論点1第667条民法
民法上の組合契約ないしそれに類似する無名契約における契約当事者の死亡と業務執行者の地位の相続
裁判要旨民法上の組合契約ないしそれに類似する無名契約にもとづく共同事業において、契約当事者間に、同人らが死亡したときはその相続人が当然に共同事業に関する被相続人の地位を相続する旨の合意が成立していたときでも、右契約をもつて委任された業務執行者の地位は相続の対象となるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和44年10月21日 昭和42(オ)567
- 登載
- 集民 第97号61頁
- 参照法条
- 民法667条,民法670条,民法679条,民法896条
論点2第667条民法
一 民法上の組合的性質を有する頼母子講の性質とその解散
二 未落札者全員のみでした前項の頼母子講の解散と既落札者の返掛金債務の分割弁済の利益
裁判要旨一 民法上の組合的性質を有する頼母子講は、講の会合がすすむにつれて、講金の既落札者間における消費貸借の性質が増加し、組合性が後退するため、未落札者全員のみで解散を決定することができる。
二 前項の場合の清算手続においては、既落札者は、返掛金について分割弁済の利益を失わない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和42年4月18日 昭和40(オ)1339
- 登載
- 民集 第21巻3号659頁
- 参照法条
- 民法667条,民法136条
論点3第667条民法
頼母子講の未取口者のみの申合せによつて掛戻金取立方法の変更ができるとされた事例
裁判要旨原審認定の事実関係(原判決理由参照)のもとにおける組合類似の頼母子講にあつては、未取口者のみの申合せによつて、講世話人の取立および落札の方法を中止し、その後は未取口者が一体となつて既取口者に対しその掛戻金の支払を請求できるものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年3月31日 昭和41(オ)1295
- 登載
- 民集 第21巻2号492頁
- 参照法条
- 民法667条
論点4第667条民法
組合契約の無効と組合員のした組合名義による物件売渡契約の効力
裁判要旨組合員が組合名義で第三者に対し物件の売渡契約を締結した場合には、当該組合契約が無効であつても、右組合員は右第三者に対し代金債権を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月25日 昭和40(オ)1228
- 登載
- 民集 第20巻9号1946頁
- 参照法条
- 民法667条,民法668条
論点5第667条民法
債権者集会に訴訟当事者能力が認められた事例。
裁判要旨債権者集会が民法上の組合と認められ、かつ、代表者の定めがなされている限り、これに訴訟当事者能力を認めて妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年4月2日 昭和34(オ)1114
- 登載
- 集民 第65号357頁
- 参照法条
- 民訴法46条,民法667条
論点6第667条民法
民法上の組合の訴訟当事者能力。
裁判要旨代表者の定めがある民法上の組合は、訴訟当事者能力を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年12月18日 昭和34(オ)130
- 登載
- 民集 第16巻12号2422頁
- 参照法条
- 民訴法46条,民法667条
論点7第667条民法
民法上の組合における多数代理の許否。
裁判要旨民法上の組合において組合契約その他により業務執行組合員が定められていない場合、組合員の過半数のものは、共同して右組合を代理する権限を有するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和35年12月9日 昭和31(オ)859
- 登載
- 民集 第14巻13号2994頁
- 参照法条
- 民法667条,民法670条
論点8第667条民法
設立中の株式会社の財産について横領罪の成立する一事例
裁判要旨株式会社設立のため出資された資金によつて建設された建物が、会社設立前でも出資者の組合財産であると認められる場合は、その組合の事業を委されている者がこれを自己名義に保存登記をした上、自己の債務の弁済に供するため他に譲渡した場合は横領罪を構成する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年12月19日 昭和28(あ)5403
- 登載
- 刑集 第11巻13号3316頁
- 参照法条
- 刑法252条,民法667条,民法668条,商法535条,商法536条
論点9第667条民法
民法上の組合に類似するものとしてその財産に対し持分を肯定したことが違法とされた事例
裁判要旨鰮網漁業を営むD網が「当初網を設立する際特定の社内が金銭、或は漁業に必要な設備、資材を出資したか否かに関係なく、設立後においては漁業経営に必要な施設及び資材は社内全員の権利(持分は平等)に属するものとされており、また、特定の者が社内となる場合には、他の社内全員の承認あれば足り、金銭その他の財産を出資することを要せず、また社内を辞任し脱退する場合にも他の社内全員の承認を得れば足り脱退と同時に漁業経営に必要なる施設、資材に対する権利を当然喪失しその際持分を金銭に評価してこれを払戻す等のことをしていない」ものとすれば、右D網は、著しく組合の性質に反し、これを組合に類似するものとして社内が、その施設、資材に対し持分を有することを肯定したのは違法である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年10月31日 昭和30(オ)729
- 登載
- 民集 第11巻10号1796頁
- 参照法条
- 民法667条,民法668条
論点10第667条民法
共有土地を共同で使用するのは民法第六六七条の「共同の事業を営むこと」にあたるか
裁判要旨土地の共有者が共同でその土地を使用することは共有土地の利用方法であつて、民法
第六六七条〈組合契約〉の「共同の事業を営むこと」にあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和26年4月19日 昭和23(オ)61
- 登載
- 民集 第5巻5号256頁
- 参照法条
- 民法259条,民法667条
論点11第667条民法
民法上の組合の組合員が組合の事業に係る作業に従事して支払を受けた収入に係る所得が給与所得に該当するとされた事例
裁判要旨りんご生産等の事業を営むことを目的とする民法上の組合の組合員がりんご生産作業の専従者として同作業に従事して労務費名目で金員の支払を受けた場合において,上記金員は作業時間を基礎として日給制でその金額が決定され原則として毎月所定の給料日に現金を手渡す方法で支払われ,専従者は同作業の管理者の指示に従って作業に従事し,その作業時間がタイムカードによって記録されており,その作業内容を含めこれらの点において専従者と一般作業員との間に基本的に異なるところがなく,他方,組合員に対する出資口数に応じた現金配当は1度行われたことがあるにすぎないなど判示の事実関係の下においては,専従者が一般作業員とは異なり組合員の中から組合の総会において選任されりんご生産作業においては管理者と一般作業員との間にあって管理者を補助する立場にあったことなどを考慮しても,上記金員に係る収入をもって労務出資をした組合員に対する組合の利益の分配であるとみるのは困難であり,当該収入に係る所得は給与所得に該当する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成13年7月13日 平成12(行ツ)13
- 登載
- 集民 第202号673頁
- 参照法条
- 所得税法27条1項,所得税法28条1項,民法667条,民法674条
論点12第668条民法
組合財産全部の処分には総組合員の合意を要するか。
裁判要旨組合財産に属する一切の権利義務を譲渡する旨の契約をするには、総組合員の合意を必要とする。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月28日 昭和37(オ)762
- 登載
- 集民 第71号409頁
- 参照法条
- 民法251条,民法668条,民法676条
論点13第668条民法
一 組合財産共有の性質。
二 組合員の一人のなす登記抹消請求の許否。
裁判要旨一 組合財産についても、民法
第六六七条〈組合契約〉以下において特別の規定のなされていない限り、民法
第二四九条〈共有物の使用〉以下の共有の規定が適用される。
二 組合員の一人は、単独で、組合財産である不動産につき登記簿上の所有名義者たる者に対して登記の抹消を求めることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和33年7月22日 昭和31(オ)103
- 登載
- 民集 第12巻12号1805頁
- 参照法条
- 民法第668条,民法第249条,民法252条,民法177条
論点14第670条民法
民法上の組合の業務執行組合員に対する組合員の任意的訴訟信託の許否
裁判要旨民法上の組合において、組合規約に基づき、自己の名で組合財産を管理し、対外的業務を執行し、訴訟を追行する権限を与えられた業務執行組合員は、組合財産に関する訴訟につき、組合員から任意的訴訟信託を受けたものであり、自己の名で訴訟を追行することが許される。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和45年11月11日 昭和42(オ)1032
- 登載
- 民集 第24巻12号1854頁
- 参照法条
- 民訴法45条,民法670条
論点15第670条民法
業務執行組合員に組合代理が認められるとされた事例
裁判要旨民法上の組合において、規約に基づいて会長に選任された組合員が、かつて組合を代表して第三者との間で重要な組合財産に関して交換契約を締結し、各組合員において右契約の有効なることを前提として、これによつて得た土地を使用して共同の事業を営んでいた等判示の事実関係のもとにおいては、右組合員は対外的にも総組合員を代理する権限を有していたものと認めるのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月27日 昭和41(オ)1429
- 登載
- 集民 第91号503頁
- 参照法条
- 民法670条
論点16第670条民法
民法上の組合の業務執行者の代理権限の制度と第三者に対する対抗力。
裁判要旨民法上の組合において組合規約等で業務執行者の代理権限を制限しても、その制限は善意無過失の第三者に対抗できないものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年5月31日 昭和35(オ)1461
- 登載
- 民集 第17巻4号600頁
- 参照法条
- 民法670条
論点17第670条民法
組合員の過半数の決議による組合財産の処分と憲法第二九条
裁判要旨組合財産の処分が業務執行としてなされる場合、組合員の過半数を以て決せられるのを原則とすることは民法第六七〇条の明定するところであるから、組合契約上別段の定めがないかぎり、組合員はかかる業務執行を当然のこととして組合契約をしたものとすべく、過半数の決議によつて所有者の意思に反し財産権を奪うことを前提として憲法第二九条違反をいうのは前提を欠く。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年2月23日 昭和35(テ)28
- 登載
- 集民 第58号939頁
- 参照法条
- 民法670条,憲法29条
論点18第675条民法
権利能力のない社団の取引上の債務と社団構成員の責任
裁判要旨権利能力のない社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務は、社団の構成員全員に一個の義務として総有的に帰属し、社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は、取引の相手方に対し個人的債務ないし責任を負わない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和48年10月9日 昭和45(オ)1038
- 登載
- 民集 第27巻9号1129頁
- 参照法条
- 民法33条,民法427条,民法675条,民訴法46条
論点19第675条民法
一 構成員に会社を含む共同企業体の債務と各構成員の連帯債務関係
二 和議開始の申立てをした連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が右申立てを知って和議開始決定前の弁済により取得した求償権をもって相殺することの可否
三 和議認可決定を受けた連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が和議開始決定後の弁済により取得した求償権をもってする相殺の要件及び限度
裁判要旨一 構成員に会社を含む共同企業体の各構成員は、共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務につき連帯債務を負う。
二 連帯債務関係が発生した後に連帯債務者の一人が和議開始の申立てをした場合において、右申立てを知って和議開始決定前の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、右求償権をもって和議債務者の債権と相殺することができる。
三 連帯債務者の一人について和議認可決定が確定した場合において、和議開始決定後の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、債権者が全額の弁済を受けたときに限り、右弁済によって取得する債権者の和議債権(和議条件により変更されたもの)の限度で右求償権をもって和議債務者の債権と相殺することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成10年4月14日 平成6(オ)2137
- 登載
- 民集 第52巻3号813頁
- 参照法条
- 民法442条,民法501条,民法675条,商法511条1項,和議法5条,和議法45条,和議法57条,破産法24条,破産法26条,破産法104条,破産法326条
論点20第676条民法
清算手続の終了前に組合財産の分割を請求することの許否
裁判要旨組合の解散後その清算手段の終了前に、組合員の一人から他の組合員に対し組合財産の分割を求める訴は、許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和44年11月18日 昭和44(オ)757
- 登載
- 集民 第97号401頁
- 参照法条
- 民法676条,民法683条
論点21第678条民法
やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力
裁判要旨やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は、無効である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成11年2月23日 平成7(オ)1747
- 登載
- 民集 第53巻2号193頁
- 参照法条
- 民法90条,民法91条,民法678条
論点22第679条民法
すでに解散した組合における組合員の死亡と民法第六七九条第一号の適用の有無
裁判要旨民法
第六七九条第一号〈前条の場合のほか、組合員は、次に掲げる事由によって脱退する。 死亡〉の規程は、すでに解散した組合における組合員の死亡の場合に適用されない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和33年2月13日 昭和28(オ)66
- 登載
- 民集 第12巻2号211頁
- 参照法条
- 民法679条1号