法務会計研究所 / 論点から引く

判例・論点索引

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最高裁大法廷 / 民集登載6件

1 地方公共団体が日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることと労働基準法3条,憲法14条1項 2 東京都が管理職に昇任するための資格要件として日本の国籍を有することを定めた措置が労働基準法3条,憲法14条…

最高裁判所大法廷平成17年1月26日平成10(行ツ)93民集 第59巻1号128頁労働基準法
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 地方公共団体が,公権力の行使に当たる行為を行うことなどを職務とする地方公務員の職とこれに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する一体的な管理職の任用制度を構築した上で,日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは,労働基準法3条,憲法14条1項に違反しない。 …
参照法条憲法14条1項,労働基準法3条,労働基準法112条,地方公務員法(平成10年法律第112号による改正前のもの)58条3項,地方公務員法13条,地方公務員法17条,地方公務員法19条

一、労働委員会が不当労働行為為により雇された労働者の救済命令において賃金相当額の遡及支払を命ずる場合と右労働者が解雇期間中他の職に就いて得た収入額の控除 二、不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間中他の職に就いて得た収入を控除しない…

最高裁判所大法廷昭和52年2月23日昭和45(行ツ)60民集 第31巻1号93頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、労働委員会が不当労働行為により解雇された労働者の救済命令において解雇期間中の得べかりし賃金相当額の遡及支払を命ずる場合に、被解雇者が右期間中他の職に就いて収入を得ていたときは、労働委員会は、解雇により被解雇者の受けた個人的被害の救済の観点のみから右他収入額を機械的にそのまま控除すべきではなく、右解雇が使用者の事業所…
参照法条労働組合法7条1号,労働組合法27条4項

一、憲法一四条、一九条と私人相互間の関係 二、特定の思想、信条を有することを理由とする雇入れの拒否は許されるか 三、雇入れと労働基準法三条 四、企業者が労働者の雇入れにあたりその思想、信条を調査することの可否 五、試用期間中に企業者が管理職…

最高裁判所大法廷昭和48年12月12日昭和43(オ)932民集 第27巻11号1536頁労働基準法
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、憲法一四条や一九条の規定は、直接私人相互間の関係に適用されるものではない。 二、企業者が特定の思想、信条を有する労働者をそのゆえをもつて雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。 三、労働基準法三条は、労働者の雇入れそのものを制約する規定ではない。 四、労働者を雇い入れようとする企業者が、その…
参照法条憲法14条,憲法19条,民法1条,民法90条,労働基準法3条,労働基準法第2章

一、労働者に不利益な労働条件を一方的に課する就業規則の作成または変更の許否 二、五五歳停年制をあらたに定めた就業規則の改正が有効とされた事例 三、就業規則の法的性質

最高裁判所大法廷昭和43年12月25日昭和40(オ)145民集 第22巻13号3459頁労働基準法
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、使用者が、あらたな就業規則の作成または変更によつて、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないと解すべきである。 二、従来停年制のな…
参照法条労働基準法89条,労働基準法93条,民法92条

労働者の賃金債権に対し不法行為を原因とする債権をもつてする相殺の許否。

最高裁判所大法廷昭和36年5月31日昭和34(オ)95民集 第15巻5号1482頁労働基準法
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨労働者の賃金債権に対しては、使用者は、労働者に対して有する不法行為を原因とする債権をもつても相殺することは許されない。
参照法条労働基準法24条,労働基準法17条,民法505条,民法509条

一 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条の「調整」の意義 二 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条により労働者を解雇するについて労働委員会の同意を要する場合 三 単一労働組合の解散とその一構成分子である支部、使用…

最高裁判所大法廷昭和27年10月22日昭和24(オ)105民集 第6巻9号857頁労働基準法労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条の「調整」とは、同法所定の斡旋員または労働委員会によつてなされる正規の斡旋、調停、仲裁による調整を指すものと解すべきである。 二 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条により労働者の解雇または不利益取扱いについて労働委員会の同意を要するのは、正規の調整の…
参照法条旧労働関係調整法(昭和21年法律25号)40条,旧労働組合法(昭和20年法律51号)21条,旧労働組合法(昭和20年法律51号)11条,労働基準法106条,労働基準法89条

最高裁大法廷 / 刑集登載8件

一、公共企業体等労働関係法一七条一項と憲法二八条 二、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と労働組合法一条二項の適用 三、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と刑事法上の処罰阻却 四、郵政職員の争議行為に参加を呼びかけた…

最高裁判所大法廷昭和52年5月4日昭和44(あ)2571刑集 第31巻3号182頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 公共企業体等労働関係法一七条一項は、憲法二八条に違反しない。 二 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為には、労働組合法一条二項の適用はない。 三 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為が犯罪構成要件に該当し、違法性があり、責任がある場合であつても、それが同盟罷業、怠業その他単なる労務不提供のような…
参照法条憲法28条,刑法第1編第7章,刑法35条,刑法130条,公共企業体等労働関係法17条1項,労働組合法1条,労働組合法3条,郵便法79条1項

一 公共企業体等労働関係法一七条一項の合憲性 二 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と労働組合法一条二項の適用

最高裁判所大法廷昭和45年9月16日昭和41(あ)2579刑集 第24巻10号1345頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 公共企業体等労働関係法一七条一項は、憲法二八条に違反しない。 二 公共企業体等労働関係法一七条一項に違反してなされた争議行為にも、労働組合法一条二項の適用がある。
参照法条憲法28条,労働組合法1条,公共企業体等労働関係法17条1項,公共企業体等労働関係法3条

一 労働組合の統制権と憲法第二八条 二 公職選挙への立候補の自由と憲法第一五条第一項 三 労働組合の統制権と組合員の立候補の自由

最高裁判所大法廷昭和43年12月4日昭和38(あ)974刑集 第22巻13号1425頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 労働組合は、憲法第二八条による労働者の団結権保障の効果として、その目的を達成するために必要であり、かつ、合理的な範囲内においては、その組合員に対する統制権を有する。 二 公職の選挙に立候補する自由は、憲法第一五条第一項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべきである。 三 労働組合が、地方議会議員の選挙にあたり、い…
参照法条憲法15条1項,憲法25条,憲法28条,労働組合法1条1項,労働組合法2条,公職選挙法10条,公職選挙法225条1号,公職選挙法225条3号

一 公共企業体等労働関係法第一七条第一項の合憲性 二 公共企業体等労働関係法第一七条第一項違反の争議行為と労働組合法第一条第二項の適用

最高裁判所大法廷昭和41年10月26日昭和39(あ)296刑集 第20巻8号901頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 公共企業体等労働関係法第一七条第一項は、憲法第一一条、第一四条、第一八条、第二五条、第二八条、第三一条、第九八条に違反しない。 二 公共企業体等労働関係法第一七条第一項に違反してなされた争議行為にも、労働組合法第一条第二項の適用がある。
参照法条(一、二につき)公共企業体等労働関係法17条1項,(二につき)公共企業体等労働関係法3条,(一につき)憲法11条,(一につき)憲法14条,(一につき)憲法18条,(一につき)憲法25条,(一につき)憲法28条,(一につき)憲法31条,(一に…

労働争議における労働者側の威力行使の手段(いわゆるピケツト、ライン)と威力業務妨害罪の成立および憲法第二八条

最高裁判所大法廷昭和33年5月28日昭和27(あ)4798刑集 第12巻8号1694頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨労働争議に際し、使用者側の遂行しようとする業務行為を阻止するためにとられた労働者側の威力行使の手段(いわゆるピケツト、ライン)が、諸般の事情からみて正当な範囲を逸脱したものと認められる場合には、威力業務妨害罪が成立し、したがつて、これを処罰することは、憲法第二八条に違反しない
参照法条刑法234条,刑法233条,憲法28条,労働組合法1条2項

団体行動権の行使と認められない一事例

最高裁判所大法廷昭和31年10月24日昭和28(あ)56刑集 第10巻10号1500頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨某会社がその従業員一三名に対し解雇通知および同会社への立入禁止の通告をしたのに対し、同会社労働組合側では右解雇通知の当否を調査し、不当なものについては法定の手続によつて救済を求むべく事後の対策を協議中にもかかわらず、右解雇および立入禁止の通告を受けた二名およびこれを関知した同会社従業員でもなく同会社労働組合員でもない一…
参照法条憲法28条,労働組合法1条2項,労働関係調整法6条,労働関係調整法7条,刑法35条

一 人を逮捕し、引き続き監禁した場合の擬律 二 監禁罪が成立するために要する脅迫の程度 三 監禁の動機目的と監禁罪の成否 四 同時に同一場所に数人を監禁した行為と罪数 五 憲法ならびに労働組合法施行前の労働組合の団体交渉と刑法第三五条 六 …

最高裁判所大法廷昭和28年6月17日昭和24(れ)1622刑集 第7巻6号1289頁労働組合法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 人を不法に逮捕し引き続き監禁した場合には、刑法第二二〇条第一項の一罪が成立する。 二 脅迫による監禁罪が成立するためには、その脅迫は被害者をして一定の場所から立ち去ることを得しめない程度のものでなければならない。 三 監禁罪は、暴行によると脅迫によるとを問わず、他人を一定の場所の外に出ることができなくした場合に成立…
参照法条刑法220条,刑法54条1項,刑法35条,労働組合法(昭和20年法律51号)1条,憲法28条,憲法32条,旧刑訴法360条1項

一 労働関係調整法第七条と正当争議行為 二 生産管理開始のときから占有していた物を後に領得した行為の擬律 三 労働組合法第一条第二項と刑法第三五―争議行為の正当性 四 生産管理において労働者の団体が工場、設備、資材等を接収してその占有下にお…

最高裁判所大法廷昭和25年11月15日昭和23(れ)1049刑集 第4巻11号2257頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 労働関係調整法第七条は、争議行為の定義を掲げただけであつて、争議行為の正当性は別個の観点から判断すべきものである。 二 被告人等が本件生産管理開始のときから判示鉄板を占有していたとしても、それは違法の占有であるから、後にこれを領得しても横領罪とはならず窃盗罪となる。 三 労働組合法第一条第二項は、労働組合の団体交渉…
参照法条労働関係調整法7条,刑法235条,刑法252条,刑法35条,労働組合法1条2項,労働組合法1条,憲法12条,憲法28条,憲法29条

最高裁 / 刑集登載42件

債権譲渡の対価としてされた金銭の交付が貸金業法2条1項と出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律5条3項にいう「貸付け」に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷令和5年2月20日令和4(あ)288刑集 第77巻2号13頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨債権譲渡の対象が労働者の使用者に対する賃金債権であり、譲受人は、自ら使用者に対して支払を求めることは許されず、実際には債権を買い戻させることなどにより労働者から資金を回収するほかなく、労働者は、事実上自ら債権を買い戻さざるを得なかったなどの判示の事情(判文参照)の下では、譲受人から労働者に対する金銭の交付は、形式的には…
参照法条貸金業法2条1項、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律5条3項、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律7条、労働基準法24条1項

労働基準法32条1項(週単位の時間外労働の規制)違反の罪と同条2項(1日単位の時間外労働の規制)違反の罪との罪数関係

最高裁判所第三小法廷平成22年12月20日平成22(あ)148刑集 第64巻8号1312頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨労働基準法32条1項(週単位の時間外労働の規制)違反の罪が成立する場合においても,その週内の1日単位の時間外労働の規制違反について同条2項違反の罪が成立し,両罪は併合罪の関係にある。
参照法条労働基準法32条1項,労働基準法32条2項,労働基準法119条1号,刑法45条前段

1 労働基準法36条1項に基づき月単位の時間外労働の協定が締結されている場合における協定時間を超えた時間外労働と同法32条1項違反の罪 2 週単位の時間外労働の規制違反に係る訴因の特定が不十分で,その記載に瑕疵がある場合に,訴因変更と同様の…

最高裁判所第一小法廷平成21年7月16日平成19(あ)1951刑集 第63巻6号641頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 労働基準法36条1項に基づき月単位の時間外労働の協定が締結されている場合において,協定時間を超えた時間外労働があるときには,原則的な労働時間制の下では,始期から順次1週間について40時間の法定労働時間を超えて労働させた時間を積算し,協定時間に至るまでは協定の効力によって時間外労働の違法性が阻却されるが,これを超えた…
参照法条(1,2につき) 労働基準法32条1項,労働基準法36条1項,労働基準法119条1号 (2につき)刑訴法256条3項,刑訴法312条1項

使用者側が団体交渉の申入れに応じない場合と刑法三六条一項にいう「急迫不正ノ侵害」

最高裁判所第二小法廷昭和57年5月26日昭和56(あ)1131刑集 第36巻5号609頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨使用者側が団体交渉の申入れに応じないという単なる不作為が存するにすぎない場合には、いまだ刑法三六条一項にいう「急迫不正ノ侵害」があるとはいえない。
参照法条刑法36条1項,労働組合法1条

一 失業対策事業等に就労する日雇労働者と団体交渉権 二 団体交渉ないし団体行動権の正当な行使にあたらないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和54年12月19日昭和52(あ)2090刑集 第33巻7号966頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 失業対策事業等に就労する日雇労働者は、その使用者である事業主体に対する関係で団体交渉権を有する。 二 多数の勢威を背景に実力を行使して団体交渉を迫り、要求を受けながら県庁庁舎から退去しなかつた被告人らの本件所為(原判文参照)は、その手段・方法において社会通念の許容する団体交渉ないし団体行動権の正当な行使にあたらない…
参照法条憲法28条,刑法35条,刑法130条後段,労働組合法1条,労働組合法7条2号

一 威力業務妨害罪によつて保護されるべき業務にあたるとされた事例 二 バス会社のストライキに際し組合側の争議手段として行われたいわゆる車両確保行為が威力業務妨害罪又は建造物侵入罪の違法性に欠けるところがないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和53年11月15日昭和52(あ)583刑集 第32巻8号1855頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 バス会社がストライキに参加しない従業員によつて操業を継続するために必要とした本件車両の分散及び保全看守は、それが操業を阻止する手段として組合側の計画していた車両の確保に対する対抗措置として行われたものであつても、威力業務妨害罪によつて保護されるべき業務にあたる。 二 バス会社のストライキに際し、多数人による暴力を伴…
参照法条刑法35条,刑法130条,刑法234条,労働関係調整法7条,労働組合法1条

し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は労働安全衛生規則五三三条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等」に含まれるか

最高裁判所第三小法廷昭和51年12月10日昭和51(あ)550刑集 第30巻11号1919頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は、労働安全衛生規則五三三条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等」に含まれる。
参照法条労働安全衛生法21条2項,労働安全衛生法27条1項,労働安全衛生法119条1号,労働安全衛生規則533条

争議中の労働組合員が会社側管理職員の行つているテレビ生放送に騒音を混入せしめた威力業務妨害行為が刑法上の違法性及び責任に欠けるところはないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和51年5月6日昭和47(あ)1436刑集 第30巻4号519頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨争議中の労働組合員が、争議のため職場を離れた労働組合員に代つて会社側管理職員が予定の放送業務を行つているスタジオ出入口扉前に集まり、一斉に労働歌を高唱し、拍手し、シユプレヒコールを行う等してテレビ生放送に騒音を混入せしめた威力業務妨害行為(判文参照)は、動機・目的その他諸般の事情を考慮に入れても、法秩序全体の見地からみ…
参照法条刑法35条,刑法234条,労働組合法1条2項

他組合員に対する逮捕行為が刑法上の違法性に欠けるところはないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和50年11月25日昭和48(あ)1231刑集 第29巻10号928頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨争議参加中の労働組合員が数名共同で、他組合員を、会社警備員による妨害の及ばないところで説得するため、その者を約三〇メートル引きずり、更に引つ張つたり押すなどして二〇〇メートル余を強いて連行した逮捕行為(判文参照)は、法秩序全体の見地からみるとき、原判示の動機目的、その他諸般の事情に照らしても、刑法上の違法性に欠けるとこ…
参照法条刑法35条,刑法220条1項,労働組合法1条2項

労働組合役員の他組合員に対する暴行、逮捕行為が法秩序全体の見地からみて到底許容されないものであるとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和50年8月27日昭和46(あ)1095刑集 第29巻7号442頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨甲労働組合とこれから脱退した者を中心とする乙労働組合との間の紛争の過程で、甲組合の副組合長が、乙組合の言い分を記載したビラを甲組合の組合員に配付しようとした乙組合の書記長の左肩を掴んで後方に引きのかせ、胸部付近を突き、さらに手首を掴み腕を組むようにして引つ張つて甲組合事務所に連れ込む等した暴行行為、及び右副組合長と甲組…
参照法条刑法35条,刑法208条,刑法220条1項,刑訴法411条1号,労働組合法1条2項

労働基準法所定の労働時間の制限を超える公務の執行と公務執行妨害罪の成否

最高裁判所第二小法廷昭和48年5月25日昭和44(あ)1629刑集 第27巻5号1115頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨法令により公務に従事する者とみなされる日本国鉄道職員であつて労働基準法の適用を受ける者に対する職務命令が、同法所定の労働時間の制限を超えて就労することをその内容としており、かつ、その者の就労が右制限を超えたからといつて、そのために、職務の執行が具体的権限を欠いて違法となり、その者に対する公務執行妨害罪の成立が妨げられる…
参照法条刑法7条,刑法95条1項,日本国有鉄道法34条1項,労働基準法32条1項

労働基準法四二条により使用者が危害防止の措置を講ずべき機械、器具等の範囲

最高裁判所第三小法廷昭和47年6月6日昭和46(あ)989刑集 第26巻5号333頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨労働基準法四二条、四五条、昭和四五年労働省令第二一号による改正前の労働安全衛生規則六三条一項により使用者が講項ずべき危害防止措置の対象たる動力伝導装置等は、当該労働者が作業上接触する危険があるかぎり、その労働者の使用者が所有または管理するものにかぎられるものではなく、また、その労働者をして作業場において直接これを取り扱…
参照法条労働基準法10条,労働基準法42条,労働基準法45条,労働基準法119条1号,労働安全衛生規則(昭和45年労働省令21号による改正前のもの)63条1項

労働基準法四二条にいう「使用者」にあたるとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和47年2月10日昭和46(あ)1769刑集 第26巻1号52頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が、町役場民生課衛生係長として、町営のじん芥焼却場の設備の管理およびそこに就労する労働者の指揮監督の任にあった以上、同人に同設備改善のための費用支出の権限がないとしても、労働基準法四二条にいう「使用者」というをさまたげない。
参照法条労働基準法10条,労働基準法42条,労働基準法119条1号

いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為について、暴力行為等処罰に関する法律一条(刑法二六一条)の罪が成立するとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和46年3月23日昭和44(あ)1876刑集 第25巻2号239頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨多数の者とともに、会社当局に対する争議手段として、一頁大の新聞紙に、「犬と社長の通用口」「吸血ババA」「社長生かすも殺すもなまず舌三寸」「ナマズ釣つてもオカズナラヌ見れば見るほど胸が悪」等主として、会社社長らを誹謗する文言などを墨書したビラ約六一枚を、会社事務所の窓や扉のガラスに洗濯糊をもつて乱雑に貼りつけた行為は、原…
参照法条暴力行為等処罰に関する法律1条,刑法261条,刑法35条,労働組合法1条2項

一 国鉄連絡船の乗務船員でない国鉄労働組合員が航行中の同船内において勤務当直者でない乗務船員に対してオルグ活動をしようとして乗船した場合と船長の退去命令 二 国鉄労働争議における国鉄労働組合員の信号扱所侵入行為が正当性を欠き建造物侵入罪を構…

最高裁判所第一小法廷昭和45年7月16日昭和43(あ)1462刑集 第24巻7号475頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 国鉄連絡船の乗務船員でない国鉄労働組合員が同船に乗り込んだことが、同組合の団体行動として同船の航行中に勤務当直者でない乗務船員たる組合員らに対するオルグ活動をするためであるとしても、船長が退去を命令したときは、これに従うことを要し、これに従わないで船内に滞留することは、労働組合法一条二項にいう正当な行為とはいえず、…
参照法条刑法130条,船員法7条,公共企業体等労働関係法3条1項,公共企業体等労働関係法17条1項,労働組合法1条2項,憲法28条

市電の出庫を阻止したピケツテイングが正当な行為とされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和45年6月23日昭和42(あ)1373刑集 第24巻6号311頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨札幌市役所関係労働組合連合会所属の被告人らが、他の約四〇名とともに、車庫内において市電の前に立ちふさがり、その出庫を阻止して業務を妨害した場合においても、その行為が、市当局の長期間にわたる不当な団体交渉の拒否等に対処し、団体交渉における労使の実質的対等を確保するため、やむなくなされた市電等への乗務拒否を主眼とする同盟罷…
参照法条刑法35条,刑法234条,労働組合法1条2項,地方公営企業労働関係法4条,地方公営企業労働関係法11条1項

住居不退去罪につき違法性を阻却すべき事由が認められないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和43年7月12日昭和42(あ)472刑集 第22巻7号659頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨秋田県県政共闘会議を組織する労働組合の代表者である被告人甲、乙らが、秋田県知事公舎第二応接室において、知事に対し、昭和三六年度県予算に関し折衝した際、折衝が行き詰りとなつたため、知事は同公舎第一応接室において予算案の査定事務にとりかかつたところ、右労働組合の組合員である被告人丙、丁を含む組合員数十名は、右の経過をきいて…
参照法条刑法35条,刑法130条,労働組合法1条2項

いわゆる「トルコ風呂」と労働基準法第八条の適用事業の種類

最高裁判所第二小法廷昭和42年11月8日昭和41(あ)2471刑集 第21巻9号1216頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨本件のようないわゆる「トルコ風呂」の事業は、労働基準法第八条第一四号の事業に該当する。
参照法条労働基準法8条,労働基準法62条,労働基準法119条1号

公共企業体等労働関係法第一七条違反の争議行為と労働組合法第一条第二項。

最高裁判所第二小法廷昭和38年3月15日昭和37(あ)1803刑集 第17巻2号23頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公共企業体等労働関係法第一七条に違反してなされた争議行為に対しては、労働組合法第一条第二項の適用はない。
参照法条公共企業体等労働関係法17条,労働組合法1条2項,刑法130条,刑法35条

労働基準法第六〇条第三項と第三二条第一項との関係。

最高裁判所第二小法廷昭和37年9月14日昭和35(あ)632刑集 第16巻9号1366頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨労働基準法第六〇条第三項の規定は、満十五才以上で満十八才に満たない年少労働者の労働時間の規整に関する基準規定であつて、労働者一般の労働時間の規整に関する同法第三二条第一項の特別規定である。
参照法条労働基準法60条3項,労働基準法32条1項,少年法37条1項3号

違法な時間外労働等についても割増賃金不払罪が成立するか。

最高裁判所第一小法廷昭和35年7月14日昭和33(あ)1135刑集 第14巻9号1139頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨労働基準法第三三条または第三六条所定の条件を充足していない違法な時間外労働ないしは休日労働に対しても、使用者は同法第三七条第一項により割増賃金の支払義務があり、その義務を履行しないときは同法第一一九条第一号の罰則の適用を免れない。
参照法条労働基準法33条,労働基準法36条,労働基準法37条1項,労働基準法119条1号

一 職務安定法第五条にいわゆる「雇傭関係」の意義 二 同法第三二条第一項にいわゆる「職業紹介」の意義 三 労働基準法第六条にいわゆる「他人の就業に介入し」の意義

最高裁判所第三小法廷昭和35年4月26日昭和35(あ)45刑集 第14巻6号768頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 職業安定法第五条にいわゆる「雇傭関係」とは、必ずしも厳格に民法第六二三条の意義に解すべきものではなく、広く社会通念上被用者が有形無形の経済的利益を得て一定の条件のもとに使用者に対し肉体的精神的労務を提供する関係にあれば足る。 二 同法第三二条第一項にいわゆる「職業紹介」とは同法第五条所定のとおり雇傭関係の成立をあつ…
参照法条職業安定法5条,職業安定法32条1項,職業安定法64条1号,労働基準法6条,労働基準法8条,労働基準法118条1項

労働基準法第六二条違反の罪の罪数。

最高裁判所第一小法廷昭和34年7月2日昭和33(あ)2714刑集 第13巻7号1026頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨使用者が労働基準法第六二条に違反して、多数日にわたり多数の年少または女子労働者を深夜業に使用した場合には、特段の事情ある場合を除き、その使用日毎に各就業者各個人別に独立して同条違反の罪が成立するものと解すべく、これらを包括して一罪が成立するものとなすべきではない。
参照法条労働基準法62条1項,労働基準法119条1号,刑法45条

労働組合法第一条第一項の目的達成のための正当行為と認められない事例。

最高裁判所第三小法廷昭和34年4月28日昭和31(あ)1649刑集 第13巻4号466頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨スト支援者が会社の構内において争議中の労組員ら六、七〇名と共謀し、たまたま五・三〇記念大会視察中の巡査部長を取り囲み、多衆の威力を背景にして身体または自由に対し危害を加えかねまじき気勢を示して脅迫を続け、取り上げた警察手帳を読み上げたりした上強要して詫状を書かせ、これを参集者に向つて読み上げさせた後、強いてデモ隊の中央…
参照法条労働組合法1条,刑法223条1項,刑法220条1項,憲法28条

一 労働基準法第二四条第二項違反(賃金不払)罪の罪数を定める基準 二 事業主たる法人の代表者と同法第一二一条第一項の代理人

最高裁判所第一小法廷昭和34年3月26日昭和33(あ)1614刑集 第13巻3号401頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働基準法第二四条第二項違反(賃金不払)罪は、その犯意が単一であると認め難いときは、支払を受け得なかつた労働者各人毎に同条違反の罪が成立すると認むべきである。 二 事業主たる法人の代表者は、同法第一二一条第一項の代理人というに包含されている趣旨と解するの相当である。
参照法条労働基準法24条1項,労働基準法121条

一 いわゆる電源ストについて原判決に理由不備、事実誤認の疑があるとされた事例。 二 ピケツテイングについて理由のくいちがい、真実誤認の疑があるとされた事例。

最高裁判所第一小法廷昭和33年12月25日昭和31(あ)3844刑集 第12巻16号3555頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 本件電源ストにおいて被告人らが排水門、制水門を開放して水力発電所の用水を放流した積極的な所為が、電源職場における被告人ら従業員の労務提供義務不履行行為にあたる理由を説示するところなく無罪とした原判決は、理由不備ないし重大な事実誤認の疑がある。 二 原判決が一面ピケツテイングは平和的説得ないし団結の示威を建前とすると…
参照法条刑法35条,刑法234条,刑法123条,刑訴法411条1号,刑訴法411条3号,労働組合法1条2項

一 刑法第一一七条の二前段にいう「業務」の意義。 二 行政官庁の許可を受けていない夜警勤務と刑法第一一七条ノ二の「業務」としての刑事責任。

最高裁判所第二小法廷昭和33年7月25日昭和30(あ)4124刑集 第12巻12号2746頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 刑法第一一七条の二前段にいう「業務」は、当該火災の原因となつた火を直接取扱うことを業務の内容の全部または一部としているもののみに限らず、火災等の発見防止等の任務にあたる夜警の如きをも包含するものと解するを相当とする。 二 所論は被告人は料理人として昼間八時間勤務した上、更に夜警として勤務したものであるところ、右夜警…
参照法条刑法117条の2,刑法117条ノ2,憲法27条2項,労働基準法93条

憲法第二八条の保障する団体行動権の行使にあたらない事例。

最高裁判所第二小法廷昭和33年7月11日昭和31(あ)685刑集 第12巻11号2532頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨鉱山会社の人員整理に伴う企業整備反対闘争を有利に展開するため、同会社の労働組合員である被告人らが、執務中の同会社文珠坑坑長および同坑労務係長をその各自室から約七百米または約百米離れた角力場まで連行し、爾後約三時間の長きにわたり、組合員数百名と円陣を作つて取り囲み、その脱出を不能ならしめた上マイクをつき付けて執拗に人員解…
参照法条刑法220条,憲法28条,労働組合法1条

職業安定法第六四条第一号(第三二条第一項違反)と労働基準法第一一八条の罪(第六条違反)との関係

最高裁判所第一小法廷昭和33年6月19日昭和32(あ)3274刑集 第12巻10号2236頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨業として、求人依頼者に職人等をあつ旋し、依頼者より手数料を受領する行為は、一個の行為にして職業安定法第六四条第一号の罪(第三二条第一項違反)と労働基準法第一一八条の罪(第六条違反)との二個の罪名に触れる
参照法条職業安定法64条,職業安定法32条,労働基準法118条,労働基準法6条,刑法54条1項

動労基準法第一一八条(第六条違反)の罪と、職業安定法第六三条第二号の罪とが想像的競合となる事例

最高裁判所第二小法廷昭和33年5月6日昭和30(あ)3483刑集 第12巻7号1297頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨業として、同一の婦女を公衆衛生又は公衆道徳上有害な売淫婦の業に就かせる目的で、婦女に売淫させることを業としている者に接客婦として就職を斡旋し、雇主から紹介手数料として金員を受領し利益を得たときは、一個の行為にして労働基準法一一八条(六条違反)の罪と職業安定法六三条二号の罪との二個の罪名に触れる場合に当る
参照法条労働基準法6条,労働基準法118条,職業安定法63条2号,刑法54条1項

労働組合法第一条第一項の目的達成のための正当行為と認められない事例

最高裁判所第三小法廷昭和32年12月24日昭和31(あ)686刑集 第11巻14号3349頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨鉱山会社の企業整備に伴う人員解雇の撤回要求貫徹のため、同会社の労働組合執行委員たる被告人が、執務中の同会社鉱務課長を強いて会社事務所外の組合本部前広場まで連行した上爾後約三時間四〇分の長きに亘り、組合員数百名と円陣を作つて取り囲み、その脱出を不能ならしめた上マイクを突きつけて解雇反対に協力方を執拗に迫り或は組合員大衆の…
参照法条憲法28条,労働組合法1条,刑法220条,刑法234条

一 刑法第二六一条の器物損壊罪が成立する事例 二 刑法第一三〇条にいう「人ノ看守スル邸宅」と認められる事例

最高裁判所第一小法廷昭和32年4月4日昭和31(あ)2696刑集 第11巻4号1327頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働争議中、労組組合員が、某会社の二階庇に掲げてあつた第二組合の木製看板を取り外し、これを同所から一四〇米離れた他家の板塀内に投げ棄てた場合および同会社の事務所土間に置いてある第二組合員家族より同組合員宛ての輸送小荷物に取りつけてあつた荷札を剥ぎ取り、これを持ち去つた場合には、いずれも刑法第二六一条の器物損壊罪が成…
参照法条刑法261条,刑法130条,軽犯罪法1条33号,軽犯罪法1条32号,労働組合法1条

一 期待可能性の不存在を理由として刑事責任を否定する場合、法文上の根拠を示すことを要するか 二 いわゆるピケツテイングが威力業務妨害罪にあたらない一事例

最高裁判所第三小法廷昭和31年12月11日昭和24(れ)2273刑集 第10巻12号1605頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 論旨は、原判決は被告人の所為について期待可能性がないとしてその刑事責任を否定したのであるが、その根拠としてはただ漫然条理上責任を阻却するというに止まり、何故期待可能性なき場合には刑事責任が排斥されるかを成文との繋りにおいて明示してその法的根拠を充分に説示していないから、結局裁判に理由を附せず又は判決に示すべき判断を…
参照法条刑訴法44条,刑法234条,刑法35条,労働組合法1条,裁判所法11条

労働基準法第六条にいわゆる「他人の就業に介入し」の意義

最高裁判所第一小法廷昭和31年3月29日昭和30(あ)2327刑集 第10巻3号415頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨労働基準法第六条にいわゆる「他人の就業に介入し」とは、同法第八条の労働関係の当業者間に第三者が介在して、その労働関係の開始、存続等について媒介または周旋をなす等その労働関係について、何らかの因果関係を有する関与をなす場合をいうものと解するを相当とする。
参照法条労働基準法6条,労働基準法8条,労働基準法118条

正当な争議行為とは認められない一事例

最高裁判所第一小法廷昭和29年12月23日昭和26(あ)5000刑集 第8巻13号2175頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨国鉄当局の業務命令に違反して禁止された電車を運転し、しかもその出発に当つて多数の威力を用いて信号掛を威嚇して進行信号現示のやむなきに至らしめた場合の如きは、正当な争議行為ということはできない。
参照法条労働関係調整法6条,労働関係調整法7条,労働組合法1条,公共企業体労働関係法17条,憲法28条

職業安定法第三二条第一項と労働基準法第六条との関係

最高裁判所第三小法廷昭和28年12月15日昭和27(あ)3350刑集 第7巻12号2430頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨職業安定法第三二条第一項の規定は、労働基準法第六条の規定に対しいわゆる特別法の関係にあるものではない。
参照法条職業安定法32条1項,労働基準法6条,刑法54条1項

一 労働基準法第八五条第一、二項と訴訟の必要的前置手続 二 労働基準法第七九条にいわゆる業務上死亡と認められない一事例

最高裁判所第三小法廷昭和28年11月17日昭和26(あ)4857刑集 第7巻11号2185頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働基準法第八五条第一、二項は訴訟の必要的前置手続を定めたものではない。 二 東京都練馬区a町b内Aに雇われている大工が、平常どおり、その日の作業を終り、就業時間経過後に、右職場を離れて、任意に、東上線電車に乗車し、自宅に帰る途中、誤つてその車輛から顛落死亡した場合は、労働基準法第七九条にいわゆる業務上の死亡にあた…
参照法条労働基準法85条1項,労働基準法85条2項,労働基準法79条,刑法246条

一 生産管理と威力による業務妨害罪の成立 二 生産管理の違法性 三 労働関係調整法第七条と争議行為の適法性

最高裁判所第二小法廷昭和27年2月22日昭和25(れ)1902刑集 第6巻2号288頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 生産管理として多数の威力をもつて会社の事業の管理即ち支配を排除した以上、刑法第二三四条の業務妨害が成立する。 二 経営権と労働権との対等を保障している現行の法律秩序からすれば、両者の間に労働協約による特別の定めがないかぎり、企業経営、生産行程の指揮命令は使用者側の権限に属するのであるから、同盟罹業が有効でないからと…
参照法条労働関係調整法7条,労働組合法(昭和24年法律174号による改正前のもの)1条,刑法234条,刑法233条

労働争議に対する激励行為を逸脱した構内侵入と建造物侵入罪の成立

最高裁判所第一小法廷昭和27年1月17日昭和26(れ)1952刑集 第6巻1号93頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨原判決が証拠に基き適法に確定したところによれば、被告人の本件侵入行為は団体交渉のためではなく、被告人の属するA労働組合でない他の組合である判示B化学工業株式会社D工業所の労働組合の争議に対する激励のためのデモ敢行のためであり、また、本件工場内にはいわゆる賠償工場に指定されているものも点在し前日における再三に亘るデモ隊の…
参照法条憲法28条,刑法130条,労働組合法(昭和24年法律174号による改正前)1条,労働組合法(昭和24年法律174号による改正前)10条,労働関係調整法6条

一 労働基準法第二四条に定められた資金支払義務者の意義 二 表面上は会社の有限責任社員に過ぎないが事実上会社運営の実権を握り経営を担当している者と労働基準法第一〇条にいわゆる「使用者」

最高裁判所第一小法廷昭和26年12月20日昭和26(あ)3254刑集 第5巻13号2552頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働基準法一二〇条一号にいわゆる第二四条の規定に違反した者とは、同法二四条の規定により賃金を支払うべき使用者であつて、しかも、同条に違反した物をいうものと解するを相当とする。 二 労働基準法で使用者とは、同法一〇条において、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為を…
参照法条労働基準法10条,労働基準法24条

一 正当争議行為にあたらない一事例 二 争議行為にあたらない一事例

最高裁判所第一小法廷昭和26年7月12日昭和26(れ)782刑集 第5巻8号1432頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働争議中の工場に擅に入場する行為は、たとえ争議目的達成のためなされたしても、憲法第二八条、労働組合法第一条の正当行為にあたらない。 二 労働関係の当事者たる労働組合員以外の者が、労働争議中組合の争議行為を応援するためにした行為は、争議行為にあたらない。
参照法条憲法28条,労働組合法1条(昭和24年法律174号による改正前のもの),労働関係調整法6条,刑法130条

一 労働争議にあたらない一場合 二 勞働組合法第一一條違反の所爲があるから提訴すると告知して不當に財物を取得した者の責任

最高裁判所第三小法廷昭和24年4月5日昭和23(れ)1999刑集 第3巻4号437頁労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 労働者が退職後、会社に対して個人的な契約上の主張をして争うことは、労働関係調整法にいわゆる労働争議にあたらない。 二 假りに被告人が被害者Aの所爲は勞働組合法第一一條に違反するとして(原判決は同條に違反すると認定したものではない)これを地方勞働委員會に提訴する權利を有すると考えたとしても、Aにおいて提訴されることは…
参照法条労働関係調整法6条,刑法249條1項

最高裁 / 民集登載90件

使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合において,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときに,労働委員会が使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することの…

最高裁判所第二小法廷令和4年3月18日令和3(行ヒ)171民集 第76巻3号283頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合には,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときであっても,労働委員会は,使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することができる。
参照法条労働組合法7条2号,労働組合法27条の12第1項

1 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例 2 労働大…

最高裁判所第一小法廷令和3年5月17日平成30(受)1447民集 第75巻5号1359頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 屋根を有し周囲の半分以上が外壁に囲まれ屋内作業場と評価し得る建設現場の内部における建設作業(石綿吹付け作業を除く。)に従事する者が石綿粉じんにばく露したことにより石綿肺,肺がん,中皮腫等の石綿関連疾患にり患した場合において,次の⑴~⑷など判示の事情の下では,石綿に係る規制を強化する昭和50年の改正後の特定化学物質等…
参照法条(1,2につき)国家賠償法1条1項,労働安全衛生法22条,労働安全衛生法23条, 労働安全衛生法27条,労働安全衛生法57条1項 (3~5につき)民法719条1項後段

歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえないとされた事例

最高裁判所第一小法廷令和2年3月30日平成30(受)908民集 第74巻3号549頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払につき,時間外労働等に伴い発生する残業手当等の額がそのまま歩合給の減額につながり,歩合給が0円となることもあるなど判示の事情の下では,これにより労働基準法37条の定める割増賃金…
参照法条労働基準法37条

1 有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法20条に違反する場合における当該有期契約労働者の労働条件の帰すう 2 労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」の意義 3 労働契約法20条にいう「不合理と認められる…

最高裁判所第二小法廷平成30年6月1日平成28(受)2099民集 第72巻2号88頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法20条に違反する場合であっても,同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなるものではない。 2 労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」とは,有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件…
参照法条労働契約法20条

1 有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることと労働契約法20条にいう「その他の事情」 2 有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるか否かについての…

最高裁判所第二小法廷平成30年6月1日平成29(受)442民集 第72巻2号202頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることは,当該有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かの判断において,労働契約法20条にいう「その他の事情」として考慮されることとなる事情に当たる。 2 有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が労…
参照法条労働契約法20条

じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法11条1項に規定する者による訴訟承継の成否

最高裁判所第一小法廷平成29年4月6日平成27(行ヒ)349民集 第71巻4号637頁労働基準法労働基準法施行規則
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であった者が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合には,労働者災害補償保険法11条1項に規定する者が当該訴訟を承継する。
参照法条民訴法124条1項,じん肺法4条,じん肺法13条2項,じん肺法15条,じん肺法23条,労働者災害補償保険法11条1項,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働基準法75条,労働基準法施行規則35条,労働基準法施行規則別表第1の2第5号,行…

1 就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者の同意の有無についての判断の方法 2 合併により消滅する信用協同組合の職員が,合併前の就業規則に定められた退職金の支給基準を変更することに同意する旨の記載のある書面に署…

最高裁判所第二小法廷平成28年2月19日平成25(受)2595民集 第70巻2号123頁労働基準法労働契約法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者の同意の有無については,当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく,当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度,労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様,当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に照らして…
参照法条(1,2につき)労働基準法2条1項,労働契約法3条1項,労働契約法8条,労働契約法9条

労働者災害補償保険法による療養補償給付を受ける労働者につき,使用者が労働基準法81条所定の打切補償の支払をすることにより,解雇制限の除外事由を定める同法19条1項ただし書の適用を受けることの可否

最高裁判所第二小法廷平成27年6月8日平成25(受)2430民集 第69巻4号1047頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険法12条の8第1項1号の療養補償給付を受ける労働者が,療養開始後3年を経過しても疾病等が治らない場合には,使用者は,当該労働者につき,労働基準法81条の規定による打切補償の支払をすることにより,解雇制限の除外事由を定める同法19条1項ただし書の適用を受けることができる。
参照法条労働者災害補償保険法12条の8第1項1号,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働基準法19条1項,労働基準法75条,労働基準法81条

労働基準法114条の付加金の請求の価額は,同条所定の未払金の請求に係る訴訟の目的の価額に算入されるか

最高裁判所第三小法廷平成27年5月19日平成26(許)36民集 第69巻4号635頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働基準法114条の付加金の請求については,同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは,民訴法9条2項にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして,その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されない。
参照法条民事訴訟費用等に関する法律3条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律別表第1第5項,民訴法9条2項,労働基準法114条

女性労働者につき妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置の,「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」9条3項の禁止する取扱いの該当性

最高裁判所第一小法廷平成26年10月23日平成24(受)2231民集 第68巻8号1270頁労働基準法雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」9条3項の禁止する取扱いに当たるが,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する…
参照法条雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則2条の2第6号,労働基準法65条3項

労働大臣が石綿製品の製造等を行う工場又は作業場における石綿関連疾患の発生防止のために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成26年10月9日平成26(受)771民集 第68巻8号799頁労働基準法労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨石綿製品の製造等を行う工場又は作業場の労働者が石綿の粉じんにばく露したことにより石綿肺等の石綿関連疾患にり患した場合において,昭和33年当時,(1)石綿肺に関する医学的知見が確立し,国も石綿の粉じんによる被害の深刻さを認識していたこと,(2)上記の工場等における石綿の粉じん防止策として最も有効な局所排気装置の設置を義務…
参照法条国家賠償法1条1項,労働基準法1条,労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)42条,労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)43条,労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)45条,労働安全衛生法22…

労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日と労働基準法39条1項及び2項における年次有給休暇権の成立要件としての全労働日に係る出勤率の算定の方法

最高裁判所第一小法廷平成25年6月6日平成23(受)2183民集 第67巻5号1187頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働基準法39条1項及び2項における年次有給休暇権の成立要件としての全労働日に係る出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれる。
参照法条労働基準法39条1項,労働基準法39条2項

労働組合からの申立てを受けて労働委員会が発した救済命令の取消しを求める訴えの利益が,使用者に雇用されている当該労働組合の組合員がいなくなるなどの発令後の事情変更によっても失われないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成24年4月27日平成22(行ヒ)46民集 第66巻6号3000頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨所有する船舶の一部につき船舶運航代理業者を傭船者とする裸傭船契約と自らを傭船者とする定期傭船契約を締結するとともに労働協約の更新を拒否するなどした使用者の行為が不当労働行為に当たるとの労働組合からの申立てを受けた労働委員会が,当該使用者に対し,(1)上記各契約に係る船舶を自らの運航業務に使用する場合は当該労働組合の組合…
参照法条行政事件訴訟法9条1項,労働組合法27条の12第1項,労働組合法27条の12第4項,労働組合法(平成20年法律第26号による改正前のもの)19条の13第1項,労働組合法(平成20年法律第26号による改正前のもの)19条の13第4項前段,労働…

音響製品等の設置,修理等を業とする会社と業務委託契約を締結して顧客宅等での出張修理業務に従事する受託者につき,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成24年2月21日平成22(行ヒ)489民集 第66巻3号955頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨音響製品等の設置,修理等を業とする会社と業務委託契約を締結し,顧客宅等を訪問して行う出張修理業務に従事する受託者につき,次の(1)〜(5)など判示の事情の下において,独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情の有無について十分に審理を尽くすことなく,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらな…
参照法条労働組合法3条,労働組合法7条

年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結して公演に出演していた合唱団員が,上記法人との関係において労働組合法上の労働者に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成23年4月12日平成21(行ヒ)226民集 第65巻3号943頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結して公演に出演していた合唱団員は,次の(1)〜(5)など判示の事実関係の下では,上記法人との関係において労働組合法上の労働者に当たる。 (1) 出演基本契約は,上記法人が,試聴会の審査の結果…
参照法条労働組合法3条,労働組合法7条

請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を違法な労働者派遣と解すべき場合に,注文者と当該労働者との…

最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成20(受)1240民集 第63巻10号2754頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に違反する労働者派遣と解すべき場合において,(1)上記雇…
参照法条労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律2条1号,職業安定法4条6項,労働契約法6条,民法623条,民法632条

1 マンションの住み込み管理員が所定労働時間の前後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において,上記一定の時間が,管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例 2 マンションの…

最高裁判所第二小法廷平成19年10月19日平成17(受)384民集 第61巻7号2555頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 マンションの住み込み管理員が所定労働時間の開始前及び終了後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において,(1)使用者は,上記一定の時間内の各所定の時刻に管理員室の照明の点消灯,ごみ置場の扉の開閉,冷暖房装置の運転の開始及び停止等の業務を行うよう指示していたこと,(2)使用者が作成したマニュアルには,管理員は…
参照法条(1〜3につき)労働基準法32条

時限ストライキ等の争議行為のため受注を返上せざるを得なくなったことなどにより損害を被った生コンクリート製造販売業者のしたロックアウトが使用者の正当な争議行為と認められた事例

最高裁判所第三小法廷平成18年4月18日平成15(受)723民集 第60巻4号1548頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生コンクリート製造販売業者が時限ストライキ等の争議行為に対しロックアウトをした場合において,上記時限ストライキの態様から,上記業者は,取引慣行上,その日の受注の全部を返上するなどして,終日事実上休業の状態にせざるを得ず,時限ストライキが解除された後に従業員が提供した労務は,就労しなかった時間に係る減額がされた後の賃金に…
参照法条労働組合法8条,労働関係調整法7条

1 民訴法220条4号ロにいう「公務員の職務上の秘密」と公務員が職務上知ることができた私人の秘密 2 民訴法220条4号ロにいう「その提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある」 の意義 3 いわゆる災害調査…

最高裁判所第三小法廷平成17年10月14日平成17(許)11民集 第59巻8号2265頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 民訴法220条4号ロにいう「公務員の職務上の秘密」には,公務員が職務を遂行する上で知ることができた私人の秘密であって,それが本案事件において公にされることにより,私人との信頼関係が損なわれ,公務の公正かつ円滑な運営に支障を来すこととなるものも含まれる。 2 民訴法220条4号ロにいう「その提出により公共の利益を害し…
参照法条民訴法220条4号ロ,労働安全衛生法91条,労働安全衛生法94条,労働安全衛生法100条

1 JR各社の成立の時の職員の採用について専ら日本国有鉄道が組合差別をした場合におけるJR各社の設立委員ひいてはJR各社の労働組合法7条にいう使用者としての責任 2 雇入れの拒否と労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱い

最高裁判所第一小法廷平成15年12月22日平成13(行ヒ)96民集 第57巻11号2335頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 日本国有鉄道改革法6条2項所定の旅客鉄道株式会社及び同法8条2項所定の日本貨物鉄道株式会社の設立委員ひいては上記各社は,その成立の時の職員の採用について,日本国有鉄道がその職員の中から上記各社の職員となるべき者を選定してその名簿を作成するに当たり専らその意思により組合差別をしたという場合には,労働組合法7条にいう使…
参照法条労働組合法7条,労働組合法7条1号,日本国有鉄道改革法6条,日本国有鉄道改革法8条,日本国有鉄道改革法15条,日本国有鉄道改革法21条,日本国有鉄道改革法22条,日本国有鉄道改革法23条,旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律…

1 実作業に従事していない仮眠時間と労働基準法上の労働時間 2 ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている連続7時間ないし9時間の仮眠時間が労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成14年2月28日平成9(オ)608民集 第56巻2号361頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 労働者が実作業に従事していない仮眠時間であっても,労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置かれているものであって,労働基準法32条の労働時間に当たる。 2 ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている連続7…
参照法条労働基準法32条

労働組合と使用者との間の労働条件その他に関する合意で書面の作成がなく又は作成した書面に両当事者の署名及び記名押印がないものの労働協約としての規範的効力

最高裁判所第三小法廷平成13年3月13日平成12(受)192民集 第55巻2号395頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働組合と使用者との間の労働条件その他に関する合意は,書面に作成され,かつ,両当事者がこれに署名し又は記名押印しない限り,労働協約としての規範的効力を生じない。
参照法条労働組合法14条,労働組合法16条

一箇月に満たない期間に集中的に高度な知識、技能を修得させることを目的として行われる訓練期間中における年次有給休暇の請求に対する時季変更権の行使

最高裁判所第二小法廷平成12年3月31日平成8(オ)1026民集 第54巻3号1255頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事業遂行に必要な技術者の養成と能力向上を図るため、各職場の代表者を参加させて、一箇月に満たない比較的短期間に集中的に高度な知識、技能を修得させ、これを職場に持ち帰らせることによって、各職場全体の業務の改善、向上に資することを目的として行われた訓練の期間中に、訓練に参加している労働者から年次有給休暇が請求されたときは、使…
参照法条労働基準法39条4項

五五歳から六〇歳への定年延長に伴い従前の五八歳までの定年後在職制度の下で期待することができた賃金等の労働条件に実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更が有効とされた事例

最高裁判所第二小法廷平成9年2月28日平成4(オ)2122民集 第51巻2号705頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨銀行が、就業規則を変更し、五五歳から六〇歳への定年延長及びこれに伴う五五歳以降の労働条件を定めた場合において、従前は、勤務に耐える健康状態にある男子行員が希望すれば五八歳までの定年後在職制度の適用を受けることができるという事実上の運用がされており、右変更により、定年後在職者が五八歳まで勤務して得ることを期待することがで…
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)89条,労働基準法93条

一 労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益である場合における労働協約の一般的拘束力 二 未組織の同種労働者に対する労働協約の一般的拘束力が一部否定された事例

最高裁判所第三小法廷平成8年3月26日平成5(オ)650民集 第50巻4号1008頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 労働組合法一七条所定の要件を満たす労働協約に定める基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益であっても、そのことだけで右の不利益部分について労働協約の効力を未組織の同種労働者に及ぼし得ないとすることはできないが、労働協約によって特定の未組織労働者にもたらされる不利益の程度・内容、労働協約が締結さ…
参照法条労働組合法17条

労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三〇号)による特別支給金を被災労働者の損害額から控除することの可否

最高裁判所第二小法廷平成8年2月23日平成6(オ)992民集 第50巻2号249頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三〇号)による特別支給金は、被災労働者の損害額から控除することができない。
参照法条労働基準法84条2項,労働者災害補償保険法12条の4,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)23条1項,労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)1条,労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭…

雇用主との間の請負契約により労働者の派遣を受けている事業主が労働組合法七条にいう「使用者」に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成7年2月28日平成5(行ツ)17民集 第49巻2号559頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事業主が雇用主との間の請負契約により派遣を受けている労働者をその業務に従事させている場合において、労働者が従事すべき業務の全般につき、作業日時、作業時間、作業場所、作業内容等その細部に至るまで事業主が自ら決定し、労働者が事業主の作業秩序に組み込まれて事業主の従業員と共に作業に従事し、その作業の進行がすべて事業主の指揮監…
参照法条労働組合法7条

労働組合の組合員から組合費のチェック・オフを行ってこれを併存する別組合に交付したことが不当労働行為に当たる場合に右組合費相当額を組合員にではなくその所属組合に支払うことを命ずる救済命令が違法とされた事例

最高裁判所第一小法廷平成7年2月23日平成3(行ツ)91民集 第49巻2号281頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲労働組合の内部抗争によりそれぞれ甲組合と同一名称を名乗る乙組合と丙組合とが併存するに至った後に、使用者が、甲組合とのいわゆるチェック・オフ協定に基づき、乙組合の組合員から組合費のチェック・オフを行い、これを丙組合に交付したことが不当労働行為に当たる場合であっても、右組合費相当額を、組合員個人に対してではなく、乙組合に…
参照法条労働組合法7条3号,労働組合法27条4項,労働組合法27条12項,労働基準法24条1項

労働組合が自然消滅した場合におけるその組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力の消長と右命令の取消しを求める訴えの利益

最高裁判所第一小法廷平成7年2月23日平成4(行ツ)120民集 第49巻2号393頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨組合員が存在しなくなったことなどにより労働組合が自然消滅した場合には、その組合が清算法人として存続していたとしても、使用者に対し右組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力は失われ、その結果、右命令の取消しを求める訴えの利益は失われる。
参照法条労働組合法27条4項,労働組合法27条6項,労働委員会規則45条1項,行政事件訴訟法9条,民法73条

一 私立学校の校内において教職員が組合活動として行ったビラの配布行為が無許可のビラ配布等を禁止する就業規則に違反しないとされた事例 二 私立学校の教員を学級担任に選任しなかった行為が労働組合法七条一号の不当労働行為に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成6年12月20日平成3(行ツ)155民集 第48巻8号1496頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 私立学校の職員室内で、教職員が使用者の許可を得ないまま組合活動としてビラの配布をした場合において、右ビラが労働組合としての日ごろの活動状況等を内容とするもので、違法不当な行為をあおり又はそそのかすこと等を含むものではなく、右配布の態様も、就業時間前の通常生徒が職員室に入室する頻度の少ない時間帯にビラを二つ折りにして…
参照法条労働基準法89条,労働組合法7条1号

タクシー会社の乗務員が月ごとの勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合に皆勤手当を支給しない旨の約定が公序に反する無効なものとはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成5年6月25日平成4(オ)1078民集 第47巻6号4585頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨タクシー会社の乗務員に対し、月ごとの勤務予定表どおり勤務した場合には月額三一〇〇円ないし四一〇〇円の皆勤手当を支給するが、右勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合には右手当の全部又は一部を支給しない旨の約定は、右手当の支給が代替要員の手配が困難となり自動車の実働率が低下する事態を避ける配慮をした乗務員に対する報奨…
参照法条民法90条,労働基準法39条,労働基準法134条

いわゆる時間外労働の義務を定めた就業規則と労働者の義務

最高裁判所第一小法廷平成3年11月28日昭和61(オ)840民集 第45巻8号1270頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨使用者が、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三六条所定の書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、当該事業場に適用される就業規則に右協定の範囲内で一定の業務土の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して時間外労働をさせることができる旨を定めているときは、当該就業規…
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)32条,労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条,労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)89条,労働基準法93条

昇給に関する考課査定に基づく賃金上の差別的取扱いの是正を求める救済申立てと労働組合法二七条二項の定める期間の遵守

最高裁判所第三小法廷平成3年6月4日平成1(行ツ)36民集 第45巻5号984頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨昇給に関する考課査定に基づく賃金上の差別的取扱いの是正を求める救済申立てが右査定に基づく賃金の最後の支払の時から一年以内にされたときは、右救済申立ては、労働組合法二七条二項の定める期間内にされたものとして適法である。
参照法条労働組合法27条2項,労働委員会規則34条1項3号

一 使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺と労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条・一項本文 二 使用者が労働者の同意の下に労働者の退職金債権等に対してした相殺が有効とされた事例 三 使用者が労働…

最高裁判所第二小法廷平成2年11月26日昭和63(オ)4民集 第44巻8号1085頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は、右同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条一項本文に違反しない。 二 甲会社の従業員乙が、銀行等から住宅資金の貸付けを受けるに当…
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)24条1項,民法91条,民法505条1項,破産法72条,破産法98条

前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例

最高裁判所第一小法廷平成元年12月14日昭和58(オ)1542民集 第43巻12号1895頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨すべての原因による不就労を基礎として算出した前年の稼働率が八〇パーセント以下の従業員を翌年度のベースアップを含む賃金引上げの対象者から除外する旨の労働協約条項は、そのうち労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を稼働率算定の基礎とする部分は有効であるが、右各権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎とする部分…
参照法条民法90条,労働基準法39条,労働基準法65条,労働基準法66条,労働基準法67条,労働基準法68条,労働基準法76条,労働組合法第2章,労働組合法14条,労働組合法16条,憲法28条

一 いわゆるチェック・オフと労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条一項 二 いわゆるチェック・オフの中止が労働組合法七条三号の不当労働行為に該当しないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成元年12月11日昭和63(行ツ)157民集 第43巻12号1786頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 いわゆるチェック・オフは、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条一項但書の要件を具備しない限り、これをすることができない。 二 使用者が過去一五年余にわたってしてきたいわゆるチェック・オフを中止した場合において、当時労働組合から脱退者が続出して、労働組合が当該事業場の従業員の過半数で組織されて…
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)24条1項,労働組合法7条3号

使用者の損害賠償債務の履行と労働者災害補償保険法に基づく保険給付請求権の代位取得

最高裁判所第一小法廷平成元年4月27日昭和59(オ)3民集 第43巻4号278頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者の業務上の災害に関して損害賠償債務を履行した使用者は、賠償された損害に対応する労働者災害補償保険法に基づく保険給付請求権を代位取得しない。
参照法条民法422条,労働基準法84条2項,労働者災害補償保険法67条

農業協同組合の合併に伴う退職給与規程の不利益変更が有効とされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和63年2月16日昭和60(オ)104民集 第42巻2号60頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農業協同組合の合併に伴つて新たに作成された退職給与規程の退職金支給倍率の定めが一つの旧組合の支給倍率を低減するものであつても、それによる不利益は退職金額算定の基礎となる基本月俸が合併後増額された結果軽減される一方、右支給倍率の低減が、合併前に右組合のみが県農業協同組合中央会の退職金支給倍率適正化の指導・勧告に従わなかつ…
参照法条労働基準法89条,労働基準法93条

一 労働基準法二六条の「使用者の責に帰すべき事由」と民法五三六条二項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由」 二 部分ストライキのため会社が命じた休業が労働基準法二六条の「使用者の責に帰すべき事由」によるものとはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和62年7月17日昭和57(オ)1189民集 第41巻5号1283頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 労働基準法二六条の「使用者の責に帰すべき事由」は、民法五三六条二項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由」よりも広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含む。 二 定期航空運輸事業を営む会社に職業安定法四四条違反の疑いがあつたことから、労働組合がその改善を要求して部分ストライキを行つた場合であつても、同社がストライキに先…
参照法条労働基準法26条,民法536条2項

労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)による障害年金を被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除することの可否

最高裁判所第二小法廷昭和62年7月10日昭和58(オ)128民集 第41巻5号1202頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)による障害年金は、被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除すべきでない。
参照法条労働基準法84条2項,労働者災害補償保険法12条の4,労働者災害補償保険法14条,労働者災害補償保険法18条,厚生年金保険法40条,厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条,民法709条,民法710条

勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合に休暇の利用目的を考慮して勤務割変更の配慮をせずに時季変更権を行使することの許否

最高裁判所第二小法廷昭和62年7月10日昭和59(オ)618民集 第41巻5号1229頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合であつても、使用者が、通常の配慮をすれば勤務割を変更して代替勤務者を配置することが可能であるときに、休暇の利用目的を考慮して勤務割変更のための配慮をせずに時季変更権を行使することは、許されない。
参照法条労働基準法39条

労働組合が組合員資格を喪失した者に対する賃金の支払を命ずる救済命令を求めることができる場合

最高裁判所第三小法廷昭和61年6月10日昭和58(行ツ)79民集 第40巻4号793頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨組合員に対する賃金カットが労働組合法七条一号及び三号所定の不当労働行為に当たる場合に、当該組合員が、賃金カット後に組合員資格を喪失しても、積極的に、権利を放棄するか又は労働組合の救済命令申立てを通じて権利の回復を図る意思のないことを表明しない限り、労働組合は、当該組合員に対する賃金の支払を命ずる救済命令を求めることがで…
参照法条労働組合法27条4項

一 法人組織の構成部分と労働組合法二七条及び七条所定の使用者 二 法人組織の構成部分を名宛人とする救済命令の効力 三 法人組織の構成部分とこれを名宛人とする救済命令についてのA1委員会の再審査申立棄却命令の取消訴訟における当事者能力の有無

最高裁判所第三小法廷昭和60年7月19日昭和56(行ツ)205民集 第39巻5号1266頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分は、労働組合法二七条及び七条所定の使用者に当たらない。 二 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分を名宛人とする救済命令は、当該法人に対し命令の内容を実現することを義務付けるものとして、効力を有する。 三 法律上独立した権利義務の帰属主体でな…
参照法条労働組合法7条,労働組合法27条,民訴法45条

郵政事業職員の年次有給休暇のうち所属長が年度の初頭に職員の請求により各人別に決定した休暇付与計画による休暇についての年度の途中における時季変更権行使の要件

最高裁判所第二小法廷昭和58年9月30日昭和55(行ツ)14民集 第37巻7号993頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨郵政事業に勤務する職員の年次有給休暇のうち、所属長が年度の初頭において職員の請求により業務の繁閑等をしんしゃくして各人別に決定した休暇付与計画による休暇についての年度の途中における時季変更権の行使は、計画決定時には予測できなかつた事態発生の可能性が生じた場合において、かつ、右事態発生の予測が可能になつてから合理的期間内…
参照法条労働基準法39条3項

ロツクアウトが違法とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和58年6月13日昭和53(行ツ)29民集 第37巻5号636頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨A原子力研究所の労働組合が、D研究所における動力試験炉の連続運転に関する交替制の勤務体制の変更に反対して、二四時間を三分した勤務時間帯の一つに勤務すべき組合員につき連日ストライキを実施し、これにより動力試験炉の運転が完全に停止することとなつたため、A原子力研究所はこれに対抗して右動力試験炉の管理部門に所属する組合員に対…
参照法条労働組合法8条,労働関係調整法7条

労働者災害補償保険法による障害補償一時金及び休業補償給付を被災労働者の慰藉料から控除することの可否

最高裁判所第三小法廷昭和58年4月19日昭和55(オ)82民集 第37巻3号321頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険法による障害補償一時金及び休業補償給付は、被災労働者の精神上の損害を填補するためのものではなく、これを同人の慰藉料から控除すべきではない。
参照法条労働基準法84条,労働者災害補償保険法14条,労働者災害補償保険法15条,民法709条,民法710条

一 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちにされた使用者の時季変更権行使の効力 二 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちにされた使用者の時季変更権行使の効力が認められた事例

最高裁判所第一小法廷昭和57年3月18日昭和53(オ)558民集 第36巻3号366頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちに使用者が時季変更権を行使した場合であつても、労働者の右休暇の請求がその指定した期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、客観的に右時季変更権を行使しうる事由があり、かつ…
参照法条労働基準法39条

ストライキ期間中の家族手当の削減が違法とはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和56年9月18日昭和51(オ)1273民集 第35巻6号1028頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨ストライキの場合における家族手当の削減が昭和二三年ころから昭和四四年までは就業規則の規定に基づいて実施されており、その後右規定が削除され同様の規定が社員賃金規則細部取扱のうちに定められてからも従前の取扱が引続き異議なく行われてきたなど、原判示の事実関係のもとにおいては、ストライキの場合における家族手当の削減は労使問の労…
参照法条労働基準法24条,労働基準法37条2項

死亡退職金の受給権が相続財産に属さず受給権者である遺族固有の権利であるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和55年11月27日昭和54(オ)1298民集 第34巻6号815頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨死亡退職金の支給等を定めた特殊法人の規程に、死亡退職金の支給を受ける者の第一順位は内縁の配偶者を含む配偶者であつて、配偶者があるときは子は全く支給を受けないことなど、受給権者の範囲、順位につき民法の規定する相続人の順位決定の原則とは異なる定め方がされている場合には、右死亡退職金の受給権は、相続財産に属さず、受給権者であ…
参照法条労働基準法23条,民法896条

一 ロックアウトが違法とされた事例 二 ロックアウトの一部を部分ロックアウトとして可分的に効力を判断することが許されないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和55年4月11日昭和51(オ)541民集 第34巻3号330頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 一般放送事業等を営む株式会社の労働組合が十数波にわたる時限ないし指名ストライキ及び放送業務の中枢部門における新勤務拒否闘争等の争議行為を行つたが、会社はこれらのストライキの一部を事前に予測して応急措置を講ずることができ、また、新勤務拒否闘争によつて具体的な放送業務の障害又は放送事故は発生せず、そのような事故等の発生…
参照法条労働組合法8条,労働関係調整法7条

一 労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の物的施設を利用して行う組合活動の当否 二 D労働組合の組合員が組合活動に際し職員詰所備付けのロツカーに要求事項等を記入したビラを貼付する行為が正当な組合活動にあたらないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和54年10月30日昭和49(オ)1188民集 第33巻6号647頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の所有し管理する物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、当該施設を管理利用する使用者の権限を侵し、企業秩序を乱すものであり、正当な…
参照法条労働組合法1条2項

一、日本電信電話公社の就業規則において禁止されている政治活動の意義 二、勤務時間中に「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用した職員の行為が日本電信電話公社法三四条二項所定の職務専念義務に違反するとされた事例 三、…

最高裁判所第三小法廷昭和52年12月13日昭和47(オ)777民集 第31巻7号974頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、日本電信電話公社の就業規則において禁止されている政治活動とは、人事院規則一四―七所定の政治的目的をもつてされる政治的行為を指すものではなく、社会通念上政治的と認められる活動をいう。 二、日本電信電話公社の職員が勤務時間中に「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用してこれを職場の同僚に訴えか…
参照法条日本電信電話公社法33条,日本電信電話公社法34条1項,日本電信電話公社法34条2項,労働基準法34条3項,労働基準法89条

労働者災害補償保険法又は厚生年金保険法に基づく保険給付の確定と受給権者の使用者に対する損害賠償債権額から将来の給付額を控除することの要否

最高裁判所第三小法廷昭和52年10月25日昭和50(オ)621民集 第31巻6号836頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労働者災害補償保険法又は厚生年金保険法に基づき政府が将来にわたり継続して保険金を給付することが確定していても、いまだ現実の給付がない以上、将来の給付額を受給権者の使用者に対する損害賠償債権額から控除することを要しない。
参照法条民法709条,労働基準法84条2項,労働者災害補償保険法12条の4,厚生年金保険法40条

民間放送会社の放送管弦楽団員が労働組合法上の労働者と認められた事例

最高裁判所第一小法廷昭和51年5月6日昭和49(行ツ)112民集 第30巻4号437頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民間放送会社とその放送管弦楽団員との間に締結された放送出演契約において、楽団員が、会社以外の放送等に出演することが自由とされ、また、会社からの出演発注に応じなくても当然には契約違反の責任を問われないこととされている場合であつても、会社が必要とするときは随時その一方的に指定するところによつて楽団員に出演を求めることができ…
参照法条労働組合法3条,労働組合法7条

一、労働組合の組合費が月額で定めらている場合と月の途中で脱退した組合員の納付義務の範囲 二、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為の実施費用として徴収する臨時組合費と組合員の納付義務 三、公共企業体等の労働組…

最高裁判所第三小法廷昭和50年11月28日昭和48(オ)498民集 第29巻10号1634頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、労働組合の組合費が月を単位として月額で定められている場合には、月の途中で脱退した組合員は、特別の規定又は慣行等のないかぎり、その月の組合費の全額を納付する義務を免れない。 二、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為実施の費用として臨時組合費の徴収を決定しても、原則として組合員を拘束す…
参照法条労働組合法2条,公共企業体等労働関係法17条1項

一、労働組合が他の労働組合の闘争支援資金として収する臨時組合費と組合員の納付義務 二、労働組合がいわゆる安保反対闘争の実施費用として徴収する臨時組合費と組合員の納付義務 三、労働組合がいわゆる安保反対闘争により不利益処分を受けた組合員の救援…

最高裁判所第三小法廷昭和50年11月28日昭和48(オ)499民集 第29巻10号1698頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、労働組合が他の労働組合の闘争支援資金として徴収する臨時組合費については、右支援が法律上許されない等特別の場合でないかぎり、組合員はこれを納付する義務を負う。 二、労働組合がいわゆる安保反対闘争実施の費用として徴収する臨時組合費については、組合員はこれを納付する義務を負わない。 三、労働組合がその実施したいわゆる安保…
参照法条労働組合法2条

一、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)の正当性 二、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)とその期間中における使用者の賃金支払義務

最高裁判所第三小法廷昭和50年4月25日昭和44(オ)1256民集 第29巻4号481頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)は、個々の具体的な労働争議における労使間の交渉態度、経過組合側の争議行為の態様、それによつて使用者側の受ける打撃の程度等に関する具体的諸事情に照らし、衡平の見地から見て労働者側の争議行為に対する対抗防衛手段として相当と認められる場合には、使用者の正当な争議行為として是認される。 二…
参照法条労働組合法8条,労働関係調整法7条,民法536条2項,民法623条

労働組合の下部組織が事実上分裂した場合において離脱組合員の結成した新組合が右下部組織の財産につき権利を有しないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和49年9月30日昭和44(オ)155民集 第28巻6号1382頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨D労働組合の下部組織として同組合との間に判示のような関係に立つ独立の権利能力なき社団である地方本部において、所属組合員の約三分の二が組合の運動方針に反対して集団的に組合を離脱し新組合を結成したため、地方本部が事実上分裂したとみられる場合であつても、D労働組合そのものが統一的組織体としての機能を失わず、かつ、地方本部に残…
参照法条労働組合法12条,民法72条

労働基準法七九条にいう「業務上死亡した場合」にあたらないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和49年9月2日昭和45(行ツ)58民集 第28巻6号1135頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨大工甲が、元同僚の乙と仕事上のことから争いを起こし、建築現場付近の県道上で頭部を殴打され、それがもとで死亡した場合において、甲が、乙に対してその感情を刺激するような言辞を述べ、乙の呼びかけに応じて仕事場から県道上まで降りてきて嘲笑的態度をとり、乙の暴力を挑発したなど判示のような事情があるときは、甲の死亡は、その業務に起…
参照法条労働基準法79条,労働者災害補償保険法(昭和40年法律第130号による改正前のもの)12条2項

一、年次有給休暇制度と休暇の利用目的 二、労働基準法三九条三項但書にいう「事業の正常な運営を妨げる」か否かの判断基準

最高裁判所第二小法廷昭和48年3月2日昭和41(オ)1420民集 第27巻2号210頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、年次有給休暇における休暇の利用目的は労働基準法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由であると解すべきである。 二、労働基準法三九条三項但書にいう「事業の正常な運営を妨げる」か否かは、当該労働者の所属する事業場を基準として判断すべきである。
参照法条労働基準法39条

一、労働基準法三九条三項にいう「労働者の請求する時季」の意義 二、始期と終期を特定してされた年次有給休暇の時季指定の法的効果

最高裁判所第二小法廷昭和48年3月2日昭和41(オ)848民集 第27巻2号191頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、労働基準法三九条三項にいう「労働者の請求する時季」とは、労働者の指定する時季にほかならず、そこにいう「時季」とは、季節をも含めた時期を意味するものと解すべきである。 二、労働基準法三九条に基づき、労働者が、その有する年次有給休暇の日数の範囲内で、始期と終期を特定して休暇の時季指定をしたときは、客観的に同条三項但書所…
参照法条労働基準法39条

一、賃金にあたる退職金債権放棄の効力 二、賃金にあたる退職金債権の放棄が労働者の自由な意思に基づくものとして有効とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和48年1月19日昭和44(オ)1073民集 第27巻1号27頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃金にあたる退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、有効である。 二、甲会社の被用者で西日本における総責任者の地位にある乙が、退職に際し、賃金にあたる退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合において、乙が退職後ただちに競争会社に就…
参照法条労働基準法11条,労働基準法24条1項,民法91条,民法519条

一、市町村立小中学校教員の時間外勤務手当の負担者 二、静岡市立学校長の適法な権限に基づかない命令により時間外勤務をした教職員の時間外勤務手当請求権 三、静岡県立小中学校教職員の修学旅行ないし遠足における引率・付添いの勤務による時間外勤務手当…

最高裁判所第三小法廷昭和47年12月26日昭和46(行ツ)84民集 第26巻10号2096頁労働基準法労働基準法施行規則
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、市町村立小中学校教員の時間外勤務手当の負担者は、右学校の設置者たる市町村である。 二、静岡市立学校において、校長の時間外勤務命令に基づき、教職員が正規の勤務時間以外の時間にわたつて本来の職務に属することがらについて勤務をした場合には、たとえ校長に右命令をする権限がなかつたとしても、それが教職員に対して事実三の拘束力…
参照法条学校教育法5条,労働基準法37条,労働基準法41条3号,労働基準法施行規則22条,市町村立学校職員給与負担法1条,職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(昭和28年静岡県条例第32号、昭和46年静岡県条例第50号よる改正前のもの)8条,静…

一、県立学校教職員の勤務時間外における職員会議への参加が所属学校長の職務命令に基づくものとされた事例 二、静岡県立学校長の適法な権限に基づかない命令により時間外勤務をした教職員の時間外勤務手当請求権

最高裁判所第一小法廷昭和47年4月6日昭和44(行ツ)26民集 第26巻3号397頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、県立学校における職員会議が、校長を主宰者とし、当該学校に勤務する教職員の全部をもつて構成され、その開催の日時場所も校長の指示によりあらかじめ伝達されて教職員はできるかぎりこれに出席すべきものとされており、とくに必要があつて会議が勤務時間外にわたる場合においても、勤務時間の内外によつて審議内容、審議方法等会議の性質お…
参照法条労働基準法37条,静岡県教職員の給与に関する条例(昭和31年静岡県条例第52号)15条,職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(昭和28年静岡県条例第32号)8条

一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権としその後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺と労働基準法二四条一項本文 二、公立学校の教員につき給与過払による不当利得返還請求権を自働債権としその後に支払われる給与の支払請求権…

最高裁判所第二小法廷昭和45年10月30日昭和42(行ツ)61民集 第24巻11号1693頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてなされ、しかも、その金額、方法等においても労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのないものである場合にかぎり、労働基準法二四…
参照法条労働基準法24条1項本文,民法505条1項,地方公務員法25条1項

一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺と労働基準法二四条一項 二、公立中学校の教員につき、給与過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる給与の支払請…

最高裁判所第一小法廷昭和44年12月18日昭和40(行ツ)92民集 第23巻12号2495頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、賃金過払による不当利得返還請求権を自働債権とし、その後に支払われる賃金の支払請求権を受働債権としてする相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、かつ、あらかじめ労働者に予告されるとかその額が多額にわたらない等労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのないものである…
参照法条労働基準法24条1項,民法505条1項,地方公務員法25条1項

平和義務違反の争議行為を理由とする懲戒処分の許否

最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和39(オ)773民集 第22巻13号3194頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨使用者は、労働者が労働協約に基づく平和義務に違反する争議行為をし、またはこれに参加したことのみを理由として、当該労働者を懲戒処分に付することは許されない。
参照法条労働組合法14条,労働基準法89条

一、国家公務員等退職手当法に基づく退職手当の支払と労働基準法第二二四条一項の適用または準用の有無 二、右退職手当の受給権を譲り受けた者が国または公社に対し直接支払を求めることの許否

最高裁判所第三小法廷昭和43年3月12日昭和40(オ)527民集 第22巻3号562頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、国家公務員等退職手当法に基づいて支給される一般の退職手当は、労働基準法第一一条所定の賃金に該当し、その支払については、性質の許すかぎり、同法第二四条第一項本文の規定が適用または準用される。 二、右退職手当の支給前に、退職者またはその予定者が退職手当の受給権を他に譲渡した場合において、譲受人が直接国または公社に対して…
参照法条国家公務員等退職手当法2条,労働基準法11条,労働基準法24条1項,労働基準法120条,民法466条

一般職に属する地方公務員の日直手当請求権の消滅時効

最高裁判所第一小法廷昭和41年12月8日昭和38(オ)1080民集 第20巻10号2059頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一般職に属する地方公務員の日直手当請求権は、二年の短期時効によつて消滅するものと解するのが相当である。
参照法条会計法30条,労働基準法115条

一 労働基準法に基づく災害補償と慰藉料との関係 二 労働基準法第七五条の療養補償債務の履行遅滞となる時期 三 労働基準法第七六条の休業補償債務の履行遅滞となる時期

最高裁判所第一小法廷昭和41年12月1日昭和38(オ)1035民集 第20巻10号2017頁労働基準法労働基準法施行規則
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 加害者である第三者が被災労働者に支払つた慰藉料は、使用者が労働基準法に基づいて被災労働者に支払うべき災害補償の額に影響を及ぼさない。 二 労働基準法第七五条に基づく使用者の療養補償債務は、少なくとも、当該補償の事由が生じた月の末日の経過とともに履行遅滞となるものと解すべきである。 三 労働基準法第七六条に基づく使用…
参照法条労働基準法84条2項,労働基準法75条,労働基準法76条,労働基準法施行規則39条,民法711条,民法412条

労働基準法第八六条第一項の申立と災害補償請求権の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷昭和41年4月22日昭和40(オ)110民集 第20巻4号792頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨時効の中断に関する労働基準法第八五条第五項の規定は、同法第八六条第一項の申立に類推適用される。
参照法条労働基準法85条,労働基準法86条

ストライキを理由とする賃金の削減ができる固定給と認めた判断に審理不尽の違法があるとされた事例。

最高裁判所第二小法廷昭和40年2月5日昭和37(オ)1452民集 第19巻1号52頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨月掛生命保険外務職員のストライキを理由として、当該職員に支給すべき給与のうちから特定項目の給料を削減したことの適否を判断するにあたり、かかる削減を行なうことのできる特段の事情があるかどうか、それがないとすれば、右給料が拘束された勤務時間に応じて支払われる賃金としての性格を有するかどうかを審究することなく、単に、勤務時間…
参照法条労働基準法24条,民法624条,民訴法395条1項6号

一 精神病院の薬剤師、看護人らが争議行為として投配薬、看護等の業務を放棄することは、労働関係調整法第三六条に違反するか。 二 精神病院従業員の争議行為の正当性の限界。

最高裁判所第三小法廷昭和39年8月4日昭和36(オ)1379民集 第18巻7号1263頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 精神病院の薬剤師、看護人、看護婦が争議行為として投配薬、診療の補助、看護等の業務を放棄することは、労働関係調整法第三六条に違反しない。 二 精神病院の従業員が争議行為を行うにあたつては、予め患者の生命・身体の保全に遺憾なきを期するとともに、患者の身体・精神の回復をはかるべき病院の使命に対する管理者側の真摯な努力にも…
参照法条労働関係調整法36条,労働組合法7条1号

従業員が会社の承認を得ないで公職に就任したときは懲戒解雇する旨の就業規則条項の効力。

最高裁判所第二小法廷昭和38年6月21日昭和36(オ)1226民集 第17巻5号754頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨従業員が会社の承認を得ないで公職に就任したときは懲戒解雇する旨の就業規則条項は、労働基準法第七条の規定の趣旨に反し無効であると解すべきである。
参照法条労働基準法7条,労働基準法92条1項

一 将来の不当労働行為を事前に禁止する救済命令の適否 二 労働委員会が将来の不当労働行為を禁止する場合における当該不当労働行為の証明の程度

最高裁判所第三小法廷昭和37年10月9日昭和35(オ)255民集 第16巻10号2084頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 成否未定の将来の不当労働行為を事前に禁止する救済命令であつても、当該不当労働行為がさきになされた不当労働行為と同種若しくは類似のものであつて、審問終結当時その発生のおそれがあると認められる場合には、違法でないと解するのが相当である。 二 労働委員会が将来の不当労働行為を禁止する場合における当該不当労働行為の証明は、…
参照法条労働組合法7条,労働組合法27条4項,労働組合法28条,労働組合法32条,労働組合法27条1項,労働組合法27条3項,中央労働委員会規則40条,中央労働委員会規則43条2項

不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について収入を得た場合労働委員会はいわゆる救済命令において使用者に対し遡及賃金の支払いを命ずるにあたり右収入の額を遡及賃金額から控除することを必要とするか。

最高裁判所第三小法廷昭和37年9月18日昭和36(オ)519民集 第16巻9号1985頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について収入を得た場合、労働委員会は、いわゆる救済命令において使用者に対し遡及賃金の支払いを命ずるにあたり、右収入が副業的なものであつて解雇がなくても当然取得できる等特段の事情がないかぎり、これを遡及賃金額から控除することを必要とする。
参照法条労働組合法7条1号,労働組合法27条4項,中央労働委員会規則43条

使用者の責に帰すべき事由によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について利益を得た場合、使用者が、労働者に解雇期間中の賃金を支払うにあたり、右利得金額を賃金額から控除することの可否およびその限度。

最高裁判所第二小法廷昭和37年7月20日昭和36(オ)190民集 第16巻8号1656頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨使用者の責に帰すべき事由によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について利益を得た場合、使用者が、労働者に解雇期間中の賃金を支払うにあたり、右利得金額を賃金額から控除することはできるが、その限度は、平均賃金の四割の範囲内にとどめるべきである。
参照法条民法536条2項,労働基準法26条,労働基準法24条1項

会社のいわゆる嘱託が労働者と認められた事例

最高裁判所第二小法廷昭和37年5月18日昭和35(オ)624民集 第16巻5号1108頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社において塗料製法の指導、研究に従事することを職務内容とするいわゆる嘱託であつて、直接上司の指揮命令に服することなく、また遅刻、早退等によつて資金が減額されることはない等一般従業員と異なる待遇を受けているいわゆる嘱託であつても、毎日ほぼ一定の時間会社に勤務し、これに対し所定の賃金が支払われている場合には、労働法の適用…
参照法条労働基準法9条

一 民法第七一七条にいわゆる「土地ノ工作物」に該当するとされた事例 二 労働者災害補償保険法による遺族補償費として受給者の財産的損害額をこえる金額が支給された場合と受給者以外の遺族の財産的損害賠償請求権の有無 三 労働者災害補償保険法による…

最高裁判所第一小法廷昭和37年4月26日昭和35(オ)381民集 第16巻4号975頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 炭坑の坑口附近に設置された捲上機の一部をなし、炭車を坑口に捲き上げるために使用される原判ワイヤロープ(原判決引用の第一審判決理由参照)は、民法第七一条にいわゆる「土地ノ工作物」に該当する。 二 労働者災害補償保険法に基づき妻に支給された遺族補償費の額が、妻の使用者に対して有する不法行為による財産的損害賠償請求権の額…
参照法条民法717条,民法711条,労働者災害補償保険法12条1項4号,労働者災害補償保険法12条1項5号,労働基準法79条,労働基準法80条,労働基準法84条2項

証券業者の外務員につき労働基準法第二〇条の適用がないとされた事例。

最高裁判所第一小法廷昭和36年5月25日昭和33(オ)1023民集 第15巻5号1322頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨証券業者と外務員間の契約により、外務員は右業者の顧客から株式その他の有価証券の売買又はその委託の媒介、取次又はその代理の注文を受けた場合これを業者に通じて売買その他の有価証券取引を成立させるいわゆる外務行為に従事すべき義務を負担し、業者はこれに対する報酬として出来高に応じ賃金を支払うと共に外務員のした有価証券の売買委託…
参照法条労働基準法20条,証券取引法56条,民法627条,民法651条

一 死者の活動年令期の算定。 二 労働基準法第七九条の補償と民法第四二二条。 三 民法第七一五条の使用者責任の認められる事例。

最高裁判所第三小法廷昭和36年1月24日昭和31(オ)364民集 第15巻1号35頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 死者の活動年令期は、死者の経歴、年令、職業、健康状態その他の具体的事情を考慮して算定することができ、必ずしも統計による生命表の有限平均余命の数値に拘束されない。 二 労働者の死亡について第三者が不法行為に基づく損害賠償責任を負担する場合には、労働基準法第七九条に基づく補償義務を履行した使用者は、民法第四二二条の類推…
参照法条民法185条,民法709条,民法422条,民法715条,労働基準法79条

ピケが違法とされた事例。

最高裁判所第三小法廷昭和35年10月18日昭和35(テ)3民集 第14巻12号2528頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨使用者の工場が、高圧ガス取締法の規制を受け、関連工場と関連操作するのでなければ爆発等の危険を生じ単独で操業を停止することは困難で、しかもオートメーシヨン化され、計器室における計器の操作はとくに綿密冷静な作業を要するという特殊事情にかんがみ、使用者が、非組合員である使用者側係員等により、危険を避けるため、スト中も、必要最…
参照法条労働組合法1条2項,労働組合法8条

一 経営補助者たる非組合員の解雇の撤回を争議目的の一つとして掲げる争議行為が違法でないとされた事例 二 いわゆる抜打争議にあたらない事例

最高裁判所第三小法廷昭和35年4月26日昭和32(テ)20民集 第14巻6号1004頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 経営補助者たる非組合員の解雇の撤回を争議目的の一つとして掲げる争議行為であつても、使用者と組合との間に雇傭、昇進、解雇等の人事事項に関する労働協約が締結されていない状況下にあつて、組合が右解雇の理由、手続に不安を覚え、将来組合員についても同様の事態の発生することを懸念し、使用者に対し公正な人事機構の確立を要求するこ…
参照法条労働組合法1条,労働組合法8条,労働関係調整法4条

一 労働基準法第二〇条に違反してなされた解雇の効力 二 労働基準法第一一四条の附加金支払義務の性質

最高裁判所第二小法廷昭和35年3月11日昭和30(オ)93民集 第14巻3号403頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 使用者が労働基準法第二〇条所定の予告期間をおかず、また予告手当の支払をしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は、即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でないかぎり、通知後同条所定の三〇日の期間を経過するか、または予告手当の支払をしたときに解雇の効力を生ずるものと解すべきである。 二…
参照法条労働基準法20条,労働基準法114条

一 不当労働行為の救済命令が労働組合法第二条の要件を欠く組合の申立に基き発せられたことを理由として、右命令の取消を求めることの許否 二 中央労働委員会規則第二五条の適用範囲

最高裁判所第三小法廷昭和32年12月24日昭和31(オ)58民集 第11巻14号2336頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 使用者は、不当労働行為の救済命令が労働組合法第二条の要件を欠く組合の申立に基き発せられたことのみを理由として、右命令の取消を求めることはできない。 二 不当労働行為の救済命令発付の前提としてなされる申立組合の資格認定については、中央労働委員会規則第二五条の適用はない。
参照法条労働組合法2条,労働組合法5条,労働組合法27条,中央労働委員会規則25条

権利能力のない労働組合に対する脱退組合員の財産分割請求権。

最高裁判所第一小法廷昭和32年11月14日昭和27(オ)96民集 第11巻12号1943頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない労働組合よりの脱退組合員は、その脱退が、組合分裂に基く場合であつても、当然には右組合に対し財産分割請求権を有しない。
参照法条労働組合法12条,民法72条

従業員の解雇が単なる信条を理由とする解雇でないと認められた事例

最高裁判所第三小法廷昭和30年11月22日昭和29(オ)355民集 第9巻12号1793頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨連合軍占領下における紡績会社の共産党員である従業員の解雇が、その従業員の企業の生産を阻害すべき具体的言動を根拠とするものであつて、解雇当時の事情の下でこれを単なる抽象的危虞に基く解雇として非難することができないものと認められる場合には、かかる解雇をもつて共産党員であることもしくは単に共産主義を信奉すること自体を理由とす…
参照法条憲法14条,労働基準法3条

「組合は経営権が会社にあることを確認する。但し会社は経営の方針、人事の基準……等経営の基本に関する事項については……組合又は連合会と協議決定する。前項の人事とは従業員の採用、解雇、異動、休職、任免及びこれらに関連する事項をいう。」旨の労働協…

最高裁判所第一小法廷昭和29年1月21日昭和27(オ)776民集 第8巻1号123頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社が極度の経営不振に陥り、企業到壊の寸前に追い追まれたため、企業の再建の方策として人員整理を含む経営方針を樹立し、右協約条項に基き組合側と協議を重ねたが、人員整理を内容とする企業再建方策が当時の状勢の下においては会社としてはやむを得ない措置であり、かつ早急にこれを実施する必要に迫られていると認められるにかかわらず、組…
参照法条労働組合法16条

一 労働組合規約に組合員総会の決議事項として特定事項の外委員会において必要と認むる事項とまた委員会の決議事項として特定事項の外総会に諮るべき事項と規定している場合と総会における組合員の議案提出権の有無 二 旧組合が解散して新組合が結成された…

最高裁判所第二小法廷昭和28年12月4日昭和26(オ)128民集 第7巻12号1318頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 労働組合規約に、組合員総会に諮るべき事項として、組合規約等の外委員会において必要と認むる事項と、また委員会に諮るべき事項として組合運営に関する事項等の外総会に諮るべき事項と定めている場合においても、緊急な特別の事情がある場合には、委員会に図ることなく、組合員より直接総会に議案を提出することを得るものと解すべきである…
参照法条労働組合法14条

労使双方の合意に基く就業規則の条項に違反し組合との協議を経ないでした就業規則の改正の効力

最高裁判所第二小法廷昭和27年7月4日昭和25(ク)65民集 第6巻7号635頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨労使双方の合意に基き、就業規則中に「就業規則の改正は労働組合との協議によつて行う」旨定めた場合であつても、特段の事情のないかぎり、その協議を経ないでした右規則の改正を無効とはいえない。
参照法条労働基準法90条

最高裁 / 裁判集登載104件

大学の講師の職が大学の教員等の任期に関する法律4条1項1号所定の教育研究組織の職に当たるとされた事例

最高裁判所第一小法廷令和6年10月31日令和5(受)906集民 第271号199頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨大学の人間生活学部人間生活学科生活福祉コースにおいて、介護福祉士等の資格及びその実務経験を有する教員により、介護実習、レクリエーション現場実習といった授業等が実施されていたなど判示の事情の下においては、上記コースの講師の職は、大学の教員等の任期に関する法律4条1項1号所定の教育研究組織の職に当たる。
参照法条大学の教員等の任期に関する法律4条1項1号、大学の教員等の任期に関する法律5条1項、大学の教員等の任期に関する法律7条1項、労働契約法18条1項

労働者と使用者との間に当該労働者の職種及び業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合において、使用者が当該労働者に対してした異なる職種等への配置転換命令につき、配置転換命令権の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第二小法廷令和6年4月26日令和5(受)604集民 第271号109頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者と使用者との間に当該労働者の職種及び業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合において、使用者が当該労働者に対してその同意を得ることなくした異なる職種等への配置転換命令につき、使用者が同命令をする権限を有していたことを前提として、その濫用に当たらないとした原審の判断には、違法がある。
参照法条労働契約法3条1項、労働契約法8条

外国人の技能実習に係る監理団体の指導員が事業場外で従事した業務につき、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷令和6年4月16日令和5(受)365集民 第271号85頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨外国人の技能実習に係る監理団体の指導員が事業場外で従事した業務につき、就業日ごとの始業時刻、終業時刻及び休憩時間のほか、訪問先、訪問時刻及びおおよその業務内容等を記入した業務日報が提出されていた場合において、次の⑴、⑵など判示の事情の下で、業務日報の正確性の担保に関する具体的な事情を十分に検討することなく、業務日報によ…
参照法条労働基準法38条の2第1項

雇用契約に基づく残業手当等の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第二小法廷令和5年3月10日令和4(受)1019集民 第270号77頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者Yが、変更後の就業規則等に基づく新たな賃金体系の下で、日々の業務内容等に応じて決定される月ごとの賃金総額から基本給等の額を差し引いた額を割増賃金の額とした上で、そのうち基本給等を通常の労働時間の賃金として労働基準法37条並びに政令及び厚生労働省令の関係規定に定められた方法により算定した額を残業手当等の額とし、上記…
参照法条労働基準法37条

1 厚生労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例 2 …

最高裁判所第一小法廷令和3年5月17日平成31(受)290集民 第265号201頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 屋外の建設現場における石綿含有建材の切断,設置等の作業に従事する者が石綿粉じんにばく露したことにより中皮腫にり患した場合において,次の⑴~⑸など判示の事情の下では,国が,平成13年から平成16年9月30日までの期間に,上記作業に従事する者に石綿関連疾患にり患する危険が生じていることを認識することができたとはいえず,…
参照法条(1につき)国家賠償法1条1項,労働安全衛生法22条,労働安全衛生法23条,労働安全衛生法27条,労働安全衛生法57条 (2につき)民法709条

有期労働契約を締結していた労働者が労働契約上の地位の確認等を求める訴訟において,契約期間の満了により当該契約の終了の効果が発生するか否かを判断せずに請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷令和元年11月7日平成30(受)755集民 第262号151頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨有期労働契約を締結していた労働者が解雇の無効を主張して労働契約上の地位の確認及び解雇の日以降の賃金の支払を求める訴訟において,当該解雇が無効であると判断するのみで,当該契約の契約期間が満了した事実をしんしゃくせず,当該契約期間の満了により当該契約の終了の効果が発生するか否かを判断することなく,当該契約期間の満了後である…
参照法条民訴法246条,労働契約法17条1項

使用者と労働組合との間の合意により当該労働組合に所属する労働者の未払賃金に係る債権が放棄されたということはできないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成31年4月25日平成29(受)1889集民 第261号233頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者と労働組合との間の当該労働組合に所属する労働者の未払賃金に係る債権を放棄する旨の合意につき,当該労働組合が当該労働者を代理して当該合意をしたなど,その効果が当該労働者に帰属することを基礎付ける事情はうかがわれないという事実関係の下においては,これにより当該債権が放棄されたということはできない。
参照法条労働組合法14条

1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めが労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例 2 郵政民営化法に基づき設立されて日本郵政公社の業務等を承…

最高裁判所第二小法廷平成30年9月14日平成29(受)347集民 第259号89頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めは,次の⑴,⑵など判示の事情の下においては,労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものである。 ⑴ 上記期間雇用社員の従事する業務は屋外業務,立った状態での作業,機動車の乗務,機械操作等であるところ,当…
参照法条(1につき)労働契約法7条,高年齢者等の雇用の安定等に関する法律8条,高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条1項 (2につき)労働契約法10条,郵政民営化法167条 (3につき)労働契約法19条1号

雇用契約において時間外労働等の対価とされていた定額の手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成30年7月19日平成29(受)842集民 第259号77頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者が労働者に対し,雇用契約に基づいて定額の手当を支払った場合において,当該手当は当該雇用契約において時間外労働,休日労働及び深夜労働に対する対価として支払われるものとされていたにもかかわらず,当該手当を上回る金額の割増賃金請求権が発生した事実を労働者が認識して直ちに支払を請求することができる仕組みが備わっていないな…
参照法条労働基準法37条

医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていたとしても,当該年俸の支払により時間外労働等に対する割増賃金が支払われたということはできないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日平成28(受)222集民 第256号31頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていたとしても,当該年俸のうち時間外労働等に対する割増賃金に当たる部分が明らかにされておらず,通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができないという事情の下では,当該年俸の支払により,時間外労働…
参照法条労働基準法37条

歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるとして未払賃金の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成29年2月28日平成27(受)1998集民 第255号1頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であると判断するのみで,当該賃金規則における賃金の定めにつき,通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否かや,そのような判別を…
参照法条民法90条,労働基準法37条

私立大学の教員に係る期間1年の有期労働契約が3年の更新限度期間の満了後に期間の定めのないものとなったとはいえないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成28年12月1日平成27(受)589集民 第254号21頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨私立大学の教員に係る期間1年の有期労働契約は,①当該労働契約において,3年の更新限度期間の満了時に労働契約を期間の定めのないものとすることができるのは,これを希望する教員の勤務成績を考慮して当該大学を運営する学校法人が必要であると認めた場合である旨が明確に定められており,当該教員もこのことを十分に認識した上で当該労働契…
参照法条労働契約法6条,労働契約法18条

労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことが,労働者災害補償保険法1条,12条…

最高裁判所第二小法廷平成28年7月8日平成26(行ヒ)494集民 第253号47頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことは,次の⑴~⑶など判示の事情の下においては,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項の業務上の事由による災害に当た…
参照法条労働者災害補償保険法1条,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働基準法79条,労働基準法80条

職場における性的な内容の発言等によるセクシュアル・ハラスメント等を理由としてされた懲戒処分が懲戒権を濫用したものとはいえず有効であるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成27年2月26日平成26(受)1310集民 第249号109頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の管理職である男性従業員2名が同一部署内で勤務していた女性従業員らに対してそれぞれ職場において行った性的な内容の発言等によるセクシュアル・ハラスメント等を理由としてされた出勤停止の各懲戒処分は,次の(1)~(4)など判示の事情の下では,懲戒権を濫用したものとはいえず,有効である。 (1) 上記男性従業員らは,①うち…
参照法条労働契約法15条

募集型の企画旅行における添乗員の業務につき,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成26年1月24日平成24(受)1475集民 第246号1頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨募集型の企画旅行における添乗員の業務については,次の(1),(2)など判示の事情の下では,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえない。 (1) 当該業務は,旅行日程がその日時や目的地等を明らかにして定められることによって,その内容があらかじめ具体的に確定されており,添乗員が自ら決定…
参照法条労働基準法38条の2第1項

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に基づく再雇用の制度を導入した事業主とその従業員との間に,当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係の存続が認められた事例

最高裁判所第一小法廷平成24年11月29日平成23(受)1107集民 第242号51頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め,継続雇用を希望する高年齢者のうち当該基準を満たす者を再雇用する旨の制度を導入した事業主が,継続雇用を希望する高年齢者たる従業員につき,当該基準を満たしていないとして再雇用しなかった場合において,次の(1)〜(3)など判示…
参照法条高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条,労働契約法6条

従業員の欠勤が就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たるとしてされた諭旨退職の懲戒処分が無効であるとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成24年4月27日平成23(受)903集民 第240号237頁労働基準法労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨従業員が,被害妄想など何らかの精神的な不調のために,実際には事実として存在しないにもかかわらず,約3年間にわたり盗撮や盗聴等を通じて自己の日常生活を子細に監視している加害者集団が職場の同僚らを通じて自己に関する情報のほのめかし等の嫌がらせを行っているとの認識を有しており,上記嫌がらせにより業務に支障が生じており上記情報…
参照法条労働基準法89条,労働契約法15条,労働契約法16条

基本給を月額で定めた上で月間総労働時間が一定の時間を超える場合に1時間当たり一定額を別途支払うなどの約定のある雇用契約の下において,使用者が,各月の上記一定の時間以内の労働時間中の時間外労働についても,基本給とは別に,労働基準法(平成20年…

最高裁判所第一小法廷平成24年3月8日平成21(受)1186集民 第240号121頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨基本給を月額41万円とした上で月間総労働時間が180時間を超える場合に1時間当たり一定額を別途支払い,140時間未満の場合に1時間当たり一定額を減額する旨の約定のある雇用契約の下において,次の(1),(2)など判示の事情の下では,労働者が時間外労働をした月につき,使用者は,労働者に対し,月間総労働時間が180時間を超え…
参照法条労働基準法32条,労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの)37条1項

労働契約上の安全配慮義務違反による損害と弁護士費用

最高裁判所第二小法廷平成24年2月24日平成23(受)1039集民 第240号111頁労働契約法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者が,使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ,訴訟追行を弁護士に委任した場合には,その弁護士費用は,事案の難易,請求額,認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り,上記安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害とい…
参照法条民法415条,民法416条,労働契約法5条

旅客鉄道事業等を営む会社である使用者が労働者を運転士に発令しなかったことが,労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱い又は同条3号の支配介入に当たらないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成24年2月23日平成22(行ヒ)52集民 第240号69頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨旅客鉄道事業等を営む会社である使用者が,運転士の経験のない者に対する運転士発令につき車掌職の経験をほぼ必要不可欠な条件とする運用を始めるに当たり,既に運転士の資格を有しているが運転士への発令を留保され車掌職の経験もない未発令の労働者のうち,希望者の中から選考した者に対し車掌となるための教育を行うこととした場合において,…
参照法条労働組合法7条1号,労働組合法7条3号

住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する受託者が,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成23年4月12日平成21(行ヒ)473集民 第236号327頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する受託者は,次の(1)〜(5)など判示の事実関係の下では,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たる。 (1) 上記会社が行う住宅設備機器の修理補修等の業務の大部分は,能力,実績,経験等を基準に級を毎年定める制度等の下で…
参照法条労働組合法3条,労働組合法7条

1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たるか 2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員に対して会社がした普通解雇が,当該従業員に対する…

最高裁判所第三小法廷平成22年5月25日平成21(オ)1727集民 第234号99頁労働基準法労働契約法労働審判法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たらない。 2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員が,その勤務態度は他の従業員や取引先から会社に対し苦情が寄せられるほどであり,これはその飲酒癖に起因するものであったのに,代…
参照法条(1につき)民訴法23条1項6号,労働審判法20条1項,労働審判法22条(2につき)民法709条,労働基準法(平成19年法律第128号による改正前のもの)18条の2,労働契約法16条

いわゆる管理監督者に該当する労働者が深夜割増賃金を請求することの可否

最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成21(受)440集民 第232号825頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働基準法41条2号所定のいわゆる管理監督者に該当する労働者は,同法37条3項に基づく深夜割増賃金を請求することができる。
参照法条労働基準法37条1項,労働基準法37条3項,労働基準法41条

学校法人の理事会が,人事院勧告に準拠して給与規程を改定し,教職員の月例給を引き下げることを決定した上,12月期の期末勤勉手当につき,改定後の給与規程に基づいて算定した額からその年の4月分から11月分までの給与の減額分を控除するなどの調整をし…

最高裁判所第三小法廷平成19年12月18日平成17(受)2044集民 第226号539頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨学校法人の理事会が,人事院勧告に準拠して給与規程を改定し,教職員の月例給を引き下げることを決定した上,12月期の期末勤勉手当につき,改定後の給与規程に基づいて算定した額からその年の4月分から11月分までの給与の減額分を控除するなどの調整をしてその支給額を定めた場合において,(1)期末勤勉手当の支給については,給与規程に…
参照法条労働基準法11条,労働基準法24条1項,労働基準法89条4号

会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成19年11月16日平成19(受)478集民 第226号317頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の従業員であった者が退職して執行役員に就任し,その後退任した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,会社が従前支給してきた内規所定の金額の退職慰労金は,功労報償的な性格が極めて強く,執行役員退任の都度,代表取締役の裁量的判断により支給されてきたにすぎないものであり,上記の者が会社に対し退職慰労金の支…
参照法条民法623条,民法643条,民法648条1項,労働基準法11条,労働基準法89条3号の2

1 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分が無効とされた事例 2 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた…

最高裁判所第二小法廷平成19年7月13日平成18(受)347集民 第225号117頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,同教授の地元新聞紙上における発言等を理由として戒告処分をした場合において,上記発言が新聞紙上に掲載されても上記学校法人の社会的評価の低下毀損を生じさせるとは認め難いなど判示の事情の下では,上記戒告処分は懲戒権を濫用するものとして無効である。 2 学校法人が,そ…
参照法条(1につき)労働基準法89条 (2,3につき)民法623条,労働基準法第2章 労働契約 (2につき)民訴法134条

定年前に退職する従業員に対して定年退職の扱いとし割増退職金を支給することなどを内容とする選択定年制に基づき退職の申出をしたが承認のされなかった従業員について上記選択定年制による退職の効果が生じないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成19年1月18日平成16(受)380集民 第223号5頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨定年前に退職する従業員に対して定年退職の扱いとし割増退職金を支給することなどを内容とする選択定年制が定められている場合において,従業員からの申出に対し使用者がこれを承認することによって上記選択定年制による退職の効果が生ずるものとされており,使用者が承認をするかどうかに関し就業規則等において特段の制限が設けられていないな…
参照法条民法第3編第2章第1節第1款 契約の成立,労働基準法第2章 労働契約,労働基準法89条3号,労働基準法89条3号の2

1 労働組合法2条1号所定の使用者の利益代表者に近接する職制上の地位にある者が使用者の意を体して労働組合に対する支配介入を行った場合における使用者の不当労働行為責任 2 労使協調路線を採る労働組合の組合員である新幹線運転所の指導科長(助役)…

最高裁判所第二小法廷平成18年12月8日平成16(行ヒ)50集民 第222号585頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 労働組合法2条1号所定の使用者の利益代表者に近接する職制上の地位にある者が使用者の意を体して労働組合に対する支配介入を行った場合には,使用者との間で具体的な意思の連絡がなくとも,当該支配介入をもって使用者の不当労働行為と評価することができる。 2 労使協調路線を採るA労働組合の組合員である新幹線運転所の指導科長(助…
参照法条(1,2につき)労働組合法2条1号,労働組合法7条3号

従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして暴行事件から7年以上経過した後にされた諭旨退職処分が権利の濫用として無効とされた事例

最高裁判所第二小法廷平成18年10月6日平成16(受)918集民 第221号429頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして,使用者が捜査機関による捜査の結果を待った上で上記事件から7年以上経過した後に諭旨退職処分を行った場合において,上記事件には目撃者が存在しており,捜査の結果を待たずとも使用者において処分を決めることが十分に可能であったこと,…
参照法条労働基準法89条

使用者の責めに帰すべき事由による解雇の期間中の賃金につき使用者が支払義務を負う金額を算定する場合において期末手当等の全額を対象として労働者が他の職に就いて得た利益の額を控除すべきであるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成18年3月28日平成15(受)1099集民 第219号1033頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者の責めに帰すべき事由による解雇の期間中の賃金につき使用者が支払義務を負う金額を算定する場合において,労働者が同期間中に他の職に就いて得た利益の額が当該利益を得た期間における平均賃金合計額の4割を超え,かつ,使用者が労働者に対し労働基準法12条4項所定の賃金に当たる期末手当及び勤勉手当を支払うこととされているという…
参照法条民法536条2項,労働基準法12条1項,4項,労働基準法24条1項,労働基準法26条

労働安全衛生法15条1項にいう「特定元方事業者」の解釈適用が争われた事例

最高裁判所第三小法廷平成17年12月21日平成16(あ)1013集刑 第288号789頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
参照法条労働安全衛生法15条1項,労働安全衛生法30条1項2号,労働安全衛生法120条1号,労働安全衛生法122条,労働安全衛生規則636条

ヘリコバクター・ピロリ菌感染という基礎疾患及び慢性十二指腸かいようの既往症を有する貿易会社の営業員が海外出張中に発症したせん孔性十二指腸かいようが業務上の疾病に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成16年9月7日平成12(行ヒ)320集民 第215号41頁労働基準法労働基準法施行規則
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ヘリコバクター・ピロリ菌感染という基礎疾患及び慢性十二指腸かいようの既往症を有する貿易会社の営業員が海外出張中にせん孔性十二指腸かいようを発症した場合につき,上記営業員が4日間にわたる国内出張後,重要な外国人顧客に同行して12日間に六つの国と地域を回り,休日もなく連日商談,接待等のため長時間の勤務を続けており,これによ…
参照法条労働者災害補償保険法7条1項1号,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第1項,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第2項,労働基準法75条1項,労働基準法(平成11年法…

労働組合法7条3号の不当労働行為を理由とする救済申立てと労働組合の組合員の申立て適格

最高裁判所第二小法廷平成16年7月12日平成15(行ヒ)109集民 第214号739頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働組合の組合員は,使用者が労働組合法7条3号の不当労働行為を行ったことを理由とする救済申立てについて,申立て適格を有する。
参照法条労働組合法7条3号,労働組合法27条

労働組合の組合員に対する雇入れの拒否と労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱い及び同条3号の支配介入

最高裁判所第一小法廷平成15年12月22日平成15(行ヒ)16集民 第212号483頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働組合の組合員に対する雇入れの拒否は,それが従前の雇用契約関係における不利益な取扱いにほかならないとして不当労働行為の成立を肯定することができる場合に当たるなどの特段の事情がない限り,労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱いにも,同条3号の支配介入にも当たらない。 (反対意見がある。)
参照法条労働組合法7条1号,労働組合法7条3号

1 出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者とする旨の就業規則条項の適用に関しその基礎とする出勤した日数に産前産後休業の日数等を含めない旨の定めが公序に反し無効とされた事例 2 賞与の額を欠勤日数に応じて減額することを内容とする計算式の適…

最高裁判所第一小法廷平成15年12月4日平成13(受)1066集民 第212号87頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者としこれに満たない者には賞与を支給しないこととする旨の就業規則条項の適用に関し,出勤率算定の基礎とする出勤すべき日数に産前産後休業の日数を算入し,出勤した日数に上記日数及び育児を容易にするための措置により短縮された勤務時間分を含めない旨を定めた就業規則の付属文書の定めは,従…
参照法条民法90条,労働基準法(平成9年法律第92号による改正前のもの)65条,育児休業等に関する法律(平成7年法律第107号による改正前のもの)10条

1 使用者による労働者の懲戒と就業規則の懲戒に関する定めの要否 2 就業規則に拘束力を生ずるための要件

最高裁判所第二小法廷平成15年10月10日平成13(受)1709集民 第211号1頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 使用者が労働者を懲戒するには,あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する。 2 就業規則が法的規範として拘束力を生ずるためには,その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要する。
参照法条労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)89条,労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)106条,労働基準法93条

救済を申し立てなかった労働者がその所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟に行政事件訴訟法22条1項に基づく参加をすることの許否

最高裁判所第一小法廷平成14年9月26日平成13(行ニ)5集民 第207号327頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自ら救済を申し立てなかった労働者がその所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟に行政事件訴訟法22条1項に基づく参加をすることは,当該救済命令の内容が当該労働者に対する賃金相当額の支払を命じるものであるなど当該労働者個人の雇用関係上の権利にかかわるものであっても,許されない。
参照法条行政事件訴訟法22条1項,労働組合法27条

市教育委員会実施の定期健康診断においてエックス線検査を受診しなかった市立中学校の教諭が校長の受診命令に従わなかったことが地方公務員法(平成11年法律第107号による改正前のもの)29条1項1号,2号に該当するとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成13年4月26日平成9(行ツ)229集民 第202号173頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨市立中学校の教諭が,エックス線検査を行うことが相当でない身体状態ないし健康状態にあったなどの事情もうかがわれないのに,市教育委員会が実施した定期健康診断においてエックス線検査を受診しなかったなど判示の事実関係の下においては,校長が職務上の命令として発したエックス線検査受診命令は適法であり,上記教諭がこれに従わなかったこ…
参照法条学校保健法8条1項,学校保健法10条1項,学校保健法施行規則(平成2年文部省令第1号による改正前のもの)10条1項3号,学校保健法施行規則(平成2年文部省令第1号による改正前のもの)11条2項,結核予防法4条1項,結核予防法6条,結核予防法…

完全週休二日制の実施に伴い平日の所定労働時間を二五分間延長する就業規則の変更が有効とされた事例

最高裁判所第二小法廷平成12年9月22日平成9(オ)2197集民 第199号665頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨信用金庫が、就業規則を変更し、完全週休二日制を実施する一方で、平日の所定労働時間を二五分間延長した場合において、平日の所定労働時間の延長は労働条件を不利益に変更するものであるが、右就業規則の変更により年間所定労働時間に大きな差は生じず休日が増加するから、従業員の被る不利益は全体的、実質的にみて必ずしも大きいものではなく…
参照法条労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)89条1項,労働基準法93条

完全週休二日制の実施に伴い平日の所定労働時間を一〇分間ないし六〇分間延長する就業規則の変更が有効とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成12年9月12日平成9(オ)1710集民 第199号501頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨銀行が、就業規則を変更し、完全週休二日制を実施する一方で、平日の所定労働時間を毎週最初の日及び毎月二五日から月末までは六〇分間、その他は一〇分間延長した場合において、平日の所定労働時間の延長は労働条件を不利益に変更するものであるが,右就業規則の変更により年間所定労働時間は相当減少し休日が増加するから、従業員の被る不利益…
参照法条労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)89条1項,労働基準法93条

支店長付きの運転手が自動車運転の業務中に発症したくも膜下出血が業務上の疾病に当たるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成12年7月17日平成7(行ツ)156集民 第198号461頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨支店長付きの運転手として自動車運転の業務に従事していた者が早朝支店長を迎えに行くため運転中くも膜下出血を発症した場合において、同人が右発症に至るまで相当長期間にわたり従事していた右業務は精神的緊張を伴う不規則なものであり、その労働密度は決して低くはなく、右発症の約半年前以降は一日平均の時間外労働時間が七時間を上回り、一…
参照法条労働者災害補償保険法7条1項1号 労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第1項、労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第2項 労働基準法75条・労働基準法76条1項 労働基…

長年にわたり粉じん作業に従事しじん肺及びこれに合併する肺結核にり患した労働者の原発性肺がんによる死亡が労働者災害補償保険法にいう業務上の死亡に当たるとはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成11年10月12日平成7(行ツ)53集民 第194号1頁労働基準法労働基準法施行規則
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨長年にわたりセメント原料等による粉じんの飛散している事業場等においてアーク溶接作業に従事しじん肺管理区分が管理三イと認められるじん肺及びこれに合併する肺結核にり患した労働者が原発性肺がんにより死亡した場合において、粉じん作業ないしじん肺と肺がんとの間の病理学的、疫学的因果関係の存否につき専門家の見解が分かれており、けい…
参照法条労働者災害補償保険法7条1項1号,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第1項,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第2項,労働基準法75条,労働基準法79条,労働基準法…

業務に従事中に付近に重量物が落下して顔面を負傷するという事故に遭った日の二日後に非外傷性の脳血管疾患を発症した配電工の死亡が労働者災害補償保険法にいう業務上の死亡に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成9年4月25日平成6(行ツ)200集民 第183号293頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨配電工が、業務に従事中に、クレーンのワイヤーが切れ、ワイヤー、フック、電柱等の重量物が地上約三メートルの高さから付近に落下し、顔面に軽度の負傷をするという事故に遭った日の二日後に、非外傷性の脳血管疾患を発症し、その翌日に死亡した場合において、右配電工は、右発症の基礎となり得る素因又は疾患を有していたことは否定し難いが、…
参照法条労働者災害補償保険法7条1項1号,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第l項,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第2項,労働基準法79条,労働基準法80条

一部の組合員の定年及び退職金支給基準率を不利益に変更する労働協約の規範的効力が認められた事例

最高裁判所第一小法廷平成9年3月27日平成7(オ)1299集民 第182号673頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨定年の改定及び退職金支給基準率の変更を主たる内容とする労働協約に定められた基準を右協約締結当時五三歳であった組合員甲に適用すると、甲は、定年が六三歳から五七歳に、退職金支給基準率が七一・〇から五一・〇に引き下げられるという不利益を受けることになる場合であっても、甲が雇用されていた会社には、定年が六三歳の従業員と五五歳の…
参照法条労働組合法16条

車の持込み運転手が労働基準法及び労働者災害補償保険法上の労働者に当たらないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成8年11月28日平成7(行ツ)65集民 第180号857頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自己の所有するトラックを持ち込んで特定の会社の製品の運送業務に従事していた運転手が、自己の危険と計算の下に右業務に従事していた上、右会社は、運送という業務の性質上当然に必要とされる運送物品、運送先及び納入時刻の指示をしていた以外には、右運転手の業務の遂行に関し特段の指揮監督を行っておらず、時間的、場所的な拘束の程度も、…
参照法条労働基準法9条,労働者災害補償保険法7条

懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為の存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることの許否

最高裁判所第一小法廷平成8年9月26日平成8(オ)752集民 第180号473頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為の存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることは、特段の事情のない限り、許されない。
参照法条労働基準法89条

一 使用者が労働組合に対し組合集会等のための従業員食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって不当労働行為に当たるということはできないとされた事例 二 使用者が労働組合にいわゆる三六協定の締結適格があるかどうかを確認する目的で従業員に…

最高裁判所第二小法廷平成7年9月8日平成3(行ツ)34集民 第176号699頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 使用者が、労働組合の結成通知以来約九箇月にわたり、組合からの許可願の提出があれば業務に支障のない限り従業員食堂の使用を許可していたところ、就業時間後食堂で行われていた組合の学習会の参加者の氏名を巡回中の守衛が記録したことに反発した組合執行委員長らが右記録用紙を守衛から提出させたことを契機として、組合による食堂使用を…
参照法条労働組合法7条3号,労働基準法36条

併存する企業内組合の一つが使用者の提案する賃金計算方法の変更を承認しないことを理由に使用者が右組合との間で労働基準法三六条所定の協定を締結することを拒否しその組合員の時間外労働を禁止している行為が労働組合法七条一号及び三号の不当労働行為に当…

最高裁判所第二小法廷平成7年4月14日平成5(行ツ)141集民 第175号23頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨従来、時間外割増賃金及び深夜割増賃金を含むとの認識の下に水揚高に一定率を乗じた歩合による賃金を支払っていた使用者が、労働基準監督署から割増賃金部分を明確にするよう指導を受けたため、水揚高に従前の率を若干下回る率を乗じた金額を基礎給としこれに時間外割増賃金及び深夜割増賃金を加算して支払うことを内容とする賃金計算方法を採用…
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条,労働基準法(平成5年法律第79号による改正前のもの)37条1項,労働組合法7条1号,労働組合法7条3号

合資会社の有限責任社員で「専務取締役」の名称の下に無限責任社員の職務を代行していた者について従業員を対象とする退職金規定の適用があるとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成7年2月9日平成6(オ)2185集民 第174号237頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨合資会社の有限責任社員で「専務取締役」の名称の下に代表者である無限責任社員の職務を代行していた者であっても、定款によって業務執行の権限を与えられておらず、代表者の指揮命令の下に労務を提供していたにとどまり、その対償としての金員の支払を受けていたものについては、右会社の従業員を対象とする退職金規定が適用される。
参照法条商法156条,労働基準法9条,労働基準法11条,労働基準法89条1項3号の2,労働基準法89条2項

ストライキの場合に不就労の時間に応じて控除される家族手当付加額が労働基準法(平成五年法律第七九号による改正前のもの)三七条二項にいう家族手当に当たるとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成6年4月8日平成5(オ)1695集民 第172号259頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨家族手当付加額が扶養家族を有する者に対し被扶養者の数に応じて定められた金額を支給するものであり、勤務を欠いたことにより右付加額が控除されるのは例外的であるという原判示の事実関係の下においては、右家族手当付加額は、ストライキの場合に不就労の時間に応じて控除されるとしても、労働基準法(平成五年法律第七九号による改正前のもの…
参照法条労働基準法(平成5年法律第79号による改正前のもの)37条2項,労働基準法37条4項

管理者に準ずる地位にある職員が組合員バッジの取外し命令に従わないため点呼執行業務から外して営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令が違法とはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成5年6月11日平成1(オ)1631集民 第169号117頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自動車営業所の管理者に準ずる地位にある職員が、取外し命令を無視して組合員バッジの着用をやめないため、同人を通常業務である点呼執行業務から外し、営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令は、右作業が職場環境整備等のために必要な作業であり、従来も職員が必要に応じてこれを行うことがあったなど判示の事情の下にお…
参照法条民法623条,民法709条,労働基準法13条

いわゆるチェック・オフと個々の組合員からの委任の要否

最高裁判所第一小法廷平成5年3月25日平成3(オ)928集民 第168号127頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者と労働組合との間にいわゆるチェック・オフ協定が締結されている場合であっても、使用者が有効なチェック・オフを行うためには、賃金から控除した組合費相当分を労働組合に支払うことにつき個々の組合員から委任を受けることが必要である。
参照法条労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)24条1項,民法643条,民法651条1項

注文者が労働安全衛生法三〇条二項前段による指名をしなかったことと作業員の死亡事故との間に相当因果関係がないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成5年1月21日平成1(オ)745集民 第167号297頁労働安全衛生法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨漁船の機関室で甲社と乙社の作業が並行して行われた際、甲社の作業員の過失によりアンモニアガスが漏出して乙社の作業員が死亡した場合において、甲乙両社に漁船の整備点検を分割発注した注文者が労働安全衛生法三〇条二項前段による指名をしていなかったとしても、当日予定されていた甲社の作業にはアンモニアガス漏出の危険性のあるものはなく…
参照法条民法709条,労働安全衛生法30条1項,労働安全衛生法30条2項

タクシー会社におけるストライキに際し労働組合員が行った営業用自動車の運行阻止の行為が正当な争議行為に当たらないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成4年10月2日平成1(オ)676集民 第166号1頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨タクシー会社におけるストライキに際し、労働組合員が、車庫に格納された営業用自動車の傍らに座り込むなどして、会社の退去要求に応ぜず、会社は右自動車を車庫から搬出することができなかったなど判示の事実関係の下においては、労働組合員の右行為は、争議行為として正当な範囲にとどまるものとはいえない。
参照法条労働組合法7条

一 タクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につきその必要性を肯認することができるとされた事例 二 タクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更と変更内容の合理性

最高裁判所第二小法廷平成4年7月13日平成3(オ)581集民 第165号185頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 運賃値上げの認可を機会にされたタクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につき、従前の計算方法は、それが労使間で合意された時点の運賃を前提にしたもので、運賃値上げ後は労使双方で速やかに協議し直すことが予定されていたものであり、また、会社内の甲労働組合との間の協議は不調となったが、乙労働組合と…
参照法条労働基準法89条

労働者が就業時間外に職場外においてビラを配布したことを理由として懲戒処分をすることができるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成4年3月3日平成2(オ)156集民 第164号153頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨電力会社に勤務する労働者が就業時間外に職場外において会社の原子力発電所の設置に反対する趣旨のビラを配布した場合において、そのビラが、原子力発電所の安全性等に関して事実に反するものであり、これを配布することにより、各方面に会社が進めてきた原子力発電所建設推進運動に対する不信感や原子力発電所について誤った恐怖心を抱かせ、会…
参照法条労働基準法89条

漁業生産組合が毎月その事業に従事する組合員に対し労務の提供の程度に応じて支払う報酬の法的性質

最高裁判所第三小法廷平成3年12月3日平成2(オ)989集民 第163号635頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨漁業生産組合が、毎月、その事業に従事する組合員に対し、労務の提供の程度に応じて支払う報酬は、労働の対償である賃金と認めるのが相当である。
参照法条水産業協同組合法85条,労働基準法11条

国鉄労働組合から日本国有鉄道清算事業団に対し鉄道乗車証制度の改廃に関する事項につき団体交渉を求め得る地位にあることの確認を求める訴えが適法であるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成3年4月23日昭和62(オ)659集民 第162号547頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨国鉄労働組合から日本国有鉄道清算事業団に対し鉄道乗車証制度の改廃に関する事項につき団体交渉を求め得る地位にあることの確認を求める訴えは、両者の間で右事項が団体交渉の対象事項であるか否かが争われているときは、確認の利益を欠くものとはいえず、適法である。
参照法条憲法28条,労働組合法7条2号,公共企業体等労働関係法(昭和61年法律第93号による改正前のもの)8条4号,民訴法225条

ポストノーティス命令が憲法一九条に違反するものとはいえないとされた事例

最高裁判所第二小法廷平成3年2月22日昭和63(行ツ)140集民 第162号123頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者に対し、陳謝文という題の下に、使用者が労働組合の組合員に対し仕事上の差別取扱いをしたことが労働委員会により不当労働行為であると認定された旨及び使用者が労働組合とその組合員に対し右不当労働行為を行つたことについて深く陳謝すると共に今後このような行為を繰り返さないことを約する旨の文言を墨書した白色木板を掲示するよう命…
参照法条憲法19条,労働組合法27条4項

ポストノーティス命令が憲法一九条に違反するという主張が失当とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成2年3月6日昭和63(行ツ)102集民 第159号229頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨医療法人に対し、誓約書という題の下に、「当社団が行つた次の行為は、神奈川県地方労働委員会により不当労働行為と認定されました。当社団は、ここに深く反省するとともに今後再びかかる行為を繰り返さないことを誓約します。」との文言を墨書した白色木板を当該法人経営の病院入口に掲示するよう命じたポストノーティス命令は、当該法人に対し…
参照法条憲法19条,労働組合法27条4項

前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例

最高裁判所第二小法廷平成元年12月22日昭和59(オ)303集民 第158号805頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨すべての原因による不就労を基礎として算出した前年の稼働率が八〇パーセント以下の従業員を翌年度のベースアップを含む賃金引上げの対象者から除外する旨の労働協約条項は、そのうち労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を稼働率算定の基礎とする部分は有効であるが、右各権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎とする部分…
参照法条民法90条,労働基準法39条,労働基準法65条,労働基準法66条,労働基準法67条,労働基準法68条,労働基準法76条,労働組合法2章,労働組合法14条,労働組合法16条,憲法28条

就業規則に退職金は支給時の退職金協定によると定められている場合において退職金協定の失効後に退職し適用すべき協定のない労働者の退職金額が右就業規則を補充するものとして届け出られた退職金協定の支給基準により確定すべきものとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成元年9月7日昭和60(オ)728集民 第157号433頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨就業規則に退職金は支給時の退職金協定によると定められている場合、右就業規則を補充するものとして所轄労働基準監督署長に届け出られた退職金協定の支給基準は、就業規則の一部となつているものであつて、退職金協定が有効期間の満了により失効しても当然には効力を失わず、退職金協定の失効後に退職し適用すべき協定のない労働者については、…
参照法条労働基準法89条1項(昭和62年法律第99号による改正前のもの),労働基準法93条

労働協約中の解雇同意条項といわゆる余後効

最高裁判所第三小法廷昭和63年12月20日昭和62(オ)442集民 第155号507頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働協約中の解雇同意条項が当該協約の終了により失効した後も右条項に定められたところが個別の労働契約の内容として存続すると解する余地はない。
参照法条労働組合法15条,労働組合法16条

勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合に休暇の利用目的を考慮して勤務割変更の配慮をせずに時季変更権を行使することの許否

最高裁判所第三小法廷昭和62年9月22日昭和60(オ)989集民 第151号657頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合であつても、使用者が、通常の配慮をすれば勤務割を変更して代替勤務者を配置することが可能であるときに、休暇の利用目的を考慮して勤務割変更のための配慮をせずに時季変更権を行使することは、許されない。
参照法条労働基準法39条

一 労働委員会規則四二条二項所定の意見聴取の方法 二 公益委員会議が労働委員会規則四二条二項所定の意見聴取をしなかつた場合と救済命令の違法の有無

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月16日昭和61(行ツ)109集民 第150号727頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 労働委員会規則四二条二項による意見聴取は、審問に参与した使用者委員及び労働者委員に公益委員会議への出席を求め、その席上で右委員の意見を聴取する方法によるものでなければならない。 二 公益委員会議が労働委員会規則四二条二項に違反し、審問に参与した使用者委員及び労働者委員の意見を聴取しなかつたとしても、それによつて救済…
参照法条労働委員会規則42条2項,労働組合法24条

使用者がその責めに帰すべき事由による解雇期間中の賃金を労働者に支払う場合の労働基準法一二条四項所定の賃金と労働者が解雇期間中他の職に就いて得た利益額の控除

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月2日昭和59(オ)84集民 第150号527頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者が、その責めに帰すべき事由による解雇期間中の賃金を労働者に支払う場合、労働基準法一二条四項所定の賃金については、その全額を対象として、右賃金の支給対象期間と時期的に対応する期間内に労働者が他の職に就いて得た利益の額を控除することができる。
参照法条民法536条2項,労働基準法12条1項,労働基準法12条4項,労働基準法24条1項,労働基準法26条

労働委員会が不当労働行為により解雇された労働者のバツクペイを命ずるに当たり当該解雇が右労働者の属する労働組合に対し打撃を加える目的の下にされたものであるとの事情を考慮に入れて右労働者が解雇期間中他の職に就いて得た収入の控除を不要とすることの…

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月2日昭和59(行ツ)235集民 第150号583頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間中他の職に就いて収入を得ていた場合に、労働委員会が、右労働者の救済命令において解雇期間中の賃金相当額の遡及支払を命ずるに当たり、当該解雇が右労働者の属する労働組合の他の組合員に対する出勤停止処分と共に右労働組合に対し打撃を加える目的の下にされたものであるとの事情を考慮に入れ…
参照法条労働組合法7条1号,労働組合法27条4項

公立高校の教諭らが教職員組合の動員指示に従つて年次休暇権を行使して集会等に参加した行動が同盟罷業に当たらないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和61年12月18日昭和57(行ツ)166集民 第149号341頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公立高校の教諭らが、教職員組合の三割動員の指示に従い、授業予定日の半日につき年次休暇の時季指定をして地区労主催の集会等に参加した場合であつても、右動員指示が、適法な時季変更権の行使を無視することまで指示したものではなく、各事業場における業務の正常な運営の阻害を目的としたものでないときは、右教諭らの行動は、年次休暇に名を…
参照法条労働基準法39条3項,地方公務員法32条,地方公務員法35条,地方公務員法37条

臨時員に対する雇止めにつき解雇に関する法理を類推すべき場合においてその雇止めが有効とされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和61年12月4日昭和56(オ)225集民 第149号209頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨当初二〇日間の期間を定めて雇用しその後期間二箇月の労働契約を五回にわたり更新してきた臨時員に対し、使用者が契約期間満了による雇止めをした場合において、右臨時員が季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものでなく景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で雇用されるもので、その雇用関係はあ…
参照法条労働基準法14条,労働基準法21条

日本電信電話公社(昭和五九年法律第八五号日本電信電話株式会社法附則一一条による廃止前の日本電信電話公社法に基づき設立されたもの)がその職員に対し頸肩腕症候群総合精密検診の受診を命じた業務命令が有効であるとしてこれに違反したことを理由とする戒…

最高裁判所第一小法廷昭和61年3月13日昭和58(オ)1408集民 第147号237頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨日本電信電話公社(昭和五九年法律第八五号日本電信電話株式会社法附則一一条による廃止前の日本電信電話公社法に基づき設立されたもの)が健康管理上の措置が必要であると認められる職員に対し二週間の入院を要する頸肩腕症候群総合精密検診の受診を命ずる業務命令を発した場合において、右職員に労働契約上その健康回復を目的とする健康管理従…
参照法条日本電信電話公社法(昭和59年法律第85号日本電信電話株式会社法附則11条による廃止前のもの)33条,労働基準法89条,労働基準法93条

賞与の支給日前に嘱託期間の満了により退職した会社の嘱託が当該賞与の受給権を有しないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和60年11月28日昭和60(オ)258集民 第146号165頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨「賞与はその支給日に在籍している従業員及び嘱託に対してのみ支給する。ただし、賞与の計算期間中に在籍し支給日に在籍しない定年退職又は死亡退職の従業員及び死亡解嘱の嘱託に対しては当該賞与を支給する。」との慣行が存するときは、賞与の支給日前に嘱託期間の満了により退職した会社の嘱託は、当該賞与の計算期間中に在籍していても、当該…
参照法条労働基準法24条

出張・外勤命令に従わず内勤業務に従事した従業員らに対し使用者が賃金の支払義務を負わないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和60年3月7日昭和55(オ)39集民 第144号141頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者が、従業員らに対し、文書により個別に、就業すべき日、時間、場所及び業務内容を指定して出張・外勤を命ずる業務命令を発したが、従業員らが、いずれも所属労働組合の外勤・出張拒否闘争に従い、右指定された時間に会社に出勤し、内勤の場合における各人の分担に応じ内勤業務に従事し、右業務命令に対応する労務を提供しなかつた等、判示…
参照法条民法493条,労働基準法24条

自家用車による通勤途上の災害が労働者災害補償保険法(昭和四八年法律第八五号による改正前のもの)一条、一二条二項にいう「業務上の事由」によるものとはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和59年5月29日昭和57(行ツ)182集民 第142号183頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者が自己所有の自動車による自宅から工事現場への通勤の途上、衝突事故による災害を被つた場合に、他の公的交通機関を利用することが可能であり、右自動車の利用が特に必要でやむをえないものであつたとはいえないなど判示のような事実関係の下においては、右の形態の通勤をすることにつき事業主の意向が強く働いており、それが通勤時間及び…
参照法条労働者災害補償保険法(昭和48年法律第85号による改正前のもの)1条,労働者災害補償保険法(昭和48年法律第85号による改正前のもの)12条2項,労働基準法79条,労働基準法80条

ユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇が無効である場合における労働者の賃金請求権

最高裁判所第一小法廷昭和59年3月29日昭和55(オ)1030集民 第141号461頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働組合から除名された労働者に対してされたユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇が権利の濫用として無効である場合には、右解雇を理由として労務提供の受領が拒否されても、労働者は、賃金請求権を失わない。
参照法条労働基準法24条,民法536条2項

郵政職員が時間外労働の義務を負うものとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和59年3月27日昭和54(行ツ)74集民 第141号453頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働協約及び就業規則に、やむをえない事由がある場合には郵政職員に時間外労働又は休日労働をさせうる旨定められており、かつ、労働基準法三六条所定の協定が締結されている場合において、職員に時間外労働をさせるにつき右労働協約に定めるやむをえない事由があつて、「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法」六条の規定に基…
参照法条労働基準法36条,国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法6条

不当労働行為の成立が認められる場合に救済申立てを棄却することの可否

最高裁判所第三小法廷昭和58年12月20日昭和55(行ツ)101集民 第140号685頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公共企業体等労働委員会は、不当労働行為の成立が認められる場合であつても、それによつて生じた状態が既に是正され、正常な集団的労使関係秩序が回復されているときは、救済の必要性がないものとして、救済申立てを棄却することができる。
参照法条公共企業体等労働関係法25条の5,労働組合法27条

就業規則における生理休暇規定の一方的不利益変更の合理性判断の基準

最高裁判所第二小法廷昭和58年11月25日昭和55(オ)379集民 第140号505頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨使用者が就業規則中の「女子従業員は毎月生理休暇を必要日数だけとることができる。そのうち年間二四日を有給とする。」との規定の後段を「そのうち月二日を限度とし、一日につき基本給の一日分の六八パーセントを補償する。」と一方的に変更した場合において、右変更が合理的なものであるか否かを判断するに当たつては、変更の内容及び必要性の…
参照法条労働基準法89条

工場内における従業員のビラ配布行為が会社内におけるビラ配布等につき事前に会社の許可を受けなければならない旨の就業規則等の規定に違反しないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和58年11月1日昭和55(オ)617集民 第140号259頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨工場内において従業員が会社の許可を得ないでした特定の政党の機関紙及び選挙法定ビラの配布につき、それが、休憩時間に、休憩室を兼ねている工場食堂において、食事中の従業員数人に一枚ずつ平穏に手渡し、他は食卓上に静かに置くという方法で行われ、配布に要した時間も数分間であつたなど、判示のような事情があるときは、右ビラ配布行為は、…
参照法条労働基準法89条

園児の減少を理由与る保育園の保母に対する整理解雇が解雇権の濫用にあたるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和58年10月27日昭和55(オ)103集民 第140号207頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨(省略)
参照法条労働基準法89条

労働者が自宅待機命令に反して工場内への入構を強行し警士を負傷させたこと等を理由とする懲戒解雇が有効とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和58年9月16日昭和56(オ)284集民 第139号503頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者が自宅待機命令に反して工場内への入構を強行し、警士を負傷させ、ベルトコンベアの停止等による職場の混乱を再三にわたり招いたなど、判示の事情があるときは、これを理由とする右労働者に対する懲戒解雇は、社会通念上相当なものとして是認することができ、懲戒権を濫用したものとは認められない。
参照法条労働基準法89条

労働者が就業時間外に職場外において職務遂行に関係なくビラを配布したことを理由として右労働者を懲戒することが許されるとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和58年9月8日昭和53(オ)1144集民 第139号393頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者の配布したビラの内容が、大部分事実に基づかず、又は事実を誇張歪曲して使用者を非難攻撃し、全体として使用者を中傷誹議するもので、右ビラの配布により労働者の使用者に対する不信感を醸成して企業秩序を乱し、又はそのおそれがあつたときは、右ビラの配布は、就業時間外に職場外において職務遂行に関係なく行われたものであつても、就…
参照法条労働基準法89条

就業規則の一方的不利益変更が合理的なものといえず従業員に対し効力を生じないとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和58年7月15日昭和56(オ)1173集民 第139号293頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨就業規則たる退職金支給規定の一方的変更が、従業員に対し変更実施日以降の就労期間は退職金算定の基礎勤続年数に算入されなくなるという不利益を課するものであるにもかかわらず、その代償となる労働条件が何ら提供されず、また、右不利益を是認させるような特別の事情もないときは、右変更は合理的なものということができず、従業員に対し効力…
参照法条労働基準法89条,労働基準法93条

賞与の支給日前に退職した者が当該賞与の受給権を有しないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和57年10月7日昭和56(オ)661集民 第137号297頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨就業規則の「賞与は決算期毎の業績により各決算期につき一回支給する。」との定めが「賞与は決算期毎の業績により支給日に在籍している者に対し各決算期につき一回支給する。」と改訂された場合において、右改訂前から、年二回の決算期の中間時点を支給日と定めて当該支給日に在籍している者に対してのみ右決算期を対象とする賞与が支給されると…
参照法条労働基準法24条

出勤途中の災害が労働者災害補償保険法一条、一二条二項(昭和四八年法律第八五号による改正前のもの)の業務上の事由による災害にあたるとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和54年12月7日昭和54(行ツ)24集民 第128号169頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨山間僻地の発電所に勤務し右発電所と私宅間を社有車(日曜日等は社有車及びバス)を利用して通勤している者が、バスに乗り遅れ自己所有の原動機付自転車により出勤する途中受けた災害は、右の通勤方法が健に合理的な交通手段がないためのやむをえない代替方法といえるなど判示の事情のもとにおいては、使用者の支配管理下におかれているとみられ…
参照法条労働者災害補償保険法(昭和48年法律第85号による改正前のもの)1条,労働者災害補償保険法(昭和48年法律第85号による改正前のもの)12条2項,労働基準法79条,労働基準法80条

他の事業場における争議行為への参加と年次有給休暇の成否

最高裁判所第二小法廷昭和53年12月8日昭和51(行ツ)28集民 第125号815頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨その所属する事業場以外の事業場における争議行為に休暇中の労働者が参加したかどうかは、年次有給休暇の成否に影響しない。
参照法条労働基準法39条

労働組合法二七条に基づく救済の申立があつた場合における使用者の同法七条違反の有無の判断と労働委員会の裁量権

最高裁判所第二小法廷昭和53年11月24日昭和52(行ツ)131集民 第125号709頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働委員会は、労働組合法二七条に基づく救済の申立があつた場合において、その裁量により、使用者が同法七条に違反するかどうかを判断することができるものではない。
参照法条労働組合法7条,労働組合法27条,行政事件訴訟法30条

休日出勤の業務命令を拒否した工員に対する減給処分が懲戒権の濫用として無効とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和53年11月20日昭和49(オ)60集民 第125号655頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨(省略)
参照法条労働基準法35条,労働基準法36条

無効な休職処分により就労を拒否された労働者の右期間中の賃金請求につき平均査定配分額の限度で賃金協定中の賃上額のいわゆる査定部分に関する協定の効力が右労働者にも及ぶものとして賃上額による賃金請求権が認められた事例

最高裁判所第三小法廷昭和53年7月18日昭和52(オ)398集民 第124号441頁労働基準法労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨(省略)
参照法条民法623条,労働基準法24条,労働組合法16条

労働者災害補償保険法に基づく保険給付の確定と受給権者が使用者に対し自動車損害賠償保障法三条に基づいて請求しうる損害賠償の額から将来の給付額を控除することの要否

最高裁判所第一小法廷昭和52年12月22日昭和52(オ)429集民 第122号559頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨労働者災害補償保険法に基づき政府が将来にわたり継続して保険金を給付することが確定していても、いまだ現実の給付がない以上、受給権者が使用者に対し自動車損害賠償保障法三条に基づいて請求しうる損害賠償の額から将来の給付額を控除すべきではない。
参照法条自動車損害賠償保障法3条,労働基準法84条2項,労働者災害補償保険法12条の4

経営合理化を理由とする既婚女子に対する整理解雇の効力が是認された事例

最高裁判所第一小法廷昭和52年12月15日昭和51(オ)1240集民 第122号435頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨省略 (第一審 前橋地裁昭45・11・5 労民集二一巻六号一四七五頁) (原審 東京高裁昭51・8・30 労民集二七巻三、四号四四五頁)
参照法条労働基準法20条

同業他社への転職者に対する退職金の支給額を一般の退職の場合の半額と定めた退職金規定の効力

最高裁判所第二小法廷昭和52年8月9日昭和51(オ)1270集民 第121号225頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原審確定の事実関係のもとにおいては、会社が営業担当社員に対し退職後の同業他社への就職をある程度の期間制限し、右制限に反して同業他社に就職した退職社員に支給する退職金の額を一般の自己都合による退職の場合の半額と定めることは、労働基準法三条、一六条、二四条及び民法九〇条に違反しない。
参照法条労働基準法3条,労働基準法16条,労働基準法24条,民法90条

不当労働行為によつて解雇された労働者(タクシー運転手)が解雇期間中他の職に就いて得た収入を控除しないで賃金相当額全額の遡及支払を命じた労働委員会の救済命令が違法とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和52年5月2日昭和50(行ツ)30集民 第120号557頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨省略
参照法条労働組合法7条1号,労働組合法27条4項

ロツクアウトの継続が違法とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和52年2月28日昭和47(オ)440集民 第120号185頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨組合がその組合員数を半減し力も弱くなつていたのに対し、会社(タクシー会社)はD組合員等によつてタクシーの車両数も増やして平常に近い営業を行い、その経営内容も著しく改善されるなど判示の事情があるときは、組合の就労要求を拒否した時点以降会社が継続したロツクアウトは、使用者の正当な争議行為と認められず、会社は右時点以降の賃金…
参照法条労働組合法8条,労働関係調整法7条,民法536条2項,民法623条

一、就業規則所定の懲戒事由があることを理由に普通解雇に付する場合の解雇の要件 二、寝過しにより定時ラジオニュースを放送することができなかつたアナウンサーに対する解雇が解雇権の濫用として無効とされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和52年1月31日昭和49(オ)165集民 第120号23頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、就業規則所定の懲戒事由があることを理由に普通解雇をする場合には、普通解雇の要件を備えていれば足り、懲戒解雇の要件をみたすことを要しない。 二、要旨省略
参照法条民法627条,労働基準法20条

一、裁判所が労働基準法一一四条の附加金の支払を命じるまでに予告手当の支払を完了した場合と附加金の支払を命じることの可否 二、商人である使用者が労働者に対して負う賃金債務の遅延損害金の利率 三、労働基準法一一四条による附加金の支払義務の履行遅…

最高裁判所第二小法廷昭和51年7月9日昭和48(オ)682集民 第118号249頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、使用者に労働基準法二〇条の違反があつても、裁判所が同法一一四条の附加金の支払を命じるまでに予告手当の支払を完了したときは、裁判所は附加金の支払を命じることはできない。 二、商人である使用者が労働者に対して負う賃金債務の遅延損害金の利率は商事法定利率によるべきである。 三、労働基準法一一四条による附加金の支払義務の履…
参照法条労働基準法114条,商法4条,商法503条,商法514条,民法404条,民法419条

公共企業体等の労働組合がスト資金積立金等として徴収する臨時組合費について組合員の納付義務が認められた事例

最高裁判所第二小法廷昭和50年12月1日昭和48(オ)1168集民 第116号759頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨判文参照
参照法条労働組合法2条,公共企業体等労働関係法17条1項

いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)が正当性を欠くとしてその期間中における使用者の賃金支払義務が認められた事例

最高裁判所第一小法廷昭和50年7月17日昭和48(オ)267集民 第115号465頁労働組合法労働関係調整法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨省略
参照法条労働組合法8条,労働関係調整法7条,民法536条2項,民法623条

一、労働基準法一一四条の附加金支払義務と履行遅滞の成否 二、労働基準法一一四条の附加金に対する遅延損害金の起算日

最高裁判所第一小法廷昭和50年7月17日昭和49(オ)832集民 第115号525頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、労働基準法一一四条の附加金の支払いを判決の確定後において、使用者が右附加金の支払いをしないときは、使用者は、履行遅滞の責を免れない。 二、労働基準法一一四条の附加金に対する遅延損害金の起算日は、右附加金の支払いを命じた判決確定の日の翌日である。
参照法条労働基準法114条

公立学校の教員につき給与過払による不当利得返還請求権を自働債権としその後に支払われる給与の支払請求権を受働債権としてした相殺が労働基準法二四条一項本文の規定に違反し許されないとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和50年3月6日昭和46(オ)569集民 第114号299頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨省略
参照法条労働基準法24条1項本文,民法505条1項,地方公務員法25条1項

労働組合から脱退した組合員の組合に対する闘争資金積立金の返還請求が認容された事例

最高裁判所第三小法廷昭和50年2月18日昭和49(オ)684集民 第114号139頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨省略
参照法条労働組合法2条,労働組合法5条

一、使用者の事業所等の管理権に基づく休憩時間中の労働者に対する行動規制 二、休憩時間中の基地内における集団行動を禁止した駐留軍基地司令官の命令が無効とはいえないとされた事例

最高裁判所第三小法廷昭和49年11月29日昭和40(オ)797集民 第113号235頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、使用者の事業所等の管理権に基づく労働者に対する行動規制は、休憩時間中のものであつても、管理権の合理的な行使として是認されうる範囲内にあるかぎり、有効なものとして拘束力を有する。 二、(省略)
参照法条労働基準法34条3項

賃金に該当する退職金の請求権の消滅時効

最高裁判所第二小法廷昭和49年11月8日昭和49(オ)715集民 第113号145頁労働基準法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨賃金に該当する退職金の請求権は、労働基準法一一五条に基づき二年間これを行使しないことにより時効消滅する。
参照法条労働基準法115条

一、労働組合の規約中に解散決議の採決方法につき直接無記名投票にする旨の定めがある場合とそれ以外の採決方法によつてされた解散決議の効力 二、組合の分裂という法理導入の可否

最高裁判所第一小法廷昭和49年9月30日昭和44(オ)438集民 第112号819頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、労働組合の規約中に解散決議の採決方法につき直接無記名投票による旨の定めがある場合にぶいて、それ以外の採決方法によつてされた組合解散決議は、あらかじめ決議に参加する者全員がその採決方法によることを同意していたと認められるときのほかは、客観的にみてその採決方法によらざるをえないと認めるに足りる特段の事情が存しないかぎり…
参照法条労働組合法2章,労働組合法10条

一、現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分の法的性質 二、不当労働行為に該当する現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分の効力 三、現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分につき裁判による取消を求…

最高裁判所第一小法廷昭和49年9月2日昭和43(行ツ)44集民 第112号517頁労働組合法
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分は、抗告訴訟の対象となる行政処分である。 二、不当労働行為該当の瑕疵を有する現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分は、違法ではあるが、右瑕疵が重大かつ明白でないかぎり、当然無効ではない。 三、国家公務員法八九条一項所定の処分を受けた現業国家公務員…
参照法条行政事件訴訟法3条2項,国家公務員法89条1項,国家公務員法92条の2,公共企業体等労働関係法40条1項1号,公共企業体等労働関係法40条3項,労働組合法7条,民訴法385条,民訴法388条,民訴法396条