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最高裁大法廷 / 刑集登載124件
車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は令状がなければ行うことができない強制の処分か
最高裁判所大法廷平成29年3月15日平成28(あ)442刑集 第71巻3号13頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は,個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって,合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であり,令状がなければ行うことができない強制の処分である。
参照法条憲法35条,刑訴法197条1項
最高裁判所長官として裁判員制度の実施に係る司法行政事務に関与したことが同制度の憲法適合性を争点とする事件についての忌避事由に当たるか
最高裁判所大法廷平成23年5月31日平成23(す)220刑集 第65巻4号373頁
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裁判要旨最高裁判所長官が,裁判員制度の実施に係る司法行政事務に関与したからといって,同制度の憲法適合性を争点とする事件について,「不公平な裁判をする虞」があるということはできない。
参照法条刑訴法21条1項,裁判所法12条1項
1 委託を受けて他人の不動産を占有する者がこれにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了していた場合においてその後これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了する行為と横領罪の成否 2 委託を受けて他人の不動産を…
最高裁判所大法廷平成15年4月23日平成13(あ)746刑集 第57巻4号467頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨1 委託を受けて他人の不動産を占有する者が,これにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了した後,これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了したときは,後行の所有権移転行為について横領罪の成立を肯定することができ,先行の抵当権設定行為が存在することは同罪の成立自体を妨げる事情にはならない。…
参照法条刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)第1編第7章 犯罪ノ不成立及ヒ刑ノ減免,刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)252条,刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)253条,刑訴法256条
一 いわゆる刑事免責を付与して得られた供述を録取した嘱託証人尋問調書の証拠能力 二 内閣総理大臣が運輸大臣に対し民間航空会社に特定機種の航空機の選定購入を勧奨するよう働き掛けることと賄賂罪における職務行為
最高裁判所大法廷平成7年2月22日昭和62(あ)1351刑集 第49巻2号1頁
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裁判要旨一 刑訴法はいわゆる刑事免責の制度を採用しておらず、刑事免責を付与して得られた供述を録取した嘱託証人尋問調書を事実認定の証拠とすることは許容されない。 二 内閣総理大臣が運輸大臣に対し民間航空会社に特定機種の航空機の選定購入を勧奨するよう働き掛けることは、内閣総理大臣の運輸大臣に対する指示として、賄賂罪の職務行為に当た…
参照法条刑訴法1条,刑訴法146条,刑訴法226条,刑訴法248条,刑訴法317条,憲法38条1項,憲法66条,憲法68条,憲法72条,刑法(昭和55年法律30号による改正前のもの)197条1項,刑法(昭和55年法律30号による改正前のもの)198…
原判決後上訴権のない選任権者により選任された弁護人のした上訴申立の適否
最高裁判所大法廷昭和63年2月17日昭和62(し)107刑集 第42巻2号299頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨原判決後選任された弁護人は、その選任者が上訴権を有しない場合であつても、被告人を代理して上訴申立をすることができる。
参照法条刑訴法30条2項,刑訴法32条2項,刑訴法41条,刑訴法351条1項,刑訴法353条,刑訴法355条,刑訴法433条
一、地方公務員法三七条一項、六一条四号の合憲性 二、地方公務員法六一条四号の法意 三、昭和三六年度全国中学校一せい学力調査実施のため中学校に赴こうとするテスト立会人らを道路上で阻止した行為につき道路交通法一二〇条一項九号、七六条四項二号の罪…
最高裁判所大法廷昭和51年5月21日昭和44(あ)1275刑集 第30巻5号1178頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一、地方公務員法三七条一項は憲法二八条に、地方公務員法六一条四号は憲法一八条、二八条に違反しない。 二、地方公務員法六一条四号は、地方公務員の争議行為に違法性の強いものと弱いものとを区別して前者のみが右法条にいう争議行為にあたるものとし、また、右争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、又はあおる等の行為のうちいわゆる争議行…
参照法条憲法18条,憲法21条,憲法28条,地方公務員法37条1項,地方公務員法61条4号,道路交通法76条4項2号,道路交通法120条1項9号,刑法35条,刑訴法411条1号
一 刑訴法二〇条六号にいう「裁判官が事件について検察官の職務を行つたとき」の意義 二 最高裁判所の裁判官がその任官前に憲法および法律の解釈上同種の論点を含む他の事件につき高等検察庁検事長として上告趣意書を提出したことと刑訴法二〇条六号の除斥…
最高裁判所大法廷昭和47年7月1日昭和47(す)89刑集 第26巻6号355頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 刑訴法二〇条六号にいう「裁判官が事件について検察官の職務を行つたとき」とは、裁判官がその任官前に、当該事件について、検察官としてある具体的な職務行為をした場合をいう。 二 最高裁判所の裁判官が、その任官前に高等検察庁検事長として、憲法および法律の解釈上本件と同種の論点を含む他の刑事被告事件について上告趣意書を提出し…
参照法条刑訴法20条6号,刑訴法21条1項,検察庁法7条2項
牽連犯または包括一罪として起訴された事実の一部を無罪とした第一審判決につき、被告人だけが控訴を申し立てた場合における控訴審の職権調査の範囲
最高裁判所大法廷昭和46年3月24日昭和41(あ)2101刑集 第25巻2号293頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨牽連犯または包括一罪として起訴された事実につき、その一部を有罪とし、その余については理由中で無罪の判断を示した第一審判決に対し、被告人だけが控訴を申し立てた場合、控訴審が、職権調査によつて、原判決に事実誤認ありとし、これを破棄自判して、起訴事実の全部につき有罪とすることは、職権の発動として許される限度をこえるものであつ…
参照法条刑訴法392条2項
偽計による自白の証拠能力と憲法三八条二項
最高裁判所大法廷昭和45年11月25日昭和42(あ)1546刑集 第24巻12号1670頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨偽計によつて被疑者が心理的強制を受け、その結果虚偽の自白が誘発されるおそれのある場合には、偽計によつて獲得された自白はその任意性に疑いがあるものとして証拠能力を否定すべきであり、このような自白を証拠に採用することは、刑訴法三一九条一項、憲法三八条二項に違反する。
参照法条刑訴法1条,刑訴法319条1項,憲法38条2項
一 昭和二九年京都市条例第一〇号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例の合憲性 二 みだりに容ぼう等を撮影されない自由と憲法一三条 三 犯罪捜査のため容ぼう等の写真撮影が許容される限度と憲法一三条、三五条
最高裁判所大法廷昭和44年12月24日昭和40(あ)1187刑集 第23巻12号1625頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 昭和二九年京都市条例第一〇号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例は、憲法二一条に違反しない。 二 何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有し、警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法一三条の趣旨に反し許されない。 三 警察官による個人の容ぼう等の写真撮…
参照法条憲法21条,憲法13条,憲法35条,集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(昭和29年京都市条例10号)2条,6条,刑訴法218条2項,刑訴法220条,警察法2条1項
一 国税犯則取締法二条により裁判官がした差押等の許可自体に対する準抗告その他独立の不服申立の許否と憲法三二条 二 国税犯則取締法二条により収税官吏がした差押処分に対する不服申立方法
最高裁判所大法廷昭和44年12月3日昭和42(し)78刑集 第23巻12号1525頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 国税犯則取締法二条により収税官吏の請求に基づいて裁判官がした差押等の許可自体に対しては、準抗告その他独立の不服申立は許されない。このように解しても、憲法三二条に違反しない。 二 国税犯則取締法二条により収税官吏がした差押処分に対する不服申立は、行政事件訴訟に定める訴訟の方法によるべきであつて、これにつき刑訴法四三〇…
参照法条国税犯則取締法2条,刑訴法429条1項2号,刑訴法430条,憲法32条,行政事件訴訟法1条
一 報道および取材の自由と憲法二一条 二 報道機関の取材フイルムに対する提出命令の許容される限度
最高裁判所大法廷昭和44年11月26日昭和44(し)68刑集 第23巻11号1490頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 報道の自由は、表現の自由を規定した憲法二一条の保障のもとにあり、報道のための取材の自由も、同条の精神に照らし、十分尊重に値いするものといわなければならない。 二 報道機関の取材フイルムに対する提出命令が許容されるか否かは、審判の対象とされている犯罪の性質、態様、軽重および取材したものの証拠としての価値、公正な刑事裁…
参照法条憲法21条,刑訴法99条,刑訴法262条,刑訴法265条
一 芸術的思想的価値のある文書と猥褻性 二 文書の部分についての猥褻性と文書全体との関係 三 憲法二一条二三条と公共の福祉 四 法律判断で無罪を言い渡した第一審判決を事実の取調をすることなく破棄し控訴裁判所がみずから有罪の判決をすることと刑…
最高裁判所大法廷昭和44年10月15日昭和39(あ)305刑集 第23巻10号1239頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 芸術的・思想的価値のある文書であつても、これを猥褻性を有するものとすることはさしつかえない。 二 文書の個々の章句の部分の猥褻性の有無は、文書全体との関連において判断されなければならない。 三 憲法二一条の表現の自由や同法二三条の学問の自由は、絶対無制限なものではなく、公共の福祉の制限の下に立つものである。 四 第…
参照法条刑法175条,憲法21条,憲法23条,刑訴法400条
控訴審において被告人に公判期日を通知することなく被告人不出頭のまま公判を開廷することの適否
最高裁判所大法廷昭和44年10月1日昭和44(し)22刑集 第23巻10号1161頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨控訴審において被告人に公判期日(判決宣告期日を含む。)の通知をすることなく、被告人が出頭しないまま公判を開廷することは違法である。
参照法条刑訴法273条2項,刑訴法404条,刑訴法390条
一 保釈保証金等を納付しまたは保証書を差し出した被告人以外の者の保証金没取決定に対する不服申立権の有無 二 あらかじめ告知・弁解等の機会を与えずになされた保証金没取決定と憲法第三一条第二九条
最高裁判所大法廷昭和43年6月12日昭和42(し)7刑集 第22巻6号462頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 被告人以外の者で、保釈保証金もしくはこれに代わる有価証券を納付し、または保証書を差し出したものは、保釈保証金没取決定につき刑訴法第三五二条にいう「検察官又は被告人以外の者で決定を受けたもの」に該当し、その者も右決定に対し不服の申立(抗告)をすることができる。 二 保釈保証金没取決定は、これに対し事後に不服申立の途が…
参照法条刑訴法94条,刑訴法352条,刑訴法96条2項,刑訴法96条3項,憲法31条,憲法29条
公職選挙法(昭和三七年法律第一一二号による改正前のもの)第二二一条第三項の「選挙運動を総括主宰した者」の意義と右にいう選挙運動の時期
最高裁判所大法廷昭和43年4月3日昭和41(あ)1863刑集 第22巻4号167頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨公職選挙法(昭和三七年法律第一一二号による改正前のもの)第二二一条第三項の「選挙運動を総括主宰した者」とは、公職の候補者の選挙運動を推進する中心的存在として、これを掌握指揮する立場にあつた者をいい、右にいう選挙運動とは、当該公職の候補者が正式の立候補届出または推薦届出により候補者としての地位を有するにいたつてから以後に…
参照法条公職選挙法(昭和37年法律112号による改正前のもの)221条3項,公職選挙法(昭和37年法律112号による改正前のもの)251条の2,刑訴法410条1項但書,刑訴法405条3号
一 起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮したことが憲法第三一条第三八条第三項に違反するとされた事例 二 原判決の憲法違反が判決に影響を及ぼさないとして上告が棄却された事例
最高裁判所大法廷昭和42年7月5日昭和40(あ)2611刑集 第21巻6号748頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 起訴されていない犯罪事実で、被告人の捜査官に対する自白のほかに証拠のないものを、いわゆる余罪として認定し、これをも実質上処罰する趣旨のもとに重い刑を科することは、憲法第三一条、第三八条第三項覆に違反する。 二 右のような憲法違反を犯している第一審判決を違法ではないとして認容した違憲が原判決にあつても、原判決が、結論…
参照法条憲法31条,憲法38条3項,刑訴法319条2項,刑訴法410条1項但書
一 電話による通知と裁判官の転補発令の効力 二 転補発令後の裁判官の関与した評議に基づく裁判が憲法第三七条第一項の「公平な裁判所の裁判」でないとはいえないとされた事例 三 再審を開始するか否かを定める手続は憲法第八二条の「裁判の対審及び判決…
最高裁判所大法廷昭和42年7月5日昭和40(し)98刑集 第21巻6号764頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 裁判官に対し、電話で、転補の発令があつた旨の通知がされたときは、辞令書の交付前であつても、右転補の発令は効力を生ずる。 二 転補の発令が効力を生じた後の裁判官が評議に関与した場合でも、その裁判官が評議に関与したのが、転補発令の通知を正式のものではないと考えていたためであり、かつ、その裁判官が、いつでもその裁判所の裁…
参照法条憲法37条1項,憲法82条,憲法81条,裁判所法47条,裁判所法19条1項,裁判所法75条,刑訴法445条,旧刑訴法503条,日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律18条
一 地方議会の議事進行に関連する議員の刑事犯罪と議会または議長の告訴告発 二 地方議会の議事進行に関する議長の措置が会議規則に違反していたとしても刑法第九五条第一項にいう公務員の職務の執行にあたるとされた事例
最高裁判所大法廷昭和42年5月24日昭和38(あ)1184刑集 第21巻4号505頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 地方議会の議事進行に関連する議員の刑事犯罪については、議会または議長の告訴告発を訴訟条件と解すべきではない。 二 地方議会の議長が議員から提出された質疑打切り、討論省略、全上程議案一括採決の動議に基づき全上程議案の一括採決を議場に諮ろうとした措置は、かりに会議規則に違反するものである等法令上の適法要件を完全には満た…
参照法条憲法51条,刑訴法230条,刑訴法239条,刑訴法338条4号,刑法95条1項,佐賀県議会会議規則(昭和32年3月14日佐賀県議会規則1号による改正前のもの)31条,佐賀県議会会議規則(昭和32年3月14日佐賀県議会規則1号による改正前のも…
刑訴法第二〇条第七号にいう前審の「裁判の基礎となつた取調に関与した」ときに当るとして除斥理由が認められた事例。
最高裁判所大法廷昭和41年7月20日昭和37(あ)1628刑集 第20巻6号677頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨ある裁判官が第一審裁判官としてその公判期日に証拠(判文参照)の取調をなし、該証拠が第一審判決の罪となるべき事実の認定の用に供されているときは、その裁判官は、刑訴法第二〇条第七号にいう前審の「裁判の基礎となつた取調に関与した」者としてその事件の控訴審における職務の執行から除斥される。
参照法条刑訴法20条7号
一 公職選挙法第二一一条第一項第一号の供与等を共謀した者の間における金銭又は物品の授受と同条項第五号の交付又は受交付の罪の成否 二 右共謀にかかる供与等が行なわれた場合における供与等の罪と交付又は受交付の罪との関係 三 前記共謀にかかる供与…
最高裁判所大法廷昭和41年7月13日昭和40(あ)1541刑集 第20巻6号623頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 公職選挙法第二二一条第一項第一号の供与等いわゆる買収を目的とする金銭又は物品を交付し、又はその交付を受ける行為は、右買収を共謀した者相互の間で行なわれた場合でも、同条項第五号の交付又は受交付の罪を構成するのに妨げない 二 前項の場合において、共謀にかかる供与等が行なわれたときは、交付又は受交付の罪は、後の供与等の罪…
参照法条公職選挙法221条1項1号,公職選挙法221条1項5号,刑法60条,刑法45条,刑訴法400条,刑訴法312条
起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮することと憲法第三一条第三九条
最高裁判所大法廷昭和41年7月13日昭和40(あ)878刑集 第20巻6号609頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮することは許されないが、単に被告人の性格、経歴および犯罪の動機、目的、方法等の情状を推知するための資料としてこれを考慮することは、憲法第三一条、第三九条に違反しない。
参照法条憲法31条,憲法38条3項,憲法39条,刑訴法317条,刑訴法319条2項,刑訴法319条3項
略式命令謄本の送達前になされた正式裁判請求の適否。
最高裁判所大法廷昭和40年9月29日昭和39(し)77刑集 第19巻6号749頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨略式命令謄本送達前になされた不適法な正式裁判請求も、右請求当時、同文の謄本が既に検察官および他の共同被告人に対しては送達されており、かつ、請求を受けた裁判所がこれを不適法として棄却する前に、請求人に対する送達が完了したときには、その瑕疵が治癒されると解すべきである。
参照法条刑訴法465条1項,刑訴法468条1項,刑訴規則34条本文
刑の執行猶予取消決定に対する即時抗告棄却決定の告知後特別抗告提起期間の満了前に猶予期間が経過した場合と刑の執行。
最高裁判所大法廷昭和40年9月8日昭和40(し)21刑集 第19巻6号636頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨刑の執行猶予取消決定に対する即時抗告棄却決定が、刑の言渡を受けた者に告知された後特別抗告提起期間の満了前に、猶予期間が経過した場合においても、右決定の執行停止がなされない限り、その告知により執行猶予取消の効果が発生し、刑の執行をなし得るものと解すべきである。
参照法条刑法27条,刑訴法434条,刑訴法424条
刑訴法第四五八条第一号により原略式命令破棄、被告人無罪の言渡がなされた事例。
最高裁判所大法廷昭和40年7月14日昭和39(さ)7刑集 第19巻5号585頁
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裁判要旨道路交通法第七条第一項の規定に基づく考案委員会告示により特定交差点における車両の右折が原則として禁止され、特定方向からの特定種類の車両による右折のみは除外されていた場合において、除外された右折にあたる事実を有罪と認めた略式命令が確定したときは、刑訴法第四五八条第一号により原略式命令破棄、被告人無罪の言渡をすべきである。
参照法条刑訴法458条1号,刑訴法336条,昭和37年3月13日京都府公安委員会告示別表1号
刑訴法第二二条は、憲法第三七条第一項に違反するか。
最高裁判所大法廷昭和39年3月12日昭和38(し)33刑集 第18巻3号107頁
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裁判要旨刑訴法第二二条は、憲法第三七条第一項に違反しない。
参照法条刑訴法22条,憲法37条1項
一 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法施行前第三者所有物を没収した第一審判決を破棄する場合と同法施行後において上訴審のとるべき措置 二 関税法第一一八条の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された場合、最終知情取得者また…
最高裁判所大法廷昭和38年12月4日昭和35(あ)1772刑集 第17巻12号2415頁
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裁判要旨一 上訴審が、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法施行前、第三者に告知聴問の機会を与えることなくその所有物を没収した第一審判決を破棄する場合、同法施行後においては、当該事件を第一審に差し戻して、同法所定の手続を履践させるのが相当である。 二 関税法第一一八情の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された…
参照法条関税法118条1項,関税法118条,関税法138条,刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法1条,刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法(昭和38年法律138号),刑訴法400条本文,刑訴法413条本文,憲…
一 加持祈祷の結果人を死亡させた行為と憲法第二〇条第一項 二 捜査の必要上、宗教的行事の外形を再現した検証調書と証拠能力の有無
最高裁判所大法廷昭和38年5月15日昭和36(あ)485刑集 第17巻4号302頁
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裁判要旨一 精神異常者の平癒を祈願するために宗教行為として加持祈祷行為がなされた場合でも、それが原判決の認定したような他人の生命、身体等に危害を及ぼす違法な有形力の行使に当るものであり、それにより被害者を死に致したものである以上、憲法第二〇条第一項の信教の自由の保障の限界を逸脱したものというほかなく、これを刑法第二〇五条に該当…
参照法条憲法20条1項,刑法205条,刑訴法218条,刑訴法220条,刑訴法318条,刑訴法321条3項
一 外国とみなされていた地域から貨物の無免許輸入等の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無 二 第三者所有物の没収の違憲と旧関税法第八三条第三項による追徴の適否
最高裁判所大法廷昭和37年12月12日昭和29(あ)566刑集 第16巻12号1672頁
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裁判要旨一 北緯二九度以南、同二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで、同地域から貨物を輸入しまたはその貨物を故買、牙保した罪について、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されるものと解すべきである。 二 旧関税(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第…
参照法条旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)76条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)76条の二,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)104条,旧関税法(明治32年法律…
一 出入国管理令第六〇条の合憲性 二 出入国管理令第六〇条第二項違反罪における訴因の特定
最高裁判所大法廷昭和37年11月28日昭和34(あ)1678刑集 第16巻11号1633頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 出入国管理令第六〇条は、憲法第二二条第二項に違反しない。 二 密出国の日時を「昭和二七年四月頃より同三三年六月下旬まで」、その場所を「本邦より本邦外の地域たる中国に」と各表示し、その方法につき具体的な表示をしていない起訴状であつても、検察官の冒頭陳述により、被告人は昭和二七年四月頃までは本邦に在住していたが、その後…
参照法条出入国管理令60条,出入国管理令71条,憲法22条2項,刑訴法256条3項
旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条の改正と刑の廃止の有無
最高裁判所大法廷昭和37年4月4日昭和34(あ)125刑集 第16巻4号345頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条による第二種原動機付自転車の二人乗の禁止が同条の改正により廃止されても、その廃止前にこれに違反した行為について、同施行令第七二条第三号の刑の廃止があつたものということはできない。
参照法条旧道路交通取締法23条1項,旧道路交通取締法30条,旧道路交通取締法施行令41条,旧道路交通取締法施行令72条3号,旧新潟県道路交通取締規則(昭和31年新潟県公安委員会規則1号)8条,旧新潟県道路交通取締改正規則(昭和33年新潟県公安委員会…
一 弁論の分離決定によつて著しく裁判の遅延を招来するものということはできないとした事例 二 特別抗告について刑訴法第四一一条の準用があるか 三 公判期日を追つて指定する旨の裁判長の処分が迅速裁判の要請に著しく反し違法であるとされた事例
最高裁判所大法廷昭和37年2月14日昭和36(し)38刑集 第16巻2号85頁
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裁判要旨一 抗告趣意第一点は、原分離決定は、著しく裁判の遅延を招来するものであるから憲法三七条1項に違反すると主張するが、原分離決定は、被告人Aに対する被告事件と他の被告人に対する被告事件とを別個に審判する効果を有するにすぎないから、これによつて著しく裁判の遅延を招来するものということはできない。 二 特別抗告については、刑訴…
参照法条刑訴法313条,刑訴法1条,刑訴法433条,刑訴法434条,刑訴法411条,刑訴法273条,憲法37条1項
控訴審において主張判断のない訴訟手続に関する主張を上告理由とすることの適否。
最高裁判所大法廷昭和36年7月19日昭和35(あ)1721刑集 第15巻7号1194頁
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裁判要旨控訴審において主張判断のない訴訟手続に関する主張は、適法な上告理由とならない。
参照法条刑訴法405条,刑法180条
公職選挙法第二五三条の二の規定の合憲性。
最高裁判所大法廷昭和36年6月28日昭和35(あ)672刑集 第15巻6号1015頁
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裁判要旨公職選挙法第二五三条の二の規定(いわゆる百日裁判の規定)は、憲法第一四条第一項、第三七条第一項、第二項に違反しない。
参照法条憲法14条1項,憲法37条1項,憲法2項,公職選挙法253条の2,刑訴法1条
一 被疑者の緊急逮捕に着手する以前その不在中になされた捜索差押は適法か 二 右捜索差押調書および捜索差押にかかる麻薬に対する鑑定書の証拠能力
最高裁判所大法廷昭和36年6月7日昭和31(あ)2863刑集 第15巻6号915頁
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裁判要旨一 司法警察官の職務を行う麻薬取締官が麻薬不法譲渡罪の被疑者を緊急逮捕すべくその自宅に赴いたところ、被疑者が他出中であつたが、帰宅次第逮捕する態勢をもつて同人宅の捜索を開始し、麻薬を押収し、捜索の殆んどを終る頃帰宅した同人を適法に緊急逮捕した本件の場合の如く、(判文参照)、捜索差押が緊急逮捕に先行したとはいえ、時間的に…
参照法条憲法33条,憲法35条,刑訴法210条,刑訴法220条,刑訴法309条,刑訴法326条
取引高税法(昭和二三年法律第一〇八号)第四八条第一項のいわゆる両罰規定における事業主たる法人または人に対する公訴時効。
最高裁判所大法廷昭和35年12月21日昭和29(あ)1303刑集 第14巻14号2162頁
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裁判要旨取引高税法(昭和二三年法律第一〇八号)第四八条第一項のいわゆる両罰規定における事業主たる法人または人に対する公訴時効は、その法人または人に対する法定刑たる罰金刑につき定められた三年の期間を経過することによつて完成する。
参照法条取引高税法(昭和23年法律108号昭和24年法律43号による改正前のもの)48条1項,取引高税法(昭和23年法律108号昭和24年法律43号による改正前のもの)41条1項1号,取引高税法(昭和23年法律108号昭和24年法律43号による改正…
一 刑訴法第三五条但書の特別の事情がなくなつたものと認められた事例 二 憲法第九条の立法趣旨 三 憲法第九条第二項の戦力不保持の規定の立法趣旨 四 憲法第九条はわが国の自衛権を否定するか 五 憲法はわが国が自国の平和と安全を維持しその存立を…
最高裁判所大法廷昭和34年12月16日昭和34(あ)710刑集 第13巻13号3225頁
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裁判要旨一 刑訴規則第二五四条の跳躍上告事件において、審判を迅速に終結せしめる必要上、被告人の選任すべき弁護人の数を制限したところ、その後公判期日および答弁書の提出期日がきまり、かつ弁護人が公判期日に弁論をする弁護人の数を自主的に〇人以内に制限する旨申出たため、審理を迅速に終結せしめる見込がついたときは、刑訴第三五条但書の特別…
参照法条刑訴法35条,刑訴規則26条,憲法前文,憲法9条1項,憲法9条2項,憲法98条2項,憲法9条,憲法73条3号,憲法76条3項,憲法81条,憲法98条,日本とアメリカ合衆国間の安全保障条約前文,日本とアメリカ合衆国間の安全保障条約1条,日本と…
一 上告審で提出命令が出せるか 二 上告審における証拠物の取調方法 三 上告審で取り調べた証拠物はどの程度に判断の資料となし得るか。 四 共謀共同正犯における共謀または謀議は罪となるべき事実か。 五 事実誤認を疑うに足りる顕著な事由がある場…
最高裁判所大法廷昭和34年8月10日昭和29(あ)1671刑集 第13巻9号1419頁
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裁判要旨一 本件における「諏訪メモ」の如き証拠物については上告審で所有者にその提出を命ずることができる。 二 上告審で右の証拠物を取り調べるにあたつては、公判にこれを顕出するをもつて足りる。 三 上告審は右の方法で取り調べた証拠物を原判決の事実認定の当否を判断する資料に供することができる。 四 共謀共同正犯における共謀または謀…
参照法条刑訴法99条2項,刑訴法303条,刑訴法305条,刑訴法306条,刑訴法307条,刑訴法317条,刑訴法404条,刑訴法409条,刑訴法414条,刑訴法335条1項,刑訴法411条3号,刑法60条
一 憲法第三五条と捜索差押許可状の記載事項。 二 捜索差押許可状には、罪名のほか適用法条を記載することを要するか。
最高裁判所大法廷昭和33年7月29日昭和33(し)16刑集 第12巻12号2776頁
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裁判要旨一 憲法第三五条は、捜索、押収については、その令状に、捜索する場所および押収すべき物を明示することを要求しているにとどまり、その令状が正当な理由に基いて発せられたことを明示することまでは要求していないものと解すべく、捜索差押許可状に被疑事件の罪名を、適用法条を示して記載することは憲法の要求するところではない。 二 捜索…
参照法条憲法35条,刑訴法219条
一 控訴審の公判と憲法第三七条第一項および第八二条第一項。 二 量刑過重の控訴趣意と量刑過軽の控訴趣旨がいずれも理由ありとした控訴審判決の説示と理由そごの有無。
最高裁判所大法廷昭和33年7月2日昭和27(あ)276刑集 第12巻11号2377頁
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裁判要旨一 控訴審における公判の審理が、単に、控訴趣意書に基く陳述とこれに対する相手方の答弁だけであつても、被告人に対しては、右公判に出頭する機会が適法に与えられ、しかも検察官が出席し、弁護人が出頭して、弁論をしている以上、憲法第三七条第一項、第八二条第一項に違反しない。 二 第一審の有罪判決に対し、検察官、被告人双方共控訴を…
参照法条憲法37条1項,憲法82条1項,刑訴法389条,刑訴法390条,刑訴法400条但書,刑訴法378条4号,刑訴法397条1項,刑訴法381条
原判決をした大法廷を構成する裁判官の退官による定足数の不足とその判決に対する訂正申立についての裁判をなすべき裁判所の構成。
最高裁判所大法廷昭和33年7月2日昭和33(み)24刑集 第12巻11号2394頁
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裁判要旨原判決をした大法廷を構成する裁判官が退官したため、右大法廷判決に対する判決訂正の申立について裁判しようとする時において、その定足数を欠くときは、新たに任命された裁判官を加えた大法廷で右訂正申立についての裁判をなすべきである。
参照法条刑訴法415条,刑訴法416条,刑訴規則270条,最高裁判所裁判事務処理規則7条
一 いわゆる共謀共同正犯の成立要件 二 実行行為に関与しない共謀者の刑責と憲法第三一条 三 「共謀」または「謀議」は、共謀共同正犯における「罪となるべき事実」であるか 四 共謀の判示方法 五 憲法第三八条第二項の法意 六 憲法第三八条第三項…
最高裁判所大法廷昭和33年5月28日昭和29(あ)1056刑集 第12巻8号1718頁
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裁判要旨一 いわゆる共謀共同正犯が成立するには、二人以上の者が特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となつて互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし、よつて犯罪を実行した事実が存しなければならない 二 いわゆる共謀共同正犯成立に必要な共謀に参加した事実が認められる以上、直接実行行為に関与しな…
参照法条刑法60条,憲法31条,憲法38条2項,憲法38条3項,刑訴法335条,刑訴法335条1項,刑訴法317条,刑訴法318条,刑訴法319条
一 旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前のもの)第八三条第三項の意義と憲法第一四条 二 密輸出入行為の用に供した船舶の換価処分と犯人の占有
最高裁判所大法廷昭和33年3月5日昭和26(あ)3100刑集 第12巻3号384頁
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裁判要旨一 旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前のもの)第八三条第三項は、共に起訴された共犯者の一人または数人がその物の所有者であることが明らかである場合には、必ずしも、右共犯者全員のそれぞれに対し、各独立して物の原価全額の追徴を命じなければならぬものと解すべきではなく、その物の所有者たる被告人のみに対して追徴を命ずる…
参照法条旧関税法(明治32年法律61号―昭和29年法律61号による改定前のもの)83条1項,旧関税法(明治32年法律61号―昭和29年法律61号による改定前のもの)83条2項,旧関税法(明治32年法律61号―昭和29年法律61号による改定前のもの)…
累犯となる前科を認定する証拠書類と刑訴法第三〇五条による取調の要否
最高裁判所大法廷昭和33年2月26日昭和32(あ)1029刑集 第12巻2号316頁
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裁判要旨累犯となる前科を認定する証拠書類は、刑訴法第三〇五条による取調をなすことを要するものと解すべきである。
参照法条刑訴法305条,刑訴法335条1項,刑訴法317条,刑法56条,刑法57条
刑法第二六条第三号による刑の執行猶予の取消の要件
最高裁判所大法廷昭和33年2月10日昭和31(し)32刑集 第12巻2号135頁
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裁判要旨刑法第二六条第三号により刑の執行猶予を取消すには、検察官において、上訴の方法により、違法に言渡されたの執行猶予の判決を是正する途がとざされた場合すなわち、執行猶予の判定確定によつて進行を始めた猶予期間中に、「猶予ノ言渡前他ノ罪ニ付禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルコト」が、検察官に発覚したときであることを要する。
参照法条刑法26条,憲法39条,刑訴法349条,刑訴法433条
一 控訴審において主張判断のない事項を上告理由とすることの適否。 二 旧関税法第八三条第一項の法意と憲法第二九条。
最高裁判所大法廷昭和32年11月27日昭和26(あ)1897刑集 第11巻12号3132頁
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裁判要旨一 所論は原審において主張判断を経ない事項であるから、上告適法の理由とならない。 二 (所論の要旨)原判決の支持する第一審判決によれば「関税法第八三条第一項により主文第二項記載の物件を没収する」と摘示しており、右物件中にはAが包含せられている。これによつてこれを見れば、右法条中犯人の占有に係るものとして、右船舶を没収し…
参照法条旧関税法(明治32年法律61号−昭和23年法律107号により改正されたもの)83条,旧関税法(明治32年法律61号−昭和23年法律107号により改正されたもの)76条,旧関税法(明治32年法律61号−昭和23年法律107号により改正のもの)…
外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
最高裁判所大法廷昭和32年10月9日昭和25(あ)2778刑集 第11巻10号2497頁
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裁判要旨北緯二九度以南、同二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若しくは密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されたものと解すべきである。
参照法条旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正されたもの)76条,旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正されたもの)104条,旧関税法(昭和26年法律271号により改正されたもの)104条,関税法10…
外国とみなされていた地域からの貨物無免許輸入の罪と、右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
最高裁判所大法廷昭和32年10月9日昭和27(あ)2456刑集 第11巻10号2509頁
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裁判要旨北緯三〇度以南の南西諸島(口之島を含む)が外国とみなされていた当時免許を受けないで貨物を同地域から日本内地に密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されたものと解すべきである。
参照法条旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正のもの)104条,旧関税法(昭和25年法律117号により改正されたもの)76条,関税法104条、関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大…
一 人事院規則一四−七政治的行為第五項第一号にいう「特定の候補者」には、「立候補しようとする特定人」を含むか 二 控訴審の差戻判決は上告審を拘束するか 三 最高裁判所が上告受理の申立を理由ありとして原判決を破棄する場合の法条 四 想像的併合…
最高裁判所大法廷昭和32年10月9日昭和29(あ)499刑集 第11巻10号2520頁
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裁判要旨一 昭和二四年九月一九日人事院規則一四−七政治的行為第五項第一号にいう「特定の候補者」とは、法令の規定にもとづく正式の立候補届出または推薦届出により候補者としての地位を有するに至つた特定人を指すものと解すべきであつて、「立候補しようとする特定人」を含むものと解することはできない。 二 第一次の控訴審が第一審判決の法令解…
参照法条人事院規則14−7政治的行為(昭和24年9月19日),国家公務員法102条,国家公務員法110条1項19号,裁判所法4条,刑訴法406条,刑訴法411条1号,刑訴法357条
被告人の裁判所に対する「私選弁護人は頼まない」旨の意思表示と国選弁護人選任請求の有無の解釈
最高裁判所大法廷昭和32年7月17日昭和32(あ)300刑集 第11巻7号1842頁
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裁判要旨国選弁護人選任請求の意思も表示されておらず、またなにら理由も付されていない、被告人の裁判所に対する「私選弁護人は頼まない」旨の意思表示は、国選弁護人選任の請求とみることはできない。
参照法条憲法37条3項,刑訴法36条,刑訴法289条,刑訴規則28条
控訴審が被告人から国選弁護人選任の請求があつたのに、その選任を遅延し控訴趣意書差出最終日経過後に国選弁護人を選任した措置が刑訴法第三六条、憲法第三七条第三項後段違反とならない事例
最高裁判所大法廷昭和32年6月19日昭和31(あ)3848刑集 第11巻6号1673頁
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裁判要旨控訴審が被告人から貧困を理由に国選弁護人選任の請求があつたのにその選任を遅延し、控訴趣意書差出最終日を経過した後に至り国選弁護人を選任した場合において、改めて同弁護人に対し控訴趣意書を提出する機会を与える措置をとらなかつたとしても、同弁護人において自ら控訴趣意書を提出するため右最終日の変更方その他格別の請求をすることな…
参照法条憲法37条,刑訴法36条,刑訴規則236条,刑訴規則238条
拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が誤つて同姓同名の他の在監者に交付された場合と公訴提起の効力
最高裁判所大法廷昭和32年6月12日昭和31(し)49刑集 第11巻6号1649頁
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裁判要旨拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が、誤つて同姓同名の他の在監者に交付され、被告人がその交付を受けなかつた場合には、起訴状の謄本の送達がなかつた場合と同様に、公訴の提起はさかのぼつてその効力を失う。
参照法条刑訴法54条,刑訴法271条,民訴法168条,監獄法48条
上告趣意書不提出の被告人に対して大赦を理由とする破棄判決の要否
最高裁判所大法廷昭和32年2月27日昭和31(あ)3701刑集 第11巻2号935頁
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裁判要旨有罪の第二審判決に対し、被告人から上告中大赦があつたときは、被告人が所定期間内に上告趣意書を差し出さなくても刑訴第四一一条第五号により原判決を破棄すべきである。
参照法条刑訴法411条5号,刑訴法337条3号,刑訴法414条,刑訴法376条,刑訴法386条1項1号
一 憲法第三八条第一項の法意 二 氏名の黙秘権の有無 三 氏名黙秘の弁護人選任届の却下は憲法第三七条第三項第三八条第一項に違反するか 四 憲法第二八条の保障する団体行動に該当しない一事例
最高裁判所大法廷昭和32年2月20日昭和27(あ)838刑集 第11巻2号802頁
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裁判要旨一 憲法第三八条第一項は、何人も自己が刑事上の責任を問われる虞ある事項について供述を強要されないことを保障したものと解すべきである。 二 被告人の氏名の如きは原則として、不利益な事項ということはできず、それにつき黙秘する権利があるとはいえない。 三 被告人が氏名を黙秘し監房番号の自署、拇印等により自己を表示し、弁護人が…
参照法条憲法38条1項,憲法37条3項,憲法28条,刑訴法291条,刑訴規則18条,刑訴規則196条,刑訴規則197条
一 麻薬取締法第六七条等の合憲性 二 書面審理と憲法第八二条第一項 三 包括一罪を構成する一部の行為に対する追起訴状の提出と二重起訴 四 旧麻薬取締法の一部を改正する昭和二七年法律第一五二号の施行期日の前後にまたがる常習行為の適条
最高裁判所大法廷昭和31年12月26日昭和29(あ)1400刑集 第10巻12号1746頁
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裁判要旨一 麻薬取締法第六七条等は憲法第二二条第一項に違反しない。 二 一審裁判所は、被告人、弁護人の出頭した公開の公判廷で審理を行い、被告人は犯罪事実をすべて自認し、弁護人同意の下に証拠書類について適法に証拠調を終つた上、弁論を終結して判決し、控訴審もまた公開した公判廷において出頭した弁護人の控訴趣意書に基く弁論並びにこれに…
参照法条麻薬取締法67条,麻薬取締法66条,麻薬取締法64条,麻薬取締法12条,麻薬取締法附則第2項,16項,憲法22条1項,憲法82条1項,憲法39条,刑訴法312条,刑訴法309条2項,刑訴法338条3号,刑訴規則209条,刑訴規則205条2項…
地方裁判所の一人の裁判官のした保釈許可決定に対する不服の申立を審判すべき裁判所
最高裁判所大法廷昭和31年6月13日昭和31(し)14刑集 第10巻6号847頁
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裁判要旨地裁の一人の裁判官をもつて構成する裁判所としての保釈許可決定は、刑訴第四二九条にいう「その他の裁判官がした裁判」にはあたらず、これに対する抗告審は高等裁判所である。
参照法条刑訴法97条,刑訴法419条,刑訴法429条1項2号
上告棄却決定に対する再審請求の適否
最高裁判所大法廷昭和31年5月21日昭和30(き)4刑集 第10巻5号717頁
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裁判要旨上告を棄却した確定決定に対しても再審の請求をなし得る。
参照法条刑訴法436条1項
上告裁判所の判決訂正の要件
最高裁判所大法廷昭和30年12月23日昭和30(み)23刑集 第9巻14号2963頁
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裁判要旨刑訴法第一四五条による判決の訂正は、判決の内容に誤のあることを発見した場合に限りすることができる。
参照法条刑訴法415条,刑訴規則270条
高等裁判所の判例と相反する判断をした原判決に対する上告と、上告申立後最高裁判所によりその判例が変更された場合の措置
最高裁判所大法廷昭和30年12月21日昭和27(あ)4637刑集 第9巻14号2912頁
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裁判要旨原判決が高裁の判例と相反する判断をし、これを理由として上告された場合に、上告申立後先例たる高等裁判所の判例が最高裁判所の判決により変更されたときは、最高裁判所はその上告を棄却すべきものである。
参照法条刑訴法405条3号,刑訴法410条2項,刑訴法414条,刑訴法396条
一 覚せい剤取締法第一四条にいわゆる「所持」の概念 二 覚せい剤取締違法第四一条第一項が第一号から第五号までの所為に対し同一の法定刑を定めたことは憲法第一三条に違反するか 三 被告人にとり不利益な主張であつて上告理由として許されない一事例
最高裁判所大法廷昭和30年12月21日昭和30(あ)2311刑集 第9巻14号2946頁
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裁判要旨一 覚せい剤取締法第一四条にいわゆる「所持」の概念は明確を欠くものではない。 二 覚せい剤取締法第四一条第一項がその第一号から第五号までの所為に対し、同一の法定刑を定めたからといつて、憲法第一三条に違反しない 三 押収の覚せい剤を没収しなかつた第一審判決の違法を職権により匡正しないでこれを看過した原判決は違法であると主…
参照法条覚せい剤取締法14条,覚せい剤取締法41条,覚せい剤取締法41条の3,憲法13条,憲法31条,刑訴法405条
刑訴第二一〇条の緊急逮捕の規定は合憲か
最高裁判所大法廷昭和30年12月14日昭和26(あ)3953刑集 第9巻13号2760頁
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裁判要旨刑訴第二一〇条の緊急逮捕の規定は憲法第三三条に違反しない。
参照法条憲法33条,刑訴法210条
審判の請求を受けない事件について判決をしたものとならない事例
最高裁判所大法廷昭和30年11月30日昭和26(あ)3472刑集 第9巻12号2529頁
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裁判要旨起訴状に「被告人は納税組合設立の件が議せられている労働組合大会の席上『現在a町で工事中の観光道路は幅三間で戦車が通るようになつているという事は米ソ戦争の際アメリカの軍用道路に使われるのだ。現在の警察予備隊七万五千名は売国奴吉田によつて戦争に駆り立てられているのは明らかで、其の拳銃も我々の税金で賄われているので其の様な税…
参照法条刑訴法256条1乃至3項,刑訴法312条,刑訴法378条3号,地方税法12条1項
外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域のわが国への復帰による刑の廃止の有無
最高裁判所大法廷昭和30年7月20日昭和28(あ)371刑集 第9巻9号1922頁
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裁判要旨口の島を含む北緯三〇度以南、北緯二九度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し、外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
参照法条関税法(昭和25年法律117号による改正前)76条,関税法(昭和25年法律117号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)1条,関税法104条関…
上告棄却決定前に被告人が死亡していたことを理由とする右決定に対する不服申立
最高裁判所大法廷昭和30年7月18日昭和28(す)223刑集 第9巻9号1878頁
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裁判要旨最高裁判所が刑訴第四一四条、第三八六条第一項三号により上告棄却の決定をしたのち、三日の異義申立期間経過後に、弁護人から右決定前に被告人が死亡していたことを理由として公訴棄却の決定を求める旨の申立をしても、右申立は不適法として棄却する外はない。
参照法条刑訴法414条,刑訴法386条1項3号,刑訴法2項,刑訴法385条2項,刑訴法422条,刑訴法415条,刑訴法404条,刑訴法339条1項4号
一 刑訴第三七九条にいう「訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかである」の意義 二 刑法第一二七条にいう「前条」には刑法第一二六条第三項を含むか 三 刑法第一二六条第三項にいう「人」には車外の人を含むか 四 刑…
最高裁判所大法廷昭和30年6月22日昭和26(あ)1688刑集 第9巻8号1189頁
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裁判要旨一 刑訴第三七条の場合は、訴訟手続の法令違反が判決に影響を及ぼすべき可能性があるというだけでは、控訴理由とすることはできないのであつて、その法令違反がなかつたならば現になされている判決と異る判決がなされたであろうという蓋然性がある場合でなければ、同条の法令違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであるということはできない。…
参照法条刑訴法379条,刑訴法400条,刑訴法319条2項,刑訴法319条1項,刑訴法376条,刑法127条,刑法126条3項,憲法13条,憲法36条,憲法31条,憲法38条3項,憲法28条,憲法38条2項,公共企業体労働関係法2条,公共企業体労働…
一 甲事件について起訴勾留中の被告人を乙事件の被疑者として取り調べることの合憲性 二 甲事件につき起訴勾留された被告人を乙事件の被疑者として約三九日間連続約五〇回にわたり取り調べたことと憲法第三八条第一項にいう「不利益な供述の強要」 三 憲…
最高裁判所大法廷昭和30年4月6日昭和26(れ)2518刑集 第9巻4号663頁
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裁判要旨一 検察官が、まず甲事件について起訴勾留の手続をとつた後、右勾留中の被告人を乙事件の被疑者として取り調べたとしても、検察官においてはじめから乙事件の取調に利用する目的または意図をもつて、ことさらに甲事件を起訴し、かつ不当に勾留を請求したものと認められない場合には、右取調をもつて直ちに自白を強制し、不利益な供述を強要した…
参照法条憲法38条1項,憲法38条2項,憲法36条,憲法37条2項,刑訴応急措置法10条1項,刑訴応急措置法10条2項,刑訴応急措置法11条2項,刑法11条1項,監獄法71条,監獄法72条,刑訴法294条,刑訴法295条,旧刑訴法205条1項,裁判…
一 農業団体法第六七条の合憲性 二 犯罪の個数の認定の誤による罰金合算額の相違が判決に影響することが明らかでない一事例
最高裁判所大法廷昭和30年3月16日昭和27(あ)697刑集 第9巻3号461頁
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裁判要旨一 農業団体法第六七条は憲法に違反しない。 二 犯罪の個数の認定を誤つたため罰金の合算額が正当な合算額を超えている場合であつても、宣告刑が正当な合算額の範囲内であつて、しかも甚だ低いものである場合には、右の法令違反は、判決に影響することが明らかであるとはいえない。
参照法条憲法13条,憲法14条,農業団体法67条,刑訴法380条,刑法55条
一 昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反した不法出国の罪と刑の廃止 二 外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域のわが国えの復帰による刑の廃止の有無
最高裁判所大法廷昭和30年2月23日昭和27(あ)434刑集 第9巻2号344頁
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裁判要旨一 日本人が、昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に対する覚書」に違反して、同司令官の承認を受けないで不法に本邦から出国したとの、昭和二五年政令第三二五号違反の罪については、昭和二六年一二月一日以降の廃止があつたものである。 二 南西諸島大島郡が外国とみなされていた当時、免許を…
参照法条刑法6条,刑訴法337条2号,昭和25年政令325号占領目的阻害行為処罰令,昭和22年4月14日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」,昭和26年6月2日附連合国最高司令官の「旅券発行の権限に関する覚書」,…
昭和二二年四月一四日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反した不法出国の罪と刑の廃止
最高裁判所大法廷昭和29年12月1日昭和27(あ)1570刑集 第8巻12号1911頁
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裁判要旨日本人が昭和二二年四月一四日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反して、同指令官の承認を受けないで不法に本邦から出国したとの昭和二五年政令三二五号違反の罪については、昭和二六年一二月一日以降刑の廃止があつたものである。
参照法条刑法6条,刑訴法337条2号,昭和25年政令325号占領目的阻害行為処罰令,昭和22年4月14日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」,昭和26年6月2日附連合国最高指令官の「旅券発行の権限に関する覚書」,…
一 昭和二三年七月七日法律第一一〇号による改正後で、同二五年七月三一日法律第二二六号による改正前の地方税法第一三六条第二項の合憲性 二 昭和二三年七月七日法律一一〇号による改正後で、同二後年七月三一日法律第二二六号による改正前の地方税法(以…
最高裁判所大法廷昭和29年11月10日昭和26(あ)990刑集 第8巻11号1749頁
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裁判要旨一 旧地方税法第一三六条第二項は憲法第一三条、第三六条に違反しない。 二 旧地方税法第一三六条第二項の不納入罪は特別徴収義務者が納入すべき金額を納入しないで法定の期限を経過することによつて当然に成立するものであつて、これに対して同法第四一条の督促状を発することは右不納入罪の成立要件ではない。 三 判決に被告人が入場税お…
参照法条旧地方税法136条2項(昭和23年7月7日法律110号による改正後で、同25年7月31日法律226号による改正前のもの),旧地方税法136条1項,旧地方税法136条2項,旧地方税法136条3項,旧地方税法140条,旧地方税法36条,旧地方税…
公益事業令失効後従前の電気事業法第三三条違反の所為は免訴すべきか
最高裁判所大法廷昭和29年11月10日昭和27(あ)1676刑集 第8巻11号1791頁
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裁判要旨電気事業法第三三条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇号二四日かぎりで失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
参照法条刑法6条,刑訴法411条5号,刑訴法337号2号,電気事業法(昭和6年法律61号)33条,公益事業令(昭和25年政令343号)1条,公益事業令(昭和25年政令343号)83条,公益事業令附則1項,公益事業令附則2項,公益事業令附則3項,ポツ…
同一法令違反の罪につき共同審理のもとに有罪判決を受け共に上告申立をした共同被告人中一部の者に対しては右法令の失効を理由として原判決を破棄すべき場合と右上告申立人中上告趣意書を提出しなかつた者に対する裁判
最高裁判所大法廷昭和29年9月8日昭和24(れ)1128刑集 第8巻9号1467頁
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裁判要旨原審で同一法令違反の罪につき共同審理のもとに有罪判決を受け、ともに上告の申立をした共同被告人の一人が、旧刑訴第四二三条所定の期間内に上告趣意書を提出しなかつたときは、他の上告申立人については既に国法としての効力を失つた右法令を適用した違法があることを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上告趣意書を提出しなかつた上告…
参照法条旧刑訴法423条,旧刑訴法427条,旧刑訴法434条,旧刑訴法451条,銃砲火薬類取締法(明治43年法律第53号)14条,銃砲火薬類取締法施行規則(明治44年勅令第16号)22条,銃砲火薬類取締法施行規則(明治44年勅令第16号)45条
一 上告申立をした原審弁護人がその資格で提出した上告趣意書の効力 二 上告趣意書提出期間後に上告審の弁護届を提出した原審弁護人が右期間内に提出した上告趣意書の効力 三 刑法第九五条と鉄道営業法第三八条との関係
最高裁判所大法廷昭和29年7月7日昭和24(れ)1028刑集 第8巻7号1052頁
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裁判要旨一 自ら上告申立をした原審弁護人が上告趣意書提出期間内にその資格で上告趣意書を提出した場合でも、右上告趣意は審理の対象とさるべきものである。 二 上告趣意書提出期間内に、原審弁護人が、その資格で上告趣意書を提出した場合でも、裁判の時まで上告審の弁護届が追完されたときは、右上告趣意は拒否さるべきではなく、審理するを相当す…
参照法条旧刑訴法379条,旧刑訴法423条,旧刑訴法41条1項,旧刑訴法42条,刑法54条,刑法95条,鉄道営業法38条
一 公判調書紛失の場合とその公判期日における訴訟手続の適法性の証明 二 紛失した公判調書における裁判長裁判所書記の署名捺印の存否とその公判期日における訴訟手続の適否
最高裁判所大法廷昭和29年4月28日昭和27(れ)30刑集 第8巻4号584頁
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裁判要旨一 公判調書がすべて紛失して存在しない場合には、上告裁判所は自ら旧刑訴第四三五条によつて事実の取調をした上で、公判期日における訴訟手続が適法に行われたか否かを認定することができる。 二 公判調書紛失のため、公判調書以外の資料により公判期日における訴訟手続がすべて適法に行われたことが認められた場合には、その紛失した公判調…
参照法条旧刑訴法60条,旧刑訴法63条,旧刑訴法64条,旧刑訴法435条
特別抗告と原決定を取り消しても実益がないようになつたときの処置
最高裁判所大法廷昭和29年4月26日昭和26(し)96刑集 第8巻4号539頁
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裁判要旨地方裁判所の裁判官がした保釈許可決定(保障金額一〇万円)に対し地方裁判所(合議体)が抗告裁判所としてした保釈保証金変更決定(三万円に変更)により被告人が釈放された場合に右決定に対し、更に高等裁判所がその保証金額を変更した決定(七万円に変更)に対する特別抗告事件において、被告人が保釈許可決定の指定条件に違反したため保釈を…
参照法条刑訴法429条,刑訴法432条,刑訴法427条,刑訴法433条
一 予備罪と中止未遂の関係 二 第一審判決の不定期刑を第二審が定期刑にする場合と旧刑訴第四〇三条
最高裁判所大法廷昭和29年1月20日昭和24(れ)1881刑集 第8巻1号41頁
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裁判要旨一 予備罪には中止未遂の観念を容れる余地がない。 二 第一審が旧少年法第八条に従い、懲役二年六月以上四年以下の不定期刑を言い渡した被告人が控訴の申立をした事件において、第二審がその判決時において既に成人となつていた被告人に対し、右不定期刑の中間位である三年三月より重い懲役四年の定期刑を言い渡したときは旧刑訴第四〇三条に…
参照法条刑法43条,刑法237条,刑法10条,旧刑訴法403条,旧少年法8条
一 いわゆる審判請求を棄却した決定の性質 二 審判請求棄却決定に対する不服申立の方法
最高裁判所大法廷昭和28年12月22日昭和26(し)71刑集 第7巻13号2595頁
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裁判要旨一 刑訴第二六六条第一号により同法第二六二条第一項のいわゆる審判請求を棄却した決定は、同法第四二〇条の「裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定」にあたらない。 二 刑訴第二六六条第一号によりいわゆる審判請求を棄却した決定に対しては、刑訴第四一九条による抗告をすることができる。
参照法条刑訴法262条1項,刑訴法266条1号,刑訴法269条,刑訴法419条,刑訴法420条1項
強姦罪について告訴がない場合に同罪の手段たる共同暴行のみを処罰することができるか
最高裁判所大法廷昭和28年12月16日昭和27(さ)1刑集 第7巻12号2550頁
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裁判要旨数人が婦女に対し共同して暴行を加え姦淫した事実が認められる場合に、強姦罪についての告訴が適法に取消されても同罪の手段たる共同暴行を暴力行為等処罰に関する法律第一条違反として処罰することは違法ではない。
参照法条暴力行為等処罰に関する法律1条,刑法177条,刑法180条,旧刑訴法258条,旧刑訴法267条,旧刑訴法364条6号,旧刑訴法516条
一 密入国の補強証拠の一事例 二 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条
最高裁判所大法廷昭和28年7月22日昭和27(あ)6010刑集 第7巻7号1621頁
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裁判要旨一 原判決が証拠とした所論「出入国管理庁審判調査第三課作成の検察官に対する解答書」(正確には、同課から千葉地検渋佐検事に対する回答電信の飜訳書)の内容が所論のとおり(被告人の外国人登録が見当らないとするもの)であることは相違ないが、これにより被告人が従来日本に居なかつたことが推認できるから被告人の第一審公判廷における詳…
参照法条外国人登録令3条,刑訴法319条2項,刑訴法317条,憲法31条,憲法38条3項,憲法39条,刑法5条
一 赦免される罪と然らざる罪とが一個の連続犯をなす場合と大赦 二 連続犯の一部が赦免される場合と上告審における原判決破棄の事由
最高裁判所大法廷昭和28年6月24日昭和26(れ)2123刑集 第7巻6号1371頁
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裁判要旨一 大赦令により赦免される罪が改正前の刑法第五五条により一個の連続犯をなす場合に、その一部の行為が、同時に赦免されない他の罪名に触れるため赦免されなくても、その余の行為は赦免されない。 二 控訴判決後に、連続犯の一部が大赦令により赦免されたため、原判決の刑の量定が甚しく不当となり、これを破棄しなければ著しく正義に反する…
参照法条昭和22年法律124号による改正前の刑法55条,昭和27年政令117号大赦令1条97号,昭和27年政令117号大赦令2条,刑訴法411条2号,刑訴法411条5号
一 人を逮捕し、引き続き監禁した場合の擬律 二 監禁罪が成立するために要する脅迫の程度 三 監禁の動機目的と監禁罪の成否 四 同時に同一場所に数人を監禁した行為と罪数 五 憲法ならびに労働組合法施行前の労働組合の団体交渉と刑法第三五条 六 …
最高裁判所大法廷昭和28年6月17日昭和24(れ)1622刑集 第7巻6号1289頁
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裁判要旨一 人を不法に逮捕し引き続き監禁した場合には、刑法第二二〇条第一項の一罪が成立する。 二 脅迫による監禁罪が成立するためには、その脅迫は被害者をして一定の場所から立ち去ることを得しめない程度のものでなければならない。 三 監禁罪は、暴行によると脅迫によるとを問わず、他人を一定の場所の外に出ることができなくした場合に成立…
参照法条刑法220条,刑法54条1項,刑法35条,労働組合法(昭和20年法律51号)1条,憲法28条,憲法32条,旧刑訴法360条1項
一 刑訴応急措置法第一八条による特別抗告にも刑訴第四〇五条第二号、第三号、第四一一条第一号の準用があるか 二 検察官から刑の執行猶予言渡の取消請求があつた場合の決定手続の方式
最高裁判所大法廷昭和28年6月10日昭和26(し)47刑集 第7巻6号1419頁
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裁判要旨一 刑訴応急措置法第一八条による特別抗告には、刑訴第四〇五条第二号第三号および第四一一条第一号は準用されない。 二 本件に適用される旧刑訴三七四条二項の規定によれば、検察官から執行猶予の言渡の取消請求があつた場合には、裁判所は、被告人又はその代理人の意見を聴き決定を為すべきものであつて、決定を為すには国選弁護人を選任し…
参照法条刑訴応急措置法18条,刑訴法405条,刑訴法411条1号,刑法26条,旧刑訴法374条2項
一 憲法第三七条第三項前段と刑訴規則第一七八条により裁判所のなす弁護人選任の照会手続 二 控訴趣意書の提出期限に近接してなされた弁護人選任の請求と憲法第三七条第三項
最高裁判所大法廷昭和28年4月1日昭和25(あ)2153刑集 第7巻4号713頁
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裁判要旨一 刑訴規則第一七八条により裁判所のなす弁護人選任の照会手続は、憲法第三七条第三項前段の要請にもとずくものでない。 二 被告人による弁護人選任の請求がその責に帰すべき事由により控訴趣意書の提出期限に近接していて、期間内に控訴趣意書を提出できるような適当な時期になされなかつた場合には、たとえ裁判所が控訴趣意書の提出期限後…
参照法条憲法37条3項,刑訴法36条,刑訴法272条,刑訴法289条,刑訴規則177条,刑訴規則178条,刑訴規則250条
一 無許可の古物営業を処罰する古物営業法の規定と憲法第二二条 二 否認調書の取調の時期
最高裁判所大法廷昭和28年3月18日昭和26(あ)4629刑集 第7巻3号577頁
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裁判要旨一 古物営業を許可制度とし、無許可の営業を処罰する古物営業法の規定は、「職業選択の自由」を保障した憲法第二二条に違反しない。 二 被告人の否認調書を他の証拠より先に取り調べても刑訴三〇一条に違反しない。
参照法条古物営業法1条,古物営業法2条1項,古物営業法4条,古物営業法6条,古物営業法26条,古物営業法27条,憲法22条,刑訴法301条
差戻後の控訴審判決と前判決との関係における不利益変更禁止の原則
最高裁判所大法廷昭和27年12月24日昭和26(れ)320刑集 第6巻11号1363頁
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裁判要旨差戻後の控訴審判決は、その破棄された前判決との関係においても不利益変更禁止の原則に従うべきものと解するのを相当とする。
参照法条旧刑訴法452条,旧刑訴法403条,旧刑訴法448条ノ2
一 在監者の控訴取下の効力発生時期 二 控訴取下後の控訴審判決の効力 三 控訴取下後の控訴審判決と非常上告
最高裁判所大法廷昭和27年11月19日昭和26(さ)1刑集 第6巻10号1217頁
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裁判要旨一 監獄にいる被告人が監獄の長に対し控訴取下申立書を差し出したときは、控訴裁判所がその申立のあつたことを知ると否とにかかわらず、ただちに控訴取下の効力を生じる。 二 控訴取下後の控訴審判決は当然無効であつてその内容に副う効力を生じない。 三 控訴取下後の控訴審判決に対する非常上告は許されない。
参照法条刑訴法367条,刑訴法366条1項,刑訴法454条,刑訴規則229条,刑訴規則227条,刑訴規則228条
一 原判決後に大赦があつたときと上告趣意書の不提出 二 上告を申し立てた共同被告人にともに原判決後大赦があつた場合と上告趣意書を提出しなかつた共同被告人の一人に対する裁判
最高裁判所大法廷昭和27年11月5日昭和23(れ)1541刑集 第6巻10号1176頁
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裁判要旨一 上告申立人が旧刑訴第四二三条所定の期間内に上告趣意書を提出しなかつた場合には、原判決の認定した罪について原判決後大赦があつても、上告裁判所は、同法
第四二七条〈責任限定契約〉に従いその上告を棄却する決定をすべきである。 二 原審で同種の犯行につき有罪判決を受け、ともに上告の申立をした共同被告人の一人が前項のように上告趣意書を提出しな…
参照法条旧刑訴法415条,旧刑訴法423条,旧刑訴法427条,旧刑訴法434条,旧刑訴法451条,昭和27年政令117号大赦令
一 証言拒絶権ある証人を宣誓させて尋問した場合と憲法第三八条第一項 二 宣誓させないで尋問すべき証人に宣誓させた場合と偽証罪の成否
最高裁判所大法廷昭和27年11月5日昭和23(れ)1541刑集 第6巻10号1159頁
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裁判要旨一 旧刑訴第一八八条第一項にあたる場合、証人は証言を拒む権利があるから、右証人に宣誓させて尋問したからといつて直ちに憲法第三八条第一項にいう自己に不利益な供述を強要したものということはできない。 二 証人が旧刑訴第一八八条第一項により証言を拒むことができるのにこれを拒まなかつた場合に、その証人が、宣誓の上虚偽の陳述をし…
参照法条刑法169,旧刑訴法188条,旧刑訴法201条,憲法38条1項
一 新聞記者の取材源についての証言と刑訴法上の証言拒絶権 二 憲法第二一条と新聞記者の取材源に関する証言拒絶権 三 憲法第三八条第一項と刑訴第一四六条および第一四七条との関係 四 被疑者不特定の被疑事件につき刑訴第二二六条に基き証人を尋問す…
最高裁判所大法廷昭和27年8月6日昭和25(あ)2505刑集 第6巻8号974頁
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裁判要旨一 新聞記者は記事の取材源に関するという理由によつては刑訴法上証言拒絶権を有しない。 二 憲法第二一条は、新聞記者に対し、その取材源に関する証言を拒絶し得る特別の権利までも保障したものではない。 三 刑訴第一四六条は、憲法第三八条第一項による憲法上の保障を実現するための規定であるが、刑訴第一四七条の規定は、右憲法上保障…
参照法条刑訴法146条,刑訴法147条,刑訴法226条,憲法21条,憲法38条1項,国家公務員法100条1項,国家公務員法100条2項
刑訴第二二八条第二項の合憲性
最高裁判所大法廷昭和27年6月18日昭和25(あ)797刑集 第6巻6号800頁
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裁判要旨刑訴第二二八条第二項の規定は、憲法第三七条第二項の規定に違反しない。
参照法条刑訴法228条2項,憲法37条2項
刑訴第四五四条にいわゆる「事件の審判が法令に違反したこと」の意義と違反したことにならない一事例
最高裁判所大法廷昭和27年4月23日昭和25(さ)40刑集 第6巻4号685頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨非常上告は、法令の適用の誤りを正し、もつて、法令の解釈適用の統一を目的とするものであつて、個々の事件における事実認定の誤りを是正して被告人を救済することを目的とするものではない。されば、実体法たると手続法たるとを問わず、その法令の解釈に誤りがあるというのでなく、単にその法令適用の前提事実の誤りのため当然法令違反の結果を…
参照法条刑訴法454条,刑訴法460条
一 団体等規制令第一〇条第三項による法務総裁の出頭要求の効力に関する裁判所の審判権限 二 刑訴第三二一条第一項第二号の法意 三 証人が証言を拒む場合と刑訴第三二一条第一項第二号の適用
最高裁判所大法廷昭和27年4月9日昭和26(あ)2357刑集 第6巻4号584頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 団体等規制令一〇条による法務総裁の出頭要求命令の効力についての争訟は日本の裁判所が裁判権を有しないと解すべきことは昭和二五年(オ)一四七号同年七月五日大法廷判決(民事判例集四巻七号二六四頁以下)及び昭和二三年(れ)一八六二号昭和二四年六月一三日大法廷判決(刑事判例集三巻七号九七四頁以下)の趣旨に徴して明らかなところ…
参照法条団体等規正令10条1項3項,団体等規正令13条3号,刑訴法321条1項2号,刑訴法146条,刑訴法147条,憲法37条2項
一 公訴犯罪事実につき裁判官に予断を生ぜしめるおそれのある事項を起訴状に記載することの違法性 二 詐欺の起訴状に詐欺の前科を記載することと裁判官の予断
最高裁判所大法廷昭和27年3月5日昭和25(あ)1089刑集 第6巻3号351頁
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裁判要旨一 公訴犯罪事実について、裁判官に予断を生ぜしめるおそれのある事項は、起訴状に記載することは許されないのであつて、かかる事項を起訴状に記載したときは、これによつてすでに生じた違法性は、その性質上もはや治癒することができないものと解するを相当とする。 二 本件起訴状によれば、詐欺罪の公訴事実について、その冒頭に、「被告人…
参照法条刑訴法256条,刑法246条
一 控訴審における事実の取調と被告人の立会権 二 控訴審における証人尋問と憲法第三七条第二項 三 控訴審の公判期日における証人尋問に被告人が立会しなくても違法でない一事例
最高裁判所大法廷昭和27年2月6日昭和25(あ)641刑集 第6巻2号134頁
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裁判要旨一 控訴裁判所では、必ずしも常に事実の取調に被告人を立ち会わせ、被告人に弁論の機会を与えなければならないものということはない。 二 控訴審で事実の取調の一方法として証人の尋問をし、これを裁判の資料とするような場合には、憲法第三七条第二項の刑事被告人の権利保護のため特に被告人をこれに立ち会わせ、その証人を審問する機会を与…
参照法条刑訴法393条,刑訴法390条,刑訴法389条,刑訴法388条,刑訴法293条,刑訴法404条,刑訴法157条,憲法37条2項
一、懲役六月執行猶予三年の言渡を禁錮三月に改めることと刑の不利益変更 二、理由のくいちがいが著しく正義に反することになる一事例 三、検察官並びに被告人双方から量刑不当を理由をする控訴を申立てた場合に検察官の控訴につき主文において棄却の言渡を…
最高裁判所大法廷昭和26年8月1日昭和25(あ)2567刑集 第5巻9号1715頁
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裁判要旨一 そこで、第一審の言渡した懲役六月、執行猶予三年間の刑と原審の言渡した禁錮三月の刑とはその何れが重いかの問題を生ずる。実質的には執行猶予のもつ法律的社会的価値判断は実際において高く評価されており又さるべきものである。かくて、本件において第一審の懲役六月が第二審において禁錮三月に変更されているにかかわらず、前者には執行…
参照法条刑訴法381条,刑訴法396条
自白の任意性についての判断と経験則違反
最高裁判所大法廷昭和26年8月1日昭和25(れ)622刑集 第5巻9号1684頁
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裁判要旨本件記録中には、被告人の警察署における供述が強制若しくは拷問による自白であることを推認させるような幾多の証人の供述が存在するのである。殊に、直接、取調の衝に当つた警察官自身が被告人の取調は被告人に手錠をはめたままで行われたこと、午前二時頃まで取調べたこと、警察官が四人がかりで、被告人を取調べたこと、警察官の一人が被告人…
参照法条刑法186条,旧刑訴法336条,旧刑訴法326条,旧刑訴法409条,旧刑訴法337条,旧刑訴法411条,憲法38条1項,憲法38条2項,刑訴応急措置法10条1項,刑訴応急措置法10条2項
憲法第三九条前段の「既に無罪とされた行為については刑事上の責任を問われない」の法意
最高裁判所大法廷昭和26年5月30日昭和23(れ)1961刑集 第5巻6号1205頁
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裁判要旨また憲法第三九条前段に「既に無罪とされた行為については刑事上の責任を問われない」というのは、所論のように行為時の法令によれば有罪であつたものが裁判時の法令に従えば無罪である行為につき刑事上の責任を問われないという趣旨ではなく、既に無罪の裁判のあつた行為については再び刑事上の責任を問われないという趣旨であるから、原判決は…
参照法条憲法39条,旧刑訴法363条2号
一 納税者の有志で組織したA同盟員と共同して税務署長等に対し納税者に有利な処分を為すべきことを交渉する行為と憲法第二八条 二 被告人に訴訟費用の負担を命じるその額を明示しない判決と憲法第三一条第三二条
最高裁判所大法廷昭和26年5月16日昭和24(れ)139刑集 第5巻6号1157頁
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裁判要旨一 税務署長の税務行政処分に不服な納税者等の有志をもつて組織されたA同盟の同盟員等と共同して右税務署の署長、直税課長、庶務課長等に対し、納税者に有利な処分を求むるため交渉することは、憲法第二八条により保障された団結権ないし団体交渉権にもとずくものとはいえない。 二 判決において訴訟費用は被告人等の連帯負担とする旨言い渡…
参照法条憲法28条,憲法31条,憲法32条,刑法95条,旧刑訴法237条,旧刑訴法245条
一 昭和二二年政令第六五号重要物資緊急調査令の合憲性 二 原審に提出された上告趣意を最上告趣意として援用することの可否
最高裁判所大法廷昭和26年1月31日昭和24(れ)2696刑集 第5巻1号137頁
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裁判要旨一 昭和二二年政令第六五号重要物資緊急調査令は同二〇年勅令第五号二号ポッダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基いて制定されたもので、それが官報による公布の際同政令前文にその旨明示せず罰則を設けても憲法第七三条に違反しない。 二 なお、論旨末段においては原審に提出された上告趣意書の記載を本件再上告趣意として援用して…
参照法条憲法73条,昭和20年勅令542号ポッダム宣言の受諾に伴い発する命令の件,昭和23年3月27日政令65号9条,昭和23年3月27日政令65号11条,旧刑訴法409条
一 被告人のみの申立てた上告事件において上告裁判所が罰金刑を言渡した第二審判決を破棄し懲役刑のみに該る罪に問擬し自判する場合の言渡刑 二 金融機関でない者が金融機関従業員を欺き封鎖支払を受けた場合の罪責
最高裁判所大法廷昭和26年1月17日昭和24(れ)875刑集 第5巻1号1頁
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裁判要旨一 金融緊急措置令第一条第一項(第三条第二項)第一一条を適用し罰金刑を言渡した第二審判決に対し、被告人だけから上告申立のあつた事件において上告裁判所が右判決には事実の確定に影響を及ぼさない法令の違反があるとして、右判決を破棄し刑法第二四六条第一項を適用して更に判決をするときは、上告裁判所は旧刑訴法第四五二条により被告人…
参照法条金融緊急措置令1条1項,金融緊急措置令11条,金融緊急措置令3条,金融緊急措置令1条,旧刑訴法452条,刑法246条
一 酩酊すると暴行する習癖のある注意義務 二 殺人の公訴事実中には過失致死の事実も含まれるか
最高裁判所大法廷昭和26年1月17日昭和25(れ)548刑集 第5巻1号20頁
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裁判要旨一 本件被告人の如く、多量に飲酒するときは病的酩酊に陥り、因つて心神喪失状態において他人に犯罪の害悪を及ぼす危険ある素質を有する者は、居常右心神喪失の原因となる飲酒を抑止又は制限する等前示危険の発生を未然に防止するよう注意する義務あるものといわねばならない。しからば、たとえ原判決認定のように、本件殺人の所為は被告人の心…
参照法条刑法199条,刑法210条,旧刑訴法291条,旧刑訴法410条18号
証拠調前においてする被告人に対する公訴事実に関する質問の適否
最高裁判所大法廷昭和25年12月20日昭和25(あ)35刑集 第4巻13号2870頁
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裁判要旨刑訴第二九一条による手続が終つた後、証拠調に入る前に裁判官が被告人に対し公訴事実について質問しても、必ずしも違法であるとはいえない。 少数意見がある。
参照法条刑訴法291条,刑訴法292条,刑訴法311条,刑訴規則196条,刑訴規則197条
違憲と主張してもその実質は違憲の主張でない場合
最高裁判所大法廷昭和25年11月29日昭和24(れ)1662刑集 第4巻11号2429頁
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裁判要旨所論再上告の申立は、昭和二四年四月二八日福岡高等裁判所の為した上告棄却の決定に対するものであり、従つて、判決に対するものでない点で不適法たるを免れない。しかのみならず、その申立の理由とするところは、憲法第三二条違反とはいつているが、その実質は、要するに「上告趣意書差出期間経過後に差出された弁護人選人届によつては、その以…
参照法条憲法32条,旧刑訴法427条,刑訴応急措置法18条
弁護人の立会した第一審証人訊問調書と刑訴応急措置法第一二条
最高裁判所大法廷昭和25年11月15日昭和25(れ)273刑集 第4巻11号2309頁
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裁判要旨第一審裁判所が公判廷外でした証人訊問調書も、弁護人が右訊問に立会してる以上、被告人が当時勾留中でこれに立ち会つていなくても、右調書に対しては刑訴応急措置法第一二条は適用されない。
参照法条刑訴応急措置法12条,旧刑訴法158条
附帯控訴及び第一審で無罪の事実を控訴審で有罪とすることと憲法第三九条
最高裁判所大法廷昭和25年11月8日昭和24(れ)59刑集 第4巻11号2215頁
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裁判要旨原審第二回公判において立会検事が被告人に対し附帯控訴をしたこと及び原判決が第一審で無罪になつた事実であるAに対し、被告人が人絹織物等二八〇疋を販売譲渡した点を有罪と判定したことはいずれも所論のとおりである。しかし同一事件においては、訴訟のいかなる段階においても唯一の危険があるのみであつて、そこには二重危険というものは存…
参照法条憲法39条,旧刑訴法399条
一 物価統制令は限特法である 二 統制額を指定した行政官庁の告示の廃止は「刑の廃止」となるか 三 原審訴訟手続に違法があるとの事由は適法な飛躍上の告理由となるか
最高裁判所大法廷昭和25年10月11日昭和23(れ)800刑集 第4巻10号1972頁
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裁判要旨一 物価統制令は、その第一条に規定するごとく「終戦後ノ事態ニ対処シ物価ノ安定確保シ以テ社会経済秩序ヲ維持シ国民生活ノ安定ヲ図ルヲ以テ目的トス」るものであつて、終戦後という一時的異常な時態に対処するための法規であつて、かかる異常な社会状勢が終熄して経済事態が常態に復したときは、早晩廃止さるべき運命にある法規であることは、…
参照法条物価統制令1条(昭22・4・勅令133号改正前のもの),旧刑訴法363条2号,旧刑訴法416条1号
一 家宅捜索について居住者の不任意の承諾と住居侵入罪 二 予審制度廃止以前に作成された予審訊問調書の証拠能力 三 目的の正否と公共の福祉 四 憲法第二八条にいわゆる団結権等の意義 五 権限を有しない者の隠匿物資摘発行為と違法性阻却の理由
最高裁判所大法廷昭和25年10月11日昭和24(れ)1601刑集 第4巻10号2012頁
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裁判要旨一 A市長夫人Bが被告人C等に対して家宅捜索の承諾を与えたのは、赤旗を擁した多数の威力を背景とする同人等の言動に威圧されたためであつて、その真意から出たものでないことをCも知つていたことは、原判決挙示の各証拠就中Dに対する予審判事の証人訊問調書中同人の供述記載によつて十分に推認することができる。それ故に原判決には所論の…
参照法条刑法130条,刑法第1編第7章(犯罪ノ不成立及ビ刑ノ減免),刑法35条,旧刑訴法300条,刑訴応急措置法9条,憲法12条,憲法13条,憲法28条
刑訴第二二八条第二項により被疑者弁護人等に反対尋問の機会を与えないで作成された証人尋問調書の証拠調決定と憲法第三七条第二項
最高裁判所大法廷昭和25年10月4日昭和25(し)16刑集 第4巻10号1866頁
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裁判要旨証人が、公判廷において、前に刑訴第二二八条によつて裁判官の面前においてした供述と異つた供述をしたため、検察官から右裁判官の面前における供述録取書類の証拠調を請求した場合に、その供述録取書類が、被疑者、弁護人等に反対尋問の機会を与えないで作成されたものであつても、裁判所がその供述録取書類を証拠調する旨の決定をすることは、…
参照法条刑訴法228条,刑訴法321条1項1号,憲法37条
一 憲法第三八條第三項にいわゆる本人の自白と刑訴法第三一九條第二項の意義 二 強盗の豫備をなしたものがその實行に着手した場合と強盗豫備罪の成否 三 死刑及無期懲役刑の合憲性−死刑と無期懲役刑との本質的相異 四 被告人が殺意を以て兇器を携え乘…
最高裁判所大法廷昭和24年12月21日昭和23(れ)2063刑集 第3巻12号2048頁
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裁判要旨一 憲法第三八條第項三に所謂本人の自白には判決裁判所の公判廷における自白を含まないと解すべきことは、當裁判所の判例において展々判示したところであり、今この判例を變更する必要を認めない。新刑訴法が第三一九條第二項において公判廷における自白であつてもそれが被告人に不利益な唯一の證據である場合にはこれによつて有罪とされない旨…
参照法条憲法38条3項,憲法36条,刑訴法319条2項,刑法237条,刑法236条,刑法9条,刑法11条,刑法12条,刑法240条,刑法243条,刑法54条,銃砲等所持禁止令1条
一 犯人が被告人であることの證據が自白のみである場合の正否 二 犯罪の動機等を被告人の自白及び取調警察官の供述によつて認定することの可否 三 自白の強要を認定し得ない一事例 四 自白の強要を認定し得ない事例 五 證人が自己の證言を補充するた…
最高裁判所大法廷昭和24年11月2日昭和23(れ)1382刑集 第3巻11号1691頁
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裁判要旨一 原審は被告人の自白のみならず多くの證據を綜合して判示事實を認定したのであつて、自白と原審舉示の他の證據とを綜合すれば原審認定の犯行事實を認定することが出來る。かかる場合犯人が被告人であることの證據が自白のみであつても違憲違法ではない。 二 殺人の動機及殺人に到るまでの被告人の心理的推移過程は、被告人の公判廷外の自白…
参照法条憲法38条3項,憲法38条1項,旧刑訴法337条,旧刑訴法56条,旧刑訴法71条2項,旧刑訴法336条,旧刑訴法409条
一 憲法第三八條第三項刑訴應急措置法第一〇條第三項の自白に補強證據を要するとする法意 二 犯罪事實の一部の證據が被告人の自白だけである場合と補強證據 三 賍物罪の成立に必要な賍物たることの認識の程度 四 罰金を完納できない者に對する勞役場留…
最高裁判所大法廷昭和24年10月5日昭和23(れ)1426刑集 第3巻10号1646頁
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裁判要旨一 憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項において「自己に不利益な唯一の證據が本人の自白である場合には有罪とされ」ないと規定した法意は、現實には犯罪が行われていないのに、被告人の架空は自白によつて犯罪が行われた如く虚構されて有罪とされる危險を防止するために、被告人を有罪とするには、自白のほかに自白の眞實に合…
参照法条憲法38条3項,憲法11条,刑訴応急措置法10条3項,刑法256条,刑法38条2項,刑法18条1項4項,刑法18条,旧刑訴法565条
一 舊刑訴法による事件において公判廷外における被告人、辯護人からの證人、鑑定人等の取調の請求の性質 二 公判期日前被告人又は辯護人からなされた證據調の請求却下の決定をしない場合と上告理由 三 辯護人からの證人喚問請求の趣旨が公判廷において立…
最高裁判所大法廷昭和24年10月5日昭和23(れ)983刑集 第3巻10号1641頁
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裁判要旨一 舊刑訴法の事件において公判廷外でする被告人、辯護人からの證人、鑑定人等の取調の請求は舊刑訴法上は同法第三二四條第三項に基き裁判所に對し同條第一項に規定する證據物若しくは證據書類の提出命令證人、鑑定人等に對する召喚状發布等の處分を請求することに歸するものと解すべきである。 二 被告人、辯護人から舊刑訴法第三二四條第一…
参照法条旧刑訴法324条1項,旧刑訴法324条3項,旧刑訴法324条4項,旧刑訴法410条14号,旧刑訴法344条,旧刑訴法324条,旧刑訴法411条
一 犯罪供用物件である兇器を公判廷で證據調をしないで強盜殺人罪を認定した場合 二 搜査段階において司法警察官によつて領置された物件と舊刑訴法第三四二條 三 事實認定の資料とした司法警察官の證據物の領置書又は領置目録の證據能力 四 公判期日の…
最高裁判所大法廷昭和24年7月13日昭和23(れ)1488刑集 第3巻8号1304頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 本件のごとく、短刀拳銃、小銃等を使用して人を殺害して、物を強取したという條件において、これら兇器が領置、押収されている場合、裁判所が事實審理をするに當つては、公判廷において被告人に直接これらの證據物を示し、その意見辯解を開き適法な證據調を經た上で犯罪の證據としてこれを判決に舉示することは事實審として、まさにとるべき…
参照法条旧刑訴法336条,旧刑訴法360条1項,旧刑訴法327条,旧刑訴法342条,旧刑訴法410条13号,旧刑訴法337条,旧刑訴法334条,旧刑訴法410条11号
一 証言中証人の実験した事実と無関係な意見の陳述にすぎない部分の証拠能力 二 證人の供述の趣旨を變えて採證した違法な判決の一例
最高裁判所大法廷昭和24年6月13日昭和24(れ)226刑集 第3巻7号1039頁
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裁判要旨一 証人の陳述中証人が実験した事実、又は実験した事実によつて推測した事項の陳述ではなく、単に意見を表示したにすぎないとみられる部分は、証拠に採用することができない。 二 然るに原判決はその證據説明中にかような證人の意見に過ぎない陳述をも挿入しそれを「然し」という言葉で接續して、その前後の供述の順序を變えて、記録に現はれ…
参照法条旧刑訴法336条,旧刑訴法360条1項,旧刑訴法206条1項,昭和22年勅令1號,舊刑訴法410條19號,舊刑訴法360條1項
一 公判廷における自白と憲法第三八條第三項刑訴應急措置法第一〇條第三項にいわゆる「本人の自白」 二 刑訴施行法第二條の合憲性 三 被告人の身体拘束の事実の有無と公判調書の記載
最高裁判所大法廷昭和24年5月18日昭和23(れ)1577刑集 第3巻6号847頁
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裁判要旨一 しかしその判決をした當該裁判所の公判廷における被告人の自白は、憲法第三八條第三項並びに刑訴應急措置法第一〇條第三項にいわゆる「本人の自白」にあたらないことは當裁判所の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第一六八號、同年七月二九日大法廷判決)從つて論旨は採用することができない。 二 しかし新刑訴法を如何なる事件…
参照法条憲法38條3項,刑訴應急措置法10條3項,旧刑訴法64条,旧刑訴法60条2項,刑訴施行法2條
一 判決書における裁判官の表示を「判事」としたことの正否 二 舊刑訴法第六八條の法意と裁判官の官名記載の要否 三 刑訴應急措置法第一三條第二項と憲法第三二條 四 旧刑訴法第六八条の法意と裁判官の官名記載の要否
最高裁判所大法廷昭和24年3月23日昭和23(れ)1221刑集 第3巻3号369頁
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裁判要旨一 原判決書には裁判官の表示並に署名捺印が存し該裁判官が公判に關與した裁判官であること原審公判調書により明白であるから原判決には裁判をした裁判官の署名捺印を缺く違法はなく、その慣例に基く裁判官の表示「判事」としたのは正當であつて原判決には所論の缺點は毫も存しない。 二 舊刑訴第六八條(刑訴規則第五五條參照)には「裁判書…
参照法条舊刑訴法68條,旧刑訴法68条,裁判所法5条2項,刑訴應急措置法13條2項,憲法32條
一 最高裁判所に対し裁判所法施行前大審院が事実審理をして言渡した有罪判決に對する再審請求があつたときの処置 二 大審院のなした判決に對する再審請求に對する管轄裁判所
最高裁判所大法廷昭和24年2月25日昭和23(ね)2刑集 第3巻3号246頁
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裁判要旨一 最高裁判所に対し右再審の請求があつたときは、最高裁判所は、これを管轄権ある裁判所に移送すべきである。 二 裁判所法施行法第二條に基く裁判所法施行令第一條第一項にいわゆる「その他の手続」といううちには、大審院でした事實審理の公判手続を含むことは勿論その手続によりなした判決言渡手続及び言渡された判決をも含むものと解すべ…
参照法条裁判所法施行令1条,旧刑訴法490条,裁判所施行法2条,裁判所施行令1条1項,旧刑訴法490条
一 勾留四日後に作成された檢事聽取書の記載と憲法第三八條第二項の不當に長く拘禁された後の自白 二 憲法第三七條にいわゆる「公平な裁判所の裁判」 三 殺意の認定と憲法第三八条第三項 四 被告人に対する検事の聴収書の証拠能力 五 刑訴應急措置法…
最高裁判所大法廷昭和23年12月27日昭和23(れ)431刑集 第2巻14号1944頁
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裁判要旨一 右檢事聽取書は、被告人が警察署に任意に出頭した日より一五日を經た昭和二二年五月六日に作成されたものであるが、被告人が勾留されたのは、同年同月二日であるから、勾留された日から四日後に作成されたのであり、右檢事聽取書記載の被告人の供述は、不當に長く拘禁された後の自白であるということは當を得ない。 二 憲法第三七條に所謂…
参照法条憲法38條2項,憲法37條1項,憲法38条3項,刑訴應急措置法10條2項,刑訴應急措置法13條2項,刑訴応急措置法10条3項,刑訴応急措置法12条,刑訴法343条
一 被害者の多數ある強盜の單純一罪を判示するに當り被害者の一人を明示しなかつたことの當否 二 共同正犯の判示要領 三 公判請求書が裁判所に受理せられた日附の記載が明らかでない場合における公訴提起の日の認定 四 勾留状の方式の違法と上告理由
最高裁判所大法廷昭和23年11月10日昭和23(れ)582刑集 第2巻12号1512頁
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裁判要旨一 原判決は本件強盜を單純一罪として判示したのであるから被害者の一人であるAについて原判示のように説示して強盜罪の構成要件に當る具體的事實を明らかにした以上他の被害者の表示を明らかにしなくとも原判決には理由不備の違法はない。 二 被告人の分担した具体的な犯罪行為の判示がなくても、判示事実によつて、被告人が他の共犯者と共…
参照法条刑法236條,刑法60条,刑訴法360條1項,刑訴法257条1項,刑訴法457條,刑訴法411條
一 犯意繼續の點が犯行の性質態樣等から自ら推知せられる場合と證據理由説示の要否 二 參考として裁判所に提出された書類につき公判調書に記載の要否
最高裁判所大法廷昭和23年11月5日昭和23(れ)396刑集 第2巻12号1477頁
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裁判要旨一 數個の行爲が繼續の意思に出でたものであることが、證據にょつて認められた犯罪行爲の性質、態樣等から自ら推知される場合には、犯意繼續の點について、特に之を證據にょつて認めた理由を説明する必要がないものと解すべきである。 二 所論被害辨償に關する受領書は、證據書類として裁判所に提出せらるる場合と、證據方法としてでなく參考…
参照法条刑法55条,刑訴法360条1項,刑訴法60条9号,刑訴法60条10号
一 憲法第三三條違反と上告理由 二 留置の際その理由及び辯護人を選任することを得る旨を告げられなかつた場合と上告理由 三 裁判官の令状なき押收搜索と上告理由 四 採證の用に供しない自白強制の主張と上告理由 五 採證の用に供しない被告人の訊問…
最高裁判所大法廷昭和23年11月5日昭和23(れ)61刑集 第2巻12号1473頁
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裁判要旨一 假りに被告人が逮捕状なくして、警察に出頭せしめられたとしても、それは原判決が事實を認定するために採用した證據と關係なく、從つて原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、上告の理由となすことのできないものである。 二 假りに被告人が警察に留置せられるに當り、留置の理由及び辯護人を選任することが出來る旨を告げられなか…
参照法条憲法33条,憲法34条,憲法35条1項,憲法38条2項,憲法38条,刑訴法411条,刑訴法56条3項,刑訴法337条,刑訴法344条,刑訴法408条,刑訴応急措置法6条1項,刑訴応急措置法7条2項,刑訴応急措置法10条2項,刑訴応急措置法1…
起訴状に記載された罪名の根拠となる刑罰法令の効力についての判断を事実審理の前に示すことの要否
最高裁判所大法廷昭和23年9月27日昭和23(つ)15刑集 第2巻10号1229頁
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裁判要旨裁判所が公判手続において事実審理に入るに先立つて起訴状に記載された罪名の根拠となる刑罰法令が効力を有するか否かということについて判断を示すことを要する旨の刑事訴訟法の規定は存しないし、又憲法の規定若しくはその全趣旨からもかかる要請があるものとは認められない。そしてこの理はその刑罰法令が本件で問題となつた昭和二三年政令第…
参照法条刑訴法291条,刑訴法348条,刑訴法345条
一 「九四式拳銃」と銃砲等所持禁止令施行規則第一條の銃砲の範圍 二 彈倉と銃砲等所持禁止令施行規則第一條銃砲の範圍 三 銃砲等所持禁止令第二の「所持した者」の判示方法 四 刑訴法第三二九條の「公判廷」の意義 五 公文書に文字の挿入あるも、そ…
最高裁判所大法廷昭和23年7月29日昭和23(れ)397刑集 第2巻9号1076頁
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裁判要旨一 「九四式拳銃」は銃砲等所持禁止令施行規則(昭和二一年内務省第二八號)第一條に規定する銃砲に該當する。 二 彈倉は銃砲等所持禁止令施行規則第一條の銃砲の範圍内に含まれる。 三 被告人が「自宅において所持して居た」と判示すれば、銃砲等所持禁止令第二條の「所持した者」の判示方法として缺くるところがなく、所持の態容を判示す…
参照法条銃砲等所持禁止令1條1項本文,銃砲等所持禁止令2條,銃砲等所持禁止令1條,銃砲等所持禁止令施行規則(昭和21年内務省令28號)1條,刑訴法329條1項,刑訴法72條,刑訴法60條2項4號,刑訴法64條,刑訴法410條7號,刑訴法63條1項,…
一 公判の公開と公判調書の記載 二 公開禁止の決定の効力 三 裁判官が「合議の上」裁判の公開を禁止した旨の公判調書の記載と憲法第八二條 四 強盗行爲に對し必死に反抗中の被害者から腕時計を奪取した行爲と強盗罪の成立
最高裁判所大法廷昭和23年6月23日昭和22(れ)219刑集 第2巻7号680頁
位置づけ最高裁大法廷 / 刑集登載
裁判要旨一 判決宣告期日の公判調書に、公開を禁じた旨の記載がない限り、判決の宣告は、公開法廷で行われたものと認めることができる。 二 審理が風俗を害する虞があるとして、裁判所が公判の公開を禁じた場合には、その公開禁止の効力は、結審後の判決宣告期日の公判には及ばないものと解すべきである。 三 裁判が公開の法廷において公正な裁判所…
参照法条刑訴法60条2項4号,刑訴法64条,刑訴法410条7号,憲法82条,刑訴法60条2項4号,刑訴法64条,刑法177条,刑法236条
最高裁大法廷 / 民集登載4件
刑訴法三九条三項本文と憲法三四条前段、三七条三項、三八条一項
最高裁判所大法廷平成11年3月24日平成5(オ)1189民集 第53巻3号514頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨刑訴法三九条三項本文の規定は、憲法三四条前段、三七条三項、三八条一項に違反しない。
参照法条憲法34条前段,憲法37条3項,憲法38条1項,刑訴法39条3項
一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」の意義 二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号と憲法二一条一項 三 裁判官が積極的に政治運動をしたとされた事例 四 裁判官が積極的に政治運動をしたことがそ…
最高裁判所大法廷平成10年12月1日平成10(分ク)1民集 第52巻9号1761頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」とは、組織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものをいい、具体的行為の該当性を判断するに当たっては、行為の内容、行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、行為をした裁判官…
参照法条裁判所法49条,裁判所法52条1項,憲法21条1項,憲法82条1項,裁判官分限法2条,裁判官の分限事件手続規則7条,非訟事件手続法6条,非訟事件手続法13条,民訴法55条,民訴法148条,刑訴法35条,刑訴規則26条,刑訴規則27条
一 法定で傍聴人がメモを取ることと憲法八二条一項 二 法廷で傍聴人がメモを取ることと憲法二一条一項 三 法廷警察権行使についての裁量の範囲 四 法廷でメモを取ることを報道機関の記者に対してのみ許可することと憲法一四条一項 五 法廷警察権の行…
最高裁判所大法廷平成元年3月8日昭和63(オ)436民集 第43巻2号89頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 憲法八二条一項は、法廷で傍聴人がメモを取ることを権利として保障しているものではない。 二 法廷で傍聴人がメモを取ることは、その見聞する裁判を認識記憶するためにされるものである限り、憲法二一条一項の精神に照らし尊重に値し、故なく妨げられてはならない。 三 法廷警察権の行使は、裁判長の広範な裁量に委ねられ、その行使の要…
参照法条憲法14条1項,憲法21条1項,憲法82条1項,裁判所法71条,刑訴法288条2項,国家賠償法1条1項
一 憲法第三二条と被害者訴追主義 二 検察官のした不起訴処分に対する民事訴訟ないし行政訴訟の適否
最高裁判所大法廷昭和27年12月24日昭和25(オ)131民集 第6巻11号1214頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一 憲法第三二条は、被害者訴追主義または一般訴追主義を保障した規定ではない。 二 検察官のした不起訴処分に対する民事訴訟ないし行政訴訟の提起は、わが国法上許されない。
参照法条憲法32条,刑訴法247条,行政事件訴訟特例法1条
最高裁大法廷10件
一、刑訴法二〇条六号にいう「裁判官が事件について検察官の職務を行つたとき」の意義 二、さきに最高検察庁次長検事の職にあつた最高裁判所の裁判官につき刑訴法二〇条六号の除斥原因がないとされた事例
最高裁判所大法廷昭和47年7月1日昭和47(す)87集刑 第185号1頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨一 刑訴法二〇条六号にいう「裁判官が事件について検察官の職務を行つたとき」とは、裁判官がその任官前に、当該事件について、検察官として、ある具体的な職務行為をした場合をいう。 二 天野裁判官が、最高裁判所判事就任前に最高検察庁次長検事の職にあり、同検察庁の検察官の事務につき部下検察官を指揮、監督する立場にあつたとしても、…
参照法条刑訴法20条6号
一 刑訴法二〇条六号にいう「裁判官が事件について検察官の職務を行つたとき」の意義 二 最高検察庁次長検事の職にあつたことと刑訴法二一条一項の「不公平な裁判をする虞」
最高裁判所大法廷昭和47年7月1日昭和47(す)88集刑 第185号7頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨一 刑訴法二〇条六号にいう「裁判官が事件について検察官の職務を行つたとき」とは、裁判官がその任官前に、当該事件について検察官として、ある具体的な職務行為をした場合をいうものと解すべきである。 二 裁判官が、その任官前最高検察庁次長検事の職にあつて刑事上告事件につき検察庁法に定める職務権限を有したからといつて、その在職中…
参照法条刑訴法20条6号,刑訴法21条1項,検察庁法7条
密輸に係る貨物の所有者を確定しないで被告人らから同貨物の価格に相当する金額を追徴した場合と破棄理由。
最高裁判所大法廷昭和38年5月8日昭和34(あ)1423集刑 第147号181頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨職権をもつて調査すると、原判決の是認する第一審判決は、同判示第一の犯罪に係る貨物の所有者を確定しないで、同貨物の価格に相当する金額を被告人らから追徴しているのであるが、犯罪に係る貨物等が被告人以外の第三者の所有である場合には、その物の没収につき当該第三者に告知、弁解、防禦の機会を与えるべき旨の規定がないから、没収は憲法…
参照法条関税法111条1項,関税法118条1項,関税法118条2項,憲法31条,憲法29条,刑訴法411条1号,刑訴法413条
旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条の改正と刑の廃止の有無
最高裁判所大法廷昭和37年4月4日昭和34(あ)311集刑 第141号659頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条による第二種原動機付自転車の二人乗の禁止が同条の改正により廃止されても、その廃止前にこれに違反した行為について、同施行令第七二条第三号の刑の廃止があつたものということはできない。
参照法条旧道路交通取締法23条1項,旧道路交通取締法30条,旧道路交通取締法施行令41条,旧道路交通取締法施行令72条3号,旧新潟県道路交通取締規則(昭和31年新潟県公安委員会規則1号)8条,旧新潟県道路交通取締改正規則(昭和33年新潟県公安委員会…
一 旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条の改正と刑の廃止の有無 二 第一、二審の免訴の判決を上告審において事実の取調をすることなく有罪の判決を言い渡した事例
最高裁判所大法廷昭和37年4月4日昭和34(あ)316集刑 第141号689頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨一 旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条による第二種原動機付自転車の二人乗の禁止が同条の改正により廃止されても、その廃止前にこれに違反した行為について、同施行令第七二条第三号の刑の廃止があつたものということはできない。 二 原審は第一審の免訴の判決…
参照法条旧道路交通取締法23条1項,旧道路交通取締法30条,旧道路交通取締法施行令41条,旧道路交通取締法施行令72条3号,旧新潟県道路交通取締規則(昭和31年新潟県公安委員会規則1号)8条,旧新潟県道路交通取締改正規則(昭和33年新潟県公安委員会…
刑訴法第四一五条の判決の内容に誤のある場合にあたらない一事例
最高裁判所大法廷昭和32年4月5日昭和32(み)16集刑 第118号769頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨判決理由中の訂正を求める箇所が、訂正事項と趣旨において異るところがないときは、刑訴第四一五条の判決の内容に誤ある場合にあたらない。
参照法条刑訴法415条
免訴判決による勾留の失効と保釈保証金額の変更決定の取消を求める特別抗告の実益の存否
最高裁判所大法廷昭和31年1月16日昭和26(し)97集刑 第112号81頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨被告人に対する東京地裁の免訴の判決により被告人に対する勾留は失効し、保釈許可決定も亦その効力を失つたものであつて右保釈許可決定における保釈保証金額を変更した東京高等裁判所の保釈保証金額変更決定は今やこれを取り消しても実益がないようになつたものである。
参照法条刑訴法93条,刑訴法345条,刑訴法433条,刑訴法434条
一 未決勾留日数を本刑に算入し得ない一事例 二 刑法第二一条にいわゆる未決勾留の範囲
最高裁判所大法廷昭和30年3月16日昭和24(れ)2513集刑 第103号445頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨一 勾留状記載の被疑事実が公判請求書記載の公判事実中に包含されていないとの理由で勾留を取り消した場合にはその未決勾留日数を本刑に算入することはできない。 二 刑法第二一条にいわゆる未決勾留は当該事件に関する判決確定前の勾留であればその勾留が適法であると不法であるとを問わない。
参照法条刑法21条,旧刑訴法255条,旧刑訴法291条,刑訴応急措置法8条5号,刑訴法256条,刑訴法204条
一 旧刑訴法第三三四条は憲法第三七条、刑訴応急措置法第四条により改正変更されたが−必要的弁護事件以外の事件と弁護人の立会の要否 二 公判期日に適式の召喚を受けた弁護人の不出頭と弁護権の不法制限
最高裁判所大法廷昭和26年1月31日昭和24(れ)824集刑 第39号947頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨一 論旨は、原審裁判所は旧刑訴法第三三四条を墨守して弁護人の期日懈怠の責任を被告人等に負わしめ、弁護人の立会なくして公判の審理を受けることを被告人等に強制したものであるが、旧刑訴法第三三四条は憲法第三七条第三項、刑訴応急措置第四条によつて改正変更されたものと解すべきであるから、原審の審理手続は、右憲法及び刑訴応急措置法…
参照法条憲法37条3項,刑訴応急措置法4条,旧刑訴法334条,旧刑訴法320条1項,旧刑訴法410条11号
公判決外の証人訊問に被告人が立会しなければ憲法に違反するか
最高裁判所大法廷昭和25年10月11日昭和24(れ)1152集刑 第19号761頁
位置づけ最高裁大法廷
裁判要旨公判廷外の証人訊問については弁護人立会のもとに行われていることとが記録上明白であるから被告人が立会しなくとも必ずしも所論憲法第三七条第二項に違背するものではない。(昭和二三年れ第一〇五四号同年九月二二日大法廷判決参照)論旨は理由がない。
参照法条憲法37条2項,旧刑訴法208条
最高裁 / 刑集登載108件
住居不詳の被告人に対する控訴趣意書差出最終日通知書等の付郵便送達が有効とされた事例
最高裁判所第三小法廷令和8年1月14日令和6(あ)1087刑集 第80巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第1審判決に対して控訴を申し立てた住居不詳の被告人が、裁判所から尋ねられても住居等を明らかにしなかったなどという本件事情の下では、控訴審裁判所が戸籍の附票に記載されている住所に宛てて行った被告人に対する控訴趣意書差出最終日通知書等の書留郵便に付する送達は、有効である。
参照法条刑訴法54条、刑訴規則62条1項、刑訴規則63条1項
病院の診療録中、刑訴法323条2号により採用された出所不明確な記載を受傷直後の被害者による申告事実の認定に用いた第1審判決の認定判断が違法とされた事例
最高裁判所第三小法廷令和7年12月10日令和5(あ)237刑集 第79巻8号438頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨傷害被告事件につき、病院の診療録中、刑訴法323条2号により採用された、被害者が被告人以外の者の行為により受傷した旨の記載は、記載者である看護師がいかなる情報に基づいて記載したのかが明らかでなく、その情報の発信者も特定されていない出所不明確なものであり、これを受傷直後の被害者による申告事実の認定に用いた第1審判決の認定…
参照法条刑訴法317条、刑訴法320条1項、刑訴法323条2号
刑訴法430条の準抗告裁判所が捜査機関の処分の当否を判断するに当たり考慮すべき資料
最高裁判所第三小法廷令和7年11月10日令和7(し)177刑集 第79巻8号415頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑訴法430条の準抗告裁判所は、捜査機関の処分の当否を判断するに当たり、捜査機関が当該処分当時に収集していた資料のみならず、その当時の事実に関する資料であって、その後に捜査機関が収集し、又は裁判所に提出されたものについても考慮に入れるべきである。
参照法条刑訴法124条1項、刑訴法222条1項、刑訴法426条、刑訴法430条、刑訴法432条
全体が包括一罪を構成する業務上横領の事案について月ごとの横領金額を明示した訴因に対し一部の月の横領金額につき訴因を上回る金額を認定するに当たり訴因変更手続を経なかったことに違法はないとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和7年10月20日令和6(あ)1506刑集 第79巻7号321頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨全体が包括一罪を構成する長期間継続的に行われた業務上横領の事案について、月ごとの横領金額を明示した訴因に対し、第1審裁判所が、訴因を下回る合計横領金額を認定しつつ、横領の成立時期をより遅く認定した部分があることに伴い、一部の月の横領金額につき訴因に明示された金額を上回る金額を認定したという事情の下では、第1審裁判所が訴…
参照法条刑法(令和4年法律第67号による改正前のもの)253条、刑訴法312条1項、刑訴法312条2項
被害者の検察官調書抄本を採用した第1審の訴訟手続に法令違反がありこれが判決に影響を及ぼすことが明らかであるとして第1審判決を破棄した原判決に、刑訴法397条1項、379条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和7年7月7日令和6(あ)1161刑集 第79巻5号159頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第1審裁判所が被害者の検察官調書抄本を刑訴法321条1項2号前段により採用する証拠決定をしたことについて、証拠能力をいまだ獲得していない証拠を採用し、事実認定に供した違法があるとして、同法397条1項、379条により第1審判決を破棄した原判決は、原審における事実の取調べの結果も踏まえ、前記証拠決定の時点で既に被害者が供…
参照法条刑訴法379条、刑訴法397条1項
第1審の有罪判決をした裁判官が当該被告事件の控訴裁判所のする保釈に関する裁判に関与することの適否
最高裁判所第一小法廷令和7年5月21日令和7(し)328刑集 第79巻4号149頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第1審の有罪判決をした裁判官は、刑訴法20条により、当該被告事件の控訴裁判所のする保釈に関する裁判についての職務の執行から除斥される。
参照法条刑訴法20条
弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)の棄却決定の謄本が先に弁護人に送達され、その後に被告人本人に送達された場合における、同決定に対する弁護人の即時抗告提起期間の起算日
最高裁判所第三小法廷令和6年11月15日令和6(し)761刑集 第78巻6号447頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)を棄却した決定の謄本が先に弁護人に送達され、その後に被告人本人に送達された場合において、弁護人が同決定に対して即時抗告をするときは、その提起期間は、同決定の謄本が被告人本人に送達された日から進行する。
参照法条刑訴法316条の20第1項、刑訴法316条の26、刑訴法351条1項、刑訴法352条、刑訴法355条、刑訴法358条、刑訴法422条
控訴審判決が、第1審判決が言い渡した組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(令和4年法律第97号による改正前のもの)13条1項の規定による没収に換えて同法16条1項の規定による追徴を言い渡すことと刑訴法402条に定める不利益変更…
最高裁判所第三小法廷令和6年10月7日令和4(あ)1059刑集 第78巻5号281頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人のみが控訴した場合において、第1審判決が組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(令和4年法律第97号による改正前のもの)13条1項の規定により没収するとした財産について、控訴審判決において、没収に換えて同法16条1項の規定によりその相当価額の追徴を言い渡すことは、刑訴法402条にいう「原判決の刑より重…
参照法条刑訴法402条、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(令和4年法律第97号による改正前のもの)13条1項、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(令和4年法律第97号による改正前のもの)16条1項
個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が認められた事例
最高裁判所第一小法廷令和5年10月16日令和3(あ)1752刑集 第77巻7号467頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が、個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因とは、個人として宅地建物取引業を営んだのか、法人の業務に関し法人の代表者としてこれを営んだのかに違いがあるとしても、被告人を行為者とした同一の建物賃貸借契約を媒介する…
参照法条刑訴法312条1項、宅地建物取引業法12条1項、宅地建物取引業法79条2号、宅地建物取引業法84条1号
強要未遂罪の成立を認めた第1審判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決に、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和5年9月11日令和4(あ)125刑集 第77巻6号181頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨労働組合の組合員である被告人両名らが、同組合の組合員が稼働する会社の取締役を脅迫し、同組合員を雇用している旨の就労証明書の作成等を要求したとして強要未遂罪の成立を認めた第1審判決について、強要未遂罪の解釈適用を誤り、ひいては事実を誤認したと説示しつつ、第1審判決が前提とする事実のうち、同社に同組合員を雇用している旨の就…
参照法条刑訴法382条、刑訴法411条1号
公訴事実記載の事実の存在を認定した上で、被告事件が罪とならないときに当たるとして無罪とした第1審判決を法令適用の誤りを理由に破棄し、事実の取調べをすることなく公訴事実と同旨の犯罪事実を認定して有罪の自判をした原判決が、刑訴法400条ただし書…
最高裁判所第一小法廷令和5年6月20日令和4(あ)680刑集 第77巻5号155頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公訴事実と同旨の事実を含む事実経過を認定した上、これを前提に、窃盗の実行の着手があったとは認められず、被告事件が罪とならないときに当たるとして無罪を言い渡した第1審判決について、原判決が、同事実経過等を前提として、窃盗の実行の着手を認めることができる旨の判断を示し、第1審判決には窃盗未遂罪の成立を否定した点において法令…
参照法条刑訴法400条
捜査機関による押収処分を受けた者の還付請求が権利の濫用として許されないとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和4年7月27日令和4(し)25刑集 第76巻5号685頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨捜査機関が押収した各押収物には、被押収者らに対する各準強制性交等被疑事件等に関する動画データ等が記録されており、同動画データ等は、被害者とされた女性らに無断で撮影又は録音されたもので、これらが流布された場合には、同人らの名誉、人格等を著しく害し、同人らに多大な精神的苦痛を与えるなどの回復し難い不利益を生じさせる危険性が…
参照法条刑訴法123条1項、刑訴法222条1項、刑訴規則1条2項
他人の物の非占有者が業務上占有者と共謀して横領した場合における非占有者に対する公訴時効の期間
最高裁判所第一小法廷令和4年6月9日令和3(あ)821刑集 第76巻5号613頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨他人の物の非占有者が業務上占有者と共謀して横領した場合、非占有者に対する公訴時効の期間は、刑法252条1項の横領罪の法定刑である5年以下の懲役について定められた5年(刑訴法250条2項5号)である。 (補足意見がある。)
参照法条刑法65条、刑法252条1項、刑法253条、刑訴法250条、刑訴法337条4号
外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷令和4年5月20日令和2(あ)1135刑集 第76巻4号452頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、被告人の地位及び立場、被告人が同供与に関する相談を受けるに至った経緯及びこれに対する被告人の言動並びにその相談後に同供与が実行されたという経過等を総合考慮して、被告人が同供与を了承し、これを実行する意思決定に関与したとして共謀の成立を認めた第1審判…
参照法条刑法60条、不正競争防止法18条1項、不正競争防止法21条2項7号、刑訴法382条、刑訴法411条1号
強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和4年4月28日令和3(あ)711刑集 第76巻4号380頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被疑者に対して強制採尿を実施することが「犯罪の捜査上真にやむを得ない」場合とは認められないのにされた強制採尿令状の発付は違法であり、警察官らが同令状に基づいて強制採尿を実施した行為も違法であるが、警察官らはありのままを記載した疎明資料を提出して同令状を請求し、裁判官の審査を経て発付された適式の同令状に基づき強制採尿を実…
参照法条刑訴法1条、刑訴法99条1項、刑訴法102条1項、刑訴法218条1項、刑訴法222条1項、刑訴法317条
傷害罪の成立を認めた第1審判決に判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決に、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和4年4月21日令和2(あ)1751刑集 第76巻4号268頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨医師の意見から認められる外力の態様に加え、Aが受傷した当時の状況、Aの受傷状況に関する被告人の言動を総合してAに対する被告人の暴行を認定し傷害罪の成立を認めた第1審判決について、医師の意見からは第1審判決が認定の根拠としたAの頭部にA以外の者の行為による強い外力が加わった事実は認められないからその認定は前提を欠くとした…
参照法条刑訴法382条、刑訴法411条1号
管轄移転の請求が訴訟を遅延させる目的のみでされたことが明らかである場合における刑訴規則6条による訴訟手続の停止の要否
最高裁判所第三小法廷令和3年12月10日令和3(あ)964刑集 第75巻9号1119頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨管轄移転の請求が訴訟を遅延させる目的のみでされたことが明らかである場合には,刑訴規則6条により訴訟手続を停止することを要しない。
参照法条刑訴法17条,刑訴規則6条
被告人は心神耗弱の状態にあったとした第1審判決を事実誤認を理由に破棄し何ら事実の取調べをすることなく完全責任能力を認めて自判をした原判決が,刑訴法400条ただし書に違反するとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和3年9月7日令和3(あ)1刑集 第75巻8号1074頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人は行動制御能力が著しく減退していた合理的な疑いが残るから心神耗弱の状態にあったとした第1審判決について,その認定は論理則,経験則等に照らして不合理であるとして,事実誤認を理由に破棄し,原審において何ら事実の取調べをすることなく,訴訟記録及び第1審裁判所において取り調べた証拠のみによって,直ちに完全責任能力を認めて…
参照法条刑訴法400条
違法収集証拠として証拠能力を否定した第1審の訴訟手続に法令違反があるとした原判決に,法令の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和3年7月30日令和2(あ)1763刑集 第75巻7号930頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨警察官が,被告人の自動車内にチャック付きビニール袋を確認した旨の疎明資料を作成して同車に対する捜索差押許可状及び強制採尿令状を請求して上記各令状の発付を受け,同車内から覚醒剤等の薬物を差し押さえ,被告人から尿の任意提出を受けたなどの本件の事実経過(判文参照)の下では,同薬物並びに同薬物及び被告人の尿に関する各鑑定書の証…
参照法条刑訴法1条,刑訴法317条,刑訴法411条1号
前訴で住居侵入,窃盗の訴因につき有罪の第1審判決が確定した場合において,後訴の訴因である常習特殊窃盗を構成する行為が前訴の第1審判決後にされたものであるときの前訴の確定判決による一事不再理効の範囲
最高裁判所第一小法廷令和3年6月28日令和2(あ)919刑集 第75巻7号909頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨前訴で住居侵入,窃盗の訴因につき有罪の第1審判決が確定した場合において,後訴の訴因である常習特殊窃盗を構成する住居侵入,窃盗の各行為が前訴の第1審判決後にされたものであるときは,前訴の訴因が常習性の発露として行われたか否かについて検討するまでもなく,前訴の確定判決による一事不再理効は,後訴に及ばない。
参照法条刑訴法337条1号,刑法235条,盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律2条
原審が被告人質問を実施したが,被告人が黙秘し,他に事実の取調べは行われなかったという事案につき,第1審が無罪とした公訴事実を原審が認定して直ちに自ら有罪の判決をしても,刑訴法400条ただし書に違反しないとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和3年5月12日令和2(あ)343刑集 第75巻6号583頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨準強姦の公訴事実につき,第1審が,被害者が抗拒不能であったことは認めたものの,被告人にその認識があったことには合理的な疑いが残るとして無罪を言い渡し,原審が,被告人において被害者が抗拒不能状態にないと誤信するような事情がなかったかなどについて質問する必要があるとして,職権による被告人質問を実施したが,被告人が黙秘し,原…
参照法条刑訴法400条
新証拠による旧証拠の証明力減殺が,他の旧証拠の証明力に関する評価を左右する関係にあるとはいえず,それらの再評価を要することになるものではないとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和3年4月21日平成30(し)76刑集 第75巻4号389頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨新証拠によるMCT118型鑑定の証明力減殺は,同鑑定の手法が改善されたことによるものであるのに対し,HLADQα型鑑定並びにミトコンドリアDNA型鑑定及びHLADQB型鑑定の証明力は,鑑定資料のDNA量や状態の不良,更にはこれらの鑑定自体の特性等に基づいて評価されるべきものであって,MCT118型鑑定の証明力減殺が,H…
参照法条刑訴法435条6号
1 電磁的記録を保管した記録媒体がサイバー犯罪に関する条約の締約国に所在し同記録を開示する正当な権限を有する者の合法的かつ任意の同意がある場合に国際捜査共助によることなく同記録媒体へのリモートアクセス及び同記録の複写を行うことの許否 2 警…
最高裁判所第二小法廷令和3年2月1日平成30(あ)1381刑集 第75巻2号123頁
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裁判要旨1 電磁的記録を保管した記録媒体がサイバー犯罪に関する条約の締約国に所在し,同記録を開示する正当な権限を有する者の合法的かつ任意の同意がある場合に,国際捜査共助によることなく同記録媒体へのリモートアクセス及び同記録の複写を行うことは許される。 2 警察官が,(1)リモートアクセスによる電磁的記録の複写の処分を許可した捜…
参照法条(1~3につき)刑訴法99条2項,刑訴法218条2項 (1,2につき)サイバー犯罪に関する条約32条 (4につき)刑法60条,刑法174条,刑法175条1項前段
自動車を運転する予定の者に対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させ運転を仕向けて交通事故を引き起こさせ,事故の相手方に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,事故の相手方に対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法3…
最高裁判所第二小法廷令和3年1月29日令和2(あ)96刑集 第75巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が,自動車を運転する予定の者に対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させて運転するよう仕向けたことにより,走行中にその運転者が仮睡状態等に陥って自車を対向車線に進出させて対向車に衝突させる交通事故を引き起こし,対向車の運転者に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,対向車の運転者に対する殺意を認めた第1審判決に事実…
参照法条刑訴法382条,刑訴法411条1号
高等裁判所がした控訴取下げを無効と認め訴訟手続を再開・続行する旨の決定に対する不服申立ての可否
最高裁判所第三小法廷令和2年2月25日令和1(し)807刑集 第74巻2号277頁
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裁判要旨高等裁判所がした控訴取下げを無効と認め訴訟手続を再開・続行する旨の決定に対しては,これに不服のある者は,3日以内にその高等裁判所に異議の申立てをすることができる。
参照法条刑訴法359条,刑訴法422条,刑訴法428条2項,刑訴法428条3項,刑訴法433条1項
上告裁判所が原判決を破棄するに当たり,口頭弁論を経ることを要しないとされた事例
最高裁判所第三小法廷令和2年1月31日令和1(あ)1987刑集 第74巻1号257頁
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裁判要旨上告裁判所が原判決を破棄するに当たり,原審の公判審理に関与していない裁判官が原判決に関与した違法があるという破棄事由の性質,被告事件の内容,審理経過等本件事情の下では,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
参照法条刑訴法411条1号,刑訴法43条1項,刑訴法408条,刑訴規則54条,刑訴規則55条
犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した第1審判決を控訴裁判所が何ら事実の取調べをすることなく破棄し有罪の自判をすることと刑訴法400条ただし書
最高裁判所第一小法廷令和2年1月23日平成29(あ)2073刑集 第74巻1号1頁
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裁判要旨第1審判決が公訴事実の存在を認めるに足りる証明がないとして,被告人に対し,無罪を言い渡した場合に,控訴審において第1審判決を破棄し,自ら何ら事実の取調べをすることなく,訴訟記録及び第1審裁判所において取り調べた証拠のみによって,直ちに公訴事実の存在を確定し有罪の判決をすることは,刑訴法400条ただし書の許さないところと…
参照法条刑訴法400条,憲法31条,憲法37条
被告人の記名のみがあり署名押印がいずれもない控訴申立書による控訴申立ての効力
最高裁判所第一小法廷令和元年12月10日平成30(あ)1409刑集 第73巻5号155頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人の記名のみがあり署名押印がいずれもない控訴申立書による控訴申立ては,同申立書を封入した郵便の封筒に被告人の署名があったとしても,無効である。
参照法条刑訴法374条,刑訴規則60条
被告人を殺人及び窃盗の犯人と認めて有罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成30年7月13日平成29(あ)837刑集 第72巻3号324頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人を殺人及び窃盗の犯人と認めて有罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決は,全体として,第1審判決の説示を分断して個別に検討するのみで,情況証拠によって認められる一定の推認力を有する間接事実の総合評価という観点からの検討を欠いており,第1審判決が論理則,経験則等に照らして不合理であることを十分に示したものとは…
参照法条刑訴法382条,刑訴法411条1号
刑訴法299条の4,299条の5と憲法37条2項前段
最高裁判所第二小法廷平成30年7月3日平成30(し)170刑集 第72巻3号299頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑訴法299条の4,299条の5は,憲法37条2項前段に違反しない。
参照法条憲法37条2項,刑訴法299条の4,刑訴法299条の5
いわゆるSTR型によるDNA型鑑定の信用性を否定した原判決が破棄された事例
最高裁判所第一小法廷平成30年5月10日平成29(あ)882刑集 第72巻2号141頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨犯行現場で採取された精液様の遺留物について実施されたいわゆるSTR型によるDNA型鑑定について,15座位のSTR型の検出状況を分析した結果等に基づいて,遺留物が1人分のDNAに由来し,被告人のDNA型と一致するとした鑑定の信用性を否定し,被告人を無罪とした原判決は,同鑑定が遺留物を1人分のDNAに由来するとした理由の重…
参照法条刑法130条前段,刑法174条,刑訴法411条3号
1 刑法218条の不保護による保護責任者遺棄罪の実行行為の意義 2 子に対する保護責任者遺棄致死被告事件について,被告人の故意を認めず無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例…
最高裁判所第二小法廷平成30年3月19日平成28(あ)1549刑集 第72巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 刑法218条の不保護による保護責任者遺棄罪の実行行為は,老年者,幼年者,身体障害者又は病者につきその生存のために特定の保護行為を必要とする状況(要保護状況)が存在することを前提として,その者の生存に必要な保護行為として行うことが刑法上期待される特定の行為をしなかったことを意味する。 2 低栄養に基づく衰弱により死亡…
参照法条(1から3につき) 刑法218条,刑法219条 (2につき) 刑訴法382条,刑訴法411条1号 (3につき) 刑訴法312条,刑訴規則208条
1 刑の執行猶予の言渡し取消し請求において刑訴規則34条により刑の執行猶予の言渡し取消し決定の謄本の送達を受けるべき者 2 刑の執行猶予の言渡し取消し請求における被請求人が選任した弁護人に対する刑の執行猶予の言渡し取消し決定の謄本の送達の効…
最高裁判所第二小法廷平成29年1月16日平成29(し)8刑集 第71巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 刑の執行猶予の言渡し取消し請求において,刑訴規則34条により刑の執行猶予の言渡し取消し決定の謄本の送達を受けるべき者は,検察官及び被請求人である。 2 刑の執行猶予の言渡し取消し請求において,被請求人が選任した弁護人に対して刑の執行猶予の言渡し取消し決定の謄本が送達されても,被請求人に対する送達が行われたものと同じ…
参照法条(1,2につき) 刑法26条の2第2号,刑法26条の3,刑訴法349条の2第1項,刑訴規則34条,刑訴規則62条1項
被告人に訴訟能力がないために公判手続が停止された後訴訟能力の回復の見込みがないと判断される場合と公訴棄却の可否
最高裁判所第一小法廷平成28年12月19日平成27(あ)1856刑集 第70巻8号865頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人に訴訟能力がないために公判手続が停止された後,訴訟能力の回復の見込みがなく公判手続の再開の可能性がないと判断される場合,裁判所は,刑訴法338条4号に準じて,判決で公訴を棄却することができる。 (補足意見がある。)
参照法条刑訴法1条,刑訴法314条1項,刑訴法338条4号
刑訴法17条1項2号にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成28年8月1日平成28(す)398刑集 第70巻6号581頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨米軍属による強姦致死,殺人,死体遺棄事件として管轄区域で大々的に報道され,当該区域の住民の中から裁判員を選任することになるなどの所論が主張する点(判文参照)は,管轄裁判所において公平な裁判が行われることを期待し難い事情とはいえず,刑訴法17条1項2号にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらない。…
参照法条刑訴法17条1項2号,刑訴法17条2項
刑法等の一部を改正する法律(平成25年法律第49号)による刑の一部の執行猶予に関する各規定の新設と刑訴法411条5号にいう「刑の変更」
最高裁判所第一小法廷平成28年7月27日平成28(あ)456刑集 第70巻6号571頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法等の一部を改正する法律(平成25年法律第49号)による刑の一部の執行猶予に関する各規定(刑法27条の2ないし27条の7)の新設は,刑訴法411条5号にいう「刑の変更」に当たらない。
参照法条刑法27条の2,刑法27条の3,刑法27条の4,刑法27条の5,刑法27条の6,刑法27条の7,刑訴法411条5号
花火大会が実施された公園と最寄り駅とを結ぶ歩道橋で多数の参集者が折り重なって転倒して死傷者が発生した事故について,警察署副署長に同署地域官との業務上過失致死傷罪の共同正犯は成立しないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成28年7月12日平成26(あ)747刑集 第70巻6号411頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨花火大会が実施された公園と最寄り駅とを結ぶ歩道橋で多数の参集者が折り重なって転倒して死傷者が発生した事故について,警備計画策定の第一次的責任者ないし現地警備本部の指揮官という立場にあった警察署地域官と,同署副署長ないし署警備本部の警備副本部長として同署署長を補佐する立場にあった被告人とでは,分担する役割や事故発生の防止…
参照法条刑法60条,刑法(平成13年法律第138号による改正前のもの)211条前段,刑訴法254条2項,刑訴法337条4号,刑訴法(平成16年法律第156号による改正前のもの)250条4号
公訴時効を廃止するなどした「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)の経過措置を定めた同法附則3条2項と憲法39条,31条
最高裁判所第一小法廷平成27年12月3日平成26(あ)749刑集 第69巻8号815頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公訴時効を廃止するなどした「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)の経過措置として,同改正法律施行の際公訴時効が完成していない罪について改正後の刑訴法250条1項を適用する旨を定めた同改正法律附則3条2項は,憲法39条,31条に違反せず,それらの趣旨にも反しない。
参照法条憲法31条,憲法39条,刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成22年法律第26号)附則3条2項,刑法等の一部を改正する法律(平成16年法律第156号)附則3条2項,刑訴法(平成16年法律第156号による改正前のもの)250条,刑訴法2…
弁護士である弁護人が被告人の委託を受けて保管している同人の犯行状況とされるものを撮影録画したデジタルビデオカセットについて,刑訴法105条の「他人の秘密に関するもの」に当たらないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成27年11月19日平成27(し)556刑集 第69巻7号797頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が強姦等の犯行状況とされるものを撮影録画したデジタルビデオカセットについて,被告人の委託を受けて保管していた弁護士である弁護人により証拠請求がされ,更にその複製DVDが公判期日で被告人及び弁護人の異議なく取り調べられているなどの本件事実関係(判文参照)の下では,上記デジタルビデオカセットは,刑訴法105条の「他人…
参照法条刑訴法99条1項,刑訴法99条3項,刑訴法105条
刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書,刑訴法53条1項ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」と関連する他の事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合
最高裁判所第二小法廷平成27年10月27日平成27(し)428刑集 第69巻7号787頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書,刑訴法53条1項ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」には,保管記録を請求者に閲覧させることによって,その保管記録に係る事件と関連する他の事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合が含まれる。
参照法条刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書,刑訴法53条1項ただし書
公判調書の整理期間を定める刑訴法48条3項と憲法31条との関係
最高裁判所第一小法廷平成27年8月25日平成26(あ)1045刑集 第69巻5号667頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨公判調書作成の本来の目的等を踏まえ,公判調書の整理期間をどのように定めるかは,憲法31条の刑事裁判における適正手続の保障と直接には関係のない事項である。
参照法条憲法31条,刑訴法48条1項,刑訴法48条3項
公判前整理手続で明示された主張に関しその内容を更に具体化する被告人質問等を刑訴法295条1項により制限することはできないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成27年5月25日平成25(あ)1465刑集 第69巻4号636頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨「公訴事実記載の日時には犯行場所にはおらず,自宅ないしその付近にいた」旨のアリバイ主張が明示されたが,それ以上に具体的な主張は明示されず,裁判所も釈明を求めなかったなどの本件公判前整理手続の経過等に照らすと,前記主張の内容に関し弁護人が更に具体的な供述を求める行為及びこれに対する被告人の供述を刑訴法295条1項により制…
参照法条刑訴法295条1項,刑訴法316条の17第1項
刑訴法278条の2第3項に規定する過料の制裁と憲法31条,37条3項
最高裁判所第三小法廷平成27年5月18日平成27(し)149刑集 第69巻4号573頁
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裁判要旨刑訴法278条の2第3項に規定する過料の制裁は,憲法31条,37条3項に違反しない。
参照法条憲法31条,憲法37条3項,刑訴法278条の2第1項,刑訴法278条の2第3項
別件で刑事施設に収容されている再審請求人の届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の付郵便送達が有効とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成27年3月24日平成26(し)567刑集 第69巻2号506頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,上記届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の書留郵便に付する送達は,刑訴規則63条1項によ…
参照法条刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則62条3項,刑訴規則63条1項,民訴法102条3項
最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対する不服申立ての許否
最高裁判所第二小法廷平成27年2月24日平成27(す)109刑集 第69巻1号214頁
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裁判要旨最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対しては不服申立てをすることは許されない。
参照法条刑訴法359条,刑訴法419条,刑訴法433条1項,裁判所法7条2号
検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときの訴訟費用負担の裁判の執行に関する異議申立ての許否
最高裁判所第二小法廷平成27年2月23日平成26(す)765刑集 第69巻1号209頁
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裁判要旨訴訟費用負担の裁判の執行について,刑訴法490条1項による徴収命令の出される前であっても,同法472条による検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときは,同法502条の異議申立てをすることができる。
参照法条刑訴法472条,刑訴法490条1項,刑訴法502条
被告人を死刑に処した裁判員裁判による第1審判決を量刑不当として破棄し無期懲役に処した原判決の量刑が維持された事例
最高裁判所第二小法廷平成27年2月3日平成25(あ)1729刑集 第69巻1号99頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨女性1名を殺害するなどした住居侵入,強盗殺人,建造物侵入,現住建造物等放火,死体損壊等のほか,その前後約2か月間に繰り返された強盗致傷,強盗強姦等の事案において,女性の殺害を計画的に実行したとは認められず,また,殺害態様の悪質性を重くみることにも限界があるのに,同女に係る事件以外の事件の悪質性や危険性,被告人の前科,反…
参照法条刑訴法381条,刑訴法397条1項,刑訴法411条2号
被告人を死刑に処した裁判員裁判による第1審判決を量刑不当として破棄し無期懲役に処した原判決の量刑が維持された事例
最高裁判所第二小法廷平成27年2月3日平成25(あ)1127刑集 第69巻1号1頁
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裁判要旨殺人等の罪により懲役20年の刑に服した前科がある被告人が被害者1名を殺害した住居侵入,強盗殺人の事案において,本件犯行とは関連が薄い前記前科があることを過度に重視して死刑に処した裁判員裁判による第1審判決の量刑判断が合理的ではなく,被告人を死刑に処すべき具体的,説得的な根拠を見いだし難いと判断して同判決を破棄し無期懲役…
参照法条刑訴法381条,刑訴法397条1項,刑訴法411条2号
刑事施設にいる被告人から交付された上訴取下書を刑事施設職員が受領した場合と刑訴法367条の準用する同法366条1項にいう「刑事施設の長又はその代理者に差し出したとき」
最高裁判所第二小法廷平成26年11月28日平成26(し)538刑集 第68巻9号1069頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑事施設にいる被告人が,被収容者からの書面の受領を担当する刑事施設職員に対し,上訴取下書を交付し,同職員がこれを受領したときは,刑訴法367条の準用する同法366条1項にいう「刑事施設の長又はその代理者に差し出したとき」に当たる。 (補足意見がある。)
参照法条刑訴法366条1項,刑訴法367条,刑訴規則227条,刑訴規則228条,刑訴規則229条
1 受訴裁判所によってされた刑訴法90条による保釈の判断に対する抗告審の審査の方法 2 詐欺被告事件において保釈を許可した原々決定を取り消して保釈請求を却下した原決定に刑訴法90条,426条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成26年11月18日平成26(し)560刑集 第68巻9号1020頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 受訴裁判所によってされた刑訴法90条による保釈の判断に対して,抗告審としては,受訴裁判所の判断が委ねられた裁量の範囲を逸脱していないかどうか,すなわち,不合理でないかどうかを審査すべきであり,受訴裁判所の判断を覆す場合には,その判断が不合理であることを具体的に示す必要がある。 2 公判審理の経過及び罪証隠滅のおそれ…
参照法条(1,2につき)刑訴法90条,刑訴法426条
傷害致死の事案につき,懲役10年の求刑を超えて懲役15年に処した第1審判決及びこれを是認した原判決が量刑不当として破棄された事例
最高裁判所第一小法廷平成26年7月24日平成25(あ)689刑集 第68巻6号925頁
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裁判要旨親による幼児に対する傷害致死の事案において,これまでの量刑の傾向から踏み出し,公益の代表者である検察官の懲役10年の求刑を大幅に超える懲役15年という量刑をすることにつき,具体的,説得的な根拠を示しているとはいい難い第1審判決及びその量刑を是認した原判決は,量刑不当により破棄を免れない。 (補足意見がある。)
参照法条刑法205条,刑訴法411条2号
公判前整理手続を終了するに当たり確認された争点に明示的に掲げられなかった点につき,公判手続で争点として提示する措置をとることなく認定した第1審判決に違法はないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成26年4月22日平成24(あ)1816刑集 第68巻4号730頁
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裁判要旨殺害行為に先立つけん銃の引き金を引いたという行為につき,公判前整理手続を終了するに当たり確認された争点に明示的に掲げられなかったとしても,同手続で議論され,公判手続で実質的な攻撃防御を経ていたなどの本件事実関係(判文参照)の下においては,公判手続で争点として提示する措置をとることなく殺害に至る経過として上記行為を認定し…
参照法条刑訴法294条,刑訴法316条の24,刑訴法379条,刑訴規則208条
暴力団関係者の利用を拒絶しているゴルフ場において暴力団関係者であることを申告せずに施設利用を申し込む行為が,詐欺罪にいう人を欺く行為に当たらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成26年3月28日平成25(あ)3刑集 第68巻3号582頁
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裁判要旨暴力団関係者の利用を拒絶しているゴルフ場において,暴力団関係者であるビジター利用客が,暴力団関係者であることを申告せずに,一般の利用客と同様に,氏名等を偽りなく記入した受付表等を提出して施設利用を申し込む行為は,ゴルフ場の従業員から暴力団関係者でないことを確認されなかったなどの本件事実関係(判文参照)の下では,申込者が…
参照法条刑法246条2項,刑訴法411条3号
保護責任者遺棄致死被告事件について,被害者の衰弱状態等を述べた医師らの証言が信用できることを前提に被告人両名を有罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成26年3月20日平成24(あ)797刑集 第68巻3号499頁
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裁判要旨保護責任者遺棄致死被告事件について,被害者の衰弱状態等を述べた医師らの証言が信用できることを前提に被告人両名を有罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決は,証言の信用性を支える根拠があるのにこれを考慮しないなど,証言の信用性評価を誤っており,第1審判決が論理則,経験則等に照らして不合理であることを十分に示したもの…
参照法条刑訴法382条,刑訴法411条1号
1 同一被害者に対し一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実について,包括一罪とされた事例 2 包括一罪を構成する一連の暴行による傷害について,訴因の特定に欠けるところはないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成26年3月17日平成23(あ)1224刑集 第68巻3号368頁
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裁判要旨1 同一被害者に対し約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実については,その暴行が,被告人と被害者との一定の人間関係を背景として,共通の動機から繰り返し犯意を生じて行われたものであることなどの事情(判文参照)に鑑みると,全体を一体のものと評価し,包括して一罪と…
参照法条(1,2につき)刑法204条 (2につき)刑訴法256条3項
覚せい剤の密輸入事件について,共犯者供述の信用性を否定して無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用の誤りはないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成26年3月10日平成24(あ)744刑集 第68巻3号87頁
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裁判要旨覚せい剤の密輸入事件について,被告人から指示を受けていたとする共犯者供述の信用性を否定して被告人を無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決は,第1審判決が,受信は記録されていないなどの通話記録の性質に十分配慮せず,それと同共犯者供述との整合性を細部について必要以上に要求するなどしたことや,同共犯者に指示を与え…
参照法条刑訴法382条,刑訴法397条1項
少年につき禁錮以上の刑に当たる罪として家庭裁判所から少年法20条1項の送致を受けた事件をそれと事実の同一性が認められる罰金以下の刑に当たる罪の事件として公訴を提起することの許否
最高裁判所第一小法廷平成26年1月20日平成25(さ)4刑集 第68巻1号79頁
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裁判要旨少年につき禁錮以上の刑に当たる罪として家庭裁判所から少年法20条1項の送致を受けた事件について,それと事実の同一性が認められるとしても,罰金以下の刑に当たる罪の事件として公訴を提起することは許されない。
参照法条刑訴法458条1号,刑訴法338条4号,少年法20条1項
密輸組織が関与する覚せい剤の密輸入事件について,被告人の故意を認めず無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用の誤りはないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成25年10月21日平成24(あ)724刑集 第67巻7号755頁
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裁判要旨密輸組織が関与する覚せい剤の密輸入事件について,被告人の覚せい剤に関する認識を否定して無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決は,この種事案に適用されるべき経験則等を示しつつ,被告人は覚せい剤が隠匿されたスーツケースを日本に運ぶよう指示又は依頼を受けて来日したと認定するなどした上,被告人の覚せい剤に関する認識を…
参照法条刑訴法382条,刑訴法397条1項
少年の被疑事件につき一旦は嫌疑不十分を理由に不起訴処分にするなどしたため家庭裁判所の審判を受ける機会が失われた後に事件を再起してした公訴提起が無効であるとはいえないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成25年6月18日平成23(あ)2032刑集 第67巻5号653頁
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裁判要旨犯行時16歳の少年の業務上過失傷害被疑事件について,検察官への事件送致までに約2年11か月を要した上,一旦は嫌疑不十分を理由に不起訴処分(家庭裁判所へ送致しない処分)とされたため,被疑者が成人に達して家庭裁判所で審判を受ける機会が失われたとしても,運転者の特定に日時を要し,検察官が嫌疑不十分と判断し不起訴処分にしたのも…
参照法条刑訴法248条,刑訴法338条4号,少年法42条1項
覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めながら共謀を認めずに無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用の誤りはないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成25年4月16日平成24(あ)167刑集 第67巻4号549頁
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裁判要旨覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めながら共謀を認めずに無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決は,被告人が,犯罪組織関係者から日本に入国して輸入貨物を受け取ることを依頼され,その中に覚せい剤が隠匿されている可能性を認識しながらこれを引き受けたという本件事実関係の下では,特段の事情がない限り,…
参照法条刑訴法382条,刑訴法397条1項
刑訴法316条の17と自己に不利益な供述の強要
最高裁判所第一小法廷平成25年3月18日平成24(あ)199刑集 第67巻3号325頁
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裁判要旨刑訴法316条の17は,自己に不利益な供述を強要するものとはいえない。
参照法条刑訴法316条の17,憲法38条1項
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律35条1項の異議の申立てと裁判員等選任手続の停止
最高裁判所第一小法廷平成25年3月15日平成25(し)110刑集 第67巻3号319頁
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裁判要旨裁判員の参加する刑事裁判に関する法律35条1項の異議の申立てがされても,裁判員等選任手続は停止されない。
参照法条裁判員の参加する刑事裁判に関する法律34条4項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律35条1項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律35条4項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律37条1項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律37条2項,…
本位的訴因を否定し予備的訴因を認定した第1審判決に対し検察官が控訴の申立てをしなかった場合に,控訴審が職権調査により本位的訴因について有罪の自判をすることが違法であるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成25年3月5日平成24(あ)512刑集 第67巻3号267頁
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裁判要旨本位的訴因とされた賭博開張図利の共同正犯は認定できないが,予備的訴因とされた賭博開張図利の幇助犯は認定できるとした第1審判決に対し,検察官が控訴の申立てをしなかった場合に,控訴審が職権により本位的訴因について調査を加えて有罪の自判をすることは,職権の発動として許される限度を超えるものであり,違法である。
参照法条刑訴法392条2項
公判調書中の被告人供述調書に添付されたのみで証拠として取り調べられていない電子メールが独立の証拠又は被告人の供述の一部にならないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成25年2月26日平成22(あ)1632刑集 第67巻2号143頁
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裁判要旨被告人質問において被告人に示され,公判調書中の被告人供述調書に添付されたが,これとは別に証拠として取り調べられていない本件の電子メールは,その存在及び記載が記載内容の真実性と離れて証拠価値を有するものであり,被告人に対してこれを示して質問をした手続に違法はなく,被告人がその同一性や真正な成立を確認したとしても,独立の証…
参照法条刑訴法317条,刑訴規則49条,刑訴規則199条の10,刑訴規則199条の11
1 前科に係る犯罪事実及び前科以外の他の犯罪事実を被告人と犯人の同一性の間接事実とすることの許否 2 前科に係る犯罪事実及び前科以外の他の犯罪事実を被告人と犯人の同一性の間接事実とすることが許されないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成25年2月20日平成23(あ)1789刑集 第67巻2号1頁
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裁判要旨1 前科に係る犯罪事実や前科以外の他の犯罪事実を被告人と犯人の同一性の間接事実とすることは,これらの犯罪事実が顕著な特徴を有し,かつ,その特徴が証明対象の犯罪事実と相当程度類似していない限りは,許されない。 2 前科に係る住居侵入,窃盗,現住建造物等放火等の犯罪事実及び前科以外の他の住居侵入,窃盗等の犯罪事実を,証明対…
参照法条(1,2につき) 刑訴法317条
検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例
最高裁判所第三小法廷平成24年9月18日平成24(さ)1刑集 第66巻9号958頁
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裁判要旨検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に対して略式命令を発付したことは,手続の前提事実の誤認に基づくものではなく,手続そのものについての誤りであり,刑訴法454条の「事件の審判が法令に違反したこと」に当たる。
参照法条刑訴法454条
刑訴法448条2項による刑の執行停止決定に対する不服申立ての方法
最高裁判所第三小法廷平成24年9月18日平成24(し)167刑集 第66巻9号963頁
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裁判要旨刑訴法448条2項による刑の執行停止決定に対しては,同法419条による抗告をすることができる。
参照法条刑訴法419条,刑訴法420条1項,刑訴法420条2項,刑訴法448条2項,刑訴法450条
1 前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いる場合の証拠能力 2 前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いることが許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成24年9月7日平成23(あ)670刑集 第66巻9号907頁
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裁判要旨1 前科証拠は,自然的関連性があることに加え,証明しようとする事実について,実証的根拠の乏しい人格評価によって誤った事実認定に至るおそれがないと認められるときに証拠能力が肯定され,前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いる場合は,前科に係る犯罪事実が顕著な特徴を有し,かつ,それが起訴に係る犯罪事実と相当程度類似するこ…
参照法条(1,2につき)刑訴法317条,刑訴法379条
1 刑訴規則27条1項ただし書にいう「特別の事情」があるとされる場合 2 3人を超える弁護人の数の許可につき刑訴規則27条1項ただし書にいう「特別の事情」があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成24年5月10日平成24(し)219刑集 第66巻7号663頁
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裁判要旨1 事案が複雑で,頻繁な接見の必要性が認められるなど,広範な弁護活動が求められ,3人を超える数の弁護人を選任する必要があり,かつ,それに伴う支障が想定されない場合には,刑訴規則27条1項ただし書にいう「特別の事情」がある。 2 架空の減価償却費用を計上するなどして多額の所得を秘匿して法人税の納付を免れたという法人税法違…
参照法条刑訴法35条,刑訴規則27条1項
被疑者の弁護人の人数超過許可決定に対する刑訴法419条による抗告申立ての可否
最高裁判所第三小法廷平成24年4月20日平成24(し)178刑集 第66巻6号645頁
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裁判要旨被疑者の弁護人の人数超過許可決定(請求人数よりも少ない人数を指定するもの)に対しては,刑訴法419条により高等裁判所に抗告の申立てをすることができる。
参照法条刑訴法35条,刑訴法419条,刑訴法420条1項,刑訴法433条1項,刑訴規則27条
現住建造物等放火被告事件につき,訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる放火方法を認定したことが違法とされた事例
最高裁判所第二小法廷平成24年2月29日平成23(あ)775刑集 第66巻4号589頁
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裁判要旨現住建造物等放火被告事件につき,ガスコンロの点火スイッチを作動させて点火し,台所に充満したガスに引火,爆発させたとの訴因に対し,訴因変更手続を経ることなく,何らかの方法により上記ガスに引火,爆発させたと認定したことは,引火,爆発の原因が上記スイッチの作動以外の行為であるとした場合の被告人の刑事責任について検察官の予備的…
参照法条刑訴法312条1項,刑訴法312条2項
控訴棄却の確定判決に対する再審請求が適法な再審事由の主張がなく不適法であることが明らかなときと刑訴規則285条1項による訴訟手続の停止
最高裁判所第一小法廷平成24年2月14日平成23(し)500刑集 第66巻4号582頁
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裁判要旨第1審裁判所と控訴裁判所に再審請求が競合した場合において,控訴を棄却した確定判決に対する再審請求が適法な再審事由の主張がないため不適法であることが明らかなときは,控訴裁判所は,刑訴規則285条1項による訴訟手続の停止をすることなく,当該再審請求を棄却することも許される。
参照法条刑訴法436条1項,刑訴法435条1号,刑訴法435条2号,刑訴法435条7号,刑訴規則285条1項
1 刑訴法382条にいう事実誤認の意義 2 刑訴法382条にいう事実誤認の判示方法 3 覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めず無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとさ…
最高裁判所第一小法廷平成24年2月13日平成23(あ)757刑集 第66巻4号482頁
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裁判要旨1 刑訴法382条の事実誤認とは,第1審判決の事実認定が論理則,経験則等に照らして不合理であることをいう。 2 控訴審が第1審判決に事実誤認があるというためには,第1審判決の事実認定が論理則,経験則等に照らして不合理であることを具体的に示す必要がある。 3 覚せい剤を密輸入した事件について覚せい剤を輸入する認識がなかっ…
参照法条(1〜3につき)刑訴法382条,(2につき)刑訴法397条1項,(3につき)刑訴法411条1号
1 医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師がその過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為と秘密漏示罪の成否 2 医師が医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命…
最高裁判所第二小法廷平成24年2月13日平成22(あ)126刑集 第66巻4号405頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師が,当該鑑定を行う過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為は,医師がその業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏示するものとして刑法134条1項の秘密漏示罪に該当する。 2 医師が医師としての知識,経験に基づく診断を含…
参照法条(1〜3につき)刑法134条1項,(3につき)刑法135条,刑訴法230条
当審において法律上犯罪行為に該当しないことを理由に無罪となった共犯者の事件と法の適用に関し別個に評価され得るような事情がないとして,略式命令に対する非常上告が認められた事例
最高裁判所第二小法廷平成23年12月9日平成23(さ)1刑集 第65巻9号1371頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が共犯者と共謀の上行政書士法1条の2第1項にいう「事実証明に関する書類」である家系図を作成したとする同法違反の原略式命令について,その確定後,共犯者に対する同法違反の上告事件につきその家系図が法律上「事実証明に関する書類」に該当しないとして当審で無罪の言渡しがあり,原略式命令に係る事件は,共犯者に対する事件と証拠…
参照法条刑訴法454条
1 訴訟条件である告発の事実を上告審において認定する方法 2 訴訟条件である告発の調査を怠った1,2審の法令違反と上告審において告発の事実を認定することができる場合の判決への影響の有無
最高裁判所第二小法廷平成23年10月26日平成23(あ)469刑集 第65巻7号1107頁
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裁判要旨1 訴訟条件である告発の存在は,上告審において,証拠調手続によることなく,適宜の方法で認定することができ,関税法140条所定の告発書の謄本が原判決後に原審に提出されて記録につづられ,その写しが上告審から弁護人に送付されている事情の下では,上告審は上記謄本により告発の事実を認定することができる。 2 1,2審が訴訟条件で…
参照法条(1,2につき)関税法140条 (1につき)刑訴法393条1項,刑訴法414条 (2につき)刑訴法411条1号
国際捜査共助に基づき中華人民共和国において同国の捜査官によって作成された供述調書が刑訴法321条1項3号の書面に当たるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成23年10月20日平成19(あ)836刑集 第65巻7号999頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨国際捜査共助に基づき,中華人民共和国において身柄を拘束されていた共犯者を同国の捜査官が取り調べ,その供述を録取した供述調書であって,犯罪事実の証明に欠くことができないものは,同国の捜査機関に対し日本の捜査機関から取調べの方法等に関する要請があり,取調べに際しては黙秘権が実質的に告知され,取調べの間,肉体的,精神的強制が…
参照法条刑訴法321条1項3号
第1審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の言渡しをした場合と控訴審における勾留
最高裁判所第二小法廷平成23年10月5日平成23(し)376刑集 第65巻7号977頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第1審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の言渡しをした場合であっても,控訴審裁判所は,第1審裁判所の判決の内容,取り分け無罪とした理由及び関係証拠を検討した結果,なお罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり,かつ,刑訴法345条の趣旨及び控訴審が事後審査審であることを考慮しても,勾留の理由及び必要性が認め…
参照法条刑訴法60条1項,刑訴法345条
1 被害者の証人尋問において,捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを許可した裁判所の措置に違法がないとされた事例 2 証人に示した写真を刑訴規則49条に基づいて証人尋問調書に添付する措置について,当事者の同意は必要か 3 …
最高裁判所第一小法廷平成23年9月14日平成21(あ)1125刑集 第65巻6号949頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 被害者の証人尋問において,検察官が,証人から被害状況等に関する具体的な供述が十分にされた後に,その供述を明確化するため,証拠として採用されていない捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを求めた場合において,写真の内容が既にされた供述と同趣旨のものであるときは,刑訴規則199条の12に基づきこれを許可…
参照法条(1〜3につき)刑事訴訟規則199条の12,(1につき)刑訴法304条,(2につき)刑事訴訟規則49条,(3につき)刑訴法317条
弁護人に対し証拠開示することを命じる旨求めた弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)の棄却決定に対する即時抗告提起期間の起算日
最高裁判所第三小法廷平成23年8月31日平成23(し)286刑集 第65巻5号935頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨弁護人に対し証拠開示することを命じる旨求めた弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)を棄却する決定については,即時抗告の提起期間は,同決定の謄本が弁護人に送達された日から進行する。
参照法条刑訴法316条の15第1項,刑訴法316条の26,刑訴法352条,刑訴法358条,刑訴法422条
保釈された者が実刑判決を受けた後,逃亡等を行ったが判決確定前にそれが解消された場合に刑訴法96条3項により保釈保証金を没取することができるか
最高裁判所第二小法廷平成22年12月20日平成22(す)463刑集 第64巻8号1356頁
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裁判要旨保釈された者が実刑判決を受け,その判決が確定するまでの間に逃亡等を行ったとしても,判決確定までにそれが解消され,判決確定後の時期において逃亡等の事実がない場合には,刑訴法96条3項により保釈保証金を没取することはできない。
参照法条刑訴法96条,刑訴法98条1項,刑訴法343条
被告人が原略式命令確定後に本邦を出国し非常上告申立て時において再入国していない場合における非常上告の可否
最高裁判所第一小法廷平成22年7月22日平成22(さ)243刑集 第64巻5号819頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が原略式命令確定後に本邦を出国し非常上告申立て時において再入国していない場合においても,検事総長は最高裁判所に非常上告をすることができる。
参照法条刑訴法454条
被告人が原略式命令確定後に死亡している場合における非常上告の可否
最高裁判所第一小法廷平成22年7月22日平成22(さ)249刑集 第64巻5号824頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が原略式命令確定後に死亡している場合においても,検事総長は最高裁判所に非常上告をすることができる。
参照法条刑訴法454条
殺人,現住建造物等放火の公訴事実について間接事実を総合して被告人を有罪とした第1審判決及びその事実認定を是認した原判決に,審理不尽の違法,事実誤認の疑いがあるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成22年4月27日平成19(あ)80刑集 第64巻3号233頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨殺人,現住建造物等放火の公訴事実について,間接事実を総合して被告人が犯人であるとした第1審判決及びその事実認定を是認した原判決は,認定された間接事実中に被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれているとは認められないなど,間接事実に関する審…
参照法条刑法108条,刑法199条,刑訴法317条,刑訴法411条1号,刑訴法411条3号,刑訴法413条本文
1 街頭募金詐欺について包括一罪と解することができるとされた事例 2 包括一罪を構成する街頭募金詐欺について,その罪となるべき事実の特定に欠けるところはないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成22年3月17日平成21(あ)178刑集 第64巻2号111頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 街頭募金の名の下に通行人から現金をだまし取ろうと企てた者が,約2か月間にわたり,事情を知らない多数の募金活動員を通行人の多い複数の場所に配置し,募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに,募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ,これに応じた通行人から現金をだまし取ったという本件街頭募金詐欺については,(1)不特定…
参照法条(1,2につき)刑法246条1項 (2につき)刑訴法335条1項
保釈された者につき,刑訴法96条3項所定の事由が認められる場合,刑事施設に収容され刑の執行が開始された後に保釈保証金を没取することができるか
最高裁判所第一小法廷平成21年12月9日平成21(し)443刑集 第63巻11号2907頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨保釈された者について,禁錮以上の実刑判決が確定した後逃亡したなど刑訴法96条3項所定の事由が認められる場合には,刑事施設に収容され刑の執行が開始された後であっても,保釈保証金を没取することができる。
参照法条刑訴法96条3項,刑訴規則91条1項2号
犯人の一時的な海外渡航と公訴時効停止の効力
最高裁判所第一小法廷平成21年10月20日平成20(あ)1657刑集 第63巻8号1052頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨犯人が国外にいる間は,それが一時的な海外渡航による場合であっても,公訴時効はその進行を停止する。
参照法条刑訴法255条1項
被告人の検察官調書の取調べ請求を却下した第1審の訴訟手続について,同調書が犯行場所の確定に必要であるとして,その任意性に関する主張立証を十分にさせなかった点に審理不尽があるとした控訴審判決が,刑訴法294条,379条,刑訴規則208条の解釈…
最高裁判所第二小法廷平成21年10月16日平成21(あ)191刑集 第63巻8号937頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨検察官請求に係る被告人の検察官調書の取調べ請求を却下した第1審の訴訟手続について,同調書が犯行場所の確定に必要であるとして,その任意性に関する主張立証を十分にさせなかった点に審理不尽があるとした控訴審判決は,同調書の立証趣旨が犯行場所に関連するものではなく弁解状況等であり,検察官は控訴審において犯行場所がいずれであって…
参照法条刑訴法294条,刑訴法379条,刑訴規則208条
宅配便業者の運送過程下にある荷物について,荷送人や荷受人の承諾を得ずに,捜査機関が検証許可状によることなくエックス線検査を行うことは適法か
最高裁判所第三小法廷平成21年9月28日平成19(あ)798刑集 第63巻7号868頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨荷送人の依頼に基づき宅配便業者の運送過程下にある荷物について,捜査機関が,捜査目的を達成するため,荷送人や荷受人の承諾を得ずに,これに外部からエックス線を照射して内容物の射影を観察する行為は,検証としての性質を有する強制処分に当たり,検証許可状によることなくこれを行うことは違法である。
参照法条刑訴法197条1項,刑訴法218条1項
1 労働基準法36条1項に基づき月単位の時間外労働の協定が締結されている場合における協定時間を超えた時間外労働と同法32条1項違反の罪 2 週単位の時間外労働の規制違反に係る訴因の特定が不十分で,その記載に瑕疵がある場合に,訴因変更と同様の…
最高裁判所第一小法廷平成21年7月16日平成19(あ)1951刑集 第63巻6号641頁
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裁判要旨1 労働基準法36条1項に基づき月単位の時間外労働の協定が締結されている場合において,協定時間を超えた時間外労働があるときには,原則的な労働時間制の下では,始期から順次1週間について40時間の法定労働時間を超えて労働させた時間を積算し,協定時間に至るまでは協定の効力によって時間外労働の違法性が阻却されるが,これを超えた…
参照法条(1,2につき) 労働基準法32条1項,労働基準法36条1項,労働基準法119条1号 (2につき)刑訴法256条3項,刑訴法312条1項
1 刑訴法403条の2第1項と憲法32条 2 即決裁判手続の制度が虚偽の自白を誘発するか
最高裁判所第三小法廷平成21年7月14日平成20(あ)1575刑集 第63巻6号623頁
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裁判要旨1 刑訴法403条の2第1項は,憲法32条に違反しない。 2 即決裁判手続の制度自体が虚偽の自白を誘発するとはいえない。(1,2につき補足意見がある。)
参照法条(1につき)憲法32条,刑訴法403条の2第1項 (2につき)刑訴法319条1項,刑訴法350条の14
1 上告審における事実誤認の主張に関する審査の方法 2 満員電車内における強制わいせつ被告事件について,被害者とされた者の供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定が是認できないとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成21年4月14日平成19(あ)1785刑集 第63巻4号331頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 上告審における事実誤認の主張に関する審査は,原判決の認定が論理則,経験則等に照らして不合理かどうかの観点から行うべきである。 2 被告人が満員電車内で女性Aに対して痴漢行為をしたとされる強制わいせつ被告事件について,被告人が一貫して犯行を否認しており,Aの供述以外にこれを基礎付ける証拠がなく,被告人にこの種の犯行を…
参照法条(1,2につき)刑訴法411条3号 (2につき)刑法176条前段,刑訴法317条
1 犯罪行為の実行に着手する前に取得した前払い代金等の財産の取得につき事実を仮装した場合と,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律10条1項前段の「犯罪収益等の取得につき事実を仮装した罪」の成否 2 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収…
最高裁判所第三小法廷平成20年11月4日平成20(あ)865刑集 第62巻10号2811頁
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裁判要旨1 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律2条2項1号にいう「犯罪行為により得た財産」とは,当該犯罪行為によって取得した財産であればよく,その実行に着手する前に取得した前払い代金等の財産であっても後に当該犯罪が成立する限り犯罪収益に該当し,その取得につき事実を仮装すれば,同法10条1項前段の「犯罪収益等の取…
参照法条(1〜3につき) 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律2条2項,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律10条1項前段 (2につき) 刑訴法335条1項 (3につき) 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法…
警察官が私費で購入したノートに記載し,一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについて,証拠開示を命じた判断が是認された事例
最高裁判所第一小法廷平成20年9月30日平成20(し)338刑集 第62巻8号2753頁
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裁判要旨警察官が私費で購入したノートに記載し,一時期自宅に持ち帰っていた本件取調べメモについて,同メモは,捜査の過程で作成され,公務員が職務上現に保管し,かつ,検察官において入手が容易な証拠であり,弁護人の主張(判文参照)と同メモの記載の間には一定の関連性が認められ,開示の必要性も肯認できないではなく,開示により特段の弊害が生…
参照法条刑訴法316条の17第1項,刑訴法316条の20,刑訴法316条の26第1項
火災原因の調査,判定に関し特別の学識経験を有する私人が燃焼実験を行ってその考察結果を報告した書面について,刑訴法321条3項は準用できないが,同条4項の書面に準じて同項により証拠能力が認められるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年8月27日平成19(あ)2207刑集 第62巻7号2702頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨火災原因の調査,判定に関し特別の学識経験を有する私人が燃焼実験を行ってその考察結果を報告した本件書面(判文参照)については,刑訴法321条3項所定の書面の作成主体が「検察官,検察事務官又は司法警察職員」と規定されていること及びその趣旨に照らし同項の準用はできないが,同条4項の書面に準ずるものとして同項により証拠能力を有…
参照法条刑訴法321条3項,刑訴法321条4項
1 犯罪捜査に当たった警察官が犯罪捜査規範13条に基づき当該捜査状況等を記録した備忘録は,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となり得るか 2 警察官が捜査の過程で作成し保管するメモが証拠開示命令の対象となるものか否かの判断を行う…
最高裁判所第三小法廷平成20年6月25日平成20(し)159刑集 第62巻6号1886頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 犯罪捜査に当たった警察官が犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録であって,捜査の経過その他参考となるべき事項が記録され,捜査機関において保管されている書面は,当該事件の公判審理において,当該捜査状況に関する証拠調べが行われる場合,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となり得る。 2 警察官が捜査の過程で…
参照法条(1,2につき)刑訴法316条の20第1項,刑訴法316条の26第1項 (1につき)犯罪捜査規範13条 (2につき)刑訴法316条の27第1項
1 訴訟関係人のする刑事確定訴訟記録法に基づく保管記録の閲覧請求が許されない場合 2 訴訟関係人がした閲覧請求が,関係者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたと認められる相当の理由があり,権利の濫用として許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年6月24日平成20(し)30刑集 第62巻6号1842頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 訴訟関係人のする刑事確定訴訟記録法に基づく保管記録の閲覧請求であっても,関係人の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたなど,権利の濫用に当たる場合は許されない。 2 訴訟関係人がした関係者の身上,経歴等プライバシーに関する部分についての閲覧請求が,当該関係者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされ…
参照法条(1,2につき)刑事確定訴訟記録法4条1項,刑事確定訴訟記録法4条2項,刑事確定訴訟記録法6条,刑訴法53条
1 捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例 2 捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否
最高裁判所第二小法廷平成20年4月15日平成19(あ)839刑集 第62巻5号1398頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 捜査機関において被告人が強盗殺人等事件の犯人である疑いを持つ合理的な理由が存在し,かつ,同事件の捜査に関して行われたビデオ撮影が,防犯ビデオに写っていた人物の容ぼう,体型等と被告人の容ぼう,体型等との同一性の有無という犯人の特定のための重要な判断に必要な証拠資料を入手するため,これに必要な限度において,公道上及び不…
参照法条(1につき)刑訴法197条1項 (2につき)刑訴法221条
1 旧刑訴法適用事件につき再審が開始された場合,その対象となった判決の確定後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続において免訴に関する規定の適用を排除して実体判決をすることができるか 2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後…
最高裁判所第二小法廷平成20年3月14日平成19(れ)1刑集 第62巻3号185頁
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裁判要旨1 旧刑訴法適用事件について再審が開始された場合,その対象となった判決の確定後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続においても,同法363条2号,3号の適用を排除して実体判決をすることはできず,免訴判決が言い渡されるべきである。 2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後の審判手続においても,被告人は免訴…
参照法条(1,2につき)旧刑訴法363条2号,旧刑訴法363条3号 (1,3につき)旧刑訴法511条 (1につき)旧刑訴法485条6号 (2につき)旧刑訴法400条
1 刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となる証拠は,検察官が現に保管している証拠に限られるか 2 取調警察官が犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録は,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となり得るか
最高裁判所第三小法廷平成19年12月25日平成19(し)424刑集 第61巻9号895頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となる証拠は,必ずしも検察官が現に保管している証拠に限られず,当該事件の捜査の過程で作成され,又は入手した書面等であって,公務員が職務上現に保管し,かつ,検察官において入手が容易なものを含む。 2 取調警察官が,犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録であって,取調べの…
参照法条(1,2につき)刑訴法316条の15第1項,刑訴法316条の20第1項,刑訴法316条の26第1項 (2につき)犯罪捜査規範13条
第1審裁判所で犯罪の証明がないとして無罪判決を受けた被告人を控訴裁判所が勾留する場合と刑訴法60条1項にいう「被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の有無の判断
最高裁判所第三小法廷平成19年12月13日平成19(し)369刑集 第61巻9号843頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第1審裁判所で犯罪の証明がないとして無罪判決を受けた被告人を控訴裁判所が勾留する場合,刑訴法60条1項にいう「被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の有無の判断は,無罪判決の存在を十分に踏まえて慎重になされなければならず,嫌疑の程度としては,第1審段階におけるものよりも強いものが要求される。 (補足意見がある…
参照法条刑訴法60条1項,刑訴法345条
1 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義 2 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義は,直接証拠によって事実認定をすべき場合と情況証拠によって事実認定…
最高裁判所第一小法廷平成19年10月16日平成19(あ)398刑集 第61巻7号677頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」というのは,反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく,抽象的な可能性としては反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても,健全な社会常識に照らしてその疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には有罪認定を可能とする趣…
参照法条(1,2につき)刑訴法317条,刑訴法318条,刑訴法333条1項
1 最高裁判所から高等裁判所判事の職務を代行させる旨の人事措置が発令されていない判事補が構成に加わった高等裁判所により宣告された原判決が,刑訴法411条1号により破棄された事例 2 上告裁判所が原判決を破棄するに当たり,口頭弁論を経ることを…
最高裁判所第三小法廷平成19年7月10日平成19(あ)567刑集 第61巻5号436頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 判事補の職権の特例等に関する法律1条の2第1項に基づいて最高裁判所から高等裁判所判事の職務を代行させる旨の人事措置が発令されていない判事補が構成に加わった高等裁判所により宣告された原判決は,その宣告手続に法律に従って判決裁判所を構成しなかった違法があり,刑訴法411条1号により破棄するのが相当である。 2 上告裁判…
参照法条(1,2につき)刑訴法377条1号,刑訴法411条1号,刑訴法413条 (1につき)裁判所法18条,裁判所法19条,判事補の職権の特例等に関する法律1条の2第1項 (2につき)刑訴法43条1項,刑訴法408条
1 検察官の出席がないまま判決を宣告した後退廷した被告人を呼び戻して検察官出席の上再度行った判決の宣告が法的な効果を有しないとされた事例 2 検察官の出席がないまま行われた第1審の判決宣告手続の違法と判決に対する影響の有無
最高裁判所第二小法廷平成19年6月19日平成19(あ)88刑集 第61巻4号369頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 第1審の裁判官が,判決宣告期日として指定告知した日時に,検察官の出席がない法廷で,判決を宣告した上,被告人の退廷を許し,被告人が法廷外に出た後,勾留場所に戻った被告人を呼び戻して検察官出席の上再度行った判決の宣告は,法的な効果を有しない。 2 検察官の出席がないまま行われた第1審の判決宣告手続には,判決に影響を及ぼ…
参照法条(1,2につき)刑訴法282条2項,刑訴法342条,刑訴規則35条 (2につき)刑訴法379条
第1審の無罪判決に対し検察官が控訴を申し立て控訴審に係属中に所在不明となった被告人に対する公判期日召喚状等の付郵便送達が有効とされた事例
最高裁判所第三小法廷平成19年4月9日平成15(あ)279刑集 第61巻3号321頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨第1審の無罪判決に対し検察官が控訴を申し立て,控訴申立通知書の送達を受けた被告人が,控訴審裁判所に刑訴規則62条1項の住居等を届け出ず,当時居住していた場所あてに送達された書類を異議なく受領し,その後所在不明となるなどの判示の事実関係の下においては,控訴審裁判所が上記場所にあてて行った被告人に対する公判期日召喚状等の書…
参照法条刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則(平成15年最高裁判所規則第7号による改正前のもの)63条1項
併合罪関係にある複数の罪のうちの1個の罪のみでは死刑又は無期刑が相当とされない場合にその罪について死刑又は無期刑を選択することの可否
最高裁判所第二小法廷平成19年3月22日平成18(あ)2455刑集 第61巻2号81頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨併合罪関係にある複数の罪のうちの1個の罪のみでは死刑又は無期刑が相当とされない場合であっても,死刑又は無期刑を選択する結果科されないこととなる刑に係る罪を,これをも含めて処罰する趣旨で考慮し,上記1個の罪について死刑又は無期刑を選択することができる。
参照法条刑法45条,刑法46条,刑訴法333条1項
控訴審において公訴棄却の第1審判決を公訴事実どおりの事実が認められるとして破棄して自判することができるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成19年3月19日平成17(あ)2294刑集 第61巻2号25頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨高速自動車国道又は自動車専用道路以外の道路で,指定最高速度を30km毎時超える速度で普通乗用自動車を運転して進行したという公訴事実について,上記速度超過の証明はなく,反則金納付通告の手続を経ずに行われた公訴提起の手続は違法であるとして公訴を棄却した第1審判決に対し,控訴審において,公訴事実どおりの事実が認められるとして…
参照法条刑訴法398条,刑訴法400条
被疑者方居室に対する捜索差押許可状により同居室を捜索中に被疑者あてに配達され同人が受領した荷物について同許可状に基づき捜索することの可否
最高裁判所第一小法廷平成19年2月8日平成18(あ)1733刑集 第61巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被疑者方居室に対する捜索差押許可状により同居室を捜索中に被疑者あてに配達され同人が受領した荷物についても,同許可状に基づき捜索することができる。
参照法条刑訴法102条,刑訴法218条1項,刑訴法219条1項
最高裁 / 民集登載4件
1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否 2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを…
最高裁判所第三小法廷平成31年1月22日平成30(許)7民集 第73巻1号39頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等の名…
参照法条(1,2につき)民訴法220条1号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条 (2につき)民訴法220条3号
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律79条1項2号に該当するとして保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人又は弁護人となろうとする者からあった場合に,その申出があった事実を未決拘禁者に告げないまま,保護室に収容中である…
最高裁判所第一小法廷平成30年10月25日平成29(受)990民集 第72巻5号940頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律79条1項2号に該当するとして保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人又は弁護人となろうとする者からあった場合に,その申出があった事実を未決拘禁者に告げないまま,保護室に収容中であることを理由として面会を許さない刑事施設の長の措置は,未決拘禁者が精神的に著しく不…
参照法条刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律79条1項2号,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律79条4項,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律115条,刑訴法39条1項,国家賠償法1条1項
死刑確定者又はその再審請求のために選任された弁護人が再審請求に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合にこれを許さない刑事施設の長の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合
最高裁判所第三小法廷平成25年12月10日平成24(受)1311民集 第67巻9号1761頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨死刑確定者又はその再審請求のために選任された弁護人が再審請求に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合に,これを許さない刑事施設の長の措置は,上記面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認められ,又は死刑確定者の面会についての意向を踏まえその心情の安定を把握する…
参照法条刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第2編第2章第11節第2款 面会,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律121条,刑訴法39条1項,刑訴法440条1項,国家賠償法1条1項
1 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例 2 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該…
最高裁判所第二小法廷平成19年12月12日平成19(許)22民集 第61巻9号3400頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 検察官が被疑者の勾留請求に当たって刑訴規則148条1項3号所定の資料として裁判官に提供した告訴状及び被害者の供述調書は,いずれも,上記各文書を所持する国と上記請求により勾留された者との間において,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当する。 2 強姦の被疑事実に基づき勾留された被疑者が,勾留請求の違法を…
参照法条(1,2につき)民訴法220条3号,4号ホ,刑訴法60条,刑訴法205条,刑訴法207条,刑訴規則148条1項3号 (2につき)刑訴法47条
該当する裁判例がありません。