この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合に時効によって消滅する。
- 第一に、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときである。
- 第二に、不法行為の時から二十年間行使しないときである。
- この二つの期間のいずれかが経過すれば、当該請求権は時効消滅する。
第724条の消滅時効の要件
原文解釈横スクロールできます| 号 | 起算点 | 期間 |
|---|---|---|
| 一 | 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時 | 三年間 |
| 二 | 不法行為の時 | 二十年間 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法国家賠償請求事件
- 位置づけ
- 最高裁大法廷 / 民集登載
- 事件番号
- 令和5(受)1319
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 令和6年7月3日 棄却
- 登載
- 民集 第78巻3号382頁
- 参照法条
- (1、2、4につき)優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号ないし3号、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)4条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)10条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)12条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)13条 (1につき)憲法13条、憲法14条1項 (2、4につき)国家賠償法1条1項 (3、4につき)民法1条2項、民法3項、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条
- 判示事項
- 1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)と憲法13条及び14条1項 2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為の国家賠償法1条1項所定の違法性の有無 3 裁判所が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる場合 4 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例
裁判要旨1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)は、憲法13条及び14条1項に違反する。
2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける。
3 不法行為によって発生した損害賠償請求権が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる。
4 優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者及びその配偶者並びに同法13条2項の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者が、国に対し、上記各規定を含む優生保護法の関係規定に係る国会議員の立法行為は違法であると主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた場合において、次の⑴~⑸など判示の事情の下では、上記の者らが上記損害賠償を求める訴えを提起した後に「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が成立し、施行されたことを考慮しても、上記の者らの上記の損害賠償請求権の行使に対して国が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることは、信義則に反し、権利の濫用として許されない。
⑴ 国は、約48年間にわたり、国家の政策として、優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項の規定(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に基づく施策を実施してきた。
⑵ 国は、上記施策の実施に当たり、審査を要件とする優生手術を行う際に身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合がある旨の厚生事務次官通知を各都道府県知事宛てに発出するなどして、優生手術を行うことを積極的に推進していた。
⑶ 上記施策が実施された結果として、少なくとも約2万5000人の者が上記規定に基づいて生殖を不能にする手術を受け、これにより生殖能力を喪失するという被害を受けた。
⑷ 上記訴えを提起した者らについて、上記損害賠償請求権の速やかな行使を期待することができたと解すべき事情があったことはうかがわれない。
⑸ 国は、平成8年に上記規定が削除された後、長期間にわたって、上記規定により行われた生殖を不能にする手術は適法であり、補償はしないという立場をとり続けてきた。
(3につき補足意見及び意見、4につき補足意見がある。)
2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける。
3 不法行為によって発生した損害賠償請求権が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる。
4 優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者及びその配偶者並びに同法13条2項の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者が、国に対し、上記各規定を含む優生保護法の関係規定に係る国会議員の立法行為は違法であると主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた場合において、次の⑴~⑸など判示の事情の下では、上記の者らが上記損害賠償を求める訴えを提起した後に「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が成立し、施行されたことを考慮しても、上記の者らの上記の損害賠償請求権の行使に対して国が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることは、信義則に反し、権利の濫用として許されない。
⑴ 国は、約48年間にわたり、国家の政策として、優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項の規定(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に基づく施策を実施してきた。
⑵ 国は、上記施策の実施に当たり、審査を要件とする優生手術を行う際に身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合がある旨の厚生事務次官通知を各都道府県知事宛てに発出するなどして、優生手術を行うことを積極的に推進していた。
⑶ 上記施策が実施された結果として、少なくとも約2万5000人の者が上記規定に基づいて生殖を不能にする手術を受け、これにより生殖能力を喪失するという被害を受けた。
⑷ 上記訴えを提起した者らについて、上記損害賠償請求権の速やかな行使を期待することができたと解すべき事情があったことはうかがわれない。
⑸ 国は、平成8年に上記規定が削除された後、長期間にわたって、上記規定により行われた生殖を不能にする手術は適法であり、補償はしないという立場をとり続けてきた。
(3につき補足意見及び意見、4につき補足意見がある。)
民法損害賠償請求本訴、同反訴
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和56(オ)767
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和57年10月19日 棄却
- 登載
- 民集 第36巻10号2163頁
- 参照法条
- 民法138条,民法140条,民法724条
- 判示事項
- 民法七二四条所定の三年の時効期間の計算と初日の不算入
裁判要旨民法七二四条所定の三年の時効期間の計算においては、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知つた時が午前零時でない限り、時効期間の初日を算入すべきではない。
実務注記
原文解釈- 起算点の主体第一号の起算点は「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」であり、被害者本人に限られず法定代理人も含まれる。
- 「知った」対象の内容第一号の起算点で知るべき対象は「損害及び加害者」であり、条文上この二つが要件とされている。
- 二つの期間の関係第一号の三年間と第二号の二十年間は「次に掲げる場合には」として並列に規定されており、いずれかに該当すれば時効消滅する。
- 第二号の起算点第二号の起算点は「不法行為の時」であり、被害者の認識の有無を問わない。
条文原文
原文ママ民法 第724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二不法行為の時から二十年間行使しないとき。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第724条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。