会社法 / テーマ別まとめ

商号と使用人・支配人

社名を他人に使わせたときの責任、支配人の代理権、肩書だけの使用人に会社が責任を負う場合。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社は自己の商号を他人に使わせることができるが、誤認して取引した相手方に対しては、その他人と連帯して債務を弁済する責任を負う。また会社は支配人を選任して本店・支店の事業を任せることができ、支配人には事業全般について包括的な代理権が与えられる。支店長などの肩書を持つ使用人や、特定の業務を任された使用人についても、取引の安全を守るため一定の範囲で代理権があるものとみなされる。

支配人・表見支配人・特定事項受任使用人の対比
区分代理権の範囲登記の要否第三者保護の要件
支配人事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為条文に規定なし代理権の制限は善意の第三者に対抗不可
表見支配人本支店の事業に関する一切の裁判外の行為条文に規定なし相手方が悪意なら適用外
ある種類・特定事項受任の使用人委任された当該事項の裁判外の行為条文に規定なし代理権の制限は善意の第三者に対抗不可
  • 登記の要否は今回対象の条文には規定がない
  • 物品販売等を目的とする店舗の使用人にも、店舗にある物品の販売等の権限があるとみなす規定がある(15条)が本表の対象外
  • 支配人は他の使用人の選任・解任もできる(11条2項)
  • 支配人は会社の許可を受けなければ競業にあたる行為ができない(12条)
  • 表見支配人・ある種類等受任の使用人ともに、相手方が悪意の場合は保護されない
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社名をめぐるルール

似た商号を使われたら、名前を貸したら

第6条商号商号には会社の種類を明示する3項判例なし
  • 株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の文字を商号中に使う
  • 他の種類の会社と誤認されるおそれのある文字は使えない
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第7条会社と誤認させる名称等の使用の禁止会社でない者は紛らわしい名称を使えない1項判例なし
  • 会社でない者は、会社と誤認されるおそれのある文字を名称・商号に使ってはいけない
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第8条不正目的の紛らわしい商号は差止対象2項判例なし
  • 不正の目的で他社と誤認されるおそれのある名称・商号を使ってはいけない
  • 営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は使用の停止・予防を請求できる
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第9条自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任商号を貸した会社は連帯責任を負う1項判例なし
  • 自社の商号使用を他人に許諾すると、誤認して取引した相手に対し連帯して債務を弁済する責任を負う
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支配人に何ができるか

代理権の範囲と競業避止義務

第10条支配人会社は支配人を選任できる1項判例なし
  • 本店・支店で事業を行わせるため支配人を選任できる
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第11条支配人の代理権支配人は事業全般の代理権を持つ3項判例なし
  • 事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限がある
  • 他の使用人の選任・解任もできる
  • 代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
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第12条支配人の競業の禁止支配人には競業避止義務がある2項・4号判例なし
  • 会社の許可なく自ら営業したり、同種取引をしてはいけない
  • 許可なく他社の使用人や取締役等にもなれない
  • 無許可で同種取引をした場合、得た利益額が会社の損害額と推定される
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肩書だけの使用人

営業所長を名乗らせた場合の責任

第13条表見支配人支店長等の肩書があれば代理権ありとみなす1項判例なし
  • 本店・支店の事業の主任者を示す肩書の使用人は、裁判外の行為の権限があるとみなされる
  • 相手方が悪意なら適用外
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第14条ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人特定業務を任された使用人にも代理権2項判例なし
  • ある種類・特定の事項を任された使用人は、その事項について裁判外の行為の権限を持つ
  • 代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
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第15条物品の販売等を目的とする店舗の使用人販売店舗の使用人は販売権限ありとみなす1項判例なし
  • 物品の販売等を目的とする店舗の使用人は、店舗にある物品の販売等の権限があるとみなされる
  • 相手方が悪意なら適用外
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関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

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会社法 第6条(商号) 詳細ページ
(商号)
第六条会社は、その名称を商号とする。
2会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
3会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
会社法 第7条(会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 詳細ページ
(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)
第七条会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
会社法 第8条 詳細ページ
第八条何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
2前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
会社法 第9条(自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 詳細ページ
(自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任)
第九条自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
会社法 第10条(支配人) 詳細ページ
(支配人)
第十条会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。
会社法 第11条(支配人の代理権) 詳細ページ
(支配人の代理権)
第十一条支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
2支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。
3支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
会社法 第12条(支配人の競業の禁止) 詳細ページ
(支配人の競業の禁止)
第十二条支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一自ら営業を行うこと。
二自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
三他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。
四他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
2支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
会社法 第13条(表見支配人) 詳細ページ
(表見支配人)
第十三条会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
会社法 第14条(ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 詳細ページ
(ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人)
第十四条事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。
2前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
会社法 第15条(物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 詳細ページ
(物品の販売等を目的とする店舗の使用人)
第十五条物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

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