論点1第368条民事訴訟法
適法な控訴の提起があつたとされた事例
裁判要旨控訴期間内に控訴人使者の署名捺印のある第一の控訴状が控訴状の提出を委任する旨の控訴人代表者名義の委任状とともに控訴裁判所に提出され、次いで控訴期間経過後に第一の控訴状と同日付をもつて控訴人代表者の署名捺印のある第二の控訴状が提出されたときは、特段の事情のない限り、控訴期間内に第一審判決に対する適法な控訴の提起があつたものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年5月28日 昭和56(オ)757
- 登載
- 集民 第136号31頁
- 参照法条
- 民訴法244条,民訴法367条,民訴法368条
論点2第370条民事訴訟法
申立の手数料を特別抗告状却下命令ののちに納付したことを理由として右命令に対し特別抗告の申立をすることの許否
裁判要旨申立の手数料等の納付を命ずる補正命令に従わなかつたことを理由として高等裁判所の裁判長がした特別抗告状却下の命令に対しては、右命令ののちに申立の手数料等を納付したことを理由として特別抗告の申立をすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年2月22日 昭和56(ク)385
- 登載
- 集民 第135号217頁
- 参照法条
- 民訴法228条,民訴法370条,民訴法396条,民訴法409条ノ2,民訴法409条ノ3,民訴法419条ノ2,民訴法419条ノ3
論点3第370条民事訴訟法
受送達者及び送達場所につき誤つた記載のある送達報告書に基づいてされた高等裁判所裁判長の控訴状却下命令に対する不服申立方法
裁判要旨控訴状補正命令が受送達者である控訴人に送達されていないにもかかわらず、控訴人本人にその住所において送達された旨の誤つた記載のある送達報告書に基づき高等裁判所裁判長が控訴状却下の命令をしたときは、右控訴人は、控訴状却下命令に対し、民訴法四二九条、四二〇条一項九号の規定により、再審の申立をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和54年2月15日 昭和53(ク)371
- 登載
- 集民 第126号97頁
- 参照法条
- 民訴法228条,民訴法370条,民訴法420条1項9号,民訴法429条
論点4第370条民事訴訟法
一 印紙追貼命令およびこれに従わないことによる上告状却下命令に対する救済を行政事件訴訟によつて求めることの許否
二 控訴審において民訴法第二〇二条〈尋問の順序〉によつた原判決を相当として口頭弁論を経ることなく控訴を棄却することの許否
裁判要旨一 上告状についての印紙追貼命令およびこれに従わないことによる上告状却下命令に対する不服は、民訴法所定の手続によるべく、審級の定めから上訴による不服申立のみちがない場合においても、行政事件訴訟をもつてその救済を求めることは許されない。
二 訴を不適法でその欠缺を補正しがたいものと認め民訴法
第二〇二条〈尋問の順序〉により口頭弁論を経ないで却下した第一審判決に対し、控訴のあつた場合において、右原審の判断を相当とするときは、控訴審においても、口頭弁論を経ないで控訴を棄却することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年4月15日 昭和38(オ)969
- 登載
- 集民 第83号191頁
- 参照法条
- 民訴法397条,民訴法370条,民訴法228条,民訴法378条,民訴法202条,行訴法3条
論点5第370条民事訴訟法
印紙追貼命令およびこれに関連する措置等に対する救済を裁判所法第八二条〈救助の付与〉によつて求めることの許否
裁判要旨上告状についての印紙追貼命令およびこれに関連する措置等に対する救済は、民事訴訟法所定の不服申立方法によるべく、審級その他の定めから上訴による不服申立のみちのない場合においても、これに裁判所法第八二条に基づく司法行政監督上の措置を求めることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和41年4月14日 昭和38(オ)1306
- 登載
- 集民 第83号167頁
- 参照法条
- 民訴法397条,民訴法370条,民訴法228条,裁判所法82条
論点6第370条民事訴訟法
一 控訴状における被控訴人の表示の誤記と補正
二 偽証と民訴法第第四二〇条第一項七号
裁判要旨一 控訴状に被控訴人の表示を「東京都千代田区ab丁目b番地A株式会社右代表者代表取締役D」と記載すべきを、「東京都中央区cd丁目d番地eA株式会社右代表者代表取締役E」と誤記したかしがあつても、控訴審の係属中に訂正した場合には右かしは補正される。
二 綜合認定に供された証言中に、偽証の証言があつても、偽証の証言が認定に全然関係がないか、もしくは主要事実の認定に影響を及ぼさない事情に関するものに過ぎないときは、民訴第四二〇条第一項七号の再審事由とならない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年11月19日 昭和30(オ)649
- 登載
- 民集 第13巻12号1500頁
- 参照法条
- 民訴法367条2項,民訴法370条,民訴法228条,民訴法420条1項7号
論点7第371条民事訴訟法
不適法なことが明らかであって当事者の訴訟活動により適法とすることが全く期待できない訴えにつき口頭弁論を経ずに訴えを却下するか又は却下判決に対する控訴を棄却する場合における被告に対する訴状、控訴状又は判決正本の送達の要否
裁判要旨不適法なことが明らかであって当事者の訴訟活動により適法とすることが全く期待できない訴えにつき、口頭弁論を経ずに、訴えを却下するか、又は却下判決に対する控訴を棄却する場合には、訴状において被告とされている者に対し訴状、控訴状又は判決正本を送達することを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成8年5月28日 平成7(行ツ)67
- 登載
- 集民 第179号95頁
- 参照法条
- 民訴法193条,民訴法202条,民訴法229条,民訴法371条,民訴法384条
論点8第372条民事訴訟法
離婚請求について全部勝訴の当事者が控訴審において附帯控訴の方式により新たに財産分与の申立をすることの可否
裁判要旨第一審において離婚請求について全部勝訴の判決を受けた当事者も、控訴審において、附帯控訴の方式により新たに財産分与の申立をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年3月10日 昭和56(オ)1087
- 登載
- 集民 第138号257頁
- 参照法条
- 人事訴訟手続法15条1項,民法768条1項,民法771条,民訴法372条
論点9第372条民事訴訟法
控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者と附帯上告の許否
裁判要旨控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第一審において自己の請求の一部を棄却され、控訴審において右敗訴部分に対する控訴も附帯控訴も提起しなかつた場合に右敗訴部分の、認容を求めるためにするときであつても、附帯上告を提起することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年11月16日 昭和54(オ)578
- 登載
- 集民 第128号123頁
- 参照法条
- 民訴法372条,民訴法393条,民訴法396条
論点10第372条民事訴訟法
一、間接占有者たる所有者と執行官保管・債権者使用許可の仮処分の執行に対する第三者異議の訴
二、全部勝訴の原告と控訴審における新請求の追加
裁判要旨一、建物に対する債務者の占有を解いて執行官の保管に付し、現状不変更を条件として債権者に使用を許す旨の仮処分の執行に対し、右建物の所有者は、これを仮処分債務者に賃貸占有させている場合でも、第三者異議の訴を提起することができる。
二、第一審において全部勝訴の判決を得た原告も、控訴審において、附帯控訴の方式により請求を拡張して従来の請求に新たな請求を追加することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和48年2月15日 昭和44(オ)755
- 登載
- 集民 第108号185頁
- 参照法条
- 民訴法232条,民訴法372条,民訴法549条
論点11第372条民事訴訟法
一、被控訴人が控訴審においてした書面による請求の趣旨変更の申立およびその申立書添付の物件目録訂正の申立が附帯控訴の申立と認められた事例
二、いわゆる立件の意義およびその効力
裁判要旨一、(省略)
二、裁判所が特定の申立についてするいわゆる立件は、裁判所の内部における事務処理上の手続にすぎないものであつて、それがその申立を審理した口頭弁論の終結後になされたときでも、その申立の訴訟法上の効力に影響を及ぼすものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年7月1日 昭和45(オ)1222
- 登載
- 集民 第103号375頁
- 参照法条
- 民訴法372条,民訴法374条,民訴法367条,民訴法150条,民訴法186条,裁判所法60条
論点12第372条民事訴訟法
一、仮執行宣言の申立が却下された場合と不服申立の方法
二、右不服申立に対する裁判
裁判要旨一、第一審において仮執行宣言の申立が却下された場合には、附帯控訴により不服の申立をなすことを妨げない。
二、右附帯控訴にもかかわらず、控訴裁判所において仮執行の宣言が相当でないと判断するときは、その旨を判決の理由中において説示すれば足り、判決の主文において附帯控訴を棄却する旨を宣言する要はない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年3月11日 昭和44(オ)540
- 登載
- 集民 第102号245頁
- 参照法条
- 民訴法196条,民訴法372条
論点13第372条民事訴訟法
上告審に移審していない部分を目的とする不適法な附帯上告とされた事例
裁判要旨甲から乙に対する第一請求と乙・丙に対する固有必要的共同訴訟たる第二請求とにつき原審で一個の判決があり、乙から第一請求に関する敗訴部分を目的として上告の申立があつた場合に、甲が第二請求の敗訴部分を目的として附帯上告を申し立てることは、許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年11月26日 昭和42(オ)591
- 登載
- 集民 第93号491頁
- 参照法条
- 民訴法396条,民訴法372条
論点14第372条民事訴訟法
二審における請求の趣旨の拡張の申立が附帯控訴の申立と認められた事例
裁判要旨二審において、全部勝訴した当事者が、判示の記載のような請求の趣旨の拡張の申立をしたときには、実質的に附帯控訴の申立をしたものと解することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和42年6月1日 昭和40(オ)1334
- 登載
- 集民 第87号926頁
- 参照法条
- 民訴法232条,民訴法372条,民訴法374条,民訴法378条
論点15第372条民事訴訟法
一 全部勝訴の原告は控訴審で請求の拡張をなしうるか
二 控訴審において訴が変更された場合と新訴に対する主文の判示方法
裁判要旨一 第一審において全部勝訴の原告は、控訴審において、付帯控訴の方式により請求の拡張をすることができる。
二 控訴審において訴の変更による新訴が係属した場合、新訴については、控訴裁判所は、事実上第一審としての裁判をすべきであり、新訴に対する結論が旧訴に対する第一審判決の主文の文言と合致する場合であつても、控訴棄却の裁判をすべきではない(昭和三二年二月二八日第一小法廷判決、民集一一巻二号三七四頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年3月6日 昭和36(オ)1262
- 登載
- 集民 第72号385頁
- 参照法条
- 民訴法232条,民訴法378条,民訴法372条,民訴法384条
論点16第372条民事訴訟法
控訴審においてした請求の拡張を実質的には附帯控訴であるとして右拡張部分を認容しても不利益変更にならないとされた事例。
裁判要旨控訴審においてした請求の拡張が、その実質において附帯控訴と認めうるものであり、それに対して相手方が異議を述べず、その方式も民訴法第三七四条、第三六七条に反する点が認められない場合には、右拡張部分を認容しても、不利益変更の原則に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月28日 昭和36(オ)436
- 登載
- 集民 第71号401頁
- 参照法条
- 民訴法372条,民訴法374条,民訴法367条,民訴法385条
論点17第372条民事訴訟法
附帯上告提起の期間。
裁判要旨附帯上告は、上告理由と別個の理由に基づくものであるときは、当該上告についての上告理由書の提出期限内に原裁判所に附帯上告状を提出してすることを要するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年7月30日 昭和37(オ)963
- 登載
- 民集 第17巻6号819頁
- 参照法条
- 民訴法396条,民訴法372条,民訴規則50条,民訴規則57条
論点18第372条民事訴訟法
附帯控訴は取下後ふたたび申し立てることができるか。
裁判要旨附帯控訴は、いつたんこれを取り下げても、口頭弁論終結にいたるまでは、ふたたび申し立てることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年12月27日 昭和36(オ)1063
- 登載
- 民集 第17巻12号1838頁
- 参照法条
- 民訴法372条,民訴法237条2項
論点19第372条民事訴訟法
一 戦時補償特別措置法第二条〈裁判所及び当事者の責務〉による決済があつたと認められた事例
二 附帯上告申立期間
裁判要旨一、(省略)
二、附帯上告が上告理由と独立した別個の理由に基づくものである場合には、上告理由書提出期限内に原裁判所に附帯上告状を提出しなければならない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月29日 昭和33(オ)311
- 登載
- 集民 第68号529頁
- 参照法条
- 戦時補償特別措置法2条,民訴法372条,民訴規則50条
論点20第372条民事訴訟法
一 附帯控訴取下の方式
二 附帯控訴取下の効力の発生時期
裁判要旨一 附帯控訴の取下をなすについては、相手方の同意を要しない。
二 附帯控訴の取下を書面でする場合は、その書面を裁判所に提出することによりその効力を生ずる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年9月17日 昭和30(オ)619
- 登載
- 民集 第13巻11号1372頁
- 参照法条
- 民訴法363条,民訴法372条
論点21第372条民事訴訟法
全部勝訴の原告は控訴審において附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るか
裁判要旨第一審において全部勝訴の判決を得た原告も、控訴審において、附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年12月13日 昭和31(オ)910
- 登載
- 民集 第11巻13号2143頁
- 参照法条
- 民訴法232条,民訴法378条,民訴法372条
論点22第372条民事訴訟法
一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益の算定方法
二 不法残留外国人の労災事故による逸失利益の算定に当たり我が国における就労可能期間を事故の約五箇月後まで勤めた会社を退社した日の翌日から三年間を超えて認めなかった原審の認定判断が不合理ではないとされた事例
三 損害賠償額を過少に算定した違法があるとしてされた上告の上告理由書提出期間経過後にこれを過大に算定した違法があるとしてされた附帯上告の適否
裁判要旨一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の事故による逸失利益を算定するに当たっては、予測される我が国での就労可能期間内は我が国での収入等を基礎とし、その後は想定される出国先での収入等を基礎とするのが合理的であり、我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の内容、在留期間、在留期間更新の実績及び蓋然性、就労資格の有無、就労の態様等の事実的に及び規範的な諸要素を考慮して、これを認定するのが相当である。
二 短期滞在の在留資格で我が国に入国し、在留期間経過後も不法に残留して就労していた外国人が、労災事故により後遺障害を残す負傷をし、事故後も国内に残留し事故の二〇日後から約五箇月後までの間は製本会社で就労するなどして収入を得ているが、最終的には退去強制の対象とならざるを得ず、特別に在留が合法化され退去強制を免れ得るなどの事情は認められないという判示の事実関係の下においては、右外国人の逸失利益の算定に当たり、我が国における就労可能期間を同人が事故後に勤めた右製本会社を退社した日の翌日から三年間を超えるものとは認められないとした原審の認定判断は、不合理とはいえない。
三 損害賠償額を過少に算定した違法があるとしてされた上告の上告理由書提出期間経過後に、これを過大に算定した違法があるとしてされた附帯上告は、不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日 平成5(オ)2132
- 登載
- 民集 第51巻1号78頁
- 参照法条
- 民法416条,民法709条,民訴法372条,民訴法396条,民訴規則58条,民訴規則57条
論点23第372条民事訴訟法
上告理由の一部の撤回と附帯上告の適否
裁判要旨上告理由書記載の上告理由の一部を撤回する旨の書面が裁判所に到達した後に、これと同旨の理由に基づいて提起された附帯上告は、その提起が上告理由書提出期限後であるときは、不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成3年6月18日 昭和61(オ)1304
- 登載
- 集民 第163号107頁
- 参照法条
- 民訴法372条,民訴法396条,民訴規則50条,民訴規則57条
論点24第374条民事訴訟法
一、企業主が生命または身体を侵害されたことにより生ずる財産上の損害額の算定基準
二、附帯上告が上告理由と同一の理由に基づく場合とその提起期間
裁判要旨一、企業主が生命または身体を侵害されたため企業に従事することができなくなつたことによつて生ずる財産上の損害額は、特段の事情のないかぎり、企業収益中に占める企業主の労務その他企業に対する個人的寄与に基づく収益部分の割合によつて算定すべきである。
二、附帯上告が上告理由と同一の理由に基づく場合において上告審で口頭弁論が開かれたときは、該附帯上告は右口頭弁論の終結時までに提起されなければならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年8月2日 昭和37(オ)611
- 登載
- 民集 第22巻8号1525頁
- 参照法条
- 民法709条,民法416条1項,民訴法396条,民訴法374条
論点25第374条民事訴訟法
第一審判決の表示を欠く附帯控訴状を適法とした事例。
裁判要旨附帯控訴状において控訴事件の表示があるときは、第一審判決の表示がなくても、右附帯控訴状は適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和40年6月8日 昭和39(オ)1245
- 登載
- 民集 第19巻4号956頁
- 参照法条
- 民訴法374条,民訴法367条2項
論点26第374条民事訴訟法
事実認定に経験則違反があるとされた事例。
裁判要旨判示の事情のもとで無権代理につき相手方が悪意であつたとの事実を認定するのは経験則に違反する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年2月8日 昭和35(オ)1479
- 登載
- 集民 第64号393頁
- 参照法条
- 民訴法185条,民訴法374条
論点27第374条民事訴訟法
一 附帯控訴状と第一審判決の表示
二 過大催告が有効と認められた事例
裁判要旨一 附帯控訴状の記載全体から第一審判決を窺知することができるときは、第一審判決の表示を欠く違法があるとはいえない。
二 賃料延滞額を二三二、〇〇〇円としてなされた催告は、延滞額が一〇〇、二三〇円にすぎない場合であつても、催告金額全部の提供がなければ受領を拒絶すべき意思が明確でないときは、右延滞額の限度において有効と認めるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年3月28日 昭和31(オ)596
- 登載
- 民集 第11巻3号610頁
- 参照法条
- 民訴法374条,民法541条
論点28第376条民事訴訟法
控訴審の終局判決においてなされた仮執行に関する裁判の違法と上告理由
裁判要旨控訴審の終局判決においてなされた仮執行に関する裁判の違法を主張することは、適法な上告理由に当らない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和41年6月23日 昭和39(オ)1301
- 登載
- 集民 第83号899頁
- 参照法条
- 民訴法376条1項,民訴法196条
論点29第377条民事訴訟法
第一審で主張されなかつた事実が第一審判決事実摘示に記載され控訴審において「第一審判決事実摘示のとおり陳述する」旨弁論した場合と右弁論の意味
裁判要旨第一審で主張されなかつた事実であつても、第一審判決事実摘示に右の事実が主張された旨記載され、控訴審の口頭弁論期日において第一審の口頭弁論の結果を陳述するに際し「第一審判決事実摘示のとおり陳述する」旨弁論した場合は、右の事実は控訴審の口頭弁論で陳述されたことになる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和61年12月11日 昭和60(オ)1454
- 登載
- 集民 第149号275頁
- 参照法条
- 民訴法186条,民訴法377条
論点30第377条民事訴訟法
当事者参加訴訟の一審判決に対し一入が控訴した場合における他の二者間の請求と控訴審の審判
裁判要旨原告甲の被告乙に対する請求ならびに参加入丙の甲および乙に対する各請求が合一にのみ確定すべき当事者参加訴訟において、甲の乙に対する請求を棄却し、丙の甲および乙に対する請求をそれぞれ一部認容する旨の一審判決に対し、甲が、その敗訴部分の取消、甲の乙に対する請求認容および丙の甲に対する請求中一審認容部分の棄却を求めて控訴したにとどまり、乙が控訴または附帯控訴をしない場合であつても、控訴審は合一確定に必要な限度で、一審判決中丙の乙に対する請求を認容した部分を丙に不利に変更することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和48年7月20日 昭和44(オ)316
- 登載
- 民集 第27巻7号863頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法71条,民訴法186条,民訴法377条1項,民訴法385条
論点31第377条民事訴訟法
控訴審の口頭弁論調書に当事者一方の訴訟代理人の陳述として「原判決事実摘示のとおり原審口頭弁論の結果陳述」と記載されている場合の解釈
裁判要旨被控訴代理人のみが出頭した控訴審の口頭弁論期日の調書に、被控訴代理人の陳述として「原判決事実摘示のとおり原審口頭弁論の結果陳述」と記載されているときは、被控訴代理人において当事者双方にかかり、かつ証拠調の結果をも含む第一審口頭弁論の結果を陳述した趣旨を記載したものであつて、被控訴代理人は、その記載にそう陳述をしたものと認めるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年5月28日 昭和42(オ)1370
- 登載
- 集民 第91号165頁
- 参照法条
- 民訴法377条2項
論点32第377条民事訴訟法
第一審における口頭弁論の結果の陳述がないままされた判決の違法
裁判要旨第一審における口頭弁論の結果の陳述がないままされた第二審判決には、民訴法
第三九五条第一項第一号〈督促異議の申立てによる訴訟への移行〉所定の違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年3月3日 昭和41(オ)1032
- 登載
- 集民 第86号439頁
- 参照法条
- 民訴法377条,民訴法395条
論点33第377条民事訴訟法
控訴審口頭弁論における「第一審判決事実摘示のとおり陳述」の意味
裁判要旨控訴審口頭弁論において、原審口頭弁論の結果を陳述するに際し、「第一審判決事実摘示のとおり陳述する」旨弁論したときは、第一審の口頭弁論で主張した事項であつて、第一審判決の事実摘示に記載されていない事実は、控訴審口頭弁論では陳述されなかつたことになる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和41年11月10日 昭和39(オ)651
- 登載
- 集民 第85号43頁
- 参照法条
- 民訴法377条,民訴法186条
論点34第377条民事訴訟法
控訴棄却の申立なしにその判決をすることと民訴法第一八六条
裁判要旨控訴裁判所は、審理の結果、控訴申立の理由がないと認めるときは、当然これを棄却しなければならないのであつて、このことは被控訴人による控訴棄却の申立を欠いた場合においても同じである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年7月29日 昭和40(オ)304
- 登載
- 集民 第79号973頁
- 参照法条
- 民訴法186条,民訴法377条,民訴法384条
論点35第377条民事訴訟法
控訴審における不服申立の範囲。
裁判要旨控訴人が「原判決中控訴人敗訴の部分を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。被控訴人の附帯控訴を棄却する。」旨の裁判を求め、第一審で棄却された反訴請求には何ら言及していない場合には、右反訴請求については、不服申立の範囲外であるとして控訴審の判断が示されなくても違法でない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年6月25日 昭和36(オ)360
- 登載
- 集民 第66号711頁
- 参照法条
- 民訴法377条1項
論点36第377条民事訴訟法
第一審判決事実摘示に基づく口頭弁論結果陳述と第二審の審理の対象。
裁判要旨第二審で第一審判決事実摘示のとおり第一審口頭弁論の結果を陳述した場合、たとい第一審において主張された事実でも、第一審判決事実摘示に記載せられていないかぎり、第二審の審理の対象とならない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年6月20日 昭和36(ヤ)28
- 登載
- 集民 第66号591頁
- 参照法条
- 民訴法377条2項
論点37第377条民事訴訟法
控訴審における判決理由の変更と民訴法第三八五条
裁判要旨売買代金の支払を求める訴において、被告がまず売買契約を否認し、予備的に代金支払ずみの主張をした場合において、第一審が被告の右第一次の主張を排斥し、予備的主張を採用して被告勝訴の判決をした場合、これに対する原告の控訴の申立に基づき、第二審が第一審で排斥された第一次の主張を採用して控訴棄却の判決をしても、原審が原告主張の債権の有無について審判したことには変りはないから、原審が原告の控訴しない事項について、第一審判決を変更したものということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年3月13日 昭和34(オ)23
- 登載
- 集民 第59号129頁
- 参照法条
- 民訴法377条,民訴法385条
論点38第377条民事訴訟法
控訴棄却の申立なしにその判決をすることと民訴法第一八六条。
裁判要旨控訴の申立がある以上控訴裁判所はその当否について判断し応答すべきものであつて、控訴棄却の申立はなくても、控訴の理由がないと認められるときは、その旨の裁判をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和36年2月24日 昭和32(オ)961
- 登載
- 民集 第15巻2号301頁
- 参照法条
- 民訴法186条,民訴法377条,民訴法384条
論点39第377条民事訴訟法
一 一審において取り寄せ法廷に顕出された証拠書類であつてすでに還付ずみのものを控訴審において改めて取り寄せ法廷に顕出することなく証拠として採用することの適否。
二 行政事件訴訟特例法第九条〈併合請求の場合の価額の算定〉但書に反する違法と責問権の放棄による治癒。
裁判要旨一 一審において取り寄せ法廷に顕出された証拠書類は、すでに還付ずみのものであつても、控訴審において当事者が一審の口頭弁論の結果を陳述することにより控訴審に顕出されたこととなるから、控訴審において改めて取り寄せ法廷に顕出することなくこれを証拠として採用することができる。
二 行政事件訴訟特例法
第九条〈併合請求の場合の価額の算定〉による職権証拠調の結果につき当事者の意見を聴かなかつたという違法は、責問権の放棄により治癒される。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年4月9日 昭和33(オ)653
- 登載
- 民集 第13巻4号504頁
- 参照法条
- 民訴法377条,民訴法141条,行政事件訴訟特例法9条
論点40第377条民事訴訟法
当事者の一方だけが出頭した場合における民訴第三七七条第二項〈控訴の禁止〉の手続。
裁判要旨控訴審において当事者が第一審における口頭弁論の結果を陳述すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、出頭した当事者に、双方に係る第一審口頭弁論の結果を陳述させることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和33年7月22日 昭和32(オ)122
- 登載
- 民集 第12巻12号1817頁
- 参照法条
- 民訴法377条2項
論点41第378条民事訴訟法
必要的共同訴訟と二重上告
裁判要旨必要的共同訴訟の共同訴訟人の一人が上告を提起したのちに他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和60年4月12日 昭和59(オ)1476
- 登載
- 集民 第144号461頁
- 参照法条
- 民訴法62条1項,民訴法231条,民訴法378条,民訴法396条
論点42第378条民事訴訟法
控訴審における証人の再尋問の申出と民訴法第一八七条第三項後段の適用の有無。
裁判要旨民訴法
第一八七条第三項〈参考人等の審尋〉後段の規定は、同一審級において裁判官の過半数が変更するに至った場合に証人の再尋問の申立があったときの手続を定めたものであって、第一審裁判所が尋問した証人につき、控訴審において再尋問の申出があった場合に適用すべきものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年7月3日 昭和38(オ)1397
- 登載
- 集民 第74号417頁
- 参照法条
- 民訴法187条3項,民訴法378条
論点43第378条民事訴訟法
控訴審における訴の変更は審級制度に反しないか
裁判要旨控訴審において交替的訴の変更がなされても、請求の基礎に変更がない場合には、その部分につき第一審の審理がなされているから、相手方の審級の利益を失わしめるものとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和29年2月26日 昭和28(オ)1061
- 登載
- 民集 第8巻2号630頁
- 参照法条
- 民訴法232条,民訴法378条,民訴法360条1項
論点44第378条民事訴訟法
補助参加人の上告提起後にされた被参加人の上告の適否
裁判要旨補助参加人が上告を提起した後に被参加人のした上告は、二重上告として不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成元年3月7日 昭和63(オ)1695
- 登載
- 集民 第156号295頁
- 参照法条
- 民訴法69条,民訴法231条,民訴法378条,民訴法396条
論点45第378条民事訴訟法
訴え却下の判決に対する控訴審において訴えの変更が許されるとされた事例
裁判要旨養子に協議離縁の意思及び届出の意思がなかったことを理由とする養親子関係存在確認の訴えを不適法として却下した判決に対する控訴審の第一回口頭弁論期日において、第一審口頭弁論期日に訴えの変更をしない旨の陳述をしていた控訴人(原告)から予備的に離縁無効確認の訴えを追加する旨の訴え変更の申立てがされた場合に、第一審裁判所が協議離縁の意思及び届出の意思についての当事者双方の申請に係る証拠のすべてを取り調べて本件の事実関係についての審理を遂げており、相手方が右訴え変更の申立てについて異議を述べることをしなかったなどの事情が認められ、相手方の有する審級の利益を害することがなく、訴訟手続を遅滞させるおそれもないときには、右訴え変更の申立ては許される。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成5年12月2日 平成3(オ)1249
- 登載
- 集民 第170号693頁
- 参照法条
- 民訴法232条,民訴法378条,民訴法388条
論点46第379条民事訴訟法
一 控訴審で新たに証人等の尋問申請があつた場合と当該証人等取調の要否
二 調停の申立と訴訟手続中止の要否
裁判要旨一 控訴審で新らたに証人等の尋問申請があつた場合でも、その控訴審は、必ずしも、当該証人等を取り調べることを要しない。
二 訴訟係属中の事件について調停の申立があつたときでも、受訴裁判所は、必ずしも、調停の終了するまで訴訟手続を中止することを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年7月27日 昭和36(オ)716
- 登載
- 集民 第61号813頁
- 参照法条
- 民訴法379条,民事調停規則5条
論点47第380条民事訴訟法
第二審の口頭弁論終結後判決言渡前になされた当事者参加の申出の効力。
裁判要旨第二審口頭弁論終結後に弁論再開の申請とともに当事者参加の申出があつた場合、本来の訴訟について弁論を再開することなく、そのまま判決し、参加申出については、これを分離して却下の判決しても違法でない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月1日 昭和35(オ)774
- 登載
- 集民 第68号5頁
- 参照法条
- 民訴法73条,民訴法133条,民訴法380条
論点48第380条民事訴訟法
民訴法三八〇条一項〈異議後の判決に対する不服申立て〉と憲法三二条
裁判要旨民訴法
三八〇条一項〈異議後の判決に対する不服申立て〉は、憲法三二条に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成12年3月17日 平成11(テ)25
- 登載
- 集民 第197号697頁
- 参照法条
- 民訴法380条1項,憲法32条
論点49第381条民事訴訟法
控訴審における管轄違の主張の許否
裁判要旨控訴審においては、専属管轄に属する場合を除くほか、第一審裁判所が管轄権を有しないことを主張することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和40年9月14日 昭和39(オ)281
- 登載
- 集民 第80号325頁
- 参照法条
- 民訴法381条
論点50第381条民事訴訟法
民訴法第三八一条〈過料〉の法意。
裁判要旨民訴法
第三八一条〈過料〉は、すでに第一審裁判所の終局判決がなされた以上、かりにその管轄が不当に認められたものとしても、控訴審においては、専属管轄に関しないかぎり、訴訟経済の見地から、もはや第一審裁判所の管轄については争うことができない趣旨の規定であり、その不当に管轄を認められた経過が、当事者において第一審で管轄違の抗弁を提出したのに対して、第一審裁判所が判断を誤つた場合たると、判断を遺脱した場合たると、さらにまた、当事者が控訴審になつて初めて管轄違の抗弁を提出した場合たるとを問わない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年10月23日 昭和39(オ)93
- 登載
- 集民 第75号1013頁
- 参照法条
- 民訴法381条
論点51第381条民事訴訟法
支払命令に対する異議申立後における専属管轄違背の主張の許否
裁判要旨支払命令を発した簡易裁判所に土地の管轄違があつた場合でも、異議の申立により通常訴訟となつた後には、民訴第四三一条によつて専属管轄違背を主張することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年1月24日 昭和29(オ)252
- 登載
- 民集 第11巻1号81頁
- 参照法条
- 民訴法431条,民訴法442条,民訴法381条,民訴法395条1項3号
論点52第381条民事訴訟法
一 民訴第三八一条〈過料〉の意義。
二 判決言渡期日の告知。
裁判要旨一 民訴
第三八一条〈過料〉は、すでに第一審裁判所の終局判決がなされた以上、仮に不当に管轄を認めたとしても、専属管轄に関しない限りは、訴訟経済の見地から、控訴審においては、もはや第一審の裁判所の管轄については争うことを許さない趣旨を定めた規定である。
二 当事者雙方に対し適法な期日の呼出又は告知がなされて開かれた口頭弁論期日において、当事者の一方の不出頭のまゝ弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知がなされたときは、その告知は、右の期日に出延していなかつた当事者に対しても、その効力を生ずる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和23年9月30日 昭和22(オ)4
- 登載
- 民集 第2巻10号360頁
- 参照法条
- 民訴法381条,民訴法207条,民訴法190条2項