民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第95条錯誤

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
法律行為/意思表示ステップ 1 / 1 意思表示意思表示について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 意思表示は、意思表示に対応する意思を欠く錯誤、又は表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
  • 法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反する錯誤による取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限りすることができる。
  • 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、相手方が表意者に錯誤があることを知り若しくは重大な過失によって知らなかったとき、又は相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたときを除き、意思表示の取消しをすることができない。
  • 意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

民法第95条 錯誤取消しの要件一覧

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項錯誤の類型・場面追加要件効果
第1項第一号意思表示に対応する意思を欠く錯誤その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること取り消すことができる
第1項第二号・第2項表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること/その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと取り消すことができる
第3項錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合次のいずれかに該当すること:一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき 二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき該当する場合を除き、第1項の規定による取消しをすることができない
第4項第1項の規定による意思表示の取消し対抗する相手が善意でかつ過失がない第三者であることその第三者に対抗することができない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法約束手形金
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和53(オ)1281
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年9月6日 破棄差戻
登載
民集 第33巻5号630頁
参照法条
民法95条,手形法12条2項,手形法17条,手形法77条1項
判示事項
手形金額に錯誤のある裏書と悪意の取得者に対する償還義務の範囲
裁判要旨手形の裏書人が、金額一五〇〇万円の手形を金額一五〇万円の手形と誤信し同金額の手形債務を負担する意思のもとに裏書をした場合に、悪意の取得者に対して錯誤を理由に償還義務の履行を拒むことができるのは、右手形金のうち一五〇万円を超える部分についてだけであつて、その全部についてではない。
民法預入金返還請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和45(オ)685
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年5月19日 破棄差戻
登載
民集 第26巻4号723頁
参照法条
民法95条
判示事項
動機が表示されても民法九五条にいう法律行為の要素とはならないとされた事例
裁判要旨甲乙問の土地売買契約の解除と土地交換契約の締結に伴い、甲が乙に対して負担した清算金債務を弁済するため、自己が金融機関である丙との間で締結していた定期貯金契約を合意解約し、その払戻金を乙に支払うことを丙に対し委任した場合において、右売買契約の解除および交換契約が甲の土地評価の誤認に起因し法律行為の要素の錯誤により無効であり、甲の前記清算金債務は存在しないときであつても、甲が右支払を委任するに至つた動機のごときは、丙に表示されたとしても、右定期貯金契約の合意解約および支払委任につき、民法九五条にいう法律行為の要素とはならないものと解すべきである。
民法油絵代金返還請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和43(オ)27
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年3月26日 棄却
登載
民集 第24巻3号151頁
参照法条
民法95条,民法423条
判示事項
要素の錯誤による意思表示の無効を第三者が主張することが許される場合
裁判要旨第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。

実務注記

原文解釈
  1. 重要性要件の充足取消しには、錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであることが必要(第1項柱書)。
  2. 基礎事情の錯誤は表示が要件第1項第二号の錯誤による取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限りすることができる(第2項)。
  3. 重過失がある場合の取消し制限錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合、第3項各号(相手方の悪意・重過失、又は相手方の同一錯誤)に該当しない限り取消しをすることができない。
  4. 相手方の悪意・重過失による例外相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、表意者に重過失があっても取消しができる(第3項第一号)。
  5. 善意無過失の第三者への対抗不可第1項の規定による取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(第4項)。

条文原文

原文ママ
民法 第95条(錯誤)
(錯誤)
第九十五条意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

一次情報