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取締役会と業務執行

取締役会は何を決め、何を代表取締役に任せられるか。招集・決議・議事録まで。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

取締役会は、会社の業務執行の決定と取締役の職務執行の監督を行い、取締役の中から代表取締役を選定・解職する機関です。重要な財産の処分や多額の借財など一定の事項は代表取締役に委任できず、必ず取締役会自身が決定しなければなりません。本ページでは、招集・決議の要件から議事録の備置・閲覧まで、取締役会運営の実務ポイントを整理します。

取締役会の専属事項と委任可能な事項
決定主体事項
取締役会(委任不可)重要な財産の処分・譲受け
取締役会(委任不可)多額の借財
取締役会(委任不可)重要な使用人の選任・解任
取締役会(委任不可)重要な組織の設置・変更・廃止
取締役会(委任不可)社債募集に関する重要事項
取締役会(委任不可)内部統制体制の整備
取締役会(委任不可)取締役の責任免除の決定
代表取締役に委任可上記以外の業務執行の決定
  • 上記は法定の例示であり、これ以外でも重要な業務執行に当たれば委任できない。
  • 大会社である取締役会設置会社は、内部統制体制の整備を必ず決定しなければならない。
  • 取締役の責任免除は、定款に責任免除の定めがある会社に限り取締役会で決定できる。
  • 代表取締役の選定・解職も取締役会だけが決定でき、取締役に委任できない。
表

取締役会が決めなければならない事項の全一覧

一覧を表示
号対象となる株主総会(条文原文)関連条文
取締役会の権限会社法 第362条第1項取締役会は、すべての取締役で組織する。
取締役会の職務会社法 第362条第2項取締役会は、次に掲げる職務を行う。該当 3 号
一取締役会設置会社の業務執行の決定―
二取締役の職務の執行の監督―
三代表取締役の選定及び解職―
代表取締役の選定会社法 第362条第3項取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
取締役に委任できない重要な業務執行会社法 第362条第4項取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。該当 7 号
一重要な財産の処分及び譲受け―
二多額の借財―
三支配人その他の重要な使用人の選任及び解任―
四支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止―
五第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項第676条
六取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備―
七第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除第423条第426条
大会社である取締役会設置会社の義務会社法 第362条第5項大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。
1

何を決める機関か

委任できない重要事項とは

第362条取締役会の権限等取締役会の権限と委任できない事項5項・10号判例 2件
  • 取締役会は業務執行の決定、取締役の監督、代表取締役の選定・解職を行う
  • 重要な財産の処分・譲受け、多額の借財など7項目は委任できない
  • 大会社である取締役会設置会社は内部統制体制の整備を必ず決定する
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第363条取締役会設置会社の取締役の権限代表取締役等が業務執行し、活動を定期報告2項・2号判例なし
  • 代表取締役と、取締役会で業務執行取締役に選ばれた者が業務を執行する
  • 業務執行取締役は3か月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告する
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2

会社を代表するのは誰か

代表取締役の権限と表見代表

第349条株式会社の代表取締役が会社を代表するのが原則5項判例 2件
  • 取締役会を置かない会社は、取締役の互選等で代表取締役を定められる
  • 代表取締役は業務に関する裁判上・裁判外の一切の行為を行う権限を持つ
  • 代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗できない
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第354条表見代表取締役社長など紛らわしい肩書には表見責任1項旧商法 12件
  • 代表権のない取締役に社長・副社長などの名称を付けた場合の規定
  • その名称を信じた善意の第三者に対して会社が責任を負う
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3

招集と決議

招集通知・特別利害関係人・書面決議

第366条招集権者取締役会は各取締役が招集できる3項判例なし
  • 定款や取締役会で招集権者を定めた場合はその者が招集する
  • 招集権者以外の取締役も、目的事項を示せば招集を請求できる
  • 請求から5日以内に2週間以内の日を招集通知しないときは自分で招集できる
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第368条招集手続招集は原則1週間前までに通知2項判例なし
  • 取締役会の日の1週間前までに各取締役(監査役設置会社は監査役にも)通知
  • 定款でこれより短い期間を定めればその期間でよい
  • 取締役(監査役設置会社は監査役も)全員が同意すれば招集手続を省略できる
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第369条取締役会の決議決議は過半数出席・過半数の賛成が原則5項判例なし
  • 議決に加わる取締役の過半数出席・出席者の過半数の賛成で決議(定款で引上げ可)
  • 特別の利害関係がある取締役は、その決議に加わることができない
  • 議事録に異議をとどめない出席取締役は、決議に賛成したと推定される
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第370条取締役会の決議の省略書面等の全員同意で決議を省略できる1項判例なし
  • 定款で定めれば、取締役全員の書面等の同意で決議があったとみなせる
  • 監査役設置会社は監査役が異議を述べると、この省略はできない
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4

議事録を残す

記載事項と備置き、閲覧できる人

第371条議事録等議事録は10年間本店に備え置く6項・2号判例なし
  • 取締役会の議事録(省略決議の書面等含む)を10年間本店に備え置く
  • 株主は権利行使に必要なときは営業時間内いつでも閲覧・謄写を請求できる
  • 監査役設置会社などでは閲覧に裁判所の許可が必要
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第362条会社法

取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めの効力

裁判要旨取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年2月21日 平成28(許)24
登載
民集 第71巻2号195頁
参照法条
会社法295条2項,会社法362条2項3号
論点2第362条会社法

株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をしたことを理由に同取引の無効を会社以外の者が主張することの可否

裁判要旨株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をした場合,当該会社以外の者が取締役会の決議を経ていないことを理由にその無効を主張することは,当該会社の取締役会が上記無効を主張する旨の決議をしているなどの特段の事情がない限り,許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年4月17日 平成19(受)1219
登載
民集 第63巻4号535頁
参照法条
会社法362条4項,会社法349条4項
論点3第349条会社法

1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役と当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続についての代表権の有無
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と当該刑事事件に係る訴訟手続についての取締役の代表権の消長
4 汚水を下水道に放流する行為が下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)の罰則の対象となり得ることと廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条〈通知義務〉違反の罪の成否

裁判要旨1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらない。
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、破産手続が終了するまでの間、当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する。
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する取締役は、会社法478条1項2号〈清算人の就任 定款で定める者〉又は3号に掲げる者がある場合を除き、破産手続の終了後は、当該刑事事件に係る訴訟手続について清算人の立場で当該会社を代表する。
4 汚水を下水道に放流する行為は、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)によって基準に適合しない下水の排除として規制され、同法の罰則の対象となり得るとしても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条〈通知義務〉違反の罪が成立し得る。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和8年4月7日 令和6(あ)1479
登載
―
参照法条
(1、3につき)会社法475条1号、会社法476条、会社法481条1号 (1につき)刑訴法339条1項4号 (2、3につき)刑訴法27条1項 (2につき)会社法330条、会社法349条1項、民法653条2号、破産法78条1項 (3につき)会社法478条1項、会社法483条1項 (4につき)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)1条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)25条1項14号、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)32条1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)1条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)12条の2第1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)38条1項1号、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)45条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)46条1項1号
論点4第354条旧商法下の裁判例

取締役会の無効な決議により選任された代表取締役がした行為と商法二六二条の類推適用

裁判要旨取締役会の無効な決議により選任された代表取締役が会社の代表としてした行為については、会社は、商法二六二条の類推適用により、善意の第三者に対してその責に任ずべきものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年4月24日 昭和54(オ)475
登載
集民 第132号585頁
参照法条
商法262条
論点5第354条旧商法下の裁判例

代表権の欠缺を知らないことにつき重大な過失がある第三者と商法二六二条に基づく会社の責任

裁判要旨会社は、商法二六二条所定の表見代表取締役の行為につき、重大な過失によりその代表権の欠缺を知らない第三者に対しては、責任を負わない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年10月14日 昭和52(オ)106
登載
民集 第31巻6号825頁
参照法条
商法262条
論点6第354条旧商法下の裁判例

更生会社の管財人が数人あるのにそのうちの一人が単独で手形行為をした場合に商法二六二条の類推適用があるとされた事例

裁判要旨更生会社の管財人が数人あるにもかかわらず、そのうちの一人が、単独で、管財人の名称を使用して手形行為をした場合において、手形の取得者が、右一人の管財人が単独で手形行為をなすことができると信じて手形を取得し、更生会社においては、数人の管財人の間に会社更生法九七条一項但書の職務分掌の定めはなかつたが、右一人の管財人が更生会社の管財人として常勤し、他の管財人の同意のもとに事実上更生会社の経営部門の職務を担当し、自己の単独名義で手形行為をなすことを他の管財人が黙認していた事情があるときは、更生会社は、商法二六二条の類推適用により、手形行為者としての責に任じなければならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年2月23日 昭和44(オ)1048
登載
民集 第25巻1号151頁
参照法条
会社更生法97条1項,商法262条
論点7第354条旧商法下の裁判例

一、会社の訴訟上の代表者の確定と民法一〇九条、商法二六二条の適用の有無
二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合の措置

裁判要旨一、民法一〇九条、商法二六二条は、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。
二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合には、原告に対し訴状の補正を命じさせるため、事件を第一審裁判所に差し戻すべきであり、ただちに訴を不適法として却下すべきではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年12月15日 昭和45(オ)112
登載
民集 第24巻13号2072頁
参照法条
民訴法58条,民訴法45条,民訴法388条,民訴法389条,民法109条,商法262条
論点8第354条旧商法下の裁判例

一、代表取締役代行者なる名称と商法二六二条
二、いわゆる持ち廻りの方式によつたため有効な取締役会の決議とは認められないとされた事例
三、代表者選任が無効な場合において商法二六二条の類推適用が認められた事例

裁判要旨一、代表取締役代行者なる名称は、商法二六二条にいう会社を代表する権限を有するものと認むべき名称に該当する。
二、株式会社の代表取締役が行方不明となる緊急状態が生じたので、他の取締役全員が、判示のように、取締役甲に代表権を付与することを承認した場合において、その承認が、いわゆる持ち廻りの方式によるものであるときは、有効な取締役会の決議とは認められず、取締役甲は、会社の代表権を取得しない。
三、株式会社の代表取締役が行方不明のため、他の取締役全員により、正式に代表取締役が選任されるまでの間一時的に、会社の代表権を行使することを承認された取締役が、右承認に基づき、代表権を有するものと認むべき名称を使用してその職務を行なつたときは、右承認が取締役会の代表者選任決議と認められず、無効の場合であつても、会社は、商法二六二条の類推適用により、右名称を付した取締役の行為につき、善意の第三者に対してその責に任ずべきものである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年11月27日 昭和40(オ)1197
登載
民集 第23巻11号2301頁
参照法条
商法262条,商法260条ノ2第1項,商法261条1項
論点9第354条旧商法下の裁判例

共同代表の定があるのに代表取締役の一人が単独の代表名義で約束手形を振り出した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例

裁判要旨共同代表の定があるのにかかわらず、代表取締役の一人が、単独で、代表取締役の名称を使用して約束手形を振り出した場合においても、右手形の取得者が、共同代表の定の登記がされていることを知らず、右代表取締役が社長と称し会社の主宰者として行動している事実から単独の代表権を有するものと信じてこれを取得し、会社においても当時右代表取締役が社長と称して行動することを許容し、または黙認していた等の事情が存在するときは、会社は、右手形について、商法第二六二条の類推適用により、振出人としての責に任ずるものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和41(オ)684
登載
民集 第22巻13号3349頁
参照法条
商法262条,商法261条,商法12条
論点10第354条旧商法下の裁判例

表見代表取締役が自己の利益を図るためにした行為と会社の責任

裁判要旨商法第二六二条は、第三者が代表権の欠缺について善意であるかぎり、表見代表取締役のした行為の目的のいかんにかかわらず適用され、行為者の意図が自己の利益を図ることにあつた場合においては、第三者がその意図を知り、または知りうべかりしときにかぎり、会社は、民法第九三条但書の提起を類推適用して、その責を免れることができるにすぎないものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年7月6日 昭和41(オ)875
登載
集民 第88号1頁
参照法条
商法262条,民法93条但書
論点11第354条旧商法下の裁判例

共同代表の定めがあるのに代表取締役が単独で代表権限を行使した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例

裁判要旨共同代表の定めがあり、その旨の登記がある場合において、当該代表取締役が単独で代表権限を行使できる者であると見られる外観をもつて代表取締役の名称を使用しているのに対し、これを他の代表取締役全員が黙認していた等原審認定の事実関係(原判決理由参照)のもとでは、当該代表取締役が単独で行なつた法律行為についても、会社は、商法第二六二条の規定の類推適用により善意の第三者に対してその責に任ずるものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年4月28日 昭和41(オ)1042
登載
民集 第21巻3号496頁
参照法条
商法262条,商法261条,商法12条
論点12第354条旧商法下の裁判例

表見代表取締役の行為につき会社が責任を負うためには第三者の無過失を要するか

裁判要旨表見代表取締役の行為につき会社が責任を負うためには、第三者が善意であれば足り、その無過失を要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年11月10日 昭和41(オ)777
登載
民集 第20巻9号1771頁
参照法条
商法262条
論点13第354条旧商法下の裁判例

表見代表取締役が直接代表取締役の記名押印をして会社名義の約束手形を振り出した場合と商法第二六二条の適用の有無。

裁判要旨会社名義で振り出された約束手形につき、手形面上に会社代表者として表示されている者に代表権はあるが、右代表者の記名押印をした者に代表権がない場合であつても、会社が後者に対して常務取締役等会社を代表する権限を有するものと認められる名称を与えており、かつ、手形受取人が右後者の代表権の欠缺につき善意であるときは、右後者が自己の氏名を手形面上に表示した場合と同様、会社は手形金支払の責を負うものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年4月9日 昭和37(オ)433
登載
民集 第19巻3号632頁
参照法条
商法262条
論点14第354条旧商法下の裁判例

民法第一一二条の表見代理の主張に対し商法第二六二条の表見代表取締役の規定を適用して判断することの可否。

裁判要旨当事者が民法第一一二条の表見代理による約束手形金の支払請求を主張している場合であっても、商法第二六二条の要件事実が主張されている以上、同条の表見代表取締役の行為による会社に対する責任に基づいて、請求を認容することに違法はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年6月12日 昭和38(オ)306
登載
集民 第74号57頁
参照法条
民法112条,商法262条,民訴法186条
論点15第354条旧商法下の裁判例

会社の使用人が代表取締役の承認のもとに常務取締役の名称を使用してなした行為に対する商法第二六二条の類推適用の有無。

裁判要旨商法第二六二条は、会社の使用人が代表取締役の承認のもとに常務取締役の名称を使用してなした行為につき、類推適用されると解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年10月14日 昭和32(オ)596
登載
民集 第14巻12号2499頁
参照法条
商法262条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第362条(取締役会の権限等) 詳細ページ
(取締役会の権限等)
第三百六十二条取締役会は、すべての取締役で組織する。
2取締役会は、次に掲げる職務を行う。
一取締役会設置会社の業務執行の決定
二取締役の職務の執行の監督
三代表取締役の選定及び解職
3取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一重要な財産の処分及び譲受け
二多額の借財
三支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。
会社法 第363条(取締役会設置会社の取締役の権限) 詳細ページ
(取締役会設置会社の取締役の権限)
第三百六十三条次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
一代表取締役
二代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
2前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。
会社法 第349条(株式会社の代表) 詳細ページ
(株式会社の代表)
第三百四十九条取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。
3株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
会社法 第354条(表見代表取締役) 詳細ページ
(表見代表取締役)
第三百五十四条株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。
会社法 第366条(招集権者) 詳細ページ
(招集権者)
第三百六十六条取締役会は、各取締役が招集する。ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。
2前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。
3前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。
会社法 第368条(招集手続) 詳細ページ
(招集手続)
第三百六十八条取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。
2前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
会社法 第369条(取締役会の決議) 詳細ページ
(取締役会の決議)
第三百六十九条取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
3取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
会社法 第370条(取締役会の決議の省略) 詳細ページ
(取締役会の決議の省略)
第三百七十条取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。
会社法 第371条(議事録等) 詳細ページ
(議事録等)
第三百七十一条取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。
2株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。
4取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
5前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。
6裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。
出

一次情報

原文ママ

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