民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第644条受任者の注意義務

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
契約/委任ステップ 1 / 1 委任委任について、条文は何を定めているか。注意義務ステップ 1 / 1 注意義務注意義務について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 受任者は、委任の本旨に従って委任事務を処理する義務を負う。
  • 受任者は、委任事務の処理に当たり、善良な管理者の注意をもってこれに当たらなければならない。
  • 本条は、受任者が負う注意義務の程度を「善良な管理者の注意」と定めるものである。
  • 本条の義務の主体は受任者であり、義務の対象は委任事務の処理である。

受任者の注意義務(民法第644条)

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義務の主体義務の対象従うべき基準注意の程度
受任者委任事務の処理委任の本旨善良な管理者の注意

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法取締役の責任追及請求
位置づけ
最高裁大法廷 / 民集登載
事件番号
昭和41(オ)444
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年6月24日 棄却
登載
民集 第24巻6号625頁
参照法条
民法43条,民法644条,商法166条1項1号,商法254条ノ2,商法254条3項,憲法3章
判示事項
一、政治資金の寄附と会社の権利能力 二、会社の政党に対する政治資金の寄附の自由と憲法三章 三、商法二五四条ノ二の趣旨 四、取締役が会社を代表して政治資金を寄附する場合と取締役の忠実義務
裁判要旨一、会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎり、会社の権利能力の範囲に属する行為である。
二、憲法三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しないかぎり、政治的行為の自由の一環として、政党に対する政治資金の寄附の自由を有する。
三、商法二五四条ノ二の規定は、同法二五四条三項、民法六四四条に定める善管義務をふえんし、かつ、一層明確にしたにとどまり、通常の委任関係に伴う善管義務とは別個の、高度な義務を規定したものではない。
四、取締役が会社を代表して政治資金を寄附することは、その会社の規模、経営実績その他社会的経済的地位および寄附の相手方など諸般の事情を考慮して、合理的な範囲内においてなされるかぎり、取締役の忠実義務に違反するものではない。
民法預金債権
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和56(オ)57
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年4月7日 破棄差戻
登載
民集 第37巻3号219頁
参照法条
民法415条,民法418条,民法644条
判示事項
一 当座勘定取引契約において取引印として届け出られていない実印を使用して偽造された手形小切手の支払いをした銀行に過失があるとされた事例 二 債権者の従業員のした行為が債務不履行の原因となつている場合と過失相殺
裁判要旨一 銀行は、当座勘定取引契約において取引印として届け出られていない実印を用いて振り出された手形、小切手を支払うにあたつては、当該実印が右契約の締結及び取引印の届出に際し使用されていたとしても、取引先に対し支払委託の有無を確認すべき注意義務があり、これを尽くすことなく偽造手形、偽造小切手の支払をしたときは、過失の責を免れない。
二 銀行が取引印として届け出られていない実印の押捺された偽造に係る手形、小切手の支払をしたことが当座勘定取引契約に基づく債務の不履行となる場合において、右手形、小切手の偽造が右取引契約の取引先の経理担当事務員によつてされたものであり、しかも右事務員は、取引先の売掛金、買掛金の記帳、集計、小口現金払等及び取引印の押捺以外の手形、小切手の振出事務を担当し、手形、小切手用紙及び実印が保管されている金庫の番号を記憶し、かつ、その鍵を所持していたなど、判示の事情があるときには、右事務員がした手形、小切手の偽造は、債務不履行に基づく損害賠償責任及びその金額を決するにあたつて取引先と同視すべき者の有責行為として斟酌すべきである。
民法出資持分払戻
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和50(オ)326
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年2月23日 その他
登載
民集 第33巻1号125頁
参照法条
中小企業等協同組合法20条,中小企業等協同組合法38条の2第1項,中小企業等協同組合法42条,商法254条3項,商法254条の2,民法644条
判示事項
一 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の脱退組合員に対する払戻持分の計算のための組合財産の評価に当たり将来退職する組合役員・従業員に支払われるべき退職慰労金・退職金につき当期末現在で算出したその相当額を負債として計上することの可否 二 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の理事全員の協議により組合の経理業務を担当することとされた理事の事務処理に非違があつた場合と同法三八条の二第一項所定の損害賠償責任
裁判要旨一 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の脱退組合員に対する払戻持分の計算のため組合財産を評価するにあたり、将来退職する組合役員・従業員に支払われるべき退職慰労金・退職金につき当期末現在の状態を基準として算出したその相当額を負債として計上することはできない。
二 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の理事会の全員の協議によつて右組合の経理業務を担当するものとされた理事にその事務処理について故意又は過失に基づく非違があつたときは、右理事は、業務担当理事として負担すべき善良な管理者の注意義務ないし忠実義務に違反するものとして、組合に対し、同法三八条の二第一項所定の損害賠償責任を負担するものと解すべきである。

実務注記

原文解釈
  1. 委任の本旨に従うこと受任者は、委任事務の処理に当たり「委任の本旨」に従わなければならないと条文上定められている。
  2. 注意の程度は善良な管理者の注意受任者に課される注意義務の程度は「善良な管理者の注意」であり、条文自体がこの基準を明示している。
  3. 義務の主体は受任者本条が定める委任事務処理に関する注意義務を負うのは受任者である。

条文原文

原文ママ
民法 第644条(受任者の注意義務)
(受任者の注意義務)
第六百四十四条受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

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