刑事訴訟法 / テーマ別まとめ

総則/書類及び送達

書類及び送達の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑事訴訟法第47条から第54条は、訴訟書類の公開制限、公判調書の作成・整理・閲覧・証明力、事件終結後の訴訟記録閲覧、書類送達の手続を定めています。公判調書は公判期日の審理内容を証明する基本資料であり、作成・整理の期限や記載内容への異議申立ての期間が細かく決められています。あわせて、訴訟書類・押収物には情報公開法や個人情報保護法などの一部規定が適用されないことも定められています。

書類及び送達
項目内容要件・期限根拠条文
公判前の書類公開原則非公開公益上必要なら可47条
公判調書の作成訴訟手続を記載重要事項を規則で記載48条1・2項
調書整理の期限遅くとも判決宣告まで宣告期日は宣告後7日以内等48条3項
被告人の調書閲覧弁護人なしの場合朗読請求も可49条
調書未整理の代替供述要旨を告知次回期日までに50条
記載正確性の異議異議申立て可最終期日後14日以内51条
調書の証明力調書のみで証明―52条
訴訟記録の閲覧終結後は原則閲覧可非公開事件は制限53条
情報公開法等の適用除外訴訟書類・押収物に適用外個人情報保護法等含む53条の2
書類の送達民事訴訟法を準用一部規定除く54条
  • 47条の非公開は「公益上の必要その他の事由」があれば例外になる
  • 53条1項は訴訟記録の保存・裁判所/検察庁事務に支障があるとき閲覧不可
  • 53条2項の閲覧制限事件は訴訟関係人又は許可を受けた者に限り閲覧可
  • 53条3項は憲法82条2項但書の事件について閲覧禁止を認めない
  • 54条の準用は民事訴訟法100条2項及び第1編5章4節3・4款を除く
  • 48条3項の整理期限は期日から判決宣告までの日数により異なる
1

書類及び送達

書類及び送達について、条文は何を定めているか。

第47条公判前は書類を原則非公開にする1項判例 7件
  • 公判が開かれる前は訴訟書類を公にしてはいけない
  • 公益上の必要など相当な理由があれば公開できる
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第48条公判調書を作成し、重要事項を記載する3項判例 24件
  • 公判期日の訴訟手続はすべて公判調書に記載する
  • 整理は各期日後速やかに、遅くとも判決宣告までに行う
  • 宣告期日の調書は宣告後7日以内に整理すれば足りる(期日十日未満なら十日以内)
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第49条弁護人がいない被告人も調書を見られる1項判例 7件
  • 弁護人がいないときは被告人も公判調書を閲覧できる
  • 読めない・目が見えない場合は朗読を求められる
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第50条調書が未整理なら供述要旨を告げる2項判例 4件
  • 次回期日までに調書が未整理なら証人供述の要旨を告げる
  • 要旨の正確性に異議があればその旨を調書に記載する
  • 被告人・弁護人不出頭の期日は審理の重要事項を告げる
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第51条調書の記載内容に異議を申し立てられる2項判例 5件
  • 検察官・被告人・弁護人は記載の正確性に異議を申し立てられる
  • 異議は最終の公判期日後14日以内に行う
  • 宣告後に整理された調書は整理できた日から14日以内も可
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第52条調書に記載された手続は調書のみで証明する1項判例 18件
  • 公判調書に記載された訴訟手続は調書だけで証明できる
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第53条被告事件終結後は訴訟記録を閲覧できる4項判例 6件
  • 終結後は誰でも訴訟記録を閲覧できるのが原則
  • 保存・裁判所検察庁事務に支障があれば不可、公開禁止事件は関係人等のみ閲覧可
  • 憲法82条2項但書の事件は閲覧禁止にできない
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第53_2条情報公開法・個人情報保護法等を適用しない4項判例なし
  • 訴訟書類・押収物に情報公開法(行政機関・独法等)は適用しない
  • 記録された個人情報に個人情報保護法第5章第4節は適用しない
  • 訴訟書類・押収物に公文書管理法(該当章)は適用しない
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第54条書類の送達は民事訴訟法の規定を準用する1項判例 20件
  • 裁判所規則に特別の定めがなければ民事訴訟法令を準用する
  • 民訴法100条2項と第1編5章4節3・4款は除く
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第47条刑事訴訟法

付審判請求事件の審理手続において検察官から裁判所に送付された一件記録の閲覧謄写を許可することが違法とされた事例

裁判要旨本件付審判請求事件の審理手続において裁判所が定めた審理方式のうち、請求人代理人に対し検察官から裁判所に送付された一件記録の閲覧謄写を許可する部分は、本件事案(判文参照)のもとでは、裁判所に許された裁量の範囲を逸脱し違法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年3月13日 昭和48(し)42
登載
刑集 第28巻2号1頁
参照法条
刑訴法47条,刑訴法196条,刑訴法262条,刑訴法265条,刑訴規則171条
論点2第47条刑事訴訟法

一 恐喝罪の起訴状に、恐喝手段が正当な権利の行使にあたらないことを示す為に被告人の所為を記載することと刑訴法第二五六条第六項
二 刑訴第四七条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉本文の注意
三 刑訴第四七条但書にあたる一事例
四 控訴審における刑訴第三九三条〈控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をす…〉但書による事実取調のための証人尋問請求却下の当否

裁判要旨一 所論は、要するに恐喝罪にかかる本件起訴状の前段記載に「被告人は…塩酸キニーネ一壜(約百五十瓦在中)価格約千円位のものを五万円の塩酸モルヒネと言う高価な薬だと偽つて売却方を依頼した如く見せかけた後」とあるのを指摘し、かかる記載は裁判官に事件に付予断を生ぜしめる虞のある事項にあたり、本件起訴は無効であるというのである。しかしながら本件の場合恐喝手段が正当な権利の行使にあたらないことを示すために本件起訴状に所論指摘のような記載をしても違法ということはできない。
二 刑訴第四七条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉本文は訴訟に関する書類が公判開廷前に公開されることによつて訴訟関係人の名誉を毀損し、公序良俗を害し、または裁判に対する不当な影響を引き起すことを防止するための規定である。
三 検察官が公訴の提起という本来の職務を行うために、その保管にかかり、捜査中の他の被疑事件記録中の書類から知得した事実を起訴状の公訴事実のなかに公訴の提起に必要なかぎり記載してこれを公にすることは、刑訴第四七条但書にあたるものと解すべきである。
四 仮りにこの原審における証人尋問の請求が刑訴三九三条〈控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をす…〉但書前段の要件を具備するとしても、なおその証人を取り調べることが但書後段の要件を具備しこれを取り調べる必要のある場合にあたるかどうかは、結局原審の判断によつて決せられる事項であるから、原審が弁護人の請求の理由と、すでに取り調べた事実と証拠とを合せて考えた上、右証人を取り調べなければならない場合に当らないものとして却下したことはなんら違法ということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年7月18日 昭和27(あ)801
登載
刑集 第7巻7号1547頁
参照法条
刑法249条,刑訴法256条6項,刑訴法47条,刑訴法256条,刑訴法393条,刑訴規則164条
論点3第47条刑事訴訟法

1 刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否
2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に,当該写しにつき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否

裁判要旨1 刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該保管者の有する裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。
2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持し,当該写しについて文書提出命令の申立てがされた場合においては,当該原本を検察官が保管しているときであっても,当該写しが民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当し,かつ,当該都道府県による当該写しの提出の拒否が,民事訴訟における当該写しを取り調べる必要性の有無,程度,当該写しが開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該都道府県の有する裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成31年1月22日 平成30(許)7
登載
民集 第73巻1号39頁
参照法条
(1,2につき)民訴法220条1号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条 (2につき)民訴法220条3号
論点4第47条刑事訴訟法

1 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例
2 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして文書提出命令が申し立てられた場合に,刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉に基づきその提出を拒否した上記各文書の所持者である国の判断が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとされた事例

裁判要旨1 検察官が被疑者の勾留請求に当たって刑訴規則148条1項3号所定の資料として裁判官に提供した告訴状及び被害者の供述調書は,いずれも,上記各文書を所持する国と上記請求により勾留された者との間において,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当する。
2 強姦の被疑事実に基づき勾留された被疑者が,勾留請求の違法を主張して国家賠償を求める本案訴訟において,検察官が刑訴規則148条1項3号所定の資料として裁判官に提供した告訴状及び被害者の供述調書について,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由として文書提出命令を申し立てた場合,刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉に基づきその提出を拒否した上記各文書の所持者である国の判断は,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものというべきである。
(1) 勾留の裁判が準抗告審において取り消されており,検察官が被疑者には罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると判断するに際し最も基本的な資料となった上記各文書には,取調べの必要性がある。
(2) 被害者は,被疑事実が不法行為を構成するとして,被疑者に対する損害賠償請求訴訟を提起しており,その審理に必要な範囲でプライバシーが明らかにされることを容認していたということができ,また,国は,本案訴訟において,被害者の供述内容として被害の態様が極めて詳細かつ具体的に記載された検察官の陳述書を既に書証として提出しており,上記各文書が開示されることによって,被害者の名誉,プライバシーの侵害の弊害が生ずるおそれがあるとは認められない。
(3) 被疑事件については不起訴処分がされており,また,上記陳述書の内容はほぼ上記供述調書の記載に従ったもののようにうかがわれ,上記各文書が開示されることによって,捜査や公判に不当な影響が及ぶおそれがあるとは認められない。
(2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年12月12日 平成19(許)22
登載
民集 第61巻9号3400頁
参照法条
(1,2につき)民訴法220条3号,4号ホ,刑訴法60条,刑訴法205条,刑訴法207条,刑訴規則148条1項3号 (2につき)刑訴法47条
論点5第47条刑事訴訟法

1 捜索差押許可状及び捜索差押令状請求書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に当たるとされた事例
2 民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた捜索差押許可状の文書提出命令の申立てに対して刑訴法47条に基づきその提出を拒否した所持者の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとされた事例
3 民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた捜索差押令状請求書の文書提出命令の申立てに対して刑訴法47条に基づきその提出を拒否した所持者の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえないとされた事例

裁判要旨1 警察官が文書提出命令の申立人の住居等において行った捜索差押えに係る捜索差押許可状及び捜索差押令状請求書は,いずれも,当該警察官が所属し,上記各文書を所持する地方公共団体と文書提出命令申立人との間において,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当する。
2 民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた捜索差押許可状の文書提出命令の申立てに対して,刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉に基づきその提出を拒否した所持者の判断は,本案訴訟において同許可状を証拠として取り調べる必要性が認められ,同許可状が開示されたとしても今後の捜査,公判に悪影響が生ずるとは考え難いなど判示の事情の下では,裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものというべきである。
3 民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた捜索差押令状請求書の文書提出命令の申立てに対して,刑訴法47条に基づきその提出を拒否した所持者の判断は,本案訴訟において同請求書を証拠として取り調べる必要性は認められるものの,被疑事件につき,いまだ被疑者の検挙に至っておらず,現在も捜査が継続中であって,同請求書には捜査の秘密にかかわる事項や被害者等のプライバシーに属する事項が記載されている蓋然性が高いなど,同請求書を開示することによって,被疑事件の今後の捜査及び公判に悪影響が生じたり,関係者のプライバシーが侵害されたりする具体的なおそれが存するという事情の下では,裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年7月22日 平成17(許)4
登載
民集 第59巻6号1837頁
参照法条
民訴法220条3号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条,刑訴法110条,刑訴法218条1項,刑訴法218条3項,刑訴法219条,刑訴法222条1項,刑訴規則155条1項,憲法35条
論点6第47条刑事訴訟法

1 刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否
2 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた文書提出命令の申立てが理由がないとされた事例

裁判要旨1 刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該保管者の有する裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。
2 既に自己の有罪判決が確定した刑事事件の公判に提出されなかった共犯者の捜査段階における供述調書につき,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由としてされた文書提出命令の申立ては,刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」である当該供述調書を本案訴訟において証拠として取り調べることが申立人の主張事実の立証に必要不可欠なものとはいえないこと,当該供述調書が開示されることによって当該共犯者や第三者の名誉,プライバシーが侵害されるおそれがないとはいえないことなど判示の事情の下では,保管者である検察官の提出拒否の判断が,その裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものとはいえず,理由がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成16年5月25日 平成15(許)40
登載
民集 第58巻5号1135頁
参照法条
民訴法220条3号,民訴法220条4号ホ,刑訴法47条
論点7第47条刑事訴訟法

検察官が被疑者として取り調べた者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録した記録媒体が、民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして文書提出命令の申立てがされた場合に、刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉に基づきその提出を拒否した上記記録媒体の所持者である国の判断が、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとされた事例

裁判要旨刑事事件の被疑者の1人として逮捕、勾留され、上記刑事事件について起訴されたが、無罪判決を受けたXが、上記の逮捕、勾留及び起訴が違法であると主張して国家賠償を求める本案訴訟において、検察官がAを上記刑事事件の被疑者の1人として取り調べる際にAの供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録した記録媒体のうちXに係る上記刑事事件の公判において取り調べられなかった部分について、民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当することを理由として文書提出命令の申立てをした場合に、刑訴法47条〈訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる…〉に基づきその提出を拒否した上記部分の所持者である国の判断は、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、その裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものである。
⑴ 上記本案訴訟においては、AがXとの共謀の有無に関連して従前と異なる供述をするに至ったことに対する検察官Bの言動の影響の有無、程度、内容等が深刻に争われているところ、その審理を担当する原々審は、上記部分がBのAに対する取調べの具体的状況及び内容を立証するのに最も適切な証拠であり、上記記録媒体の一部分の反訳書面や人証によって代替することは困難であるとして、上記部分を取り調べる必要性の程度が高いと判断した。
⑵ Xが、Aに対し、Aが上記の供述をしたこと等によりXをえん罪に陥れたと主張して損害賠償を求める訴訟において、XとAとの間に訴訟上の和解が成立し、上記和解において、Aが上記記録媒体の証拠採用に反対せず、XもAのプライバシーの保護に最大限配慮することを明確に合意している。
⑶ 上記刑事事件に関与したとされる者のうち、Xについては無罪判決が確定し、X以外の者について捜査や公判が続けられていることもうかがわれない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和6年10月16日 令和6(許)5
登載
集民 第271号147頁
参照法条
民訴法220条3号、刑訴法47条、刑訴法301条の2
論点8第48条刑事訴訟法

判決宣告調書の被告事件名欄の記載が明白な誤記と認められた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年2月19日 昭和56(あ)1888
登載
集刑 第225号683頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴規則44条
論点9第48条刑事訴訟法

一、併合罪の刑の加重をするにあたり刑法一四条を適用しなかつた違法と判決に及ぼす影響
二、公判調書中の「公判をした裁判所及び裁判官」欄ならびに「裁判所書記官」欄の各記載が単なる誤記と認められた事例

裁判要旨一 第一審判決に、併合罪の刑の加重をするにあたり刑法一四条を適用しなかつた違法があつても、被告人に対するその宣告刑が正当な処断刑の範囲内にあり、かつ、被告人の犯罪事実の内容その他情状に徴し右宣告刑が重きに過ぎるものと認められないときは、右違法が判決に影響を及ぼすこと明らかであるとはいえない。
二 第一審第九回公判調書中の「公判をした裁判所及び裁判官」欄に「金沢地裁小松支部乙」とあり、また「裁判所書記官」欄に「甲」とあるのは、同公判調書の末尾に作成者として金沢地方裁判所小松支部裁判所書記官乙の署名および押印があり、また、裁判官認印欄に「甲」の認印があること、ならびに第一審のその余の公判調書および判決書の各記載に徴すれば、それぞれ「金沢地方裁判所小松支部甲」および「乙」の単なる誤記にすぎないと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年2月16日 昭和47(あ)1193
登載
刑集 第27巻1号46頁
参照法条
刑法14条,刑訴法335条1項,刑訴法380条,刑訴法48条,刑訴法52条,刑訴規則44条
論点10第48条刑事訴訟法

裁判長の認印を欠く公判調書の効力。

裁判要旨公判調書に、裁判所書記官の署名押印がある以上裁判長もしくは裁判官の認印が欠けていることの一事だけで直ちにこれを無効と解すべきではない(昭和三〇年(あ)第一二〇号同三二年八月二三日第二小法廷判決、刑集一一巻八号二一〇三頁参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年2月24日 昭和43(あ)248
登載
集刑 第170号347頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴規則37条,刑訴規則46条
論点11第48条刑事訴訟法

一 控訴裁判所が第一審において有罪とされた手段結果の関係にある犯罪事実の一部を無罪とし、なお第一審の刑より軽い刑を言い渡さなかつた場合と刑訴法第四〇二条
二 刑訴法第四八条第二項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉にいう「重要な事項」の意味

裁判要旨一 被告人が控訴をした事件について、控訴裁判所が、第一審において有罪とした手段結果の関係にある私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載の犯罪事実のうち、公正証書原本不実記載の点を無罪とした場合に、第一審の刑より軽い刑を言い渡さなくても刑訴第四〇二条〈被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。〉に違反しない。
二 刑訴法第四八条第二項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉にいう「重要な事項」とは、ことがら自体からみて訴訟法上重要な意義をもつ事項をいうのではなく、特に公判調書に記載しておくことを必要とする事項を意味するのであり、いかなる事項がこれに該当するかは、裁判所の規則の定めるところに委ねられているものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年4月12日 昭和31(あ)4407
登載
刑集 第14巻5号548頁
参照法条
刑訴法402条,刑訴法48条2項,刑訴規則44条
論点12第48条刑事訴訟法

公判調書に黙否権の告知の記載がない場合と右告知の有無。

裁判要旨被告人に対する黙否権の告知は、刑訴規則四四条によれば公判調書の必要的記載事項ではないのであるから、所論第一審第一回公判調書に右告知の記載がないからといつて、直ちにその手続が行われなかつたものということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年11月24日 昭和34(あ)885
登載
集刑 第131号803頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法291条,刑訴規則44条,刑訴規則197条
論点13第48条刑事訴訟法

一 公判調書に刑訴規則第一九七条の二所定の処置をした記載がない場合と右処置の有無
二 刑訴法第二九一条の二〈被告人が、前条第五項の手続に際し、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及…〉にいわゆる「有罪である旨を陳述した」と認められる事例

裁判要旨一 公判調書に簡易公判手続により審判する旨の決定をする前、刑訴規則一九七条の二所定の処置をした記載がないからといつて、必ずしも右処置が行われなかつたということはできない。
二 被告人が公判における被告事件に対する陳述において、「事実はその通りです。尚有罪で処断されても異議はありません」と述べているときは、刑訴第二九一条の二〈被告人が、前条第五項の手続に際し、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及…〉にいわゆる「有罪である旨を陳述した」ものと認められる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年10月9日 昭和34(あ)1253
登載
刑集 第13巻11号3034頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法291条の2,刑訴規則44条,刑訴規則197条の2
論点14第48条刑事訴訟法

公判調書は公判期日当日付で作成することを要するか―作成日をその日付とすることは違法か。

裁判要旨公判文書は所論のように、必ずしも公判期日当日付をもつて作成することを要するものではなく、その作成日をその日付として記載してもなんら違法ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年9月16日 昭和33(あ)1143
登載
集刑 第127号213頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴規則44条
論点15第48条刑事訴訟法

刑訴法第四八条第三項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉所定期間内に整理されなかつた公判調書とその効力

裁判要旨刑訴第四八条第三項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉所定期間内に整理されなかつた公判調書であつても、単にその一事だけは無効と解することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年9月10日 昭和32(あ)1116
登載
刑集 第11巻9号2213頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法50条
論点16第48条刑事訴訟法

裁判長の認印を欠く公判調書の効力

裁判要旨裁判長の認印若しくは裁判長に差支あるときの他の裁判官の一人の認印を欠く公判調書は、刑訴規則第四六条の規定に違反するものであるが、その作成権限ある裁判所書記官補の署名押印があり、他方第一審において所定の期間内に被告人または弁護人から同公判調書の記載の正確性について異議の申立がなされた形跡がなく、また原審において右法令違反について控訴趣意として主張もなされておらず、且つ原審の数回に及ぶ公判においても被告人または弁護人から何らの主張もなされていない場合には、右公判調書は前記認印を欠く一事によつてこれを無効とすべきものではないと解するを相当とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年8月23日 昭和30(あ)120
登載
刑集 第11巻8号2103頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法51条,刑訴規則37条,刑訴規則46条,刑訴規則48条
論点17第48条刑事訴訟法

公判調書に起訴状朗読等の記載のない場合その手続が行われなかつたとみるべきか

裁判要旨所論の起訴状朗読等は昭和二七年二月一日以降公判調書の必要的記載事項でなくなつたのであるから所論の第一審における公判調書にその記載のない一事をもつて直ちにその手続が行われなかつたことにはならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年7月22日 昭和28(あ)2829
登載
集刑 第107号959頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴規則44条
論点18第48条刑事訴訟法

書記官の押印を欠いた公判調書の効力

裁判要旨公判調書に裁判所書記官の署名があるだけで、その押印を欠いていても、右裁判所書記官がこれを作成したものと認められる場合は、その公判調書は有効である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年5月12日 昭和29(あ)3576
登載
刑集 第9巻6号1019頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴規則46条
論点19第48条刑事訴訟法

刑訴規則第四四条の合憲性

裁判要旨第三点は違憲をいうが、刑訴四八条二項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉は公判調書に記載すべき重要事項範囲を最高裁判所規則に一任しているから、所論規則が起訴状朗読の記載を不要としたことは、刑訴法に反するところはなく、従つて違憲の主張は前提を欠き、採るを得ない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年2月17日 昭和29(あ)1517
登載
集刑 第102号775頁
参照法条
刑訴法48条2項,刑訴規則44条,憲法31条,憲法77条
論点20第48条刑事訴訟法

刑訴法第四八条第二項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉の意義

裁判要旨刑訴法第四八条第二項〈公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。〉にいう「公判期日における審判に関する重要な事項」とは、ことがら自体からみて訴訟法上重要な意義をもつ事項をいうのではなく、特に公判調書に記載しておくことを必要とする事項を意味するのであり、いかなる事項がこれに該当するかは、裁判所の規則の定めるところに委ねられているものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年12月9日 昭和28(あ)4317
登載
刑集 第9巻13号2682頁
参照法条
刑訴法48条2項,刑訴規則44条
論点21第48条刑事訴訟法

公判手続の更新と公判調書の記載

裁判要旨裁判官が、かわつたことにより公判手続を更新した場合には、公判調書にその旨を記載すれば足り、更新前の公判調書、証拠書類および証拠物等について証拠の標目、その取調の順序を記載する必要はない。註。本件は簡易裁判所から地方裁判所え移送のあつた場合である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年7月14日 昭和28(あ)1220
登載
刑集 第8巻7号1108頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法315条,刑訴法332条,刑訴規則44条,刑訴規則213条の2
論点22第48条刑事訴訟法

公判調書における判決宣告期日の誤記と判決への影響の有無

裁判要旨第一審第三回公判調書の記載によれば、第一審判決の宣告期日は、昭和二四年八月三日と指定されており、同第四回公判調書によれば、右八月三日に同判決の宣告が為された旨記載されているが、三輪、豊田両弁護人の上告趣旨第一点、三、挙示の各書面中の年月日の記載によれば、右各公判調書の八月三日の記載は、九月五日の誤記であつて、本件第一審判決宣告の日は、昭和二四年九月五日であると認定するを相当とする。従つてこの点に関する原判決の判断は、失当たるを免れないものといわなければならない。尤も、右は、前記第一審公判調書の年月日の記載が誤記たるに止り(三輪弁護人等の上告趣意第一点、二、掲記の大正一三年二月九日の大審院判例参照)、有効な第一審判決の宣告があり、従つて、適法な控訴の申立があつたのであるから、その欠点は、結局において第一審判決及び原判決に影響を及ぼすものとは思われない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年1月14日 昭和26(あ)4393
登載
集刑 第91号349頁
参照法条
憲法31条,刑訴法379条,刑訴法52条,刑訴法48条,刑訴法411条,刑訴規則44条2号,刑訴規則44条30号
論点23第48条刑事訴訟法

刑訴規則第四四条は控訴審に適用されるか

裁判要旨刑訴規則第四四条は、第一審における公判調書の記載要件であつて、控訴審における公判調書の記載要件ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年10月19日 昭和28(あ)1089
登載
集刑 第99号189頁
参照法条
刑訴法48条2項,刑訴規則44条
論点24第48条刑事訴訟法

公判調書に予め不動文字を印刷した用紙を利用することと憲法第三七条

裁判要旨原審における所論公判調書中検事の意見陳述の記載につき印刷文字を用いていることは所論のとおりであるが、右は検事が同旨の意見陳述をしたればこそ、かかる印刷文字の記載のある用紙を利用して、公判調書の作成を簡略にした趣旨であることは一見して明瞭であつて、到底所論の如く、原裁判所が控訴趣意の理由なきことを予断して公判に臨んだものと認めるを得ない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年3月17日 昭和26(あ)3090
登載
集刑 第76号273頁
参照法条
憲法37条,刑訴法48条,刑訴法389条
論点25第48条刑事訴訟法

公判調書に検察官の冒頭陳述の記載を欠いた場合と冒頭陳述の有無。

裁判要旨検察官の冒頭陳述は刑訴規則四四条によれば公判調書の記載要件ではないから、公判調書に記載が無いからと云つて直に検察官の冒頭陳述を欠くとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年2月10日 昭和26(あ)2025
登載
集刑 第73号151頁
参照法条
刑訴法52条,刑訴法48条,刑訴法296条,刑訴規則44条
論点26第48条刑事訴訟法

公判調書に被告人の権利保護のための告知事項の記載を欠いた場合と右告知の有無

裁判要旨刑事訴訟規則四四条によれば、所論の諸事項(註。被告人保護のため黙秘権等を告知すること等を指す)は、公判調書に記載することを要しないものである。それ故にそれ等の記載がなかつたからとて違法があつたものということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年2月10日 昭和27(あ)5150
登載
集刑 第73号223頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法52条,刑訴法291条,刑訴規則44条(昭和26年最裁規15号による改正後のもの)
論点27第48条刑事訴訟法

証拠書類の謄本の提出と裁判所の許可。

裁判要旨公判調書に証拠書類が取り調べられた旨の記載があり、検察官がその謄本を提出するについて被告人側より異議を申し立てた形跡もなく、且つ同謄本が記鉄に編綴されている以上、右謄本の提出につき裁判所の許可があつた旨が公判調書に記載されていないからといつて、右許可がなかつたものとすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年11月17日 昭和28(あ)2533
登載
刑集 第7巻11号2202頁
参照法条
刑訴法310条但書,刑訴法48条2項,刑訴規則44条1項30号ト
論点28第48条刑事訴訟法

一 被告人の供述調書の任意性立証の要否
二 右供述調書の任意性の調査方法
三 右供述調書の任意性調査と公判調書

裁判要旨一 被告人の供述調書の任意性を被告人が争つたからといつて、必ずしも検察官にその供述の任意性について立証させねばならないものではない。
二 右供述調書の任意性の有無の調査は、裁判所が適当と認める方法によつてこれを行うことができ、かつ供述調書の方式のみでなく内容自体も右調査の資料となし得る。
三 右供述調書の任意性調査の事実は、これを必ず調書に記載しなければならないものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年10月9日 昭和26(あ)1295
登載
刑集 第7巻10号1904頁
参照法条
刑訴法325条,刑訴法322条,刑訴法48条,刑訴規則44条
論点29第48条刑事訴訟法

旧刑訴法第二四八条の司法警察官と巡査部長の聴取書作成資格

裁判要旨原判決は、第一審判決と同一の証拠(被告人に対する第二回司法警察官の聴取書中判示同旨の供述記載)のほか、原審証人Aの供述をも証書に援用している。そして前記聴取書は司法警察官巡査部長B名義で作成されたものであるが(所論のようにCが作成したものではない)、警察法第三五条、四六条、同法附則一九条〈裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同…〉等によれば、巡査部長は、旧刑訴二四八条〈犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができ…〉の司法警察官に当ること疑ないので(昭和二四年(れ)七七三号同年六月一八日言渡当裁判所第二小法廷判決参照)右聴取書は所論のように作成資格を濫用した無効のものでない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年10月30日 昭和26(れ)1293
登載
集刑 第55号871頁
参照法条
警察法35条,警察法46条,警察法附則19条,旧刑訴法48条,旧刑訴法249条
論点30第48条刑事訴訟法

一 公判調書中の「証人に別紙宣誓書により宣誓させた」との記載と証人の誓宣が各別に行われたことの有無

二 起訴状に被害場所の番地の未記入並びに被害者の姓の記載に誤記ある場合と公訴事実の同一性

裁判要旨一 所論のように各証人個別に宣誓書を朗読せしめたか否かのごときは公判調書の記載事項でもないし、また、これが記載を欠くからといつてその手続が行われなかつたとはいえない。そして、原審公判調書に「証人に別紙宣誓書により宣誓させた」との記載があり且つ所論の証人が各別に署名押印した宣誓書が現に記録中に存在しているのであるから、所論の証人が各別に宣誓をしたことは明白である。

二 起訴状記載の被害者の姓が誤記であり且つ起訴状に被害場所の番地を記入せず又はその被害場所居住主の氏名の記載等が間違つていても、公訴事実若しくは訴因に変更を来すものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和25年10月19日 昭和24新(れ)351
登載
集刑 第19号897頁
参照法条
刑訴法48条,刑訴法154条,刑訴法256条,刑訴規則44条
論点31第48条刑事訴訟法

公判調書の整理期間を定める刑訴法48条3項と憲法31条との関係

裁判要旨公判調書作成の本来の目的等を踏まえ,公判調書の整理期間をどのように定めるかは,憲法31条の刑事裁判における適正手続の保障と直接には関係のない事項である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年8月25日 平成26(あ)1045
登載
刑集 第69巻5号667頁
参照法条
憲法31条,刑訴法48条1項,刑訴法48条3項
論点32第49条刑事訴訟法

訴訟記録の閲覧拒否と刑訴法第五三条第一項の解釈、適用の適否。

裁判要旨一 訴訟記録の閲覧、謄写に関する法条の解釈、適用について原決定の示す判断は相当である。

二 (原決定の判断の要旨)刑訴法第五三条第一項〈何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のある…〉の被告事件の終結後とは、被告事件の確定後の趣旨に解すべきであつて、申立人の被告事件は第一審の裁判宣告後申立人から控訴があり、未確定なので、右第五三条の場合に該当しない。従つて申立人が右第五三条に基づいてその訴訟記録の閲覧を要求することはできない。もつとも被告人は刑訴法第四九条により、弁護人がないときは、公判調書は閲覧することができ、申立人が主張する日時当時は申立人に弁護人がなかつたので、申立人自身が被告人の資格において公判調書の閲覧をなし得るわけであるが、これは公判調書のみの閲覧であり、訴訟記録全部の閲覧権まではない。もちろん記録の謄写は許されないから訴訟記録全部の閲覧拒否を刑訴法第五三条の違反とする本件抗告理由はない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年2月5日 昭和39(し)1
登載
集刑 第150号411頁
参照法条
刑訴法53条1項,刑訴法53条3項,刑訴法40条,刑訴法49条
論点33第49条刑事訴訟法

記録の謄写を上告審が許さなかつたことを不服とする上告理由の適否。

裁判要旨所論は、違憲をいうが、当庁で記録の謄写が許されなかつたことに対し不服を申立てるに過ぎず、原判決に対する攻撃とは認められないから上告適法の理由に当らない。

註、上告論旨は、被告人(弁護人なし)は上告趣意書を作成するため記録の謄写を求めたが許されなかつた。公判調書の閲覧だけでは上告趣意書の作成は不可能である。弁護人には謄写権を認めながら、被告人本人にはこれを認めないのは、実質上、上訴権を奪うことになるとして憲法一四条、三二条違反を主張した。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年11月8日 昭和35(あ)1203
登載
集刑 第145号41頁
参照法条
刑訴法40条,刑訴法49条,刑訴法405条
論点34第49条刑事訴訟法

被告人は公判調書以外の公判記録を閲覧する権利を有しないか。

裁判要旨被告人本人には、公判調書以外の公判記録を閲覧する権利はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年6月30日 昭和34(あ)259
登載
集刑 第130号369頁
参照法条
刑訴法40条,刑訴法49条,刑訴規則50条
論点35第49条刑事訴訟法

裁判所は検察官所持の証拠を予め被告人または弁護人に閲覧させるよう命令することができるか。

裁判要旨現行刑事訴訟法規のもとで、裁判所が検察官に対し、その所持する証拠書類または証拠物を、検察官において公判で取調べを請求すると否とにかかわりなく、予め、被告人または弁護人に閲覧させるように命令することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年12月26日 昭和34(し)60
登載
刑集 第13巻13号3372頁
参照法条
刑訴法40条,刑訴法49条,刑訴法299条1項,刑訴法300条,刑訴規則178条の3,刑訴規則193条
論点36第49条刑事訴訟法

生活協同購買利用組合役員の統制額超過買受行為と物価統制令第一一条違反

裁判要旨原判決が本件公訴事実につき無罪の言渡をした理由は有限責任A縣勤労者生活協同購買利用組合連合会(略称生協連)は消費者が生活必需物資を自己のため協同購入し之を自己のため配分する団体であり、団体員以外の者に転売して利を営むことを目的とするものにあらざるは勿論被告人両名も亦右団体の役員としてその事務に従事し報酬として給料を受くるのみで本件買受行為において利を営んだものではない。従つて被告人両名の行為は物価統制令第一一条但書違反としての犯罪構成要件を充たさざるものであるというのである。しかし本件において被告人両名の所為が営利を目的としたものではないという理由から直ちに同令第一一条但書自己の業務に属するものでないと論結することはできない訳である。それゆえ原審は単に被告人両名の所為が営利を目的とするものでないと判断しただけでは被告人等を無罪とすることはできないのであつて、さらに進んで本件契約をすることが右生協連の業務に属するものであるや否や、また被告人両名が右生協連の機関として右生協連の取引として右契約を締結したかどうかの点について審理判断をすることを要するものといわなけれはならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年2月23日 昭和25(れ)1237
登載
刑集 第5巻3号461頁
参照法条
旧刑訴法49条1項,物価統制令3条,物価統制令11条
論点37第49条刑事訴訟法

一 賍物の對價として得た物を沒收するにはその對價を得た行爲が犯罪を構成することを必要とするか
二 刑訴法第三七三條の「被害者ニ還付スヘキ理由明白ナル」旨の判示の要否
三 賍物の對價として得た金錢は沒收し得るか
四 公定價格ある賍物の對價として得た金錢に對する被害者の交付請求權の範圍

裁判要旨一 所論のごとく物の對價を得た行爲(本件では賍物の賣買行爲)が犯罪を構成する場合でなければ、その對價の沒收の言渡ができぬと論ずるのは全くの獨斷である。犯罪行爲によつて得た對價を沒收するのであれば同項第三號によるのであつて、第四號によるのではない。そして第四號の對價を取得する行爲については、それが犯罪を構成することを要件とするものでないことは規定上も明らかである。
二 原審判決においては、賍物の對價として得た物を被害者から交付の請求があつたこと及びその適用法條は刑訴法第三七三條第二項であることを明示しているのであるから、所論のように被害者に還付すべき理由が明白である旨を特に説示しなくともその趣旨を判示していることは自明であると言わなければならぬ。
三 刑法第一九條第一項第四號の規定は獨立した沒收事由として追加規定せられたものであるから、同號を適用するのに前號所定の物が同條第二項の規定により沒收し得るものであることを前提とすべき理由は毫も存しない、それ故前記贓品の對價物たる押收金全額は、犯人以外の者に屬せざる限り沒收し得る譯である。
四 本件では刑訴第三七三條第二項の規定に基き贓物の對價物につき被害者から交付の請求があつた。普通の場合であつたならば、對價物の全部を被害者に還付すべきであろうが既に贓物は處分せられた後のことであるから、被害者が犯人に對して損害賠償として交付を請求し得るのは、法令の許容する價額を標準とすべきであり、從つて本件においては「みのり」千百個、「きんし」六千本に對する處分當時の公定價額三千二百四〇圓に相當する押收現金の還付であると言わねばならぬ。されば、原判決がこれを被害者に還付する言渡をなし、これを差引きたる押收金の殘額二萬四千五百九十五圓を沒收したのは正當である
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和23年11月18日 昭和23(れ)545
登載
刑集 第2巻12号1597頁
参照法条
刑法256条2項,刑法19条,刑法256条,刑訴法373条,刑訴法49条1項,刑訴法373条2号
論点38第49条刑事訴訟法

国選弁護人を付された被告人が判決宣告後上訴申立てのため公判調書の閲覧を請求することの可否

裁判要旨国選弁護人を付されて審理を受けた被告人が判決宣告後に上訴申立てのため必要であるとして公判調書の閲覧を請求した場合は、刑訴法四九条〈被告人に弁護人がないときは、公判調書は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人も、これを閲覧することができる。被告人は…〉にいう「弁護人がないとき」に当たらず、右閲覧請求は許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成4年12月14日 平成4(し)110
登載
刑集 第46巻9号675頁
参照法条
刑訴法32条2項,刑訴法49条
論点39第50条刑事訴訟法

公判調書の記載の正確性に対する異議申立を棄却した高等裁判所の決定は刑訴法第四三三条にいう「この法律により、不服を申し立てることができない決定」に当るか。

裁判要旨申立人の本件公判調書の記載の正確性に対する異議申立を棄却した原決定は、高裁である原審が抗告審としてなした決定ではなく、刑訴四二八条一項〈高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。〉にいう「高等裁判所の決定」であること明白であるから、これに対しては、不服申立として、その高等裁判所に異議の申立をすることができることは同条二項の規定するところである。従つて、原決定は刑訴四三三条〈この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令に対しては、第四百五条に規定する事由があることを理由とする場合に…〉にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」に当らないから、これに対し同条所定の特別抗告を申し立てることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年6月1日 昭和35(し)16
登載
集刑 第134号1頁
参照法条
刑訴法428条,刑訴法433条,刑訴法50条1項
論点40第50条刑事訴訟法

一 旧刑訴事件につき刑法第五二条の規定により刑の変更をする場合は新旧何れの刑訴によるべきか
二 右の場合高等裁判所がした刑の変更決定に対し新刑訴により異議の申立が許されるか
三 本人と弁護人との双方に原決定謄本が送達された場合における不服申立期間の起算日

裁判要旨一 旧刑訴事件につき刑法第五二条の規定により刑の変更をする場合は、刑訴施行法第二条により旧刑訴第三七五条〈控訴の申立が明らかに控訴権の消滅後にされたものであるときは、第一審裁判所は、決定でこれを棄却しなければならない。この決定…〉の規定によるべきである。
二 右の場合、高等裁判所が誤つて新刑訴第三五〇条〈刑法第五十二条の規定により刑を定むべき場合には、検察官は、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所にその請求をしなけれ…〉を適用して決定をしても、これに対して異議の申立は許されない。
三 本人と弁護人との双方に原決定の謄本が日を異にして送達された場合における不服申立の期間は、本人に送達がされた時から起算すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年11月18日 昭和27(し)77
登載
刑集 第6巻10号1213頁
参照法条
刑法52条,刑訴施行法2条,旧刑訴法375条,旧刑訴法50条,新刑訴法350条,新刑訴法349条2項,新刑訴法428条,刑訴応急措置法18条,刑訴規則34条
論点41第50条刑事訴訟法

一 判決言渡手続の併合と決定の要否
二 旧刑訴法における審判の併合分離は予め決定を為し、被告人に告知することを必要とするか

裁判要旨一 本件では、昭和二五年二月二四日附の被告人両名に対する原判決書冒頭に「当裁判所は被告人Aについては検事浜田竜信被告人Bについては検事宮崎三郎各関与の上更に審理を遂げ併合して左の通り判決する」と記載され且つ同日における同一公判(判決宣言)期日において同一公判廷に出頭した右被告人両名に対し実際上宣告手続を併合して前示判決書に基き判決の言渡が為されていること記録上明白であるから、たとい特に予め併合決定を為しこれが告知をしなくともその手続が違法であるとはいえない。
二 記録を精査すると被告人と原審相被告人Bの原審公判手続がその第五回以後分離せられ各別に審理の上各別に結審され特に併合決定の告知がないのに両名に対し併合して判決の言渡がなされたことは所論のとおりである。しかし、審判の併合又は分離は、手続の運用に関する便宜措置に過ぎないものでその性質上裁判所が何時でも職権で為し得べき事項に属し且つ旧刑訴法ではこれを禁止し又はこれを為すには決定で為すべき旨命じていないから、必ずしも予めこれが決定を為しこれを被告人に告知することを必要とするものではなく、実際の手続において実現すれば足りるものと解するを相当とする。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和25年10月12日 昭和25(れ)1044
登載
刑集 第4巻10号2096頁
参照法条
旧刑訴法50条,旧刑訴法51条,旧刑訴法348条
論点42第51条刑事訴訟法

一 公判調書の記載の正確性についての異議申立権の行使が妨げられた場合と刑訴法五二条の適用の有無
二 第一審公判調書の記載の正確性についての異議申立権行使の機会が与えられなかった違法が控訴審判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の違法にあたらないとされた事例

裁判要旨一 公判調書の記載の正確性についての異議申立権の行使が妨げられている場合には、刑訴法五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉の証明力が排除される。
二 本件の具体的諸般の情況(判文参照)のもとでは、第一審公判調書の記載の正確性についての異議申立権行使の機会が与えられなかった違法は、控訴審判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の違法にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年3月14日 昭和46(あ)1991
登載
刑集 第26巻2号195頁
参照法条
刑訴法51条,刑訴法52条,刑訴法379条
論点43第51条刑事訴訟法

一 公判調書の記載の正確性について異議申立があつた場合と刑訴法第五二条の適用の有無
二 公判手続の更新があつたものと認むべき一事例

裁判要旨一 第三回公判期日の公判調書における、公判手続を更新した旨の記載に関し、公判調書の記載の正確性について適法な異議申立があつたのに、裁判所が、刑訴第五一条第一項〈検察官、被告人又は弁護人は、公判調書の記載の正確性につき異議を申し立てることができる。異議の申立があつたときは、その旨を…〉、刑訴規則第四八条に定めた手続を行わなかつた場合には、右公判調書に、公判手続を更新した旨の記載があるからといつて、刑訴第五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉を適用して、直ちに右公判手続の更新が行われたものと認めることはできない。
二 右の場合に、被告人および弁護人が右第三公判期日はもとより、その後の公判期日にも出廷し、公判手続の更新について別段刑訴第三〇九条〈検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。〉第一、二項の異議を申立てることもなく、証人の尋問その他の訴訟行為をし、訴訟を進行したときは、右第三回公判期日には適法に公判手続の更新が為されたものと認めるのを相当とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年2月28日 昭和30(あ)2430
登載
集刑 第123号463頁
参照法条
刑訴法51条1項,刑訴法52条,刑訴法309条,刑訴法315条,刑訴規則48条,刑訴規則213条の2
論点44第51条刑事訴訟法

一 判決書作成の時期―判決宣告後四〇日を経て作成された判決書と右判決の正否
二 判決書と裁判官の署名押印

裁判要旨一 原審の昭和二四年一一月五日附公判調書によれば、裁判長は、判決の宣告をする旨を告げ、判決主文を朗読し、同時に理由の要旨を告げたことが明らかであるから、原判決の主文は、言渡の際に文書に記載せられていたものということができる。もとより判決は、その宣告するところと判決書に記載するところと異るようなことがないように、判決宣告の際に判決書の作成せられていることが望ましいことであり、殊に本件のように判決宣告後四〇日を経て判決書が作成せられるようなことは、妥当とはいえないが、それだからといつて直に右判決を違法であるということはできない。そしてこの見解は、大審院の判例とするところであるが(大正二三年(れ)一二三一号同年一一月二日判決)。当裁判所も右とその見解を一にするものである。
二 旧刑訴法第六八条は、合議制の裁判所の裁判官の中で裁判長が署名押印できないときと又は他の裁判官が署名押印できないときという通常に起り得る場合を規定したものであつて、即ち裁判長と一人の陪席裁判官とがともに署名押印できないような稀有の場合には、すべからく本件を類推適用して判決書に陪席の一裁判官が裁判長と陪席裁判官が署名押印できない事由を附記して署名押印することができるものと解するのを相当とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年11月17日 昭和25(れ)456
登載
刑集 第4巻11号2328頁
参照法条
旧刑訴法66条,旧刑訴法51条2項,旧刑訴法68条
論点45第52条刑事訴訟法

公判廷に被告人が出頭したか否かと公判調書の記載

裁判要旨記録によると、原審第一回公判調書には、昭和四一年二月四日の同公判期日が何時に開廷されたかの記載はないが、被告人は出頭した旨記載されている。そして、刑訴法第五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉によれば、公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されているものは、同調書のみによつて証明することを要し、他の反証を許さないのであるから、結局、被告人は同公判期日に出頭し審理に立会つたものと認めるの外はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年10月28日 昭和41(あ)631
登載
集刑 第161号285頁
参照法条
刑訴法52条,刑訴規則44条1項6号
論点46第52条刑事訴訟法

証拠関係カードの記載録と被告人等の検事に対する各供述調書がいずれも刑訴法第三二二条第一項及び同第三二一条第一項第二号〈被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り… 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。〉の書面として当該被告人に対する関係においてのみならず、他の共同被告人等に対する関係においても、その取調請求がなされ、その趣旨において証拠調がなされたことの証明の有無。

裁判要旨第一審第二回公判調書の記載によれば、「証拠調、別紙証拠関係カード記載のとおり」となつており、同調書添附の証拠関係カードによれば、被告人等及び第一審相被告人等の検事に対する所論供述調書は、検察官から一括して取調請求がなされたものであるところ、右カードの「同意不同意の別」欄に「全部同意」、「結果」欄に「決定、取調済」と記載されていること明らかである。されば右公判調書の記載は、簡略にすぎるきらいはあるが、所論供述調書がいずれも刑訴法第三二二条第一項及び同第三二一条第一項第二号〈被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り… 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。〉の書面として、当該被告人に対する関係においてのみならず、他の共同被告人等に対する関係においても、その取調請求がなされ、その全部につき同第三二六条〈検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認め…〉の同意があつたので、その趣旨において取調がなされたことを証明するものと解し得る。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年7月12日 昭和36(あ)1697
登載
集刑 第147号759頁
参照法条
刑訴法298条1項,刑訴法322条1項,刑訴法321条1項2号,刑訴法52条,刑訴規則189条,刑訴規則44条
論点47第52条刑事訴訟法

明白な誤記と公判調書の証明力。

裁判要旨公判調書の記載が明白な誤記である場合には、公判調書は正しい内容にしたがつて証明力を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年3月14日 昭和35(あ)2517
登載
刑集 第15巻3号516頁
参照法条
刑訴法52条
論点48第52条刑事訴訟法

公判手続を更新した公判調書の記載と証拠調手続。

裁判要旨公判調書に「公判手続を更新した」との記載があるときは、裁判所は刑訴規則第二一三条の二所定の証拠調手続を履践したものと認むべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年6月30日 昭和31(あ)1793
登載
集刑 第130号335頁
参照法条
刑訴法315条,刑訴法52条,刑訴規則213条の2,刑訴規則44条1項32号
論点49第52条刑事訴訟法

一 公判調書の記載が明白な誤記と認められる事例。
二 明白な誤記と公判調書の証明力。

裁判要旨一 原審第二回公判調書は証人Aに対する尋問及び被告人Bに対する質問につき、「C弁護人」と記載すべきを「D弁護人」と、又証人Eに対する尋問につき「D弁護人」と記載すべきを「C弁護人」と各誤記したものと認められる。けだし被告人両名は共謀関係のない各別の収賄であつて、弁護人は各別に選任されたのであるから自己の担当しない被告人及びその証人につき質問及び尋問を行つたとは考えられないし又その質問尋問につき異議が述べられた形跡もないこと及び第一回公判調書の正確な記載とを比照すれば明白な誤記と認められるからである。
二 右のごとき明白な誤記については刑訴五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉の規定にかかわらず、これを本来の趣旨に従つて解釈することを妨げないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年9月30日 昭和31(あ)1977
登載
集刑 第127号349頁
参照法条
刑訴法52条
論点50第52条刑事訴訟法

適法な証拠調を経たことが認められる証拠書類が記録に編綴されていない場合と犯罪事実の認定

裁判要旨犯罪事実を認定するには適法な証拠調を経た証拠によることを要するが、記録によれば、第一審第二回公判期日において所論証拠書類が適法に証拠調べを施行された旨の記載があるから、その適法な証拠調がなされたことは明らかである。該証拠書類が記録に編綴されているかどうかは、犯罪事実の認定を左右するものではない。所論は、証拠書類が記録に編綴されていなければ、これを調査することもできず、当事者に不可能を強いる結果になると主張するが、記録公判調書によれば、所論証拠書類は、第一審裁判所の別件により引用することが明示されており、従つてその所在も明確にされており、かつ該記録は、自由に閲覧することができるものであるから(刑訴四〇条〈弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において、訴訟に関する書類(刑事確定訴訟記録法(昭和六十二年法律第六十四号)第二条第一項…〉、五三条〈何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のある…〉)所論のごとく不能を強いるものということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年9月13日 昭和30(あ)2949
登載
集刑 第114号635頁
参照法条
刑訴法310条,刑訴法335条,刑訴法317条,刑訴法52条,刑訴規則44条
論点51第52条刑事訴訟法

一 公判調書の証明力と明白な誤記
二 記載の正確性に関する異議と誤記
三 誤記と認めることが許される事例
四 誤記と認めることが許されない事例

裁判要旨一 刑訴第五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉は公判期日における訴訟手続に関する或る記載を訴訟記録等の資料によつて明白な誤記と認めることを許さない趣旨ではない。
二 公判調書の記載の正確性に関する異議申立の有無にかかわらず公判調書の記載を誤記と認めることは許される。
三 公判調書に「証人の証言の証明力を争うため刑訴第三二一条〈被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り…〉の証拠として」とある記載を、単に「刑訴第三二一条の証拠として」の誤記であると認めることは許される。
四 第一審の公判期日に或る供述調書を「刑訴第三二八条〈第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における…〉の証拠として」取調べたとの公判調書の記載を、控訴審裁判所が自ら取調べた証人の供述によつて、右は「刑訴第三二一条の証拠として」取調べたとの誤記であると認めることは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年3月27日 昭和30(あ)3212
登載
集刑 第112号833頁
参照法条
刑訴法52条
論点52第52条刑事訴訟法

公判調書に起訴状朗読及び刑訴法第二九一条第二項の手続の記載がない場合とその推認

裁判要旨本件公判調書は昭和二七年二月一日改正施行された刑訴規則四四条の規定に従い作成されたものであるから、同条の必要的記載事項以外の事項はその記載が省略されているのである。従つて起訴状の朗読及び刑訴二九一条二項〈検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。〉の手続が行われた旨公判調書に記載がないのは両手続が適法に履践されたと推認すべきであり、ことに右両手続の行われなかつたことに対する被告人又は弁護人の異議の申立があつた形跡は記録上全然ないところからみても右両手続は現実に行われたものと推認するを相当とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年8月26日 昭和28(あ)5212
登載
集刑 第108号235頁
参照法条
刑訴法52条,刑訴規則44条
論点53第52条刑事訴訟法

公判期日における訴訟手続の証明資料の一例

裁判要旨第一審公判調書に「証拠に関する事項、別紙証拠関係目録記載のとおり」と記載されているにかかわらずその別紙が添付されていない場合(調書作成当時は添付されていたものと推察される)に、上級審の職権調査により第一審に関与した裁判官または書記官補の提出した回答書は、右の公判調書に記載のない部分の起訴手続を証明する資料となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年6月16日 昭和28(あ)5475
登載
刑集 第8巻6号878頁
参照法条
刑訴法52条,刑訴規則44条
論点54第52条刑事訴訟法

一 原判決宣告の日時が公判調書記載の日と異るとの主張は適法か
二 高等裁判所が抗告審としてした決定に対しその裁判所に異議の申立ができるか

裁判要旨一 原判決宣告の日時が公判調書記載の日時と異るとの主張はすることができない。
二 高裁が抗告審としてした決定に対しては同法第四二七条によつて、再抗告ができないのであるから、同第四二八条第二項〈高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。〉、第三項は適用の余地がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年9月10日 昭和27(し)47
登載
刑集 第6巻8号1068頁
参照法条
刑訴法52条,刑訴法427条,刑訴法428条,刑訴規則44条1項2号
論点55第52条刑事訴訟法

公判調書に起訴状朗読の記載を欠いた場合と起訴状朗読の有無

裁判要旨公判調書中に同公判に出席した検察官が起訴状を朗読したことの記載を欠くという一事をもつて起訴状の朗読がなかつたものとは言えない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年6月17日 昭和27(あ)1243
登載
集刑 第65号223頁
参照法条
刑訴法52条,刑訴法291条1項,刑訴規則44条5号(昭和26年規則32号による改正前のもの)
論点56第52条刑事訴訟法

刑訴第五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉の法意

裁判要旨刑訴五二条〈公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。〉は、公判調書に記載あるもののみについて反証を許さない趣旨であつて、調書に記載なきものについては、ただそれだけで手続がなされなかつたということは出来ない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年3月25日 昭和25(あ)2060
登載
刑集 第6巻3号507頁
参照法条
刑訴法52条,旧刑訴法64条
論点57第53条刑事訴訟法

検察官のした死刑事件の確定訴訟記録等の閲覧不許可処分を取り消して閲覧させることを命じた準抗告の決定に対する特別抗告が棄却された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年9月25日 平成8(し)50
登載
集刑 第268号173頁
参照法条
刑訴法53条1項,刑事確定訴訟記録法4条1項,刑事確定訴訟記録法4条2項
論点58第53条刑事訴訟法

保管記録を閲覧させない理由として法に規定する事由を記載すれば足りるとした原決定は判例違反である旨の主張が事案異として不適法処理された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年2月24日 平成5(し)112
登載
集刑 第263号73頁
参照法条
刑訴法53条1項ただし書,刑事確定訴訟記録法4条2項,刑事確定訴訟記録法施行規則8条3項
論点59第53条刑事訴訟法

刑事確定訴訟記録の閲覧に関し憲法82条2項ただし書の解釈の誤りをいう主張が刑事確定訴訟記録法4条2項,刑訴法53条3項〈何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のある…〉の解釈,適用の誤りをいう単なる法令違反の主張とされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成4年12月7日 平成4(し)114
登載
集刑 第261号303頁
参照法条
憲法82条,刑事確定訴訟記録法4条2項,刑訴法53条3項
論点60第53条刑事訴訟法

刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書,刑訴法53条1項〈何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のある…〉ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」と関連する他の事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合

裁判要旨刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書,刑訴法53条1項〈何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のある…〉ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」には,保管記録を請求者に閲覧させることによって,その保管記録に係る事件と関連する他の事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合が含まれる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年10月27日 平成27(し)428
登載
刑集 第69巻7号787頁
参照法条
刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書,刑訴法53条1項ただし書
論点61第53条刑事訴訟法

1 訴訟関係人のする刑事確定訴訟記録法に基づく保管記録の閲覧請求が許されない場合
2 訴訟関係人がした閲覧請求が,関係者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたと認められる相当の理由があり,権利の濫用として許されないとされた事例

裁判要旨1 訴訟関係人のする刑事確定訴訟記録法に基づく保管記録の閲覧請求であっても,関係人の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたなど,権利の濫用に当たる場合は許されない。
2 訴訟関係人がした関係者の身上,経歴等プライバシーに関する部分についての閲覧請求が,当該関係者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたと認められる相当の理由がある本件事実関係の下では,同請求は,権利の濫用として許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年6月24日 平成20(し)30
登載
刑集 第62巻6号1842頁
参照法条
(1,2につき)刑事確定訴訟記録法4条1項,刑事確定訴訟記録法4条2項,刑事確定訴訟記録法6条,刑訴法53条
論点62第54条刑事訴訟法

刑事手続における書類の送達と民訴法一七二条の準用

民訴法一七二条は刑事手続における書類の送達については準用されるか

裁判要旨民訴法一七二条は刑事手続における書類の送達について準用される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和52年3月4日 昭和52(し)6
登載
刑集 第31巻2号69頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴規則63条,民訴法171条,民訴法172条
論点63第54条刑事訴訟法

一 被告人であるアメリカ合衆国軍人等に対する訴訟書類の送達方法
二 被告人であるアメリカ合衆国軍属に対する起訴状謄本の送達の瑕疵と公訴提起の効力

裁判要旨一 被告人であるアメリカ合衆国軍人等に対する訴訟書類の送達をするには、刑訴法五四条〈書類の送達については、裁判所の規則に特別の定めのある場合を除いては、民事訴訟に関する法令の規定(民事訴訟法(平成八年法律…〉によつて準用される民訴法一六九条その他によるほか、日米合同委員会の合意事項たる「日米行政協定の実施上問題となる事項に関する件」八項Eによるべきである。
二 被告人であるアメリカ合衆国軍属に対する起訴状謄本の送達につき、送達すべき場所の表示を誤つたほか、日本文の起訴状の謄本自体が被告人本人に交付されなかつた瑕疵があつたとしても、横須賀米海軍基地司令部法務部気付で被告人宛とされた右起訴状謄本が同法務部に送付され、米軍当局の慣行に従い、同法務部が職務上これを英文を翻訳したのち、同英訳にかかる起訴状が弁護人選任に関する通知とともに被告人本人に交付されたときは、右送達の瑕疵は、いまだ被告人に対する公訴提起の効力を失わせるものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年7月28日 昭和46(あ)1422
登載
刑集 第26巻6号397頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴法271条,刑訴法272条,刑訴法339条1項1号,刑訴規則176条,刑訴規則177条,民訴法169条,民訴法削除前の167条,日米行政協定の実施上問題となる事項に関する件8項E
論点64第54条刑事訴訟法

不送達となつた特別送達を付郵便送達とすることにより執行猶予が取り消されたものとすることの可否

裁判要旨特別送達の方法により、執行猶予取消決定についての即時抗告棄却決定の謄本を、被請求人に送達する手続をとつたところ、それが執行猶予期間内に送達されなかつた場合において、右特別送達を付郵便送達とすることにより、有効に執行猶予が取り消されたものとすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月26日 昭和47(し)57
登載
刑集 第26巻10号759頁
参照法条
刑法26条の2,刑訴法54条,刑訴規則63条,民訴法162条,民訴法172条
論点65第54条刑事訴訟法

控訴趣意書不提出を理由とする控訴棄却決定に対する異議申立棄却決定が審理不尽の違法があるとして取り消された事例

裁判要旨本件のような事情(決定文参照)のもとにおいては、控訴趣意書不提出による控訴棄却決定に対する異議申立を受けた原裁判所としては、当該郵便送達報告書の記載内容に疑いの余地があるから、申立人に控訴趣意書差出最終日通知書が送達されたかどうかを判断するには、なお、関係者の取調等事実の取調を必要とすると認められるのに、原裁判所が、事実の取調を行なうことなく、記録上控訴趣意書差出最終日通知書は適式に申立人に送達されていると認定して、異議申立を棄却する決定をしたのは、審理不尽の違法があり、刑訴法第四一一条第一項第一号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。〉により取消を免れない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年9月17日 昭和43(し)38
登載
集刑 第168号717頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴法386条,刑訴法411条1号,刑訴法433条
論点66第54条刑事訴訟法

記録上の住居にあててなされた上告趣意書最終提出日の通知が無効とされ、意義申立が容れられた事例。

裁判要旨当裁判所は被告人の上告申立にかかる昭和三八年(あ)第八三九号道路交通法違反等被告事件について、上告趣意書最終提出日を指定し、その通知書を、郵便により、記録上被告人の住居と認められる京都市a区b町(新町名c町)d番地あてに送達したとおろ、送達報告書によると、被告人の雇人である甲が前記場所において右通知書を受領したことによりその送達を終つたことが窺われる。ところが、当裁判所の照会の結果、a郵便局の回答書により、右送達の当時被告人は既に他に転居していて前記場所に住居を有せずその受領者である甲は被告人の雇人、事務員、同居者のいずれでもなかつたこと及び右通知書が甲から被告人に交付されたかどうかも疑わしいことが明らかになつた。しがつて、被告人に対する右通知書の送達は有効になされていなかつたものといわざるをえない。当裁判所は、被告人が上告趣意書を指定の期間内に提出しなかつたことを理由として上告を棄却したのであるが、右のように被告人に対する上告趣意書最終提出日の通知が有効になされていなかつた以上、その瑕疵は原決定に影響すること明らかであり、原決定を取消すべきものと認める。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年9月10日 昭和38(す)203
登載
集刑 第148号65頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴法414条,刑訴法376条,刑訴法386条1項1号,刑訴法386条2項,刑訴法385条2項,刑訴法422条,刑訴法428条2項,刑訴法426条2項,刑訴規則62条,刑訴規則63条,刑訴規則266条,刑訴規則236条
論点67第54条刑事訴訟法

刑訴法第四六五条第一項〈略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。〉同規則第三四条〈前条の規定による主任弁護人の権限については、裁判所の規則の定めるところによる。〉の解釈と刑訴法第四〇五条に規程する事由の存否。

裁判要旨所論は、違憲をいうけれども、略式命令が被告人に告知されたというには、その謄本が適法に送達されたというだけでは足りず、被告人が現実に略式命令を知ることを要するものとなし、原決定が略式命令謄本の適法な送達があつたときは、これにより略式命令の告知がなされたものというべきであると解したことを非難するものであつて、刑訴法第四六五条第一項〈略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。〉同規則第三四条〈前条の規定による主任弁護人の権限については、裁判所の規則の定めるところによる。〉を解釈を争う訴訟法違反の主張に帰し、原決定に刑訴法第四〇五条に規程する事由があることを主張するものとは認められない。かつ原決定の右解釈は正当であつて当裁判所はこれを支持する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年11月8日 昭和38(し)44
登載
集刑 第149号61頁
参照法条
刑訴法465条1項,刑訴法405条,刑訴法54条,刑訴規則34条,憲法32条,憲法37条1項,民訴法171条1項
論点68第54条刑事訴訟法

被告人に対する上告趣意書最終提出日の告知の不適法と、上告趣意書が期限内に提出なしとして上告を棄却した決定への影響

裁判要旨被告人が、保証金未納のためなお拘置所に勾留中であるのに、被告人に対する上告趣意書最終提出日の告知が肩書住居宛に郵送によつてなされたときは右告知は不適法であるから、被告人から上告趣意書が期限内に提出なしとして上告を棄却した決定はこれを取消すべきものである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年2月4日 昭和33(す)34
登載
集刑 第123号163頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴法386条2項,刑訴法385条2項(414条),刑訴法426条2項,刑訴規則236条(266条),刑訴規則252条,民訴法168条
論点69第54条刑事訴訟法

上告棄却決定に対する異議申立の棄却決定の確定の時期

裁判要旨上告棄却決定に対する異議申立の棄却決定は、その謄本を申立人在監の大阪拘置所長が受領したことによつて確定したものと解すべきことは刑訴および刑訴規則の諸規定に徴し明らかである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年9月20日 昭和32(し)40
登載
集刑 第120号501頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴法426条,刑訴規則34条,民訴法168条
論点70第54条刑事訴訟法

刑訴法第六五条第三項〈召喚状は、これを送達する。〉の通知による召喚手続

裁判要旨刑訴第六五条第三項〈召喚状は、これを送達する。〉の被告人に対する通知による召喚手続については、裁判所が各場合につき相当と認めるところに従い、在監人召喚簿、電話その他適宜の方法により前もつて通知をすれば足りる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年8月30日 昭和32(あ)1389
登載
刑集 第11巻8号2128頁
参照法条
刑訴法65条,刑訴法54条,刑訴規則298条,民訴法168条
論点71第54条刑事訴訟法

拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が誤つて同姓同名の他の在監者に交付された場合と公訴提起の効力

裁判要旨拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が、誤つて同姓同名の他の在監者に交付され、被告人がその交付を受けなかつた場合には、起訴状の謄本の送達がなかつた場合と同様に、公訴の提起はさかのぼつてその効力を失う。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和32年6月12日 昭和31(し)49
登載
刑集 第11巻6号1649頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴法271条,民訴法168条,監獄法48条
論点72第54条刑事訴訟法

刑訴法第四〇〇条〈前二条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の…〉但書に違反する一事例

裁判要旨第一審判決が起訴にかかる第一ないし第三の公訴事実を犯罪の証明がないとして、被告人に対し無罪を言い渡した場合に、控訴裁判所が右判決を破棄し、第一、第二の公訴事実につきみずから事実の取調を行うことなく、もつぱら第一審裁判所において取り調べた証拠のみによつて右第一ないし第三の犯罪事実の存在を確定し、有罪の判決をすることは、刑訴第四〇〇条〈前二条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の…〉但書の許さないところである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年12月27日 昭和30(あ)456
登載
刑集 第11巻14号3444頁
参照法条
刑訴法400条,刑訴法54条,刑訴規則63条,憲法37条
論点73第54条刑事訴訟法

所在不明による証人召喚状の不送達と証拠調施行の不能

裁判要旨証人が第一審において、所在不明のため、その召喚状不送達となつたときは、証拠調の施行が不能となつたものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年5月21日 昭和27(あ)6033
登載
集刑 第95号499頁
参照法条
刑訴法62条,刑訴法65条,刑訴法54条,刑訴法304条,刑訴法297条,刑訴規則190条
論点74第54条刑事訴訟法

保釈の制限住居の定めある場合と郵便に依る書類の送達

裁判要旨保釈の制限住居の定めある場合において、裁判所が被告人に対し郵便に依る送達をするには、被告人がその制限住居に居住していないときでも、その事実が裁判所に明白でない限り、右制限住居においてその住居との居住者であつて同居人と目される者に書類を交付してすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年3月20日 昭和25(し)58
登載
刑集 第8巻3号280頁
参照法条
刑訴法54条,民訴法162条,民訴法164条,民訴法169条
論点75第54条刑事訴訟法

一 在監者に対する送達が違法と認められる一事例
二 違法な起訴状謄本の送達と刑訴第四一一条〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する…〉

裁判要旨一 代用監獄である警視庁管下の警察署に在監する被告人に対して起訴状謄本を送達するにあたり、監獄の長たる右警察署長あてとすることなく警視総監あてとすることは違法である。
二 警視庁刑事部押送係において受領した起訴状謄本の伝達を受けた同庁管下警察署看守係巡査が、刑訴第二七一条第一項〈裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。〉所定の期間内に同署に在監する被告人に対し、弁護人の選任通知書とともに、右記訴状謄本を示し、且つ、読み聞かせた上、被告人承諾の下に改めてこれを保管したという場合には、被告人に対する起訴状謄本の交付があつたものと認められるのみならず、弁論の経過をみても被告人の防禦権が害されたと認むべき何らの事迹のないときは、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年5月31日 昭和25(あ)1226
登載
刑集 第6巻5号788頁
参照法条
刑訴法271条,刑訴法54条,刑訴法411条,民訴法168条
論点76第54条刑事訴訟法

一 特別抗告について刑訴法第四一一条の準用があるか

二 保釈決定謄本と異つた制限住居に宛てた付郵便送達の効力

三 特別抗告において原決定を取り消さなければ着しく正義に反するものと認められる事例

裁判要旨一 そして最高裁判所が正義を維持するため発動する職権破棄権は本件のような場合には当然にこれを保有するものというべきであるから本件特別抗告については刑訴法第四一一条の準用があるものと解するのが正当である。

二 被告人(控訴申立人)に対し、保釈決定原本に記載された制限住居とまつたく異つた制限住居を記載した謄本が送達せられ、被告人はそれを正しい謄本と信じて謄本記載の制限住居に居住していた場合に、控訴裁判所が原本記載の制限住居に宛てて控訴趣意書提出最終日通知書の送達を試み、それが不送達になつたのち、さらに同所に宛てて郵便に付する送達の方法をとり、右通知書は現実にも被告人に到達しなかつたが、同裁判所は控訴趣意書不提出の理由で控訴棄却の決定をしたのに対し、被告人から右事情を述べて異議の申立をしたにも拘らず、原決定が前記郵便に付する送達は有効であるとして異議申立を棄却したのは、刑訴規則第六三条の解釈を誤つた違法があり、刑訴第四一一条〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する…〉を準用して原決定を取り消されなければ著しく正義に反するものと認められる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年4月13日 昭和25(し)64
登載
刑集 第5巻5号902頁
参照法条
刑訴法433条,刑訴法411条,刑訴法54条,刑訴規則63条
論点77第54条刑事訴訟法

原決定謄本の付郵便送達が適法とされ,特別抗告の申立てが期間経過後のものとして不敵法とされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成3年6月14日 平成3(し)59
登載
集刑 第258号11頁
参照法条
刑訴法433条2項,刑訴法54条,民訴法172条
論点78第54条刑事訴訟法

別件で刑事施設に収容されている再審請求人の届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の付郵便送達が有効とされた事例

裁判要旨再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,上記届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の書留郵便に付する送達は,刑訴規則63条1項によるものとして有効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年3月24日 平成26(し)567
登載
刑集 第69巻2号506頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則62条3項,刑訴規則63条1項,民訴法102条3項
論点79第54条刑事訴訟法

第1審の無罪判決に対し検察官が控訴を申し立て控訴審に係属中に所在不明となった被告人に対する公判期日召喚状等の付郵便送達が有効とされた事例

裁判要旨第1審の無罪判決に対し検察官が控訴を申し立て,控訴申立通知書の送達を受けた被告人が,控訴審裁判所に刑訴規則62条1項の住居等を届け出ず,当時居住していた場所あてに送達された書類を異議なく受領し,その後所在不明となるなどの判示の事実関係の下においては,控訴審裁判所が上記場所にあてて行った被告人に対する公判期日召喚状等の書留郵便に付する送達は,有効である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年4月9日 平成15(あ)279
登載
刑集 第61巻3号321頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則(平成15年最高裁判所規則第7号による改正前のもの)63条1項
論点80第54条刑事訴訟法

住居不定の被告人に対する上告趣意書差出最終日通知書等の付郵便送達が有効とされた事例

裁判要旨住居不定で身柄を拘束されていない被告人が、控訴審において住居とは認め難い場所を送達場所とし自己を送達受取人として届け出る旨の書面を提出し、上告を申し立てながら、住居又は事務所を届け出ず、送達受取人を選任して届け出ることもなく、上告審あての弁護人選任回答書にも住居として右場所を記載したなど判示の事実関係の下においては、右場所にあてて行った被告人に対する上告趣意書差出最終日通知書等の書留郵便に付する送達は、有効である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成12年6月27日 平成11(あ)1298
登載
刑集 第54巻5号445頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則63条1項
論点81第54条刑事訴訟法

住居不詳の被告人に対する控訴趣意書差出最終日通知書等の付郵便送達が有効とされた事例

裁判要旨第1審判決に対して控訴を申し立てた住居不詳の被告人が、裁判所から尋ねられても住居等を明らかにしなかったなどという本件事情の下では、控訴審裁判所が戸籍の附票に記載されている住所に宛てて行った被告人に対する控訴趣意書差出最終日通知書等の書留郵便に付する送達は、有効である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和8年1月14日 令和6(あ)1087
登載
刑集 第80巻1号1頁
参照法条
刑訴法54条、刑訴規則62条1項、刑訴規則63条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑事訴訟法 第47条 詳細ページ
第四十七条訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。
刑事訴訟法 第48条 詳細ページ
第四十八条公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。
2公判調書には、裁判所の規則の定めるところにより、公判期日における審判に関する重要な事項を記載しなければならない。
3公判調書は、各公判期日後速かに、遅くとも判決を宣告するまでにこれを整理しなければならない。ただし、判決を宣告する公判期日の調書は当該公判期日後七日以内に、公判期日から判決を宣告する日までの期間が十日に満たない場合における当該公判期日の調書は当該公判期日後十日以内(判決を宣告する日までの期間が三日に満たないときは、当該判決を宣告する公判期日後七日以内)に、整理すれば足りる。
刑事訴訟法 第49条 詳細ページ
第四十九条被告人に弁護人がないときは、公判調書は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人も、これを閲覧することができる。被告人は、読むことができないとき、又は目の見えないときは、公判調書の朗読を求めることができる。
刑事訴訟法 第50条 詳細ページ
第五十条公判調書が次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、検察官、被告人又は弁護人の請求により、次回の公判期日において又はその期日までに、前回の公判期日における証人の供述の要旨を告げなければならない。この場合において、請求をした検察官、被告人又は弁護人が証人の供述の要旨の正確性につき異議を申し立てたときは、その旨を調書に記載しなければならない。
2被告人及び弁護人の出頭なくして開廷した公判期日の公判調書が、次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、次回の公判期日において又はその期日までに、出頭した被告人又は弁護人に前回の公判期日における審理に関する重要な事項を告げなければならない。
刑事訴訟法 第51条 詳細ページ
第五十一条検察官、被告人又は弁護人は、公判調書の記載の正確性につき異議を申し立てることができる。異議の申立があつたときは、その旨を調書に記載しなければならない。
2前項の異議の申立ては、遅くとも当該審級における最終の公判期日後十四日以内にこれをしなければならない。ただし、第四十八条第三項ただし書の規定により判決を宣告する公判期日後に整理された調書については、整理ができた日から十四日以内にこれをすることができる。
刑事訴訟法 第52条 詳細ページ
第五十二条公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。
刑事訴訟法 第53条 詳細ページ
第五十三条何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは、この限りでない。
2弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は、前項の規定にかかわらず、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があつて特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない。
3日本国憲法第八十二条第二項但書に掲げる事件については、閲覧を禁止することはできない。
4訴訟記録の保管及びその閲覧の手数料については、別に法律でこれを定める。
刑事訴訟法 第53_2条 詳細ページ
第五十三条の二訴訟に関する書類及び押収物については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)及び独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)の規定は、適用しない。
2訴訟に関する書類及び押収物に記録されている個人情報については、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第五章第四節の規定は、適用しない。
3訴訟に関する書類については、公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)第二章の規定は、適用しない。この場合において、訴訟に関する書類についての同法第四章の規定の適用については、同法第十四条第一項中「国の機関(行政機関を除く。以下この条において同じ。)」とあり、及び同法第十六条第一項第三号中「国の機関(行政機関を除く。)」とあるのは、「国の機関」とする。
4押収物については、公文書等の管理に関する法律の規定は、適用しない。
刑事訴訟法 第54条 詳細ページ
第五十四条書類の送達については、裁判所の規則に特別の定めのある場合を除いては、民事訴訟に関する法令の規定(民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百条第二項並びに第一編第五章第四節第三款及び第四款の規定を除く。)を準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。