法務会計研究所 / 論点から引く

判例・論点索引

見出しは裁判所が付けた判示事項、結論は裁判要旨をそのまま転記しています。 会社法・商法(旧商法を含む)を参照法条とするものに絞っています。 論点の言葉で絞り込めます(例:「全員出席」「代理人」「定足数」)。 文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

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最高裁大法廷 / 民集登載1件

1 放送法64条1項の意義 2 放送法64条1項の合憲性 3 日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲 4 日本放送協会の放送の受信についての…

最高裁判所大法廷平成29年12月6日平成26(オ)1130民集 第71巻10号1817頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨1 放送法64条1項は,日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しその放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの上記契約の申込みに対して上記の者が承諾をしない場合には,日本放送協会がその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め,その判決の確定によって上記契…
参照法条(1~4につき) 放送法1条,放送法第3章 日本放送協会,放送法64条1項 (1,3につき) 民法414条2項ただし書,民事執行法174条1項本文 (2につき) 憲法13条,憲法21条,憲法29条 (4につき) 民法166条1項

最高裁 / 民集登載105件

1 弁護士を受託者とし、預り金を信託財産に属すべきものと定めた信託契約に関し、信託の目的についての合意が成立したことの主張があるとはいえないとされた事例 2 預金債権の債権者が信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合において…

最高裁判所第三小法廷令和8年1月20日令和5(受)2245民集 第80巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 預金債権の差押えを受けた弁護士が、上記預金債権は、自らを受託者とする信託契約によって信託財産に属すべきものと定められた依頼者からの預り金を原資とするもので、信託財産に属する財産であると主張し、差押債権者に対し、信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合に、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、上記弁護士が…
参照法条(1、2につき)信託法23条1項、5項、民事執行法38条 (1につき)民訴法246条、信託法3条1号、信託法16条1号 (2につき)民訴法253条1項4号

請求異議の訴えについて請求を棄却する判決が確定し、当該訴えを本案とする強制執行の停止を命ずる裁判が取り消された場合において、当該裁判に係る申立てをした者が、債権者が強制執行の停止によって被った損害を賠償する義務を負うか

最高裁判所第三小法廷令和7年9月9日令和5(受)2207民集 第79巻6号2652頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨請求異議の訴えを本案とする民事執行法36条1項の強制執行の停止の申立てがされ、強制執行の停止を命ずる裁判がされた後、当該訴えについて請求を棄却する判決が確定し、当該強制執行の停止を命ずる裁判が取り消された場合において、当該申立てをした者に主張した異議の事由が事実上又は法律上の根拠を欠くことについて故意又は過失があるとき…
参照法条民法709条、民事執行法36条1項

子ども・子育て支援法29条5項から7項までに定める制度の下において、同条1項に規定する特定地域型保育事業者が市町村に対して有する地域型保育給付費に相当する額の金員の支払を求める債権は、同法17条にいう「子どものための教育・保育給付を受ける権…

最高裁判所第二小法廷令和7年3月19日令和6(許)12民集 第79巻3号1322頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨子ども・子育て支援法29条5項から7項までに定める制度の下において、同条1項に規定する特定地域型保育事業者が市町村に対して有する地域型保育給付費に相当する額の金員の支払を求める債権は、同法17条にいう「子どものための教育・保育給付を受ける権利」に当たらない。 (補足意見がある。)
参照法条子ども・子育て支援法11条、子ども・子育て支援法17条、子ども・子育て支援法29条、民事執行法143条

文化功労者年金法に基づく年金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否

最高裁判所第三小法廷令和6年10月23日令和6(許)1民集 第78巻5号1353頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨文化功労者年金法に基づく年金の支給を受ける権利に対しては強制執行をすることができる。
参照法条文化功労者年金法1条、文化功労者年金法3条1項、文化功労者年金法3条2項、民事執行法143条、民事執行法152条

抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意の効力を抵当権…

最高裁判所第二小法廷令和5年11月27日令和3(受)1620民集 第77巻8号2188頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に、賃貸人との間で、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意をしたとしても、当該合意の効力を抵当権者に対抗することはできない。 (意見がある。)
参照法条民法304条1項、民法372条、民法505条1項、民事執行法193条1項

第三債務者が差押命令の送達を受ける前に債務者との間で差押えに係る金銭債権の支払のために電子記録債権を発生させた場合において、上記差押えに係る金銭債権について発せられた転付命令が第三債務者に送達された後に上記電子記録債権の支払がされたときの上…

最高裁判所第三小法廷令和5年3月29日令和4(許)13民集 第77巻3号819頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三債務者が差押命令の送達を受ける前に債務者との間で差押えに係る金銭債権の支払のために電子記録債権を発生させた場合において、上記差押えに係る金銭債権について発せられた転付命令が第三債務者に送達された後に上記電子記録債権の支払がされたときは、上記支払によって民事執行法160条による上記転付命令の執行債権及び執行費用の弁済…
参照法条民事執行法159条、民事執行法160条

いわゆる弁済受領文書の提出による強制執行の停止の期間中にされた執行処分の効力

最高裁判所第一小法廷令和5年3月2日令和3(受)1176民集 第77巻3号389頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨執行処分が、民事執行法39条1項8号にいう債権者が債務名義の成立後に弁済を受けた旨を記載した文書(いわゆる弁済受領文書)の提出による強制執行の停止の期間中にされたものであったとしても、そのことにより当該執行処分が当然に無効となるものではない。
参照法条民事執行法39条1項8号、民事執行法39条2項

マンション建替事業の施行者がマンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において、上記補償金の支払請求権に対して複数の差押命令が発せられて差押えの競合が生じたときに上記施行者がすべき供託

最高裁判所第一小法廷令和4年10月6日令和2(受)1462民集 第76巻6号1291頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨マンションの建替え等の円滑化に関する法律2条1項4号のマンション建替事業の施行者が同法76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において、上記補償金の支払請求権に対して複数の差押命令が発せられ、差押えの競合が生じたときは、上記施行者は、上記補償金について、同項及び民事執行法156条2項を根拠法条とするいわゆる混合供託…
参照法条マンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項、マンションの建替え等の円滑化に関する法律77条、民事執行法156条2項、民事執行法157条4項、供託規則13条2項5号

民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否

最高裁判所第一小法廷令和4年10月6日令和3(許)16民集 第76巻6号1320頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告においては、債務名義の正本に表示された金銭債権である請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできない。
参照法条民事執行法197条1項2号、民事執行法197条5項

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律98条の定める作業報奨金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否

最高裁判所第三小法廷令和4年8月16日令和4(許)6民集 第76巻6号1271頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律98条の定める作業報奨金の支給を受ける権利に対して強制執行をすることはできない。
参照法条刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律98条、民事執行法143条

担保不動産競売の債務者が免責許可の決定を受け,同競売の基礎となった担保権の被担保債権が上記決定の効力を受ける場合における,当該債務者の相続人の民事執行法188条において準用する同法68条にいう「債務者」該当性

最高裁判所第一小法廷令和3年6月21日令和3(許)7民集 第75巻7号3111頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨担保不動産競売の債務者が免責許可の決定を受け,同競売の基礎となった担保権の被担保債権が上記決定の効力を受ける場合,当該債務者の相続人は,民事執行法188条において準用する同法68条にいう「債務者」に当たらない。
参照法条民事執行法68条,民事執行法71条2号,民事執行法188条,破産法253条1項本文

民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合に,その弁済が上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることの可否

最高裁判所第三小法廷令和3年5月25日令和2(受)170民集 第75巻6号2935頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合,その弁済が上記外国裁判所の強制執行手続においてされたものであっても,これが上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることはできない。
参照法条民訴法118条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条

不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の…

最高裁判所第二小法廷令和2年9月18日平成31(受)310民集 第74巻6号1762頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより,上記配当要求における配当要求債権について,差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるためには,民事執行法181条1項各号に…
参照法条民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条2号,民法148条1項2号,民法306条1号,民事執行法51条1項,民事執行法181条1項,建物の区分所有等に関する法律7条1項,建物の区分所有等に関する法律7条2項,建物の区分所有等…

強制執行の申立てをした債権者が債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することの許否

最高裁判所第三小法廷令和2年4月7日平成31(受)606民集 第74巻3号646頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨強制執行の申立てをした債権者が,当該強制執行における債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において,当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することは許されない。 (補足意見がある。)
参照法条民事執行法42条,民事訴訟費用等に関する法律2条,民法709条

訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序

最高裁判所第二小法廷平成31年1月18日平成29(受)2177民集 第73巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決に係る訴訟手続において,当該判決の内容を了知させることが可能であったにもかかわらず,実際には訴訟当事者にこれが了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより,不服申立ての機会が与えられないまま確定した当該判決に係る訴訟手続は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反する。
参照法条民訴法118条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条

株券が発行されていない株式(振替株式を除く。)に対する強制執行の手続において配当表記載の債権者の配当額に相当する金銭が供託され,その供託金の支払委託がされるまでに債務者が破産手続開始の決定を受けた場合における破産法42条2項本文の適用の有無

最高裁判所第二小法廷平成30年4月18日平成29(許)13民集 第72巻2号68頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株券が発行されていない株式(振替株式を除く。)に対する強制執行の手続において,当該株式につき売却命令による売却がされた後,配当表記載の債権者の配当額について配当異議の訴えが提起されたために上記配当額に相当する金銭の供託がされた場合において,その供託の事由が消滅して供託金の支払委託がされるまでに債務者が破産手続開始の決定…
参照法条破産法42条2項本文,民事執行法91条1項7号,民事執行法92条1項,民事執行法166条1項2号,民事執行法166条2項,民事執行法167条1項,民事執行規則61条,民事執行規則145条,供託規則30条1項

滞納処分による差押えがされた後に設定された賃借権により担保不動産競売の開始前から建物の使用又は収益をする者の民法395条1項1号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」該当性

最高裁判所第三小法廷平成30年4月17日平成30(許)3民集 第72巻2号59頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者に対抗することができない賃借権が設定された建物が担保不動産競売により売却された場合において,その競売手続の開始前から当該賃借権により建物の使用又は収益をする者は,当該賃借権が滞納処分による差押えがされた後に設定されたときであっても,民法395条1項1号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」に当たる…
参照法条民法395条1項1号,民事執行法83条,民事執行法188条

債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が差押債権の取立てとして金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象と…

最高裁判所第三小法廷平成29年10月10日平成28(許)46民集 第71巻8号1482頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が当該債権差押命令に基づく差押債権の取立てとして第三債務者から金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となる。
参照法条民事執行法155条1項,民事執行法155条2項,民法491条

地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたが,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では同一の所有者に属して…

最高裁判所第一小法廷平成28年12月1日平成27(受)477民集 第70巻8号1793頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨地上建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者…
参照法条民事執行法81条

配当表記載の根抵当権者の配当額に相当する金銭が供託され,その後,当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに配当がされる場合における,当該供託金の充当方法

最高裁判所第三小法廷平成27年10月27日平成25(受)2415民集 第69巻7号1763頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨担保不動産競売の手続における配当表記載の根抵当権者の配当額について配当異議の訴えが提起されたためにその配当額に相当する金銭が供託され,その後,当該根抵当権者が上記訴えに係る訴訟において勝訴したことにより,当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに配当がされる場合には,当該供託金は,その支払委託がされた時点における被担…
参照法条民法489条,民法490条,民法491条,民事執行法85条1項,民事執行法85条6項,民事執行法90条,民事執行法91条1項7号,民事執行法92条1項,民事執行法188条,民事執行規則61条,民事執行規則173条1項,供託規則30条1項

免責許可の決定の効力が及ばない破産債権であることを理由として当該破産債権が記載された破産債権者表につき執行文付与の訴えを提起することの許否

最高裁判所第一小法廷平成26年4月24日平成25(受)419民集 第68巻4号380頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が,当該破産債権が破産法253条1項各号に掲げる請求権に該当することを理由として,当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されない。
参照法条民事執行法26条,民事執行法27条1項,民事執行法27条2項,民事執行法33条1項,破産法221条,破産法253条1項,破産法253条3項

1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無の判断基準 2 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えと民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」 3 …

最高裁判所第一小法廷平成26年4月24日平成23(受)1781民集 第68巻4号329頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきである。 2 民訴法3条の3第8号…
参照法条(1,4につき)民訴法118条1号,民事執行法22条6号,民事執行法24条 (2〜4につき)民訴法3条の3第8号

1 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に債務者につき更生手続開始の決定がされた場合における上記担保の被担保債権の性質 2 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当た…

最高裁判所第二小法廷平成25年4月26日平成24(許)15民集 第67巻4号1150頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い,金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に,債務者につき更生手続開始の決定がされた場合,その被担保債権である損害賠償請求権は,更生担保権ではなく,更生債権に当たる。 2 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当たって金銭を供託する方法により担保…
参照法条(1,2につき)民訴法76条,民訴法77条,民訴法259条,民訴法403条1項,民訴法405条2項,民事執行法39条1項 (1につき)会社更生法2条8項,会社更生法2条10項 (2につき)会社更生法203条2項,会社更生法204条1項,供託…

1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができる場合 2 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることが…

最高裁判所第一小法廷平成25年3月28日平成24(許)48民集 第67巻3号864頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができる。 2 監護親…
参照法条(1,2につき) 民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項

通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記がなくとも通行地役権を主張することができる場合

最高裁判所第三小法廷平成25年2月26日平成23(受)1644民集 第67巻2号297頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識するこ…
参照法条民事執行法59条2項,民事執行法188条,民法177条,民法280条

第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合における当該建物の明渡請求と併合されている他の請求の当否等についての控訴審の判断

最高裁判所第二小法廷平成24年4月6日平成22(受)754民集 第66巻6号2535頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合には,控訴審は,当該建物の明渡請求と併合されている賃料相当損害金等の支払請求の当否や同請求に対する抗弁において主張されている敷金返還請求権の存否についても,当該明渡しの事実を考慮することなく,判断すべきである。
参照法条民訴法136条,民訴法259条,民訴法260条,民事執行法22条2号

1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定の有無の判断基準 2 大規模な金融機関の全ての店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立ての適否

最高裁判所第三小法廷平成23年9月20日平成23(許)34民集 第65巻6号2710頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定は,債権差押命令の送達を受けた第三債務者において,直ちにとはいえないまでも,差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない程度に速やかに,かつ,確実に,差し押さえられた債権を識別することができるものであることを要する。 2 大規模な金融機関の全ての店舗又…
参照法条(1,2につき)民事執行法143条,民事執行規則133条2項

給与等の支払をする者が判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合における源泉徴収義務の有無

最高裁判所第三小法廷平成23年3月22日平成21(受)747民集 第65巻2号735頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨所得税法28条1項に規定する給与等の支払をする者が,その支払を命ずる判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合であっても,上記の者は,同法183条1項所定の源泉徴収義務を負う。 (補足意見がある。)
参照法条所得税法6条,28条1項,183条1項,民事執行法25条

1 担保不動産競売事件の期間入札において,執行官が,最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し,他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合に,執行裁判所等が執るべき措置 2 担保不動産競売事件の期間入札におい…

最高裁判所第一小法廷平成22年8月25日平成22(許)2民集 第64巻5号1482頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 担保不動産競売事件の期間入札において,執行官が,最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し,他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合には,執行裁判所は,誤って最高価買受申出人と定められた者に対する売却を不許可とした上で,当初の入札までの手続を前提に改めて開札期日及び売却決定期日を定…
参照法条(1〜3につき)民事執行法64条,民事執行法188条(1につき)民事執行法69条,民事執行規則46条,民事執行規則173条1項(2につき)民事執行法74条1項(3につき)民事執行規則47条,民事執行規則173条1項

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して強制執行をしようとする場合における申立ての方法

最高裁判所第三小法廷平成22年6月29日平成21(受)1298民集 第64巻4号1235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務…
参照法条民法33条,民訴法29条,民事執行法23条3項,民事執行法25条,民事執行法27条2項,民事執行法33条,民事執行規則21条,民事執行規則23条

債権差押命令の申立書には請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って上記命令の申立てをした債権者が受けることのできる配当額の計算の基礎とすべき債権額

最高裁判所第三小法廷平成21年7月14日平成20(受)1134民集 第63巻6号1227頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権差押命令の申立書には請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って上記命令の申立てをした債権者は,計算書で請求債権中の遅延損害金を上記の確定金額として配当を受けることを求める意思を明らかにしたなどの特段の事情のない限り,計算書提出の有無を問わず,債務名義の金額に基づき,配当期…
参照法条民事執行法85条1項,民事執行法85条2項,民事執行法166条,民事執行規則60条,民事執行規則145条

1 担保不動産収益執行における担保不動産の収益に係る給付を求める権利の帰属 2 抵当不動産の賃借人が,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後に,抵当権設定登記の前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし賃料債権を受働債権とする相殺を…

最高裁判所第二小法廷平成21年7月3日平成19(受)1538民集 第63巻6号1047頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 担保不動産収益執行の管理人は担保不動産の収益に係る給付を求める権利を行使する権限を取得するにとどまり,同権利自体は,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後に弁済期の到来するものであっても,所有者に帰属する。 2 抵当不動産の賃借人は,担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後においても,抵当権設定登記の前に…
参照法条(1,2につき) 民事執行法93条,民事執行法95条,民事執行法188条,民法371条,民法505条

保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと本案訴訟の判決で判断され,仮処分命令が事情の変更により取り消された場合において,当該仮処分命令の保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,不当利得返還請求をすることができ…

最高裁判所第二小法廷平成21年4月24日平成20(受)224民集 第63巻4号765頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮処分命令における保全すべき権利が,本案訴訟の判決において,当該仮処分命令の発令時から存在しなかったものと判断され,このことが事情の変更に当たるとして当該仮処分命令を取り消す旨の決定が確定した場合には,当該仮処分命令を受けた債務者は,その保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,債権者に対して不…
参照法条民事執行法172条1項,民事保全法38条1項,民事保全法52条,民法703条

1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が解約実行請求をした場合と受益者の受益証券を販売した会社に対する一部解約金支払請求権 2 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が受益証券…

最高裁判所第一小法廷平成18年12月14日平成17(受)1461民集 第60巻10号3914頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解約実行請求は委託者又は受益証券を販売した会社に対して行うこと,委託者は受益者から解約実行請求があったときは信託契約の一部を解約し…
参照法条(1,2につき)投資信託及び投資法人に関する法律2条4項,民法127条,(2につき)民事執行法155条1項

登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売において民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に該当するための要件

最高裁判所第二小法廷平成18年10月27日平成18(許)21民集 第60巻8号3234頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売においては,その被担保債権が当該自動車に関して生じたことが主要事実として認定されている確定判決であれば,債権者による当該自動車の占有の事実が認定されていなくとも,民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に当たる。
参照法条民事執行法181条1項1号,民事執行法195条,民事執行規則176条2項,民法295条1項

譲渡担保権者の債権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を差し押さえた場合において設定者が第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることの可否

最高裁判所第二小法廷平成18年10月20日平成16(受)1641民集 第60巻8号3098頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ,その旨の登記がされたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない。
参照法条民法369条(譲渡担保),民事執行法38条1項

強制執行を受けた債務者がその請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合に執るべき手続

最高裁判所第二小法廷平成18年9月11日平成18(許)13民集 第60巻7号2622頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨強制執行を受けた債務者が,その請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合には,執行抗告又は執行異議の方法によることはできず,請求異議の訴えによるべきである。
参照法条民事執行法10条,民事執行法11条,民事執行法35条

第三債務者が仮差押命令の送達を受けた時点で仮差押えの対象となった債権の弁済のために取引銀行に対し先日付振込みの依頼をしていた場合において上記送達後にされた振込みによる弁済を仮差押債権者に対抗することの可否

最高裁判所第一小法廷平成18年7月20日平成16(受)226民集 第60巻6号2475頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者甲が債務者乙の第三債務者丙に対する金銭債権の仮差押えをした場合において,丙が,仮差押命令の送達を受けた時点で,既に当該仮差押えの対象となった債権の弁済のために取引銀行に対し他の金融機関の乙名義の預金口座に先日付振込みの依頼をしていたとしても,その振込入金が未了であったときは,丙は,人的又は時間的余裕がなく,振込依…
参照法条民法481条1項,民事保全法50条1項,民事保全法50条5項,民事執行法145条4項

委任事務終了前における委任者の受任者に対する前払費用についての返還請求権の被転付適格

最高裁判所第二小法廷平成18年4月14日平成17(許)33民集 第60巻4号1535頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨委任者が委任事務の処理のために受任者に交付した前払費用についての返還請求権は,当該委任事務の終了前においては,券面額を有するものとはいえず,被転付適格を有しない。
参照法条民事執行法159条,民法649条

差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえた債権者が先行する差押事件で実施される配当手続に参加するために執行裁判所に対して競合差押債権者の存在を認識させる措置を執るべき義務の有無

最高裁判所第一小法廷平成18年1月19日平成17(受)761民集 第60巻1号109頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえた債権者には,先行する差押事件で実施される配当手続に参加するために,自らの差押事件の執行裁判所及び先行する差押事件の執行裁判所に対し,自らの差押事件の進行について問い合わせをするなどして,競合差押債権者の存在を認識させる措置を執るべき義務はない。
参照法条民事執行法85条3項,民事執行法165条4号,民事執行法166条,民法722条

不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制決定をするために債権者において債務者の不作為義務違反の事実を立証することの要否

最高裁判所第二小法廷平成17年12月9日平成17(許)18民集 第59巻10号2889頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制決定をするには,債権者において,債務者がその不作為義務に違反するおそれがあることを立証すれば足り,債務者が現にその不作為義務に違反していることを立証する必要はない。
参照法条民事執行法172条1項

保険医療機関,指定医療機関等の指定を受けた病院又は診療所が社会保険診療報酬支払基金に対して取得する診療報酬債権と民事執行法151条の2第2項に規定する「継続的給付に係る債権」

最高裁判所第三小法廷平成17年12月6日平成17(許)19民集 第59巻10号2629頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨健康保険法上の保険医療機関,生活保護法上の指定医療機関等の指定を受けた病院又は診療所が社会保険診療報酬支払基金に対して取得する診療報酬債権は,民事執行法151条の2第2項に規定する「継続的給付に係る債権」に当たる
参照法条民事執行法151条の2,民事執行法151条,社会保険診療報酬支払基金法1条,社会保険診療報酬支払基金法15条1項,2項,健康保険法63条3項1号,健康保険法76条,国民健康保険法36条3項,国民健康保険法45条,生活保護法49条,生活保護法…

第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用

最高裁判所第二小法廷平成17年7月15日平成16(受)1611民集 第59巻6号1742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されない。
参照法条民事執行法23条,民事執行法38条1項,民訴法115条,民法33条,商法52条

1 不動産競売の入札書の入札価額欄の記載の不備と入札の効力 2 不動産競売の入札が入札書の入札価額欄の記載の不備により無効であるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成15年11月11日平成15(許)23民集 第57巻10号1524頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 不動産競売の入札の手続において,入札書の入札価額欄の記載に不備があり,同欄の記載内容からみて,入札価額が一義的に明確であると認められないときは,その入札書による入札は無効である。 2 不動産競売の入札の手続において,位ごとに区切られた入札価額欄の枠内に各位の数字を記載するものとされた入札書が用いられ,その千万から十…
参照法条民事執行法64条,民事執行法188条,民事執行規則38条2項4号,民事執行規則49条,民事執行規則173条1項

物上保証人所有の不動産を目的とする競売の開始決定の債務者への送達が債務者の所在が不明であるため公示送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷平成14年10月25日平成14(許)11民集 第56巻8号1942頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人所有の不動産を目的とする競売手続において,債務者の所在が不明であるため,開始決定の債務者への送達が公示送達によりされた場合には,民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に,被担保債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法155条,民訴法110条1項,民訴法111条,民訴法113条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告において被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることの可否

最高裁判所第一小法廷平成14年6月13日平成13(許)30民集 第56巻5号1014頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては,被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることはできない。
参照法条民事執行法145条5項,民事執行法193条,民法304条1項,民法372条

賃料債権に対する抵当権者の物上代位による差押えと当該債権への敷金の充当

最高裁判所第一小法廷平成14年3月28日平成12(受)836民集 第56巻3号689頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。
参照法条民法304条1項,民法372条,民法511条,民法619条2項,民事執行法193条

抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令の効力

最高裁判所第三小法廷平成14年3月12日平成12(受)890民集 第56巻3号555頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令は,これが第三債務者に送達される時までに抵当権者により当該債権の差押えがなされなかったときは,その効力を妨げられない。
参照法条民法304条1項,民法372条,民事執行法159条,民事執行法160条,民事執行法193条

仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行停止等がされた場合における債務者に対する破産宣告と担保の事由の消滅

最高裁判所第一小法廷平成13年12月13日平成13(許)21民集 第55巻7号1546頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行の停止又は既にした執行処分の取消しがされた場合において,債務者が破産宣告を受けたことの一事をもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない。
参照法条破産法70条1項,民訴法79条1項,民訴法259条,民訴法398条1項,民訴法400条2項,民事執行法39条1項,民事執行法40条1項

抵当権に基づき物上代位権を行使する者が債権差押事件に配当要求することにより優先弁済を受けることの可否

最高裁判所第一小法廷平成13年10月25日平成13(受)91民集 第55巻6号975頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は,他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできない。
参照法条民法304条,民法372条,民事執行法154条,民事執行法193条1項

抵当権に基づく不動産競売において抵当権の不存在又は消滅を売却許可決定に対する執行抗告の理由とすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成13年4月13日平成12(許)52民集 第55巻3号671頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権に基づく不動産競売においては,抵当権の不存在又は消滅を売却許可決定に対する執行抗告の理由とすることはできない。
参照法条民事執行法71条1号,民事執行法74条1項,民事執行法74条2項,民事執行法182条,民事執行法188条

抵当不動産の賃借人が抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって賃料債権に物上代位権の行使としての差押えをした抵当権者に対抗することの可否

最高裁判所第三小法廷平成13年3月13日平成11(受)1345民集 第55巻2号363頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は,抵当不動産の賃借人は,抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって,抵当権者に対抗することはできない。
参照法条民法304条1項,民法372条,民法505条,民事執行法193条

最先順位の抵当権者に対抗することができる賃借権により競売不動産を占有する者が当該不動産に設定された抵当権の債務者である場合における引渡命令

最高裁判所第三小法廷平成13年1月25日平成12(許)22民集 第55巻1号17頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨最先順位の抵当権者に対抗することができる賃借権により競売不動産を占有する者に対しては,この者の債務を担保するために当該不動産に設定された抵当権に基づく競売開始決定(二重開始決定を含む。)がされていた場合を除き,執行裁判所は引渡命令を発することができない。
参照法条民事執行法83条,民事執行法188条

質権が設定されている金銭債権の被転付適格

最高裁判所第二小法廷平成12年4月7日平成11(許)42民集 第54巻4号1355頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨質権が設定されている金銭債権は,券面額ある債権として被転付適格を有する。
参照法条民事執行法159条,民法362条

滞納処分による差押えがされた後強制競売等の開始決定による差押えがされるまでの間に賃借権が設定された不動産が強制競売手続等により売却された場合において右賃借権に基づく不動産の占有者に対して引渡命令を発することの可否

最高裁判所第三小法廷平成12年3月16日平成11(許)39民集 第54巻3号1116頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨滞納処分による差押えがされた後強制競売等の開始決定による差押えがされるまでの間に賃借権が設定された不動産が強制競売手続等により売却された場合に、執行裁判所は、右賃借権に基づく不動産の占有者に対し、引渡命令を発することができる。
参照法条民事執行法83条,民事執行法188条,滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律9条,滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律13条,滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律17条,滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する…

交通事故の被害者の保有者に対する損害賠償請求権が第三者に転付された場合と自動車損害賠償保障法一六条一項に基づく被害者の保険会社に対する損害賠償額支払請求権の帰すう

最高裁判所第一小法廷平成12年3月9日平成9(オ)992民集 第54巻3号960頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨交通事故の被害者の保有者に対する損害賠償請求権が第三者に転付された場合には、被害者は、転付された債権額の限度において自動車損害賠償保障法一六条一項に基づく損害賠償額の支払請求権を失う。 (補足意見及び反対意見がある。)
参照法条自動車損害賠償保障法16条1項,自動車損害賠償保障法23条の2第1項,民事執行法159条,民事執行法160条

一 貸金庫の内容物についての強制執行の可否及び方法 二 貸金庫契約上の内容物引渡請求権に係る取立訴訟における個々の動産の特定及び存在の立証の要否

最高裁判所第二小法廷平成11年11月29日平成8(オ)556民集 第53巻8号1926頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 貸金庫の内容物については、利用者の銀行に対する貸金庫契約上の内容物引渡請求権を差し押さえる方法により、強制執行をすることができる。 二 貸金庫契約上の内容物引渡請求権に係る取立訴訟においては、差押債権者は、貸金庫を特定し、それについて貸金庫契約が締結されていることを立証すれば足り、貸金庫内の個々の動産を特定してその…
参照法条民法第3編第2章契約,銀行法10条2項10号,民事執行法143条,民事執行法163条,民事執行法157条

生命保険契約の解約返戻金請求権の差押債権者がこれを取り立てるために解約権を行使することの可否

最高裁判所第一小法廷平成11年9月9日平成10(受)456民集 第53巻7号1173頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨生命保険契約の解約返戻金請求権を差し押さえた債権者は、これを取り立てるため、債務者の有する解約権を行使することができる。 (反対意見がある。)
参照法条民事執行法155条1項,商法653条,商法673条,商法683条

一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求と時効の中断 二 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消…

最高裁判所第三小法廷平成11年4月27日平成9(オ)2037民集 第53巻4号840頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、差押えに準ずるものとして、配当要求に係る債権につき時効中断の効力を生ずる。 二 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に、不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合に…
参照法条民法147条2号,民法154条,民事執行法14条民事執行法51条1項,

一 手形につき商事留置権を有する者が債務者に対する破産宣告の後に破産管財人からの手形の返還請求を拒むことの可否 二 手形につき商事留置権を有する銀行が債務者に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当す…

最高裁判所第三小法廷平成10年7月14日平成7(オ)264民集 第52巻5号1261頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 手形につき商事留置権を有する者は、債務者が破産宣告を受けた後においても、右手形を留置する権能を有し、破産管財人からの手形の返還請求を拒むことができる。 二 手形につき商事留置権を有する甲銀行が債務者乙に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当する行為は、乙が債務を履行しないと…
参照法条破産法93条,破産法95条,破産法204条,商法521条,民事執行法136条,民事執行法192条,民法91条,民法709条

一 香港高等法院がした訴訟費用の負担を命ずる裁判と民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」 二 併合請求の裁判籍が存在することを根拠に香港の裁判所に民訴法一一八条一号所定の「外国裁判所の裁判権」が認められた事例 三 司法共助に関する条約に…

最高裁判所第三小法廷平成10年4月28日平成6(オ)1838民集 第52巻3号853頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 香港高等法院がした訴訟費用負担命令並びにこれと一体を成す費用査定書及び費用証明書は、民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」に当たる。 二 甲及び甲が代表者を務める乙会社と丁との間の起訴契約に基づき、丁が丙に対して香港の裁判所に保証債務の履行を求める第一訴訟を提起したところ、丙が、第一訴訟が認容された場合に備えて…
参照法条民事執行法22条6号,民事執行法24条,民訴法7条,民訴法118条,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約,日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の領事条約

債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合における両者の優劣の判断基準

最高裁判所第一小法廷平成10年3月26日平成6(オ)1408民集 第52巻2号483頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、両者の優劣は、一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵当権設定登記の先後によって決すべきである。
参照法条民法177条,民法304条,民法372条,民事執行法145条

配当期日に配当異議の申出をしなかった一般債権者が配当を受けた他の債権者に対して不当利得返還請求をすることの可否

最高裁判所第一小法廷平成10年3月26日平成8(オ)983民集 第52巻2号513頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨配当期日において配当異議の申出をしなかった一般債権者は、配当を受けた他の債権者に対して、その者が配当を受けたことによって自己が配当を受けることができなかった額に相当する金員について不当利得返還請求をすることができない。
参照法条民法703条,民事執行法84条1項,民事執行法85条,民事執行法89条

建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に建物を譲り受けた者が賃貸人の地位の移転に伴う賃料債権の取得を差押債権者に対抗することの可否

最高裁判所第三小法廷平成10年3月24日平成7(オ)514民集 第52巻2号399頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に、建物が譲渡され賃貸人の地位が譲受人に移転したとしても、譲受人は、建物の賃料債権を取得したことを差押債権者に対抗することができない。
参照法条民事執行法145条,民事執行法151条

破産者所有の不動産に対する競売手続における交付要求に係る配当金を交付すべき相手方

最高裁判所第三小法廷平成9年11月28日平成7(オ)1937民集 第51巻10号4172頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産者所有の不動産に対する競売手続において交付要求がされたときは、交付要求に係る請求権に基づき破産宣告前に国税徴収法又は国税徴収の例による差押え又は参加差押えがされている場合を除き、交付要求に係る配当金は、破産管財人に交付すべきである。
参照法条民事執行法84条,民事執行法87条1項,民事執行法188条,破産法47条2号,破産法49条,破産法51条1項,破産法71条1項,破産法95条,国税徴収法82条

不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲

最高裁判所第一小法廷平成9年11月13日平成6(オ)2037民集 第51巻10号4107頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨滞納に係る国税の本税の金額が法定納期限後における一部納付等により減少した場合において、税務署長が、不動産競売の執行裁判所に対し、交付要求書の本税の欄に交付要求時に存在する本税の金額を記載し、延滞税の欄には具体的金額を記載せず法律による金額の交付を求める旨のみを記載して交付要求をしたときは、その効力は、交付要求時以前に消…
参照法条民事執行法49条2項,民事執行法51条1項,民事執行法87条1項,国税徴収法82条,国税徴収法施行令36条1項,国税徴収法施行規則3条1項,国税通則法60条

一 不動産の現況調査を行うに当たっての執行官の注意義務 二 執行官が現況調査を行うに当たり目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したと認められた事例

最高裁判所第三小法廷平成9年7月15日平成6(オ)548民集 第51巻6号2645頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 執行官は、現況調査を行うに当たり、通常行うべき調査方法を採らず、あるいは、調査結果の十分な評価、検討を怠るなど、その調査及び判断の過程が合理性を欠き、その結果、現況調査報告書の記載内容と目的不動産の実際の状況との間に看過し難い相違が生じた場合には、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものと…
参照法条国家賠償法1条1項,民事執行法57条

外国裁判所の判決に記載がない利息を付加して執行判決をすることができる場合

最高裁判所第二小法廷平成9年7月11日平成5(オ)1761民集 第51巻6号2530頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決に記載がない利息であっても、当該外国の法制上、判決によって支払を命じられた金員に付随して発生し、執行することができるとされている場合には、これを付加して執行判決をすることができる。
参照法条民訴法200条,民事執行法22条6号,民事執行法24条

いわゆる懲罰的損害賠償を命じた外国裁判所の判決について執行判決をすることの可否

最高裁判所第二小法廷平成9年7月11日平成5(オ)1762民集 第51巻6号2573頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨外国裁判所の判決のうち、補償的損害賠償等に加えて、見せしめと制裁のために懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分については、執行判決をすることができない。
参照法条民訴法200条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条,民法709条

一 生命保険契約の保険契約者兼保険金受取人である有限会社が意思表示の受領権限を有する者を欠く状態にある場合において保険金請求権の転付債権者に対して告知義務違反を理由とする解除の意思表示をすることの可否 二 保険会社が告知義務違反による生命保…

最高裁判所第三小法廷平成9年6月17日平成7(オ)949民集 第51巻5号2154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 有限会社を保険契約者兼保険金受取人とする生命保険契約における被保険者が死亡し、かつ、右有限会社が意思表示を受領する権限を有する者を欠く状態にある場合において、転付命令により保険金受取人の保険会社に対する生命保険金支払請求権を取得した者があるときには、保険会社は、右転付債権者に対しても告知義務違反を理由とする生命保険…
参照法条民法91条,民法540条,商法644条2項,商法678条,民事執行法159条,民事執行法160条

物上保証人に対する不動産競売事件において作成された配当表につき競売申立てに係る被担保債権の債務者が配当異議の訴えを提起することの許否

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)1014民集 第51巻2号432頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売事件において作成された配当表につき、競売申立てに係る被担保債権の債務者は、右被担保債権その他自己に対.する債権への配当額に変動を生じ得る範囲において、配当異議の訴えを提起することができる。
参照法条民事執行法89条,民事執行法90条,民事執行法188条,民訴法45条,民訴法第2編第1章訴

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成6(オ)1746民集 第51巻2号448頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払…
参照法条民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項

一 債務者複数の根抵当権についての配当金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合における被担保債権への充当方法 二 債務者複数の根抵当権についての配当金を各債務者に対する債権を担保するための部分に案分する場合において同一の目的を有する…

最高裁判所第二小法廷平成9年1月20日平成6(オ)2122民集 第51巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 不動産競売手続における債務者複数の根抵当権についての配当金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合においては、配当金を各債務者に対する債権を担保するための部分に被担保債権額に応じて案分した上、右案分額を民法四八九条ないし四九一条の規定に従って各債務者に対する被担保債権に充当すべきである。 二 不動産競売手続に…
参照法条民法398条ノ2,民法398条ノ14,民法489条,民法490条,民法491条,民事執行法85条

連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行と主債務の消滅時効の中断

最高裁判所第二小法廷平成8年9月27日平成7(オ)1914民集 第50巻8号2395頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲の債務者乙の連帯保証人である丙の債務を担保するため、丁が物上保証人となった場合において、甲が丁に対して競売を申し立て、その手続が進行することは、乙の主債務の消滅時効の中断事由に該当しない。
参照法条民法147条,民法148条,民法149条,民法153条,民法155条,民法434条,民法458条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期

最高裁判所第二小法廷平成8年7月12日平成5(オ)1788民集 第50巻7号1901頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずる。
参照法条民法147条,民法148条,民法155条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

第三者の申立てに係る不動産競売手続において抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことと右債権の残部についての時効の中断

最高裁判所第一小法廷平成8年3月28日平成4(オ)2107民集 第50巻4号1172頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨第三者の申立てに係る不動産競売手続において、抵当権者が、債権の届出をし、その届出に係る債権の一部に対する配当を受けたとしても、右配当を受けたことは、右債権の残部について、差押えその他の消滅時効の中断事由に該当せず、これに準ずる消滅時効中断の効力も有しない。
参照法条民法147条,民事執行法50条,民事執行法84条1項

借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用

最高裁判所第二小法廷平成8年1月26日平成5(オ)1054民集 第50巻1号155頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建物に対する強制競売において、借地権の存在を前提として売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、代金納付の時点において借地権が存在しなかった場合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用により、強制競売によ…
参照法条民法566条1項2項,民法568条1項2項,民事執行法60条,民事執行法62条,民事執行法79条

建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後における建物買取請求権の行使と請求異議の訴え

最高裁判所第二小法廷平成7年12月15日平成4(オ)991民集 第49巻10号3051頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地の賃借人が賃貸人から提起された建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後に建物買取請求権を行使した場合、その行使の効果は、建物収去土地明渡請求を認容する確定判決に対する請求異議の訴えにおける異議の事由となる。
参照法条借地法4条2項,民事執行法35条

物上保証人に対する不動産競売の開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

最高裁判所第三小法廷平成7年9月5日平成7(オ)374民集 第49巻8号2784頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合には、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、右正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずる。
参照法条民法147条,民法148条,民法155条,民訴法172条,民訴法173条,民事執行法45条2項,民事執行法188条

配当表に債権者として記載されていない者と配当異議の訴えの原告適格

最高裁判所第一小法廷平成6年7月14日平成2(オ)1128民集 第48巻5号1109頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨配当表に債権者として記載されていない者は、配当異議の訴えの原告適格を有しない。
参照法条民事執行法85条,民事執行法89条,民事執行法90条,民訴法45条

仮差押解放金の供託による仮差押えの執行の取消しと時効中断の効力

最高裁判所第三小法廷平成6年6月21日平成2(オ)1211民集 第48巻4号1101頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押解放金の供託により仮差押えの執行が取り消された場合においても、なお継続する。
参照法条民法147条2号,民法157条1項,民事執行法(平成元年法律第91号による改正前のもの)179条,民事保全法51条

甲乙の共有に属する土地建物のうち土地の甲の持分の強制競売と法定地上権

最高裁判所第一小法廷平成6年4月7日平成4(オ)98民集 第48巻3号889頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨土地及びその上にある建物が甲乙の共有に属する場合において、土地についての甲の持分が強制競売によって売却され、丙がその持分を取得しても、民事執行法八一条の規定に基づく地上権は成立しない。
参照法条民事執行法81条

民事執行法一八四条の適用と競売不動産の所有者が不動産競売手続上当事者として扱われたことの要否

最高裁判所第三小法廷平成5年12月17日平成2(オ)444民集 第47巻10号5508頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨民事執行法一八四条を適用するためには、競売不動産の所有者がたまたま不動産競売手続が開始されたことを知り、その停止申立て等の措置を講ずることができたというだけでは足りず、所有者が不動産競売手続上当事者として扱われたことを要する。
参照法条民事執行法184条

動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使としての債権の差押命令の申立てと他の債権者による債権差押事件の配当手続における優先弁済

最高裁判所第三小法廷平成5年3月30日昭和63(オ)1453民集 第47巻4号3300頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨動産売買の先取特権に基づく物上代位権を有する債権者甲が、物上代位の目的たる債権につき仮差押えをした後、右債権につき債権者乙による差押えがあつたため第三債務者が民事執行法(平成元年法律第九一号による改正前のもの)一五六条二項、一七八条五項に基づく供託をした場合において、甲が右供託前に更に物上代位権の行使として右債権の差押…
参照法条民事執行法154条1項1165条1号,民事執行法193条1項

家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合と新訴の取扱い

最高裁判所第一小法廷平成5年2月18日平成3(オ)131民集 第47巻2号632頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合には、民訴法三〇条一項により、新訴を管轄裁判所に移送すべきである。
参照法条民訴法30条1項,民訴法232条,民事執行法33条2項,民事執行法35条

検察官が訴訟費用の裁判の執行のため発した徴収命令に対する請求異議の訴えの許否

最高裁判所第二小法廷平成4年7月17日平成3(オ)1925民集 第46巻5号538頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨検察官が訴訟費用の裁判の執行のため発した徴収命令に対し、請求異議の訴えによってその効力を争うことは許されない。
参照法条民事執行法35条1項,刑訴法490条,刑訴法502条,刑訴法504条

債権又は優先権を有しないのに配当を受けた債権者に対する抵当権者からの不当利得返還請求の可否

最高裁判所第二小法廷平成3年3月22日平成2(オ)1820民集 第45巻3号322頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権者は、債権又は優先権を有しないのに配当を受けた債権者に対して、その者が配当を受けたことによって自己が配当を受けることができなかった金銭相当額の金員の返還を請求することができる。
参照法条民法703条,民事執行法84条1項,民事執行法85条,民事執行法89条

不動産競売手続において国税徴収法二二条五項の交付要求をすべき時期

最高裁判所第一小法廷平成2年6月28日昭和63(オ)35民集 第44巻4号785頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産競売手続において、国税徴収法二二条五項に基づく交付要求により配当を受けるためには、配当要求の終期までにこれをしなければならない。
参照法条国税徴収法22条,国税徴収法82条,民事執行法49条,民事執行法87条1項,民事執行法188条

不動産強制競売手続において抵当権者がする債権の届出と時効の中断

最高裁判所第二小法廷平成元年10月13日平成1(オ)653民集 第43巻9号985頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しない。
参照法条民法147条,民法149条,民法152条,民事執行法50条

競売手続において抹消された所有権に関する仮登記の権利者かち仮登記の後に登記を経由した抵当権者に対する代価の不当利得返還請求の可否

最高裁判所第一小法廷昭和63年12月1日昭和61(オ)532民集 第42巻10号719頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨先に登記を経由した抵当権者に対抗することができないために競売手続において抹消された所有権に関する仮登記の権利者は、仮登記の後に登記を経由した抵当権者に対して、不当利得を理由として、その者が交付を受けた代価の返還を請求することはできない。
参照法条民法703条,競売法33条,民事執行法84条,民事執行法188条,不動産登記法105条1項,不動産登記法146条1項,仮登記担保契約に関する法律15条2項

第三者所有の不動産に設定された抵当権が不存在であるにもかかわらず右抵当権の実行により債権者に対してされた弁済金の交付と不当利得の成否

最高裁判所第二小法廷昭和63年7月1日昭和62(オ)1057民集 第42巻6号477頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者が第三者所有の不動産の上に設定を受けた抵当権が不存在である.にもかかわらず、右抵当権の実行により第三者が不動産の所有権を喪失したときは、第三者は、売却代金から弁済金の交付を受けた右債権者に対し不当利得返還請求権を有する。
参照法条民法703条,民事執行法84条,民事執行法184条,民事執行法188条

不動産競売手続における配当金が同一担保権者の有する数個の被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合と弁済充当の方法

最高裁判所第二小法廷昭和62年12月18日昭和62(オ)893民集 第41巻8号1592頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産競売手続における配当金が同一担保権者の有する数個の被担保債権のすべてを消滅させるに足りない場合には、弁済充当の指定に関する特約があつても、その配当金は、民法四八九条ないし四九一条の規定に従つて右数個の債権に充当される。
参照法条民法488条,民法489条,民法490条,民法491条,民事執行法85条,民事執行法188条

一 遺言執行者がある場合と遺贈の目的物についての受遺者の第三者に対する権利行使 二 民法一〇一三条に違反してされた相続人の処分行為の効力 三 遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前と民法一〇一三条にいう「遺言執行者がある場合」

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月23日昭和61(オ)264民集 第41巻3号474頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 遺言者の所有に属する特定の不動産の受遺者は、遺言執行者があるときでも、所有権に基づき、右不動産についてされた無効な抵当権に基づく担保権実行としての競売手続の排除を求めることができる。 二 遺言執行者がある場合には、相続人が遺贈の目的物についてした処分行為は無効である。 三 遺言執行者として指定された者が就職を承諾す…
参照法条民法1012条,民法1013条,民事執行法38条,民事執行法194条

一 仮登記担保権者が仮登記担保契約に関する法律五条一項所定の通知をしなかつた場合における当該後順位担保権者に対する仮登記に基づく本登記承諾請求の許否 二 仮登記担保の目的不動産の競売による売却代金で後順位担保権者の被担保債権に優先する債権等…

最高裁判所第二小法廷昭和61年4月11日昭和58(オ)1202民集 第40巻3号584頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 仮登記担保権者は、仮登記担保契約に関する法律二条一項所定の債務者又は第三者に対する通知をし、その到達の日から二月の清算期間を経過したのちであつても、同法五条一項所定の通知をしていない後順位担保権者に対しては仮登記に基づく本登記の承諾請求をすることはできない。 二 仮登記担保の目的不動産の競売による売却代金で共益費用…
参照法条仮登記担保契約に関する法律2条1項,仮登記担保契約に関する法律5条1項,不動産登記法105条1項,不動産登記法146条1項,民事執行法63条1項

一 先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押又は仮差押の執行をしたのちの先取特権者による物上代位権の行使 二 優先権を有する債権者の得た転付命令が第三債務者に送達される時までに転付命令に係る金銭債権について他の…

最高裁判所第二小法廷昭和60年7月19日昭和58(オ)1548民集 第39巻5号1326頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押又は仮差押の執行をしたにすぎないときは、そののちに先取特権者が右債権に対し物上代位権を行使することを妨げない。 二 転付命令が第三債務者に送達される時までに転付命令に係る金銭債権について他の債権者が差押、仮差押の執行又は配当要求をした場合でも、転…
参照法条民法304条1項但書,民事執行法90条,民事執行法143条,民事執行法156条2項,民事執行法159条3項,民事執行法178条

動産執行による時効中断の効力発生時期

最高裁判所第三小法廷昭和59年4月24日昭和57(オ)727民集 第38巻6号687頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨動産執行による金銭債権の消滅時効中断の効力は、債権者が執行官に対しその執行の申立をした時に生ずる。
参照法条民法147条,民事執行法2条,民事執行法122条1項

抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者と施行者に対する右清算金支払請求の可否

最高裁判所第一小法廷昭和58年12月8日昭和56(オ)283民集 第37巻10号1517頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者は、抵当権者が物上代位のための差押をする前に右命令を得たとしても、抵当権者から供託しなくてもよい旨の申出がない限り、施行者に対し右清算金の支払を請求することができない。
参照法条民法304条,民法371条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)601条,民事執行法160条,土地区画整理法112条1項

一 民訴法二〇〇条四号所定の「相互ノ保証アルコト」の意義 二 民訴法二〇〇条三号の規定と外国裁判所の判決の成立についての公序良俗違反

最高裁判所第三小法廷昭和58年6月7日昭和57(オ)826民集 第37巻5号611頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 民訴法二〇〇条四号所定の「相互ノ保証アルコト」とは、当該判決をした外国裁判所の属する国において、右判決と同種類の我が国の裁判所の判決が同条各号所定の条件と重要な点で異ならない条件のもとに効力を有するものとされていることをいうものと解すべきである。 二 民訴法二〇〇条三号の規定は、外国裁判所の判決の内容のほかその成立…
参照法条民事執行法24条,民訴法200条3号,民訴法200条4号

競売手続停止の仮処分に違反してされた競売手続の完了と競落不動産についての競落人の所有権の取得

最高裁判所第二小法廷昭和57年9月10日昭和56(オ)553民集 第36巻8号1620頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨競売手続停止の仮処分に違反して競売手続が続行された場合であつても、競落代金が支払われて競売手続が完了したときは、仮処分債権者は、競落不動産についての競落人の所有権の取得を否定することができない。
参照法条競売法2条1項,競売法33条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)550条,民事執行法79条,民事執行法183条,民事執行法188条

執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合と裁判所のとるべき措置

最高裁判所第一小法廷昭和57年7月19日昭和57(ク)100民集 第36巻6号1229頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合には、これを受理した裁判所は、民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、執行抗告を不適法として却下すべきである。
参照法条民事執行法10条2項,民訴法30条

白地手形による手形金請求を棄却する判決の確定後に白地部分を補充して手形上の権利の存在を主張することの許否

最高裁判所第三小法廷昭和57年3月30日昭和54(オ)110民集 第36巻3号501頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨白地手形の所持人は、手形金請求の前訴において、事実審口頭弁論終結前に白地補充権を行使しえたのにこれを行使しないため手形要件を欠くとして請求棄却の判決を受け、これが確定したときは、特段の事情のない限り、その後に白地部分を補充しても、後訴において手形上の権利の存在を主張することは許されない。
参照法条手形法10条,手形法77条2項,民訴法199条1項,民訴法545条2項(昭和54年法律第4号による改正前のもの),民事執行法35条2項

不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が実体的権利関係に適合しないことにより自己の権利を害される者が強制執行法上の手続による救済を求めることを怠つた場合と国に対する損害賠償請求の可否

最高裁判所第三小法廷昭和57年2月23日昭和52(オ)1155民集 第36巻2号154頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が関係人間の実体的権利関係に適合しない場合において、右処分により自己の権利を害される者が、強制執行法上の手続による救済を求めることを怠り、このために損害を被つたときは、執行裁判所みずからその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合でない限り、その賠償を国に対して請求すること…
参照法条国家賠償法1条1項,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,民事執行法38条1項

一 譲渡担保権者と第三者異議の訴え 二 譲渡担保権者が目的物件につき自己の債権者のために更に譲渡担保権を設定した場合と第三者異議の訴え

最高裁判所第一小法廷昭和56年12月17日昭和53(オ)1463民集 第35巻9号1328頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 譲渡担保権者は、特段の事情がない限り、第三者異議の訴えによつて目的物件に対し譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行の排除を求めることができる。 二 譲渡担保権者は、目的物件につき自己の債権者のために更に譲渡担保権を設定したのちにおいても、第三者異議の訴えによつて目的物件に対し原譲渡担保権設定者の一般債権者がした…
参照法条民法369条(譲渡担保),民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,民事執行法38条1項

債権者の代理人が本人としてした作成嘱託に基づき作成された公正証書の効力

最高裁判所第三小法廷昭和56年3月24日昭和53(オ)203民集 第35巻2号254頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨債権者の代理人が本人としてした作成嘱託に基づき作成された公正証書は、債務名義としての効力がない。 (反対意見がある。)
参照法条公証人法2条,公証人法32条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)559条3号,民事執行法22条

自動車損害賠償保障法三条の規定による損害賠償請求権を執行債権とする転付命令と右損害賠償義務の履行によつて発生すべき同法一五条所定の自動車損害賠償責任保険金請求権の被転付適格

最高裁判所第三小法廷昭和56年3月24日昭和53(オ)880民集 第35巻2号271頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自動車損害賠償保障法三条の規定による損害賠償請求権を執行債権とし、右損害賠償義務の履行によつて発生すべき同法一五条所定の自動車損害賠償責任保険金請求権につき転付命令が申請された場合には、右保険金請求権は、券面額ある債権として被転付適格を有する。
参照法条民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)601条,自動車損害賠償保障法15条,民事執行法159条

最高裁 / 刑集登載3件

刑法96条の2にいう「強制執行」と民事執行法1条所定の「担保権の実行としての競売」

最高裁判所第一小法廷平成21年7月14日平成19(あ)2355刑集 第63巻6号613頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨刑法96条の2にいう「強制執行」には,民事執行法1条所定の「担保権の実行としての競売」が含まれる。
参照法条刑法96条の2,民事執行法1条

民事執行法上の競売手続により宅地又は建物を買い受ける行為と宅地建物取引業法2条2号にいう宅地又は建物の「売買」

最高裁判所第二小法廷平成16年12月10日平成16(あ)1065刑集 第58巻9号1061頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨民事執行法上の競売手続により宅地又は建物を買い受ける行為は,宅地建物取引業法2条2号にいう宅地又は建物の「売買」に当たる。
参照法条宅地建物取引業法2条2号,宅地建物取引業法12条1項,宅地建物取引業法79条2号,民事執行法第2章第2節第1款第2目 強制競売,民事執行法188条

不動産競売についての予納金及び登録免許税の納付による支出と所得税法上の必要経費

最高裁判所第一小法廷昭和59年3月6日昭和57(あ)166刑集 第38巻5号1921頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨不動産競売についての予納金及び登録免許税の納付による支出は、所得税法上の必要経費にあたらない。
参照法条所得税法35条,所得税法37条1項,競売法33条2項(昭和54年法律4号により廃止),民事執行法14条,民事執行法42条,民事執行法194条

最高裁 / 裁判集登載41件

子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例

最高裁判所第三小法廷令和4年11月30日令和3(許)17集民 第269号71頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して子を母に引き渡すよう命ずる審判の確定から約2か月の間に2回にわたり子が母に引き渡されることを拒絶する言動をしたにとどまるなど判示の事実関係の下では、子の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ子の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる父の行為を具体的に想定することは困難である…
参照法条民法1条3項、民事執行法172条1項、民事執行法174条1項2号

ハーグ条約実施法134条に基づく間接強制の方法による子の返還の強制執行の申立てが不適法であるとされた事例

最高裁判所第三小法廷令和4年6月21日令和3(許)8集民 第268号295頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ハーグ条約実施法134条に基づき子の返還を命ずる終局決定を債務名義としてされた間接強制の方法による子の返還の強制執行の申立ては、当該申立ての後に当該終局決定を債務名義とする子の返還の代替執行により子の返還が完了したという事実関係の下においては、不適法である。
参照法条国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(ハーグ条約実施法)134条、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(ハーグ条約実施法)136条、民事執行法172条1項

担保不動産競売の手続において最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し他の買受申出人が民事執行法188条において準用する同法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることの許否

最高裁判所第二小法廷令和2年9月2日令和2(ク)275集民 第264号51頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨担保不動産競売の手続において,最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し,他の買受申出人は,特段の事情のない限り,民事執行法188条において準用する同法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることはできない。
参照法条民事執行法65条1号,民事執行法71条4号イ,民事執行法74条1項,民事執行法188条

共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく潮受堤防排水門の開門請求を認容する判決が確定した後,当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時に存在した共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権が消滅したことのみでは当該確定判決に対する請求異議…

最高裁判所第二小法廷令和元年9月13日平成30(受)1874集民 第262号89頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨共同漁業権から派生する漁業行使権(漁業法8条1項の漁業を営む権利)に基づく潮受堤防排水門の開門請求を認容する判決が確定した後,当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時に存在した共同漁業権の存続期間の経過により同共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権が消滅したとしても,当該確定判決が,その主文から,同存続期間の…
参照法条民事執行法35条1項,漁業法8条1項,漁業法21条1項

子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成31年4月26日平成30(許)13集民 第261号247頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して長男A,二男B及び長女Cを母に引き渡すよう命ずる審判を債務名義とするAの引渡しについての間接強制の申立ては,次の(1),(2)など判示の事情の下では,権利の濫用に当たる。 (1) 上記審判を債務名義とする引渡執行の際,B及びCが母に引き渡されたにもかかわらず,A(当時9歳3箇月)については,…
参照法条民法1条3項,民法414条1項,民法766条1項,家事事件手続法75条,家事事件手続法154条3項,民事執行法172条1項

仮処分決定により干拓地の潮受堤防の排水門を開放してはならない旨の義務を負った者が第三者の提起した訴訟の確定判決により上記排水門を開放すべき義務を負っているという事情がある場合における上記仮処分決定に基づく間接強制決定の許否

最高裁判所第二小法廷平成27年1月22日平成26(許)26集民 第249号67頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨仮処分決定により干拓地の潮受堤防の排水門を開放してはならない旨の義務を負った者が第三者の提起した訴訟の確定判決により上記排水門を開放すべき義務を負っているという事情があっても,執行裁判所は上記仮処分決定に基づき間接強制決定をすることができる。
参照法条民事執行法172条1項,民事保全法52条

確定判決により干拓地の潮受堤防の排水門を開放すべき義務を負った者が第三者の申立てに基づく仮処分決定により上記排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情がある場合における上記確定判決に基づく間接強制決定の許否

最高裁判所第二小法廷平成27年1月22日平成26(許)17集民 第249号43頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨確定判決により干拓地の潮受堤防の排水門を開放すべき義務を負った者が第三者の申立てに基づく仮処分決定により上記排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情があっても,執行裁判所は上記確定判決に基づき間接強制決定をすることができる。
参照法条民事執行法172条1項

不動産強制競売事件の期間入札において,執行官が無効な入札をした者を最高価買受申出人と定めたとして売却不許可決定がされ,これが確定した場合に,当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法がないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成26年11月4日平成26(許)15集民 第248号39頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産強制競売事件の期間入札において,最高の価額で買受けの申出をしたAの入札が無効であるのに,執行官がこれを誤って有効と判断しAを最高価買受申出人と定めたため,執行裁判所がAに対する売却不許可決定をし,これが確定した場合に,①上記期間入札において入札をしたのはAとBのみであった,②Bは,上記売却不許可決定の確定後,なお…
参照法条民事執行法64条,民事執行法69条,民事執行法71条7号,民事執行規則46条

監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成25年3月28日平成24(許)41集民 第243号261頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の頻度等につき1箇月に2回,土曜日又は日曜日に1回につき6時間とする旨定められているが,子の引渡しの方法については何ら定められていないなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記審判に基づ…
参照法条民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項

非監護親と子が面会交流をすることを定める調停調書に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例

最高裁判所第一小法廷平成25年3月28日平成24(許)47集民 第243号271頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨非監護親と監護親との間において非監護親と子が面会交流をすることを定める調停が成立した場合において,調停調書に次の(1),(2)のとおり定められているなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記調停調書に基づき監護親に対し間接強制決定をすることはできない。 (1) 面会交流は,2箇月に…
参照法条民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)21条1項ただし書,家事事件手続法75条,家事事件手続法268条1項,民事執行法172条1項

賃料債権の差押えの効力発生後に賃貸借契約がその目的物の賃借人への譲渡により終了した場合において,その後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることの可否

最高裁判所第三小法廷平成24年9月4日平成22(受)1280集民 第241号63頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨賃貸人が賃借人に賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は,その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても,賃貸人と賃借人との人的関係,当該建物を譲渡するに至った経緯及び態様その他の諸般の事情に照らして,賃借人において賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の…
参照法条民事執行法145条,民事執行法151条

普通預金債権のうち差押命令送達時後同送達の日から起算して1年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分を差押債権として表示した債権差押命令の申立てが,差押債権の特定を欠き不適法であるとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成24年7月24日平成24(許)1集民 第241号29頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨普通預金債権のうち差押命令送達時後同送達の日から起算して1年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分を差押債権として表示した債権差押命令の申立ては,第三債務者において,特定の普通預金口座への入出金を自動的に監視し,常に預金残高を一定の金額と比較して,これを上回る部分についてのみ払戻請求に応ずることを可能とするシ…
参照法条民事執行法143条,民事執行規則133条2項

民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売と民事執行法59条及び63条の準用の有無

最高裁判所第三小法廷平成24年2月7日平成23(許)31集民 第240号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売については,民事執行法59条及び63条が準用される。 (補足意見がある。)
参照法条民事執行法59条,民事執行法63条,民事執行法188条,民事執行法195条,民法258条2項

抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することの可否

最高裁判所第二小法廷平成23年1月21日平成21(受)729集民 第236号27頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗すること…
参照法条民法163条,民法601条,民法605条,民事執行法59条1項,民事執行法59条2項,国税徴収法124条1項

同順位の根抵当権者の1人が提出した不動産競売事件の申立書の被担保債権及び請求債権の部分における「金8億円 但し,債権者が債務者に対して有する下記債権のうち,下記記載の順序にしたがい上記金額に満つるまで。」との記載が被担保債権の一部について担…

最高裁判所第一小法廷平成17年11月24日平成15(受)278集民 第218号517頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同順位の根抵当権者の1人が提出した不動産競売事件の申立書の被担保債権及び請求債権の部分における「金8億円 但し,債権者が債務者に対して有する下記債権のうち,下記記載の順序にしたがい上記金額に満つるまで。」との記載は,これに続けて8億円を超える7件の手形貸付に係る債権が記載されていること,同申立書の添付資料である不動産登…
参照法条民事執行法180条,民事執行規則(平成15年最高裁判所規則第22号による改正前もの)170条

根抵当権者が競売の申立ての際に提出した当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されている登記簿謄本とみなされる登記事項証明書と民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書

最高裁判所第二小法廷平成17年11月11日平成17(許)22集民 第218号433頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨根抵当権者が競売の申立ての際に提出した登記簿謄本とみなされる登記事項証明書に,当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されていても,同登記事項証明書は,民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書に当たる。
参照法条民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号,民法179条1項,民法369条(譲渡担保),民法398条の2,旧不動産登記法(平成16年法律第123号による改正前のもの)151条ノ4

配当異議の訴えにおいて競売申立書の被担保債権の記載と異なる真実の権利関係に即した配当表への変更を求めるための要件

最高裁判所第一小法廷平成15年7月3日平成14(受)1873集民 第210号217頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨配当異議の訴えにおいて,競売申立書における被担保債権の記載が錯誤,誤記等に基づくものであること及び真実の被担保債権の額が立証されたときは,真実の権利関係に即した配当表への変更を求めることができる。
参照法条民事執行法90条 ,民事執行法188条,民事執行規則60条,民事執行規則170条2号,民事執行規則170条4号,民事執行規則173条1項

支払保証委託契約を締結する方法により強制執行停止の担保を立てた場合において同契約締結の際にされた定期預金の払戻請求権に対して転付命令を得た同契約の当事者以外の第三者が担保の取消しの申立てをすることの許否

最高裁判所第二小法廷平成15年3月14日平成14(許)32集民 第209号247頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨支払保証委託契約を締結する方法により強制執行停止の担保を立てた場合において,委託者が同契約締結の際にした定期預金の払戻請求権に対して転付命令を得た同契約の当事者以外の第三者は,当該担保の取消しの申立てをすることができない。
参照法条民訴法76条,民訴法79条,民訴法398条1項,民訴法400条2項,民訴規則29条,民事執行法159条

仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止のために担保が立てられた場合における債務者に対する破産宣告と担保の事由の消滅

最高裁判所第二小法廷平成14年4月26日平成14(許)1集民 第206号401頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止のために担保が立てられた場合において,債務者が破産宣告を受けたことの一事をもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない。
参照法条破産法70条1項,民訴法79条1項,民訴法259条,民訴法398条1項,民訴法400条2項,民事執行法39条1項

不動産,船舶,動産及び債権以外の財産権に対する強制執行において財産権の価額を0円と定めた譲渡命令を発することの許否

最高裁判所第二小法廷平成13年2月23日平成12(許)39集民 第201号217頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産,船舶,動産及び債権以外の財産権に対する強制執行において財産権の価額を0円と定めた譲渡命令を発することは許されない。
参照法条民事執行法161条1項,民事執行法167条1項

不動産競売手続における建物の買受人が民法九四条二項、一一〇条の法意により建物所有権を取得してもその敷地の賃借権を取得しないとされた事例

最高裁判所第三小法廷平成12年12月19日平成11(受)1197集民 第200号257頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨土地賃借人甲が右土地上に乙名義で建築確認申請をして建物を建築し、乙名義での家屋補充課税台帳への登録を事後的に承認していたところ、乙が甲に無断で建物につき所有権保存登記を経由した上、右登記を過失なく信頼した丙との間で抵当権設定契約を締結した場合において、右抵当権に基づく不動産競売手続により建物を買い受けた丁は、民法九四条…
参照法条民法87条2項,民法94条2項,民法110条,民法370条,民事執行法79条

競売の対象とされた土地上に競売対象外の建物等が存在する場合に右土地の引渡命令を発付することの許否

最高裁判所第三小法廷平成11年10月26日平成11(許)25集民 第194号925頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨競売の対象とされた土地上に競売の対象とはされていない建物等が存在する場合であっても、右土地の引渡命令を発付することは許される。
参照法条民事執行法83条

同一の申立てに係る複数の不動産の競売における先行する配当手続で国税徴収法26条の規定による調整が行われた場合において配当を受けることができなかった国税,地方税等を後行の配当手続で私債権に優先するものとして取り扱うことの可否

最高裁判所第一小法廷平成11年4月22日平成8(オ)999集民 第193号141頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同一の申立てに係る複数の不動産の競売で不動産が順次売却されて配当手続が数次に及び,先行する配当手続で国税徴収法26条の規定による調整が行われた場合において,私債権に優先するものとして国税及び地方税等に充てるべき金額の総額を決定するために用いられながら配当を受けることができなかった国税,地方税等は,後行の配当手続において…
参照法条民事執行法84条,民事執行法85条,国税徴収法8条,国税徴収法16条,国税徴収法26条

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

最高裁判所第一小法廷平成9年7月17日平成5(オ)342集民 第183号995頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払…
参照法条民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項

債権執行による差押えと物上代位権の行使としての差押えとが競合した場合において双方の差押債権者に対し二重に弁済をした第三債務者の不当利得返還請求権

最高裁判所第三小法廷平成9年2月25日平成5(オ)1612集民 第181号313頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨同一の債権につき、甲の強制執行による差押えと乙の物上代位権の行使としての差押えとが競合した場合に、甲乙に対し二重に弁済をした第三債務者は、甲に対し不当利得として右弁済金の返還を請求することができる。
参照法条民法481条,民法703条,民事執行法145条,民事執行法155条1項,民事執行法193条

民事執行法九〇条六項にいう執行裁判所に対する配当異議の訴えを提起したことの証明

最高裁判所第三小法廷平成6年12月6日平成6(オ)1024集民 第173号481頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民事執行法九〇条六項にいう執行裁判所に対する配当異議の訴えを提起したことの証明は、配当異議の届出をした者が、自らの責任において、法定の期間内に右訴えを提起したことを執行裁判所に対してすることが必要であり、その趣旨を明示することなく、別件訴訟のために提出する旨を述べて、右訴えを提起した旨の届出書を民事訟廷事務室に提出する…
参照法条民事執行法90条6項

記載内容が事実に合致しないため公正証書が無効とされた事例

最高裁判所第三小法廷平成6年4月5日平成2(オ)53集民 第172号201頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨公正証書には、昭和六一年二月一三日に二〇〇〇万円を貸し付けたと記載されているが、実際には、同年二月五日から三月一九日まで(二月一三日を除く。)の間に七回にわたり合計七七八万円余の消費貸借、準消費貸借契約を締結し、公正証書作成日である三月二二日ころ債権者が債務者に対し、右各債権を含め将来二〇〇〇万円の限度で逐次貸し付ける…
参照法条民事執行法22条

連帯債務者の一部の者に対する債権の転付とその余の連帯債務者に対する債権の移転の有無

最高裁判所第二小法廷平成3年5月10日平成2(オ)1330集民 第163号37頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨連帯債務者の一部の者に対する債権が転付命令によって第三者に移転したとしても、その余の連帯債務者に対する債権は移転しない。
参照法条民法432条,民法440条,民事執行法159条,民事執行法160条

一 給与支給機関が地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づき地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の給与から貸付金残額を控除して右組合に払い込む行為と破産法七二条二号による否認 二 給与支給機関が地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づ…

最高裁判所第三小法廷平成2年10月2日昭和59(オ)454集民 第161号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 給与支給機関が、地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づき、地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の給与から未返済の貸付金に相当する金額を控除してこれを右組合に払い込む行為は、破産法七二条二号による否認の対象となる。 二 給与支給機関が、地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づき、地方公務員共済組合の組合員であ…
参照法条地方公務員等共済組合法115条2項,破産法72条2号,民事執行法152条2項

競売申立債権者の抵当権又はその被担保債権の消滅と配当異議の訴えの原因

最高裁判所第一小法廷平成元年6月1日昭和63(オ)1248集民 第157号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨競売申立債権者の抵当権又はその被担保債権が配当期日までに消滅したときは、これをもつて配当異議の訴えの原因とすることができる。
参照法条民事執行法84条4項,民事執行法89条,民事執行法90条,民事執行法183条,民事執行法184条

執行不能を条件とする代償請求が将来の給付の訴えとしての訴訟要件を欠くとされた事例

最高裁判所第二小法廷昭和63年10月21日昭和60(オ)522集民 第155号55頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨株式譲渡承認の申請手続と右承認を条件とする株券の指図による占有移転を命ずる判決の執行不能を条件とする代償請求は、将来の給付の訴えとしての訴訟要件を欠く。
参照法条民訴法226条,民事執行法31条2項

民事執行法八三条による引渡命令の裁判と憲法三二条、八二条

最高裁判所第三小法廷昭和63年10月6日昭和63(ク)304集民 第155号1頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民事執行法八三条による引渡命令の裁判は、憲法三二条、八二条に違反しない。
参照法条民事執行法83条,憲法32条,憲法82条

物上代位権の行使としての債権差押えと被差押債権の消滅時効中断の有無

最高裁判所第二小法廷昭和63年7月15日昭和60(オ)977集民 第154号333頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨抵当権者が物上代位権の行使として債務者の有する債権を差し押さえても、被差押債権の消滅時効は中断されない。
参照法条民法147条2号,民法304条,民法372条,民事執行法145条,民事執行法193条

不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡した場合と引渡命令の相手方が右買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおける異議の事由

最高裁判所第一小法廷昭和63年2月25日昭和62(オ)491集民 第153号443頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡したとしても、引渡命令の相手方は、右買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおいて、右譲渡の事実をもつて異議の事由とすることはできない。
参照法条民事執行法35条,民事執行法83条1項

裁判上の和解調書に基づく強制執行が権利の濫用に当たらないものとされた事例

最高裁判所第一小法廷昭和62年7月16日昭和59(オ)1368集民 第151号423頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨甲.乙間に土地の境界をめぐる紛争があり、乙が建築しようとした建物についての甲の申請にかかる建築工事禁止仮処分事件で甲・乙間に裁判上の和解が成立した場合において、右和解の趣旨.目的が、右仮処分申請当時、建築工事中の右建物の一部が甲主張の境界線を若干越えていたが、既に基礎工事が完成していたところから、既存の工事部分をできる…
参照法条民事執行法35条,民法1条2項,民法1条3項

供託官が供託金取戻請求権についてされた無効な転付命令を有効なものと誤信して右転付命令取得者に供託元利金の払渡をした場合と民法七〇七条一項の類推適用の有無

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月16日昭和61(オ)625集民 第150号705頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨供託官が供託金取戻請求権についてされた無効な転付命令を有効なものと誤信して転付命令取得者に供託元利金の払渡しをした場合において、右転付命令取得者が当該転付命令の執行債権につき証書の毀滅、担保の放棄等の事由を生じさせたとしても、右払渡しに係る供託元利金の不当利得返還請求権について民法七〇七条一項を類推適用すべきものではな…
参照法条民法707条1項,民事執行法160条

動産売買の先取特権に基づく物上代位権を有する債権者が自ら目的債権を強制執行によつて差し押さえたときに競合する差押債権者等がある場合と優先弁済を受ける方法

最高裁判所第一小法廷昭和62年4月2日昭和60(オ)232集民 第150号575頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨動産売買の先取特権に基づく物上代位権を有する債権者は、自ら目的債権を強制執行によつて差し押さえても、他に競合する差押債権者等がある場合は、配当要求の終期までに、担保権を証する文書を提出して、先取特権に基づく配当要求又はこれに準ずる先取特権行使の申出をしなければ、優先弁済を受けることができない。
参照法条民法304条,民事執行法143条,民事執行法154条,民事執行法165条,民事執行法193条

他人名義で根抵当権設定登記を有する債権者が抵当不動産の譲渡後に開始された不動産競売事件において配当を受けることの可否

最高裁判所第一小法廷昭和59年12月20日昭和58(オ)1044集民 第143号467頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨債権者甲が債務者乙から根抵当権の設定を受けた場合であつても、右の根抵当権につき他人名義で登記を有するにすぎないときは、甲は、乙が丙に対し当該不動産を譲渡し所有権移転登記を了したのちに第三者が当該不動産につき申し立てた不動産競売事件において、右の根抵当権を主張して配当を受けることはできない。
参照法条民法177条,競売法33条2項,民事執行法87条,民事執行法188条

民事執行法一〇条一項、一一条、一二条一項と憲法三二条

最高裁判所第一小法廷昭和58年7月7日昭和58(ク)149集民 第139号269頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民事執行法一一条の執行異議申立棄却の決定に対し即時抗告による不服申立の方法を認めるかどうかは、立法政策の問題に帰着し、同法一〇条一項、一二条一項が憲法三二条に違反するかどうかの問題を生じない。
参照法条憲法32条,民事執行法10条1項,民事執行法11条,民事執行法12条1項

譲渡担保権者と第三者異議の訴え

最高裁判所第一小法廷昭和58年2月24日昭和57(オ)1322集民 第138号229頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨譲渡担保権者は、特段の事情がない限り、目的物件に対し民事執行法一二二条の規定により譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行につき、第三者異議の訴えによつてその排除を求めることができる。
参照法条民法369条(譲渡担保),民事執行法38条1項,民事執行法122条

執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合と裁判所のとるべき措置

最高裁判所第三小法廷昭和57年7月20日昭和57(ク)138集民 第136号745頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合には、これを受理した裁判所は、民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、執行抗告を不適法として却下すべきである。
参照法条民事執行法10条2項,民訴法30条

最高裁1件

既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担

最高裁判所第一小法廷平成29年7月20日平成29(許)1第71巻6号952頁
裁判要旨既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は,執行裁判所が,民事執行法20条において準用する民訴法73条の規定に基づいて定めるべきである。
参照法条民事執行法20条,民事執行法42条1項,民訴法62条,民訴法73条