民事訴訟法 / テーマ別まとめ

口頭弁論及びその準備/口頭弁論

口頭弁論の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

口頭弁論の指揮権や釈明権など裁判所・裁判長の訴訟指揮に関するルールと、攻撃防御方法をいつまでに出すべきか、出頭しなかった場合や事実を争わなかった場合の扱い、口頭弁論の併合・再開や電子調書の作成までを定めた条文群です。実務担当者は、期日への対応や書面提出のタイミングを誤ると却下や不利な擬制を受けうる点を押さえておく必要があります。

口頭弁論
場面誰ができること結果
弁論の指揮裁判長発言の許可・禁止指揮に従う義務
釈明裁判長・陪席裁判官質問・立証を促す訴訟関係を明確化
指揮・処置への異議当事者異議申立て裁判所が決定で裁判
釈明処分裁判所出頭命令・文書提出等証拠調べ規定を準用
併合・分離・制限裁判所命令と取消し証人の尋問機会は確保
弁論の再開裁判所終結後に再開命令審理を続行
通訳人の立会い裁判所通訳人を立ち会わせる意思疎通を確保
弁論能力を欠く者裁判所陳述禁止・新期日指定弁護士付添い命令可
攻撃防御方法の提出時期当事者適切な時期に提出適時提出の原則
審理計画時の提出期間裁判長提出期間を指定期間経過後は却下対象
時機に後れた提出の却下裁判所却下決定(申立て・職権)訴訟完結の遅延防止
不出頭・本案弁論なし裁判所陳述みなし可相手方のみ弁論可
事実を争わない場合当事者争う旨明らかにせず自白したものとみなす
電子調書の作成裁判所書記官期日ごとに作成・記録方式順守の証明資料
  • 釈明は期日外でも可能で、当事者も裁判長に発問を求められる。期日外の重要な処置は相手方に通知が必要(149条3項・4項)
  • 口頭弁論の併合前に尋問した証人について、尋問機会がなかった当事者が申出たときは尋問が必要(152条2項)
  • 耳が聞こえない者・口がきけない者には、通訳人でなく文字による問答も可(154条1項ただし書)
  • 自白の擬制は弁論の全趣旨から争ったと認められるときは適用されない。知らない旨の陳述は争ったものと推定され、公示送達による呼出しの場合は不出頭でも自白とみなされない(159条1〜3項)
  • 審理計画に基づく提出期間の徒過後でも、期間内に提出できなかった相当の理由を疎明すれば却下されない(157条の2ただし書)
  • 電子調書によってのみ方式順守を証明できるが、電子調書が滅失したときは除く。記録内容への異議は異議があった旨を明らかにする措置がとられ、誤りは書記官がいつでも更正できる(160条3項・4項、160条の2)
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口頭弁論

口頭弁論について、条文は何を定めているか。

第148条裁判長の訴訟指揮権裁判長が弁論の進行を指揮する2項判例 1件
  • 口頭弁論は裁判長が指揮する
  • 発言の許可、命令に従わない者の発言禁止ができる
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第149条釈明権等裁判長が質問し、当事者も発問を求められる4項判例 4件
  • 裁判長は期日内外で事実・法律上の問いや立証を促せる
  • 当事者も裁判長に必要な発問を求められる
  • 期日外の重要な処置は相手方に通知が必要
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第150条訴訟指揮等に対する異議指揮への異議は裁判所が決定で判断1項判例 1件
  • 裁判長の命令や処置に当事者が異議を述べられる
  • 異議は裁判所が決定の形で裁判する
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第151条釈明処分訴訟関係を明らかにする6つの処分ができる4項・6号判例 4件
  • 本人や法定代理人に出頭を命じられる
  • 補助者に陳述させたり文書・電磁的記録を提出させられる
  • 検証・鑑定の命令や調査の嘱託もできる
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第152条口頭弁論の併合等裁判所が弁論の制限・分離・併合を決める2項判例 22件
  • 弁論の制限・分離・併合の命令や取消しができる
  • 併合前に尋問機会がなかった当事者は尋問を求められる
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第153条口頭弁論の再開終結した弁論を裁判所が再開できる1項判例 1件
  • 裁判所は終結した口頭弁論の再開を命じられる
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第154条通訳人の立会い等言語や聴覚に配慮し通訳人を立ち会わせる3項判例 10件
  • 日本語が通じない人や耳・口が不自由な人に通訳人をつける
  • 耳・口が不自由な人には文字での質問・陳述も可
  • 当事者の意見を聴き、映像・音声通話での通訳も可能
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第155条弁論能力を欠く者に対する措置必要な陳述ができない当事者への対応2項判例なし
  • 必要な陳述ができない当事者・代理人・補佐人の陳述を禁じられる
  • 陳述禁止時は続行のため新たな期日を定める
  • 必要なら弁護士の付添いを命じられる
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第156条攻撃防御方法の提出時期主張・証拠は適切な時期に出す1項判例 4件
  • 攻撃・防御の方法は訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出する
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第156_2条審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間審理計画がある場合は提出期間を指定できる1項判例なし
  • 審理計画に必要なら裁判長が当事者の意見を聴いて提出期間を定める
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第157条時機に後れた攻撃防御方法の却下等遅れた主張・証拠は却下されることがある2項判例なし
  • 故意・重過失で時機に後れ訴訟完結を遅延させるものは却下できる
  • 趣旨不明瞭で釈明せず、または釈明期日に不出頭でも同様
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第157_2条審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下指定期間後の提出は却下されることがある1項判例なし
  • 指定期間経過後の提出で審理計画の進行に著しい支障があれば却下できる
  • 期間内に提出できなかった相当の理由を疎明すれば却下されない
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第158条訴状等の陳述の擬制最初の期日に不出頭でも書面の内容を陳述扱い1項判例 1件
  • 最初の期日に不出頭、または出頭しても本案弁論しない場合の規定
  • 訴状・答弁書等に記載した事項を陳述したものとみなす
  • 出頭した相手方には弁論をさせられる
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第159条自白の擬制争わない事実は認めたものとみなされる3項判例 20件
  • 相手方の主張事実を争うと明らかにしないと自白とみなす
  • 弁論の全趣旨から争ったと認められるときは除く
  • 知らない旨の陳述は争ったものと推定される
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第160条口頭弁論に係る電子調書の作成等書記官が期日ごとに電子調書を作成する4項判例 1件
  • 裁判所書記官が期日ごとに電子調書を作成しファイルに記録する
  • 記録内容に異議があれば異議があった旨を明らかにする措置をとる
  • 弁論の方式順守は電子調書によってのみ証明できる
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第160_2条口頭弁論に係る電子調書の更正電子調書の明白な誤りはいつでも更正できる3項判例なし
  • 計算違いや誤記等の明白な誤りは申立てまたは職権で更正できる
  • 更正の処分はその旨をファイルに記録して行う
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第148条民事訴訟法

一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」の意義
二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号と憲法二一条一項
三 裁判官が積極的に政治運動をしたとされた事例
四 裁判官が積極的に政治運動をしたことがその職務上の義務に違反するとして当該裁判官に対し戒告がされた事例
五 裁判官分限事件への憲法八二条一項の適用の有無
六 民事訴訟又は非訟の手続において期日に立ち会う代理人の数を制限することの可否

裁判要旨一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」とは、組織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものをいい、具体的行為の該当性を判断するに当たっては、行為の内容、行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、行為をした裁判官の意図等の主観的な事情をも総合的に考慮して決するのが相当である。
二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号の規定は、憲法二一条一項に違反しない。
三 裁判官が、その取扱いが政治的問題となっていた法案を廃案に追い込もうとする党派的な運動の一環として開かれた集会において、会場の一般参加者席から、裁判官であることを明らかにした上で、「当初、この集会において、盗聴法と令状主義というテーマのシンポジウムにパネリストとして参加する予定であったが、事前に所長から集会に参加すれば懲戒処分もあり得るとの警告を受けたことから、パネリストとしての参加は取りやめた。自分としては、仮に法案に反対の立場で発言しても、裁判所法に定める積極的な政治運動に当たるとは考えないが、パネリストとしての発言は辞退する。」との趣旨の発言をした行為は、判示の事実関係の下においては、右集会の参加者に対し、右法案が裁判官の立場からみて令状主義に照らして問題のあるものであり、その廃案を求めることは正当であるという同人の意見を伝えるものというべきであり、右集会の開催を決定し右法案を廃案に追い込むことを目的として共同して行動している諸団体の組織的、計画的、継続的な反対運動を拡大、発展させ、右目的を達成させることを積極的に支援しこれを推進するものであって、裁判所法五二条一号が禁止している「積極的に政治運動をすること」に該当する。
四 裁判官が積極的に政治運動をしたことは、裁判所法四九条所定の懲戒事由である職務上の義務違反に該当し、当該行為の内容、その後の態度等判示の事情にかんがみれば、当該裁判官を戒告することが相当である。
五 裁判官分限事件には、憲法八二条一項は適用されない。
六 民事訴訟又は非訟の手続を主宰する裁判所は、その手続を円滑に進行させるために与えられた指揮権に基づいて、期日を開く場所の収容能力、当該期日に予定されている手続の内容、裁判所の法廷警察権ないし指揮権行使の難易等を考慮して、必要かつ相当な場合には、期日に立ち会う代理人の数を合理的と認められる限度にまで制限することができる。
裁判
最高裁判所大法廷 平成10年12月1日 平成10(分ク)1
登載
民集 第52巻9号1761頁
参照法条
裁判所法49条,裁判所法52条1項,憲法21条1項,憲法82条1項,裁判官分限法2条,裁判官の分限事件手続規則7条,非訟事件手続法6条,非訟事件手続法13条,民訴法55条,民訴法148条,刑訴法35条,刑訴規則26条,刑訴規則27条
論点2第149条民事訴訟法

1 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法89条,20条1項後段に違反するとされた事例
2 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法の定める政教分離原則に違反し,市長において同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,市の住民が怠る事実の違法確認を求めている住民訴訟において,上記行為が違憲と判断される場合に,その違憲性を解消するための他の合理的で現実的な手段が存在するか否かについて審理判断せず,当事者に対し釈明権を行使しないまま,上記怠る事実を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨1 市が連合町内会に対し市有地を無償で建物(地域の集会場等であるが,その内部に祠が設置され,外壁に神社の表示が設けられている。),鳥居及び地神宮の敷地としての利用に供している行為は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,上記行為がもともとは小学校敷地の拡張に協力した地元住民に報いるという世俗的,公共的な目的から始まったものであるとしても,一般人の目から見て,市が特定の宗教に対して特別の便益を提供し,これを援助していると評価されてもやむを得ないものであって,憲法89条,20条1項後段に違反する。
(1) 鳥居,地神宮,神社と表示された建物入口から祠に至る上記各物件は,一体として神道の神社施設に当たるもので,そこで行われている諸行事も,このような施設の性格に沿って宗教的行事として行われている。
(2) 上記各物件を管理し,祭事を行っている氏子集団は,祭事に伴う建物使用の対価を連合町内会に支払うほかは,上記各物件の設置に通常必要とされる対価を支払うことなく,その設置に伴う便益を長期間にわたり継続的に享受しており,前記行為は,その直接の効果として,宗教団体である氏子集団が神社を利用した宗教的活動を行うことを容易にするものである。
2 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法の定める政教分離原則に違反し,市長において同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,市の住民が怠る事実の違法確認を求めている住民訴訟において,上記行為が違憲と判断される場合に,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,その違憲性を解消するための他の合理的で現実的な手段が存在するか否かについて審理判断せず,当事者に対し釈明権を行使しないまま,上記怠る事実を違法とした原審の判断には,違法がある。
(1) 上記神社施設を直ちに撤去させるべきものとすることは,氏子集団の同施設を利用した宗教的活動を著しく困難なものにし,その構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼすものとなる。
(2) 神社施設の撤去及び土地明渡請求以外に,例えば土地の譲与,有償譲渡又は適正な対価による貸付け等,上記行為の違憲性を解消するための他の手段があり得ることは,当事者の主張の有無にかかわらず明らかである。
(3) 原審は,当事者がほぼ共通する他の住民訴訟の審理を通じて,上記行為の違憲性を解消するための他の手段が存在する可能性があり,市長がこうした手段を講ずる場合があることを職務上知っていた。
(1,2につき補足意見,意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成22年1月20日 平成19(行ツ)260
登載
民集 第64巻1号1頁
参照法条
(1について)憲法20条1項,憲法89条 (2について)民訴法149条1項,民訴法149条2項,地方自治法242条の2第1項3号
論点3第149条民事訴訟法

法人であるYから定年により職を解く旨の辞令を受けた職員であるXがYに対し雇用契約上の地位確認及び賃金等の支払を求める訴訟において,控訴審が,X,Yともに主張していない法律構成である信義則違反の点についてXに主張するか否かを明らかにするよう促すとともにYに十分な反論及び反証の機会を与える措置をとることなく,Yは定年退職の告知の時から1年を経過するまでは賃金支払義務との関係では信義則上定年退職の効果を主張することができないと判断したことに釈明権の行使を怠った違法があるとされた事例

裁判要旨法人であるYから定年規程所定の65歳の定年により職を解く旨の辞令を受けた職員であるXが,Yとの間でXの定年を80歳とする旨の合意があったと主張して,Yに対し雇用契約上の地位確認及び賃金等の支払を求める訴訟において,次の(1),(2)のような訴訟の経過の下では,控訴審が,X,Yともに主張していない法律構成である信義則違反の点についてXに主張するか否かを明らかにするよう促すとともにYに十分な反論及び反証の機会を与える措置をとることなく,Yは定年退職の告知の時から1年を経過するまでは賃金支払義務との関係では信義則上定年規程による定年退職の効果を主張することができないと判断したことには,釈明権の行使を怠った違法がある。
(1) 第1審は,弁論準備手続期日において本件の争点が上記合意の存否である旨を確認し,口頭弁論期日におけるその結果の陳述を経た上,X本人尋問及び証人尋問を行い,上記合意があったとは認められないとしてXの請求を棄却する旨の判決をした。
(2) 控訴審は,第1回口頭弁論期日において口頭弁論を終結したところ,同期日において陳述された控訴理由もそれに対する答弁も,専ら上記合意の存否に関するものであった。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年10月14日 平成20(受)1590
登載
集民 第235号1頁
参照法条
民訴法149条,民法1条2項
論点4第149条民事訴訟法

債権の差押えに基づき第三者債務者として弁済した旨の抗弁に係る主張の補正及び立証について釈明権の行使を怠った違法があるとされた事例

裁判要旨元本債権及びこれに対する遅延損害金債権の支払請求に対する抗弁として,被告が,いずれの債権についても同時に原告に対する滞納処分としての差押えがされその全額を支払ったと主張する一方,遅延損害金債権のみが差押債権として記載された債権差押通知書及び差押債権受入金として上記各債権の全額を領収した旨の記載がある領収証書を書証として提出していることから,同通知書につき上記各債権が同時に差し押さえられた旨の記載があるものと誤解していたことが明らかであるという事情の下においては,裁判所が,被告は上記差押えに基づき各債権の全額を支払ったと認定しながら,元本債権に対する差押えについての主張の補正及び立証をするかどうかについて釈明権を行使することなく,同差押えの事実を認めることができないとし,元本債権に対する弁済の主張を排斥したことには,釈明権の行使を怠った違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年7月14日 平成16(オ)1653
登載
集民 第217号399頁
参照法条
民訴法149条,民訴法219条
論点5第149条民事訴訟法

権利能力のない社団であるXが建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、控訴審が、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなくこれを棄却したことに違法があるとされた事例

裁判要旨権利能力のない社団であるXがYに対して建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、当事者双方は専らX及びYを含む3町内会の間で上記建物をその3町内会の共有とする旨の合意がされたか否かに関して主張し、Xが所有権等の主体となり得るか否かが問題とされることはなかったなど判示の事情の下においては、控訴審が、Xに対し、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなく、上記共有持分権がX自体に帰属することの確認を求めるものであるとしてこれを棄却したことには、違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和4年4月12日 令和3(受)919
登載
集民 第267号41頁
参照法条
民訴法149条、民法33条
論点6第150条民事訴訟法

一、被控訴人が控訴審においてした書面による請求の趣旨変更の申立およびその申立書添付の物件目録訂正の申立が附帯控訴の申立と認められた事例
二、いわゆる立件の意義およびその効力

裁判要旨一、(省略)
二、裁判所が特定の申立についてするいわゆる立件は、裁判所の内部における事務処理上の手続にすぎないものであつて、それがその申立を審理した口頭弁論の終結後になされたときでも、その申立の訴訟法上の効力に影響を及ぼすものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年7月1日 昭和45(オ)1222
登載
集民 第103号375頁
参照法条
民訴法372条,民訴法374条,民訴法367条,民訴法150条,民訴法186条,裁判所法60条
論点7第151条民事訴訟法

一 口頭弁論調書の成立時期

二 口頭弁論調書の更正

裁判要旨一 口頭弁論調書は、作成権限を有する裁判所書記官がこれを作成して署名(又は記名)捺印し、裁判長が認証のため捺印することによつて完成し、外部的には、完成された調書が当事者及び利害関係人の閲覧請求に応じうる状態に置かれた時、通常は当該事件記録に編綴されて裁判所書記官の保管のもとに置かれた時に成立する。

二 口頭弁論調書の記載内容に誤りがあるときは、当該調書を作成した裁判所書記官において、その認証者である裁判長の認証ないし承認のもとに、その誤りの内容に応じ適宜の方法でこれを更正することができるが、調書が外部的に成立した後においては、原調書とは別に更正調書を作成するか又は原調書の欄外に更正の個所・内容を明記して署名(又は記名)捺印する等、更正の趣旨及びその内容を明らかにするための措置を講ずることを要する。

(一、二につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和62年7月17日 昭和60(オ)726
登載
集民 第151号559頁
参照法条
民訴法142条,民訴法143条,民訴法144条,民訴法146条,民訴法147条,民訴法151条
論点8第151条民事訴訟法

判決正本と裁判官および裁判所書記官の捺印

裁判要旨当事者に送達される判決正本には、裁判官の捺印および民訴法一九二条による裁判所書記官の捺印を要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年10月18日 昭和48(オ)111
登載
集民 第110号317頁
参照法条
民訴法151条4項,民訴法191条,民訴法192条,民訴法193条
論点9第151条民事訴訟法

口頭弁論調書の謄本交付申請と交付すべき書類の範囲

裁判要旨口頭弁論調書の謄本交付申請がされた場合には、その申請の趣旨が基本調書部分若しくは証拠関係調書部分のみ又は基本調書と証拠関係調書の一部のみ(抄本)の交付を求めるにあると解されるときを除き、基本調書だけでなくこれと一体をなす証拠関係調書を合わせた口頭弁論調書全部の謄本を交付すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成元年2月7日 昭和63(オ)1375
登載
集民 第156号215頁
参照法条
民訴法142条,民訴法143条,民訴法144条,民訴法151条3項,民訴法151条4項,民訴規則9条
論点10第151条民事訴訟法

判決原本と一致しない正本の送達をもって判決正本の送達ということができるとされた事例

裁判要旨判決正本に裁判官の氏名の記載が欠けていても、その送達をもって判決正本の送達ということができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成3年4月2日 平成2(オ)1869
登載
集民 第162号285頁
参照法条
民訴法151条4項,民訴法193条
論点11第152条民事訴訟法

言渡期日の指定なくしてされた判決の言渡と民訴法三八七条にいう「判決ノ手続カ法律ニ違背シタルトキ」

裁判要旨言渡期日の指定なくしてされた判決の言渡は、民訴法三八七条〈電子支払督促の記録事項〉にいう「判決ノ手続カ法律ニ違背シタルトキ」に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和63年3月15日 昭和62(オ)1076
登載
集民 第153号561頁
参照法条
民訴法152条,民訴法188条,民訴法387条,民訴法396条
論点12第152条民事訴訟法

民訴法一五二条五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらないとされた事例

裁判要旨控訴審における第四回口頭弁論期日の二日前に提出された右期日の変更申請書の記載が「本日当職が訴訟委任を受けたが、弁論ないし立証準備のため右期日を変更されたい。」とあるのみでは、民訴法一五二条五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年9月7日 昭和57(オ)249
登載
集民 第137号49頁
参照法条
民訴法152条5項
論点13第152条民事訴訟法

民訴法一五二条五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらないとされた事例

裁判要旨会社を当事者とする訴訟において会社代表者が提出した第一回口頭弁論期日の変更申請書にその事由として「当日東京に出張の為」との記載があるのみでは、民訴法一五二条五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年2月14日 昭和54(オ)1085
登載
集民 第129号191頁
参照法条
民訴法152条5項
論点14第152条民事訴訟法

準備手続を経ない口頭弁論期日(第一回期日を除く)の変更と当事者の合意

裁判要旨準備手続を経ない口頭弁論期日(第一回期日を除く。)の変更は、当事者の合意がある場合でも、顕著な事由の存在が明らかでないかぎり、これを許さなければならないものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年7月21日 昭和49(オ)787
登載
集民 第115号549頁
参照法条
民訴法152条5項
論点15第152条民事訴訟法

口頭弁論期日の変更を必要とする顕著な事由の存在が明らかでないとされた事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年6月26日 昭和48(オ)207
登載
集民 第109号427頁
参照法条
民訴法152条5項,民訴規則13条
論点16第152条民事訴訟法

民訴法一五二条五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらないとされた事例

裁判要旨控訴審における第一回口頭弁論期日(昭和四五年一二月一四日)の変更申請の理由が「昭和四五年一二月一三日控訴人より委任を受け右期日に差支えがある。」というのみでは、民訴法一五二条五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年6月4日 昭和46(オ)234
登載
集民 第103号91頁
参照法条
民訴法152条5項
論点17第152条民事訴訟法

一、民訴規則五〇条と民訴法一七〇条二項〈弁論準備手続における訴訟行為等〉および一七三条〈弁論準備手続の結果の陳述〉の適用の有無
二、口頭弁論を経ないで上告却下の判決を言い渡す場合と判決言渡期日の呼出の要否

裁判要旨一、民訴規則五〇条にいう「上告受理通知書の送達を受けた日」についても、民訴法一七〇条二項〈弁論準備手続における訴訟行為等〉および一七三条〈弁論準備手続の結果の陳述〉が適用される。
二、口頭弁論を経ないで不適法な上告を却下する判決を言い渡す場合には、判決言渡期日を指定し、指定した期日に公開の法廷において判決を言い渡せば足り、当事者に対し右言渡期日の呼出状を送達することを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年2月27日 昭和43(テ)34
登載
民集 第23巻2号497頁
参照法条
民訴法152条,民訴法154条,民訴法170条,民訴法173条,民訴法399条,民訴法399条ノ3,民訴規則50条
論点18第152条民事訴訟法

期日変更の申立の許否

裁判要旨第二回口頭弁論期日の期日変更の申請について、同一の日に他の事件の期日の指定があつたことを理由とする場合には、本件の右期日指定前に右他の事件の期日指定があつたことを理由とし、かつ、その旨を明らかにする資料等を提出することを要する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月15日 昭和43(オ)501
登載
集民 第93号309頁
参照法条
民訴法152条,民訴規則13条,民訴規則14条
論点19第152条民事訴訟法

民訴法第一五二条第五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」にあたらないとされた事例

裁判要旨単に「やむをえぬ出頭不能の事情が発生した」というだけでは、民訴法第一五二条第五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年6月27日 昭和40(オ)463
登載
集民 第87号1235頁
参照法条
民訴法152条
論点20第152条民事訴訟法

当事者の期日変更申請を許容しなかつた措置が民訴法第一五二条に違反した場合と控訴取下げの効果

裁判要旨控訴審において、当事者の期日変更申請を許容しなかつた措置が民訴法第一五二条に違反したとしても、該期日に当事者双方が出頭しない限り、その後の期間の経過とともに控訴取下げの効果は擬制せられる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年4月6日 昭和41(オ)1291
登載
集民 第87号9頁
参照法条
民訴法152条,民訴法238条,民訴法363条
論点21第152条民事訴訟法

期日の延期・続行の申立と貼用印紙額

裁判要旨期日の延期・続行の申立には、民事訴訟用印紙法第六条ノ二第一号の規定による印紙を貼用すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年3月9日 昭和41(オ)1072
登載
民集 第21巻2号288頁
参照法条
民訴法152条,民事訴訟用印紙法6条ノ2第1号
論点22第152条民事訴訟法

病気による出頭不能を理由とする期日変更申請の不許可を違法でないとした事例

裁判要旨期日変更申請書に添付された医師の診断書に「狭心症により入院加療中につき出席不能」と記載されていても、その診断書が当該期日より七ケ月以上前に作成されたものであるときは、右期日変更申請を却下しても違法ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年9月22日 昭和40(オ)985
登載
集民 第84号469頁
参照法条
民訴法152条
論点23第152条民事訴訟法

顕著なる事由にあたらない事例

裁判要旨一審で弁論を尽くした後、控訴人が控訴審で新たな主張をせず、第二回期日に病気を理由に期日変更申請をした場合、これを許さなくても違法ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年7月14日 昭和41(オ)15
登載
集民 第84号65頁
参照法条
民訴法152条5項
論点24第152条民事訴訟法

準備手続を経ない口頭弁論期日の変更。

裁判要旨準備手続を経ない口頭弁論期日の変更申立は、顕著な事由が存するときは、相手方の同意がなくても、これを許さなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年4月1日 昭和39(オ)928
登載
集民 第78号477頁
参照法条
民訴法152条
論点25第152条民事訴訟法

一 訴訟代理人の他の受任事件の都合による第一回口頭弁論期日変更申請拒否の適否。
二 公職選挙法第二五一条の二の規定は憲法第一二条および第一三条に違反するか。

裁判要旨一 訴訟代理人たる弁護士の他の受任事件の都合による第一回口頭弁論期日の変更申請は、当事者の出頭しがたい顕著な事由に基づくものとは認めがたく、これを許容しなくても違法とすることはできない。
二 公職選挙法第二五一条の二の規定は、憲法第一二条および第一三条に違反しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年2月26日 昭和39(行ツ)42
登載
集民 第77号611頁
参照法条
民訴法152条,民訴規則14条,公職選挙法251条の2,憲法12条,憲法13条
論点26第152条民事訴訟法

民訴法第一五二条第五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」にあたらないとされた事例。

裁判要旨感冒のため三、四日安静加療の必要がある旨の診断書を添付してされた期日変更申請には、民訴法第一五二条第五項〈口頭弁論の併合等〉にいう「顕著ナル事由」があるとは認められない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年11月2日 昭和40(オ)352
登載
集民 第81号25頁
参照法条
民訴法152条5項
論点27第152条民事訴訟法

一 当事者双方の口頭弁論期日不出頭と民訴法第一二七の釈明権

二 右不出頭の場合と裁判長の期日指定義務

裁判要旨一 上告人(控訴人)訴訟代理人の所為が、上告理由第一点記載の通りであつたか否かを問わず、当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、民訴法第一二七条〈受継の通知〉の釈明権の行使として、当事者に対し、所論のごとき処置を採るべき裁判所の義務は存しない。

二 当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、証拠調の施行など、裁判所が職権で施行すべき手続の存する場合を除き、裁判長に新期日指定義務は存しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年10月19日 昭和39(オ)1074
登載
集民 第80号849頁
参照法条
民訴法127条,民訴法152条,民訴法238条
論点28第152条民事訴訟法

最初の口頭弁論期日の変更が許されないとされた事例。

裁判要旨準備手続を経ない口頭弁論における最初の期日の変更は、相手方の同意がなく、しかも、ただ当日着の電報で「急病の為延期たのむ」とした変更の申請がされただけで、出頭不能の程度の病気であつたか否かについて何等の疎明方法も提出されなかつた場合には、期日の変更について「顕著な事由」があるといえないから、右期日変更の申請を容れないで、結審しても、違法ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年5月26日 昭和38(オ)1280
登載
集民 第73号671頁
参照法条
民訴法152条5項,民訴規則13条
論点29第152条民事訴訟法

期日の指定を受けた訴訟代理人の辞任と本人に対する右期日指定の効力。

裁判要旨口頭弁論期日の指定及び呼出状の送達をうけた訴訟代理人が辞任しても、右指定および呼出の効力は、本人にも及ぶものであるから、指定の口頭弁論期日に本人が出頭しなかつたために生ずる不利益は、本人が甘受しなければならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年5月26日 昭和38(オ)849
登載
集民 第73号665頁
参照法条
民訴法81条1項,民訴法152条1項
論点30第152条民事訴訟法

準備手続を経ない訴訟事件における最初の口頭弁論期日後の期日の変更について顕著なる事由が存しないとされた事例。

裁判要旨準備手続を経ない訴訟事件に対し、民事調停の申立が受理されたことは、右訴訟事件の最初の口頭弁論期日後の期日の変更について、顕著な事由が存するとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年3月5日 昭和37(オ)800
登載
集民 第72号375頁
参照法条
民訴法152条,民事調停規則5条
論点31第152条民事訴訟法

一 口頭弁論期日呼出手続の違法について責問権を喪失したと認められた事例
二 口頭弁論期日呼出手続の違法と新期日の指定の要否

裁判要旨一 訴訟代理人に対して、口頭弁論期日の呼出状の送達がなされなかつたが、同代理人が同期日前に裁判所に出頭して受任事件記録を閲覧した際、同期日の指定を知つたが期日には出頭しなかつたときには、同代理人は同期日に出頭して同期日呼出手続の違法について異議を述べる機会があつたにもかかわらず、これをしなかつたのであるから、右違法についての責問権を喪失したものというべきである。
二 訴訟代理人に対して、口頭弁論期日の呼出状の送達はなされなかつたが、死亡した前代理人の遺族から同人に対する弁論期日の呼出状の交付を受け、かつ裁判所の過誤によつて同姓の相手方代理人に対する同期日の呼出状を受領したことによつて同期の日時を知りながら同期日に出頭しなかつたときは、同代理人は同期日に出頭して異議を述べる機会があつたにもかかわらず、これをしなかつたのであるから、右違法についての責問権を喪失したものというべきである。

三 当事者に対する口頭弁論期日呼出の手続に違法な点があつても、裁判所は、必ずしも、新期日を指定し、当事者を呼び出す必要があるわけのものでもない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年3月16日 昭和34(オ)229
登載
集民 第59号373頁
参照法条
民訴法141条,民訴法152条,民訴法154条,民訴法160条
論点32第152条民事訴訟法

一 民訴第一五二条第四項〈口頭弁論の併合等〉にいわゆる口頭弁論における最初の期日
二 民訴第一五二条第四項にいわゆる顕著な事由に当らない一事例
三 民訴第一三八条〈訴状の送達〉は控訴審に適用があるか
四 民訴第一三八条にいわゆる最初になすべき口頭弁論期日

裁判要旨一 民訴第一五二条第四項〈口頭弁論の併合等〉にいわゆる口頭弁論における最初の期日とは、最初に指定された口頭弁論期日を指すものと解すべきである。
二 「当日代理人において都合悪く出頭できざるにつき」という期日変更申請の事由は、民訴第一五二条第四項にいわゆる顕著な事由に当るものとは認められない。

三 民訴第一三八条〈訴状の送達〉は、控訴審にも適用がある。

四 民訴第一三八条が控訴審にも適用がある場合、同条にいわゆる最初の口頭弁論期日とは、控訴審において最初の口頭弁論が行われた期日をいう。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和25年10月31日 昭和25(オ)193
登載
民集 第4巻10号516頁
参照法条
民訴法152条4項,民訴法152条4項。,民訴法138条
論点33第153条民事訴訟法

口頭弁論期日変更申請を許すべき顕著な事由に当らないとされた事例

裁判要旨会社代表者が欠くことのできない会社業務のため口頭弁論期日に出頭できないことは、期日変更申請を許すべき顕著な事由に当らない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年1月18日 昭和40(オ)655
登載
集民 第82号65頁
参照法条
民訴法153条5項
論点34第154条民事訴訟法

訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否

裁判要旨訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年10月1日 昭和62(オ)457
登載
集民 第152号1頁
参照法条
民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
論点35第154条民事訴訟法

口頭弁論を経ないで控訴を棄却する判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否

裁判要旨訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを必要としない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年10月19日 昭和57(オ)541
登載
集民 第137号391頁
参照法条
民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
論点36第154条民事訴訟法

判決言渡期日の告知及び呼出状の送達を欠いたままされた判決言渡しと上告理由

裁判要旨期日外で判決言渡期日を指定しながら、当事者に対する右期日の告知及び呼出状の送達を欠いたままされた判決の言渡しは、違法ではあるが、右違法は、判決に影響を及ぼさないかぎり上告理由にならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年10月24日 昭和50(オ)486
登載
集民 第116号375頁
参照法条
民訴法154条,民訴法188条,民訴法387条,民訴法394条,民訴法396条
論点37第154条民事訴訟法

補助参加人に対する期日の呼出の欠缺を被参加人が主張しうるか

裁判要旨補助参加人に対する期日の呼出がなく訴訟手続が進められた場合でも、この違法は被参加人と相手方との間の判決に影響を及ぼすものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年12月21日 昭和42(オ)929
登載
集民 第89号541頁
参照法条
民訴法64条,民訴法154条,民訴法394条
論点38第154条民事訴訟法

期日告知を受けた訴訟代理人が期日前に辞任した場合と本人呼出の要否。

裁判要旨適式に期日の告知を受けた訴訟代理人が期日前に辞任した場合、改めて当事者本人に対する期日呼出をする必要はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年3月29日 昭和37(オ)664
登載
集民 第65号341頁
参照法条
民訴法154条
論点39第154条民事訴訟法

当事者双方不出頭の場合に延期された判決言渡期日の告知と呼出状の送達の要否

裁判要旨適法な呼出を受けながら当事者双方が判決言渡期日に出頭しない場合に、言渡が延期され、次回期日が指定告知されたときは、その新期日につき告知の効力を生じ、呼出状の送達をする必要がないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年3月30日 昭和36(オ)995
登載
集民 第59号747頁
参照法条
民訴法154条,民訴法190条2項,民訴法204条,民訴法207条
論点40第154条民事訴訟法

口頭弁論期日告知後の訴訟代理人の辞任と右期日告知の効力

裁判要旨口頭弁論期日において訴訟代理人に次回期日の告知がなされた後、訴訟代理人が辞任しても、右期日の告知の効力は本人に及ぶから、その出頭なくして期日を開き弁論を終結しても違法でない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年1月26日 昭和36(オ)574
登載
集民 第58号365頁
参照法条
民訴法154条,民訴法125条1項
論点41第154条民事訴訟法

一 弁論の再開申請の不採用と弁論の不当制限。
二 判決言渡期間の通知。

裁判要旨一 裁判所が当事者の弁論再開の申請を採用しなかつたため、新たな証拠及び抗弁の提出ができなかつたとしても、それは、証拠及び抗弁を不当に制限したことにはならない。
二 口頭弁論期日の呼出状で判決言渡の期日を通知することは適法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和23年4月17日 昭和23(オ)7
登載
民集 第2巻4号104頁
参照法条
民訴法133条,民訴法137条,民訴法144条,民訴法154条,民訴法190条
論点42第156条民事訴訟法

一二月三〇日は民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたるか

裁判要旨一二月三〇日は、民訴法第一五六条第二項〈攻撃防御方法の提出時期〉にいう一般の休日にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年9月26日 昭和43(オ)648
登載
民集 第22巻9号2013頁
参照法条
民訴法156条,民法142条
論点43第156条民事訴訟法

一二月三一日は民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたるか

裁判要旨一二月三一日は、民訴法第一五六条第二項〈攻撃防御方法の提出時期〉にいう一般の休日にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年4月26日 昭和42(オ)927
登載
民集 第22巻4号1055頁
参照法条
民訴法156条,民法142条
論点44第156条民事訴訟法

一二月二九日は民訴法第一五六条第二項にいう一般の休日にあたるか

裁判要旨一二月二九日は、民訴法第一五六条第二項〈攻撃防御方法の提出時期〉にいう一般の休日にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年1月30日 昭和41(ク)88
登載
民集 第22巻1号81頁
参照法条
民訴法156条,民法142条
論点45第156条民事訴訟法

一月三日は民訴第一五六条第二項〈攻撃防御方法の提出時期〉にいわゆる一般の休日にあたるか

裁判要旨一月三日は二日とともに国民一般の慣行にもとづく休日として民訴第一五六条第二項〈攻撃防御方法の提出時期〉にいわゆる一般の休日にあたる
裁判
最高裁判所大法廷 昭和33年6月2日 昭和32(オ)438
登載
民集 第12巻9号1281頁
参照法条
民法142条,民訴法156条2項
論点46第158条民事訴訟法

再審の訴を却下した判決ののち偽証について有罪の判決が確定したことは右判決に対する上告の理由となるか

裁判要旨控訴裁判所の確定判決に対し、その証拠となつた証言が偽証であるとして、再審の訴が提起されたが、民訴法第四二〇条第二項の要件について主張および立証がないため、右訴を却下する判決がされた場合には、その後右偽証について有罪の判決が確定し、上告裁判所に駒いてその旨が主張されたとしても、右訴却下の判決に対する上告の理由として採用することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年8月29日 昭和42(オ)215
登載
民集 第22巻8号1740頁
参照法条
民訴法420条1項7号,民訴法420条2項,民訴法394条,民訴法395条,民訴法158条
論点47第159条民事訴訟法

特許法四八条の三第一項所定の出願審査請求の期間と民訴法一五九条一項の準用ないし類推適用の有無

裁判要旨特許法四八条の三第一項所定の出願審査請求の期間につき民訴法一五九条一項の規定を準用ないし類推適用する余地はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年4月25日 昭和59(行ツ)286
登載
集民 第147号637頁
参照法条
特許法48条の3第1項,民訴法159条1項
論点48第159条民事訴訟法

控訴期間の不遵守が控訴代理人の責に帰すべからざる事由によるかどうかにつき職権調査を尽くさなかつたことが違法とされた事例

裁判要旨昭和五三年一二月一五日判決正本の送達を受けた第一審判決につき、控訴代理人が同年一二月二六日その控訴状を書留速達郵便物として長崎市内の郵便局に差し出したところ、同五四年一月一日に至つて福岡高等裁判所に配達されたとの事情のもとでは、右控訴状の配達の遅延は控訴代理人において予知することのできない程度のものであつた疑いがあり、民訴法一五九条一項〈自白の擬制〉所定の追完事由の存否について十分な職権調査を尽くすことなく、控訴期間を徒過した不適法な控訴であるとしてこれを却下することは違法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年10月28日 昭和54(オ)613
登載
集民 第131号37頁
参照法条
民訴法159条,民訴法366条,民訴法395条6号
論点49第159条民事訴訟法

第一審の訴訟手続が公示送達によつてされ控訴期間を徒過した場合に控訴の追完が認められなかつた事例

裁判要旨第一審における訴状、判決を含む訴訟書類の送達が公示送達によつてされた場合であつても、自己に対し訴訟が提起されていることを知り、他日判決が言い渡されるであろうことが十分に予想され、しかもその内容が自己に不利益なものとなることも優に予測されるにもかかわらず、なんらの調査もせずに控訴期間を徒過したときは、控訴期間を遵守することができなかつたことが控訴人の責に帰することのできない事由によるものということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和54年7月31日 昭和54(オ)46
登載
集民 第127号325頁
参照法条
民訴法159条,民訴法366条
論点50第159条民事訴訟法

特許料の追納期間の徒過と訴訟行為追完の規定の適用の有無

裁判要旨特許料の追納期間を徒過した場合については、訴訟行為の追完に関する民訴法一五九条の規定は、適用ないし類推適用されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年9月11日 昭和49(行ツ)109
登載
集民 第116号39頁
参照法条
民訴法159条,特許法112条1項
論点51第159条民事訴訟法

建物買取請求権の行使に関する主張が訴訟の完結を遅延させるものとされた事例

裁判要旨借地法一〇条による建物買取請求権の行使に関する主張が、同条所定の時価として裁判所が相当と認める額の代金の支払があるまで、建物の引渡を拒むために同時履行等の抗弁権を行使する前提としてなされたもので、右時価に関する証拠調になお相当の期間を必要とするものである場合において、すでに訴訟は裁判をなすに熟し、さらに審理を続行する必要がないとして弁論を終結すべきであるときは、右主張は、訴訟の完結を遅延せしめるものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年4月23日 昭和45(オ)408
登載
集民 第102号571頁
参照法条
民訴法159条1項,借地法10条
論点52第159条民事訴訟法

控訴期間の不遵守が訴訟代理人の定めた送達受取人の過失に基づくものであつても、当事者の責に帰すべからざる事由によるものであるとされた事例

裁判要旨訴訟代理人である弁護士が、所属弁護士会の規則に従い同会を受送達場所、送達受取人と定めて届出ていたところ、同会の送達部から送付を受けた第一審判決正本に「昭和四四年九月二四日受送達」の旨ゴム印が押捺されていたので、同日から二週間内である同年一〇月八日控訴を提起したが、実際は、弁護士会が執行官から右正本の交付を受け送達の効力が生じた日は同年九月二二日であつたため、右控訴提起が控訴期間経過後のものとされる場合に、従来、右送達部においては、執行官から送達書類を受領した日時ではなく、受送達者本人に右書類を送付する手続を終つた日時をもつて送達の日時とする慣行であり、右正本の送達日時もかかる慣行に従い記入されたものである等判示の事情のもとでは、右控訴期間の不遵守は、送達受取人の過失に基づくものであつても、当事者の責に帰すべからざる事由によるものというべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年4月20日 昭和45(オ)513
登載
集民 第102号501頁
参照法条
民訴法159条1項,民訴法170条
論点53第159条民事訴訟法

上告期間経過後の上告申立につき追完の事由があるにかかわらずその職権調査を尽くさないでされた高等裁判所の上告却下に対する不服申立方法

裁判要旨当事者の予想しえない郵便遅配のため上告期間経過後に到達した上告の申立につき、高等裁判所が追完の事由の存否の職権調査を尽くさないで上告却下の決定をしたときは、右決定に対し、民訴法四二九条、四二〇条一項九号の規定により、再審の申立をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年9月30日 昭和45(ク)220
登載
集民 第100号559頁
参照法条
民訴法596条,民訴法566条,民訴法159条,民訴法429条,民訴法420条1項9号
論点54第159条民事訴訟法

控訴提起の訴訟委任状が弁護士のもとに送附されたときをもつて民訴法第一五九条の「事由ノ止ミタル」時に当るとされた事例

裁判要旨サイゴン在住の本人が、公示送達の方法による判決正本の送達を知つた後、その責に帰すべき遅延なしに控訴提起の訴訟委任状を弁護士のもとに送附したときには、この時をもつて、控訴期間不遵守の事由が止んだものというべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月17日 昭和42(オ)346
登載
集民 第93号641頁
参照法条
民訴法366条,民訴法159条
論点55第159条民事訴訟法

判決の公示送達の不知を理由とする上訴の追完が許された事例

裁判要旨被告とその法定代理人が住民登録をした場所に居住し、原告が訴提起直前に右居住の場所に被告の法定代理人を訪ねて訴の目的である債務の履行につき折衝したことがあつたにもかかわらず、原告から訴状の受送達者の住所が不明であるとして公示送達の申立がされ、よつて被告の法定代理人に対する第一審判決正本の送達にいたるまでのすべての書類の送達が公示送達により行なわれた場合において、被告の法定代理人が控訴期間の経過後はじめて判決正本の公示送達の事実を知り、ただちに控訴を提起したときは民訴法第一五九条にいう「其ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リ不変期間ヲ遵守スルコト能ハサリシ場合」にあたるものとして、右控訴は適法であると解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年2月24日 昭和41(オ)935
登載
民集 第21巻1号209頁
参照法条
民訴法159条
論点56第159条民事訴訟法

一 民訴法第一七一条第一項〈受命裁判官による弁論準備手続〉の補充送達が有効とされた事例
二 民訴法第一五九条〈自白の擬制〉の追完が許されないとされた事例

裁判要旨一 判決正体が執行吏によつて弁護士事務所に送達され、該弁護士に雇われている書生が送達報告書の受領者欄に直接該弁護士の記名押印をしてこれを受領した場合にも、右送達は補充送達として有効である。
二 前項の送達を受領した書生が右事務所と同一建物内にある第三者会社の従業員にその取次方を託して帰郷し、該従業員からこれを受領した右弁護士がその受領日に送達があつたものと思つて上訴期間を徒過した等判示の事情のもとにおいては、右徒過は、民訴法第一五九条〈自白の擬制〉にいう「其ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リ不変期間ヲ遵守スルコト能ハサリシ場合」にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年5月31日 昭和40(オ)94
登載
集民 第83号657頁
参照法条
民訴法171条1項,民訴法159条
論点57第159条民事訴訟法

訴訟行為の追完を認めなかつた事例

裁判要旨一審判決の送達をうけた弁護士事務所の事務員がてんかんの発作を起し、入院したため、訴訟代理人たる弁護士が一審判決正本を見たのが控訴期間経過後であつても控訴申立の追完は許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年5月17日 昭和40(オ)1000
登載
集民 第83号527頁
参照法条
民訴法159条
論点58第159条民事訴訟法

控訴提起の代理権を有する訴訟代理人がある場合と、本人がなした期間徒過後の控訴申立の追完の許否。

裁判要旨控訴提起の代理権を有する訴訟代理人が控訴の申立をなしえた場合には、たとえ、当事者本人において控訴の申立をなし、控訴状の託送を依頼した第三者の事故のため、控訴期間を遵守できなかつたとしても、民訴法第一五九条〈自白の擬制〉にいわゆる「当事者がその責に帰すべからざる事由により不変期間を遵守すること能わざりし場合」に該当するものということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年6月8日 昭和39(オ)1388
登載
集民 第79号385頁
参照法条
民訴法159条
論点59第159条民事訴訟法

控訴期間の不遵守が控訴代理人の責に帰すべからざる事由によるかどうかにつき審理不尽の違法があるとされた事例。

裁判要旨大阪市内の郵便局に書留速達郵便物として差し出した控訴状が、通じて四日を費して名古屋市内の裁判所に配達され、控訴代理人の予知できない事情に基づく郵便物延着の疑をさしはさみうるにかかわらず、この間の事情を審究せず、右郵便物配達の時にはすでに控訴期間が経過していたとの理由で、控訴を不適法として却下した判決には、審理不尽の違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年9月15日 昭和37(オ)1019
登載
集民 第75号231頁
参照法条
民訴法366条,民訴法159条,民訴法395条6号
論点60第159条民事訴訟法

郵送遅延と原状回復理由。

裁判要旨郵送遅延は、当時の事情に照らし当事者の予想し得ない程度のものでなければ、不変期間不遵守の原状回復理由とならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年11月6日 昭和39(オ)484
登載
集民 第76号7頁
参照法条
民訴法159条
論点61第159条民事訴訟法

一 特許審判の委任状に印刷記入された抗告審判に関する特別委任の文言は例文か
二 旧特許法第二五条による追完の許否

裁判要旨一 特許の無効審判事件において、当事者が弁理士に対して交付した委任状に当該審判手続のほか抗告審判に関する特別委任をなす旨の文言が印刷記入されている場合に、かかる文言を全然意味のない例文であるとみるべき経験則はなく、またかような慣習の存在が裁判上顕著な事実であるともいえない。
二 期間を遵守することができなかつたことについて、当事者本人にその責に帰することができない事由があつても、同人に代つて当該手続をする権限のある代理人に右の事由がない場合には、旧特許法第二五条によつて懈怠した手続の追完をすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年8月14日 昭和36(オ)894
登載
集民 第62号165頁
参照法条
旧特許法17条,旧特許法25条,民訴法257条,民訴法159条
論点62第159条民事訴訟法

控訴申立の追完が許容された事例。

裁判要旨被告に追する訴状、期日呼出状および判決正本の公示送達が、被告の最後の住所地を管轄する裁判所でなされたが、被告は、訴の提起されたことも、第一審判決の言渡のあつたことも知らず、右判決の執行力ある正本に基き被告所有の自動車について強制執行手続が開始され、その競売期日が指定された後にいたつて初めこれを知り、直ちに判決正本を受領して控訴の申立をしたときは、特段の事情の認められないかぎり、当事者の責に帰すべからざる事由によつて控訴期間を遵守することができなかつたものとして、その追完を許容すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年5月26日 昭和33(オ)226
登載
民集 第15巻5号1425頁
参照法条
民訴法159条,民訴法178条,民訴法366条
論点63第159条民事訴訟法

民訴法第二三八条〈不服申立ての不許〉の期間徒過後追完を理由とする期日指定申立があつた場合の裁判。

裁判要旨民訴法第二三八条〈不服申立ての不許〉の期間徒過により上告取下とみなされた後において、当事者が同法第一五九条に基き追完できると主張して口頭弁論期日指定の申立をした場合、右申立は決定をもつて却下すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年6月13日 昭和32(オ)1106
登載
民集 第14巻8号1323頁
参照法条
民訴法238条,民訴法159条
論点64第159条民事訴訟法

期間を遵守できなかつたことについて当事者本人にその責に帰することのできない事由があり同人に代つて手続をする権限のある代理人に右の事由がない場合における特許法第二五条による追完の許否。

裁判要旨期間を遵守することができなかつたことについて、当事者本人にその責に帰することができない事由があつても、同人に代つて当該手続をする権限のある代理人に右の事由がない場合には、特許法第二五条によつて懈怠した手続の追完をすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年9月30日 昭和31(オ)42
登載
民集 第12巻13号3039頁
参照法条
特許法25条,民訴法159条
論点65第159条民事訴訟法

民訴法第二三八条〈不服申立ての不許〉の期間と訴訟行為の追完。

裁判要旨民訴第二三八条〈不服申立ての不許〉所定の三月の期間は不変期間でなく、期日指定申立の追完は許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年10月17日 昭和32(オ)1236
登載
民集 第12巻14号3161頁
参照法条
民訴法238条,民訴法159条
論点66第159条民事訴訟法

控訴の追完が認められた事例

裁判要旨原告が、訴えの目的である移転登記義務の履行について被告と継続的に和解の交渉をし、原告側の譲歩を内容とする和解成立も予想できる状況にありながら、被告から海外渡航により不在である旨告げられた期間中に訴えを提起し、従前の経緯を一切伏せたまま公示送達の許可を受けた上、勝訴判決を得た場合において、被告も右訴えが提起されることは予測し得ず、被告が住民登録の変更をしなかったのも原告の粗暴な言動を恐れたことによるなど判示の事情の下では、被告の控訴の追完は許される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成4年4月28日 平成2(オ)1228
登載
集民 第164号395頁
参照法条
民訴法159条1項,民訴法178条,民訴法366条
原

条文原文

原文ママ

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民事訴訟法 第148条(裁判長の訴訟指揮権) 詳細ページ
(裁判長の訴訟指揮権)
第百四十八条口頭弁論は、裁判長が指揮する。
2裁判長は、発言を許し、又はその命令に従わない者の発言を禁ずることができる。
民事訴訟法 第149条(釈明権等) 詳細ページ
(釈明権等)
第百四十九条裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。
2陪席裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。
3当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができる。
4裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について第一項又は第二項の規定による処置をしたときは、その内容を相手方に通知しなければならない。
民事訴訟法 第150条(訴訟指揮等に対する異議) 詳細ページ
(訴訟指揮等に対する異議)
第百五十条当事者が、口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令又は前条第一項若しくは第二項の規定による裁判長若しくは陪席裁判官の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。
民事訴訟法 第151条(釈明処分) 詳細ページ
(釈明処分)
第百五十一条裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、次に掲げる処分をすることができる。
一当事者本人又はその法定代理人に対し、口頭弁論の期日に出頭することを命ずること。
二口頭弁論の期日において、当事者のため事務を処理し、又は補助する者で裁判所が相当と認めるものに陳述をさせること。
三訴訟書類若しくは訴訟において引用した文書その他の物件で当事者の所持するもの又は訴訟においてその記録された情報の内容を引用した電磁的記録で当事者が利用する権限を有するものを提出させること。
四当事者又は第三者の提出した文書その他の物件を裁判所に留め置くこと。
五検証をし、又は鑑定を命ずること。
六調査を嘱託すること。
2前項の規定による電磁的記録の提出は、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的記録を記録した記録媒体を提出する方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法により行う。
3第一項の規定により提出された文書及び前項の規定により提出された電磁的記録については、第百三十二条の十三の規定は、適用しない。
4第一項に規定する検証、鑑定及び調査の嘱託については、証拠調べに関する規定を準用する。
民事訴訟法 第152条(口頭弁論の併合等) 詳細ページ
(口頭弁論の併合等)
第百五十二条裁判所は、口頭弁論の制限、分離若しくは併合を命じ、又はその命令を取り消すことができる。
2裁判所は、当事者を異にする事件について口頭弁論の併合を命じた場合において、その前に尋問をした証人について、尋問の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければならない。
民事訴訟法 第153条(口頭弁論の再開) 詳細ページ
(口頭弁論の再開)
第百五十三条裁判所は、終結した口頭弁論の再開を命ずることができる。
民事訴訟法 第154条(通訳人の立会い等) 詳細ページ
(通訳人の立会い等)
第百五十四条口頭弁論に関与する者が日本語に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。ただし、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、文字で問い、又は陳述をさせることができる。
2裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が通訳人との間で映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、通訳人に通訳をさせることができる。この場合において、当該方法によることにつき困難な事情があるときは、裁判所及び当事者双方が通訳人との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によってすることができる。
3鑑定人に関する規定は、通訳人について準用する。
民事訴訟法 第155条(弁論能力を欠く者に対する措置) 詳細ページ
(弁論能力を欠く者に対する措置)
第百五十五条裁判所は、訴訟関係を明瞭にするために必要な陳述をすることができない当事者、代理人又は補佐人の陳述を禁じ、口頭弁論の続行のため新たな期日を定めることができる。
2前項の規定により陳述を禁じた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、弁護士の付添いを命ずることができる。
民事訴訟法 第156条(攻撃防御方法の提出時期) 詳細ページ
(攻撃防御方法の提出時期)
第百五十六条攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない。
民事訴訟法 第156_2条(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間) 詳細ページ
(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間)
第百五十六条の二第百四十七条の三第一項の審理の計画に従った訴訟手続の進行上必要があると認めるときは、裁判長は、当事者の意見を聴いて、特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間を定めることができる。
民事訴訟法 第157条(時機に後れた攻撃防御方法の却下等) 詳細ページ
(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)
第百五十七条当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。
2攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないときも、前項と同様とする。
民事訴訟法 第157_2条(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下) 詳細ページ
(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)
第百五十七条の二第百四十七条の三第三項又は第百五十六条の二(第百七十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間が定められている場合において、当事者がその期間の経過後に提出した攻撃又は防御の方法については、これにより審理の計画に従った訴訟手続の進行に著しい支障を生ずるおそれがあると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。ただし、その当事者がその期間内に当該攻撃又は防御の方法を提出することができなかったことについて相当の理由があることを疎明したときは、この限りでない。
民事訴訟法 第158条(訴状等の陳述の擬制) 詳細ページ
(訴状等の陳述の擬制)
第百五十八条原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。
民事訴訟法 第159条(自白の擬制) 詳細ページ
(自白の擬制)
第百五十九条当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。
2相手方の主張した事実を知らない旨の陳述をした者は、その事実を争ったものと推定する。
3第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。
民事訴訟法 第160条(口頭弁論に係る電子調書の作成等) 詳細ページ
(口頭弁論に係る電子調書の作成等)
第百六十条裁判所書記官は、口頭弁論について、期日ごとに、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。
2裁判所書記官は、前項の規定により電子調書を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。
3前項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に当事者その他の関係人が異議を述べたときは、最高裁判所規則で定めるところにより、その異議があった旨を明らかにする措置を講じなければならない。
4口頭弁論の方式に関する規定の遵守は、第二項の規定によりファイルに記録された電子調書によってのみ証明することができる。ただし、当該電子調書が滅失したときは、この限りでない。
民事訴訟法 第160_2条(口頭弁論に係る電子調書の更正) 詳細ページ
(口頭弁論に係る電子調書の更正)
第百六十条の二前条第二項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでも更正することができる。
2前項の規定による更正の処分は、最高裁判所規則で定めるところにより、その旨をファイルに記録してしなければならない。
3第七十一条第四項、第五項及び第八項の規定は、第一項の規定による更正の処分又は同項の申立てを却下する処分及びこれらに対する異議の申立てについて準用する。
出

一次情報

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