この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 株主は取締役に対し、株主総会の日の八週間前(定款で下回る期間を定めた場合はその期間)までに、自己が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求できる。
- 取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一以上又は三百個以上の議決権を六箇月前から引き続き有する株主に限り当該請求をすることができる(定款でこれらを下回る割合・個数・期間を定めた場合はその定めによる)。
- 公開会社でない取締役会設置会社については、六箇月の継続保有要件は適用されない。
- 当該株主総会の目的である事項について議決権を行使できない株主の議決権数は、総株主の議決権数に算入しない。
- 取締役会設置会社の株主が提出しようとする議案が十を超える場合、十を超える数に相当する議案には前三項の規定が適用されず、議案の数え方・優先順位の定め方及び適用除外事由(法令・定款違反、実質的に同一議案の三年以内の否決)が定められている。
議案要領通知請求権(第305条)の要件
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 内容 | 数値・要件 | 定款による別段の定め |
|---|---|---|---|
| 請求の内容 | 株主総会の目的である事項につき株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知の場合はその通知に記載・記録すること)を請求 | 株主総会の日の八週間前までに請求 | これを下回る期間を定款で定めた場合はその期間 |
| 行使要件(取締役会設置会社) | 取締役会設置会社において当該請求をすることができる株主の範囲 | 総株主の議決権の百分の一以上の議決権 又は 三百個以上の議決権を六箇月前から引き続き有する株主 | 割合・個数・期間についてこれらを下回る定めを定款で定めた場合はその定め |
| 行使要件(公開会社でない取締役会設置会社) | 六箇月の継続保有要件の読替え | 「六箇月前から引き続き有する」を「有する」と読み替え | ― |
| 議決権数の算入除外 | 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主の議決権数 | 同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない | ― |
| 議案数の上限(取締役会設置会社) | 株主が提出しようとする議案の数が十を超えるとき | 十を超える数に相当することとなる数の議案には前三項の規定を適用しない | ― |
| 議案の数え方 | 役員等(取締役・会計参与・監査役・会計監査人)の選任に関する議案/役員等の解任に関する議案/会計監査人を再任しないことに関する議案/定款の変更に関する二以上の議案(異なる議決がされれば内容が相互に矛盾する可能性がある場合) | それぞれ議案の数にかかわらず一の議案とみなす | ― |
| 十を超える議案の決定者 | 十を超える数に相当することとなる数の議案をどれとするかの決定 | 取締役が定める | 請求株主が議案相互間の優先順位を定めている場合は、取締役はその優先順位に従い定める |
| 適用除外(内容による) | 第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合 | 第一項から第三項までの規定を適用しない | ― |
| 適用除外(再提案による) | 実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く)の議決権の十分の一以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合 | 第一項から第三項までの規定を適用しない | これを下回る割合を定款で定めた場合はその割合 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定本条を直接の参照法条とする登載判例はありません※最高裁判所ウェブサイトの判例検索データベースに、本条を直接の参照法条とする登載判例はありません(条文通りの実務運用)。裁判例検索で自分で確かめる
実務注記
原文解釈- 通知期限8週間の定款短縮の有無を確認原則は株主総会の日の八週間前までの請求だが、定款でこれを下回る期間を定めている場合はその期間が基準となる。
- 取締役会設置会社での保有要件(割合・個数・期間)を確認総株主の議決権の百分の一以上又は三百個以上の議決権を六箇月前から引き続き有することが必要だが、定款でこれらを下回る割合・個数・期間を定めている場合はその定めによる。
- 公開会社でない取締役会設置会社は保有期間要件が外れる公開会社でない取締役会設置会社では、六箇月前から引き続き有することという継続保有要件は適用されず、単に有することで足りる。
- 議決権行使できない株主の議決権数は分母から除外当該株主総会の目的である事項について議決権を行使できない株主の議決権数は、総株主の議決権の数(要件判定の基礎)に算入しない。
- 議案10個超の場合の取扱いと優先順位の要否を確認議案が十を超えるときは超える部分に規定が適用されず、その選定は取締役が行うが、請求株主が優先順位を定めていればそれに従う必要がある。また法令・定款違反の議案や、実質的に同一議案が三年以内に十分の一以上の賛成を得られず否決されている場合は請求自体ができない。
条文原文
原文ママ会社法 第305条
第三百五条株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。
2公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
3第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。
4取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。
一取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。
二役員等の解任に関する議案当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。
三会計監査人を再任しないことに関する議案当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。
四定款の変更に関する二以上の議案当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。
5前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。
6第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第305条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。