この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
- 本条は法律行為の効力に関する規定であり、対象は「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為」である。
- 効果は当該法律行為の無効である。
第90条の要件
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 対象 | 要件 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 公序良俗違反 | 法律行為 | 公の秩序又は善良の風俗に反すること | 無効 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法労働契約関係存在確認請求
- 位置づけ
- 最高裁大法廷 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和43(オ)932
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和48年12月12日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第27巻11号1536頁
- 参照法条
- 憲法14条,憲法19条,民法1条,民法90条,労働基準法3条,労働基準法第2章
- 判示事項
- 一、憲法一四条、一九条と私人相互間の関係 二、特定の思想、信条を有することを理由とする雇入れの拒否は許されるか 三、雇入れと労働基準法三条 四、企業者が労働者の雇入れにあたりその思想、信条を調査することの可否 五、試用期間中に企業者が管理職要員として不適格であると認めたときは解約できる旨の特約に基づく留保解約権の行使が許される場合
裁判要旨一、憲法一四条や一九条の規定は、直接私人相互間の関係に適用されるものではない。
二、企業者が特定の思想、信条を有する労働者をそのゆえをもつて雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
三、労働基準法三条は、労働者の雇入れそのものを制約する規定ではない。
四、労働者を雇い入れようとする企業者が、その採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることは、違法とはいえない。
五、企業者が、大学卒業者を管理職要員として新規採用するにあたり、採否決定の当初においてはその者の管理職要員としての適格性の判定資料を十分に蒐集することができないところから、後日における調査や観察に基づく最終的決定を留保する趣旨で試用期間を設け、企業者において右期間中に当該労働者が管理職要員として不適格であると認めたときは解約できる旨の特約上の解約権を留保したときは、その行使は、右解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるものと解すべきである。
二、企業者が特定の思想、信条を有する労働者をそのゆえをもつて雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
三、労働基準法三条は、労働者の雇入れそのものを制約する規定ではない。
四、労働者を雇い入れようとする企業者が、その採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることは、違法とはいえない。
五、企業者が、大学卒業者を管理職要員として新規採用するにあたり、採否決定の当初においてはその者の管理職要員としての適格性の判定資料を十分に蒐集することができないところから、後日における調査や観察に基づく最終的決定を留保する趣旨で試用期間を設け、企業者において右期間中に当該労働者が管理職要員として不適格であると認めたときは解約できる旨の特約上の解約権を留保したときは、その行使は、右解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるものと解すべきである。
民法遺言無効確認等
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和61(オ)946
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和61年11月20日 棄却
- 登載
- 民集 第40巻7号1167頁
- 参照法条
- 民法90条,民法964条
- 判示事項
- 不倫な関係にある女性に対する包括遺贈が公序良俗に反しないとされた事例
裁判要旨妻子のある男性がいわば半同棲の関係にある女性に対し遺産の三分の一を包括遺贈した場合であつても、右遺贈が、妻との婚姻の実体をある程度失つた状態のもとで右の関係が約六年間継続したのちに、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺言において相続人である妻子も遺産の各三分の一を取得するものとされていて、右遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなど判示の事情があるときは、右遺贈は公序良俗に反するものとはいえない。
民法金銭消費貸借契約無効確認
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和48(オ)1113
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和52年6月20日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第31巻4号449頁
- 参照法条
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保関する法律2条7項5号,私的独占の禁止及び公正取引の確保関する法律9条,昭和28年公正取引委員会告示11号10,民法90条,利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法4条1項
- 判示事項
- 一、いわゆる拘束された即時両建預金を取引条件とする信用組合の貸付が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律一九条に違反するとされた事例 二、いわゆる拘束された即時両建預金を取引条件とする信用協同組合の貸付が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律一九条に違反する場合と貸付契約の私法上の効力
裁判要旨一、信用協同組合が、組合員に現実に借受を必要とする実質貸付額五五〇万円を貸し付けるにあたり、右貸付について十分な物的・人的担保があるのに、実質金利を高める等のため、取引条件として、組合員に、貸付額七五〇万円の本件貸付契約及び同四〇〇万円の別口貸付契約を締結させて実質貸付額を超過する六〇〇万円を貸し付け、その六〇〇万円を即時二〇〇万円の定期預金及び四〇〇万円の割増金付定期預金として組合に預託させ、これに担保権を設定して払戻を制限し、また、実質金利が年一割七分一厘入毛余になるなど、判示の事情のもとにおいては、右各貸付契約及び各定期預金契約は、昭和二八年公正取引委員会告示第一一号(不公正な取引方法)の一〇にあたり、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律一九条に違反するというべきである。
二、いわゆる拘束された即時両建預金を取引条件とする信用協同組合の貸付が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律一九条に違反する場合でも、その違反により、貸付契約が直ちに私法上無効になるとはいえず、また、右契約が公序良俗に反するともいえないが、両建預金及び超過貸付があるために実質金利が利息制限法所定の制限利率を超過しているときは、右超過する限度で貸付契約中の利息、損害金についての約定は、同法一条、四条により無効になるものと解すべきである。
二、いわゆる拘束された即時両建預金を取引条件とする信用協同組合の貸付が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律一九条に違反する場合でも、その違反により、貸付契約が直ちに私法上無効になるとはいえず、また、右契約が公序良俗に反するともいえないが、両建預金及び超過貸付があるために実質金利が利息制限法所定の制限利率を超過しているときは、右超過する限度で貸付契約中の利息、損害金についての約定は、同法一条、四条により無効になるものと解すべきである。
実務注記
原文解釈- 対象は「法律行為」条文は「法律行為」を対象としており、その効力の有無を問題とする規定である。
- 要件は「公の秩序又は善良の風俗に反する」こと条文上の要件は「公の秩序又は善良の風俗に反する」ことであり、この文言以外の要件は条文に定められていない。
- 効果は「無効」条文の効果は当該法律行為が「無効」となることであり、条文はそれ以外の効果(取消し等)を定めていない。
条文原文
原文ママ民法 第90条(公序良俗)
(公序良俗)
第九十条公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第90条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。