会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-04

第309条株主総会の決議

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原文整理テーマ別まとめ
株主総会の決議ルールステップ 2 / 5 当日の決議要件過半数か、3分の2か。どの議題がどの区分か定款の変更ステップ 2 / 3 重い決議が要る変更全株式の譲渡制限、属人的定め資本金と準備金の増減ステップ 2 / 3 資本金を減らす決議要件と欠損てん補の特則株主総会及び種類株主総会等/株主総会ステップ 1 / 1 株主総会株主総会について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
  • 第309条第2項各号に掲げる株主総会の決議は、原則として議決権の過半数(定款で3分の1以上に軽減可)を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2(定款で引上げ可)以上の多数で行わなければならず、定款で一定の数以上の株主の賛成等の要件を加えることも妨げられない。
  • 種類株式発行会社の株主総会を除く第309条第3項各号の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の半数以上(定款で引上げ可)であって、その議決権の3分の2(定款で引上げ可)以上の多数で行わなければならない。
  • 第109条第2項の定款の定めについての定款の変更(当該定めの廃止を除く)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(定款で引上げ可)であって、総株主の議決権の4分の3(定款で引上げ可)以上の多数で行わなければならない。
  • 取締役会設置会社においては、株主総会は第298条第1項第2号に掲げる事項以外について決議をすることができないが、第316条第1項若しくは第2項に規定する者の選任又は第398条第2項の会計監査人の出席を求めることについてはこの限りでない。

第309条 決議要件の区分

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区分(根拠項)対象となる株主総会定足数(出席要件)決議要件(賛成割合)定款による加重・軽減等
第1項(一般に「普通決議」と呼ばれることがあるが条文上の語ではない)定款に別段の定めがある場合を除くすべての株主総会の決議議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席出席した当該株主の議決権の過半数定款に別段の定めがある場合はその定めによる
第2項各号(一般に「特別決議」と呼ばれることがあるが条文上の語ではない)第140条第2項・第5項、第156条第1項(第160条第1項の特定の株主を定める場合)、第171条第1項・第175条第1項、第180条第2項、第199条第2項等(第五号)、第238条第2項等(第六号)、第339条第1項(第342条第3項〜第5項選任取締役等の解任等の場合)、第425条第1項、第447条第1項(イ・ロいずれにも該当する場合を除く)、第454条第4項(現物配当かつ金銭分配請求権を与えない場合)、第6章〜第8章の規定による場合、第5編の規定による場合の各株主総会議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(定款で3分の1以上の割合を定めた場合はその割合以上)を有する株主が出席出席した当該株主の議決権の3分の2(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合)以上に当たる多数上記の決議要件に加え、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない
第3項各号(種類株式発行会社の株主総会を除く)全部の株式の内容として譲渡制限の定めを設ける定款変更の株主総会/第783条第1項の株主総会(消滅会社等が公開会社かつ交付金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合)/第804条第1項の株主総会(同様の場合)議決権を行使することができる株主の半数以上(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合以上)当該株主の議決権の3分の2(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合)以上に当たる多数定款で半数以上の割合・3分の2の割合を上回る割合を定めることが可能
第4項第109条第2項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く)を行う株主総会総株主の半数以上(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合以上)総株主の議決権の4分の3(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合)以上に当たる多数定款で半数以上の割合・4分の3の割合を上回る割合を定めることが可能
第5項取締役会設置会社における株主総会(定足数の定めなし。決議事項の範囲を規律)第298条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については決議をすることができないただし、第316条第1項若しくは第2項に規定する者の選任、又は第398条第2項の会計監査人の出席を求めることについてはこの限りでない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
本条を直接の参照法条とする登載判例がないため、裁判所が付した参照法条に基づき旧法下の裁判例を掲載しています。現行法との対応関係についての評価は加えていません。
旧商法下の裁判例敷金返還
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和58(オ)1567
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年12月20日 棄却
登載
民集 第39巻8号1869頁
参照法条
商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)230条ノ2,商法231条,商法232条,商法239条1項,商法239条3項,商法239条4項
判示事項
一 株式会社のいわゆる全員出席総会における決議の効力 二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議が有効となる場合
裁判要旨一 招集手続を欠くのに株主全員が株主総会の開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会においてされた決議は、総会の決議として有効に成立する。
二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議は、当該株主が会議の目的たる事項を了知したうえで委任をし、かつ、決議の内容が右事項の範囲内のものである場合には、総会の決議として有効に成立する。
旧商法下の裁判例社員総会決議無効確認
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和52(オ)833
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年4月14日 棄却
登載
民集 第32巻3号601頁
参照法条
有限会社法41条,商法239条5項
判示事項
有限会社の社員総会における特定の社員を取締役に選任すべき決議と右特定の社員の特別利害関係
裁判要旨有限会社の社員総会において、その社員である特定の者を取締役に選任すべき決議をする場合に、その特定の者は、右決議につき特別の利害関係を有する者にあたらない。
旧商法下の裁判例株式会社総会決議取消請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和48(オ)794
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年12月24日 棄却
登載
民集 第30巻11号1076頁
参照法条
商法239条3項,商法247条,商法248条1項
判示事項
一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合と株主である地方公共団体、株式会社の職員又は従業員による議決権の代理行使 二、株主総会決議取消の訴において商法二四八条一項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することの許否
裁判要旨一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合においても、株主である地方公共団体、株式会社が、その職制上上司の命令に服する義務を負い、議決権の代理行使にあたつて法人の代表者の意図に反することができないようになつている職員又は従業員に議決権を代理行使させることは、右定款の規定に反しない。
二、株主総会決議取消の訴において、商法二四八条一項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは、許されない。

実務注記

原文解釈
  1. 1項は定款に別段の定めがある場合を除く第1項の定足数・決議要件は「定款に別段の定めがある場合を除き」適用されるため、対象決議について定款に別段の定めがないかをまず確認する。
  2. 2項の定足数は定款で3分の1以上まで軽減可、決議要件は3分の2以上を定款で加重可第2項の決議は、定足数を定款で3分の1以上の割合まで軽減でき、決議要件は3分の2を上回る割合を定款で定めることができる。加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で付加することも妨げられない。
  3. 3項は種類株式発行会社の株主総会には適用されない第3項各号の決議要件は、括弧書きにより種類株式発行会社の株主総会には適用されない点に留意する。
  4. 4項は109条2項の定款の定めの廃止を除く変更のみが対象第4項の加重決議要件は、第109条第2項の規定による定款の定めについての「定款の変更」に限られ、「当該定款の定めを廃止するもの」は除かれる。
  5. 取締役会設置会社は決議事項が限定される第5項により、取締役会設置会社の株主総会は第298条第1項第2号に掲げる事項以外は決議できないが、第316条第1項・第2項の者の選任及び第398条第2項の会計監査人の出席を求めることは例外として決議できる。

条文原文

原文ママ
会社法 第309条(株主総会の決議)
(株主総会の決議)
第三百九条株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一第百四十条第二項及び第五項の株主総会
二第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。)
四第百八十条第二項の株主総会
七第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)
九第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)
イ定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。
ロ第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
十第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)
十一第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
十二第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
3前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
一その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
二第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。)
三第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。)
4前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
5取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。

一次情報