会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-04

第349条株式会社の代表

原文解釈概要・一覧表・実務注記は当サイトによる解釈です。条文原文と判例は転記です。

この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
取締役会と業務執行ステップ 2 / 4 会社を代表するのは誰か代表取締役の権限と表見代表代表取締役と表見代表ステップ 1 / 3 誰が代表するか選定と代表権の範囲機関/取締役ステップ 1 / 1 取締役取締役について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 取締役は原則として株式会社を代表するが、代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合はこの限りでない。
  • 前項本文により代表権を有する取締役が二人以上ある場合、取締役は各自、株式会社を代表する。
  • 取締役会設置会社を除く株式会社は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
  • 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
  • 代表取締役の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第349条 株式会社の代表に関する定め

原文解釈横スクロールできます
項場面・対象定め方効果
1項本文取締役—株式会社を代表する
1項但書他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合—取締役は株式会社を代表しない
2項1項本文の取締役が二人以上ある場合—取締役は、各自、株式会社を代表する
3項株式会社(取締役会設置会社を除く。)定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議取締役の中から代表取締役を定めることができる
4項代表取締役—株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する
5項4項の権限に加えた制限—善意の第三者に対抗することができない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
会社法約束手形金不当利得返還等請求事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成19(受)1219
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年4月17日 その他
登載
民集 第63巻4号535頁
参照法条
会社法362条4項,会社法349条4項
判示事項
株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をしたことを理由に同取引の無効を会社以外の者が主張することの可否
裁判要旨株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をした場合,当該会社以外の者が取締役会の決議を経ていないことを理由にその無効を主張することは,当該会社の取締役会が上記無効を主張する旨の決議をしているなどの特段の事情がない限り,許されない。
会社法廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件
事件番号
令和6(あ)1479
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和8年4月7日 棄却
参照法条
(1、3につき)会社法475条1号、会社法476条、会社法481条1号 (1につき)刑訴法339条1項4号 (2、3につき)刑訴法27条1項 (2につき)会社法330条、会社法349条1項、民法653条2号、破産法78条1項 (3につき)会社法478条1項、会社法483条1項 (4につき)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)1条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)25条1項14号、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)32条1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)1条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)12条の2第1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)38条1項1号、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)45条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)46条1項1号
判示事項
1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」 2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役と当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続についての代表権の有無 3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と当該刑事事件に係る訴訟手続についての取締役の代表権の消長 4 汚水を下水道に放流する行為が下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)の罰則の対象となり得ることと廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条違反の罪の成否
裁判要旨1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらない。
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、破産手続が終了するまでの間、当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する。
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する取締役は、会社法478条1項2号又は3号に掲げる者がある場合を除き、破産手続の終了後は、当該刑事事件に係る訴訟手続について清算人の立場で当該会社を代表する。
4 汚水を下水道に放流する行為は、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)によって基準に適合しない下水の排除として規制され、同法の罰則の対象となり得るとしても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条違反の罪が成立し得る。

実務注記

原文解釈
  1. 代表権の原則と例外(1項)取締役は原則として株式会社を代表するが、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は取締役は代表権を有しない。
  2. 3項は取締役会設置会社を除く定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって代表取締役を定めることができる旨の3項は、取締役会設置会社を除く株式会社にのみ適用される。
  3. 代表取締役の選定方法は3通り3項が定める代表取締役の選定方法は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選、株主総会の決議のいずれかによる。
  4. 各自代表の原則(2項)1項本文の取締役が二人以上ある場合、取締役は各自、株式会社を代表する。
  5. 代表権制限の対抗力(5項)代表取締役の権限(4項)に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

条文原文

原文ママ
会社法 第349条(株式会社の代表)
(株式会社の代表)
第三百四十九条取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。
3株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

一次情報