段第五〇条を実際上適用した結果に外ならず、また右各法条の適用は必…
参照法条刑法45条後段,刑法50条,旧刑訴法360条1項
常習賭博の事実を認めている被告人の「罰金にしてもらいたい」との最終陳述の意義
最高裁判所第三小法廷昭和26年9月18日昭和26(れ)727集刑 第53号31頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人は原審公判で第一審の判決摘示の犯罪事実(原判決と同様に常習賭博の事実を認定している)を読み聞けられたのに対し、「その通り相違ありません」と答えているのである。従つて、被告人の全供述を通読すると、最後に被告人が述べた「罰金刑をお願い致します」という供述は、懲役刑より軽い罰金刑の方を願う常人の単純な希望を述べたに過ぎ…
参照法条刑法186条1項,旧刑訴法349条
一 二回に収受した占領物資を所持する罪の罪数 二 被告人に不利益な主張と上告の適否 三 数回の取引に対して一括して統制額超過の謝礼を為した行為と罪数 四 違法の認識と犯意の成立 五 違法の認識を欠いていたという主張と旧刑訴法第三六〇条第二項
最高裁判所第三小法廷昭和26年8月28日昭和26(れ)485集刑 第51号1101頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 原判決はその事実摘示(第一審判決の記載引用)において、被告人Aが二回に亘つて占領軍兵士某から占領軍物資を収受して不法に所持した旨を判示しているが、二個の占領軍物資不法収受罪乃至同所持罪を認定したのではなく、包括して一個の同所持罪を認めたものであることがその判文上からおのづからわかる。論旨は原判決が二個の犯罪を認めた…
参照法条旧刑訴法409条,旧刑訴法411条,旧刑訴法360条2項,刑法45条,刑法38条3項,物価統制令3条
一 事実認定を異にする判例を援用してした判例違反の主張の適否 二 判決書に裁判所の「部名」を表示することの要否
最高裁判所第一小法廷昭和26年8月9日昭和25(あ)2884集刑 第51号793頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 第一審判決は、被害者Aが、被告人は検事であるから代金は支払つてくれるものと誤信した結果、金約五百円に相当する酒食を被告人に提供した事実を認定し、原判決もこの事実認定を肯定しているのである。しかるに所論援用の当裁判所判例では、被害者は畏怖の結果として財物の交付をするに至つた場合なのであるから、本件とは事例を異にし、従…
参照法条刑訴法405条2号,刑訴法405条3号,刑訴法44条,刑法246条,刑法249条,刑訴規則55条,刑訴規則58条
一 犯意の成立と違法の認識 二 上告審において始めて期待可能性がないと主張した場合と上告理由の適否
最高裁判所第一小法廷昭和26年8月9日昭和26(れ)700集刑 第51号595頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 被告人等の犯意は被告人等の買受けた本件物質の価格が公定価格を超えたものであることを被告人等において認識するによつて成立し、さらにその違法であることの認識を必要としないことは当裁判所昭和二四年(れ)第二〇〇六号第二六年一月三〇日第三小法廷判決(判例集五巻二号三七問頁)の趣旨に徴して明らかなところである。 二 原審にお…
参照法条刑法38条1項3項,旧刑訴法409条,旧刑訴法360条2項
捜索差押許可状の許可する範囲――公務執行妨害罪の対象たる公務執行の適法性
最高裁判所第二小法廷昭和26年7月6日昭和24新(れ)454集刑 第49号439頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 記録を調べても、右捜索行為が本件臨検捜索差押許可状の許容する範囲を逸脱し、公務執行妨害罪の対象となり得ないものであるとは解されない。 二 (上告趣意要旨) 三 ところが該臨検捜索差押許可状によれば捜索すべき場所自体又は物として「臨検すべき場所に在る土地建物」が指示されてあり差押えるべき物として「酒税法違反事件を証明…
参照法条刑法95条,刑訴法218条,刑訴法219条
殺害現場の床下に死体を秘匿する行為と死体遺棄罪
最高裁判所第一小法廷昭和26年6月7日昭和26(れ)426集刑 第47号405頁
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裁判要旨旅館の客室で人を殺した者がその死体を右客室の床下に投棄秘匿する場合には、殺人罪の外に死体遺棄罪が成立する。
参照法条刑法199条,刑法190条
罰金不完納の場合の労役場留置期間の割合を一日金二〇円と定めたことと憲法第一四条
最高裁判所第二小法廷昭和26年5月11日昭和25(れ)1763集刑 第45号627頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論は未決勾留日数の法定通算に関する罰金等臨時措置法第七条四項を援用するけれども、未決勾留日数の法定通算と罰金不完納の場合における労役場留置とは必ずしも同列に断ずることを得ないばかりでなく本件犯行は同法施行前の行為にかかり、従つて本件犯行に対する罰金額は金千円を超えることを得ないのであるから原判決が労役場留置期間の割合…
参照法条憲法14条,刑法18条,刑法21条,罰金等臨時措置法7条4項
政府乃至都道府縣が賭場開帳図利罪若しくは富籖罪と本質上同一行為を為すことによつて右賭博等の犯罪行為を公認したものといえるか―刑法第二三章の各条項は失効しない
最高裁判所第三小法廷昭和26年5月1日昭和25(あ)982集刑 第45号101頁
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裁判要旨賭博及び富籖に関する行為が風俗を害し公共の福祉に反するものというべきこと勿論であつて、政府乃至都道府縣が自ら賭場開帳図利若しくは富籖罪と本質上同一の行為を為すこと自体が適法であるか否か又これを認める立法の当否は問題となるが原に犯罪行為と本質上同一である或る種の行為が行われているという事実並にこれを公認している立法がある…
参照法条刑法186条2項,刑法187条,憲法13条
権利実行の手段としての恐喝にあたらない事例
最高裁判所第二小法廷昭和26年4月27日昭和25(れ)1791集刑 第44号689頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決は、その判示のごときAが原審相被告人Bに無断で同人の住所及び氏名を冐用し、禁制品である手巻タバコを小包郵便で他に発送したという不都合な所為につき、被告人が原審共同被告人Bと共謀し、右Aを恐喝して右の事情を内密に済ませるという名義の下にAから金員を喝取することを企て、判示のごとき恐喝行為をしたという事実を認定したも…
参照法条刑法249条1項,刑法60条,旧刑訴法409条
一、自首減軽と裁判所の自由裁量 一、自首調書を作成しないことと法令違背の有無
最高裁判所第三小法廷昭和26年4月24日昭和25(れ)1620集刑 第44号431頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨所論の如き旧刑訴法上の手続違反(自首調書を作成せざる)があつたとしても、それは原審の訴訟手続に関するものではないばかりでなく、自首減軽を為すべきか否かは原審が自由に決し得べきことであるから、真実被告人が自首したものであり且つ原審において自首減軽を相当と認めたならば所論調書の有無に拘わらず、自首の事実を認定して減軽するこ…
参照法条刑法42条,旧刑訴法276条,旧刑訴法273条,旧刑訴法411条
一 刑訴施行法第二条の合憲性 二 食糧緊急措置令第一〇条本文を適用した主要食糧不正受配の事実につき詐欺罪を以て問擬すべしと主張する上告の適否
最高裁判所第一小法廷昭和26年3月29日昭和26(れ)53集刑 第42号861頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 新刑訴法を如何なる時から如何なる事件に適用するかは、経過法の制定に際して諸般の事情を勘案して決せらるべき問題で法律に一任されているところである。従つて刑訴施行法第二条が新刑訴法施行前に公訴の提起があつた事件について新法施行後もなお旧刑訴応急措置法を適用すべき旨を規定したとしても何等憲法に違反するものではなく(昭和二…
参照法条憲法14条,刑訴施行法2条,旧刑訴法409条,旧刑訴法403条,刑法246条1項,食糧緊急措置令10条本文
一 建物の庇下に堆積せる藁に放火した事実によつて建物延焼の認識ありと認め得られるか 二 証拠の一部に矛盾があつても綜合して事実認定ができる場合と採証法則違背の有無
最高裁判所第一小法廷昭和26年3月22日昭和25(れ)1873集刑 第42号357頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 建物の庇下に堆積されている藁に放火すればその建物及びこれに隣接する住家に延焼する危険があることは常識上認められる事柄であるから、特に所論Aの供述のようなものがない場合でも、各被告人に建物に延焼の認識があつたものと認め得られるのである。 二 証拠にはおのずから強弱、直接間接の別があるから、綜合する証拠の一部に矛盾する…
参照法条刑法108条,旧刑訴法336条,旧刑訴法337条
一 賭博常習者の意義 二 「カブ」と称する賭博と賭博方法の判示の程度
最高裁判所第一小法廷昭和26年3月15日昭和25(れ)1918集刑 第41号871頁
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裁判要旨一 しかし賭博常習者というのは賭博を反覆累行する習癖を有する者の義であつて、必ずしも所論のような織業的賭博、いわゆる博賭打ち又は遊人或は定職があつても専ら勝負事に耽つて、半職業化したような特殊な存在をいうものでないことは当裁判所屡次の判例とするところであつて、今なおこれを変更する必要を認めない。 二 しかし、「カブ」と…
参照法条刑法186条1項,刑法185条,旧刑訴法360条1項
暴力行為等処罰に関する法律第一条一項にいう「多衆の威力を示して」にあたる事例
最高裁判所第三小法廷昭和26年3月13日昭和25(れ)1648集刑 第41号513頁
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裁判要旨原判示第二の事実によれば、被告人A、Bら一〇名に近い町方青年が、仲間の者を殴つたのは誰かなどと叫び、吊つてある蚊帳を切り落しなどしたうえ、Cを殴打したのであるし、また同第四の事実によれば、被告人Bら一〇名に近い者が、町方青年側として参集し、Dほか二名に対し出刃庖丁を出して指を切れなどとせまり、かつ右Dを殴打したのである…
参照法条暴力行為等処罰に関する法律1条1項,刑法208条,刑法222条
一 臨時建築等制限規則の性質と同規則失効後の行為に対する罰則適用の関係 二 昭和二二年閣令第六号臨時建築等制限規則の趣旨と同規則第二条違反罪の事実の成立要件並びにその判示方
最高裁判所第二小法廷昭和26年3月2日昭和25(れ)1463集刑 第41号121頁
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裁判要旨一 原判決が本件被告人の行為に対して適用した臨時建築等制限規則は、臨時物資需給調整法第一条に基づく命令であるが、同法はその附則において、当初よりその効力を存続すべき期間を予定し、かつ、その時までになした行為に対する罰則の適用については、この法律は、存続期間の到来によりその効力を失うべき時以後もなお、その効力を有する旨を…
参照法条臨時物資需給調整法(昭和24年法律21号による改正前のもの)1条,昭和12年閣令6号臨時建築等制限規則2条,旧刑訴法364条,旧刑訴法360条1項,刑法6条,昭和22年閣令4号臨時建築等制限規則2条
窃盗と賍物牙保との公訴事実の同一性の有無に関する判例違反の主張の適否―原判決言渡後の判例と刑訴法第四〇五条第二号
最高裁判所第三小法廷昭和26年2月6日昭和25(あ)1851集刑 第40号245頁
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裁判要旨論旨は、窃盗と賍物牙保とがその日時、場所において近接し、対象となる賍物も同一である場合には、基本的事実関係は同一と解すべきであるとして旧刑訴法の適用される事件についての公訴事実の同一性に関する当裁判所の判例を挙示し、原判決は、これら判例と相反する判断をしたものであると主張しているもののようである。論旨挙示の判例中昭和二…
参照法条刑法235条,刑法256条2項,刑訴法256条,刑訴法312条,刑訴法405条2号
記録中に起訴状が現存しない場合における公訴提起の立証
最高裁判所第三小法廷昭和26年2月6日昭和25(あ)860集刑 第40号239頁
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裁判要旨公訴の規定は書面による要式行為であるが、それは一旦適式されれば足るのであつて必ずしも常にかかる書類の現存することを絶対的要件とするものではない。そうして書面に公訴の提起その他公判期日外の訴訟手続の有無及び適否については刑訴第五二条の制限なく他の資料による立証をもとにより妨げられるものではないと解すべきである。然るに原判…
参照法条刑法52条,刑法256条1項
第一審において懲役四月及罰金五万円を言渡し第二審において罰金一五万円を言渡した場合と不利益変更の禁止
最高裁判所第二小法廷昭和26年1月26日昭和24(れ)2529集刑 第39号767頁
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裁判要旨本件において一審判決は被告人に対し懲役四月及罰金五万円に処する。但懲役刑については一年間その執行を猶予する旨を言渡したに対し、原審は、罰金十五万円に処する旨の判決を言渡したのであつて、懲役刑が罰金刑よりも重い刑であることは刑法第一〇条の明定するところであるから、右原審の刑を以て第一審の刑よりも重いとすることはできない。…
参照法条旧刑訴法403条,刑法10条
一 法令の不和と犯意の成立 二 犯罪の情状に関する主張に過ぎない期待不可能の主張
最高裁判所第一小法廷昭和26年1月25日昭和25(れ)1559集刑 第39号671頁
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裁判要旨一 法令の不和と犯意の成立を阻却しないことはいうまでもないところであるし、しかも、被告人が本件犯行当時判示の所為が違法であることを知つていたことは原審公廷における所論引用の裁判長の「幽霊人員を作つて配給を受けるということは悪いと言う事は判つていたね」の問に対し被告人の「はい承知して居りました」の供述に照らしてたやすく容…
参照法条刑法38条3項,旧刑訴法360条2項,旧刑訴法409条
一 賭博罪の判示とその相手方の員数及び氏名の判示の要否 二 賭博方法の判示の程度
最高裁判所第一小法廷昭和26年1月25日昭和25(れ)1627集刑 第39号685頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 賭博罪は二人で偶然の事情により勝負を決しこれに財物を賭けることによつて成立するものであり、その相手方が特定の人物であること及びその員数の如きは必ずしも賭博罪成立の要件ではない。されば所論のように被告人等のなした各賭博行為毎にその相手方の員数及びその氏名を明確に判示しなかつたとしても違法はない。 二 花札を使用して行…
参照法条刑法185条,旧刑訴法360条1項
一 白金指輪は昭和一八年六月商工省告示第五五三号所定の「貴金属製品」にあたる 二 罰金不完納の場合金五〇円を一日に換算し労役場に留置するとしたことと憲法第一四条
最高裁判所第三小法廷昭和26年1月23日昭和24(れ)2803集刑 第39号615頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 原審の適用した昭和一八年六月二六日商工省告示第五五三号の四五九には単に「白金」とあること所論のとおりであるが、右告示の五二一には「貴金属製品」とあつて、本件白金指輪はこれに該当してその輸出は禁じられているものであるから、原判決が右告示を適用したことは何等法令の誤りはなく、論旨は理由がない。 二 罰金刑の言渡を受けた…
参照法条昭和18年6月26日商工省告示553号,貿易統制令(昭和16年勅令581号)4号,貿易統制令施行規則10条ノ2(昭和18年6月26日改正の分),刑法18条,旧刑訴法565条,憲法13条,憲法14条
併合罪の関係にある事件を分離して審判とすることの適否
最高裁判所第一小法廷昭和26年1月18日昭和25(あ)2074集刑 第39号517頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨併合罪の関係にある二個以上の犯罪について、各別に公訴の提起があり、各別個の事件として、同一裁判所に繋属する場合においても、これを併合審理するか否かは、裁判所が各場合における諸般の事情を斟酌して適当に裁定するところに委ねられているのである。そして刑法はその第四七条乃至第五三条において、併合罪が同時に審判せられる場合の刑の…
参照法条刑法47条,刑法53条,刑訴法313条
総則規定の適用を明示しない判決と擬律不備の有無
最高裁判所第一小法廷昭和25年11月2日昭和25(れ)216集刑 第35号39頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決が被告人Aの判示虚偽公文書作成の所為に加功した所為に対し、刑法第六五条一項の適用を明示しなかつたことは所論のとおりである。しかし、同条項のごとき総則規定は特にこれが適用を明示しなくとも、これを適用したことを看取し得れば差支ないものといわなければならない。そして原判決は、その判示冒頭において被告人は昭和二一年三月三…
参照法条刑法65条1項,旧刑訴法360条1項,旧刑訴法410条19号
一 従犯の地位にあつた旨の主張と法律上刑の減免の原由たる事実上の主張 二 被告人に対する最終陳述の機会の附与と「別にありません」を「別にあります」とした調書記載の誤記の認定 三 公判調書における弁護人の姓の誤記たることの認定
最高裁判所第三小法廷昭和25年10月31日昭和25(れ)1224集刑 第19号1065頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 論旨は原審認定の被告人の犯行について被告人は原審に於て従記の地位にあつたことを主張しているのであるからこれは旧刑事訴訟第三六〇条第二項に所謂法律上刑の減免の原由たる事実上の主張に当るにも拘らず原判決は何らこれに対する判断を示していないのは判断遺脱の違法があると主張するが、所論の様な陳述があつたとしてもこれをて刑の減…
参照法条刑法62条,旧刑訴法360条2項,旧刑訴法60条,旧刑訴法74条,旧刑訴法349条3項,旧刑訴法40条17号,旧刑訴法64条
窃盗の共犯として起訴せられ第一審が臟物運搬と認定し原審が窃盗の幇助と認定した場合と事実の同一性
最高裁判所第二小法廷昭和25年10月27日昭和25(れ)1098集刑 第19号1051頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨裁判所は、その基本たる事実関係の同一性を害しない限り、公訴事実とその態様において異り、したがつて適用法条を異にする事実を認定することができるものである(昭和二三年れ第八三八号、同年一二月四日第二小法廷判決参照)。そして、所論の原判示事実は、窃盗の共犯として起訴せられ、第一審が臟物運搬と認定したのを、原審において窃盗の幇…
参照法条刑法60条,刑法235条,刑法256条,刑法62条,旧刑訴法291条,旧刑訴法410条18号
窃盜罪及び強盜罪と刑法第五五條
最高裁判所第二小法廷昭和22年11月5日昭和22(れ)72集刑 第1号5頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨窃盜罪と強盜罪とは、ともに財物奪取行爲より成り、唯後者にあつてはその手段として暴行又は脅迫を施用すると云う點において前者と異るものがあるに過ぎないので、兩者はいずれも同一罪質と云うを妨げないのみならず、ともに同一の章たる第三六章の下に規定されている刑法犯であるから、これを刑法第五五條にいわゆる同一の罪名とするにつき、毫…
参照法条刑法55条,刑法235条,刑法236条
最高裁4件
予定価格等の事前公表前にその近似額等を教示した行為が官製談合防止法(令和4年法律第68号による改正前のもの)8条にいう「公正を害すべき行為」及び刑法(令和4年法律第67号による改正前のもの)96条の6第1項にいう「公正を害すべき行為」に当た…
最高裁判所第三小法廷令和8年4月21日令和6(あ)1657
裁判要旨副市長であった被告人が、入札に際して予定価格等が事前公表されるより前に、関係職員しか知り得ない情報として管理されていた予定価格に近似するおおむねの査定決定額等を、建設会社の代表取締役であり談合を主導していた地区建設業協会の会長である者に対して教示したという本件事実関係の下では、その教示行為は、その後予定価格等が事前公表…
参照法条入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(官製談合防止法)(令和4年法律第68号による改正前のもの)8条、刑法(令和4年法律第67号による改正前のもの)96条の6第1項
津波による原子力発電所の事故につきこれを設置し運転していた電力会社の役員らに業務上過失致死傷罪が成立しないとした第1審判決を維持した原判決が是認された事例
最高裁判所第二小法廷令和7年3月5日令和5(あ)246
参照法条刑法(平成25年法律第86号による改正前のもの)211条1項前段、刑訴法411条
死刑の量刑が維持された事例(日立妻子6人殺害事件)
最高裁判所第二小法廷令和7年2月21日令和5(あ)541
参照法条刑法11条、刑法199条、刑訴法411条2号
労働組合の活動に参加した組合員らの威力業務妨害行為につき、労働組合の執行委員長に共謀が認められた事例
最高裁判所第二小法廷令和7年1月27日令和5(あ)422
参照法条刑法60条、刑法234条
該当する裁判例がありません。