刑事訴訟法 / テーマ別まとめ

総則/裁判所の管轄

裁判所の管轄の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑事訴訟法第2条から第19条は、事件をどの裁判所が審理するかを決める土地管轄・事物管轄の基準と、関連事件の併合・移送、管轄違いが生じた場合の管轄指定・管轄移転の請求手続を定めています。複数の事件が絡む場合にどの裁判所へまとめるか、管轄が不明・不公平な場合にどう対応するかを確認する際に参照します。

裁判所の管轄
区分基準・内容根拠条文
土地管轄犯罪地・住所・居所・現在地第2条
事物管轄の併合(上級)上級裁判所が併せて管轄可第3条~第5条
土地管轄の併合一裁判所が併せて管轄可第6条・第7条
同一事件が複数係属上級/先着の裁判所が審判第10条・第11条
管轄区域外の職務等事実発見のため可能第12条・第14条
管轄違いの訴訟効力無効にならない第13条
管轄指定の請求管轄不明・確定後に他なし第15条・第16条
管轄移転の請求裁判権行使不能・公平維持困難等第17条・第18条
裁量による移送請求又は職権、証拠調前まで第19条
  • 第6条但書:他の法律で特定裁判所の専属管轄となる事件は併合の対象外
  • 第8条2項:各裁判所の決定が一致しないときは直近上級裁判所が併合を決定
  • 第9条:関連事件は「一人が数罪」「数人が共同・別々」「通謀して各別」の場合を指す
  • 第9条2項:犯人蔵匿・証憑湮滅・偽証・虚偽鑑定通訳・贓物の罪は本犯と共に犯したものとみなす
  • 第19条2項:移送の決定は証拠調べを開始した後はできない
  • 第19条3項:移送決定・却下決定への即時抗告は著しく利益を害される場合に限る
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裁判所の管轄

裁判所の管轄について、条文は何を定めているか。

第2条土地管轄は犯罪地・住所などで決まる3項判例 6件
  • 犯罪地、住所、居所、現在地のいずれかで管轄が決まる
  • 国外の日本船舶内の犯罪は船籍地か寄泊地でも管轄可
  • 国外の日本航空機内の犯罪は着陸(着水含む)地でも管轄可
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第3条事物管轄が違っても上級裁判所が併せて管轄できる2項判例 2件
  • 事物管轄の異なる関連事件は上級裁判所が併せて管轄可
  • 高裁の特別権限事件と他事件が関連する場合も高裁が併せて管轄可
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第4条併合不要なら上級裁判所が下級裁判所へ移送できる1項判例 1件
  • 併せて審判する必要がない事件は決定で下級裁判所へ移送可
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第5条上下級に分かれた関連事件も上級が併せて審判できる2項判例 3件
  • 上級と下級に別々に係属する関連事件は上級裁判所が決定で併せて審判可
  • 高裁特別権限事件と下級裁判所の関連事件も高裁が併せて審判可
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第6条土地管轄が違っても一つの裁判所が併せて管轄できる1項判例 3件
  • 土地管轄の異なる関連事件は管轄権のある裁判所が併せて管轄可
  • 他の法律で特定裁判所の管轄に属する事件は対象外
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第7条併合不要なら他の管轄裁判所へ移送できる1項判例 2件
  • 同一裁判所に係属する土地管轄違いの関連事件で併合不要なものは決定で他裁判所へ移送可
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第8条同じ事物管轄の複数裁判所の事件を一つに併合できる2項判例 7件
  • 検察官または被告人の請求により決定で一つの裁判所に併合可
  • 各裁判所の決定が一致しないときは直近上級裁判所が併合を決定
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第9条どの場合を「関連事件」とするかの定義2項・3号判例 6件
  • 一人が数罪を犯した場合は関連事件となる
  • 数人が共同または別々に罪を犯した場合も関連事件となる
  • 犯人蔵匿・証憑湮滅・偽証等の罪は本犯の罪と共に犯したものとみなす
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第10条同一事件が事物管轄違いで複数係属したら上級が審判2項判例 4件
  • 上級裁判所が審判する
  • 上級裁判所は請求により決定で下級裁判所に審判させることも可能
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第11条同一事件が同管轄で複数係属したら最初の裁判所が審判2項判例 2件
  • 最初に公訴を受けた裁判所が審判する
  • 共通する直近上級裁判所は請求により後の裁判所に審判させることも可能
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第12条事実発見のため管轄区域外でも職務ができる2項判例 1件
  • 裁判所は事実発見に必要なら管轄区域外でも職務可
  • 受命裁判官にも同様の規定が準用される
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第13条管轄違いでも訴訟手続は無効にならない1項判例なし
  • 管轄違いの理由だけでは訴訟手続の効力は失われない
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第14条管轄がなくても急ぐ場合は必要な処分ができる2項判例なし
  • 管轄権がなくても急速を要する場合は事実発見に必要な処分が可能
  • 受命裁判官にも同様の規定が準用される
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第15条管轄裁判所が定まらない場合の管轄指定請求1項・2号判例 2件
  • 管轄区域が明らかでなく管轄裁判所が定まらないとき検察官が請求
  • 管轄違いの裁判確定後に他の管轄裁判所がないときも請求
  • 請求先は関係する第一審裁判所に共通する直近上級裁判所
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第16条法律上の管轄裁判所がない場合は最高裁に請求1項判例 1件
  • 法律による管轄裁判所がない、または分からないとき検事総長が請求
  • 請求先は最高裁判所
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第17条管轄裁判所を変える管轄移転の請求2項・2号判例 7件
  • 管轄裁判所が法律上の理由や特別の事情で裁判権を行えないとき検察官が請求
  • 地方の民心や訴訟状況で裁判の公平維持が困難な虞があるときも請求
  • 被告人も同様に管轄移転を請求できる
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第18条公安を害する虞があるときの管轄移転請求1項判例なし
  • 犯罪の性質や地方の民心等で審判により公安を害する虞があるとき検事総長が請求
  • 請求先は最高裁判所
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第19条裁判所の裁量による事件の移送3項判例 4件
  • 適当と認めるときは請求または職権で同じ事物管轄の他裁判所へ決定で移送可
  • 証拠調べを開始した後は移送の決定はできない
  • 移送決定・却下決定には著しく利益を害される場合に限り即時抗告可
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第2条刑事訴訟法

租税逋脱犯において差別的起訴を理由とする憲法一四条、三一条違反の主張が排斥された事例

所得税逋脱犯につき懲役一年二月、罰金七〇〇〇万円の量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年7月18日 昭和58(あ)1590
登載
集刑 第243号671頁
参照法条
憲法14条,憲法31条,刑訴法411条,刑訴法2条
論点2第2条刑事訴訟法

一 土地管轄についての瑕疵が治癒されたと認められた事例
二 刑訴法六条〈土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、一個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができ…〉所定の関連事件の管轄と併合審判の要否

裁判要旨一 刑訴法一九条〈裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同…〉により移送を受けた被告事件について、当初土地管轄のあることが明らかでなかつたとしても、その後管轄違の申立がされるまでの間に土地管轄が備わるに至つた場合には(判文参照)、土地管轄についての瑕疵は治癒される。
二 刑訴法六条〈土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、一個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができ…〉による関連事件の管轄が認められるためには、いわゆる固有管轄事件及びその関連事件が共に同一の裁判所に係属することを要するが、必ずしもその併合審判を要するものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年11月30日 昭和56(あ)929
登載
集刑 第238号247頁
参照法条
刑訴法2条,刑訴法6条,刑訴法7条,刑訴法9条,刑訴法19条,刑訴法329条,刑訴法331条,刑訴法378条1号,刑訴法398条,刑訴法399条,刑訴法412条
論点3第2条刑事訴訟法

土地管轄についての瑕疵が治癒されたと認められた事例

裁判要旨刑訴法一九条〈裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同…〉により移送を受けた被告事件について、その当時土地管轄があることが明らかでなかつたとしても、その後管轄違の申立がされるまでの間に土地管轄が具備されるに至つた場合には(判文参照)、土地管轄についての右瑕疵は治癒される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年10月13日 昭和56(あ)1398
登載
刑集 第37巻8号1139頁
参照法条
刑訴法2条,刑訴法6条,刑訴法9条,刑訴法19条,刑訴法329条,刑訴法331条,刑訴法378条1号,刑訴法398条,刑訴法399条,刑訴法412条
論点4第2条刑事訴訟法

一 刑訴法第二条〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉にいう「現在地」の意義
二 国外において俘虜の管理にあたり日本人がその権限を逸脱して行つた逮捕監禁の罪とわが科刑権、裁判権

裁判要旨一 刑訴第二条〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉にいう「現在地」とは、被告人が公訴提起の当該任意又は適法な強制によつて現在する地域をいう
二 国外において俘虜の管理に当り日本人が正当行為の範囲を逸脱して行つた逮捕監禁の所為については、わが科刑権及び、我が国が事実上、裁判権を行使できる状態になればこれを処罰することができる
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和28(あ)1683
登載
刑集 第12巻8号1535頁
参照法条
刑訴法2条,刑訴法338条1号,刑法4条,刑法3条9号,刑法3条10号,刑法218条,刑法219条,刑法220条,刑法221条
論点5第2条刑事訴訟法

一 刑訴法第二条第一項〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉にいわゆる「現在地」の意義
二 被告人の黙秘権と偽証教唆罪の成否
三 証人の証拠拒絶権と偽証罪の成否

裁判要旨一 刑訴第二条第一項〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉にいわゆる「現在地」とは、公訴提起の当時被告人が任意または適法な強制処分によつて現在する地域をいう。
二 被告人に黙秘権があるからといつて他人に虚偽の証言をするように教唆したときは、偽証教唆罪が成立する。
三 証人が証言拒絶権を有する事項であつても宣誓の上虚偽の供述をすれば偽証罪が成立する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年4月30日 昭和29(あ)3965
登載
刑集 第11巻4号1502頁
参照法条
刑訴法2条1項,刑訴法311条1項,刑訴法146条,刑訴法154条,刑法61条1項,刑法169条
論点6第2条刑事訴訟法

刑訴第二条第一項〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉にいわゆる「現在地」の意義

裁判要旨刑訴第二条第一項〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉にいわゆる「現在地」とは、公訴提起の同時被告人が現在する地を指称し、これに現在する事由の如何を問わないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年5月17日 昭和30(あ)91
登載
刑集 第9巻6号1065頁
参照法条
刑訴法2条,刑訴法331条
論点7第3条刑事訴訟法

被告人の妻を買主贈賄者を連帯保証人とする自動車割賦販売契約に基づいて贈賄者が被告人に自動車を供与したとの原認定に審理不尽、事実誤認の疑があるとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年6月17日 昭和50(あ)1122
登載
集刑 第201号59頁
参照法条
刑訴法411条1号,刑訴法3条
論点8第3条刑事訴訟法

一、刑訴法第九条〈数個の事件は、左の場合に関連するものとする。〉の法意
二、事物および土地管轄を同じくする数個の事件に対する弁論の併合分離と第一審裁判所の裁量権

裁判要旨一、刑訴法第九条〈数個の事件は、左の場合に関連するものとする。〉は、事物ないし土地管轄を異にする数個の事件につき、審判の併合等をなしうる場合を示したものである。
二、刑訴法第九条の関係はないが事物および土地管轄を同じくする数個の事件に対する検察官の併合起訴を相当として弁論併合の上審理を進めるか、弁論を分離するかは、原則として第一審裁判所の裁量事項である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年10月2日 昭和34(あ)639
登載
集刑 第144号687頁
参照法条
刑訴法3条,刑訴法4条,刑訴法5条,刑訴法6条,刑訴法7条,刑訴法8条,刑訴法9条,刑訴法313条
論点9第5条刑事訴訟法

同一事件が数個の簡易裁判所に係属している場合に、関連事件の係属している地方裁判所は、後に起訴された事件を併せて審判することができるか

裁判要旨同一の傷害事件が数個の簡易裁判所に別々に起訴され、同時に係属する場合において、上級の地方裁判所に窃盗等の関連事件が係属しているときは、同地方裁判所は刑訴第一一条〈同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。〉にかかわらず、後に起訴された傷害事件を併せて審判することができる。(本件においては先に起訴された傷害事件は略式命令謄本の不送達によりその後失効した場合に関する。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年6月29日 昭和28(あ)685
登載
刑集 第8巻6号985頁
参照法条
刑訴法5条1項,刑訴法10条1項,刑訴法11条1項,刑訴法339条1項5号
論点10第5条刑事訴訟法

数個の関連事件が各別に控訴審及び第一審に係属する場合と刑訴第五条第一項〈数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁…〉

裁判要旨刑訴五条一項〈数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁…〉の規定は、これらの関連事件がいずれも同一審級たる第一審裁判所に係属していることを前提とするのであつて、本件のように、一方は控訴審に、他方は第一審に、審級を異にして係属する場合を含むものではない。(かかる場合に審判の併合を認めれば、一方の事件は、その審判について審級の利益を失うことゝなる)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年3月4日 昭和25(あ)1696
登載
刑集 第6巻3号339頁
参照法条
刑訴法5条1項
論点11第8条刑事訴訟法

刑訴法八条二項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判の併合請求が認められた事例

裁判要旨被告人両名に対する甲地裁に係属中のみのしろ金目的拐取等被告事件と乙地方裁判所に係属中のみのしろ金目的拐取等被告事件とは、事件の内容、関係人の住居その他本件における諸般の事情のもとにおいては、乙地方裁判所に併合するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年7月17日 昭和55(す)111
登載
刑集 第34巻4号229頁
参照法条
刑訴法8条
論点12第8条刑事訴訟法

刑訴法第八条第二項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判併合請求を却下した事例。

裁判要旨一 右被告人に対する仙台地方裁判所に係属中の公務執行妨害被告事件と熊本地方裁判所に係属中の公務執行妨害、建造物侵入被告事件との審判併合請求について各裁判所の決定が一致しなかつたので、被告人及び弁護人から右事件をいずれかの裁判所に併合せられたい旨の請求があつたが、事件の内容、関係人の住居その他諸般の事情に鑑み右各被告事件はそれぞれ現に係属する裁判所において審判するのを相当と認めるので、全裁判官一致の意見により次のとおり決定する。

二 本件審判併合の請求を却下する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年8月10日 昭和36(す)302
登載
集刑 第139号15頁
参照法条
刑訴法8条2項
論点13第8条刑事訴訟法

刑訴法第八条第二項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判併合請求事件について、それぞれ現に係属する裁判所で各別に審判するを相当と認めるときの直近上級裁判所の措置

裁判要旨刑訴第八条第二項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判併合請求事件について、直近上級裁判所が、それぞれ現に係属する裁判所で各別に審判するを相当と認めるときは、その請求を却下すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年7月4日 昭和32(す)453
登載
刑集 第11巻7号1807頁
参照法条
刑訴法8条
論点14第8条刑事訴訟法

刑訴法第八条第二項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判併合請求事件において、その後各裁判所の決定が一致するに至つた場合の直近上級裁判所の措置。

裁判要旨刑訴第八条第二項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判併合請求事件において、その後各裁判所の決定が一致するに至つた場合は、直近上級裁判所は右請求を却下すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年7月3日 昭和31(す)122
登載
刑集 第10巻7号1013頁
参照法条
刑訴法8条
論点15第8条刑事訴訟法

一 昭和二二年政令第一一八号飲食営業緊急措置令の性格
二 旧刑訴第八条第一項第四号〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉の牽連関係があるものとして起訴されたものと認むべき事例
三 訴訟費用の負担と旧刑訴第四〇三条〈原裁判所が不法に公訴棄却の決定をしなかつたときは、決定で公訴を棄却しなければならない。〉

裁判要旨一 飲食営業緊急措置令は、当所からその二条〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉において一定の期間だけその効力を有するいわゆる限時法的性格を持つ趣旨を表明し、その後三回に亘りその期間を延長した末昭和二四年五月七日飲食営業臨時規整法附則四項で「飲食営業緊急措置令は廃止する。但し、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、同令はなおその効力を有する。」と規定したものである。
二 公判請求書に、被告人の物価統制令違反の罪と相被告人の物価統制令違反の罪とが、その時期及び場所を同じくして各別に犯されたものとして記載されているときは、右二個の事件は旧刑訴第八条第一項第四号〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉の規定に従い併せて起訴されたものと認むべきである。
三 訴訟費用の負担のごときは、控訴審の判決において第一審判決より被告人に不利益に変更しても、旧刑訴第四〇三条〈原裁判所が不法に公訴棄却の決定をしなかつたときは、決定で公訴を棄却しなければならない。〉の違反があるとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年12月20日 昭和26(れ)1835
登載
刑集 第5巻13号2556頁
参照法条
刑法6条,旧刑訴法415条,旧刑訴法8条1項4号,旧刑訴法403条,飲食営業緊急措置令(昭和22年7月1日政令118号),昭和22年3月29日政令314号,昭和23年2月28日政令4号,昭和23年4月30日政令98号,飲食営業等規整法附則4条(昭和24年5月7日法律52号)
論点16第8条刑事訴訟法

刑訴法8条2項〈数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で…〉による審判の併合請求が認容された事例

裁判要旨被告人に対する甲地方裁判所に係属中の殺人等被告事件と乙地方裁判所に係属中の銃砲刀剣類所持等取締法違反等被告事件とは,事件の内容,関係人の所在その他本件における諸般の事情の下においては,甲地方裁判所に併合するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年10月26日 平成18(す)612
登載
刑集 第60巻8号537頁
参照法条
刑訴法8条
論点17第9条刑事訴訟法

関税賍物犯と関税逋脱犯とは関連事件か。

裁判要旨原判決が関税法第一一二条違反罪と同法第一一〇条違反罪との関係を、刑訴法第九条第二項〈数個の事件は、左の場合に関連するものとする。〉にいわゆる「賍物に関する罪とその本犯の罪」との関係と同一視すべきものとし、右両者を関連事件としたのは相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年5月25日 昭和38(あ)198
登載
集刑 第155号795頁
参照法条
関税法112条,関税法110条,刑訴法9条2項
論点18第9条刑事訴訟法

警察法第六一条第一項の解釈。

裁判要旨司法警察職員がその管轄区域内で関税法第一一二条の賍物罪の捜査を進めた結果、その本犯についても捜査をする必要が生じたときは、当該司法警察職員は、警察法第六一条第一項の適用上、管轄区域外でも、その本犯の捜査をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年10月23日 昭和37(オ)68
登載
集民 第75号955頁
参照法条
警察法61条1項,刑訴法9条2項
論点19第9条刑事訴訟法

刑訴第九条〈数個の事件は、左の場合に関連するものとする。〉の関連事件と同一〇条〈同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。〉の同一事件

裁判要旨共犯者甲に対する被告事件は、共犯者乙にとつて刑訴第九条〈数個の事件は、左の場合に関連するものとする。〉の関連事件ではあるが、同第一〇条〈同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。〉にいう同一事件ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年4月27日 昭和28(あ)5302
登載
刑集 第8巻4号572頁
参照法条
刑訴法9条,刑訴法10条,刑訴法11条,刑訴法339条1項5号
論点20第10条刑事訴訟法

一 綜合して事実認定に供した数個の証拠中、数量、場所について多少相違するものがあるときと理由齟齬の有無
二 一審公判調書中の共同被告人の供述記載の採証と刑訴応急措置法第一二条第一項

裁判要旨一 原審の事実認定は、原判決挙示の証拠を綜合すれば肯認することができる。論旨の指摘するよのに、A提出に係る盗難被害届記載の被告物件の数量と被告人の運搬したと認定された判示物件の数量との間に多少の齟齬があるとしても、また、右届書記載の被害物件保管の場所と、被告人が本件物件を運搬すべくトラツクに積込をしたと認定された場所とが相違しているとしても、原審が綜合認定の資料とした証拠に照らしそれらの事情は必ずしも被告人の運搬した判示物件がB人絹倉庫株式会社第二号倉庫の盗難被害品たることを認定する妨げとなるものではない。所論は畢竟事実審である原審の裁量に属する事実の認定を非難するに歸し、上告適法の理由とならない。
二 第二審において原審共同被告人を証人として申請した場合に之を却下しながら同人の一審公判調書中の供述記載を事実認定の資料とすることは、刑訴応急措置第一二条〈裁判所は、事実発見のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。〉に違反しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年9月13日 昭和26(れ)254
登載
刑集 第5巻10号1920頁
参照法条
旧刑訴法336条,旧刑訴法10条19号,刑訴応急措置法12条1項,刑訴応急措置法11条2項
論点21第10条刑事訴訟法

原判決の証拠説明中に「供述記載」は供述の「供述」は「記載」の各誤記ある場合と理由不備

裁判要旨所論の原判決証拠説明中の二の証拠は、被告人の第一回公判期日における供述を裁判官更送のため公判手続が更新された第二回公判期日において繰り返したのであるから、証拠説明中には「当公廷における供述」と書くのが正確であるし、又所論原判決証拠説明中の三の証拠は、被告人が愛知縣経済防犯課長宛提出した始末書を証拠調べをしてその中の供述記載を証拠としたものであるから「始末書の「……………」旨の記載」とするのが正確であるが、原判決証拠説明中二の「供述記載」は「供述」の、同三の「供述」は「記載」の各誤記であることは、本件記録上明白であるから、原判決に理由不備又は理由齟齬ありとする所論は、採用することができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和25年10月31日 昭和25(れ)955
登載
集刑 第19号1061頁
参照法条
旧刑訴法360条1項,旧刑訴法410条19号,旧刑訴法10条20号
論点22第12条刑事訴訟法

一 裁判所法第三三条第三項〈被告人に数人の弁護人があるときは、裁判所の規則で、主任弁護人を定めなければならない。〉による事件移送前における簡易裁判所の訴訟手続の効力
二 犯罪の時が判示事実と証拠との間にくいちがいがある判決の適否

裁判要旨一 簡易裁判所がその事物管轄に属する罪名により起訴せられた事件につき、審理の中途において裁判所法第三三条第三項の場合に当るものと認めて事件を管轄地方裁判所に移送し、同地方裁判所は審理の上その事件を簡易裁判所の事物管轄に属しない罪名により処断すべきものと認めた場合にも、右移送前に既にした簡易裁判所の訴訟手続はその効力を失うものでないことは、旧刑訴法第一二条の規定によつて明らかである。
二 犯罪の時は罪となるべき事実の属するものではないから、この点について判決理由と証拠との間に多少のくいちがいがあつても、これがためにその判決を違法として破棄するに足りない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年4月13日 昭和25(れ)1711
登載
刑集 第5巻5号898頁
参照法条
裁判所法33条3項,旧刑訴法12条,旧刑訴法360条1項,旧刑訴法410条19号
論点23第15条刑事訴訟法

一 日本の統治下における朝鮮の通常裁判所が言い渡した有罪の確定判決は旧刑訴法第四八五条〈死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は…〉にいう「有罪ノ言渡ヲ為シタル確定判決」にあたるか
二 右確定判決に対する再審請求の管轄裁判所の指定

裁判要旨一 朝鮮総督府大邱覆審法院が、昭和一七年八月二一日、日本人某に対して言い渡した放火被告事件の有罪の確定判決は、旧刑訴法第四八五条にいう「有罪ノ言渡ヲ為シタル確定判決」にあたる。
二 右確定判決に対する再審請求の管轄裁判所は、旧刑訴法第一五条および裁判所法施行令第一九条第二号に則り、最高裁判所が指定すべきものである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年2月28日 昭和41(す)389
登載
刑集 第21巻1号356頁
参照法条
刑訴施行法2条,旧刑訴法485条,旧刑訴法490条,旧刑訴法15条,共通法13条,共通法18条,共通法19条,裁判所法施行令19条2号,裁判所法施行令2条1項,裁判所法施行令2条2項
論点24第15条刑事訴訟法

一 ポツダム宣言の受託に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律第三項の趣旨。
二 B軍法会議において併合罪につき処断せられた者に対し、刑法第五二条による刑を定める裁判所。

裁判要旨一 ポツダム宣言の受託に伴い発する命令に関する件(昭和二〇年勅令第五四二号)の廃止に関する法律三項は「この法律は、勅令五四二号に基く命令により法律若しくは命令を廃止し、又はこれらの一部を改正した効果に影響を及ぼすものではない)と規定しており、この規定は、同法二項によつて失効する命令が法令を廃止しまたは、改正したものである場合には、右命令が失効しても、法令の改廃に由来する既成の効果を動かさないという趣旨と解すべきである。
二 B軍法会議において併合罪につき処断せられた者に対し、刑法第五二条による刑を定める裁判所は東京地裁である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年11月30日 昭和36(す)265
登載
刑集 第15巻10号1795頁
参照法条
ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律3項,ポツダム宣言の受託に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)3項,刑法52条,旧刑訴法15条,昭和21年5月17日勅令第278号陸軍軍法会議法海軍軍法会議法(以下略)廃止ニ関スル件(昭和22年5月17日政令52号による改正前のもの)
論点25第16条刑事訴訟法

日本統治下の朝鮮総督府裁判所が言い渡した有罪の確定判決に対する再審請求の管轄裁判所の指定を最高裁判所に請求することの適否

裁判要旨大邱覆審法院の如き日本の統治下における朝鮮総督府裁判所令(明治四五年三月一八日制令四号)に基づく裁判所において有罪の言渡を受けた者が、その確定判決に対する再審請求を前提として最高裁判所に管轄指定の請求をなすことを認めた法律の規定がないから、本件請求は不適法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年5月20日 昭和39(す)365
登載
集刑 第159号761頁
参照法条
朝鮮総督府裁判所令(明治45年3月18日制令4号),刑訴法16条,刑訴法438条
論点26第17条刑事訴訟法

管轄移転請求却下決定に対する特別抗告において、憲法三七条一項違反の主張が欠前提処された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年2月7日 昭和61(し)8
登載
集刑 第242号41頁
参照法条
憲法37条1項,刑訴法17条,刑訴法433条
論点27第17条刑事訴訟法

裁判所及び裁判官が被害者である場合と刑訴法一七条一項二号

裁判要旨裁判所及び裁判官が被害者であることは、その一事をもつて直ちに刑訴法一七条一項二号にいう「裁判の公平を維持することができない虞がある」場合にあたるとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和52年6月17日 昭和52(す)131
登載
刑集 第31巻4号675頁
参照法条
刑訴法17条1項2号,刑訴法17条2項
論点28第17条刑事訴訟法

管轄移転の請求が棄却された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年3月7日 昭和49(す)23
登載
集刑 第191号341頁
参照法条
刑訴法17条
論点29第17条刑事訴訟法

刑訴一七条一項〈検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。〉各号に当らない事例

裁判要旨裁判所の所管公文書毀棄の犯罪事実が当該裁判所に起訴審理されたからといつて、その一事をもつて直ちに刑訴一七条一項〈検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。〉各号の事由があるものということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年12月19日 昭和28(し)2
登載
集刑 第90号61頁
参照法条
刑訴法17条,刑訴法433条
論点30第17条刑事訴訟法

管轄移転請求棄却決定に対する特別抗告において,憲法37条違反の主張が欠前提処理された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年1月22日 平成8(し)6
登載
集刑 第267号1頁
参照法条
憲法37条,刑訴法17条,刑訴法433条
論点31第17条刑事訴訟法

刑訴法17条1項2号〈検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。 地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。〉にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらないとされた事例

裁判要旨米軍属による強姦致死,殺人,死体遺棄事件として管轄区域で大々的に報道され,当該区域の住民の中から裁判員を選任することになるなどの所論が主張する点(判文参照)は,管轄裁判所において公平な裁判が行われることを期待し難い事情とはいえず,刑訴法17条1項2号〈検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。 地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。〉にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成28年8月1日 平成28(す)398
登載
刑集 第70巻6号581頁
参照法条
刑訴法17条1項2号,刑訴法17条2項
論点32第17条刑事訴訟法

管轄移転の請求が訴訟を遅延させる目的のみでされたことが明らかである場合における刑訴規則6条〈土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、一個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができ…〉による訴訟手続の停止の要否

裁判要旨管轄移転の請求が訴訟を遅延させる目的のみでされたことが明らかである場合には,刑訴規則6条により訴訟手続を停止することを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和3年12月10日 令和3(あ)964
登載
刑集 第75巻9号1119頁
参照法条
刑訴法17条,刑訴規則6条
論点33第19条刑事訴訟法

いわゆる事件回付の措置と訴訟法に準拠する不服申立

裁判要旨地方裁判所の本庁と支部との間あるいは支部相互間の事件の回付の措置に対しては、当事者は、訴訟法に準拠する不服の申立はできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年3月25日 昭和44(し)3
登載
刑集 第23巻3号212頁
参照法条
憲法32条,憲法37条1項,憲法77条1項,裁判所法31条1項,民訴法31条,民訴法410条,刑訴法19条3項,刑訴法419条,刑訴法420条1項,下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律2条,地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則1条1項
論点34第19条刑事訴訟法

一 有罪判決において証拠の標目を挙示したことと証拠説明に関する法律上の判断
二 刑訴法第一二二条〈没収することができる押収物で滅失若しくは破損の虞があるもの又は保管に不便なものについては、これを売却してその代価を保管す…〉による換価代金と刑法第一九条

裁判要旨一 有罪判決において、数個の独立した犯罪事実を認定するにあたり、証拠の標目を一括して挙示したからといつて、ただそれだけでは、その判決は、かかる場合の証拠説明の仕方に関し、何ら法律上の判断見解を示したものとはいえない。
二 押収した犯罪行為組成物件の刑訴第一二二条〈没収することができる押収物で滅失若しくは破損の虞があるもの又は保管に不便なものについては、これを売却してその代価を保管す…〉(第二二二条〈第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項…〉)による換価代金は、刑法第一九条の適用上、被換価物件と同一視すべきものであつて、同条にいわゆる「対価」ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和25年10月26日 昭和25(あ)477
登載
刑集 第4巻10号2170頁
参照法条
刑訴法335条1項,刑訴法405条,刑訴法122条,刑訴法222条,刑訴法19条
原

条文原文

原文ママ

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刑事訴訟法 第2条 詳細ページ
第二条裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。
2国外に在る日本船舶内で犯した罪については、前項に規定する地の外、その船舶の船籍の所在地又は犯罪後その船舶の寄泊した地による。
3国外に在る日本航空機内で犯した罪については、第一項に規定する地の外、犯罪後その航空機の着陸(着水を含む。)した地による。
刑事訴訟法 第3条 詳細ページ
第三条事物管轄を異にする数個の事件が関連するときは、上級の裁判所は、併せてこれを管轄することができる。
2高等裁判所の特別権限に属する事件と他の事件とが関連するときは、高等裁判所は、併せてこれを管轄することができる。
刑事訴訟法 第4条 詳細ページ
第四条事物管轄を異にする数個の関連事件が上級の裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、上級の裁判所は、決定で管轄権を有する下級の裁判所にこれを移送することができる。
刑事訴訟法 第5条 詳細ページ
第五条数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。
2高等裁判所の特別権限に属する事件が高等裁判所に係属し、これと関連する事件が下級の裁判所に係属するときは、高等裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。
刑事訴訟法 第6条 詳細ページ
第六条土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、一個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができる。但し、他の法律の規定により特定の裁判所の管轄に属する事件は、これを管轄することができない。
刑事訴訟法 第7条 詳細ページ
第七条土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判所にこれを移送することができる。
刑事訴訟法 第8条 詳細ページ
第八条数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを一の裁判所に併合することができる。
2前項の場合において各裁判所の決定が一致しないときは、各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で事件を一の裁判所に併合することができる。
刑事訴訟法 第9条 詳細ページ
第九条数個の事件は、左の場合に関連するものとする。
一一人が数罪を犯したとき。
二数人が共に同一又は別個の罪を犯したとき。
三数人が通謀して各別に罪を犯したとき。
2犯人蔵匿の罪、証憑湮滅の罪、偽証の罪、虚偽の鑑定通訳の罪及び贓物に関する罪とその本犯の罪とは、共に犯したものとみなす。
刑事訴訟法 第10条 詳細ページ
第十条同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。
2上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。
刑事訴訟法 第11条 詳細ページ
第十一条同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。
2各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で後に公訴を受けた裁判所にその事件を審判させることができる。
刑事訴訟法 第12条 詳細ページ
第十二条裁判所は、事実発見のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。
2前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。
刑事訴訟法 第13条 詳細ページ
第十三条訴訟手続は、管轄違の理由によつては、その効力を失わない。
刑事訴訟法 第14条 詳細ページ
第十四条裁判所は、管轄権を有しないときでも、急速を要する場合には、事実発見のため必要な処分をすることができる。
2前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。
刑事訴訟法 第15条 詳細ページ
第十五条検察官は、左の場合には、関係のある第一審裁判所に共通する直近上級の裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。
一裁判所の管轄区域が明らかでないため管轄裁判所が定まらないとき。
二管轄違を言い渡した裁判が確定した事件について他に管轄裁判所がないとき。
刑事訴訟法 第16条 詳細ページ
第十六条法律による管轄裁判所がないとき、又はこれを知ることができないときは、検事総長は、最高裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。
刑事訴訟法 第17条 詳細ページ
第十七条検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。
一管轄裁判所が法律上の理由又は特別の事情により裁判権を行うことができないとき。
二地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。
2前項各号の場合には、被告人も管轄移転の請求をすることができる。
刑事訴訟法 第18条 詳細ページ
第十八条犯罪の性質、地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をするときは公安を害する虞があると認める場合には、検事総長は、最高裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。
刑事訴訟法 第19条 詳細ページ
第十九条裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同じくする他の管轄裁判所に移送することができる。
2移送の決定は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。
3移送の決定又は移送の請求を却下する決定に対しては、その決定により著しく利益を害される場合に限り、その事由を疎明して、即時抗告をすることができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。