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再審

再審の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

再審は、有罪の言渡をした確定判決について、有罪の言渡を受けた者の利益のために見直しを求める手続です。刑事訴訟法は、請求できる事由(435条)や請求できる人・管轄、審理から再審開始決定までの手続、開始後の審判の進め方までを定めています。再審請求自体には刑の執行を止める効力はなく、再審でも原判決より重い刑を言い渡すことはできません。

再審請求ができる事由(435条各号)
号事由の内容
一号証拠書類・証拠物が偽造・変造と証明
二号証言・鑑定・通訳・翻訳が虚偽と証明
三号誣告罪が確定判決で証明された
四号前提となった裁判が確定裁判で変更
五号特許・実用新案・意匠・商標権が無効に
六号無罪・免訴・刑の免除等を示す新証拠発見
七号裁判官・検察官等の職務犯罪が確定
  • 436条:控訴・上告棄却の確定判決には、435条一号・二号の事由か、原判決等の証拠書類作成に関与した裁判官の七号事由がある場合に限り再審請求できる
  • 439条2項:七号・436条1項2号の事由で、有罪の言渡を受けた者自身がその罪を犯させた場合は検察官のみ請求できる
  • 435条三号は誣告により有罪の言渡を受けたときに限る
  • 435条七号は、原判決前に公訴提起があった場合、裁判所がその事実を知らなかったときに限る
  • 437条:確定判決を得られない場合は事実を証明して請求できるが、証拠がないという理由のときは除く
  • 452条:再審では原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない
1

再審

再審について、条文は何を定めているか。

第435条再審請求ができる7つの事由1項・7号判例 30件
  • 確定した有罪判決に対し、本人の利益のために請求できる
  • 証拠の偽造・虚偽、誣告罪の確定など7つの事由を列挙
  • 無罪等を示す新証拠の発見も事由になる(六号)
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第436条控訴・上告棄却の確定判決も対象に3項・2号判例 13件
  • 一号・二号の事由なら控訴・上告棄却判決にも請求できる
  • 原判決等の証拠書類を作った裁判官の七号事由も対象
  • 再審判決確定後は、その前の棄却判決には請求できない
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第437条確定判決が得られない場合の例外1項判例なし
  • 犯罪証明に確定判決が必要な場合、事実の証明で請求できる
  • 証拠がないという理由で確定判決が得られない場合は対象外
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第438条再審請求先は原判決をした裁判所1項判例 5件
  • 再審の請求は原判決をした裁判所が管轄する
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第439条請求できる人の範囲2項・4号判例 3件
  • 検察官、有罪の言渡を受けた本人が請求できる
  • 本人の法定代理人・保佐人も請求できる
  • 本人死亡・心神喪失時は配偶者・直系親族・兄弟姉妹も請求できる
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第440条弁護人の選任ができる2項判例 1件
  • 検察官以外の請求者は弁護人を選任できる
  • 選任の効力は再審の判決があるまで続く
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第441条刑の執行後でも請求できる1項判例 2件
  • 刑の執行終了後や執行を受けない場合でも請求できる
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第442条請求しても刑の執行は止まらない2項判例なし
  • 再審請求自体には刑の執行停止の効力はない
  • 検察官は再審判決確定まで刑の執行を停止できる
  • 死刑執行を停止したときは拘置も停止できる
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第443条請求はいつでも取り下げ可能2項判例 2件
  • 再審の請求は取り下げることができる
  • 取り下げ後は同一の理由で再度請求できない
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第444条控訴の取下げに関する規定を準用1項判例 2件
  • 第366条〈刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上…〉の規定が再審の請求・取下げに準用される
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第445条裁判所は事実の取調べを命じられる1項判例 6件
  • 合議体の一員に取調べさせたり、他の裁判官に嘱託できる
  • 嘱託を受けた裁判官は裁判所・裁判長と同じ権限を持つ
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第446条方式違反・期限切れなら請求棄却1項判例 10件
  • 法令上の方式違反や請求権消滅後の請求は決定で棄却する
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第447条理由がなければ決定で棄却2項判例 15件
  • 請求に理由がないときは決定で棄却する
  • 棄却決定後は同一の理由で再度請求できない
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第448条理由があれば再審開始決定3項判例 10件
  • 請求に理由があるときは再審開始の決定をする
  • 開始決定と同時に決定で刑の執行を停止できる
  • 死刑執行を停止した場合は拘置も停止できる
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第449条先に他の審級で再審判決が出た場合の処理2項判例なし
  • 第一審が再審判決をしたら、控訴裁判所は決定で請求棄却
  • 第一審・第二審が再審判決をしたら、上告裁判所は決定で請求棄却
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第450条一部の棄却決定には即時抗告できる1項判例 5件
  • 446条〈再審の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。〉・447条1項〈再審の請求が理由のないときは、決定でこれを棄却しなければならない。〉・449条〈控訴を棄却した確定判決とその判決によつて確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審…〉の決定には即時抗告ができる
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第450_2条再審開始決定への抗告は要件が厳格3項・2号判例なし
  • 448条1項〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉の決定への即時抗告は、取り消されるべき十分な根拠がある場合に限る
  • その抗告裁判所の決定への433条1項〈この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令に対しては、第四百五条に規定する事由があることを理由とする場合に…〉の抗告も同様の要件に限る
  • 政府は決定の内容や抗告の有無・理由を遅滞なく公表する
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第450_3条即時抗告・抗告の期間は14日2項判例なし
  • 447条1項〈再審の請求が理由のないときは、決定でこれを棄却しなければならない。〉・448条1項〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉の決定への即時抗告期間は14日
  • その抗告裁判所の決定への433条1項〈この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令に対しては、第四百五条に規定する事由があることを理由とする場合に…〉の抗告期間も14日
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第451条再審開始が確定したら審級に従い再審理4項・2号判例 6件
  • 449条〈控訴を棄却した確定判決とその判決によつて確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審…〉の場合を除き、その審級に従い改めて審判する
  • 死亡者・回復見込みない心神喪失者のケースは特例規定あり
  • その場合、被告人不出頭でも可(弁護人不在なら開廷不可)
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第452条原判決の刑より重い刑にはできない1項判例 2件
  • 再審では原判決の刑より重い刑を言い渡せない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第435条刑事訴訟法

刑訴法四三五条六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にいう無罪を言い渡すべき明らかな証拠とはいえないとされた事例

裁判要旨所論引用の各新証拠(判文参照)は、それ自体においても、また、旧証拠と総合評価しても、申立人に無罪を言い渡すべき明らかな証拠とはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年5月27日 昭和56(し)45
登載
集刑 第240号57頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法447条1項
論点2第435条刑事訴訟法

一、上告審において外国の公文書(韓国の戸籍抄本)を取り調べる方法
二、右戸籍抄本取調の結果審理不尽の違法があるとして原判決が破棄された事例

裁判要旨一、上告審において韓国の戸籍抄本を取り調べるにあたつては、公判にこれを顕出するをもつて足りる。
二、被告人が外国人登録事項確認申請にあたつて申告した姓名、生年月日と一致する戸籍抄本が、上告審においてはじめて提出され、その取調が行なわれた場合、虚偽の申請をしたものとして被告人を有罪とした第一審判決およびこれを是認した原判決は、結果的に審理不尽の違法をきたし、これを破棄しなければ著しく正義に反する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年9月19日 昭和42(あ)810
登載
集刑 第164号521頁
参照法条
刑訴法414条,刑訴法393条1項,刑訴法404条,刑訴法305条,刑訴法411条1号,刑訴法379条,刑訴法435条6号
論点3第435条刑事訴訟法

刑訴法第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にいわゆる「原判決において認めた罪より軽い罪」の意義

裁判要旨刑訴法第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にいわゆる「原判決において認めた罪より軽い罪」とは、原判決が認めた犯罪よりその法定刑の軽い犯罪をいうものであつて、原判決が認定した犯罪につき、原判決の科した刑より軽い刑をもつて処断すべき情状のある場合を含まない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年10月31日 昭和42(し)57
登載
集刑 第164号1049頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑法66条
論点4第435条刑事訴訟法

一 再審を開始するか否かの手続は憲法にいう「裁判の対審」か
二 刑訴法第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の「明らかな証拠」の意義
三 同号の「原判決において認めた罪より軽い罪」の意義

裁判要旨一 確定判決に対する再審を開始するか否かの手続は、憲法にいう「裁判の対審」に当たらない
二 刑訴法第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にいう「明らかな証拠」というのは証拠能力もあり証明力も高度のものをいい、被告人が弁護人に宛てた書信の如きを含まない
三 同条同号の「原判決において認めた罪より軽い罪」というのは法定刑の軽い罪をいい、心神耗弱の主張を含まない
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年5月27日 昭和33(し)14
登載
刑集 第12巻8号1683頁
参照法条
憲法37条1項,憲法82条1項,刑訴法435条6号,刑訴法445条,刑法39条2号,刑訴規則283条
論点5第435条刑事訴訟法

刑落第四三五条六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にもとずく再審の請求と証人の取調

裁判要旨刑訴四三五条六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にもとずく再審の請求にあたり、あらたに発見した証拠として証人の取調を求めている場合でも、再審の請求が理由があるかどうかを判断するためには、必ずその証人の取調をしなければならないものではないことは、当裁判所の判例とするところである。(昭和二八年(し)第一二号同年一一月二四日第三小法廷決定、集七巻一一号二二八三頁昭和二九年(し)六〇号同年一一月二二日第二小法廷決定集八巻一一号一八五七頁参照)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年3月27日 昭和31(し)11
登載
集刑 第112号841頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法445条,刑訴法43条3項
論点6第435条刑事訴訟法

上告棄却の判決に対する刑訴第四三六条第一項〈再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすること…〉、第四三五条〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ…〉第一、二号の事由による再審請求の要件

裁判要旨上告棄却の判決に対し、刑訴第四三六条第一項〈再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすること…〉、第四三五条〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ…〉第一、二号の事由による再審の請求が許されるためには、上告審が自ら事実の取調を行つて集取した証拠または上告棄却判決が判断の資料として特に掲げた証拠について右第四三五条第一、二号に定める事由が存在しなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年6月30日 昭和30(き)3
登載
集刑 第106号935頁
参照法条
刑訴法436条,刑訴法435条1号,刑訴法435条2号
論点7第435条刑事訴訟法

再審請求棄却決定に対する即時抗告を棄却した抗告裁判所の決定に対する特別抗告

裁判要旨有罪を言渡した確定判決に対する再審の請求を棄却した地裁の決定に対する即時抗告について、高裁が右再審請求の事由とするところは不適法であるとして、右即時抗告を棄却した決定に対しては、右確定判決に憲法違反があることを理由として最高裁判所に特別抗告を申し立てることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年6月15日 昭和29(し)20
登載
集刑 第96号237頁
参照法条
刑訴法435条,刑訴法446条,刑訴法447条,刑訴法450条,刑訴法433条
論点8第435条刑事訴訟法

一 公判調書紛失の場合とその公判期日における訴訟手続の適法性の証明
二 紛失した公判調書における裁判長裁判所書記の署名捺印の存否とその公判期日における訴訟手続の適否

裁判要旨一 公判調書がすべて紛失して存在しない場合には、上告裁判所は自ら旧刑訴第四三五条〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ…〉によつて事実の取調をした上で、公判期日における訴訟手続が適法に行われたか否かを認定することができる。
二 公判調書紛失のため、公判調書以外の資料により公判期日における訴訟手続がすべて適法に行われたことが認められた場合には、その紛失した公判調書に裁判長、裁判所書記の署名捺印が存したか否かは問うところではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和29年4月28日 昭和27(れ)30
登載
刑集 第8巻4号584頁
参照法条
旧刑訴法60条,旧刑訴法63条,旧刑訴法64条,旧刑訴法435条
論点9第435条刑事訴訟法

刑訴第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉に基く再審の請求と証人の取調。

裁判要旨刑訴第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉に基く再審の請求にあたり、あらたに発見した証拠として証人の取調を求めている場合でも、再審の請求が理由があるかどうかを判断するためには、必ずその証人の取調をしなければならないのではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年11月22日 昭和29(し)60
登載
刑集 第8巻11号1857頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法445条,刑訴法43条3項,刑訴規則283条,刑訴規則33条3項
論点10第435条刑事訴訟法

刑訴第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉にもとずく再審の請求と証人の取調

裁判要旨刑訴第四三五条第六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉に基く再審の請求にあたり、あらたに発見した証拠として証人の取調を求めている場合でも、その再審の請求が理由があるかどうかを判断するために、その証人の取調をするか、又はこれをしないで、趣意書に添えた証拠書類等及び確定事件記録につき必要と認める調査をするにとどめ、あるいはさらにその証人の取調以外の方法による事実の取調をするかは、再審の請求を受けた裁判所の合理的な裁量にゆだねられているものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年11月24日 昭和28(し)12
登載
刑集 第7巻11号2283頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法445条,刑訴法43条3項,刑訴規則283条,刑訴規則33条3項
論点11第435条刑事訴訟法

刑訴法435条1号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。〉にいう「確定判決」の意義

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成31年2月12日 平成30(し)584
登載
集刑 第325号79頁
参照法条
刑訴法435条1号
論点12第435条刑事訴訟法

陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原審の手続に審理不尽の違法があるとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成29年3月31日 平成28(し)639
登載
集刑 第321号55頁
参照法条
刑訴法411条1号,刑訴法426条2項,刑訴法434条,刑訴法435条6号,刑訴法448条1項
論点13第435条刑事訴訟法

陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原判断に刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成29年12月25日 平成27(し)587
登載
集刑 第322号253頁
参照法条
刑訴法411条1号,刑訴法426条1項,刑訴法426条2項,刑訴法434条,刑訴法435条6号,刑訴法448条1項
論点14第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の証拠の明白性を否定した原判断が是認された事例(いわゆる福井女子中学生殺人事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成26年12月10日 平成25(し)133
登載
集刑 第315号261頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法447条
論点15第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉所定の再審事由が認められないとした原判断が是認された事例(いわゆる名張毒ぶどう酒殺人事件第7次再審請求の差戻し後の特別抗告事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年10月16日 平成24(し)268
登載
集刑 第312号1頁
参照法条
刑訴法435条6号
論点16第435条刑事訴訟法

控訴棄却の確定判決に対する再審請求が適法な再審事由の主張がなく不適法であることが明らかなときと刑訴規則285条1項による訴訟手続の停止

裁判要旨第1審裁判所と控訴裁判所に再審請求が競合した場合において,控訴を棄却した確定判決に対する再審請求が適法な再審事由の主張がないため不適法であることが明らかなときは,控訴裁判所は,刑訴規則285条1項による訴訟手続の停止をすることなく,当該再審請求を棄却することも許される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年2月14日 平成23(し)500
登載
刑集 第66巻4号582頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴法435条1号,刑訴法435条2号,刑訴法435条7号,刑訴規則285条1項
論点17第435条刑事訴訟法

再審請求を棄却した原決定に審理不尽の違法があるとされた事例(いわゆる名張毒ぶどう酒殺人事件第7次再審請求)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年4月5日 平成19(し)23
登載
集刑 第300号167頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法411条1号
論点18第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の証拠の明白性を否定した原判断が是認された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年12月8日 平成17(し)44
登載
集刑 第302号99頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法447条
論点19第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉による再審請求を認容すべきものとした原決定が是認された事例(いわゆる布川事件再審請求)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年12月14日 平成20(し)281
登載
集刑 第299号1075頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法448条
論点20第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉所定の再審事由が認められないとした原判断が是認された事例(渋谷暴動事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成20年7月14日 平成16(し)27
登載
集刑 第294号721頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法447条
論点21第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の証拠の明白性を否定した原判断が是認された事例(いわゆる袴田事件再審請求)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年3月24日 平成16(し)258
登載
集刑 第293号747頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法447条
論点22第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の証拠の明白性を否定するなどした原判断が是認された事例(いわゆる狭山事件第2次再審請求)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年3月16日 平成14(し)18
登載
集刑 第287号221頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑訴法447条
論点23第435条刑事訴訟法

一 確定判決が科刑上一罪として処断した一部の罪について無罪とすべき明らかな証拠を新たに発見した場合と刑訴法四三五条六号の再審事由
二 確定判決が詳しく認定判示した犯行の態様の一部に事実誤認のあることが明らかになった場合と刑訴法四三五条六号の再審事由
三 刑訴法四三五条六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の再審事由の存否を判断するに当たり確定判決が標目を挙示しなかった証拠及び再審請求後の審理において新たに得られた証拠を検討の対象にすることの可否

裁判要旨一 確定判決が科刑上一罪として処断した一部の罪について無罪とすべき明らかな証拠を新たに発見した場合は、その罪が最も重い罪ではないときであっても、刑訴法四三五条六号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉の再審事由に該当する。
二 確定判決が詳しく認定判示した犯行の態様の一部に事実誤認のあることが判明した場合であっても、そのことにより罪となるべき事実の存在に合理的な疑いを生じさせない限り、刑訴法四三五条六号の再審事由には該当しない。
三 刑訴法四三五条六号の再審事由の存否を判断するため、新証拠と他の全証拠とを総合的に評価するに当たっては、確定判決が標目を挙示しなかったものであってもその審理中に提出されていた証拠、再審請求後の審理において新たに得られた他の証拠をも検討の対象にすることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年10月27日 平成7(し)49
登載
刑集 第52巻7号363頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑法54条1項
論点24第435条刑事訴訟法

鑑定等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原々決定及び結論においてこれを是認した原決定にはいずれも刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和元年6月25日 平成30(し)146
登載
集刑 第326号1頁
参照法条
刑訴法411条1号,刑訴法426条2項,刑訴法434条,刑訴法435条6号,刑訴法447条1項
論点25第435条刑事訴訟法

鑑定等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原々決定及び結論においてこれを是認した原決定にはいずれも刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和元年6月25日 平成30(し)147
登載
―
参照法条
刑訴法411条1号,刑訴法426条2項,刑訴法434条,刑訴法435条6号,刑訴法447条1項
論点26第435条刑事訴訟法

刑訴法435条6号〈再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができ… 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。〉による再審請求を認容すべきものとした原決定が是認された事例(いわゆる日野町事件第2次再審請求)

裁判
最高裁判所第二小法廷 令和8年2月24日 令和5(し)155
登載
―
参照法条
刑訴法435条6号
論点27第435条刑事訴訟法

再審請求を棄却した原々決定を是認した原決定に対する特別抗告が棄却された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和7年2月25日 令和5(し)412
登載
―
参照法条
刑訴法435条6号
論点28第435条刑事訴訟法

再審請求を棄却した原々決定を是認した原決定に対する特別抗告が棄却された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和6年1月29日 令和4(し)206
登載
集刑 第333号1頁
参照法条
刑訴法435条6号
論点29第435条刑事訴訟法

新証拠による旧証拠の証明力減殺が,他の旧証拠の証明力に関する評価を左右する関係にあるとはいえず,それらの再評価を要することになるものではないとされた事例

裁判要旨新証拠によるMCT118型鑑定の証明力減殺は,同鑑定の手法が改善されたことによるものであるのに対し,HLADQα型鑑定並びにミトコンドリアDNA型鑑定及びHLADQB型鑑定の証明力は,鑑定資料のDNA量や状態の不良,更にはこれらの鑑定自体の特性等に基づいて評価されるべきものであって,MCT118型鑑定の証明力減殺が,HLADQα型鑑定並びにミトコンドリアDNA型鑑定及びHLADQB型鑑定の証明力に関する評価を左右する関係にあるとはいえないから,それらの再評価を要することになるものではなく,原々決定がこれらの鑑定の証明力を再評価しなかったことに誤りはない旨判示した原決定の判断は正当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和3年4月21日 平成30(し)76
登載
刑集 第75巻4号389頁
参照法条
刑訴法435条6号
論点30第435条刑事訴訟法

再審請求を棄却した原決定に審理不尽の違法があるとされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和2年12月22日 平成30(し)332
登載
集刑 第328号67頁
参照法条
刑訴法411条1号,刑訴法426条2項,刑訴法434条,刑訴法435条6号
論点31第436条刑事訴訟法

再審請求の理由が刑訴法四三六条一項所定の再審事由にあたらない場合の棄却条文

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年6月24日 昭和55(き)2
登載
集刑 第218号63頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴法447条1項
論点32第436条刑事訴訟法

再審請求棄却決定に対する再審請求の適否

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年5月10日 昭和49(き)4
登載
集刑 第192号457頁
参照法条
刑訴法436条
論点33第436条刑事訴訟法

当審への再審請求の事由自体が刑訴法四三六条一項所定の再審事由にあたらない場合、同法四四七条一項により棄却された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年4月5日 昭和47(き)1
登載
集刑 第184号13頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴法447条1項
論点34第436条刑事訴訟法

上告棄却の決定が未だ確定しないうちになされた再審請求の適否。

裁判要旨上告棄却の決定に対してなされた本件再審の請求は、同決定が未だ確定しないうちになされたものであるから不適法といわなければならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年6月30日 昭和34(き)7
登載
集刑 第130号401頁
参照法条
刑訴法436条1項
論点35第436条刑事訴訟法

上告棄却決定に対する再審請求の適否

裁判要旨上告を棄却した確定決定に対しても再審の請求をなし得る。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和31年5月21日 昭和30(き)4
登載
刑集 第10巻5号717頁
参照法条
刑訴法436条1項
論点36第436条刑事訴訟法

上告棄却の決定に対する再審請求の適否

裁判要旨上告を棄却した確定決定に対しては、刑訴法上再審の請求は許されていないのであるから、本件再審の請求は不適法として棄却すべきものである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年7月26日 昭和30(き)5
登載
集刑 第107号1121頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴法446条
論点37第436条刑事訴訟法

上告棄却の決定に対する再審請求の適否

裁判要旨上告を棄却した確定決定に対しては、刑訴法上再審の請求は許されていないのであるから、本件再審請求は不適法として棄却すべきものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年2月19日 昭和28(き)31
登載
集刑 第92号601頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴法446条
論点38第436条刑事訴訟法

上告を棄却した確定判決に対する再審請求の事由

裁判要旨上告を棄却した確定判決に対する再審の請求は、当該確定判決自体に刑訴第四三六条第一項〈再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすること…〉所定の事由があることを理由とするときにのみ許される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年7月24日 昭和27(き)3
登載
刑集 第7巻7号1648頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴法438条
論点39第436条刑事訴訟法

上告棄却の決定に対する再審請求の許否。

裁判要旨刑訴法は、上告を棄却した確定判決に対しては、その判決の証拠が偽造、若しくは虚偽であること又は、その判決又は証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官に涜職行為があつたこと等が確定判決で証明されたときに限り、再審を許すけれども、上告が不敵法であるか又は明らかに上告理由に当らない場合になす、上告棄却の決定に対してはこれを許容する規定もなくまたこれを許すべきものでもない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年11月10日 昭和28(き)14
登載
集刑 第88号285頁
参照法条
刑訴法436条1項
論点40第436条刑事訴訟法

上告棄却決定に対する再審請求の適否

裁判要旨刑訴法は、上告を棄却した確定判決に対して再審を許すけれども、確定決定に対してはこれを許容する規定もなくまたこれを許すべきものでないから、本件再審請求は採ることができないものといわねばならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年12月27日 昭和26(き)4
登載
刑集 第5巻13号2668頁
参照法条
刑訴法436条,刑訴法446条
論点41第436条刑事訴訟法

上告棄却の確定決定に対する再審請求について,刑訴法436条1項〈再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすること…〉所定の再審事由の主張がなく不適法であることが明らかであるとして,刑訴規則285条2項による訴訟手続の停止決定を取り消し,棄却した事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年4月2日 平成20(き)18
登載
集刑 第307号825頁
参照法条
刑訴法436条1項,刑訴規則285条2項
論点42第438条刑事訴訟法

地裁の確定判決に対する最高裁への再審請求の適否(否)

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和51年1月23日 昭和50(き)10
登載
集刑 第199号25頁
参照法条
刑訴法438条
論点43第438条刑事訴訟法

地裁又は高裁のした確定判決に対し最高裁に申し立てられた再審請求が管轄権を欠くとして棄却された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年3月31日 昭和50(き)1
登載
集刑 第195号763頁
参照法条
刑訴法438条,刑訴法446条
論点44第438条刑事訴訟法

日本統治下の朝鮮総督府裁判所が言い渡した有罪の確定判決に対する再審請求の管轄裁判所の指定を最高裁判所に請求することの適否

裁判要旨大邱覆審法院の如き日本の統治下における朝鮮総督府裁判所令(明治四五年三月一八日制令四号)に基づく裁判所において有罪の言渡を受けた者が、その確定判決に対する再審請求を前提として最高裁判所に管轄指定の請求をなすことを認めた法律の規定がないから、本件請求は不適法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年5月20日 昭和39(す)365
登載
集刑 第159号761頁
参照法条
朝鮮総督府裁判所令(明治45年3月18日制令4号),刑訴法16条,刑訴法438条
論点45第438条刑事訴訟法

再審請求の目的となつた確定判決に関与した裁判官の再審請求事件への関与。

裁判要旨再審請求の目手となつた確定判決に関与した裁判官は再審請求事件の裁判に関与することを妨げるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年2月19日 昭和34(し)3
登載
刑集 第13巻2号179頁
参照法条
刑訴法20条,刑訴法438条
論点46第439条刑事訴訟法

再審請求が不適法として棄却された事例

裁判要旨一 請求人は、被告人Aに対する強盗殺人被告事件(当庁昭和三一年(あ)第二九四八号)について昭和三二年一月二二日当裁判所第三小法廷において言い渡した有罪の確定判決に対し法定代理人として再審の請求をなしたものであるが、本件記録編綴の香川県三豊郡a村長Bの認証にかかる請求人に対する戸籍謄本によると、請求人は被告人の父であるけれども、被告人は昭和五年一二月三日に出生したものであつて、未成年者でないことが明らかであるから、請求人は刑訴四三九条一項三号〈再審の請求は、左の者がこれをすることができる。 有罪の言渡を受けた者の法定代理人及び保佐人〉にいわゆる有罪の言渡を受けた者の法廷代理人ではないといわなければならない。
二 よつて本件再審請求はこれを棄却すべきものである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年4月23日 昭和32(き)2
登載
集刑 第118号1005頁
参照法条
刑訴法439条,刑訴法446条
論点47第439条刑事訴訟法

再審請求事件の特別抗告審において有罪の言渡しを受けた者の兄である申立人の死亡により再審請求事件の手続の終了宣言がされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年3月27日 平成25(し)77
登載
集刑 第310号371頁
参照法条
刑訴法439条1項
論点48第439条刑事訴訟法

再審請求事件の特別抗告審において申立人の死亡により再審請求事件の手続の終了宣言がされた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年6月24日 平成15(し)104
登載
集刑 第285号501頁
参照法条
刑訴法439条1項
論点49第440条刑事訴訟法

死刑確定者又はその再審請求のために選任された弁護人が再審請求に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合にこれを許さない刑事施設の長の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合

裁判要旨死刑確定者又はその再審請求のために選任された弁護人が再審請求に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合に,これを許さない刑事施設の長の措置は,上記面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認められ,又は死刑確定者の面会についての意向を踏まえその心情の安定を把握する必要性が高いと認められるなど特段の事情がない限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して死刑確定者の上記面会をする利益を侵害するだけではなく,上記弁護人の固有の上記面会をする利益も侵害するものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年12月10日 平成24(受)1311
登載
民集 第67巻9号1761頁
参照法条
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第2編第2章第11節第2款 面会,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律121条,刑訴法39条1項,刑訴法440条1項,国家賠償法1条1項
論点50第441条刑事訴訟法

原判決に審理不尽、理由不備の欠陥があり、延いて事実誤認ありとして破棄した事例

裁判要旨本件のように原判決に、審理不尽、理由不備の欠陥があり、その欠陥が延いて原判決を破棄するのでなければ著しく正義に反するものと認められる程の事実誤認を導き出しているときは、刑訴第四一一条第一号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。〉、第三号により原判決を破棄すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和37年5月19日 昭和34(あ)2148
登載
刑集 第16巻6号609頁
参照法条
刑訴法441条1号,刑訴法441条3号
論点51第441条刑事訴訟法

一 併合罪にあたる数個の犯罪事実の一部にき確定判決があつた場合になすべき裁判
二 著しく正義に反する事例

裁判要旨本件第一審判決認定の七個の窃盗事実(併合罪)中の所論二個の窃盗事実については既に確定判決のあつたことを認めることができる。果して然らば少くとも該事実については刑訴法第三三七条第一号に基き免訴の言渡をし、残り五個の窃盗事実について審判すべきものといわなければならない。よつて爾余の論旨に対する判断を省略し、刑訴法第四一一条第一号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。〉により主文第一項のごとく原判決を破棄し、なお当裁判所は同四一三条〈前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこ…〉但書によつて直ちに判決することがきるものとは認められないから同条本文に従い本件を広島高裁岡山支部に差戻すべきものとす。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年8月2日 昭和25(あ)2330
登載
刑集 第5巻9号1727頁
参照法条
刑訴法337条1号,刑訴法441条
論点52第443条刑事訴訟法

一 特別抗告について刑訴法第四一一条の準用があるか
二 公判期日変更決定が刑訴規則第一八二条第一項に違反するとされた事例

裁判要旨一 特別抗告については刑訴法第四一一条の準用がある
二 裁判所が判決宣言期日を変更した場合に、被告事件についての審理が判決に熟しているものと認められ、右公判期日変更が証拠調その他犯罪事実及び情状についての審理を更に続行し或は再開する必要上為されたものと認むべき事迹は全くなく、専ら約一〇月半の時の経過を測る目的を以て為されたと認められる等の事情(判文参照)があるときは、右期日変更決定を支持した原決定は刑訴規則第一八二条第一項の解釈を誤つた違法がある
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年5月9日 昭和36(し)10
登載
刑集 第15巻5号871頁
参照法条
刑訴法276条,刑訴法443条,刑訴法434条,刑訴法411条,刑訴規則182条1項
論点53第443条刑事訴訟法

証言が伝聞証拠であるか否かに関する決定と特別抗告の許否

裁判要旨証言が伝聞証言であるか否かは、もつぱら訴訟法上の問題であつて憲法上の問題ではない。訴訟手続に関し判決前にした決定でもつぱら訴訟法上の問題にとどまり憲法上の問題に触れないものに対しては、特別抗告を許さないとすることは当裁判所の判例とするところである(昭和二四年新(つ)第三号、同年同月同日同法廷決定)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年7月29日 昭和27(し)39
登載
集刑 第66号525頁
参照法条
刑訴法443条,刑訴法320条
論点54第444条刑事訴訟法

在監者が再審請求棄却決定に対し異議申立書を差し出す場合と刑訴法三六六条一項の準用の有無

裁判要旨在監者の上訴申立に関する刑訴法三六六条一項は、在監者が再審請求棄却決定に対し異議申立書を差し出す場合に準用される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和54年5月1日 昭和51(し)130
登載
刑集 第33巻4号271頁
参照法条
刑訴法366条1項,刑訴法428条,刑訴法444条,刑訴法450条
論点55第444条刑事訴訟法

再審請求事件の特別抗告申立と刑訴法三六六条一項の準用
刑訴規則二八三条の合憲性

裁判要旨刑訴法三六六条一項〈刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上…〉は再審請求事件の特別抗告の申立に準用される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年3月20日 昭和50(し)1
登載
集刑 第195号639頁
参照法条
刑訴法366条1項,刑訴法444条
論点56第445条刑事訴訟法

一 電話による通知と裁判官の転補発令の効力
二 転補発令後の裁判官の関与した評議に基づく裁判が憲法第三七条第一項の「公平な裁判所の裁判」でないとはいえないとされた事例
三 再審を開始するか否かを定める手続は憲法第八二条の「裁判の対審及び判決」に含まれるか
四 原決定の手続が憲法に違反する旨の主張が刑訴応急措置法第一八条による抗告の適法な理由として採り上げられた事例

裁判要旨一 裁判官に対し、電話で、転補の発令があつた旨の通知がされたときは、辞令書の交付前であつても、右転補の発令は効力を生ずる。
二 転補の発令が効力を生じた後の裁判官が評議に関与した場合でも、その裁判官が評議に関与したのが、転補発令の通知を正式のものではないと考えていたためであり、かつ、その裁判官が、いつでもその裁判所の裁判官の職務の代行を命ぜられうる資格のある者である等、判文記載の具体的事情のもとでは、形式上職務代行の発令がなくても、右評議に基づく裁判を、憲法第三七条第一項の「公平な裁判所の裁判」でないということはできない。
三 再審を開始するか否かを定める手段は、憲法八二条の「裁判の対審及び判決」に含まれない。
四 原決定の手続が憲法に違反する旨の主張は、原決定がその点について特に判断を示していない場合でも、刑訴応急措置法第一八条による抗告の適法な理由として採り上げることができる。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和42年7月5日 昭和40(し)98
登載
刑集 第21巻6号764頁
参照法条
憲法37条1項,憲法82条,憲法81条,裁判所法47条,裁判所法19条1項,裁判所法75条,刑訴法445条,旧刑訴法503条,日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律18条
論点57第445条刑事訴訟法

刑訴法第四四五条〈再審の請求を受けた裁判所は、必要があるときは、合議体の構成員に再審の請求の理由について、事実の取調をさせ、又は地方裁判所…〉にいう「事実の取調」と憲法第三七条第二項。

裁判要旨憲法三七条二項は、刑事被告人に対し、受訴裁判所の訴訟手続において、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられる旨を規定したものであること当裁判所の判例(昭和二四年(つ)第九三号同二五年三月六日大法廷決定刑集四巻三号三〇九頁、昭和二五年(あ)第七九七号同二七年六月一八日大法廷判決刑集六巻六号八〇一頁)である。しからば第一審が再審請求の理由の有無についてする事実の取調として証人の尋問をするに当り、申立人に立会および尋問の機会を与えなかつたとしても、そのことをもつて憲法三七条二項に違反するということはできないのである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年12月25日 昭和37(し)29
登載
集刑 第145号685頁
参照法条
刑訴法445条,刑訴規則33条,憲法37条2項
論点58第446条刑事訴訟法

同一の理由による再審請求とされた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年9月22日 昭和49(き)6
登載
集刑 第197号411頁
参照法条
刑訴法446条,刑訴法447条2項
論点59第446条刑事訴訟法

再審請求が刑訴法四四六条により棄却された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年9月14日 昭和49(き)1
登載
集刑 第193号291頁
参照法条
刑訴法446条,刑訴法447条
論点60第446条刑事訴訟法

再審請求棄却決定に対する即時抗告を棄却した高等裁判所の決定に対する異議申立の適否。

裁判要旨佐賀地裁伊万里支部が本件再審請求はその法令上の方式に違反するという理由で刑訴四四六条〈再審の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。〉により再審請求を棄却する旨の決定をしたこと、これに対して申立人から即時抗告の申立があつたが原審である福岡高裁は右即時抗告を理由なしとしてこれを棄却する旨の決定をしたこと明らかである。従つて原決定は刑訴四二七条〈抗告裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。〉にいう抗告裁判所の決定であつて、同四二八条一項〈高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。〉の決定ではない。故にこれに対し同条二項の規定に基き異議の申立をすることができる筋合のものではない。されば申立人の本件異議申立が同条項に基くものとすれば不適法であるといわなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年11月20日 昭和33(し)73
登載
集刑 第128号631頁
参照法条
刑訴法427条,刑訴法428条,刑訴法446条
論点61第446条刑事訴訟法

一 旧刑訴第四〇三条〈原裁判所が不法に公訴棄却の決定をしなかつたときは、決定で公訴を棄却しなければならない。〉の不利益変更の禁止に違背した例
二 検察官と被告人の双方から上訴を申し立て、その一方のみが理由のある場合における主文の一事例

裁判要旨一 第一審においては被告人Aに対し懲役一〇年に被告人Bに対し懲役五年に処する未決勾留日数中九〇日を各本刑に算入するとの判決を言渡したが原審においては右Aに対し懲役一〇年右Bに対し懲役五年の刑を言渡し何れも未決勾留日数を本刑に算入しなかつたことは原判決が第一審判決より重い刑を言渡したものといわなければならない。
二 主文原判決を破棄する。被告人Aを懲役一〇年に、同Bを懲役五年に各処する。被告人等の本件各上告を棄却する。(未決勾留日数の算入及び没収は省略する。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年1月22日 昭和25(れ)1078
登載
集刑 第59号317頁
参照法条
旧刑訴法403条,旧刑訴法446条,旧刑訴法447条
論点62第447条刑事訴訟法

同一の理由による再審請求とされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年3月7日 昭和61(き)1
登載
集刑 第242号283頁
参照法条
刑訴法447条2項
論点63第448条刑事訴訟法

一 未確定の裁判の解釈を求める申立の適否
二 刑訴法四四八条二項〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉の刑の執行停止決定の効力は何時まで存続するか

裁判要旨一 未だ確定していない裁判に対し解釈の申立をなすことは許されない。
二 刑訴法四四八条二項〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉の刑の執行停止決定は、再審の裁判の言渡によつて効力を失う。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年2月1日 昭和43(す)287
登載
集刑 第170号175頁
参照法条
刑訴法501条,刑訴法448条2項
論点64第448条刑事訴訟法

一 いわゆる準新事件の公訴時効とその中断
二 同事件につき上告趣意書提出最終日の指定がなされその通知書が上告人に送達されたときは公訴時効中断の効力を生ずるか。
三 同事件につき上告審で公訴時効が完成した場合の措置。

裁判要旨一 本件のように昭和二三年二月一九日公訴が提起され同二六年六月一九日原判決の言渡があつた事件においては、刑訴施行法第二条、第三条の二より、公訴の時効、その中断等については、旧刑訴第二八一条〈証人については、裁判所は、第百五十八条に掲げる事項を考慮した上、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き必要と認めるときに…〉、第二八五条〈拘留に当たる事件の被告人は、判決の宣告をする場合には、公判期日に出頭しなければならない。その他の場合には、裁判所は、被告…〉等旧刑訴の適用を受けるものであつて、刑訴第二五四条〈時効は、当該事件についてした公訴の提起によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める…〉等の適用を受けるものではない。
二 右事件につき上告趣意書提出最終日の指定がなされその通知書が上告人に送達されたときは、旧刑訴第二八五条の公判の処分があつたものとして、公訴時効中断の効力を生ずる。
三 同事件につき上告審において公訴の時効が完成したときは、刑訴施行法第二条、第三条の二、刑訴第四一一条第五号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。〉を準用し、原判決を破棄の上、旧刑訴第四四八条〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉、第四五五条〈非常上告をするには、その理由を記載した申立書を最高裁判所に差し出さなければならない。〉、第三六三条第四号〈上訴権回復の請求は、事由が止んだ日から上訴の提起期間に相当する期間内にこれをしなければならない。〉により被告人を免訴すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年6月9日 昭和29(れ)10
登載
刑集 第14巻7号953頁
参照法条
刑法130条,刑訴施行法2条,刑訴施行法3条の2,刑訴法411条5号,旧刑訴法281条,旧刑訴法285条,旧刑訴法363条4号,旧刑訴法448条,旧刑訴法455条
論点65第448条刑事訴訟法

除斥事由ある裁判官が審理に関与しても後に適法に審理が更新された場合には右の違法は判決に影響するか

裁判要旨本件の差戻後の控訴審第一、二回公判に除斥事由ある裁判官が関与しても第三回公判期日において両裁判官を除き適法なる構成の裁判所が審理を更新し、新たなる審理を遂げた上、これに基いて判決をした場合には右の違法は該判決に何等影響を及ぼさなかつたものというべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年7月25日 昭和26(れ)2315
登載
集刑 第66号407頁
参照法条
旧刑訴法354条,旧刑訴法448条ノ2第2項
論点66第448条刑事訴訟法

一 刑訴第四一一条第四号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。〉(再審請求)にあたる一事例
二 いわゆる準新事件について上告審においても事実の取調として証拠調ができるか
三 いわゆる準新事件について刑訴第四一一条第四号に該当するとして原判決を破棄する場合に上告審は自ら判決することができるか

裁判要旨一 原判決後真犯人が検挙され、有罪の判決を受け確定した場合には、旧刑訴第四八五条第六号〈死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は…〉にいわゆる「有罪ノ言渡ヲ受ケタル者ニ対シテ無罪ヲ言渡スヘキ明確ナル証拠ヲ新ニ発見シタルトキ」に該当し、刑訴第四一一条第四号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。〉にあたる。
二 いわゆる準新事件について上告審において事実の取調として証拠調をすることができる。
三 いわゆる準新事件について刑訴第四一一条第四号に該当するとして原判決を破棄するに当つて、上告審は、事実につき心証を得た場合には自ら判決をすることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年4月24日 昭和26(れ)2509
登載
刑集 第6巻4号708頁
参照法条
刑訴法411条,刑訴法414条,刑訴法393条,旧刑訴法485条,旧刑訴法448条,旧刑訴法448条の2,刑訴応急措置法16条
論点67第448条刑事訴訟法

差戻後の控訴審判決と前判決との関係における不利益変更禁止の原則

裁判要旨差戻後の控訴審判決は、その破棄された前判決との関係においても不利益変更禁止の原則に従うべきものと解するのを相当とする。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和27年12月24日 昭和26(れ)320
登載
刑集 第6巻11号1363頁
参照法条
旧刑訴法452条,旧刑訴法403条,旧刑訴法448条ノ2
論点68第448条刑事訴訟法

一 少年法第五一条の法意と同法にいわゆる不定期刑の意義
二 最高裁判所において破棄自判するに当り同裁判所に事件繋属中成年に達した場合に少年法適用の有無

裁判要旨一 原判決が所論の犯罪事実を認定し、これに対し所論の刑法の法条の外少年法をも適用し結局新少年法第五一条に徒い被告人両名を各拾年以上拾五年以下の懲役に処したことは所論のとおりである。そして新少年法第五一条の法文と同第五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉の法文とを対照し、同第五八条〈裁判所は、次の場合には、被告人を勾引することができる。〉第五九条〈勾引した被告人は、裁判所に引致した時から二十四時間以内にこれを釈放しなければならない。但し、その時間内に勾留状が発せられ…〉の法文をも参酌すれば、同第五一条〈検察官、被告人又は弁護人は、公判調書の記載の正確性につき異議を申し立てることができる。異議の申立があつたときは、その旨を…〉は、拾年以上拾五年以下の刑の範囲内で長期と短期とを定めていわゆる不定期刑を言渡すという趣旨ではなく、拾年以上拾五年以下の範囲内において懲役又は禁錮の定期刑を科するという法意であること明瞭である。蓋盡し少年法にいわゆる不定期刑とは、懲役又は禁錮の自由刑で短期五年、長期拾年を越えない実刑に限り、その執行の終了(釈放)を短期を越えたときは行刑官の裁量に一任する刑いうものであつて、短期拾年を越えるがごとき不定期刑を認る趣旨ではないからである。されば、原判決が被告人両名に対しいづれも前示の不定期刑を科したのは、新少年法第五一条の解釈適用を誤つたもので論旨はその理由があつて原判決は破棄を免れない。
二 最高裁判所において、破棄自判するに当り、原判決当時被告人は少年であつたが、事件が最高裁判所に繋属中成年となつた場合には、少年法を適用すべきものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和25年11月9日 昭和24(れ)1751
登載
刑集 第4巻11号2227頁
参照法条
少年法(昭和23年法律186号)51条,少年法2条,旧刑訴法448条
論点69第448条刑事訴訟法

刑訴法448条2項〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉による刑の執行停止決定に対する不服申立ての方法

裁判要旨刑訴法448条2項〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉による刑の執行停止決定に対しては,同法419条〈抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この…〉による抗告をすることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年9月18日 平成24(し)167
登載
刑集 第66巻9号963頁
参照法条
刑訴法419条,刑訴法420条1項,刑訴法420条2項,刑訴法448条2項,刑訴法450条
論点70第450条刑事訴訟法

法定合議事件を一人の裁判官が審判した場合と訴訟手続の法令違反

裁判要旨法令合議事件を一人の裁判官が審判した場合は、単なる訴訟手続の法令違反であつて、事物管轄の規定に違反したものとして取り扱うべきでない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年3月14日 昭和26(れ)587
登載
集刑 第62号455頁
参照法条
裁判所法26条,旧刑訴法450条
論点71第450条刑事訴訟法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年4月13日 平成4(あ)1180
登載
集刑 第262号325頁
参照法条
刑法21条,刑訴法450条2号
論点72第451条刑事訴訟法

同一法令違反の罪につき共同審理のもとに有罪判決を受け共に上告申立をした共同被告人中一部の者に対しては右法令の失効を理由として原判決を破棄すべき場合と右上告申立人中上告趣意書を提出しなかつた者に対する裁判

裁判要旨原審で同一法令違反の罪につき共同審理のもとに有罪判決を受け、ともに上告の申立をした共同被告人の一人が、旧刑訴第四二三条〈抗告をするには、申立書を原裁判所に差し出さなければならない。〉所定の期間内に上告趣意書を提出しなかつたときは、他の上告申立人については既に国法としての効力を失つた右法令を適用した違法があることを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上告趣意書を提出しなかつた上告申立人に対しては、原判決を破棄すべきではない。
(少数意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 昭和29年9月8日 昭和24(れ)1128
登載
刑集 第8巻9号1467頁
参照法条
旧刑訴法423条,旧刑訴法427条,旧刑訴法434条,旧刑訴法451条,銃砲火薬類取締法(明治43年法律第53号)14条,銃砲火薬類取締法施行規則(明治44年勅令第16号)22条,銃砲火薬類取締法施行規則(明治44年勅令第16号)45条
論点73第451条刑事訴訟法

上告を申し立てた共同被告人につきともに原判決後大赦があつた場合と上告趣意書を差し出さなかつた共同被告人の一人に対する裁判

裁判要旨原審で同種の犯行につき有罪判決を受け、ともに上告の申立をし、当審で併合審理を受けた共同被告人の一人が、旧刑訴法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則第一〇条により定めた期間内に上告趣意書を差し出さなかつたときは、他の共同被告人については原判決後に大赦があつたことを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上告趣意書を差し出さなかつた共同被告人に対しては原判決を破棄すべきでない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年12月26日 昭和26(れ)2005
登載
刑集 第6巻12号1466頁
参照法条
刑訴施行法2条,刑訴施行法3条の2,刑訴施行法13条,刑訴法411条5号,旧刑訴法法律の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則10条,旧刑訴法427条,旧刑訴法451条,昭和27年法令117号大赦令1条83号,昭和27年法令117号大赦令1条117号
論点74第451条刑事訴訟法

一 原判決後に大赦があつたときと上告趣意書の不提出
二 上告を申し立てた共同被告人にともに原判決後大赦があつた場合と上告趣意書を提出しなかつた共同被告人の一人に対する裁判

裁判要旨一 上告申立人が旧刑訴第四二三条〈抗告をするには、申立書を原裁判所に差し出さなければならない。〉所定の期間内に上告趣意書を提出しなかつた場合には、原判決の認定した罪について原判決後大赦があつても、上告裁判所は、同法第四二七条〈抗告裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。〉に従いその上告を棄却する決定をすべきである。
二 原審で同種の犯行につき有罪判決を受け、ともに上告の申立をした共同被告人の一人が前項のように上告趣意書を提出しなかつたときは、他の上告申立人については原判決後に大赦があつたことを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上告趣意書を提出しなかつた上告申立人に対しては原判決を破棄すべきではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和27年11月5日 昭和23(れ)1541
登載
刑集 第6巻10号1176頁
参照法条
旧刑訴法415条,旧刑訴法423条,旧刑訴法427条,旧刑訴法434条,旧刑訴法451条,昭和27年政令117号大赦令
論点75第451条刑事訴訟法

一 分離して結審した事件を併合して判決することの適否
二 証拠調を経ないで証拠に採つた判決の違法
三 司法警察官が事件を検察官に送致した後に作成した被告人に対する訊問調書の証拠能力
四 麻薬取締規則第四二条所定の麻薬はいわゆる無登録の麻薬を含むか
五 共同被告人についての採証の違法と破棄理由の共通

裁判要旨一 原審第七回公判において原審は被告人Aに対する弁論を分離したことは所論のとおりである。そして第九回公判において被告人Aに対する弁論を終結したのであるが原審は右分離した事件を再び併合して判決したものであることは原判決前文において併合して判決すると判示していることから明らかである。裁判所は職権によつて弁論の分離併合が出来るのであるから原審が前示のように分離した事件を併合して判決することは何等違法の点なく論旨は理由がない。
二 原判決は所論押収に係るモルヒネ注射液五十本入二箱(昭和二二年証第八十七条〈勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人…〉号の一)の存在を他の証拠と綜合して原判示第一の(一)及び(ニ)の犯罪事実を認定したものであることは判文上明らかであることは判文上明らかである。ところが原審公判調書を調べてみると原審公判廷において右証拠物について証拠調をした記載がないのであるから原審はその証拠調をしなかつたものというべく従つて原判決は証拠調をしない証拠を断罪の資料に供した違法がありその違法は判決に影響を及ぼすものと言わねばならない。
三 刑訴応急措置法においては聴取書と訊問調書との区別を撤廃し両者ともに供述を録取した書類として一定の条件の下にその証拠能力を認めこれが採否は一に裁判官の自由心証に委せられたのである(同第一二条〈裁判所は、事実発見のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。〉参照)。それゆえに所論被告人に対する司法警察官の訊問調書がたとえ事件を検察官に送致した後に作成されたものであつて作成者たる司法警察官が訊問なし得ないにかかわらず作成したものであつたとしても訊問が直ちに供述を強制したものとはいえないのであるからその訊問調書は聴取書と同様供述を録取した書類として証拠能力があるものといわなければならない。
四 しかし麻薬取締規則第四二条には「次に掲げる者以外の者は麻薬を所有又は所持することができない」と規定しているのであつて右の麻薬というのは正規の手続を経た論旨の所謂調録された麻薬のみを指すのではなく正規の手続を経ない所謂登録の麻薬をも包含するものと解するを相当とする。然らば原判決が同規則施行前に被告人が取得した麻薬について同規則を適用してその麻薬の所持を処罰したことは正当である。
五 原審共同被告人B、A、Cについて原審が証拠調をしない証拠を採証した違法があるとしても被告人の原判示の犯罪事実は挙示の証拠のみで十分認定できるのでありその証拠のうちには証拠調をしない証拠は採用されていないのであるから、かかる場所には旧刑訴第四五一条〈裁判所は、再審開始の決定が確定した事件については、第四百四十九条の場合を除いては、その審級に従い、更に審判をしなければな…〉にいわゆる「破棄の理由が上告を為したる共同被告人に共通なるとき」に該当しないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年8月17日 昭和24(れ)2777
登載
刑集 第5巻9号1764頁
参照法条
旧刑訴法349条,旧刑訴法336条,旧刑訴法127条,旧刑訴法254条,旧刑訴法451条,刑訴法313条1項,刑訴応急措置法8条4号,刑訴応急措置法12条,麻薬取締規則(昭和21年厚生省令25号)42条
論点76第451条刑事訴訟法

刑事の契印を欠く判決書の適否と共同上告人に対する破棄理由の共通

裁判要旨原判決を調べて見るに、その第二葉目と第三葉目との間に所論の契印を欠いていることは明である。旧刑訴法によると、判決書に判示の契印が欠けているときは常に上告の理由があつて判決に影響を及ぼすべき法令違背あるものと、されているのであるから、論旨は理由があり原判決は破棄を免れない。そして、原判決は被告人Aに対する強盗、住所侵入、銃砲等所持禁止令違反被告事件についてばかりであく同一事件の共同被告人であるBに対しても言渡されたものであるから、前記破棄の理由は共同被告人たるBにも共通のものといわなければならない。従つて原判決は右Bの為にも破棄を免れないのである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年2月2日 昭和25(れ)1768
登載
刑集 第5巻3号395頁
参照法条
旧刑訴法71条2項,旧刑訴法410条21号,旧刑訴法451条
論点77第451条刑事訴訟法

一 審判の請求を受けない事件につき判決した事
二 審判の請求を受けない事件につき判した違法と破棄理由の共通

裁判要旨一 本件公訴提起は公判請求書に基いて公判請求がなされているのであるが、右公判請求書の記載は論旨摘録の通りであつて、その記載においては被告人等が欺罔手段を用いたのは被害者を誘い出す為めであり、財物の交付を受ける手段としてこれを用いたことは少しも記載されていない。換言すれば財物を騙取せんとした行為は少しも書いてないのである。それ故詐欺については審判の請求が無かつたものというの外なく、従つて原審は審判の請求を受けない事件について判決した違法あるものといわざるを得ない。本件の場合の様に起訴状において強取の事実が起訴され裁判所で調べた結果正に起訴状記載の強取の事実が認められた場合、裁判所はその事実に強盗の規定を適用して所罰した上、その事実の外に更に起訴状に書いてない詐欺の事実について審理し、その事実を認定してこれに詐欺の規定を適用し二罪として併合罪の加重をするのは不告不理の原則に反するものといわなければならない。本件公判請求書を見ると罪名としては強盗傷人とあり、公訴事実としては「被告人等は共謀の上水飴の取引に藉口してA等を誘出し金品を強奪せんことを企て、被告人Bが昭和二二年一〇月八日頃…A方に至り同人に対し千葉縣庁の職員に配給した水飴二百三十本を横流しすべきにより、買受けられたき旨申欺き同人がその共同買受人にして右水飴代金の内金四十六万円を携帯したる旨Cを被告人D、Eが附近に待機せる千代田区a…農林省庁舎に同道して中(略)被告人Bな所携の鉄棒を以て右Fの頭部を乱打し…云々)と記載し強盗傷害の事実を記載して居る。
二 審判の請求を受けない詐欺事件について判決した違法があるという理由で原判決を破棄する場合は、右詐欺の共犯と認められた共同上告人に対しても破棄の理由は共通であるものとして旧刑訴法第四五一条を適用すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年1月23日 昭和25(れ)1011
登載
刑集 第5巻1号73頁
参照法条
旧刑訴法410条18号,旧刑訴法291条,旧刑訴法451条
論点78第452条刑事訴訟法

一 被告人のみの申立てた上告事件において上告裁判所が罰金刑を言渡した第二審判決を破棄し懲役刑のみに該る罪に問擬し自判する場合の言渡刑
二 金融機関でない者が金融機関従業員を欺き封鎖支払を受けた場合の罪責

裁判要旨一 金融緊急措置令第一条第一項(第三条第二項〈事物管轄を異にする数個の事件が関連するときは、上級の裁判所は、併せてこれを管轄することができる。〉)第一一条〈同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。〉を適用し罰金刑を言渡した第二審判決に対し、被告人だけから上告申立のあつた事件において上告裁判所が右判決には事実の確定に影響を及ぼさない法令の違反があるとして、右判決を破棄し刑法第二四六条第一項を適用して更に判決をするときは、上告裁判所は旧刑訴法第四五二条により被告人に対し罰金刑の言渡をすることができる。
二 金融緊急措置令は、毫もその支払受領者側を罰していない。されば、同令第一一条所定の第一条〈この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適…〉第三条、第二項若しくは第四条〈事物管轄を異にする数個の関連事件が上級の裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、…〉違反罪を規定した立法趣旨は、差し当り単に同令第八条所定の金融機関に従事する者であつて、現にその違法行為をなした者のみを処罰するだけで足りるとする趣旨に出たものと解するを相当する。従つて、金融機関でない支払受領者が欺罔手段を以て犯意なき金融機関従業者を錯誤に陷れ封鎖預金等を支払わしめたとしても、詐欺罪を構成するは格別前記措置令第一一条違反の間接正犯を以て論ずべきものではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和26年1月17日 昭和24(れ)875
登載
刑集 第5巻1号1頁
参照法条
金融緊急措置令1条1項,金融緊急措置令11条,金融緊急措置令3条,金融緊急措置令1条,旧刑訴法452条,刑法246条
原

条文原文

原文ママ

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刑事訴訟法 第435条 詳細ページ
第四百三十五条再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
二原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
三有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
四原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
五特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
六有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
七原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。
刑事訴訟法 第436条 詳細ページ
第四百三十六条再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一前条第一号又は第二号に規定する事由があるとき。
二原判決又はその証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官について前条第七号に規定する事由があるとき。
2第一審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、控訴棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。
3第一審又は第二審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、上告棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。
刑事訴訟法 第437条 詳細ページ
第四百三十七条前二条の規定に従い、確定判決により犯罪が証明されたことを再審の請求の理由とすべき場合において、その確定判決を得ることができないときは、その事実を証明して再審の請求をすることができる。但し、証拠がないという理由によつて確定判決を得ることができないときは、この限りでない。
刑事訴訟法 第438条 詳細ページ
第四百三十八条再審の請求は、原判決をした裁判所がこれを管轄する。
刑事訴訟法 第439条 詳細ページ
第四百三十九条再審の請求は、左の者がこれをすることができる。
一検察官
二有罪の言渡を受けた者
三有罪の言渡を受けた者の法定代理人及び保佐人
四有罪の言渡を受けた者が死亡し、又は心神喪失の状態に在る場合には、その配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹
2第四百三十五条第七号又は第四百三十六条第一項第二号に規定する事由による再審の請求は、有罪の言渡を受けた者がその罪を犯させた場合には、検察官でなければこれをすることができない。
刑事訴訟法 第440条 詳細ページ
第四百四十条検察官以外の者は、再審の請求をする場合には、弁護人を選任することができる。
2前項の規定による弁護人の選任は、再審の判決があるまでその効力を有する。
刑事訴訟法 第441条 詳細ページ
第四百四十一条再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。
刑事訴訟法 第442条 詳細ページ
第四百四十二条再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。ただし、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の判決が確定するまで刑の執行を停止することができる。
2管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、前項ただし書の規定により死刑の執行を停止したときは、刑法第十一条第二項の規定による拘置を停止することができる。
刑事訴訟法 第443条 詳細ページ
第四百四十三条再審の請求は、これを取り下げることができる。
2再審の請求を取り下げた者は、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることができない。
刑事訴訟法 第444条 詳細ページ
第四百四十四条第三百六十六条の規定は、再審の請求及びその取下についてこれを準用する。
刑事訴訟法 第445条 詳細ページ
第四百四十五条再審の請求を受けた裁判所は、必要があるときは、合議体の構成員に再審の請求の理由について、事実の取調をさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
刑事訴訟法 第446条 詳細ページ
第四百四十六条再審の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。
刑事訴訟法 第447条 詳細ページ
第四百四十七条再審の請求が理由のないときは、決定でこれを棄却しなければならない。
2前項の決定があつたときは、何人も、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることはできない。
刑事訴訟法 第448条 詳細ページ
第四百四十八条再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。
2再審開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる。
3前項の規定により死刑の執行を停止したときは、決定で刑法第十一条第二項の規定による拘置を停止することができる。
刑事訴訟法 第449条 詳細ページ
第四百四十九条控訴を棄却した確定判決とその判決によつて確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審の判決をしたときは、控訴裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。
2第一審又は第二審の判決に対する上告を棄却した判決とその判決によつて確定した第一審又は第二審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所又は控訴裁判所が再審の判決をしたときは、上告裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。
刑事訴訟法 第450条 詳細ページ
第四百五十条第四百四十六条、第四百四十七条第一項又は前条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
刑事訴訟法 第450_2条 詳細ページ
第四百五十条の二第四百四十八条第一項の規定による決定に対しては、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限り、即時抗告をすることができる。
2前項の即時抗告を棄却する決定又は前条の即時抗告(第四百四十六条又は第四百四十七条第一項の規定による決定に対するものに限る。)が係属する抗告裁判所の第四百四十八条第一項の規定による決定に対する第四百三十三条第一項の抗告は、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限り、これをすることができる。
3政府は、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、当該各号に定める事項を公表するものとする。
一第四百四十八条第一項の規定による決定(最高裁判所がしたものを除く。)があつたときその旨並びに検察官が当該決定に対する即時抗告又は第四百三十三条第一項の抗告をしたかどうか及び当該即時抗告又は抗告をした場合におけるその理由
二第一項の即時抗告を棄却する決定があつたときその旨並びに検察官が当該決定に対する第四百三十三条第一項の抗告をしたかどうか及び当該抗告をした場合におけるその理由
刑事訴訟法 第450_3条 詳細ページ
第四百五十条の三第四百四十七条第一項又は第四百四十八条第一項の規定による決定に対する即時抗告の提起期間は、第四百二十二条の規定にかかわらず、十四日とする。
2前項の即時抗告に係る抗告裁判所の決定に対する第四百三十三条第一項の抗告の提起期間は、同条第二項の規定にかかわらず、十四日とする。
刑事訴訟法 第451条 詳細ページ
第四百五十一条裁判所は、再審開始の決定が確定した事件については、第四百四十九条の場合を除いては、その審級に従い、更に審判をしなければならない。
2左の場合には、第三百十四条第一項本文及び第三百三十九条第一項第四号の規定は、前項の審判にこれを適用しない。
一死亡者又は回復の見込がない心神喪失者のために再審の請求がされたとき。
二有罪の言渡を受けた者が、再審の判決がある前に、死亡し、又は心神喪失の状態に陥りその回復の見込がないとき。
3前項の場合には、被告人の出頭がなくても、審判をすることができる。但し、弁護人が出頭しなければ開廷することはできない。
4第二項の場合において、再審の請求をした者が弁護人を選任しないときは、裁判長は、職権で弁護人を附しなければならない。
刑事訴訟法 第452条 詳細ページ
第四百五十二条再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
出

一次情報

原文ママ

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