民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第369条抵当権の内容

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原文整理テーマ別まとめ
抵当権/総則ステップ 1 / 1 総則総則について、条文は何を定めているか。抵当権ステップ 1 / 1 抵当権抵当権について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
  • 抵当権の目的物は不動産であり、設定者がその占有を移転しないことが前提となる。
  • 抵当権は、債務者自身が担保に供した不動産だけでなく、第三者が担保に供した不動産にも設定できる。
  • 地上権及び永小作権も抵当権の目的とすることができる。
  • 地上権又は永小作権を抵当権の目的とする場合には、抵当権に関する民法第三章の規定が準用される。

第369条の要件

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区分目的物占有の移転効果/準用
第1項(不動産抵当)債務者又は第三者が債務の担保に供した不動産占有を移転しない他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する
第2項(権利抵当)地上権及び永小作権(規定なし)抵当権の目的とすることができ、この章(抵当権の章)の規定を準用する

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法所有権移転登記抹消登記手続等請求
位置づけ
最高裁大法廷 / 民集登載
事件番号
昭和46(オ)503
裁判
最高裁判所大法廷 昭和49年10月23日 破棄差戻
登載
民集 第28巻7号1473頁
参照法条
民法369条,民法482条,民法556条,不動産登記法2条,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条,不動産登記法146条,民訴法648条,競売法27条
判示事項
一、金銭債権担保のため不動産について代物弁済予約又は売買予約等の形式をとる契約が締結され所有権移転請求権保全等の仮登記がされた場合における右契約の性質及び内容 二、いわゆる仮登記担保権者が清算義務を負う相手方 三、いわゆる仮登記担保権と競売手続との関係 四、いわゆる仮登記担保権の目的不動産に対し競売手続が開始されている場合における仮登記担保権者の仮登記の本登記手続又はその承諾請求の許否
裁判要旨一、債権者が、金銭債権の満足を確保するために、債務者との間にその所有の不動産につき、代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約又は売買予約により、債務の不履行があつたときは債権者において右不動産の所有権を取得して自己の債権の満足をはかることができる旨を約し、かつ、停止条件付所有権移転又は所有権移転請求権保全の仮登記をしたときは、その権利(いわゆる仮登記担保権)の内容は、当事者が別段の意思を表示し、かつ、それが諸般の事情に照らして合理的と認められる特別の場合を除いては、債務者に履行遅滞があつた場合に権利者が予約完結の意思を表示し、又は停止条件が成就したときは、権利者において目的不動産を処分する権能を取得し、これに基づいて、当該不動産を適正に評価された価額で確定的に自己の所有に帰せしめること又は相当の価格で第三者に売却等をすることによつて、これを換価処分し、その評価額又は売却代金等から自己の債権の弁済を得ることにあり、右評価額又は売却代金等の額が権利者の債権額を超えるときは、権利者は、右超過額を清算金として債務者に交付すべきものであると解するのが粗当である。
二、いわゆる仮登記担保権者が目的不動産の換価金につき清算義務を負うのは、債務者又は仮登記後に目的不動産の所有権を取得してその登記を経由した第三者に対してのみであつて、仮登記後に目的不動産を差し押えた債権者、これにつき抵当権の設定を受けた第三者等に対しては、仮登記担保権者は、直接の清算義務を負わない。
三、いわゆる仮登記担保権者は、民訴法六四八条四号又は競売法二七条四項四号に基づき、当該権利が仮登記担保権であること及び被担保債権とその金額を明らかにして競売裁判所に届け出る方法により、目的不動産の競売手続に参加して配当を受けることができる。
四、いわゆる仮登記担保権者がその権利の実行として訴訟により仮登記の本登記手続又はその承諾を請求する前に既に第三者の申立により目的不動産につき競売手続が開始されている場合には、右の請求をすることは、原則として許されない。
(二につき補足意見がある。)
民法建物明渡請求事件
位置づけ
最高裁大法廷 / 民集登載
事件番号
平成8(オ)1697
裁判
最高裁判所大法廷 平成11年11月24日 棄却
登載
民集 第53巻8号1899頁
参照法条
民法369条,民法423条
判示事項
一 抵当権者が抵当不動産の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することの可否 二 抵当権者が権利の目的である建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができるとされた事例
裁判要旨一 第三者が抵当不動産を不法占有することにより、競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して有する右状態を是正し抵当不動産を適切に維持又は保存するよう求める請求権を保全するため、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することができる。
二 建物を目的とする抵当権を有する者がその実行としての競売を申し立てたが、第三者が建物を権原なく占有していたことにより、買受けを希望する者が買受け申出をちゅうちょしたために入札がなく、その後競売手続は進行しなくなって、建物の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となる状態が生じているなど判示の事情の下においては、抵当権者は、建物の所有者に対して有する右状態を是正するよう求める請求権を保全するため、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使し、所有者のために建物を管理することを目的として、不法占有者に対し、直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができる。
(一、二につき補足意見がある。)
民法第三者異議
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和57(オ)1408
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年11月10日 棄却
登載
民集 第41巻8号1559頁
参照法条
民法85条,民法178条,民法181条,民法183条,民法333条,民法369条(譲渡担保),民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,競売法3条
判示事項
一 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の対抗要件と構成部分の変動した後の集合物に対する効力 二 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権と動産売買先取特権に基づいてされた動産競売の不許を求める第三者異議の訴え 三 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権設定契約において目的物の範囲が特定されているとされた事例
裁判要旨一 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の設定者がその構成部分である動産の占有を取得したときは譲渡担保権者が占有改定の方法によつて占有権を取得する旨の合意があり、譲渡担保権設定者がその構成部分として現に存在する動産の占有を取得した場合には、譲渡担保権者は右譲渡担保権につき対抗要件を具備するに至り、右対抗要件具備の効力は、新たにその構成部分となつた動産を包含する集合物に及ぶ。

二 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権者は、特段の事情のない限り、第三者異議の訴えによつて、動産売買先取特権者が右集合物の構成部分となつた動産についてした競売の不許を求めることができる。

三 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権設定契約において、目的動産の種類及び量的範囲が普通棒鋼、異形棒鋼等一切の在庫商品と、その所在場所が譲渡担保権設定者の倉庫内及び同敷地・ヤード内と指定されているときは、目的物の範囲が特定されているものというべきである。

実務注記

原文解釈
  1. 占有移転を伴わないこと抵当権の目的とする不動産は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供したものであることが条文上の要件である。
  2. 設定者は債務者に限られない条文は「債務者又は第三者」と定めており、債務者本人以外の第三者が自己の不動産を担保に供する場合も含まれる。
  3. 優先弁済権の内容抵当権者は、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有するとされている。
  4. 地上権・永小作権も目的となり得る第2項により、不動産に限らず地上権及び永小作権も抵当権の目的とすることができる。
  5. 権利抵当への準用地上権又は永小作権を抵当権の目的とする場合には、「この章」(抵当権に関する章)の規定が準用される旨が定められている。

条文原文

原文ママ
民法 第369条(抵当権の内容)
(抵当権の内容)
第三百六十九条抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

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