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親子/実子

実子の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

実子に関する規定は、婚姻中に生まれた子を夫の子と推定する嫡出推定(772条)、その推定を争う嫡出否認(774条から778条の4)、婚姻外で生まれた子と父母との関係を成立させる認知(779条から788条)の3つの制度で構成される。嫡出否認は否認権者(父・子・母・前夫)ごとに相手方と出訴期間が定められ、認知についても無効を争う訴えの期間や認知を求める訴えの期間が条文で定められている。

実子の否認・無効の整理
制度主張できる者相手方出訴期間
嫡出否認父子又は親権を行う母3年(出生を知った時)
嫡出否認子父3年(出生の時)
嫡出否認母父3年(出生の時)
嫡出否認前夫父及び子又は母3年(出生を知った時)
認知無効子・法定代理人―7年(認知を知った時)
認知無効認知をした者―7年(認知の時)
認知無効子の母―7年(認知を知った時)
  • 子の否認権は、父との同居期間が通算3年未満なら21歳に達するまで提起できる(778条の2第2項、父の利益を著しく害する場合を除く)
  • 認知の無効についても、認知者との同居期間が3年未満の子は21歳に達するまで提起できる(786条2項、著しく害する場合を除く)
  • 前夫の否認権に基づく訴えは、子が成年に達した後は提起できない(778条の2第4項)
  • 772条3項で父が定められた子が774条で否認された場合、再否認の訴えの出訴期間は原則3年でなく1年になる(778条)
  • 嫡出否認や認知無効が認められても、子はそれまでの監護費用を返還する義務を負わない(778条の3、786条4項)
  • 相続開始後に772条4項の再否認で新たに父と定められた者の遺産分割請求は、価額のみの支払請求による(778条の4)
1

実子

実子について、条文は何を定めているか。

第772条嫡出の推定婚姻中に生まれた子は夫の子と推定4項判例 21件
  • 婚姻中の懐胎に加え、婚姻前懐胎で婚姻後生まれた子も夫の子と推定される
  • 婚姻成立200日以内の出生は婚姻前懐胎、超過後や離婚等300日以内は婚姻中懐胎と推定
  • 懐胎から出生までに複数回婚姻していた場合は直近の婚姻の夫の子と推定
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第773条父を定めることを目的とする訴え父が決まらない子は裁判所が父を定める1項判例なし
  • 重婚にあたる婚姻をした女性の出産で父が決まらない時は裁判所が定める
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第774条嫡出の否認父・子・母・前夫は嫡出を否認できる5項判例 4件
  • 772条〈嫡出の推定〉で父が定まる子について父・子は嫡出であることを否認できる
  • 親権者の母・養親、未成年後見人は子のために否認権を行使できる
  • 母や前夫(父以外の元夫)も否認できるが、子の利益を明らかに害する場合はできない
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第775条嫡出否認の訴え否認権ごとに訴える相手方が決まっている2項・4号判例 8件
  • 父の否認権は子または親権者の母に対して行使する
  • 子・母の否認権は父に対して、前夫の否認権は父と子(親権者の母)に対して行使する
  • 親権者の母がいない場合、家庭裁判所が特別代理人を選任する
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第776条嫡出の承認出生後に嫡出を承認すると否認権を失う1項判例 1件
  • 父または母が子の出生後に嫡出であることを承認すると、その否認権を失う
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第777条嫡出否認の訴えの出訴期間否認の訴えは原則3年以内に提起1項・4号判例 2件
  • 父の否認権は父が子の出生を知った時から3年以内
  • 子・母の否認権は子の出生の時から3年以内
  • 前夫の否認権は前夫が子の出生を知った時から3年以内
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第778条再否認後の出訴期間は原則1年に短縮1項・4号判例 1件
  • 772条3項〈嫡出の推定〉で父が定まった子が774条〈嫡出の否認〉で否認された後の各否認権に適用
  • 新たな父・子は、否認の裁判確定を知った時から1年以内に提訴
  • 母・前夫も、その裁判確定を知った時から1年以内に提訴
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第778_2条出訴期間には特別な延長・制限がある4項判例なし
  • 親権者や未成年後見人がいない期間があった子は、就任等から6か月間は提訴可能
  • 父と同居3年未満の子は21歳まで提訴可(父の利益を著しく害する時を除く)
  • 前夫の否認権による訴えは子が成年に達した後は提起できない
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第778_3条子の監護に要した費用の償還の制限否認されても監護費用を返す義務はない1項判例なし
  • 774条〈嫡出の否認〉で嫡出が否認されても、子は父であった者の養育費を返す必要はない
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第778_4条相続の開始後に新たに子と推定された者の価額の支払請求権遺産分割請求が価額支払のみになる場合1項判例なし
  • 他の相続人が既に遺産分割済みなら、新たに父と定まった者は価額のみの支払を請求
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第779条認知嫡出でない子は父母が認知できる1項判例 10件
  • 婚姻していない父母は、その子を認知することができる
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第780条認知能力未成年者や成年被後見人も単独で認知できる1項判例なし
  • 認知する父母が未成年者・成年被後見人でも法定代理人の同意は不要
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第781条認知の方式認知は届出または遺言でする2項判例 5件
  • 戸籍法の定めに従い役所へ届け出て認知する
  • 遺言によって認知することもできる
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第782条成年の子の認知成年の子は本人の承諾がないと認知不可1項判例なし
  • 子が成年に達している場合、その承諾がなければ認知できない
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第783条胎児又は死亡した子の認知胎児や死亡した子も認知できる場合がある3項判例 2件
  • 胎児も認知できるが、母の承諾が必要
  • 772条〈嫡出の推定〉で父が定まる子については、その胎児認知は効力を生じない
  • 死亡した子は直系卑属がいる場合のみ認知でき、卑属が成年なら承諾が必要
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第784条認知の効力認知の効力は子の出生時にさかのぼる1項判例 1件
  • ただし、第三者が既に得ていた権利を害することはできない
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第785条認知の取消しの禁止認知は父母から取り消せない1項判例 2件
  • 認知をした父または母は、その認知を取り消すことができない
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第786条認知の無効の訴え認知に反する事実があれば無効を争える4項・3号判例 9件
  • 子・法定代理人、認知者、母はそれぞれ起算点から7年以内に無効の訴えを提起できる
  • 母による無効主張は子の利益を明らかに害する時はできない
  • 認知者と同居3年未満の子は21歳まで提訴可(著しく害する時等を除く)
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第787条認知の訴え認知してくれない父母には認知の訴えができる1項判例 19件
  • 子・直系卑属・その法定代理人が提起できるが、父母の死亡から3年経過後は不可
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第788条認知後の子の監護に関する事項の定め等認知後の監護費用や面会交流は離婚時と同様に定める1項判例なし
  • 766条〈離婚後の子の監護に関する事項の定め等〉から766条の3〈子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例〉の規定(監護に関する事項の定め等)を認知の場合にも準用する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第772条民法

民法七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子の認知の訴と同法七八七条但書の適用の有無

裁判要旨内縁関係により懐胎出生し、民法七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子についても、認知の訴の提起にあたつては出訴期間の制限に関する同法七八七条但書の適用がある(昭和四四年(オ)第七六九号同年一一月二七日第一小法廷判決・民集二三巻一一号二二九〇頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年12月23日 昭和55(オ)774
登載
集民 第131号413頁
参照法条
民法772条,民法787条
論点2第772条民法

民法七七二条〈嫡出の推定〉による推定を受ける嫡出子と認知の訴

裁判要旨民法七七二条〈嫡出の推定〉による推定を受ける嫡出子は、他に実父がいる場合であつても、同法七七四条〈嫡出の否認〉ないし七七八条〈第七百七十二条第三項の規定により父が定められた子について第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認されたときは、次の…〉に定められている嫡出否認の訴によつてその推定が覆えされないかぎり、実父に対して認知の訴を提起することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年2月8日 昭和48(オ)812
登載
集民 第111号151頁
参照法条
民法772条,民法774条,民法775条,民法776条,民法777条,民法778条,民法787条
論点3第772条民法

婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例

裁判要旨離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であつても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年以前から事実上の協議離婚をして別居し、夫婦の実態が失われていた場合には、民法七七二条〈嫡出の推定〉による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年9月4日 昭和43(オ)1310
登載
集民 第96号485頁
参照法条
民法772条,民法774条
論点4第772条民法

婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例

裁判要旨離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であつても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年半以前から事実上の離婚をして別居し、まつたく交渉を絶つて、夫婦の実態が失われていた場合には、民法七七二条〈嫡出の推定〉による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年5月29日 昭和43(オ)1184
登載
民集 第23巻6号1064頁
参照法条
民法772条,民法774条
論点5第772条民法

民法七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子の認知の訴と同法七八七条但書の適用の有無

裁判要旨民法七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子についても、認知の訴の提起にあたつては、出訴期間の制限に関する同法七八七条但書の適用がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年11月27日 昭和44(オ)769
登載
民集 第23巻11号2290頁
参照法条
民法772条,民法787条
論点6第772条民法

内縁の夫との間に出生した子の推定と民法第七七二条の準用

裁判要旨内縁の妻が、内縁関係成立の日から二〇〇日後、解消の日から三〇〇日以内に分娩した子は、民法七七二条〈嫡出の推定〉の趣旨を類推し、内縁の夫の子と推定すべきである。(最高裁判所昭和二九年一月二一日第一小法廷判決参照)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月22日 昭和42(オ)200
登載
集民 第89号583頁
参照法条
民法772条
論点7第772条民法

内縁関係成立の日から二〇〇日後婚姻成立の日から二〇〇日以内に生まれた子は民法第七七二条所定の嫡出の推定を受けるか

裁判要旨婚姻成立の日から二〇〇日以内に生まれた子は、婚姻に先行する内縁関係の成立の日から二〇〇日後に生まれたものであつても、民法第七七二条〈嫡出の推定〉所定の嫡出の推定は受けない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年2月15日 昭和39(オ)109
登載
民集 第20巻2号202頁
参照法条
民法772条
論点8第772条民法

旧民法施行当時における婚姻予約と父母の同意

裁判要旨満三〇年に達しない男が婚姻予約をするには、旧民法施行の当時においても父母の同意を必要としなかつたものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年6月26日 昭和26(オ)228
登載
民集 第7巻6号766頁
参照法条
民法737条1項,旧民法772条1項
論点9第772条民法

一 外国人である母の非嫡出子が日本人である父により胎児認知されていなくても国籍法二条一号により日本国籍を取得する場合
二 韓国人である母の非嫡出子であって日本人である父により出生後に認知された子につき国籍法二条一号による日本国籍の取得が認められた事例

裁判要旨一 外国人である母の非嫡出子が日本人である父により胎児認知されていなくても、右非嫡出子が戸籍の記載上母の夫の嫡出子と推定されるため日本人である父による胎児認知の届出が受理されない場合であって、右推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるときは、右胎児認知がされた場合に準じて、国籍法二条一号の適用を認め、子は生来的に日本国籍を取得すると解するのが相当であり、右特段の事情があるというためには、母の夫と子との間の親子関係の不存在を確定するための法的手続が子の出生後遅滞なく執られた上、右不存在が確定されて認知の届出を適法にすることができるようになった後速やかに認知の届出がされることを要する。
二 韓国人である母乙の子甲が出生した当時、乙が日本人である丙と婚姻関係にあったため、日本人である父丁が適法に甲を胎児認知することができなかったが、甲の出生の約三箇月後に丙と甲との親子関係不存在確認の調停が申し立てられ、親子関係不存在確認の審判が確定した一二日後に丁が甲を認知したなど判示の事実関係の下においては、甲は、国籍法二条一号により日本国籍を取得する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成9年10月17日 平成8(行ツ)60
登載
民集 第51巻9号3925頁
参照法条
国籍法2条1号,民法772条,民法779条,民法783条1項
論点10第772条民法

1 民法733条1項〈削除〉の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項
2 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項
3 立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける場合
4 国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例

裁判要旨1 民法733条1項〈削除〉の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分は,憲法14条1項,24条2項に違反しない。
2 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は,平成20年当時において,憲法14条1項,24条2項に違反するに至っていた。
3 法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合などにおいては,国会議員の立法過程における行動が個々の国民に対して負う職務上の法的義務に違反したものとして,例外的に,その立法不作為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けることがある。
4 平成20年当時において国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことは,(1)同項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分が合理性を欠くに至ったのが昭和22年民法改正後の医療や科学技術の発達及び社会状況の変化等によるものであり,(2)平成7年には国会が同条を改廃しなかったことにつき直ちにその立法不作為が違法となる例外的な場合に当たると解する余地のないことは明らかであるとの最高裁判所第三小法廷の判断が示され,(3)その後も上記部分について違憲の問題が生ずるとの司法判断がされてこなかったなど判示の事情の下では,上記部分が違憲であることが国会にとって明白であったということは困難であり,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。
(1につき補足意見,1,2につき補足意見及び意見,1~4につき補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成27年12月16日 平成25(オ)1079
登載
民集 第69巻8号2427頁
参照法条
(1~4につき)憲法14条1項,憲法24条,民法733条,民法772条 (3,4につき)国家賠償法1条1項
論点11第772条民法

夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否

裁判要旨夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年7月17日 平成24(受)1402
登載
民集 第68巻6号547頁
参照法条
民法772条,民法775条,人事訴訟法2条2号
論点12第772条民法

夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否

裁判要旨夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,子が現時点において妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年7月17日 平成25(受)233
登載
集民 第247号79頁
参照法条
民法772条,民法775条,人事訴訟法2条2号
論点13第772条民法

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項〈私権の享有は、出生に始まる。〉の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子と嫡出の推定

裁判要旨性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項〈私権の享有は、出生に始まる。〉の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は,民法772条〈嫡出の推定〉の規定により夫の子と推定されるのであり,夫が妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に実質的に同条の推定を受けないということはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年12月10日 平成25(許)5
登載
民集 第67巻9号1847頁
参照法条
民法772条,戸籍法13条8号,戸籍法施行規則35条16号,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律4条
論点14第772条民法

大韓民国の国籍を有するAとその嫡出子として同国の戸籍に記載されているYとの間の実親子関係についてAの子であるXらが不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に,同国の民法の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

裁判要旨大韓民国の国籍を有するAの嫡出子として同国の戸籍に記載されているYがAの実子ではない場合において,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,これらの事情を十分検討することなく,Aの子であるXらがAとYとの間の実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,同国の民法の解釈適用を誤った違法がある。
(1) AとYとの間には30年以上にわたり実親子と同様の生活の実体があり,かつ,Xらは,Aの死亡の約10年後まではYがAの実子であることを否定したことがなく,Yとの間でAの遺産分割協議を成立させた。
(2) 判決をもってAとYとの間の実親子関係の不存在が確定されると,Yは軽視し得ない精神的苦痛及び経済的不利益を受ける可能性が高い。
(3) AはYとの間で実親子としての関係を維持したいと望んでいたことが推認されるのに,Aが死亡した現時点ではYがAとの間で養子縁組をすることも不可能である。
(4) Xらは,Yが取得したAの遺産の返還を求める訴訟を提起しており,前記実親子関係を否定するに至った動機,目的は,経済的なものであることがうかがわれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成20年3月18日 平成18(受)2056
登載
集民 第227号571頁
参照法条
大韓民国民法2条2項,大韓民国民法865条1項,民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
論点15第772条民法

1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判と民訴法118条3号にいう公の秩序
2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母

裁判要旨1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものとして,我が国において効力を有しない。
2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合においても,出生した子の母は,その子を懐胎し出産した女性であり,出生した子とその子を懐胎,出産していない女性との間には,その女性が卵子を提供していたとしても,母子関係の成立は認められない。
(2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年3月23日 平成18(許)47
登載
民集 第61巻2号619頁
参照法条
(1につき)民訴法118条3号,民法第4編第3章第1節 実子 (2につき)民法772条1項
論点16第772条民法

戸籍上の父母とその嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について父母の子が不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨戸籍上AB夫婦の嫡出子として記載されているYが同夫婦の実子ではない場合において,Yと同夫婦との間に約55年間にわたり実親子と同様の生活の実体があったこと,同夫婦の長女Xにおいて,Yが同夫婦の実子であることを否定し,実親子関係不存在確認を求める本件訴訟を提起したのは,同夫婦の遺産を承継した二女Cが死亡しその相続が問題となってからであること,判決をもって実親子関係の不存在が確定されるとYが軽視し得ない精神的苦痛及び経済的不利益を受ける可能性が高いこと,同夫婦はYとの間で嫡出子としての関係を維持したいと望んでいたことが推認されるのに,同夫婦は死亡しており,Yが養子縁組をして嫡出子としての身分を取得することは不可能であること,Xが実親子関係を否定するに至った動機が合理的なものとはいえないことなど判示の事情の下では,上記の事情を十分検討することなく,Xが同夫婦とYとの間の実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年7月7日 平成17(受)833
登載
民集 第60巻6号2307頁
参照法条
民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
論点17第772条民法

戸籍上自己の嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨戸籍上Xと亡夫との夫婦の嫡出子として記載されているYがXの実子ではない場合において,YとXとの間には,XがYに対して実親子関係不存在確認調停を申し立てるまでの約51年間にわたり実親子と同様の生活の実体があり,その間,XはYがXの実子であることを否定したことがないこと,判決をもって実親子関係の不存在が確定されるとYが軽視し得ない精神的苦痛及び経済的負担を受ける可能性が高いこと,XがYに対して実親子関係不存在確認を求める本件訴訟を提起したのは,上記調停の申立てを取り下げて約10年が経過した後であり,Xが本件訴訟を提起するに至ったことについて実親子関係を否定しなければならないような合理的な事情があるとはうかがわれないことなど判示の事情の下では,上記の事情を十分検討することなく,XがYとの間の上記実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年7月7日 平成17(受)1708
登載
集民 第220号673頁
参照法条
民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
論点18第772条民法

韓国人である母の非嫡出子であって日本人である父により出生後に認知された子につき国籍法2条1号による日本国籍の取得が認められた事例

裁判要旨韓国人である母甲が日本人である乙と離婚した翌日に甲と日本人である父丙との間に出生した甲は,甲が,帝王切開による出産後自宅療養を続けており,弁護士と相談して,親子関係の不存在を確定するための法的手続を執るため,出産直前から不明であった乙の所在を約3か月間調査したものの所在が判明しないまま,甲の出生の8か月余り後に親権者として乙と甲との親子関係不存在確認の訴えを提起し,親子関係が存在しないことを確認する判決が確定した4日後に丙が甲を認知したなど判示の事実関係の下においては,戸籍の記載上嫡出の推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるものとして,国籍法2条1号により日本国籍を取得する。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年6月12日 平成13(行ツ)39
登載
集民 第210号27頁
参照法条
国籍法2条1号,民法772条,民法779条,民法783条1項
論点19第772条民法

婚姻関係が終了していることと嫡出の推定を受ける子に対する親子関係不存在確認の訴えの許否

裁判要旨夫と妻との婚姻関係が終了してその家庭が崩壊しているとの事情が存在することの一事をもって、夫が、民法七七二条〈嫡出の推定〉により嫡出の推定を受ける子に対して、親子関係不存在確認の訴えを提起することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成12年3月14日 平成8(オ)380
登載
集民 第197号375頁
参照法条
民法772条,民法775条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論点20第772条民法

婚姻成立の日から二〇〇日以後に出生した子を被告として父親の死亡後にその養子が提起した親子関係不存在確認の訴えが適法とされた事例

裁判要旨一 甲は、丙男と丁女との婚姻成立の日から二〇〇日以後に出生した子であるが、丁女が甲を懐胎した時期には丙男は出征中であって丁女が丙男の子を懐胎することが不可能であったことは明らかであるから、実質的には民法七七二条の推定を受けない嫡出子であり、また、甲の出生から四十数年を経過して丙男が死亡した後にその養子である乙が丙男と甲との間の父子関係の存否を争うことが権利の濫用に当たると認められるような特段の事情は存しないなど判示の事情の下においては、乙が甲を被告として提起した親子関係不存在確認の訴えは、適法である。

二 (意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年8月31日 平成7(オ)2178
登載
集民 第189号497頁
参照法条
民法772条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論点21第772条民法

婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否は訴訟において最終的に判断されるべきものであることを理由に、上記父子関係の不存在を確認する旨の判決が確定するまで夫は扶養義務を免れないとして、上記父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断には、違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和5年5月17日 令和4(許)17
登載
集民 第270号103頁
参照法条
民法760条、民法772条、民法877条1項、家事事件手続法39条、家事事件手続法別表第2の2の項
論点22第774条民法

嫡出の否認につき訴によるべきこと及び右訴について出訴期間を定めた民法の規定と憲法一三条、一四条一項

裁判要旨嫡出の推定を受ける子につき夫がその嫡出であることを否認するためには嫡出否認の訴によるべきものとし、かつ、右訴につき出訴期間を定めた民法の規定は、憲法一三条、一四条一項に違反しない(昭和二八年(オ)第三八九号同三〇年七月二〇日大法廷判決・民集九巻九号一一二二頁、昭和五四年(オ)第一四九号同五四年六月二一日第一小法廷判決・裁判集民事第一二七号一一七頁)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年3月27日 昭和54(オ)1331
登載
集民 第129号353頁
参照法条
民法774条,民法775条,民法777条,憲法13条,憲法14条1項
論点23第775条民法

虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否

裁判要旨養子とする意図で他人の子を嫡出子として出生届をしても、右出生届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 昭和49(オ)861
登載
民集 第29巻4号401頁
参照法条
旧民法775条,旧民法847条,旧民法851条2号,民法739条,民法799条,民法802条2号
論点24第775条民法

一 虚偽の嫡出子出生届をした者の嫡出親子関係不存在の主張の適否
二 虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
三 父母一方の死亡と嫡出親子関係不存在確認訴訟の適否
四 嫡出親子関係不存在確認の請求と子の承諾の要否

裁判要旨一 子でない者が戸籍上嫡出子として記載されている場合に、その記載が親の虚偽の嫡出子出生届に基くものであるからといつて、その親の親子関係不存在の主張が禁止されることはない。
二 養子とする意図で他人の子を嫡出子として届けても、それによつて養子縁組が成立することはない。
三 父母一方の死亡後は、生存者単独で嫡出親子関係不存在確認の訴訟を提起することができる。
四 嫡出親子関係不存在確認の請求には、子の承諾(又は同意)を要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年12月28日 昭和24(オ)97
登載
民集 第4巻13号701頁
参照法条
民訴法225条,旧民法第4編第4章1節1款嫡出子,旧民法820条,旧民法837条,旧民法843条,旧民法847条,旧民法775条,旧民法第4編第4章第1節1款嫡出子,旧戸籍法(大正3年法律26号)88条
論点25第775条民法

夫婦が別居を開始してから九箇月余り後に出生した子を被告として嫡出否認の訴えによらずに夫が提起した親子関係不存在確認の訴えが不適法とされた事例

裁判要旨夫婦が子の出生する九箇月余り前に別居し、夫婦間にはその以前から性交渉がなかったが、夫は、別居開始から子の出生までの間に、妻と性交渉の機会を有したほか、妻となお婚姻関係にあることに基づいて婚姻費用の分担金や出産費用の支払に応ずる調停を成立させたなど判示の事実関係の下においては、嫡出否認の訴えによらずに夫が提起した親子関係不存在確認の訴えは、不適法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年8月31日 平成7(オ)1095
登載
集民 第189号437頁
参照法条
民法722条,民法775条,人事訴訟手続法第2章 親子関係事件ニ関スル手続
論点26第779条民法

法律上の父子関係は認知によつてはじめて発生するものと定めることと憲法一三条及び一四条一項

裁判要旨法律上の父子関係は認知によつてはじめて発生するものと定めることは憲法一三条にも一四条一項〈保佐開始の審判等の取消し〉にも違反しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年6月21日 昭和54(オ)149
登載
集民 第127号117頁
参照法条
民法779条,憲法13条,憲法14条1項
論点27第779条民法

認知の届出が受理された当時認知者が意識を失つていた場合と認知の届出の効力

裁判要旨甲、乙間に血縁上の父子関係があり、甲が乙を認知する意思を有し、かつ、甲から他人に対し認知届出の委託がされていたときは、届出が受理された当時甲が意識を失つていたとしても、その届出の前に翻意したなど特段の事情のない限り、右届出の受理により認知は有効に成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月30日 昭和53(オ)1101
登載
集民 第126号401頁
参照法条
民法779条,民法781条
論点28第779条民法

親子関係が存在する場合に認知者の意思に基づかないでされた届出による認知の効力

裁判要旨認知者の意思に基づかない届出による認知は、認知者と被認知者との間に親子関係があるときであつても、無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年2月14日 昭和51(オ)1009
登載
集民 第120号47頁
参照法条
民法779条,民法781条
論点29第779条民法

一、虚偽の嫡出子出生届と認知の効力
二、戸籍上嫡出父子関係がある場合に戸籍訂正なくして父子関係の存在を否定できるか

裁判要旨一、認知により法律上の親子関係が発生するには血縁関係にある父又は母においてその子を認知することを要し、そうではない者を戸籍上嫡出子として届け出ても、それにより認知の効力を生ずるものではない。
二、戸籍上嫡出子の届出がされている場合であつても、財産上の紛争に関する先決問題として、その訴訟において父子関係の不存在を審理確定することは妨げない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年9月30日 昭和50(オ)167
登載
集民 第116号115頁
参照法条
民法779条,戸籍法116条
論点30第779条民法

一、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴の許否
二、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴と法例三〇条〈失〉
三、法例二〇条〈制限行為能力者の相手方の催告権〉にいう「父アラサルトキ」の意義

裁判要旨一、中華民国の国籍を有する血統上の父が非嫡出子を養育している場合においても、その非嫡出子が日本の国籍を有するときは、認知の届出または認知の裁判を経ないかぎり、いまだ認知の効力は生ぜず、非嫡出子は父に対する認知の訴を提起することができる。
二、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子が父に対する認知の訴を提起する場合においても、法例三〇条〈失〉を適用して父に関する準拠法である中華民国民法の適用を排除することを要しない。
三、非嫡出子のためその血統上の父と認められる者に対して認知の訴を提起する場合であつても、その訴に対する原告勝訴の確定判決があるまでは、法例二〇条〈制限行為能力者の相手方の催告権〉にいう「父アラサルトキ」にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年10月21日 昭和43(オ)734
登載
民集 第23巻10号1834頁
参照法条
法例18条1項,法例30条,法例20条,民法779条,民法781条,民法787条,中華民国民法1065条1項,中華民国民法1067条
論点31第779条民法

母と非嫡出子間の親子関係と認知

裁判要旨母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年4月27日 昭和35(オ)1189
登載
民集 第16巻7号1247頁
参照法条
民法779条
論点32第779条民法

一 子を第三者の特別養子とする審判の確定と子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益
二 子の血縁上の父であると主張する者が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしていたにもかかわらず右訴えの帰すうが定まる前に子を第三者の特別養子とする審判がされた場合における準再審の事由の有無

裁判要旨一 子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合には、原則として、子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益は消滅するが、右審判に準再審の事由があると認められるときは、右訴えの利益は失われない。
二 子の血縁上の父であると主張する甲が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしており、子を第三者の特別養子とする審判を担当する審判官も甲の上申を受けてそのことを知っていたにもかかわらず、右訴えの帰すうが定まる前に子を第三者の特別養子とする審判がされた場合において、甲が子の血縁上の父であるときは、甲について民法八一七条の六ただし書に該当する事由が認められるなどの特段の事情のない限り、右審判には、家事審判法七条、非訟事件手続法二五条、民訴法四二九条、四二〇条一項三号の準再審の事由がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年7月14日 平成6(オ)425
登載
民集 第49巻7号2674頁
参照法条
民法779条,民法817条の2,民法817条の9,民訴法第2編第1章訴,民訴法420条1項3号,民訴法429条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続,家事審判法9条1項甲類8号の2
論点33第779条民法

認知されていない非嫡出子が提起した父子関係存在確認の訴えの許否

裁判要旨認知されていない非嫡出子は、父との間の親子関係の存在確認の訴えを提起することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成2年7月19日 平成1(オ)772
登載
集民 第160号271頁
参照法条
民法779条,民訴法225条,人事訴訟手続法第2章
論点34第781条民法

虚偽の認知届と養子縁組の成否

裁判要旨認知の届出が事実に反するため無効である場合には、認知者が、被認知者を自己の養子とすることを意図し、後日、被認知者の母と婚姻した事実があるとしても、右認知届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年11月2日 昭和54(オ)498
登載
集民 第128号87頁
参照法条
民法739条,民法781条,民法799条,民法802条2号
論点35第781条民法

嫡出でない子につき父がした嫡出子出生届又は非嫡出子出生届と認知の効力

裁判要旨嫡出でない子につき、父から、これを嫡出子とする出生届がされ、又は嫡出でない子としての出生届がされた場合において、右各出生届が戸籍事務管掌者によつて受理されたときは、その各届は、認知届としての効力を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年2月24日 昭和51(オ)361
登載
民集 第32巻1号110頁
参照法条
民法781条,戸籍法52条
論点36第784条民法

母の死亡による相続につき遺産の分割その他の処分後に共同相続人である子の存在が明らかになつた場合と民法七八四条但書、九一〇条の類推適用の可否

裁判要旨母の死亡による相続について、共同相続人である子の存在が遺産の分割その他の処分後に明らかになつたとしても、民法七八四条〈認知の効力〉但書、九一〇条〈相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権〉を類推適用することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月23日 昭和51(オ)553
登載
民集 第33巻2号294頁
参照法条
民法784条,民法910条
論点37第785条民法

認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否

裁判要旨認知者は,民法786条〈認知の無効の訴え〉に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 平成25(受)442
登載
集民 第246号117頁
参照法条
民法785条,民法786条
論点38第785条民法

認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否

裁判要旨認知者は,民法786条〈認知の無効の訴え〉に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。
(補足意見,意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成26年1月14日 平成23(受)1561
登載
民集 第68巻1号1頁
参照法条
民法785条,民法786条
論点39第786条民法

認知無効確認請求訴訟の原告である父の死亡と該訴訟の帰すう

裁判要旨父が原告となつて追行していた認知無効確認請求訴訟の係属中に、原告が死亡したときは、該訴訟は終了する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年12月17日 昭和56(オ)1089
登載
集民 第137号619頁
参照法条
民法786条,民訴法208条
論点40第786条民法

認知無効確認請求が権利の濫用にあたらないとされた事例

裁判要旨認知者が被認知者を不憫に思い、自分の子として認知の届出をし、長年自分の家業を手伝わせていたところ、認知者の実子が事実上の婿養子と結婚したころから被認知者と認知者、その妻、実子との間が円満さを欠くようになり、認知者の死亡直後、被認知者が家庭裁判所に対し、遺産分割の調停の申立をしたなどの判示の事実関係のもとでは、認知者の妻であり、かつ、被認知者の実母である者及び認知者の実子から被認知者に対してされた認知無効確認の請求は、それが認知後五十数年を経過し、かつ、認知者の死亡後であつても、権利の濫用にあたるとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年4月14日 昭和52(オ)1335
登載
集民 第123号553頁
参照法条
民法1条,民法786条,人事訴訟法27条
論点41第786条民法

認知の判決の第三者に対する効力

裁判要旨認知の確定判決がある場合には、第三者は民法第七八六条により反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月8日 昭和36(オ)1109
登載
集民 第60号583頁
参照法条
人事訴訟法32条1項,人事訴訟法18条1項,民法786条
論点42第786条民法

認知の確定判決がある場合に第三者は認知無効の訴を提起できるか

裁判要旨認知の判決が正当な当事者の間に確定している以上、該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対し再審の手続で争うのは格別、もはや第三者も反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年6月26日 昭和26(オ)808
登載
民集 第7巻6号787頁
参照法条
人事訴訟法27条,人事訴訟法32条1項,人事訴訟法18条1項,民法786条
論点43第786条民法

認知者の死亡後における認知無効の訴えの許否

裁判要旨認知者が死亡した後でも、被認知者は、検察官を相手方として、認知無効の訴えを提起することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成元年4月6日 昭和62(オ)1568
登載
民集 第43巻4号193頁
参照法条
民法786条,人事訴訟手続法2条3項,人事訴訟手続法32条3項
論点44第786条民法

検察官を被告とする認知の確定判決に対する再審の訴えと認知を求められた亡父の子の原告適格

裁判要旨検察官を被告とする認知の訴えにおいて認知を求められた亡父の子は、右訴えの確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年11月10日 昭和59(オ)1122
登載
民集 第43巻10号1085頁
参照法条
民法786条,民法787条,民訴法420条
論点45第786条民法

大韓民国の国籍を有する者から認知された日本国の国籍を有する者が大韓民国民法の規定する出訴期間の経過後に提起した認知無効の訴えの許否

裁判要旨大韓民国の国籍を有する者から認知された日本国の国籍を有する者は、大韓民国民法の規定する出訴期間を経過した後においても、認知無効の訴えを提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年9月13日 昭和62(オ)754
登載
民集 第45巻7号1151頁
参照法条
法例(平成元年法律第27号による改正前のもの)18条1項,大韓民国民法(1958年法律第471号)862条,大韓民国民法(1958年法律第471号)864条,民法786条
論点46第787条民法

民法七八七条〈認知の訴え〉但書所定の認知の訴えの出訴期間は父の死亡が客観的に明らかになつた時から起算すべきであるとされた事例

裁判要旨父の死亡の日から三年一か月を経過したのちに右死亡の事実が子の法定代理人らに判明したが、子又はその法定代理人において父の死亡の日から三年以内に認知の訴えを提起しなかつたことがやむをえないものであり、また、右認知の訴えを提起したとしてもその目的を達することができなかつたことに帰すると認められる判示の事実関係のもとにおいては、他に特段の事情がない限り、民法七八七条〈認知の訴え〉但書所定の認知の訴えの出訴期間は、父の死亡が客観的に明らかになつた時から起算すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年3月19日 昭和55(オ)1072
登載
民集 第36巻3号432頁
参照法条
民法787条但書
論点47第787条民法

父の死亡の日から三九年一か月後に提起された認知の訴えが不適法であるとされた事例

裁判要旨父の死亡の日から三九年一か月後に提起された認知の訴えは、当該父の存在及びその死亡の事実を知つた日から三年を経過していないという事情があつても、不適法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年11月16日 昭和57(オ)598
登載
集民 第137号469頁
参照法条
民法787条但書
論点48第787条民法

大韓民国民法八六四条と法例三〇条〈失〉

裁判要旨父又は母の死亡後における認知請求の訴を認めたうえ、出訴期間をその死亡を知つた日から一年に限定した大韓民国民法八六四条の規定は、その適用の結果がわが国の公序良俗に反するものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年6月27日 昭和50(オ)93
登載
集民 第115号161頁
参照法条
法例18条1項,法例30条,民法787条,大韓民国民法864条
論点49第787条民法

母死亡後非嫡出の子の提起する親子関係存在確認の訴の許否

裁判要旨認知の訴によらず母との親子関係を主張できる非嫡出の子は、母が死亡した後でも、検察官を相手方として、同女との間の親子関係の存在確認の訴を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年3月29日 昭和48(オ)18
登載
集民 第111号487頁
参照法条
民法787条,民訴法225条,人事訴訟手続法2条3項
論点50第787条民法

父母でない者の嫡出子として戸籍に記載されている者と認知の訴

裁判要旨父母でない者の嫡出子として戸籍に記載されている者は、その戸籍の訂正をまつまでもなく、実父又は実母に対し認知の訴を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年10月11日 昭和49(オ)746
登載
集民 第113号1頁
参照法条
民法787条
論点51第787条民法

意思能力のある子の法定代理人による認知の訴

裁判要旨未成年の子の法定代理人は、子に意思能力がある場合でも、子を代理して、認知の訴を提起することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年8月27日 昭和42(オ)609
登載
民集 第22巻8号1733頁
参照法条
民法787条,人事訴訟手続法32条1項,人事訴訟手続法3条1項
論点52第787条民法

認知請求権は放棄することができるか

裁判要旨子の父に対する認知請求権は放棄することができないものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年4月10日 昭和35(オ)1208
登載
民集 第16巻4号693頁
参照法条
民法787条
論点53第787条民法

認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例

裁判要旨認知の訴において、(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の期間中乙(被告)と継続的に情交を結んだ事実があり、(ロ)乙以外の男と情交関係のあつた事情が認められず、(ハ)血液型検査の結果によつても、甲乙間には血液型の上の背馳がないときは、他に別段の事情のないかぎり、甲が乙の子であるとの事実は証明せられたものと認めても、経験則に違反しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年6月21日 昭和29(オ)928
登載
民集 第11巻6号1125頁
参照法条
民法787条,民訴法185条,人事訴訟手続法29条ノ2
論点54第787条民法

認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例

裁判要旨認知の訴において、(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の期間中乙(被告)と継続的に情交を結んだ事実があり(ロ)右期間中甲の母が乙以外の男と情交関係のあつた事情は認められず(ハ)乙は甲出生の頃甲の母を妻に迎えたい旨申入れた事実があり(ニ)血液型からすれば乙が甲の父であり得べきときは、他に別段の事情のないかぎり、乙は甲の父であると推認すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年12月3日 昭和29(オ)91
登載
民集 第11巻13号2009頁
参照法条
民法787条,民訴法185条,人事訴訟手続法29条ノ2
論点55第787条民法

認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例

裁判要旨認知の訴において(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の日、乙(被告)と情交を通じた事実、(ロ)各種血液型の検査、血液中の凝血素価と凝集素の分析の結果によれば、甲乙間に父子関係があつても矛盾することのない事実、並びに(ハ)乙は、甲の出生当時、甲を抱擁する等父親としての愛情を示したことがある事実、その他判文記載の事実関係(判決理由参照)が認められる以上、他に別段の事情のないかぎり、甲が乙の子であるとの事実は証明せられたものというべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年9月13日 昭和29(オ)856
登載
民集 第10巻9号1135頁
参照法条
民法787条,民訴法185条,人事訴訟法29条ノ2
論点56第787条民法

一 民法第七八七条〈認知の訴え〉但書と憲法第一三条
二 民法第七八七条但書は憲法第一四条の「差別」の規定であるか

裁判要旨一 民法第七八七条〈認知の訴え〉但書の規定は、憲法第一三条に違反しない。
二 民法第七八七条但書の規定は、認知の訴の提起に関し、すべての嫡出でない子につき一律平等にその権利の存続期間を制限したものであり、その間に差別を加えたものではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年7月20日 昭和28(オ)389
登載
民集 第9巻9号1122頁
参照法条
民法787条但書,憲法13条,憲法14条
論点57第787条民法

認知の訴の性質

裁判要旨認知の訴は、現行法上これを形成の訴と解すべきものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年4月30日 昭和26(オ)866
登載
民集 第8巻4号861頁
参照法条
民法787条,人事訴訟手続法32条
論点58第787条民法

保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間における法律上の親子関係の形成の可否

裁判要旨保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間に,法律上の親子関係の形成は認められない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年9月4日 平成16(受)1748
登載
民集 第60巻7号2563頁
参照法条
民法787条
論点59第787条民法

嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができるか

裁判要旨嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和6年6月21日 令和5(受)287
登載
民集 第78巻3号315頁
参照法条
民法787条、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条
原

条文原文

原文ママ

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民法 第772条(嫡出の推定) 詳細ページ
(嫡出の推定)
第七百七十二条妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。
2前項の場合において、婚姻の成立の日から二百日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し、婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
3第一項の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。
4前三項の規定により父が定められた子について、第七百七十四条の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における前項の規定の適用については、同項中「直近の婚姻」とあるのは、「直近の婚姻(第七百七十四条の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とする。
民法 第773条(父を定めることを目的とする訴え) 詳細ページ
(父を定めることを目的とする訴え)
第七百七十三条第七百三十二条の規定に違反して婚姻をした女が出産した場合において、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。
民法 第774条(嫡出の否認) 詳細ページ
(嫡出の否認)
第七百七十四条第七百七十二条の規定により子の父が定められる場合において、父又は子は、子が嫡出であることを否認することができる。
2前項の規定による子の否認権は、親権を行う母、親権を行う養親又は未成年後見人が、子のために行使することができる。
3第一項に規定する場合において、母は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
4第七百七十二条第三項の規定により子の父が定められる場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に母と婚姻していた者であって、子の父以外のもの(以下「前夫」という。)は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
5前項の規定による否認権を行使し、第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに子の父と定められた者は、第一項の規定にかかわらず、子が自らの嫡出であることを否認することができない。
民法 第775条(嫡出否認の訴え) 詳細ページ
(嫡出否認の訴え)
第七百七十五条次の各号に掲げる否認権は、それぞれ当該各号に定める者に対する嫡出否認の訴えによって行う。
一父の否認権子又は親権を行う母
二子の否認権父
三母の否認権父
四前夫の否認権父及び子又は親権を行う母
2前項第一号又は第四号に掲げる否認権を親権を行う母に対し行使しようとする場合において、親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
民法 第776条(嫡出の承認) 詳細ページ
(嫡出の承認)
第七百七十六条父又は母は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、それぞれその否認権を失う。
民法 第777条(嫡出否認の訴えの出訴期間) 詳細ページ
(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第七百七十七条次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、それぞれ当該各号に定める時から三年以内に提起しなければならない。
一父の否認権父が子の出生を知った時
二子の否認権その出生の時
三母の否認権子の出生の時
四前夫の否認権前夫が子の出生を知った時
民法 第778条 詳細ページ
第七百七十八条第七百七十二条第三項の規定により父が定められた子について第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認されたときは、次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める時から一年以内に提起しなければならない。
一第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに子の父と定められた者の否認権新たに子の父と定められた者が当該子に係る嫡出否認の裁判が確定したことを知った時
二子の否認権子が前号の裁判が確定したことを知った時
三母の否認権母が第一号の裁判が確定したことを知った時
四前夫の否認権前夫が第一号の裁判が確定したことを知った時
民法 第778_2条 詳細ページ
第七百七十八条の二第七百七十七条(第二号に係る部分に限る。)又は前条(第二号に係る部分に限る。)の期間の満了前六箇月以内の間に親権を行う母、親権を行う養親及び未成年後見人がないときは、子は、母若しくは養親の親権停止の期間が満了し、親権喪失若しくは親権停止の審判の取消しの審判が確定し、若しくは親権が回復された時、新たに養子縁組が成立した時又は未成年後見人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、嫡出否認の訴えを提起することができる。
2子は、その父と継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、第七百七十七条(第二号に係る部分に限る。)及び前条(第二号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、二十一歳に達するまでの間、嫡出否認の訴えを提起することができる。ただし、子の否認権の行使が父による養育の状況に照らして父の利益を著しく害するときは、この限りでない。
3第七百七十四条第二項の規定は、前項の場合には、適用しない。
4第七百七十七条(第四号に係る部分に限る。)及び前条(第四号に係る部分に限る。)に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、子が成年に達した後は、提起することができない。
民法 第778_3条(子の監護に要した費用の償還の制限) 詳細ページ
(子の監護に要した費用の償還の制限)
第七百七十八条の三第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認された場合であっても、子は、父であった者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わない。
民法 第778_4条(相続の開始後に新たに子と推定された者の価額の支払請求権) 詳細ページ
(相続の開始後に新たに子と推定された者の価額の支払請求権)
第七百七十八条の四相続の開始後、第七百七十四条の規定により否認権が行使され、第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに被相続人がその父と定められた者が相続人として遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときは、当該相続人の遺産分割の請求は、価額のみによる支払の請求により行うものとする。
民法 第779条(認知) 詳細ページ
(認知)
第七百七十九条嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
民法 第780条(認知能力) 詳細ページ
(認知能力)
第七百八十条認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。
民法 第781条(認知の方式) 詳細ページ
(認知の方式)
第七百八十一条認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。
2認知は、遺言によっても、することができる。
民法 第782条(成年の子の認知) 詳細ページ
(成年の子の認知)
第七百八十二条成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。
民法 第783条(胎児又は死亡した子の認知) 詳細ページ
(胎児又は死亡した子の認知)
第七百八十三条父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
2前項の子が出生した場合において、第七百七十二条の規定によりその子の父が定められるときは、同項の規定による認知は、その効力を生じない。
3父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。
民法 第784条(認知の効力) 詳細ページ
(認知の効力)
第七百八十四条認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。
民法 第785条(認知の取消しの禁止) 詳細ページ
(認知の取消しの禁止)
第七百八十五条認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
民法 第786条(認知の無効の訴え) 詳細ページ
(認知の無効の訴え)
第七百八十六条次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める時(第七百八十三条第一項の規定による認知がされた場合にあっては、子の出生の時)から七年以内に限り、認知について反対の事実があることを理由として、認知の無効の訴えを提起することができる。ただし、第三号に掲げる者について、その認知の無効の主張が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
一子又はその法定代理人子又はその法定代理人が認知を知った時
二認知をした者認知の時
三子の母子の母が認知を知った時
2子は、その子を認知した者と認知後に継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、前項(第一号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、二十一歳に達するまでの間、認知の無効の訴えを提起することができる。ただし、子による認知の無効の主張が認知をした者による養育の状況に照らして認知をした者の利益を著しく害するときは、この限りでない。
3前項の規定は、同項に規定する子の法定代理人が第一項の認知の無効の訴えを提起する場合には、適用しない。
4第一項及び第二項の規定により認知が無効とされた場合であっても、子は、認知をした者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わない。
民法 第787条(認知の訴え) 詳細ページ
(認知の訴え)
第七百八十七条子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。
民法 第788条(認知後の子の監護に関する事項の定め等) 詳細ページ
(認知後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百八十八条第七百六十六条から第七百六十六条の三までの規定は、父が認知する場合について準用する。
出

一次情報

原文ママ

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