民法 / テーマ別まとめ

法律行為/条件及び期限

条件及び期限の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民法127条から137条は、法律行為に付けられる「条件」と「期限」の効力について定めています。条件が成就した時に効力がいつ発生・消滅するか、条件の成否が未定な間の当事者の権利保護、無効となる条件の類型(不法条件・不能条件・随意条件)、そして期限の利益とその喪失事由を扱っています。契約書で停止条件・解除条件・支払期限などを設計する際や、期限の利益喪失条項を検討する場面で参照する条文群です。

条件及び期限
種類効力の要点条文
停止条件成就時から効力発生127条1項
解除条件成就時から効力消滅127条2項
不法な条件無効132条
不能の停止条件無効133条1項
不能の解除条件無条件(成立)133条2項
随意条件(債務者次第)無効134条
始期到来まで履行請求不可135条1項
終期到来時に効力消滅135条2項
  • 当事者が合意すれば、効力発生・消滅の時期を成就時より前にさかのぼらせることもできる(127条3項)
  • 条件の成否が未定の間も、成就すれば得られる相手方の利益を侵害してはならない(128条)
  • 故意に成就を妨げた場合・不正に成就させた場合は、相手方がみなし規定を主張できる(130条)
  • 契約時に条件の成否が既に確定していた場合(既成条件)は、無条件または無効の扱いになる(131条)
  • 期限の利益は放棄できるが、放棄によって相手方の利益を害することはできない(136条2項)
  • 破産手続開始の決定を受けた等の事由があれば、債務者は期限の利益を主張できない(137条各号)
1

条件及び期限

条件及び期限について、条文は何を定めているか。

第127条条件が成就した場合の効果条件成就の時から効力が発生・消滅する3項判例 11件
  • 停止条件は成就した時から効力が生じる
  • 解除条件は成就した時から効力を失う
  • 当事者の合意で発生・消滅の時期をさかのぼらせることもできる
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第128条条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止条件の成否未定の間も相手方の利益を害せない1項判例 3件
  • 条件が成就すれば得られる相手の利益を、未定の間に侵害してはならない
  • 停止条件・解除条件のどちらの当事者にも適用される
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第129条条件の成否未定の間における権利の処分等条件の成否未定でも権利は処分・相続できる1項判例 1件
  • 条件付きの権利義務も一般の規定に従って処分・相続できる
  • 保存行為や、そのための担保の設定もできる
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第130条条件の成就の妨害等故意の妨害・不正な成就はみなし規定で対抗できる2項判例 4件
  • 不利益を受ける側が故意に成就を妨げたら、相手は成就したものとみなせる
  • 利益を受ける側が不正に成就させたら、相手は不成就とみなせる
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第131条既成条件契約時に条件の成否が確定していた場合の扱い3項判例なし
  • 停止条件が既に成就していたなら無条件の法律行為として扱う
  • 解除条件が既に成就していたならその法律行為は無効
  • 不成立が確定していた場合も、停止条件は無効・解除条件は無条件となる
  • 成否を知らない間は128条〈条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止〉・129条〈条件の成否未定の間における権利の処分等〉を準用する
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第132条不法条件不法な条件を付けた法律行為は無効1項判例 1件
  • 不法な条件を付けると法律行為自体が無効になる
  • 不法な行為をしないことを条件とする場合も同様に無効
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第133条不能条件実現不可能な条件は種類により無効・無条件2項判例なし
  • 不能な停止条件を付けると法律行為は無効になる
  • 不能な解除条件を付けると無条件の法律行為として扱う
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第134条随意条件債務者の気持ち次第の停止条件は無効1項判例 2件
  • 停止条件が単に債務者の意思のみに係るときは無効
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第135条期限の到来の効果始期は到来まで請求不可、終期は到来で消滅2項判例 3件
  • 始期を付けると、期限が来るまで履行を請求できない
  • 終期を付けると、期限が来た時点で効力が消滅する
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第136条期限の利益及びその放棄期限の利益は原則債務者のためと推定される2項判例 12件
  • 特約がなければ期限は債務者の利益のためと推定される
  • 期限の利益は放棄できるが、相手方の利益を害する放棄はできない
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第137条期限の利益の喪失一定の事由があれば期限の利益を主張できない1項・3号判例なし
  • 破産手続開始の決定を受けたとき
  • 担保を滅失・損傷・減少させたとき
  • 担保を供する義務があるのに供しないとき
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第127条民法

土地賃借権譲渡契約につきその譲渡の効力が契約締結時に発生するとして締結されたと解された事例

裁判要旨土地賃借権の譲渡契約において、譲渡について地主の承諾が得られなかつたときは、譲渡契約当事者間で協議し、円満に取引を完了する旨の特約がある場合に、譲渡の効力発生について地主の承諾を停止条件とする旨を直接定めた書面上の合意がなく、土地上の建物の売買代金を含む譲渡代金の四割相当の手付金が譲渡契約時に支払われ、譲受人が契約締結のころ右建物に入居してそこに造作工事を施したなど、判示の事情のもとにおいては、右譲渡契約は、その締結と同時に土地賃借権の譲渡の効力が発生するとして締結されたと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和63年9月8日 昭和59(オ)147
登載
集民 第154号465頁
参照法条
民法1編4章1節,民法127条1項,民法612条
論点2第127条民法

一 解除条件付売買契約に基づいて開始される占有と自主占有
二 解除条件付売買契約に基づいて開始される自主占有の条件成就による他主占有への変更の有無

裁判要旨一 売買契約に基づいて開始される占有は、残代金が約定期限までに支払われないときは当該売買契約は当然に解除されたものとする旨の解除条件が付されている場合であつても、自主占有であるというを妨げない。
二 売買契約に基づいて開始された自主占有は、当該売買契約が解除条件(残代金を約定期限までに支払わないときは契約は当然に解除されたものとする旨)の成就により失効しても、それだけでは、他主占有に変わるものではないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年3月28日 昭和56(オ)292
登載
集民 第144号297頁
参照法条
民法127条2項,民法162条,民法186条
論点3第127条民法

農地の売買契約では知事の許可を停止条件と付することを要するか

裁判要旨農地の売買契約を締結する場合には、知事の許可を停止条件とする旨の付款を要するものではなく、右のような条件を付していないからといつて、直ちにその売買契約が無効なものと確定するわけのものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年7月6日 昭和39(オ)614
登載
集民 第79号691頁
参照法条
農地法3条,民法127条
論点4第127条民法

一 農地の売買契約において「知事の許可を得ることを条件とする」ことの意義
二 農地の売主が故意に知事の許可を得ることを妨げた場合と民法第一三〇条の類推適用の有無

裁判要旨一 知事の許可を得ることを条件として農地の売買契約をしたとしても、いわゆる停止条件を附したものということはできない。

二 農地の売主が故意に知事の許可を得ることを妨げたとしても、買主は条件を成就したものとみなすことはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年5月26日 昭和32(オ)923
登載
民集 第15巻5号1404頁
参照法条
民法127条,民法130条,農地法3条
論点5第127条民法

条件成就と認むべき事例。

裁判要旨土地および温泉使用権を陸軍傷病兵療養所のための敷地および鉱泉として陸軍省に寄附するにあたり、陸軍において将来右用途を廃止したときは無償で返還を受ける旨の特約があつた場合、終戦後陸軍省の廃止にともない、右土地等が大蔵省および厚生省に順次移管され、陸軍省廃止以来国立病院のため使用されているときは、前記特約にいう陸軍の用途廃止という条件は既に成就したものと認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年10月4日 昭和33(オ)341
登載
民集 第14巻12号2395頁
参照法条
民法127条
論点6第127条民法

再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定の解除条件に関する合意が,再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容をも含むものとされた事例

裁判要旨別除権の行使等に関する協定(別除権の目的である不動産につきその被担保債権の額よりも減額された受戻しの価格を定めて再生債務者が別除権者に対しこれを分割弁済することとし,再生債務者がその分割弁済を完了したときは別除権者の担保権が消滅する旨を再生債務者と別除権者との間で定めたもの)中にある再生手続廃止の決定がされること等を同協定の解除条件とする旨の合意は,再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定がされることが解除条件として明記されていなくても,これを解除条件から除外する趣旨であると解すべき事情がうかがわれないなど判示の事情の下では,再生債務者が上記破産手続開始の決定を受けた時から同協定はその効力を失う旨の内容をも含むものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年6月5日 平成24(受)880
登載
民集 第68巻5号403頁
参照法条
民事再生法41条1項9号,民事再生法53条,民事再生法88条,民事再生法188条2項,民事再生法190条1項,民事再生法194条,民事再生法250条1項,民法127条2項
論点7第127条民法

請負人の製造した目的物が,注文者から別会社を介してユーザーとリース契約を締結したリース会社に転売されることを予定して請負契約が締結され,目的物がユーザーに引き渡された場合において,注文書に「ユーザーがリース会社と契約完了し入金後払い」等の記載があったとしても,上記請負契約は上記リース契約の締結を停止条件とするものとはいえず,上記リース契約が締結されないことになった時点で請負代金の支払期限が到来するとされた事例

裁判要旨請負人の製造した目的物が,注文者から別会社を介してユーザーとリース契約を締結したリース会社に転売されることを予定して請負契約が締結され,目的物がユーザーに引き渡された場合において,注文者が請負人に交付した注文書に「支払いについて,ユーザーがリース会社と契約完了し入金後払いといたします。手形は,リース会社からの廻し手形とします。」との記載があったとしても,次の(1),(2)など判示の事実関係の下においては,上記請負契約は,上記リース契約が締結されることを停止条件とするものとはいえず,上記リース契約が締結されないことになった時点で,請負代金の支払期限が到来する。
(1)上記リース契約は,上記ユーザーに目的物の代金支払につき金融の便宜を付与することを目的とするものであった。
(2) 上記請負人が,請負代金の支払確保のため,あえて信用のある会社を取引に介在させることを求めた結果,上記注文者との間で上記請負契約が締結された。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年7月20日 平成21(受)309
登載
集民 第234号323頁
参照法条
民法127条1項,民法135条1項,民法632条,民訴法247条
論点8第127条民法

数社を介在させて順次発注された工事の最終の受注者XとXに対する発注者Yとの間におけるYが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨の合意が,Xに対する請負代金の支払につき,Yが請負代金の支払を受けることを停止条件とする旨を定めたものとはいえず,Yが上記支払を受けた時点又はその見込みがなくなった時点で支払期限が到来する旨を定めたものと解された事例

裁判要旨数社を介在させて順次発注された工事の最終の受注者XとXに対する発注者Yとの間におけるYが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨の合意は,上記工事が一部事務組合から発注された公共事業に係るものであって,同組合からの請負代金の支払は確実であったなど判示の事情の下においては,Xに対する請負代金の支払につき,Yが請負代金の支払を受けることを停止条件とする旨を定めたものとはいえず,Yが上記支払を受けた時点又はその見込みがなくなった時点で支払期限が到来する旨を定めたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年10月14日 平成21(受)976
登載
集民 第235号21頁
参照法条
民法127条1項,民法135条1項,民法632条
論点9第127条民法

1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が解約実行請求をした場合と受益者の受益証券を販売した会社に対する一部解約金支払請求権
2 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が受益証券を販売した会社に対して有する一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者が取立権の行使として上記会社に対し解約実行請求をして同請求権を取り立てることの可否
(1,2につき参考図参照)

裁判要旨1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解約実行請求は委託者又は受益証券を販売した会社に対して行うこと,委託者は受益者から解約実行請求があったときは信託契約の一部を解約し,一部解約金は上記会社の営業所等において受益者に支払うことが定められ,(2)上記会社が,委託者から,受益証券の販売のほか,解約実行請求の受付及び一部解約金の支払等の業務の委託を受け,受益証券が上記会社に保護預りされており,(3)上記会社と受益者との間の投資信託総合取引規定において,受益証券等の購入及び解約の申込みは上記会社の店舗等において受け付けること,解約金は取扱商品ごとに定められた日に受益者の預金口座に入金することなどが定められているものについては,上記会社は,解約実行請求をした受益者に対し,委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として一部解約金の支払義務を負い,受益者は,上記会社に対し,上記条件の付いた一部解約金支払請求権を有する。
2 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解約実行請求は委託者又は受益証券を販売した会社に対して行うこと,委託者は受益者から解約実行請求があったときは信託契約の一部を解約し,一部解約金は上記会社の営業所等において受益者に支払うことが定められ,(2)上記会社が,委託者から,受益証券の販売のほか,解約実行請求の受付及び一部解約金の支払等の業務の委託を受け,受益証券が上記会社に保護預りされているものについては,上記会社が委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として効力を生ずる受益者の上記会社に対する一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者は,取立権の行使として,上記会社に対して解約実行請求の意思表示をすることができ,委託者によって信託契約の一部解約が実行されて上記会社が一部解約金の交付を受けたときは,上記会社から同請求権を取り立てることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年12月14日 平成17(受)1461
登載
民集 第60巻10号3914頁
参照法条
(1,2につき)投資信託及び投資法人に関する法律2条4項,民法127条,(2につき)民事執行法155条1項
論点10第127条民法

債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡と破産法72条2号による否認

裁判要旨債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡は,破産法72条2号に基づく否認権行使の対象となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成16年9月14日 平成15(受)339
登載
集民 第215号171頁
参照法条
破産法72条2号,民法127条1項,民法466条
論点11第127条民法

債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡と破産法72条2号による否認

裁判要旨債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡は,破産法72条2号に基づく否認権行使の対象となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年7月16日 平成13(受)1797
登載
民集 第58巻5号1744頁
参照法条
破産法72条2号,民法127条1項,民法466条
論点12第128条民法

所有権留保売買の売主がその目的動産を処分する行為が右動産につき買主の設定した譲渡担保権の侵害にあたらないとされた事例

裁判要旨所有権留保売買の目的動産につき、買主から譲渡担保権の設定を受けた者が、売主に対し、買主の未払残代金を支払う旨申し入れ、その額の調査に要する期間右の動産の処分を猶予するよう要請し、売主がこれに応じるかのような態度を示していたときでも、売主が猶予する旨約したのでない限り、売主が右動産を他に処分しても右譲渡担保権の侵害にはあたらず、売主は、右譲渡担保権者に対しその担保権の喪失による損害を賠償する責を負わない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年3月18日 昭和56(オ)542
登載
集民 第138号293頁
参照法条
民法128条,民法134条,民法342条,民法555条,民法709条
論点13第128条民法

一 停止条件の成就を故意に妨げたとして報酬請求権が認められた事例
二 停止条件の成就を故意に妨げた場合と不法行為の成立

裁判要旨一 山林売却斡旋依頼とともに判示内容の停止条件付報酬契約がなされた場合において、委任者が受任者を介せず右山林を他に売却したときは、受任者は条件が成就したものとみなして、約定報酬の請求ができる。
二 停止条件の成就を故意に妨げた場合には、期待権侵害による不法行為が成立する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月23日 昭和36(オ)1307
登載
民集 第18巻1号99頁
参照法条
民法130条,民法656条,民法648条,民法128条,民法709条
論点14第128条民法

いわゆる法定条件と民法第一二八条の類推適用。

裁判要旨いわゆる法定条件についても、民法第一二八条〈条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止〉が類推適用される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年10月30日 昭和36(オ)723
登載
民集 第18巻8号1837頁
参照法条
民法128条
論点15第129条民法

一 買戻特約の登記をしなかつた場合における不動産買戻権譲渡の方法
二 買戻特約の登記をしなかつた場合における不動産買戻権譲渡の対抗要件

裁判要旨一 買戻の特約を登記しなかつた場合、不動産買戻権は売主の地位と共にのみ譲渡することができる。
二 買戻の特約を登記しなかつた場合における不動産買戻権の譲渡を買主に対抗するには、これに対する通知またはその承諾を必要とし且つこれをもつて足りる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年4月26日 昭和33(オ)186
登載
民集 第14巻6号1071頁
参照法条
民法579条,民法581条1項,民法129条,民法467条1項
論点16第130条民法

宅地建物取引業者を排除して売買契約が成立した場合に停止条件の成就が故意に妨げられたとして右業者の報酬請求権が認められた事例

裁判要旨土地等の買受人が、その買受につき宅地建物取引業者に仲介を依頼し、買受契約の成立を停止条件として一定額の報酬を支払う旨を約したのに、買受人が右業者を排除して直接売渡人との間に契約を成立させた場合において、右契約の成立時期が業者の仲介活動の時期に近接しているのみならず、当時その仲介活動により買受人の買受希望価額にあと僅かの差が残つているだけで間もなく買受契約が成立するに至る状態にあつたのであり、しかも、買受契約における買受価額が業者と買受人が下相談した価額を僅かに上廻る等の事情のあるときは、買受人は、業者の仲介によつて間もなく買受契約の成立に至るべきことを熟知して故意にその仲介による契約の成立を妨げたものというべきであり、業者は、停止条件が成就したものとみなして、買受人に対し、約定報酬の請求をすることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年10月22日 昭和45(オ)637
登載
民集 第24巻11号1599頁
参照法条
民法130条,民法645条,民法648条
論点17第130条民法

条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときと民法一三〇条の類推適用

裁判要旨条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときは、民法一三〇条〈条件の成就の妨害等〉の類推適用により、相手方は条件が成就していないものとみなすことができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年5月31日 平成2(オ)295
登載
民集 第48巻4号1029頁
参照法条
民法130条
論点18第132条民法

土地家屋の譲渡契約に附された譲受人の帰郷居住等を内容とする停止条件の適法性

裁判要旨土地家屋の譲受人が、現住所を引き揚げて帰郷し、右家屋に居住し、相続人として病臥中の実父を扶養し、且祖先の祭祝を行うという、右譲渡契約に附された停止条件は、譲受人の個人的自由を拘束するものではないから、不法ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和23年9月18日 昭和22(オ)11
登載
民集 第2巻10号231頁
参照法条
民法90条,民法132条
論点19第134条民法

一 条件が債務者の意思のみにかかる停止条件附法律行為にはあたらない一事例
二 売買契約後の貨幣価値の著しい変動と代金額の修正

裁判要旨一 鉱業権の売買契約において、買主が排水探鉱の結果品質良好と認めたときは代金を支払い、品質不良と認めたときは代金を支払わない旨を約しても、右売買契約は、民法第一三四条〈随意条件〉にいわゆる条件が単に債務者の意思のみにかかる停止条件附法律行為とはいえない。
二 売買契約成立後貨幣価値が著しく変動しても、それだけで代金額が当然修正されるものと解すべきではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和31年4月6日 昭和28(オ)363
登載
民集 第10巻4号342頁
参照法条
民法134条,民法1条2項
論点20第135条民法

一、売買代金の支払時期について不確定な期限を定めたものと認められた事例
二、実体上の権利関係と異なる仮登記が有効とされた事例

裁判要旨一、土地の売買契約締結に際して、目的土地の一部を第三者が占有している場合に、売主が、右第三者の占有は権原に基づかないもので少なくとも一年位のうち明渡を受けて買主に目的土地を明け渡す旨言明したため、買主においてこれを信用し、右第三者使用部分の明渡が完了すると同時に残代金を支払うことを約したときには、右残代金の支払時期について不確定な期限を定めたものと解すべきである。
二、売買契約は成立したが未だ買主に目的不動産の所有権は移転していない時機において、右売買を原因とする買主のための所有権移転仮登記は有効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年9月20日 昭和43(オ)356
登載
集民 第92号343頁
参照法条
民法135条
論点21第136条民法

一 民法上の組合的性質を有する頼母子講の性質とその解散
二 未落札者全員のみでした前項の頼母子講の解散と既落札者の返掛金債務の分割弁済の利益

裁判要旨一 民法上の組合的性質を有する頼母子講は、講の会合がすすむにつれて、講金の既落札者間における消費貸借の性質が増加し、組合性が後退するため、未落札者全員のみで解散を決定することができる。
二 前項の場合の清算手続においては、既落札者は、返掛金について分割弁済の利益を失わない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年4月18日 昭和40(オ)1339
登載
民集 第21巻3号659頁
参照法条
民法667条,民法136条
論点22第136条民法

1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというための要件
2 時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするために消滅時効が援用された自働債権がその消滅時効期間経過以前に受働債権と相殺適状にあったことの要否

裁判要旨1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要する。
2 時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには,消滅時効が援用された自働債権は,その消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年2月28日 平成23(受)2094
登載
民集 第67巻2号343頁
参照法条
(1,2につき)民法505条1項 (1につき)民法136条 (2につき)民法145条,民法508条
論点23第136条民法

貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨貸金業者が,借主に対し,元利金の支払を怠ったときは当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下に3回にわたり金銭の貸付けを行い,各貸付けにつき借主が期限の利益を喪失した後に,一部弁済を受領する都度,弁済金を遅延損害金のみ又は遅延損害金と元金の一部に充当した旨記載した領収書兼利用明細書を交付していた場合において,次の(1)〜(3)の各事実のみから,貸金業者において,上記各貸付けにつき,上記特約に基づき借主が期限の利益を喪失したと主張することが信義則に反し許されないとした原審の判断には,違法がある。
(1) 貸金業者は,借主が期限の利益を喪失した後も元利金の一括弁済を求めず,借主からの一部弁済を受領し続けた。
(2) 上記各貸付けにおける約定の利息の利率と遅延損害金の利率とが同一ないし近似していた。
(3) 貸金業者は,借主が1回目及び2回目の各貸付けについて期限の利益を喪失した後に3回目の貸付けを行った。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年9月11日 平成19(受)1128
登載
集民 第231号495頁
参照法条
民法1条2項,民法136条
論点24第136条民法

貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとされた事例

裁判要旨貸金業者が,借主に対し,元利金の支払を怠ったときは当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下に金銭の貸付けを行い,借主が期限の利益を喪失した後に,一部弁済を受領する都度,弁済金を遅延損害金と残元本の一部に充当した旨記載した領収書兼利用明細書を送付していた場合であっても,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,貸金業者が,上記特約に基づき借主が期限の利益を喪失したと主張することは,信義則に反し許されない。
(1) 上記貸付けに係る契約には,遅延損害金の利率を年36.5%としつつ,期限の利益喪失後も当初の約定の支払期日までに支払われた遅延損害金については,その利率を利息の利率と同じ年29.8%とする旨の特約が付されていた。
(2) 貸金業者の担当者は,借主が期限の利益を喪失した約定の支払期日の前に,約定に従えば支払うべき元利金の合計額を下回る金員を支払えば足りる旨述べていた上,貸金業者は,同支払期日の翌日に借主が支払った弁済金につき,これを利息と元本に充当した旨記載した領収書兼利用明細書を送付した。
(3) その後も,貸金業者の担当者は,借主が同担当者に対して支払が約定の支払期日の翌日になる旨告げた際,1日分の金利を余計に支払うことを求め,支払期日の翌日に支払う場合の支払金額として年29.8%の割合で計算した金利と毎月返済すべきこととされていた元本との合計額を告げた。
(4) 上記(1)〜(3)の貸金業者の対応などにより,借主は,期限の利益を喪失していないと誤信し,貸金業者も,その誤信を知りながらこれを解くことなく,長期間,借主が経過利息と誤信して支払った金員等を受領し続けた。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年9月11日 平成21(受)138
登載
集民 第231号531頁
参照法条
民法1条2項,民法136条
論点25第136条民法

期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することの可否

裁判要旨期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を初めて否定した最高裁平成16年(受)第1518号同18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年7月14日 平成20(受)1729
登載
集民 第231号357頁
参照法条
民法136条,民法704条,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)43条1項,利息制限法1条1項
論点26第136条民法

期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することの可否

裁判要旨期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を初めて否定した最高裁平成16年(受)第1518号同18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁の言渡し日以前にされた制限超過部分の支払について,貸金業者が同特約の下でこれを受領したことのみを理由として当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年7月10日 平成20(受)1728
登載
民集 第63巻6号1170頁
参照法条
民法136条,民法704条,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)43条1項,利息制限法1条1項
論点27第136条民法

貸金業者が,借主に対し,期限の利益の喪失を宥恕し,再度期限の利益を付与したとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨貸金業者が,貸付けに係る債務につき,借主が期限の利益を喪失した後に,借主に対して残元利金の一括支払を請求せず,借主から長期間多数回にわたって分割弁済を受けていた場合において,貸金業者が,債務の弁済を受けるたびに受領した金員を利息ではなく損害金へ充当した旨記載した領収書兼利用明細書を交付していたから,期限の利益の喪失を宥恕し,再度期限の利益を付与する意思はなかったと主張し,これに沿う証拠も提出していたにもかかわらず,上記主張について審理することなく,貸金業者が,借主に対し,期限の利益の喪失を宥恕し,再度期限の利益を付与したとした原審の判断には,違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年4月14日 平成19(受)996
登載
集民 第230号353頁
参照法条
民法136条
論点28第136条民法

1 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の効力
2 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下での制限超過部分の支払の任意性の有無

裁判要旨1 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借に,債務者が元本及び約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の約定が付されている場合,同約定中,債務者が約定利息のうち制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は,同法1条1項の趣旨に反して無効であり,債務者は,約定の元本及び同項所定の利息の制限額を支払いさえすれば,期限の利益を喪失することはない。
2 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借において,債務者が,元本及び約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の約定の下で,利息として上記制限を超える額の金銭を支払った場合には,債務者において約定の元本と共に上記制限を超える約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り,制限超過部分の支払は,貸金業の規制等に関する法律43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない。
(2につき意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年1月24日 平成16(受)424
登載
集民 第219号243頁
参照法条
(1,2につき)利息制限法1条1項,民法136条 (2につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項
論点29第136条民法

1 貸金業の規制等に関する法律施行規則15条2項の法適合性
2 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の効力
3 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下での制限超過部分の支払の任意性の有無

裁判要旨1 貸金業の規制等に関する法律施行規則15条2項の規定のうち,貸金業者が弁済を受けた債権に係る貸付けの契約を契約番号その他により明示することをもって,貸金業の規制等に関する法律18条1項1号〈補助開始の審判等の取消し〉から3号までに掲げる事項の記載に代えることができる旨定めた部分は,同法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効である。
2 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借に,債務者が元本又は約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約が付されている場合,同特約中,債務者が約定利息のうち制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は,同法1条1項の趣旨に反して無効であり,債務者は,約定の元本及び同項所定の利息の制限額を支払いさえすれば,期限の利益を喪失することはない。
3 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借において,債務者が,元本又は約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下で,利息として上記制限を超える額の金銭を支払った場合には,債務者において約定の元本と共に上記制限を超える約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り,制限超過部分の支払は,貸金業の規制等に関する法律43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年1月13日 平成16(受)1518
登載
民集 第60巻1号1頁
参照法条
(1〜3につき)利息制限法1条1項 (1,3につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項,貸金業の規制等に関する法律18条1項,43条3項,利息制限法4条1項,貸金業の規制等に関する法律施行規則15条 (2,3につき)民法136条
論点30第136条民法

1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払ったことによって生じた過払金と他の借入金債務への充当

裁判要旨1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合と甲の受ける利息等の割合との合計は乙を設立する以前に甲が受けていた利息等の割合とほぼ同程度であったこと,乙は甲の貸付けに限って保証しており,甲から手形貸付けを受ける場合には乙の保証を付けることが条件とされていること,乙は,保証委託契約の締結業務及び保証料の徴収業務を甲に委託しており,信用調査業務についても甲が主体となって行い,債権回収業務も甲が相当程度代行していたことなど判示の事実関係の下においては,乙の受ける保証料等は,甲の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たる。
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において,借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払い,この制限超過部分を元本に充当してもなお過払金が存する場合,この過払金は,当事者間に充当に関する特約が存在するなど特段の事情のない限り,民法489条〈元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当〉及び491条〈数個の給付をすべき場合の充当〉の規定に従って,弁済当時存在する他の借入金債務に充当され,当該他の借入金債務の利率が利息制限法所定の制限を超える場合には,貸主は充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得することができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成15年9月16日 平成14(受)622
登載
集民 第210号729頁
参照法条
利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条
論点31第136条民法

1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払ったことによって生じた過払金と他の借入金債務への充当

裁判要旨1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合と甲の受ける利息等の割合との合計は乙を設立する以前に甲が受けていた利息等の割合とほぼ同程度であったこと,乙は甲の貸付けに限って保証しており,甲から手形貸付けを受ける場合には乙の保証を付けることが条件とされていること,乙は,保証委託契約の締結業務及び保証料の徴収業務を甲に委託しており,信用保証契約の締結に際しても独自の審査を行っておらず,甲が債権回収のための訴えの提起を行っていたことなど判示の事実関係の下においては,乙の受ける保証料等は,甲の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たる。
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において,借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払い,この制限超過部分を元本に充当してもなお過払金が存する場合,この過払金は,当事者間に充当に関する特約が存在するなど特段の事情のない限り,民法489条〈元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当〉及び491条〈数個の給付をすべき場合の充当〉の規定に従って,弁済当時存在する他の借入金債務の利息及び元本に充当され,当該他の借入金債務の利率が利息制限法所定の制限を超える場合には,貸主は充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年9月11日 平成12(受)1000
登載
集民 第210号617頁
参照法条
利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条
論点32第136条民法

1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払ったことによって生じた過払金と他の借入金債務への充当

裁判要旨1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合と甲の受ける利息等の割合との合計は乙を設立する以前に甲が受けていた利息等の割合とほぼ同程度であったこと,乙は甲の貸付けに限って保証しており,甲から手形貸付けを受ける場合には乙の保証を付けることが条件とされていること,乙は,甲に対し,保証委託契約の締結業務,保証料の徴収業務,信用調査業務及び保証の可否の決定業務の委託等をしており,債権回収業務も甲が相当程度代行していたことなど判示の事実関係の下においては,乙の受ける保証料等は,甲の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たる。
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において,借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払い,この制限超過部分を元本に充当してもなお過払金が存する場合,この過払金は,当事者間に充当に関する特約が存在するなど特段の事情のない限り,民法489条〈元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当〉及び491条〈数個の給付をすべき場合の充当〉の規定に従って,弁済当時存在する他の借入金債務に充当され,当該他の借入金債務の利率が利息制限法所定の制限を超える場合には,貸主は充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年7月18日 平成13(受)1032
登載
民集 第57巻7号895頁
参照法条
利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第127条(条件が成就した場合の効果) 詳細ページ
(条件が成就した場合の効果)
第百二十七条停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
民法 第128条(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止) 詳細ページ
(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止)
第百二十八条条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。
民法 第129条(条件の成否未定の間における権利の処分等) 詳細ページ
(条件の成否未定の間における権利の処分等)
第百二十九条条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができる。
民法 第130条(条件の成就の妨害等) 詳細ページ
(条件の成就の妨害等)
第百三十条条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
2条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。
民法 第131条(既成条件) 詳細ページ
(既成条件)
第百三十一条条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
2条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
3前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。
民法 第132条(不法条件) 詳細ページ
(不法条件)
第百三十二条不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。
民法 第133条(不能条件) 詳細ページ
(不能条件)
第百三十三条不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。
2不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。
民法 第134条(随意条件) 詳細ページ
(随意条件)
第百三十四条停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。
民法 第135条(期限の到来の効果) 詳細ページ
(期限の到来の効果)
第百三十五条法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
2法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。
民法 第136条(期限の利益及びその放棄) 詳細ページ
(期限の利益及びその放棄)
第百三十六条期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
2期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。
民法 第137条(期限の利益の喪失) 詳細ページ
(期限の利益の喪失)
第百三十七条次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
一債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
二債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
三債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。