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最高裁大法廷 / 民集登載8件
株式会社が株券の発行を遅滞している場合における意思表示のみによる株式譲渡の効力
最高裁判所大法廷昭和47年11月8日昭和39(オ)883民集 第26巻9号1489頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨株式会社が株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らして、株式譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至つたときは、株券発行前であつても、株主は、意思表示のみにより、会社に対する関係においても有効に株式を譲渡することができる。
参照法条商法204条,商法205条1項,商法226条1項,商法247条,商法260条ノ2,民訴法225条
一、株式会社がその取締役にあてて約束手形を振り出す行為と商法二六五条 二、商法二六五条に違反して株式会社が振り出した約束手形を取得した第三者に対する会社の手形上の責任 三、約束手形の振出につき手形上の記載にかかわらず商法二六五条の適用がない…
最高裁判所大法廷昭和46年10月13日昭和42(オ)1464民集 第25巻7号900頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、株式会社がその取締役にあてて約束手形を振り出す行為は、原則として、商法二六五条にいう取弓にあたる。 二、株式会社は、商法二六五条に違反して振り出した約束手形を裏書により取得した第三者に対しては、右手形が会社からその取締役にあてて振り出され、かつ、その振出につき取締役会の承認がなかつたことについて、右第三者が悪意であ…
参照法条商法265条
有限会社社員の提起した会社解散の訴、社員総会決議取消の訴および同無効確認の訴と右社員の死亡による訴訟承継の成否
最高裁判所大法廷昭和45年7月15日昭和42(オ)1466民集 第24巻7号804頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨有限会社社員の提起した会社解散の訴、社員総会決議取消の訴および同無効確認の訴の係属中右社員が死亡した場合には、相続により持分を取得した相続人がその訴訟の原告たる地位を承継する。
参照法条民訴法208条,有限会社法71条ノ2,有限会社法41条,商法247条,商法252条
一、政治資金の寄附と会社の権利能力 二、会社の政党に対する政治資金の寄附の自由と憲法三章 三、商法二五四条ノ二の趣旨 四、取締役が会社を代表して政治資金を寄附する場合と取締役の忠実義務
最高裁判所大法廷昭和45年6月24日昭和41(オ)444民集 第24巻6号625頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎり、会社の権利能力の範囲に属する行為である。 二、憲法三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しないかぎり、政治的行為…
参照法条民法43条,民法644条,商法166条1項1号,商法254条ノ2,商法254条3項,憲法3章
一、商法二六六条ノ三第一項前段の法意 二、株式会社の代表取締役が他の代表取締役その他の者に会社業務の一切を任せきりにした場合と任務の解怠
最高裁判所大法廷昭和44年11月26日昭和39(オ)1175民集 第23巻11号2150頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、商法二六六条ノ三第一項前段の規定は、株式会社の取締役が悪意または重大な過失により会社に対する義務に違反し、よつて第三者に損害を被らせたときは、取締役の任務塀怠の行為と第三者の損害との間に相当の因果関係があるかぎり、会社が右任務解怠の行為によつて損害を被つた結果、ひいて第三者に損害を生じた場合であると、直接第三者が損…
参照法条商法266条ノ3,商法261条,商法266条
一、商法第二六五条にいう取引の意義 二、商法第二六五条に違反する取引の効力
最高裁判所大法廷昭和43年12月25日昭和42(オ)1327民集 第22巻13号3511頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、商法第二六五条にいう取引には、取締役と会社との間に直接成立すべき利益相反行為のみならず、取締役個人の債務について、その取締役が会社を代表して、債権者に対し債務引受をする等取締役個人の利益となり会社に不利益を与える行為も包含されるものと解すべきである。 二、会社は、商法第二六五条に違反する取引のうち、取締役と会社との…
参照法条商法265条
為替手形の支払呈示期間経過後に支払場所にした呈示の効力
最高裁判所大法廷昭和42年11月8日昭和38(オ)1240民集 第21巻9号2300頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨為替手形の支払呈示期間経過後における支払のための呈示は、支払地内にある手形の主たる債務者の営業所または住所においてすることを要し、支払場所に呈示しても、手形債務者を遅滞に付する効力を有しない。
参照法条手形法1条,手形法4条,手形法38条,商法516条2項,商法517条
商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義。
最高裁判所大法廷昭和40年9月22日昭和36(オ)1378民集 第19巻6号1600頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業の目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要なる一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業…
参照法条商法245条1項1号,商法25条
最高裁 / 民集登載209件
退任取締役の退職慰労金について内規に従って決定することを取締役会に一任する旨の株主総会決議がされた場合に、上記退任取締役に対し上記内規の定める基準額から減額した退職慰労金を支給する旨の取締役会決議に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはい…
最高裁判所第一小法廷令和6年7月8日令和4(受)1780民集 第78巻3号839頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨退任取締役の退職慰労金につき、退任時の報酬月額等により一義的に定まる額を基準とするが、退任取締役のうち在任中特に重大な損害を与えたものに対しこの基準額を減額することができること等を定める内規が存在する株式会社の株主総会において、取締役を退任する者の退職慰労金について、上記内規に従って決定することを取締役会に一任する旨の…
参照法条会社法
361条1項1号〈取締役の報酬等 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額〉 1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の譲渡当事者間における効力 2 株券発行会社の株式の譲受人が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することの可…
最高裁判所第二小法廷令和6年4月19日令和4(受)1266民集 第78巻2号267頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡は、譲渡当事者間においては、当該株式に係る株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはない。 2 株券発行会社の株式の譲受人は、譲渡人に対する株券交付請求権を保全する必要があるときは、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により、譲渡人の…
参照法条(1、2につき)会社法
128条〈株券発行会社の株式の譲渡〉 (2につき)民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文
吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って上記会社に対して委任状を送付したことが会社法785条2項1号イにいう吸収合併等に反対する旨の通知に当たるとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和5年10月26日令和4(許)11民集 第77巻7号1860頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って当該吸収合併に反対する旨の議決権の代理行使を第三者に委任することを内容とする委任状を上記会社に送付した場合において、次の⑴及び⑵の事実関係の下では、上記株主が上記会社に対して上記委任状を送付したことは、会社法
785条2項1号イ〈反対株主の株式買取請求 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)〉にいう、吸収合併等をするため…
参照法条会社法
785条2項1号イ〈反対株主の株式買取請求 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)〉 不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金を民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることの可否
最高裁判所第三小法廷令和4年1月18日令和2(受)1518民集 第76巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金は,民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることはできない。
参照法条民法405条,民法709条,会社法
350条〈代表者の行為についての損害賠償責任〉 会社法182条の4第1項〈反対株主の株式買取請求〉に基づき株式の買取請求をした者が同法182条の5第5項に基づく支払を受けた場合における上記の者の同法318条4項にいう「債権者」該当性
最高裁判所第二小法廷令和3年7月5日令和1(受)2052民集 第75巻7号3392頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社法
182条の4第1項〈反対株主の株式買取請求〉に基づき株式の買取請求をした者は,同法
182条の5第5項〈株式の価格の決定等〉に基づく支払を受けた場合であっても,上記株式の価格につき会社との協議が調い又はその決定に係る裁判が確定するまでは,同法
318条4項〈議事録〉にいう「債権者」に当たる。
社債と利息制限法1条の適用の有無
最高裁判所第三小法廷令和3年1月26日令和1(受)984民集 第75巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が会社に金銭を貸し付けるに際し,社債の発行に仮託して,不当に高利を得る目的で当該会社に働きかけて社債を発行させるなど,社債の発行の目的,会社法
676条〈募集社債に関する事項の決定〉各号に掲げる事項の内容,その決定の経緯等に照らし,当該社債の発行が利息制限法の規制を潜脱することを企図して行われたものと認められるなどの特段の事情がある場合を除き,…
参照法条利息制限法1条,会社法
2条23号〈定義 社債この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。〉,会社法第4編社債
事業協同組合の理事を選出する選挙の取消しを求める訴えに同選挙が取り消されるべきものであることを理由として後任理事又は監事を選出する後行の選挙の効力を争う訴えが併合されている場合における先行の選挙の取消しを求める訴えの利益
最高裁判所第一小法廷令和2年9月3日平成31(受)558民集 第74巻6号1557頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事業協同組合の理事を選出する選挙の取消しを求める訴えに,同選挙が取り消されるべきものであることを理由として後任理事又は監事を選出する後行の選挙の効力を争う訴えが併合されている場合には,後行の選挙がいわゆる全員出席総会においてされたなどの特段の事情がない限り,先行の選挙の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
参照法条中小企業等協同組合法54条,会社法
831条〈株主総会等の決議の取消しの訴え〉,民訴法第2編第1章訴え
合資会社の無限責任社員が退社により当該会社に対して金員支払債務を負う場合
最高裁判所第三小法廷令和元年12月24日平成30(受)1551民集 第73巻5号457頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨無限責任社員が合資会社を退社した場合において,退社の時における当該会社の財産の状況に従って当該社員と当該会社との間の計算がされた結果,当該社員が負担すべき損失の額が当該社員の出資の価額を超えるときには,定款に別段の定めがあるなどの特段の事情のない限り,当該社員は,当該会社に対してその超過額を支払わなければならない。
賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において,当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に,当該賃借人が上記吸収分割が…
最高裁判所第三小法廷平成29年12月19日平成29(許)10民集 第71巻10号2592頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨賃借人Yが契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人Xは契約を解除し違約金を請求することができる旨の定めのある建物の賃貸借契約において,Yが吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位をAに承継させた場合に,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,Yが,上記賃貸借契約を解除したXに対し,上…
参照法条民法1条2項,会社法
759条1項〈株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等〉,会社法
789条1項2号〈債権者の異議 吸収分割をする場合吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)〉 会社法179条の4第1項1号〈売渡株主等に対する通知等 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。)当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項〉の通知又は同号及び社債,株式等の振替に関する法律161条2項の公告がされた後に会社法179条の2第1項2号に規定する売渡株式を譲り受けた者が,同法179条の8第1項の売買価格の決定の申立てをすることの可否
最高裁判所第二小法廷平成29年8月30日平成29(許)7民集 第71巻6号1000頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社法
179条の4第1項1号〈売渡株主等に対する通知等 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。)当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項〉の通知又は同号及び社債,株式等の振替に関する法律161条2項の公告がされた後に会社法179条の2第1項2号に規定する売渡株式を譲り受けた者は,同法179条の8第1項の売買価格の決定の申立てをすることができない。
参照法条会社法
179条1項〈株式等売渡請求〉,会社法
179条の4第1項1号〈売渡株主等に対する通知等 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。)当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項〉,会社法
179条の8第1項〈売買価格の決定の申立て〉,社債,株式等の振替に関する法律161条2項
取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めの効力
最高裁判所第三小法廷平成29年2月21日平成28(許)24民集 第71巻2号195頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である。
株式会社の株式の相当数を保有する株主が当該株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,上記公開買付けが一般に公正と認められる手続により行われた…
最高裁判所第一小法廷平成28年7月1日平成28(許)4民集 第70巻6号1445頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の株式の相当数を保有する株主が当該株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,独立した第三者委員会や専門家の意見を聴くなど当該株主又は当該株式会社と少数株主との間の利益相反関係の存在により意思決定過程が恣意的になる…
参照法条会社法(平成26年法律第90号による改正前のもの)
172条1項〈裁判所に対する価格の決定の申立て〉 外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき,当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすものとして原告適格を有するとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成28年6月2日平成26(受)949民集 第70巻5号1157頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国国家Yが発行したいわゆるソブリン債である円建て債券に係る償還等請求訴訟について,当該債券の管理会社であるXらは,次の⑴~⑷など判示の事情の下では,当該債券の債権者Aらのための任意的訴訟担当の要件を満たし,原告適格を有する。 ⑴ XらとYとの間において,Xらが債券の管理会社として,Aらのために当該債券に基づく弁済を受…
参照法条民訴法第1編第3章 当事者,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)309条1項,会社法
705条1項〈社債管理者の権限等〉 ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否
最高裁判所第二小法廷平成28年3月4日平成27(受)1431民集 第70巻3号827頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法である。 (補足意見がある。)
参照法条会社法
831条〈株主総会等の決議の取消しの訴え〉 非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことの可否
最高裁判所第一小法廷平成27年3月26日平成26(許)39民集 第69巻2号365頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことはできない。
非上場会社が株主以外の者に発行した新株の発行価額が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たらない場合
最高裁判所第一小法廷平成27年2月19日平成25(受)1080民集 第69巻1号51頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたといえる場合には,その発行価額は,特別の事情のない限り,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たらない。
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項,会社法
199条3項〈募集事項の決定〉 1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合における同条ただし書の株式会社の同意の効果 2 共有に属する株式についての議決権の行使の決定方法
最高裁判所第一小法廷平成27年2月19日平成25(受)650民集 第69巻1号25頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において,当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは,株式会社が同条ただし書の同意をしても,当該権利の行使は,適法となるものではない。 2 共有に属する株式についての議決権の行使…
参照法条(1,2につき)民法264条 (1につき)会社法
106条〈共有者による権利の行使〉 (2につき)会社法
105条1項3号〈株主の権利 株主総会における議決権〉,民法251条,民法252条
1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決と民訴法338条1項3号の再審事由 3 新株発行の無効の訴えに係る請求を…
最高裁判所第一小法廷平成25年11月21日平成24(許)43民集 第67巻8号1686頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。 2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確…
参照法条(1〜3につき) 会社法
828条1項2号〈会社の組織に関する行為の無効の訴え 株式会社の成立後における株式の発行株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)〉,会社法
838条〈認容判決の効力が及ぶ者の範囲〉 (1につき) 民訴法第1編第3章 当事者,民訴法47条,民訴法338条 (2,3につき) 民訴法2条,民訴法338条1項3号
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力 2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま…
最高裁判所第三小法廷平成24年4月24日平成22(受)1212民集 第66巻6号2908頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使条件を変更することができる旨の明示の委任がないときは,当該新株予約権の発行後に上記行使条件を変更する取締役会決議は,上記行使条件の…
参照法条(1につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ20第2項6号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項 (2,3につき)会社法
828条1項2号〈会社の組織に関する行為の無効の訴え 株式会社の成立後における株式の発行株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)〉 (2につき)会社法
199条〈募集事項の決定〉,会社法
201条〈公開会社における募集事項の決定の特則〉1…
1 振替株式について会社法116条1項に基づく株式買取請求を受けた株式会社が,同法117条2項に基づく価格の決定の申立てに係る事件の審理において,同請求をした者が株主であることを争った場合における,社債等振替法154条3項所定の通知の要否 …
最高裁判所第二小法廷平成24年3月28日平成23(許)7民集 第66巻5号2344頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 振替株式について会社法116条1項に基づく株式買取請求を受けた株式会社が,同法117条2項に基づく価格の決定の申立てに係る事件の審理において,同請求をした者が株主であることを争った場合には,その時点で既に当該株式について振替機関の取扱いが廃止されていたときであっても,その審理終結までの間に社債等振替法154条3項所…
参照法条(1,2につき)会社法
116条1項〈反対株主の株式買取請求〉,会社法
117条2項〈株式の価格の決定等〉 (1につき)(社債等振替法)社債,株式等の振替に関する法律154条3項
1 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義 2 株式移転における株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものとされる場合 3 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価…
最高裁判所第二小法廷平成24年2月29日平成23(許)21民集 第66巻3号1784頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,株式移転により組織再編による相乗効果その他の企業価値の増加が生じない場合には,当該株式買取請求がされた日における,株式移転を承認する旨の株主総会決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいうが,それ以外の場合には,株式移…
参照法条(1〜3につき)会社法
773条1項6号〈株式移転計画 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項〉,(1,3につき)会社法
806条1項〈反対株主の株式買取請求〉,会社法
807条2項〈株式の価格の決定等〉 1 自動車保険契約の人身傷害条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権の代位取得の有無 2 自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保…
最高裁判所第一小法廷平成24年2月20日平成21(受)1461民集 第66巻2号742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 被害者が被る損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払請求権を代位取得するものであって,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するもので…
参照法条(1,2につき)商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662条,保険法25条,民法91条,民法709条,(2につき)民法722条2項
1 吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義 2 株式買取請求がされた日における吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株…
最高裁判所第三小法廷平成23年4月19日平成22(許)30民集 第65巻3号1311頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 会社法
782条1項〈吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等〉所定の吸収合併等によりシナジー(組織再編による相乗効果)その他の企業価値の増加が生じない場合に,同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有し…
社債等振替法128条1項所定の振替株式についての会社法172条1項に基づく価格の決定の申立てを受けた会社が,裁判所における株式価格決定申立て事件の審理において,申立人が株主であることを争った場合における,社債等振替法154条3項所定の通知の…
最高裁判所第三小法廷平成22年12月7日平成22(許)9民集 第64巻8号2003頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨社債等振替法128条1項所定の振替株式についての会社法172条1項に基づく価格の決定の申立てを受けた会社が,裁判所における株式価格決定申立て事件の審理において,申立人が株主であることを争った場合には,その審理終結までの間に社債等振替法154条3項所定の通知がされることを要する。
参照法条会社法
172条1項〈裁判所に対する価格の決定の申立て〉,(社債等振替法)社債,株式等の振替に関する法律128条1項,(社債等振替法)社債,株式等の振替に関する法律154条3項
生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」に当たるか
最高裁判所第三小法廷平成21年6月2日平成21(受)226民集 第63巻5号953頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」には当たらない。
参照法条商法676条2項,民法32条の2
株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をしたことを理由に同取引の無効を会社以外の者が主張することの可否
最高裁判所第二小法廷平成21年4月17日平成19(受)1219民集 第63巻4号535頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をした場合,当該会社以外の者が取締役会の決議を経ていないことを理由にその無効を主張することは,当該会社の取締役会が上記無効を主張する旨の決議をしているなどの特段の事情がない限り,許されない。
1 農業協同組合の理事に対する代表訴訟を提起しようとする組合員が,同組合の代表者として監事ではなく代表理事を記載した提訴請求書を同組合に送付したが,監事において,当該理事に対する訴訟を提起すべきか否かを自ら判断する機会があった場合における,…
最高裁判所第三小法廷平成21年3月31日平成20(受)442民集 第63巻3号472頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 農業協同組合の理事に対する代表訴訟を提起しようとする組合員が,同組合の代表者として監事ではなく代表理事を記載した提訴請求書を同組合に送付した場合であっても,監事において,上記請求書の記載内容を正確に認識した上で当該理事に対する訴訟を提起すべきか否かを自ら判断する機会があったときは,上記組合員が提起した代表訴訟を不適…
参照法条(1につき)農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)39条1項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)39条2項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項,商法(平成17年法律第87…
株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるか
最高裁判所第三小法廷平成21年3月10日平成19(受)799民集 第63巻3号361頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,同法266条1項各号所定の責任など同法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている責任のほか,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれる。
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉,会社法
847条1項〈株主による責任追及等の訴え〉 子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請をした親会社の株主につき,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条の8第2項が不許可事由として規定する同法293条の7第2号に掲げる事由があるというためには,当該株主に会計帳簿等の閲覧謄写…
最高裁判所第一小法廷平成21年1月15日平成20(許)44民集 第63巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請をした親会社の株主につき,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条の8第2項が不許可事由として規定する同法293条の7第2号に掲げる事由があるというためには,当該株主が子会社と競業をなす者であるなどの客観的事実が認められれば足り,当該株主に会計帳簿等の閲覧謄写によって…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条ノ7第2号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条ノ8,会社法
433条2項3号〈会計帳簿の閲覧等の請求 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。〉,会社法
433条3項,会社法
433条4項 会社法346条1項〈役員等に欠員を生じた場合の措置〉に基づき退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者に対する解任の訴えの許否
最高裁判所第三小法廷平成20年2月26日平成19(受)1443民集 第62巻2号638頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社法
346条1項〈役員等に欠員を生じた場合の措置〉に基づき退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があった場合において,同法854条を適用又は類推適用して株主が訴えをもって上記の者の解任請求をすることは許されない。
1 会社の行為が商行為に該当することの主張立証責任 2 会社の貸付けが当該会社の代表者の情宜に基づいてされたものとみる余地があっても,当該貸付けに係る債権が商行為によって生じた債権に当たるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年2月22日平成19(受)528民集 第62巻2号576頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 会社の行為は商行為と推定され,これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと,すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負う。 2 会社の貸付けが当該会社の代表者の情宜に基づいてされたものとみる余地があっても,それだけでは当該会社の事業と無関係であることの立証がされたということ…
参照法条(1,2につき)会社法
5条〈商行為〉,商法4条1項,商法503条,民訴法第2編第4章第1節 総則
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間
最高裁判所第二小法廷平成20年1月28日平成18(受)1074民集 第62巻1号128頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項により10年と解すべきである。
参照法条民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉…
1 株主平等の原則の趣旨は株主に対して新株予約権の無償割当てをする場合に及ぶか 2 株主に対する差別的取扱いが株主平等の原則の趣旨に反しない場合 3 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害…
最高裁判所第二小法廷平成19年8月7日平成19(許)30民集 第61巻5号2215頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 会社法
109条1項〈株主の平等〉に定める株主平等の原則の趣旨は,株主に対して新株予約権の無償割当てをする場合にも及ぶ。 2 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるような場合に,その防止のために上記特定の株主を差別的に取り扱うことは,衡平の理念に反し,相当性を欠く…
参照法条(1〜5につき)会社法
109条1項〈株主の平等〉 (4につき)会社法
247条1号〈次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る… 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合〉 (5につき)会社法
247条2号 株式会社の株主が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)294条1項に基づき検査役選任の申請をした時点で総株主の議決権の100分の3以上を有していたが新株発行により総株主の議決権の100分の3未満しか有しないものとなった場合における…
最高裁判所第一小法廷平成18年9月28日平成18(許)12民集 第60巻7号2634頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の株主が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)294条1項に基づき裁判所に当該会社の検査役選任の申請をした時点で,当該株主が当該会社の総株主の議決権の100分の3以上を有していたとしても,その後,当該会社が新株を発行したことにより,当該株主が当該会社の総株主の議決権の100分の3未満しか有しないものと…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)294条1項
団体定期保険(いわゆるAグループ保険)に基づいて被保険者である従業員の死亡により保険金を受領した会社が生命保険会社との間の合意をもって社内規定に基づく給付額を超えて上記保険金の一部を死亡従業員の遺族に支払うことを約したと認めるべきであるとし…
最高裁判所第三小法廷平成18年4月11日平成14(受)1358民集 第60巻4号1387頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨Y社が,複数の生命保険会社との間で,保険金受取人をY,被保険者をYの従業員全員とし,死亡保険金の合計額が従業員1人につき6000万円を超える団体定期保険(いわゆるAグループ保険)契約を締結し,従業員の死亡により保険金を受領する一方,当該従業員の遺族Xに対しては,社内規定に基づく給付額である1000万円程度の死亡時給付金…
参照法条商法674条1項,民法90条,民法537条,民訴法247条
1 いわゆる仕手筋として知られるAが大量に取得したB社の株式を暴力団の関連会社に売却するなどとB社の取締役であるYらを脅迫した場合においてAの要求に応じて巨額の金員を交付することを提案し又はこれに同意したYらの忠実義務,善管注意義務違反が問…
最高裁判所第二小法廷平成18年4月10日平成15(受)1154民集 第60巻4号1273頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 いわゆる仕手筋として知られるAが,大量に取得したB社の株式を暴力団の関連会社に売却するなどとB社の取締役であるYらを脅迫した場合において,売却を取りやめてもらうためAの要求に応じて約300億円という巨額の金員を融資金の名目で交付することを提案し又はこれに同意したYらの忠実義務,善管注意義務違反が問われた行為について…
参照法条(1につき)商法254条3項,商法254条ノ3,商法266条1項5号,民法644条 (2につき)商法(平成12年法律第90号による改正前のもの)294条ノ2,商法(平成15年法律第134号による改正前のもの)266条1項2号
第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用
最高裁判所第二小法廷平成17年7月15日平成16(受)1611民集 第59巻6号1742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されない。
参照法条民事執行法23条,民事執行法38条1項,民訴法115条,民法33条,商法52条
被相続人を保険契約者及び被保険者とし共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づく死亡保険金請求権と民法903条
最高裁判所第二小法廷平成16年10月29日平成16(許)11民集 第58巻7号1979頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨被相続人を保険契約者及び被保険者とし,共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は,民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが,保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率,保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相…
参照法条民法903条,商法673条,商法675条1項
信用金庫の理事を信用金庫法38条所定の手続によることなく解任することの可否
最高裁判所第三小法廷平成16年10月26日平成14(受)973民集 第58巻7号1921頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨信用金庫の理事を信用金庫法38条所定の手続によることなく解任することはできない。
参照法条信用金庫法38条,商法257条
清算の結了した株式会社の利害関係人が商法429条の規定に基づき同条前段所定の帳簿及び重要な資料の閲覧又は謄写の請求をすることの可否
最高裁判所第二小法廷平成16年10月4日平成14(受)1289民集 第58巻7号1771頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨清算の結了した株式会社の利害関係人は,商法429条の規定に基づき,同条後段所定の保存者に対し,同条前段所定の帳簿及び重要な資料の閲覧又は謄写の請求をすることはできない。
参照法条商法429条
1 商法293条ノ6の規定に基づく会計帳簿等の閲覧謄写請求における当該請求の理由を基礎付ける事実の立証の要否 2 譲渡につき制限のある株式の価格を算定する目的でした会計帳簿等の閲覧謄写請求と商法293条ノ7第1号にいう「株主ガ株主ノ権利ノ確…
最高裁判所第一小法廷平成16年7月1日平成15(受)1104民集 第58巻5号1214頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 商法293条ノ6の規定に基づく会計帳簿等の閲覧謄写請求の理由は,具体的に記載されなければならないが,その記載された請求の理由を基礎付ける事実が存在することを立証する必要はない。 2 株式の譲渡につき定款で制限を設けている株式会社において,その有する株式を他に譲渡しようとする株主が株式の適正な価格を算定する目的でした…
参照法条商法204条1項,商法293条ノ6,商法293条ノ7第1号,有限会社法44条ノ2,有限会社法46条
1 破産宣告を受けた有限会社の取締役と火災保険約款の免責条項所定の「取締役」 2 有限会社の取締役が会社の破産宣告後にした放火による建物の焼失が火災保険約款の免責条項所定の「取締役」の故意による事故招致に当たるとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成16年6月10日平成12(受)56民集 第58巻5号1178頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 有限会社の取締役は,会社が破産宣告を受けた後であっても,火災保険の保険契約者又は被保険者の取締役の故意等によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の約款中の免責条項にいう「取締役」に当たる。 2 有限会社を保険契約者兼被保険者として締結された火災保険契約に適用される約款中に,保険契約者又は被保険者の取締役の故…
参照法条有限会社法32条,商法254条3項,商法641条,商法665条,民法91条,民法653条,破産法7条
農業協同組合が退任した理事に対して提起する訴えについての組合の代表理事の代表権の有無
最高裁判所第三小法廷平成15年12月16日平成14(オ)545民集 第57巻11号2265頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農業協同組合の代表理事は,過去において組合の理事であったが訴え提起時においてその地位にない者に対して組合が提起する訴えについて,組合を代表する権限を有する。
参照法条商法78条1項,商法261条3項,商法275条ノ4,農業協同組合法39条2項,民訴法37条
1 生命保険契約において被保険者の死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする旨を定めている保険約款の解釈 2 生命保険契約に係る保険約款が被保険者の死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする旨を定めている場合であ…
最高裁判所第一小法廷平成15年12月11日平成12(受)485民集 第57巻11号2196頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 生命保険契約に係る保険約款中の被保険者の死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする旨の定めは,当時の客観的状況等に照らし,上記死亡の時からの保険金請求権の行使が現実に期待することができないような特段の事情が存する場合には,その権利行使が現実に期待することができるようになった時以降において上記消滅時効が…
参照法条商法663条,商法683条1項, 民法91条,民法166条1項
1 火災保険契約の申込者が同契約に附帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分,不適切な点があったことを理由とする慰謝料請求の可否 2 火災保険契約の申込者が同…
最高裁判所第三小法廷平成15年12月9日平成14(受)218民集 第57巻11号1887頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 火災保険契約の申込者は,特段の事情が存しない限り,同契約に附帯して地震保険契約を締結するか否かの意思決定をするに当たり保険会社側からの地震保険の内容等に関する情報の提供や説明に不十分,不適切な点があったことを理由として,慰謝料を請求することはできない。 2 火災保険契約の申込者が,同契約を締結するに当たり,同契約に…
参照法条商法629条,民法415条,民法709条,民法710条,保険募集の取締に関する法律11条1項
信用協同組合に対する金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分と組合員が組合員代表訴訟を提起し追行する権限の帰すう
最高裁判所第一小法廷平成15年6月12日平成14(受)853民集 第57巻6号640頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨信用協同組合に対し金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がされても,当該信用協同組合の組合員は,組合員代表訴訟を提起することができ,また,係属中の組合員代表訴訟を追行する権限を失わない。
参照法条中小企業等協同組合法42条,商法267条,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律8条1項,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律11条1項
1 新株発行不存在確認の訴えの認められる場合 2 新株発行不存在確認の訴えの出訴期間
最高裁判所第一小法廷平成15年3月27日平成12(受)469民集 第57巻3号312頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 新株発行の実体がないのにその外観が存する場合には,新株発行不存在確認の訴えにより,対世効のある判決をもってその不存在の確定を求めることができる。 2 新株発行不存在確認の訴えに出訴期間の制限はない。
参照法条商法109条1項,商法280条ノ15,商法280条ノ16
定款による譲渡制限のされた株式につき会社に対して譲渡の承認及び相手方指定の請求をした株主がその請求を撤回することのできる時期
最高裁判所第一小法廷平成15年2月27日平成14(許)10民集 第57巻2号202頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨定款に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めのある会社の株式について,会社に対して株式の譲渡を承認すべきこと及びこれを承認しないときは他に譲渡の相手方を指定すべきことを請求した株主は,取締役会から指定された者が株主に対して当該株式を売り渡すべき旨を請求するまで,その請求を撤回することができる。 (反対意見がある…
参照法条商法204条1項,商法(平成13年法律第128号による改正前のもの)204条ノ2,商法(平成13年法律第128号による改正前のもの)204条ノ3
自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為と民法1031条に規定する遺贈又は贈与
最高裁判所第一小法廷平成14年11月5日平成11(受)1136民集 第56巻8号2069頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為は,民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく,これに準ずるものということもできない。
参照法条民法1031条,商法675条1項
取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において株式会社が取締役を補助するため訴訟に参加することの許否
最高裁判所第一小法廷平成13年1月30日平成12(許)17民集 第55巻1号30頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において,株式会社は,特段の事情がない限り,取締役を補助するため訴訟に参加することが許される。 (反対意見がある。)
参照法条民訴法42条,商法267条,商法268条2項
信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことと当該貸出稟議書が民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情
最高裁判所第一小法廷平成12年12月14日平成11(許)35民集 第54巻9号2709頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨信用金庫の会員が代表訴訟において信用金庫の貸出稟議書につき文書提出命令の申立てをしたことは、当該貸出稟議書が民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない特段の事情とはいえない。 (反対意見がある。)
参照法条民訴法220条4号,信用金庫法39条,商法267条
商法二六五条一項の取引を行うにつき同法二五四条三項(民法六四四条)、商法二五四条ノ三に定める義務に違反した取締役と同法二六六条一項五号の責任
最高裁判所第二小法廷平成12年10月20日平成10(オ)920民集 第54巻8号2619頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の取締役が商法二六五条一項の取引によって会社に損害を被らせた場合、当該取締役は、同法二六六条一項四号の責任を負う外、右取引を行うにつき故意又は過失により同法二五四条三項(民法六四四条)、商法二五四条ノ三に定める義務に違反したときには、同法二六六条一項五号の責任をも負う。
参照法条商法254条3項,商法254条ノ3,商法265条1項,商法266条1項4号,商法266条1項5号
一 商法二六六条一項五号にいう「法令」の意義 二 会社がその業務を行うに際して遵守すべき規定に会社をして違反させることとなる取締役の行為と商法二六六条一項五号にいう法令違反行為 三 複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において共同訴訟人…
最高裁判所第二小法廷平成12年7月7日平成8(オ)270民集 第54巻6号1767頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商法二六六条一項五号にいう「法令」には、取締役を名あて人とし、取締役の受任者としての義務を一般的に定める商法二五四条三項(民法六四四条)、商法二五四条ノ三の規定及び取締役がその職務遂行に際して遵守すべき義務を個別的に定める規定のほか、会社を名あて人とし、会社がその業務を行うに際して遵守すべきすべての規定が含まれる。…
参照法条商法266条1項5号・商法267条 民訴法40条1項
生命保険契約の解約返戻金請求権の差押債権者がこれを取り立てるために解約権を行使することの可否
最高裁判所第一小法廷平成11年9月9日平成10(受)456民集 第53巻7号1173頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険契約の解約返戻金請求権を差し押さえた債権者は、これを取り立てるため、債務者の有する解約権を行使することができる。 (反対意見がある。)
参照法条民事執行法155条1項,商法653条,商法673条,商法683条
取締役等を選任する甲株主総会決議の不存在確認請求に同決議が存在しないことを理由とする後任取締役等の選任に係る乙株主総会決議の不存在確認請求が併合されている場合における先の決議の存否確認の利益
最高裁判所第一小法廷平成11年3月25日平成10(オ)1183民集 第53巻3号580頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役等を選任する甲株主総会決議の不存在確認請求に、同決議が存在しないことを理由とする後任取締役等の選任に係る乙株主総会決議の不存在確認請求が併合されている場合には、後の決議がいわゆる全員出席総会において行われたなどの特段の事情のない限り、先の決議についても存否の確認の利益が認められる。
参照法条商法252条,民訴法134条
取締役解任の訴えの被告適格
最高裁判所第二小法廷平成10年3月27日平成8(オ)1681民集 第52巻2号661頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役解任の訴えは、会社と取締役の双方を被告とすべき固有必要的共同訴訟である。
参照法条商法257条3項,民訴法第1編第3章当事者,民訴法40条
一 生命保険契約の保険契約者兼保険金受取人である有限会社が意思表示の受領権限を有する者を欠く状態にある場合において保険金請求権の転付債権者に対して告知義務違反を理由とする解除の意思表示をすることの可否 二 保険会社が告知義務違反による生命保…
最高裁判所第三小法廷平成9年6月17日平成7(オ)949民集 第51巻5号2154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 有限会社を保険契約者兼保険金受取人とする生命保険契約における被保険者が死亡し、かつ、右有限会社が意思表示を受領する権限を有する者を欠く状態にある場合において、転付命令により保険金受取人の保険会社に対する生命保険金支払請求権を取得した者があるときには、保険会社は、右転付債権者に対しても告知義務違反を理由とする生命保険…
参照法条民法91条,民法540条,商法644条2項,商法678条,民事執行法159条,民事執行法160条
生命保険会社がいわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者の代理人と称する者の申込みにより行った貸付けと民法四七八条の類推適用
最高裁判所第一小法廷平成9年4月24日平成5(オ)1951民集 第51巻4号1991頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険会社甲が、いわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者乙の代理人と称する丙の申込みによる貸付けを実行した場合において、丙を乙の代理人と認定するにつき相当の注意義務を尽くしたときは、甲は、民法四七八条の類推適用により、乙に対し、右の貸付けの効力を主張することができる。
参照法条民法91条,民法478条,民法587条,商法673条
有限会社の社員全員の承認の下にされた持分譲渡の効力
最高裁判所第一小法廷平成9年3月27日平成6(オ)7民集 第51巻3号1628頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨有限会社の社員がその持分を社員でない者に対して譲渡した場合において、右譲渡人以外の社員全員がこれを承認していたときは、右譲渡は、社員総会の承認がなくても、譲渡当事者以外の者に対する関係においても有効である。
参照法条有限会社法19条2項
火災保険普通保険約款上保険会社が保険金の支払につき遅滞の責めを負うべき時期
最高裁判所第三小法廷平成9年3月25日平成5(オ)1858民集 第51巻3号1565頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保険会社は保険契約者又は被保険者が保険の目的について損害が発生したことを通知し所定の書類を提出した日から三〇日以内に保険金を支払う、ただし、保険会社が右期間内に必要な調査を終えることができないときはこれを終えた後遅滞なく保険金を支払う旨の火災保険普通保険約款の条項は、右三〇日の経過により保険金支払の履行期が到来すること…
参照法条民法91条,民法412条,商法629条,商法665条
新株発行不存在確認の訴えの被告適格
最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)316民集 第51巻1号40頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨新株発行不存在確認の訴えは、会社を被告としてのみ提起することができる。
参照法条商法280条ノ15,民訴法45条
商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠くことと新株発行の無効原因
最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日平成5(オ)317民集 第51巻1号71頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨新株発行に関する事項について商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠くことは、新株発行差止請求をしたとしても差止めの事由がないためにこれが許容されないと認められる場合でない限り、新株発行の無効原因となる。
参照法条商法280条ノ3ノ2,商法280条ノ10,商法280条ノ15
保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合において相続人が保険金を受け取るべき権利の割合
最高裁判所第二小法廷平成6年7月18日平成3(オ)1993民集 第48巻5号1233頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保険契約において保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれ、各保険金受取人の有する権利の割合は相続分の割合になる。
参照法条商法675条,民法427条
一 商法二六〇条二項一号にいう重要な財産の処分に当たるか否かの判断基準 二 会社の総資産の約一・六パーセントに相当する価額の株式の譲渡が商法二六〇条二項一号にいう重要な財産の処分に当たらないとはいえないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成6年1月20日平成5(オ)595民集 第48巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商法二六〇条二項一号にいう重要な財産の処分に当たるか否かは、当該財産の価額、その会社の総資産に占める割合、保有目的、処分行為の態様及び会社における従来の取扱い等の事情を総合的に考慮して判断すべきである。 二 株式が、帳簿価額では七八〇〇万円で会社の総資産の約一・六パーセントに相当し、適正時価を把握し難く、その譲渡が…
参照法条商法260条
一 新株発行差止請求の訴えから変更された新株発行無効の訴えが出訴期間の遵守に欠けるところがないとされた事例 二 新株発行差止めの仮処分命令に違反したことと新株発行無効の訴えの無効原因
最高裁判所第一小法廷平成5年12月16日平成1(オ)666民集 第47巻10号5523頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 新株発行差止請求の訴えが新株発行無効の訴えにその出訴期間経過後に変更された場合であっても、右新株発行差止請求の訴えが、持株比率の減少等の不利益を受けると主張する株主によって、新株発行を阻止する目的の下に新株発行差止めの仮処分命令を得た上で提起されたものであるなど判示の事実関係の下においては、仮処分命令違反を無効原因…
参照法条商法280条ノ10,商法280条ノ15,民訴法235条
一 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の株式を取得することと商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二一〇条 二 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の株式の売買により損失を被った場合と乙会社に生じる損害
最高裁判所第一小法廷平成5年9月9日平成1(オ)1400民集 第47巻7号4814頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の株式を取得することは、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二一〇条にいう自己株式の取得に当たる。 二 甲会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙会社の指示により同社の株式を売買して買入価格と売渡価格の差額に相当する損失を被った場合、乙会社の取締役は、特…
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)210条,商法254条3項,商法266条1項5号,民法415条,民法644条
一 商法六七六条二項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」の意義 二 生命保険の指定受取人の法定相続人と順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合の各保険金受取人の権利の割合と民法四二七条の適用
最高裁判所第三小法廷平成5年9月7日平成2(オ)1100民集 第47巻7号4740頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商法六七六条二項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」とは、保険契約者によって保険金受取人として指定された者の法定相続人又は順次の法定相続人であって被保険者の死亡時に生存する者をいう。 二 生命保険の指定受取人の法定相続人と順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合には、各保険金受取人の権利の割合は、民法…
参照法条商法676条,民法427条
一 代表取締役が取締役と認めていない者と株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律二四条一項にいう取締役 二 いわゆる一人会社の株主が定款所定の取締役会の承認を得ないでした株式譲渡の効力
最高裁判所第三小法廷平成5年3月30日平成1(オ)1006民集 第47巻4号3439頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 代表取締役が取締役と認めていない者は、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律二四条一項にいう取締役に当たらない。 二 いわゆる一人会社の株主がした株式譲渡は、定款所定の取締役会の承認がなくても、会社に対する関係においても有効である。
参照法条株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律24条,商法204条1項
事業協同組合の「専務理事は理事長が欠員のときはその職務を行う」旨の定款にいう欠員には理事長が任期満了によつて退任した場合は含まないと解された事例
最高裁判所第三小法廷平成5年3月2日昭和63(オ)1241民集 第47巻4号2833頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨事業協同組合の定款に「専務理事は理事長が欠員のときはその職務を行う」旨の定めがあるが、同組合の定款によれば、理事長及び専務理事を含む役員の全員につき同時に任期が満了する旨及び任期満了によつて退任した役員は後任の役員が就任するまで役員の職務を行う旨の定めがあるなど判示の事実関係の下においては、右の定款にいう欠員には、理事…
参照法条中小企業等協同組合法36条1項,中小企業等協同組合法42条,商法258条1項,商法261条3項
取締役の報酬を無報酬に変更する旨の株主総会決議と報酬請求権の帰すう
最高裁判所第二小法廷平成4年12月18日平成2(オ)1259民集 第46巻9号3006頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役の報酬につき、株主総会がこれを無報酬に変更する旨の決議をしても、当該取締役は、右変更に同意しない限り、報酬請求権を失わない。
参照法条商法269条
役員退職慰労金贈呈の株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該決議と同一の内容の決議がされた場合と訴えの利益
最高裁判所第一小法廷平成4年10月29日平成1(オ)605民集 第46巻7号2580頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨役員退職慰労金贈呈の株主総会決議取消しの訴えの係属中、右決議と同一の内容を持ち、右決議の取消判決が確定した場合にはさかのぼって効力を生ずるものとされている決議が有効に成立し、それが確定したときは、特別の事情がない限り、右決議取消しの訴えの利益は、失われる。
参照法条商法247条,民訴法第2編第1章
合名会社の解散後に死亡した社員の共同相続人の全員が社員である場合と商法一四四条所定の権利行使者の指定の要否
最高裁判所第二小法廷平成4年1月24日昭和63(オ)1134民集 第46巻1号28頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨合名会社の解散後に死亡した社員の共同相続人の全員が社員である場合においても、遺産の分割がされ、死亡した社員の持分の共有関係が解消されるまでの間に、相続人が清算に関して右持分に基づく権利を行使するには、商法一四四条の規定に従い、そのうち一人を権利行使者と定めることを要する。
参照法条商法144条
一 商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人と株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格 二 商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人が株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格を有するとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成2年12月4日平成1(オ)573民集 第44巻9号1165頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法二〇三条二項にいう「株主ノ権利ヲ行使スベキ者」の指定及びその旨の会社に対する通知を欠く場合には、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有しない。 二 株式を準共有する共同相続人間において商法二〇三条二項にいう「株主ノ権利ヲ行使スベキ者」…
参照法条商法203条2項,商法252条
取締役を選任する旨の株主総会決議が不存在である場合とその後の取締役を選任する旨の株主総会決議の効力
最高裁判所第三小法廷平成2年4月17日昭和60(オ)1529民集 第44巻3号526頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役に選任する旨の株主総会の決議が不存在である場合に、その者を構成員の一員とする取締役会で選任された代表取締役が、その取締役会の招集決定に基づき招集した株主総会において取締役を選任する旨の決議がされたときは、右決議は、いわゆる全員出席総会においてされたなど特段の事情がない限り、不存在である。
参照法条商法231条,商法254条1項,商法258条1項,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)252条
一 信用金庫の商人性 二 信用金庫取引約定書四条四項の趣旨 三 破産債権者が支払停止又は破産申立前にされた取立委任に基づき支払停止又は破産申立のあつたことを知つてした手形の取立と破産法一〇四条二号但書
最高裁判所第三小法廷昭和63年10月18日昭和59(オ)557民集 第42巻8号575頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 信用金庫法に基づいて設立された信用金庫は、商法上の商人には当たらない。 二 信用金庫取引約定書四条四項は、取引先において信用金庫に対し、取引先がその債務を履行しない場合に、信用金庫の占有する取引先の手形等の取立又は処分をする権限及び取立又は処分によつて取得した金員を取引先の債務の弁済に充当する権限を授与する趣旨であ…
参照法条商法4条1項,信用金庫法1条,信用金庫法2条,信用金庫法(昭和56年法律第60号による改正前のもの)53条,民法1編4章1節,破産法104条2号
一 合名会社の業務の執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被つている場合と会社の解散についての商法一一二条一項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」 二 合名会社の業務の執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的…
最高裁判所第一小法廷昭和61年3月13日昭和56(オ)1243民集 第40巻2号229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 合名会社の業務が一応困難なく行われているとしても、その執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ、少数派社員が恒常的な不利益を被つている場合には、かかる状態を打開する公正かつ相当な手段のない限り、会社の解散につき商法一一二条一項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」があるものと解すべきである。 二 合名会社の業務の執…
参照法条商法112条1項
一 株式会社のいわゆる全員出席総会における決議の効力 二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議が有効となる場合
最高裁判所第二小法廷昭和60年12月20日昭和58(オ)1567民集 第39巻8号1869頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 招集手続を欠くのに株主全員が株主総会の開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会においてされた決議は、総会の決議として有効に成立する。 二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議は、当該株主が会議の目的たる事項を了知したうえで委任をし、かつ、決議の内容が右事項の範囲内のものである場合には、総会の決…
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)230条ノ2,商法231条,商法232条,商法239条1項,商法239条3項,商法239条4項
商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)三五〇条一項の株券提出期間の経過前に株式を譲り受けた者が右期間経過後にする名義書換請求
最高裁判所第一小法廷昭和60年3月7日昭和57(オ)1383民集 第39巻2号107頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨定款を変更して株式譲渡制限の定めを設けるとの決議があつた場合において、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)三五〇条一項の株券提出期間の経過前に株式を譲り受けた者は、右期間の経過後であつても、会社に対し、旧株券を呈示し、右期間経過前に株式を譲り受けたことを証明して、名義書換を請求することができる。
参照法条商法206条1項,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)350条1項
代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合にその本案訴訟において会社を代表すべき者
最高裁判所第二小法廷昭和59年9月28日昭和57(オ)1419民集 第38巻9号1121頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟を本案とする代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合に、本案訴訟において会社を代表すべき者は、職務の執行を停止された代表取締役ではなく、代表取締役職務代行者である。
参照法条商法270条1項,商法271条1項,民訴法58条
額面株式と無額面株式との間の転換の請求と株券の提出
最高裁判所第三小法廷昭和59年5月29日昭和57(オ)529民集 第38巻7号992頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主は、額面株式と無額面株式との間の転換を請求するためには、株券を会社に提出することを要する。
参照法条商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)213条1項,商法213条2項
計算書類等承認の株主総会決議取消の訴えの係属中にその後の決算期の計算書類等の承認がされた場合と右取消を求める訴えの利益
最高裁判所第三小法廷昭和58年6月7日昭和55(オ)17民集 第37巻5号517頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨計算書類等承認の株主総会決議取消の訴えの係属中、その後の決算期の計算書類等の承認がされた場合であつても、該計算書類等につき承認の再決議がされたなどの特別の事情がない限り、右決議取消を求める訴えの利益は失われない。
参照法条商法(昭和49年法律第21号による改正前のもの)247条1項,商法(昭和49年法律第21号による改正前のもの)283条1項,民訴法2編1章 訴
交通事故の被害者が加害者に対する損害賠償請求訴訟と併合して保険会社に対し加害者に代位して提起した自動車保険普通保険約款に基づく保険金請求訴訟の許否
最高裁判所第三小法廷昭和57年9月28日昭和55(オ)188民集 第36巻8号1652頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車保険普通保険約款に、加害者の保険会社に対する保険金請求権は、加害者と被害者との間で損害賠償額が確定したときに発生し、これを行使することができる旨の規定があつても、被害者が加害者に対する損害賠償請求と保険会社に対し加害者に代位してする保険金請求とを併合して訴求している場合には、右保険金請求訴訟は、将来の給付の訴えと…
参照法条民法423条,商法629条,民訴法226条
農業協同組合を共済者とする養老生命共済契約における災害給付金及び死亡割増特約金給付の免責事由である被共済者の「重大な過失」があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和57年7月15日昭和56(オ)1112民集 第36巻6号1188頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農業協同組合を共済者とする養老生命共済契約の被共済者が、夜間飲酒酩酊のうえ普通乗用車の運転を開始し、事故発生時においてさえ血液一ミリリツトル中〇・九八ミリグラムのアルコールを保有しており、右アルコールの影響のもとに道路状況を無視し、かつ、制限速度毎時四〇キロメートルの屈曲した路上を前方注視義務を怠つたまま漫然時速七〇キ…
参照法条商法641条,商法829条,農業協同組合法10条の2,農業協同組合法及び農業共同組合連合会の共済規程の記載事項を定める省令(昭和29年農林省令第62号)1項2号ハ
一 商標登録査定後における商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益の有無 二 商標登録異議申立人である会社の合併による消滅と右申立人としての地位の承継の有無
最高裁判所第二小法廷昭和56年6月19日昭和53(行ツ)103民集 第35巻4号827頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商標登録出願につき登録査定がされたのちにおいては、右出願に関する商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益はない。 二 商標登録異議申立人である会社が合併によつて消滅したときは、右異議申立は失効し、異議申立人としての地位は合併後存続する会社に承継されない。
参照法条商標法17条,商標法77条2項,特許法24条,特許法55条,民訴法209条1項,行政事件訴訟法9条,商法103条,商法416条1項
商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間
最高裁判所第一小法廷昭和55年1月24日昭和53(オ)1129民集 第34巻1号61頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。
参照法条民法167条,民法703条,商法522条,利息制限法1条,利息制限法4条
株主総会決議無効確認の訴が株主総会決議取消の訴の要件をみたしている場合における決議取消の主張と決議取消の訴としての出訴期間の遵守
最高裁判所第二小法廷昭和54年11月16日昭和54(オ)410民集 第33巻7号709頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主総会決議無効確認の訴の決議無効原因として主張された瑕疵が決議取消原因に該当し、しかも、右訴が決議取消訴訟の出訴期間内に提起されている場合には、決議取消の主張が出訴期間経過後にされたとしても、右決議取消の訴は出訴期間の関係では決議無効確認の訴提起時に提起されたのと同様に扱うのが相当である。
参照法条商法247条,商法248条,商法252条
共同代表取締役の一人に対し他の共同代表取締役がした当座預金払出しのための小切手振出権限の委任及びこれに基づく小切手の振出しが共同代表の定めに反しないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和54年3月8日昭和53(オ)1272民集 第33巻2号187頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同代表取締役甲・乙及び他の役員らの間で、会社が預け入れた当座預金払出しのための小切手振出しにつき甲が乙に一切の権限を委任し、右委任に基づき乙が単独で会社の代表者として右小切手を振り出すことを合意したなど判示の事実関係のもとでは、甲の乙に対する右委任及びこれに基づいて乙が単独でした右小切手振出しに関する代表行為は、共同…
参照法条商法261条2項
一 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の脱退組合員に対する払戻持分の計算のための組合財産の評価に当たり将来退職する組合役員・従業員に支払われるべき退職慰労金・退職金につき当期末現在で算出したその相当額を負債として計上することの可否 二 中…
最高裁判所第二小法廷昭和54年2月23日昭和50(オ)326民集 第33巻1号125頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の脱退組合員に対する払戻持分の計算のため組合財産を評価するにあたり、将来退職する組合役員・従業員に支払われるべき退職慰労金・退職金につき当期末現在の状態を基準として算出したその相当額を負債として計上することはできない。 二 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の理事会の全員の協議…
参照法条中小企業等協同組合法20条,中小企業等協同組合法38条の2第1項,中小企業等協同組合法42条,商法254条3項,商法254条の2,民法644条
有限会社の社員総会決議不存在確認を求める訴の提起が訴権の濫用にあたるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和53年7月10日昭和52(オ)1321民集 第32巻5号888頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨有限会社の経営の実権を握つていた者が、第三者に対し自己の社員持分全部を相当の代償を受けて譲渡し、会社の経営を事実上右第三者に委ね、その後相当期間を経過しており、しかも右譲渡の当時社員総会を開いて承認を受けることがきわめて容易であつたなど、判示の事実関係のもとにおいて、右譲渡人が右社員持分譲渡を承認する社員総会決議及びこ…
参照法条有限会社法19条2項,有限会社法41条,商法252条,民法1条3項,民訴法第2編第1章
有限会社の社員総会における特定の社員を取締役に選任すべき決議と右特定の社員の特別利害関係
最高裁判所第二小法廷昭和53年4月14日昭和52(オ)833民集 第32巻3号601頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨有限会社の社員総会において、その社員である特定の者を取締役に選任すべき決議をする場合に、その特定の者は、右決議につき特別の利害関係を有する者にあたらない。
参照法条有限会社法41条,商法239条5項
一、共有に属する株式につき株主の権利を行使すべき者を指定する行為と民法八二六条にいう利益相反行為 二、商法三五〇条一項の株券提出期間経過前に株式を譲り受けたが名義書換を経ていない株主と同条三項の異議催告公告請求権
最高裁判所第三小法廷昭和52年11月8日昭和51(オ)419民集 第31巻6号847頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、株式が未成年の子とその親権者を含む数人の共有に属する場合において、親権者が未成年の子を代理して商法二〇三条二項にいう株主の権利を行使すべき者を指定する行為は、これを親権者自身と指定するときであつても、民法八二六条にいう利益相反行為にあたらない。 二、商法三五〇条一項の株券提出期間の経過前に株式を譲り受けた者は、名義…
参照法条民法826条,商法203条,商法350条,商法378条1項
代表権の欠缺を知らないことにつき重大な過失がある第三者と商法二六二条に基づく会社の責任
最高裁判所第二小法廷昭和52年10月14日昭和52(オ)106民集 第31巻6号825頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社は、商法二六二条所定の表見代表取締役の行為につき、重大な過失によりその代表権の欠缺を知らない第三者に対しては、責任を負わない。
参照法条商法262条
一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合と株主である地方公共団体、株式会社の職員又は従業員による議決権の代理行使 二、株主総会決議取消の訴において商法二四八条一項所定の期間経過後に新たな取消事由を…
最高裁判所第二小法廷昭和51年12月24日昭和48(オ)794民集 第30巻11号1076頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合においても、株主である地方公共団体、株式会社が、その職制上上司の命令に服する義務を負い、議決権の代理行使にあたつて法人の代表者の意図に反することができないようになつている職員又は従業員に議決権を代理行使させることは、右定款の規定に反しな…
参照法条商法239条3項,商法247条,商法248条1項
「運送人は保険に付された危険によつて生じた貨物の滅失等については損害賠償の責めに任じない」旨の港湾運送約款の解釈
最高裁判所第一小法廷昭和51年11月25日昭和50(オ)1190民集 第30巻10号960頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨港湾運送契約の締結に際し、荷送人が、貨物を海上保険に付したうえ、運送人との間で港湾運送約款に基づき「運送人は、保険に付された危険によつて生じた貨物の滅失等については、損害賠償の責めに任じない。」旨の合意をした場合でも、特段の事情のない限り、被保険者である荷送人は、保険金額の範囲内の損害につき、貨物滅失に基づく運送人に対…
参照法条民法91条,民法519条,商法569条,商法577条,商法581条,商法629条,商法662条
売主又は買主の一方からのみ仲介の委託を受けた宅地建物取引業者の委託を受けない当事者に対する報酬請求権
最高裁判所第二小法廷昭和50年12月26日昭和46(オ)22民集 第29巻11号1890頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売主又は買主の一方からのみ仲介の委託を受けた宅地建物取引業者の仲介行為によつて契約が成立した場合において、当該業者が委託を受けない当事者に対し商法五一二条に基づく報酬請求権を取得するためには、客観的にみて右当事者のためにする意思をもつて仲介行為をしたものと認められることを要し、単に委託者のためにする仲介行為の反射的利益…
参照法条商法512条,宅地建物取引業法46条
少数株主の請求に基づく取締役解任を目的とする臨時総会の招集と商法二七一条一項の会社の常務
最高裁判所第二小法廷昭和50年6月27日昭和50(オ)157民集 第29巻6号879頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役の解任を目的とする臨時総会の招集は、少数株主による招集請求に基づくときでも、商法二七一条一項にいう会社の常務に属さない。
参照法条商法232条,商法235条,商法237条,商法270条,商法271条
株主以外の第三者に対する株式のいわゆる時価発行における発行価額が「著シク不公正ナル発行価額」にあたらない場合
最高裁判所第三小法廷昭和50年4月8日昭和48(オ)198民集 第29巻4号350頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨普通株式を発行しその株式が証券取引所に上場されている株式会社において額面普通株式を株主以外の第三者に対していわゆる時価発行をする場合の発行価額が価額決定直前の株価より低額であつても、価額決定にあたつて発行価額決定前の当該会社の株価、右株価の騰落習性、売買出来高の実績、会社の資産状態、収益状態、配当状況、発行ずみ株式数、…
参照法条商法280条ノ2第2項,商法280条ノ11第1項
一、貨物船による曳船が海上保険契約普通保険約款六条にいう「危険の著しい増加」にあたるとされた事例 二、船長が危険の著しい増加を知つた場合と海上保険契約普通保険約款七条二項にいう「保険契約者又は被保険者が危険の著しい増加を知つたとき」 三、貨…
最高裁判所第三小法廷昭和50年1月31日昭和44(オ)718民集 第29巻1号16頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、海上保険契約中の普通保険約款六条により、保険者の負担する危険が保険期間中保険契約者又は被保険者の責に帰しえない事由により著しく増加したときは保険契約はその効力を失う旨が定められている場合において、総トン数四〇五トン余、純トン数二四〇トン余の貨物船が五〇〇トンの貨物を積載したうえ無人の総トン数四四四トン、純トン数二六…
参照法条商法656条,商法657条2項,商法713条1項,商法815条2項,商法816条
商法二六六条の三第一項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間
最高裁判所第三小法廷昭和49年12月17日昭和49(オ)768民集 第28巻10号2059頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法二六六条の三第一項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は一〇年と解すべきである。
参照法条民法167条1項,民法724条,商法266条の3第1項
一、共同代表の定めと特定の事項について共同代表取締役の意見が合致した場合における代表権行使の委任 二、契約が共同代表の定めに違背し無効であると主張することが信義則に反し許されないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和49年11月14日昭和46(オ)90民集 第28巻8号1605頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、特定の事項について共同代表取締役の意思が合致した場合において、代表取締役のある者が他の代表取締役に右意思を外部に表示することにつき代表権の行使を委任することは、共同代表の定めに反しない。 二、会社に甲乙、丙の代表取締役があり、共同代表の定めがあるにもかかわらず、甲、乙のみによつて会社所有の物件が売却された場合におい…
参照法条商法261条2項,民訴法1条2項
一、商工組合創立総会における定款承認議決取消の訴の係属中に右組合の設立が認可され設立登記がされた場合と訴の利益 二、商工組合創立総会における事業計画及び収支予算決定に関する各議決取消の訴の係属中に、予定された事業年度を経過した場合と訴の利益
最高裁判所第一小法廷昭和49年9月26日昭和46(オ)433民集 第28巻6号1283頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、中小企業団体の組織に関する法律に基づく商工組合の創立総会における定款承認議決取消の訴の係属中に、右商工組合の設立が認可され、その設立登記がされたときは、特別の事情のないかぎり、右議決取消の訴は、訴の利益を欠くに至つたものと解すべきである。 二、中小企業団体の組織に関する法律に基づく商工組合の創立総会における事業計画…
参照法条商法247条,民訴法第2編第1章(訴),中小企業団体の組織に関する法律47条1項,中小企業等協同組合法27条6項
取締役と会社との取引が株主全員の合意によつてされた場合と取締役会の承認
最高裁判所第一小法廷昭和49年9月26日昭和47(オ)1225民集 第28巻6号1306頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨取締役と会社との取引が株主全員の合意によつてされた場合には、右取引につき取締役会の承認を要しない。
参照法条商法265条
一、海上物品運送契約において積荷保険の被保険者である荷主が保険金の支払を受ける限度で運送人に対する損害賠償請求権をあらかじめ放棄した場合と保険代位 二、商法七三八条の堪航能力担保義務の範囲 三、商法七三八条の堪航能力担保義務の性質
最高裁判所第二小法廷昭和49年3月15日昭和45(オ)470民集 第28巻2号222頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、海上物品運送契約において、積荷保険の被保険者である荷主が保険金の支払を受ける限度で運送人に対する損害賠償請求権をあらかじめ放棄した場合でも、商法七三九条により運送人の免責が許されない損害に関するかぎり、保険者は、保険代位により、荷主の運送人に対する損害賠償請求権を取得する。 二、商法七三八条により担保される堪航能力…
参照法条商法629条,商法662条,商法738条,商法739条,商法815条,商法816条,民法519条,国際海上物品運送法附則2項
会社から貸金の返還を求められた取締役と商法二六五条違反の主張
最高裁判所第三小法廷昭和48年12月11日昭和48(オ)531民集 第27巻11号1529頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社が取締役に貸し付けた金員の返還を求めた場合に、その取締役は、商法二六五条違反を理由として右貸付けの無効を主張することができない。
参照法条商法265条
商法五〇四条但書に基づき相手方が債権者として本人または代理人を選択しうる場合における本人の請求と代理人の債権についての消滅時効の中断
最高裁判所第三小法廷昭和48年10月30日昭和44(オ)1135民集 第27巻9号1258頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代理人がした商行為による債権につき本人が提起した債権請求訴訟の係属中に、相手方が商法五〇四条但書に基づき債権者として代理人を選択したときは、本人の請求は、右訴訟が係属している間代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼすものと解するのが相当である。
参照法条商法504条,商法522条,民法147条,民法148条,民法153条
新会社が旧会社と法人格を異にするとの実体法上および訴訟法上の主張が信義則に反し許されないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和48年10月26日昭和45(オ)658民集 第27巻9号1240頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が、会社が賃借している居室の明渡し、延滞賃料等の債務を免れるために、会社の商号を変更したうえ、旧商号と同一の商号を称し、その代表取締役、監査役、本店所在地、営業所、什器備品、従業員が旧会社のそれと同一で、営業目的も旧会社のそれとほとんど同一である新会社を設立したにもかかわらず、右商号変更および新会社…
参照法条民法1条2項,民法33条,商法52条,民訴法第1編第4章第1節
一、商法二〇四条一項但書による株式の譲渡制限と取締役会の承認のない株式譲渡の譲渡当事者間における効力 二、株式の譲渡担保と商法二〇四条一項
最高裁判所第二小法廷昭和48年6月15日昭和47(オ)91民集 第27巻6号700頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、定款をもつて株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨定められている場合に、その承認をえないで株式が譲渡されても、右株式の譲渡は、譲渡当事者間においては有効であると解すべきである。 二、株式を譲渡担保に供することは、商法二〇四条一項にいう株式の譲渡にあたると解すべきである。
参照法条商法204条1項
代表取締役の業務執行についての取締役の監視義務
最高裁判所第三小法廷昭和48年5月22日昭和46(オ)673民集 第27巻5号655頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の取締役は、会社に対し、代表取締役が行なう業務執行につき、これを監視し、必要があれば、取締役会をみずから招集し、あるいは招集することを求め、取締役会を通じてその業務執行が適正に行なわれるようにする職責がある。
参照法条商法254条ノ2,商法266条ノ3
株式買取価格の決定と憲法三二条、八二条
最高裁判所第一小法廷昭和48年3月1日昭和47(ク)5民集 第27巻2号161頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法二四五条の三第三項による株式買取価格の決定は、非訟事件の裁判であつて、該事件を非訟事件手続法により審理裁判することは、憲法三二条、八二条に違反しない。
参照法条憲法32条,憲法82条,商法245条ノ3,商法349条,非訟事件手続法132条ノ6
学校法人の理事会等の決議無効確認の訴の許否
最高裁判所第一小法廷昭和47年11月9日昭和44(オ)719民集 第26巻9号1513頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨学校法人の理事会または評議員会の決議が無効であることの確認を求める訴は、現に存する法律上の紛争の直接かつ抜本的な解決のため適切かつ必要と認められる場合には、許容されるものと解すべきである。
参照法条民訴法225条,商法252条,私立学校法36条,私立学校法41条
株式会社に対しその整理開始前に負担した停止条件付債務の条件が整理開始後に成就したときと商法四〇三条一項、破産法一〇四条一号
最高裁判所第一小法廷昭和47年7月13日昭和45(オ)449民集 第26巻6号1151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の債権者が会社に対し、その整理開始前に停止条件付債務を負担した場合でも、整理開始後に条件が成就したときは、整理開始後に債務を負担したものとして、商法四〇三条一項、破産法一〇四条一号により相殺が禁止される。
参照法条商法403条1項,破産法104条1号
一、取締役でないのに取締役就任登記を承諾した者と商法一四条の類推適用 二、商法一四条の類推適用により取締役でないことを対抗できない登記簿上の取締役と同法二六六条の三所定の取締役としての責任
最高裁判所第一小法廷昭和47年6月15日昭和44(オ)531民集 第26巻5号984頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、取締役でないのに取締役として就任の登記をされた者が故意または過失により右登記につき承諾を与えていたときは、同人は、商法一四条の規定の類推適用により、自己が取締役でないことをもつて善意の第三者に対抗することができない。 二、株式会社において、取締役でないのに取締役として就任の登記をされた者が商法一四条の規定の類推適用…
参照法条商法14条,商法266条の3
営業の現物出資を受けて設立された会社が出資者の商号を続用する場合と商法二六条の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和47年3月2日昭和44(オ)321民集 第26巻2号183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨営業の現物出資を受けて設立された会社が出資者の商号を続用する場合には、商法二六条の類推適用により、右会社は、出資者の営業によつて生じた債務につき、出資者とならんで弁済の責に任ずべきものと解するのが相当である。
参照法条商法26条,商法168条,商法172条
一、株式会社の清算人の員数 二、上告審が破棄理由とした法律上の判断の再度の上告審に対する拘束力
最高裁判所第三小法廷昭和46年10月19日昭和44(オ)1182民集 第25巻7号952頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、株式会社の清算人の員数は、二人以上であることを要しない。 二、上告審が差戻判決において破棄理由とした法律上の判断に従つてされた下級審の判決に対する再度の上告事件につき審判をする上告審はその差戻判決に示された右判断に拘束される。
参照法条商法430条,裁判所法4条,民訴法407条1項,民訴法407条2項
一、有限会社の組織変更の無効を主張する場合と商法四二八条の準用の有無 二、有限会社の組織変更により設立された株式会社の設立無効の訴とともに組織変更前の有限会社に対する持分の確認を求める場合の相手方
最高裁判所第三小法廷昭和46年6月29日昭和44(オ)466民集 第25巻4号711頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、有限会社の株式会社への組織変更の手続に重大なかしがあるとして、その効力を争う場合には、株式会社の設立無効の訴に関する商法四二八条の規定を準用し、組織変更後の会社の株主または取締役は、組織変更後の会社を被告として、その設立無効の訴を提起しうるものと解するのが相当である。 二、組織変更前の有限会社に対し持分を有する者が…
参照法条有限会社法18条,有限会社法67条,有限会社法75条,商法428条,民訴法46条
いわゆる一人会社と株主総会の成立
最高裁判所第一小法廷昭和46年6月24日昭和43(オ)826民集 第25巻4号596頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆる一人会社においては、その一人の株主が出席すれば、招集の手続がなくても、株主総会は成立する。
参照法条商法231条,商法232条,商法239条1項
株式会社の債権者の会社に対する計算書類の閲覧請求権および謄抄本交付請求権
最高裁判所第一小法廷昭和46年6月3日昭和45(オ)935民集 第25巻4号469頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の債権者は、特段の事情のないかぎり、株主総会終了後も商法二八二条二項の規定の類推適用により、会社に対し、同条一項所定の書類の閲覧またはその謄本もしくは抄本の交付を請求することができる。
参照法条商法282条
一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に重大なかしがある場合と決議取消請求の裁量棄却 二、株主総会招集の手続に決議取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和46年3月18日昭和44(オ)89民集 第25巻2号183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に性質、程度等からみて重大なかしがある場合には、そのかしが決議の結果に影響を及ぼさないと認められるようなときでも、裁判所は、右決議の取消請求を認容すべきであつて、これを裁量棄却することは許されない。 二、株主総会招集の手続が、その招集につき決定の権限を有する取締役会の有効な決議…
参照法条商法247条,商法231条,商法232条1項
更生会社の管財人が数人あるのにそのうちの一人が単独で手形行為をした場合に商法二六二条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和46年2月23日昭和44(オ)1048民集 第25巻1号151頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨更生会社の管財人が数人あるにもかかわらず、そのうちの一人が、単独で、管財人の名称を使用して手形行為をした場合において、手形の取得者が、右一人の管財人が単独で手形行為をなすことができると信じて手形を取得し、更生会社においては、数人の管財人の間に会社更生法九七条一項但書の職務分掌の定めはなかつたが、右一人の管財人が更生会社…
参照法条会社更生法97条1項,商法262条
一、会社の訴訟上の代表者の確定と民法一〇九条、商法二六二条の適用の有無 二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合の措置
最高裁判所第三小法廷昭和45年12月15日昭和45(オ)112民集 第24巻13号2072頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、民法一〇九条、商法二六二条は、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。 二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合には、原告に対し訴状の補正を命じさせるため、事件を第一審裁判所に差し戻すべきであり、ただちに訴を不適法として却下すべきではない…
参照法条民訴法58条,民訴法45条,民訴法388条,民訴法389条,民法109条,商法262条
特定の大株主に対する金員の贈与契約が株主平等の原則に違反し無効であるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和45年11月24日昭和45(オ)642民集 第24巻12号1963頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社が、一般株主に対しては無配としながら、特定の大株主に対して、無配直前の配当に見合う金額として、報酬名義で月額八万円、中元および歳暮名義で各五万円を呈することを約した贈与契約は、株主平等の原則に違反し無効である。
参照法条商法290条,商法293条
取締役会の決議により株主に新株引受権を付与するにあたり株式申込の際に払込金額と同額の申込証拠金を添えることを要する等の条件を定めることは許されるか
最高裁判所第一小法廷昭和45年11月12日昭和45(オ)71民集 第24巻12号1901頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社が、取締役会の決議により株主に新株引受権を付与するにあたり、株主が新株引受権を行使する条件として、右会社の資金計画を予定どおり達成するための手続を行なうに必要最少限度の期間を見込み、払込期日よりも若干前の日を申込期間の末日としたうえ、株式申込の際に払込金額と同額の申込証拠金を添えることを要することと定め、かつ、…
参照法条商法280条ノ2,商法280条ノ4,商法280条ノ5,商法280条ノ7,商法280条ノ9
株式会社の取締役に対する職務執行停止代行者選任の仮処分後右取締役が辞任し後任の取締役が選任された場合における代表取締役の選任および右代表取締役の権限の行使
最高裁判所第二小法廷昭和45年11月6日昭和40(オ)834民集 第24巻12号1744頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の取締役全員の職務の執行を停止しその代行者を選任する仮処分の裁判があつたのち、右取締役全員が辞任し、後任の取締役が選任された場合において、代表取締役が欠けているときは、右後任取締役が構成する取締役会の決議をもつて代表取締役を定めることができるが、右代表取締役は、仮処分の存続中は、その権限を行使することができない…
参照法条商法261条,商法270条,民訴法760条
商法二六五条所定の取引につき取締役会の承認を要しないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和45年8月20日昭和43(オ)335民集 第24巻9号1305頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社と取締役間に商法二六五条所定の取引がなされる場合でも、右取締役が会社の全株式を所有し、会社の営業が実質上右取締役の個人経営のものにすぎないときは、右取引によつて両者の間に実質的に利害相反する関係を生ずるものでなく、右取引については、同条所定の取締役会の承認を必要としない。
参照法条商法265条
有限会社法三〇条ノ三第一項の取締役の第三者に対する責任に関し代表取締役の任務懈怠と第三者の被つた損害との間に相当因果関係がないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月16日昭和43(オ)1145民集 第24巻7号1061頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨有限会社の代表取締役が、経営の一切を他の取締役に一任しみずから会社の経営に関与しなかつた場合において、会社の取引先が取引に関して損害を被つたとしても、その損害が経営を一任された取締役の悪意または重大な過失による任務懈怠によつて生じたものでないときは、右代表取締役の任務懈怠と右取引先の損害との間には相当因果関係を欠き、代…
参照法条有限会社法30条ノ3,商法266条ノ3
株主総会決議の不存在とその無効確認の訴の適否
最高裁判所第一小法廷昭和45年7月9日昭和41(オ)82民集 第24巻7号755頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主総会の決議がその成立要件を欠いた場合でも、その決議の内容が商業登記簿に登記されているときは、その効力のないことの確定を求める訴は適法である。反対意見がある。
参照法条商法252条
甲乙両会社の代表取締役が甲会社の債務につき乙会社を代表してする保証と商法二六五条
最高裁判所第一小法廷昭和45年4月23日昭和41(オ)223民集 第24巻4号364頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲乙両会社の代表取締役を兼ねている者が、甲会社の債務につき乙会社を代表してする保証は、甲会社の利益にして、乙会社に不利益を及ぼす行為であつて、商法二六五条にいう取締役が第三者のためにする取引にあたる。
参照法条商法265条
一、役員選任の株主総会決議取消の訴の係属中に当該役員が退任した場合と訴の利益の有無 二、前項の場合において決議取消の訴がその利益を失わないとされる特別事情
最高裁判所第一小法廷昭和45年4月2日昭和44(オ)1112民集 第24巻4号223頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、役員選任の株主総会決議取消の訴の係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によつて取締役ら役員が新たに選任されたときは、特別の事情のないかぎり、右決議取消の訴は、訴の利益を欠くに至るものと解すべきである。 二、前項の場合であつても、右株主総会決議取消の訴が当…
参照法条商法247条,民訴法2編1章(訴)
一、取消差戻の控訴審判決を得た控訴人と上告の利益の有無 二、議決権行使の代理資格を株主に制限した定款の定めと議決権行使許容の仮処分の効力 三、当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否
最高裁判所第一小法廷昭和45年1月22日昭和42(オ)867民集 第24巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、第一審判決を取り消し、事件を第一審に差し戻す旨の控訴審判決があつた場合においては、控訴人は、取消の理由となつた右判決の判断の違法をいうときにかぎり、右判決に対して上告の利益を有する。 二、定款により株主総会における議決権行使の代理資格を株主に制限している株式会社において、株主名簿上の株主でない甲に乙名義株式の議決権…
参照法条民訴法71条,民訴法393条,民訴法760条,裁判所法4条,商法239条
取締役会の招集につき一部の取締役に対する通知もれがあつた場合と取締役会の決議の効力
最高裁判所第三小法廷昭和44年12月2日昭和43(オ)1144民集 第23巻12号2369頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社取締役会の開催にあたり、一部の取締役に対する招集通知を欠いた場合は、特段の事情のないかぎり、右招集手続に基づく取締役会の決議は無効であるが、その取締役が出席してもなお決議の結果に影響を及ぼさないと認めるべき特段の事情があるときは、決議は有効であると解すべきである。
参照法条商法259条ノ2,商法260条ノ2
一、代表取締役代行者なる名称と商法二六二条 二、いわゆる持ち廻りの方式によつたため有効な取締役会の決議とは認められないとされた事例 三、代表者選任が無効な場合において商法二六二条の類推適用が認められた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年11月27日昭和40(オ)1197民集 第23巻11号2301頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、代表取締役代行者なる名称は、商法二六二条にいう会社を代表する権限を有するものと認むべき名称に該当する。 二、株式会社の代表取締役が行方不明となる緊急状態が生じたので、他の取締役全員が、判示のように、取締役甲に代表権を付与することを承認した場合において、その承認が、いわゆる持ち廻りの方式によるものであるときは、有効な…
参照法条商法262条,商法260条ノ2第1項,商法261条1項
いわゆる学校債券が無記名証券にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年6月24日昭和43(オ)1227民集 第23巻7号1143頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨学校法人が設備拡充資金の借入れを目的とし、一般の起債の方法により作成、発行した左記の学園債券は、無記名証券にあたる。 (学園債権は末尾添付)
参照法条民法86条3項,民法473条,商法517条,商法519条
酩酊運転の場合保険会社は旧自動車保険普通保険約款により損害の填補を免責されるか
最高裁判所第二小法廷昭和44年4月25日昭和41(オ)16民集 第23巻4号882頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨保険契約者の被用者である運転手が、酒に酔つて正常な運転ができないのに自動車を運転して事故を起こした場合には、それによつて生じた損害につき、保険会社は、旧自動車保険普通保険約款第三条一号但書の規定にかかわらず、同約款四条四号により填補の責を免れると解すべきである。
参照法条商法629条,商法641条,民法92条
一、内容を検査することが不適当な受寄物についてはいわゆる品物違いの責任を負わない旨の倉庫証券約款の効力および免責の要件 二、密封された木函入り緑茶が右約款所定の内容を検査することが不適当な物にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年4月15日昭和42(オ)842民集 第23巻4号755頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、内容を検査することが不適当な受寄物については、その種類、品質および数量を記載しても文言上の責任を負わない旨の倉庫証券約款は有効であり、倉庫営業者は、右証券に表示された荷造の方法、受寄物の種類からみて、その内容を検査することが容易でなく、または荷造を解いて内容を検査することによりその品質または価格に影響を及ぼすことが…
参照法条商法627条,商法602条,商法599条1号
代表取締役の解任に関する取締役会の決議についてその代表取締役は特別利害関係人にあたるか
最高裁判所第二小法廷昭和44年3月28日昭和43(オ)728民集 第23巻3号645頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代表取締役の解任に関する取締役会の決議については、その代表取締役は、特別利害関係人にあたる。
参照法条商法260条の2,商法239条5項
一、法人格否認の法理 二、実質が個人企業と認められる株式会社における取引の効果の帰属
最高裁判所第一小法廷昭和44年2月27日昭和43(オ)877民集 第23巻2号511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、社団法人において、法人格がまつたくの形骸にすぎない場合またはそれが法律の適用を回避するために濫用される場合には、その法人格を否認することができる。 二、株式会社の実質がまつたく個人企業と認められる場合には、これと取引をした相手方は、会社名義でされた取引についても、これを背後にある実体たる個人の行為と認めて、その責任…
参照法条民法33条,商法52条,商法504条
満期白地の手形の補充権の消滅時効期間
最高裁判所第一小法廷昭和44年2月20日昭和43(オ)709民集 第23巻2号427頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨満期白地の手形の補充権は、五年の時効によつて消滅する。
参照法条商法522条,手形法10条,手形法77条1項8号,手形法70条1項
見せ金による株式の払込をした株主と株主総会決議無効確認の訴の許否
最高裁判所第二小法廷昭和44年1月31日昭和43(オ)565民集 第23巻1号178頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨見せ金による株式の払込をしたにすぎない株主であつても、原告として、株主総会決議無効確認の訴を提起することができる。
参照法条商法252条,商法177条
共同代表の定があるのに代表取締役の一人が単独の代表名義で約束手形を振り出した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和41(オ)684民集 第22巻13号3349頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同代表の定があるのにかかわらず、代表取締役の一人が、単独で、代表取締役の名称を使用して約束手形を振り出した場合においても、右手形の取得者が、共同代表の定の登記がされていることを知らず、右代表取締役が社長と称し会社の主宰者として行動している事実から単独の代表権を有するものと信じてこれを取得し、会社においても当時右代表取…
参照法条商法262条,商法261条,商法12条
株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合と退任による変更登記
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和41(行ツ)65民集 第22巻13号3334頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合においては、右退任による変更登記は、あらたに選任された取締役または監査役の就職するまで許されない。
参照法条商法188条3項,商法258条1項,商法280条,商業登記法24条10号
親株の取戻権者の破産管財人に対する配当金および子株の返還請求の許否
最高裁判所第一小法廷昭和43年12月12日昭和39(オ)496民集 第22巻13号2943頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式の取戻権者が株券引渡の訴を提起した後に右株式につき生じた配当金および右株式につき株主に割り当てられた新株を破産管財人において取得した場合には、右取戻権者は、破産管財人に対し不当利得に基づく財団債権として右配当金および新株の返還を請求することができる。
参照法条破産法47条5号,民法704条,商法206条1項,商法280条ノ21項5号,商法280条ノ4,商法293条
一、株式会社の訴訟上の代表者と商法第一二条の適用の有無 二、議決権行使の代理人の資格を株主に制限する旨の定款の規定の効力
最高裁判所第二小法廷昭和43年11月1日昭和40(オ)1206民集 第22巻12号2402頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、商法第一二条は、当事者である株式会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。 二、議決権を行使する株主の代理人の資格を当該会社の株主に制限する旨の定款の規定は、有効である。
参照法条商法12条,商法239条3項,民訴法58条,民訴法45条
中小企業等協同組合法に基づく協同組合について「従たる事務所」の登記がある場合と商法第一四条の類推適用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和43年10月17日昭和42(オ)739民集 第22巻10号2204頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨中小企業等協同組合法に基づく協同組合の営業所について、「従たる事務所」の登記がある場合には、右営業所が同法第四四条第一項にいう「従たる事務所」の実体を有していなくても、商法第一四条を類推適用し、右の実体を有しないことをもつて善意の第三者に対抗しえないものと解すべきである。
参照法条中小企業等協同組合法44条,商法42条,商法14条
自己株式の質受の効力
最高裁判所第一小法廷昭和43年9月5日昭和42(オ)512民集 第22巻9号1846頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社が商法第二一〇条の規定に違反して自己株式の質受をした場合には、右質受は無効である。
参照法条商法210条
一、運送保険の被保険者である荷送人が保険金の支払を受ける前に運送人に対する損害賠償請求権を放棄した場合と右運送保険の保険者の保険金支払義務 二、荷送人が運送人に対する損害賠償請求権を放棄した旨の判断に経験則違背・理由不備の違法があるとされた…
最高裁判所第一小法廷昭和43年7月11日昭和41(オ)1385民集 第22巻7号1489頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、運送保険の被保険者である荷送人が、保険金の支払を受ける前に、商法第六六二条所定の保険者代位の対象となるべき運送人に対する損害賠償請求権を放棄した場合には、右運送保険の保険者は、右放棄にかかる損害賠償請求権の金額の限度において、保険金の支払義務を免れるものと解すべきである。 二、荷送人が、運送契約の締結の際に、運送人…
参照法条商法629条,商法662条,民法519条,民訴法185条,民訴法395条1項6号
株式会社が同時破産廃止の決定を受けた場合と清算人
最高裁判所第二小法廷昭和43年3月15日昭和42(オ)124民集 第22巻3号625頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社が破産宣告とともに同時破産廃止の決定を受けた場合において、なお残余財産があるときは、従前の取締役が当然に清算人となるものではなく、商法第四一七条第一項但書の場合を除き、同条第二項に則り、利害関係人の請求によつて、裁判所が清算人を選任すべきものと解するのが相当である。
参照法条商法417条,商法254条,破産法145条1項
他人の承諾のもとにその名義を用いて株式の引受がされた場合における株主
最高裁判所第二小法廷昭和42年11月17日昭和42(オ)231民集 第21巻9号2448頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の承諾を得てその名義を用いて株式の引受がされた場合においては、名義貸与者ではなく、実質上の引受人が株主となるものと解すべきである。
参照法条商法201条
一 株主は他の株主に対する招集手続のかしを理由として株主総会決議取消の訴を提起できるか 二 株主総会の決議を取り消すことが不適当な場合と請求棄却の要否
最高裁判所第一小法廷昭和42年9月28日昭和41(オ)664民集 第21巻7号1970頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 株主は、他の株主に対する招集手続のかしを理由として株主総会決議取消の訴を提起することができる。 二 決議取消の訴において取消事由がある場合でも、諸般の事情を斟酌して、その取消を不適当と認めるときは、裁判所は請求を棄却することを要求する。
参照法条商法247条
一 株主総会の決議の成立と採決手続を経ることの要否 二 営業を譲渡する会社の株主が譲受会社の代表取締役である場合と営業譲渡の議案についてのいわゆる特別利害関係人
最高裁判所第三小法廷昭和42年7月25日昭和40(オ)821民集 第21巻6号1669頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 株主総会の決議は、定款に別段の定めがないかぎり、その議案に対する賛成の議決権数が決議に必要な数に達したことが明白になつた時に成立するものと解すべきであつてかならずしも挙手、起立、投票などの採決の手続をとることを要しない。 二 営業の譲渡に関する株主総会の決議について、譲渡会社の株主が譲受会社の代表取締役であつても、…
参照法条商法239条1項,商法239条5項,商法245条1項1号
共同代表の定めがあるのに代表取締役が単独で代表権限を行使した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年4月28日昭和41(オ)1042民集 第21巻3号496頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同代表の定めがあり、その旨の登記がある場合において、当該代表取締役が単独で代表権限を行使できる者であると見られる外観をもつて代表取締役の名称を使用しているのに対し、これを他の代表取締役全員が黙認していた等原審認定の事実関係(原判決理由参照)のもとでは、当該代表取締役が単独で行なつた法律行為についても、会社は、商法第二…
参照法条商法262条,商法261条,商法12条
株主である取締役の解任に関する株主総会の決議について右株主は特別利害関係人にあたるか
最高裁判所第三小法廷昭和42年3月14日昭和41(オ)868民集 第21巻2号378頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主である取締役は、当該取締役の解任に関する株主総会の決議については、商法第二三九条第五項にいう特別の利害関係を有する者にあたらない。
参照法条商法239条5項
破産者は株式会社の取締役となることができるか
最高裁判所第一小法廷昭和42年3月9日昭和41(オ)251民集 第21巻2号274頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産者は、復権しないかぎり、株式会社の取締役となることができない。
参照法条商法254条,民法653条,破産法7条
創立総会による変態設立事項の変更
最高裁判所第三小法廷昭和41年12月23日昭和39(オ)259民集 第20巻10号2227頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨創立総会において決議することができるいわゆる変態設立事項の変更は、その縮小または削除に限られ、あらたに変態設立事項に関する定めを追加し、または既存の規定を拡張することは許されない。
参照法条商法168条1項,商法185条1項,商法187条1項
商法第五六六条第三項第五八八条第二項にいう「悪意アリタル場合」の意義
最高裁判所第三小法廷昭和41年12月20日昭和37(オ)486民集 第20巻10号2106頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第五六六条第三項、第五八八条第二項にいう「悪意アリタル場合」とは、運送取扱人または運送人が運送品に毀損または一部滅失のあることを知つてこれを荷受人に引き渡した場合をいう。
参照法条商法566条3項,商法588条2項
代表取締役の解任と告知の要否
最高裁判所第三小法廷昭和41年12月20日昭和39(オ)1238民集 第20巻10号2160頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役の解任の効果は、取締役会の解任決議によつて生じ、当該代表取締役であつた者に対する告知があつてはじめて生ずるものではない。
参照法条商法261条
新株引受申込期間経過後に裁判所の許可なくして追加指定された株式払込取扱銀行のなした株式払込金保管証明に基づく責任
最高裁判所第一小法廷昭和41年12月1日昭和38(オ)1400民集 第20巻10号2036頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨銀行が新株発行会社と通謀して仮装払込につき株式払込金保管証明をした場合には、右銀行が新株引受申込期間経過後に、裁判所の許可なく、株式払込取扱銀行とし追加指定されても、右銀行は、該証明にかかる金額の払込がなかつたものであることをもつて会社に対抗することができない。
参照法条商法189条2項
表見代表取締役の行為につき会社が責任を負うためには第三者の無過失を要するか
最高裁判所第一小法廷昭和41年11月10日昭和41(オ)777民集 第20巻9号1771頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨表見代表取締役の行為につき会社が責任を負うためには、第三者が善意であれば足り、その無過失を要しない。
参照法条商法262条
一 特別の利害関係を有する取締役と取締役会の定足数の算定 二 議決時に定足数を欠くにいたつた取締役会の決議の効力
最高裁判所第二小法廷昭和41年8月26日昭和40(オ)68民集 第20巻6号1289頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 株式会社の取締役会の定足数は、決議に特別の利害関係を有する取締役の員数を控除して算定すべきではない。 二 株式会社の取締役会の定足数は、開会時に充足されただけでは足りず、討議・議決の全過程を通じて維持されるべきであり、議決時にこれを欠くにいたつた場合には、当該決議は無効というべきである。
参照法条商法260条ノ2,商法239条5項,商法240条2項
過失により株式譲受人の名義書換請求に応じない株式会社は当該株式の譲渡を否認することができるか。
最高裁判所第一小法廷昭和41年7月28日昭和39(オ)48民集 第20巻6号1251頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式譲受人から株式会社に対し株式名義の書換の請求をした場合において、会社の過失により書換が行なわれなかつたときは、会社は、株式名義の書換のないことを理由として、株式の譲渡を否認することができない。
参照法条商法206条
合資会社を代表する業務執行社員に対する職務執行停止の仮処分決定の効力
最高裁判所第三小法廷昭和41年4月19日昭和39(オ)1048民集 第20巻4号687頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨合資会社を代表する業務執行社員に対する職務執行停止の仮処分決定は、当事者に対する告知により、第三者に対する関係においても、その効力を生じ、かつ、右仮処分決定に違反してされた行為は無効である。
参照法条商法151条,民訴法760条
株式会社の代表取締役に商法第二六六条ノ三第一項前段にいう職務を行なうについて重大な過失があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和41年4月15日昭和39(オ)1026民集 第20巻4号660頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が、原判決認定の諸事情(原判決理由参照)のように、会社の事業拡張による収益増加により約束手形金の支払が可能であると軽率に考え、約束手形を振り出して金融を受け、会社の資産等を顧慮せずに調査不十分な事業に多額の投資をしてその会社の破綻を招いた場合には、右取締役は、右手形の振出に関し、商法第二六六条ノ三第…
参照法条商法266条の3第1項
一 中小企業等協同組合は総会または総代会の決議をもつて理事を解任できるか 二 中小企業等協同組合の理事の罷免と民法第六五一条の準用の有無
最高裁判所第二小法廷昭和41年1月28日昭和38(オ)940民集 第20巻1号145頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 中小企業等協同組合が、中小企業等協同組合法第四一条所定の改選手続によることなく、総会または総代会の決議をもつて理事を解任することは、許されない。 二 中小企業等協同組合の理事の罷免については、民法第六五一条は準用されない。
参照法条中小企業等協同組合法35条,中小企業等協同組合法41条,中小企業等協同組合法42条,中小企業等協同組合法55条,商法254条,民法651条
合資会社の社員数名が同時退社の申出をした場合における総社員の同意。
最高裁判所第一小法廷昭和40年11月11日昭和38(オ)224民集 第19巻8号1953頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨合資会社の社員数名が同時退社の申出をした場合には、各退社申出者ごとに、その者を除く他のすべての社員の同意がなければ、総社員の同意があつたとはいえない。
参照法条商法85条2号,商法147条
新株引受権を株主以外の者に付与することについて株主総会の特別決議を経ない新株発行の効力。
最高裁判所第二小法廷昭和40年10月8日昭和39(オ)1062民集 第19巻7号1745頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が新株を発行した場合には、右新株が、新株引受権を株主以外の者に付与することについての株主総会の特別決議を経ることなく右株主以外の者に引受権を付与して発行されたものであつても、その瑕疵は新株発行無効の原因とならない。
参照法条商法280条ノ2第2項,商法280条ノ15
一 株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないでした対外的な個々的取引行為の効力。 二 中小企業等協同組合が代表理事に対し委任できる業務執行の意思決定の権限の範囲。
最高裁判所第三小法廷昭和40年9月22日昭和36(オ)1378民集 第19巻6号1656頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 株式会社の代表取締役が、取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々取引行為を、右決議を経ないでした場合でも、右取引行為は、相手方において右決議を経ていないことを知りまたは知ることができたときでないかぎり、有効である。 二 中小企業等協同組合は、法令がとくに理事会の決議事項であると定めたものを除いて、理事会に属…
参照法条商法260条,商法261条,商法78条1項,民法93条,中小企業等協同組合法33条,中小企業等協同組合法36条の2,中小企業等協同組合法42条
一 新株の発行があつた場合と新株発行に関する株主総会決議無効確認の訴の利益。 二 確定判決で無効でないと確認された決議の内容を再確認した決議に関する株主総会決議無効確認の訴と訴の利益。
最高裁判所第三小法廷昭和40年6月29日昭和38(オ)992民集 第19巻4号1045頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 新株がすでに発行された後は、新株発行無効の訴を提起しないかぎり、当該新株の発行を無効とするに由なく、新株発行に関する株主総会決議無効確認の訴は、確認の利益がない。 二 株主総会決議無効確認の訴を提起して請求棄却の確定判決を受けた者が、後の株主総会で行なわれた右決議内容再確認の決議に対し、更に無効確認の訴を提起しても…
参照法条商法252条,商法280条ノ2,商法280条ノ15,民訴法225条
表見代表取締役が直接代表取締役の記名押印をして会社名義の約束手形を振り出した場合と商法第二六二条の適用の有無。
最高裁判所第二小法廷昭和40年4月9日昭和37(オ)433民集 第19巻3号632頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社名義で振り出された約束手形につき、手形面上に会社代表者として表示されている者に代表権はあるが、右代表者の記名押印をした者に代表権がない場合であつても、会社が後者に対して常務取締役等会社を代表する権限を有するものと認められる名称を与えており、かつ、手形受取人が右後者の代表権の欠缺につき善意であるときは、右後者が自己の…
参照法条商法262条
株主総会における株式会社役員退職慰労金支給に関する「金額、支給期日、支払方法を取締役会に一任する」との決議を有効とした事例。
最高裁判所第二小法廷昭和39年12月11日昭和38(オ)120民集 第18巻10号2143頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社役員に対する退職慰労金支給に関する「金額、支給期日、支払方法を取締役会に一任する」との株主総会決議をした場合でも、右決議は、当該会社において慣例となつている一定の支給基準によつて支給すべき趣旨であるときは、商法第二六九条の趣旨に反して無効であるということはできない。
参照法条商法269条
一 中小企業等協同組合法に基づく協同組合と株式会社間の取引においてその組合の代表理事が右会社の代表取締役を兼ねているときと同法第三八条の準用。 二 中小企業等協同組合法に基づく協同組合の理事会の招集につき一部の理事に対する通知もれと理事会の…
最高裁判所第二小法廷昭和39年8月28日昭和36(オ)1147民集 第18巻7号1366頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 中小企業等協同組合法に基づく協同組合と株式会社間に取引がされた場合において、その組合の代表理事が右会社の代表取締役を兼ねているときには、前記取引について同法第三八条の規定が準用されると解すべきである。 二 中小企業等協同組合法に基づく協同組合の理事会の招集につき一部の理事に対し通知もれがの違法があつたときは、原則と…
参照法条中小企業等協同組合法38条,中小企業等協同組合法36条の3,中小企業等協同組合法42条,商法265条
銀行が商法第一八九条第二項に基づいて負担する債務は商事債務か。
最高裁判所第三小法廷昭和39年5月26日昭和36(オ)924民集 第18巻4号635頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式払込金保管証明をした銀行が商法第一八九条第二項に基づいて負担する、証明金額を支払うべき債務は、商行為によつて生じた債務と解すべきである。
参照法条商法189条,商法503条,商法522条
一 代表取締役職務代行者が招集した臨時社員総会における決議の効力 二 職務執行停止仮処分の効力。
最高裁判所第一小法廷昭和39年5月21日昭和35(オ)1447民集 第18巻4号608頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 有限会社の代表取締役職務代行者が臨時社員総会を招集した場合でも、該総会における決議は、当然無効と解すべきではなく、商法第二四七条所定の決議取消の訴によつて取り消しうるにすぎないものと解すべきである。 二 仮処分により代表取締役の職務の執行を停止された者が代表者としてなした行為は、無効であつて、後に仮処分が取り消され…
参照法条商法270条,商法271条,商法247条,商法252条,有限会社法32条,有限会社法41条
手形裏書が商法第二六五条の取引にあたらないとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和39年1月28日昭和34(オ)1228民集 第18巻1号180頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社が約束手形を取締役に裏書譲渡するに際し、取締役から手形金額と同額の金員の交付を受けた場合においては、右手形裏書は、商法第二六五条の取引に該当しない。
参照法条商法265条
商法第一四一条と民法第四二四条の関係。
最高裁判所第一小法廷昭和39年1月23日昭和36(オ)884民集 第18巻1号87頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第一四一条の適用または準用ある会社についての詐害設立取消には、民法第四二四条を適用する余地はない。
参照法条商法141条,有限会社法75条1項,民法424条
いわゆる見せ金による株式払込の効力。
最高裁判所第二小法廷昭和38年12月6日昭和35(オ)1154民集 第17巻12号1633頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨当初から真実の株式払込として会社資金を確保する意図なく、一時的借入金を以て単に払込の外形を整え、株式会社成立の手続後直ちに右払込金を払い戻してこれを借入先に返済した場合は、有効な株式払込がなされたものとはいえない。
参照法条商法177条,商法192条
無利息無担保の金銭消費貸借は商法第二六五条にいう取引にあたるか。
最高裁判所第二小法廷昭和38年12月6日昭和37(オ)437民集 第17巻12号1664頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社に対しその取締役が無利息、無担保で金銭を貸し付ける行為は、商法第二六五条にいう取引にあたらない。
参照法条商法265条
一 運送品滅失毀損の場合の運送取扱人ないし運送人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権の競合 二 前項の不法行為に基づく損害賠償請求権の成立が認められるためには運送取扱人ないし運送人の故意または重過失を必要…
最高裁判所第三小法廷昭和38年11月5日昭和35(オ)1456民集 第17巻11号1510頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 運送品の取扱上通常予想される事態ではなく、契約本来の目的範囲を著しく逸脱する態様において、運送品の滅失、毀損が生じた場合には、運送取扱人ないし運送人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権との競合が認められる。 二 前項の不法行為に基づく損害賠償請求権の成立が認められるためには、運送…
参照法条商法560条,商法577条,商法566条,民法709条,民法715条
商法第二六六条ノ三における取締役の行為と第三者の損害との間に相当因果関係があるとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和38年10月4日昭和37(オ)143民集 第17巻9号1170頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社が、その発行する新株式の申込証拠金にのみ充当する契約のもとに金員の委託を受けた場合において、その新株式の発行もせず、右会社の取締役副社長んたる甲の出席した役員会で該金員を同会社の経営費に流用する旨議決したうえ、甲においてこれを右議決どおり使用する等原判示のような事情(原判決理由参照)があるときは、甲の右行為と右金員…
参照法条商法266条ノ3
捺印のみの裏書により記名株式の譲渡と会社の株式名簿書換義務の存否
最高裁判所第三小法廷昭和38年10月1日昭和36(オ)392民集 第17巻9号1091頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨譲渡人の捺印のみで記名を欠く裏書により記名株式の譲渡をうけた者が、記名を補充せずに会社に対し株主名簿の名義書換請求しても、会社はこれに応ずる義務がないと解すべきである。
参照法条商法205条,商法206条,手形法13条
代表取締役の権限濫用の行為と民法第九三条。
最高裁判所第一小法廷昭和38年9月5日昭和35(オ)1388民集 第17巻8号909頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の代表取締役が自己の利益のため会社の代表者名義でなした法律行為は、相手方が右代表取締役の真意を知り、または、知りうべきものであつたときは、その効力を生じない。
参照法条民法93条,商法261条
株主総会決議の不存在とその無効確認の訴の適否。
最高裁判所第一小法廷昭和38年8月8日昭和35(オ)296民集 第17巻6号823頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主総会の決議がその成立要件を欠いた場合でも、その決議の内容が商業登記簿に登記されているときは、その効力のないことの確定を求める訴は適法である。
参照法条商法252条
約束手形の振出は商法第二六五条にいう取引にあたるか。
最高裁判所第一小法廷昭和38年3月14日昭和35(オ)1139民集 第17巻2号335頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社がその取締役に対して約束手形を振り出す行為は、商法第二六五条にいう取引にあたる。
参照法条商法265条
一 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第四条による株券の没収は株主催に及ぶか 二 右株券が押収に係るものである場合の没収の効力の発生時期 三 右株券没収の言渡を受けた者が没収の効力発生後国に対する名義書換までの間に交付を受けた利益配当金及び無償…
最高裁判所第二小法廷昭和37年4月20日昭和32(オ)628民集 第16巻4号860頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第四条により株券が没収されたときは、没収の効力は右株券に表彰される株主催に及ぶものと解すべきである。 二 右の株券が押収されている場合には、検察官の命令による執行をまたず、没収の判決の確定と同時に没収の効力(没収の言渡を受けた者と国との間における国庫帰属の効力)を生ずる。 三 右の株券…
参照法条経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律4条,商法290条2項,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律3条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律5条,民法703条,刑訴法490条
一 会社が発行する株式総数中に未発行部分がある場合に、株式総数を増加する旨の定款変更をなしうるか 二 再評価積立金の資本組入による一部有償交付新株の発行を条件とする株式総数増加の定款変更決議の適否
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月8日昭和31(オ)277民集 第16巻3号473頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社が発行する株式総数中に未発行部分がある場合でも、発行済株式総数の四倍を超えない範囲内で会社が発行する株式総数を増加する旨の定款変更をなしうる。 二 再評価積立金の資本組入による一部有償交付新株の発行を条件として、発行済株式総数に右新株発行総数を加えた数の四倍を超えない範囲内で会社が発行する株式総数を増加する旨の…
参照法条商法347条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律3条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律4条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律7条
株金払込を取扱つた銀行の株金保管義務
最高裁判所第二小法廷昭和37年3月2日昭和33(オ)531民集 第16巻3号423頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式払込を取扱つた銀行は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管すべきものであり、それ以前に発起人又は取締役に返還しても、これをもつて会社に対抗することができない。
参照法条商法189条,商法177条2項,商法178条,非訟事件手続法187条2項10号
株主総会特別決議取消の訴の係属中訴の利益を欠くに至つたと認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和37年1月19日昭和33(オ)1097民集 第16巻1号76頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主以外の者に新株引受権を与える旨の株主総会特別決議につき決議取消の訴が係属する間に、右決議に基づき新株の発行が行なわれてしまつた場合には、右訴の利益は消滅するものと解すべきである。
参照法条商法247条,商法280条ノ2第2項,商法280条ノ15,民訴法第2編第1章訴(223条以下)
一 小切手法第一三条の適用。 二 白地小切手補充権の消滅時効期間。
最高裁判所第二小法廷昭和36年11月24日昭和33(オ)843民集 第15巻10号2536頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 小切手法第一三条は、善意でかつ重過失なくして白地小切手を取得した所持人が自ら予めなされた合意と異なる補充をした場合にも適用があるものと解すべきである。 二 振出日白地の小切手の補充権は、五年の時効によつて消滅する。
参照法条小切手法13条,手形法10条,商法522条
一 民訴法第七五条の規定により訴訟に参加し得第三者。 二 株主総会決議取消訴訟における被告適格。
最高裁判所第二小法廷昭和36年11月24日昭和34(オ)250民集 第15巻10号2583頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合でも、その第三者は、当該訴訟の当事者となりうる適格を有しないかぎり、民訴第七五条の規定により、共同訴訟人として当該訴訟に参加することができない。 二 株主総会決議取消訴訟において被告となりうる者は、当該株式会社に限られる。
参照法条民訴法75条,商法247条
一 会社更生法による更生手続中に会社代表取締役によつて締結された売買契約の更生手続廃止後における効力。 二 株式会社の重要財産の譲渡について株主総会の特別決議を要するか。
最高裁判所第二小法廷昭和36年10月13日昭和35(オ)38民集 第15巻9号2409頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社更生法による更生手続中に会社代表取締役によつて締結された売買契約は、更生手続が廃止された以上その効力を主張できる。 二 株式会社の重要な財産の譲渡であつても、株主総会の特別決議を経ることを要しない。
参照法条会社更生法56条1項,会社更生法53条,商法245条1項
商法第二一条の規定により商号使用の禁止を請求することができるとした事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年9月29日昭和34(オ)1188民集 第15巻8号2256頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨わが国においてとくに市民の生活と関係のある有数の大会社で、世人にあまねく知られている甲会社が本店を移転する計画で建設した新社屋の所在地と同一行政区画内において、甲会社と同一の事業を営むに足りる能力および準備のない乙会社がその商号および目的を甲会社と同一のものに変更し、これを登記したこと、そのため、甲会社は新社屋所在地に…
参照法条商法21条,商法19条,商法中改正法律施行法(昭和13年法律73号)5条2項,東京都制(昭和18年法律89号)191条,地方自治法附則2条
有効な取締役会の決議を経ない新株発行の効力。
最高裁判所第二小法廷昭和36年3月31日昭和32(オ)79民集 第15巻3号645頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社を代表する権限のある取締役が新株を発行した以上、これにつき有効な取締役会の決議がなくても、右新株の発行は有効である。
参照法条商法280条ノ2
無効な取得登記を有するにすぎない建物の二重譲受人と被保険利益。
最高裁判所第一小法廷昭和36年3月16日昭和32(オ)782民集 第15巻3号512頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物が二重に譲渡され、一方の譲受人が登記を経由し、他方の譲受人は、無効な登記にもとづく登記を有するにすぎないときは、右建物所有者として、その建物を目的とする火災保険契約を締結するについて、被保険利益を有しない。
参照法条商法630条,民法177条,民法176条
会社の使用人が代表取締役の承認のもとに常務取締役の名称を使用してなした行為に対する商法第二六二条の類推適用の有無。
最高裁判所第二小法廷昭和35年10月14日昭和32(オ)596民集 第14巻12号2499頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第二六二条は、会社の使用人が代表取締役の承認のもとに常務取締役の名称を使用してなした行為につき、類推適用されると解するのが相当である。
参照法条商法262条
一 商法上不適法な配当と所得税法にいう利益配当。 二 いわゆる株主相互金融会社(原判決参照)における株主優待金と所得税法にいう利益配当。
最高裁判所第二小法廷昭和35年10月7日昭和35(オ)54民集 第14巻12号2421頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 いわゆる蛸配当、株主平等の原則に反する配当等のように、商法上不適法な配当であつても、所得税法上の利益配当のうちに含まれる。 二 いわゆる株主相互金融会社(原判決参照)における株主優待金は所得税法上の利益配当にあたらない。
参照法条所得税法9条1項2号,所得税法37条,商法290条,商法293条
一 沈没船所有権移転の対抗要件 二 沈没船の引渡があつたと認むべき事例
最高裁判所第一小法廷昭和35年9月1日昭和34(オ)986民集 第14巻11号1991頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 海底三五尋以上の海深にあつて引揚困難な沈没船の所有権移転を第三者に対抗するには、たとえ公称屯数二〇屯以上の場合でも、民法第一七八条にいう引渡があれば足りる。 二 原判示のような事情(原判決理由参照)のもとで、沈没船売買契約書、保険会社の損害品売渡証、関係漁場使用に関する漁業協同組合長名義の承諾書等関係書類授受があつ…
参照法条商法686条,商法687条,民法178条
白紙委任状付株式申込証拠金領収証により株式発行前の株式に対する権利の善意取得を認める商慣習法等の効力。
最高裁判所第二小法廷昭和35年4月22日昭和31(オ)238民集 第14巻6号984頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第二〇四条第二項の規定は、会社に対する関係を別とすれば、白紙委任状付株式申込証拠金領収証により株券発行前の株式に対する権利の善意取得を認める商慣習法ないし商慣習の存在を許さないものではない。
参照法条商法104条2項,商法229条
中小企業等協同組合法第三八条の二第二項にいう理事の重過失を認めるべきものとした事例。
最高裁判所第二小法廷昭和34年7月24日昭和31(オ)74民集 第13巻8号1156頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨中小企業等協同組合法に基く組合の理事が、組合員に四〇万円の融資をするに際し、組合に現金がないため同額の融通手形を振出したについて、理事が右組合員において満期に手形金の払込をするものと信ずるにつき首肯するに足る事情はなく、しかも手形振出の時以降組合の取引銀行における当座預金高は終始五万円を出ず、その後一〇万円の小切手の不…
参照法条中小企業等協同組合法38条の2,商法266条の3
株券発行前のいわゆる合理的期間経過後における記名株式の譲渡と会社に対する効力。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月24日昭和30(オ)426民集 第12巻14号3194頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株券発行前になされた記名株式の譲渡は、会社成立後通常株券を発行し得る合理的期間の経過後になされ、会社においてその譲渡を承認した場合であつても、会社に対しその効力を生じない。
参照法条商法204条2項
設立登記未了の会社の代表取締役として契約を締結した者の責任。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月24日昭和32(オ)483民集 第12巻14号3228頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の設立を計画発起した者が、未だ設立登記をしないうちに、右会社の代表取締役として、第三者との間に、会社設立に関する行為に属しない契約を締結した場合、その者は、右第三者に対し、民法第一一七条の類推適用によつて責に任ずべきである。
参照法条民法117条,商法57条
株主総会の決議が不存在と認められた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和33年10月3日昭和31(オ)396民集 第12巻14号3053頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株主九名、株式総数五、〇〇〇株の株式会社において、株主の一名である代表取締役が、単に、自己の実子である二名の株主に口頭で株主総会招集の通知をしただけで、他の六名の株主(その持株二、一〇〇株)には招集の通知を全然なさず、右親子三名だけが株式総会としての決議をしても、これにより株主総会が成立しその決議があつたものということ…
参照法条商法232条,商法252条
合資会社の社員の決議と社員に対する予めの通知の要否
最高裁判所第三小法廷昭和33年5月20日昭和31(オ)983民集 第12巻7号1086頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨合資会社の社員の決議については、予め社員に対し、相当期間を定めて決議事項を通知することは、法律上必要ではない
参照法条商法68条,商法86条1項,商法147条,商法232条1項,商法232条2項,民法62条
倉荷証券の裏書譲渡と保管料その他の費用支払に関する債務の承継
最高裁判所第三小法廷昭和32年2月19日昭和31(オ)394民集 第11巻2号295頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨倉荷証券に保管料等寄託物に関する費用は証券所持人の負担とする趣旨の文言の記載がある場合、第三者が裏合書譲渡によりその倉荷証券を取得したときは、特段の事情のないかぎり、各当事者間にその所持人が記載の文言の趣旨に従い右費用支払の債務を引受けるという意思の合致があるものと解するのを相当とする。
参照法条商法627条,商法599条,商法602条,商法603条1項,商法618条
一 昭和二五年法律第一六七号による改正前の商法第二五一条の削除と裁判所の裁量権 二 株主総会の決議に軽微でない手続上の瑕疵がある場合と裁判所の裁量権
最高裁判所第一小法廷昭和31年11月15日昭和29(オ)643民集 第10巻11号1423頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 昭和二五年法律第一六七号による改正前の商法第二五一条が削除された後は、裁判所に右削除前と同様な裁量権があると解すべきではない。 二 予め株主総会決議事項の通知をしなかつたというような軽微でない手続上の瑕疵があるときは、裁判所は右決議取消の請求を認容すべきである。
参照法条商法247条,商法251条(昭和25年法律167号による削除前のもの)
取締役会の招集手続の省略
最高裁判所第二小法廷昭和31年6月29日昭和29(オ)749民集 第10巻6号774頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社の取締役の全員が会社の業務執行に関する事項につき協議決定したときは、たとえ取締役会の招集手続を経ない旨の明示の同意なしにその手続を経なかつた場合でも、当該事項につき取締役会の決議がなされたものと解すべきである。
参照法条商法259条ノ2,商法259条ノ3,商法260条,商法265条
一 白紙委任状を添付してする記名株式の譲渡と商法第二〇五条第一項の適用 二 譲渡証書が偽造である場合と記名株式の善意取得
最高裁判所第二小法廷昭和31年4月27日昭和28(オ)1318民集 第10巻4号450頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 白紙委任状を添付してする記名株式の譲渡は、商法第二〇五条第一項の譲渡を証する書面の交付によつてなす記名株式の譲渡に該当する。 二 悪意または重大な過失なくして記名株式を取得した者は、これに添付された譲渡を証する書面が偽造である場合にも、なお、商法第二二九条の保護をうけるものと解すべきである。
参照法条商法205条,商法229条
一 株式の譲渡につき名義書換が未了の場合会社はその譲渡を認めることができるか 二 株主総会決議取消の訴と裁判所の裁量権
最高裁判所第一小法廷昭和30年10月20日昭和28(オ)1430民集 第9巻11号1657頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商法旧第二〇六条(昭和二五年法律第一六七号による改正前のもの)の施行当時、記名株式の譲渡があつたにかかわらず株主名簿の名義書換が会社の都合でおくれていても、会社が右譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことは妨げないと解するのが相当である。 二 株主総会決議取消の訴において、当該決議に取消の原因となるべき違法の点があ…
参照法条商法旧206条,商法247条,商法旧251条
株式引受の欠缺と資本増加の効力
最高裁判所第三小法廷昭和30年4月19日昭和27(オ)797民集 第9巻5号511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨資本金二五万円(一株の金額五〇円株式総数五〇〇〇株)の株式会社の増資による増加資本の額が金七五万円(一株の金額五〇円株式数一五〇〇〇株)である場合において、新株式五九五〇株の引受の欠缺があつても、特別の事情のない限り右引受の欠缺は取締約の引受払込の責任により補充せられるものと見るべきであつて、直ちに資本増加の無効を来す…
参照法条旧商法356条
鉄道による貨物運送契約は要式契約か
最高裁判所第一小法廷昭和30年1月27日昭和28(オ)967民集 第9巻1号42頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨鉄道による貨物運送契約は、荷送人から鉄道営業者に対する運送状の交付を必要とする要式契約ではない。
参照法条商法570条,鉄道営業法2条,鉄道運輸規程50条,鉄道運輸規程52条,連絡運輸規則(昭和25・5・25国有鉄道公示第109号)1条,連絡運輸規則(昭和25・5・25国有鉄道公示第109号)108条2項
一 定款に記載のない財産引受に対する株主総会の承認決議の効力 二 財産引受の無効は譲渡人も主張することができるか
最高裁判所第一小法廷昭和28年12月3日昭和26(オ)510民集 第7巻12号1299頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 定款に記載のない財産引受は、たとえ会社成立後株主総会が特別決議をもつてこれを承認しても、有効にはならない。 二 財産引受が無効である場合には、会社側だけでなく、譲渡人もその無効を主張することができる。
参照法条商法168条1項6号,商法246条
一 会社役員たる資格を与えるためのいわゆる資格株の譲渡の効力。 二 木工品製作業の附帯事業の範囲。 三 木材統制法と立木伐木の買入。 四 木材業又は製材業が許可事業であることと、その許可を受けずして附帯事業としてなす立木伐木の買入。 五 介…
最高裁判所第二小法廷昭和24年6月4日昭和23(オ)69民集 第3巻7号235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社役員たる資格を与えるためのいわゆる資格株の譲渡であつて、後日返還することを約したものであるからといつて、その譲渡を仮装であるということはできない。 二 附帯事業というのは、主たる目的事業に関連のある各種の事業をいうのであつて木工品の製作を主たる目的とする事業の附帯事業のうちには、その資材原料たる立木、伐木等の買…
参照法条民法94条1項,商法204条,商法264条1項,商法264条,商法(昭和25年法律167号による改正前のもの)264条2項,木材統制法1条,木材統制法6条
最高裁 / 刑集登載23件
銀行がした融資に係る頭取らの特別背任行為につき,当該融資の申込みをしたにとどまらず,その実現に積極的に加担した融資先会社の実質的経営者に,特別背任罪の共同正犯の成立が認められた事例
最高裁判所第一小法廷平成20年5月19日平成18(あ)2030刑集 第62巻6号1623頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨銀行がした融資に係る頭取らの特別背任行為につき,当該融資の申込みをしたにとどまらず,融資の前提となるスキーム(判文参照)を頭取らに提案してこれに沿った行動を取り,同融資の担保となる物件の担保価値を大幅に水増しした不動産鑑定書を作らせるなどして,同融資の実現に積極的に加担した融資先会社の実質的経営者は,上記特別背任行為に…
参照法条商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)486条1項,刑法60条,刑法65条,刑法247条
新株の引受人が会社から第三者を通じて間接的に融資を受けた資金によってした新株の払込みが無効であるとして商業登記簿の原本である電磁的記録に増資の記録をさせた行為につき電磁的公正証書原本不実記録罪の成立が認められた事例
最高裁判所第一小法廷平成17年12月13日平成17(あ)204刑集 第59巻10号1938頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨甲社の増資の際,新株の引受人である乙社が,甲社から丙社,丙社から乙社へと順次融資により移動した甲社の資金により新株の払込みをし,上記融資により甲社が取得した丙社に対する債権が丙社との合意などから甲社の実質的な資産と評価することができないなど判示の事情の下においては,上記払込みは無効であり,甲社の商業登記簿の原本である電…
参照法条商法280条の7,刑法157条1項
定款に株式譲渡制限の定めのある非上場会社の一人株主がその全株式を同社の債務の担保のため譲渡担保に供するなどした後に同社の役員の解任及び選任等の株式会社変更登記申請を行い同社の商業登記簿の原本にその旨記載させた行為につき公正証書原本不実記載罪…
最高裁判所第二小法廷平成17年11月15日平成14(あ)1396刑集 第59巻9号1476頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨定款に株式譲渡制限の定めのある非上場会社の一人株主が,その全株式を同社の債務の担保のため譲渡担保に供した後に,同社の役員の解任及び選任等の株式会社変更登記申請を債権者の関与なく行い,同社の商業登記簿の原本にその旨記載させた行為は,上記譲渡担保の契約当事者の合理的な意思解釈として,株主共益権を債権者に帰属させる旨の合意が…
参照法条民法369条(譲渡担保),商法204条1項,商法241条1項,刑法157条1項
商社の代表取締役社長が行った巨額の融資につき特別背任罪における加害目的が認められた事例
最高裁判所第三小法廷平成17年10月7日平成14(あ)1431刑集 第59巻8号779頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨商社の代表取締役社長がその任務に違背して巨額の融資を行った場合において,融資実行の動機は同社の利益よりも自己らの利益を図ることにあり,同社に損害を加えることの認識,認容もあったなど判示の事実関係の下では,特別背任罪における図利目的はもとより加害目的をも認めることができる。
参照法条商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)486条1項,刑法247条
質権設定者が質入れした株券につき除権判決を得て失効させ質権者に損害を加えた場合と背任罪の成否
最高裁判所第三小法廷平成15年3月18日平成11(あ)941刑集 第57巻3号356頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨株式を目的とする質権の設定者が,質入れした株券について虚偽の申立てにより除権判決を得て株券を失効させ,質権者に損害を加えた場合には,背任罪が成立する。
参照法条刑法247条,商法207条,商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)230条,公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律769条
1 破産法374条3号にいう「商業帳簿」の意義 2 電磁的記録と破産法374条3号にいう「商業帳簿」
最高裁判所第三小法廷平成14年1月22日平成12(あ)1606刑集 第56巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨1 破産法374条3号にいう「商業帳簿」は,商法32条1項にいう「会計帳簿及び貸借対照表」をいう。 2 破産法374条3号にいう「商業帳簿」には,可視性,可読性が確保されている電磁的記録が含まれる。
参照法条破産法374条3号,商法32条1項
図利加害の意欲ないし積極的認容と特別背任罪における図利加害目的
最高裁判所第二小法廷昭和63年11月21日昭和60(あ)714刑集 第42巻9号1251頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨特別背任罪における図利加害目的の存在を肯認するには、図利加害の意欲ないし積極的認容までを要するものではない。
参照法条商法486条1項(昭和56年法律74号による改正前のもの),刑法247条
一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)八五条三号の規定と憲法一四条一項、三一条、三二条 二 独禁法八五条三号の規定と憲法七七条一項 三 石油製品の値上げの上限に関し通産省の了承を得させることとする行政指導…
最高裁判所第二小法廷昭和59年2月24日昭和55(あ)2153刑集 第38巻4号1287頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 独禁法八九条から九一条までの罪に係る訴訟につき二審制を定めた同法八五条三号の規定は、憲法一四条一項、三一条、三二条に違反しない。 二 独禁法八九条から九一条までの罪に係る訴訟の第一審の裁判権を東京高等裁判所に専属させた同法八五条三号の規定は、憲法七七条一項に違反しない。 三 石油製品の値上げの上限に関し通産省の了承…
参照法条私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)1条,独禁法2条6項,独禁法8条1項,独禁法33条,独禁法85条3号,独禁法89条1項(昭和52年法律第63号による改正前のもの),独禁法95条1項(昭和52年法律第63…
株金の払込がいわゆる見せ金による仮装のものであるにかかわらず増資の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪の成否
最高裁判所第三小法廷昭和47年1月18日昭和45(あ)2042刑集 第26巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨増資に際し、株金の払込がいわゆる見せ金によってされた仮装のものであるにかかわらず、その株式引受人による払込が完了して、増資をした旨の登記申請をし、商業登記簿の原本にその記載をさせたときは、昭和四一年法律第八三号による改正前の商法一八八条二項五号の「発行済株式ノ総数」に関し、公正証書原本不実記載罪が成立する。
参照法条刑法157条1項,商法188条(昭和41年法律83号による改正前のもの),商法67条
一 商法四九四条にいう「不正の請託」の意義 二 商法四九四条にいう「不正の請託」にあたるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年10月16日昭和42(あ)3003刑集 第23巻10号1359頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 会社役員等が経営上の不正や失策の追及を免れるため、株主総会における公正な発言または公正な議決権の行使を妨げることを株主に依頼することは、商法四九四条にいう「不正の請託」に該当する。 二 株式会社の役員に会社の新製品開発に関する経営上の失策があり、来るべき株主総会において株主からその責任追及が行なわれることが予想され…
参照法条商法494条
漁業協同組合参事が上司の決裁を受けることなく組合長振出名義の融通手形を作成した行為につき有価証券偽造罪が成立するとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年6月25日昭和40(あ)2015刑集 第22巻6号490頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が水産業協同組合法により支配人に関する商法の規定が準用される漁業協同組合参事であつても、同組合内部の定めとしては、同組合が融通手形として振り出す組合長振出名義の約束手形の作成権限はすべて専務理事に属するものとされ、被告人は単なる起案者、補佐役として右手形作成に関与していたにすぎない場合において、同人が組合長または…
参照法条刑法162条1項,水産業協同組合法46条,商法38条1項,商法38条3項
被告人の支配人からの正式裁判請求の適否
最高裁判所第一小法廷昭和43年1月17日昭和42(し)71刑集 第22巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨略式手続における代理人または弁護人に該当せず、被告人の法定代理人または保佐人にも該当しない被告人の支配人からの正式裁判請求は不適法である。
参照法条刑訴法353条,刑訴法355条,刑訴法465条,刑訴法467条,刑訴法468条1項,商法38条1項
預合罪および応預合罪の成否
最高裁判所第一小法廷昭和42年12月14日昭和41(あ)961刑集 第21巻10号1369頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨増資にあたり、株式引受人の会社に対する債権が真実に存在し、かつこれを弁済する資力が会社にある場合には、会社が株式払込取扱銀行から金融を受けて株式引受人に対する債務を弁済し株式引受人が右弁済金を引受株式の払込金に充当するという払込方法がとられたとしても、直ちに商法第四九一条の預合罪および応預合罪が成立するとはいえない。
参照法条商法491条
共同代表取締役の一人が他の共同代表取締役の署名印章を冒用して共同代表の形でした会社名義の文書の作成と文書偽造罪の成立
最高裁判所第三小法廷昭和42年11月28日昭和41(あ)1835刑集 第21巻9号1277頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨数人の代表取締役が共同して会社を代表する定めがある場合に、その一人が、他の代表取締役の署名もしくは印章を冒用して、共同代表の形で会社名義の文書を作成する行為は、文書偽造罪を構成する。
参照法条刑法159条1項,商法261条2項
株金の払込が仮装のものであるにかかわらずこれを秘し設立又は増資の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪。
最高裁判所第三小法廷昭和41年10月11日昭和39(あ)472刑集 第20巻8号817頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨会社の設立又は増資に際し、株金の払込が仮装のものであるにかかわらずこれを秘し、その株式引受人による払込が完了し、設立又は増資をした旨の登記申請をなし、商業登記簿の原本にその記載をなさしめたときは、商法第一八八条第二項第五号「発行済株式ノ総数」に関し、公正証書原本不実記載罪が成立する。
参照法条刑法157条1,商法188条,商法67条,商法57条
会社が不存在であるにかかわらずその設立の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪。
最高裁判所第一小法廷昭和40年6月24日昭和39(あ)1854刑集 第19巻4号469頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨いわゆる見せ金により、株式の払込を仮装したのみで、なんら設立手続が行なわれていないため、会社が不存在であるにかかわらずその設立の登記を申請し、登記官をして商業登記簿の原本にその旨記載させたときは、登記事項のすべてに関し公正証書原本不実記載罪合が成立する。
参照法条刑法157条1項,商法188条,商法57条
被告会社の合併による解散と刑訴法第三三九条第一項第四号。
最高裁判所第三小法廷昭和40年5月25日昭和38(あ)198刑集 第19巻4号353頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告会社が合併により解散したときは、刑訴法第三三九条第一項第四号にいわゆる「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたる。
参照法条刑訴法339条1項4号,商法56条,商法94条3号,商法103条,商法404条,商法416条
有価証券偽造罪が成立するとされた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和38年12月6日昭和36(あ)2706刑集 第17巻12号2443頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨被告人が、設立準備中の会社である「甲株式会社」の発起人代表乙の承諾を得たとしても、右会社の設立前に行使の目的をもつて、振出人を「甲株式会社代表取締役乙」と表示、押印して、いかにも実在する右会社が振出したものと誤信させるような約束手形を作成するときは、架空の会社の代表資格を冒用したものとして、有価証券偽造罪が成立する。
参照法条刑法162条1項,商法57条
商法第四九一条前段の意義。
最高裁判所第三小法廷昭和36年3月28日昭和34(あ)903刑集 第15巻3号590頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨商法第四九一条前段の預合とは、同法
第四八六条第一項〈清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任〉に掲げる者が株金の払込を仮装するために、株金払込を取扱う機関の役職員らと通謀してなす仮装行為をいうものと解すべきである。
参照法条商法491条,商法486条1項,商法177条2項,商法175条2項,商法189条,非訴事件手続法126条1項,非訴事件手続法189条
一 商法第四九一条後段の応預合罪の意義 二 応預合罪にあたる事例
最高裁判所第三小法廷昭和35年6月21日昭和31(あ)2109刑集 第14巻8号981頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 商法第四九一条後段の応預合罪は、株金払込取扱期間の役職員が同法第四八六条第一項に掲げる者と通謀して株金の払込を仮装する行為をいう。 二 銀行の支店長甲が株式会社の設立発起人乙と通謀して株金払込を仮装するため、その方法として同銀行支店から預金者丙に融資しその金員を設立登記完了まで乙に貸与することを丙に承諾させた上、丙…
参照法条商法491条,商法177条2項,商法175条2項,商法189条,非訟事件手続法126条1項,非訟事件手続法189条
一 株式会社の代表取締役がその任期満了後、新たに会社を代表する取締役の選任就職前になした告訴の効力 二 資本金の一部が未払込であり、且つ、株主総会が長期間に亘り開催されなかつた会社は架空の会社といえるか
最高裁判所第三小法廷昭和31年7月3日昭和30(あ)885刑集 第10巻7号999頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨一 株式会社の代表取締役は、たといその任期が満了した場合においても、新たに会社を代表する取締役が選任就職するまでは、なお右会社を代表して告訴をすることができるものである。 二 株式会社の資本金の一部が未払込であり、また株主総会が長期間に亘り開催されなかつたからといつて、その会社を目して架空の会社であるということはできな…
参照法条商法(昭和25年法律167号による改正前)258条1項,商法(昭和25年法律167号による改正前)261条1項,刑訴法230条,刑訴法27条,商法第4章株式会社(165条の前)
刑訴法第三三九条第一項第四号にいわゆる「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」と法人の解散
最高裁判所第一小法廷昭和29年11月18日昭和29(あ)1922刑集 第8巻11号1850頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨法人が解散しても、刑訴法第三三九条第一項四号にいわゆる「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない。
参照法条刑訴法339条1項4号,商法116条,商法124条1項1号
倉荷証券に記載された物件の大部分が虚偽無価値のものである場合にその倉荷証券を担保として金融を受けた行為と詐欺罪の成否
最高裁判所第二小法廷昭和29年6月11日昭和27(あ)4447刑集 第8巻6号859頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨倉荷証券に記載されている物件の大部分が虚偽無価値のものであることを知れば相手方は同証券を担保に金員を交付することがなかつた関係がある以上、右倉荷証券自体は真正に成立したものであるため、相手方と倉庫営業所との間における寄託に関する事項は同証券に記載されているところによるとしても刑法第二四六条第一項の詐欺罪の成立を妨げない…
参照法条刑法246条,商法627条,商法602条,商法599条
最高裁 / 裁判集登載10件
会社法144条2項〈売買価格の決定〉に基づく譲渡制限株式の売買価格の決定の手続において裁判所が上記売買価格を定める場合に、DCF法によって算定された上記譲渡制限株式の評価額から非流動性ディスカウント(非上場会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行…
最高裁判所第三小法廷令和5年5月24日令和4(許)8集民 第270号113頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社法
144条2項〈売買価格の決定〉に基づく譲渡制限株式の売買価格の決定の手続において裁判所が上記売買価格を定める場合に、上記譲渡制限株式の評価額の算定過程において上記譲渡制限株式に市場性がないことが考慮されていることはうかがわれないなど判示の事情の下においては、DCF法によって算定された上記評価額から非流動性ディスカウント(非上場会社…
会社法423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉に基づく損害賠償請求訴訟において原告の設置した取締役責任調査委員会の委員であった弁護士が原告の訴訟代理人として行う訴訟行為を弁護士法25条2号及び4号の類推適用により排除することはできないとされた事例
最高裁判所第一小法廷令和4年6月27日令和4(許)3集民 第268号323頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社である原告の設置した取締役責任調査委員会により、原告の取締役であった被告に対する事情聴取が行われた後、原告が、被告に対し、上記委員会の委員であった弁護士を訴訟代理人として、会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉に基づく損害賠償責任を追及する訴訟を提起した場合において、上記委員会が被告の上記責任の有無等を調査、検討するために設置され…
参照法条弁護士法25条2号、弁護士法25条4号、会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉 監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,その任務を尽くしたといえるか
最高裁判所第二小法廷令和3年7月19日令和1(受)1968集民 第266号157頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,会計帳簿が信頼性を欠くものであることが明らかでない場合であっても,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,常にその任務を尽くしたといえるものではない。 (補足意見がある。)
参照法条会社法
389条1項〈定款の定めによる監査範囲の限定〉,会社法
389条2項,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉,会社法
436条1項〈計算書類等の監査等〉,会社計算規則121条2項,会社計算規則122条1項2号,会社計算規則(平成21年法務省令第7号による改正前のもの)149条2項,会社計算規則(平成21年法務省令…
1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否
最高裁判所第一小法廷平成26年7月10日平成25(ク)1158集民 第247号49頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。 2 独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当…
参照法条(1,2につき)民訴法47条 (1につき)会社法
833条1項〈会社の解散の訴え〉,会社法
838条〈認容判決の効力が及ぶ者の範囲〉,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法338条
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害…
最高裁判所第一小法廷平成26年1月30日平成24(受)1600集民 第246号69頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は,民法所定の年5分である。 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
参照法条(1,2につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉(1につき)民法404条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)514条(2につき)民法412条
自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲
最高裁判所第三小法廷平成24年5月29日平成22(受)2035集民 第240号261頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において,上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺…
参照法条商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662条,保険法25条,民法91条,民法709条,民法722条2項
吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義
最高裁判所第三小法廷平成23年4月26日平成22(許)47集民 第236号519頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社法
782条1項〈吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等〉所定の吸収合併等によりシナジー(組織再編による相乗効果)その他の企業価値の増加が生じない場合に,同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したで…
A社が事業再編計画の一環としてB社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,A社の取締役に上記株式の買取価格の決定について善管注意義務違反はないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成22年7月15日平成21(受)183集民 第234号225頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産賃貸あっせんのフランチャイズ事業等を展開するA社が,事業再編計画の一環としてB社を完全子会社とする目的で同社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,株式交換に備えて算定された上記株式の評価額が1株当たり6561円ないし1万9090円であったとしても,上記株式の買取…
参照法条会社法
330条〈株式会社と役員等との関係〉,会社法
355条〈忠実義務〉,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉,会社法
847条〈株主による責任追及等の訴え〉,民法644条
株主総会の決議を経て内規に従い支給されることとなった会社法361条1項にいう取締役の報酬等に当たる退職慰労年金につき,集団的,画一的な処理が制度上要請されているという理由のみから,内規の廃止により未支給の退職慰労年金債権を失わせることの可否
最高裁判所第三小法廷平成22年3月16日平成21(受)1154集民 第233号217頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株主総会の決議を経て,役員に対する退職慰労金の算定基準等を定める会社の内規に従い支給されることとなった会社法361条1項にいう取締役の報酬等に当たる退職慰労年金について,退任取締役相互間の公平を図るため集団的,画一的な処理が制度上要請されているという理由のみから,上記内規の廃止の効力を既に退任した取締役に及ぼし,その同…
株式会社が株主総会の決議等を経ることなく退任取締役に支給された退職慰労金相当額の金員につき不当利得返還請求をすることが信義則に反せず権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成21年12月18日平成21(受)233集民 第232号803頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式会社が退任取締役に対し株主総会の決議等を経ることなく支給された退職慰労金相当額の金員につき不当利得返還請求をする場合において,(1)当該会社では発行済株式総数の99%以上を保有する代表者が内規に基づく退職慰労金の支給を決裁することにより株主総会の決議に代えてきた,(2)退任取締役が上記内規に基づく退職慰労金の支給を…
参照法条民法1条2項,民法1条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)269条,会社法
361条〈取締役の報酬等〉
該当する裁判例がありません。