論点1第295条会社法
取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めの効力
裁判要旨取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成29年2月21日 平成28(許)24
- 登載
- 民集 第71巻2号195頁
- 参照法条
- 会社法295条2項,会社法362条2項3号
論点2第296条旧商法下の裁判例
一 株式会社のいわゆる全員出席総会における決議の効力
二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議が有効となる場合
裁判要旨一 招集手続を欠くのに株主全員が株主総会の開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会においてされた決議は、総会の決議として有効に成立する。
二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議は、当該株主が会議の目的たる事項を了知したうえで委任をし、かつ、決議の内容が右事項の範囲内のものである場合には、総会の決議として有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和60年12月20日 昭和58(オ)1567
- 登載
- 民集 第39巻8号1869頁
- 参照法条
- 商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)230条ノ2,商法231条,商法232条,商法239条1項,商法239条3項,商法239条4項
論点3第296条旧商法下の裁判例
いわゆる一人会社と株主総会の成立
裁判要旨いわゆる一人会社においては、その一人の株主が出席すれば、招集の手続がなくても、株主総会は成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年6月24日 昭和43(オ)826
- 登載
- 民集 第25巻4号596頁
- 参照法条
- 商法231条,商法232条,商法239条1項
論点4第296条旧商法下の裁判例
一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に重大なかしがある場合と決議取消請求の裁量棄却
二、株主総会招集の手続に決議取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるとされた事例
裁判要旨一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に性質、程度等からみて重大なかしがある場合には、そのかしが決議の結果に影響を及ぼさないと認められるようなときでも、裁判所は、右決議の取消請求を認容すべきであつて、これを裁量棄却することは許されない。
二、株主総会招集の手続が、その招集につき決定の権限を有する取締役会の有効な決議に基づかないでなされたものであるのみならず、その招集の通知が、すべての株主に対して法定の招集期間に二日足りない会日より一二日前になされたものであるときは、右株主総会招集の手続には、右総会の決議の取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるというべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年3月18日 昭和44(オ)89
- 登載
- 民集 第25巻2号183頁
- 参照法条
- 商法247条,商法231条,商法232条1項
論点5第296条旧商法下の裁判例
一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如と他の株主との関係における取締役の職務上の義務違反の有無
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえないとされた事例
裁判要旨一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如は、すべての株主に対する関係において取締役の職務上の義務違反に当たる。
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において、既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に、右当時、右の者が会社を被告として株主としての地位の確認を請求する訴訟において請求を棄却すべきものとする判決が言い渡されていたものの、同判決は未確定であったなど判示の事実関係の下においては、右の者に対する株主総会の招集通知の欠如につき取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年9月9日 平成6(オ)362
- 登載
- 集民 第185号199頁
- 参照法条
- 商法204条1項,商法224条1項,商法231条,商法266条ノ3第1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ2,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ5,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)206条1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)232条,民訴法225条
論点6第296条旧商法下の裁判例
取締役を選任する旨の株主総会決議が不存在である場合とその後の取締役を選任する旨の株主総会決議の効力
裁判要旨取締役に選任する旨の株主総会の決議が不存在である場合に、その者を構成員の一員とする取締役会で選任された代表取締役が、その取締役会の招集決定に基づき招集した株主総会において取締役を選任する旨の決議がされたときは、右決議は、いわゆる全員出席総会においてされたなど特段の事情がない限り、不存在である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成2年4月17日 昭和60(オ)1529
- 登載
- 民集 第44巻3号526頁
- 参照法条
- 商法231条,商法254条1項,商法258条1項,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)252条
論点7第299条旧商法下の裁判例
株主総会招集手続に瑕疵がある場合であつても決議取消請求を棄却するのが相当であるとされた事例
裁判要旨二七〇〇株の株主に対する株主総会の招集通知に法定の招集期間より六日足りない瑕疵がある場合であつても、右株主に対しては代表取締役があらかじめ総会の議題を話しており、右株主も総会が右株主の住居と同一建物内で開催されることを熟知しながら意識的に出席を拒否したものであり、かつ、他の七三〇〇株の株主全員が出席して全会一致で解散の決議をしたなど、原判示のような事情のもとにおいては、決議取消請求を棄却するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和55年6月16日 昭和55(オ)193
- 登載
- 集民 第130号15頁
- 参照法条
- 商法232条1項,商法247条
論点8第299条旧商法下の裁判例
少数株主の請求に基づく取締役解任を目的とする臨時総会の招集と商法二七一条一項の会社の常務
裁判要旨取締役の解任を目的とする臨時総会の招集は、少数株主による招集請求に基づくときでも、商法二七一条一項にいう会社の常務に属さない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和50年6月27日 昭和50(オ)157
- 登載
- 民集 第29巻6号879頁
- 参照法条
- 商法232条,商法235条,商法237条,商法270条,商法271条
論点9第299条旧商法下の裁判例
株主総会の決議の取消を不適当する事情がある場合にあたらないとされた事例
裁判要旨株主総会における数個の決議の取消を求める訴において、各決議の取消原因として、株主総会につき発せられた招集通知期間に判示のような著しい不足があるのみならず、一個の決議を除く他の決議については、招集通知に会議の目的たる事項の記載がなかつたという瑕疵があるときは、これらの瑕疵は軽微とはいえず、すべての決議について、その取消を不適当とする事情がある場合にあたるとは到底認められない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年12月18日 昭和43(オ)913
- 登載
- 集民 第97号799頁
- 参照法条
- 商法232条,商法247条
論点10第299条旧商法下の裁判例
いわゆる同族会社における株主総会の招集手続は口頭の通知をもつてすることが許されるか。
裁判要旨同族会社における株主総会の招集手続について、有限会社法第三八条等の特別規定はないから、商法第二三二条の手続によらねばならない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年8月8日 昭和36(オ)1376
- 登載
- 集民 第67号245頁
- 参照法条
- 商法232条
論点11第299条旧商法下の裁判例
合資会社の社員の決議と社員に対する予めの通知の要否
裁判要旨合資会社の社員の決議については、予め社員に対し、相当期間を定めて決議事項を通知することは、法律上必要ではない
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和33年5月20日 昭和31(オ)983
- 登載
- 民集 第12巻7号1086頁
- 参照法条
- 商法68条,商法86条1項,商法147条,商法232条1項,商法232条2項,民法62条
論点12第299条旧商法下の裁判例
株主総会の決議が不存在と認められた事例。
裁判要旨株主九名、株式総数五、〇〇〇株の株式会社において、株主の一名である代表取締役が、単に、自己の実子である二名の株主に口頭で株主総会招集の通知をしただけで、他の六名の株主(その持株二、一〇〇株)には招集の通知を全然なさず、右親子三名だけが株式総会としての決議をしても、これにより株主総会が成立しその決議があつたものということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年10月3日 昭和31(オ)396
- 登載
- 民集 第12巻14号3053頁
- 参照法条
- 商法232条,商法252条
論点13第309条旧商法下の裁判例
有限会社の社員総会における特定の社員を取締役に選任すべき決議と右特定の社員の特別利害関係
裁判要旨有限会社の社員総会において、その社員である特定の者を取締役に選任すべき決議をする場合に、その特定の者は、右決議につき特別の利害関係を有する者にあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和53年4月14日 昭和52(オ)833
- 登載
- 民集 第32巻3号601頁
- 参照法条
- 有限会社法41条,商法239条5項
論点14第309条旧商法下の裁判例
一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合と株主である地方公共団体、株式会社の職員又は従業員による議決権の代理行使
二、株主総会決議取消の訴において商法二四八条一項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することの許否
裁判要旨一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合においても、株主である地方公共団体、株式会社が、その職制上上司の命令に服する義務を負い、議決権の代理行使にあたつて法人の代表者の意図に反することができないようになつている職員又は従業員に議決権を代理行使させることは、右定款の規定に反しない。
二、株主総会決議取消の訴において、商法二四八条一項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは、許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和51年12月24日 昭和48(オ)794
- 登載
- 民集 第30巻11号1076頁
- 参照法条
- 商法239条3項,商法247条,商法248条1項
論点15第309条旧商法下の裁判例
一、取消差戻の控訴審判決を得た控訴人と上告の利益の有無
二、議決権行使の代理資格を株主に制限した定款の定めと議決権行使許容の仮処分の効力
三、当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否
裁判要旨一、第一審判決を取り消し、事件を第一審に差し戻す旨の控訴審判決があつた場合においては、控訴人は、取消の理由となつた右判決の判断の違法をいうときにかぎり、右判決に対して上告の利益を有する。
二、定款により株主総会における議決権行使の代理資格を株主に制限している株式会社において、株主名簿上の株主でない甲に乙名義株式の議決権行使を許容した仮処分がされても、右仮処分は、甲に乙以外の株主の議決権を代理行使する資格を与えるものではない。
三、独立当事者参加の申出は、参加人が当該訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和45年1月22日 昭和42(オ)867
- 登載
- 民集 第24巻1号1頁
- 参照法条
- 民訴法71条,民訴法393条,民訴法760条,裁判所法4条,商法239条
論点16第309条旧商法下の裁判例
代表取締役の解任に関する取締役会の決議についてその代表取締役は特別利害関係人にあたるか
裁判要旨代表取締役の解任に関する取締役会の決議については、その代表取締役は、特別利害関係人にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和44年3月28日 昭和43(オ)728
- 登載
- 民集 第23巻3号645頁
- 参照法条
- 商法260条の2,商法239条5項
論点17第309条旧商法下の裁判例
一、株式会社の訴訟上の代表者と商法第一二条の適用の有無
二、議決権行使の代理人の資格を株主に制限する旨の定款の規定の効力
裁判要旨一、商法第一二条は、当事者である株式会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。
二、議決権を行使する株主の代理人の資格を当該会社の株主に制限する旨の定款の規定は、有効である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月1日 昭和40(オ)1206
- 登載
- 民集 第22巻12号2402頁
- 参照法条
- 商法12条,商法239条3項,民訴法58条,民訴法45条
論点18第309条旧商法下の裁判例
一 株主総会の決議の成立と採決手続を経ることの要否
二 営業を譲渡する会社の株主が譲受会社の代表取締役である場合と営業譲渡の議案についてのいわゆる特別利害関係人
裁判要旨一 株主総会の決議は、定款に別段の定めがないかぎり、その議案に対する賛成の議決権数が決議に必要な数に達したことが明白になつた時に成立するものと解すべきであつてかならずしも挙手、起立、投票などの採決の手続をとることを要しない。
二 営業の譲渡に関する株主総会の決議について、譲渡会社の株主が譲受会社の代表取締役であつても、ただちにその株主が商法第二三九条第五項のいわゆる特別利害関係人にあたるとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和42年7月25日 昭和40(オ)821
- 登載
- 民集 第21巻6号1669頁
- 参照法条
- 商法239条1項,商法239条5項,商法245条1項1号
論点19第309条旧商法下の裁判例
株主である取締役の解任に関する株主総会の決議について右株主は特別利害関係人にあたるか
裁判要旨株主である取締役は、当該取締役の解任に関する株主総会の決議については、商法第二三九条第五項にいう特別の利害関係を有する者にあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和42年3月14日 昭和41(オ)868
- 登載
- 民集 第21巻2号378頁
- 参照法条
- 商法239条5項
論点20第309条旧商法下の裁判例
一 特別の利害関係を有する取締役と取締役会の定足数の算定
二 議決時に定足数を欠くにいたつた取締役会の決議の効力
裁判要旨一 株式会社の取締役会の定足数は、決議に特別の利害関係を有する取締役の員数を控除して算定すべきではない。
二 株式会社の取締役会の定足数は、開会時に充足されただけでは足りず、討議・議決の全過程を通じて維持されるべきであり、議決時にこれを欠くにいたつた場合には、当該決議は無効というべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年8月26日 昭和40(オ)68
- 登載
- 民集 第20巻6号1289頁
- 参照法条
- 商法260条ノ2,商法239条5項,商法240条2項