法務会計研究所 / 論点から引く

判例・論点索引

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最高裁 / 裁判集登載135件

農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,その交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進め…

最高裁判所第二小法廷平成21年11月27日平成19(受)1503集民 第232号393頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,補助金の交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進めた場合において,代表理事が,(1)理事会において,それまでの説明に出ていなか…
参照法条農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)33条1項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)33条2項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)39条1項,農業協同組合法(平成17年法律…

A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資をした後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,上記つな…

最高裁判所第二小法廷平成21年11月27日平成19(受)1056集民 第232号353頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資として9億5000万円を融資した後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,県のB社に対する融資により回収することを予定していた上記つなぎ…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条,民法644条,会社法423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉,会社法847条〈株主による責任追及等の訴え〉

株式会社の従業員らが営業成績を上げる目的で架空の売上げを計上したため有価証券報告書に不実の記載がされ,株主が損害を被ったことにつき,会社の代表者に従業員らによる架空売上げの計上を防止するためのリスク管理体制構築義務違反の過失がないとされた事…

最高裁判所第一小法廷平成21年7月9日平成20(受)1602集民 第231号241頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の従業員らが営業成績を上げる目的で架空の売上げを計上したため有価証券報告書に不実の記載がされ,その後同事実が公表されて当該会社の株価が下落し,公表前に株式を取得した株主が損害を被ったことにつき,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,当該会社の代表者に,従業員らによる架空売上げの計上を防止するためのリスク管…
参照法条会社法350条〈代表者の行為についての損害賠償責任〉

株式会社の取締役等の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合における訴えの利益の消長

最高裁判所第二小法廷平成21年4月17日平成20(受)951集民 第230号395頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の取締役又は監査役の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けても,上記訴訟についての訴えの利益は当然には消滅しない。
参照法条会社法830条〈株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え〉,破産法30条,民法653条,民訴法第2編第1章訴え

株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意が有効とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成21年2月17日平成20(受)1207集民 第230号117頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨いわゆる持株会が採用した株式譲渡ルールに従い,株式会社の従業員が持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意は,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,会社法107条〈株式の内容についての特別の定め〉及び127条の規定に反するものではなく,公序良俗にも反せず,有…
参照法条会社法107条〈株式の内容についての特別の定め〉,会社法127条〈株式の譲渡〉,民法90条,(日刊新聞法)日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律1条

交通事故の加害者Yが被害者Xに賠償すべき人的損害の額の算定に当たり,Xの父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づきXが支払を受けた保険金の額を控除した原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成20年10月7日平成20(受)12集民 第229号19頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨Yが運転する車両との衝突事故により傷害を負ったXが,Xの父が保険会社との間で締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づき保険金の支払を受けた場合において,上記保険金の支払をもってYの損害賠償債務の履行と同視することはできないこと,上記保険契約にはいわゆる代位に関する約定があり,上記保険会社は上記保険金の支払によ…
参照法条民法709条,民法722条2項,商法662条

会社分割に伴いゴルフ場の事業を承継した会社が預託金会員制のゴルフクラブの名称を引き続き使用している場合における上記会社の預託金返還義務の有無

最高裁判所第三小法廷平成20年6月10日平成18(受)890集民 第228号195頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の事業主体を表示するものとして用いられている場合において,会社分割に伴いゴルフ場の事業が他の会社又は設立会社に承継され,事業を承継した会社が上記名称を引き続き使用しているときには,上記会社が会社分割後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特…
参照法条会社法22条1項〈譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等〉,会社法757条〈吸収分割契約の締結〉,会社法762条1項〈新設分割計画の作成〉,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)373条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)374条の16

保険契約に適用される約款に基づく履行期が合意によって延期されたと認められ,保険金請求権の消滅時効の起算点がその翌日となるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成20年2月28日平成19(受)733集民 第227号371頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自家用自動車総合保険契約の被保険者が保険会社に対し車両保険金の支払を請求し,その保険契約に適用される約款に基づく履行期が到来した場合に,保険会社から被保険者に対し,その請求についてはなお調査中であり,調査に協力を求める旨記載した書面(協力依頼書)が送付され,その後,保険会社から被保険者に対し,調査への協力には感謝するが…
参照法条商法663条,民法166条1項

1 銀行が,第三者割当増資を計画する企業から新株引受先として予定された当該企業の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例 2 銀行が,積…

最高裁判所第二小法廷平成20年1月28日平成17(受)1440集民 第227号105頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 A銀行が,第三者割当増資を計画するB社から,発行する新株の相当部分を引き受ける予定のB社の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下では,A銀行の取締役らが上記求めに応じて融資を決定したことは,当該融資が,A銀行が当時採用していた企業育成路線の一…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,民法644条,会社法423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉

1 「衝突,接触…その他偶然な事故」及び「被保険自動車の盗難」を保険事故として規定している一般自動車総合保険約款に基づき上記盗難に当たる保険事故が発生したとして車両保険金の支払を請求する場合における事故の偶発性についての主張立証責任 2 被…

最高裁判所第一小法廷平成19年4月23日平成17(受)1841集民 第224号171頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 「衝突,接触…その他偶然な事故」及び「被保険自動車の盗難」を保険事故として規定している一般自動車総合保険約款に基づき,上記盗難に当たる保険事故が発生したとして保険者に対して車両保険金の支払を請求する者は,「被保険者以外の者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」という盗難の外形的な事実を…
参照法条(1,2につき) 商法629条,商法641条,民法91条,民訴法第2編第4章第1節 総則 (2につき) 民訴法247条

1 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合における当該役員報酬の支払の効力 2 株主総会の決議を経ずに役員報酬が支払われたことを理由として当該報酬相当額の賠償を求める株主代表訴訟において被告とされた役…

最高裁判所第三小法廷平成17年2月15日平成15(受)995集民 第216号303頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合には,当該決議の内容等に照らして商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)269条及び商法279条1項の規定の趣旨目的を没却するような特段の事情があると認められない限り,当該役員報酬の支払は株主総会の決議に基づく適法有効なものになる…
参照法条商法(平成13年法律第128号による改正前のもの)267条,商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)269条,商法279条1項,民訴法2条,民法1条2項

破産者が株式会社である場合において破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示の効力

最高裁判所第二小法廷平成16年10月1日平成16(許)5集民 第215号199頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨破産者が株式会社である場合において,破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき,別除権者が破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示は,これを有効とみるべき特段の事情の存しない限り,無効である。
参照法条破産法96条,破産法197条12号,破産法277条,商法254条3項,商法417条,民法653条

商法268条2項による株主代表訴訟への参加が不当に訴訟を遅延させるものとはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成14年1月22日平成10(オ)282集民 第205号73頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲が提起した株主代表訴訟において,控訴審の第1回口頭弁論期日後に乙がした商法268条2項による参加の申出が,甲の第1審における不適切な訴訟追行を是正するためであって,遅きに失したとまではいえないこと,乙の参加の申出を許したとしても相当期間にわたる審理を要するものではないことなど判示の事情の下においては,乙の参加は本件訴…
参照法条商法268条2項,民訴法52条

商法二〇三条二項による指定及び会社に対する通知を欠く株式の共有者につき会社の側から議決権の行使を認めることの可否

最高裁判所第三小法廷平成11年12月14日平成10(オ)866集民 第195号715頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式が数人の共有に属する場合において、商法二〇三条二項による株主の権利を行使すべき者の指定及び会社に対する通知を欠くときは、共有者全員が議決権を共同して行使する場合を除き、会社の側から議決権の行使を認めることはできない。
参照法条商法203条2項

民訴法三三八条一項五号に規定する罰すべき行為の公訴時効が完成したが同条二項に規定する有罪の確定判決等を得ることができないときに当たらないとして除権判決に対する不服の理由があるとはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成11年11月30日平成9(オ)2267集民 第195号543頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民訴法三三八条一項五号に規定する事由があるとして除権判決に対する不服の訴えを提起した原告が右事由の存在を知った時点では罰すべき行為の公訴時効の完成までに少なくとも二年五箇月余りの期間があったのに、同人が捜査機関に右行為について告訴等の手続を執らず、そのことについてやむを得ない事由があったとは認められないという事情の下に…
参照法条公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律774条2項6号,民訴法338条1項5号,民訴法338条2項,商法230条

商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠く新株発行につき著しく不公正な方法によるものではないとはいえず無効原因があるとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成10年7月17日平成8(オ)280集民 第189号395頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社甲が商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠いたまま新株を発行した場合において、それにより、代表取締役戊の姉乙、その夫である監査役丙、同人が代表取締役を務める株式会社丁ら合計すれば当時甲の発行済株式の総数の過半数を所有していた株主らの持株が過半数を割り込むことになり、他方、戊の持株は過半数を上回ることになっ…
参照法条商法280条ノ3ノ2,商法280条ノ10,商法280条ノ15

一 農業協同組合の監事が組合を代表して理事に対してする訴訟の提起と組合規約中の訴訟の提起に理事会の決議を要する旨の規定の適用の有無 二 農業協同組合と理事との間の訴訟の係属中に理事がその地位を失った場合における当該訴訟での監事の代表権の消長

最高裁判所第三小法廷平成9年12月16日平成9(オ)1218集民 第186号625頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 農業協同組合の監事が組合を代表して理事に対する訴訟を提起する場合には、組合規約中の訴訟の提起に理事会の決議を要する旨の規定は適用されない。 二 農業協同組合と理事との間の訴訟の係属中に理事がその地位を失っても、監事は、当該訴訟において組合を代表する。
参照法条民訴法58条,商法275条ノ4,民法53条,農業協同組合法(平成4年法律第56号による改正前のもの)29条,農業協同組合法(平成4年法律第56号による改正前のもの)33条,農業協同組合法39条2項

一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如と他の株主との関係における取締役の職務上の義務違反の有無 二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載され…

最高裁判所第三小法廷平成9年9月9日平成6(オ)362集民 第185号199頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如は、すべての株主に対する関係において取締役の職務上の義務違反に当たる。 二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において、既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合…
参照法条商法204条1項,商法224条1項,商法231条,商法266条ノ3第1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ2,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ5,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)…

有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者の指定方法

最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)1939集民 第181号83頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有限会社の持分が数人の共有に属する場合、有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者は、その共有持分の価格に従い過半数をもって定める。
参照法条有限会社法22条,商法203条2項,民法252条,民法264条

会社が従業員株主らを他の株主よりも先に株主総会の会場に入場させて株主席の前方に着席させたことにより株主が希望する席に座る機会を失ったとしても右株主の法的利益が侵害されたということはできないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成8年11月12日平成5(オ)1747集民 第180号671頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社が従業員株主らを他の株主よりも先に株主総会の会場に入場させて株主席の前方に着席させたことにより、株主が希望する席に座る機会を失ったとしても、右株主が会場中央部付近に着席した上、議長からの指名を受けて動議を提出したという事実関係の下においては、右株主の法的利益が侵害されたということはできない。
参照法条民法709条,商法237条ノ4

いわゆる従業員持株制度に基づいて取得した株式を退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の会社と従業員との合意が有効とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成7年4月25日平成3(オ)1332集民 第175号91頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨定款で株式の譲渡制度を定めている会社において、いわゆる従業員持株制度に基づいて取得した株式を退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の会社と従業員との間でされた合意は、従業員が、右制度の趣旨、内容を了解した上で株式を額面額で取得し、毎年八ないし三〇パーセントの割合による配当を受けていたなど判示の事実関係の下にお…
参照法条商法204条1項,民法90条

営業の重要な一部を譲渡する旨の決議がされた株主総会の招集通知に右営業の譲渡の要領を記載しなかった違法がある場合に商法二五一条により右決議の取消請求を棄却することの可否

最高裁判所第一小法廷平成7年3月9日平成3(オ)120集民 第174号769頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨営業の重要な一部を譲渡する旨の株主総会決議がされたが、右営業の譲渡の要領を株主総会の招集通知に記載しなかった違法がある場合には、右違法が重大でないとはいえず、商法二五一条により右決議の取消請求を棄却することはできない。
参照法条商法251条,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)245条

合資会社の有限責任社員で「専務取締役」の名称の下に無限責任社員の職務を代行していた者について従業員を対象とする退職金規定の適用があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成7年2月9日平成6(オ)2185集民 第174号237頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨合資会社の有限責任社員で「専務取締役」の名称の下に代表者である無限責任社員の職務を代行していた者であっても、定款によって業務執行の権限を与えられておらず、代表者の指揮命令の下に労務を提供していたにとどまり、その対償としての金員の支払を受けていたものについては、右会社の従業員を対象とする退職金規定が適用される。
参照法条商法156条,労働基準法9条,労働基準法11条,労働基準法89条1項3号の2,労働基準法89条2項

新株発行無効の訴えにおいて出訴期間経過後に新たな無効事由を追加して主張することの許否

最高裁判所第二小法廷平成6年7月18日平成3(オ)1807集民 第172号967頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨新株発行無効の訴えにおいて、商法二八〇条ノ一五第一項所定の出訴期間経過後に新たな無効事由を追加して主張することは、許されない。
参照法条商法280条ノ15第1項

著しく不公正な方法によってされた新株発行の効力

最高裁判所第一小法廷平成6年7月14日平成2(オ)391集民 第172号771頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社を代表する権限のある取締役によって行われた新株の発行は、それが著しく不公正な方法によってされたものであり、かつ、右会社の取締役がその新株を引き受けて現に保有し、右会社が小規模で閉鎖的な会社であるなど原判示の事情がある場合でも、有効である。
参照法条商法280条ノ15

招集手続に違法がある株主総会の決議の取消請求を商法二五一条の規定により棄却することができないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成5年9月9日平成3(オ)545集民 第169号577頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨福島県南会津郡a町を本店の所在地とする株式会社が、定款に別段の定めがないにもかかわらず、その株主総会を東京都新宿区に招集した手続の違法がある場合には、右株主総会における決議が発行済株式の約六四パーセントの株式を有する出席株主全員の賛成によって成立したものであり、過去一〇年以上にわたって東京都内で株主総会が開催され、その…
参照法条商法233条,商法247条,商法251条

有限会社の自己持分の取得禁止規定違反による取得の無効を譲渡人から主張することの可否

最高裁判所第一小法廷平成5年7月15日平成2(オ)855集民 第169号219頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有限会社の自己持分の取得禁止規定違反による取得の無効は、これを譲渡人から主張することができない。
参照法条有限会社法24条,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)210条

株主であると主張する者が提起した新株発行不存在確認の訴えが訴えの利益を欠き不適法とされた事例

最高裁判所第一小法廷平成4年10月29日昭和63(オ)958集民 第166号477頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主であると主張する者が提起した新株発行不存在確認の訴えは、その者が、株主でなく、当該新株発行につき他に格別の利害関係を有しないときは、訴えの利益を欠き、不適法である。
参照法条商法280条ノ15,民訴法225条

定期傭船者が船舶の衝突による損害賠償義務を負うとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成4年4月28日昭和63(オ)1737集民 第164号339頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨船舶の使用に関する一切の命令指示等の権限は定期傭船者に属すること、定額の傭船料を支払うことなどの約定がありながら、定額の傭船料は実際に支払われたことがなく、定期傭船者には船長の任免権があるとはいえない場合であつても、船舶が専属的に定期傭船者営業の運送に使用され、その煙突には定期傭船者のマークが表示されており、その運航に…
参照法条商法690条,商法704条1項

商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に支払われた保険金に関する不当利得返還請求権の消滅時効期間

最高裁判所第二小法廷平成3年4月26日平成1(オ)1232集民 第162号769頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨法定の免責事由があるにもかかわらず、商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に保険金が支払われた場合の不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年である。 (補足意見がある。)
参照法条民法167条1項,民法703条,商法522条,商法641条

一 商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人と合併無効の訴えの原告適格 二 商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人が合併無効の訴えの原告適格を有するとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成3年2月19日平成1(オ)1059集民 第162号105頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法二〇三条二項にいう「株主ノ権利ヲ行使スベキ者」の指定及びその旨の会社に対する通知を欠く場合には、特段の事情がない限り、合併無効の訴えにつき原告適格を有しない。 二 合併当事会社の株式を準共有する共同相続人間において商法二〇三条二項にいう「株主ノ権利ヲ行使スベキ者」…
参照法条商法203条2項,商法415条

株主が商法二九三条ノ六の規定に基づいてした会計の帳簿及び書類の閲覧等の請求が閲覧請求書にその理由を具体的に記載してされたものとはいえないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成2年11月8日昭和61(オ)1453集民 第161号175頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主が商法二九三条ノ六の規定に基づき会計の帳簿及び書類の閲覧等を請求するため会社に提出した書面に、「此度貴社が予定されている新株の発行その他会社財産が適正妥当に運用されているかどうかにつき、商法二九三条の六の規定に基づき、貴社の会計帳簿及び書類の閲覧謄写をいたしたい」と記載されているにすぎない場合は、右請求は、閲覧請求…
参照法条商法293条ノ6

株主のする株主名簿の閲覧及び謄写の請求が権利の濫用に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成2年4月17日平成1(オ)65集民 第159号449頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主のする株主名簿の閲覧及び謄写の請求が、自ら発行する新聞等の購読料名下の金員の支払を再開継統させる目的をもってされた嫌がらせあるいは右金員の支払を打ち切ったことに対する報復としてされたものであるときは、右請求は、権利の濫用として許されない。
参照法条民法1条3項,商法263条2項

一 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の履行遅滞となる時期 二 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の遅延損害金の利率

最高裁判所第一小法廷平成元年9月21日昭和59(オ)15集民 第157号635頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務は、履行の請求を受けた時に履行遅滞となる。 二 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の遅延損害金の利率は、年五分である。
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3,民法404条,民法412条

一 地方自治法一四二条の関係私企業に該当する株式会社の株主総会における市町村の助役を取締役に選任する旨の決議の効力 二 商法二七六条の規定により監査役との兼任を禁止されている者を監査役に選任する旨の株主総会決議の効力

最高裁判所第三小法廷平成元年9月19日昭和62(オ)30集民 第157号627頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 市町村の助役を取締役に選任する旨の株主総会決議は、当該株式会社が地方自治法一四二条の関係私企業に該当する場合であつても、有効である。 二 商法二七六条の規定により監査役との兼任を禁止されている者を監査役に選任する旨の株主総会決議は、有効である。
参照法条商法252条,商法276条,地方自治法142条,地方自治法166条2項,地方自治法166条3項

競売による株式取得につき取締役会の承認がない場合と会社に対し株主としての地位を有する者

最高裁判所第三小法廷昭和63年3月15日昭和61(オ)965集民 第153号553頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨定款に定められているのに、競売による株式取得につき取締役会の承認がない場合には、競売前の株主が、なお会社に対して株主としての地位を有する。
参照法条商法204条1項,商法204条ノ2,商法204条ノ5

一 取締役を辞任したが辞任登記未了である者と商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役としての責任の有無 二 取締役を辞任したが辞任登記未了である者が商法一四条の類推適用により同法(昭和五六年法律第七…

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月16日昭和58(オ)678集民 第150号685頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 株式会社の取締役を辞任した者は、辞任したにもかかわらずなお積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえてした場合を除いては、特段の事情がない限り、辞任登記が未了であることによりその者が取締役であると信じて当該株式会社と取引した第三者に対しても、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前…
参照法条商法12条,商法14条,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3第1項

宗教法人の代議制意思決定機関がした決議の不存在確認の訴えの利益の有無

最高裁判所第一小法廷昭和62年3月12日昭和57(オ)1229集民 第150号331頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宗教法人の代議制意思決定機関がした決議の不存在確認の訴えは、当該法人の人的構成要素であり、かつ、右機関の議員の選挙及び被選挙資格を有する者によつてされた場合であつても、そのことの故に直ちに確認の利益があるものとはいえない。
参照法条民訴法225条,商法252条,宗教法人法12条1項6号

有限会社に対する売掛債権の譲渡と譲渡人の取締役に対する有限会社法三〇条ノ三第一項に基づく損害賠償請求権の承継の成否

最高裁判所第三小法廷昭和62年2月17日昭和58(オ)1564集民 第150号189頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有限会社に対し売掛債権を有していた甲が右会社の倒産による右債権の回収不能により取締役に対して有限会社法三〇条ノ三第一項に基づく損害賠償請求権を取得した場合において、右売掛債権が甲から乙に譲渡されても、乙は右の損害賠償請求権を当然には取得しない。
参照法条有限会社法30条ノ3,民法466条

履行期が定められていない合資会社の社員の金銭出資義務につき会社の履行請求前に社員が退社したときと右社員の会社に対する持分払戻請求権の成否

最高裁判所第一小法廷昭和62年1月22日昭和58(オ)1562集民 第150号15頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨合資会社の社員の金銭出資義務の履行期につき定款又は総社員の同意による定めがない場合において、出資義務の履行請求前に社員が退社したときは、右社員の会社に対する持分払戻請求権は成立しない。
参照法条商法89条,商法147条

一 商法二四五条一項一号の営業譲渡契約が株主総会の特別決議を経ていないことにより無効である場合と譲受人がする右の無効の主張 二 営業譲渡契約が譲受会社にとつて商法一六八条一項六号にいう財産引受に当たるのに原始定款に記載しなかつたことにより無…

最高裁判所第一小法廷昭和61年9月11日昭和56(オ)1094集民 第148号445頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 商法二四五条一項一号の営業譲渡契約が譲渡会社の株主総会の特別決議を経ていないことにより無効である場合には、譲受人もまた右の無効を主張することができる。 二 営業譲渡契約が譲受会社にとつて商法一六八条一項六号にいう財産引受に当たるのに、これを譲受会社の原始定款に記載しなかつたことにより無効である場合であつても、譲渡人…
参照法条商法168条1項6号,商法245条1項1号,民法1条2項

商法四四五条一項三号にいう「訴ノ提起」と控訴の申立

最高裁判所第二小法廷昭和61年7月18日昭和61(オ)466集民 第148号357頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法四四五条一項三号にいう「訴ノ提起」には、控訴の申立は含まれない。
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)445条1項3号,民訴法45条

取締役の報酬額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれない旨を明示してされた取締役の報酬額改訂の株主総会決議と商法二六九条

最高裁判所第三小法廷昭和60年3月26日昭和59(オ)1100集民 第144号247頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役の報酬額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれない旨を明示して取締役全員の報酬総額を改訂する株主総会決議がされた場合において、少なくとも使用人として受ける給与の体系が明確に確立されており、かつ、使用人として受ける給与がそれにより支給されている限り、右株主総会決議は、商法二六九条に違反せず、また、同条の脱法行為…
参照法条商法269条

窃取された株券の取得につき悪意又は重過失がある所持人に対する受寄者の株券返還請求権

最高裁判所第二小法廷昭和59年4月20日昭和57(オ)496集民 第141号565頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株券を窃取された受寄者は、株券の所持人がその取得につき悪意又は重過失がある場合には、所持人に対し、民法一九三条の規定に基づき、その返還を請求することができる。
参照法条民法193条,商法229条,小切手法21条

有限会社の社員総会における定款変更決議不存在確認の訴えの適否

最高裁判所第二小法廷昭和59年3月23日昭和57(オ)1356集民 第141号417頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有限会社の社員総会における定款変更決議がその決議の内容となつている事項の変更そのものについて格別の法的拘束力を有しないものであつても、その決議の内容が総会議事録等に記載されているときは、その決議の不存在の確認を求める訴えは適法である。
参照法条有限会社法41条,有限会社法48条,商法252条

合名会社を退社した社員の会社に対する持分払戻請求訴訟と商法七九条の適用の有無

最高裁判所第一小法廷昭和58年4月7日昭和56(オ)1262集民 第138号525頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨合名会社を退社した社員の会社に対する持分払戻請求訴訟については、商法七九条は、適用されない。
参照法条商法79条

退任取締役に贈呈する退職慰労金の額等の決定を取締役会に一任する株主総会の決議及び右の決定を更に取締役会長等に一任する取締役会の決議が無効とはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和58年2月22日昭和56(オ)695集民 第138号201頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨退任取締役に贈呈する退職慰労金の額等の決定を取締役会に一任する株主総会の決議及び右の決定を更に取締役会長等に一任する取締役会の決議は、右の慰労金の算定に関し内規及びその運用についての慣例があり、かつ、株主がこれらを知ることができる状況にあつた等判示の事実関係のもとにおいては、商法二六九条の規定等に反するものではなく、無…
参照法条商法269条

倉荷証券の裏書人欄に裏書人である会社の記名及び会社印の押捺はあるがその代表機関の署名ないし記名捺印がない裏書を適式として扱う商慣習法又は商慣習の存否

最高裁判所第一小法廷昭和57年7月8日昭和53(オ)1284集民 第136号429頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨倉荷証券の裏書人欄に裏書人である会社の記名がされ、かつ、倉荷証券を発行した倉庫営業者にあらかじめ届出がされた右裏書人の会社印が押捺されている場合には、会社の代表機関が会社のためにすることを示して署名ないし記名捺印をしなくても、これを適式の裏書として扱う旨の商慣習法又は商慣習の存在は認められない。
参照法条民法92条,手形法13条,商法1条,商法519条,商法603条

商法二五七条一項但書にいう「正当ノ事由」がないとはいえないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和57年1月21日昭和56(オ)974集民 第135号77頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役であつた甲が持病の悪化により療養に専念するため、その有していた右一会社の株式を取締役乙に譲渡し、乙と代表取締役の地位を交替し、その後乙が、経営陣の一新を図るため臨時株主総会を招集し、右株主総会の決議により、甲を取締役から解任したときは、右解任につき商法二五七条一項但書にいう「正当ノ事由」がないとはい…
参照法条商法257条1項但書

取締役が支給を受くべき退職慰労金と商法二六九条の適用

最高裁判所第二小法廷昭和56年5月11日昭和53(オ)1299集民 第133号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役が退職に際して支給を受くべき退職慰労金が、従業員にも共通に適用される退職慰労金支給規定において勤続年数と退職時の報酬日額を基礎にして算出すべきものとされている場合であつても、右慰労金は商法二六九条所定の報酬にあたる。
参照法条商法269条

取締役会の無効な決議により選任された代表取締役がした行為と商法二六二条の類推適用

最高裁判所第二小法廷昭和56年4月24日昭和54(オ)475集民 第132号585頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役会の無効な決議により選任された代表取締役が会社の代表としてした行為については、会社は、商法二六二条の類推適用により、善意の第三者に対してその責に任ずべきものである。
参照法条商法262条

B鉄道の職員のいわゆる遵法闘争により急行列車が延着した場合とB鉄道旅客営業規則二八九条二項の適用

最高裁判所第二小法廷昭和55年7月18日昭和54(オ)1181集民 第130号287頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨B鉄道の職員のいわゆる遵法闘争により急行列車が延着した場合にもB鉄道旅客営業規則二八九条二項の適用がある。
参照法条商法590条,旅客営業規則(昭和33年日本国有鉄道公示第325号)289条2項

株主総会招集手続に瑕疵がある場合であつても決議取消請求を棄却するのが相当であるとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和55年6月16日昭和55(オ)193集民 第130号15頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨二七〇〇株の株主に対する株主総会の招集通知に法定の招集期間より六日足りない瑕疵がある場合であつても、右株主に対しては代表取締役があらかじめ総会の議題を話しており、右株主も総会が右株主の住居と同一建物内で開催されることを熟知しながら意識的に出席を拒否したものであり、かつ、他の七三〇〇株の株主全員が出席して全会一致で解散の…
参照法条商法232条1項,商法247条

いわゆる社外重役として名目的に就任した取締役につき商法二六六条ノ三第一項前段所定の第三者に対する損害賠償責任が認められた事例

最高裁判所第三小法廷昭和55年3月18日昭和53(オ)369集民 第129号331頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の取引先の会社の代表者の地位にある者が要請によつて右株式会社の資本金の五分の一に相当する株式を取得するとともに、株式会社には常勤せず、その経営内容にも深く関与しないことを前提とするいわゆる社外重役として名目的に取締役に就任したものであつても、同株式会社の代表取締役の業務執行を全く監視せず、取締役会を招集すること…
参照法条商法266条ノ3

株式会社が既存の債務の支払のため満期に支払われる蓋然性の少ない約束手形を振り出した場合と取締役の損害賠償責任

最高裁判所第三小法廷昭和54年7月10日昭和53(オ)1364集民 第127号225頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社が既存の債務の支払のため満期に支払われる蓋然性の少ない約束手形を振り出しても、取締役は、特段の事情のない限り、右手形振出自体につき商法二六六条の三第一項による損害賠償責任を負うものではない。
参照法条商法266条ノ3第1項

新会社の設立につき旧会社の債務の支払を免れることを目的とするなどの事情が存する場合において旧会社に対する債務名義につき新会社に対する強制執行のため執行文付与を命ずることができないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和53年9月14日昭和50(オ)745集民 第125号57頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨新会社の設立について旧会社の負担する債務の支払を免れることを目的とするなど判示の事情が存する場合においても、旧会社と新会社を同一の法人格と解し、又は法人格否認の法理に基づいて、旧会社に対する債務名義につき新会社に対する強制執行のため執行文の付与を命ずることはできない。
参照法条民法33条,商法52条,商法428条,民訴法521条

商法二八〇条ノ一五第一項にいう「発行ノ日」の意義

最高裁判所第三小法廷昭和53年3月28日昭和52(オ)1332集民 第123号307頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法二八〇条ノ一五第一項にいう「発行ノ日」とは、新株発行による変更の登記の日ではなく、新株発行の効力の発生日である新株の払込期日の翌日をいう。
参照法条商法280条ノ15

相互銀行が作成すべき商法二八一条一項所定の貸借対照表、損益計算書、準備金及び利益又は利息の配当に関する議案並びに附属明細書に記載する金額の単位

最高裁判所第三小法廷昭和52年12月23日昭和52(オ)976集民 第122号619頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨相互銀行が作成すべき商法二八一条一項所定の貸借対照表損益計算書、準備金及び利益又は利息の配当に関する議案並びに附属明細書に金額を千円単位で記載しても違法ではない。
参照法条商法281条1項,株式会社の貸借対照表、損益計算書及び附属明細書に関する規則の特例に関する省令2条,相互銀行法施行規則7条,相互銀行法施行規則8条,相互銀行法施行規則9条の2

株式会社の代表取締役のした金銭借入れにつき会社が借主であるとした判断が違法とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和51年11月26日昭和51(オ)689集民 第119号265頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役甲が、新規事業のための調査等に必要な資金として乙から金銭を借り入れた場合において、乙が甲の私的な旧知であり、右新規事業の構想につき役員間に反対があることを知らされていること、右借入れについては、甲から代表取締役の肩書を表示した甲の名刺に右金銭借用の旨を記載した借用書の交付を受け、担保として甲個人の手…
参照法条民法93条,商法261条,民訴法395条1項6号

信用金庫の表見支配人が自己の利益を図るためにした行為と信用金庫の責任

最高裁判所第二小法廷昭和51年10月1日昭和51(オ)523集民 第119号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨信用金庫法四〇条、商法四二条、三八条一項に基づく信用金庫の責任は、相手方が善意である限り、表見支配人のした行為の目的のいかんにかかわらず、これを免れないが、行為者の意図が自己の利益を図るにあり、かつ、相手方が右の意図を知り又は知りうべかりしときには、民法九三条但書の類推適用により、その責に任じない。
参照法条信用金庫法40条,商法38条1項,商法42条,民法93条但書

一、営業権の意義 二、営業権の価格を計上することが税法上相当でないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和51年7月13日昭和50(行ツ)82集民 第118号267頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、営業権とは、当該企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、特殊の製造技術及び特殊の取引関係の存在並びにそれらの独占性等を総合した、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係である。 二、省略
参照法条法人税法2条24号,法人税法施行令13条8号り,商法285条の7

主要取引先の倒産により連鎖的に支払不能に陥つた株式会社の代表取締役に商法二六六条ノ三第一項前段にいう職務を行うについて重大な過失があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和51年6月3日昭和50(オ)372集民 第118号23頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が、主要な販売取引先の経営状態の悪化を知りながら、右取引先の事業に関する調査を怠り、漫然取引を続け、右取引先から受け取る手形の割引によつて支払が可能であると軽信して、他に支払手段を講ずることなく仕入取引先から原材料を仕入れたところ、右販売取引先の倒産により仕入代金の支払不能に陥つた場合には、右取締役…
参照法条商法266条ノ3第1項

株式会社の取締役の法令違反行為が故意又は過失に基づかない場合と会社に対する責任の有無

最高裁判所第三小法廷昭和51年3月23日昭和48(オ)506集民 第117号231頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の取締役の法令又は定款に違反する行為が故意又は過失に基づかない場合には、取締役は、右行為により会社が被つた損害につき責任を負わない。
参照法条商法266条1項5号

株式申込受付票による株券発行前の株式に対する権利の善意取得の成否

最高裁判所第二小法廷昭和50年11月14日昭和50(オ)438集民 第116号475頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式申込受付票により株券発行前の株式に対する権利の善意取得を認める商慣習法ないし商慣習を肯定する余地はない。
参照法条商法204条

一、商法九一条二項にいう相当の担保を供したときの意味 二、所有権又は賃貸権限を有しない者から不動産を賃借した者が真の権利者から同一物をさらに賃借した場合とはじめの賃貸借の帰すう

最高裁判所第二小法廷昭和49年12月20日昭和47(オ)496集民 第113号655頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、商法九一条一項により合名会社の社員の持分を差し押えた債権者のした強制退社予告の効力を失わせる同条二項にいう相当の担保を供したときとは、差押債権者との間で、担保物権を設定し、又は保証契約を締結した場合をいい、差押債権者の承諾を伴わない担保物権設定又は保証契約締結の単なる申込みは、右担保の供与にはあたらない。 二、所有…
参照法条商法91条,民法601条

有限会社の取締役相互間における辞任の申合せと撤回

最高裁判所第一小法廷昭和49年6月17日昭和47(オ)355集民 第112号119頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有限会社の取締役が、その相互間において新取締役選任の決議の手続に入るまでに辞任すべき旨を申し合わせても、後にその申合せを撤回して辞任の手続をとらないことは許される。
参照法条有限会社法32条,商法254条3項,民法651条,民法540条2項

株式会社が商法二六一条三項、七八条二項、民法四四条一項により損害賠償責任を負う場合と代表取締役個人の不法行為責任

最高裁判所第一小法廷昭和49年2月28日昭和48(オ)930集民 第111号235頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が、その職務を行なうにつき不法行為をして他人に損害を加えたため、右株式会社がその賠償の責に任ずる場合には、右代表取締役も、個人として不法行為責任を負うものと解すべきである。
参照法条商法261条3項,商法78条2項,民法44条1項

一、信用協同組合の商人性 二、信用協同組合の商人たる組合員に対する貸金債権と商事消滅時効

最高裁判所第二小法廷昭和48年10月5日昭和46(オ)781集民 第110号165頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合は、商法上の商人にあたらない。 二、中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合の商人たる組合員に対する貸金債権には、商法五〇三条、三条一項により、同法五二二条が適用される。
参照法条中小企業等協同組合法1条,中小企業等協同組合法9条の8,商法4条,商法522条

有限会社社員総会における議長の選任方法

最高裁判所第二小法廷昭和48年8月7日昭和45(オ)695集民 第110号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有限会社の社員総会における議長の選任につき、定款に特別の定めのないかぎり、出席社員の互選によつて議長が選任される。
参照法条有限会社法41条,商法244条2項

商事普通消滅時効のみを援用する場合に民事普通時効につき判断することの要否

最高裁判所第一小法廷昭和48年6月14日昭和47(オ)1011集民 第109号349頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債務者が商法五二二条所定の消滅時効のみを援用することが明らかな場合には、たとえ債権が弁済期から一〇年を経過していても、民法一六七条所定の時効につき判断することを要しない。
参照法条民法145条,民法167条,商法522条

不動産買受仲介の依頼が解除されていない場合に宅地建物取引業者の報酬請求権が否定された事例

最高裁判所第一小法廷昭和48年1月25日昭和47(オ)302集民 第108号33頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宅地建物取引業者甲が乙から土地買受の仲介依頼を受けて仲介に努めたが、土地所有者丙に売却の意思がないため売買契約が成立しなかつたところ、のちに丙の依頼した者の仲介で丙乙間に売買契約が成立した場合は、甲の仲介行為と右売買契約との間に因果関係がなく、乙において故意に右業者の仲介を排除したものでもなく、甲は、乙に対し報酬請求権…
参照法条商法512条,商法550条1項,宅地建物取引業法46条

取締役が会社の債務の支払について約束手形を振り出し不渡になっても債権者に損害が生じないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和47年10月31日昭和47(オ)75集民 第107号87頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役が会社の既存債務の支払について、約束手形を振り出し、右手形が不渡になっても、その振出以前より、会社の経営が行き詰り、資産もなく、右既存債務が債権者の度重なる催告にもかかわらず支払われず、かつ、支払われる見込みもなかつたときは、特段の事情のない限り、手形の不渡によつて右債権者は損害を蒙らない。
参照法条商法266条ノ3

株式会社の取締役がその職務執行行為により第三者に与えた損害につき不法行為責任を負うとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和47年9月21日昭和45(オ)399集民 第106号721頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が、会社において代金を支払う資力がないものである事情を知りながら、会社の被用者をして会社のため第三者から商品を買い受けさせ、右第三者にその代金相当額の損害を与えた場合には、右代表取締役は、右第三者に対し、不法行為による損害賠償責任を負うものと解すべきである。 (意見がある)
参照法条民法709条,商法266条ノ3第1項

商法二六六条一項五号と同法二五四条三項、民法六四四条

最高裁判所第三小法廷昭和47年4月25日昭和45(オ)375集民 第105号843頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法二六六条一項五号には、取締役が同法二五四条三項、民法六四四条の定める注意義務に違反した場合も含まれる。
参照法条商法266条1項5号,商法254条3項,民法644条

実質上の株主が一人である株式会社において法定の選任手続を経ないまま代表取締役として行動してきた右株主が会社を代表してした会社の債権譲渡行為につき法人格否認の法理の適用によりその効力を認めた事例

最高裁判所第一小法廷昭和47年3月9日昭和43(オ)232集民 第105号269頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲株式会社の株主のうち乙を除く者はすべて乙に株主の名義を貸与しているにすぎず、実質上の株主は乙一人であり、会社役員もまた乙のために役員の名義を貸与しているにすぎず、そのため同会社では株主総会が開かれたこともないのに、乙がその代表取締役として行動してきたという事情のもとにおいては、甲会社は、株式会社の形態をとってはいても…
参照法条民法33条,商法52条,商法261条

一、株式会社がその取締役が代表取締役となつている他の株式会社のために為替手形に引受をする行為と商法二六五条 二、商法二六五条に違反して株式会社が引受をした為替手形を取得した第三者に対する会社の手形上の責任

最高裁判所第三小法廷昭和47年2月22日昭和42(オ)1258集民 第105号155頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、株式会社が、その取締役が代表取締役となつている他の株式会社のために為替手形に引受をする行為は、原則として、商法二六五条にいう取引にあたる。 二、甲株式会社が、その取締役が代表取締役となつている乙株式会社のために、商法二六五条に違反して、為替手形に引受をした場合において、甲会社は、右手形を裏書により取得した第三者に対…
参照法条商法265条

一、株式会社の取締役に対する職務執行停止・代行者選任の仮処分の効力存続中に右取締役が辞任しその後の株主総会の決議をもつて同一人を再度取締役に選任することが許されるか 二、株式名義書換請求につき許否を決する行為と商法二七一条にいう「会社ノ常務…

最高裁判所第一小法廷昭和47年2月3日昭和42(オ)1113集民 第105号37頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、株式会社の取締役に対する職務執行停止・代行者選任の仮処分の効力存続中に、右取締役が辞任しその後の株主総会の決議をもつて同一人を再度取締役に選任することも許される。 二、株式名義書換請求につき、その要件を具備するかどうかを審査し、その許否を決することは、商法二七一条にいう「会社ノ常務」に属する行為として、代表取締役職…
参照法条商法270条,商法271条,商法254条

会社が自己の取締役が代表取締役を兼ねている他の会社に宛てて約束手形を振り出す行為と商法二六五条

最高裁判所第一小法廷昭和46年12月23日昭和41(オ)556集民 第104号783頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社が自己の取締役が代表取締役を兼ねている他の会社に宛てて約束手形を振り出す行為は、原則として、商法二六五条にいわゆる取引にあたる。
参照法条商法265条

商法四八九条四号違反の罪が成立するとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和46年12月10日昭和45(あ)245集刑 第182号467頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨化粧品、雑貨等の卸売りならびにこれに付帯する業務を目的とする会社の代表取締役が、穀物等の商品取引のため会社財産から委託証拠金を支払つた行為(判文参照)は、「営業の範囲外」にあると認められ、これについて商法四八九条四号違反の罪が成立する。
参照法条商法489条4号

取締役会の出席取締役中に特別利害関係を有する者があるため一人の取締役のみが議決権を行使しうる場合における決議の成否

最高裁判所第二小法廷昭和46年11月5日昭和46(オ)767集民 第104号173頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役会に出席した取締役のうちに決議につき特別の利害関係を有する者があるため、一人の取締役のみが議決権を行使しうる場合であつても、その一人の取締役によつて有効な決議をすることができる。
参照法条商法260条ノ2

株式会社の代表取締役が株主総会の特別決議を経ることなく株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもつて新株を発行した場合と新株発行無効原因の有無

最高裁判所第二小法廷昭和46年7月16日昭和46(オ)396集民 第103号407頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が新株を発行した場合には、右新株が、株主総会の特別決議を経ることなく、株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもつて発行されたものであつても、その瑕疵は、新株発行無効の原因とはならないものと解すべきである。
参照法条商法280条ノ2

一、手形の押収と時効の停止 二、利得償還請求権の消滅時効期間

最高裁判所第二小法廷昭和46年4月23日昭和45(オ)879集民 第102号579頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、手形が押収されていたため呈示できなかつたとしても、消滅時効の進行が停止される筋合ではない。 二、手形法第八五条の利得償還請求権の消滅時効期間は、五年と解するのが相当である。
参照法条民法161条,手形法85条,商法522条

商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義

最高裁判所第二小法廷昭和46年4月9日昭和44(オ)787集民 第102号439頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要な一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限界に応じ法律上当然に競業避止義務を…
参照法条商法245条1項1号,商法25条

有限会社の代表取締役が代表者印等の保管につき善管義務を尽さないにもかかわらず有限会社法三〇条ノ三による損害賠償義務を負うべきでない場合

最高裁判所第一小法廷昭和45年10月22日昭和41(オ)1219集民 第101号127頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲が代表取締役をしている有限会社乙の会社名ゴム印および代表者印等の保管につき善管義務を尽さず放置しておいたため、右会社の取締役兼丁会社の代表取締役である丙が、それらを無断で使用して約束手形を作成し、丁会社の戊に対する自動車買受代金債務の分割金の支払のため右約束手形を振出交付した場合において、戊が右約束手形の支払を受けら…
参照法条有限会社法30条ノ3

取締役会の決議を経ることなく代表取締役以外の取締役によつて招集された株主総会の決議の効力

最高裁判所第一小法廷昭和45年8月20日昭和44(オ)276集民 第100号373頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役会の決議を経ることなく、代表取締役以外の取締役によつて招集された株主総会は法律上の意義における株主総会とはいえず、そこで決議がなされたとしても、株主総会の決議があつたものと解することはできない。
参照法条商法251条,商法261条

株式会社の代表取締役が職務の執行として第三者所有の機械を無権限者から買い受け解体処分して右第三者に損害を与えた場合における右代表取締役に対する第三者の損害賠償請求権の根拠法条

最高裁判所第一小法廷昭和45年4月30日昭和45(オ)50集民 第99号149頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨省略(最高裁昭和三九年(オ)第一一七五号同四四年一一月二六日大法廷判決・民集二三巻一一号二一五〇頁参照) (反対意見がある。)
参照法条民法709条,商法266条ノ3

信用組合の表見参事が権限なくして約束手形を振り出した場合と信用組合の手形所持人に対する人的抗弁

最高裁判所第二小法廷昭和45年3月27日昭和42(オ)848集民 第98号565頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨手形振出の代理権を有しない信用組合の表見参事が代理資格を冒用して約束手形を振り出した場合において、手形受取人および同人の被裏書人がいずれも右代理権のないことを知つて手形を取得したときには、信用組合は被裏書人である手形所持人に対し、右表見参事が右代理権を有しなかつたことをもつて対抗することができる。
参照法条商法38条3項,手形法17条,手形法77条1項1号,中小企業等協同組合法44条

商法二六六条ノ三第一項の法意 (会社の受託物返還債務の履行不能による寄託者の損害の賠償につき商法二六六条ノ三第一項を適用して代表者の責任が認められた事例)

最高裁判所第一小法廷昭和45年3月26日昭和42(オ)588集民 第98号487頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨最高裁昭和三九年(オ)第一一七五号、同四四年一一月二六日大法廷判決(民集二三巻一一号二一五〇頁)と同旨。 (反対意見あり。)
参照法条商法266条ノ3

商法二六五条にいう取引にあたるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和45年3月12日昭和44(オ)610集民 第98号365頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役が会社を代表して債権者に対し連帯保証契約を締結する行為は、商法二六五条にいう取引にあたる。 (意見がある。)
参照法条商法265条

株主総会の決議の取消を不適当する事情がある場合にあたらないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和44年12月18日昭和43(オ)913集民 第97号799頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主総会における数個の決議の取消を求める訴において、各決議の取消原因として、株主総会につき発せられた招集通知期間に判示のような著しい不足があるのみならず、一個の決議を除く他の決議については、招集通知に会議の目的たる事項の記載がなかつたという瑕疵があるときは、これらの瑕疵は軽微とはいえず、すべての決議について、その取消を…
参照法条商法232条,商法247条

株式会社の役員であつた者に対する退職慰労金についてその具体的な金額などの決定を取締役会に任せた株主総会の決議の効力

最高裁判所第三小法廷昭和44年10月28日昭和44(オ)609集民 第97号95頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の役員であつた者に対する退職慰労金について、株主総会の決議により、その金額などの決定をすべて無条件に取締役会に一任することは許されないというべきであるが、これと異なり、株主総会の決議において、明示的もしくは黙示的に、その支給に関する基準を示し、具体的な金額、支払期日、支払方法などは右基準によつて定めるべきものと…
参照法条商法269条,商法280条

一、運送取扱人ないし運送人の運送契約上の債務不履行に基づく賠償請求権と不法行為に基づく賠償請求権との関係 二、国際海上物品運送法一四条と運送人または荷役業者に対する不法行為に基づく損害賠償責任

最高裁判所第二小法廷昭和44年10月17日昭和43(オ)58集民 第97号35頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、運送取扱人ないし運送人の運送契約上の債務不履行に基づく賠償請求権と不法行為に基づく賠償請求権は競合し、右不法行為責任は、運送品の取扱上通常予想される事態ではなく、契約本来の目的範囲を著しく逸脱する場合にだけ限定されるものではない。 二、国際海上物品運送法一四条は運送人または荷役業者に対する不法行為に基づく損害賠償請…
参照法条民法709条,民法415条,商法766条,商法566条,国際海上物品運送法14条,国際海上物品運送法3条

株式会社の業務執行に関する意思決定権限の代表取締役に対する委任

最高裁判所第三小法廷昭和44年9月2日昭和44(オ)477集民 第96号469頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社は、法令がとくに取締役会の決議事項であると定めたものを除いて、取締役会に属する業務執行に関する意思決定の権限を、定款をもつて、代表取締役に委任することができる。
参照法条商法260条,商法261条

会社の販売部門が独立してあらたな会社が設立された場合において新会社が旧会社の取引上の債務を承継したと認められた事例

最高裁判所第一小法廷昭和43年11月7日昭和43(オ)206集民 第93号109頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の販売部門が分離独立してあらたな会社が設立された場合において、従来右販売部門と取引していたものが旧会社に預託していた信認金名義の担保を新会社が尊重してあらたに担保を徴求することなく右相手方と取引を継続する等判示の如き事情のもとにおいては、新会社は右信認金の返還債務を引受承継したものと解するのが相当である。
参照法条商法245条1項1号,民法第3編第1章第4節(債務引受)

一、手形行為は農業協同組合の目的たる事業の範囲に含まれるか 二、農業協同組合の参事が代理名義を用いず直接同組合の理事名義で手形を振出した場合の右手形の振出行為の効力

最高裁判所第一小法廷昭和43年10月31日昭和42(オ)1329集民 第92号773頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、手形行為は、農業協同組合の目的たる事業の範囲に含まれると解すべきである。 二、農業協同組合の参事が代理名義を用いず、直接同組合の理事名義で手形を振出した場合、右手形の振出行為は組合の行為として有効である。
参照法条農業協同組合法10条,農業協同組合法42条3項,民法43条,商法38条1項,手形法8条

株券の占有のみからその占有者を株主と認定したことに違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和43年10月17日昭和42(オ)1293集民 第92号593頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主総会決議無効確認の訴において、原告が自己の株主であることを立証するために同人名義の株券を書証として提出した場合であつても、その提出が二審においてはじめてされたものであるうえ、右株券には同人名義の白地式裏書があり、同人がこれを他に譲渡して一審当時はこれを所持していなかつたことを窺わせる判示の如き証拠があるときには、こ…
参照法条商法205条2項,商法206条1項

株式会社の取締役が使用人として給料の支払を受ける場合と取締役会の承認

最高裁判所第三小法廷昭和43年9月3日昭和42(オ)461集民 第92号163頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の取締役が、会社の使用人たる地位を兼ね、会社から使用人としての給料の支払を受ける場合には、右給料の支払につき取締役会の承認を受けなければならない。
参照法条商法265条

株主総会決議不存在確認の訴において確認の利益がないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和43年4月12日昭和42(オ)1319集民 第90号981頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役・監査役の選任決議を内容とする株主総会決議の不存在確認の訴は、右取締役・監査役が退任した後においては、現在の法律関係ではなく即時確定の利益を欠くものである。
参照法条民訴法第2編第1章,商法252条

一 理由不備の違法があるとされた事例 二 株式会社の一人の清算人がした自己あてにした取引の効力

最高裁判所第二小法廷昭和42年12月15日昭和42(オ)460集民 第89号427頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨かりに株式会社の清算手続が清算人ひとりですることができるとしても、その清算人は、特段の事情のないかぎり清算会社と取引することができず、これに違反する取引は無効である。
参照法条民訴法395条1項6号,商法430条2項,商法265条

有限会社法第四〇条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義

最高裁判所第二小法廷昭和42年10月6日昭和42(オ)408集民 第88号665頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の営業用財産の全部または重要な一部の譲渡であつても、それが営業を構成する各個の財産としてのみの譲渡であるときは、そのために、譲渡会社が当然営業を廃止し、またはその営業の規模を大幅に縮小するのやむなきにいたる等、当該譲渡会社の運命に重大な影響を及ぼす場合であつても、有限会社法第四〇条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ…
参照法条有限会社法40条1項1号

一 記名株式を目的とする質権の設定の要件 二 親権の共同行使に違反して親権者の父または母が単独でした未成年の子の財産についての処分行為の効力

最高裁判所第二小法廷昭和42年9月29日昭和41(オ)1225集民 第88号611頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 記名株式を目的とする質権の設定には、質権設定の合意のほか株券の交付を要するが、それのみで足りると解すべきである。 二 親権の共同行使に違反して親権者の父または母が単独でした未成年の子の財産についての処分行為は無効である。
参照法条商法205条(昭和41年法律83号による改正前のもの。),商法207条,商法209条,民法824条,民法825条

商法第三八六条第一項第一号により金銭債務の支払を禁止された場合と割賦弁済の不履行を条件とする代物弁済予約完結の成否

最高裁判所第三小法廷昭和42年9月12日昭和40(オ)420集民 第88号377頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨割賦弁済の懈怠を停止条件とする担保物の代物弁済の予約がある場合に、債務者について整理開始の決定があり、金銭債務の支払を禁ぜられたときは、債務者は以後弁済の提供をするに由なく、その不履行を前提とする予約完結の意思表示は効力を生じない。
参照法条商法386条1項1号

表見代表取締役が自己の利益を図るためにした行為と会社の責任

最高裁判所第一小法廷昭和42年7月6日昭和41(オ)875集民 第88号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法第二六二条は、第三者が代表権の欠缺について善意であるかぎり、表見代表取締役のした行為の目的のいかんにかかわらず適用され、行為者の意図が自己の利益を図ることにあつた場合においては、第三者がその意図を知り、または知りうべかりしときにかぎり、会社は、民法第九三条但書の提起を類推適用して、その責を免れることができるにすぎな…
参照法条商法262条,民法93条但書

株式会社の代表取締役が他人から金銭を奪取した場合について商法第二六六条ノ三第一項の規定による損害賠償責任を認めた事例

最高裁判所第三小法廷昭和42年3月7日昭和39(オ)244集民 第86号457頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲株式会社の代表取締役乙が原判示の事情(原判決理由参照)のもとで丙から金銭を奪取した場合には、乙は、商法第二六六条ノ三第一項の規定により、丙に対してその被つた損害の賠償をする義務を負う。
参照法条商法266条ノ3

一 有限会社の資本減少の効力の発生時期 二 減資による変更登記がなされる以前に提起された減資無効の訴の適否

最高裁判所第二小法廷昭和42年2月17日昭和39(オ)383集民 第86号279頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 有限会社における資本減少の効力は、減資実行手続が完了したときに発生し、その登記は、右効力発生の要件ではない。 二 減資実行手続が完了した以上、減資による変更登記がなされる以前であつても、減資無効の訴を提起することができる。
参照法条商法376条,商法380条1項,有限会社法58条

一 取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分と民訴法上の仮処分に関する規定の適用 二 取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分の執行停止ができるとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和41年2月1日昭和38(オ)436集民 第82号219頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分に、民訴法上の仮処分に関する規定を適用することができる。 二 取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分に対し、原判示の事実関係(原判決理由参照)のもとで異議申立がなされた場合には、民訴法第五一二条の準用によつて、異議の裁判があるまで右仮処分の執行停止を命ずることができ…
参照法条商法270条,民訴法760条,民訴法744条,民訴法745条,民訴法512条

会社設立目的の範囲に属しない物品買入行為による発起人の責任

最高裁判所第三小法廷昭和41年2月1日昭和39(オ)175集民 第82号233頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社設立目的の範囲に属しない物品買入行為による代金債務は、会社設立後も発起人が負担する。
参照法条商法168条,商法194条

一 書面の提出のない訴の変更と責問権の喪失 二 実在しない会社の代表者として契約を締結した者の責任

最高裁判所第二小法廷昭和40年7月2日昭和40(オ)4集民 第79号671頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 書面の提出によらない訴の変更の申立に対して、被告からなんら異議を述べないまま弁論が終結されたときは、書面の提出によらなかつた瑕疵は、責問権の放棄または喪失によつて治癒されたもの解すべきである。 二 実在しない会社の代表者として第三者との間に契約を締結した者は、右第三者に対し、民法第一一七条の類推適用によつて責に任ず…
参照法条民訴法232条,民法117条,商法261条

特殊株式を償還したときはその株式数と同数の普通株式を発行することができる旨の定款変更の決議の効力。

最高裁判所第一小法廷昭和40年3月18日昭和36(オ)414集民 第78号335頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社が発行する株式の総数は二四万株、そのうち普通株式および償還株式が各一二万株であり、発行済普通株式の総数が六万株である株式会社が、株主総会において、「特殊株式ヲ償還セルトキハ当社ハ其ノ株式数ト同数ノ普通株式ヲ発行スルコトヲ得」との定款変更の決議をした場合は、右決議は、商法第三四七条に違反し、無効とされるものと解するの…
参照法条商法347条,商法252条

一 会社と同時に破産宣告を受けた合名会社の社員の破産と商法第八五条第四号。 二 醸造元および銘柄を明記した酒瓶用胴張紙は刑法第一五九条第一項にいわゆる事実証明に関する文書にあたるか。

最高裁判所第二小法廷昭和40年3月12日昭和38(あ)1580集刑 第155号17頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 合名会社の社員が会社と同時に破産宣告を受けたときは、右社員の破産は、商法第八五条第四号所定の退社原因にあたらない。 二 醸造元および銘柄を明記した酒瓶用胴張紙は刑法第一五九条第一項にいわゆる「事実証明に関する文書」にあたる。
参照法条商法85条4号,刑訴法27条,刑法159条1項

株券の発行前における株式の譲渡の効力

最高裁判所第二小法廷昭和40年3月5日昭和39(オ)752集民 第78号61頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株券発行前になされた株式の譲渡は、会社設立後、通常、株券を発行しうる合理的期間経過後になされた場合であつても、会社に対してその効力を生じない。
参照法条商法204条2項

後任理事が選任されるまでの間認められた退任理事の権限の存続期間。

最高裁判所第二小法廷昭和39年10月16日昭和39(オ)241集民 第75号861頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨後任理事の選任があるまでは退任理事になお従前の権限を行わせる旨寄附行為に規定されている場合の右権限の存続期間は、後任理事の選任手続に要する相当期間に限られると解すべきではない。
参照法条商法258条1項

一 会社の代表者でない者の作成提出にかかり本来無効な上告趣意書がいわゆる瑕疵の治癒により有効と認められた事例。 二 現行刑事訴訟法の施行と国税犯則取締法第一五条の効力。

最高裁判所第二小法廷昭和39年10月16日昭和38(あ)2860集刑 第152号1029頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 上告趣意書作成日附当時にはすでに死亡していた合資会社の代表社員名義で提出された上告趣意書につき、その提出当時においてはこれを適式、有効と認めるだけの余地がなかつた場合でも、当該会社の有限責任社員であつた者が右趣意書の作成、提出に関与したものと認められ、かつ、その者が無限責任社員となり会社代表資格を取得するのに至つた…
参照法条刑訴法27条1項,刑訴法29条1項,刑訴法254条,商法151条,商法156条,商法162条1項,商法147,商法76条,商法85条3号,刑訴規則266条,刑訴規則238条,国税犯則取締法15条,国税犯則取締法14条

貸金業者のなした消費貸借は商法施行法第一一七条(削除前)にいう商事にあたるか。

最高裁判所第二小法廷昭和39年6月19日昭和38(オ)1404集民 第74号145頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業の届出を受理された者のなした消費貸借であっても、商法施行法第一一七条(削除前)にいう商事にはあたらない。
参照法条貸金業等の取締に関する法律3条,商法4条,商法502条,商法施行法117条(削除前)

民法第一一二条の表見代理の主張に対し商法第二六二条の表見代表取締役の規定を適用して判断することの可否。

最高裁判所第二小法廷昭和39年6月12日昭和38(オ)306集民 第74号57頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨当事者が民法第一一二条の表見代理による約束手形金の支払請求を主張している場合であっても、商法第二六二条の要件事実が主張されている以上、同条の表見代表取締役の行為による会社に対する責任に基づいて、請求を認容することに違法はない。
参照法条民法112条,商法262条,民訴法186条

清算結了登記と会社人格の消滅。

最高裁判所第三小法廷昭和39年4月21日昭和37(オ)54集民 第73号273頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の清算結了の登記があつても、会社を被告とする給付訴訟が係属するときは、清算結了とはいえないから、会社は消滅しない。
参照法条商法54条,商法427条1項,商法430条1項,商法134条

代位弁済と商法第二六五条。

最高裁判所第一小法廷昭和39年2月6日昭和35(オ)672集民 第72号53頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取締役が第三者の会社に対する債務を代位弁済した場においては、取締役の右行為は、債務の履行に関する行為というべきであつて、なんら会社に不利益を与えるものではないから、商法第二六五条の取引に該当しない。
参照法条商法265条

G聯合会に「公司創立登記」を了した股・有限公司は日本国内法上法人格を有するか。

最高裁判所第三小法廷昭和38年10月8日昭和35(オ)809集民 第68号259頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法上の会社設立登記を経由しないかぎり、右公司に独立の法人格は認められない。
参照法条民法36条,商法482条

商法第二六五条違反の為替手形と裏書人の責任。

最高裁判所第一小法廷昭和38年10月3日昭和35(オ)574集民 第68号125頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨為替手形の振出行為、引受行為が商法第二六五条違反によつて無効であるとしても、裏書行為自体に何らの瑕疵もない以上、裏書人の責任に消長をきたさない。
参照法条商法265条,手形法7条

いわゆる同族会社における株主総会の招集手続は口頭の通知をもつてすることが許されるか。

最高裁判所第一小法廷昭和38年8月8日昭和36(オ)1376集民 第67号245頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同族会社における株主総会の招集手続について、有限会社法第三八条等の特別規定はないから、商法第二三二条の手続によらねばならない。
参照法条商法232条

商法第七五条に規定する「他の社員の過半数の決議」は「他の社員全員の同意」をもつて代えうるか。

最高裁判所第二小法廷昭和38年7月19日昭和36(オ)793集民 第67号89頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨代えうる。
参照法条商法75条

白地補充権の消滅時効期間。

最高裁判所第三小法廷昭和38年7月16日昭和37(オ)645集民 第67号75頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨約束手形の白地補充権は五年の短期消滅時効にかかるものと解するのを相当とする。
参照法条手形法10条,商法522条

有限会社の社員総会決議不存在が判定された事例。

最高裁判所第二小法廷昭和38年6月7日昭和37(オ)1248集民 第66号487頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨招集権者の招集に基づかないで一部社員が参集して取締役をきめたとしても、法律上有限会社の社員総会の決議があつたとはいえない。
参照法条有限会社法41条,商法252条

一 民法第一九二条の占有取得の相手方 二 荷渡依頼書の交付によつて貨物の所有権は移転するか

最高裁判所第三小法廷昭和38年5月21日昭和36(オ)505集民 第66号61頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 売渡人以外の者から買受物件の占有移転を受けた場合には、その者が売渡人の占有代理人であるようなときでなければ、買受人は右物件を善意取得できない。 二 荷渡依頼書の交付によつて、これに記載された物件の所有権が被交付者に移転するものとは解せられない。
参照法条民法192条,商法519条

会社の代表者が自己の利を図る目的で会社の名においてした行為の会社に及ぼす効力。

最高裁判所第一小法廷昭和38年1月31日昭和36(オ)798集民 第64号281頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の代表者がその権限を濫用し会社の損害において自己の利を図る目的で会社の名においてした行為は、相手方において右権限濫用の事実を知つていたという事実関係のもとでは、商法第二六五条の適用を問題とするまでもなく、その効力を会社に及ぼさない。
参照法条民法53条,商法265条

運送品到達の荷受人の荷受権限の移転に運送取扱委託者との合意が必要か。

最高裁判所第二小法廷昭和37年11月9日昭和36(オ)171集民 第63号169頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貨物引換証の発行のない場合において、運送品が到達地に達した後は、運送取扱人は、運送取扱委託者との合意がなくても、荷受人から荷受権限の移転を受けた者に対し運送品を引き渡すことによつて、債務の本旨に従つた履行ができる。
参照法条商法568条,商法583条1項

株主総会決議取消の訴において請求を棄却した事例

最高裁判所第一小法廷昭和37年8月30日昭和35(オ)1120集民 第62号329頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社の一部株主の代理人による決議権の行使が定款に違反したこと、他の一部株主に対する株主総会招集通知が欠缺したことの違法があつても、その違法が株主総会決議の結果に異動をおよぼすと認められないときは、右決議取消の請求を棄却することができる。
参照法条商法247条,商法251条(昭和25年法律167号による削除前)

一 代表取締役、支配人らの業務執行についての取締役の監視義務 二 取締役が悪意または重過失により右監視義務を怠り第三者に損害を蒙らせた場合と商法第二六六条ノ三の適用 三 退任の登記および公告を経ない退任取締役と商法第二六六条ノ三の適用

最高裁判所第三小法廷昭和37年8月28日昭和33(オ)370集民 第62号273頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 個々の取締役は取締役会の審議ないし決議を通じて代表取締役、支配人らの業務の執行を監視すべき権利義務を有する。 二 取締役が悪意又は重過失により右監視義務を怠つたことにより第三者に損害を蒙らしめた場合には、商法第二六六条ノ三の規定による損害賠償責任を免れない。 三 退任により取締役の権利義務を有しなくなつた者が職務行…
参照法条商法254条ノ2,商法266条ノ3,商法12条

会社の代表取締役がその行為によつて第三者に損害を負わせたことにつき悪意または重大な過失が認められないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和37年3月15日昭和34(オ)143集民 第59号223頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨銀行に多額の債務を負い、資産状態の悪化している会社の代表取締役が、さきに右会社が融通のため振出した手形の受取人兼裏書人である者から手形金支払の資金として電送された金銭を右銀行の当座預金口座に振込んだところ右銀行が資産状態の悪化を理由に当座取引を一方的に解約して右入金を債権の弁済に充て当座預金を皆無にしたため右手形の決済…
参照法条商法266条の3

貸金業を営む有限会社が営業行為としてなした金銭消費貸借は商法施行法第一一七条(昭和二九年法律第一〇〇号による削除前)にいう商事にあたるか

最高裁判所第三小法廷昭和37年3月13日昭和36(オ)405集民 第59号157頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業を営む有限会社が営業行為としてなした金銭消費貸借は、商法施行法第一一七条(昭和二九年法律第一〇〇号による削除前)にいう商事にあたる。
参照法条商法117条(昭和29年法律100号による削除前),旧利息制限法(明治10年太政官布告66号),有限会社法2条

法律上存在しない会社の取締役社長名義による約束手形の振出の効力

最高裁判所第一小法廷昭和37年2月15日昭和32(オ)294集民 第58号605頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨振出当時いまだ法律上存在しない会社の取締役社長何某として振出人欄に署名して振り出された約束手形は、右何某個人によつて振り出されたものと認めるものが相当である。
参照法条商法57条,手形法8条,手形法75条

株券発行前の株式譲渡の効力

最高裁判所第一小法廷昭和37年2月15日昭和35(オ)798集民 第58号657頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株券発行前の株式の譲渡は、会社に対しては効力を生じないが、譲渡の当事者間では一定の形式を踏まなくても有効である。
参照法条商法204条

応預合罪の成立する事例。

最高裁判所第二小法廷昭和35年6月24日昭和32(あ)1085集刑 第134号369頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨被告人は株式会社A銀行B支店長であつて、原判示C株式会社の発起人D及び同Eから、本件小切手が、小切手資金の裏付けなくして振出されたいわゆる空小切手であることの情を打ち明けられ、これにより株金の払込があつたものとしてその保管金証明書の発給ありたい旨懇請されて、これに応じたものである以上、預合に応じた罪の刑責を免れ得ないこ…
参照法条商法491条,商法177条,商法189条

商法(昭和一三年法律第七二号による改正後のもの)第四八九条(会社財産を危くする罪)第一号の罪と刑法第一五七条の罪(公正証書原本不実記載罪)とは刑法第五四条第一項前段の関係に立ちうるか

最高裁判所第一小法廷昭和33年3月27日昭和28(あ)1870集刑 第123号805頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法(昭和一三年法律第七二号による改正後のもの)第四八九条(会社財産を危くする罪)第一号の罪と刑法第一五七条の罪(公正証書原本不実記載罪)とは、共に成立し、両者は刑法第五四条第一項前段の関係に立ちうる。
参照法条刑法157条,刑法54条1項,商法489条1号

法人のために犯罪行為をした法人の代表者の刑事責任

最高裁判所第一小法廷昭和29年1月21日昭和28(あ)2937集刑 第91号715頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨法人の代表者がその機関たる地位において法人のために犯罪行為をした場合に、法人自体が処罰の対象となり刑事責任を負うかどうかは格別、行為者たる法人の代表者個人がその刑事責任を負担することは、わが刑法上当然である。
参照法条旧商法357条,刑法157条,刑法158条

最高裁1件

1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」 2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役と当該会社を被…

最高裁判所第三小法廷令和8年4月7日令和6(あ)1479
裁判要旨1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらない。 2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、破産手続が終了するまで…
参照法条(1、3につき)会社法475条1号〈清算の開始原因 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)〉、会社法476条〈清算株式会社の能力〉、会社法481条1号〈清算人の職務 現務の結了〉 (1につき)刑訴法339条1項4号 (2、3につき)刑訴法27条1項 (2につき)会社法330条〈株式会社と役員等との関係〉、会社法349条1項〈株式会社の代表〉、民法653条2号、破産法78条1項 (3につき)会…