この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 株式会社は、発行する全部の株式の内容として、譲渡による取得に会社の承認を要すること、株主が取得を請求できること、会社が一定の事由を条件に取得できることの三つの事項を定めることができる。
- 譲渡による取得に承認を要する旨を定める場合は、承認を要する旨に加え、一定の場合に第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときはその旨及び当該一定の場合を定款で定めなければならない。
- 株主が取得を請求できる旨を定める場合は、請求できる旨のほか、対価として交付する社債・新株予約権・新株予約権付社債・株式等以外の財産に応じた各事項及び請求できる期間を定款で定めなければならない。
- 会社が一定の事由を条件に取得できる旨を定める場合は、取得する日及びその事由のほか、別に定める日の到来を事由とする旨、一部取得の旨及び決定方法、対価に応じた各事項を定款で定めなければならない。
第107条 全部の株式の内容についての特別の定め
原文解釈横スクロールできます| 区分(1項各号) | 1項の定めの内容 | 2項で定款に定めるべき事項 |
|---|---|---|
| 一号 | 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること | イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨/ロ 一定の場合において株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 |
| 二号 | 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること | イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨/ロ 対価として社債(新株予約権付社債についてのものを除く)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法/ハ 対価として新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法/ニ 対価として新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項/ホ 対価として株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法/ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 |
| 三号 | 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること | イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由/ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨/ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法/ニ 対価として社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法/ホ 対価として新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法/ヘ 対価として新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項/ト 対価として株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定会社法株主権確認等,株主名簿名義書換等,株式保有確認等請求事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 裁判集登載
- 事件番号
- 平成20(受)1207
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成21年2月17日 棄却
- 登載
- 集民 第230号117頁
- 参照法条
- 会社法107条,会社法127条,民法90条,(日刊新聞法)日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律1条
- 判示事項
- 株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意が有効とされた事例
裁判要旨いわゆる持株会が採用した株式譲渡ルールに従い,株式会社の従業員が持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意は,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,会社法107条及び127条の規定に反するものではなく,公序良俗にも反せず,有効である。
(1) 上記株式譲渡ルールは,日刊新聞の発行を目的とし,日刊新聞法1条に基づき定款で株式の譲受人を事業に関係ある者に限ると規定して,株式の保有資格を原則として現役の従業員等に限定する社員株主制度を採用している当該会社において同制度を維持することを前提に,これにより譲渡制限を受ける株式を円滑に現役の従業員等に承継させるためのものである。
(2) 非公開会社である当該会社の株式にはもともと市場性がなく,上記株式譲渡ルールにおいては,従業員が持株会から株式を取得する際の価格も額面額とされていた。
(3) 当該従業員は,上記株式譲渡ルールの内容を認識した上,自由意思により持株会から額面額で株式を買い受けた。
(4) 当該会社が,多額の利益を計上しながら特段の事情もないのに一切配当を行うことなくこれをすべて会社内部に留保していたというような事情はない。
(1) 上記株式譲渡ルールは,日刊新聞の発行を目的とし,日刊新聞法1条に基づき定款で株式の譲受人を事業に関係ある者に限ると規定して,株式の保有資格を原則として現役の従業員等に限定する社員株主制度を採用している当該会社において同制度を維持することを前提に,これにより譲渡制限を受ける株式を円滑に現役の従業員等に承継させるためのものである。
(2) 非公開会社である当該会社の株式にはもともと市場性がなく,上記株式譲渡ルールにおいては,従業員が持株会から株式を取得する際の価格も額面額とされていた。
(3) 当該従業員は,上記株式譲渡ルールの内容を認識した上,自由意思により持株会から額面額で株式を買い受けた。
(4) 当該会社が,多額の利益を計上しながら特段の事情もないのに一切配当を行うことなくこれをすべて会社内部に留保していたというような事情はない。
実務注記
原文解釈- 2項各号の事項は定款で定めることが必須1項各号の事項を全部の株式の内容として定めるときは、2項各号に定める事項を定款で定めなければならないとされている。
- みなし承認を定める場合は「その旨及び当該一定の場合」の記載が必要譲渡制限に関する定めをするとき、一定の場合に第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすのであれば、その旨及び当該一定の場合を定款に定める必要がある。
- 対価の種類ごとに定めるべき事項が個別に規定されている取得請求権・取得条項のいずれについても、対価として社債、新株予約権、新株予約権付社債、株式等以外の財産のいずれを交付するかにより、定款で定めるべき事項がそれぞれ規定されている。
- 新株予約権付社債を対価とするときは社債部分・新株予約権部分の双方を記載対価が新株予約権付社債であるときは、社債について規定する事項(種類及び金額の合計額又は算定方法)と新株予約権について規定する事項(内容及び数又は算定方法)の双方を定款に定める必要がある。
- 取得請求権には請求期間、取得条項には取得事由の記載が必須取得請求権については株主が取得を請求することができる期間を、取得条項については一定の事由(別に定める日の到来を事由とするときはその旨、一部取得のときはその旨及び決定方法)を定款で定める必要がある。
条文原文
原文ママ会社法 第107条(株式の内容についての特別の定め)
(株式の内容についての特別の定め)
第百七条株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。
一譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
二当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
三当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
2株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。
一譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること次に掲げる事項
イ当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨
二当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること次に掲げる事項
イ株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨
ロイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ハイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ニイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
ホイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
ヘ株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間
三当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること次に掲げる事項
イ一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由
ロ当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨
ハイの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法
ニイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ホイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ヘイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項
トイの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第107条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。