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時効

民法の出題範囲にある論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

時効は、一定期間権利を行使しないと権利が消滅する消滅時効と、占有を続けることで権利を取得する取得時効からなる制度です。生命・身体の侵害や親子・後見関係の債権には通常より長い期間が定められているほか、裁判上の請求や協議の合意などがあると時効の完成が猶予されたり更新されたりします。ここでは、消滅時効の期間の特則と、完成猶予・更新の仕組みを条文にもとづいて整理しています。

消滅時効の期間の特則
対象消滅時効の期間
不法行為(生命・身体以外)知った時から3年 / 行為時から20年
生命・身体を害する不法行為知った時から5年 / 行為時から20年
生命・身体侵害(債務不履行等)10年→20年に延長
親子間の財産管理に関する債権管理権消滅から5年
後見人・被後見人間の財産管理債権管理権消滅から5年(親子間と同様)
  • 子が未成年で法定代理人がいない場合、832条の5年は成年到達または後任法定代理人就職の時から起算する
  • 875条の消滅時効は、後見に関する法律行為を取り消した場合はその取消しの時から起算する
  • 完成猶予・更新の効力は、事由が生じた当事者とその承継人の間にのみ及ぶ
  • 占有者が任意に占有をやめたり、他人に占有を奪われたりすると取得時効は中断する
  • 協議を行う旨の合意による完成猶予は、再度合意しても通算5年が上限
  • 未成年者・成年被後見人に法定代理人がないときは、6か月間は時効が完成しない
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時効

時効について、条文は何を定めているか。

第724_2条人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効生命・身体侵害は時効期間が5年に延びる1項判例なし
  • 724条1号〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。〉の3年間を5年間に読み替える特則
  • 対象は生命・身体を害する不法行為に限る
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第167条人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効生命・身体侵害は時効期間が20年に延びる1項判例 18件
  • 前条(166条〈債権等の消滅時効〉)1項2号の10年間を20年間に読み替える
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第832条財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効親子間の財産管理債権は5年で消滅する2項判例なし
  • 管理権が消滅した時から5年間行使しないと時効消滅
  • 子が未成年で法定代理人がなければ成年到達等から起算
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第147条裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新裁判上の請求をすると時効の完成が止まり更新もされる2項・4号判例 59件
  • 裁判上の請求、支払督促、和解・調停、破産手続参加等が対象
  • 事由終了まで時効は完成しない(未確定なら終了後6か月)
  • 権利が確定すれば、その終了時から時効が新たに進行する
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第153条時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲時効の完成猶予・更新は当事者と承継人にのみ及ぶ3項判例 14件
  • 147条〈裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新〉・148条〈強制執行等による時効の完成猶予及び更新〉の完成猶予・更新は事由が生じた当事者・承継人間のみ有効
  • 149条〈仮差押え等による時効の完成猶予〉〜151条〈協議を行う旨の合意による時効の完成猶予〉の完成猶予も当事者・承継人間のみ有効
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第158条未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予法定代理人がいない未成年者等は時効が猶予される2項判例 3件
  • 満了前6か月以内に法定代理人がなければ、就職等から6か月は完成しない
  • 財産管理者の父母・後見人への権利も同様に6か月猶予される
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第148条強制執行等による時効の完成猶予及び更新強制執行や担保権実行も時効を止め更新する2項・4号判例 10件
  • 強制執行、担保権実行、財産開示手続等が事由に含まれる
  • 事由終了まで時効は完成せず、終了時から新たに進行する
  • 申立ての取下げ・取消しの場合は更新の効力が生じない
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第151条協議を行う旨の合意による時効の完成猶予書面で協議合意すれば時効の完成が猶予される5項・3号判例 1件
  • 合意から1年、定めた協議期間、拒絶通知から6か月のいずれか早い時まで猶予
  • 再度の合意も可能だが、通算で5年を超えて猶予できない
  • 催告中の合意や合意中の催告には猶予の効力がない
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第724条不法行為による損害賠償請求権の消滅時効不法行為の賠償請求権は3年・20年で消滅1項・2号判例 16件
  • 損害と加害者を知った時から3年で時効消滅
  • 不法行為の時から20年で時効消滅
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第164条占有の中止等による取得時効の中断占有をやめたり奪われたりすると取得時効は中断する1項判例 2件
  • 占有者が任意に占有をやめると取得時効が中断する
  • 他人に占有を奪われた場合も同様に中断する
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第875条後見に関して生じた債権の消滅時効後見関係の財産管理債権も832条〈財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効〉と同様の扱い2項判例なし
  • 後見人・後見監督人と被後見人の間の債権に832条〈財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効〉を準用
  • 法律行為を取り消した場合は取消しの時から起算する
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第149条仮差押え等による時効の完成猶予仮差押え・仮処分は時効の完成を6か月止める1項・2号判例 19件
  • 仮差押え・仮処分が終了した時から6か月は時効が完成しない
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第160条相続財産に関する時効の完成猶予相続財産の権利は相続人確定等から6か月猶予される1項判例 3件
  • 相続人確定、管理人選任、破産手続開始決定の時から6か月猶予
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第159条夫婦間の権利の時効の完成猶予夫婦間の権利は婚姻解消後6か月まで時効が猶予される1項判例 1件
  • 婚姻の解消の時から6か月を経過するまで時効は完成しない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第167条民法

農地の売買に基づく県知事に対する所有権移転許可申請協力請求権の消滅時効期間の経過後に右農地が非農地化した場合における所有権の移転及び非農地化後にされた時効援用の効力の有無

裁判要旨農地の売買に基づく県知事に対する所有権移転許可申請協力請求権の消滅時効期間が経過してもその後に右農地が非農地化した場合には、買主に所有権が移転し、非農地化後にされた時効の援用は効力を生じない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年3月17日 昭和59(オ)211
登載
民集 第40巻2号420頁
参照法条
民法145条,民法167条1項,農地法3条1項
論点2第167条民法

譲渡担保を設定した債務者の目的不動産に対するいわゆる受戻権と民法一六七条二項の規定の適用の可否

裁判要旨譲渡担保を設定した債務者による債務の弁済と右弁済に伴う目的不動産の返還請求権とを合体し、一個の形成権たる受戻権として、これに民法一六七条二項の規定を適用することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年1月22日 昭和55(オ)153
登載
民集 第36巻1号92頁
参照法条
民法167条2項,民法369条(譲渡担保)
論点3第167条民法

農地の受贈者の贈与者に対して有する知事に対する所有権移転許可申請協力請求権と消滅時効

裁判要旨農地の受贈者の贈与者に対して有する知事に対する所有権移転許可申請協力請求権は、民法一六七条一項〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の債権にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年10月1日 昭和56(オ)575
登載
集民 第134号23頁
参照法条
民法167条1項,農地法3条
論点4第167条民法

商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間

裁判要旨商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年1月24日 昭和53(オ)1129
登載
民集 第34巻1号61頁
参照法条
民法167条,民法703条,商法522条,利息制限法1条,利息制限法4条
論点5第167条民法

借地法一〇条による建物買取請求権の消滅時効が認められた事例

裁判要旨借地法一〇条による建物買取請求権は、当該土地明渡請求訴訟における訴状送達の時から一〇年の経過によりすでに時効により消滅している。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年9月21日 昭和54(オ)462
登載
集民 第127号469頁
参照法条
借地法10条,民法167条
論点6第167条民法

所有権移転登記請求権と消滅時効

裁判要旨不動産の譲渡による所有権移転登記請求権は、右譲渡によつて生じた所有権移転の事実が存する限り独立して消滅時効にかからない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年11月5日 昭和51(オ)727
登載
集民 第119号181頁
参照法条
民法167条,民法177条
論点7第167条民法

商法二六六条の三第一項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

裁判要旨商法二六六条の三第一項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は一〇年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年12月17日 昭和49(オ)768
登載
民集 第28巻10号2059頁
参照法条
民法167条1項,民法724条,商法266条の3第1項
論点8第167条民法

商事普通消滅時効のみを援用する場合に民事普通時効につき判断することの要否

裁判要旨債務者が商法五二二条所定の消滅時効のみを援用することが明らかな場合には、たとえ債権が弁済期から一〇年を経過していても、民法一六七条〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の時効につき判断することを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年6月14日 昭和47(オ)1011
登載
集民 第109号349頁
参照法条
民法145条,民法167条,商法522条
論点9第167条民法

一、弁済供託における供託金取戻請求が供託官により却下された場合と訴訟の形式
二、弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点および期間

裁判要旨一、弁済供託における供託金取戻請求が供託官により却下された場合には、供託官を被告として却下処分の取消の訴を提起することができる。
二、弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、供託の基礎となつた債務について紛争の解決などによつてその不存在が確定するなど、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行し、一〇年をもつて完成する。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年7月15日 昭和40(行ツ)100
登載
民集 第24巻7号771頁
参照法条
供託法1条ノ3,供託法8条2項,供託規則38条,民法166条1項,民法167条1項,民法496条1項,行政事件訴訟法3条2項,会計法30条
論点10第167条民法

一、農地の受贈者に農地法第三条第二項の不許可事由のある場合と受贈者より贈与者に対して所有権移転登記手続等を求める訴えの利益の有無
二、時効期間内に農地所有権移転登記手続の請求が提訴され時効期間経過後に知事に対する許可申請手続の請求が追加されたときと許可申請請求権の消滅時効の中断の成否

裁判要旨一、農地の受贈者に農地所有権移転に必要な知事の許可を妨げる事由がある場合であつても、右受贈者から贈与者に対して、知事に対する許可申請手続および右許可を条件とする所有権移転登記手続を求める訴えの利益は失われない。
二、農地の受贈者から贈与者に対し、時効期間内に、農地所有権移転登記手続の請求が提訴された場合において、その後、時効期間経過後に知事に対する許可申請手続の請求が追加されたときは、これにより右許可申請の請求権の消滅時効は中断される。
(原審大阪高裁昭和四〇年(ネ)第八五〇号昭和四〇・一二・二一判決、下級民集一六巻一二号一七八七頁参照。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和41(オ)441
登載
集民 第93号907頁
参照法条
農地法3条,民法149条,民法153条,民法167条,民訴法225条,民訴法232条,民訴法235条
論点11第167条民法

預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効と会員権の消長

裁判要旨預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効は、会員が施設の利用をしない状態が継続したことのみによっては進行せず、ゴルフ場経営会社が、会員に対してその資格を否定して施設の利用を拒絶し、あるいは会員の利用を不可能な状態としたような時から進行し、右利用権が時効により消滅したときは、ゴルフ会員権は、包括的権利としては存続し得ない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年9月5日 平成3(オ)771
登載
民集 第49巻8号2733頁
参照法条
民法166条1項,民法167条1項,民法第3編第2章契約
論点12第167条民法

遺留分減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権と消滅時効

裁判要旨遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権は、時効によって消滅することはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年6月9日 平成6(オ)2007
登載
集民 第175号549頁
参照法条
民法167条,民法884条,民法1042条
論点13第167条民法

商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に支払われた保険金に関する不当利得返還請求権の消滅時効期間

裁判要旨法定の免責事由があるにもかかわらず、商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に保険金が支払われた場合の不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年である。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年4月26日 平成1(オ)1232
登載
集民 第162号769頁
参照法条
民法167条1項,民法703条,商法522条,商法641条
論点14第167条民法

抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合における当該抵当権自体の消滅時効

裁判要旨抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合には,民法396条〈抵当権の消滅時効〉は適用されず,債務者及び抵当権設定者に対する関係においても,当該抵当権自体が,同法167条2項〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の20年の消滅時効にかかる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成30年2月23日 平成29(受)468
登載
民集 第72巻1号1頁
参照法条
民法167条2項,民法396条,破産法253条1項本文
論点15第167条民法

宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において,同条2項本文所定の公告がされなかったときにおける営業保証金の取戻請求権の消滅時効の起算点

裁判要旨宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において,同条2項本文所定の公告がされなかったときは,営業保証金の取戻請求権の消滅時効は,当該事由が発生した時から10年を経過した時から進行する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成28年3月31日 平成27(行ヒ)374
登載
民集 第70巻3号969頁
参照法条
民法166条1項,民法167条1項,宅地建物取引業法27条,宅地建物取引業法30条
論点16第167条民法

商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

裁判要旨商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉により10年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年1月28日 平成18(受)1074
登載
民集 第62巻1号128頁
参照法条
民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項,会社法430条
論点17第167条民法

瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効

裁判要旨瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年11月27日 平成10(オ)773
登載
民集 第55巻6号1311頁
参照法条
民法167条1項,民法566条3項,民法570条
論点18第167条民法

1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点
2 債権者不確知を原因とする弁済供託に係る供託金取戻請求の却下処分が違法とされた事例

裁判要旨1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は,過失なくして債権者を確知することができないことを原因とする弁済供託の場合を含め,供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行する。
2 過失なくして債権者を確知することができないことを原因として賃料債務についてされた弁済供託につき,同債務の各弁済期の翌日から民法169条所定の5年の時効期間が経過した時から更に10年が経過する前にされた供託金取戻請求に対し,同取戻請求権の消滅時効が完成したとしてこれを却下した処分は,違法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年11月27日 平成10(行ツ)22
登載
民集 第55巻6号1334頁
参照法条
供託法8条2項,民法166条1項,民法167条1項,民法169条,民法496条1項
論点19第147条民法

物上代位権の行使としての債権差押えと被差押債権の消滅時効中断の有無

裁判要旨抵当権者が物上代位権の行使として債務者の有する債権を差し押さえても、被差押債権の消滅時効は中断されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年7月15日 昭和60(オ)977
登載
集民 第154号333頁
参照法条
民法147条2号,民法304条,民法372条,民事執行法145条,民事執行法193条
論点20第147条民法

物上保証人がした被担保債権の存在の承認と相対的な時効中断効の有無

裁判要旨物上保証人が債権者に対し被担保債権の存在を承認しても、右の承認によつては、債権者と物上保証人との相対的関係においても、被担保債権について時効中断の効力は生じない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年9月3日 昭和58(オ)45
登載
集民 第151号633頁
参照法条
民法146条,民法147条3号,民法148条,民法156条
論点21第147条民法

手形金請求の訴えの提起と原因債権の消滅時効の中断

裁判要旨債務の支払のために手形の交付を受けた債権者が債務者に対して手形金請求の訴えを提起したときは、原因債権についても消滅時効中断の効力を生ずる。
(意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和62年10月16日 昭和60(オ)965
登載
民集 第41巻7号1497頁
参照法条
民法147条1号,民法149条,民訴法235条
論点22第147条民法

動産執行による時効中断の効力発生時期

裁判要旨動産執行による金銭債権の消滅時効中断の効力は、債権者が執行官に対しその執行の申立をした時に生ずる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年4月24日 昭和57(オ)727
登載
民集 第38巻6号687頁
参照法条
民法147条,民事執行法2条,民事執行法122条1項
論点23第147条民法

仮差押登記が競落により抹消された場合と時効中断の効力

裁判要旨不動産の仮差押による時効中断の効力は、第三者の申立による強制競売により右不動産が競落されて仮差押の登記が抹消されても失われず、右抹消の時まで中断事由が存続したものというべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年3月9日 昭和58(オ)824
登載
集民 第141号287頁
参照法条
民法147条2号,民法154条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)700条1項2号
論点24第147条民法

裏書の連続を欠く手形による手形金請求の訴えの提起と消滅時効の中断

裁判要旨裏書の連続を欠く手形による手形金請求の訴えを提起した場合でも、手形所持人がその実質的権利を証明するときは、右手形債権の消滅時効は中断する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年4月1日 昭和56(オ)783
登載
集民 第135号633頁
参照法条
手形法16条,手形法71条,手形法77条1項8号,民法147条
論点25第147条民法

仮処分債権者による権利行使の催告の申立と仮処分及び本案訴訟が不法行為であることによる損害賠償債務の承認又は時効利益の放棄

裁判要旨仮処分債権者が担保取消決定を得るため権利行使の催告の申立をしても、これによつて、右債権者は、仮処分債務者に対し、仮処分及び本案訴訟が不法行為であることによる損害賠償債務を承認し、あるいは、消滅時効の利益を放棄したものということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年9月19日 昭和50(オ)418
登載
集民 第116号53頁
参照法条
民法146条,民法147条3号,民訴法115条
論点26第147条民法

一、農買収計についての訴願棄却裁決が行政事件訴訟特例法に基づく取消訴訟により買収計画の違法を理由として取り消された場合と買収計画の効カ
ニ、二重訴訟解消のため前訴が取り下げられた場合と前訴の提起による時効中断の効力

裁判要旨一、農地買収計画についての訴願を棄却した裁決が行政事件訴訟特例法に基づく裁決取消の訴訟において買収計画の違法を理由として取り消されたときは、右買収計画は効力を失うと解すべきである。
二、二重訴訟を解消するために前訴が取り下げられても、前訴の請求がそのまま後訴においても維持されている場合は、前訴の提起により生じた時効中断の効力は消滅しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年11月28日 昭和49(オ)197
登載
民集 第29巻10号1797頁
参照法条
行政事件訴訟特例法12条,民法147条,民法149条,民訴法231条
論点27第147条民法

物上保証人に対する抵当権の実行による競売開始決定が債務者に告知された場合と被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨物上保証人に対する抵当権の実行により、競売裁判所が競売開始決定をし、これを債務者に告知した場合には、被担保債権についての消滅時効は中断する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年11月21日 昭和47(オ)723
登載
民集 第29巻10号1537頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法155条,民訴法204条,競売法25条,競売法27条
論点28第147条民法

主たる債務が手形債務である連帯保証人に対する裁判上の請求と手形債務の消滅時効の中断

裁判要旨手形債務を主たる債務として手形外の連帯保証契約が締結されている場合において、連帯保証人に対し裁判上の請求がされたときは、手形債務についても消滅時効が中断する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年9月7日 昭和46(オ)774
登載
集民 第110号13頁
参照法条
民法147条1号,民法149条,民法434条,民法458条,手形法71条
論点29第147条民法

公正証書に関する請求異議訴訟における債権者の応訴が当該債権の消滅時効を中断しない場合

裁判要旨公正証書に関する請求異議訴訟において、債権者が応訴して債権の存在を主張した場合でも、右証書の作成嘱託についての代表権欠缺を理由に請求が認容され、その債権の存否が判断されなかつたときは、右債権につき、裁判上の請求に準ずる消滅時効中断の効力は生じない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年2月16日 昭和47(オ)210
登載
民集 第27巻1号149頁
参照法条
民法147条1号,民法149条
論点30第147条民法

商法五〇四条但書に基づき相手方が債権者として本人または代理人を選択しうる場合における本人の請求と代理人の債権についての消滅時効の中断

裁判要旨代理人がした商行為による債権につき本人が提起した債権請求訴訟の係属中に、相手方が商法五〇四条但書に基づき債権者として代理人を選択したときは、本人の請求は、右訴訟が係属している間代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼすものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年10月30日 昭和44(オ)1135
登載
民集 第27巻9号1258頁
参照法条
商法504条,商法522条,民法147条,民法148条,民法153条
論点31第147条民法

債権者のする破産宣告の申立と時効中断事由

裁判要旨債権者のする破産宣告の申立は、債権の消滅時効の中断事由たる裁判上の請求にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年3月21日 昭和46(オ)74
登載
集民 第105号305頁
参照法条
民法147条1号,民法149条,民法152条
論点32第147条民法

一、自作農創設特別措置法による買収計画または買収処分に対する取消訴訟の提起と買収土地の取得時効の中断
二、自作農創設特別措置法による土地の被買収者が右土地の売渡の相手方に対し取得時効を中断する方法
三、自作農創設特別措置法による買収土地が売渡の相手方により時効取得された場合と右土地の所有権の回復のみを目的とする買収計画取消訴訟の利益

裁判要旨一、自作農創設特別措置法に基づき所有土地を買収された者が買収計画または買収処分に対する取消訴訟を提起しても、右土地につき売渡の相手方のために進行する取得時効は中断されない。
二、自作農創設特別措置法に基づき所有土地を買収された者は、右土地の売渡の相手方を被告として、買収計画または買収処分の取消を条件とする原状回復の請求(土地の返還、所有権取得登記の抹消等の請求)の訴または右取消によつて土地所有権を回復すべき法律上の地位に関し条件付権利の確認の訴を提起する等の方法によつて、右土地につき売渡の相手方のために進行する取得時効を中断することができる。
三、自作農創設特別措置法に基づき買収土地の売渡を受けた者が右土地を時効取得したときは、被買収者が右土地の所有権の回復のみを目的として提起した買収計画取消訴訟は、その利益を失う。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月12日 昭和46(行ツ)46
登載
民集 第26巻10号1850頁
参照法条
自作農創設特別措置法3条1項,自作農創設特別措置法16条1項,民法147条,民法148条,民法162条,民訴法226条,行政事件訴訟法9条
論点33第147条民法

債務不履行による損害の一部の賠償請求権を被保全権利とする仮差押が他の損害について消滅時効を中断しないとされた事例

裁判要旨店舗を賃貸する旨の約定の不履行による損害のうち営業上の逸失利益の賠償請求権を被保全権利としてした仮差押は、通常の借家権価格相当の損害賠償請求権については、消滅時効を中断しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年11月28日 昭和45(オ)121
登載
集民 第107号241頁
参照法条
民法147条2号,民法154条,民法416条,民訴法737条
論点34第147条民法

破産宣告手続における申立債権者の権利行使意思の表示による時効中断の効力と破産申立の取下

裁判要旨破産の申立債権者の破産宣告手続における権利行使意思の表示は、破産の申立が取り下げられた場合においても、債務者に対する催告として時効中断の効力を有し、右債権者は、取下の時から六か月内に訴を提起することにより、当該債権の消滅時効を確定的に中断することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年9月10日 昭和45(オ)85
登載
民集 第24巻10号1389頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法153条,破産法132条
論点35第147条民法

一、得べかりし利益の喪失による損害額の算定と租税控除の要否
二、一部請求の趣旨が明示されていない場合の訴提起による時効中断の範囲

裁判要旨一、不法行為の被害者が負傷のため営業上得べかりし利益を喪失したことによつて被つた損害額を算定するにあたつては、営業収益に対して課せられるべき所得税その他の租税額を控除すべきではない。
二、一個の債権の一部についてのみ判決を求める趣旨が明示されていないときは、訴提起による消滅時効中断の効力は、右債権の同一性の範囲内においてその全部に及ぶ。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年7月24日 昭和44(オ)882
登載
民集 第24巻7号1177頁
参照法条
民法709条,民法147条1号,民法149条,所得税法9条1項21号,民訴法235条
論点36第147条民法

債務者に代位して債務者の権利を主張する訴を提起した債権者が右権利を譲り受けたうえ従前の訴を右権利を自己の権利として主張する訴に変更する手続をとつた場合と従前の訴の提起に基づく右権利の消滅時効中断の効果

裁判要旨債務者に代位して債務者の権利を主張する訴を提起した債権者が、その訴訟の係属中に債務者から右権利を譲り受けたうえ、従前の訴を右権利を自己の権利として主張する訴に変更する手続をとつた場合においても、訴訟物自体には変更がないから、従前の訴の取下の効果は発生せず、その訴の提起に基づく右権利の消滅時効中断の効果も消滅しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年2月14日 昭和43(オ)552
登載
集民 第94号311頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法423条,民訴法232条,民訴法235条,民訴法237条
論点37第147条民法

抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟の応訴と被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨債務者兼抵当権設定者が債務の不存在を理由として提起した抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟において、債権者兼抵当権者が請求棄却の判決を求め被担保債権の存在を主張したときは、右主張は、裁判上の請求に準ずるものとして、被担保債権につき消滅時効中断の効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年11月27日 昭和44(オ)491
登載
民集 第23巻11号2251頁
参照法条
民法147条,民法149条
論点38第147条民法

国税徴収権の消滅時効の中断と民法第一五三条の準用の有無

裁判要旨徴税機関が、未納国税額につき納付を催告し、その後六箇月内に差押等の手段をとつたときは、民法第一五三条〈時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲〉の準用により、国税徴収権の消滅時効は中断されるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月27日 昭和39(行ツ)91
登載
民集 第22巻6号1379頁
参照法条
旧国税徴収法(明治30年法律第21号)1条,旧国税徴収法(明治30年法律第21号)10条,会計法31条,民法147条,民法153条
論点39第147条民法

一、民法第七二四条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉の「損害及ヒ加害者ヲ知リタル時」にあたるとされた事例
二、一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴を提起した場合と右残部についての消滅時効中断の効力

裁判要旨一、登記官吏の過失により虚偽の所有権移転登記がされ、これを信頼して土地を買い受け、その地上に建物を建築したものが、右事実関係を知り自己が右土地の所有権を取得しえないことを知つたときは、その時に、右建物を収去することによつて生ずる損害についてもその損害および加害者を知つたものと解するのが相当である。
二、不法行為に基づく損害賠償債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴を提起した場合、訴提起による消滅時効中断の効力はその一部の範囲においてのみ生じ、残部には及ばないと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月27日 昭和38(オ)842
登載
集民 第91号461頁
参照法条
民法724条,民法147条1号,国家賠償法1条,国家賠償法4条
論点40第147条民法

手形金債務の承認による消滅時効の中断。

裁判要旨手形金債務の消滅時効が承認により中断せられるためには、該手形の呈示を伴う手形金の請求がなければならないものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年8月24日 昭和37(オ)683
登載
集民 第75号93頁
参照法条
手形法38条,民法147条3号
論点41第147条民法

手形の呈示を伴わない催告による時効中断の効力の有無。

裁判要旨手形の呈示を伴わない催告にも、手形債権の時効を中断する効力がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年1月24日 昭和37(オ)1429
登載
集民 第71号309頁
参照法条
民法147条,民法153条,手形法38条1項
論点42第147条民法

手形を所持しない手形権利者の裁判上の請求と時効中断の有無。

裁判要旨手形権利者が手形を所持しないでなした裁判上の請求によつても、時効中断の効力がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年11月24日 昭和37(オ)522
登載
民集 第18巻9号1952頁
参照法条
民法147条1号,手形法38条1項,手形法39条1項
論点43第147条民法

一 訴提起による時効中断の効力発生の時期
二 上告審において職権調査の結果原審と異る事実認定のもとに適法な訴状送達があつたと判断した事例

裁判要旨訴提起による時効中断の効力発生の時期は、訴状受理の時であつて、訴状送達の時ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年2月1日 昭和36(オ)855
登載
集民 第64号361頁
参照法条
民法147条,民訴法235条,民訴法223条
論点44第147条民法

手形の呈示を伴わない催告による時効中断の効力の有無。

裁判要旨手形の呈示を伴わない催告にも、手形債権の時効を中断する効力がある。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和38年1月30日 昭和35(オ)533
登載
民集 第17巻1号99頁
参照法条
民法147条1号,民法153条,手形法38条1項,手形法9条1項
論点45第147条民法

訴訟上の留置権の抗弁と被担保債権の消滅時効の中断。

裁判要旨留置権の抗弁は、被担保債権の債務者が原告である訴訟において提出された場合には、当該債権について消滅時効中断の効力があり、かつ、その効力は、右抗弁の撤回されてないかぎり、その訴訟係属中存続するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和38年10月30日 昭和35(オ)362
登載
民集 第17巻9号1252頁
参照法条
民法147条1号,民法153条,民法300条
論点46第147条民法

手形の呈示を伴わない催告による時効中断の効力の有無。

裁判要旨手形の呈示を伴わない催告には、手形債権の時効を中断する効力がない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年7月20日 昭和34(オ)471
登載
民集 第15巻7号1892頁
参照法条
民法147条1号,民法153条,手形法38条1項,手形法39条1項
論点47第147条民法

債権者のする破産宣告の申立と時効中断事由。

裁判要旨債権者のする破産宣告の申立は、債権の消滅時効の中断事由たる裁判上の請求にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年12月27日 昭和35(オ)655
登載
民集 第14巻14号3253頁
参照法条
民法147条1号,民法149条
論点48第147条民法

一 訴訟上の相殺の主張の撤回と受働債権につきなされた債務承認の効力
二 相殺の主張をする訴訟代理人と受働債権につき債務の承認をする権限の有無

裁判要旨一 訴訟上相殺の主張をするにあたり、受働債権につき時効中断事由たる債務の承認がなされたものと認められる場合、その後相殺の主張が撤回されても承認による時効中断の効力は失われない。
二 訴訟上相殺の主張をする訴訟代理人は、特別の授権がなくても、受働債権につき債務の承認をする権限があるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年12月23日 昭和33(オ)494
登載
民集 第14巻14号3166頁
参照法条
民法147条3号,民訴法199条2項,民訴法81条
論点49第147条民法

債権の一部についてのみ判決を求める旨明示した訴の提起と消滅時効中断の範囲。

裁判要旨一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨明示して訴の提起があつた場合、訴提起による消滅時効中断の効力は、その一部の範囲においてのみ生じ残部におよばない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年2月20日 昭和31(オ)388
登載
民集 第13巻2号209頁
参照法条
民法147条,民訴法235条
論点50第147条民法

境界確定訴訟の提起による所有権に関する取得時効中断の効力が生じないものとされる場合

裁判要旨隣接する一方の土地の所有者甲が、乙主張の境界を越えて隣接地の一部を占有しているため、右隣接地の所有者乙が甲による右占有部分の取得時効完成前に甲に対して提起した境界確定訴訟において、乙主張のとおり両土地の境界が確定されても、右境界確定訴訟と併合審理された乙の甲に対する土地所有権に基づく右占有部分の明渡請求が、当該部分に関する乙の所有権が否定された結果棄却された場合には、右占有部分について、境界確定訴訟の提起による所有権に関する取得時効中断の効力は生じないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成元年3月28日 昭和58(オ)216
登載
集民 第156号373頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法162条,民訴法225条
論点51第147条民法

不動産強制競売手続において抵当権者がする債権の届出と時効の中断

裁判要旨不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年10月13日 平成1(オ)653
登載
民集 第43巻9号985頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法152条,民事執行法50条
論点52第147条民法

一 主たる債務者の破産手続において債権全額を代位弁済した保証人が債権の届出名義の変更の申出をした場合における求償権の消滅時効の中断
二 主たる債務者の破産手続において債権全額を代位弁済した保証人が債権調査期日の後に債権の届出名義の変更の申出をした場合における求償権の消滅時効期間

裁判要旨一 債権者が主たる債務者の破産手続において債権全額の届出をした後、右債権全額を代位弁済した保証人が、破産裁判所に債権の届出をした者の地位を承継した旨の届出名義の変更の申出をしたときは、右代位弁済により保証人が取得した求償権の消滅時効は、右求償権の全部について右届出名義の変更の申出の時から破産手続の終了に至るまで中断する。
二 債権者が主たる債務者の破産手続において債権全額の届出をした後、右債権全額を代位弁済した保証人が、債権調査期日の後になって破産裁判所に債権の届出をした者の地位を承継した旨の届出名義の変更の申出をしたときは、債権調査期日において届出債権について破産管財人、破産債権者及び破産者に異議がなかったときであっても、求償権の消滅時効期間は、民法一七四条ノ二第一項により一〇年に変更されるものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年9月9日 平成7(オ)740
登載
集民 第185号287頁
参照法条
民法147条,民法152条,民法174条ノ2第1項,民法501条,破産法26条2項,破産法240条1項,破産法287条1項
論点53第147条民法

連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行と主債務の消滅時効の中断

裁判要旨甲の債務者乙の連帯保証人である丙の債務を担保するため、丁が物上保証人となった場合において、甲が丁に対して競売を申し立て、その手続が進行することは、乙の主債務の消滅時効の中断事由に該当しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成8年9月27日 平成7(オ)1914
登載
民集 第50巻8号2395頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法149条,民法153条,民法155条,民法434条,民法458条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点54第147条民法

物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期

裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成8年7月12日 平成5(オ)1788
登載
民集 第50巻7号1901頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法155条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点55第147条民法

第三者の申立てに係る不動産競売手続において抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことと右債権の残部についての時効の中断

裁判要旨第三者の申立てに係る不動産競売手続において、抵当権者が、債権の届出をし、その届出に係る債権の一部に対する配当を受けたとしても、右配当を受けたことは、右債権の残部について、差押えその他の消滅時効の中断事由に該当せず、これに準ずる消滅時効中断の効力も有しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年3月28日 平成4(オ)2107
登載
民集 第50巻4号1172頁
参照法条
民法147条,民事執行法50条,民事執行法84条1項
論点56第147条民法

物上保証人に対する不動産競売の開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合には、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、右正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年9月5日 平成7(オ)374
登載
民集 第49巻8号2784頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法155条,民訴法172条,民訴法173条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点57第147条民法

一 主たる債務者の破産手続の債権調査期日終了後に債権全額を弁済した保証人が債権の届出名義の変更の申出をした場合における右保証人の求償権の消滅時効の中断
二 主たる債務者の破産手続の債権調査期日において債権者の届出債権につき異議がなく保証人がその後に債権全額を弁済した場合における求償権の消滅時効期間

裁判要旨一 債権者が主たる債務者の破産手続において債権全額の届出をし、保証人が、債権調査期日終了後に債権全額を弁済した上、破産裁判所に債権の届出をした者の地位を承継した旨の届出名義の変更の申出をしたときは、右弁済により保証人が取得した求償権の消滅時効は、右求償権の全部について右届出名義の変更の時から破産手続の終了に至るまで中断する。
二 主たる債務者の破産手続の債権調査期日において債権者の届出債権につき破産管財人、破産債権者及び破産者に異議がなく、保証人が、その後に債権全額を弁済した上、破産裁判所に債権の届出をした者の地位を承継した旨の届出名義の変更の申出をしたときであっても、右弁済により保証人が取得した求償権の消滅時効期間は、民法一七四条ノ二第一項により一〇年に変更されるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年3月23日 平成3(オ)1493
登載
民集 第49巻3号984頁
参照法条
民法147条,民法152条,民法501条,民法174条ノ2第1項,破産法26条2項,破産法240条1項,破産法287条1項
論点58第147条民法

物上保証人が債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することの許否

裁判要旨物上保証人は、債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年3月10日 平成6(オ)2325
登載
集民 第174号811頁
参照法条
民法147条3号,民法148条,民法396条
論点59第147条民法

仮差押解放金の供託による仮差押えの執行の取消しと時効中断の効力

裁判要旨仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押解放金の供託により仮差押えの執行が取り消された場合においても、なお継続する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年6月21日 平成2(オ)1211
登載
民集 第48巻4号1101頁
参照法条
民法147条2号,民法157条1項,民事執行法(平成元年法律第91号による改正前のもの)179条,民事保全法51条
論点60第147条民法

民事調停法に基づく調停の申立てと民法一五一条による時効中断の効力

裁判要旨民事調停法に基づく調停が不成立によって終了した場合においても、一か月以内に訴えを提起したときは、民法一五一条〈協議を行う旨の合意による時効の完成猶予〉の類推適用により、調停の申立ての時に時効中断の効力が生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年3月26日 平成4(オ)580
登載
民集 第47巻4号3201頁
参照法条
民法147条,民法151条,民事調停法19条
論点61第147条民法

貸金の支払を求める旨の支払督促が,当該支払督促の当事者間で締結された保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではないとされた事例

裁判要旨AのXに対する貸金債務についてYがXとの間で保証契約を締結した場合において,YがXから金員を借り受けた旨が記載された公正証書が上記保証契約の締結の趣旨で作成され, 上記公正証書に記載されたとおりYが金員を借り受けたとしてXがYに対して貸金の支払を求める旨の支払督促の申立てをしたとの事情があっても,上記支払督促は,上記保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年3月13日 平成28(受)944
登載
集民 第255号43頁
参照法条
民法147条1号,民法150条
論点62第147条民法

事前求償権を被保全債権とする仮差押えと事後求償権の消滅時効の中断

裁判要旨事前求償権を被保全債権とする仮差押えは,事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成27年2月17日 平成24(受)1831
登載
民集 第69巻1号1頁
参照法条
民法147条2号,民法154条,民法459条1項,民法460条
論点63第147条民法

保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合における共同保証人間の求償権の消滅時効中断の有無

裁判要旨保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年11月19日 平成25(受)2001
登載
民集 第69巻7号1988頁
参照法条
民法147条,民法442条,民法465条
論点64第147条民法

保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合における主たる債務の消滅時効の中断

裁判要旨保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成25年9月13日 平成23(受)2543
登載
民集 第67巻6号1356頁
参照法条
民法147条3号,民法446条
論点65第147条民法

1 いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において,債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断されたため判決において上記債権の総額の認定がされた場合における,残部についての消滅時効の中断
2 いわゆる明示的一部請求の訴えの提起と残部についての裁判上の催告としての消滅時効の中断
3 消滅時効期間の経過後,その経過前にした催告から6箇月以内にした催告と消滅時効の中断

裁判要旨1 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示した訴えに係る訴訟において,債権の一部が消滅している旨の抗弁に理由があると判断されたため,判決において上記債権の総額の認定がされたとしても,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。
2 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起された場合,債権者が将来にわたって残部をおよそ請求しない旨の意思を明らかにしているなど,残部につき権利行使の意思が継続的に表示されているとはいえない特段の事情のない限り,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の催告として消滅時効の中断の効力を生じ,債権者は,当該訴えに係る訴訟の終了後6箇月以内に民法153条所定の措置を講ずることにより,残部について消滅時効を確定的に中断することができる。
3 消滅時効期間が経過した後,その経過前にした催告から6箇月以内に再び催告をしても,第1の催告から6箇月以内に民法153条所定の措置を講じなかった以上は,第1の催告から6箇月を経過することにより,消滅時効が完成し,この理は,第2の催告が数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起されたことによる裁判上の催告であっても異ならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年6月6日 平成24(受)349
登載
民集 第67巻5号1208頁
参照法条
(1〜3につき)民法147条1号 (1につき)民法149条,民訴法147条 (2,3につき)民法153条
論点66第147条民法

物上保証人に対する不動産競売の開始決定正本が主債務者に送達された後に保証人が代位弁済をした上で差押債権者の承継を執行裁判所に申し出たが承継の申出について民法155条所定の通知がされなかった場合における保証人の主債務者に対する求償権の消滅時効の中断の有無

裁判要旨債権者が物上保証人に対して申し立てた不動産競売の開始決定正本が主債務者に送達された後に,主債務者から保証の委託を受けていた保証人が,代位弁済をした上で,債権者から物上保証人に対する担保権の移転の付記登記を受け,差押債権者の承継を執行裁判所に申し出た場合には,上記承継の申出について主債務者に対して民法155条所定の通知がされなくても,上記代位弁済によって保証人が主債務者に対して取得する求償権の消滅時効は,上記承継の申出の時から上記不動産競売の手続の終了に至るまで中断する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年11月14日 平成17(受)1594
登載
民集 第60巻9号3402頁
参照法条
民法147条,民法155条,民法501条,民事執行規則171条
論点67第147条民法

物上保証人所有の不動産を目的とする競売の開始決定の債務者への送達が債務者の所在が不明であるため公示送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨物上保証人所有の不動産を目的とする競売手続において,債務者の所在が不明であるため,開始決定の債務者への送達が公示送達によりされた場合には,民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に,被担保債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年10月25日 平成14(許)11
登載
民集 第56巻8号1942頁
参照法条
民法147条,民法155条,民訴法110条1項,民訴法111条,民訴法113条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点68第147条民法

一 極度額を超える金額の被担保債権を請求債権とする根抵当権の実行がされた場合に被担保債権について消滅時効中断の効力が生じる範囲
二 不動産競売の申立ての取下げがされた場合における被担保債権の消滅時効中断の効力の帰すう

裁判要旨一 債権者が、根抵当権の極度額を超える金額の被担保債権を請求債権として当該根抵当権の実行としての不動産競売の申立てをし、競売開始決定がされて同決定正本が債務者に送達された場合、被担保債権の消滅時効中断の効力は、当該極度額の範囲にとどまらず、請求債権として表示された当該被担保債権の全部について生じる。
二 物上保証人に対する不動産競売において、債務者に対する被担保債権の消滅時効中断の効力が生じた後、債権者が右競売の申立てを取り下げたときは、時効中断の効力は、初めから生じなかったことになる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年9月9日 平成8(オ)2422
登載
集民 第193号685頁
参照法条
民法147条2号,民法154条,民法398条ノ2第1項,民事執行規則170条
論点69第147条民法

一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求と時効の中断
二 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合における右配当要求による時効中断の効力

裁判要旨一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、差押えに準ずるものとして、配当要求に係る債権につき時効中断の効力を生ずる。
二 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に、不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合において、適法な配当要求が維持されていたときは、右の配当要求による時効中断の効力は、取消決定が確定する時まで継続する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年4月27日 平成9(オ)2037
登載
民集 第53巻4号840頁
参照法条
民法147条2号,民法154条,民事執行法14条民事執行法51条1項,
論点70第147条民法

一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が「当該職員」に該当しない者を誤って被告としたときにおける行政事件訴訟法一五条の準用の有無
二 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が「当該職員」には該当するものの現実に専決するなどの財務会計上の行為をしたと認められない者を誤って被告としたときにおける行政事件訴訟法一五条の準用の有無
三 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えにおいて行政事件訴訟法一五条の準用により被告の変更がされた場合の従前の被告に対する訴えの提起と新たな被告に対する請求権の時効の中断

裁判要旨一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えの原告が「当該職員」に該当しない者をを誤って被告としたときは、裁判所は行政事件訴訟法一五条を準用して、被告を変更することを許すことができる。
二 訓令等の事務処理上の明確な定めにより、財務会計上の行為に関し、額の多募に応じるなどして、専決することを任され、権限行使についての意思決定を行う者がそれぞれ規定されている場合において、地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えの原告が、当該財務会計上の行為につき専決することを任されている者として「当該職員」には該当するものの、現実に専決するなどの財務会計上の行為をしたと認められない者を誤って被告としたときは、裁判所は、行政事件訴訟法一五条を準用して、被告を変更することを許すことができる。
三 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えにおいて、原告が被告とすべき「当該職員」を誤ったとしてした被告変更の申立てに対して行政事件訴訟法一五条の準用による裁判所の許可決定がされた場合、従前の被告に対する訴えの提起は、新たな被告に対する損害賠償請求権又は不当利得返還請求権についての裁判上の請求又はこれに準ずる事項中断事由には該当しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年4月22日 平成9(行ツ)165
登載
民集 第53巻4号759頁
参照法条
地方自治法242条の2第1項4号,地方自治法242条の2第6項,行政事件訴訟法15条,行政事件訴訟法40条2項,行政事件訴訟法43条3項,民法147条1号,民法148条
論点71第147条民法

建築請負人からの注文者に対する請負契約に係る建物の所有権保存登記抹消登記手続請求訴訟の提起及び右訴訟の係属と請負代金債権の消滅時効の中断

裁判要旨建築請負人からの注文者に対する請負契約に係る建物の所有権保存登記抹消登記手続請求訴訟の提起は、右請負代金債権の消滅時効中断事由である裁判上の請求に準ずるものとはいえず、右訴訟の係属中右請負代金について催告が継続していたということもできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年11月25日 平成8(オ)718
登載
集民 第195号377頁
参照法条
民法147条1号,民法153条
論点72第147条民法

不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の係属によって不当利得返還請求権の消滅時効が中断するとされた事例

裁判要旨金員の着服を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において、右着服金員相当額の不当利得返還請求がその時効期間経過後に追加された場合、両請求が、基本的な請求原因事実を同じくする請求であり、着服金相当額の返還を請求する点において経済的に同一の給付を目的とする関係にあるなど判示の事情の下においては、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の係属中は、不当利得返還請求権につき催告が継続し、不当利得返還請求の追加により、その消滅時効は、確定的に中断されたものというべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年12月17日 平成6(オ)857
登載
集民 第190号889頁
参照法条
民法147条1号,民法153条,民訴法147条
論点73第147条民法

一 仮差押えによる時効中断の効力の継続
二 本案の勝訴判決の確定と仮差押えによる時効中断の効力

裁判要旨一 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続する。
二 仮差押えの被保全債権につき本案の勝訴判決が確定したとしても、仮差押えによる時効中断の効力が消滅するとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年11月24日 平成7(オ)1413
登載
民集 第52巻8号1737頁
参照法条
民法147条2号,民法157条1項,民法174条ノ2
論点74第147条民法

債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためにその債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることの要否

裁判要旨債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためには,その債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和元年9月19日 平成30(受)1137
登載
民集 第73巻4号438頁
参照法条
民法147条2号,民法155条
論点75第147条民法

破産管財人が別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し又は上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときに、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断する効力を有するか

裁判要旨破産管財人が、別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し、又は、上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときは、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断する効力を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和5年2月1日 令和4(許)16
登載
民集 第77巻2号183頁
参照法条
民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条3号、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)156条、民法152条、破産法78条1項
論点76第147条民法

不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるための要件

裁判要旨不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより,上記配当要求における配当要求債権について,差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるためには,民事執行法181条1項各号に掲げる文書により上記債権者が上記先取特権を有することが上記手続において証明されれば足り,債務者が上記配当要求債権についての配当異議の申出等をすることなく売却代金の配当又は弁済金の交付が実施されるに至ったことを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和2年9月18日 平成31(受)310
登載
民集 第74巻6号1762頁
参照法条
民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条2号,民法148条1項2号,民法306条1号,民事執行法51条1項,民事執行法181条1項,建物の区分所有等に関する法律7条1項,建物の区分所有等に関する法律7条2項,建物の区分所有等に関する法律66条
論点77第147条民法

同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合における借主による充当の指定のない一部弁済と債務の承認(平成29年法律第44号による改正前の民法147条3号)による消滅時効の中断

裁判要旨同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において,借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは,当該弁済は,特段の事情のない限り,上記各元本債務の承認(平成29年法律第44号による改正前の民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和2年12月15日 令和2(受)887
登載
民集 第74巻9号2259頁
参照法条
民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条3号,民法152条1項
論点78第153条民法

国が私人から承継取得した私法上の債権についての納入の告知と会計法三二条

裁判要旨国が私人から承継取得した私法上の債権についてされる納入の告知についても会計法三二条の適用がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年3月17日 昭和52(オ)1211
登載
民集 第32巻2号240頁
参照法条
会計法32条,民法153条
論点79第153条民法

裁判外の催告を受けた者が請求権の存否調査のため猶予を求めた場合と時効中断の効力

裁判要旨裁判外で債務履行の催告を受けた者が請求権の存否について調査するため猶予を求めた場合には、民法第一五三条〈時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲〉所定の六箇月の期間は、その者から何分の回答がされるまで進行しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年2月9日 昭和41(オ)889
登載
民集 第22巻2号122頁
参照法条
民法153条
論点80第158条民法

甲の乙に対する債権を丙が仮差押をした場合、甲の乙に対する債権につき、時効は進行を停止するか

裁判要旨甲の乙に対する債権が、丙によつて仮差押されても、民法第一五八条〈未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予〉乃至第一六一条〈天災等による時効の完成猶予〉所定の停止の事由にあたらず、甲の乙に対する債権の時効は、進行を停止しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年11月17日 昭和38(オ)964
登載
集民 第89号191頁
参照法条
民法158条,民法159条,民法160条,民法161条
論点81第158条民法

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合と民法158条1項の類推適用

裁判要旨時効の期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合において,少なくとも,時効の期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がされたときは,民法158条1項〈未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予〉の類推適用により,法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は,その者に対して,時効は,完成しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成26年3月14日 平成25(受)1420
登載
民集 第68巻3号229頁
参照法条
民法7条,民法158条1項
論点82第158条民法

不法行為を原因として心神喪失の常況にある被害者の損害賠償請求権と民法七二四条後段の除斥期間

裁判要旨不法行為の被害者が不法行為の時から二〇年を経過する前六箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から六箇月内に右不法行為による損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法一五八条〈未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予〉の法意に照らし、同法七二四条後段の効果は生じない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年6月12日 平成5(オ)708
登載
民集 第52巻4号1087頁
参照法条
民法158条,民法724条
論点83第724条民法

民法七二四条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の三年の時効期間の計算と初日の不算入

裁判要旨民法七二四条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の三年の時効期間の計算においては、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知つた時が午前零時でない限り、時効期間の初日を算入すべきではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年10月19日 昭和56(オ)767
登載
民集 第36巻10号2163頁
参照法条
民法138条,民法140条,民法724条
論点84第724条民法

事務管理により他人の不法行為上の損害賠償義務を免れさせるに足りる費用を支出した場合における右費用償還請求権の消滅時効の起算点

裁判要旨第三者が事務管理により他人の不法行為上の損害賠償義務を免れさせるに足りる費用を支出した場合における右第三者の右他人に対する右費用償還請求権の消滅時効は、右不法行為上の損害賠償請求権とは別個に、右費用償還請求権を行使することのできる時、すなわち、その権利の発生した時から、進行を開始する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年7月9日 昭和43(オ)157
登載
集民 第91号683頁
参照法条
民法166条,民法702条,民法724条
論点85第724条民法

信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が,遅くとも同種の集団訴訟が提起された時点から進行するとされた事例

裁判要旨信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は,経営破綻の直後に,上記出資者が上記勧誘に応じて出資をした結果損害を被った事実を認識していたことに加え,次の(1)〜(3)など判示の事実関係の下においては,上記出資者が上記勧誘当時の信用協同組合の代表者の経営破綻の危険性についての具体的認識に関する証拠となる資料を得ていなかったとしても,遅くとも上記出資者と同様の立場にある者らにより信用協同組合に対する集団訴訟が提起された時点から進行する。
(1) 上記出資者が出資をしてから信用協同組合が経営破綻に至るまでの期間は9か月に満たなかった。
(2) 経営破綻の3か月後までには,信用協同組合が経営破綻の前年に実施された監督官庁の検査で既に債務超過と見込まれていたなどの事情が明らかにされた。
(3) 上記出資者と同様の立場にある者らにより,経営破綻の約半年後から信用協同組合に対する損害賠償請求訴訟が逐次提起され,経営破綻の約1年後までには集団訴訟も提起された。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年4月22日 平成21(受)131
登載
集民 第236号443頁
参照法条
民法724条
論点86第724条民法

被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため相続人がその事実を知ることができなかった場合における上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間

裁判要旨被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは,民法160条〈相続財産に関する時効の完成猶予〉の法意に照らし,同法724条後段の効果は生じない。
(意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年4月28日 平成20(受)804
登載
民集 第63巻4号853頁
参照法条
民法160条,民法724条
論点87第724条民法

1 B型肝炎ウイルスに感染した患者が乳幼児期に受けた集団予防接種等とウイルス感染との間の因果関係を肯定するのが相当とされた事例
2 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しB型肝炎を発症したことによる損害につきB型肝炎を発症した時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

裁判要旨1 乳幼児期に集団予防接種等を受けたX1〜X3がB型肝炎ウイルスに感染した場合において,(1)B型肝炎ウイルスは,血液を介して人から人に感染するものであり,その感染力の強さに照らし,集団予防接種等の被接種者の中に感染者が存在した場合,注射器の連続使用によって感染する危険性があること,(2)X1〜X3は,最も持続感染者になりやすいとされる0〜3歳時を含む6歳までの幼少期に集団予防接種等を受け,それらの集団予防接種等において注射器の連続使用がされたこと,(3)X1〜X3は,その幼少期にB型肝炎ウイルスに感染して持続感染者となり,うちX1及びX2は,成人期に入ってB型肝炎を発症したこと,(4)X1〜X3は,出産時にB型肝炎ウイルスの持続感染者である母親の血液が子の体内に入ることによる感染(垂直感染)により感染したものではなく,それ以外の感染(水平感染)により感染したものであること,(5)昭和61年から母子間感染阻止事業が開始された結果,同年生まれ以降の世代における新たな持続感染者の発生がほとんどみられなくなったということは,少なくとも,幼少児については,垂直感染を阻止することにより同世代の幼少児の水平感染も防ぐことができたことを意味し,一般に,幼少児については,集団予防接種 等における注射器の連続使用によるもの以外は,家庭内感染を含む水平感染の可能性が極めて低かったことを示すものであること,(6)X1〜X3について,上記集団予防接種等のほかには感染の原因となる可能性の高い具体的な事実の存在はうかがわれず,他の原因による感染の可能性は,一般的,抽象的なものにすぎないことなど判示の事情の下においては,上記集団予防接種等とX1〜X3のB型肝炎ウイルス感染との間の因果関係を肯定するのが相当である。
2 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染したX4及びX5がB型肝炎を発症したことによる損害については,(1)乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染し,持続感染者となった場合,HBe抗原陽性からHBe抗体陽性への変換(セロコンバージョン)が起きることなく成人期に入ると,肝炎を発症することがあること,(2)X4は,昭和26年5月生まれで,同年9月〜昭和33年3月に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染し,昭和59年8月ころ,B型肝炎と診断されたこと,(3)X5は,昭和36年7月生まれで,昭和37年1月〜昭和42年10月に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染し,昭和61年10月,B型肝炎と診断されたことなど判示の事情の下においては,上記集団予防接種等(加害行為)の時ではなく,B型肝炎の発症(損害の発生)の時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年6月16日 平成16(受)672
登載
民集 第60巻5号1997頁
参照法条
国家賠償法1条1項,予防接種法2条,結核予防法4条,結核予防法13条,民法724条
論点88第724条民法

船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効の起算点

裁判要旨船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効は,民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉により,被害者が損害及び加害者を知った時から進行する
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年11月21日 平成16(受)1434
登載
民集 第59巻9号2558頁
参照法条
民法166条1項,民法724条,商法798条1項
論点89第724条民法

1 通商産業大臣が石炭鉱山におけるじん肺発生防止のための鉱山保安法上の保安規制の権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
2 加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合における民法724条後段所定の除斥期間の起算点

裁判要旨1 炭鉱で粉じん作業に従事した労働者が粉じんの吸入によりじん肺にり患した場合において,炭鉱労働者のじん肺り患の深刻な実情及びじん肺に関する医学的知見の変遷を踏まえて,じん肺を炭じん等の鉱物性粉じんの吸入によって生じたものを広く含むものとして定義し,これを施策の対象とするじん肺法が成立したこと,そのころまでには,さく岩機の湿式型化によりじん肺の発生の原因となる粉じんの発生を著しく抑制することができるとの工学的知見が明らかとなっており,金属鉱山と同様に,すべての石炭鉱山におけるさく岩機の湿式型化を図ることに特段の障害はなかったのに,同法成立の時までに,鉱山保安法に基づく省令の改正を行わず,さく岩機の湿式型化等を一般的な保安規制とはしなかったことなど判示の事実関係の下では,じん肺法が成立した後,通商産業大臣が鉱山保安法に基づく省令改正権限等の保安規制の権限を直ちに行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
2 民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間は,不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時から進行する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成16年4月27日 平成13(受)1760
登載
民集 第58巻4号1032頁
参照法条
国家賠償法1条1項,鉱山保安法1条,鉱山保安法4条,鉱山保安法(昭和37年法律第105号による改正前のもの)30条,じん肺法(昭和52年法律第76号による改正前のもの)2条1項1号,石炭鉱山保安規則(昭和61年通商産業省令第74号による改正前のもの)284条の2,民法724条
論点90第724条民法

交通事故による後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効が遅くとも症状固定の診断を受けた時から進行するとされた事例

裁判要旨交通事故により負傷した者が,後遺障害について症状固定の診断を受け,これに基づき自動車保険料率算定会に対して自動車損害賠償責任保険の後遺障害等級の事前認定を申請したときは,その結果が非該当であり,その後の異議申立てによって等級認定がされたという事情があったとしても,上記後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効は,遅くとも上記症状固定の診断を受けた時から進行する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年12月24日 平成14(受)1355
登載
集民 第215号1109頁
参照法条
民法724条
論点91第724条民法

1 国が水俣病による健康被害の拡大防止のためにいわゆる水質二法に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
2 熊本県が水俣病による健康被害の拡大防止のために同県の漁業調整規則に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
3 水俣病による健康被害につき加害行為の終了から相当期間を経過した時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

裁判要旨1 国が,昭和34年11月末の時点で,多数の水俣病患者が発生し,死亡者も相当数に上っていると認識していたこと,水俣病の原因物質がある種の有機水銀化合物であり,その排出源が特定の工場のアセトアルデヒド製造施設であることを高度のがい然性をもって認識し得る状況にあったこと,同工場の排水に含まれる微量の水銀の定量分析をすることが可能であったことなど判示の事情の下においては,同年12月末までに,水俣病による深刻な健康被害の拡大防止のために,公共用水域の水質の保全に関する法律及び工場排水等の規制に関する法律に基づいて,指定水域の指定,水質基準及び特定施設の定めをし,上記製造施設からの工場排水についての処理方法の改善,同施設の使用の一時停止その他必要な措置を執ることを命ずるなどの規制権限を行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
2 熊本県が,昭和34年11月末の時点で,多数の水俣病患者が発生し,死亡者も相当数に上っていると認識していたこと,水俣病の原因物質がある種の有機水銀化合物であり,その排出源が特定の工場のアセトアルデヒド製造施設であることを高度のがい然性をもって認識し得る状況にあったことなど判示の事情の下においては,同年12月末までに,水俣病による深刻な健康被害の拡大防止のために,旧熊本県漁業調整規則(昭和26年熊本県規則第31号。昭和40年熊本県規則第18号の2による廃止前のもの)に基づいて,上記製造施設からの工場排水につき除害に必要な設備の設置を命ずるなどの規制権限を行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
3 水俣病による健康被害につき,患者が水俣湾周辺地域から転居した時点が加害行為の終了時であること,水俣病患者の中には潜伏期間のあるいわゆる遅発性水俣病が存在すること,遅発性水俣病の患者においては水俣病の原因となる魚介類の摂取を中止してから4年以内にその症状が客観的に現れることなど判示の事情の下では,上記転居から4年を経過した時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年10月15日 平成13(オ)1194
登載
民集 第58巻7号1802頁
参照法条
国家賠償法1条1項,公共用水域の水質の保全に関する法律(昭和45年法律第108号による改正前のもの)1条,公共用水域の水質の保全に関する法律5条,工場排水等の規制に関する法律1条,工場排水等の規制に関する法律2条2項,工場排水等の規制に関する法律7条,工場排水等の規制に関する法律12条,旧熊本県漁業調整規則(昭和26年熊本県規則第31号。昭和40年熊本県規則第18号の2による廃止前のもの)1条,旧熊本県漁業調整規則(昭和26年熊本県規則第31号。昭和40年熊本県規則第18号の2による廃止前のもの)32条,民法724条
論点92第724条民法

民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉にいう被害者が損害を知った時の意義

裁判要旨民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉にいう被害者が損害を知った時とは,被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年1月29日 平成8(オ)2607
登載
民集 第56巻1号218頁
参照法条
民法724条
論点93第724条民法

関連新聞社から記事の提供を受けてこれとほぼ同一内容の記事を掲載した新聞社に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟において被害者が同記事の掲載を認識したとする認定に経験則違反の違法があるとされた事例

裁判要旨関連新聞社甲から記事の提供を受けてこれとほぼ同一内容の記事を掲載した新聞社乙に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟において,甲と乙の各掲載記事の紙面構成や見出しが一見して明らかに異なっており,乙の掲載記事には甲の掲載記事にはない記述が書き加えられており,甲が発行する新聞に掲載された記事でも乙が発行する新聞に掲載されない場合があるという判示の事情の下においては,被害者Aが乙の掲載記事に接する機会があった,又はAが他者から甲の掲載記事と同じ記事が乙の発行する新聞にも掲載されたことを知らされた等の具体的事実の立証がないのに,Aが,甲が乙に提供した記事を東京で発行する新聞に掲載したこと及び乙が九州地方で甲と同一名称の新聞を発行していることを知った時に,乙の発行する新聞に上記記事が掲載されたことを認識したとする原審の認定には,経験則違反の違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年1月29日 平成10(オ)780
登載
集民 第205号309頁
参照法条
民法724条,民訴法247条
論点94第724条民法

1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条〈後見開始の審判の取消し〉及び13条2項〈保佐人の同意を要する行為等〉(3条1項1号〈私権の享有は、出生に始まる。〉、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)と憲法13条及び14条1項
2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為の国家賠償法1条1項所定の違法性の有無
3 裁判所が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる場合
4 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例

裁判要旨1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条〈後見開始の審判の取消し〉及び13条2項〈保佐人の同意を要する行為等〉(3条1項1号〈私権の享有は、出生に始まる。〉、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)は、憲法13条及び14条1項に違反する。
2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける。
3 不法行為によって発生した損害賠償請求権が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる。
4 優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者及びその配偶者並びに同法13条2項の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者が、国に対し、上記各規定を含む優生保護法の関係規定に係る国会議員の立法行為は違法であると主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた場合において、次の⑴~⑸など判示の事情の下では、上記の者らが上記損害賠償を求める訴えを提起した後に「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が成立し、施行されたことを考慮しても、上記の者らの上記の損害賠償請求権の行使に対して国が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることは、信義則に反し、権利の濫用として許されない。
⑴ 国は、約48年間にわたり、国家の政策として、優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項の規定(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に基づく施策を実施してきた。
⑵ 国は、上記施策の実施に当たり、審査を要件とする優生手術を行う際に身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合がある旨の厚生事務次官通知を各都道府県知事宛てに発出するなどして、優生手術を行うことを積極的に推進していた。
⑶ 上記施策が実施された結果として、少なくとも約2万5000人の者が上記規定に基づいて生殖を不能にする手術を受け、これにより生殖能力を喪失するという被害を受けた。
⑷ 上記訴えを提起した者らについて、上記損害賠償請求権の速やかな行使を期待することができたと解すべき事情があったことはうかがわれない。
⑸ 国は、平成8年に上記規定が削除された後、長期間にわたって、上記規定により行われた生殖を不能にする手術は適法であり、補償はしないという立場をとり続けてきた。
(3につき補足意見及び意見、4につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 令和6年7月3日 令和5(受)1319
登載
民集 第78巻3号382頁
参照法条
(1、2、4につき)優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号ないし3号、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)4条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)10条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)12条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)13条 (1につき)憲法13条、憲法14条1項 (2、4につき)国家賠償法1条1項 (3、4につき)民法1条2項、民法3項、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条
論点95第724条民法

家屋の評価の誤りに基づき固定資産税等の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条後段所定の除斥期間の起算点

裁判要旨家屋の評価の誤りに基づきある年度の固定資産税及び都市計画税の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条後段所定の除斥期間は,当該年度の固定資産税等に係る賦課決定がされ所有者に納税通知書が交付された時から進行する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和2年3月24日 平成30(受)388
登載
民集 第74巻3号292頁
参照法条
国家賠償法1条1項,民法724条
論点96第164条民法

取得時効の要件が具備されたのち当該不動産の占有者がその占有を喪失した場合と時効援用の可否

裁判要旨民法一六二条〈所有権の取得時効〉所定の取得時効の要件が具備された場合、当該不動産の占有者は、時効期間の経過後右不動産の占有を喪失しても、これが時効利益の放棄に該当しない限り、右時効の援用権者として、これを援用しうるものというべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年9月30日 昭和57(オ)70
登載
集民 第139号587頁
参照法条
民法162条,民法164条
論点97第164条民法

山林の所有権取得時効の基礎要件たる占有。

裁判要旨山林の所有権取得時効の基礎要件たる占有は、時効援用者の単独占有でなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年2月21日 昭和37(オ)970
登載
集民 第64号515頁
参照法条
民法162条,民法164条
論点98第149条民法

更生担保権確定の訴の擬制取下と会社更生法五条による時効中断の効力

裁判要旨更生担保権の届出がなされても、更生担保権確定の訴が、民訴法二三八条により取り下げられたものとみなされたときは、右届出は、時効中断の効力を生じないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月26日 昭和46(オ)1015
登載
集民 第107号469頁
参照法条
民法149条,会社更生法5条
論点99第149条民法

一、振出日白地の手形による訴提起と時効中断
二、満期が記載されている白地手形の白地補充権の消滅時効

裁判要旨一、振出日白地の約束手形の所持人が、その満期から三年以内に、振出人に対して、右白地部分を補充しないまま手形金請求の訴を提起し、その後右訴の事実審口頭弁論終結時までに右白地部分を補充したときは、たとえその補充の時が満期から三年を経過したのちであつたとしても、右手形上の権利の時効は、右訴の提起の時に中断されたものと解すべきである。
二、満期が記載されている白地手形の白地補充権は、手形上の権利と別個独立に時効によつて消滅するものではなく、手形上の権利が消滅しないかぎりこれを行使しうるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年11月11日 昭和43(オ)753
登載
民集 第24巻12号1876頁
参照法条
手形法10条,手形法70条1項,手形法71条,手形法77条1項,民法149条
論点100第149条民法

白地手形による訴提起と時効の中断

裁判要旨白地手形のまま手形金請求の訴を提起した場合でも、右訴提起の時に時効の中断があつたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和41年11月2日 昭和38(オ)1301
登載
民集 第20巻9号1674頁
参照法条
手形法10条,手形法71条,民法149条
論点101第149条民法

訴の変更と時効中断の効力。

裁判要旨係争地域が自己の所有に属することの主張は前後変わることなく、ただ単に請求を境界確定から所有権確認に変更したにすぎない場合は、境界確定の訴提起によつて生じた時効中断の効力には、影響がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年1月18日 昭和34(オ)1099
登載
民集 第17巻1号1頁
参照法条
民法149条,民訴法232条,民訴法235条
論点102第160条民法

一 民法第一六二条第二項〈所有権の取得時効〉の無過失の事例
二 相続財産の管理人選任前取得時効期間が満了した場合と民法第一六〇条

裁判要旨一 空襲により一家全滅した本家の再興のため、親族の協議により相続人に選ばれて本家の家業を継ぎ、相続財産に属する土地を占有している二二歳の女子につき、原審認定のような事実関係(原判決理由参照)があるときは、同人がその土地の所有権を取得したものと信ずるにつき過失はないものと解すべきである。
二 民法第一六〇条〈相続財産に関する時効の完成猶予〉は、相続財産の管理人の選任前、相続財産たる土地を、所有の意思をもつて、平穏、公然、善意無過失で一〇年間占有した場合にも、その適用があるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年9月2日 昭和35(オ)348
登載
民集 第14巻11号2094頁
参照法条
民法162条2項,民法160条
原

条文原文

原文ママ

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民法 第724_2条(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 詳細ページ
(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条の二人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。
民法 第167条(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効) 詳細ページ
(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)
第百六十七条人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。
民法 第832条(財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効) 詳細ページ
(財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効)
第八百三十二条親権を行った者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
2子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において子に法定代理人がないときは、前項の期間は、その子が成年に達し、又は後任の法定代理人が就職した時から起算する。
民法 第147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新) 詳細ページ
(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
第百四十七条次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一裁判上の請求
二支払督促
三民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
2前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
民法 第153条(時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲) 詳細ページ
(時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲)
第百五十三条第百四十七条又は第百四十八条の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
2第百四十九条から第百五十一条までの規定による時効の完成猶予は、完成猶予の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
3前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
民法 第158条(未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予) 詳細ページ
(未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予)
第百五十八条時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。
2未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。
民法 第148条(強制執行等による時効の完成猶予及び更新) 詳細ページ
(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
第百四十八条次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一強制執行
二担保権の実行
三民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
2前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。
民法 第151条(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予) 詳細ページ
(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)
第百五十一条権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。
一その合意があった時から一年を経過した時
二その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時
三当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時
2前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。
3催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。同項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。
4第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
5前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。
民法 第724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 詳細ページ
(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二不法行為の時から二十年間行使しないとき。
民法 第164条(占有の中止等による取得時効の中断) 詳細ページ
(占有の中止等による取得時効の中断)
第百六十四条第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。
民法 第875条(後見に関して生じた債権の消滅時効) 詳細ページ
(後見に関して生じた債権の消滅時効)
第八百七十五条第八百三十二条の規定は、後見人又は後見監督人と被後見人との間において後見に関して生じた債権の消滅時効について準用する。
2前項の消滅時効は、第八百七十二条の規定により法律行為を取り消した場合には、その取消しの時から起算する。
民法 第149条(仮差押え等による時効の完成猶予) 詳細ページ
(仮差押え等による時効の完成猶予)
第百四十九条次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
一仮差押え
二仮処分
民法 第160条(相続財産に関する時効の完成猶予) 詳細ページ
(相続財産に関する時効の完成猶予)
第百六十条相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
民法 第159条(夫婦間の権利の時効の完成猶予) 詳細ページ
(夫婦間の権利の時効の完成猶予)
第百五十九条夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
出

一次情報

原文ママ

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