論点1第560条民法
競売手続中の他人の不動産の売主が履行期に所有権移転登記手続等の義務を履行しなかつたとしても履行遅滞の責任がないとされた事例
裁判要旨競売手続中の他人の不動産の売主が履行期に所有権移転登記手続等の義務を履行しなかつたとしても、それが競落許可決定に対し即時抗告の申立がされたことによるなど原判示のような事情がある場合においては、売主の責に帰することのできない事由によるものとして履行遅滞の責任を負わない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和57年7月1日 昭和57(オ)328
- 登載
- 集民 第136号217頁
- 参照法条
- 民法415条,民法541条,民法560条
論点2第560条民法
他人の農地の売買における買主が売主に対して有する農地法三条〈私権の享有は、出生に始まる。〉所定の所有権移転許可の申請協力請求権の消滅時効の起算点
裁判要旨他人の農地の売買における買主が売主に対して有する農地法
三条〈私権の享有は、出生に始まる。〉所定の所有権移転許可の申請協力請求権の消滅時効は、売主が当該農地の所有権を取得した時から進行する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和55年2月29日 昭和54(オ)528
- 登載
- 民集 第34巻2号197頁
- 参照法条
- 民法166条1項,民法560条,農地法3条
論点3第560条民法
所有者から財産の管理・処分を受任した者が自己の名においてした財産処分の効力
裁判要旨所有者から財産の管理・処分を受任した者がみずからの名においてした財産処分の効力は所有者に及ぶ。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和51年12月16日 昭和50(オ)559
- 登載
- 集民 第119号315頁
- 参照法条
- 民法99条,民法100条,民法560条
論点4第560条民法
売主が他人の権利を自己のものと装つて売却した場合における契約の効力
裁判要旨売主が他人の権利を自己のものと装つて売却した場合でも他人の権利を目的とする売買として契約は有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和50年12月25日 昭和49(オ)314
- 登載
- 集民 第116号863頁
- 参照法条
- 民法560条
論点5第560条民法
他人の権利の売主をその権利者が相続した場合と売主としての履行義務
裁判要旨他人の権利の売主をその権利者が相続し売主としての履行義務を承継した場合でも、権利者は、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右履行義務を拒否することができる。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和49年9月4日 昭和44(オ)23
- 登載
- 民集 第28巻6号1169頁
- 参照法条
- 民法560条,民法896条
論点6第560条民法
一、自作農創設特別措置法に基づき国が買収した土地を目的として締結された売買契約と他人の権利の売買
二、他人の財産権を目的とする贈与の効力
裁判要旨一、自作農創設特別措置法に基づいて国が買収し、所有権を取得した土地を目的とし、右土地の被買収者が第三者との間で売買契約を締結することは、民法
五六〇条〈権利移転の対抗要件に係る売主の義務〉にいう「他人ノ権利ヲ以テ売買ノ目的ト為シタルトキ」にあたる。
二、他人の財産権をもつて贈与の目的としたときは、贈与義務者はみずからその財産権を取得して受贈者に移転する義務を負うもので、贈与契約として有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和44年1月31日 昭和43(オ)821
- 登載
- 集民 第94号167頁
- 参照法条
- 民法549条,民法560条,自作農創設特別措置法12条
論点7第560条民法
他人の有する債権を譲渡する契約をしてその譲渡通知をした者がその後同債権を取得した場合における右譲渡および通知の効力
裁判要旨他人の有する債権を譲渡する契約をし、その債権の債務者に対して確定日附のある譲渡通知をした者が、その後同債権を取得した場合には、なんらの意思表示を要しないで、当然に同債権は譲受人に移転し、右譲受人は、同債権の譲受をもつて、その後右譲渡人から同債権の譲渡を受けた第三者に対抗することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年8月2日 昭和42(オ)250
- 登載
- 民集 第22巻8号1558頁
- 参照法条
- 民法466条,民法467条,民法560条
論点8第560条民法
共有者の一人が共有物を自己の単独所有に属するものとして売却した場合の法律関係
裁判要旨共有者の一人が、権限なく、共有物を自己の単独所有に属するものとして他に売り渡した場合でも、売買契約は有効に成立し、自己の持分をこえる部分については、他人の権利の売買としての法律関係を生ずるとともに、自己の持分の範囲内においては、約旨に従つた履行義務を負う。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和43年4月4日 昭和42(オ)30
- 登載
- 集民 第90号887頁
- 参照法条
- 民法251条,民法560条
論点9第560条民法
他人の権利の処分と追認
裁判要旨甲が乙の権利を自己の権利であるとして処分した場合に、乙がこれを追認したときは、右処分は、民法
第一一六条〈無権代理行為の追認〉の類推適用により、処分のときに遡つて、乙についてその効力を生ずると解すべきである(最判昭和三七年八月一〇日第二小法廷判決民集一六巻八号一七〇〇頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年7月15日 昭和40(オ)132
- 登載
- 集民 第79号849頁
- 参照法条
- 民法116条,民法560条
論点10第560条民法
特定物の売買後売主が物件の所有権を取得したときと買主への所有権移転の時期・方法。
裁判要旨売主が第三者所有の特定物を売り渡した後右物件の所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がないかぎり、右物件の所有権は、なんらの意思表示がなくても、売主の所有権取得と同時に買主に移転する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和40年11月19日 昭和40(オ)614
- 登載
- 民集 第19巻7号2003頁
- 参照法条
- 民法176条,民法555条,民法560条
論点11第560条民法
売主およびその相続人の共有不動産が売買の目的とされた場合当該相続人は当該売買契約における売主の義務の履行を拒みうるか。
裁判要旨売主およびその相続人たるべき者の共有不動産が売買の目的とされた場合において、売主が死亡し、相続人が限定承認をしなかつたときは、相続人は当該売買契約成立当時右不動産に持分を有していたからといつて、その持分についても、右売買契約における売主の義務の履行を拒みえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年12月27日 昭和37(オ)810
- 登載
- 民集 第17巻12号1854頁
- 参照法条
- 民法563条,民法560条,民法920条
論点12第560条民法
民法第五六一条〈他人の権利の売買における売主の義務〉にいわゆる移転不能の場合にあたるものと認むべき一事例
裁判要旨原審認定の事実関係(原判定参照)は、民法
第五六一条〈他人の権利の売買における売主の義務〉にいう「売主カ其売却シタル権利ヲ取得シテ之ヲ買主ニ移転スルコト能ハサルトキ」にあたるものと解して妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和30年5月31日 昭和28(オ)1442
- 登載
- 民集 第9巻6号844頁
- 参照法条
- 民法560条,民法561条
論点13第560条民法
一 調停において他人の所有に属する土地の譲渡を約した場合と調停の効力
二 再度の調停申立に基きさきに一旦成立した調停の内容と異なる「調停に代わる裁判」をした場合と右裁判の効力
三 和解において係争物に関係なき物の給付を約するのは和解の本質に反するか
裁判要旨一 調停において、当事者の一方が相手方に譲渡することを約した特定の土地が、当時他人の所有であつたからとて、単にそれだけでは、右調停は履行不能により無効であるということはできない。
二 一旦、調停の成立した法律関係につきその後再度の調停申立がなされ裁判所が戦時民事特別法
第一九条〈審判相互の関係〉、金銭債務臨時調停法第七条による調停に代わる裁判をなし、さきの調停の内容を変更した場合、たとえ右裁判の内容が不当であつたとしても、これに対しては即時抗告をもつて争うのは格別、かかる手続によらないで右裁判を当然無効であるということはできない。
三 当事者が、和解において譲歩の方法として係争物に関係なき物の給付を約することは、和解の本質に反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和27年2月8日 昭和25(オ)29
- 登載
- 民集 第6巻2号63頁
- 参照法条
- 民法559条,民法560条,民法561条,民法562条,民法695条,戦時民事特別法(昭和17年法律63号)19条,金銭債務臨時調停法(昭和7年法律26号)7条,金銭債務臨時調停法(昭和7年法律26号)9条
論点14第560条民法
一 原始的不能と他人の物の売買の成立
二 他人の物の売買の履行不能と契約の解除権
裁判要旨一 他人の物の売買にあつては、その目的物の所有者が、売買成立当時からその物を他に譲渡する意思がなく、従つて、売主において、これを取得し買主に移転することができないような場合であつても、なお、その売買契約は、有効に成立する。
二 他人の物の売買において、売主が、その売却した権利を取得してこれを買主に移転することができないときは、その履行の不能が、原始的であると後発的であるとを問わず、また、売主の責に帰すべき事由によるものと否とを問わず、買主は、ただそれだけの事由に基ずき契約の解除をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和25年10月26日 昭和24(オ)306
- 登載
- 民集 第4巻10号497頁
- 参照法条
- 民法560条,民法561条
論点15第560条民法
無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果
裁判要旨無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合に,当該物の所有者が,自己と同契約の受託者との間に同契約に基づく債権債務を発生させる趣旨でこれを追認したとしても,その所有者が同契約に基づく販売代金の引渡請求権を取得すると解することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成23年10月18日 平成22(受)722
- 登載
- 民集 第65巻7号2899頁
- 参照法条
- 民法116条,民法560条
論点16第560条民法
土地の売買契約の買主が売主に対し債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することの可否
裁判要旨土地の売買契約の買主は,当該売買契約において売主が負う土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務の履行を求めるための訴訟の提起・追行又は保全命令若しくは強制執行の申立てに関する事務を弁護士に委任した場合であっても,売主に対し,これらの事務に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 令和3年1月22日 令和1(受)861
- 登載
- 集民 第265号95頁
- 参照法条
- 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)415条,民法416条1項,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)416条2項,民法555条,民法560条
論点17第561条民法
換地計画又は換地処分の無効と従前地につきそれが別の特定の土地に換地されることを前提として締結された売買契約の効力
裁判要旨土地区画整理事業の施行地内の土地につき将来それが別の特定の土地に換地されることを前提として売買契約が締結された場合において、換地計画又は換地処分に無効原因が存しても、売買契約当時予定されていたところによる換地がされないことに確定しない限り、右売買契約の効力に直ちに消長を来すものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和55年3月6日 昭和54(オ)835
- 登載
- 集民 第129号247頁
- 参照法条
- 土地区画整理法104条,民法561条,民法570条
論点18第561条民法
売買契約が民法五六一条により解除された場合と目的物の引渡を受けていた買主の使用利益返還義務
裁判要旨売買契約に基づき目的物の引渡を受けていた買主は、民法
五六一条〈他人の権利の売買における売主の義務〉により右契約を解除した場合でも、原状回復義務の内容として、解除までの間目的物を使用したことによる利益を売主に返還しなければならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和51年2月13日 昭和49(オ)1152
- 登載
- 民集 第30巻1号1頁
- 参照法条
- 民法545条,民法561条
論点19第561条民法
他人の権利を売買の目的とした場合の売主の担保責任と債務不履行による責任
裁判要旨他人の権利を目的とする売買の売主が、その責に帰すべき事由によつて、該権利を取得してこれを買主に移転することができない場合には、買主は、売主に対し、民法
第五六一条〈他人の権利の売買における売主の義務〉但書の適用上、担保責任としての損害賠償の請求ができないときでも、なお債務不履行一般の規定に従つて損害賠償の請求をすることができるものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和41年9月8日 昭和40(オ)210
- 登載
- 民集 第20巻7号1325頁
- 参照法条
- 民法561条,民法415条
論点20第561条民法
承諾のない転貸をした転貸人の転借人に対する損害賠償責任。
裁判要旨賃貸人の承諾のない転貸をした転貸人は、転借人に対し将来賃貸人の承諾を得ることを約諾し、またはこれを得ることの確実であることを保証した等特段の事由がない限り、右承諾のない事実を知つて転貸借契約をした転借人に対し損害賠償請求を負わない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和40年3月23日 昭和39(オ)86
- 登載
- 集民 第78号395頁
- 参照法条
- 民法561条,民法612条
論点21第563条民法
面積を表示して売買された土地が表示どおりの面積を有しない場合と売主の買主に対する履行利益の賠償義務の有無
裁判要旨土地の売買契約において、土地の面積が表示された場合でも、その表示が代金額決定の基礎としてされたにとどまり契約の目的を達成するうえで特段の意味を有するものでないときは、売主は、当該土地が表示どおりの面積を有したとすれば買主が得たであろう利益について、その損害を賠償すべき責めを負わない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和57年1月21日 昭和54(オ)1244
- 登載
- 民集 第36巻1号71頁
- 参照法条
- 民法563条3項,民法565条
論点22第564条民法
買主において売主を知ることができない場合における民法五六四条〈買主の損害賠償請求及び解除権の行使〉所定の期間の起算点
裁判要旨民法
五六五条〈移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任〉によつて準用される同法五六四条所定の期間は、善意の買主が、売買目的物の数量の不足を知つたが、その責に帰すべきでない事由により売主を知ることができなかつた場合には、売主を知つた時から起算すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和48年7月12日 昭和48(オ)157
- 登載
- 民集 第27巻7号785頁
- 参照法条
- 民法564条,民法565条
論点23第564条民法
1 民法564条〈買主の損害賠償請求及び解除権の行使〉にいう「事実ヲ知リタル時」の意義
2 土地の買主が当該土地の一部の所有権の帰属をめぐる裁判手続においてこれが隣接地に属する旨の隣接地所有者の主張を知った時点をもって民法564条所定の「事実ヲ知リタル時」ということはできないとされた事例
裁判要旨1 民法
564条〈買主の損害賠償請求及び解除権の行使〉にいう「事実ヲ知リタル時」とは,買主が売主に対し同法563条又は565条に規定する担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識した時をいう。
2 土地の買主と隣接地所有者との間で買い受けた土地の一部の所有権の帰属が争われた裁判手続において,隣接地所有者が係争地は同人の所有に属することを明確に主張したとしても,買主がその主張を知った時点をもって民法564条所定の「事実ヲ知リタル時」ということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成13年2月22日 平成11(オ)1261
- 登載
- 集民 第201号109頁
- 参照法条
- 民法564条
論点24第565条民法
宅地の売買がいわゆる数量指示売買ではないとされた事例
裁判要旨(省略)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和45年11月5日 昭和45(オ)556
- 登載
- 集民 第101号347頁
- 参照法条
- 民法565条
論点25第565条民法
宅地の売買がいわゆる数量指示売買ではないとされた事例
裁判要旨いわゆる数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数または尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいい、宅地の売買においてその目的物を登記簿に記載してある字地番地目および坪数をもつて表示したとしても、直ちに売主が右坪数のあることを表示したものというべきではない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年8月20日 昭和41(オ)770
- 登載
- 民集 第22巻8号1692頁
- 参照法条
- 民法565条
論点26第565条民法
民法第五六五条〈移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任〉にいう数量指示売買の意義
裁判要旨民法
第五六五条〈移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任〉にいういわゆる数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積・容積・重量・員数または尺度のあることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買を指称するものである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年12月20日 昭和43(オ)1035
- 登載
- 集民 第93号775頁
- 参照法条
- 民法565条
論点27第565条民法
宅地の売買がいわゆる数量指示売買にあたらないとされた事例
裁判要旨(省略)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年11月5日 昭和43(オ)308
- 登載
- 集民 第93号71頁
- 参照法条
- 民法565条
論点28第565条民法
いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合に民法565条〈移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任〉を類推適用して売主が代金の増額を請求することの可否
裁判要旨いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合,売主は民法565条の類推適用を根拠として代金の増額を請求することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成13年11月27日 平成12(受)375
- 登載
- 民集 第55巻6号1380頁
- 参照法条
- 民法565条
論点29第565条民法
土地の売買がいわゆる数量指示売買に当たるとされた事例
裁判要旨市街化区域内に所在する50坪余りの更地の売買契約において,契約書には目的物件の表示として公簿面積のみが記載されていたとしても,それが住宅用の敷地として売買されたものであり,代金額については,坪単価に面積を乗じる方法により算定することを前提にして,売主が提示した坪単価の額からの値下げの折衝を経て合意が形成され,当事者双方とも土地の実測面積が公簿面積に等しいとの認識を有しており,契約書における公簿面積の記載も実測面積が公簿面積と等しいか少なくともそれを下回らないという趣旨でされたものであるなど判示の事情の下においては,当該土地が公簿面積どおりの実測面積を有することが売主によって表示され,実測面積を基礎として代金額が定められたものということができ,その売買契約は,いわゆる数量指示売買に当たる。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成13年11月22日 平成12(受)372
- 登載
- 集民 第203号743頁
- 参照法条
- 民法565条
論点30第566条民法
一 リース物件の売主がリース会社からの借主に対し性能不良を理由として賠償すべき額を算定するに当たり損益相殺すべき借主の利益の額につき判示した事例
二 リース物件の性能不良のため借主がリース会社に対する売主にその引取方を要求したのちに右リース物件が水害により使用不能となつた場合についてその損失を売主において負担すべきものとした事例
裁判要旨一 リース会社に対し会計機を売却した者が、リース契約によりリース会社から右会計機を借り受けた者に対し、直接その性能を保証し、保証した性能を欠くときは借主の受ける損害を賠償する旨の損害担保契約を結んだ場合において、右会計機が保証された性能を欠くため借主の業務に適合せず、そのため借主が売主にその引取方を要求して使用を中止したなど原判示の事実関係があるときは、売主が借主に対して賠償すべきリース料相当の損害から損益相殺すべき借主の利益の額は、借主が右会計機の使用を中止するまでの間であつて、売主の協力を得て利用できた期間のリース料相当額によつて算出するのが相当である。
二 リース会社に対し会計機を売却した者が、リース契約によりリース会社から右会計機を借り受けた者に対し、直接その性能を保証し、保証した性能を欠くときは借主の受ける損害を賠償する旨の損害担保契約を結んだ場合において、右会計機が借主の手元で水害にあい使用不能となつても、右会計機が保証された性能を欠くため借主の業務に適合せず、そのため右の水害前すでに借主から売主にその引取方を要求していたなど原判示の事実関係のもとでは、右会計機の使用不能の事実は売主が借主に賠償すべき損害の算定に当たり考慮すべきでなく、右水害による損失は売主において負担すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和56年4月9日 昭和53(オ)1339
- 登載
- 集民 第132号531頁
- 参照法条
- 民法416条,民法540条,民法545条1項,民法548条,民法559条,民法566条,民法570条
論点31第566条民法
買主が売主に対し民法五七〇条に基づく損害賠償の請求をするとともに該請求権を自働債権とする相殺の意思表示をしたものと解された事例
裁判要旨単価を六五円とする穀用かますの売買契約において引き渡された一二万八一〇〇枚につき、買主が売主にあてて、右かますに欠陥があることを具体的に指摘したうえ、穀用かますとしての商品価値が認められず、一枚当り二〇円、数量一二万八一〇〇枚、この代金二五六万二〇〇〇円としての減価採用で精算させていただく等判示のような記載のある書面を送付したときは、特別の事情がないかぎり、買主は、売主に対し、受領物の瑕疵に基づく損害賠償の請求をするとともに、該請求権を自働債権とし売買代金債権を受働債権とする相殺の意思表示をしたものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年2月25日 昭和48(オ)558
- 登載
- 民集 第29巻2号168頁
- 参照法条
- 民法91条,民法506条1項,民法566条,民法570条
論点32第566条民法
民法第五六六条第二項〈目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限〉の類推適用を妨ぐべき買主の悪意の程度
裁判要旨売買の目的たる土地につき罹災都市借地借家臨時処理法第一〇条により対抗力を有する賃借権が存する場合、買主において右対抗力発生の要件たる事実関係を知つていた以上、たとえ対抗力あることを知らなくても、民法
第五六六条第二項〈目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限〉を類推適用するにつき準用すべき同条第一項の「知ラザリシトキ」にあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年12月12日 昭和31(オ)899
- 登載
- 民集 第11巻13号2131頁
- 参照法条
- 民法566条,罹災都市借地借家臨時処理法10条
論点33第566条民法
商事売買における目的物の瑕疵と代金減額請求権の有無
裁判要旨商事売買においても、目的物に瑕疵あることを理由として代金減額の請求をすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和29年1月22日 昭和26(オ)566
- 登載
- 民集 第8巻1号198頁
- 参照法条
- 商法526条,民法570条,民法566条
論点34第566条民法
借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法五六八条一項〈競売における担保責任等〉、二項及び五六六条一項〈目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限〉、二項の類推適用
裁判要旨建物に対する強制競売において、借地権の存在を前提として売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、代金納付の時点において借地権が存在しなかった場合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法
五六八条一項〈競売における担保責任等〉、二項及び
五六六条一項〈目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限〉、二項の類推適用により、強制競売による建物の売買契約を解除した上、売却代金の配当を受けた債権者に対し、その返還を請求することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成8年1月26日 平成5(オ)1054
- 登載
- 民集 第50巻1号155頁
- 参照法条
- 民法566条1項2項,民法568条1項2項,民事執行法60条,民事執行法62条,民事執行法79条
論点35第566条民法
一 民法五六六条三項〈目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限〉にいう一年の期間の性質
二 瑕疵担保による損害賠償請求権の除斥期間と裁判上の権利行使の要否
裁判要旨一 民法
五六六条三項〈目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限〉にいう一年の期間は、除斥期間である。
二 瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには、右請求権の除斥期間内に、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもつて足り、裁判上の権利行使をするまでの必要はない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成4年10月20日 昭和63(オ)1543
- 登載
- 民集 第46巻7号1129頁
- 参照法条
- 民法566条3項,民法570条
論点36第566条民法
瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効
裁判要旨瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成13年11月27日 平成10(オ)773
- 登載
- 民集 第55巻6号1311頁
- 参照法条
- 民法167条1項,民法566条3項,民法570条
論点37第567条民法
仮登記担保権の実行により目的物の所有権を喪失した競落人と民法五六七条〈目的物の滅失等についての危険の移転〉の類推適用
裁判要旨第三者の売買予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記が存在する建物の競落人は、後日右売買予約の完結により仮登記の本登記がなされ、目的物件の所有権を喪失した場合には、民法
五六八条〈競売における担保責任等〉、
五六七条〈目的物の滅失等についての危険の移転〉の類推適用により当該建物の売買(競落)を解除することができるものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年10月14日 昭和47(オ)746
- 登載
- 集民 第116号293頁
- 参照法条
- 民法556条,民法567条,民法568条,不動産登記法2条,不動産登記法7条2項
論点38第569条民法
銀行が担保権者としてなした根抵当権の設定登記が無効であるとされた事例
裁判要旨甲からの手形の割引による金員の借用の申込を諒承した銀行が、甲と銀行との間に従前取引がなかつたため、貸付の便宜上銀行と取引関係のある乙を借主とし、甲を担保提供者として甲所有の土地に根抵当権を設定して右手形の割引をすることとして右土地につき根抵当権を設定した場合において、右根抵当権の債務者を乙、被担保債権を銀行の乙に対する取引債権とし、しかも、銀行が甲の右手形の割引を拒否したものであるときは、右根抵当権設定の登記は、実体関係に符合せず、無効と解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和46年3月26日 昭和45(オ)1154
- 登載
- 集民 第102号355頁
- 参照法条
- 民法569条
論点39第569条民法
敷地賃借権付き建物の売買における敷地の欠陥と売買目的物の隠れた瑕疵
裁判要旨建物とその敷地の賃借権とが売買の目的とされた場合において、賃貸人が修繕義務を負担すべき敷地の欠陥は、売買の目的物の隠れた瑕疵ではない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成3年4月2日 昭和62(オ)526
- 登載
- 民集 第45巻4号349頁
- 参照法条
- 民法559条,民法569条,民法570条
論点40第570条民法
保安林指定のある山林の売買につき売主に瑕疵担保責任があるものとされた事例
裁判要旨宅地造成を目的とする売買の対象土地が森林法による保安林指定区域内に存するため買主が右売買の目的を達成できなくなつた場合において、買主が不動産取引に通暁せず、かつ、登記簿上の地目が保安林ではなく、売主及び仲介業者からも右指定を知らされていなかつたなど、原判示の事実があるときは、売主は瑕疵担保責任を負うべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和56年9月8日 昭和55(オ)235
- 登載
- 集民 第133号401頁
- 参照法条
- 民法570条
論点41第570条民法
商人間の不特定物を目的とする売買における不完全履行と代物請求権
裁判要旨商人間の不特定物を目的とする売買において、瑕疵のある物が給付された場合においても、商法五二六条一項の適用の結果、買主において契約を解除しえず、また損害の賠償をも請求しえなくなつたのちにおいては、買主は売主に対し、もはや完全な給付を請求することはできないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和47年1月25日 昭和46(オ)533
- 登載
- 集民 第105号19頁
- 参照法条
- 民法415条,民法570条,商法526条
論点42第570条民法
限定種類債務の目的物特定後における債務不履行
裁判要旨限定種類債務の目的物が当事者の合意により特定し一時買主の保管下におかれた場合でも、売主において修理を加え完成品として引き渡すことを後日に留保したときは、いまだ売買目的物の引渡しを了したものとはいえず、債務不履行責任を生じうる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和41年9月6日 昭和39(オ)718
- 登載
- 集民 第84号311頁
- 参照法条
- 民法401条,民法415条,民法570条
論点43第570条民法
売買の目的土地の大部分が都市計画街路の境域内に存するために売買の目的物に隠れた瑕疵があるとされた事例。
裁判要旨買主が原判示規模の居宅(原判決理由参照)の敷地として使用する目的を表示して買い受けた土地の約八割の部分が都市計画街路の境域内に存するため、たとえ買主が右居宅を建築しても、早晩、都市計画事業の実施により、その全部または一部を撤去しなければならない場合において、右計画街路の公示が、売買契約成立の一〇数年以前に、告示の形式でなされたものであるため、買主において買受土地中の前記部分が右計画街路の境域内に存することを知らなかつたことについて過失があるといえないときは、売買の目的物に隠れた瑕疵があると解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和41年4月14日 昭和40(オ)690
- 登載
- 民集 第20巻4号649頁
- 参照法条
- 民法570条
論点44第570条民法
隠れた瑕疵の修理義務の履行と代金支払につき同時履行の抗弁が成り立たないとされた事例。
裁判要旨引き渡したボートの隠れた瑕疵を調査するため売主買主立会のうえ試運転をする旨の協定がなされていたところ、買主が一方的に右試運転を取り止め、代金全額支払を約諾するに至つた以上、買主は、売主の隠れた瑕疵に対する修理義務不履行を理由に、代金支払につき同時履行を主張できない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和39年3月19日 昭和38(オ)1048
- 登載
- 集民 第72号585頁
- 参照法条
- 民法570条,民法571条
論点45第570条民法
不特定物の売買における目的物受領後の不完全履行による契約解除の可否。
裁判要旨不特定物の売買において給付されたものに瑕疵のあることが受領後に発見された場合、買主がいわゆる瑕疵担保責任を問うなど、瑕疵の存在を認識した上で右給付を履行として容認したと認められる事情が存しない限り、買主は、取替ないし追完の方法による完全履行の請求権を有し、また、その不完全な給付が売主の責に帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和36年12月15日 昭和32(オ)1222
- 登載
- 民集 第15巻11号2852頁
- 参照法条
- 民法415条,民法541条,民法570条
論点46第570条民法
一 和解が要素の錯誤によつて無効とされた事例
二 契約の要素に錯誤があつた場合と民法第五七〇条〈抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求〉の適用の有無
裁判要旨一 仮差押の目的となつているジヤムが一定の品質を有することを前提として和解契約をなしたところ、右ジヤムが原判示の如き(原判決理由参照)粗悪品であつたときは、右和解は要素に錯誤があるものとして無効であると解すべきである
二 契約の要素に錯誤があつて無効であるときは、民法
第五七〇条〈抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求〉の瑕疵担保の規定の適用は排除される
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和33年6月14日 昭和32(オ)1171
- 登載
- 民集 第12巻9号1492頁
- 参照法条
- 民法696条,民法95条,民法570条
論点47第570条民法
土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において,上記売買の当時,買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事例
裁判要旨土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において,土地区画整理組合が組合員に賦課金を課する旨を総代会において決議するに至ったのは,上記売買後に開始された保留地の分譲が芳しくなかったためであり,上記売買の当時,土地区画整理組合において組合員に賦課金を課することが具体的に予定されていたことは全くうかがわれないこと,上記決議が上記売買から数年も経過した後にされたことなど判示の事情の下においては,上記売買の当時,買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成25年3月22日 平成23(受)1490
- 登載
- 集民 第243号83頁
- 参照法条
- 民法570条,土地区画整理法40条1項
論点48第570条民法
売買契約の目的物である土地の土壌に,上記売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことが,民法570条〈抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求〉にいう瑕疵に当たらないとされた事例
裁判要旨売買契約の目的物である土地の土壌に,上記売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことは,(1)上記売買契約締結当時の取引観念上,ふっ素が土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認識されておらず,(2)上記売買契約の当事者間において,上記土地が備えるべき属性として,その土壌に,ふっ素が含まれていないことや,上記売買契約締結当時に有害性が認識されていたか否かにかかわらず,人の健康に係る被害を生ずるおそれのある一切の物質が含まれていないことが,特に予定されていたとみるべき事情もうかがわれないなど判示の事情の下においては,民法
570条〈抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求〉にいう瑕疵に当たらない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成22年6月1日 平成21(受)17
- 登載
- 民集 第64巻4号953頁
- 参照法条
- 民法570条
論点49第576条民法
民法五七六条〈権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶〉但書にいう「担保ヲ供シタルトキ」の意義
裁判要旨民法
五七六条〈権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶〉但書にいう「担保ヲ供シタルトキ」とは、売主が買主との合意に基づいて担保物権を設定したか、又は保証契約を締結したなどの場合をいい、担保の提供について買主の承諾を伴わない場合はこれにあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年3月25日 昭和55(オ)1023
- 登載
- 集民 第138号395頁
- 参照法条
- 民法576条
論点50第576条民法
賃借物につき第三者から明渡を求められた賃借人の賃料支払拒絶権
裁判要旨土地又は建物の賃借人は、賃借物に対する権利に基づき自己に対して明渡を請求することができる第三者からその明渡を求められた場合には、それ以後、賃料の支払を拒絶することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和50年4月25日 昭和49(オ)161
- 登載
- 民集 第29巻4号556頁
- 参照法条
- 民法559条,民法576条,民法601条
論点51第576条民法
他人の物の賃貸借において賃借人が賃料支払を拒否できるとされた事例
裁判要旨他人の物の賃貸借において、賃貸人がその物の所有者に対抗できる何らの権限をも有しないため、賃借人が、その物に対する使用収益に関して、現実に所有者から不法占有を理由とする損害賠償の請求等を受けて、その責に任じなければならない事態となつたときは、賃借人は賃貸人に対する賃料の支払を拒否し得るものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和41年5月26日 昭和38(オ)1458
- 登載
- 集民 第83号605頁
- 参照法条
- 民法576条,民法533条
論点52第577条民法
一 借地法第一〇条〈後見開始の審判の取消し〉に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買と民法第五七七条適用の有無
二 買取請求権行使の対象たる建物に抵当権が設定されている場合と当該建物の時価
三 滌除権の取得と所有権所得登記の要否
裁判要旨一 借地法
第一〇条〈後見開始の審判の取消し〉に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買についても民法
第五七七条〈抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶〉の適用がある。
二 借地法
第一〇条に基づく買取請求の対象たる建物の時価は、建物に抵当権の設定があつても減額されるべきではない。
三 抵当不動産の買主が売主に対する関係で滌除権の取得を主張するためには、右不動産の所有権取得登記を経ることを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和39年2月4日 昭和36(オ)1299
- 登載
- 民集 第18巻2号233頁
- 参照法条
- 民法378条,民法577条,民法177条,借地法10条