論点1第772条民法
民法七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子の認知の訴と同法七八七条但書の適用の有無
裁判要旨内縁関係により懐胎出生し、民法
七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子についても、認知の訴の提起にあたつては出訴期間の制限に関する同法七八七条但書の適用がある(昭和四四年(オ)第七六九号同年一一月二七日第一小法廷判決・民集二三巻一一号二二九〇頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和55年12月23日 昭和55(オ)774
- 登載
- 集民 第131号413頁
- 参照法条
- 民法772条,民法787条
論点2第772条民法
民法七七二条〈嫡出の推定〉による推定を受ける嫡出子と認知の訴
裁判要旨民法
七七二条〈嫡出の推定〉による推定を受ける嫡出子は、他に実父がいる場合であつても、同法
七七四条〈嫡出の否認〉ないし
七七八条〈第七百七十二条第三項の規定により父が定められた子について第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認されたときは、次の…〉に定められている嫡出否認の訴によつてその推定が覆えされないかぎり、実父に対して認知の訴を提起することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年2月8日 昭和48(オ)812
- 登載
- 集民 第111号151頁
- 参照法条
- 民法772条,民法774条,民法775条,民法776条,民法777条,民法778条,民法787条
論点3第772条民法
婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例
裁判要旨離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であつても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年以前から事実上の協議離婚をして別居し、夫婦の実態が失われていた場合には、民法
七七二条〈嫡出の推定〉による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年9月4日 昭和43(オ)1310
- 登載
- 集民 第96号485頁
- 参照法条
- 民法772条,民法774条
論点4第772条民法
婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例
裁判要旨離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であつても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年半以前から事実上の離婚をして別居し、まつたく交渉を絶つて、夫婦の実態が失われていた場合には、民法
七七二条〈嫡出の推定〉による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年5月29日 昭和43(オ)1184
- 登載
- 民集 第23巻6号1064頁
- 参照法条
- 民法772条,民法774条
論点5第772条民法
民法七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子の認知の訴と同法七八七条但書の適用の有無
裁判要旨民法
七七二条〈嫡出の推定〉の類推適用により父性の推定を受ける子についても、認知の訴の提起にあたつては、出訴期間の制限に関する同法七八七条但書の適用がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年11月27日 昭和44(オ)769
- 登載
- 民集 第23巻11号2290頁
- 参照法条
- 民法772条,民法787条
論点6第772条民法
内縁の夫との間に出生した子の推定と民法第七七二条の準用
裁判要旨内縁の妻が、内縁関係成立の日から二〇〇日後、解消の日から三〇〇日以内に分娩した子は、民法
七七二条〈嫡出の推定〉の趣旨を類推し、内縁の夫の子と推定すべきである。(最高裁判所昭和二九年一月二一日第一小法廷判決参照)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月22日 昭和42(オ)200
- 登載
- 集民 第89号583頁
- 参照法条
- 民法772条
論点7第772条民法
内縁関係成立の日から二〇〇日後婚姻成立の日から二〇〇日以内に生まれた子は民法第七七二条所定の嫡出の推定を受けるか
裁判要旨婚姻成立の日から二〇〇日以内に生まれた子は、婚姻に先行する内縁関係の成立の日から二〇〇日後に生まれたものであつても、民法
第七七二条〈嫡出の推定〉所定の嫡出の推定は受けない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和41年2月15日 昭和39(オ)109
- 登載
- 民集 第20巻2号202頁
- 参照法条
- 民法772条
論点8第772条民法
旧民法施行当時における婚姻予約と父母の同意
裁判要旨満三〇年に達しない男が婚姻予約をするには、旧民法施行の当時においても父母の同意を必要としなかつたものである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年6月26日 昭和26(オ)228
- 登載
- 民集 第7巻6号766頁
- 参照法条
- 民法737条1項,旧民法772条1項
論点9第772条民法
一 外国人である母の非嫡出子が日本人である父により胎児認知されていなくても国籍法二条一号により日本国籍を取得する場合
二 韓国人である母の非嫡出子であって日本人である父により出生後に認知された子につき国籍法二条一号による日本国籍の取得が認められた事例
裁判要旨一 外国人である母の非嫡出子が日本人である父により胎児認知されていなくても、右非嫡出子が戸籍の記載上母の夫の嫡出子と推定されるため日本人である父による胎児認知の届出が受理されない場合であって、右推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるときは、右胎児認知がされた場合に準じて、国籍法二条一号の適用を認め、子は生来的に日本国籍を取得すると解するのが相当であり、右特段の事情があるというためには、母の夫と子との間の親子関係の不存在を確定するための法的手続が子の出生後遅滞なく執られた上、右不存在が確定されて認知の届出を適法にすることができるようになった後速やかに認知の届出がされることを要する。
二 韓国人である母乙の子甲が出生した当時、乙が日本人である丙と婚姻関係にあったため、日本人である父丁が適法に甲を胎児認知することができなかったが、甲の出生の約三箇月後に丙と甲との親子関係不存在確認の調停が申し立てられ、親子関係不存在確認の審判が確定した一二日後に丁が甲を認知したなど判示の事実関係の下においては、甲は、国籍法二条一号により日本国籍を取得する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成9年10月17日 平成8(行ツ)60
- 登載
- 民集 第51巻9号3925頁
- 参照法条
- 国籍法2条1号,民法772条,民法779条,民法783条1項
論点10第772条民法
1 民法733条1項〈削除〉の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項
2 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項
3 立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける場合
4 国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例
裁判要旨1 民法
733条1項〈削除〉の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分は,憲法14条1項,24条2項に違反しない。
2 民法
733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は,平成20年当時において,憲法14条1項,24条2項に違反するに至っていた。
3 法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合などにおいては,国会議員の立法過程における行動が個々の国民に対して負う職務上の法的義務に違反したものとして,例外的に,その立法不作為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けることがある。
4 平成20年当時において国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことは,(1)同項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分が合理性を欠くに至ったのが昭和22年民法改正後の医療や科学技術の発達及び社会状況の変化等によるものであり,(2)平成7年には国会が同条を改廃しなかったことにつき直ちにその立法不作為が違法となる例外的な場合に当たると解する余地のないことは明らかであるとの最高裁判所第三小法廷の判断が示され,(3)その後も上記部分について違憲の問題が生ずるとの司法判断がされてこなかったなど判示の事情の下では,上記部分が違憲であることが国会にとって明白であったということは困難であり,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。
(1につき補足意見,1,2につき補足意見及び意見,1~4につき補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 平成27年12月16日 平成25(オ)1079
- 登載
- 民集 第69巻8号2427頁
- 参照法条
- (1~4につき)憲法14条1項,憲法24条,民法733条,民法772条 (3,4につき)国家賠償法1条1項
論点11第772条民法
夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否
裁判要旨夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成26年7月17日 平成24(受)1402
- 登載
- 民集 第68巻6号547頁
- 参照法条
- 民法772条,民法775条,人事訴訟法2条2号
論点12第772条民法
夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否
裁判要旨夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,子が現時点において妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成26年7月17日 平成25(受)233
- 登載
- 集民 第247号79頁
- 参照法条
- 民法772条,民法775条,人事訴訟法2条2号
論点13第772条民法
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項〈私権の享有は、出生に始まる。〉の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子と嫡出の推定
裁判要旨性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
3条1項〈私権の享有は、出生に始まる。〉の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は,民法
772条〈嫡出の推定〉の規定により夫の子と推定されるのであり,夫が妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に実質的に同条の推定を受けないということはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成25年12月10日 平成25(許)5
- 登載
- 民集 第67巻9号1847頁
- 参照法条
- 民法772条,戸籍法13条8号,戸籍法施行規則35条16号,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律4条
論点14第772条民法
大韓民国の国籍を有するAとその嫡出子として同国の戸籍に記載されているYとの間の実親子関係についてAの子であるXらが不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に,同国の民法の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
裁判要旨大韓民国の国籍を有するAの嫡出子として同国の戸籍に記載されているYがAの実子ではない場合において,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,これらの事情を十分検討することなく,Aの子であるXらがAとYとの間の実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,同国の民法の解釈適用を誤った違法がある。
(1) AとYとの間には30年以上にわたり実親子と同様の生活の実体があり,かつ,Xらは,Aの死亡の約10年後まではYがAの実子であることを否定したことがなく,Yとの間でAの遺産分割協議を成立させた。
(2) 判決をもってAとYとの間の実親子関係の不存在が確定されると,Yは軽視し得ない精神的苦痛及び経済的不利益を受ける可能性が高い。
(3) AはYとの間で実親子としての関係を維持したいと望んでいたことが推認されるのに,Aが死亡した現時点ではYがAとの間で養子縁組をすることも不可能である。
(4) Xらは,Yが取得したAの遺産の返還を求める訴訟を提起しており,前記実親子関係を否定するに至った動機,目的は,経済的なものであることがうかがわれる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成20年3月18日 平成18(受)2056
- 登載
- 集民 第227号571頁
- 参照法条
- 大韓民国民法2条2項,大韓民国民法865条1項,民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
論点15第772条民法
1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判と民訴法118条3号にいう公の秩序
2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母
裁判要旨1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものとして,我が国において効力を有しない。
2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合においても,出生した子の母は,その子を懐胎し出産した女性であり,出生した子とその子を懐胎,出産していない女性との間には,その女性が卵子を提供していたとしても,母子関係の成立は認められない。
(2につき補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成19年3月23日 平成18(許)47
- 登載
- 民集 第61巻2号619頁
- 参照法条
- (1につき)民訴法118条3号,民法第4編第3章第1節 実子 (2につき)民法772条1項
論点16第772条民法
戸籍上の父母とその嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について父母の子が不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨戸籍上AB夫婦の嫡出子として記載されているYが同夫婦の実子ではない場合において,Yと同夫婦との間に約55年間にわたり実親子と同様の生活の実体があったこと,同夫婦の長女Xにおいて,Yが同夫婦の実子であることを否定し,実親子関係不存在確認を求める本件訴訟を提起したのは,同夫婦の遺産を承継した二女Cが死亡しその相続が問題となってからであること,判決をもって実親子関係の不存在が確定されるとYが軽視し得ない精神的苦痛及び経済的不利益を受ける可能性が高いこと,同夫婦はYとの間で嫡出子としての関係を維持したいと望んでいたことが推認されるのに,同夫婦は死亡しており,Yが養子縁組をして嫡出子としての身分を取得することは不可能であること,Xが実親子関係を否定するに至った動機が合理的なものとはいえないことなど判示の事情の下では,上記の事情を十分検討することなく,Xが同夫婦とYとの間の実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成18年7月7日 平成17(受)833
- 登載
- 民集 第60巻6号2307頁
- 参照法条
- 民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
論点17第772条民法
戸籍上自己の嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨戸籍上Xと亡夫との夫婦の嫡出子として記載されているYがXの実子ではない場合において,YとXとの間には,XがYに対して実親子関係不存在確認調停を申し立てるまでの約51年間にわたり実親子と同様の生活の実体があり,その間,XはYがXの実子であることを否定したことがないこと,判決をもって実親子関係の不存在が確定されるとYが軽視し得ない精神的苦痛及び経済的負担を受ける可能性が高いこと,XがYに対して実親子関係不存在確認を求める本件訴訟を提起したのは,上記調停の申立てを取り下げて約10年が経過した後であり,Xが本件訴訟を提起するに至ったことについて実親子関係を否定しなければならないような合理的な事情があるとはうかがわれないことなど判示の事情の下では,上記の事情を十分検討することなく,XがYとの間の上記実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成18年7月7日 平成17(受)1708
- 登載
- 集民 第220号673頁
- 参照法条
- 民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号
論点18第772条民法
韓国人である母の非嫡出子であって日本人である父により出生後に認知された子につき国籍法2条1号による日本国籍の取得が認められた事例
裁判要旨韓国人である母甲が日本人である乙と離婚した翌日に甲と日本人である父丙との間に出生した甲は,甲が,帝王切開による出産後自宅療養を続けており,弁護士と相談して,親子関係の不存在を確定するための法的手続を執るため,出産直前から不明であった乙の所在を約3か月間調査したものの所在が判明しないまま,甲の出生の8か月余り後に親権者として乙と甲との親子関係不存在確認の訴えを提起し,親子関係が存在しないことを確認する判決が確定した4日後に丙が甲を認知したなど判示の事実関係の下においては,戸籍の記載上嫡出の推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるものとして,国籍法2条1号により日本国籍を取得する。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成15年6月12日 平成13(行ツ)39
- 登載
- 集民 第210号27頁
- 参照法条
- 国籍法2条1号,民法772条,民法779条,民法783条1項
論点19第772条民法
婚姻関係が終了していることと嫡出の推定を受ける子に対する親子関係不存在確認の訴えの許否
裁判要旨夫と妻との婚姻関係が終了してその家庭が崩壊しているとの事情が存在することの一事をもって、夫が、民法
七七二条〈嫡出の推定〉により嫡出の推定を受ける子に対して、親子関係不存在確認の訴えを提起することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成12年3月14日 平成8(オ)380
- 登載
- 集民 第197号375頁
- 参照法条
- 民法772条,民法775条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論点20第772条民法
婚姻成立の日から二〇〇日以後に出生した子を被告として父親の死亡後にその養子が提起した親子関係不存在確認の訴えが適法とされた事例
裁判要旨一 甲は、丙男と丁女との婚姻成立の日から二〇〇日以後に出生した子であるが、丁女が甲を懐胎した時期には丙男は出征中であって丁女が丙男の子を懐胎することが不可能であったことは明らかであるから、実質的には民法七七二条の推定を受けない嫡出子であり、また、甲の出生から四十数年を経過して丙男が死亡した後にその養子である乙が丙男と甲との間の父子関係の存否を争うことが権利の濫用に当たると認められるような特段の事情は存しないなど判示の事情の下においては、乙が甲を被告として提起した親子関係不存在確認の訴えは、適法である。
二 (意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成10年8月31日 平成7(オ)2178
- 登載
- 集民 第189号497頁
- 参照法条
- 民法772条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論点21第772条民法
婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否は訴訟において最終的に判断されるべきものであることを理由に、上記父子関係の不存在を確認する旨の判決が確定するまで夫は扶養義務を免れないとして、上記父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断には、違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和5年5月17日 令和4(許)17
- 登載
- 集民 第270号103頁
- 参照法条
- 民法760条、民法772条、民法877条1項、家事事件手続法39条、家事事件手続法別表第2の2の項
論点22第774条民法
嫡出の否認につき訴によるべきこと及び右訴について出訴期間を定めた民法の規定と憲法一三条、一四条一項
裁判要旨嫡出の推定を受ける子につき夫がその嫡出であることを否認するためには嫡出否認の訴によるべきものとし、かつ、右訴につき出訴期間を定めた民法の規定は、憲法一三条、一四条一項に違反しない(昭和二八年(オ)第三八九号同三〇年七月二〇日大法廷判決・民集九巻九号一一二二頁、昭和五四年(オ)第一四九号同五四年六月二一日第一小法廷判決・裁判集民事第一二七号一一七頁)。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和55年3月27日 昭和54(オ)1331
- 登載
- 集民 第129号353頁
- 参照法条
- 民法774条,民法775条,民法777条,憲法13条,憲法14条1項
論点23第775条民法
虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
裁判要旨養子とする意図で他人の子を嫡出子として出生届をしても、右出生届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 昭和49(オ)861
- 登載
- 民集 第29巻4号401頁
- 参照法条
- 旧民法775条,旧民法847条,旧民法851条2号,民法739条,民法799条,民法802条2号
論点24第775条民法
一 虚偽の嫡出子出生届をした者の嫡出親子関係不存在の主張の適否
二 虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
三 父母一方の死亡と嫡出親子関係不存在確認訴訟の適否
四 嫡出親子関係不存在確認の請求と子の承諾の要否
裁判要旨一 子でない者が戸籍上嫡出子として記載されている場合に、その記載が親の虚偽の嫡出子出生届に基くものであるからといつて、その親の親子関係不存在の主張が禁止されることはない。
二 養子とする意図で他人の子を嫡出子として届けても、それによつて養子縁組が成立することはない。
三 父母一方の死亡後は、生存者単独で嫡出親子関係不存在確認の訴訟を提起することができる。
四 嫡出親子関係不存在確認の請求には、子の承諾(又は同意)を要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和25年12月28日 昭和24(オ)97
- 登載
- 民集 第4巻13号701頁
- 参照法条
- 民訴法225条,旧民法第4編第4章1節1款嫡出子,旧民法820条,旧民法837条,旧民法843条,旧民法847条,旧民法775条,旧民法第4編第4章第1節1款嫡出子,旧戸籍法(大正3年法律26号)88条
論点25第775条民法
夫婦が別居を開始してから九箇月余り後に出生した子を被告として嫡出否認の訴えによらずに夫が提起した親子関係不存在確認の訴えが不適法とされた事例
裁判要旨夫婦が子の出生する九箇月余り前に別居し、夫婦間にはその以前から性交渉がなかったが、夫は、別居開始から子の出生までの間に、妻と性交渉の機会を有したほか、妻となお婚姻関係にあることに基づいて婚姻費用の分担金や出産費用の支払に応ずる調停を成立させたなど判示の事実関係の下においては、嫡出否認の訴えによらずに夫が提起した親子関係不存在確認の訴えは、不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成10年8月31日 平成7(オ)1095
- 登載
- 集民 第189号437頁
- 参照法条
- 民法722条,民法775条,人事訴訟手続法第2章 親子関係事件ニ関スル手続
論点26第779条民法
法律上の父子関係は認知によつてはじめて発生するものと定めることと憲法一三条及び一四条一項
裁判要旨法律上の父子関係は認知によつてはじめて発生するものと定めることは憲法一三条にも
一四条一項〈保佐開始の審判等の取消し〉にも違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和54年6月21日 昭和54(オ)149
- 登載
- 集民 第127号117頁
- 参照法条
- 民法779条,憲法13条,憲法14条1項
論点27第779条民法
認知の届出が受理された当時認知者が意識を失つていた場合と認知の届出の効力
裁判要旨甲、乙間に血縁上の父子関係があり、甲が乙を認知する意思を有し、かつ、甲から他人に対し認知届出の委託がされていたときは、届出が受理された当時甲が意識を失つていたとしても、その届出の前に翻意したなど特段の事情のない限り、右届出の受理により認知は有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月30日 昭和53(オ)1101
- 登載
- 集民 第126号401頁
- 参照法条
- 民法779条,民法781条
論点28第779条民法
親子関係が存在する場合に認知者の意思に基づかないでされた届出による認知の効力
裁判要旨認知者の意思に基づかない届出による認知は、認知者と被認知者との間に親子関係があるときであつても、無効である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和52年2月14日 昭和51(オ)1009
- 登載
- 集民 第120号47頁
- 参照法条
- 民法779条,民法781条
論点29第779条民法
一、虚偽の嫡出子出生届と認知の効力
二、戸籍上嫡出父子関係がある場合に戸籍訂正なくして父子関係の存在を否定できるか
裁判要旨一、認知により法律上の親子関係が発生するには血縁関係にある父又は母においてその子を認知することを要し、そうではない者を戸籍上嫡出子として届け出ても、それにより認知の効力を生ずるものではない。
二、戸籍上嫡出子の届出がされている場合であつても、財産上の紛争に関する先決問題として、その訴訟において父子関係の不存在を審理確定することは妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年9月30日 昭和50(オ)167
- 登載
- 集民 第116号115頁
- 参照法条
- 民法779条,戸籍法116条
論点30第779条民法
一、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴の許否
二、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子の父に対する認知の訴と法例三〇条〈失〉
三、法例二〇条〈制限行為能力者の相手方の催告権〉にいう「父アラサルトキ」の意義
裁判要旨一、中華民国の国籍を有する血統上の父が非嫡出子を養育している場合においても、その非嫡出子が日本の国籍を有するときは、認知の届出または認知の裁判を経ないかぎり、いまだ認知の効力は生ぜず、非嫡出子は父に対する認知の訴を提起することができる。
二、中華民国の国籍を有する血統上の父の養育を受けた日本の国籍を有する非嫡出子が父に対する認知の訴を提起する場合においても、法例
三〇条〈失〉を適用して父に関する準拠法である中華民国民法の適用を排除することを要しない。
三、非嫡出子のためその血統上の父と認められる者に対して認知の訴を提起する場合であつても、その訴に対する原告勝訴の確定判決があるまでは、法例
二〇条〈制限行為能力者の相手方の催告権〉にいう「父アラサルトキ」にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和44年10月21日 昭和43(オ)734
- 登載
- 民集 第23巻10号1834頁
- 参照法条
- 法例18条1項,法例30条,法例20条,民法779条,民法781条,民法787条,中華民国民法1065条1項,中華民国民法1067条
論点31第779条民法
母と非嫡出子間の親子関係と認知
裁判要旨母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年4月27日 昭和35(オ)1189
- 登載
- 民集 第16巻7号1247頁
- 参照法条
- 民法779条
論点32第779条民法
一 子を第三者の特別養子とする審判の確定と子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益
二 子の血縁上の父であると主張する者が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしていたにもかかわらず右訴えの帰すうが定まる前に子を第三者の特別養子とする審判がされた場合における準再審の事由の有無
裁判要旨一 子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合には、原則として、子の血縁上の父が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えの利益は消滅するが、右審判に準再審の事由があると認められるときは、右訴えの利益は失われない。
二 子の血縁上の父であると主張する甲が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしており、子を第三者の特別養子とする審判を担当する審判官も甲の上申を受けてそのことを知っていたにもかかわらず、右訴えの帰すうが定まる前に子を第三者の特別養子とする審判がされた場合において、甲が子の血縁上の父であるときは、甲について民法八一七条の六ただし書に該当する事由が認められるなどの特段の事情のない限り、右審判には、家事審判法七条、非訟事件手続法二五条、民訴法四二九条、四二〇条一項三号の準再審の事由がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成7年7月14日 平成6(オ)425
- 登載
- 民集 第49巻7号2674頁
- 参照法条
- 民法779条,民法817条の2,民法817条の9,民訴法第2編第1章訴,民訴法420条1項3号,民訴法429条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続,家事審判法9条1項甲類8号の2
論点33第779条民法
認知されていない非嫡出子が提起した父子関係存在確認の訴えの許否
裁判要旨認知されていない非嫡出子は、父との間の親子関係の存在確認の訴えを提起することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成2年7月19日 平成1(オ)772
- 登載
- 集民 第160号271頁
- 参照法条
- 民法779条,民訴法225条,人事訴訟手続法第2章
論点34第781条民法
虚偽の認知届と養子縁組の成否
裁判要旨認知の届出が事実に反するため無効である場合には、認知者が、被認知者を自己の養子とすることを意図し、後日、被認知者の母と婚姻した事実があるとしても、右認知届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年11月2日 昭和54(オ)498
- 登載
- 集民 第128号87頁
- 参照法条
- 民法739条,民法781条,民法799条,民法802条2号
論点35第781条民法
嫡出でない子につき父がした嫡出子出生届又は非嫡出子出生届と認知の効力
裁判要旨嫡出でない子につき、父から、これを嫡出子とする出生届がされ、又は嫡出でない子としての出生届がされた場合において、右各出生届が戸籍事務管掌者によつて受理されたときは、その各届は、認知届としての効力を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和53年2月24日 昭和51(オ)361
- 登載
- 民集 第32巻1号110頁
- 参照法条
- 民法781条,戸籍法52条
論点36第784条民法
母の死亡による相続につき遺産の分割その他の処分後に共同相続人である子の存在が明らかになつた場合と民法七八四条但書、九一〇条の類推適用の可否
裁判要旨母の死亡による相続について、共同相続人である子の存在が遺産の分割その他の処分後に明らかになつたとしても、民法
七八四条〈認知の効力〉但書、
九一〇条〈相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権〉を類推適用することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月23日 昭和51(オ)553
- 登載
- 民集 第33巻2号294頁
- 参照法条
- 民法784条,民法910条
論点37第785条民法
認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否
裁判要旨認知者は,民法
786条〈認知の無効の訴え〉に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 平成25(受)442
- 登載
- 集民 第246号117頁
- 参照法条
- 民法785条,民法786条
論点38第785条民法
認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否
裁判要旨認知者は,民法
786条〈認知の無効の訴え〉に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。
(補足意見,意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成26年1月14日 平成23(受)1561
- 登載
- 民集 第68巻1号1頁
- 参照法条
- 民法785条,民法786条
論点39第786条民法
認知無効確認請求訴訟の原告である父の死亡と該訴訟の帰すう
裁判要旨父が原告となつて追行していた認知無効確認請求訴訟の係属中に、原告が死亡したときは、該訴訟は終了する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年12月17日 昭和56(オ)1089
- 登載
- 集民 第137号619頁
- 参照法条
- 民法786条,民訴法208条
論点40第786条民法
認知無効確認請求が権利の濫用にあたらないとされた事例
裁判要旨認知者が被認知者を不憫に思い、自分の子として認知の届出をし、長年自分の家業を手伝わせていたところ、認知者の実子が事実上の婿養子と結婚したころから被認知者と認知者、その妻、実子との間が円満さを欠くようになり、認知者の死亡直後、被認知者が家庭裁判所に対し、遺産分割の調停の申立をしたなどの判示の事実関係のもとでは、認知者の妻であり、かつ、被認知者の実母である者及び認知者の実子から被認知者に対してされた認知無効確認の請求は、それが認知後五十数年を経過し、かつ、認知者の死亡後であつても、権利の濫用にあたるとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和53年4月14日 昭和52(オ)1335
- 登載
- 集民 第123号553頁
- 参照法条
- 民法1条,民法786条,人事訴訟法27条
論点41第786条民法
認知の判決の第三者に対する効力
裁判要旨認知の確定判決がある場合には、第三者は民法第七八六条により反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月8日 昭和36(オ)1109
- 登載
- 集民 第60号583頁
- 参照法条
- 人事訴訟法32条1項,人事訴訟法18条1項,民法786条
論点42第786条民法
認知の確定判決がある場合に第三者は認知無効の訴を提起できるか
裁判要旨認知の判決が正当な当事者の間に確定している以上、該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対し再審の手続で争うのは格別、もはや第三者も反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年6月26日 昭和26(オ)808
- 登載
- 民集 第7巻6号787頁
- 参照法条
- 人事訴訟法27条,人事訴訟法32条1項,人事訴訟法18条1項,民法786条
論点43第786条民法
認知者の死亡後における認知無効の訴えの許否
裁判要旨認知者が死亡した後でも、被認知者は、検察官を相手方として、認知無効の訴えを提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成元年4月6日 昭和62(オ)1568
- 登載
- 民集 第43巻4号193頁
- 参照法条
- 民法786条,人事訴訟手続法2条3項,人事訴訟手続法32条3項
論点44第786条民法
検察官を被告とする認知の確定判決に対する再審の訴えと認知を求められた亡父の子の原告適格
裁判要旨検察官を被告とする認知の訴えにおいて認知を求められた亡父の子は、右訴えの確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成元年11月10日 昭和59(オ)1122
- 登載
- 民集 第43巻10号1085頁
- 参照法条
- 民法786条,民法787条,民訴法420条
論点45第786条民法
大韓民国の国籍を有する者から認知された日本国の国籍を有する者が大韓民国民法の規定する出訴期間の経過後に提起した認知無効の訴えの許否
裁判要旨大韓民国の国籍を有する者から認知された日本国の国籍を有する者は、大韓民国民法の規定する出訴期間を経過した後においても、認知無効の訴えを提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成3年9月13日 昭和62(オ)754
- 登載
- 民集 第45巻7号1151頁
- 参照法条
- 法例(平成元年法律第27号による改正前のもの)18条1項,大韓民国民法(1958年法律第471号)862条,大韓民国民法(1958年法律第471号)864条,民法786条
論点46第787条民法
民法七八七条〈認知の訴え〉但書所定の認知の訴えの出訴期間は父の死亡が客観的に明らかになつた時から起算すべきであるとされた事例
裁判要旨父の死亡の日から三年一か月を経過したのちに右死亡の事実が子の法定代理人らに判明したが、子又はその法定代理人において父の死亡の日から三年以内に認知の訴えを提起しなかつたことがやむをえないものであり、また、右認知の訴えを提起したとしてもその目的を達することができなかつたことに帰すると認められる判示の事実関係のもとにおいては、他に特段の事情がない限り、民法
七八七条〈認知の訴え〉但書所定の認知の訴えの出訴期間は、父の死亡が客観的に明らかになつた時から起算すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年3月19日 昭和55(オ)1072
- 登載
- 民集 第36巻3号432頁
- 参照法条
- 民法787条但書
論点47第787条民法
父の死亡の日から三九年一か月後に提起された認知の訴えが不適法であるとされた事例
裁判要旨父の死亡の日から三九年一か月後に提起された認知の訴えは、当該父の存在及びその死亡の事実を知つた日から三年を経過していないという事情があつても、不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和57年11月16日 昭和57(オ)598
- 登載
- 集民 第137号469頁
- 参照法条
- 民法787条但書
論点48第787条民法
大韓民国民法八六四条と法例三〇条〈失〉
裁判要旨父又は母の死亡後における認知請求の訴を認めたうえ、出訴期間をその死亡を知つた日から一年に限定した大韓民国民法八六四条の規定は、その適用の結果がわが国の公序良俗に反するものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和50年6月27日 昭和50(オ)93
- 登載
- 集民 第115号161頁
- 参照法条
- 法例18条1項,法例30条,民法787条,大韓民国民法864条
論点49第787条民法
母死亡後非嫡出の子の提起する親子関係存在確認の訴の許否
裁判要旨認知の訴によらず母との親子関係を主張できる非嫡出の子は、母が死亡した後でも、検察官を相手方として、同女との間の親子関係の存在確認の訴を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年3月29日 昭和48(オ)18
- 登載
- 集民 第111号487頁
- 参照法条
- 民法787条,民訴法225条,人事訴訟手続法2条3項
論点50第787条民法
父母でない者の嫡出子として戸籍に記載されている者と認知の訴
裁判要旨父母でない者の嫡出子として戸籍に記載されている者は、その戸籍の訂正をまつまでもなく、実父又は実母に対し認知の訴を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年10月11日 昭和49(オ)746
- 登載
- 集民 第113号1頁
- 参照法条
- 民法787条
論点51第787条民法
意思能力のある子の法定代理人による認知の訴
裁判要旨未成年の子の法定代理人は、子に意思能力がある場合でも、子を代理して、認知の訴を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年8月27日 昭和42(オ)609
- 登載
- 民集 第22巻8号1733頁
- 参照法条
- 民法787条,人事訴訟手続法32条1項,人事訴訟手続法3条1項
論点52第787条民法
認知請求権は放棄することができるか
裁判要旨子の父に対する認知請求権は放棄することができないものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年4月10日 昭和35(オ)1208
- 登載
- 民集 第16巻4号693頁
- 参照法条
- 民法787条
論点53第787条民法
認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例
裁判要旨認知の訴において、(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の期間中乙(被告)と継続的に情交を結んだ事実があり、(ロ)乙以外の男と情交関係のあつた事情が認められず、(ハ)血液型検査の結果によつても、甲乙間には血液型の上の背馳がないときは、他に別段の事情のないかぎり、甲が乙の子であるとの事実は証明せられたものと認めても、経験則に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和32年6月21日 昭和29(オ)928
- 登載
- 民集 第11巻6号1125頁
- 参照法条
- 民法787条,民訴法185条,人事訴訟手続法29条ノ2
論点54第787条民法
認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例
裁判要旨認知の訴において、(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の期間中乙(被告)と継続的に情交を結んだ事実があり(ロ)右期間中甲の母が乙以外の男と情交関係のあつた事情は認められず(ハ)乙は甲出生の頃甲の母を妻に迎えたい旨申入れた事実があり(ニ)血液型からすれば乙が甲の父であり得べきときは、他に別段の事情のないかぎり、乙は甲の父であると推認すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和32年12月3日 昭和29(オ)91
- 登載
- 民集 第11巻13号2009頁
- 参照法条
- 民法787条,民訴法185条,人事訴訟手続法29条ノ2
論点55第787条民法
認知の訴において父子関係の存在が証明されたと認むべき一事例
裁判要旨認知の訴において(イ)甲(原告)の母は、受胎可能の日、乙(被告)と情交を通じた事実、(ロ)各種血液型の検査、血液中の凝血素価と凝集素の分析の結果によれば、甲乙間に父子関係があつても矛盾することのない事実、並びに(ハ)乙は、甲の出生当時、甲を抱擁する等父親としての愛情を示したことがある事実、その他判文記載の事実関係(判決理由参照)が認められる以上、他に別段の事情のないかぎり、甲が乙の子であるとの事実は証明せられたものというべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和31年9月13日 昭和29(オ)856
- 登載
- 民集 第10巻9号1135頁
- 参照法条
- 民法787条,民訴法185条,人事訴訟法29条ノ2
論点56第787条民法
一 民法第七八七条〈認知の訴え〉但書と憲法第一三条
二 民法第七八七条但書は憲法第一四条の「差別」の規定であるか
裁判要旨一 民法
第七八七条〈認知の訴え〉但書の規定は、憲法第一三条に違反しない。
二 民法
第七八七条但書の規定は、認知の訴の提起に関し、すべての嫡出でない子につき一律平等にその権利の存続期間を制限したものであり、その間に差別を加えたものではない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和30年7月20日 昭和28(オ)389
- 登載
- 民集 第9巻9号1122頁
- 参照法条
- 民法787条但書,憲法13条,憲法14条
論点57第787条民法
認知の訴の性質
裁判要旨認知の訴は、現行法上これを形成の訴と解すべきものである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和29年4月30日 昭和26(オ)866
- 登載
- 民集 第8巻4号861頁
- 参照法条
- 民法787条,人事訴訟手続法32条
論点58第787条民法
保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間における法律上の親子関係の形成の可否
裁判要旨保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間に,法律上の親子関係の形成は認められない。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成18年9月4日 平成16(受)1748
- 登載
- 民集 第60巻7号2563頁
- 参照法条
- 民法787条
論点59第787条民法
嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができるか
裁判要旨嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和6年6月21日 令和5(受)287
- 登載
- 民集 第78巻3号315頁
- 参照法条
- 民法787条、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条