会社法 / テーマ別まとめ

指名委員会等設置会社

3つの委員会と執行役。誰が経営を決め、誰が執行するか。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

指名委員会等設置会社は、取締役会の中に指名委員会・監査委員会・報酬委員会という3つの委員会を置き、取締役等の選解任議案の内容、執行役等の職務執行の監査、執行役等の報酬の内容をそれぞれ決定する会社形態である。業務執行の決定と執行は主に執行役が担い、取締役会は経営の基本方針など重要事項の決定と執行役等の職務執行の監督に当たる。各委員会は委員3人以上で組織され、委員の過半数は社外取締役でなければならない。

指名・監査・報酬委員会の比較
委員会構成主な職務決定できる事項
指名委員会3人以上、過半数社外取締役取締役等の選解任議案の内容決定株主総会提出の取締役選解任議案
監査委員会3人以上、過半数社外取締役、執行役等兼任不可執行役等の職務執行の監査会計監査人の選解任・不再任議案
報酬委員会3人以上、過半数社外取締役執行役等の個人別報酬等の決定執行役等個人別の報酬等の内容
  • 各委員会の委員は取締役の中から取締役会の決議で選定される
  • 監査委員は指名委員会等設置会社・子会社の執行役や業務執行取締役、子会社の会計参与・支配人その他使用人を兼任できない
  • 報酬委員会は、執行役が支配人その他の使用人を兼ねる場合、その報酬等の内容も決定する
  • 委員は職務執行に必要な費用等の請求を、必要でないと証明されない限り拒まれない
  • 非公開会社の指名委員会等設置会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができる(公開会社は不可)
  • 指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止した場合、執行役の任期はその効力発生時に満了する
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3つの委員会

構成と権限

第400条委員の選定等各委員会は3人以上・過半数社外取締役で構成4項判例なし
  • 委員は取締役の中から取締役会決議で選ぶ
  • 各委員会の委員は3人以上、過半数は社外取締役
  • 監査委員は執行役・業務執行取締役・子会社の会計参与や使用人と兼任不可
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第404条指名委員会等の権限等3委員会がそれぞれ決定する事項を定める4項・5号判例なし
  • 指名委員会は取締役等の選解任議案の内容を決定
  • 監査委員会は執行役等の職務執行を監査し、会計監査人の選解任等の議案を決定
  • 報酬委員会は執行役等の個人別報酬等の内容を決定
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取締役会の役割

基本方針の決定と監督

第416条指名委員会等設置会社の取締役会の権限取締役会が業務執行の決定と監督を担当4項・26号判例なし
  • 経営の基本方針など重要事項は取締役会が自ら決定
  • 取締役会はこれらの職務を取締役個人に委任できない
  • 業務執行の決定は原則、執行役に委任できるが一部除く
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執行役が執行する

選任・権限・責任

第402条執行役の選任等執行役は1人以上、取締役会が選任8項判例なし
  • 執行役は取締役会の決議によって選任される
  • 執行役は取締役を兼任できる
  • 任期は選任後1年以内の事業年度に関する定時総会後最初の取締役会終結まで
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第418条執行役の権限執行役は委任された決定と業務執行を行う1項・2号判例なし
  • 取締役会から委任された業務執行の決定を行う
  • 指名委員会等設置会社の業務執行を行う
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第419条執行役の監査委員に対する報告義務等執行役は重大な損害のおそれを監査委員に報告3項判例なし
  • 会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実は直ちに監査委員に報告する
  • 355条〈忠実義務〉・356条〈競業及び利益相反取引の制限〉・365条2項〈競業及び取締役会設置会社との取引等の制限〉の規定が執行役に準用される
  • 357条〈取締役の報告義務〉の規定は指名委員会等設置会社には適用されない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第400条(委員の選定等) 詳細ページ
(委員の選定等)
第四百条指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。
2各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
3各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。
4監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。
会社法 第404条(指名委員会等の権限等) 詳細ページ
(指名委員会等の権限等)
第四百四条指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。
2監査委員会は、次に掲げる職務を行う。
一執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
二株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定
3報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。
4委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
一費用の前払の請求
二支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
会社法 第416条(指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 詳細ページ
(指名委員会等設置会社の取締役会の権限)
第四百十六条指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
一次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定
イ経営の基本方針
ロ監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
ハ執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
ニ次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
ホ執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
二執行役等の職務の執行の監督
2指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
一第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
四第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六第三百四十八条の二第二項の規定による委託
七第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認
八第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
九第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職
十第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任
十一第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定
十二第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職
十三第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
十四補償契約の内容の決定
十五役員等賠償責任保険契約の内容の決定
十七第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
十八第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十九合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十一新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十二株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十三株式移転計画の内容の決定
二十四株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
会社法 第402条(執行役の選任等) 詳細ページ
(執行役の選任等)
第四百二条指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。
2執行役は、取締役会の決議によって選任する。
3指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。
4第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。
5株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。
6執行役は、取締役を兼ねることができる。
7執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。
8前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
会社法 第418条(執行役の権限) 詳細ページ
(執行役の権限)
第四百十八条執行役は、次に掲げる職務を行う。
一第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定
二指名委員会等設置会社の業務の執行
会社法 第419条(執行役の監査委員に対する報告義務等) 詳細ページ
(執行役の監査委員に対する報告義務等)
第四百十九条執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。
2第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。
3第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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