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最高裁大法廷 / 民集登載48件
1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項…
最高裁判所大法廷令和6年7月3日令和5(受)1319民集 第78巻3号382頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されて…
参照法条(1、2、4につき)優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号ないし3号、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)4条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)10条、優生保護法(昭…
1 放送法64条1項の意義 2 放送法64条1項の合憲性 3 日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲 4 日本放送協会の放送の受信についての…
最高裁判所大法廷平成29年12月6日平成26(オ)1130民集 第71巻10号1817頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 放送法64条1項は,日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しその放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの上記契約の申込みに対して上記の者が承諾をしない場合には,日本放送協会がその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め,その判決の確定によって上記契…
参照法条(1~4につき) 放送法1条,放送法第3章 日本放送協会,放送法64条1項 (1,3につき) 民法414条2項ただし書,民事執行法174条1項本文 (2につき) 憲法13条,憲法21条,憲法29条 (4につき) 民法166条1項
共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるか
最高裁判所大法廷平成28年12月19日平成27(許)11民集 第70巻8号2121頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる。 (補足意見及び意見がある。)
参照法条民法264条,民法427条,民法898条,民法907条
1 民法750条と憲法13条 2 民法750条と憲法14条1項 3 民法750条と憲法24条
最高裁判所大法廷平成27年12月16日平成26(オ)1023民集 第69巻8号2586頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 民法750条は,憲法13条に違反しない。 2 民法750条は,憲法14条1項に違反しない。 3 民法750条は,憲法24条に違反しない。 (3につき補足意見,意見,反対意見がある。)
参照法条(1~3につき)憲法13条,憲法14条1項,憲法24条,民法750条
1 民法733条1項の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項 2 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項 3 立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上…
最高裁判所大法廷平成27年12月16日平成25(オ)1079民集 第69巻8号2427頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 民法733条1項の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分は,憲法14条1項,24条2項に違反しない。 2 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は,平成20年当時において,憲法14条1項,24条2項に違反するに至っていた。 3 法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益…
参照法条(1~4につき)憲法14条1項,憲法24条,民法733条,民法772条 (3,4につき)国家賠償法1条1項
1 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受けるなどした場合に,上記の遺族補償年金との間で損益相殺的な調整を行うべき損害 2 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償…
最高裁判所大法廷平成27年3月4日平成24(受)1478民集 第69巻2号178頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する…
参照法条(1,2につき)民法709条,労働者災害補償保険法16条 (2につき)民法412条
1 民法900条4号ただし書前段の規定と憲法14条1項 2 民法900条4号ただし書前段の規定を違憲とする最高裁判所の判断が他の相続における上記規定を前提とした法律関係に及ぼす影響
最高裁判所大法廷平成25年9月4日平成24(ク)984民集 第67巻6号1320頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた。 2 民法900条4号ただし書前段の規定が遅くとも平成13年7月当時において憲法14条1項に違反していたとする最高裁判所の判断は,上記当時から同判断時までの間に開始された他の相続につき,同号ただし書前段の規定を前…
参照法条(1,2につき)憲法14条1項,民法900条 (2につき)憲法81条
一 抵当権者が抵当不動産の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することの可否 二 抵当権者が権利の目的である建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができるとされた…
最高裁判所大法廷平成11年11月24日平成8(オ)1697民集 第53巻8号1899頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 第三者が抵当不動産を不法占有することにより、競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して有する右状態を是正し抵当不動産を適切に維持又は保存するよう…
参照法条民法369条,民法423条
民法九〇〇条四号ただし書前段と憲法一四条一項
最高裁判所大法廷平成7年7月5日平成3(ク)143民集 第49巻7号1789頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨民法九〇〇条四号ただし書前段は、憲法一四条一項に違反しない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法14条1項,民法900条
一 長期間の別居と有責配偶者からの離婚請求 二 有責配偶者からの離婚請求が長期間の別居等を理由として認容すべきであるとされた事例
最高裁判所大法廷昭和62年9月2日昭和61(オ)260民集 第41巻6号1423頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦がその年齢及び同居期間と対比して相当の長期間別居し、その間に未成熟子がいない場合には、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの請求である…
参照法条民法1条2項,民法770条
一 森林法一八六条本文と憲法二九条二項 二 民法二五八条による共有物の現物分割と価格賠償の方法による調整 三 数か所に分かれて存在する多数の共有不動産についての民法二五八条による現物分割といわゆる一括分割 四 民法二五八条による多数共有者間…
最高裁判所大法廷昭和62年4月22日昭和59(オ)805民集 第41巻3号408頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 森林法一八六条本文は、憲法二九条二項に違反する。 二 民法二五八条により共有物の現物分割をする場合には、その一態様として、持分の価格を超える現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせて過不足を調整することも許される。 三 数か所に分かれて存在する多数の共有不動産について、民法二五八条により現物分割をする場合に…
参照法条憲法29条1項,憲法29条2項,民法256条1項,民法258条,森林法186条
一 出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めと憲法二一条二項前段にいう検閲 二 名誉侵害と侵害行為の差止請求権 三 公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等に関する出版物の印刷、製本、販売、頒布等の事前差止めの許否 四…
最高裁判所大法廷昭和61年6月11日昭和56(オ)609民集 第40巻4号872頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、憲法二一条二項前段にいう検閲に当たらない。 二 名誉侵害の被害者は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対して、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができる。 三 人格権としての名…
参照法条憲法13条,憲法21条,民訴法757条2項,民訴法760条,民法1条ノ2,民法198条,民法199条,民法709条,民法710条,刑法230条ノ2
一 民事上の請求として一定の時間帯につき航空機の離着陸のためにする国営空港の供用の差止めを求める訴えの適否 二 営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法二条一項…
最高裁判所大法廷昭和56年12月16日昭和51(オ)395民集 第35巻10号1369頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 民事上の請求として一定の時間帯につき航空機の離着陸のためにする国営空港の供用の差止めを求める訴えは、不適法である。 二 営造物の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りはその施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても、これを超える利用によつて利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には、そ…
参照法条民訴法第2編第1章訴,民訴法226条,国家賠償法2条1項,民法709条
共同相続人の一人によつて相続権を侵害された他の共同相続人が右侵害の排除を求める場合と民法八八四条の適用
最高裁判所大法廷昭和53年12月20日昭和48(オ)854民集 第32巻9号1674頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨共同相続人の一人甲が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分につき他の共同相続人乙の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分に属すると称してこれを占有管理し、乙の相続権を侵害しているため、乙が右侵害の排除を求める場合には、民法八八四条の適用があるが、甲においてその部分が乙の持分に属することを知つているとき、…
参照法条民法884条
一、金銭債権担保のため不動産について代物弁済予約又は売買予約等の形式をとる契約が締結され所有権移転請求権保全等の仮登記がされた場合における右契約の性質及び内容 二、いわゆる仮登記担保権者が清算義務を負う相手方 三、いわゆる仮登記担保権と競売…
最高裁判所大法廷昭和49年10月23日昭和46(オ)503民集 第28巻7号1473頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、債権者が、金銭債権の満足を確保するために、債務者との間にその所有の不動産につき、代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約又は売買予約により、債務の不履行があつたときは債権者において右不動産の所有権を取得して自己の債権の満足をはかることができる旨を約し、かつ、停止条件付所有権移転又は所有権移転請求権保全の仮登記をしたと…
参照法条民法369条,民法482条,民法556条,不動産登記法2条,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条,不動産登記法146条,民訴法648条,競売法27条
他人の権利の売主をその権利者が相続した場合と売主としての履行義務
最高裁判所大法廷昭和49年9月4日昭和44(オ)23民集 第28巻6号1169頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨他人の権利の売主をその権利者が相続し売主としての履行義務を承継した場合でも、権利者は、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右履行義務を拒否することができる。
参照法条民法560条,民法896条
一、憲法一四条、一九条と私人相互間の関係 二、特定の思想、信条を有することを理由とする雇入れの拒否は許されるか 三、雇入れと労働基準法三条 四、企業者が労働者の雇入れにあたりその思想、信条を調査することの可否 五、試用期間中に企業者が管理職…
最高裁判所大法廷昭和48年12月12日昭和43(オ)932民集 第27巻11号1536頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、憲法一四条や一九条の規定は、直接私人相互間の関係に適用されるものではない。 二、企業者が特定の思想、信条を有する労働者をそのゆえをもつて雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。 三、労働基準法三条は、労働者の雇入れそのものを制約する規定ではない。 四、労働者を雇い入れようとする企業者が、その…
参照法条憲法14条,憲法19条,民法1条,民法90条,労働基準法3条,労働基準法第2章
民法上の組合の業務執行組合員に対する組合員の任意的訴訟信託の許否
最高裁判所大法廷昭和45年11月11日昭和42(オ)1032民集 第24巻12号1854頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨民法上の組合において、組合規約に基づき、自己の名で組合財産を管理し、対外的業務を執行し、訴訟を追行する権限を与えられた業務執行組合員は、組合財産に関する訴訟につき、組合員から任意的訴訟信託を受けたものであり、自己の名で訴訟を追行することが許される。
参照法条民訴法45条,民法670条
一、振出日白地の手形による訴提起と時効中断 二、満期が記載されている白地手形の白地補充権の消滅時効
最高裁判所大法廷昭和45年11月11日昭和43(オ)753民集 第24巻12号1876頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、振出日白地の約束手形の所持人が、その満期から三年以内に、振出人に対して、右白地部分を補充しないまま手形金請求の訴を提起し、その後右訴の事実審口頭弁論終結時までに右白地部分を補充したときは、たとえその補充の時が満期から三年を経過したのちであつたとしても、右手形上の権利の時効は、右訴の提起の時に中断されたものと解すべき…
参照法条手形法10条,手形法70条1項,手形法71条,手形法77条1項,民法149条
一、不法の原因により未登記建物を贈与した贈与した場合その引渡は民法七〇八条にいう給付にあたるか 二、所有権に基づく返還請求と民法七〇八条 三、建物の所有者のした贈与に基づく履行行為が不法原因給付にあたる場合における右建物の所有権の帰すう 四…
最高裁判所大法廷昭和45年10月21日昭和41(オ)436民集 第24巻11号1560頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、不法の原因により未登記建物を贈与した場合、その引渡は、民法七〇八条にいう給付にあたる。 二、建物の贈与に基づく引渡が不法原因給付にあたる場合に、贈与者は、目的物の所有権が自己にあることを理由として、右建物の返還を請求することはできない。 三、建物の所有者のした贈与に基づく履行行為が不法原因給付にあたる場合には、贈与…
参照法条民法708条,民法206条,民法177条
一、弁済供託における供託金取戻請求が供託官により却下された場合と訴訟の形式 二、弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点および期間
最高裁判所大法廷昭和45年7月15日昭和40(行ツ)100民集 第24巻7号771頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、弁済供託における供託金取戻請求が供託官により却下された場合には、供託官を被告として却下処分の取消の訴を提起することができる。 二、弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、供託の基礎となつた債務について紛争の解決などによつてその不存在が確定するなど、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行し、一〇年を…
参照法条供託法1条ノ3,供託法8条2項,供託規則38条,民法166条1項,民法167条1項,民法496条1項,行政事件訴訟法3条2項,会計法30条
一、債権の差押前から債務者に対して反対債権を有していた第三債務者が右反対債権を自働債権とし被差押債権を受働債権としてする相殺の効力 二、相殺に関する合意の差押債権者に対する効力
最高裁判所大法廷昭和45年6月24日昭和39(オ)155民集 第24巻6号587頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、債権が差し押えられた場合において、第三債務者が債務者に対して反対債権を有していたときは、その債権が差押後に取得されたものでないかぎり、右債権および被差押債権の弁済期の前後を問わず、両者が相殺適状に達しさえすれば、第三債務者は、差押後においても、右反対債権を自働債権として、被差押債権と相殺することができる。 二、銀行…
参照法条民法511条,民訴法598条1項
一、政治資金の寄附と会社の権利能力 二、会社の政党に対する政治資金の寄附の自由と憲法三章 三、商法二五四条ノ二の趣旨 四、取締役が会社を代表して政治資金を寄附する場合と取締役の忠実義務
最高裁判所大法廷昭和45年6月24日昭和41(オ)444民集 第24巻6号625頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎり、会社の権利能力の範囲に属する行為である。 二、憲法三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しないかぎり、政治的行為…
参照法条民法43条,民法644条,商法166条1項1号,商法254条ノ2,商法254条3項,憲法3章
自己の債権の支払確保のため約束手形の裏書を受けた手形所持人が右原因債権の完済後に振出人に対してする手形金請求と権利の濫用
最高裁判所大法廷昭和43年12月25日昭和38(オ)330民集 第22巻13号3548頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨自己の債権の支払確保のため約束手形の裏書を受けた手形所持人は、その後右債権の完済を受けて裏書の原因関係が消滅したときは、特別の事情のないかぎり、以後右手形を保持すべき正当の権原を有しないことになり、手形上の権利を行使すべき実質的理由を失つたものであつて、右手形を返還しないで自己が所持するのを奇貨として、自己の形式的権利…
参照法条手形法77条,手形法17条,民法1条2項,民法1条3項
一、労働者に不利益な労働条件を一方的に課する就業規則の作成または変更の許否 二、五五歳停年制をあらたに定めた就業規則の改正が有効とされた事例 三、就業規則の法的性質
最高裁判所大法廷昭和43年12月25日昭和40(オ)145民集 第22巻13号3459頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、使用者が、あらたな就業規則の作成または変更によつて、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないと解すべきである。 二、従来停年制のな…
参照法条労働基準法89条,労働基準法93条,民法92条
債務者が利息制限法所定の制限をこえる利息・損害金を任意に支払つた場合における超過部分の充当による元本完済後の支払額の返還請求の許否
最高裁判所大法廷昭和43年11月13日昭和41(オ)1281民集 第22巻12号2526頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息・損害金を任意に支払つた債務者は、制限超過部分の充当により計算上元本が完済となつたときは、その後に債務の存在しないことを知らないで支払つた金額の返還を請求することができる。
参照法条利息制限法1条,利息制限法4条,民法705条
利息制限法所定の制限をこえる利息の定のある金銭消費貸借において遅延損害金について特約のない場合と遅延損害金の率
最高裁判所大法廷昭和43年7月17日昭和40(オ)959民集 第22巻7号1505頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨利息制限法所定の制限をこえる利息の定のある金銭消費貸借において遅延損害金について特約のない場合には、遅延損害金は、同法第一条第一項所定の利率にまで減縮される利息と同率に減縮されると解するのが相当である。
参照法条民法419条1項,利息制限法1条1項,利息制限法4条1項
一、商法第五〇四条本文の法意 二、商法第五〇四条但書にいう「履行ノ請求」に伴う法律関係
最高裁判所大法廷昭和43年4月24日昭和41(オ)10民集 第22巻4号1043頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、商法第五〇四条本文は、本人のための商行為の代理については、代理人が本人のためにすることを示さなくても、その行為は本人に対して効力を生ずるものとして、いわゆる顕名主義に対する例外を認めたものである。 二、相手方において、代理人が本人のためにすることを知らなかつたときは、商法第五〇四条但書によつて、相手方と代理人との間…
参照法条商法504条,民法99条1項,民法100条
不法行為による慰藉料請求権は相続の対象となるか
最高裁判所大法廷昭和42年11月1日昭和38(オ)1408民集 第21巻9号2249頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨不法行為による慰藉料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、相続の対象となる。
参照法条民法710条,民法711条
白地手形による訴提起と時効の中断
最高裁判所大法廷昭和41年11月2日昭和38(オ)1301民集 第20巻9号1674頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨白地手形のまま手形金請求の訴を提起した場合でも、右訴提起の時に時効の中断があつたものと解すべきである。
参照法条手形法10条,手形法71条,民法149条
一 消滅時効完成後に債務の承認をした場合において右承認はその時効の完成を知つてしたものと推定することの可否 二 消滅時効完成後における債務の承認と当該時効援用の許否
最高裁判所大法廷昭和41年4月20日昭和37(オ)1316民集 第20巻4号702頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 消滅時効完成後に債務の承認をした場合において、そのことだけから、右承認はその時効が完成したことを知つてしたものであると推定することは許されないと解すべきである。 二 債務者が、消滅時効完成後に債権者に対し当該債務の承認をした場合には、時効完成の事実を知らなかつたときでも、その後その時効の援用をすることは許されないと…
参照法条民法146条
一 家事審判法第九条第一項乙類第一〇号の遺産の分割に関する処分の審判の合憲性 二 遺産の分割に関する処分の審判の前提となる権利関係の存否を右審判中で審理判断することの可否
最高裁判所大法廷昭和41年3月2日昭和39(ク)114民集 第20巻3号360頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 家事審判法第九条第一項乙類第一〇号の遺産の分割に関する処分の審判は、憲法第三二条、第八二条に違反しない。 二 家庭裁判所は、遺産の分割に関する処分の審判の前提となる相続権、相続財産等の権利関係の存否を、右審判中で、審理判断することができる。
参照法条民法906条,民法907条,家事審判法9条1項乙類10号,家事審判法7条,家事審判法15条,家事審判規則6条,憲法32条
一 民法第五五七条第一項にいう「契約ノ履行ニ著手」した場合にあたるとされた事例。 二 解約手附の授受された売買契約の履行に着手した当事者からの解除の許否。
最高裁判所大法廷昭和40年11月24日昭和37(オ)760民集 第19巻8号2019頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 解約手附の授受された第三者所有の不動産の売買契約において、売主が、右不動産を買主に譲渡する前提として、当該不動産につき所有権を取得し、かつ、自己名義の所有権取得登記を得た場合には、民法五五七条第一項にいう「契約ノ履行ニ著手」したときにあたるものと解するのを相当する。 二 解約手附の授受された売買契約において、当事者…
参照法条民法557条1項
第三者が金銭債権に基づき質権付電話加入権に対し強制執行をした場合と右質権者の地位。
最高裁判所大法廷昭和40年7月14日昭和37(オ)1202民集 第19巻5号1263頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨第三者が金銭債権に基づき質権付電話加入権に対し強制執行をしてその換価手続を完了した場合には、右の質権は、当然消滅するとともに、右の質権者は、法律の定めるところにより、その売得金から当然優先弁済を受けることができるものと解するのが相当である。
参照法条民法362条,民訴法625条,民訴法628条1項,民訴法649条2項,電話加入権質に関する臨時特例法1条,電話加入権質に関する臨時特例法5条
一 家事審判法第九条第一項乙類第一号の夫婦の同居その他夫婦間の協力扶助に関する処分の審判についての規定の合憲性 二 夫婦の同居義務等に関する審判の効力
最高裁判所大法廷昭和40年6月30日昭和36(ク)419民集 第19巻4号1089頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 家事審判法第九条第一項乙類第一号の夫婦の同居その他夫婦間の協力扶助に関する処分の審判についての規定は、憲法第三二条、第八二条に違反しない。 二 夫婦の同居義務等を前提とする審判が確定した場合でも右同居義務等自体については、別に訴を提起することを妨げるものではない。 (補足意見および意見がある。)
参照法条憲法32条,憲法82条,民法752条,家事審判法9条1項乙類1号,家事審判法7条,家事審判法15条
一 家事審判法第九条第一項乙類第三号の婚姻費用の分担に関する処分の審判の合憲性。 二 婚姻費用の分担に関する審判の効力。 三 家庭裁判所は審判時から過去に遡つて婚姻費用の分担に関する処分をすることができるか。
最高裁判所大法廷昭和40年6月30日昭和37(ク)243民集 第19巻4号1114頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 家事審判法第九条第一項乙類第三号の婚姻費用の分担に関する処分の審判は、憲法第三二条、第八二条に違反しない。 二 婚姻費用分担義務を前提とする審判がなされた場合でも、右分担義務の存否については、別に訴を提起することを妨げない。 三 家庭裁判所は、審判時から過去に遡つて、婚姻費用の分担に関する処分をすることができる。
参照法条憲法32条,憲法82条,民法760条,家事審判法9条1項乙類3号,家事審判法7条,家事審判法15条,家事審判規則6条
売買契約解除による原状回復義務と保証人の責任。
最高裁判所大法廷昭和40年6月30日昭和38(オ)1294民集 第19巻4号1143頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨特定物の売買契約における売主のための保証人は、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても、保証の責に任ずるものと解するのが相当である。
参照法条民法446条,民法447条,民法545条
一 債権差押の第三債務者が差押前に取得し差押後に相殺適状を生じた反対債権と被差押債権との相殺の効力。 二 相殺に関する契約の対外的効力。
最高裁判所大法廷昭和39年12月23日昭和36(オ)897民集 第18巻10号2217頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 甲が乙の丙に対する債権を差し押えた場合において、丙が差押前に取得した乙に対する債権の弁済期が差押時より後であるが、被差押債権の弁済期より前に到来する関係にあるときは、丙は右両債権の差押後の相殺をもつて甲に対抗することができるが、右両債権の弁済期の前後が逆であるときは、丙は右相殺をもつて甲に対抗することはできないもの…
参照法条民法511条,民訴法598条1項
債務者が任意に支払つた利息制限法所定の制限をこえる利息・損害金は当然に残存元本に充当されるか。
最高裁判所大法廷昭和39年11月18日昭和35(オ)1151民集 第18巻9号1868頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨債務者が利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息、損害金を任意に支払つたときは、右制限をこえる部分は、民法第四九一条により、残存元本に充当されるものと解すべきである。
参照法条利息制限法1条,利息制限法2条,利息制限法4条,民法491条
訴訟上の留置権の抗弁と被担保債権の消滅時効の中断。
最高裁判所大法廷昭和38年10月30日昭和35(オ)362民集 第17巻9号1252頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨留置権の抗弁は、被担保債権の債務者が原告である訴訟において提出された場合には、当該債権について消滅時効中断の効力があり、かつ、その効力は、右抗弁の撤回されてないかぎり、その訴訟係属中存続するものと解すべきである。
参照法条民法147条1号,民法153条,民法300条
手形の呈示を伴わない催告による時効中断の効力の有無。
最高裁判所大法廷昭和38年1月30日昭和35(オ)533民集 第17巻1号99頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨手形の呈示を伴わない催告にも、手形債権の時効を中断する効力がある。
参照法条民法147条1号,民法153条,手形法38条1項,手形法9条1項
浪費者であることを理由として準禁治産を宣告する制度と憲法第一三条および同第二九条。
最高裁判所大法廷昭和36年12月13日昭和36(ク)22民集 第15巻11号2795頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨浪費者であることを理由として準禁治産を宣告する制度は、憲法第一三条および同第二九条に違反しない。
参照法条憲法13条,憲法29条,民法11条
一 民法第七六二条第一項の憲法第二四条適否。 二 所得税法が夫婦の所得を合算切半して計算することにしていないことの憲法第二四条適否。
最高裁判所大法廷昭和36年9月6日昭和34(オ)1193民集 第15巻8号2047頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 民法第七六二条第一項は憲法第二四条に違反しない。 二 所得税法が夫婦の所得を合算切半して計算することにしていないからといつて憲法第二四条に違反しない。
参照法条憲法24条,民法762条1項,所得税法1条1項,所得税法9条1項本文
労働者の賃金債権に対し不法行為を原因とする債権をもつてする相殺の許否。
最高裁判所大法廷昭和36年5月31日昭和34(オ)95民集 第15巻5号1482頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨労働者の賃金債権に対しては、使用者は、労働者に対して有する不法行為を原因とする債権をもつても相殺することは許されない。
参照法条労働基準法24条,労働基準法17条,民法505条,民法509条
一月三日は民訴第一五六条第二項にいわゆる一般の休日にあたるか
最高裁判所大法廷昭和33年6月2日昭和32(オ)438民集 第12巻9号1281頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一月三日は二日とともに国民一般の慣行にもとづく休日として民訴第一五六条第二項にいわゆる一般の休日にあたる
参照法条民法142条,民訴法156条2項
一 謝罪広告を命ずる判決と強制執行 二 右判決は憲法第一九条に反しないか
最高裁判所大法廷昭和31年7月4日昭和28(オ)1241民集 第10巻7号785頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 新聞紙に謝罪広告を掲載することを命ずる判決は、その広告の内容が単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明する程度のものにあつては、民訴第七三三条により代替執行をなし得る。 二 右判決は憲法第一九条に反しない。
参照法条民訴法733条,民法723条,憲法19条
一 民法第七八七条但書と憲法第一三条 二 民法第七八七条但書は憲法第一四条の「差別」の規定であるか
最高裁判所大法廷昭和30年7月20日昭和28(オ)389民集 第9巻9号1122頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 民法第七八七条但書の規定は、憲法第一三条に違反しない。 二 民法第七八七条但書の規定は、認知の訴の提起に関し、すべての嫡出でない子につき一律平等にその権利の存続期間を制限したものであり、その間に差別を加えたものではない。
参照法条民法787条但書,憲法13条,憲法14条
一 法令における住所の意義 二 修学のため寄宿舎で生活している学生の選挙人名簿登録の要件としての住所認定の一事例
最高裁判所大法廷昭和29年10月20日昭和29(オ)412民集 第8巻10号1907頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 およそ法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合、反対の解釈をなすべき特段の事由のない限り、その住所とは各人の生活の本拠を指すものと解するを相当とする。 二 大学の学生が大学附属の寄宿舎で起臥し、実家からの距離が遠く通学が不可能ないし困難なため、多数の応募学生のうちから厳選のうえ入寮を許され、最も長期…
参照法条公職選挙法20条,民法21条
最高裁大法廷 / 刑集登載1件
一 昭和二六年八月広島県条例第三九号「金属屑業条例」第一〇条、第二〇条、第二三条の合憲性 二 右条例第一〇条は地方自治法第二条、第一四条に違反するか
最高裁判所大法廷昭和32年4月3日昭和28(あ)5222刑集 第11巻4号1319頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 昭和二六年八月広島県条例第三九号「金属屑業条例」第一〇条、第二〇条、第二三条は職業選択の自由について規定した憲法第二二条第一項に違反しない。 二 右条例第一〇条は民法第四条第五条と牴触せず、従つて地方自治法第二条、第一四条に違反しない。
参照法条昭和26年8月広島県条例39号「金属屑業条例」10条,昭和26年8月広島県条例39号「金属屑業条例」20条,昭和26年8月広島県条例39号「金属屑業条例」23条,憲法22条1項,民法4条,民法5条,地方自治法2条,地方自治法14条
最高裁大法廷1件
民法750条及び戸籍法74条1号と憲法24条
最高裁判所大法廷令和3年6月23日令和2(ク)102集民 第266号1頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨民法750条及び戸籍法74条1号は,憲法24条に違反しない。 (補足意見,意見及び反対意見がある。)
参照法条憲法24条,民法750条,戸籍法74条1号
最高裁 / 民集登載200件
建物の区分所有等に関する法律3条前段所定の団体と民法717条1項本文にいう「占有者」
最高裁判所第一小法廷令和8年1月22日令和6(受)385民集 第80巻1号37頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の区分所有等に関する法律3条前段所定の団体は、特段の事情がない限り、区分所有建物の共用部分について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たる。
参照法条民法717条1項、建物の区分所有等に関する法律3条
液化石油ガス供給のために戸建て住宅に設置された消費設備に係る配管等につき当該住宅に付合しており民法242条ただし書の適用もないとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和7年12月23日令和6(受)1373民集 第79巻8号2903頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨液化石油ガス供給のために戸建て住宅に設置された消費設備に係る配管等について、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、当該住宅に付合したものと解され、民法242条ただし書の適用もない。 ⑴ 上記配管等を撤去するためには上記住宅及びその住宅設備を相当程度毀損する必要があり、その撤去や上記住宅等の復旧には相応の手間や費用を要するこ…
参照法条民法242条
1 消費者が液化石油ガスの供給等に関する契約を終了させる場合に消費設備に係る配管の設置費用等に関して所定の金額を液化石油ガス販売事業者に支払う旨を定めた条項が、消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの)9条1号にいう 「当該消費…
最高裁判所第三小法廷令和7年12月23日令和6(受)204民集 第79巻8号2869頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 液化石油ガス販売事業者との間で締結された戸建て住宅への液化石油ガスの供給等に関する契約に係る契約書中の、消費者が、上記契約を供給開始日から10年経過前に終了させる場合、上記事業者によって上記住宅に設置された消費設備に係る配管の設置費用等に関し、所定の算定式によって得られた金額を上記事業者に支払う旨を定めた条項は、次…
参照法条(1、2につき)消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの)9条1号、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)420条1項、民法420条3項
1 自動車保険契約の人身傷害条項が、保険金請求権者について、同条項の適用対象となる事故によって損害を被った「被保険者。ただし、被保険者が死亡した場合はその法定相続人とする。」と定めている場合において、上記「被保険者」が上記事故により死亡した…
最高裁判所第一小法廷令和7年10月30日令和6(受)120民集 第79巻7号2794頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 自動車保険契約の人身傷害条項が、保険金請求権者について、同条項の適用対象となる事故によって損害を被った「被保険者。ただし、被保険者が死亡した場合はその法定相続人とする。」と定めている場合において、この定めによって保険金請求権者が定まる人身傷害保険金のうち、上記「被保険者」が上記事故により死亡したときに生ずる保険金の…
参照法条(1、2につき )保険法第2章 損害保険、民法91条
請求異議の訴えについて請求を棄却する判決が確定し、当該訴えを本案とする強制執行の停止を命ずる裁判が取り消された場合において、当該裁判に係る申立てをした者が、債権者が強制執行の停止によって被った損害を賠償する義務を負うか
最高裁判所第三小法廷令和7年9月9日令和5(受)2207民集 第79巻6号2652頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請求異議の訴えを本案とする民事執行法36条1項の強制執行の停止の申立てがされ、強制執行の停止を命ずる裁判がされた後、当該訴えについて請求を棄却する判決が確定し、当該強制執行の停止を命ずる裁判が取り消された場合において、当該申立てをした者に主張した異議の事由が事実上又は法律上の根拠を欠くことについて故意又は過失があるとき…
参照法条民法709条、民事執行法36条1項
夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えの適否
最高裁判所第一小法廷令和7年9月4日令和6(受)239民集 第79巻6号2637頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
参照法条民法760条、民訴法134条の2、家事事件手続法39条、家事事件手続法別表第2の2の項
市町村から一般廃棄物の処分の委託を受けた者が当該市町村の区域外において一般廃棄物処理基準に適合しない処分を行い、これに起因して生活環境の保全上支障が生じ又は生ずるおそれがある場合に、上記処分の場所がその区域内に含まれる市町村がその支障の除去…
最高裁判所第一小法廷令和7年7月14日令和5(受)606民集 第79巻5号2211頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨市町村から一般廃棄物の処分の委託を受けた者が、当該市町村の区域外において一般廃棄物処理基準に適合しない処分を行い、これに起因して生活環境の保全上支障が生じ又は生ずるおそれがある場合に、上記処分の場所がその区域内に含まれる市町村がその支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講じたときは、当該市町村が上記委託をした市町…
参照法条民法697条1項、民法702条1項、廃棄物の処理及び清掃に関する法律6条の2第2項、廃棄物の処理及び清掃に関する法律19条の7第1項
裁判所が自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に対する損害賠償の額を定めるに当たり民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して被害者に対する加害行為前から存在していた被害者の疾患をしんしゃくしその額を減額する場合における上記条…
最高裁判所第三小法廷令和7年7月4日令和5(受)1838民集 第79巻5号2155頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被保険者が自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により傷害を被った時に既に存在していた身体の障害又は疾病の影響により、上記傷害が重大となった場合には、保険会社は、その影響がなかったときに相当する金額を支払う旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に対する加害行為と加害行為…
参照法条保険法25条、民法91条、民法709条、民法722条2項
別荘地内に土地を所有する者が当該別荘地の管理会社に対し管理費として相当と認められる額の不当利得返還義務を負うとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和7年6月30日令和5(受)2461民集 第79巻4号2131頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の管理業等を目的とする株式会社であるXは、甲別荘地内に土地を所有する者との間で個別に管理契約を締結し、甲別荘地において上記管理契約に基づく管理業務を行っており、Yは、甲別荘地内に土地を所有するものの、Xとの間で上記管理契約を締結せず、管理費を支払っていない場合において、次の⑴~⑸など判示の事情の下では、Yは、Xに…
参照法条民法703条
民法709条の不法行為を構成する行為は宗教法人法81条1項1号にいう「法令に違反」する行為に当たるか
最高裁判所第一小法廷令和7年3月3日令和6(許)31民集 第79巻3号997頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法709条の不法行為を構成する行為は、宗教法人法81条1項1号にいう「法令に違反」する行為に当たる。
参照法条民法709条、宗教法人法81条1項1号
被相続人の兄弟姉妹を代襲して相続人となることができない者
最高裁判所第三小法廷令和6年11月12日令和5(行ヒ)165民集 第78巻6号1377頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被相続人とその兄弟姉妹の共通する親の直系卑属でない者は被相続人の兄弟姉妹を代襲して相続人となることができない。
参照法条民法887条2項、民法889条1項2号、2項
1 宗教法人とその信者との間において締結された不起訴の合意が公序良俗に反し無効であるとされた事例 2 宗教法人の信者らによる献金の勧誘が不法行為法上違法であるとはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和6年7月11日令和4(受)2281民集 第78巻3号921頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 宗教法人Yとその信者Aとの間において締結された書面による不起訴の合意は、次の⑴~⑷など判示の事情の下においては、公序良俗に反し、無効である。 ⑴ Aは、上記の締結の当時、86歳という高齢の単身者であり、その約半年後にはアルツハイマー型認知症により成年後見相当と診断された。 ⑵ Aは、Yの教理を学び始めてから上記締結…
参照法条(1につき)民訴法第2編第1章 訴え、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)90条 (2につき)民法709条、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律3条1号、2号
嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができるか
最高裁判所第二小法廷令和6年6月21日令和5(受)287民集 第78巻3号315頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができる。
参照法条民法787条、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条
1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の譲渡当事者間における効力 2 株券発行会社の株式の譲受人が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することの可…
最高裁判所第二小法廷令和6年4月19日令和4(受)1266民集 第78巻2号267頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡は、譲渡当事者間においては、当該株式に係る株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはない。 2 株券発行会社の株式の譲受人は、譲渡人に対する株券交付請求権を保全する必要があるときは、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により、譲渡人の…
参照法条(1、2につき)会社法
128条〈株券発行会社の株式の譲渡〉 (2につき)民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文
相続回復請求の相手方である表見相続人は、真正相続人の有する相続回復請求権の消滅時効が完成する前であっても、当該真正相続人が相続した財産の所有権を時効により取得することができるか
最高裁判所第三小法廷令和6年3月19日令和4(受)2332民集 第78巻1号63頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続回復請求の相手方である表見相続人は、真正相続人の有する相続回復請求権の消滅時効が完成する前であっても、当該真正相続人が相続した財産の所有権を時効により取得することができる。
参照法条民法162条、民法884条
1 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は同市に対し当該当選人を唯一の所属議員とする会派の行った大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)5条所定の政務活動に関し不当利得返還請求…
最高裁判所第三小法廷令和5年12月12日令和4(行ヒ)317民集 第77巻9号2229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し、当該当選人を唯一の所属議員とする会派の行った大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)5条所定の政務活動に関し、不当利得返還請求権を有することはない。 2 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議…
参照法条(1、2につき)公職選挙法251条、民法703条 (1につき)地方自治法100条14項、大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)2条、大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)5条、大阪…
抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意の効力を抵当権…
最高裁判所第二小法廷令和5年11月27日令和3(受)1620民集 第77巻8号2188頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に、賃貸人との間で、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意をしたとしても、当該合意の効力を抵当権者に対抗することはできない。 (意見がある。)
参照法条民法304条1項、民法372条、民法505条1項、民事執行法193条1項
遺言により相続分がないものと指定され、遺留分侵害額請求権を行使した相続人は、特別寄与料を負担するか
最高裁判所第一小法廷令和5年10月26日令和4(許)14民集 第77巻7号1911頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言により相続分がないものと指定された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使したとしても、特別寄与料を負担しない。
参照法条民法902条、民法1046条、民法1050条
1 遺言執行者は、共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として、平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するか 2 相続財産の全部又は一…
最高裁判所第二小法廷令和5年5月19日令和4(受)540民集 第77巻4号1007頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 遺言執行者は、共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として、平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するものではない。 2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合において、遺言執行者は、上記の包…
参照法条(1、2につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1012条、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1013条、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1015条、民訴法第1編第3章 当事者 (1につき)民法…
破産管財人が別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し又は上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権に…
最高裁判所第三小法廷令和5年2月1日令和4(許)16民集 第77巻2号183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産管財人が、別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し、又は、上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときは、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断す…
参照法条民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条3号、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)156条、民法152条、破産法78条1項
離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否
最高裁判所第二小法廷令和4年12月26日令和3(受)1115民集 第76巻7号1948頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において、裁判所が離婚請求を認容する判決をするに当たり、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき、財産分与についての裁判をしないことは許されない。
参照法条民法768条2項、民法768条3項、民法771条、人事訴訟法32条1項
1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性 2 賃貸住宅に係る賃料債…
最高裁判所第一小法廷令和4年12月12日令和3(受)987民集 第76巻7号1696頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料債務等の連帯保証人は、賃借人が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3か月分以上に達したときは、無催告にて賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項は、消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項に当たる。 2 賃貸…
参照法条(1、2につき)消費者契約法10条、消費者契約法12条3項、民法91条、民法第3編第2章第7節 賃貸借 (1につき)民法541条、民法542条1項
被害者の有する自賠法16条1項の規定による請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合において、自動車損害賠償責任保険の保険会社が国の上記請求権の行使を受けて国…
最高裁判所第一小法廷令和4年7月14日令和3(受)1473民集 第76巻5号1205頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被害者の有する自賠法16条1項の規定による請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合であっても、自動車損害賠償責任保険の保険会社が国の上記請求権の行使を受けて国に対して上記保険金額の限度でした損害賠償額の支払は、有効な弁済に当たる。
参照法条自動車損害賠償保障法(自賠法)16条1項、労働者災害補償保険法(労災保険法)12条の4第1項、民法473条
インターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワークにおいてある者のプライバシーに属する事実を摘示するメッセージが投稿された場合にその者が上記情報ネットワークの運営者に対して上記メッセージの削除を求めることができるとされた事…
最高裁判所第二小法廷令和4年6月24日令和2(受)1442民集 第76巻5号1170頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨インターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワークにおいて、ある者が建造物侵入の被疑事実により逮捕されたというその者のプライバシーに属する事実を摘示するメッセージの投稿がされた場合に、上記の逮捕の事実が、不特定多数の者が利用する場所において行われた軽微とはいえない犯罪事実に関するものであったとしても、…
参照法条民法2条、民法198条、民法199条
保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録に当たるか
最高裁判所第一小法廷令和4年6月20日令和3(許)13民集 第76巻5号1146頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録には当たらない。
参照法条家事事件手続法47条3項、家事事件手続法47条8項、家事事件手続法125条2項、家事事件手続法126条1項、家事事件手続法134条1項、家事事件手続法134条2項、家事事件手続法134条6項、民法27条1項
被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が,被害者との間でいわゆる人傷一括払合意をし,上記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について被害者に対して金員を支払った後に自動車損害賠償責任保険から損害賠…
最高裁判所第一小法廷令和4年3月24日令和2(受)1198民集 第76巻3号350頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が,被害者との間で,上記条項に基づく保険金について自動車損害賠償責任保険による損害賠償額の支払分を含めて一括して支払う旨の合意(いわゆる人傷一括払合意)をし,上記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について被害者に対して金員を支払った後に…
参照法条民法91条,民法第3編第2章 契約,民法709条,自動車損害賠償保障法16条1項
離婚に伴う慰謝料として夫婦の一方が負担すべき損害賠償債務が履行遅滞となる時期
最高裁判所第二小法廷令和4年1月28日令和2(受)1765民集 第76巻1号78頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚に伴う慰謝料として夫婦の一方が負担すべき損害賠償債務は,離婚の成立時に遅滞に陥る。
参照法条民法412条,民法709条,民法710条
不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金を民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることの可否
最高裁判所第三小法廷令和4年1月18日令和2(受)1518民集 第76巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金は,民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることはできない。
参照法条民法405条,民法709条,会社法
350条〈代表者の行為についての損害賠償責任〉 宅地建物取引業法3条1項の免許を受けない者が宅地建物取引業を営むために免許を受けて宅地建物取引業を営む者からその名義を借り,当該名義を借りてされた取引による利益を両者で分配する旨の合意の効力
最高裁判所第三小法廷令和3年6月29日令和2(受)205民集 第75巻7号3340頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地建物取引業法3条1項の免許を受けない者が宅地建物取引業を営むために免許を受けて宅地建物取引業を営む者からその名義を借り,当該名義を借りてされた取引による利益を両者で分配する旨の合意は,同法12条1項及び13条1項の趣旨に反するものとして,公序良俗に反し,無効である。
参照法条宅地建物取引業法12条1項,宅地建物取引業法13条1項,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)90条
複数年度分の普通徴収に係る個人の住民税を差押えに係る地方税とする滞納処分において当該差押えに係る地方税に配当された金銭であってその後に減額賦課決定がされた結果配当時に存在しなかったこととなる年度分の住民税に充当されていたものの帰すう
最高裁判所第三小法廷令和3年6月22日令和2(行ヒ)337民集 第75巻7号3124頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨複数年度分の普通徴収に係る個人の住民税(市町村民税及び道府県民税)を差押えに係る地方税とする滞納処分において,当該差押えに係る地方税に配当された金銭であって,その後に減額賦課決定がされた結果配当時に存在しなかったこととなる年度分の住民税に充当されていたものは,その配当時において当該差押えに係る地方税のうち他の年度分の住…
参照法条地方税法17条,地方税法331条6項,国税徴収法(平成26年法律第10号による改正前のもの)129条1項1号,国税徴収法(平成30年法律第7号による改正前のもの)129条1項1号,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)489条,民…
1 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例 2 労働大…
最高裁判所第一小法廷令和3年5月17日平成30(受)1447民集 第75巻5号1359頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 屋根を有し周囲の半分以上が外壁に囲まれ屋内作業場と評価し得る建設現場の内部における建設作業(石綿吹付け作業を除く。)に従事する者が石綿粉じんにばく露したことにより石綿肺,肺がん,中皮腫等の石綿関連疾患にり患した場合において,次の⑴~⑷など判示の事情の下では,石綿に係る規制を強化する昭和50年の改正後の特定化学物質等…
参照法条(1,2につき)国家賠償法1条1項,労働安全衛生法22条,労働安全衛生法23条, 労働安全衛生法27条,労働安全衛生法57条1項 (3~5につき)民法719条1項後段
原告らの採る立証手法により特定の建材メーカーの製造販売した石綿含有建材が特定の建設作業従事者の作業する建設現場に相当回数にわたり到達していたとの事実が立証され得ることを一律に否定した原審の判断に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事…
最高裁判所第一小法廷令和3年5月17日平成31(受)596民集 第75巻6号2303頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨次の⑴から⑸までの手順による立証手法により,特定の建材メーカーの製造販売した石綿含有建材が特定の建設作業従事者の作業する建設現場に相当回数にわたり到達していたとの事実が立証され得ることを一律に否定した原審の判断には,経験則又は採証法則に反する違法がある。 ⑴ 国土交通省及び経済産業省により公表されているデータベースに掲…
参照法条民法719条1項後段,民訴法247条
父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることの許否
最高裁判所第一小法廷令和3年3月29日令和2(許)14民集 第75巻3号952頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることはできない。
参照法条民法766条,家事事件手続法39条,家事事件手続法別表第2の3の項
同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合における借主による充当の指定のない一部弁済と債務の承認(平成29年法律第44号による改正前の民法147条3号)による消滅時効の中断
最高裁判所第三小法廷令和2年12月15日令和2(受)887民集 第74巻9号2259頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において,借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは,当該弁済は,特段の事情のない限り,上記各元本債務の承認(平成29年法律第44号による改正前の民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有する…
参照法条民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条3号,民法152条1項
少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍において公表した行為がプライバシーの侵害として不法行為法上違法とはいえないとされた事例
最高裁判所第二小法廷令和2年10月9日令和1(受)877民集 第74巻7号1807頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍に掲載して公表した場合において,少年のプライバシーに属する情報が上記論文に含まれており,当該情報が上記少年保護事件における上記家庭裁判所調査官の調査によって取得されたものであったとしても,次の⑴~⑶など判示の事情の下においては,当該情報に係る事実を公表…
参照法条民法709条,民法710条
不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の…
最高裁判所第二小法廷令和2年9月18日平成31(受)310民集 第74巻6号1762頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより,上記配当要求における配当要求債権について,差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるためには,民事執行法181条1項各号に…
参照法条民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条2号,民法148条1項2号,民法306条1号,民事執行法51条1項,民事執行法181条1項,建物の区分所有等に関する法律7条1項,建物の区分所有等に関する法律7条2項,建物の区分所有等…
請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴の係属中における,上記本訴請求債権を自働債権とし上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否
最高裁判所第二小法廷令和2年9月11日平成30(受)2064民集 第74巻6号1693頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし,他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に,本訴原告が,反訴において,上記本訴請求債権を自働債権とし,上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許される。
参照法条民法505条1項,民訴法114条2項,民訴法142条,民訴法146条
財産の分与に関する処分の審判において当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき当該他方当事者に分与しないものと判断した場合に家事事件手続法154条2項4号に基づきその明渡しを命ずること…
最高裁判所第一小法廷令和2年8月6日令和1(許)16民集 第74巻5号1529頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家庭裁判所は,財産の分与に関する処分の審判において,当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき,当該他方当事者に分与しないものと判断した場合,その判断に沿った権利関係を実現するため必要と認めるときは,家事事件手続法154条2項4号に基づき,当該他方当事者に対し,当…
参照法条民法768条3項,家事事件手続法154条2項4号
1 交通事故の被害者が後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合に,同逸失利益は定期金による賠償の対象となるか 2 交通事故に起因する後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たり被害者の死亡時を定期金によ…
最高裁判所第一小法廷令和2年7月9日平成30(受)1856民集 第74巻4号1204頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 交通事故の被害者が後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において,不法行為に基づく損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認められるときは,同逸失利益は,定期金による賠償の対象となる。 2 交通事故に起因する後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たっては,事故の時点で,被…
参照法条(1~3につき)民法417条,民法709条,民法722条1項,民訴法117条 (2につき)民法416条
強制執行の申立てをした債権者が債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することの許否
最高裁判所第三小法廷令和2年4月7日平成31(受)606民集 第74巻3号646頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨強制執行の申立てをした債権者が,当該強制執行における債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において,当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することは許されない。 (補足意見がある。)
参照法条民事執行法42条,民事訴訟費用等に関する法律2条,民法709条
家屋の評価の誤りに基づき固定資産税等の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条後段所定の除斥期間の起算点
最高裁判所第三小法廷令和2年3月24日平成30(受)388民集 第74巻3号292頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家屋の評価の誤りに基づきある年度の固定資産税及び都市計画税の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条後段所定の除斥期間は,当該年度の固定資産税等に係る賦課決定がされ所有者に納税通知書が交付された時から進行する。
参照法条国家賠償法1条1項,民法724条
被用者が使用者の事業の執行について第三者に加えた損害を賠償した場合における被用者の使用者に対する求償の可否
最高裁判所第二小法廷令和2年2月28日平成30(受)1429民集 第74巻2号106頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,使用者の事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額につ…
参照法条民法715条
婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚した場合における婚姻費用分担請求権の帰すう
最高裁判所第一小法廷令和2年1月23日平成31(許)1民集 第74巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても,これにより婚姻費用分担請求権は消滅しない
参照法条民法760条,家事事件手続法39条,家事事件手続法別表第2の2の項
債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためにその債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることの要否
最高裁判所第一小法廷令和元年9月19日平成30(受)1137民集 第73巻4号438頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためには,その債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることを要しない。
参照法条民法147条2号,民法155条
高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日
最高裁判所第二小法廷令和元年9月6日平成30(受)1730民集 第73巻4号419頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合は,その給付事由が第三者の不法行為によって生じた場合,当該第三者に対し,当該後期高齢者医療給付により代位取得した当該不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務について,当該後期高齢者医療給付が行われた日の翌日からの遅延損害金の支払を求める…
参照法条高齢者の医療の確保に関する法律58条,民法412条,民法709条
相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときの民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額
最高裁判所第三小法廷令和元年8月27日平成30(受)1583民集 第73巻3号374頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額である。
参照法条民法910条
民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」の意義
最高裁判所第二小法廷令和元年8月9日平成30(受)1626民集 第73巻3号293頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」とは,相続の承認又は放棄をしないで死亡した者の相続人が,当該死亡した者からの相続により,当該死亡した者が承認又は放棄をしなかった相続における相続人としての地位を,自己が承継した事実を知った時をいう。
参照法条民法916条
夫婦の一方が他方と不貞行為に及んだ第三者に対し離婚に伴う慰謝料を請求することの可否
最高裁判所第三小法廷平成31年2月19日平成29(受)1456民集 第73巻2号187頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対し,当該第三者が,単に不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできない。
参照法条民法709条,民法710条
離婚訴訟において原告と第三者との不貞行為を主張して請求棄却を求めている被告が上記第三者を相手方として提起した上記不貞行為を理由とする損害賠償請求訴訟の人事訴訟法8条1項にいう「人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関す…
最高裁判所第三小法廷平成31年2月12日平成30(許)10民集 第73巻2号107頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚訴訟の被告が,原告は第三者と不貞行為をした有責配偶者であると主張して,その離婚請求の棄却を求めている場合において,上記被告が上記第三者を相手方として提起した上記不貞行為を理由とする損害賠償請求訴訟は,人事訴訟法8条1項にいう「人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求に係る訴訟」に当たる…
参照法条人事訴訟法8条1項,民法1条2項,民法770条
1 振替口座簿に開設された被相続人名義の口座に記載又は記録がされている振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分に対する差押命令の適否 2 振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分について譲渡命令を発することの許否
最高裁判所第二小法廷平成31年1月23日平成30(許)1民集 第73巻1号65頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 振替口座簿に開設された被相続人名義の口座に記載又は記録がされている振替株式,振替投資信託受益権及び振替投資口が共同相続された場合において,その共同相続により債務者が承継した共有持分に対する差押命令は,当該振替株式等について債務者名義の口座に記載又は記録がされていないとの一事をもって違法であるということはできない。 …
参照法条(1,2につき)社債,株式等の振替に関する法律66条,社債,株式等の振替に関する法律121条,社債,株式等の振替に関する法律128条1項,社債,株式等の振替に関する法律226条1項,民法896条,民法898条 (1につき)民事執行規則150…
詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務が履行遅滞となる時期
最高裁判所第二小法廷平成30年12月14日平成30(受)44民集 第72巻6号1101頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
参照法条民法412条3項,民法424条1項
金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に,買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者が,売買代金が完済されていない金属スクラ…
最高裁判所第二小法廷平成30年12月7日平成29(受)1124民集 第72巻6号1044頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に,上記契約では,毎月21日から翌月20日までを一つの期間として,期間ごとに納品された金属スクラップ等の売買代金の額が算定され,一つの期間に納品された金属スクラップ等の所有権は,当該期間の売買代金の完済まで売主…
参照法条民法176条,民法369条(譲渡担保),民法369条(所有権留保)
神奈川県議会政務活動費の交付等に関する条例(平成13年神奈川県条例第33号。平成25年神奈川県条例第42号による改正前の題名は「神奈川県議会政務調査費の交付等に関する条例」)に基づいて交付された政務調査費及び政務活動費について,その収支報告…
最高裁判所第二小法廷平成30年11月16日平成29(行ヒ)404民集 第72巻6号993頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨政務調査費及び政務活動費につき,具体的な使途を個別に特定した上で政務活動費等を交付すべきものとは定めておらず,年度ごとに行われる決定に基づき月ごとに一定額を交付し,年度ごとに収支報告を行うこととされ,その返還に関して当該年度における交付額から使途基準に適合した支出の総額を控除して残余がある場合にはこれを返還しなければな…
参照法条地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの)100条14項,地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの)100条15項,地方自治法100条14項,地方自治法100条15項,地方自治法100条16項,神奈川県議会政務調査費…
共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡と民法903条1項に規定する「贈与」
最高裁判所第二小法廷平成30年10月19日平成29(受)1735民集 第72巻5号900頁
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裁判要旨共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡は,譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き,上記譲渡をした者の相続において,民法903条1項に規定する「贈与」に当たる。
参照法条民法903条1項,民法905条,民法1044条
給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について,法定納期限の経過後に当該源泉所得税の納付義務を成立させる支払の原因となる行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことの可否
最高裁判所第三小法廷平成30年9月25日平成29(行ヒ)209民集 第72巻4号317頁
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裁判要旨給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について,法定納期限が経過したという一事をもって,当該源泉所得税の納付義務を成立させる支払の原因となる行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことが許されないとはいえない。
参照法条所得税法183条1項,国税通則法36条1項,民法95条
日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権と民法168条1項前段の適用の有無
最高裁判所第三小法廷平成30年7月17日平成29(受)2212民集 第72巻3号297頁
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裁判要旨日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権には,民法168条1項前段の規定は適用されない。
参照法条民法168条1項前段,放送法64条
滞納処分による差押えがされた後に設定された賃借権により担保不動産競売の開始前から建物の使用又は収益をする者の民法395条1項1号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」該当性
最高裁判所第三小法廷平成30年4月17日平成30(許)3民集 第72巻2号59頁
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裁判要旨抵当権者に対抗することができない賃借権が設定された建物が担保不動産競売により売却された場合において,その競売手続の開始前から当該賃借権により建物の使用又は収益をする者は,当該賃借権が滞納処分による差押えがされた後に設定されたときであっても,民法395条1項1号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」に当たる…
参照法条民法395条1項1号,民事執行法83条,民事執行法188条
抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合における当該抵当権自体の消滅時効
最高裁判所第二小法廷平成30年2月23日平成29(受)468民集 第72巻1号1頁
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裁判要旨抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合には,民法396条は適用されず,債務者及び抵当権設定者に対する関係においても,当該抵当権自体が,同法
167条2項〈効力の発生〉所定の20年の消滅時効にかかる。 (補足意見がある。)
参照法条民法167条2項,民法396条,破産法253条1項本文
改良住宅の入居者が死亡した場合の使用権の承継について定める京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項と住宅地区改良法29条1項,公営住宅法48条
最高裁判所第一小法廷平成29年12月21日平成29(受)491民集 第71巻10号2659頁
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裁判要旨改良住宅の入居者が死亡した場合において,その死亡時に当該入居者と同居していた者で,市長の承認を受けて同居している者等に限り,市長の承認を受けて引き続き当該改良住宅に居住することができる旨を定める京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項は,住宅地区改良法29条1項,公営住宅法48条に違反し違法,無効である…
参照法条住宅地区改良法29条1項,公営住宅法48条,民法896条,京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項
賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において,当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に,当該賃借人が上記吸収分割が…
最高裁判所第三小法廷平成29年12月19日平成29(許)10民集 第71巻10号2592頁
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裁判要旨賃借人Yが契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人Xは契約を解除し違約金を請求することができる旨の定めのある建物の賃貸借契約において,Yが吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位をAに承継させた場合に,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,Yが,上記賃貸借契約を解除したXに対し,上…
参照法条民法1条2項,会社法
759条1項〈株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等〉,会社法
789条1項2号〈債権者の異議 吸収分割をする場合吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)〉 不動産は,商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるか
最高裁判所第一小法廷平成29年12月14日平成29(受)675民集 第71巻10号2184頁
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裁判要旨不動産は,商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たる。
参照法条商法521条,民法295条1項
自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ,売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後,購入者の破産手続が開始した場合において,保証…
最高裁判所第一小法廷平成29年12月7日平成29(受)408民集 第71巻10号1925頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ,売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後,購入者の破産手続が開始した場合において,その開始の時点で当該自動車につき販売会社を所有者とする登録がされているときは,保証人…
参照法条破産法49条,破産法65条1項,民法369条(所有権留保),民法500条,民法501条
離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成29年12月5日平成29(許)17民集 第71巻10号1803頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。 (1) 子が7歳であり,母は,父と別居してから4年以上,単独で子の監護に当たってきたものであって,母による上記監護が子の…
参照法条民法1条3項,民法820条
厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条に基づく障害年金の支分権の消滅時効の起算点
最高裁判所第三小法廷平成29年10月17日平成29(行ヒ)44民集 第71巻8号1501頁
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裁判要旨厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条に基づく障害年金の支分権(支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利)の消滅時効は,当該障害年金に係る裁定を受ける前であっても,厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行する。
参照法条民法166条1項,会計法30条,会計法31条2項,厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条,厚生年金保険法(平成19年法律第109号による改正前のもの)33条,厚生年金保険法36条
債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が差押債権の取立てとして金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象と…
最高裁判所第三小法廷平成29年10月10日平成28(許)46民集 第71巻8号1482頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が当該債権差押命令に基づく差押債権の取立てとして第三債務者から金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となる。
参照法条民事執行法155条1項,民事執行法155条2項,民法491条
認定司法書士が弁護士法72条に違反して締結した裁判外の和解契約の効力
最高裁判所第一小法廷平成29年7月24日平成28(受)1463民集 第71巻6号969頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても,当該和解契約は,その内容及び締結に至る経緯等に照らし,公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り,無効とはならない。
参照法条弁護士法72条,司法書士法3条1項7号,民法90条
銀行が,輸入業者の輸入する商品に関して信用状を発行し,当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,上記輸入業者が当該商品を直接占有したことがなくても,上記輸入業者から占有改定の方法によりその引渡しを受けたものとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成29年5月10日平成28(許)26民集 第71巻5号789頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨銀行であるXが,輸入業者であるYの輸入する商品に関して信用状を発行し,これによってYが負担する償還債務等に係る債権の担保として当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,次の(1)及び(2)の事情の下では,Yが当該商品を直接占有したことがなくても,Xは,Yから占有改定の方法により当該商品の引渡しを受けたものとい…
参照法条民法183条,民法304条,民法369条(譲渡担保),民事再生法45条,民事再生法53条1項,民事再生法53条2項
1 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかっただけで,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存す…
最高裁判所第二小法廷平成29年3月24日平成28(受)1242民集 第71巻3号359頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合であっても,それだけでは,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外され…
参照法条(1,2につき)特許法70条1項,特許法第4章第2節 権利侵害,民法1条2項
1 商標法4条1項10号該当を理由とする無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後に,商標権侵害訴訟の相手方が,同号該当による無効理由の存在をもって,同法39条において準用する特許法104条の3第1項の規定に係る抗弁…
最高裁判所第三小法廷平成29年2月28日平成27(受)1876民集 第71巻2号221頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 商標法4条1項10号該当を理由とする商標登録の無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後においては,当該商標登録が不正競争の目的で受けたものである場合を除き,商標権侵害訴訟の相手方は,その登録商標が同号に該当することによる商標登録の無効理由の存在をもって,同法39条において準用する特許法10…
参照法条(1,2につき) 商標法4条1項10号,商標法47条1項 (1につき) 商標法39条,特許法104条の3第1項 (2につき) 民法1条3項,商標法25条
専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合と民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」
最高裁判所第三小法廷平成29年1月31日平成28(受)1255民集 第71巻1号48頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。
参照法条民法802条1号
検索事業者に対し,自己のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果から削除することを求めることができる場合
最高裁判所第三小法廷平成29年1月31日平成28(許)45民集 第71巻1号63頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨利用者の求めに応じてインターネット上のウェブサイトを検索し,ウェブサイトを識別するための符号であるURLを検索結果として当該利用者に提供する事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果の一部…
参照法条民法2条,民法198条,民法199条
いわゆる花押を書くことと民法968条1項の押印の要件
最高裁判所第二小法廷平成28年6月3日平成27(受)118民集 第70巻5号1263頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる花押を書くことは,民法968条1項の押印の要件を満たさない。
参照法条民法968条1項
拘置所に収容された被勾留者に対する国の安全配慮義務の有無
最高裁判所第一小法廷平成28年4月21日平成26(受)755民集 第70巻4号1029頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨国は,拘置所に収容された被勾留者に対して,その不履行が損害賠償責任を生じさせることとなる信義則上の安全配慮義務を負わない。
参照法条民法1条2項,民法415条,刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(平成18年法律第58号による廃止前のもの)40条,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律62条1項2号
宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において,同条2項本文所定の公告がされなかったときにおける営業保証金の取戻請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第一小法廷平成28年3月31日平成27(行ヒ)374民集 第70巻3号969頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において,同条2項本文所定の公告がされなかったときは,営業保証金の取戻請求権の消滅時効は,当該事由が発生した時から10年を経過した時から進行する。
参照法条民法166条1項,民法167条1項,宅地建物取引業法27条,宅地建物取引業法30条
1 精神障害者と同居する配偶者と民法714条1項にいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」 2 法定の監督義務者に準ずべき者と民法714条1項の類推適用 3 線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の妻が法定の監…
最高裁判所第三小法廷平成28年3月1日平成26(受)1434民集 第70巻3号681頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 精神障害者と同居する配偶者であるからといって,その者が民法714条1項にいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」に当たるとすることはできない。 2 法定の監督義務者に該当しない者であっても,責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし,第三者に対する加害行為の防止に向けてその者が当該責任無能力…
参照法条(1~4につき)民法709条,民法713条,民法714条 (1につき)民法752条,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(平成25年法律第47号による改正前のもの)20条
1 民法910条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時 2 民法910条に基づく価額の支払債務が履行遅滞となる時期
最高裁判所第二小法廷平成28年2月26日平成26(受)1312民集 第70巻2号195頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 相続の開始後認知によって相続人となった者が他の共同相続人に対して民法910条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時は,価額の支払を請求した時である。 2 民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
参照法条(1,2につき)民法910条 (2につき)民法412条
1 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結されて融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,信用保証協会の保証契約の意思表示に要素の錯誤がないとされた事例 2 金融機関による融資の主債務者が反社会的勢力…
最高裁判所第三小法廷平成28年1月12日平成26(受)1351民集 第70巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,上記保証契約の当事者がそれぞれの業務に照らし,上記の場合が生じ得ることを想定でき,その場合に信用保証協会が保証債務を履行しない旨をあらかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であったにもかかわら…
参照法条(1,2につき)民法446条 (1につき)民法95条 (2につき)民法91条,信用保証協会法1条
本訴請求債権が時効消滅したと判断されることを条件とする,反訴における当該債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否
最高裁判所第一小法廷平成27年12月14日平成25(オ)918民集 第69巻8号2295頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許される。
参照法条民法505条,民法508条,民訴法114条2項,民訴法142条,民訴法146条
特例財団法人は,その同一性を失わせるような根本的事項の変更に当たるか否かにかかわらず,その定款の定めを変更することができるか
最高裁判所第三小法廷平成27年12月8日平成25(受)2307民集 第69巻8号2211頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」42条1項に規定する特例財団法人は,所定の手続を経て,その同一性を失わせるような根本的事項の変更に当たるか否かにかかわらず,その定款の定めを変更することができる。
参照法条一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律40条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に…
遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例
最高裁判所第二小法廷平成27年11月20日平成26(受)1458民集 第69巻7号2021頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺言者が自筆証書である遺言書に故意に斜線を引く行為は,その斜線を引いた後になお元の文字が判読できる場合であっても,その斜線が赤色ボールペンで上記遺言書の文面全体の左上から右下にかけて引かれているという判示の事実関係の下においては,その行為の一般的な意味に照らして,上記遺言書の全体を不要のものとし,そこに記載された遺言の…
参照法条民法968条2項,民法1024条前段
保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合における共同保証人間の求償権の消滅時効中断の有無
最高裁判所第一小法廷平成27年11月19日平成25(受)2001民集 第69巻7号1988頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない。
参照法条民法147条,民法442条,民法465条
配当表記載の根抵当権者の配当額に相当する金銭が供託され,その後,当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに配当がされる場合における,当該供託金の充当方法
最高裁判所第三小法廷平成27年10月27日平成25(受)2415民集 第69巻7号1763頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨担保不動産競売の手続における配当表記載の根抵当権者の配当額について配当異議の訴えが提起されたためにその配当額に相当する金銭が供託され,その後,当該根抵当権者が上記訴えに係る訴訟において勝訴したことにより,当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに配当がされる場合には,当該供託金は,その支払委託がされた時点における被担…
参照法条民法489条,民法490条,民法491条,民事執行法85条1項,民事執行法85条6項,民事執行法90条,民事執行法91条1項7号,民事執行法92条1項,民事執行法188条,民事執行規則61条,民事執行規則173条1項,供託規則30条1項
異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした債務者が,譲渡人に対抗することができた事由をもって譲受人に対抗することができる場合
最高裁判所第二小法廷平成27年6月1日平成26(受)1817民集 第69巻4号672頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において,譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても,このことについて譲受人に過失があるときには,債務者は,当該事由をもって譲受人に対抗することができる。
参照法条民法468条1項
責任を弁識する能力のない未成年者が,サッカーボールを蹴って他人に損害を加えた場合において,その親権者が民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成27年4月9日平成24(受)1948民集 第69巻3号455頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨責任を弁識する能力のない未成年者の蹴ったサッカーボールが校庭から道路に転がり出て,これを避けようとした自動二輪車の運転者が転倒して負傷し,その後死亡した場合において,次の(1)~(3)など判示の事情の下では,当該未成年者の親権者は,民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったというべきである。 (1) 上記未…
参照法条民法709条,民法712条,民法714条
1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合における同条ただし書の株式会社の同意の効果 2 共有に属する株式についての議決権の行使の決定方法
最高裁判所第一小法廷平成27年2月19日平成25(受)650民集 第69巻1号25頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において,当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは,株式会社が同条ただし書の同意をしても,当該権利の行使は,適法となるものではない。 2 共有に属する株式についての議決権の行使…
参照法条(1,2につき)民法264条 (1につき)会社法
106条〈共有者による権利の行使〉 (2につき)会社法
105条1項3号〈株主の権利 株主総会における議決権〉,民法251条,民法252条
事前求償権を被保全債権とする仮差押えと事後求償権の消滅時効の中断
最高裁判所第三小法廷平成27年2月17日平成24(受)1831民集 第69巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事前求償権を被保全債権とする仮差押えは,事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有する。
参照法条民法147条2号,民法154条,民法459条1項,民法460条
公序良俗に反する無効な出資と配当に関する契約により給付を受けた金銭の返還につき,当該給付が不法原因給付に当たることを理由として拒むことは信義則上許されないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成26年10月28日平成24(受)2007民集 第68巻8号1325頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産者甲との間の契約が公序良俗に反して無効であるとして,乙が当該契約により給付を受けた金銭の返還を求められた場合において,当該金銭は無限連鎖講に該当する事業によって給付された配当金であって他の会員が出えんした金銭を原資とするものであり,当該事業の会員の相当部分の者は甲の破綻により損失を受けて破産債権者の多数を占めるに至…
参照法条民法1条2項,民法90条,民法708条,破産法78条1項,無限連鎖講の防止に関する法律2条,無限連鎖講の防止に関する法律3条
夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否
最高裁判所第一小法廷平成26年7月17日平成24(受)1402民集 第68巻6号547頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条民法772条,民法775条,人事訴訟法2条2号
再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定の解除条件に関する合意が,再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容をも含むものと…
最高裁判所第一小法廷平成26年6月5日平成24(受)880民集 第68巻5号403頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨別除権の行使等に関する協定(別除権の目的である不動産につきその被担保債権の額よりも減額された受戻しの価格を定めて再生債務者が別除権者に対しこれを分割弁済することとし,再生債務者がその分割弁済を完了したときは別除権者の担保権が消滅する旨を再生債務者と別除権者との間で定めたもの)中にある再生手続廃止の決定がされること等を同…
参照法条民事再生法41条1項9号,民事再生法53条,民事再生法88条,民事再生法188条2項,民事再生法190条1項,民事再生法194条,民事再生法250条1項,民法127条2項
戸籍事務管掌者が親権者変更の確定審判に基づく戸籍の届出を当該審判の法令違反を理由に不受理とすることの可否
最高裁判所第一小法廷平成26年4月14日平成25(許)26民集 第68巻4号279頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨戸籍事務管掌者は,親権者変更の確定審判に基づく戸籍の届出について,当該審判が無効であるためその判断内容に係る効力が生じない場合を除き,当該審判の法令違反を理由に上記届出を不受理とする処分をすることができない。
参照法条戸籍法79条,戸籍法121条,民法819条6項
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合と民法158条1項の類推適用
最高裁判所第二小法廷平成26年3月14日平成25(受)1420民集 第68巻3号229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨時効の期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合において,少なくとも,時効の期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がされたときは,民法158条1項の類推適用により,法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は,その者に対して,時効は,完成しない。
参照法条民法7条,民法158条1項
権利能力のない社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産につき所有権の登記名義人に対し当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟と当該社団の原告適格
最高裁判所第一小法廷平成26年2月27日平成23(受)2196民集 第68巻2号192頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。
参照法条民法33条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法29条,不動産登記法63条1項
1 共同相続された委託者指図型投資信託の受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるか 2 共同相続された個人向け国債は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるか
最高裁判所第三小法廷平成26年2月25日平成23(受)2250民集 第68巻2号173頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 共同相続された委託者指図型投資信託の受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。 2 共同相続された個人向け国債は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。
参照法条(1,2につき) 民法898条,民法899条 (1につき) 投資信託及び投資法人に関する法律6条3項 (2につき) 個人向け国債の発行等に関する省令3条
共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者と遺産確認の訴えの当事者適格
最高裁判所第二小法廷平成26年2月14日平成23(受)603民集 第68巻2号113頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は,遺産確認の訴えの当事者適格を有しない。
参照法条民訴法第1編第3章 当事者,民訴法40条,民訴法134条,民法898条,民法905条
認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否
最高裁判所第三小法廷平成26年1月14日平成23(受)1561民集 第68巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨認知者は,民法786条に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。 (補足意見,意見及び反対意見がある。)
参照法条民法785条,民法786条
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子と嫡出の推定
最高裁判所第三小法廷平成25年12月10日平成25(許)5民集 第67巻9号1847頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は,民法772条の規定により夫の子と推定されるのであり,夫が妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に実質的に同条の推定を受けないということはできない。 (補足意見及び反対意…
参照法条民法772条,戸籍法13条8号,戸籍法施行規則35条16号,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律4条
1 共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割と遺産分割の関係 2 遺産共有持分の価格を賠償させる方法による共有物分割の判決がされた場合に支払われる賠償金の性質とその支払を受けた者の保管義務 3 遺産共有持分…
最高裁判所第二小法廷平成25年11月29日平成22(受)2355民集 第67巻8号1736頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 共有物について,遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合,共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり,共有物分割の判決によって遺産共有持分を有していた者に分与された財産は遺産分割の対象となり,この財産の共有関係の解消につい…
参照法条(1〜3につき) 民法258条, 民法907条
保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合における主たる債務の消滅時効の中断
最高裁判所第二小法廷平成25年9月13日平成23(受)2543民集 第67巻6号1356頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する。
参照法条民法147条3号,民法446条
1 いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において,債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断されたため判決において上記債権の総額の認定がされた場合における,残部についての消滅時効の中断 2 いわゆる明示的一部請求の訴えの提起と残部についての裁…
最高裁判所第一小法廷平成25年6月6日平成24(受)349民集 第67巻5号1208頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示した訴えに係る訴訟において,債権の一部が消滅している旨の抗弁に理由があると判断されたため,判決において上記債権の総額の認定がされたとしても,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。 2 数量的に可…
参照法条(1〜3につき)民法147条1号 (1につき)民法149条,民訴法147条 (2,3につき)民法153条
債務整理に係る法律事務を受任した弁護士が,特定の債権者の債権につき消滅時効の完成を待つ方針を採る場合において,上記方針に伴う不利益等や他の選択肢を説明すべき委任契約上の義務を負うとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成25年4月16日平成24(受)651民集 第67巻4号1049頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債務整理に係る法律事務を受任した弁護士が,当該債務整理について,特定の債権者に対する残元本債務をそのまま放置して当該債務に係る債権の消滅時効の完成を待つ方針を採る場合において,上記方針は,債務整理の最終的な解決が遅延するという不利益があるほか,上記債権者から提訴される可能性を残し,一旦提訴されると法定利率を超える高い利…
参照法条民法415条,民法644条
1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができる場合 2 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることが…
最高裁判所第一小法廷平成25年3月28日平成24(許)48民集 第67巻3号864頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができる。 2 監護親…
参照法条(1,2につき) 民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項
1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというための要件 2 時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするために消滅時効が援用された自働債権がその消滅時効期間経過以前に受働債権と相殺適状にあったことの…
最高裁判所第一小法廷平成25年2月28日平成23(受)2094民集 第67巻2号343頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要する。 2 時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには,消滅時効が援用され…
参照法条(1,2につき)民法505条1項 (1につき)民法136条 (2につき)民法145条,民法508条
通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記がなくとも通行地役権を主張することができる場合
最高裁判所第三小法廷平成25年2月26日平成23(受)1644民集 第67巻2号297頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識するこ…
参照法条民事執行法59条2項,民事執行法188条,民法177条,民法280条
根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権の譲渡が元本確定期日前にされた場合に譲受人が保証債務の履行を求めることの可否
最高裁判所第二小法廷平成24年12月14日平成23(受)1833民集 第66巻12号3559頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権を譲り受けた者は,その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても,当該根保証契約の当事者間において上記債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り,保証人に対し,保証債務の履行を求めることができる。 (補足意見がある。)
参照法条民法446条1項,民法465条の2第1項,民法466条1項
株式会社を設立する新設分割と詐害行為取消権
最高裁判所第二小法廷平成24年10月12日平成22(受)622民集 第66巻10号3311頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社を設立する新設分割がされた場合において,新たに設立する株式会社にその債権に係る債務が承継されず,新設分割について異議を述べることもできない新設分割をする株式会社の債権者は,詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができる。 (補足意見がある。)
参照法条民法424条,会社法第5編第3章第2節第2款 株式会社を設立する新設分割
無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約に基づく取引により発生した過払金を不動産に担保権を設定した上で締結された確定金額に係る金銭消費貸借契約に基づく借入金債務に充当する旨の合意が存在すると解することの可否
最高裁判所第三小法廷平成24年9月11日平成23(受)122民集 第66巻9号3227頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨同一の貸主と借主との間で無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約に基づく取引が続けられた後,改めて不動産に担保権を設定した上で確定金額に係る金銭消費貸借契約が締結された場合において,第2の契約に基づく借入金の一部が第1の契約に基づく約定残債務の弁済に充てられ,借主にはその残額のみが現実に交付されたこと,第1…
参照法条民法488条,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項
1 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権の破産債権該当性 2 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づ…
最高裁判所第二小法廷平成24年5月28日平成21(受)1567民集 第66巻7号3123頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において,保証人が主たる債務者である破産者に対して取得する求償権は,破産債権である。 2 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合におい…
参照法条(1,2につき)民法462条,破産法2条5項 (2につき)破産法67条1項,破産法72条1項1号
保険料の払込みがされない場合に履行の催告なしに生命保険契約が失効する旨を定める約款の条項の,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性
最高裁判所第二小法廷平成24年3月16日平成22(受)332民集 第66巻5号2216頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険契約に適用される約款中の保険料の払込みがされない場合に履行の催告なしに保険契約が失効する旨を定める条項は,(1)これが,保険料が払込期限内に払い込まれず,かつ,その後1か月の猶予期間の間にも保険料支払債務の不履行が解消されない場合に,初めて保険契約が失効する旨を明確に定めるものであり,(2)上記約款に,払い込む…
参照法条消費者契約法10条,民法91条,民法541条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)第3編第10章 保険,保険法第3章 生命保険,保険法第4章 傷害疾病定額保険
不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合における,再度の取得時効の完成と上記抵当権の消長
最高裁判所第二小法廷平成24年3月16日平成22(受)336民集 第66巻5号2321頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を授用したときは,上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当…
参照法条民法162条,民法177条,民法397条
1 検察官は金融商品取引法21条の2第3項にいう「当該提出者の業務若しくは財産に関し法令に基づく権限を有する者」に当たるか 2 金融商品取引法21条の2第3項にいう「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」の意義 3 金融商品取引法21条の2…
最高裁判所第三小法廷平成24年3月13日平成22(受)755民集 第66巻5号1957頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 検察官は,金融商品取引法21条の2第3項にいう「当該提出者の業務若しくは財産に関し法令に基づく権限を有する者」に当たる。 2 金融商品取引法21条の2第3項にいう「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」とは,虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券に対する取引所市場の評価の誤りを明らかにする…
参照法条(1〜5につき)金融商品取引法21条の2 (5につき)民法412条
1 自動車保険契約の人身傷害条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権の代位取得の有無 2 自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保…
最高裁判所第一小法廷平成24年2月20日平成21(受)1461民集 第66巻2号742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 被害者が被る損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払請求権を代位取得するものであって,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するもので…
参照法条(1,2につき)商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662条,保険法25条,民法91条,民法709条,(2につき)民法722条2項
会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行が,同会社の再生手続開始後の取立てに係る取立金を銀行取引約定に基づき同会社の債務の弁済に充当することの可否
最高裁判所第一小法廷平成23年12月15日平成22(受)16民集 第65巻9号3511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行は,同会社の再生手続開始後の取立てに係る取立金を,法定の手続によらず同会社の債務の弁済に充当し得る旨を定める銀行取引約定に基づき,同会社の債務の弁済に充当することができる。 (補足意見がある。)
参照法条民事再生法53条1項,民事再生法53条2項,民事再生法85条1項,商法521条,手形法18条,手形法77条1項1号,民法91条
1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合における同国の国民の著作物である映画の著作権法6条3号所定の著作物該当性 2 著作権法6条各号所定の…
最高裁判所第一小法廷平成23年12月8日平成21(受)602民集 第65巻9号3275頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合において,我が国が同国との間で同条約に基づく権利義務は発生しないという立場を採っているときは,同国の国民の著作物である映画は,同国が上記条約に加入したことによって,著作権法6条3号…
参照法条(1につき)著作権法6条3号,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約3条(1)(a) (2につき)著作権法6条,民法709条
求償権が再生債権である場合において共益債権である原債権を再生手続によらないで行使することの可否
最高裁判所第一小法廷平成23年11月24日平成22(受)1587民集 第65巻8号3213頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨弁済による代位により民事再生法上の共益債権を取得した者は,同人が再生債務者に対して取得した求償権が再生債権にすぎない場合であっても,再生手続によらないで上記共益債権を行使することができる。 (補足意見がある。)
参照法条民法501条,民事再生法85条1項,民事再生法121条1項,民事再生法121条2項
求償権が破産債権である場合において財団債権である原債権を破産手続によらないで行使することの可否
最高裁判所第三小法廷平成23年11月22日平成22(受)78民集 第65巻8号3165頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨弁済による代位により財団債権を取得した者は,同人が破産者に対して取得した求償権が破産債権にすぎない場合であっても,破産手続によらないで上記財団債権を行使することができる。 (補足意見がある。)
参照法条民法501条,破産法2条5項,破産法2条7項,破産法100条1項,破産法151条
個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効であることにより,購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となるか
最高裁判所第三小法廷平成23年10月25日平成21(受)1096民集 第65巻7号3114頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても,販売業者とあっせん業者との関係,販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度,販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし,販売業者による公序良俗に反する行為の結果をあっ…
参照法条民法1条2項,民法90条,割賦販売法(平成20年法律第74号による改正前のもの)2条3項2号,割賦販売法(平成20年法律第74号による改正前のもの)30条の4,割賦販売法2条4項,割賦販売法35条の3の19
無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果
最高裁判所第三小法廷平成23年10月18日平成22(受)722民集 第65巻7号2899頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合に,当該物の所有者が,自己と同契約の受託者との間に同契約に基づく債権債務を発生させる趣旨でこれを追認したとしても,その所有者が同契約に基づく販売代金の引渡請求権を取得すると解することはできない。
参照法条民法116条,民法560条
新聞社が通信社からの配信に基づき自己の発行する新聞に記事を掲載するに当たり当該記事に摘示された事実を真実と信ずるについて相当の理由があるといえる場合
最高裁判所第一小法廷平成23年4月28日平成21(受)2057民集 第65巻3号1499頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨新聞社が,通信社からの配信に基づき,自己の発行する新聞に記事を掲載した場合において,少なくとも,当該通信社と当該新聞社とが,記事の取材,作成,配信及び掲載という一連の過程において,報道主体としての一体性を有すると評価することができるときは,当該通信社が当該配信記事に摘示された事実を真実と信ずるについて相当の理由があるの…
参照法条民法709条,民法710条,刑法230条の2第1項
契約の一方当事者が契約の締結に先立ち信義則上の説明義務に違反して契約の締結に関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合の債務不履行責任の有無
最高裁判所第二小法廷平成23年4月22日平成20(受)1940民集 第65巻3号1405頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨契約の一方当事者が,当該契約の締結に先立ち,信義則上の説明義務に違反して,当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には,上記一方当事者は,相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき,不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別,当該契約上の債務の不履行による賠償…
参照法条民法1条2項,民法415条
1 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効となる場合 2 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成23年3月24日平成21(受)1679民集 第65巻2号903頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものであると直ちにいうことはできないが,賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる損耗や経年により自然に生ずる損耗の補修費用として通常想定される額,賃料の額,礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照…
参照法条(1,2につき)消費者契約法10条,民法619条2項
抗告事件を終了させることを合意内容に含む裁判外の和解と抗告の利益
最高裁判所第三小法廷平成23年3月9日平成21(ク)1027民集 第65巻2号723頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抗告人と相手方との間において,抗告後に,抗告事件を終了させることを合意内容に含む裁判外の和解が成立した場合には,当該抗告は,抗告の利益を欠く。
参照法条民法695条,民訴法第3編第3章 抗告
「相続させる」旨の遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合における当該遺言の効力
最高裁判所第三小法廷平成23年2月22日平成21(受)1260民集 第65巻2号699頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記…
参照法条民法887条,民法908条,民法985条
権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合における申立ての方法
最高裁判所第二小法廷平成23年2月9日平成22(許)43民集 第65巻2号665頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して仮差押えをする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,仮差押命令の申立書に,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属する事実を証する書面を添付し…
参照法条民法33条,民訴法29条,民事保全法20条,民事保全法21条,民事保全規則20条
不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回…
最高裁判所第一小法廷平成22年12月16日平成21(受)1097民集 第64巻8号2050頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されない。
参照法条民法177条
構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は,譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶか
最高裁判所第一小法廷平成22年12月2日平成22(許)14民集 第64巻8号1990頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は,譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶ。
参照法条民法304条,民法369条(譲渡担保)
被相続人が生前に提起して相続人が承継していた所得税更正処分等の取消訴訟において同処分等の取消判決が確定した場合,被相続人が同処分等に基づき納付していた所得税等に係る過納金の還付請求権は相続税の課税財産となるか
最高裁判所第二小法廷平成22年10月15日平成21(行ヒ)65民集 第64巻7号1764頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被相続人が所得税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分に基づき所得税,過少申告加算税及び延滞税を納付するとともに上記各処分の取消訴訟を提起していたところ,その係属中に被相続人が死亡したため相続人が同訴訟を承継し,上記各処分の取消判決が確定するに至ったときは,上記所得税等に係る過納金の還付請求権は,被相続人の相続財産を構…
参照法条国税通則法56条1項,相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)2条1項,民法896条
定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えの確認の利益
最高裁判所第二小法廷平成22年10月8日平成21(受)565民集 第64巻7号1719頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同相続人間において定額郵便貯金債権が現に被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えには,上記債権の帰属に争いがある限り,確認の利益がある。 (補足意見がある。)
参照法条民訴法134条,民法264条,民法427条,民法898条,民法899条,民法907条,郵便貯金法7条1項3号
権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して強制執行をしようとする場合における申立ての方法
最高裁判所第三小法廷平成22年6月29日平成21(受)1298民集 第64巻4号1235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務…
参照法条民法33条,民訴法29条,民事執行法23条3項,民事執行法25条,民事執行法27条2項,民事執行法33条,民事執行規則21条,民事執行規則23条
自動車の売買代金の立替払をした者が,販売会社に留保されていた自動車の所有権の移転を受けたが,購入者に係る再生手続が開始した時点で上記自動車につき所有者としての登録を受けていないときに,留保した所有権を別除権として行使することの可否
最高裁判所第二小法廷平成22年6月4日平成21(受)284民集 第64巻4号1107頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車の購入者から委託されて販売会社に売買代金の立替払をした者が,購入者及び販売会社との間で,販売会社に留保されている自動車の所有権につき,これが,上記立替払により自己に移転し,購入者が立替金及び手数料の支払債務を完済するまで留保される旨の合意をしていた場合に,購入者に係る再生手続が開始した時点で上記自動車につき上記立…
参照法条民事再生法45条,民事再生法53条1項,民事再生法53条2項,民法369条(所有権留保)
売買契約の目的物である土地の土壌に,上記売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことが,民法570条にいう瑕疵に当たらないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成22年6月1日平成21(受)17民集 第64巻4号953頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売買契約の目的物である土地の土壌に,上記売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことは,(1)上記売買契約締結当時の取引観念上,ふっ素が土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認識されておらず,(2)上記売買契約の当事者間において,上記土地が備えるべ…
参照法条民法570条
医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における,同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定の解釈
最高裁判所第一小法廷平成22年4月8日平成20(受)1809民集 第64巻3号609頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨医療法人の定款に当該法人の解散時にはその残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合において,同定款中の退社した社員はその出資額に応じて返還を請求することができる旨の規定は,出資した社員は,退社時に,当該法人に対し,同時点における当該法人の財産の評価額に,同時点における総出資額中の当該社員の出資額が占める割合…
参照法条民法91条,医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)44条,医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)56条,医療法44条,医療法54条,医療法56条
当直の看護師らが抑制具であるミトンを用いて入院中の患者の両上肢をベッドに拘束した行為が,診療契約上の義務に違反せず,不法行為法上違法ともいえないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成22年1月26日平成20(受)2029民集 第64巻1号219頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨当直の看護師らが抑制具であるミトン(手先の丸まった長い手袋様のもので緊縛用のひもが付いているもの)を用いて入院中の患者の両上肢をベッドに拘束した行為は,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記患者が転倒,転落により重大な傷害を負う危険を避けるため緊急やむを得ず行われた行為であって,診療契約上の義務に違反するもので…
参照法条民法415条,民法709条
遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,目的物の現物返還請求も価額弁償請求も受けていない場合において,受遺者の提起した弁償すべき額の確定を求める訴えに確認の利益があるか
最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成21(受)35民集 第63巻10号2900頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留分権利者から遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,遺留分権利者から目的物の現物返還請求も価額弁償請求もされていない場合において,弁償すべき額につき当事者間に争いがあり,受遺者が判決によってこれが確定されたときは速やかに支払う意思がある旨を表明して,弁償すべき額の確定…
参照法条民法1041条1項,民訴法134条
請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を違法な労働者派遣と解すべき場合に,注文者と当該労働者との…
最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成20(受)1240民集 第63巻10号2754頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に違反する労働者派遣と解すべき場合において,(1)上記雇…
参照法条労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律2条1号,職業安定法4条6項,労働契約法6条,民法623条,民法632条
1 遺産分割協議は国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得るか 2 滞納者に詐害の意思のあることは国税徴収法39条所定の第二次納税義務の成立要件か
最高裁判所第一小法廷平成21年12月10日平成20(行ヒ)177民集 第63巻10号2516頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 国税の滞納者を含む共同相続人の間で成立した遺産分割協議は,滞納者である相続人にその相続分に満たない財産を取得させ,他の相続人にその相続分を超える財産を取得させるものであるときは,国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得る。 2 滞納者に詐害の意思のあることは,国税徴収法39条所定の第二次納税義務の成…
参照法条(1,2につき)国税徴収法39条 (1につき)民法907条1項 (2につき)民法424条1項本文
民法704条後段の規定の趣旨
最高裁判所第二小法廷平成21年11月9日平成21(受)247民集 第63巻9号1987頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民法704条後段の規定は,悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて不法行為責任を負うことを注意的に規定したものにすぎず,悪意の受益者に対して不法行為責任とは異なる特別の責任を負わせたものではない。
参照法条民法704条後段,民法709条
貸金業者が借主に貸金の支払を請求し借主から弁済を受ける行為が不法行為を構成する場合
最高裁判所第二小法廷平成21年9月4日平成21(受)47民集 第63巻7号1445頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨貸金業者が借主に対し貸金の支払を請求し借主から弁済を受ける行為が不法行為を構成するのは,貸金業者が当該貸金債権が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながら,又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに,あえてその請求をしたなど,その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合に限られ,この理は…
参照法条民法704条,民法709条
債権の管理又は回収の委託を受けた弁護士が,その手段として本案訴訟の提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為の私法上の効力
最高裁判所第一小法廷平成21年8月12日平成20(許)49民集 第63巻6号1406頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権の管理又は回収の委託を受けた弁護士が,その手段として本案訴訟の提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為は,他人間の法的紛争に介入し,司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われたなど,公序良俗に反するような事情があれば格別,仮にこれが弁護士法28条に違反するものであったとしても,直…
参照法条弁護士法28条,民法90条
特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が,専門的な知識を有しない委託者との間で締結した商品先物取引委託契約上,委託者に対して負う説明義務及び通知義務
最高裁判所第一小法廷平成21年7月16日平成20(受)802民集 第63巻6号1280頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が専門的な知識を有しない委託者との間で商品先物取引委託契約を締結した場合,商品取引員は,上記委託契約上,商品取引員が差玉向かいを行っている特定の種類の商品先物取引を受託する前に,委託者に対し,その取引について差玉向かいを行っていること及び差玉向かいは商品取…
参照法条商法551条,商法552条2項,民法644条,民法645条,商品取引所法213条,商品取引所法214条9号,商品取引所法217条1項4号,商品取引所法施行規則103条2号,商品取引所法施行規則104条1項8号
期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の…
最高裁判所第二小法廷平成21年7月10日平成20(受)1728民集 第63巻6号1170頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を初めて否定した最高裁平成16年(受)第1518号同18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益…
参照法条民法136条,民法704条,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)43条1項,利息制限法1条1項
1 担保不動産収益執行における担保不動産の収益に係る給付を求める権利の帰属 2 抵当不動産の賃借人が,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後に,抵当権設定登記の前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし賃料債権を受働債権とする相殺を…
最高裁判所第二小法廷平成21年7月3日平成19(受)1538民集 第63巻6号1047頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 担保不動産収益執行の管理人は担保不動産の収益に係る給付を求める権利を行使する権限を取得するにとどまり,同権利自体は,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後に弁済期の到来するものであっても,所有者に帰属する。 2 抵当不動産の賃借人は,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後においても,抵当権設定登記の前に…
参照法条(1,2につき) 民事執行法93条,民事執行法95条,民事執行法188条,民法371条,民法505条
生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」に当たるか
最高裁判所第三小法廷平成21年6月2日平成21(受)226民集 第63巻5号953頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」には当たらない。
参照法条商法676条2項,民法32条の2
被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため相続人がその事実を知ることができなかった場合における上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間
最高裁判所第三小法廷平成21年4月28日平成20(受)804民集 第63巻4号853頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の…
参照法条民法160条,民法724条
保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと本案訴訟の判決で判断され,仮処分命令が事情の変更により取り消された場合において,当該仮処分命令の保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,不当利得返還請求をすることができ…
最高裁判所第二小法廷平成21年4月24日平成20(受)224民集 第63巻4号765頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮処分命令における保全すべき権利が,本案訴訟の判決において,当該仮処分命令の発令時から存在しなかったものと判断され,このことが事情の変更に当たるとして当該仮処分命令を取り消す旨の決定が確定した場合には,当該仮処分命令を受けた債務者は,その保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,債権者に対して不…
参照法条民事執行法172条1項,民事保全法38条1項,民事保全法52条,民法703条
譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することの可否
最高裁判所第二小法廷平成21年3月27日平成19(受)1280民集 第63巻3号449頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することは,債務者にその無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り,許されない。
参照法条民法466条
相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合において,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することの可否
最高裁判所第三小法廷平成21年3月24日平成19(受)1548民集 第63巻3号427頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合には,遺言の趣旨等から相続債務については当該相続人にすべてを相続させる意思のないことが明らかであるなどの特段の事情のない限り,相続人間においては当該相続人が相続債務もすべて承継したと解され,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相…
参照法条民法427条,民法899条,民法902条,民法908条,民法1029条,民法1031条
動産の購入代金を立替払し立替金債務の担保として当該動産の所有権を留保した者は,第三者の土地上に存在しその土地所有権の行使を妨害している当該動産について,その所有権が担保権の性質を有することを理由として撤去義務や不法行為責任を免れるか
最高裁判所第三小法廷平成21年3月10日平成20(受)422民集 第63巻3号385頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨動産の購入代金を立替払した者が,立替金債務の担保として当該動産の所有権を留保する場合において,買主との契約上,期限の利益喪失による残債務全額の弁済期の到来前は当該動産を占有,使用する権原を有せず,その経過後は買主から当該動産の引渡しを受け,これを売却してその代金を残債務の弁済に充当することができるとされているときは,所…
参照法条民法206条,民法369条(所有権留保),民法709条
1 金融機関の預金者に対する預金口座の取引経過開示義務の有無 2 共同相続人の一人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否
最高裁判所第一小法廷平成21年1月22日平成19(受)1919民集 第63巻1号228頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 金融機関は,預金契約に基づき,預金者の求めに応じて預金口座の取引経過を開示すべき義務を負う。 2 預金者の共同相続人の一人は,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき,被相続人名義の預金口座の取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる。
参照法条(1,2につき)民法645条,民法656条,民法666条 (2につき)民法252条,民法264条,民法898条
継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合における,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第一小法廷平成21年1月22日平成20(受)468民集 第63巻1号247頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,借入金債務につき利息制限法1条1項所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生したときには,弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合は,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は,特段の事情がない限…
参照法条民法166条1項,民法703条,利息制限法1条1項
店舗の賃借人が賃貸人の修繕義務の不履行により被った営業利益相当の損害について,賃借人が損害を回避又は減少させる措置を執ることができたと解される時期以降に被った損害のすべてが民法416条1項にいう通常生ずべき損害に当たるということはできないと…
最高裁判所第二小法廷平成21年1月19日平成19(受)102民集 第63巻1号97頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨ビルの店舗部分を賃借してカラオケ店を営業していた賃借人が,同店舗部分に発生した浸水事故に係る賃貸人の修繕義務の不履行により,同店舗部分で営業することができず,営業利益相当の損害を被った場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,遅くとも賃貸人に対し損害賠償を求める本件訴えが提起された時点においては,賃借人…
参照法条民法416条1項,民法606条1項
いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の,ユーザーについて民事再生手続開始の申立てがあったことを契約の解除事由とする旨の特約の効力
最高裁判所第三小法廷平成20年12月16日平成19(受)1030民集 第62巻10号2561頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の,ユーザーについて民事再生手続開始の申立てがあったことを契約の解除事由とする旨の特約は,無効である。 (補足意見がある。)
参照法条民法91条,民法540条1項,民法601条,民事再生法1条
振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における受取人による当該振込みに係る預金の払戻請求と権利の濫用
最高裁判所第二小法廷平成20年10月10日平成19(受)152民集 第62巻9号2361頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨受取人の普通預金口座への振込みを依頼した振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合において,受取人が当該振込みに係る預金の払戻しを請求することについては,払戻しを受けることが当該振込みに係る金員を不正に取得するための行為であって,詐欺罪等の犯行の一環を成す場合であるなど,これを認めることが著し…
参照法条民法1条3項,民法666条
入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて構成員全員が訴訟当事者となる形式で第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否
最高裁判所第一小法廷平成20年7月17日平成18(受)1818民集 第62巻7号1994頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の土地が入会地であるのか第三者の所有地であるのかについて争いがあり,入会集団の一部の構成員が,当該第三者を被告として当該土地が入会地であることの確認を求めようとする場合において,訴えの提起に同調しない構成員がいるために構成員全員で訴えを提起することができないときは,上記一部の構成員は,訴えの提起に同調しない構成員も…
参照法条民法263条,民訴法40条,民訴法第1編第3章 当事者
1 社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合に,被害者からの損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として被害者の損害額から控除することの可否 2 いわゆるヤミ金融業者…
最高裁判所第三小法廷平成20年6月10日平成19(受)569民集 第62巻6号1488頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が,これによって損害を被るとともに,当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合には,同利益については,加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく,被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の…
参照法条(1,2につき)民法708条,民法709条 (2につき)出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(平成15年法律第136号による改正前のもの)5条2項
共有の性質を有する入会権の処分につき入会集団の構成員全員の同意を要件としない慣習の効力
最高裁判所第一小法廷平成20年4月14日平成18(受)336民集 第62巻5号909頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共有の性質を有する入会権に関する各地方の慣習の効力は,入会権の処分についても及び,入会集団の構成員全員の同意を要件としないで同処分を認める慣習であっても,公序良俗に反するなどその効力を否定すべき特段の事情が認められない限り,有効である。
参照法条民法92条,民法251条,民法263条
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間
最高裁判所第二小法廷平成20年1月28日平成18(受)1074民集 第62巻1号128頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項により10年と解すべきである。
参照法条民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉…
受遺者から民法1041条1項の規定による価額弁償の意思表示を受けた遺留分権利者が受遺者に対し価額弁償を請求する旨の意思表示をした場合において,当該遺留分権利者が遺贈の目的物について価額弁償請求権を確定的に取得する時期
最高裁判所第一小法廷平成20年1月24日平成18(受)1572民集 第62巻1号63頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨遺留分減殺請求を受けた受遺者が民法1041条1項の規定により遺贈の目的の価額を弁償する旨の意思表示をし,これを受けた遺留分権利者が受遺者に対して価額弁償を請求する権利を行使する旨の意思表示をした場合には,その時点において,当該遺留分権利者は,遺留分減殺によって取得した目的物の所有権及び所有権に基づく現物返還請求権をさか…
参照法条民法1041条1項
1 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当することの可否 2 第1の基本契約に基づく継続的…
最高裁判所第二小法廷平成20年1月18日平成18(受)2268民集 第62巻1号28頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 同一の貸主と借主との間で継続的に金銭の貸付けとその弁済が繰り返されることを予定した基本契約が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務について利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生するに至ったが,その後に改めて金銭消費貸借に係る基本契約が締結され,この基…
参照法条(1,2につき)民法488条,利息制限法1条1項
昭和28年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物の著作権の存続期間
最高裁判所第三小法廷平成19年12月18日平成19(受)1105民集 第61巻9号3460頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨昭和28年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物は,平成16年1月1日から施行された著作権法の一部を改正する法律(平成15年法律第85号)による保護期間の延長措置の対象となる同法附則2条所定の「この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が存する映画の著作物」に当たらず,その著作権は平成15…
参照法条著作権法(平成15年法律第85号による改正前のもの)54条1項,著作権法の一部を改正する法律(平成15年法律第85号)中の著作権法54条1項の改正規定,附則1条,附則2条,著作権法54条1項,著作権法57条,旧著作権法(昭和45年法律第48…
同一の貸主と借主の間で基本契約を締結せずに切替え及び貸増しとしてされた多数回の貸付けに係る金銭消費貸借契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものと解された…
最高裁判所第一小法廷平成19年7月19日平成18(受)1534民集 第61巻5号2175頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨同一の貸主と借主の間で基本契約を締結せずにされた多数回の金銭の貸付けが,1度の貸付けを除き,従前の貸付けの切替え及び貸増しとして長年にわたり反復継続して行われており,その1度の貸付けも,前回の返済から期間的に接着し,前後の貸付けと同様の方法と貸付条件で行われたものであり,上記各貸付けは1個の連続した貸付取引と解すべきも…
参照法条民法488条,利息制限法1条1項
1 各回の返済金額について一定額の元利金の記載と共に別紙償還表記載のとおりとの記載のある借用証書の写しが借主に交付された場合において,当該償還表の交付がなければ貸金業の規制等に関する法律17条1項に規定する書面の交付があったとはいえないとさ…
最高裁判所第二小法廷平成19年7月13日平成17(受)1970民集 第61巻5号1980頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 貸金業者が返済方式を元利均等方式とする貸付けをするに際し,貸金業の規制等に関する法律17条1項に規定する書面に当たるものとして借用証書の写しを借主に交付した場合において,(1)当該借用証書写しの「各回の支払金額」欄に,一定額の元利金の記載と共に「別紙償還表記載のとおりとします。」との記載があり,償還表は借用証書写し…
参照法条(1,2につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項,利息制限法1条1項 (1につき)貸金業の規制等に関する法律17条1項,貸金業の規制等に関する法律施行規則13条1項1号チ (2につき)民法704条
土地を目的とする先順位の甲抵当権が消滅した後に後順位の乙抵当権が実行された場合において,土地と地上建物が甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったが乙抵当権の設定時には同一の所有者に属していたときの法定地上権の成否
最高裁判所第二小法廷平成19年7月6日平成18(受)1398民集 第61巻5号1940頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地を目的とする先順位の甲抵当権と後順位の乙抵当権が設定された後,甲抵当権が設定契約の解除により消滅し,その後,乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において,当該土地と建物が,甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても,乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは,法定地…
参照法条民法388条
カードの利用による継続的な金銭の貸付けを予定した基本契約が同契約に基づく借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には弁済当時他の借入金債務が存在しなければこれをその後に発生する新たな借入金債務に充当す…
最高裁判所第一小法廷平成19年6月7日平成18(受)1887民集 第61巻4号1537頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨同一の貸主と借主との間でカードを利用して継続的に金銭の貸付けとその返済が繰り返されることを予定した基本契約が締結されており,同契約には,毎月の返済額は前月における借入金債務の残額の合計を基準とする一定額に定められ,利息は前月の支払日の返済後の残元金の合計に対する当該支払日の翌日から当月の支払日までの期間に応じて計算する…
参照法条民法488条,利息制限法1条1項
いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第三小法廷平成19年4月24日平成17(受)844民集 第61巻3号1073頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効は,それ以降自動継続の取扱いがされることのなくなった満期日が到来した時から進行する。
参照法条民法91条,民法166条1項,民法666条
外国語会話教室の受講契約の解除に伴う受講料の清算について定める約定が特定商取引に関する法律49条2項1号に定める額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効であるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成19年4月3日平成17(受)1930民集 第61巻3号967頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定商取引に関する法律41条1項1号所定の特定継続的役務提供契約に該当する外国語会話教室の受講契約中に,受講者が受講開始後に契約を解除した際の受講料の清算について定める約定が存する場合において,(1)受講者は,契約の締結に当たり,登録するポイント数が多くなるほど安くなるポイント単価を定める料金規定に従い受講料をあらかじ…
参照法条特定商取引に関する法律41条1項1号,特定商取引に関する法律49条1項,特定商取引に関する法律49条2項1号,民法420条
1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判と民訴法118条3号にいう公の秩序 2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母
最高裁判所第二小法廷平成19年3月23日平成18(許)47民集 第61巻2号619頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものとして,我が国において効力を有しない。 2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合においても,出生した子の母は,その子を懐胎し出産した女性であり,出生した子…
参照法条(1につき)民訴法118条3号,民法第4編第3章第1節 実子 (2につき)民法772条1項
厚生年金保険の被保険者であった叔父と内縁関係にあった姪が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成19年3月8日平成17(行ヒ)354民集 第61巻2号518頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨厚生年金保険の被保険者であった叔父と姪との内縁関係が,叔父と先妻との子の養育を主たる動機として形成され,当初から反倫理的,反社会的な側面を有していたものとはいい難く,親戚間では抵抗感なく承認され,地域社会等においても公然と受け容れられ,叔父の死亡まで約42年間にわたり円満かつ安定的に継続したなど判示の事情の下では,近親…
参照法条厚生年金保険法3条2項,厚生年金保険法59条1項,民法734条1項
国税の法定納期限等以前に将来発生すべき債権を目的として譲渡担保契約が締結され第三者に対する対抗要件が具備されていた場合における国税徴収法24条6項の適用
最高裁判所第一小法廷平成19年2月15日平成16(行ヒ)310民集 第61巻1号243頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨国税の法定納期限等以前に,将来発生すべき債権を目的として,債権譲渡の効果の発生を留保する特段の付款のない譲渡担保契約が締結され,その債権譲渡につき第三者に対する対抗要件が具備されていた場合には,譲渡担保の目的とされた債権が国税の法定納期限等の到来後に発生したとしても,当該債権は国税徴収法24条6項にいう「国税の法定納期…
参照法条国税徴収法24条,民法369条(譲渡担保),民法467条2項
1 貸主と借主との間で基本契約が締結されていない場合に第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生しその後第2の貸付けに係る債務が発生したときにおけ…
最高裁判所第三小法廷平成19年2月13日平成18(受)1187民集 第61巻1号182頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 貸主と借主との間で継続的に貸付けが繰り返されることを予定した基本契約が締結されていない場合において,第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生し,その後,第2の貸付けに係る債務が発生したときには,特段の事情のない限り,第1…
参照法条(1,2につき)利息制限法1条1項 (1につき)民法488条 (2につき)民法404条,民法704条,商法514条
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律等に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が外国へ出国したことに伴いその支給を打ち切られたため未支給の健康管理手当の支払を求める訴訟において支給義務者が地方自治法236条所定の消滅時効を主張すること…
最高裁判所第三小法廷平成19年2月6日平成18(行ヒ)136民集 第61巻1号122頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律又は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が外国へ出国したことに伴いその支給を打ち切られたため未支給の健康管理手当の支払を求める訴訟において,支給義務者が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することは,(1)上記被爆者がその申請に基…
参照法条原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律5条,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第160号による改正前のもの)27条,地方自治法236条2項,民訴法2条,民法1条2項
従業員と使用者との間でされた従業員に対し特定の労働組合から脱退する権利を行使しないことを義務付ける合意と公序良俗違反
最高裁判所第二小法廷平成19年2月2日平成16(受)1787民集 第61巻1号86頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨従業員と使用者との間において従業員が特定の労働組合に所属し続けることを義務付ける内容の合意がされた場合において,同合意のうち,従業員に上記労働組合から脱退する権利をおよそ行使しないことを義務付けて脱退の効力そのものを生じさせないとする部分は,公序良俗に反し無効である。
参照法条労働組合法第2章 労働組合,民法90条,憲法21条1項,憲法28条
1 都道府県による児童福祉法27条1項3号の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所した児童を養育監護する施設の職員等と国家賠償法1条1項にいう公権力の行使に当たる公務員 2 国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に加えた損…
最高裁判所第一小法廷平成19年1月25日平成17(受)2335民集 第61巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 都道府県による児童福祉法27条1項3号の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所した児童を養育監護する施設の長及び職員は,国家賠償法1条1項の適用において都道府県の公権力の行使に当たる公務員に該当する。 2 国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても,当該被用者の行為が国又は…
参照法条(1,2につき)国家賠償法1条1項 (1につき)児童福祉法27条1項3号 (2につき)民法715条
1 破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして質権の設定された敷金返還請求権の発生を阻害したことが質権設定者の質権者に対する目的債権の担保価値を維持すべ…
最高裁判所第一小法廷平成18年12月21日平成17(受)276民集 第60巻10号3964頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際し,賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に破産者が差し入れていた敷金を充当する旨の合意をし,質権の設定された敷金返還請求権の発生を阻害したことは,当時破産財団に上記賃料等を支払うのに十分な銀行預金が存在しており,これを現実に支払うことに支障がなかった…
参照法条(1〜3につき)民法362条,民法619条2項,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条7号,8号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)49条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)50条,旧…
1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が解約実行請求をした場合と受益者の受益証券を販売した会社に対する一部解約金支払請求権 2 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が受益証券…
最高裁判所第一小法廷平成18年12月14日平成17(受)1461民集 第60巻10号3914頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解約実行請求は委託者又は受益証券を販売した会社に対して行うこと,委託者は受益者から解約実行請求があったときは信託契約の一部を解約し…
参照法条(1,2につき)投資信託及び投資法人に関する法律2条4項,民法127条,(2につき)民事執行法155条1項
1 大学と当該大学の学生との間の在学契約の性質 2 大学の入学試験の合格者が納付する入学金の性質 3 大学と在学契約等を締結した者が当該在学契約等を任意に解除することの可否 4 大学の入学試験の合格者による書面によらない在学契約の解除の意思…
最高裁判所第二小法廷平成18年11月27日平成17(受)1158民集 第60巻9号3437頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 大学と当該大学の学生との間で締結される在学契約は,大学が学生に対して,講義,実習及び実験等の教育活動を実施するという方法で,大学の目的にかなった教育役務を提供するとともに,これに必要な教育施設等を利用させる義務を負い,他方,学生が大学に対して,これらに対する対価を支払う義務を負うことを中核的な要素とするものであり,…
参照法条(1,2,5につき)民法第3編第2章 契約,(1につき)学校教育法52条,学校教育法69条の2第1項,教育基本法6条1項,(2,5,6,8〜10につき)学校教育法6条,(2,5につき)学校教育法施行規則4条1項7号,(3,4につき)民法54…
1 大学の入学試験の合格者と当該大学との間の在学契約における納付済みの授業料等を返還しない旨の特約と公序良俗違反 2 私立医科大学の平成13年度の入学試験の合格者が同大学との間で納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の付された在学契約を締結…
最高裁判所第二小法廷平成18年11月27日平成16(受)2117民集 第60巻9号3732頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 大学の入学試験の合格者と当該大学との間の在学契約における納付済みの授業料等を返還しない旨の特約は,その目的,意義に照らして,合格者の大学選択に関する自由な意思決定を過度に制約し,その他合格者の著しい不利益において大学が過大な利益を得ることになるような著しく合理性を欠くと認められるものでない限り,公序良俗に反しない。…
参照法条(1,2につき)民法90条,民法420条,学校教育法6条,(2につき)民法1条2項,民法703条
1 入学手続要項等に「入学式を無断欠席した場合には入学を辞退したものとみなす」等の記載がある大学の入学試験の合格者が当該大学との間で在学契約を締結した場合における入学式の無断欠席と在学契約の解除の意思表示 2 入学手続要項等に「入学式を無断…
最高裁判所第二小法廷平成18年11月27日平成17(受)1437民集 第60巻9号3597頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 入学手続要項等に「入学式を無断欠席した場合には入学を辞退したものとみなす」,「入学式を無断欠席した場合には入学を取り消す」等の記載がある大学の入学試験の合格者が当該大学との間で在学契約を締結した場合において,当該合格者が入学式を無断で欠席することは,特段の事情のない限り,黙示の在学契約の解除の意思表示に当たる。 2…
参照法条(1につき)民法第1編第5章第1節 総則,民法540条1項,(2につき)消費者契約法9条,民法420条,学校教育法6条
物上保証人に対する不動産競売の開始決定正本が主債務者に送達された後に保証人が代位弁済をした上で差押債権者の承継を執行裁判所に申し出たが承継の申出について民法155条所定の通知がされなかった場合における保証人の主債務者に対する求償権の消滅時効…
最高裁判所第三小法廷平成18年11月14日平成17(受)1594民集 第60巻9号3402頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が物上保証人に対して申し立てた不動産競売の開始決定正本が主債務者に送達された後に,主債務者から保証の委託を受けていた保証人が,代位弁済をした上で,債権者から物上保証人に対する担保権の移転の付記登記を受け,差押債権者の承継を執行裁判所に申し出た場合には,上記承継の申出について主債務者に対して民法155条所定の通知が…
参照法条民法147条,民法155条,民法501条,民事執行規則171条
登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売において民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に該当するための要件
最高裁判所第二小法廷平成18年10月27日平成18(許)21民集 第60巻8号3234頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売においては,その被担保債権が当該自動車に関して生じたことが主要事実として認定されている確定判決であれば,債権者による当該自動車の占有の事実が認定されていなくとも,民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に当たる。
参照法条民事執行法181条1項1号,民事執行法195条,民事執行規則176条2項,民法295条1項
譲渡担保権者の債権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を差し押さえた場合において設定者が第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることの可否
最高裁判所第二小法廷平成18年10月20日平成16(受)1641民集 第60巻8号3098頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ,その旨の登記がされたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない。
参照法条民法369条(譲渡担保),民事執行法38条1項
保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間における法律上の親子関係の形成の可否
最高裁判所第二小法廷平成18年9月4日平成16(受)1748民集 第60巻7号2563頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間に,法律上の親子関係の形成は認められない。 (補足意見がある。)
参照法条民法787条
第三債務者が仮差押命令の送達を受けた時点で仮差押えの対象となった債権の弁済のために取引銀行に対し先日付振込みの依頼をしていた場合において上記送達後にされた振込みによる弁済を仮差押債権者に対抗することの可否
最高裁判所第一小法廷平成18年7月20日平成16(受)226民集 第60巻6号2475頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者甲が債務者乙の第三債務者丙に対する金銭債権の仮差押えをした場合において,丙が,仮差押命令の送達を受けた時点で,既に当該仮差押えの対象となった債権の弁済のために取引銀行に対し他の金融機関の乙名義の預金口座に先日付振込みの依頼をしていたとしても,その振込入金が未了であったときは,丙は,人的又は時間的余裕がなく,振込依…
参照法条民法481条1項,民事保全法50条1項,民事保全法50条5項,民事執行法145条4項
1 動産譲渡担保が重複設定されている場合における後順位譲渡担保権者による私的実行の可否 2 構成部分の変動する集合動産を目的とする譲渡担保の設定者が目的動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合における処分の相手方による承継取得の…
最高裁判所第一小法廷平成18年7月20日平成17(受)948民集 第60巻6号2499頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 動産譲渡担保が同一の目的物に重複して設定されている場合,後順位譲渡担保権者は私的実行をすることができない。 2 構成部分の変動する集合動産を目的とする対抗要件を備えた譲渡担保の設定者が,その目的物である動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合,当該譲渡担保の目的である集合物から離脱したと認められない限り…
参照法条(1,2につき)民法369条(譲渡担保)
戸籍上の父母とその嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について父母の子が不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成18年7月7日平成17(受)833民集 第60巻6号2307頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨戸籍上AB夫婦の嫡出子として記載されているYが同夫婦の実子ではない場合において,Yと同夫婦との間に約55年間にわたり実親子と同様の生活の実体があったこと,同夫婦の長女Xにおいて,Yが同夫婦の実子であることを否定し,実親子関係不存在確認を求める本件訴訟を提起したのは,同夫婦の遺産を承継した二女Cが死亡しその相続が問題とな…
参照法条民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
1 B型肝炎ウイルスに感染した患者が乳幼児期に受けた集団予防接種等とウイルス感染との間の因果関係を肯定するのが相当とされた事例 2 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しB型肝炎を発症したことによる損害につきB型肝炎…
最高裁判所第二小法廷平成18年6月16日平成16(受)672民集 第60巻5号1997頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 乳幼児期に集団予防接種等を受けたX1〜X3がB型肝炎ウイルスに感染した場合において,(1)B型肝炎ウイルスは,血液を介して人から人に感染するものであり,その感染力の強さに照らし,集団予防接種等の被接種者の中に感染者が存在した場合,注射器の連続使用によって感染する危険性があること,(2)X1〜X3は,最も持続感染者に…
参照法条国家賠償法1条1項,予防接種法2条,結核予防法4条,結核予防法13条,民法724条
反訴請求債権を自働債権とし本訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否
最高裁判所第二小法廷平成18年4月14日平成16(受)519民集 第60巻4号1497頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨本訴及び反訴が係属中に,反訴原告が,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは,異なる意思表示をしない限り,反訴を,反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分を反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更するものとして,許される。
参照法条民法505条,民訴法114条2項,民訴法142条,民訴法143条,民訴法146条
委任事務終了前における委任者の受任者に対する前払費用についての返還請求権の被転付適格
最高裁判所第二小法廷平成18年4月14日平成17(許)33民集 第60巻4号1535頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨委任者が委任事務の処理のために受任者に交付した前払費用についての返還請求権は,当該委任事務の終了前においては,券面額を有するものとはいえず,被転付適格を有しない。
参照法条民事執行法159条,民法649条
団体定期保険(いわゆるAグループ保険)に基づいて被保険者である従業員の死亡により保険金を受領した会社が生命保険会社との間の合意をもって社内規定に基づく給付額を超えて上記保険金の一部を死亡従業員の遺族に支払うことを約したと認めるべきであるとし…
最高裁判所第三小法廷平成18年4月11日平成14(受)1358民集 第60巻4号1387頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨Y社が,複数の生命保険会社との間で,保険金受取人をY,被保険者をYの従業員全員とし,死亡保険金の合計額が従業員1人につき6000万円を超える団体定期保険(いわゆるAグループ保険)契約を締結し,従業員の死亡により保険金を受領する一方,当該従業員の遺族Xに対しては,社内規定に基づく給付額である1000万円程度の死亡時給付金…
参照法条商法674条1項,民法90条,民法537条,民訴法247条
1 いわゆる仕手筋として知られるAが大量に取得したB社の株式を暴力団の関連会社に売却するなどとB社の取締役であるYらを脅迫した場合においてAの要求に応じて巨額の金員を交付することを提案し又はこれに同意したYらの忠実義務,善管注意義務違反が問…
最高裁判所第二小法廷平成18年4月10日平成15(受)1154民集 第60巻4号1273頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 いわゆる仕手筋として知られるAが,大量に取得したB社の株式を暴力団の関連会社に売却するなどとB社の取締役であるYらを脅迫した場合において,売却を取りやめてもらうためAの要求に応じて約300億円という巨額の金員を融資金の名目で交付することを提案し又はこれに同意したYらの忠実義務,善管注意義務違反が問われた行為について…
参照法条(1につき)商法254条3項,商法254条ノ3,商法266条1項5号,民法644条 (2につき)商法(平成12年法律第90号による改正前のもの)294条ノ2,商法(平成15年法律第134号による改正前のもの)266条1項2号
自家用自動車総合保険契約の記名被保険者の子が胎児であった時に発生した交通事故により出生後に傷害を生じその結果後遺障害が残存した場合における同契約の無保険車傷害条項に基づく保険金請求の可否
最高裁判所第三小法廷平成18年3月28日平成17(受)1751民集 第60巻3号875頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自家用自動車総合保険契約の記名被保険者の子が,胎児であった時に発生した交通事故により出生後に傷害を生じ,その結果,後遺障害が残存した場合には,当該子又はその父母は,当該傷害及び後遺障害によってそれぞれが被った損害について,同契約の無保険車傷害条項が被保険者として定める「記名被保険者の同居の親族」に生じた傷害及び後遺障害…
参照法条商法第3編第10章 保険,民法91条,民法721条
1 入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分が公序良俗に反しないとされた事例 2 入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格を原則として男子孫に限定し同入会部落の部…
最高裁判所第二小法廷平成18年3月17日平成16(受)1968民集 第60巻3号773頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 A入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分は,現在においても,公序良俗に反するものということはできない。 2 A入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち,入会権者の資格を原則として男子孫に限定し,同入会部落の部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧…
参照法条(1,2につき)民法2条,民法90条,民法92条,民法263条,民法294条,憲法14条1項
自動車による通行を前提とする民法210条1項所定の通行権の成否及びその具体的内容を判断するために考慮すべき事情
最高裁判所第一小法廷平成18年3月16日平成17(受)1208民集 第60巻3号735頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車による通行を前提とする民法210条1項所定の通行権の成否及びその具体的内容は,公道に至るため他の土地について自動車による通行を認める必要性,周辺の土地の状況,上記通行権が認められることにより他の土地の所有者が被る不利益等の諸事情を総合考慮して判断すべきである。
参照法条民法210条1項,民法211条1項
不実の所有権移転登記がされたことにつき所有者に自らこれに積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同視し得るほど重い帰責性があるとして民法94条2項,110条を類推適用すべきものとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成18年2月23日平成15(受)1103民集 第60巻2号546頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の所有者であるXから当該不動産の賃貸に係る事務や他の土地の所有権移転登記手続を任せられていた甲が,Xから交付を受けた当該不動産の登記済証,印鑑登録証明書等を利用して当該不動産につき甲への不実の所有権移転登記を了した場合において,Xが,合理的な理由なく上記登記済証を数か月間にわたって甲に預けたままにし,甲の言うまま…
参照法条民法94条2項 民法110条
道路を一般交通の用に供するために管理している地方公共団体が当該道路を構成する敷地について占有権を有する場合
最高裁判所第三小法廷平成18年2月21日平成14(受)133民集 第60巻2号508頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地方公共団体が,道路を一般交通の用に供するために管理しており,その管理の内容,態様によれば,社会通念上,当該道路が当該地方公共団体の事実的支配に属するものというべき客観的関係にあると認められる場合には,当該地方公共団体は,道路法上の道路管理権を有するか否かにかかわらず,当該道路を構成する敷地について占有権を有する。
参照法条民法180条,民法199条
買戻特約付売買契約の形式を採りながら目的不動産の占有の移転を伴わない契約の性質
最高裁判所第三小法廷平成18年2月7日平成17(受)282民集 第60巻2号480頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨買戻特約付売買契約の形式が採られていても,目的不動産の占有の移転を伴わない契約は,特段の事情のない限り,債権担保の目的で締結されたものと推認され,その性質は譲渡担保契約と解するのが相当である
参照法条民法369条 民法579条
1 不正競争防止法2条1項1号,2号にいう「営業」と宗教法人の宗教活動 2 宗教法人の名称を冒用されない権利に基づく侵害行為の差止請求の可否 3 宗教法人Yによる「天理教豊文教会」との名称の使用が宗教法人Xの「天理教」との名称を冒用されない…
最高裁判所第二小法廷平成18年1月20日平成17(受)575民集 第60巻1号137頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 不正競争防止法2条1項1号,2号にいう「営業」は,宗教法人の本来的な宗教活動及びこれと密接不可分の関係にある事業を含まない。 2 宗教法人は,その名称を他の宗教法人等に冒用されない権利を有し,これを違法に侵害されたときは,加害者に対し,侵害行為の差止めを求めることができる。 3 「天理教」との名称の宗教法人Xと被包…
参照法条(1につき)不正競争防止法1条,不正競争防止法2条1項1号,2号,宗教法人法6条 (2,3につき)民法2条,民法198条,民法199条,憲法13条,宗教法人法12条1項2号
差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえた債権者が先行する差押事件で実施される配当手続に参加するために執行裁判所に対して競合差押債権者の存在を認識させる措置を執るべき義務の有無
最高裁判所第一小法廷平成18年1月19日平成17(受)761民集 第60巻1号109頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえた債権者には,先行する差押事件で実施される配当手続に参加するために,自らの差押事件の執行裁判所及び先行する差押事件の執行裁判所に対し,自らの差押事件の進行について問い合わせをするなどして,競合差押債権者の存在を認識させる措置を執るべき義務はない。
参照法条民事執行法85条3項,民事執行法165条4号,民事執行法166条,民法722条
不動産の取得時効完成後に当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した者が背信的悪意者に当たる場合
最高裁判所第三小法廷平成18年1月17日平成17(受)144民集 第60巻1号27頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲が時効取得した不動産について,その取得時効完成後に乙が当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した場合において,乙が,当該不動産の譲渡を受けた時に,甲が多年にわたり当該不動産を占有している事実を認識しており,甲の登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情が存在するときは,乙は背信的悪意者に当たる。
参照法条民法162条,民法177条
1 貸金業の規制等に関する法律施行規則15条2項の法適合性 2 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の効力 3 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したと…
最高裁判所第二小法廷平成18年1月13日平成16(受)1518民集 第60巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 貸金業の規制等に関する法律施行規則15条2項の規定のうち,貸金業者が弁済を受けた債権に係る貸付けの契約を契約番号その他により明示することをもって,貸金業の規制等に関する法律18条1項1号から3号までに掲げる事項の記載に代えることができる旨定めた部分は,同法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効である。 2 利息…
参照法条(1〜3につき)利息制限法1条1項 (1,3につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項,貸金業の規制等に関する法律18条1項,43条3項,利息制限法4条1項,貸金業の規制等に関する法律施行規則15条 (2,3につき)民法136条
公有水面埋立法に基づく埋立免許を受けて埋立工事が完成した後竣功認可がされていない埋立地が土地として私法上所有権の客体になる場合
最高裁判所第二小法廷平成17年12月16日平成15(受)1980民集 第59巻10号2931頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨公有水面埋立法に基づく埋立免許を受けて埋立工事が完成した後竣功認可がされていない埋立地であっても,長年にわたり当該埋立地が事実上公の目的に使用されることもなく放置され,公共用財産としての形態,機能を完全に喪失し,その上に他人の平穏かつ公然の占有が継続したがそのため実際上公の目的が害されるようなこともなく,これを公共用財…
参照法条公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)2条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)22条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)35条1項,民法86条1項,民法162条,国有財産法…
該当する裁判例がありません。